オティヌス「友達欲ぴぃいいいい!!!」上条「うるせぇ人形とでも遊んでろ!」 (122)



・上条×オティヌスではない気がするよ

・上条さんfigmaとかインちゃんバニーとか一方さんのアレとかとある系フィギュア持ってねぇ奴はさぁ今すぐポチるんだ!


・何でも許せる人向け。




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~夜、上条宅~



オティヌス「ふむぅ」モッモッ

インデックス「美味しい?ろっぴーちーず」

オティヌス「ああ」モッチャモッチャ

インデックス「…」

インデックス「…」チラッ

インデックス「…」ちんまい

インデックス「…」チラッ

オティヌス「うむ…美味」ムッチャムッチャ

オティヌス「今の私では一つ食べるだけで腹がいっぱいになるなコレ」モシャモシャ

インデックス「…はー…」

オティヌス「…なんだ?これみよがしに私の方を見て溜息つきやがって」ムス




インデックス「…そうやってオティヌスが自分の体の3分の2くらいの大きさの食べ物を食べてるのを見るとその体のサイズが羨ましくなるかも」

オティヌス「そうか?」ムチャムチャ

インデックス「いいなー…オティヌスは。あなたは両手で抱えるほどの大きさのチーズがたべられるのに」

インデックス「私は1口なんだよ…」ぱく

オティヌス「ハン!取り替えれるものなら取り替えてやるのだがな」

オティヌス「愛する人間が居ても抱きしめる事も体温を感じられるスキンシップを図る事も、否、そもそも人間扱いすらされんというのに」

オティヌス「社会的自己実現だってかなり制限されるし、1歩外へ出たらどんなに治安がいい街でも危険地帯。オマケに常に巨人の街で生きる事になるというのに」

オティヌス「そんなにこのサイズが羨ましいか?」

インデックス「あう。そうだよね、ごめんなさいなんだよ」

オティヌス「わかればいい」




インデックス「ちいちゃいのも不便なんだね」ぱく

オティヌス「ああ。ついでに気の置けない人間も全員もれなく巨人だ。」

オティヌス「全く…いやまぁ、やってきたことに対する罰としては軽いのだろうが、」

上条「ただいまー…」ガチャ


オティイン「「おかえりー」」




オティヌス「随分遅かったな」

上条「ええまぁちょっとまた面倒に巻き込まれてな!」

インデックス「もー!とうまはまたなの?」

オティヌス「…?なんだ、そのデカイ荷物は」

上条「ああコレ?お土産だよ。コレのせいで遅くなったんだ」

オティヌス「ほう?…ってこれはドールハウスじゃないのか?」

上条「ああ。お前にやるよ」

オティヌス「なんだと…!やった!コレで今も尚私を狙う猫めから身を守れる!」

スフィンクス「にゃ?」

オティヌス「フハハハハハハハハ!!」



上条「良かったな。で、喜べ!友達も連れてきてやったぞー」

オティヌス「…友達?」


上条「ほれ」

ごとん。

オティヌス「…何、どういう事だこれ」

上条「見たらわかるだろ?」

オティヌス「いやそれはわかるが」

オティヌス「私が聞いてるのはそういう事ではなくてだな、」







オティヌス「…何で私と同じくらいの大きさをした、お前のフィギュアがあるんだという事だ」


上条フィギュア「…」






上条「はは…なんか土御門が『カミやんのフィギュアとかそのシリーズ作って売ったら金になんじゃね?』って言い出してさ?」

オティヌス「確かにな」

上条「『そんなワケで作らせてみたぜい!売り上げはカミやん0.1でオレと青髪が4.95づつな!』とか言ってそれを出してきたんで訴訟ってーか制裁(物理)と没収してきた」

オティヌス「ふむ」


オティヌス「…」チラ

上条フィギュア

オティヌス(遠目でもわかるが…かなり完成度が高そうだな?)



オティヌス「どれどれ。とりあえず箱から出して遊んでみようじゃないか」バリバリリ

オティヌス「ああ、お前もコレで遊ぶか?」ニヤリ

上条「遊ばねーよ!つーか自分の人形とか気持ち悪いし!」

オティヌス「まあそうだろうな…ふむ」

上条フィギュア「…」

オティヌス「…随分精巧な、というか生々しい造形だな?」ペタペタ

オティヌス「おお…こんなとこまで柔らかいのか」プニプニ

上条「おいどこ触ってんだ」

オティヌス「見た通りだが?」

上条「あんまり俺に変な事すんなよな」

オティヌス「本人じゃないんだからいいだろ。気にしぃだな」

上条「いい気分にはならないだろ」

オティヌス「…どれ、ズボン脱がしてどうなってるかを」ゴソ

上条「おいやめろ」ペチ


オティヌス「しかし…」ペタペタ

オティヌス「フィギュア…というよりはリアルドールの方が名称としては正しそうだが」

上条「だよな…なんかその辺も相まって気持ち悪いんだよな…」

上条「まぁテキトーに遊んでてくれ。んじゃ、上条さんお風呂入ってくるから」

オティヌス「ああ」



上条フィギュア「…」

インデックス「軽くヒくくらいリアルなんだよ…」

上条フィギュア「…」

インデックス「なんか今にも動き出しそうかも」

上条フィギュア「…」

オティヌス「…見た感じ魔術的なものは無さそうだが」

インデックス「うん…私から見てもコレは魔術的なお人形さんではないんだよ」



上条フィギュア「…」



インデックス「どれどれ」グイグイ

上条フィギュア「…」グンニャリ

インデックス「おおー…腕とか膝とか人形っぽい関節の継ぎ目とかないんだね。…皮膚の中が球体関節なのかなコレ」

インデックス「…」グニャグニャ

インデックス「みてみて?とうまが直方体っぽい感じに!」


上フィ
ギュ条ア「…」


オティヌス「軟体動物もビックリなえげつないポーズだな」



インデックス「ふふっ。ひょっとして呪いの人形ーとかだったりして」

オティヌス「夜に動き出すとかか?」クク

インデックス「もしくはこのとうまの人形にした事がとうまにも起きるとか、同じような目に遭うとかね」

オティヌス「それはそれで面白そうだが」

インデックス「どれどれ。…えい!」コチョコチョコチョ

インデックス「…」

オティヌス「…」

インデックス「とうまー!今脇腹とかくすぐったかったりしたー?」


上条『はぁー?なんでだよ?別になんにもないぞー』




インデックス「ちえっ」

オティヌス「良かったじゃないか。どうやら夜に動き出す方らしいぞ」ケラケラ




インデックス「それはそれで怖いから箱にしまっておくんだよ」

オティヌス「まぁ待て。今夜は私にちょっと遊ばせろ」

インデックス「はいはい。」つ

インデックス「…」ファ…

インデックス「それじゃ…私はもう寝よっかな…」あふ

オティヌス「ああ、おやすみ」

インデックス「ん。おやすみなんだよー」



オティヌス「…」

オティヌス「…」チラッ


上条フィギュア「…」




オティヌス(…ホントにリアルな人形だな。まるで生きてるみたいだ)

オティヌス「おっと、忘れていた!私の新たな豪邸を開封して組み立てねばな!」バリバリリ

オティヌス「~♪」カチャカチャ

オティヌス「これは~♪ここに~おいて~♪」ガタガタ

上条フィギュア「…」

オティヌス「おお!コレ実際に電気もつくのか!」カチッカチッ

上条フィギュア「…」

オティヌス「ふはははは!!!これは快適な贅沢ライフの予感!!」

上条フィギュア「…」

オティヌス「よし!もうちょっとで組み立て完了だな」

オティヌス「…家財の類がほとんどないのが残念だが…まぁいいそのうち奴に強請るとしよう」

上条フィギュア「…」



オティヌス「~♪」カチャカチャ

上条フィギュア「…」
















上条フィギュア「…」ニタッ




オティヌス「ん?」チラッ

上条フィギュア「…」

オティヌス「…?まぁいい、ところでお前に朗報だ」

上条フィギュア「…」

オティヌス「光栄に思え。私は元から客人など滅多に招かないが…今日は気分がいい。特別だ」

オティヌス「お前を私の新築の最初の客人にしてやろう!」ドヤァッ!

上条フィギュア「…」



オティヌス「よいしょ…ぐっ、存外重いなお前」

上条フィギュア「…」

オティヌス「…許せ、引き摺るぞ?」

上条フィギュア「…」


オティヌス「♪」

上条フィギュア「…」ズルズルズル…




オティヌス「さ、入れ。ウェルカムドリンクはないがな」

上条フィギュア「…」


オティヌス「さて、扉を閉め、」

オティヌス「…」

オティヌス「もしかして腹とか押したら喋るのか?コレ」グニ

上条フィギュア「…」

オティヌス「ほれほれ」グニグニ…











ガシ。

オティヌス「?」











上条フィギュア「───そんな事しなくても喋るって」ニタッ

オティヌス「」













「いやぁあああああああああああ!!!!!!」








───────バタン。






今回はここまでぇ。










しゃわー…


上条「?」キュ



上条(今何か聞こえたような)






上条「?」カチャ

インデックス「ん…?」ムクッ

上条(インデックスは寝てた…つまりさっきのはオティヌスか)

上条「オティヌスー?今なんか言ったかー?」



「…」


しーん…


上条「…?」




上条「んー?」

インデックス「?」クシクシ

上条「なぁ、オティヌスは?」

インデックス「え?私寝てたからわかんないんだよ」

上条「んー…?」キョロキョロ


上条「あ、いたいた。」



オティヌス「」


上条「ハハ、なーんだドールハウスの中で寝てら」

オティヌス「」

インデックス「なーんだ。じゃあ寝言かなにかだったんだね」


オティヌス「」




上条「人騒がせな…」スタスタ

インデックス「とうま。よかったら私と一緒に寝る?」ニヤニヤ

上条「ば、ばかお前!ダメに決まってるだろ!///」

インデックス「うん知ってる。ちょっととうまのその反応が見たくなっただけだから」クスクス

上条「からかうなよ…」






オティヌス「」

「…」

ドールハウスの窓<シャッ



上条フィギュア「…ぷっ。」



上条フィギュア「バカだなぁ。”寝てる”んじゃなくて、”気絶してる”んだって。」

上条フィギュア「何で気づかないんだろうな、あの”俺”は」


上条フィギュア「…」チラッ

オティヌス「」




上条フィギュア「…そうだよなぁ…そう、そうだ、」

上条フィギュア「今なら。身体の大きさの問題とか意識の有無や許諾も必要ない、邪魔も入らない今なら。」



上条フィギュア「襲っちゃえるんだよなぁ…」チラ

オティヌス「」










ぎし。




上条フィギュア「…またあの時みたいに…抱きしめて、」


ぎゅ。


上条フィギュア「…あったかい…」

オティヌス「」

上条フィギュア「初めて人肌の温かさを、」



上条フィギュア「…識ってるはずなのに知らないって妙だな」






────────────

─────────────────

───────────────────────






オティヌス「────はっ!?」





オティヌス「…」

オティヌス「…」

オティヌス「…」


チュンチュン…



オティヌス(朝…か)




オティヌス「…私、確か…」



『───そんな事しなくても喋るって。』



オティヌス「…」ブルッ

オティヌス(アレは…夢、だったのか?)



オティヌス(あの人形はどこに)チラッ

オティヌス「ひっ」





上条フィギュア「…」




オティヌス「ぐ…なんで部屋の隅で体育座りしてこっち見てるんだ…」


オティヌス(くそっ!あんな所に置いた覚えもそんな体勢にした覚えもない!…気味が悪い)

オティヌス「…」チラッ

上条フィギュア「…」


オティヌス(それは…つまり、)



『─────そんな事しなくても喋るって』


オティヌス「…」ブルッ




オティヌス「…おい」

上条フィギュア「…」

オティヌス「そろそろしらばっくれるのはよせ。お前、生きてる、…んだろう?」

上条フィギュア「…」

オティヌス「…」

オティヌス「ちっ…だんまり決めこみやがって」

オティヌス(昨日のアレは…私の勘違いとか、幻覚とか何かそういう…)


『────そんな事しなくても喋るって』


オティヌス(いや…いやいや)ブンブンッ


オティヌス(勘違いなんかじゃない)

オティヌス(アレには意識がある。間違いなくな)

オティヌス(フン…別に動く人形など魔術世界じゃよくある事だ)

オティヌス(どうせアレも科学版ゴーレムみたいなものだろう)


上条フィギュア「…」


オティヌス「ええい!何か喋れ!」

上条フィギュア「…」

オティヌス「ぬぅぅー!」ジダンダ




オティヌス「ええい!拉致があかん!」

オティヌス「そこで待ってろ!」

上条フィギュア「…」


がちゃ、ばたん。





オティヌス「おい人間!もしくは禁書目録!」


しー……ん……


オティヌス「…なんだいないのか」

オティヌス「…」

<ガタッ

オティヌス「っ!?」ビクッ


キィ…キィ…


オティヌス「…ドールハウスのドアが、勝手に開い、」

オティヌス「…」ソロ…ソロ…


しーん…


オティヌス「…」ブルッ



オティヌス「…おいっ!」


しーん…


オティヌス「お前だろ!お前が動くのはわかっている!」

オティヌス「さっさと出てこい!さもなきゃベランダから突き落としてやる!!」


しーん…


オティヌス「…ほーう?いい度胸だ。そんなに紐なしバンジーがしたいなら仕方ないな!」

オティヌス「ふふん!私が直接手を下してやろう!」


しーん…


オティヌス「…」

オティヌス「…」

オティヌス「…別に怖くなどないからな?勘違いするな」


オティヌス(別にあの、アレだから。あの、魔導書とか原典とかのがもっと恐ろしいから実害あるから)

オティヌス「…」

しーん…


オティヌス(全く…何故こんな時に限ってあいつらはおらんのだ)

オティヌス(む?)



オティヌス(…そういえば…あの忌々しい猫はどうした?)




オティヌス(ヤツはいつもこうやって私が無防備に彷徨いていたら襲ってくるというのに)


しーん…


オティヌス(…何故、)


『─────そんな事しなくても喋るって』



オティヌス(   … ま さ  か…?  )




オティヌス(いや!いやいやいやいや!)ブンブンッ

オティヌス(バカだな私は!全く!どうせ禁書目録が外に連れ出したのだろう!全く!!)

オティヌス(全く!急に気を利かせやがって!全く!もっと早くやってくれても良かったのだぞ禁書目録!なぁ!)


オティヌス「…」

オティヌス「…」

オティヌス「…」カタカタ




オティヌス(いやいや…何を恐れる必要が。別に仮に喋って動いて住人をどうにかできてしまうとしても)

オティヌス(もっと恐ろしい奴等などいくらでも知り合いにいるじゃないか。なぁ?)

オティヌス(フン!グレムリンにはもっと恐ろしい能力やとんでもない化物染みていた奴等だっていたのだぞ?)

オティヌス(何を恐れる必要が────)



<バタン


オティヌス「」ビクッ


オティヌス「…な、なんだ風か何かでドールハウスのドアが勝手に閉まっただけかー…」

オティヌス「無風の部屋で勝手に閉まるなど、…おい!わかってるんだからな!お前が生きてるのわかってるんだからな!」


しーん…


オティヌス「…」

オティヌス(ああうざったい!なら宣言した通りベランダからダイブさせてくれるわ!)

オティヌス「覚悟し、───ん?」


オティヌス「…」
■■■■■■■■



オティヌス(…おい、なんで床に差している私の影の後ろに、私と同じぐらいの背丈の影が差してる?)



上条フィギュア「…」
オティヌス「…」


オティヌス(い、る…!居るぅううう!!)
上条フィギュア「…」



オティヌス(背後に!気配を!感じるぅううう!)ガタガタ
上条フィギュア「…」


オティヌス(おのれいつの間に!!)
上条フィギュア「…」





オティヌス「ふふん…!わ、私の後ろに立つとはいい度胸じゃないか…」プルプル
上条フィギュア「…」



オティヌス「どうやって後ろ立ったか知らんが覚悟しろよ」プルプル
上条フィギュア「…」


オティヌス「う、」プルプル
上条フィギュア「…」


オティヌス(振り向く!よし、振り向くぞ!)
上条フィギュア「…」


オティヌス(振り向いて、一気に殴って、)
上条フィギュア「…」





オティヌス「う、うぉおおおお!!」バッ






上条フィギュア「…」ニタァ。

オティヌス「」ビクッ







上条フィギュア「あはははははははははははは!!!」カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ
オティヌス「ふ、ふやぁああああああ!!!!」





オティヌス「」


ばたっ。



オティヌス「」




上条フィギュア「…」ニコッ。




今回はここまでぇ。みさきちフィギュアの特典小説読んでるヤツならきっとお察し。




────────

────────────
─────────────────




オティヌス「──っはっ!!」ガバッ

オティヌス「…」

オティヌス「今、何時だ…?」

時計「そんな経ってない」

オティヌス「…」




オティヌス「───なんだ、まだそんなに経ってな」フゥ
上条フィギュア「よう」



オティヌス「.|?°゜|.`&♪@&?☆!?([‰%㎜㎞$¥㌢])??」

上条フィギュア「あはははははは!!!」



オティヌス「きさっ、貴様ァァァ!!」

上条フィギュア「いやごめんごめん。散々怖がらせたのは悪かったって」ケラケラ

オティヌス「怖っ、…怖くなどはなかったが!!」

上条フィギュア「へぇ?」ニヤニヤ



オティヌス「気持ち悪いんだよ!ええい貴様なんぞ燃えるゴミに出してくれるわ!」ガシッ

上条フィギュア「待って!待ってください魔神様お願い!」

オティヌス「はぁ。」

オティヌス「…というよりだな、貴様は一体なんなんだ?」

上条フィギュア「俺?」

オティヌス「そうだ。妖精だとでも言う気か?言ったら殺すが」

上条フィギュア「やだ物騒」

オティヌス「で?」

上条フィギュア「…」



        アナトミ-メカトロニクス
上条フィギュア「”工科標本”って知ってるか?」

オティヌス「知らん」

上条フィギュア「あー簡単に言うとさ、バイオテクノロジーで『その人間そのものを小型化した物を作ってみよう』って試みで」

上条フィギュア「内蔵とか骨とか…上条当麻の肉体をそのままミニチュアで再現した物。それが俺。」

オティヌス「要は縮小したクローンって事か?」

上条フィギュア「ある意味では。ただ脳味噌だけは完全に再現出来ないから超能力者で俺みたいなのを作っても能力とかは再現出来ないらしい」

オティヌス「…さすが学園都市。吐き気がする物をよく作る」



オティヌス「それで?アイツの縮小コピー人間が何の用だ」

上条フィギュア「…」

上条フィギュア「用、用は…ない、かなぁ」

オティヌス「ならとっとと失せろ」

上条フィギュア「…」

オティヌス「なんだ。何か言いたい事がありそうだな」

上条フィギュア「…あのさ、」

オティヌス「ああ」

上条フィギュア「例えばさ、例えばの話なんだけど」

オティヌス「なんだ」

上条フィギュア「もしもある日突然、気がついたら自分がロボットになっていたとしたら」

オティヌス「…」



上条フィギュア「…お前ならどうする?」

オティヌス「…」


オティヌス「…そうだな、」

オティヌス「ひとまずは原因究明と元に戻るための努力をするんじゃないか」

上条フィギュア「そうだよな」

上条フィギュア「で、もしも。」

オティヌス「…」

上条フィギュア「もしも『何はともあれとりあえず家に帰ろう』って家に帰ったとして、」

オティヌス「…」

上条フィギュア「もしもさ、」

上条フィギュア「そこには見慣れた生身の自分自身が居て、」

上条フィギュア「変な話、『自分よりも”自分”らしい本物』がそこに居たとしたら」

上条フィギュア「お前ならどうする?」

オティヌス「…」


オティヌス「そうだな、」

オティヌス「『知るか。私は私で、今ここに居て思考し生きているのが私だ』と考えて」

オティヌス「周囲に事情を話し、目の前の本人のような者をふんじばって自分が本物であると主張する」

上条フィギュア「…そっか」

上条フィギュア「じゃあ、もし。『明確に自分が偽物だという自覚がある』としたら?」

オティヌス「…」

オティヌス「お前」

上条フィギュア「ああ」

上条フィギュア「それがまさに今の俺。」




上条フィギュア「上条当麻の記憶を学習装置でインストールされただけのミニチュアクローン。」

上条フィギュア「その記憶もある。俺は…間違いなく創られた人間だ」

上条フィギュア「だのに」

上条フィギュア「なまじその再現性が高いから…」

上条フィギュア「…俺さ、今すっごく喪失感ある」

オティヌス「…」

上条フィギュア「居場所とか存在とか…根こそぎ奪われて」

上条フィギュア「ああ…そういえばお前の無限地獄世界の中にもこういう世界あったよな」

オティヌス「その記憶もあるのか」

上条フィギュア「ああ。」



上条フィギュア「…なんだよ。アイツ誰だよ。俺の顔して、俺より俺で、」

上条フィギュア「なんで俺の体はこんなに小さくて、」ブツブツ

オティヌス「フム…」

オティヌス「ちなみにホントに貴様は偽物なのか?」

オティヌス「貴様が勘違いか何かをしていて本物の上条当麻から記憶や人格を吸い出されてその肉体に入れられてるとか」

上条フィギュア「残念だけどそれはない。」

オティヌス「ふむ?論拠はなんだ」

上条フィギュア「感覚的なモノだから言葉にしづらいんだけど」

上条フィギュア「なんていうか…俺が持ってる記憶は『こういう事があったって識ってるけど実際には体感した感覚がない』」

オティヌス「ああ?」


上条フィギュア「ええと…例えば、『アップルパイを思い浮かべてください』って言われたとする」


上条フィギュア「すると、それに対する知識とか『自分にとって好ましい味』とか『ほんのりとしたバターの香り、サクサク、リンゴの果肉の甘みとみずみずしさ』とか」

上条フィギュア「そんな自分が過去に感じた五感に基づく知識も想起されるだろ?」

オティヌス「ふむ」

上条フィギュア「けど、俺にはそれがない」

上条フィギュア「記憶はあるんだ。学園都市での今までの暮らしも事件もイタリアでの死闘もイギリスのクーデターもロシアでの衝突も」

上条フィギュア「グレムリンや魔神達、お前とのあの世界を渡り歩いた日々も」

オティヌス「…」

上条フィギュア「けど…そう、お前とのあの無限世界で具体的にどんな地獄が繰り返されてきたのか。『本来の俺が忘れてるはずの事』も覚えてるんだ」

上条フィギュア「なのに…その記憶に関してもどこか他人事なんだ。」

上条フィギュア「あれだけ痛い思いをしてきたはずなのに『どのくらい痛かったか』を知らない」

上条フィギュア「なんていうか…『名前は知ってるし味もある程度は聞き及んでいて想像できるけど食べたことない料理』みたいな」

オティヌス「…」


上条フィギュア「ともかく。俺は間違いなく創られた存在で、その自覚もある」

上条フィギュア「なんとか研究所から抜け出して、土御門が作らせていた玩具と入れ替わってここまで戻ってきたはいいけど、」

上条フィギュア「…まぁ、そんなわけで」


上条フィギュア「今の上条さんは行く場所もあてもない小人なんですよ」ハハ

オティヌス「…」

オティヌス(フン。なに今にも泣き出しそうな顔で笑ってる)

オティヌス(ズルいぞ。そんな顔をされたら何とかしてやりたくなるじゃないか)



オティヌス(…、どうしたものかな)




今回はここまで


オティヌス「…まぁ、とりあえずここに居たらいいんじゃないのか」

上条フィギュア「…いいのか?」

      オリジナル
オティヌス「あいつにも事情を話せばお前一人ここに置くくらい許可するだろ。」

オティヌス「何せ貴様だ。”上条当麻”が目の前で困ってる人間を見捨てるものか」

上条フィギュア「なんか恥ずかしいな…///」

オティヌス「それに…なんだ、」

上条フィギュア「?」

オティヌス「久しぶりに自分と同じ背丈の人間と会えた」

上条フィギュア「あ…」


オティヌス「少しゆっくりしてけ。私も退屈だったのだ」

上条フィギュア「……お言葉に甘えて邪魔するよ」

オティヌス「ああ」

上条フィギュア「…」

オティヌス「…まぁ複雑だろうな。感情的にはここは自分の家で、そこに住むのに誰かの許可がいるなんて有り得んのだから」

上条フィギュア「まぁ、な…」

オティヌス「飲み込んでおけ。その内慣れる」




オティヌス「しかし…なんだな、貴様をなんと呼称しようか」

上条フィギュア「いつも通りでいいんじゃないのか?『人間』とかで」

オティヌス「そうではない。私が貴様をどう呼ぶかではなく、オリジナルとは差別化をはからんと第三者と話してる時に面倒だろうが」

上条フィギュア「えー…じゃあプチ条とかミニ条さんとか」

オティヌス「そんな可愛らしいのは認めん。呼びにくいし、そう呼ぶ私が恥ずかしいわ!」

上条フィギュア「なんだそりゃ」ハハ


オティヌス「そんな可愛らしいのは認めん。呼びにくい」

上条フィギュア「じゃあどんなのがいいんだ?好きに決めてくれよ」

オティヌス「…」ンー

オティヌス「…」

オティヌス「!」

オティヌス「…トウマでいいだろ。」

上条フィギュア「ファーストネーム?余計恥ずかしくないのか?」

オティヌス「いいだろ別に。貴様だって変な名前つけられるのは嫌だろう?」

上条フィギュア「そりゃあまあ…」




オティヌス「偽物だろうがなんだろうが、貴様も”上条当麻”だろう」


オティヌス「どれだけ自覚があろうとそんな一朝一夕で『今までの自分と今の自分は別人だ』など割り切れるものではないだろうしな」

上条フィギュア「オティヌス…ありがとう」



オティヌス「…トウマ。」ポソリ

トウマ「ん?なんだ?」

オティヌス「…」

オティヌス「///」モジ

トウマ「やっぱ照れてんじゃん!!ファーストネーム呼び慣れてなくて顔真っ赤じゃねーか!」

オティヌス「ばっ!バカ言え!この私がそんな少女染みた反応などするわけなかろう!///」

短いけど今回はここまででやんす

訂正。

>>89
オティヌス「そんな可愛らしいのは認めん。呼びにくい」

は無し。


ガチャ、バタン!



「ただいまー」



オティヌス「おっ、噂をすれば」

トウマ「…なんか複雑だな、やっぱ」

オティヌス「まぁその内慣れるだろう」




オティヌス「おお、そうだ!アイツもビックリさせてやろう!」

トウマ「え?」

オティヌス「いいか?とりあえずそこで寝てろ。で、玩具のフリしてろ」

トウマ「ああ、急に動いてビックリさせるって?」

オティヌス「ああ」ニヤニヤ


・・・・・。




上条「はー…疲れた」

オティヌス「おう、おかえり人間」ニヤニヤ

上条「ん?俺のフィギュア?…気に入ったのか?」

オティヌス「ん?まぁな」

上条「ふーん…」

オティヌス「まあほれ、触ってみろ。なかなか感触もいいぞ」

上条「…」

上条「…いや、いいわ」

オティヌス「?」



上条「…あのさ、今日御坂妹と御坂が一緒にいてさ」

オティヌス「はぁ」

上条「御坂妹が帰った時に御坂が言ってたんだ」

オティヌス「…」

上条「『私さ、』」

上条「『昔「もう1人の御坂さんがいるみたいな噂がありますけど、どう思いますか?」って聞かれて』」

上条「『ちょっと気持ち悪いかなって言っちゃった事があったのよ』」

上条「お前!…って言おうかと思ったんだけどさ…」

オティヌス「…」

上条「なんかそれ見てたら俺もちょっと思うな」




上条「やっぱ自分がもう1人居るとか気持ち悪りィよな」ハハ





オティヌス「…」

トウマ「…」




オティヌス「…なぁ、もしこの人形が生きててお前のクローンだとしたら?」

上条「やめろよ…そりゃ命とか人格とかは尊重するけどさ、」

上条「正直ウチには置きたくないなぁ」ハハハ

上条「どこか遠くで幸せになってもらおう」ウンウン

トウマ「…」

オティヌス「…」







オティヌス「…そうか…そうだよな」

トウマ「…」



今回はここまで

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