【SideM×逆転裁判】輝「異議あり!」 (194)

『逆転裁判』と『アイドルマスターSideM』のクロスSSです。
時系列としては
・劇場版アイマスでは合宿後ミニライブ前
・逆転裁判では成歩堂龍一が弁護士バッジを返却したあと
の8月となります。

またアイマス側は本家765、ミリマス、デレマスのキャラも登場します。
なお、被害者・犯人はオリキャラですのでご安心を。

内容は探偵パート法廷パート一日ずつです。
システムは1のシステム+大逆転の共同推理となっています。

SS書くのは初めてなので、気軽に読んでいただければと思います。
注意点として
・どこかで見たようなトリックや展開となっています
・少々カオス展開があります
以上となります。
それでは、次スレから本編となります。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1510904315

エピソード選択

>>第1話「最後の逆転」


https://www.youtube.com/watch?v=kMvznKdlVUg&index=1&list=PL513A819E4B21FA11

?「はあ、はあっ……」

?「こいつが悪いんだ、俺の道を邪魔しようとするから……」

?「あとはこいつをあそこに放り込んで、偽装すれば……」

?「罪はあいつになすりつけてやればいい。」

?「俺の人生を破壊した、大人気アイドルに……!」

https://www.youtube.com/watch?v=JJZ9-LjgSzY&index=22&list=PL513A819E4B21FA11

 -2019年1月某日 某法律事務所-


輝「手を引くって、どういうことですか、所長!」

所長「状況が変わったんだ、もう彼らを完全無罪と主張することはできない」

輝「しかし、今から調査すれば、新しい証拠を見つけられる可能性もあるのでは!」

所長「報酬も見込めない刑事裁判にそこまで時間をかけていられるか!もう諦めるんだ、天道」

輝「っ!…分かりました」

輝「本日限りで、退所させていただきます、今までありがとうございました」

所長「な、なにっ! おい、待てっ、天道!」

輝「本当に困っている人を救えないなら、この事務所にいる意味はない! ……失礼します」





少年「お兄ちゃんの嘘つきっ!絶対見捨てないっていったくせに!」

少年「僕を信じるって言ったのに…いなくなっちゃうんだ」

輝「違う!俺はこのスカーフの星に誓って正義を貫く!」

輝「お前を絶対に守ってやる、約束だ!」





サイバンチョ「弁護人、ほかに主張することはありますか?」

輝「い、いえ……これ以上は提出する証拠もありません……」

サイバンチョ「ふむ、それでは当法廷の見解を述べましょう」

サイバンチョ「被告人には完全無罪となる可能性も提示されたが、証拠品の検討不十分により現在では無罪とすることはできません」

サイバンチョ「なお、本日は3日目で審理最終日であるため、被告人に最終的な判決を言い渡し、審理の延長はなしとします」

サイバンチョ「被告人は有罪とし、その身柄を拘束します。被告人の罪状は後日審理いたします」

サイバンチョ「本日はこれにて閉廷!」

輝「うっ、ううう……」

輝「うおおおおおおお!!」

輝(俺はあの子との約束、守れなかったのか……)

 ――2019年8月20日 午前8時15分 天道宅――

携帯電話のアラーム
https://www.youtube.com/watch?v=YeAIC8nit5s&list=PL513A819E4B21FA11&index=21

輝「もう朝か……あの夢は何回見ても慣れないな……」

輝(俺の名前は天道 輝(てんどう てる)。フリーの弁護士だ)

輝(今から五か月前、事務所の方針と対立して事務所を退所し、フリーになった)

輝(しかし、なかなかフリーで食っていくのも大変で、最近は依頼がなく探偵の真似事のようなこともしてどうにかやっている)

輝「おっ、久しぶりに依頼メールが来ているな。差出人は…真壁さんか」

輝「あの人にはずいぶんとお世話になったからな、一度話を聞いてみるか」





 -2019年8月20日 午前10時 真壁宅-

真壁父「おお、来てくれたか、天道君」

輝「ご無沙汰しております、真壁さん」

輝(この人は真壁さん、俺の師匠でもある弁護士だ)

輝(最近は依頼を多く受けられていて、毎日飛び回っており新聞でもよく報道されている)

真壁父「多忙かもしれないのに、わざわざ悪かったね」

輝「いえ、実はフリーになってからは初めての弁護の依頼でして…」

真壁父「そうか、君もフリーになったのか」

輝「はい、事務所のやり方と対立しまして」

真壁父「確か、あの裁判は審理最終日で終了したんだったな……改めて序審法廷の問題を再認識させられた」

輝(そう、序審法廷。そのシステムが俺と事務所を対立させた)

輝(序審法廷とは増え続ける犯罪に対処するために、有罪か無罪かを三日以内の審理で決める制度だ)

輝(俺は二日目の法廷で、依頼者の無実につながる可能性を提示した。しかし事務所は手を引くことを選んだ)

輝(理由は、2つある。1つは、俺の立証方法で、被告人が確実に無罪になるとは言い切れなかったからだ)

輝(もう1つの理由は、あの裁判は、被告人に過失致死を主張できる可能性があったからだ)

輝(序審法廷で有罪になると、あらためて量刑を決定する裁判が行われる。事務所は被告人に罪を認めさせ、後の裁判で情状酌量を主張する弁護を行い、さらなる報酬を獲得しようとしたんだ)

輝「あの時、事務所は依頼人を完全に信じようとはしなかったんです。ただ、金のために弁護をしていた」

輝「そんな事務所には、所属している意味はないと感じたんです」

真壁父「君は事務所を捨ててまで裁判に挑んだ。だが……」

輝「証拠調査が間に合わず、敗訴してしまったんです」

輝(三日目の審理には、俺一人で挑んだ。しかし、つかんでいた証拠の調査は俺1人では到底手に負えるものではなく、事務所の協力なしでは調査できないものだった)

輝(そして、裁判は証拠不十分で敗訴してしまったんだ)

輝「今でも思うんです。あのとき事務所が証拠の調査に協力してくれたら。あるいは、序審法廷がなければ依頼人は無罪判決を受けられたんじゃないか……と」

真壁父「序審法廷には大きな限界がある。そのことを指摘するものは、法曹界の中にも少ないがね」

真壁父「おっと、そろそろ依頼の話に入ろうか」

輝「はい、確か765プロのアイドルを弁護する、といったものでしたね?」

真壁父「765プロの社長には昔世話になってね。私も多くの案件があるので、引き受けてくれる弁護士を探していたところだったのだよ」

輝「ひょっとして、他の弁護士には…?」

真壁父「君の想像通り、断られてしまった。この時代、ほとんど勝算がない刑事裁判を引き受ける弁護士は数少ないだろう」

真壁父「だから、私は君に相談しようと思った。君なら、この依頼人を助けてくれるとね」

真壁父「どうだい、天道君。引き受けてもらえるかな?」

天道(俺には、まだ迷いがあった。それは、俺の弁護で本当に依頼人が救えるのかという迷いが)

天道(…いや、救えるかどうかじゃない。救ってみせるんだ!)

天道「真壁さん、俺は正直被告人を救えるか自身がありません。しかし…」

天道「俺がこの弁護を引き受けなければ、きっと後悔すると思うんです。この依頼、引き受けさせてください!」

真壁父「君ならきっとそう言ってくれると思っていたよ。しかし、私が君に完全に任せてしまうのも申し訳ない…」

真壁父「そうだ、君に1人助手をつけるとしよう」

輝「助手、ですか?」

真壁父「そうだ、私の娘だがね。観察眼が鋭いから、きっと調査にも役に立つはずだ。瑞希、入りなさい」

http://www.nicovideo.jp/watch/sm31106116

瑞希「失礼、いたします。真壁瑞希です」

輝「ありがとうございます!明日が裁判で時間がないので、誰かもう一人捜査を手伝ってくれる人が欲しかったので助かります」

輝「瑞希ちゃんだね、弁護士の天道輝です、よろしく!」

瑞希「よろしくお願いします、天道さん。……がんばるぞ」

真壁父「では、天道くん。あとはよろしく頼んだよ」

輝「任せてください!」

輝「まずは、被告人のところに、面会に行くか。…とその前に」

輝「瑞希ちゃん、何か事件のことをまとめたデータはないかな?家をすぐに飛び出してきたから、事件の詳細を把握できてなくて」

瑞希「はい、父がまとめたデータがここに」

輝「ありがとう、助かるよ!」

証拠品<<事件概要>>を法廷記録にファイルした。

調べる>事件概要

事件現場:赤坂ブーブーエススタジオ

被害者:照美 津久留(てれび つくる)34歳 ブーブーエスTVメインディレクター

被告人:天海 春香(あまみ はるか) 18歳

13時30分、被告人が凶器を手に持ち、被害者に向かい合っているところを2人のアイドルに目撃される。

輝「じゃあ、被告人との面会に向かうぜ!」






 ――2019年8月20日 午前11時 留置所――

係官「それでは、面会の時間までしばらくお待ちください」

輝「ふう、じゃあしばらく待つとするか!」

瑞希「……」

輝(しかし、思ったより無口な子だな)

瑞希「……あの、天道さん」

輝「なんだい、瑞希ちゃん?」

瑞希「天道さんは、どうして弁護士になったんですか?」

輝「弁護士になった理由か、それは……」

輝「苦しんでいる弱い人を、救いたいからかな」

輝「俺、昔からヒーローとか好きでさ、憧れてたんだ」

輝「そんな時に、冤罪で苦しんでいる人がたくさんいて、多くの人が無実でも有罪になっていると知ったんだ」

瑞希「序審法廷制度、そのシステムで多くの人が有罪判決を受けている。……いつも父が私に言っています」

輝「そんな人たちを救うために、俺は弁護士になったんだ。だけど現実は……」

係官「弁護人、面会の時間です」

輝「分かりました、ありがとうございます。ま、とりあえず話を聞いてみよう!」

瑞希「そうですね。依頼人を、助けるために」

?「あ、あなたが弁護士さんですかっ?」

輝「はい、弁護士の天道輝と申します。あなたは…」

http://www.nicovideo.jp/watch/sm28375592

春香「765プロ所属アイドル、天海春香ですっ!よろしくお願いします!」

春香「あっ、私のことはこの記事を読めば分かりますので!」

証拠品<<新聞記事>>を法廷記録にファイルした。

輝「テレビでいつも拝見していますよ。特にキサラギでの演技、素晴らしかったです!」

瑞希「天海さんは、たしかここ1年で大きく出番が増えたのですよね?」

春香「はいっ。事務所も1年前はほとんど仕事がなかったのに、いまや看板番組まで持たせてもらって!」

春香「そんな大事な時に、こんなことになるなんて……」

輝「とりあえず、事件当日のことを聞かせてください」

春香「わかりました」

https://www.youtube.com/watch?v=jQSZhXAUZRc&list=PL513A819E4B21FA11&index=15

春香「当日、つまり昨日なんですけどブーブーエススタジオで収録があったんでです」

春香「765からは私一人で、あと346プロから小日向美穂ちゃん、片桐早苗さんと共演していました」

春香「収録は13時に終わったんですが、その時に私の携帯に奇妙なメールが入っていたんです」

輝「メール、ですか?」

春香「はい、13:30に、倉庫に来てください。といったメールです。そのメールに従って私は13:30に倉庫に向かいました」

春香「倉庫についてドアを開けたら、被害者の方が仰向けになって倒れていたんです……」

春香「私、びっくりしちゃって。思わず被害者の足元に落ちていた銅像に手を触れてしまったんです」

瑞希「もしかして、そこを誰かに……?」

春香「はい、先ほどの共演者である美穂ちゃんと早苗さんに目撃されました」

春香「そして、警察の方が到着された後、身柄を拘束されてしまったんです」

輝「……なるほど、よくわかりました。天海さん、一点だけ確認しておきたいんですが」

春香「はい、何ですか?」

輝「あなたは、昨日被害者に対して危害を加えたのか。これだけです」

春香「私は、一切何もしていません。本当です、信じてください!」

輝(天海さんの目を見て分かった。この人は嘘はついていない。なら、俺にできることは……)

輝「わかりました、天海さん。あなたを信じます。依頼、引き受けさせてください!」

春香「ありがとうございます!よろしくお願いしますっ!」

証拠品<<春香へのメール>>を法廷記録にファイルした。





 ――2019年8月20日 午前13時 赤坂ブーブーエススタジオ 倉庫――

輝「よしっ、次は現場調査だ、腕が鳴るぜっ!」

瑞希「頑張りましょう、えいえいおー」

?「あら?ここは部外者立ち入り禁止よ?」

輝「あっ、すいません。実はこういうもので」

つきつける>弁護士バッジ

?「これは…あなたが春香ちゃんの弁護士さん?」

輝「はい、天道輝と申します」

?「そうだったのね。じゃあ入ってもらって大丈夫よ」

http://www.nicovideo.jp/watch/sm27576179

早苗「私は346プロ所属のアイドル、片桐早苗よ。よろしくね!」

瑞希「…あの、片桐さん」

早苗「何かしら?」

瑞希「どうして、片桐さんが警察のようなことをされているのですか?」

早苗「ああ、そのことね。実は、警察も人手不足で、調査の刑事を派遣できないみたいなのよ」

早苗「実は私、元警察なの。第一発見者でもあるから、こうして捜査に協力してるってわけ」

輝(元警察とはいえ、アイドルを捜査に関わらせる警察って、そんなのありかよ!)

早苗「あ、私が春香ちゃんを逮捕したわけじゃないわよ?私は昨日事件を発見し通報したわ」

早苗「ただ、その時も知り合いの殺人担当の刑事から「すまないけど、今手が離せないッス!自分が到着するまで、現場保存と初動調査をお願いしたいッス!」って頼まれちゃったのよ」

早苗「仕方がないから、警察が到着するまでの間に現場保存もかねて初動調査を行ったわ。殺人事件の捜査も経験したことがあったし」

早苗「その先輩刑事が来ると、現場と私の調査結果を見て、「犯人はあんたしかいないッス!逮捕ッス!」といって連れて行っちゃたのよ」

輝(自分が調査していないのに逮捕してしまうなんて、その刑事さん大丈夫なのか?)

瑞希「この国の警察が、少し心配になります」

輝「俺は少し、じゃなくてだいぶ心配になるな……」

早苗「で、今日は改めて現場調査に協力してるの。何か質問があったら答えるわよ?」

輝「では、第一発見時の様子を教えてください」

早苗「いいわよ。昨日は確か13時に収録が終わったの。この建物とは別の収録棟でね」

早苗「楽屋に戻ってから、美穂ちゃんと春香ちゃんにあいさつに行こうと楽屋を出たら、倉庫の扉が開いていたの」

早苗「その時、倉庫の中を覗いてみると春香ちゃんが凶器を手に持って、犯人の正面に座り込んでいたわ」

輝「凶器は何だったのですか?」

早苗「凶器は、銅像よ。倉庫にしまわれていたみたい」

輝「分かりました。では、こちらの方で調査させていただきます」

早苗「ええ、また何かわからないことがあったら聞いてちょうだい」

https://www.youtube.com/watch?v=B8eYyOngqcI&index=13&list=PL513A819E4B21FA11

輝「さて、調査開始だっ!」


調べる>凶器

輝「すごく硬そうな銅像だな、殴られると痛そうだ」

瑞希「実際に使ってみると、威力が分かるのでは。……冗談です」

輝(……真顔で言われると怖くなるな)

輝「残念ながら、天海さんの指紋がついているのは否定できないな……」

証拠品<<凶器>>を法廷記録にファイルした。

調べる>照美の死体

輝「何度見ても、これだけは慣れないぜ……」

瑞希「仰向けになって倒れていますね……少し違和感がありますが」

輝「どうしてだい?」

瑞希「急に襲われたにしては、姿勢が良すぎる気がします。まるでどこかで寝かされていたような」

輝(確かに、どこかに押し込められていたような感じがあるな……一応メモしておくか)

証拠品<<照美の死体>>を法廷記録にファイルした。


調べる>照美の帽子

輝「これは、被害者が身に着けていた帽子だな」

瑞希「…ごそごそ。この帽子、背後に変わった素材が使われてますね」

早苗「なんでも、暗いところで光るそうよ。夜間ロケで目立つようにしていたみたい」

輝(目立つのはディレクターではなく出演者の方だと思うんだがな)

証拠品<<照美の帽子>>を法廷記録にファイルした。

調べる>巨大冷蔵庫

輝「やけに巨大な冷蔵庫があるな」

輝「でも、こんなに大きいと電気代もかかりそうだ」

瑞希「……確かに家庭用のものよりは、消費電力が大きいようです」

輝「こんなもん使ってたら、電気代がバカ高くなっちまうぜ」

瑞希(天道さん、苦労されてるんですね)

早苗「でも、このテレビ局って設備は古いのよねー。この前なんか楽屋でドライヤー使ったらいきなりブレーカー落ちたことあったし」

輝「それってテレビ局としてまずいんじゃ……?」

早苗「一応スタジオ棟とは電源が別だから問題ではないそうよ」

証拠品<<巨大冷蔵庫>>を法廷記録にファイルした。


調べる>携帯電話

輝「これは、被害者の携帯電話だな」

輝「送信履歴は、やはり残っているか……」

証拠品<<照美の携帯電話>>を法廷記録にファイルした。

瑞希「あの、天道さん。こっちにも、まずい証拠が出てきました。あわあわ」

輝「どれどれ。確かにこれはまずい証拠品だな……」

証拠品<<脅迫状>>を法廷記録にファイルした。

輝「調査はこんなもんか……さて片桐さん、1つ、よろしいですか?」

早苗「え、ええ。何かしら?」

輝「調査したところ、確かに天海さんの指紋が付いた凶器や脅迫状はありました」

輝「しかし、これらは状況証拠ばかりです。さらにあなた方は天海さんの決定的な犯行瞬間を目撃したとは言っていない。にもかかわらず、天海さんは逮捕された」

輝「ひょっとして、俺たちがまだ見ていない<<決定的な証拠>>があるんじゃないですか?」

早苗「……さすがに隠せないか。でも、申し訳ないけどこれ以上は相手に手の内を明かせないかな」

早苗「私も明日の裁判、検察側の証人として喚問されているの。だから、これ以上は情報は渡せないわ」

輝「……分かりました。それでは、明日の法廷で会いましょう」

早苗「1つだけ言えることがあるわ。」

輝「何ですか?」

早苗「検察側は、<<被告人の犯行をカンペキに立証できる>>証拠を掴んでるってことね」





 -2019年8月20日 午前14時 赤坂ブーブーエススタジオ 楽屋前-

輝「カンペキな証拠、ねえ……」

瑞希「……そのようなものが、存在するのでしょうか」

輝「ん、どういうことだ?」

瑞希「天海さんが無実なら、彼女を有罪とするような証拠は存在しない。どこかに穴があるということです」

瑞希「だから、私たちでその穴となるものを探す、ということです」

輝「穴、か……確かに、そうだよな」

輝「悪い、少し弱気になってたな。捜査、頑張ろうぜ!」

瑞希「もちろんです。えいえいおー」

?「あっ、あのー、ひょっとしてあなたが春香さんの弁護士さんですか?」

輝「あ、ああ。そうだけど、君は?」

http://www.nicovideo.jp/watch/sm23744881

百合子「私、七尾百合子っていいますっ!スクールに通うアイドル候補生なんです!」

瑞希「アイドルの卵、でしたか。でも、どうしてこんなところに?部外者は立ち入り禁止のはずですが……」

百合子「実は私、昨日春香さんと一緒に収録の見学に来てたんです」

百合子「今度、765プロのライブにバックダンサーとして出演させていただくんです。なので、春香さんが収録見学に誘ってくださったんです」

百合子「それで、スケジュールが合うのが私しかいなかったので見学させていただいたんです。でも、収録後、あんなことになって……」

百合子「居ても立っても居られなくなっちゃって、現場に来ちゃったんです。片桐さんに相談したら、特別にこの建物に入れてくださったんです

輝「なるほど、そうだったのか……」

百合子「……あの、弁護士さんっ!私に何かお手伝いできることはないですか?」

百合子「春香さんは、私たち候補生のこともすごく気にかけてくださるんです。何か、少しでも力になりたいんです!」

輝「……分かった!じゃあ、まず七尾さんに聞きたいことがあるんだけど」

百合子「はい!何ですか?」

輝「まだ、事件の関係者で1人だけ会っていない人がいるんだ。それは……」

つきつける>人物ファイル 小日向 美穂

輝「片桐さんと一緒に倉庫で天海さんを目撃した小日向さん。まだ俺たちは会えていないんだけど、七尾さんはどこにいるか知ってるかな?」

百合子「小日向さんですか?さっき廊下ですれ違って、この楽屋に荷物を取りに来たって言っていましたよ!」

輝「ありがとう、七尾さん!これで新しい手掛かりをつかめるかもしれない!」

瑞希「一歩前進、ですね」

輝「ああ!さて、話を聞いてみるか」

コンコンコンッ……

輝「すいません、小日向さんいらっしゃいますか?天海さんの件でお話が聞きたいんですけども……」

美穂「あ、入ってもらって大丈夫です!」

輝「そうですか?じゃあ、失礼しま……うわっ!」

瑞希「どうしたんですか、天道さん。うおっ」

輝(楽屋の惨状を見た俺は驚いた。なぜなら……)

輝「ど、泥棒が入ったんじゃないかってくらい、荒らされていますね……」

美穂「うっ、ううう……」

輝(どうやら、この楽屋の惨状、美穂さんに関係ありそうだな……)

輝「あ、あのー、これは一体……」

https://www.youtube.com/watch?v=Rw2zk-PNLv0&index=30&list=PL6akIKaXBeU2RcQD7r88EPwcRPRplDwF7

百合子「……なるほど、私にはすべて分かりました!」

百合子「この部屋で、何が起こったのか、そして小日向さんが何をしていたのかが!」

輝「な、七尾さん??」

百合子「それでは始めるとしましょうか、七尾百合子の『論理と推理の実験劇場』をッ!」

輝(まったく聞いてないな、これは……)

https://www.youtube.com/watch?v=iS7irscxVx0

推理開始

Topic1 美穂の目的

百合子「さて、小日向さん。この荒れ模様はあなたが引き起こした。そうですね?」

美穂「!」

百合子「先ほど、あなたは私に荷物を取りにきた、そう話していました。では取りに来た「荷物」とは何だったのか」

百合子「答えはあなたの視線が示しています。そう、それは……」

百合子「「片桐さんの手帳」を取りに来たのです!」

美穂「?」

百合子「あなたは、そのテーブルの上においてある、片桐さんの手帳を探しに来たのです!」

Conclusion1 片桐さんの手帳を回収しに来た

Topic2 美穂が起こしたこと

百合子「次に、小日向さんが何をしたのか?それを考えていきましょう」

百合子「小日向さん、あなたは何か隠し事をしている」

美穂「!」

百合子「その答えは視線の先をみればアキラカです」

百合子「そう!鏡の前にある「携帯電話」だったのです!」

美穂「?」

百合子「美穂さん、あなたは昨日片桐さんの手帳の中身を見た」

百合子「その手帳の中身は、警察の極秘情報が書かれていた!」

百合子「346プロのアイドルとして潜入調査を行っていたあなたは、その「携帯電話」を使って仲間に情報を送ったのです!」

Conclusion2 仲間に警察の極秘情報を送信した

百合子「以上、七尾百合子の「名推理」でした」

美穂「……」

瑞希「……」

輝「……1ついいかな、七尾さん」

百合子「はいっ!何ですか?天道さん!」

輝「その手帳、どうみてもただのスケジュール帳にしか見えないんだけど……」

百合子「何言ってるんですか!このなかに警察での密会情報が!」

瑞希(これは、推理小説の読みすぎですね)

瑞希「天道さん、先ほどの七尾さんの「名推理」ですが」

輝「ああ、正直言って、訳が分からないと思うぜ?」

瑞希「ですが、着眼点はあっていると思います」

瑞希「先ほどの「名推理」で、小日向さんの目が泳いでいる時がありました」

輝「つまり、推理の「方向」が間違っているというわけか!」

瑞希「はい。私たちで推理のカギとなるものを入れ替えれば」

輝「真実にたどりつけるってわけだ!ようし、やってやるぜ!」

輝(正直、この推理に意味があるのかは分からない。だけど……)

輝(目撃者が持つ「秘密」。これは大きな手掛かりになるかもしれない!)

検討開始

Topic1 美穂の目的

百合子「さて、小日向さん。この荒れ模様はあなたが引き起こした。そうですね?」

美穂「!」

百合子「先ほど、あなたは私に荷物を取りにきた、そう話していました。では取りに来た「荷物」とは何だったのか」

百合子「答えはあなたの視線が示しています。そう、それは……」

百合子「「片桐さんの手帳」を取りに来たのです!」

美穂「?」

ここだ!

輝「確かに手帳があるけども、どう見てもただのスケジュール帳だ」

瑞希「こっそり中を見てしまいましたけど、アイドル同士の飲み会の予定ばかり書かれていました」

輝(片桐さん、大酒飲みなのか……?)

瑞希「小日向さんの視線の先にあるもの、ほかにないでしょうか?」

つきつける>熊のぬいぐるみ

くらえ!

百合子「「熊のぬいぐるみ」を取りに来たのです!」

輝「この熊のぬいぐるみ、かわいらしいが片桐さんが持つには少し幼いと考えられる」

百合子「つまり、小日向さんのものだったのです」

輝「あなたはこのぬいぐるみを取りに来たんだ!」

美穂「!!」

Conclusion1 熊のぬいぐるみを取りに来た

Topic2 美穂が起こしたこと

百合子「次に、小日向さんが何をしたのか?それを考えていきましょう」

百合子「小日向さん、あなたは何か隠し事をしている」

美穂「!」

百合子「その答えは視線の先をみればアキラカです」

百合子「そう!鏡の前にある「携帯電話」だったのです!」

美穂「?」

ここだ!

輝「探していたのが熊のぬいぐるみだったから、これはもう関係ないよな」

瑞希「よく、鏡の前を観察してみましょう」

つきつける>ドライヤー

くらえ!

百合子「そう!鏡の前にある「ドライヤー」だったのです!」

輝「おそらく、このドライヤーを使って、何かが起こったんじゃないかな?」

美穂「!!!」

美穂「しょ、しょ……」

輝「どうしたんだ、小日向さん?」

美穂「証拠はあるんですか……?」

美穂「わ、私がドライヤーを使って何かが起こったという証拠は……?」

輝「証拠か……」

輝「確かに、立証する証拠はない。ただ、可能性を提示することはできる」

美穂「!!!!」

輝(美穂さんが、ドライヤーを使って引き起こしたかもしれないこと……それは)

つきつける>人物ファイル 片桐 早苗

くらえ!

輝「小日向さんと一緒に事件を目撃した片桐さん。彼女が言っていたんだ」

輝「「このテレビ局は設備が古く、楽屋でドライヤーを使ったらブレーカーが落ちた」ってね」

輝「あなたはこの楽屋でドライヤーを使用した……」

百合子「そして、ブレーカーが落ちてしまったんです!」

美穂「きゃああああああっっ!!!!」

Conclusion2 倉庫・楽屋棟のブレーカーが落ちてしまった
推理完了

輝(と、推理しては見たものの、この事実はいったい何を示してるんだ?さっぱりわからないぜ……)

美穂「あ、あの……いいですか?」

輝「と、とりあえずお話を聞かせてもらってもいいですか?」

美穂「わかりました……」

http://www.nicovideo.jp/watch/sm27975685

美穂「目撃したことについては、早苗さんとほぼ同じだと思います、一緒に倉庫まで行きましたので」

美穂「次に、私が起こしたことについてお話させていただきます……」

美穂「私、前の仕事が押して11時ぐらいに楽屋に来たんです」

美穂「鏡を見ると、髪が少し乱れていることに気が付き、ドライヤーを使おうとしました」

美穂「すると、ブレーカーが落ちて楽屋の電気が消えてしまったんです!」

美穂「一瞬何が起こったかわからず、パニックになってしまい、あせって楽屋の中を動き回ってしまいました……」

美穂「そして、1分くらいで電気が復旧すると自分が楽屋を散らかしてしまったことに気が付いたんです。ううっ、恥ずかしい……」

美穂「昨日は時間もなかったんで、そのままスタジオ入りしました」

美穂「事件の後、関係者である私たちの荷物も調査対象となり、ここに置いて帰りました」

美穂「でもっ、そこの熊のぬいぐるみは私にとって大切なものなので、気になって今日取りに来たんです……」

輝「……なるほど、よくわかりました」

輝(あれほど散らかってたから、よっぽど派手に暴れたんだろうな)

証拠品<<美穂の停電についての証言書>を法廷記録にファイルした。

百合子「あ、あのっ、小日向さん!」

美穂「あ、あなたは百合子ちゃんだっけ?」

百合子「すいませんでした!」

百合子「私、時々妄想の中に入ってしまうと周りが見えなくなることがあるんです……」

百合子「小日向さんに失礼なことばかり言って、本当にごめんなさい!」

美穂「……大丈夫だよ、百合子ちゃんっ!」

美穂「私、そこまで気にしてないからっ!それに……」

美穂「百合子ちゃんの推理のおかげで、本当のことを話せたから」

百合子「えっ?」

美穂「事件に関係ないと思って、この停電のことは誰にも話していないの。今日も聞かれなかったら答えなかったと思うし……」

美穂「……でも、事件に関係ないって勝手に決めつけて、だれにも話さなかったのはやっぱり良くないことだった」

美穂「私がこの事実を話さなかったことで、ひょっとしたら事件の真実が明らかにならなかったかもしれない……」

美穂「だから、百合子ちゃんには感謝しているんですっ!私が本当のことを話すきっかけをくれたから……」

美穂「百合子ちゃん、ありがとう!立派なアイドルになれるように頑張ってね!私、応援しているからっ!」

百合子「小日向さん……ありがとうございます!」

輝(こっちは一件落着ってとこかな)

百合子「あっ、そうだ!弁護士さん、この本差し上げます!」

輝「えっ?」

百合子「私が普段、推理小説を読むときに使ってるんです!裁判の時、力になるかもしれないので使ってください!」

輝「ありがとう!でも、七尾さんはこの本が無くても大丈夫なのか?」

百合子「私は家に保存用でもう1冊ありますので!明日の裁判、頑張ってくださいね!」

証拠品<<探偵学入門>を法廷記録にファイルした。

輝「ふう、とりあえず捜査終了ってとこかな!」

瑞希「そうですね。お疲れさまでした、天道さん」

輝「瑞希ちゃんも、お疲れ様!」

瑞希「私は、今日は家に帰って父に調査のことを報告しておきます」

輝「うん、親父さんによろしく伝えておいてくれ!」

瑞希「……天道さん」

瑞希「明日、絶対勝ちましょう。ふぁいと、です」

輝「ああ、明日もよろしくな!一緒に頑張ろう!」

輝(こうして、捜査は終了した)

輝(正直、俺は明日の法廷にどう勝つのか、そのビジョンは見えていない)

輝(ただ、1つ確かなのは、「勝って天海さんを救う」ということだけを考えている)

輝(明日の法廷、何としてでも勝利の白星をつかんで見せる!)

輝(それが、あの子との「約束」を果たすことにつながるかもしれないのだから……)

つづく

https://www.youtube.com/watch?v=RJVpEbb8kEU&index=12&list=PL513A819E4B21FA11

ここまでのクリアデータを保存しますか

>>はい


証拠品データ

・弁護士バッジ
俺を弁護士と証明する、大事なバッジだ。

・事件概要
事件現場:赤坂ブーブーエススタジオ

被害者:照美 津久留(てれび つくる)34歳 ブーブーエスTVメインディレクター

被告人:天海 春香(あまみ はるか) 17歳

13時30分、被告人が凶器を手に持ち、被害者に向かい合っているところを2人のアイドルに目撃される。

・春香のメール
13:30に、被害者が天海さんを倉庫に呼び出したメール。

・春香の新聞記事
天海春香に手渡された新聞記事
表面にはアイドル大賞を受賞する春香の記事が記載されている。
裏面には去年一年から受賞までの活躍が記載されている。

詳細
・台風ライブで765プロ躍進へ
・復活の歌姫を支えた765プロのメンバーたち
・舞台事故にもめげずに、新春ライブを成功させる

・凶器
ブーブーエスTV倉庫にしまわれていた、銅像。天海さんの指紋が付着。

・照美の死体
仰向けに倒れていたが、やけに姿勢がきれいで、どこかに押し込められていたようにも見える。

・照美の帽子
照美が着用していたもので、夜間撮影に対応できるよう後部に暗闇で光る素材を使用。

・照美の携帯電話
テレビ局内部・アイドルやタレントの連絡先が登録されている。
13:00に「13:30に、倉庫に来てください。」という内容のメールが天海春香に向けて送信されている。

・巨大冷蔵庫
消費電力が多そうな冷蔵庫。中身は空っぽ。

・探偵学入門
七尾さんから渡された本。

詳細
内容
・低温での死体検出時刻偽装
・水で流しても反応するルミノール血液検査について

・脅迫状
詳細
お前がやってきたことを、全て公表する。公表されたくなければ〇〇〇〇にブーブーエスの倉庫へ来い。
〇の部分は黒く塗りつぶされていて読めない。

以上で投下終了となります。
説明が不足して申し訳ないですが、逆裁サイドは次回に検事2人出てくる以外はおそらく出てこないです……

次回投下の法廷パートでおそらく完結になると思います。
初めてのSSで拙いとこもあるとは思いますが、楽しんでいただければ幸いです。

>>25
ここ犯人の正面じゃなくて被害者じゃない?

>>62
ご指摘ありがとうございます。その通りです。

誤 早苗「その時、倉庫の中を覗いてみると春香ちゃんが凶器を手に持って、犯人の正面に座り込んでいたわ」

正 早苗「その時、倉庫の中を覗いてみると春香ちゃんが凶器を手に持って、被害者の正面に座り込んでいたわ」


あと、証拠品データに抜けがありました。

・美穂の停電についての証言書
8月19日午前11時ごろ、ブーブーエステレビの倉庫・楽屋棟が1分ほど停電した事実を認めるもの。

みなさま、乙ありがとうございます。
現在、法廷パートの途中まで作成完了しております。
明日の夜、完成したところまで投下できればと思います。

エンディングまで完成しました。
投下いたします。

――2019年8月21日 午前9時47分 地方裁判所 被告人第2控室――

https://www.youtube.com/watch?v=RlgXjzeGH58

輝(何度来ても、ここで待つのは緊張するぜ……)

春香「天道さんっ、今日はよろしくお願いします!」

輝「ああ、俺に任せておいてくれ!」

春香「……はあ。私、プロデューサーさんに迷惑かけてばっかりだなぁ」

輝「プロデューサーさん?」

――2019年8月21日 午前9時47分 地方裁判所 被告人第2控室――

https://www.youtube.com/watch?v=RlgXjzeGH58

輝(何度来ても、ここで待つのは緊張するぜ……)

春香「天道さんっ、今日はよろしくお願いします!」

輝「ああ、俺に任せておいてくれ!」

春香「……はあ。私、プロデューサーさんに迷惑かけてばっかりだなぁ」

輝「プロデューサーさん?」

連投ミスしました
春香「はいっ!私たちをトップアイドルまで導いてくれた方なんです!」

輝「へえっ、そりゃよっぽどやり手のプロデューサーだな!」

春香「でも、今回も心配かけちゃってるし、今年の1月の事故でも……」

輝「1月の事故っていうと、この新聞に載ってる?」

春香「そうです。プロデューサーさん、私をかばって舞台の奈落に転落してしまったんです……」

輝「この事故、そんな事故だったのか……」

輝「でも、さ。この事故、天海さんが悪いわけじゃないだろ?」

春香「えっ?」

輝「だって、奈落が開いてたのって劇場のスタッフのミスなんじゃないかな?」

春香「それは、確かにそうだったみたいですけど……」

輝「今回だって、真犯人のせいで逮捕されたんだ。悪いのは天海さんじゃない」

春香「そう、ですよね!私、弱気になっていました!」

春香「プロデューサーさん、今日は美希……星井さんのハリウッド撮影の打ち合わせを海外でしてるんです」

春香「三日前から渡米してるんで、今日の裁判には来れないみたいで……少し不安でした」

春香「でもっ!弁護士さんと話してると、だいぶ不安が減ってきました!」

輝(プロデューサー、か。今まで頼ってきた人がいないと、だいぶ不安になるよな)

輝「今日は、そのプロデューサーがすぐ安心できるような弁護をして見せるから、安心してくれ!」

春香「はいっ、ありがとうございます!」

証拠品<<春香の新聞記事>>のデータを更新した。

瑞希「天道さん、おはようございます」

輝「瑞希ちゃん、おはよう!今日もはりきっていくぜ!」

瑞希「もちろんです。私も、微力ながらサポートさせていただきます」

瑞希「勢いに乗って、勝訴をつかみましょう。ごー」

輝(いよいよ、始まろうとしていた、久しぶりの裁判)

輝(だが、この裁判があんな展開を迎えるなんて、この時は誰も想像していなかった……)

――2019年8月21日 午前10時 地方裁判所 第2法廷――

https://www.youtube.com/watch?v=FnmEnjWy288

サイバンチョ「これより、天海春香の法廷を開廷いたします。検察側・弁護側ともに準備はよろしいですかな?」

輝「弁護側、準備完了しています」

アウチ「検察側、準備完了しております」

アウチ「……くっくっくっくっ」

輝「な、何がおかしいんですか!」

アウチ「いや、このアウチもなめられたものですね」

アウチ「こんな、青二才の相手をすることになるとは」

アウチ「今日は、私のムネを借りるつもりでかかってきなさい!」

輝「は、はあ。 (28才って、青二才っていえるのか?)」

サイバンチョ「ふむ、それではアウチ検事、冒頭弁論をお願いします」

アウチ「かしこまりました」

https://www.youtube.com/watch?v=0muwEn_FQYE&index=6&list=RDFnmEnjWy288

アウチ「事件は一昨日8月19日、ブーブーエステレビの倉庫で起こりました」

アウチ「13時30分ごろ、被告人は被害者にメールで呼び出されたとおり倉庫に行きました」

アウチ「そこで、鈍器で一発、ガツンと殴られたわけですな」

アウチ「そこを、共演者である2人のアイドルに目撃され、逮捕されたというわけです」

アウチ「念のため、解剖記録を提出しておきます」


証拠品<<解剖記録>を法廷記録にファイルした。

照美の解剖記録

詳細
後頭部を一回、殴られて死亡。死亡推定時刻は13-14時。

サイバンチョ「なるほど、ちなみに動機は判明しているのですか?」

アウチ「……脅迫、だそうです」

サイバンチョ「きょ、脅迫!」

アウチ「被害者はやり手のディレクターでしたが、"ゆすり屋"というウラの顔も持っていたようです」

アウチ「タレントやテレビ局内部の人間の弱みを握り、金を要求する。そのようなことを繰り返していたようです」

サイバンチョ「むむむ。いやはや、"ゲイノウカイ"というのは恐ろしいものですな」

アウチ「とまあ、このように事件はいたってシンプル。検察側は被告の犯行をカンペキに立証して見せましょう!」

サイバンチョ「よくわかりました。それでは、審理を始めましょう」

アウチ「では、目撃者である片桐早苗さんを入廷させてください!」

アウチ「では証人。名前と職業をお願いします」

早苗「片桐早苗です。職業は、元警官で今は346プロでアイドルをしています」

アウチ「では、目撃した瞬間について、証言してもらいましょう!」

https://www.youtube.com/watch?v=hf_D3pK6LVI&list=RDFnmEnjWy288&index=7

証言開始
~目撃したこと~


早苗「収録が終わって、美穂ちゃんと二人で楽屋に向かいました」


早苗「楽屋に入る前に、倉庫の扉が少し開いていることに気が付きました」


早苗「気になったので美穂ちゃんと二人で倉庫の中を覗いてみると、凶器を持った被告人が座り込んでいました」


早苗「被害者の正面に座り込んでいたので、被告人は犯人の正面から凶器を振りかざしたと考えられます」

サイバンチョ「ふむう。確かにこれは決定的ともとれる証言ですな」

アウチ「念のため、現場の建物の上面図を提出させていただきます」

証拠品<<上面図>>を法廷記録にファイルした。
https://imgur.com/a/LKC2n

サイバンチョ「それでは弁護人、尋問をお願いします!」

輝「はいっ!」

輝「……あれっ?」

サイバンチョ「どうしました、弁護人?」

輝(ま、まずいぞ。久しぶりすぎて尋問のやり方を忘れちまった!)

瑞希「どうやら、尋問のやり方を忘れてしまったようですね」

輝「ぎくっ!」

瑞希「緊張すると、誰しも頭が真っ白になるものです」

瑞希「それでは、ここで尋問のやり方を確認しておきましょう。……リトルミズキにお願いしましょう、じゃじゃーん」

輝(どっから出してきたんだ、その人形……)

瑞希『それじゃ、尋問のやり方を説明するね!』

瑞希『まず、今から行うのは、証人のウソを暴くことよ!』

輝「ウソ?早苗さんが俺たちにウソをつく理由はないと思うぞ?」

瑞希『意図的にウソをつこうと思ってなくても、"思い違い"で間違った証言をしてしまうことがあるの!』

瑞希『私たちが持っている証拠品と、証言の間に"ムジュン"があるはず!』

瑞希『そういった証言を見つけたら証拠品を"つきつける"ことができるわ!』

瑞希『また、一見ムジュンが見当たらない証言をしていることもあるわ』

瑞希『そういったときは"ゆさぶる"で証言をより深く聞けるから、覚えておいて損はないわよ!』

輝「"ゆさぶる"と"つきつける"、か。なんだか思い出してきたぜ!」

瑞希「法廷記録も、よく確認しておきましょう」

尋問開始
~目撃したこと~


早苗「被害者の正面に座り込んでいたので、被告人は犯人の正面から凶器を振りかざしたと考えられます」

つきつける>④に解剖記録

輝「異議あり!」

https://www.youtube.com/watch?v=_I34nshlOPk&index=2&list=RDFnmEnjWy288

輝(この瞬間、俺の中に忘れていた感覚が戻ってきた)

輝(そして、気が付いたら叫んでいた!腹の底から、大声で、人差し指まで突き付けて!)

輝「証人、よろしいですか!」

早苗「え、ええ」

輝「こちらに先ほど提出された解剖記録があります」

アウチ「死因は鈍器による一撃。何も問題はありませんな」

輝「死因は確かに問題ありません。重要なのは、傷の場所です」

早苗「傷の場所?」

輝「ええ。早苗さんは被告人が正面から危害を加えたと証言しました」

輝「しかし、解剖記録での傷の場所は"後頭部"なのです!」

輝「これは明らかに"ムジュン"しています!」

早苗「あ、ああああっ!!」

アウチ「異議あり!」

アウチ「ひ、被害者の傷の位置など些細なことです!何も問題にはならない!」

サイバンチョ「異議を却下します。弁護人、続けなさい」

輝「はい。しかし、俺たちも調査した結果、被害者が被告人に対して向き合って攻撃されたのは明らかでした」

輝「つまり、この事実は……」

>被害者の死体が移動されたことを示している

輝「つまり、被害者は別の誰かに殺され、移動されたのです!」

アウチ「しょ、証拠はあるのですか!」

輝「証拠?もちろんありますよ」

輝「くらえ!」

>照美の死体

輝「この写真でも明らかなように、被害者はその場で危害を受けたと考えるのはあまりにも不自然です!」

輝「被害者は前もって殺され、どこかに押し込められていた。弁護側はこう主張します」

アウチ「なるほど、そう来ましたか……」

アウチ「青二才のくせにここまでやるとはなかなかですな」

輝(だから青二才じゃないって!)

瑞希「天道さん、ひげを伸ばしていないと若く見えますね」

輝「今日は法廷だから髭剃ってきたんだけど、失敗だったかな……」

アウチ「まあ、弁護側がいくら吠えようと無駄なこと」

アウチ「こちらには"決定的な証拠"がありますからなぁ!」

輝("決定的な証拠"……!早苗さんが言っていたものか)

サイバンチョ「では、それについて証言してもらいましょう」

アウチ「はい。被告人を逮捕した、イトノコギリ刑事を入廷させてください!」

アウチ「証人、名前と職業を」

イトノコ「はっ!自分は糸鋸圭介ッス!職業は刑事ッス!」

アウチ「証人は一昨日、被告人を逮捕した。その時のことを証言してください!」

https://www.youtube.com/watch?v=hf_D3pK6LVI&index=7&list=RDFnmEnjWy288

証言開始
~逮捕した理由~


イトノコ「あの日は、別の事件の捜査をあの方から頼まれてたッス!」


イトノコ「だから、現場にすぐ行くことができず、元後輩の早苗ちゃんに現場検証をお願いしたッス!」


イトノコ「そして、現場に着いた瞬間、被告人が犯人だと確信し、逮捕したッス!」


イトノコ「この証拠品を見れば、この事件の疑問の余地がないのは明らかッス!」


アウチ「では、ここで提出させていただきましょう」

アウチ「スタジオ棟に設置された、事件現場への"ICカード通過記録"を!」

証拠品<<倉庫棟へのIDカード通過記録>>を法廷記録にファイルした。

スタジオ棟に設置された、倉庫・楽屋棟へのICカードゲートの通過記録

詳細
11:00 ウラカタ入
11:05 ミホ入
11:08 テレビ入
11:15 ミホ出
11:35 ウラカタ出
13:05 テレビ入
13:25 ハルカ入
13:28 ミホ入
13:28 サナエ入

https://www.youtube.com/watch?v=5ZC16wTh3jM&list=RDFnmEnjWy288&index=13

輝「う、ううう」

輝「うおおおおおおお!!!」

瑞希「倉庫棟に立ち入った人間の記録、確かに決定的ですね。……がくがく」

アウチ「これを見れば、直前に立ち入った人間は被告人しかいませんなぁ」

サイバンチョ「アウチ検事。一つよろしいですかな?」

アウチ「なんでしょう?」

サイバンチョ「この記録、13:28以降の記録がないようですが……」

アウチ「ああ、それはですね。事件の後は警察関係者が入室しやすいように、ゲートの電源が切られたからです」

サイバンチョ「なるほど、分かりました。それでは尋問をお願いします!」

尋問開始

~逮捕した理由~

https://www.youtube.com/watch?v=hf_D3pK6LVI&list=RDFnmEnjWy288&index=7


イトノコ「あの日は、別の事件の捜査をあの方から頼まれてたッス!」

ゆさぶる>①

輝「あの方、とは?」

イトノコ「捜査上の機密で名前は明かせないッス……」

イトノコ「ただ、すごく重要な任務を任されているッス!光栄ッス!」

輝「しかし、こちらの事件の捜査を元警官とはいえ民間人に投げ出すなんて……」

輝「えー、そのー。いけないことだと思います!」

瑞希「もう少し、かしこまった言い方があるかと」

イトノコ「ムググッ!アンタの言う通りッス……反省するッス……」

輝(子供みたいな言い方だけど、効いたみたいだな)


イトノコ「この証拠品を見れば、この事件の疑問の余地がないのは明らかッス!」

ゆさぶる>④

輝「疑問の余地がないとは?」

イトノコ「よくぞ聞いてくれたッス!説明させていただくッス!」

イトノコ「この記録を見ると、被害者と被告人の間に通過した人間はいないッス!」

イトノコ「だから被告人しか被害者は殺害できなかったッス!おかしいところは何もないッス!」

輝「なるほど、筋は通ってますね……」

サイバンチョ「弁護人、今の発言はいかがですかな?」

輝(この発言、どうだろう?)

>証言に加える

輝「証人、今の発言を証言に加えてもらえますか?」

サイバンチョ「よろしい、証人は証言に加えるように」


イトノコ「このICカードの記録はおかしいところは何もないッス!」

つきつける>⑤に倉庫棟へのIDカード通過記録

輝「異議あり!」

https://www.youtube.com/watch?v=_I34nshlOPk&index=2&list=RDFnmEnjWy288

輝「証人、よろしいですか!」

イトノコ「うう、異議を唱えられるのは青いギザギザ頭だけにしてほしいッス……」

輝「この記録、足りないものがあるんですよ」

アウチ「た、足りないものですって!そんなバカな!」

輝「ええ、それは……」

>被害者の退出記録

輝「くらえ!」

アウチ「被害者の、退出記録……?」

アウチ「異議あり!」

アウチ「そんなもの、死んでるのだからあるはずがない!」

輝「異議あり!」

輝「俺は、被害者が殺害されたあとのことを言っているのではありません!」

輝「俺が指摘しているのは、午前中の記録です!」

サイバンチョ「午前中……あああああ!!」

輝「そう、被害者は午前中にも倉庫棟へ入った記録があります!にもかかわらず、退出した記録がないのです!」

輝「これは"おかしいこと"じゃないんですか!刑事さん!」

イトノコ「し、しまったッスゥゥ!!」

カンカンカンッ!

サイバンチョ「せ、静粛に!静粛に!これはいったい……」

アウチ「し、しかし!その時刻は関係ありませんぞ!」

サイバンチョ「か、関係ないとは?」

アウチ「もちろん、解剖記録の"死亡推定時刻"です!」

輝「……あっ!」

https://www.youtube.com/watch?v=5ZC16wTh3jM&list=RDFnmEnjWy288&index=13

アウチ「解剖記録は13-14時を死亡推定時刻としています。ですから、午前中の時刻は関係がありません!」

アウチ「それとも、死亡推定時刻が偽装されたという証拠を提出できますかな?」

輝(証拠品か。実は、あの証拠品の記述、少し気になってたんだよな)

瑞希「ここまでの流れ、いい感じだと思います」

瑞希「天道さんの思う証拠品を、叩きつけてやりましょう……どきどき」

サイバンチョ「では、弁護側に提示してもらいましょう」

サイバンチョ「事件現場で、死亡推定時刻を偽装した方法とは!」

https://www.youtube.com/watch?v=wq1jknZp0ic&list=RDFnmEnjWy288&index=4

>探偵学入門

輝「くらえ!」

輝「……実はあまりこういった事件を扱ってこなかったので不勉強なのですが」

輝「こちらの本に記述があります。"低温時に死亡推定時刻の偽装ができる"と」

アウチ「ですが、事件現場にそのようなことができるものはなかったのでは?」

輝「……それがあったんですよ」

輝「こいつを使えば、死体を低温で保存できたのです!」

>巨大冷蔵庫

輝「くらえ!」

アウチ「そ、それは!」

輝「事件現場にあったものです!この大きさなら、十分死体を冷やすことは可能だったと思われます!」

アウチ「ぎょ、ぎょへええええ!!!」

イトノコ「待った!」

イトノコ「べ、弁護人の主張には大きな問題があるッス!」

サイバンチョ「な、なんですかな?その"問題"とは」

イトノコ「それは、本当にその冷蔵庫が使用されたかということッス!」

イトノコ「調査報告ではその冷蔵庫は空っぽで、何も入ってなかったと聞いてるッス!」

イトノコ「倉庫に眠っていた冷蔵庫なんて、自分が持っている掃除機のように壊れていたに違いないッス!」

瑞希「あの刑事さんも、天道さんに負けず劣らず苦労されてるみたいですね。どんまい」

輝(さすがに俺は壊れた電化製品は持ってはないけどな)

サイバンチョ「弁護人、事件当日この冷蔵庫が使用された証拠を提示できるのですかな?」

アウチ「はっ、できるわけがない!」

輝(正直、確信はない。だけど、俺の中では事件は1本につながり始めていた)

輝(昨日判明したこの事実、ここにつながっていたんじゃないか?)

輝「……確かに、使用された事実は証明できません」

アウチ「まあ、そう言うと思っていましたよ」

輝「ですが!」

輝「弁護側は使用された可能性を示すことはできます!」

アウチ「な、なんだと!」

サイバンチョ「……おもしろい。それではうかがいましょう」

サイバンチョ「事件当日、冷蔵庫が使用された可能性を示す証拠とは!」

>美穂の停電についての証言書

輝「くらえ!」

輝「事件当日、11時ごろにあるちょっとした騒ぎがあったのです」

サイバンチョ「騒ぎ、ですかな?」

輝「はい。ある人物がドライヤーを使ったことによる"停電"騒ぎです」

アウチ「ああ、その件なら報告を受けてますぞ。事件当日の午前11時9分から1分間、停電があったようですな」

証拠品<<美穂の停電についての証言書>>のデータを更新した。

アウチ「どうも、事件現場はすぐ"停電"するような環境だったようですなぁ」

輝「しかし、考えてみれば、いくら古い建物でもドライヤー1つで停電する環境はおかしい」

輝「そう、何か"大きな消費電力を要するものが使われていた"と考えられるのです」

サイバンチョ「大きな消費電力……まさか!」

輝「この冷蔵庫は業務用で、家庭用の数倍の電力を消費することは明らかです」

輝「つまり、午前11時9分に停電した、この事実こそが!」

輝「事件当日の午前から、冷蔵庫が使用されたことを証明するのです!」

イトノコ「な、何ッスとおおおおお!!」

カンカンカンッ!!

サイバンチョ「静粛に、静粛に!従わないものは退廷を命じますぞ!」

輝「……以上の事実から、被害者の死亡推定時刻が遅くなるよう偽装されていた、そう考えられます」

輝「そうなってくると、次の人物から、話を聞く必要があると考えられます!」

サイバンチョ「だ、誰ですかな?」

輝「それは……」

>ウラカタ

輝「これだ!」

輝「小日向さんも、被害者と同じような時間に建物を出入りしていますが、10分では殺害と偽装工作を行うことは難しいでしょう」

輝「ですが、この"ウラカタ"という人物は、被害者が入室する直前に入室し、35分もの間建物にいたことになる!」

輝「よって、弁護側はこの"ウラカタ"さんから事情を聞くべきだと考えます!」

サイバンチョ「ふむぅ、単純な事件だと思っていましたがこのような展開になるとは……」

サイバンチョ「よろしい!当法廷はここで1時間の休憩を取ります!その間、検察側はウラカタ氏の入廷の準備を行うように!」

つづく


https://www.youtube.com/watch?v=RJVpEbb8kEU&index=12&list=PL513A819E4B21FA11

ここまでのクリアデータを保存しますか

>>はい

証拠品データ

・弁護士バッジ
俺を弁護士と証明する、大事なバッジだ。

・事件概要
事件現場:赤坂ブーブーエススタジオ

被害者:照美 津久留(てれび つくる)34歳 ブーブーエスTVメインディレクター

被告人:天海 春香(あまみ はるか) 17歳

13時30分、被告人が凶器を手に持ち、被害者に向かい合っているところを2人のアイドルに目撃される。

・春香のメール
13:30に、被害者が天海さんを倉庫に呼び出したメール。

・春香の新聞記事
天海春香に手渡された新聞記事
表面にはアイドル大賞を受賞する春香の記事が記載されている。
裏面には去年一年から受賞までの活躍が記載されている。

詳細
・台風ライブで765プロ躍進へ
・復活の歌姫を支えた765プロのメンバーたち
・舞台事故にもめげずに、新春ライブを成功させる
事故の詳細 スタッフ一名のミスにより765プロのプロデューサーが奈落に落下。重傷を負った。

・凶器
ブーブーエスTV倉庫にしまわれていた、銅像。天海さんの指紋が付着。

・照美の死体
仰向けに倒れていたが、やけに姿勢がきれいで、どこかに押し込められていたようにも見える。

・照美の帽子
照美が着用していたもので、夜間撮影に対応できるよう後部に暗闇で光る素材を使用。

・照美の携帯電話
テレビ局内部・アイドルやタレントの連絡先が登録されている。
13:00に「13:30に、倉庫に来てください。」という内容のメールが天海春香に向けて送信されている。

・巨大冷蔵庫
消費電力が多そうな冷蔵庫。中身は空っぽ。

・探偵学入門
七尾さんから渡された本。

詳細
内容
・低温での死体検出時刻偽装
・水で流しても反応するルミノール血液検査について

・脅迫状
詳細
お前がやってきたことを、全て公表する。公表されたくなければ〇〇〇〇にブーブーエスの倉庫へ来い。
〇の部分は黒く塗りつぶされていて読めない。

・美穂の停電についての証言書
8月19日午前11時9分から1分間、ブーブーエステレビの倉庫・楽屋棟が停電した事実を認めるもの。

・照美の解剖記録
詳細
後頭部を一回、殴られて死亡。死亡推定時刻は13-14時。

・ICカードの通過記録
スタジオ棟に設置された、倉庫・楽屋棟へのICカードゲートの通過記録

詳細
11:00 ウラカタ入
11:05 ミホ入
11:08 テレビ入
11:15 ミホ出
11:35 ウラカタ出
13:05 テレビ入
13:25 ハルカ入
13:28 ミホ入
13:28 サナエ入

ここまでが法廷パート前編です。
つづいて、後編+エンディングを投下します。

――2019年8月21日 午前12時42分 地方裁判所 被告人第2控室――


https://www.youtube.com/watch?v=RlgXjzeGH58&list=PL513A819E4B21FA11&index=2

輝(な、なんとか耐えしのいだな……)

?「なかなか、いい弁護をするね。君」

輝「は、はあ。ありがとうございます」

輝(だ、誰だ?このニット帽をかぶった人。こんなだるそうな人、俺の知り合いにはいないぞ……)

?「最後まで、審理を見届けたかったんだけどね、これからピアノを弾きに行かなくちゃいけないんだ」

?「あっ、僕のことは……そうだな、傍聴マニアとでも思ってくれたらいい」

輝(なんか胡散臭い人だな)

?「さて、君に声をかけたのは、1つアドバイスをしたいと思ったからだ」

輝「アドバイス、ですか?」

?「ああ。これから審理が進むと、どうしても活路が見出せないときがあるだろう」

?「その時は、"発想を逆転させる"んだ」

輝「発想の、逆転……」

?「そうすれば、道が開けるはずだ。応援してるよ」

輝「あ、ありがとうございます」

?「それじゃ、また」

瑞希「天道さん、そろそろ審理が再開するようです」

瑞希「あ、あと。天海さんの事故の件、個人的に気になったので調べてみました」

輝「あ、ああ。ありがとう。そろそろ弁護席に戻らないとな」

輝(……何だったんだろう、今の人)

証拠品<<春香の新聞記事>>のデータを更新した。

・春香の新聞記事
天海春香に手渡された新聞記事
表面にはアイドル大賞を受賞する春香の記事が記載されている。
裏面には去年一年から受賞までの活躍が記載されている。

詳細
・台風ライブで765プロ躍進へ
・復活の歌姫を支えた765プロのメンバーたち
・舞台事故にもめげずに、新春ライブを成功させる
事故の詳細 スタッフ一名のミスにより765プロのプロデューサーが奈落に落下。重傷を負った。
このスタッフの名前は宇羅方 武田井。劇場スタッフとして長年勤務してきたが、事故をきっかけに解雇された。

――2019年8月21日 午前12時50分 地方裁判所 第2法廷――

https://www.youtube.com/watch?v=FnmEnjWy288&index=3&list=PL513A819E4B21FA11

サイバンチョ「それでは、審理を再開いたします」

サイバンチョ「検察側、証人の召喚は済んでいますかな?」

アウチ「はっ。控室にて待機してもらっています。」

サイバンチョ「よろしい。それでは、証人に証言してもらいましょう」

アウチ「はい。それでは、宇羅方 武田井さんを入廷させてください!」

ウラカタ「……」

アウチ「証人、名前と職業をお願いします」

ウラカタ「……はいっ、カメラ回りまーす!」

サイバンチョ「しょ、証人?」

ウラカタ「カメラ、そっちからまわるんで、よろしくお願いしまーす!」

ウラカタ「あっ、もしもし?……ええ、完パケのほう、今日のてっぺんまでには完成させるんで!」

サイバンチョ「こ、こらこら!証人!ここはテレビ局ではありませんし、携帯電話は使用禁止ですぞ!」

ウラカタ「……はっ!すいません。つい、職業病で」

輝(ああはなりたくないもんだな)

ウラカタ「宇羅方 武田井(うらかた ぶたい)です。ブーブーエステレビでADやってます」

サイバンチョ「AD、ですか」

ウラカタ「アシスタントディレクター、いわゆる"パシり"だと思っていただけば結構です」

ウラカタ「……本当は、こんな泥臭い仕事、もっての他なんですけどね。俺、潔癖症ですし」

サイバンチョ「ああ、だから"手袋"をつけていらっしゃるのですね」

ウラカタ「はい。手が作業とかで汚れるの、嫌いですから。他の人が触った機材なんて触れたくもないですね」

輝(それはどうなんだ……)

ウラカタ「まあ、もう少しでこの役職ともおさらばです、昇進が決まったんで」

アウチ「それはそれは。おめでとうございます」

ウラカタ「もう正式に事例も出てるんですよ。これでパシり生活ともおさらばです」

証拠品<<ウラカタの辞令>>を法廷記録にファイルした。

ウラカタの辞令
ウラカタがディレクターへ昇進することを示すもの。

ウラカタ「そんな俺にとって、大事で忙しい時期に法廷に呼び出されるなんて……」

アウチ「恨むならそこの弁護士を恨むんですな」

ウラカタ「……で、俺は何証言すればいいんですか?忙しいんで、早く帰りたいんですけど」

輝「あなたは、一昨日の事件の午前中に、何をしていたか。それを証言してください」

ウラカタ「はぁー。それだけのために俺呼んだんですか?」

ウラカタ「ま、俺はっきりいって関係ないんで、ぱぱっと証言して帰らせてもらいます」

輝(ここが正念場だ……!)

瑞希「本気で、いきましょう……メラメラ」

証言開始
事件当日のこと

https://www.youtube.com/watch?v=hf_D3pK6LVI&index=4&list=PL513A819E4B21FA11


ウラカタ「事件の日?確か13時半に起こったんですよね」


ウラカタ「あの日は収録後の13時からいろんな作業してて、現場に行ったのはもっと遅いですね」


ウラカタ「えっ?午前の11時のことですか?確かに倉庫には行ったんですけど……」


ウラカタ「作業してただけなんで、特に話すことはないですね」

輝「証言には、特にムジュンはないか……」

瑞希「時には"ゆさぶる"ことも大事ですよ」

輝「ああ!情報、どんどん引き出してやろうぜ!」

サイバンチョ「それでは、尋問をお願いします!」

尋問開始
~事件当日のこと~

ゆさぶる>②

輝「具体的に、何時ごろ行ったか分かりますか?」

ウラカタ「いやー何時までかはさすがに。ただ……」

ウラカタ「ゲートの電源が切れてたので、俺が現場に行ったのはそれ以降ってことになりますね」

輝「なるほど。(つじつまは合う、か……)

ゆさぶる>④

輝「具体的にどんな作業をされてたんですか」

ウラカタ「普通に、資料のコピーしてました」

ウラカタ「特に変わったこともありませんでしたね」

サイバンチョ「ふむ、弁護人」

サイバンチョ「この発言は、重要なのですかな?」

輝「うーん、この発言は……」

>重要である

輝「とても重要であると考えられます」

サイバンチョ「わかりました。証人、今の発言を証言に加えるように」

ウラカタ「はあ、分かりました」


ウラカタ「コピー作業してただけで、特に変わったこともありませんでしたね」

つきつける>美穂の停電についての証言書

輝「異議あり!」

https://www.youtube.com/watch?v=_I34nshlOPk&list=PL513A819E4B21FA11&index=6

輝「コピー中に変わったことはなかった。間違いありませんか?」

ウラカタ「あんたもしつこいな。何もなかったって言ってるだろ!」

輝「そんなはずはないんですよ。なぜなら……」

輝「あなたがコピー作業をしていたなら、停電について触れるはずだからです!」

ウラカタ「な、何!き、聞いてないぞ、俺は……」

アウチ「異議あり!」

アウチ「い、言いがかりだ!この証人が作業に夢中になって気が付かなかったのかもしれない!」

ウラカタ「そ、そうですよ!確かに、停電してような……」

輝「異議あり!」

輝「そんな言い訳は通用しませんよ」

輝「停電したら、コピー機への電源も止まり、コピーは一時中断されたはずです!」

輝「それでも、"作業に夢中で気が付かなかった"と主張するつもりですか!」

ウラカタ「ぐ、ぐああああ!!」

輝(……間違いない!この証人、何かを隠している!)

輝「裁判長、よろしいですか!」

サイバンチョ「え、ええ。何ですかな?弁護人」

輝「今判明した通り、ウラカタさんの午前中の行動は分かっていません」

輝「そして、先ほどの審理で、死亡推定時刻の偽装があった可能性も証明されました」

アウチ「ま、まさか……」

https://www.youtube.com/watch?v=5ZC16wTh3jM&list=PL513A819E4B21FA11&index=10

輝(……ここまできたら、もう引き返すことはできない!)

輝(よし!)

輝「弁護側は、ウラカタさんをこの事件の"真犯人"として告発します!!」

ウラカタ「な、な……」

ウラカタ「何だとおおおぉぉ!!」

カンカンカンッ!

サイバンチョ「静粛に!静粛に!」

サイバンチョ「弁護人、告発には重大なセキニンが伴います、それでも、あなたはこの証人を告発しますか?」

輝「はい!」

ウラカタ「待った!」

ウラカタ「……困りますねぇ、弁護士さん。勝手に犯人にされちゃあ……」

ウラカタ「あんたは、重大なコトを1つ、見落としてるんだからさぁ!」

輝「な、何だと!」

ウラカタ「裁判長さん、証言させてもらってもよろしいですか」

証言開始
~重大な見落とし~
https://www.youtube.com/watch?v=bp3RaRI_sQA&index=7&list=PL513A819E4B21FA11



ウラカタ「確かに俺は、あの時に停電があったことを見落としてましたよ。コピーのことは違う日のことを言ってしまったんでしょう。申し訳ありません」


ウラカタ「俺はあの日の11時ごろ、ノートパソコンで資料作成をしていました」


ウラカタ「明かりをつけるのが面倒だったんで、倉庫の明かりをつけずに作業していたんです。だから停電に気が付かなかった」


ウラカタ「あの倉庫、日中でも明かりをつけないと真っ暗なんです。だから、犯行を行うなら、明かりをつける必要がある」


ウラカタ「つまり、俺が停電のことを知らなかったというこの事実こそが、俺が犯人でないことを証明してくれるんです!」


ウラカタ「それとも、暗闇で犯行を行うことができる証拠でもあるんですか?」

輝(お、追い詰めたと思ったのに、逆に追い詰められている!)

瑞希「あの証人、一筋縄ではいきませんね。……ぐぬぬ」

サイバンチョ「弁護人、あなたの告発が成立するか、この尋問にかかっているといっていいでしょう」

サイバンチョ「慎重な尋問を、お願いしますぞ」

尋問開始
~重要な見落とし~

つきつける>⑥に照美の帽子

輝「異議あり!」

https://www.youtube.com/watch?v=_I34nshlOPk&index=6&list=PL513A819E4B21FA11

輝「証人、もちろんあるんですよ」

輝「暗闇の中でも、犯行を行える証拠が」

ウラカタ「う、嘘だっ!そんなもの、あるはずがない!」

サイバンチョ「それは、被害者が身に着けていた帽子ですかな?」

輝「ええ、この帽子には大きな特徴があるんです」

輝「後部が暗闇で光る、という特徴が」

アウチ「暗闇で光る……ああああっ!!」

輝「そう、ウラカタさん!あんたは被害者がこれをかぶっていることを知っていた!」

輝「そして、暗闇の中でこれを目印にして、凶器を振り下ろしたんだ!」

ウラカタ「う、うぎょえええええ!!!」

アウチ「異議あり!」

https://www.youtube.com/watch?v=5ZC16wTh3jM&list=PL513A819E4B21FA11&index=10

アウチ「くっくっくっくっ。弁護人は一つ忘れていることがあるようだ」

輝「忘れていること?」

アウチ「あなたも事件現場で見たでしょう?そう、"脅迫状"のことですよ!」

輝「!!」

アウチ「被告人には"脅迫状"と"メール"で被害者に呼び出されていた。なので殺害の動機は存在した」

アウチ「しかし、この証人には動機が何一つ存在しないではないか!」

ウラカタ「……!そうだぜ、弁護士さんよぉ」

ウラカタ「俺は昇進も決まっていた。何一つ、被害者を殺害する動機なんてなかったんだよ!」

輝(動機、か)

サイバンチョ「ふむ、それではここで当法廷の見解を述べましょう」

サイバンチョ「この証人はきわめて怪しいと考えられますが、動機がないと考えられるのも事実です」

サイバンチョ「そこで、この証人に動機があったのかどうか?それを検討するために、証拠品の"詳細調査"を実施します!」

サイバンチョ「さて、弁護人。あなたに1つ、どの証拠品を、どのように詳細調査すればよいか。その回答を求めます!」

輝(これは、よく考えないといけないな!)

サイバンチョ「それでは、弁護側に聞きます」

サイバンチョ「詳細調査を実施すべき証拠品とは?」

>脅迫状

輝「くらえ!」

輝「この脅迫状、確かに被告人に送られたメールとも内容は一致します」

輝「しかし、日時は判別することができず、この証拠品について完全には解明していないと考えます」

サイバンチョ「ふむ、しかしこの証拠品の日時は、完全に読み取ることができない。そう聞いています」

アウチ「はっ。警察側でも復元調査を試みたのですが、どうしても復元することができませんでした」

サイバンチョ「弁護人、それでもこの証拠品でよろしいですかな?」

輝「はい、かまいません。弁護側が要請するのは……」

>指紋検出

輝「弁護側は、この証拠品の"指紋検出"を要求します!」

サイバンチョ「し、指紋検出ですか。よろしい」

サイバンチョ「係官、この証拠品の指紋検出を直ちに行うように!」





サイバンチョ「それで、結果はどうでしたかな」

アウチ「報告いたします」

アウチ「この証拠品からは、被害者の照美さんの指紋しか検出されませんでした」

輝「な、何だって!」

輝(脅迫状にウラカタの指紋がついてれば、動機を立証できる。そう考えたんだが……)

瑞希「どうやら、あの人は思った以上の"潔癖症"のようですね」

ウラカタ「どうやら、俺の"潔癖っぷり"は証拠品にも強く表れていたようだなぁ」

サイバンチョ「残念ですが、弁護人。あなたの立証は"失敗"だった。そう考えざるを得ません」

輝(く、くそっ!どこで間違えたんだ?あいつが犯人のはずなのに……)

瑞希「ここまで、追い詰めたのに……無念、です」

輝(本当に、これが全てなのか?何か、何か追及する材料はないのか……?)

https://www.youtube.com/watch?v=8qq7BtdA0eg&index=9&list=PL513A819E4B21FA11

輝「!!」

輝「"逆転"だ……」

瑞希「天道さん?」

輝「"発想を逆転させる"んだ!」

輝(そう、"あの人"が言ったように、これで新たな道を切り開くんだ!)

輝("ウラカタの指紋が残っていなかった"、そう考えるのではなく)

輝("指紋が残されていなければおかしい人物"について考えるんだ!)

サイバンチョ「それでは、ここで証人に対する尋問を終了……」

輝「異議あり!」

輝「裁判長、弁護側はただいまの調査結果についてムジュンがあることを主張します!」

サイバンチョ「ムジュン、ですかな?」

アウチ「異議あり!」

アウチ「そ、そんなもの!弁護側の屁理屈だ!」

サイバンチョ「それは私が決めることです。異議は却下します」

アウチ「ぐぬぬ……」

サイバンチョ「それでは、弁護人に聞きます。この証拠品に対するムジュンとは!」

>人物を指摘

輝「この証拠品からは、被害者の指紋しか検出されませんでした」

ウラカタ「俺が関係していないことを、証明してくれたということですね」

輝「異議あり!」

輝「違うんですよ、ウラカタさん」

ウラカタ「何?」

輝「本来、この証拠品にはこの人物の指紋が残されているはずだ!」

>天海 春香

輝「くらえ!」

https://www.youtube.com/watch?v=wq1jknZp0ic&index=8&list=PL513A819E4B21FA11

アウチ「こ、これは、天海春香、被告人ではないですか!」

アウチ「……ああああああ!!」

輝「検事さんは気が付いたようですね。そう、この証拠品は被告人に対してのもの、その前提で審理がなされてきました」

輝「しかし、被告人の指紋が検出されなかった!この事実こそが被告人は"脅迫"とは無関係であることを立証しているのです!」

輝「そして、弁護側は改めてウラカタさんの犯行を立証します!」

輝「ウラカタさん、おそらくあなたは被害者に脅迫されていた。そこで事件当日の11時ごろに、被害者を暗闇のなかで撲殺した」

輝「そのあとに、冷蔵庫を利用して死亡推定時刻の偽装を行った!」

ウラカタ「や、やめろ……」

輝「そして、あなたは13時ごろ、被害者のIDカードを使い、倉庫・楽屋棟へと立ち入った!」

輝「その時に死体を冷蔵庫から出すとともに、天海さんの携帯に被害者の携帯からメールを送ったんだ!」

輝「彼女が"犯人"となるように!」

ウラカタ「やめろおおおお!!」

カンカンカンッ!

サイバンチョ「静粛に!静粛に!」

サイバンチョ「お、驚くべき立証です!決定的といっていいでしょう!」

サイバンチョ「証人、なにか申し立てることはありますかな?」

ウラカタ「……ええと、その……」

ウラカタ「!」

ウラカタ「弁護士さん、あんた俺のいったことを忘れてるぜ」

ウラカタ「俺は、"俺の動機"についての立証を求めたんだ。しかしあんたは被告人が脅迫されていなかったという事実を立証しただけだ」

輝「!」

ウラカタ「裁判長、そのことについて証言させてもらいますよ」

証言開始
~俺には動機がない~
https://www.youtube.com/watch?v=bp3RaRI_sQA&list=PL513A819E4B21FA11&index=7



ウラカタ「さっきから主張しているように、俺には被害者を殺害する動機が存在しないんです」


ウラカタ「昇進も決まっていたし、上司である被害者への恨みは何もなかった」


ウラカタ「現在の俺には、やましいことなど何も無いんですよ」

サイバンチョ「この証人が、被害者を殺害する動機があったのか。それを明らかにすることは確かに重要だと考えられます!」

ウラカタ「まあ、清廉潔白である俺には、何も後ろめたいことはありませんけどねぇ」

輝(こ、こいつ!まだ認めないのか!)

サイバンチョ「全ての事実を明らかにするためにも、弁護人、尋問をお願いします!」


証言開始
~俺には動機がない~

ゆさぶる>③

輝「ちなみに、過去は何をされてたんですか?」

ウラカタ「ああ、舞台設営のスタッフですよ。劇場とかのね」

ウラカタ「もともとテレビ業界の方に憧れがあったんで、辞めて今年の3月からADをすることにしたんです」

ウラカタ「前職でも、特にトラブルといったことはなかったですね」

サイバンチョ「弁護人、この発言についてはどうですかな?」

輝(この発言、重要なのか?)

>重要である

輝「弁護側としては、とても重要であると考えます」

サイバンチョ「分かりました、証人は証言に加えてください!」

ウラカタ「ま、無駄だと思いますけどねぇ」


ウラカタ「過去においても、現在においても特に問題のあることはありませんでしたよ」

つきつける>春香の新聞記事

輝「異議あり!」

https://www.youtube.com/watch?v=_I34nshlOPk&list=PL513A819E4B21FA11&index=6


輝「どうやら、証人。あんたは大ウソつきのようだな」

ウラカタ「おや。名誉棄損で訴えられたいんですか?」

輝「いいや、訴えられるのは……あんただ!」

輝「ずっとこの証人の名前が引っかかってたのですよ、この記事の詳細を見てから」

サイバンチョ「記事、ですかな?」

輝「ええ。今年の1月、ある舞台事故が発生しました。それも765プロにおいて」

アウチ「765プロ……被告人の所属する事務所ではありませんか」

輝「そうなんです。この事故を引き起こした人物、はっきりと書かれています」

輝「宇羅方 武田井と!」

サイバンチョ「ちょ、ちょっと待ってください!それでは……」

輝「そう、ウラカタさん!あんたはこの事故を引き起こした張本人だ!」

輝「俺には、今のあんたが清廉潔白にあるようには、とても見えないぜ!」

ウラカタ「ほ、ほげええええぇぇぇ!!」

輝「被害者はテレビ局内部の人間やタレントを"ゆすっていた"。そうでしたね?アウチ検事」

アウチ「え、ええ。それで結構な大金を得ていたようですな」

アウチ「……ま、まさか!」

輝「そう、ウラカタさん!あんたは、被害者から"過去の経歴"に関するゆすりを受けていた!」

輝「昇進を邪魔されたくないあんたは被害者を殺害した!そして、かつての事故の関係者である被告人に罪を擦り付け、"復讐"しようとした!」

輝「いかがですか!ウラカタさん!!」

ウラカタ「だ、だ……」

ウラカタ「黙れぇぇぇぇ!!」

サイバンチョ「しょ、証人!」

ウラカタ「だいたい、さっきから細かいことをネチネチとぉ、うるせえんだよおぉぉ!」

ウラカタ「お前の出してる証拠、全て"状況証拠"」じゃねえかぁ!」

ウラカタ「そんなんで俺を犯人にしようだなんて、甘すぎるぜえぇぇ!」

アウチ「そ、そうです!凶器に被告人の指紋が残っている以上、一番疑わしいのは被告人です!」

カンカンカンッ!

サイバンチョ「静粛に!」

サイバンチョ「ここで、当法廷の見解を述べましょう」

https://www.youtube.com/watch?v=5ZC16wTh3jM&list=PL513A819E4B21FA11&index=10

サイバンチョ「この証人に対する動機や犯行方法は確かに立証されました……しかし!」

サイバンチョ「決定的な犯行を立証する証拠がない。これもまた事実です」

サイバンチョ「そこで!当法廷では先ほどのように、弁護人に再調査を求める証拠品の提出を命じます!」

サイバンチョ「もし、この調査で証人の犯行が立証されなかった場合、証人の尋問を終了します!」

サイバンチョ「ただし、調査を求める証拠品と、調査方法はそれぞれ"1つだけ"とします」

https://www.youtube.com/watch?v=8qq7BtdA0eg&list=PL513A819E4B21FA11&index=9

輝(こ、これまでの証拠品の再調査だと……?)

輝(だ、だめだ!何も思いつかない!)

瑞希「よろしいですか、天道さん」

輝「み、瑞希ちゃん?」

瑞希「天道さん、私たちは、今最大のピンチであるとともに、最大のチャンスでもあるんです」

瑞希「少しでも疑問にある証拠品、それが正解だと思います」

瑞希「……大丈夫、だと思います。天道さんを、信じていますから」

輝「……瑞希ちゃん」

輝(正直、あの"証拠品"に違和感はあった)

輝(犯行に使われたなら残っているはずの"痕跡"に関する違和感が!)

サイバンチョ「弁護人、提出するものはありませんかな?」

輝「……いえ!"決定的な証拠"、提出させていただきます!」

ウラカタ「はっ!やれるもんならやってみな!」

サイバンチョ「よろしい、では弁護人に聞きましょう」

サイバンチョ「調査すべき証拠品とは!」

>巨大冷蔵庫

輝「くらえ!」

サイバンチョ「では、この証拠品に対して行うべき調査とは!」

>ルミノール検査

https://www.youtube.com/watch?v=jPJE4l6j-hg&list=PL513A819E4B21FA11&index=11

輝「最近、血痕に関する検査の精度が上がってきているそうですね」

輝「俺もこの"探偵学入門"を読んで知りましたが」

サイバンチョ「確かに、ここ数年で科学調査技術は大きく進歩しました」

サイバンチョ「一見拭き取られた血痕でも、ルミノール検査をすれば反応し、わずかな血液のDNA鑑定もできるとか」

輝「この冷蔵庫は、この法廷で審理されるまでは"事件と無関係"とみなされ、十分な調査がなされませんでした」

輝「しかし、これまでの審理で弁護側は"事件との関係性"を立証しました!」

輝「被告人にはICカードで通過してから発見されるまで5分ほどしかなく、冷蔵庫に死体を入れるのは不可能だった。つまり……」

輝「この冷蔵庫から、被害者の血痕が検出されれば、証人の犯行を立証する"決定的な証拠"となるのです!」

輝「いかがですか、ウラカタさん!」

ウラカタ「……」

輝「証人、あんたは罪や過去を洗い流したつもりかもしれない……」

輝「だけど、"正義"の前では、必ず悪事は暴かれるんだ!」

ウラカタ「ぐ、ぐおおおおお!!!」

ウラカタ「ク、クランクアップだ……」

バタンッ!





https://www.youtube.com/watch?v=lWqaZrrk6pw&index=20&list=PL513A819E4B21FA11

ウラカタ「全ては、あの女!天海春香から始まったんだ……」

ウラカタ「あいつが、ふらふらして、俺がミスで開いていた奈落に落ちそうになったから、765のプロデューサーが転落しやがった!」

ウラカタ「おかげで、長年勤めていた劇場はクビになっちまったんだ!」

ウラカタ「ただ、俺には劇場時代のコネがあり、それを生かしてブーブーエスにADとして入社した。半年後にディレクターとして昇進する約束でな」

ウラカタ「だが、それを知った照美のやろう、俺をゆすってきやがったんだ!」

ウラカタ「俺の過去がばれた以上、どうせ金を払っても殺される。なら殺してやろうと思ったんだ」

ウラカタ「あとはそこの弁護士の推理どおり、死体を冷蔵庫に押し込んで、いったんその場を離れた」

ウラカタ「13時ごろに照美のIDで建物に入り、偽装工作を行った後トイレに隠れてた」

ウラカタ「ほとぼりが冷めてから、さもいま入ってきたように現場を通った。俺は無関係と思われていたから特に何も疑われなかった」

ウラカタ「俺は、俺の人生が転落した原因である、天海春香に、復讐してやろうとしたんだ!」





https://www.youtube.com/watch?v=FnmEnjWy288&list=PL513A819E4B21FA11&index=3

サイバンチョ「アウチ検事。宇羅方 武田井は……?」

アウチ「は、はあ。先ほど、緊急逮捕いたしました」

サイバンチョ「よろしい。それでは、形式的ではありますが、被告人、天海春香に判決を言い渡します!」

無 罪

サイバンチョ「では、本日はこれにて閉廷!」

――2019年8月21日 午後3時27分 地方裁判所 第2控室――

輝「な、何とか勝てたな……」

?「失礼。少し、いいだろうか」

輝「は、はい。あなたは?」

>>110
×午前
〇午後

ミツルギ「御剣怜侍、と申す。検事をしている。先ほどの法廷、見事だった。」

ミツルギ「実は、君に詫びたいことがあって来たのだ」

輝「詫びたいこと……?」

ミツルギ「今回の事件で被告人を逮捕した刑事。イトノコギリ刑事に特別な捜査を依頼したのは、この私だ」

ミツルギ「君には捜査不十分で大変な迷惑をかけてしまった。すまなかった」

輝「い、いえ!事件は無事に解決しましたし!」

ミツルギ「まったく、あの刑事も別件を依頼していたとはいえ、このような抜けがある捜査をするとは……」

ミツルギ「彼の給与査定、やはり見直すべきかもしれないな」

輝(気の毒な刑事さんだな……)

輝「あの、御剣検事。その"特別な捜査"とはいったい……?」

ミツルギ「……いいだろう。君には知る権利がある」

ミツルギ「今から約4か月前、ある事件があった」

ミツルギ「君も弁護士ならよく知っているはずだ、"或真敷天斎"の殺人事件について」

輝「そ、その事件は!」

輝(俺もニュースで知っていた。人気マジック団体の或真敷一座の魔術師が殺害された事件……そして)

輝「伝説の弁護士、成歩堂龍一が証拠品をねつ造し、弁護士バッジをはく奪された事件ですよね!」

ミツルギ「そうだ。だがどうしても私は信じられなかった」

ミツルギ「成歩堂が証拠品をねつ造した、ということに」

ミツルギ「私は成歩堂と何度も法廷で対峙した。彼は、そのようなことをする男ではないと」

ミツルギ「そこで、私は現在この事件を再調査しているのだ」

輝「い、いや!いくらなんでも1人の検事の命令で再捜査するのは不可能でしょう!」

ミツルギ「……この事件は、法曹界でも大きな問題になった。なので、検事局の間でも、"再捜査すべきだ"という意見が出たのだ」

ミツルギ「ただし、この再捜査は"極秘"に行っている。なぜなら……」

輝「成歩堂龍一を陥れた人物に、悟られないため……」

ミツルギ「その通りだ」

ミツルギ「現在の法曹界は賄賂・偽装が横行している」

ミツルギ「そして、これからはそのような悪い動きが加速すると、私は考えている」

ミツルギ「我々には、成歩堂のような弁護士が必要なのだ」

ミツルギ「ここで話したことは、内密にお願いしたい」

輝「……分かりました」

ミツルギ「そうだ、、天道弁護士。最後に一つだけ聞こう」

ミツルギ「私は、真実を徹底的に追究するために、法廷に立っている」

ミツルギ「君は、なぜ法廷に立つ?」

輝(俺が法廷に立つ理由、それは……)

輝「俺は、苦しんでいる人の助けになって、笑顔にしたい。そのために法廷に立っています」

ミツルギ「……そうか。実に、素晴らしい目的だ」

ミツルギ「だが、先ほども言ったように、今の法曹界は疑惑に満ちている」

ミツルギ「成歩堂龍一のように、被告人を信頼して、弁護を行う人間でも追いやられてしまう」

ミツルギ「非常に残念だが、これが今の法曹界の現実なのだ」

ミツルギ「長くなってしまったな。勝訴、おめでとう。また会ったら、よろしく頼む」

輝「あ、ありがとうございます!」

輝(御剣さんの言葉を聞いて、俺の中にあった、"ある思い"が確信に変わった)

輝(今の法曹界で、苦しんでいる全ての被告人を笑顔にする。そのようなことは……)

https://www.youtube.com/watch?v=tyqAgewtlT0&index=25&list=PL513A819E4B21FA11

春香「弁護士さん!勝訴ですよっ、勝訴!」

瑞希「お疲れさまでした、天道さん」

輝「ああ、二人ともお疲れ様!」

春香「途中はどうなっちゃうかと思いましたよ」

瑞希「私もです。どきどき……でした」

輝「は、ははは」

春香「はぁ、それにしても。ウラカタさんにあそこまで恨まれてたんですね、私……」

輝「天海さん……」

春香「他の人にも私が今までしてきたことで、いっぱい恨まれちゃってるんじゃないかって、そう思っちゃいました」

輝「天海さん、それは違うよ」

春香「えっ?」

つきつける>春香の新聞記事

輝「この、アイドル大賞。本当に愛されているアイドルしか受賞できないと思うぜ?」

春香「そ、それは……」

輝「今度は百合子ちゃんたちとも一緒に、でっかいライブもやるんだろ?」

輝「そんなこと、たくさん恨まれてるアイドルはできないと思うけどな」

春香「……そう、ですよね!」

春香「私、これからも頑張ります!より多くの人に、私の笑顔が届けられるように!」

輝「ああ、その意気だ!」

輝(さっきの御剣さんの言葉……)

輝(俺は、改めて自分の道を考える時が来ているのかもしれない)

【SideM×逆転裁判】輝「異議あり!」エンディング

https://www.youtube.com/watch?v=oWtXukghHXw&index=16&list=PLC8709D3364DA33AC

原作 
カプコン「逆転裁判シリーズ」
バンダイナムコエンターテインメント「アイドルマスター」「アイドルマスター シンデレラガールズ」「アイドルマスター ミリオンライブ!」「アイドルマスターSideM」


瑞希「あの事件からしばらくして、春香さんの出演する765プロのライブを見に行きました」

瑞希「とっても、素晴らしいものでした」

瑞希「アイドル、少し興味がわいてきました」

瑞希「本気で、目指してみようかな。……がんばるぞ」

真壁瑞希(原作:アイドルマスター ミリオンライブ!)

音楽 逆転裁判シリーズより、またニコニコ動画の作者のみなさま

春香「アリーナライブ!無事成功に終わりました!」

春香「これもあの弁護士さんのおかげですね!」

春香「実は、今度765プロに新しい仲間が増えるみたいです」

春香「次はどんな景色が見られるのか、楽しみです!」

天海春香(原作:アイドルマスター)

百合子「あのあと、いろいろあって何とかライブも終わりました」

百合子「なんでも、私が弁護士さんに渡した本が決め手になったとか!」

百合子「やはりこれからの時代。探偵学は必須ですね!」

百合子「やっぱり、〇〇も面白いけど、××も読んでみたいなぁ。あ、でも△△も……」

杏奈「百合子、さん?」

奈緒「あー、こりゃ当分こっちには帰ってけえへんな」

七尾百合子(原作:アイドルマスター ミリオンライブ!)

美穂「来年、346プロにも新しいプロジェクトができるって聞きました」

美穂「まだ、私。自分にも自信は持ててないけど……」

美穂「後輩ができるなら頑張らなくちゃ!ねっ、プロデューサーくん!」

小日向美穂(原作;アイドルマスター シンデレラガールズ)

早苗「今回の事件で、私もイトノコ先輩と一緒に元上司に怒られちゃったわ」

早苗「私はもう警察辞めてるのに、ひどい話よね!」

早苗「ねぇ、楓ちゃん!」

楓「まあまあ、夏の暑い中、お疲れサマー。なんて、ふふっ」

早苗「楓ちゃん、相変わらずね……」

片桐早苗(原作;アイドルマスター シンデレラガールズ)

イトノコ「今回の事件で、上がった給料がまたカットされちまったッス!」

イトノコ「でも、今回は確かに自分に原因があるッス……クビにならなかっただけましッス」

イトノコ「気を取り直して、今日も捜査頑張るッス!」

糸鋸圭介(原作:逆転裁判シリーズ)

アウチ「あの青二才弁護士のせいで、私の検事としての立場も、怪しくなってしまいました……」

アウチ「まったく、このベテラン、アウチの名が廃れていってるのはいかがなものかと!」

アウチ「……えっ。お前のほうがミスが多く、どっちが青二才かわからない?」

アウチ「……おっしゃるとおりでえええええええ!!」

亜内武文(原作:逆転裁判シリーズ)

ミツルギ「……どうも、近年"アイドル"がブームらしい」

ミツルギ「検事局の中でも、"バンド"を結成している者がいるようだ」

ミツルギ「私も、全てが片付いたら、"元検事、衝撃のデビュー!"でもしてみようかな」

ミツルギ「オーディションは、"大江戸戦士トノサマン"なら私の右に出るものはいないだろう」

?「ミッちゃん!デビューするなら、オバチャン、応援しちゃうョ!」

ミツルギ(やはり、私には検事のほうがあっているか……)

御剣怜侍(原作:逆転裁判シリーズ)

第1話「最後の逆転」

おわり?

輝「異議あり!」

――2019年某月某日 とあるバーにて――



輝「はぁ、やっぱり今日も依頼はないかぁ……」

輝「たまには、バーに入って気分でも変えてみるかな」

男性客「お前では話にならん責任者を出せ!」

輝「ん、あれは……?」

男性客「俺をバカにしやがって!」

輝「おっちゃん、そのへんでやめときな」






天道輝(原作 アイドルマスターSideM)

to be continued……

あとがき
何とか完結いたしました。
ご都合主義がひどかったり、一部キャラの言動(特にてんてるは、どうしてもなるほどくんっぽくなってしまった)や行動に突っ込みどころが多かったのが反省点ですね……
とても長くなってしまいましたが、お読みいただいた方ありがとうございました!
HTML依頼出してきます。

未完になったやつだっけ?

>>188
ニコニコの逆転裁判春香シリーズですね
9.18で更新止まってしまいました……

乙、初めてとは思えないクオリティ

sideMのssは少ないので気が向いたら書いて欲しいです

>>191
ありがとうございます、大変嬉しいです。

今回の時系列では、ほかのMマスのキャラと面識がないためてんてるしか登場させられず、スレタイ見て読んだ方には申し訳ないなと感じました。

逆転裁判系のSSは、かなりプロット考えるの大変だったので、何か軽いものでMマスで1本書けたらなと思います。

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