玄「個人戦、しっかり見学していこうね!」【咲‐Saki‐】 (69)


玄「応援も頑張らないと!」

憧「しっかり見てレベルアップよ!」

穏乃「楽しみですね!」

灼「羽目を外しすぎないように……」

晴絵「信用してるけど、問題起こさないようにね」

宥「はーい」


四つ前:晴絵「個人戦は見学していくからね」晴絵「個人戦は見学していくからね」 - SSまとめ速報
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三つ前:灼「個人戦は見学して行くから……」灼「個人戦は見学して行くから……」 - SSまとめ速報
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二つ前:穏乃「個人戦、見学していくんですね!」【咲‐Saki‐】穏乃「個人戦、見学していくんですね!」【咲ーSaki-】 - SSまとめ速報
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一つ前:憧「個人戦、見学してくのね」【咲‐Saki‐】 憧「個人戦、見学してくのね」【咲‐Saki‐】 - SSまとめ速報
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SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1510673295

咲SS

・阿知賀キャラ+他校キャラ

・短いのをちょこちょこ投下するスタイル

・超のんやり進行

・安価は出しませんが、適当に拾ったり…ただしペースがお察し

引き続きよろしくお願いします

投下します


絹恵「あ、これ! ここどう思うロコちゃん?」

浩子「んー……ああ、たしかにクセっぽいかもなあ……ちょっと地区大会の映像探してみるわ」

灼「その選手の対局、たぶんそっちのフォルダ入ってるよ。 ハルちゃんが要注意って言ってたし……」

浩子「む……おお、あったあった。 さすが師匠抜かり無い……」

灼「……あのさ、その……」

やえ「お待たせ。 入るわよ」

灼「……やえさん……だいじょぶ、時間ちょうど十分前」

浩子「小走さん、どうもです」

絹恵「お久しぶりです! 愛宕の絹恵です! うちのお姉ちゃんがお世話になってますー」

やえ「自己紹介挟まなくてもちゃんと覚えてるわよ。 あと、二度とあいつの世話みたくないからちゃんと手綱握っといてくんない? 相手すんのめんどくさいったら……」

絹恵「あはは……」

やえ「って、そのバカ姉貴はいないのね。 二人もいるから一族揃い踏みでもしてるのかと思ったわ」

絹恵「お姉ちゃんは今頃末原先輩や真瀬先輩と特訓中ですねー」

浩子「私らは個人戦もないですし、ここで情報整理と作戦会議ですわ」

やえ「なんで千里山と姫松の二人が奈良代表の宿にいんのよ……」

絹恵「阿知賀は個人戦代表いないから集まりやすくて……」

浩子「情報精査の専門家の師匠もいますしね」

やえ「師匠?」

灼「それ! それさっきから言いたかったんだけど!」

浩子「ん? なんです? 珍しく大きな声だして」


灼「この子! 私の預かり知らぬところでハルちゃんに弟子入りしおって!」

やえ「口調! 落ち着きなさいよ! ……って赤土晴絵に弟子入り!?」

浩子「ええ、直訴しまして」

やえ「……ふーん」

絹恵「あらら、意外と羨ましげな……」

やえ「……ええ、まあ羨ましいわね。 赤土晴絵って言ったら奈良じゃ有名な打ち手だし、私も何度か打ってもらったけど実力も間違いないし、何より灼たち見てりゃわかるけど指導者としても超優秀だしね」

灼「そうだよハルちゃんは本当に凄くて……」

やえ「ごめん長くなりそうだからその話パスね」

灼「あ、そう……遠慮しなくてもいいのに……」

やえ「……時間あるときにね」

浩子「聞くんかい……で? 結局なんなんです?」

灼「ほら……私が姉弟子だから!」

浩子「ふむ? それで?」

灼「…………それで?」

やえ「なんか考えてから喋りなさいよ!」

灼「えー……その、相応の態度を取るように……」

絹恵「灼ちゃんまたそんなフワッとした……」

浩子「なるほど……つまり、お姉様とお呼びすればいいんですね?」

やえ「どこをどうやったらそうなんのよ!?」

灼「……その通り」

やえ「なに『あ、それいいな。 採用』みたいね顔してんのよ!?」

灼「それいいね。 採用で」

やえ「わざわざ口に出さなくてもいいわよ!!」


浩子「ま、それで満足していただけるのならそれでいきましょか。 小走さんはどうしてこちらに?」

やえ「ま、あんたらと似たような感じね。 いくつか他県の選手の映像もらう予定で……」

絹恵「同県の誼ってやつですか」

やえ「そんなとこ。 だからなんであんたたちまでいんのよ?」

浩子「まあまあいいじゃないですか。 ほら、個人戦に向けて協力しましょうよ。 あ、ちなみにお姉様? 小走さんの対局データは……」

灼「晩成フォルダにまとめて入ってる。 やえさんは個別で年度毎にデータあるよ」

浩子「どもです。 おお、これはなかなかの充実ぶり……」

やえ「情報流してんじゃないわよ!!」

灼「ちなみにこっちに愛宕さんや清水谷さんたちの対局データが……」

やえ「あら、ありがと。 もらってくわね」

浩子「ちょっとお姉様!?」

絹恵「どっちもどっちやない……?」

灼「ところで、ひとつ気になることが……」

浩子「どうしましたお姉様?」

灼「それ」

浩子「はい?」

灼「そのお姉様ってさ……」

やえ「あんたが言い出したんでしょ!?」

浩子「いや、言い出したのは私ですけど」

やえ「どっちでもいいわよそんなの!」

灼「船久保さんさ……なんというか……足りないね」

浩子「何がですか? 胸ですか? は!? キレますよ!?」

やえ「自分で言ってキレてんじゃないわよ!!」

灼「大丈夫! 足りてるから! よしんば無かったとしても足りてるから!!」

やえ「変にシンパシー感じてんじゃないわよ!!」

玄「呼びましたか!?」

やえ「ちっとも呼んでないわよ!!」


やえ「どっから沸いてきたのよあんたは!」

玄「えへへ、灼ちゃんたちが個人戦に向けてデータ整理するって聞いたのでお茶とお茶菓子の用意を……」

灼「ありがと、玄」

絹恵「わぁ、おいしそう! ありがとうございます玄さん!」

玄「いえいえ! でも、ひとつだけ言わせてもらうとすると……」

灼「?」

玄「絹ちゃん以外は足りないんじゃ……」

浩子「お茶とお菓子はありがたいですけどひっぱたいても?」

灼「顔はダメだよ。 ボディにね」

玄「はわっ!?」

絹恵「ロ、ロコちゃん? 暴力はちょっと……」

浩子「絹ちゃんはわからんだろうな……足りてるからな。 足りてるからな!」

灼「船久保さん、いいよ。 遠慮なく一発」

玄「灼ちゃん!? 灼ちゃんなんで!? どうして!?」

灼「自分の胸に聞いてみるといい……」

玄「胸に……?」

灼「私の胸に文句あるの!?」

玄「ご、ごめんなさいっ!?」

やえ「あんたも自爆してくのやめなさいよ!! 松実困ってんじゃないの!!」

玄「こ、小走さん……」

やえ「つーか松実あんた暇ならちょっと後で付き合いなさいよ。 少し打ちましょ」

玄「え!? え、あの、えっと……」

やえ「暇なんでしょ?」

玄「は、はいぃ……暇です……」

灼「やえさん、玄いじめるのやめてくださいよ」

浩子「なに泣かせてんですか」

玄「な、泣いてないですよっ!」


灼「やえさん……玄見つける度にそうやっていじめて……大人げないですよ」

やえ「いじめてないわよ! ちょっと打とうって誘っただけでしょ!」

玄「そ、そうだよ! ちょっと打ってるだけで……ま、負かされるのは私が、私が弱いから……あぅぅ……」

やえ「あんたもいちいち涙目になるんじゃないわよ! 本当にいじめてるみたいじゃないの!」

玄「す、すみませぇん……」

やえ「だからそれ!」

浩子「いじめやな」

絹恵「う、うーん……たしかにそれっぽいかなぁ……」

灼「県予選で負けたのを根に持ってて……」

浩子「あー」

やえ「あーじゃないわよ! 根に持ってないっての!」

灼「インハイ始まる前に晩成と練習試合組んでもらったんだけど、その時も県大会の復讐と言わんばかりに……」

玄「お、思い出させないで……」

浩子「軽くトラウマになっとるで……」

絹恵「や、やっぱりいじめ……」

やえ「いじめじゃないわよ! ただの練習!」

玄「そ、そうですよ! た、ただの、練習で……」

やえ「あんたも半泣きで言うんじゃないわよ! 無理矢理言わせてるみたいじゃないの!!」

浩子「無理矢理言わせとるんや……」

絹恵「小走さん、まさかそんな人には見えなかったんやけど……」

やえ「違うって言ってるでしょ!!」


浩子「お姉様、いいんですか? お友達いじめられてますよ」

灼「あ、そうそう。 だからさ……足りないんだよね」

玄「うん。 私もそう思う!!」

浩子「ちょっと待ってください。 やっぱり一発入れますんで」

絹恵「ロコちゃん落ち着いて! な? な?」

灼「そうじゃなくて……なんというか……妹ぢからが……」

やえ「あんたは急になに言ってんの?」

灼「お姉様と呼ぶなら……もっと相応に? 妹らしく接してほしいというか……」

やえ「頭大丈夫?」

浩子「私そういうの苦手なんですよね……」

灼「江口さんも船久保さんは後輩力足りないって言ってたし」

浩子「まあそれはたしかに……というかなんや? あいつ私に江口先輩とか呼ばれたいん? うえ、気色悪……どういう趣味しとるんや……」

絹恵「そこまで言う?」

浩子「というかそういうのは絹ちゃんのが得意やん? 現役の妹やし」

やえ「妹に現役以外あるの?」

浩子「しかも妹歴なんと17年!」

やえ「そりゃ生まれたときから妹でしょうよ」

浩子「いえいえ、複雑な家庭の事情とかあったらその限りでは……」

やえ「例外パターン考慮しなくていいわよ! 該当する子いたら気まずくなるでしょ!!」

灼「あっ……玄……」

やえ「え!? え、え!? ご、ごめんなさい……そ、その、えっと……私……知らなくて……」

玄「ふぇ!? い、いえ! お、お姉ちゃんは実のお姉ちゃんですよ!?」

やえ「……灼ぁ!!」

灼「てへっ」


灼「とはいえ玄は妹ぢからよりもお姉さんぢからが強いので……」

やえ「私はさっきからあんたがなに言ってんのかわかんないわ……」

浩子「仕方ない。 絹ちゃん、頼むわ」

絹恵「へ?」

灼「ちょっとお姉様(はぁと)って呼んでみて」

絹恵「へ?」

浩子「ちょっとなんでそんなかわいい感じ出してるんですか私にはそんな注文しなかったじゃないですか」

灼「だってキャラじゃないでしょ」

浩子「そりゃそうですけど私だってその気になればですね……」

やえ「ワケわかんない言い争い始めるのやめてくんない?」

玄「ちょっと……あの、いいですか?」

やえ「そうそう、あんたも言ってやんなさい。 なんのために集まったのよ……」

玄「わ、私だって妹であることには自信があるよ!? ちゃんとお姉ちゃんって言えるもん!」

やえ「なんで張り合ってんのよ!?」

絹恵「あの……私もお姉ちゃんの方が言い慣れてるって言うか……」

やえ「あんたもなんで乗り気なのよ!?」

灼「やえさんツッコミ疲れません? お茶ありますよ。 玄が淹れたやつですけど」

やえ「わかってて遊んでんじゃないわよ!!」


浩子「はぁ……小走さんはほんと真面目ですねぇ……たまには息抜きしないとダメですよ」

やえ「なんで私が悪いみたいになってんのよ!」

絹恵「そうそう、疲れちゃいますよ? ゆっくり息抜きしましょうよ、お姉ちゃんっ」

やえ「いや、だから……っ!」

灼「……ちょっといいなって思ったでしょ?」

やえ「お、思ってないわよ!」

玄「えっと、そ、そんなに怒らないで、お姉ちゃん?」

やえ「だ、だから……っ!」

浩子「……これちょっといいですね」

灼「うん……そのうち憧や穏乃にも一回言わせたいんだけど……」

やえ「ハマってんじゃないわよ!!」

浩子「まあまあ、気にしないでください。 こうやって遊び始めることで小走さんに練習させないという高度な作戦なので」

絹恵「え? そうだったん?」

やえ「やっぱり私帰るわね」

浩子「冗談ですから! ほら、力を合わせて頑張りましょうよ!」

やえ「嘘臭いのよあんた! 全然思ってないでしょ!?」

浩子「いえ、そんなことはないですよ? まあ、どうせならうちの先輩にトップ取ってほしいとは思ってますが……東京もんに三連覇なんてさせるぐらいなら……ね」

やえ「……私だって負けるつもりはないわよ」

絹恵「宮永、団体戦でもトンでもでしたからねぇ……うちのお姉ちゃんも一回も勝ててないですし」

灼「実際に打ってみた感想は?」

玄「あぅ……ほ、本当に凄くって……うう、私、いっぱい点棒減らしちゃって……」

やえ「あーもう、わかったからいちいち泣かないの! ほら、ハンカチ貸してあげるから……」

絹恵「ふふ、小走さんもお姉ちゃんみたいやね」

浩子「どっちかというとオカンやない?」

やえ「うっさいわよ!」


浩子「にしても、見れば見るほど死角がないんですよね、宮永照」

やえ「そうね……そうなのよね……ほんと、普段あんなんなのに麻雀打ってるときは……」

絹恵「連続和了の打点制限ぐらいですよねぇ……それでもガンガン和了っていきますけど」

やえ「その点、準決は松実がだいぶ照の手に制限かけてたけどね……」

玄「あれは……でも、勝負になったのは園城寺さんと花田さんのお陰です……打ってるときには全然気づかなかったですけど」

やえ「あんた鈍いわよね」

玄「あぅ……いっぱいいっぱいだったんですよぉ……」

絹恵「あはは……たしかに、あんな化物とやりあってたら余裕は無さそうやね」

浩子「冷静さを失ったらいけませんよ? 勝てるもんも勝てなくなりますからね」

灼「ん……やっぱり落ち着いて勝負どころを見極めるのが大事」

やえ「言ってることは正しいけど自爆してキレてたふたりが言うと説得力皆無ね」

絹恵「ふふ、でも三人は結構落ち着いて状況見てーってタイプですよね」

浩子「まあな……でも打ってみた感じ、鷺森……いや、お姉様は結構熱いタイプやったで?」

灼「もういいよそれ……とゆか、私よりもやえさんの方が熱血系だと思」

やえ「熱血って……つーか、一番好戦的なのは船久保でしょ?」

浩子「ふむ……ま、否定はしませんよ。 校風ってのもあるとは思いますが」

やえ「ほぼほぼ性格要素でしょ」

絹恵「でもやっぱり千里はうちのお母さんの影響凄いと思いますよ? 好きあらば殺す! って気迫が……」

灼「準決の時も凄かったよね。 隙を見せた亦野さん相手の舌舐めずりしてる時とか凶悪な顔してたよ」

浩子「凶悪とは酷いでお姉様……おばちゃん、もとい監督も白糸台は準決決勝の二回殺せって言ってたし、先輩方共々全員そのつもりでやってたんでチーム全体の殺意高めでしたから」

灼「だからもういいって……」

浩子「なんでやらせといて先に飽きてるんや! 私が満足できる妹ぢからを手にいれるまで付き合えや!」

灼「ええ……なんでそんなやる気満々なの……」

浩子「凝り性なもんで」

やえ「どうでもいいとここだわってんじゃないわよ!」


浩子「まったく……じゃあほら、もうわかりましたから。 さっさと続きやりましょ。 打倒宮永照、ってことで」

絹恵「おー! 頑張って弱点見つけよ!」

玄「私もお手伝いしますよ!」

やえ「そう簡単に見つかるなら苦労はないんだけどね……」

灼「まあね……じゃあ話題にあがった準決勝でも……」

玄「…………はぁ」

やえ「ほら、へこんでんじゃないわよ。 あんたがドラ抱えてたから園城寺や花田がうまく立ち回れたんだから……ちゃんと仕事できてたわよ。 最後には一撃入れたんだし」

玄「小走さん……」

灼「あ、ここ!」

やえ「! なんか見つけたの!?」

灼「玄、また涙目になってる」

浩子「対局中に泣くのどうなんですかね」

玄「ふえぇ……」

やえ「松実いじめるのやめなさいよ!! かわいそうでしょ!! 頑張ってたじゃないの!!」

灼「つい……」

浩子「泣き顔そそりますよね」

灼「それ」

やえ「あんたらちょっと黙ってなさい!!」

絹恵「もう、ふたりとも意地悪ばっかり言うたらあかんよ?」

浩子「すまんすまん」

灼「ごめ……」

やえ「なんでそっちには素直なのよ!?」

灼「絹ちゃんすごくいい子だし……」

浩子「小走さんめっちゃ反応いいからつい……な」

灼「ね」

やえ「変に仲いいわねあんたら!? 腹立つわ……」

灼「……やきもち?」

やえ「違うわよ!!」


やえ「真面目にやんなさいよ真面目に……」

灼「だいじょぶ。 まかせて」

やえ「なんか自信満々だけど今一切信用ないかんね?」

玄「小走さん! 灼ちゃんはとってもしっかりしてて……」

やえ「真面目なフォローはいいから!」

玄「え?」

絹恵「小走さんも灼ちゃんがしっかりしてるのはちゃんとわかってますって」

浩子「わかってて言ってるんや。 つまりいじめやな」

灼「やえさんひどい……」

やえ「なんでそこまで私をいじめっ子にしたがんのよ!?」

浩子「ところで玄さん、この準決最後の最後までドラ切りませんでしたけどやっぱりなんか制約が……」

玄「あ、それはですね……」

灼「玄、来年も打つんだし言わなくていいから」

玄「あ、そっか……」

浩子「いいじゃないですかどうせバレバレなんですし答え合わせさせてくださいよ」

絹恵「私も! 私も気になるなぁ」

玄「えっと、それじゃあ……だ、誰にも言ったらダメですよ?」

灼「玄? 玄も誰にも言ったらダメだよ? どうしても話したかったら後で私と二人の時にしてね」

玄「え? でも灼ちゃん知ってるでしょ?」

灼「うん。 だから誰にも話さなくていいから」

玄「うん……うん?」

絹恵「ダメやって」

浩子「ガード固いな」

やえ「……ちょっと!」

浩子「あ、今真面目にやってるんで」

灼「邪魔しないで」

やえ「…………」


灼「……ちょっとふざけすぎた?」

浩子「これ怒っちゃいますかね?」

絹恵「ロコちゃんも灼ちゃんもやり過ぎやって」

灼「ちょっとご機嫌とろうか?」

浩子「話題振りましょうか……それにしても小走さん」

やえ「目の前で堂々と作戦会議してんじゃないわよ! せめて聞こえないようにやりなさいよ!!」

浩子「ですって玄さん」

玄「ふぇ!? あ、あの、ごめんなさい……」

やえ「松実はいいのよ! そっちの二人!」

浩子「なんか玄さんには甘くないですか?」

灼「怒られそうになったら玄にまかせよっか」

やえ「なんで自分は関係ないみたいな顔しながら酷い相談してんのよ! っていうか松実に甘いんじゃなくてあんたらが今回目に余る酷さなだけでしょ!」

浩子「酷いと言えば玄さんの理不尽なドラ爆ですけど」

玄「……あれ!? 私ですか!?」

絹恵「たしかにとんでもないわなぁ」

灼「はじめて見たときはあまりの理不尽さに震えた」

玄「えっ……え、あの……」

浩子「小走さんよく初見であそこまで対応しましたね? 県大会の初戦って玄さん完全にデータ無しでしょう?」

やえ「あれは……まあ、たしかにかなりしんどかったわね。 当たったのが一回戦じゃなくて……例えば決勝だったらうちが勝ってたと思うけど」

灼「うちとしてはラッキーだった……県大会の一回戦だと……その、選手の力もまちまちだし……玄は特に初見じゃ対応できないタイプだし」

絹恵「他の二校が銀行状態でしたもんね」

やえ「この私だってかなり動揺したかんね……あいつらがトバないように気をつけながら松実が和了る前に和了ってかないといけなかったから……」

浩子「どこまで判断ついたんですか?」

やえ「いきなりあのドラ爆倍満だったかんね……ヤバい側のやつだってのはすぐに。 あとはこっちがドラ引けない分手作りに制限かかるから……」

やえ「……なんか思い出したら腹立ってきたわね」

玄「!?」


やえ「だいたい赤ドラまで抱えるってどういうことよ! 真ん中に壁作られた上にドラによっては順子ほぼ作れないし!」

玄「す、すみません……」

浩子「とてつもなくめんどくさそうですよね」

やえ「面倒なんてもんじゃないわよ! あのバカみたいな火力相手にドラ無しで速攻かけて取り返せってんだから……」

絹恵「……大会じゃあ、あんまり打ちたくないなぁ」

やえ「松実自身の手も相当制限かかってるし、園城寺や照はそこを上手くついてたけど……普通はあそこまでできないわよ? 松実自身も普通に上手いし!」

玄「え? えへへ、ありがとうございます」

浩子「いや、こっちは県大会見てる分前もって対策できましたけど……初見で対局場でその場でそこまで判断してしっかりプラスで帰った小走さんも普通に化物クラスですよ?」

やえ「私は……たいしたことないわよ。 あれぐらい、ちょっと計算するだけだし……」

絹恵「ちょっととは……」

灼「その計算ができるのが……」

やえ「計算は努力でどうにでもなる部分でしょ。 それこそ、私がどれだけ練習したとこで松実みたいにドラが集まるわけじゃないし……」

やえ「……照みたいに、ドラ無しで火力上げながら松実に勝ったりとかもできなかったわけだしね」

玄「……小走さん、すっごく強かったですよ? 県大会以降はやられっぱなしですし……」

やえ「それは、時間をかけて対策組んでるからだもの。 あんまり悔しくて個人戦の対策に使うべき時間をあんたに使っちゃったんだかんね?」

玄「あ、えっと、その……こ、光栄です……」

やえ「はぁ……ほんと、嫌になっちゃうわよね……持ってるやつらってのは……」

絹恵「小走さんだって十分持ってる側だと思いますけど……うちの末原先輩とかもですけど、自己評価低すぎると思うんですよね」

やえ「ああ……そこまで仲いいわけじゃないけど、あいつの気持ちはちょっとわかるかもね。 私たちみたいなのは自己評価低いから頑張るのよ……持ってるやつらの倍は練習しないと勝てないんだから」

浩子「データ収集もその一環ですか」

やえ「そうね。 ただ、どれだけ牌効率とか計算してもそういうの越えてくのが持ってるやつらなんだけど……あんたのバカ姉貴なんかも異次元な牌の止め方するわよね。 ほんと嗅覚がいいというか……天才ってやつは腹立つわ」

絹恵「……お姉ちゃんだって頑張って練習してるんですよ?」

やえ「わかってるわよ。 でもあんたの姉貴は余計に腹立つのよね……練習してるの隠すんだもの。 陰でアホみたいに練習してるくせに、うち天才やからーみたいな……」

灼「あー」

浩子「洋榎はけっこうそういうタイプですね」

やえ「ああいうのの倍は練習しないとこっちは勝てないってのに……負けたらこっちが努力してないみたいじゃないの……ま、足りてないからやられるんだろうけど」


灼「……やえさんが頑張ってるのは、みんな知ってる」

やえ「ん、ありがとね。 それでも勝つためにはまだまだ努力が必要なのよ」

絹恵「……あんまり頑張りすぎても良くないですよ? ちゃんと体も休めないと……」

やえ「ふふ、それは末原に言ってやんなさいな。 あいつ睡眠削るタイプでしょ」

浩子「ちなみに私は気がついたら朝が来てるタイプですね」

玄「……それは一緒なんじゃ?」

浩子「末原さんは頑張らないと! って意識的に睡眠削ってくタイプですが私は趣味でデータ集めてるところもあるんで……だんだん楽しくなってきて気がついたら日の光が……」

灼「船久保さん変わってるよね」

浩子「鷺森には言われたくないですね……そういえば昨晩も辻垣内のデータ洗ってたらいつの間にか朝になってて……」

やえ「さっさと寝なさい!」

浩子「……ベッド借りますね」

灼「どぞ」

浩子「30分経ったら起こしてください……」

絹恵「ちゃんと寝ないとアカンよ、ロコちゃん」

浩子「いやもう30分も寝ればじゅうぶんなんで……………………」

やえ「……一瞬で落ちたわね」

灼「寝てないの思い出したら眠くなったんですかね」

絹恵「眼鏡かけたままうつ伏せに倒れ込むって相当痛いと思うんやけどロコちゃん大丈夫なんかな……眼鏡外しといてあげよ」

玄「……起こさない方がいいですよね」

絹恵「うん、寝かせといてあげてください。 ロコちゃん、この感じだとたぶんしばらく寝てないと思うんで……」


やえ「ったく、なんで個人戦の選手じゃない船久保に無理させてんのよ千里山は……」

絹恵「うーん……自分でも言ってたけどロコちゃん趣味でやってるとこもあるんで……」

やえ「はぁ……ま、私も人のことは言えないんだけど……」

灼「ちゃんと寝てます?」

やえ「寝てるわよ。 寝ないで詰め込むより効率いいかんね」

玄「……もし寝ない方が効率が良かったとしたら……」

やえ「…………まあ、それなら寝ないわね」

灼「ちゃんと寝て」

やえ「寝てるわよ!」

灼「なんならそこで寝てく?」

やえ「なんで船久保と添い寝しないといけないのよ!?」

玄「あ、でも人の体温とかって隣にあるとちょっと安心しますよね」

絹恵「えっ!?」

玄「え?」

絹恵「あ、いや、その……玄さん、大人やね……わ、私はそういうのあんまり、経験なくって……」

玄「…………あ、ああ!? ち、違いますよ! お、お姉ちゃんが冬場とか、寒いってよく来るから……それだけで!!」

灼「宥さんと添い寝とかただのご褒美じゃない」

玄「お姉ちゃんの熱量凄いから割と大変だよ!?」

灼「…………冬場なら」

玄「そういうこと言うとお姉ちゃん喜んで行っちゃうからね……」


やえ「……ほら! もういいでしょ、続き始めるわよ! こうして遊んでる間にも個人戦のライバルたちは練習して……」

灼「……やえさん、携帯鳴ってるよ」

やえ「……ごめんなさいね。 ……もしもし?」

照『やえ、ケーキ食べに行こうケーキ。 ケーキバイキング』

やえ「…………」

絹恵「あ、切った」

やえ「間違い電話だったわ。 ほら、準決はもういいから、照に黒星ついてる戒能プロとの対局でも……」

玄「あの、また着信入ってますよ……?」

やえ「…………なによ?」

照『わかった。 私が奢るから。 ケーキ食べに行こうケーキ』

やえ「…………弘世たち誘って行きなさいよ」

照『? なに言ってるの? 個人戦前なのに菫にそんなこと言ったら怒られるに決まってる』

やえ「…………。 今日は間違い電話が多いわね」

絹恵「今思いっきり会話してましたけど!?」

やえ「気にしなさんな。 今は個人戦のことだけ考えて……」

灼「……凄い通知来てますけど」

やえ「…………」

照『※大量のケーキの画像』

照『おいしそうでしょ』

照『一緒に行こ』

やえ「…………」

灼「だいじょぶ?」

やえ「電源切ったから大丈夫よ」

玄「それ大丈夫なんですか……?」

やえ「これで個人戦負けたらその方が問題よ! ったく、本当になんであんなやつが……!」

灼「……ちょっとぐらいかまってあげたら?」

やえ「あいつが遊んでる間に練習しないと差が縮まらないでしょ! ほら、付き合ってくれるんでしょ?」

灼「……照さんのフォローしたらね」

やえ「ほっときなさいよあんなバカ……」

灼「やえさん、ほっといたら気になって集中できないでしょ」

やえ「…………んなことないわよ」

絹恵「優しいですもんねえ、小走さん」

やえ「普通よ普通」

灼「はいはい………………あ」

やえ「どしたの?」

灼「なんで灼とは遊ぶのにわたしとは遊んでくれないの!? って拗ねてます」

やえ「遊んでないわよ!!」


カン!

絹ちゃん→フナQのロコちゃん呼びがツボでした
阿知賀実写も楽しみですね。アニメ二話の小走先輩の引きとか大好きなのでうまいこと残してほしいなぁ

乙です
絹ちゃんの船Qさんへのロコちゃん呼びは衝撃的でしたよね
雅枝監督へのおかん呼びに匹敵する衝撃でしたね
あ…久々にリクしますが
はやりんとのどっちさんと玄ちゃーと絹ちゃんと竜華さんによる“此処が凄いよ!家の母”をお願いします!

やっとこ少し時間できたので>>22これ。
龍門渕の巻が来るたびに幸せになります。透華カレンダー欲しい…そして純くんはかわいいもかっこいいもこなせて最高だなって


浩子「どうも先輩方。 お疲れさまでした」

セーラ「おう、浩子! どやった?」

浩子「どやったもなにも……まあ、流石でしたね。 清水谷先輩は」

絹恵「セーラさん、今日は出番ありませんでしたからね……」

セーラ「せっかくやからオレもええとこ見せたかったんやけどな……まあオーダーばっかりは仕方ないわ。 俺が決められるわけじゃないしな」

竜華「ふふ、せっかく見に来てくれたのに残念やったなぁ」

浩子「セーラ、今日なにひとついいとこ無かったんやからさ……」

セーラ「悪い顔しとらんで……素直にお願いできんのかお前は……」

浩子「野依プロに会わせてくださいよファンなんですよ私」

セーラ「そりゃあ知っとるけど……素直にお願いされると、なんや……気色悪いなあ……」

浩子「はっ倒すで?」

セーラ「へえへえ……ま、浩子たちならええやろ。 絹ちゃんも来るやろ?」

絹恵「ええんですか? やった!」

竜華「ふたりとも有望やしなあ……大学卒業したら是非エミネンシアに!」

浩子「いやあ、入れてくれるんなら喜んで来ますけどね」

竜華「へへ、私じゃどうにもできんしスカウトの目に留まるよう頑張ってな! それじゃあ、理沙先輩ならたぶんまだ控え室に……あっ! 瑞原プロたちやん! 挨拶してこー!」

絹恵「あっ……ちょっと、竜華さん……!」

セーラ「またあのアホは……んじゃ、オレら先行っとるから絹ちゃん竜華頼むで」

絹恵「へ? ちょっとセーラさん……」

浩子「よろしくな絹ちゃん」

絹恵「えっ……えー……」



ーーーーーー


嘉帆「……それじゃあ、私はそろそろ失礼しますね」

和「あっ……その、今日は見に来てくれてありがとうございました。 その、不甲斐ないところを見せてしまいましたが……」

嘉帆「大丈夫大丈夫! 次頑張って取り返せばいいんだから! ……また、見に来るわね」

和「……はいっ!」

はやり「今日はありがとうございました! 帰り道お気をつけて」

嘉帆「あはは、私みたいなおばさんじゃ夜道の心配はいらないですよ」

晴絵「……どこを取ってもおばさんに見えないんで気をつけてくださいね」

嘉帆「ふふ、ありがとうございます赤土先生、気をつけますね。 それでは」

竜華「瑞原プローっ! 赤土プロに和ちゃんも! お疲れさまでーすっ!」

はやり「りゅーかちゃん! お疲れさまっ☆」

晴絵「ああ、お疲れ。 今日はご活躍だったね。 うちのかわいい教え子をいじめてくれちゃって」

和「……次は負けませんから」

竜華「えっへへ、それは楽しみやなぁ」

絹恵「竜華さん! なにもそんなさっき戦ったばかりの相手に……原村さんお久しぶりです、インハイで打ったの覚えとる?」

和「お久しぶりです、愛宕さん……その、あの時はインパクトがすごかったので……」

絹恵「う……その節はどうも大変な失礼を……今もその不気……か、かわいいの抱いて打っとるんやね」

和「はい。 この方が落ち着くので……」

竜華「あ! そういえば今の美人さんは和ちゃんのお姉さん? そっくりやね! 和ちゃんに似て綺麗な人やねー」

和「え? あ、いえ、姉ではなく……」

竜華「あ! 和ちゃんがお姉さんに似てるんやな! あはは、順番が逆やったわ!」

和「あの、ですから姉ではなく、母で……」

竜華「……へ? 母親? ……あはは、そんなまさか……え? マジのやつ?」

はやり「見えないよねぇ」

晴絵「嘘だと思うよな……」


竜華「……え…………でも、だって、それじゃ……和ちゃん私のふたつ下やんな?」

和「ええ、そうですが……?」

竜華「……って、ことは…………」

竜華「…………ま、まさかの年齢一桁で出産!?」

和「どういう発想ですか!?」

竜華「だ、だってどう見ても私よりちょっと上ぐらい……せ、せいぜい赤土プロや瑞原プロぐらいやろ?」

晴絵「あー……たしか、今の私の年ぐらいで和産んだって言ってなかったっけ?」

和「そう……ですね、母も所謂アラフォー……いえ、アラフィフというやつで……」

竜華「小鍛治プロ世代!?」

晴絵「アラサーだよ!?」

絹恵「そこは普通にボケるんですか」

竜華「へへ、いやあ、ここは定番かなって……」

晴絵「うーん、つい突っ込んでしまった……」

はやり「やめてあげなよ……すこやちゃんこの前のお誕生日でも……」

晴絵「ああ、こーこちゃんとラジオの公録やってましたね……誕生日おめでとう! 三十といくつだっけ? とかって……」

はやり「うん……はやりもゲストで呼ばれてたからさ、流石に目の前で掴み合いの喧嘩が急に始まったからびっくりしちゃって……観覧の人たちも煽るし……」

晴絵「盛り上がってましたけど完全に事故ですよね……」

はやり「まあ、あの二人は半分くらい放送事故だけどね……」

絹恵「それがウケてるみたいなとこありますけどね」

晴絵「あのふたり事故るけど番組回すのは上手いからなぁ……」

はやり「ロスタイム分きっちり詰めて時間納めるんだよねぇ……そういうところはさすがプロというか」


穏乃「和ーっ! 赤土先生!」

和「穏乃! 玄さんも!」

玄「こんばんは! 瑞原プロに……竜華さんに絹ちゃんも!」

竜華「穏乃ちゃんに玄ちゃんやん! やだー久しぶりやねー! もしかして今日は私の応援…………では、ないわな……」

穏乃「え、あ、えっと……竜華さんの応援もしましたよ!? その、和相手に、すごくて……」

和「……どうせ私は負けましたよ」

穏乃「えっ、あの、でも、和もすごく頑張ってたし!!」

竜華「ごめん、ごめんな!? 空気悪くしてごめんな!」

穏乃「いえいえそんな! 竜華さんは全然悪くないですから!」

絹恵「……考えなしに喋る竜華さんが悪いやんな?」

玄「えっ……うーん……あはは」

竜華「玄ちゃんにまで笑って誤魔化された……」

玄「え!? いえ、誤魔化すとかではなくって……」

絹恵「竜華さん! いったん黙ってください! たぶん何喋っても今ダメです!」

竜華「うう……そうするわ……にしても、絹ちゃんも言うようになったなあ……」

絹恵「あ、す、すみません! 生意気なこと言ってしまって……!」

竜華「あ、違……違うんや! 責めてるわけやなくって……!」

はやり「りゅーかちゃん……一回落ち着こ? ね?」

竜華「す、すみません……」


玄「そ、そういえば! ついさっき和ちゃんのお母さんとすれ違ったよ! 昔会った時と全然変わらないからビックリしちゃったよ」

和「そうですね……もうアラフィフだというのにいつまでも若いままで……」

穏乃「小鍛治プロ世代!?」

竜華「アラサーやで!?」

絹恵「……それさっきやったやないですか」

穏乃「あ、被せちゃいました? すみません……」

竜華「ええよええよ私も言いたかったし!」

晴絵「小鍛治さん……」

はやり「……もうそういうものなのかな」

穏乃「小鍛治プロがこーこちゃんと組み始めたのって私の高一のインハイの頃ですから……」

絹恵「けっこう年季の入ったネタになってますね……」

はやり「まあ……それに今後も続けそうだしねぇ……」

晴絵「……こーこちゃんが30見えはじめたらやめるんじゃないですかね」

はやり「なるほど……いや、すこやちゃんがやり返し始めるんじゃないかな……?」

晴絵「あー……かえって自分がダメージ受けることになるでしょうけど……やりますね、確実に」

穏乃「一生使えるネタかぁ」

竜華「おいしいなぁ」

絹恵「年齢いじりはおいしいんですかね」


玄「……それにしても」

晴絵「ん? どうした?」

玄「いえ、ここはおもち比率が高くていいなぁ……って」

晴絵「…………あ、そう……」

穏乃「たしかにこの場だと私みたいな方がレアですね! どうですか? SSR高鴨穏乃って感じですかね!」

晴絵「うーん……? まあ希少な感じは伝わってくるけどその称号はちょっとどうかと……」

絹恵「ハートビーツ限定ガチャ! 限定SSR【whirlwind】瑞原はやり、【牌のお姉さん】瑞原はやりが手に入るのは今だけ!」

和「はやりんが二種類も!?」

晴絵「早速食いついた子がいるなぁ……」

玄「限定なら水着とか……」

晴絵「男子か!」

竜華「めっちゃ儲かりそうやね」

晴絵「うん、滅茶苦茶儲かりそうだけど身近に破滅しそうな子が何人かいるので勘弁してくれませんかね……」

はやり「……そういえば、何年か前に似たようなことがあったなあ……プロ麻雀せんべいと牌のお姉さんコラボで……」

和「歴代牌のお姉さんのカードがついてきたやつですね。 私も普段はああいうものは買わないのですが、はやりんのカードが欲しくてゆーきと一緒に買いに行きました!」

はやり「えへへ、ありがとうのどかちゃん! はやりもあの時は真深さんのカードが欲しくてついついたくさん買っちゃって……」

晴絵「はやりさんは買わなくても貰えたんじゃ……」

はやり「まあ気分の問題というか……ほらほら見て! 真深さんのカード! かっこいいでしょ?」

晴絵「持ち歩いてるんですか!?」

はやり「えへへ、お財布に入れてね、お守りにしてるんだよっ☆」


玄「…………あんまりおもちじゃないですね」

晴絵「玄? 大丈夫かー? 今日はだいぶダメな感じかー?」

玄「す、すみません! 今日は和ちゃんのお母さんにはじまりおもち力が高すぎて脳が……」

竜華「脳が!? 大丈夫なん!?」

玄「大丈夫ですけど大丈夫じゃないというか……」

穏乃「玄さんはいつも通りだから大丈夫ですよ!」

晴絵「いつも通りならあまり大丈夫じゃないんじゃないかな……」

和「……なんといいますか、たしかに自慢の母ではありますが、そういう風に言われるのは……その、複雑なんですが」

玄「ご、ごめんね? 和ちゃんのおもちもすごいよ!」

和「そういう話ではないです」

玄「え? じゃあどういう……?」

和「玄さん大丈夫ですか?」

玄「私大丈夫じゃないの!?」

晴絵「ダメそう」

穏乃「やだなあもう、玄さんはいつも通りじゃないですか」

絹恵「いつもダメなんやね」

玄「私ダメだったの!?」

竜華「玄ちゃん安心して! 私もよくアホとかダメとか言われるし!」

玄「えっ……そ、そうなんですか……」

晴絵「なにも安心させる要素になってないぞ」

竜華「あれっ!?」


和「はぁ……まったく、玄さんは相変わらずですね……」

晴絵「……変わらなくていいこともあるけど、あれは多少変わった方がいいよな……」

玄「だ、大丈夫ですよ! 誰にも迷惑かけてないし……」

和「え?」

玄「えっ?」

和「…………」

玄「……か、かけてないよ? ……かけてないよね?」

穏乃「私は玄さんに迷惑なことなんてされたことないですよ!」

玄「だよね!」

晴絵「……だろうなあ」

穏乃「…………なんか、すみません」

晴絵「いや、こっちもごめん……」

和「……まさかおか……母に変なこと」

玄「してないよ!? あ、挨拶したぐらいで……!」

絹恵「……玄さん信用ないん?」

穏乃「そんなまさか! きっと、信じてるからこそですよ!」

竜華「いらんとこ信用されとるね……」

はやり「……く、くろちゃん、面白い子だよね……」

晴絵「はやりさん、そこのフォローはだいぶ苦しいと思うんで無理にしなくてもいいですよ」

はやり「う、うーん……」


和「だいたい、玄さんはそういうところだけちょっとおかしいんです! その……む、胸がどうのとか……それに、見境も無さすぎます! 私の母にまで……!」

玄「だ、だから誤解だってば! そりゃあ、相変わらずすごいおもちですねうへへぇって思ったけど口に出してないもん!」

和「なんてこと考えてるんですか!」

晴絵「うへへぇって……」

絹恵「普段はしっかりした子なのになぁ……」

玄「ほ、ほら、その……わ、私もね? ただ、和ちゃんのお母さんが好きなだけで……む、昔からカッコよかったし! できる女って感じで!」

和「む……ま、まあ、そうですね。 それはそうかもしれませんが……」

晴絵「和、すっごいにやけてるけど……」

和「に、にやけてませんよ!」

穏乃「和は昔っからご両親のこと大好きですからねぇ」

和「べ、別にそんなこと……」

はやり「素敵なご両親だよねっ☆」

和「はい! 自慢の両親です!」

絹恵「変わり身早いなぁ……」

和「ま、まあ……よく考えれば特に恥ずべきことではありません。 恥ずかしいような親ではありませんし、むしろ立派な人間です。 誇りこそすれ隠す意味はありません」

晴絵「これまた急に堂々と……」

竜華「ふふ、気持ちはわかるなあ……私んとこも母親昔っから忙しくて飛び回ってたけど、カッコよくて美人で自慢の母親やで!」

絹恵「そういえば、竜華さんとこもお母さん若いですよね……しかもめちゃくちゃそっくりやし! 原村さんとこよりも似とるかも!」

和「そうなんですか?」

竜華「ふっふーん……そうやな、和ちゃんのお母さんと同じレベルの美人やで!」

晴絵「そっくりって言われた後に美人強調すると私超美人! って言ってるみたいだぞ」

竜華「うあ!? そ、そんなつもりではなくって!!」


穏乃「ふむ……これは両親を自慢する流れですね! 私のところも……もう少しお母さんやお父さん身長あればなあ……伸びなかったの遺伝だよなあ……」

絹恵「早速へこむん!? 大丈夫や! 穏乃ちゃんちっこくてもその分かわいいから!」

穏乃「ち、ちっこ……うう……絹恵さんはいいですよね……お母さんはあの愛宕プロだしお姉さんも洋榎さんでカッコいいし……背も高いし……170近くあるし……」

玄「穏乃ちゃん個人的な嫉妬でてるよ!?」

穏乃「だって私……140とちょっとしかないんですよ! 羨ましいですよ!」

晴絵「ちょっと盛ったな……」

穏乃「そそそそんなことないですよ! シークレットブーツとかも履いてないですし!!」

和「履いてるんですね……なんだか目線が近いとは思いましたが」

晴絵「むしろしずがそういうお洒落を覚えたことが感慨深いよ……」

はやり「しずのちゃんの気持ちわかるなぁ……はやりもこれが遺伝なら……お母さんの胸がもっと小さければと何度思ったことか……」

玄「そ、そんなもったいないですよ素敵なおもちなのに!!」

和「だからそうやって食いつくのやめてくださいよ……」

はやり「ふふ、いいお母さんだけどね☆ はやりが子どもの頃からアイドルやったり、麻雀やったり……いろんなこと応援してもらって……すっごく感謝してる」

穏乃「……私もいろいろ我儘言っちゃってるし……ちゃんと親孝行しないとなあ」

晴絵「いい心がけだ。 孝行のしたい時分に親はなしって言うしね」

玄「そうですねぇ……」

晴絵「……あー、その、ごめんな」

玄「あ、いえいえ! 大丈夫です! お父さんもまだまだ元気ですし! お母さんは……だんだん、思い出せないことも増えてきましたけど……それでも、とっても素敵なお母さんだったことは覚えてますから」

晴絵「……露子さんには私もいろいろ世話になったなあ……麻雀も教わったり」

玄「ふふ、面白いですよね。 お母さんの弟子の赤土先生にまた私やお姉ちゃんが麻雀教わって……」

晴絵「そうだな……心構えとか、そういう面でもいろいろ影響受けたよ」

竜華「しっかり受け継いでるんやね! そういうの素敵やん! 絹ちゃんとこもお母さんに結構影響受けてるんやない?」

絹恵「んー……そうですね。 私もお姉ちゃんも大元はやっぱり母親ですし……それでも、お姉ちゃんはともかく私は善野監督や赤阪監督の影響の方が強いかも知れませんね。 中学の時はサッカーやってましたし、改めて勉強したのが姫松でしたから」

はやり「でも、やっぱり端から見てるときぬえちゃんもひろえちゃんもまさえさんにそっくりだよ? 見た目だけじゃなくって、麻雀も!」

絹恵「へへ……そうですかね? 私も母や姉に負けない打ち手に……いや、二人よりも凄い打ち手になるのが目標ですから!」

竜華「おっ! ええぞ絹ちゃん! 頑張れー!」

穏乃「目標は大きい方が燃えますよね!」


はやり「まさえさんは本当に凄い人だからね……本人にその気がないのに関西系の雀士に影響力いまだに強いし……」

晴絵「超大物ですからね……プロで結果出して今は千里山で後進を育てて……」

絹恵「ふふ、家にいる時は普通のオバチャンって感じなんですけどね」

竜華「監督が聞いたら怒るで?」

絹恵「千里では鬼監督かもしれませんけど、私にとっては優しいオカンですから」

はやり「はやりたちはたまーにお食事とかご一緒する機会もあるけど……ね」

晴絵「お酒とか入れちゃうと生徒と娘の自慢話ばっかりですもんね」

竜華「マジですか!? 意外やなぁ……たしかに練習中以外は優しかったけど……」

絹恵「……な、なんか……ちょっとむずかゆいですね。 自分の知らないとこでそういう話をされてると思うと……」

玄「…………赤土先生は、瑞原プロに私たちの話とかされるんですか?」

はやり「えへへ、はるえちゃんはねえ……」

晴絵「ちょ、ちょっと待ってくださいよはやりさん! なにを言うつもりですか!? だいたい、いつもはやりさんすぐに酔い潰れて私の話なんかろくに聞いてな……」

はやり「それじゃあなんで焦ってるのかな?」

晴絵「え、あ……いや……」

玄「気になるなあ」

穏乃「気になりますねぇ」

晴絵「いや、ほんと、別になんもないから……」

はやり「話逸らそうとしてたけど、そもそもはるえちゃんは普段から教え子のみんなの話ばっかりしてるからねー」

晴絵「いやいや! そんなこと……ないですよ! ないです!」

はやり「和ちゃんがハートビーツに来てからは共通の話題ってこともあって更に……」

晴絵「はやりさん! はやりさん、ちょっと!」

はやり「はるえちゃん、いっつもみんなのことほめてるもんねー?」

晴絵「ああもうちっとも話すの止める素振りがないな!?」


穏乃「…………」

玄「…………」

晴絵「な、なんだよ、にやにやして……」

穏乃「だって……えへへー」

玄「えへへー」

穏乃「うれしいですねー」

玄「ねー」

晴絵「……あーもう! いつになってもかわいいなぁお前らは!」

玄「せんせー!」

穏乃「赤土せんせー!」

和「…………」

はやり「……のどかちゃんも行ってくれば?」

和「い、いえ! 私は別に……ちょっといいなとか、そういうの……思ってないですから! 子どもじゃないんですし……穏乃はともかく玄さんまで……」

はやり「そう? なんならはるえちゃんのかわりにはやりがなでなでしてあげようかと思ったんだけど……」

和「えっ!? あ、あの……それは……お、お願いします! 是非!」

はやり「のどかちゃんもいつも頑張ってるもんね! いい子いい子~」

和「いえ、そんな……えへへ……」


竜華「……なんか、アレやな。 みんな仲よしで羨ましいな?」

絹恵「そうですか?」

竜華「あれ? そうでもない感じ!?」

絹恵「…………あ! ああ、はい。 なるほど……」

竜華「え? なに? なにを納得したん!?」

絹恵「竜華さん! なんなら私がなでなでしてあげますよ!」

竜華「そう? それじゃあ遠慮なく……ってそっち!? うちがなでられる方なん!?」

絹恵「え? 違いました?」

竜華「え、うーん……ま、まあ? 絹ちゃんがそう言うなら……」

絹恵「よしよし、竜華さんも頑張りましたねー」

竜華「へへ、まあそれほどでもないけど……」

竜華「む……しかし、こう……久しぶりに頭なでられたりすると……これはこれでなかなか……うん……ええな……むふふ……」

絹恵「……なんかセーラさんがよく言ってることわかってきました」

竜華「んー? セーラ? なにー?」

絹恵「竜華はアホやけどなんかかわいいからなーって」

竜華「セーラは絹ちゃんにまでそんなこと言ってるん? まったく、人のことをアホやとかなんとか……」

竜華「ん!? それって絹ちゃんも私のことアホやと思ってるってこと!?」

絹恵「ノーコメントで……」

竜華「そこは否定して!?」


カン!

インハイ時間軸で面子揃わなかったのでこんな感じで
阿知賀実写は晩成をボス扱いにして盛り上げるかなーと思ってたのでまあこうなるかって感じでしたが小走先輩の小物化を進められたのが残念でした…
初瀬の扱いを大きくしたのはあこちゃーの背景描写するのに良かったと思います。出番増えてよかった…
あと気になったのはしずがずっとスカート着ててただの美少女じゃん!ってなったのと玄ちゃんがおもちの話しなくてただの美少女じゃん!ってなったぐらいですかね

灼ちゃんおめでとう!!あらたんイェイ~
長いこと放置してしまってすみません!年明け頃からリアルが酷く忙しかった上にしばらくネット回線すら死んだりしてました故……
投下はまだうまく時間作れないのでまた間が空きそうですが復帰する意思はありますので生存報告させていただきます……
咲日和ロス激しいですが逆に咲シリーズ好きだなって気持ちの再確認もできたので続けていけたらと思ってます……

GW終わってやっとお休みもらえたのでなんか書きます!って言わないと手を付けられなそうなので宣言…
↓誰かキャラ名いただければ阿知賀誰かと一対一でなんか書きます
とくに来なければなにかしら書きためるかサイコロでも振って組み合わせ決めます…


憧「あ、末原さん」

恭子「ん?……ああ、新子か……」

憧「あー……なんか、お疲れですね?」

恭子「んー……うん、まあな……ちょっと……」

憧「やっぱり個人戦控えてると大変ですか……あ、それおいしそう!」

恭子「……食うか?」

憧「わ、いいんですか?ごちそうさまでーす!」

恭子「ちゃっかりしてんなあ……」

憧「えへへ、いやあそれほどでも……で、どうしたんです?」

恭子「あー……いやな、ちょっと面倒なことになっててなあ……」

憧「え?作戦会議で揉めてるとか?」

恭子「いや、個人的にちょっと……どこからか知らんが、私の連絡先漏れてたみたいで……」

憧「え?大変じゃないですか!っていうか連絡先交換しませんか?」

恭子「なんで便乗しとんの……まあええけど……んでな」

憧「やった! 末原さんの連絡先ゲット! ……はい、それで?」

恭子「さ……しし…………あー、獅子原爽に、ダル絡みされとる……」

憧「うわ、めんどくさそう……いや、深刻な問題じゃなくてよかっ……いや、めちゃくちゃめんどくさそうですね……」

恭子「うん……めんどくさい……めっちゃめんどくさい……」


憧「……着拒」

恭子「いや、それは……流石に悪いやろ?」

憧「末原さん真面目ですよね……小走さんとかしょっちゅうチャンピオン着拒してますよ?」

恭子「……いや、小走にそれさせるって宮永照相当アレやな」

憧「……そう言われると、たしかに……」

恭子「……なあ、ひっきりなしにメッセージ送ってくるのってもしかして妨害工作……」

憧「いや、ただのかまってちゃんじゃないですかね」

恭子「やっぱりそうか……着拒しにく……」

憧「末原さん優しいですよね……」

恭子「普通や普通……とりあえずうっさいし通知切ろ……」

憧「……そのままほっとけばいいんじゃ」

恭子「いや、でもなあ……」

憧「……なんか、もはや末原さんがめんどくさいですね」

恭子「ええ……そうなるん……?」

憧「大丈夫ですよ、獅子原さん気にしないですって」

恭子「……いや、無視されたことに関してはなんでそうなったか考えてほしいけどな」

憧「それはまったくもってその通りで……」


憧「……連絡先漏らしたのって確実に揺杏ですよね」

恭子「そうやろうな……」

憧「…………シメときます?」

恭子「え、こわ……新子意外とそういう……」

憧「いやいや! そういうんじゃないです! でも揺杏ですし!」

恭子「そんな扱いか……」

憧「そんなもんです」

恭子「はぁ……ま、個人戦終わるまではテキトーに相手してやるとして……」

憧「あ」

恭子「ん?」

憧「あそこ……」

爽「おっ!見つけたぞ三郎!」

恭子「誰や!」

爽「あんまりスルーするから探しに来ちゃった☆」

恭子「☆飛ばすな! つかどやって探したん!?」

爽「愛宕に聞いて……」

恭子「なんで仲良くなってるんや!」

爽「まあいいじゃんそんなこと!遊ぼうぜ!缶けりしよ!」

恭子「なぜ缶けり!?」

憧「うわぁ……めんどくさ……」

爽「そんなに褒めんなよ~」

憧「褒めてない」

恭子「着拒するわ」

憧「正解」

爽「なんで!?」


カン!

サイコロ振って憧ちゃん
書くだけ書いて投下忘れる痛恨のミス。ボケちゃってますね…
爽は本編で適当に周りに絡み始めるのすき

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