シャドー・ミスト「本当のヒーロー」(28)

シャドー・ミスト「今日も夜の摩天楼は綺麗だな」

ブレイズマン「姉貴、うす」

ミスト「ブレイズマンか。どうだ? ここはもう慣れたか」

ブレイズマン「うす! いろんな方がいてほんと楽しいっす!」

ミスト「それは良かった」

ブレイズマン「でも最近、先輩方いないんですよね」

ミスト「ネオスさんのことか? あの人なら、ネオスペースに」

ブレイズマン「いやそうじゃなくて……あ!」

ミスト「なんだ、この邪気は!?」

「とうっ!」

ブレイズマン「あれは、フェザーマン先輩!?」

フェザーマン「魔法カードダーク・フュージョン発動!」

ミスト「ダーク・フュージョンだと!?」

バーストレディ「この世界は、もう終わりだよ」

ミスト「バーストレディ先輩、なぜ……!?」

バーストレディ「私とフェザーマンをダーク・フュージョン!!」

E-HEROインフェルノ・ウイング「ケケケ……」

ミスト「なぜ、こんなことを!」

インフェルノ「私は世界を破壊する……この世界は終わりだ!」

ミスト「話を、聞いてください!」

インフェルノ「ふん」バキィッ

ミスト「あうっ……」


ブレイズ「大丈夫ですか、姉貴!」

ミスト「どうしてなんだ……」

ブレイズ「戦うしか、ありませんよ……」

ミスト「だが……」

ブレイズ「いくぜ! 俺召喚っ!」

ミスト「ブレイズ……」

ブレイズ「効果発動! 融合を手札に加える! 姉貴、力を貸してください!」

ミスト「ああ……!」

ブレイズ「俺と姉貴を融合、E・HERO ノヴァマスター!!」

インフェルノ「ほう……」ニヤ

ノヴァ「正義の炎で、悪の心を粉砕します!」ビシィ!

インフェルノ「たしかに攻撃力は貴様が上だ、だが」(ATK2100)

ノヴァ「な、何だあの余裕は!」(ATK2600)

インフェルノ「そううまく行くかな?」ククク

ノヴァ「悩んだって仕方がない。いくぜ、攻撃だ!」

ワイルドマン「すまんが乱入させてもらうよ」

ノヴァ「ワイルドマン先輩!?」

ワイルド「《H- ヒートハート》を発動する。これでインフェルノの攻撃力は500上がる 」

ノヴァ「バトルフェイズ中は通常魔法は使えませんよ!」

ワイルド「この世界は不可能を可能にする」

ノヴァ「めちゃくちゃだ!!」

ノヴァ「だがこれで互角……いくぜええ!」

インフェルノ「《騎士道精神》を発動。これで私は攻撃力が同じ者との戦闘では破壊されない」

ノヴァ「なにっ!」

インフェルノ「消えるのはお前だ!」

ノヴァ「うわあああああ!!」

インフェルノ「さらに、私の効果で2600のダメージを受けてもらおう」

インフェルノ「うわああああああ!!」

ワイルド「この世界にライフという概念はない。だが俺達がダメージを受ければ受けるほど、この世界の崩壊は進む」

E・HEROフラッシュ「の、ノヴァマスター!」シュタッ

インフェルノ「ふん、誰かと思えば雑魚じゃないか」

フラッシュ「許さん……許さんぞお!!」

フラッシュ「ノヴァマスターが破壊されたことで罠が発動する!」

ワイルド「この世界では罠も瞬時に発動できるんだったな」

フラッシュ「《ヒーロー・シグナル》!」カッ

フラッシュ「自軍のモンスターが破壊された時、レベル4以下のE・HEROを呼べる!」

フラッシュ「来てくれ、 レディ・オブ・ファイア!」

レディ「あー、お呼ばれされちゃったか」シュンッ

レディ「彼氏とデート中だったんだけど?」

フラッシュ「そんなことどうでもいいだろ! みろよこの惨状を」

レディ「はーん。おばさん頑張るねぇ」

インフェルノ「なんだと?」

レディ「見せてあげよっか? アタイたちの力」

レディ「《融合回収》を発動するよ」

レディ「墓地の《融合》と……あんたを回収」

ミスト「私を助けてくれるのか」

レディ「勘違いしないでよね、あんたなんて大嫌い」

ミスト「女嫌いだもんな」

レディ「うっさい!」

レディ「で、アタイはもう一度融合発動!アタイとダーリンを融合��」

ザ・ヒート「ええっ!?嫌だよ僕戦いたくないよ!!」

レディ「融合召喚��」

フレイム・ブラスト「いよっしゃあああああ!!」

インフェルノ「また雑魚か」

フレイム・ブラスト「なにい!?」

インフェルノ「《融合解除》を発動する」

フレイム・ブラスト「なに、やめろ、やめてくれえ!」

カッ

レディ「うえーん、ダーリン解けちゃったよう」

ザ・ヒート「逃げよう、レディ!」

インフェルノ「逃しはせん。インフェルノ・ブラスト」

ザ・ヒート「ぐああああああ!!」

インフェルノ「私の効果でさらなるダメージだ」

フラッシュ「ぐおおおお!!」

レディ「そ、そんな……」

インフェルノ「絶望したか? だが私だけが悪ではない」

レディ「え……?」

スパークマン「我らも!」シュタッ

クレイマン「ダーク・フュージョンだ!!」バシュ

E-HEROライトニング・ゴーレム「ハッハッハ!! 覇道! 破壊! 破滅! それこそが我らの望む道だ!!」

ゴーレム「俺の効果でレディを破壊する。ボルテック・ボム!」バチバチ

レディ「きゃああああ!!」パァン

ゴーレム「まだ俺には攻撃が残されている。ヘル・ライトニング!!」

フラッシュ「ぐああああああああ!!」パァン

ゴーレム「ふん、もろい種族だ」

ボルテック「なぜなのですか、先輩!なぜこんなことを!!」

ゴーレム「まだ生き残りがいたか。だが所詮は下級」

インフェルノ「我々の敵ではない」

ボルテック「確かに、もう融合魔法は使えない……僕達に勝ち目は……」

フォレストマン「ワシに任せろ!!」ドンッ

フォレスト「わしが耐えさえすれば、融合をもう一度使える!!」

インフェルノ「無駄なことを……貴様の戦闘力では無理だ」

フォレスト「……」

インフェルノ「攻撃すら出来まい! 消えろーッ!!」

フォレスト「ぐおおおお!」パァン

ミスト「フォレストマーンッ!!」

ボルテック「そ、そんな……」

ゴーレム「この世界は、終わりだ」

インフェルノ「我々が、終わらせる」

フォレスト「そ、それはどうかな……」ヨロ

ミスト「フォレスト先輩! 動いちゃダメだ!」

フォレスト「うまく行ったようじゃな……」

ミスト「え?」

フォレスト「陽動じゃよ……お前さんを守るために気を引いたのじゃ」

フォレスト「こ、このカードを……」ガク

ミスト「これは……みんなの想い、無駄にはしない!!」

インフェルノ「さあ、再び墓地へ送られる番だ」

ミスト「ああ、そうらしいな」ニヤ

ゴーレム「ついに諦めたか!潔いぞ!!ガッハッハ!」ケタケタ

ミスト「私が墓地に送られるのは、ただ散るからじゃない」

ミスト「新たに生まれ変わるためさ!!」ペラッ

インフェルノ「そ、そのカードは!」

ゴーレム「《フェイク・ヒーロー》……?」

ミスト「このカードの効果によって私は特殊召喚される」シュイン

ミスト「そしてこの瞬間! 私の効果が発動!」

ミスト「特殊召喚に成功した時、『チェンジ』速攻魔法カードを手札に加える!」パシッ

ミスト「これが、最後の賭けだ……」

ミスト「私を対象に、《マスク・チェンジ》を発動!!」ゴオオオオ

インフェルノ「現れたな、私達が憎むべき真の邪悪なHERO……」

M・HEROダークロウ「 M・HEROダークロウ!!」

ゴーレム「ついに現れたな、我々が最も憎むべきHERO……」

ダークロウ「なに?」

ゴーレム「貴様の存在そのものが、我々がこの世界の崩壊を望んだ理由なのだよ」

ダークロウ「何を言っている……」

ゴーレム「通常HERO、融合を使ったHERO、コンタクト融合によるHERO……『彼』のおかげで、我々は豊富なサポートカードに恵まれ、ほとんどのカードが現実のものとなった」

インフェルノ「我々の世界は平和だった……貴様ら漫画版のHEROが現れるまではな!!」

ダークロウ「……」

インフェルノ「下級モンスターはまだいい、通常モンスターでなく戦士族でもないものもいるためサポート的には元祖HEROより劣っているといっても良い」

ゴーレム「だが問題は上級モンスターの手軽さにある」

インフェルノ「《ノヴァ・マスター》や《ガイア》など、融合素材の緩い融合モンスター、その登場によりHEROを取り巻く環境は大きく変わった」

ダークロウ「戦術が広がり、よりデュエルが楽しくなった! いいことじゃないか!」

インフェルノ「私も最初はそう思っていた。だが、次第に考えるようになったのだ。『これがHEROなのか?』と」

ダークロウ「何を言っている、当たり前だろう」

ゴーレム「確かに当たり前かもしれない。しかし融合素材が緩いためか漫画版HEROには素材の面影がないのだ」

ダークロウ「そういう問題か?」

ゴーレム「いや、確かに我々の頭がおかしいのかもしれないが、例えば《ガイア》を見ても《ワイルドマン》はどこにもいないのだ。クレイマンでも然り」

インフェルノ「それでも、日々インフレが進む環境のなかでは仕方のないことだと諦めていた。新しい時代が来たのだと。同じHEROなのだと」

ゴーレム「そんな時、この世界に『彼』の言葉が飛び込んできた」

「最強のHEROたちが、デュエルに参戦だ!」

???「融合召喚!現れろ、新たなHERO!」

ダークロウ「!」

インフェルノ「そう」

ゴーレム「お前のことだ」

インフェルノ「今までの私達の疑念が、確かなものになった」

ゴーレム「我々は、こうなりたかったわけではない」

ダークロウ「お前にだけは言われたくない」

ゴーレム「考えても見ろ、変身といえば聞こえはいいが、モンスター1体とカード1枚であっという間に別の存在になれるのだぞ」

インフェルノ「それはもはや融合ではない」

インフェルノ「問題はまだある」

ダークロウ「聞くの疲れてきた」

ゴーレム「『チェンジ』カードは速攻魔法だ。つまりバトルフェイズでの降臨が可能」

インフェルノ「通常魔法に縛られてきた私達とは速さが違う」

ゴーレム「そして露骨な能力値、効果」

ダークロウ「何が言いたいんだよ」

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