【モバマス×地獄少女】橘ありす「地獄少女VS漆黒少女」 (93)

こんにちは、橘ありす改め妖怪のタチバナです

私はかつてアイドルをしていた女の子だったのですが、諸事情により命を落とし、妖怪へと転生してしまいました

行き場がなくなった所を地獄少女、閻魔あいさんに拾われ、彼女の仕事である「地獄流し」を手伝うことになりました

そんな日々の中、まさかあんなことが起こるなんて・・・

それは、あの日曜の昼間から始まりました

きくり「きゃははははは!!!ありす早く早く~♪」グイグイ

タチバナ「ちょ・・・引っ張らないでくださいよ!」タタタ・・・

きくり「だってオモチャ買ってくれるって言ったじゃ~ん」

タチバナ「わかってますよ・・・それとタチバナです!」

私達は今、デパートに来ていました

輪入道「何だい、ちゃんとお姉ちゃんやれてるじゃねぇか」

タチバナ「これも仕事ですからね・・・でもお金の方はお願いしますよ「おじいちゃん」」

輪入道「・・・あいよ」

そう、これは仕事・・・このデパートに地獄流しされるかもしれない人がいるのです

その時、私達の前を親子連れが通り過ぎました

子供「パパー!はやくはやくー!」

パパ「はいはい、そんなに走ると危ないぞ~」

ママ「うふふ」

タチバナ「・・・・・」

輪入道「どうした?」

タチバナ「な、なんでもありません・・・」

輪入道「家族の事でも、思い出していたのか?」

タチバナ「そ、そんな事ありませんよ」

輪入道「そうか」

「あの事件」以来私は家族と会っていないし、今どうしているかを知ろうともしてません

妖怪になった得、家族への情はなくなってしまったんでしょう

そうです、そうに違いありません

タチバナ「さて、そんな事より仕事を・・・」

ギョロ

一目連「大変な事になったぜ」

突然壁に巨大な目が出現した、一目連さんです

輪入道「どうした?」

一目連「名前を書きこまれた奴が消えちまったんだ」

タチバナ「え・・・」

輪入道「どういう事だ?見逃しちまったのか?」

一目連「いや、本当にすっと消えたんだよ」

きくり「やーい!エロ目玉のドジー!」

一目連「だから違うっての!」

タチバナ「じゃあもう糸を引いて・・・」

あい「・・・それはないわ」

私達の前に、地獄少女・・・閻魔あいお嬢さんが現れた

タチバナ「お嬢さん・・・」

あい「私は何もしていない・・・」

タチバナ「じゃあミチルさん・・・ですかね?」

あい「彼女は今別の依頼を受けてる、ここにはいないわ」

タチバナ「そうですか・・・じゃあ一体どうして・・・」

あい「とにかく、契約が果たせない以上ここにいても仕方がないわ」

タチバナ「え、それじゃ・・・」

あい「・・・帰るよ」

一目連「ま、しゃーねーか」

タチバナ「・・・・・」

あい「・・・どうしたの?」

タチバナ「あ、いえ何でもありません、帰りましょう」

何だか嫌な予感がしましたが、まだ言わない事にしました








きくり「ねーオモチャは~?」


輪入道「買わねぇよ」

~その頃、とある闇の中~

流されるはずだった男「ぐわあああああああああ!!!!!」

??「フハハハハハハハハハハハハ!!!!!闇に飲まれよ!!!」

グチャッ






??「ククク・・・これで挑戦状は送った・・・」

??「待っていろ・・・地獄少女!!!」

それからというもの、地獄流しの依頼は来なくなりました

いや、それはそれでいいことなんですけど・・・

そもそも、消えて欲しいほど人を恨んだり、そこまで恨まれるような事をする人なんてそうそう現れるものではないのかもしれません

今までそれが群発してたのがおかしいだけなんですよね・・・

あの少年探偵だって、たまたま事件の起こった時がピックアップされてるだけで、実際にはそれなりにインターバルがあるはずなんですよ、きっと

まぁそんなこんなで暇になったので、ちょっとした息抜きを兼ね、女性陣で街に繰り出す事にしました

きくり「ありす~♪」グイグイ

タチバナ「だから引っ張らないでくださいってば!」

骨女「おやおや、すっかり懐かれちまったねぇ」

あい「・・・そうね」

そして、私達は行きつけの喫茶店「USAMIN17」にやってきました

菜々「いらっしゃいませー・・・ってまたあなたたちですか」

あい「・・・お邪魔するわ」

タチバナ「こんにちは」

菜々「・・・お席へどうぞ」

いつものように店長のウサミン・・・もとい菜々さんが迎えてくれました

お嬢さんとは随分昔からの付き合い・・・らしいです

この人はいつから17歳なんでしょうか・・・

菜々「ご注文をどうぞ」

あい「・・・いつもの」

骨女「いつもので」

きくり「いつもの~」

タチバナ「いつものお願いします」

菜々「わかりました、いちごパスタですね、少々お待ちください」

しばらくして、料理が来ました

菜々「お待ちどうさま~」

タチバナ「ではいただきます」ズルズル

タチバナ「やはりここのいちごパスタは格別ですね」

きくり「ありすやっぱりヘン」

骨女「まぁ確かに玄人向けの味だねぇ」

あい「・・・悪くないわ」ズルズル

菜々「最近依頼がないそうですね」

あい「そうなのよ」

骨女「ま、いい事ではあるけどね」

菜々「う~ん・・・やっぱりアレのせいですかね」

タチバナ「アレ?」

菜々「おや、知らないんですか?」












菜々「漆黒の女王、ブリュンヒルデですよ」

骨女「ブリュ・・・何だって?」

菜々「ブリュンヒルデですよ」

きくり「ぶりぶり~」

あい「やめなさい、それで、そのブリュなんとかさんが何?」

菜々「ええ、お客さんの噂話によるとですね・・・」



菜々「その方が、人知れず悪人を闇に落としているそうです」

タチバナ「それじゃまるで・・・」

あい「・・・・・」

きくり「パクリだパクリー!」

骨女「前にも偽地獄通信はあったけど、今度のは実際に事にまで及んでるわけかい」

タチバナ「つまりお嬢さんに並ぶ力の持ち主・・・一体どんな・・・」

ん?ブリュンヒルデ・・・

その名乗り、どこかで・・・

菜々「・・・・・」

菜々「噂によると、毎月6日の午前6時6分に処刑公開動画配信しているそうですよ」

骨女「悪趣味だねぇ」

きくり「しゅくせーだー!」

タチバナ「・・・・・」

あい「どうしたの?」

タチバナ「あ、いえ何でもありません・・・」

まさか、そんなはずはない・・・

その名を名乗る人は、あの時・・・

そして6日の6時6分前、私達はいつもの夕焼けの家で私のタブレットの画面を見ていました

タチバナ「そろそろですね・・・」

あい「私のパソコンでみればいいのに・・・」

タチバナ「あんなオンボロで動画見れるわけないじゃなないですか」

あい「あ?」ギロ

タチバナ「じょ、冗談ですよ・・・こっちの方が速いからです」

あい「そう・・・」

危ない危ない・・・お嬢さんはあのパソコン結構気に入ってるんですよね・・・

輪入道「お、時間になったぜ」

骨女「一目連、場所の特定は頼んだよ」

一目連「任せとけ」

時間になった瞬間、画面が黒く染まり・・・

??「フハハハハハ!!!愚かな人間の諸君!ご機嫌よう!」

ゴスロリ調の衣装を身に纏った銀髪の少女が出現した

タチバナ「う、嘘・・・」

あい「?」

私はその少女に見覚えがあった









タチバナ「神崎・・・蘭子・・・さん?」

神崎蘭子・・・かつて私が「橘ありす」だった頃に一緒にアイドルをしていた人たちの1人

その何というか・・・痛々しい言動が特徴の方でした

しかしそれはあくまでフリであり、内面は普通の女の子でした

そもそも彼女も「あの時」死んだはずなのに・・・

あい「所謂中二病って奴ね」

タチバナ「お嬢さんも負けてないと思いますよ」

蘭子?「ご機嫌よう、愚かな人間達よ!」

蘭子?「我が名は、漆黒の女王ブリュンヒルデ!」

あい「ブリュ・・・どうやらこの子で間違いないようね」

輪入道「ああ、お嬢の邪魔をしてるって奴か」

きくり「ぶりぶり~」

タチバナ「蘭子さん・・・一体何が・・・」

ブリュンヒルデ「本日の獲物は・・・こいつだ!」バサッ

男「た、助けてくれええええええええええ!!!」

彼女が布をめくると、そこには檻に入れられた男の人がいました

ブリュンヒルデ「こやつは金欲しさに銀行を襲い人間2人を殺したとんでもない奴だ」

男「し、仕方なかったんだ・・・妻と子のために・・・」

ブリュンヒルデ「黙れ!本当に愛する者を守りたければ他に方法があったはずだ!」

男「う・・・」

ブリュンヒルデ「これからそなたが選べる選択肢は3つ」

1、闇の炎に抱かれて消える

2、闇の刃に切り刻まれて散る

3、闇の渦に飲まれて圧し潰される

ブリュンヒルデ「さぁ!選べ!」

男「そんなの選べるわけないだろ!」

ブリュンヒルデ「そうか・・・全部がよいか、よかろう」

男「」

ブリュンヒルデ「では、儀式を開始する」スッ

そう言って彼女は、腰のケースからカードを何枚か取り出しました

タチバナ「あれは・・・」

ブリュンヒルデ「まずは地獄の業火から・・・」バッ

そのカードには、日野茜さんの顔が描かれていた

ブリュンヒルデ「メギド・フレイム!!!」

ボオオオオオオオオオオッ!!!

男「ギャアアアアアアアアアア!!!!!」

カードが光った瞬間、激しい炎が男を包み込んだ

男「あ、あづいいいいいいいい・・・」ボドボド

ブリュンヒルデ「くくく苦しかろう、だがそれで死ぬことはない」

ブリュンヒルデ「さて次は・・・」スッ

タチバナ「あれは・・・」

彼女は次に珠美さんと仁美さんのカードを取り出した

ブリュンヒルデ「出でよ!」ヴォン

その瞬間、彼女の両手に禍々しいオーラを放つ刀が出現した

男「ひい・・・」

ブリュンヒルデ「邪神剣・・・抜刀斬!!!」ジャグッ

ズババババババババ!!!!!

男「ぎゃあああああああああああああああ!!!!!」

男は炎に飲まれたまま何度も切り刻まれた

男「い、いっそ殺してくれ・・・」ボドボドボド

ブリュンヒルデ「そうか、なら・・・」パチン

ズズズ・・・

男「ひっ・・・」

男のまわりに黒いモヤモヤが出現した

ブリュンヒルデ「哀れなる罪人よ・・・闇に飲まれよ!」

オオオ・・・

男「う、うわああああああああ!!!!!」

闇が男を包み込み・・・そして

グチャッ

圧し潰した

輪入道「おお・・・」

骨女「エグイ事するねぇ」


ブリュンヒルデ「ククク・・・これでまた世界から罪が消えた・・・さて」

ブリュンヒルデ「見ているんだろう?地獄少女!」

あい「!」

ブリュンヒルデ「貴様の時代はもう終わりだ・・・」

ブリュンヒルデ「これからは我が人を裁いていこう!」

ブリュンヒルデ「決着をつけようではないか!」

ブリュンヒルデ「では返事を待っているぞ!フハハハハハハ!!!!」

プツン

そう言い残し、画面の彼女は消えていった

輪入道「切れちまった」

骨女「一目連、あいつの居場所は?」

一目連「わからねぇ、なぜかあいつの近くに「目」が出せないんだ」

きくり「役立たずのエロ目玉ー!」

タチバナ「・・・・・」

あい「タチバナ、あの子・・・あなたの知り合い?」

タチバナ「・・・はい」

私は、お嬢さんに事情を話しました

あい「そう、あの時の・・・」

タチバナ「恐らく私のように、恨みの心で人ならざるモノへと変貌したんだと思います」

一目連「しかもお嬢並の力か、厄介だな」

輪入道「それでどうすんだ?お嬢」

きくり「売られたケンカは買ってやれー!」

あい「・・・・・」

あい「放っておきましょう」

タチバナ「え!?」

骨女「いいのかい?」

あい「彼女のすることに口出しするのは私の仕事じゃないわ、いずれ地獄から裁きが下るでしょう」

輪入道「仕方ねぇか・・・」

あい「とにかく、こちらから手を出すようなことはしないわ、いいわね」

タチバナ「・・・・・」

~そのころのブリュンヒルデ~

ブリュンヒルデ「・・・・・」

ソウ、アノヒトダケダカラ♪

ブリュンヒルデ「ん?メール・・・」チラ

ブリュンヒルデ「・・・ほう」ニヤ

タチバナ「・・・・・」



タチバナ「ごめんなさい、お嬢さん」



タチバナ「やはり、身内のケジメはつけなければなりません」




タチバナ「今までお世話になりました」

~数日後、とある山中~

ブリュンヒルデ「そろそろ時間か・・・」

ザッ・・・ザッ・・・

ブリュンヒルデ「!」

タチバナ「・・・・・」

ブリュンヒルデ「貴様は・・・」

タチバナ「お久しぶりですね、「神崎蘭子」さん」

ブリュンヒルデ「深紅の麺の伝承者か・・・久しいな」

タチバナ「そんな風に呼んでたんですか・・・」

ブリュンヒルデ「しかし貴様はあの時命を・・・」

タチバナ「それはお互い様です、あなたの方こそどうして・・・」

ブリュンヒルデ「我か?それは忘れもしないあの時・・・」

~数年前、例のバス事故の日~

そこは大破したバスの中だった

蘭子「うう・・・」

彼女、神崎蘭子はかろうじて意識を保っていたが、その命は風前の灯火だった

蘭子「みん・・・な・・・!」チラ

蘭子「うぷっ・・・」

周囲に転がるアイドルの亡骸、それは見るに耐えない惨状だった

蘭子「怖い・・・痛い・・・」

蘭子「誰か・・・助けて」

イタイ・・・シニタクナイ・・・

ダレカ・・・タスケテ・・・

蘭子「!」

それは、アイドル達の残留思念というか、恨みの声というべきものだった

ニクイ・・・ウラメシイ・・・

ユルセナイ・・・

ユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイ

ユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイ

ユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイ

蘭子「い、いやああああああああああ!!!!!」

無数の怨念が、彼女を包み込んだ

ズズズ・・・

蘭子?「フフフ・・・」

蘭子?「そうだ、許せるはずがない・・・」

蘭子?「我らをこんな目にあわせた奴等をこの世界を」

蘭子?「我は漆黒の女王ブリュンヒルデ、全ての罪人を闇に落とす者・・・」

ブリュンヒルデ「フハハハハハハハハハハハハ!!!!!」

タチバナ「そんなことが・・・」

まさか、あの場で蘇ったのが私や小梅さん以外にいたなんて・・・

いや、皆さん蘇りすぎでしょ・・・

ブリュンヒルデ「しかし何故そなたが・・・我はこのメールを見てここに来たのだが・・・」

蘭子・・・もといブリュンヒルデさんのスマホの画面には『その勝負受けて立つ 地獄少女』と書かれたメールが写っていた

タチバナ「ああ、それ書いたの私です」

ブリュンヒルデ「何?貴様地獄少女とどういう関係だ!」

タチバナ「私は橘ありすが妖怪へと転生した存在・・・」

タチバナ「地獄少女・・・閻魔あいさんに仕える五藁・・・いえ今は四藁でしたね」

ブリュンヒルデ「?」

タチバナ「はじめまして、妖怪のタチバナです」

ブリュンヒルデ「貴様・・・地獄少女の眷属となったのか」

タチバナ「ええ」

ブリュンヒルデ「・・・それで、我に何の用だ」

タチバナ「何の事もありません、身内のケジメをつけにきただけです、それに・・・」

ブリュンヒルデ「?」

タチバナ「地獄少女・・・お嬢さんはかつてあなたと同じく恨みの念に支配されていた私を救ってくれた恩人なんです、その人に手を出すなら・・・・」

タチバナ「私が・・・相手です」

ブリュンヒルデ「ほう・・・地獄少女の小間使い如きが我に挑むと?」

タチバナ「あんまりナメないほうがいいですよ?」

ブリュンヒルデ「よかろう、かかってこい!」

タチバナ「行きます!」ポイ

私は手に持っていたタブレットを投げ捨て、臨戦態勢に入る

タチバナ「はあああああああああっ!!!」ビュオオオオオオオオ!!!

私は手から冷気を放出した、しかし

ブリュンヒルデ「フン」スッ

彼女は茜さんのカードを取り出し・・・

ブリュンヒルデ「メギド・フレイム!!!」ボオオオオオオオオオオ!!!

手から黒炎を放ち、冷気を相殺した

タチバナ「くっ・・・それは・・・」

ブリュンヒルデ「これか?この札には死んでいった同胞たちの怨念が込められているのだ」

タチバナ「成程・・・皆さんの個性を歪な形で具現化しているわけですか・・・」

ブリュンヒルデ「そういうことだ、我と戦う事、それはすべての闇と戦うということなのだ!」

タチバナ「これは厄介ですね・・・」

ブリュンヒルデ「次はこれだ」スッ

今度は有香さんのカードを取り出しました

ブリュンヒルデ「ハァッ!」ビュン

ドカッ!

タチバナ「グハッ!」ガクッ

瞬く間に飛び込んできた彼女の正拳突きが、私のみぞおちに命中しました

タチバナ「ゴホッ・・・格闘能力の強化という訳ですか・・・」

ブリュンヒルデ「驚くのはまだ早い・・・こんな事もできるぞ?」スッ

今度は先ほどの茜さんのも加え、未央さんと藍子さんのカードを取り出した

タチバナ「何をする気かしりませんが、させませんよ!」スッ

パキパキパキ・・・バシュン!

私は複数の氷柱を作り出し、射出しました

ガキィン!

タチバナ「な・・・」

ブリュンヒルデ「ククク・・・」

彼女の前方にドラム缶状のバリアが出現し、攻撃をふせぎました

・・・誰の力かは言いませんが

ブリュンヒルデ「それだけではない!」

タチバナ「え?」

ゴゴゴ・・・

ふと上を見上げると、真っ赤に燃えた3つの隕石が降ってきていました

ブリュンヒルデ「これぞ奥義、ポジティブパッション!!!」

タチバナ「」

ドカアアアアアアアアアアアアン!!!!!

シュウウウウウウウ・・・

タチバナ「ケホッ・・・危なかったです」

ブリュンヒルデ「ほう、今のを耐えるか」

タチバナ「そう簡単には倒れませんよ!」

ブリュンヒルデ「・・・・・」スッ

今度は凛さんと加蓮さんと奈緒さんのカードを取り出し・・・

ブリュンヒルデ「トライアドプリムス!!!」

バシュウウウウウウン

タチバナ「ぐうっ・・・」ガク

3つの蒼い光線が、私の体を貫く

タチバナ「ハァ・・・ハァ・・」

ブリュンヒルデ「苦しいか?ならば今すぐ楽にしてやろう」スッ

タチバナ「乃々さん・・・輝子さん・・・まゆさん・・・」

ブリュンヒルデ「アンダーザデスク!!!」

シュルルルルッ!

突然リボンが飛んできて、私を拘束した

タチバナ「くっ・・・」

ブリュンヒルデ「さらに!」

そこに美玲さんのカードを追加した

ブリュンヒルデ「インディヴィジュアルズ!!!」

シャキン!

すると彼女の手から爪とキノコが生えた

ブリュンヒルデ「これで終わりだ」コツ・。・コツ・・・

タチバナ「・・・・・」

ブリュンヒルデ「死ね」

ドスッ!

タチバナ「があああああああああああっ!!!」

彼女の爪が、私を貫いた

タチバナ「うぐ・・・ガハッ!」ビチャッ

私は思わず吐血してしまった、これは傷によるものでは・・・

ブリュンヒルデ「どうやらキノコの毒が回ってきたようだな」

タチバナ「そういう・・・こと・・・ですか」

ブリュンヒルデ「そのまま痛みにもだえ苦しむといい!」

タチバナ「それ・・・結構・・・です・・・けどね」ガシッ

ブリュンヒルデ「!」

私は自分の腹に食い込んだままのブリュンヒルデさんの腕を掴んだ

ブリュンヒルデ「貴様・・・どうやって拘束を・・・」

タチバナ「そんな・・・こと・・・どうでも・・・いいじゃないですか・・・」

ブリュンヒルデ「だが、毒が回っている以上貴様は終わりだ!」

タチバナ「ええ・・・終わり・・・ですよ・・・」

タチバナ「あなたが」

ブリュンヒルデ「何を言って・・・」

シュルルルルッ!

ブリュンヒルデ「なっ!?」

突然背後からコードが伸びてきて、ブリュンヒルデを捕らえた

ブリュンヒルデ「これは・・・」

タチバナ「引っ掛かり・・・ましたね」

コードは、さっき私が投げ捨てたタブレットから伸びていた

タチバナ「私に集中・・・しすぎて・・・気づかなかった・・・ようですね」

ブリュンヒルデ「ぐぐ・・・」

タチバナ「あれは・・・私の手から離れても・・・遠隔操作・・・できるんですよ」

タチバナ「では・・・」スッ

私は彼女からカードを全て奪い取った

ブリュンヒルデ「!」

タチバナ「いただきました」

ブリュンヒルデ「それをどうするつもりだ・・・」

タチバナ「それは・・・こうするんです!」ズブッ!

私は皆さんの怨念がこもったカードを全て体に押し込んだ

ブリュンヒルデ「な・・・」

タチバナ「もうあなたに・・・辛い思いはさせません・・・」

ブリュンヒルデ「な・・・」シュウウ

蘭子「あれ、私は・・・」

タチバナ「怨念が抜けて・・・元に・・・戻りましたか・・・うぐっ」

ユルセナイ・・・

タチバナ「う・・・うわああああああああ!!!!!」ガタガタ

おびただしい量の怨念が、私の体を侵食していく

蘭子「あ、ありすちゃん・・・?」

タチバナ「あああああああああああ!!!!!」ガタガタ

蘭子「こ、これって・・・」

あい「あなたは自分の心配をした方がいいわ」

蘭子「いつの間に!?」


あい「私は、閻魔あい・・・」

蘭子「地獄・・・少女・・・」

タチバナ「お、お嬢さ・・・」バタッ

そこで私の意識は途切れました

蘭子「どうしてここに・・・」

あい「あなたを流したいって・・・」

蘭子「それって・・・」





ブリュンヒルデに殺された男の愛娘「よくもパパを・・・絶対、許せない・・・」

蘭子「そっか・・・」

あい「覚悟はできてるようね・・・」

蘭子「うん・・・お願い」


あい「闇に惑いし哀れな影よ」

あい「人を傷つけ貶めて」

あい「罪に溺れし業の魂」



あい「いっぺん、死んでみる?」

~三途の川~

あい「・・・・・」ギコギコ

蘭子「ねぇ、ありすちゃんは・・・」

あい「大丈夫、何とかする」

蘭子「よかった・・・」ホッ

あい「あの子にはまだ、やってもらう事があるから・・・」


あい「この恨み、地獄に流します・・・」

そのころタチバナは、アイドル達の怨念と戦っていた

ユルセナイ・・・ユルセナイ・・・ユルセナイ・・・ユルセナイ・・・ユルセナイ・・・ユルセナイ・・・ユルセナイ・・・ユルセナイ・・・ユルセナイ・・・

ユルセナイ・・・ユルセナイ・・・ユルセナイ・・・ユルセナイ・・・ユルセナイ・・・ユルセナイ・・・ユルセナイ・・・ユルセナイ・・・ユルセナイ・・・

ウラメシイ・・・ウラメシイ・・・ウラメシイ・・・ウラメシイ・・・ウラメシイ・・・ウラメシイ・・・ウラメシイ・・・ウラメシイ・・・ウラメシイ・・・

ウラメシイ・・・ウラメシイ・・・ウラメシイ・・・ウラメシイ・・・ウラメシイ・・・ウラメシイ・・・ウラメシイ・・・ウラメシイ・・・ウラメシイ・・・

タチバナ「・・・・・」グタッ

タチバナ(ああ・・・もう体がピクリとも動きません・・・)

タチバナ(ごめんなさい、お嬢さん・・・)

ユルセナイ・・・ユルセナイ・・・ユルセナイ・・・ユルセナイ・・・ユルセナイ・・・ユルセナイ・・・ユルセナイ・・・ユルセナイ・・・ユルセナイ・・・

ユルセナイ・・・ユルセナイ・・・ユルセナイ・・・ユルセナイ・・・ユルセナイ・・・ユルセナイ・・・ユルセナイ・・・ユルセナイ・・・ユルセナイ・・・

ウラメシイ・・・ウラメシイ・・・ウラメシイ・・・ウラメシイ・・・ウラメシイ・・・ウラメシイ・・・ウラメシイ・・・ウラメシイ・・・ウラメシイ・・・

ウラメシイ・・・ウラメシイ・・・ウラメシイ・・・ウラメシイ・・・ウラメシイ・・・ウラメシイ・・・ウラメシイ・・・ウラメシイ・・・ウラメシイ・・・









・・・ガンバリマス!

そんな声が聞こえた瞬間、私の意識は目覚めた

タチバナ「ん・・・」パチ

その時、私の眼前には・・・

あい「・・・・・」

タチバナ「!?」

お嬢さんの顔が超ドアップで写っていた

こ、これは一体・・・

タチバナ「!?」モガモガ

口が開かない・・・これはまさか・・・

あい「・・・・・」

ムチュウウウウウ・・・

そう、私はお嬢さんにキスをされていた

タチバナ「プハッ!なななな・・・何してるんですかお嬢さん!?」

あい「何って命の灯火が消えそうだったから私の生気を分け与えて・・・」

タチバナ「だからってこんな・・・初めてだったのに・・・」

あい「妖怪のくせにそんな事気にするのね」

タチバナ「・・・///」

あい「それにしてもあれだけの怨念を吸収しておいてよく大丈夫だったわね」

タチバナ「ええ、声が聞こえてきましてね・・・」

あい「私の?」

タチバナ「さぁ?どうでしょうね」

あい「・・・・・」

誰よりも頑張り屋で、笑顔の眩しいあの人のおかげ・・・なんていう必要ないですよね

タチバナ「それで、蘭子さんは・・・」

あい「・・・・・」

タチバナ「そう・・・ですか」

あい「また、貴方を知ってる人がいなくなってしまったわね」

タチバナ「もういいんですよ・・・それは」

あい「とにかく、目覚めたからには、これからも働いてもらうわ」

タチバナ「え?こんな勝手なことしたのに・・・いいんですか?」

あい「当たり前じゃない、それがあなたへの罰よ」

タチバナ「そうですか・・・それは重いですね」ニコ

あい「これからもよろしくね、ありす」

タチバナ「だからタチバナですってばぁ!」

あい「それじゃ・・・帰るよ」

タチバナ「はい、お嬢さん」










あい「・・・そろそろ、頃合いかしらね」

~おわり~

これで終わりです
次回あたりで最終章となる予定です

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