【短編】魔王「四天王が欲しい!」【安価】 (62)

魔王「正直人間界の七割がた侵略して気付かされた……」

魔王「まさか魔王城周辺がスライムだらけになる程人間界が広いとは……!」

魔王「誤算だ……このままでは……もし暗殺者が来たらスライムでレベル上げされてしまう!」

魔王「……魔王城を離れて魔界を巡ろう……直接スカウトしよう」

魔王「正直魔王城広すぎだ……寂しすぎる」




魔王「とりあえず魔界の南側に行こう……そう言えば、南側ってどんなところだったか……」
安価下

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1504626358

魔王「海だー!」

魔王「……人間界のとだいぶ違うな、やはり」

魔王「それにしてもたくさん海の魔物がいるな……」

魔王「やはり人間界に行っている奴らより強い方がカッコいいよな」

魔王「とりあえず小舟でも借りて海を見てみるか……強い奴なら向こうから来るだろ」



魔王「うーみーはーひろいーなーおおきーなー……むっ、何か近づいているな……なかなか強い!」ギコギコ
安価下

ゴゴゴゴゴッッ

魔王「うおおおおっ!?」グラグラ

魔王「なんだ、島が、動いて……いや!」グラグラ

ザパァァァァンッ

アスピドケロン「……………………」

魔王「島ほどの巨体の……魚か……!」

魔王「面白い!」ゴォォォォッ!

魔王「古今、魔王の軍拡は二種類しかない……産ませるか従わせるかだ!」

アスピドケロン「……ギャァァァァ!!」

魔王「いくぞっ!」ダッ!

アスピドケロン「ゴァァァァッ!」ヒュゥゥゥ……ドォォォォォォンッ!

魔王「……はぁっ!」ガキィィィンッ!

魔王「高水圧の水のブレス……ふっ、中々だが大雑把にすぎるな!」

魔王「俺の氷の魔術で制することが……うぉっ!?」

ザパァァァァンッ

魔王「……そうだな……巨体を活かした物理攻撃もある訳だ……!」

魔王「こい! 俺がお前を超えてやろう!」

アスピドケロン「ギョァァァァァッッ!!」

アスピドケロン「ゴァァァァッ!?」ドゴォォンッ

魔王「ふん! 水中ではお前の方に軍配があがるだろうが!」シュバ!

魔王「空中ならば! 貴様は図体がでかいだけだ!」

アスピドケロン「ギョォォォォォ!!」

ドガァァァンッ!

ザパァァァァンッ……

魔王「ふ……勝った……」

アスピドケロン「…………」プカプカ

ブオンブオンブオンブオン

魔王「さあ、俺の魔力を受け取り我が僕となれ……!」

魔王「ふふふ……まずは1人、水の四天王だな!」

魔王「拒むなよアスピドケロン、俺の魔力を受け入れることによって更に強くなる」

魔王「ついでに魔王城に入れるよう人型にもなれるようにしてやろう」

魔王「魔王城は広いからな、これでいくらか寂しさも消せるだろう」

ブオンブオンブオンブオン……

魔王「こんなものか……」



魔王「さあ、俺に新たな姿を見せてみろアスピドケロン!」
安価下

アスピドケロン「……これは……」

魔王「ふ、エラ呼吸卒業おめでとう」

魔王「さて、ここで魔物の基本的な約定だが……」

アスピドケロン「…………強き者に、従順する……」ガシャッ

魔王「それで良い……来い、このまま魔界の西側の果てに行く」



魔王「……ところで、お前は西側の果てはどうなってるか知ってるか?」
安価下

ゴポンッ……ゴポッ

魔王「……ふむ……だんだん熱くなってきたな……」

アスピドケロン「………………」ガシャンッ、ガシャンッ

魔王「重そうな鎧に水属性……流石にキツくないか?」

アスピドケロン「…………問題ない」ガシャンッ、ガシャンッ

魔王「ふ、頼もしいな!」

魔王「……さて……やはり高いところに居るのがセオリーだが……?」


魔王「……やはり来てるな……アスピドケロン、後ろだ!」バッ
安価下

バサッ……バサッ……

フェニックス「――――――!」キィィィィンッ

魔王「っ、この高音……っ! いくら美声でも、流石にキツイな!」

フェニックス「ケェェェ!」ドゴンッ、ドゴンッ!

魔王「火球か……ケタ違いでかい!」ギンッ!

ドシュゥゥゥ!

魔王「氷壁が一瞬か……風の魔術も使わんとまずいか……」

アスピドケロン「…………」ザッ

魔王「手を出すなよ! 俺の獲物だ!」

フェニックス「コォォ!」ボボボボボッッ

魔王「吹き消せ!」ビュァァァァッッ!

フェニックス「ケェェェッ!」

魔王「ふ、流石に氷と風ならばある程度有利を取れるか!」

ビュォォォォォォ!!

フェニックス「クァァァ!?」

フェニックス「コァァァ! ケェェェ!」バサッ、バサッ

魔王「無駄だ……不死身の能力も使わせん!」ビュァァァァッッ!

魔王「力技に持ち込まれたのが貴様の敗因だ!」ビュォォォォォォ!

フェニックス「クァッ、グッ……ァ……!」

ガキィィィンッ

魔王「ふ……流石に氷漬けになれば再生の炎も点けられまい」

ブオンブオンブオンブオン

魔王「……ところで、だいぶ遊んだが……お前ならどう戦う?」

アスピドケロン「…………攻撃力は我が鎧を貫けん」

アスピドケロン「……我が水の一撃が届きさえすれば勝てる」

魔王「そうか、当てさえすれば勝てる、か……ほぼ互角だな」

魔王「低火力では貫けない、鈍重では当てられない……良い力関係だ」

ブオンブオンブオンブオン

魔王「ん、終わりか……氷も解こう」パチンッ

ガラガラガラッ



魔王「膝を折り貴様の忠誠を尽くせ、不死の鳥よ……俺に新たな姿を見せろ」
安価下

眠いので寝る、夜辺り再開

フェニックス「こ、これは……?」

魔王「ふむ、人の形態でも美しい声だ」

魔王「今から俺が君の新たな主君だ」

フェニックス「……ええ、負けたのですから……当然です」

魔王「その姿は俺からのプレゼントだ……俺の前では、その姿で居るように」

フェニックス「承りました……」

魔王「そこの男は君の同僚だ……仲良く、とは強要しないが争うなよ?」



魔王「それで、これから北の果てに向かうんだが……どんなところか知ってるか?」
安価下

フェニックス「……と、わたくしが知って居るのはこんな程度です」

魔王「そうか……とりあえずいちごでも食いながら行くことにするか」

フェニックス「ええ!? 本当ですか!?」

魔王「まあ、それくらいならな」

魔王(フェニックスは食べ物に目がないのか? ま、四天王のことは知っておいて損はないか)

魔王「アスピドケロンも遠慮するなよ」

アスピドケロン「…………ああ……」



魔王「北側がこんな良いところとはなぁ……皆美味いな! ……おっと……誰か来たか?」
安価下

フェンリル「……グルルルル…………!」

魔王「ふ、でかい犬だな」

フェニックス「ちょ、ちょっと待ってください、これを食べ終わったら……」カチャカチャ

魔王「良い、俺もこいつの実力を知りたいからな」

アスピドケロン「…………御意に」

フェニックス「が、頑張ってください」モグモグ

フェンリル「ガルル……グァァァ!」

フェンリル「ゴァァァァッ!」

魔王「おっ、と……思ったより早いな……!」

シュバババババッ

フェンリル「ガァァァァァッッッ!」

魔王「だが、直線的すぎる!」ドガァァァンッ

フェンリル「キャンッ!?」ゴロゴロゴロ

魔王「さあ立て! まだ立てるだろう!」

フェンリル「ゴァァァァッ!」シュバッ!

魔王「はぁぁ!」ドガァァ!

フェンリル「ガ、グゥゥゥ!」ギリギリギリ

魔王「うおっ……えらく……顎の力が……凄まじいな……」ギリギリギリ

魔王「食われ、かねん……!」ギリギリギリ

魔王「だが……大口開けているところに……これはキツイだろう!」ドゴォォンッ

フェンリル「―――っ!?!? キャンッ!?」

魔王「ははは! 最大火力の炎の魔術だ……キツイだろ?」

フェンリル「キュゥゥ…………」

ブオンブオンブオンブオン

魔王「受け取れ……傷も癒える」

魔王「……アスピドケロンは前回同様、素早さと攻撃力が不足での千日手だろうが……」

魔王「フェニックス、お前ならどうだ?」

フェニックス「……フェンリルが飛び道具が無いのなら、わたくしは攻撃は受けません」

フェニックス「ですが、速度はわたくし以上……火球は当て辛いかと」

魔王「成る程な……さて、終わりだ」

ブオンブオンブオンブオン



魔王「さあ、傷も癒えただろう……その姿を見せてみろ、フェンリル」
安価下

フェンリル「こ、これは……人の、姿?」

魔王「ああ、俺のメガネにかなった証だ」

魔王「それに俺の魔力も得て、更に強くなったはずだ」

フェンリル「……我が主様、我が牙に誓い、お役に立つことを誓います……」ザッ

魔王「ああ、期待している」

フェニックス「よろしくお願いしますね」

フェンリル「ああ、よろしくね、お嬢さん……そこのデカイのも」

アスピドケロン「…………ああ」



魔王「このまま東側に行くんだが……フェンリルよ、お前の知ってる事はあるか?」
安価下

ザッ、ザッ、ザッ

魔王「……砂嵐が酷いな……」

フェンリル「鳥のお嬢さん、流砂に気を付けな」

フェニックス「はい……歩きづらいですわ……」

アスピドケロン「………………」ザッ、ザッ……ザッ

魔王「アスピドケロンも引き上げてやれ、重さで踝が埋まってる」

フェンリル「デカイの、手を出しな」

アスピドケロン「………………助かる」



魔王「……さて……近いな……そろそろか?」
安価下

九尾狐「………………」

魔王「……下がれ、俺が出る」

フェンリル「はっ!」

フェニックス「ええ」

アスピドケロン「……ああ」

九尾狐「……クルル……」スッ

魔王「ふっ、廃墟の長よ、我が元に来い!」

九尾狐「…………グルル!」

ボンッボンッボンッ

魔王「ほう……面白い……!」

魔王(あの青い炎……いくつか幻術が混ざってるな……だが!)

魔王「こうして、辺りを焼けばすべて吹き飛ぶ!」

ゴォォォォォオオオオ!

九尾「…………ッ!」

魔王「そこにいたか!」ダッ!

ボシュッ

魔王「……これも幻術……」

魔王(さて、こう隠密に徹せられると虱潰ししか手がないな……)

魔王「……なら、砂を使わせてもらおう!」プンッ

ザザザザザザザッッ

魔王「無差別広範囲攻撃! 避けれるものなら避けてみろ!」

ゾゾゾゾゾゾゾッ、ズザザザザッ!

九尾「――――――ッ!?!?」

ズァァァァアアアアア!!

ブオンブオンブオンブオン

魔王「幸い俺自身の幻術は魔力の差で回避できたんだが……お前らならどうだ?」

アスピドケロン「…………精神力で無効化はできる……当たれば勝てるが、難しい」

フェニックス「いくら殺されても復活はできるでしょうが……攻撃が当たるかどうか……」

フェンリル「うーん……離れれば負けはないと思う、勝つのは難しいね」

魔王「ふふふ、いい感じに拮抗した実力を揃えられたな……」

ブオンブオンブオンブオン



魔王「さあ、九尾よ、俺に新たな姿を見せてみろ!」
安価下

九尾「ふ……貴様、我が見た中でもなかなかじゃの」

魔王「そうか、それは良かった」

魔王「約定により、これよりお前の主は俺だ」

九尾「そうだのぉ……ふ、異存はない、飽きてもいたしの」

九尾「そこの者らも、よろしくの」

フェンリル「おう、よろしくな」

フェニックス「よろしくお願いします」

アスピドケロン「…………」

魔王「ふふふ、これで最強の四天王を揃えられた!」

魔王「人間界の十二神将を3人ずつ直属の部下として与えれば、更に強くなる!」

魔王「ははは、凱旋だ……魔王城のスライムどもも寂しがってるだろうしな!」

九尾「上機嫌だのう……」

フェニックス「1人で寂しかったらしいですよ?」

フェンリル「そりゃ、ちょいと辛いね」

アスピドケロン「………………誰か来てるぞ……」

魔王「む、あれは……俺の魔力を注いだスライムじゃないか」

スライム「ま、魔王様!」

魔王「ふ、出迎えご苦労! そしてこの4人が新たな幹部、四天王だ!」

スライム「そ、そんなことより! 魔王城が勇者に攻め込まれました!」

魔王「なにぃっ!?」

アスピドケロン「…………魔界を巡るのに1年かけたからな……」

フェニックス「まあ、広大ですものね……」

フェンリル「私に乗ってったら早かったのに」

九尾「かかかっ! 間抜けな話だのう!」

魔王「……そうか……人間界の支配は奪い返されてしまったか……」

スライム「はい……城中のスライムを合体させて迎え撃ちましたが……」

魔王「無理だろうな……では、城の中にいた俺の可愛いスライム達は……」

スライム「……体を与えられた、私だけです」

魔王「……仕切り直しだ、幸い魔界の支配圏は全地域に及んだ」

魔王「新たな強者を集い、改めて人間界を征服する!」

魔王「アスピドケロン!」

アスピドケロン「は……」

魔王「魔界の海、そして人間には到達できない人間界の海へ行き貴様直属の配下を集え!」

魔王「フェニックス!」

フェニックス「はいっ」

魔王「魔界の空、そして人間界の空に住む魔族を配下にし貴様の配下にふさわしい者を集めろ!」

魔王「フェンリル!」

フェンリル「おう!」

魔王「魔界の地、そして人間界の未踏の土地を走り獣供をより多く貴様の配下にしろ!」

魔王「九尾!」

九尾「はいよ」

魔王「魔界の森、そして人間界の未開の森へ趣きその口と技で魔物供を貴様の支配下にしろ!」

魔王「魔王軍再編、それに己の心血一切を注げ!」


魔王軍四天王集結編、完


ご愛読、ご参加ありがとうございました

夜に新しく建てようかと思ったけどこのスレ使えばいいか。

8時辺りに再開。

魔王「城は散々荒らされていたが、お前達が居てくれるなら問題はない」

アスピドケロン「…………」

フェニックス「ふふ……」

フェンリル「まあな」

九尾「ま、我に任せれば良いさ」

魔王「とりあえず魔界の統治は任せろ……貴様らは4人で人間界への足がかりを整えろ」

魔王(……それと並行して、四天王との繋がりも深めないとな……力だけでは従わないだろう)

魔王「暫くは大きく動けないだろう、1人補佐として俺とともに来い」



魔王「……そうだな……よし、お前が適任だな」
安価下

魔王「行くぞ」

フェニックス「はい」

フェニックス(よしっ、一番先に選ばれましたわ!)

魔王「……増フェニックス?」

フェニックス「は、はい!」タタタッ

魔王「とりあえず魔王城近郊を見回る、本来は俺の仕事じゃないが、状況が状況だしな」



フェニックス(気に入られるチャンス……! ですがどうすれば)
安価下

魔王「おお、高いなぁ!」

フェニックス「そうですか?」バサッ、バサッ

魔王「ああ……ははっ、魔王城も小さいなぁ」

フェニックス「はい、高いですからね……」バサッ、バサッ

魔王「よし、この辺でいい……降りるぞ、フェニックス」

魔王「……勇者の被害にあった地域だ……」

フェニックス「はい……」

魔王「……スライム達……」

サラ……

魔王「許さん…………」ギリギリ

フェニックス「生き残り達は魔王城に行くように伝えました」

魔王「ああ、助かる……」

フェニックス(……酷い惨状です…………)

フェニックス(だけど、魔王様……とても素敵な顔……)ウットリ



フェニックス(さらに進展させなければ! その為には……)
安価下

フェニックス「……いつか帰ってきたときのために、家を作っておきましょう」

フェニックス「街なら、死んでしまった人と違って戻せますし」

魔王「……ふ、そうだな……」

魔王「土魔法で大雑把に作る、細かい調整は任せる!」

ドゴォン、ドゴォン!

フェニックス「はいっ、お任せを!」ボォォッ




魔王(フェニックスはいい奴だな……うん、街はこんなものかな、それじゃあ次は……)
安価下

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom