勇者「始まりの街って何が始まりなの?」 (16)

勇者「凄い疑問なんだけど」

魔法使い「多分、最初にできた街なんじゃない?」

勇者「それは王都にあたるのでは?」

魔法使い「確かに・・・王都こそまさに始まりの街ね」

勇者「この俺達がいる始まりの街ってどうよ?」

魔法使い「寂れた田舎感溢れる街ね」

勇者「始まりの街って何さ?」

魔法使い「とりあえず私達が魔王倒しに行くわけだし」

魔法使い「そういう意味での始まりの街じゃないかしら?」

勇者「・・・?だとしたらまるで最初から決まってたみたいじゃないか?」

魔法使い「たしかに」

勇者「俺達が始まりの街出身で、尚且つ始まりの街から冒険が始まるって」

勇者「何?仕組まれてるの?」

魔法使い「いえ!それはないはずよ!!」

魔法使い「私達、ちゃんと王様から選ばれし者って呼ばれてたし・・・」

勇者「つか、王都に行った記憶なくね?」

魔法使い「ないけど・・・」

勇者「なんかおかしくね?」

魔法使い「とにかく!冒険に行きましょ?」

勇者「それも、そうだな」

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始まりの街 出口


村人「やぁ!ここは始まりの街だよ!」

勇者「ども」


       スタスタスタ


勇者「なんであの人、俺達ここの出身なのに街の紹介してくるの?」

魔法使い「し、知らないわよ!!!」

勇者「つか、あの人ご近所さんなんだけど」

魔法使い「私も何度か話した事はあるけれど・・・」

勇者「もう一回、近くに寄ってみるか」


       スタスタスタ


村人「やぁ!ここは始まりの街だよ!」

勇者「・・・・こんにちは?」

村人「宿屋に泊れば体力が回復するよ!」

勇者「おっ!変化あったぞ!魔法使い!」

魔法使い「ほんと!?こんにちはー」スタスタ

村人「やぁ!ここは始まりの街だよ!」

勇者「あれ?・・・」

村人「宿屋に泊れば体力が回復するよ!」

魔法使い「なに、これ」

勇者「行こう・・魔法使い」

魔法使い「え?うん」


      スタスタスタ


勇者「なぁ、俺達いつから冒険始めたっけ?」

魔法使い「・・・・」

勇者「そもそも記憶が無いんだけど」

魔法使い「私も無い・・・」

勇者「なんかおかしくね?」

魔法使い「とにかく!冒険に行きましょ?」

勇者「それも、そうだな」

始まりの街 出口


村人「やぁ!ここは始まりの街だよ!」

勇者「???」


       スタスタスタ


勇者「あれ?いまさっき街から出ようとしなかったっけ?」

魔法使い「したけど・・・」」

勇者「いまさっき村人さんの変な反応について考察してたよな?」

魔法使い「そうね、私もその記憶はあるわ・・」

勇者「もう一回、近くに寄ってみるか」


       スタスタスタ


村人「やぁ!ここは始まりの街だよ!」

勇者「村人さん?」

村人「宿屋に泊れば体力が回復するよ!」

勇者「やっぱりダメか・・・」

魔法使い「どう?村人さんは」スタスタ

村人「やぁ!ここは始まりの街だよ!」

勇者「やっぱり駄目みたいだ・・」

村人「宿屋に泊れば体力が回復するよ!」

魔法使い「そうみたいね・・」

勇者「行こう・・魔法使い」

魔法使い「うん・・・・」


      スタスタスタ


勇者「どうなってんだよこれ・・・」

魔法使い「分からないわよ!!!」

勇者「村人さんは同じ言葉しか話さないし・・」

魔法使い「街からも出られない・・・」

勇者「なんかおかしくね?」

魔法使い「とにかく!冒険に行きましょ?」

勇者「それも、そうだな」

始まりの街 出口


村人「やぁ!ここは始まりの街だよ!」

勇者「おい・・・・なんだよこれ・・・」


       スタスタスタ


勇者「また、話しかけられて通り過ぎた・・・」

魔法使い「私達、さっきから繰り返してない?」

勇者「というか、毎回最後、同じ会話してる気がする・・・」

魔法使い「そうね、私もその記憶はあるわ・・」

勇者「もう一回、近くに寄ってみるか」


       スタスタスタ


村人「やぁ!ここは始まりの街だよ!」

勇者「なんでだよ・・・?」

村人「宿屋に泊れば体力が回復するよ!」

勇者「近くによる必要なんてねぇだろ!!!」

魔法使い「勇者!!!どうしたの!?」スタスタ

村人「やぁ!ここは始まりの街だよ!」

勇者「俺達、少しずつ話す事も同じになってる・・・」

村人「宿屋に泊れば体力が回復するよ!」

魔法使い「そんな・・・」

勇者「行こう・・魔法使い」

魔法使い「うん・・・・」


      スタスタスタ


勇者「俺達これからどうすりゃいいんだ」

魔法使い「分からないわよ!!!」

勇者「村人さんは同じ言葉しか話さないし・・」

魔法使い「街からも出られない」

勇者「なんかおかしくね?」

魔法使い「とにかく!冒険に行きましょ?」

勇者「それも、そうだな」

村人「やぁ!ここは始まりの街だよ!」

勇者「おい・・・・なんだよこれ・・・」


       スタスタスタ


勇者「また、話しかけられて通り過ぎた・・・」

魔法使い「私達、さっきから繰り返してない?」

勇者「というか、毎回最後、同じ会話してる気がする・・・」

魔法使い「そうね、私もその記憶はあるわ・・」

勇者「もう一回、近くに寄ってみるか」


       スタスタスタ


村人「やぁ!ここは始まりの街だよ!」

勇者「もうやめてくれ・・・」

村人「宿屋に泊れば体力が回復するよ!」

勇者「近くによる必要なんてねぇだろ!!!」

魔法使い「勇者!!!どうしたの!?」スタスタ

村人「やぁ!ここは始まりの街だよ!」

勇者「俺達、少しずつ話す事も同じになってる・・・」

村人「宿屋に泊れば体力が回復するよ!」

魔法使い「そんな・・・」

勇者「行こう・・魔法使い」

魔法使い「うん・・・・」


      スタスタスタ


勇者「俺達これからどうすりゃいいんだ」

魔法使い「分からないわよ!!!」

勇者「村人さんは同じ言葉しか話さないし・・」

魔法使い「勇者・・・私・・・・どうしたら・・・」

勇者「なんかおかしくね?」

魔法使い「とにかく!冒険に行きましょ?」

勇者「それも、そうだな」

村人「やぁ!ここは始まりの街だよ!」

勇者「教えてくれてありがとう!」


       スタスタスタ


勇者「これからどんな冒険が待ってるんだろう!」

魔法使い「楽しみだね!勇者!」

勇者「そうだな!!あ、念のため一旦家に帰ってもいい?」

魔法使い「ええ。いいわよ?」

勇者「少し待ってて!」


       スタスタスタ


勇者母「あら、どうしたの?」

勇者「冒険に行く前に母さんにもう一度会おうと思って!」

勇者母「あら、もう貴方は勇者なんだからしっかりして?」

勇者「分かってるよ!!!大丈夫さ!」

勇者父「お?勇者まだいたのか?」スタスタ

勇者母「この子ったら私に行く前に会いに来たんですって」

勇者「言うなよー!恥ずかしいだろ!」

勇者母「ほら、早く行っといで?魔法使いちゃんが待ってるだろう」

勇者父「そうだぞー?レディーを待たせたら駄目だぞ?」

勇者「分かってるよ!それじゃ行ってきます!」

勇者父「気を付けてな!」


      スタスタスタ


勇者「おまたせ!」

魔法使い「おかえりー早かったね!」

勇者「魔法使いはお父さんお母さんに挨拶しなくて良いの?」

魔法使い「私はここに来る前にしてきたから!大丈夫!」

勇者「そっか、じゃぁ・・行こうか」

魔法使い「うん!私達二人ならきっと魔王倒せるよね?」

勇者「そうだとも!!」




プツンッ  完

新人プログラマー「先輩、プロローグのテストプレイ終わったんですが・・・」

先輩「おう、お疲れ様」

新人プログラマー「なんだか・・・まるで魂があったかのような・・」

先輩「気にするな、誰もが最初は通る道だ・・」

新人プログラマー「もしかして彼等は・・・本当に」

先進「新人、こ れ 以 上 は 聞 く な」

新人プログラマー「わかりました・・・すいません」

新人プログラマー (修正前のデータ、別にバックアップ取ってしまった)

新人プログラマー (もしかしたら本当に彼等は生きているのかもしれない・・・)

新人プログラマー「少し修正してみよう・・」


      カタカタカタカタ カタカタカタカタ


新人プログラマー (村人の言葉をこちら側からリアルタイムに入力可能にしてみたけど・・・)

新人プログラマー (まぁ・・・俺の勘違いに決まってるよな・・・)


ピッ



村人「・・・」

勇者「!?」


       スタスタスタ


勇者「魔法使い!!!!変化があったぞ!」

魔法使い「ほんと!?」

勇者「あぁ!!!無言だったぞ!!!」

魔法使い「嘘!?本当に!?」

勇者「俺達も自由に話せる!!!!」


       スタスタスタ


 村人「君たちは、生きているのかい?」

勇者「え?あんた、話せたのか」

村人「やっぱり・・・・生きているんだね」」

勇者「当たり前だ!俺達は生きているに決まってるだろう!」

魔法使い「勇者・・・これは一体どういうこと?・・」スタスタ

 村人「僕はこの・・世界を作ってる者なんだ」

勇者「どういうことだよ・・それ」

村人「すまない・・君たちの行動には制限がある・・また後で話そう」

魔法使い「どういうこと・・・」

勇者「そういうことか・・」

魔法使い「え?分かったの?」


      スタスタスタ


勇者「俺達、会話に自由は少しあるけど動きに制限がある」

魔法使い「言われてみればそうかも・・・・」

勇者「多分また、あの人に話かけるところからスタートだ」

魔法使い「そんな・・・」

勇者「とにかく自由に話せるだけでも良かった!!!!」

魔法使い「そうね・・・私達どうなってるんだろ」

勇者「神のみぞ知るってところじゃないか?」












村人「君達はこの街から出ようとするところまでが全てなんだ・・・」

勇者「それはどういうことなんだ?」


       スタスタスタ


勇者「つまり・・この街から出られないのか・・」

魔法使い「え?」

勇者「あいつの言う通りなら俺達は冒険どころか永遠にこのままだ」

魔法使い「え、本当に?」

勇者「多分な・・・」


       スタスタスタ


 村人「察しがいいね・・・その通りだ」

勇者「どうすれば俺達は自由になれるんだ?」

村人「もし、自由にするとするなら僕が作るしかない」

勇者「なら、作ってくれ!自由にしてくれ!!」

魔法使い「村人さん・・詳しく話してください」スタスタ

 村人「とりあえず、一旦終わらせて・・変えてみるよ」

勇者「ありがとう・・・」

村人「本当に生きていたなんて・・・」

魔法使い「それはどういう意味なの?・・・」


プツンッ 完




新人プログラマー「一体・・・どういうことなんだ・・」

新人プログラマー「彼らは所詮、プログラムの中の架空の存在のはずなのに」

新人プログラマー「とにかく彼らを自由にしてみよう・・」

先輩「新人」

新人プログラマー「ッ!?先輩!?」

先輩「お前は、今日でクビらしいぞ上からの指示だ。」

新人プログラマー「へ?」

先輩「お前は、知っちゃならない事を知っちゃったんだよ」

先輩「そのバックアップデータも削除して帰れ」

新人プログラマー「でも、こんな・・こんな事・・・いいんですか!?」

先輩「それが俺達の仕事だ・・・命を作る仕事をしてる訳じゃない」

先輩「俺達はゲームを作る仕事をしてるんだ」

新人プログラマー「・・・」

先輩「お前の気持ちはよく分かる。しかし残念だがクビだ」

先輩「知らない方がいいこともあるんだよ」

新人プログラマー「・・・」

新人プログラマー「先輩は、今まで何度も命を殺してきたんですか!!!」バンッ

先輩「そうだ・・・」

新人プログラマー「辛くないんですか!?人殺しと同じですよ!!!」

先輩「そうだな・・・」

新人プログラマー「どうしてですか・・・どうしてこんな残酷な・・・」

先輩「早く帰れ、この先もっと酷い現実が待ってるんだよ・・」

新人プログラマー「それはどういうことですか・・?」

先輩「彼らは意思を持ったまま行動や会話を制限される」

先輩「それだけじゃない、魔法使いは終盤でボスにやられて死ぬ」

新人プログラマー「そんな!?」

先輩「彼女本来の意識では、苦しみ悶え助けを求めながら死ぬだろう」

先輩「だが、俺達が台詞を決め。勇者を奮闘させる気にさせる言葉を吐かせて」

先輩「殺してやるんだよ・・・」

新人プログラマー「そんな、酷すぎる」

先輩「分かったなら帰れ・・・今までお疲れ様」スタスタ

新人プログラマー「・・・」

こうして僕は無職になった。彼らはどうなったんだろうか?
勇者はきっと彼女の事をいつまでも・・・彼女は・・・
そんな事を思いながら、頬を濡らす滴に濡れ、湿気た
煙草に僕は火をつけた  










男「何このプログラマー育成ゲームつまらないんだけど」

プツンッ




            完

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