※キャラ崩壊注意
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-居酒屋(夜)-
楓「うふふ、プロデューサー、飲んでますか~!」
P「飲んでます、飲んでますから!ちょっと、近いですよ楓さん!あと、さりげなくコップにビール注ぐのやめてください!」
楓「まぁまぁ、そういわずに。美優さんがもうダウンしちゃって……」トクトク
P「ダウンさせたのはあなたでしょうが。……美優さん、無理しなくていいですからね。きつかったら、送っていきますので……」
美優「す、すみません、プロデューサーさん……少し、休めば……楽に……うぅ」
ちひろ「もう、皆さん飲み過ぎですよ!……それはそれとして、二日酔いに利くエナドリを作ってみたのですが、いかがですか、Pさん?」
P「い、いただいておきます。ついでに、ウーロン茶か何か挟みたいのですが……」
服部「プロデューサーさん。次は焼酎にする?それともハイボール?」
P「あの、ウーロン茶……」
服部「ウーロンハイね」
P(……意地でもアルコールから逃がさないつもりだ……)
服部「まぁ、でも、まだまだプロデューサーさんも余裕そうだし、ここは日本酒あたりでいいかしら」
P「いや、それなら、まだ……ウーロンハイの方が……」
和久井「……」
和久井「ほろよいの、私でも良いわよ。なんて」ボソ
P「え?良いんですか?」
和久井「な!いや、あの……」アワワ
P「じゃあ、ほろよいのカシスオレンジで。まだ、日本酒とかに比べれば全然いいですよね。ほろよい」
和久井「……すみません、この人にこの店で一番度数きつめのお酒を……」
P「えぇ!!?」
楓「じゃあ私は、日本酒のお湯割りを、二本にしゅ……うふふ」
ちひろ「あぁ、今のオーダー、一本で大丈夫です。後、私は、ウーロン茶で」
P「え!?ずるいですよちひろさん!」
ちひろ「誰かが抑えないと大変なことになりますから。何なら、プロデューサーさんが倒れちゃったら、膝枕で介抱してあげますよ?ふふ」
P「……言いましたね?もう知りませんよ、ちひろさんの柔らかい膝枕で介抱してもらいますよ!」
和久井「……セクハラ」
服部「どうせ膝枕するなら留美がやるって?」
和久井「そうよ。私の膝なら365日……って、何を言わせるのよ」
楓「本日4度目の、カンパーイ!うふふ」
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チュンチュン,チュンチュン
P「……っは!」
P「今何時だ!っていうか、ここはどこだ!」
P(……って、なんだ、俺の部屋か……いつの間に家に帰ったんだ……)
P「あれ、俺の部屋って、こんなに物がなかったかな……まぁ良いや、時間がない!さっさと事務所に行かないと!」
-事務所前-
P「うー頭痛い……昨日の記憶が後半ほとんどないぞ……」
P(流石に、羽目を外し過ぎた。いや、外され過ぎたというべきか……)
P「やばいやばい、スケジュールが……今日は凛たちのレッスンに美優さんの撮影に……うちのクールなアイドルたちは時間にうるさいからな、楓さん以外」
P「待ってなければ良いんだけど……」
ガチャ
P「おはようございます!」
ちひろ「え?ぁ、お、おはよう、ございます」
P「おはようございます、ちひろさん。大丈夫ですか、体調とか。何だか、俺はまだ頭が痛くて……」
ちひろ「え……えっと……」
P「やっぱり平日に楓さんたちと飲みに行くのは無謀すぎましたね。次の日休みの日にしないと……」
ちひろ「……」
ちひろ「あ、あの……」
ガチャ
卯月「お、おはよう、ございます」
P「おう、おはよう!……?」
P(……だ、誰っ!?)
卯月「……今日もよろしくお願いします」
P「あ、ああ……」
P(歳は、高校生くらいだろう。少し、暗い顔をした少女が事務所に入ってきた)
P(こんな子が来る予定あったっけか?……落ち着け、落ち着けよ、昨日飲み過ぎて、何か忘れてる、のか……?)
卯月「……」
P(ソファに座るべきか、俺と話すべきか、何か、迷っている風にそわそわする少女。こんな可愛くてキュートな感じのオーラを持った子は、うちの事務所にはいないはずだ)
P(スカウトか、オーディションをしたんだっけか……いや、ただでさえ忙しかったのに、そんなこと、してる余裕は……)
ちひろ「あ、あのぉ、プロデューサーさん。今日のスケジュール、なんですが……」
P「はい、えーっと、確か、トライアドプリムスのレッスンに、美優さんたちの撮影会に……」
ちひろ「え?」
P「ん?」
ちひろ「……あの、昨日は、その、卯月ちゃんのレッスンをするっておっしゃてましたが……」
P「え?」
ちひろ「後、その、とらい?なんとかさんや美優さん、という方は、この事務所には所属しておりませんが……」
P「」
P(……ど、どういうことだ?ちひろさん。そんな性質の悪い冗談……)
P(……あ!まさか、そういうことか!?)
P「あ、あはは!いや、すみません!どうにも昨日飲みすぎてしまったらしくて……記憶が曖昧で」
ちひろ「え、あ、そ、そうなん、ですね」
卯月「……」
P(この、何ともよそよそしい対応に、知らないキュートアイドル、つまりこれってあれだろ)
P(ジャパニーズDOKKIRIだろ?)
P(昨日飲んでたときに、企んでたんだろうな、きっと。……ただ慌てふためくだけじゃ面白くないな……ここは……)
P「いやぁ、どうもすみません。それじゃあ、行こうか、卯月、ちゃん!」
卯月「え?……は、はい」
P(逆に対応して、あいつらの慌てる顔を見てやるとするか、くくく)
ガチャ、バタン
ちひろ「……プロデューサーさん、何だか、様子が…………」
ちひろ(でも、いつもよりずっと……)
-レッスン場-
P「結局、こんなところまで来てしまった……」
P(いつ種明かししてくれるんだろうかとずっと待っていたが、まだ、どこかでモニターしてるのか?)
卯月「っは、っは」タンタタン
P(普通にレッスン見てあげてるんだけど……)
P(それにしても)
P「卯月ちゃん、そこのステップ足を開きすぎで動きにくくないか?もっと、こう、こんな感じで」タンタタン
卯月「え?……は、はい!」タンタタン
P「そうそう、上手いぞ」
P(普通に、素質あるよなぁこの子……いや、普通どころか、かなり良い……さっき言ったところも、意識してすぐに対応してるし……)
卯月「「今さら」なんてない~♪」
P(ただ……)
P(全然、笑わないんだよなぁ)
P(スマイリングって曲なのに、笑顔なしとはこれいかに)
~♪……プツ
卯月「はぁ……はぁ……」
P「……なぁ、卯月ちゃん、歌ったりしてるときに、笑顔とかって出せるかな」
卯月「……え」ビクッ
P(あ、あれ、俺、可笑しなこと言ったか?)
P「いや、ほら、表情が硬いとお客さんも固くなっちゃうからさ、出来るだけ練習でも笑顔は作れるようにした方が良いよ」
卯月「で、でも、いつもは……」
P(いつも?)「まぁ、お客さんが居ないレッスンスタジオで笑うっていっても、中々難しいとは思うけども、折角卯月ちゃんは歌もダンスも上手なんだから、勿体ないなって」
卯月「……でも」
P「ん?」
卯月「でも、私が振り付けを失敗したら」
P「うん」
卯月「「何笑ってるんだ。失敗したのがおかしいかって」言います、よね……」
P「え、いや、そんなことは言わないぞ。多少失敗したって、楽しそうな方がよっぽど良いと俺は思うがなぁ」
卯月「……」
P(うーん、さっきから、どうも会話が嚙み合ってないというか)
P(まるで、いつも俺が叱ってたみたいな……)
卯月「あの、もう一度、はじめからレッスンを、お願いします」
-事務所-
P「ふぅ」ガチャ
P「結局、ちひろさんたちのネタばらしもなく、卯月のレッスンを見てしまった……」
P(歌やダンスは良くなったが、やっぱり最後まで、自然な笑顔は見れなかったなぁ)
P「ちひろさんは……帰ったのか?とりあえず、みんなのスケジュールの確認を……ん?」カタカタ
P(何だ、パスワードは同じだったのにフォルダや入ってる資料が、全部違う!?)
P(まるで俺のパソコンじゃないみたいだ……)カタカタ
P(スケジュール……島村卯月……輿水幸子……佐久間まゆ……?なんだこれ、俺の担当アイドルのデータがすり替わってる!?)
P「しかも、うわ、スケジュール、ほとんど埋まってないじゃないか。それにしたって、どっきりでここまでするなんておかしいぞ……」
?「……ぐす……すん」ガチャ
P(あれ、まだ誰か残っていたのか?女子トイレから出てきたみたいだが……)
?「あ……」ビク
P「あー、おかえり?いや、俺があとから来たから、ただいま?」
幸子「……戻って、いたんですね」
P(この子は確か……輿水幸子って子だな。さっきみたデータでは、あまり評価が高くなかったなぁ)
P「えっと、どうしたんだ、何かあったのか」
幸子「…………ご、ゴメンナサイ、ボ、じゃなくて、ワタシ……」
P(身体を震わせている彼女の瞳は赤く腫れている、それに、気の毒なくらい顔を青くして………)
P「……まぁ、座って。そうだ、ココアでも飲むか?」
幸子「……」
P「すまん、ココアはなかった。アイスティーしかなかったけど、いいかな」
P(おかしいなぁ、いつも常備してたはずなのに)
幸子「……あ、ありがとう、ございます」
P「それで、どうしたんだ。今日は何かあったのか?」
幸子「…………」
P「……」
幸子「きょ、今日、プロデューサーから受けろと言われていた、お、オーディション、落ちて、しまいました……」
幸子「もしも、あの、受からなければ、ボ……ワタシは、もう……」
P「あぁ、なんだ、そんなことか」
幸子「え?」
P「落ちたら、次頑張ればいい。今日いっぱい泣いた分は、きっとキミの力になる。……次は頑張ろう」ナデ
幸子「……!?」
幸子「い、良いんですか?事務所を、や、辞めなくても」
P(事務所を辞める?)「そんなことする必要ないだろ。というより、今日は俺も卯月ちゃんのレッスンにつきっきりで、オーディションに一緒に行けなかったしな、すまなかった……」
幸子「……お、オーディションを一緒に?」
P「あぁ、可愛い、え~幸子、ちゃんの姿を見損なったよ」
幸子「カワイイって……か、からかっているんですか?」
P「え?いや、そんなことないぞ。本当に、申し訳なかったと思ってる」
幸子「……」
幸子「ボクが、カワイイ、ですか?」
P「ん?まぁ、そうだな、睫毛も長いし、たれ目もキュートだし、所作から礼儀正しさもうかがえるし……」
幸子「そうですか……そうですよね」
幸子「そうなんですよ!ボクは、カワイイんですよ!」ニコ
P(お!)
幸子「いつも、オーディションはあとちょっととのところで落ちてしまいますが、それはこの超新星のボクの放つ輝きに審査員の皆さんが眩しすぎてくらんでしまうからなんですよ!」
P「そうだな、審査員も見る目がない」
幸子「え……えぇそうなんですよ!……あの」
P「ん?」
幸子「その、いつもみたいに、怒らないのでしょうか?ボクって言ったり、あの、自分でカワイイって言ったり……」
P(……)
P「怒らないよ。そういう自信を持って自分を出せる姿が、俺はすごく良いなって思ったから」
幸子「そ、そうなん、ですか!?」
P「うん」
幸子「ふ、ふふふ、そうですか!!」
P(ぴんと、自分の髪の跳ねたところをいじってにやつく幸子)
P(彼女もまた、卯月と同じで、「俺」が担当している、アイドル、か)
-車(夜)-
幸子「それで、ボクが黒板に完璧な計算式を書ききると~、先生が言うんですよ!ここはまだ習っていない難しい問題なのに良くとけましたね~って!!」
P「へー」
幸子「それくらい、ボクは頭もよくて、スポーツもできて、完璧なんですよ!」
P「そうなのかぁ」
幸子「そうなんです!それでですね!ボクが何故、頭が良くてカワイイと、言われるかについてなのですが!」
P(もう遅いからと、自宅へと幸子を送っている途中、彼女はまるで今まで抑圧されていた自分を吐き出すかのように喋りだした)
P(どれもこれも、微笑ましいエピソードばかりだが、聞く人によっては、あまりの自画自賛っぷりに嫌気がさしてしまうかもしれない)
幸子「つまり、地球の温暖化も、少子化問題も、、全部ボクがカワイイせいなんですよね!」
P「そうか、まぁ、確かに幸子は可愛いしな」
幸子「ふぇ!?そ、そうなん、です」
P(だが、自分で言うのならともかく、人に言われるのはまだ慣れていないのか、顔を赤くすると、膝の上に拳を押さえつけて黙ってしまった)
-自宅(夜)-
P「ふぅ」ドサ
P(島村卯月に、輿水幸子……俺の担当アイドル、か)
P(それに残っていたスケジュールには明日、佐久間まゆというアイドル候補生が事務所に来ると書かれていた)
P「ここまでの経過を見るに……もう、これはドッキリだとか、言ってられないレベルだよなぁ」
P(俺の部屋には、クールなあいつらの写真集やらCDやらでいっぱいだと思ったのだが……)
P(生活に必要なものが最低限そろえられているだけで、えらく殺風景な部屋になっていた)
P(昨日の夜に、何があったのか?これじゃ、まるで別世界に来てしまったかのような……)
P「別の世界?」
P「……まさかな」
-事務所-
まゆ(……ここが新しい事務所……)
まゆ(読者モデルをしていた事務所がつぶれて、紹介されたけれど……)
まゆ(別に、まゆはアイドルになんて……興味ないのに……)
ガチャ
P「うわっと」ドン
まゆ「キャ!」
ガシ
P「とと、危ない危ない。大丈夫?」
まゆ「」キューン
まゆ(誰かに愛されることには慣れていました)
まゆ(父も母も、同じ学校の子たちからも、可愛いと言われ、前の事務所でも大切に扱われていたことがわかってましたから)
まゆ(けれど、まゆは一度もその人たちを愛したことはなかった……)
まゆ(きっと、その人たちが死んでも、まゆは、何とも思わないほどに、どこか冷めていた。なのに)
P「おーい、大丈夫か?」
まゆ「はぅ!!」ビシャーン!
まゆ(こ、この稲妻が走ったかのような衝撃!心臓が飛び出しそうなほどに脈を打ち、体中が熱く火照り燃え上がる)
まゆ(まゆは、きっとこの人に会うために生まれてきたのです!!)
まゆ「ふ、ふふふふ」
P「!?」ビク
まゆ「あなたが、まゆのプロデューサーさんになる方ですね?」
P「え、ああ、そうだけど。もしかして、君は……」
まゆ「はい、佐久間まゆです。まゆはこれからプロデューサーさんと二人でトップアイドルになるんですよね、だって、二人の出会いは運命だから!」
P「え?ま、まぁトップアイドルを目指すのは間違いないが……まだ、そうだと決まったわけじゃ」
まゆ「うふふ、まゆのことたっぷり可愛がってくださいね?」
P(何か、押し切られてしまった……それにしても、これまた、キュートオーラ全開の子だなぁ)
まゆ(あぁ、きっと今、まさに、まゆは生まれたのです。誰かを愛するために、人として!)
幸子「ふふーん!ボクの方が先輩ですから、敬愛の念を込めて、カワイイ幸子ちゃんと呼んでもいいですよ!」
まゆ「はぁい、よろしくお願いしますねぇ、幸子ちゃん。まゆのことは、まゆって、読んでください」
幸子「カワイイが抜けていますが……まぁ良いでしょう!何か困ったらカワイイボクになんでも頼ってください、まゆさん!」
まゆ「はぁい」
卯月「……あの、よろしくお願いします。まゆちゃん」
まゆ「こちらこそ~」
P(あっという間に溶け込んでしまった。ていうか、彼女の持ってきた書類をよく見たら、彼女はうちのアイドル事務所じゃなくて、うちを通して346プロの読者モデル部門に行く予定なんじゃ……)
まゆ「まゆは、絶対にトップアイドルになるんですよ、絶対に……ふふふ」
P(よくわからんが、本人がやる気みたいだし良いか)「仲良くしてくれよな~みんな」
ちひろ「……」
-レッスン場-
P「ほら、1、2、1、2……よし、休憩」
まゆ「あう……」ドサ
幸子「はぁはぁ、ど、どうでしたか、まゆさん!あ、アイドルというのも楽なものではないでしょう!」
まゆ「そ、そうですねぇ、結構、しんどいんですね……」ゼェゼェ
まゆ(こんなのじゃ、駄目。もっと、レッスンをつまなきゃ、もっと、もっと、もっと……)
P「まゆは初めてのレッスンなのに、ここまでついてきてすごいと思うぞ」
まゆ「本当ですかぁ!?」パッ
幸子「!?……ぼ、ボクはどうでしょうか!」
P「幸子は、そうだなぁ、自分の顔を気にしすぎてステップと歌がおざなりだな」
幸子「なぁ!?そ、そういわれてみれば……カワイイボクに、そんな弱点が……!」
卯月「……」
P「卯月」
卯月「!は、はい」
P「今日は、昨日よりもダンスにキレがあって良かったぞ。歌も、よく間違えてたところが意識して直せてた。家でも、練習したんだな」
卯月「え、あ、わかるん、ですか?」
P「当たり前だろ。プロデューサーなんだから。でも、あんまり無理をすると身体を壊すから、無理だけはするなよ」
卯月「……はい!」ニコ
P(……お!)
P「じゃあ、後少し休憩したら再開するぞ。しっかり水分補給をするんだぞ」
3人「はーい」
P(……プロデューサーなんだから、か)
-1週間後-
幸子「ぷ、プロデューサーさん!初めてのお仕事が、どうして商店街のマスコットなんですか!これでは、顔は出ているとは言え、ボクのカワイイボディが見えないじゃないですか~!」
P「仕方がないだろう。まだ無名なんだから、仕事はなんだって引き受けるぞー。それに、歌も歌えるし良い方じゃないか」
卯月「歌は、商店街の応援ソング、ですよね」
まゆ「しかも、普通の通行人相手に……その、まゆたちに興味がない人に歌を聞いてもらうのは少しまゆにも抵抗が……」
P「まぁまぁ、はじめての仕事なんてそんなもんだ。それに、アイドルになったらもっと大勢の前で歌うことになるんだぞ。興味のない人が興味を持ってくれるような、そんな歌を披露してやってくれ」
卯月「……頑張ります!」
幸子「歌の事より、ボクが一番気にしているのは、どうして卯月さんはウサギ、まゆさんはたぬきで、ボクだけマンボウなんですか~!一人だけ魚類ですよ!!!」
P「それは、ほら、幸子のカワイイオーラを隠すためだろ」
幸子「ぼ、ボクのカワイイオーラ、ですか?」
P「そうだ、今日は3人の仕事なのに、幸子一人だけ目立ってしまうと困るから、あえて、二人より不細工な着ぐるみに扮することで、カワイイオーラを均等にしてるんだ」
幸子「そ、そうだったんですね。ふふん、ならしょうがないです!オーラなら仕方がないですね!」
P(ふぅ、最近幸子の扱い方がよくわかってきたぞ)
-お仕事終了(夕方)-
幸子「つ、疲れました……」
卯月「あんまり、歌は聞いてもらえなかったですね……みんなこちらを見向きもしないで……」
まゆ「……子供には大人気でしたけどねぇ」
幸子「二人はまだ良い方ですよ。ボクなんて、なぜかお爺さんやお婆さんばかり集まってきて……」
P「みんなお疲れ様。ほら、飲み物買ってきたぞ」
卯月「あ!ありがとうございます!」ニコ
まゆ「プロデューサーさんもお疲れ様です、今日はずっとつきっきりで……」
P「まぁ、俺はほとんど見てただけだけどな」
まゆ「でも、居てくださっただけで、まゆはやる気が出ましたよぉ?それに、安心できました」
P「はは、そうか。じゃあ、みんな今日は頑張ったから、初仕事の記念に、どっか食べに行くか。もちろん奢るぞ」
幸子「本当ですか!ではカワイイボクに奢れるなんて、プロデューサーもラッキーですね♪」
P「あんまり、高いところは、その、勘弁してくれよ」
まゆ「まゆは、プロデューサーと一緒にご飯を食べられるなら何だっていいですよぉ」
卯月「……えへへ……楽しいなぁ」
-事務所(次の日)-
ガチャ
卯月「おはようございます!」
P「おう、おはよう、卯月」
ちひろ「おはようございます、卯月ちゃん」
卯月「おはようございます!プロデューサーさん!ちひろさん!」
幸子「おはようございます!卯月さん!見てくださいよこれ!」
卯月「え?何ですか、これ、手紙?」
幸子「ファンレターですよ!ファンレター!カワイイボクあてにファンレターが届いたんですよ」
卯月「えぇ!?す、すごいね!幸子ちゃん!」
幸子「フフーン!まぁ、カワイイボクなら当然ですけど!実は卯月さんにも届いてるんですよ!」
卯月「本当ですか!?わぁ!」
キャキャ
ちひろ「最近、事務所の雰囲気変わりましたね」
P「え?えーっと、そうですか?」ドキ
ちひろ「はい、とても、明るくなった気がします」
P「そ、そうですね。卯月も笑顔を見せるようになってくれたし、幸子もまぁ、幸子ですし」
ちひろ「……私からすれば、一番変わったのは、プロデューサーさんなんですけどね」
P「え!?」ドキ
ちひろ「……あの、プロデューサーさん。実は、前から思っていたんですが……」
P「……」ドキドキ
ちひろ「もしかして、プロデューサーさんって、双子……何ですか?」
P「……へ?」
ちひろ「い、いえ!あの、こういってはなんですが、以前のプロデューサーさんは、もっとこう、冷たいというか、カミソリみたいな人で……」
P「は、はぁ」
ちひろ「最近、その!お仕事も頑張られてて、私の事も気にかけてくださってて……あ、あはは、そのすみません!変な事聞いてしまって」カァ
P「いえ、別に大丈夫ですよ、ただ、残念ながら双子ではないですね」
ちひろ「そ、そうですよね!でもそれだけ変わったと思ったので……もしかしたらと……」
P「はは、そうですか」
P(変わった、か)
ガチャ
まゆ「おはようございまぁす」フワァ
幸子「あ、おはようございます!見てくださいまゆさん!ほら!ファンレターですよ!ファンレター!」
卯月「まゆちゃんにも届いてるんです!はい!これ!」
まゆ「?これって……うふふ、そうですか……これは最高のファンレターですね。うふふふふ」
P(……まゆには気づかれてしまっているのかもしれないが……まぁみんな喜んでくれてよかった)
-数週間後(公園前)-
P「さぁて……今日の営業も終わったか……後は事務所に帰って企画をまとめて……と」
P(みんな想像以上に頑張ってくれているからな。俺もがんばって彼女たちに良い仕事を……って)
P(俺、このままでいいのか!?)
P(忙しさのあまり、忘れていたが、こんなのって明らかにおかしいじゃないか!)
P(ここは多分、俺がいた元の世界とは、別の世界なんだ。早く元の世界に戻らないと……?)
?「ぐす……すん」
P(なんだ、女の子が……泣いてる)
桃華「……ぐす」
桃華(な、泣いてはいけませんわ、櫻井桃華。でも、こんなのって、あんまり……どうすれば)
P「君、どうかしたのか」
桃華「!?」
P「あぁ、そんなに驚かなくても……俺は、こういうもんで、決して、怪しいもんじゃないよ」
桃華「……ぐす、あ、アイドルのプロデューサー……ですの?……わたくしに何か御用かしら」ッキ
P(う、めちゃくちゃ、怪しまれている……そりゃ突然スーツ姿の男が話しかけてきたりしたら、怪しいわな)
P「い、いや……それより、そっちの方こそ、何かあったんじゃないか。随分お困りのようだけど……」
桃華「……」
P「もし俺でよければ、力になるよ」
桃華「わ、わたくし、こう見えても一人前のレディですの、ですから、誰かの助けなど……」
P「じゃあ、レディの悩みを聞いてあげるのも、男の甲斐性というやつだな。ここは俺の男を立ててほしいんだけど」
桃華「……そういうことでしたら……」
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--
-
P「……じゃあ靴ひもが切れて家まで帰れなくなって途方に暮れていたと?」
桃華「そうなんですの……今日は連絡用の携帯電話ももっておらず、迎えを呼ぶこともできず……」
P「そうかぁ……家まで近いのか?」
桃華「そうですわねぇ、車で10分はかかってしまいますわ」
P(ちっか!俺が子供のころだったら片足くらい使わなくたって、ケンケンして帰るか、靴を脱いで裸足で帰ったもんだけどなぁ……でも)
桃華「わたくし、もう、どうすればよいのか……」グス
P(この育ちの良さそうな子に、そんなこというのもなぁ……よし)
P「そうか……じゃあ、ほれ」スッ
桃華「?な、なんですの、背中を向けて……まさか」
P「あぁ、それくらいの距離だったらおぶって送っていくよ」
桃華「い、いけませんわ。無関係のあなたにそのようなこと……」
P「まぁ、ちょうど俺も仕事が一区切りついて暇だったんだよ。散歩ついでだ、よいしょっと」ヒョイ
桃華「きゃっ!!?」
P「よし出発だ」
-商店街-
桃華「……確か、Pちゃま、でしたわね」
P「そうだよ、えっと」
桃華「わたくし、櫻井桃華ですわ……Pちゃまは、アイドルのプロデューサーをしていらっしゃるのですよね。どのようなアイドルを……」
P「そうだな、トライア……いや、島村卯月や、輿水幸子とかって名前、最近聞いたことないか?」
桃華「残念ながらわたくしは聞いたことがありませんわ」
P「そ、そうか。まぁ、まだまだローカルアイドルの域を出ていないからな。最近、ライブなんかの仕事も増えてきたんだが……」
桃華「いえ、わたくしがアイドルに疎いだけかもしれませんわ。そう落ち込むこともないですわよ?」
P「は、はは、ありがとう」
P(まさかこんな小さな子に慰められることになるとは……それにしても、受け答えもしっかりしていて、大人っぽい子だなぁ)
P「なぁ、道はこっちの方であってるのか」
桃華「多分、あっていますわ」
P「た、多分?」
桃華「えぇ、こちらの方角に歩いて行けば、どこかでわたくしの家に突き当たるでしょうから」
P「へ、へぇ」
P(突き当たるって、どんだけ家の敷地が広い想定なんだよ。この子、もしかして、とんでもないお金持ちなんじゃ……?)
桃華「あら……あれは、なんですの?」
P「ん?」
浅黒い店主「ヤスイヨー、オイシイヨー」
P「あぁ、あれはトルコ風アイスの屋台だな」
桃華「トルコ風アイス?何やら……白いお餅のようなものを棒で伸ばしているようですけれど、あれがアイスなんですの?」
P「なんだ、食べたことないのか。まぁ、話すより実際に食べた方が早いんじゃないか。すみません、これ、2つください」
浅黒い店主「マイドー」
桃華「まぁ!か、買い食いなんて、はしたないですわよ、Pちゃま」
P「え、そうか?でももう買ってしまったしな」
桃華「……仕方がありませんわね……今日だけですのよ?」
P「そ、それはどうも」
P(……大人っぽいというよりオカンみたいだな)
浅黒い店主「ハイヨー、オマチドサマ」ッス
桃華「まぁ、棒の先のアイスにコーンがくっついていますわ!どうもありが……」スカ
浅黒い店主「オットットー」クルン
桃華「まぁ!?」
浅黒い店主「ハイヨーオニイサン」ッス
P「あ、あぁどうも」スカ 「オットットー」クルン
浅黒い店主「ハーイ、オジョウチャン!」ッス
桃華「…びっくりしましたわ!わたくし、てっきりイジワルされてしまったのかと……」ッス
桃華「まぁ!!?今度はコーンだけしかありませんわ!アイスはまだ棒に……」
浅黒い店主「ホッホー、ホイト」クルクルポン
桃華「ウフフ!やっと、頂けましたわ!Pちゃま。この方はまるで手品師のようですわね!」
P「はは、そうだな」
P(でもやっぱり、歳相応なところもあるんだな)
-高級住宅街-
P(アイス、中々美味しかったな。桃華も、初めは文句を言っていたが、伸びるアイスに感激していたし)
P(しかし、途中で口についてたアイスを桃華に拭ってもらった時は、何だか大人として情けなくなったなぁ、彼女は本当、しっかりしている)
P「さて、桃華、そろそろ家につくころだと思うんだが……」
桃華「……」
P「桃華?」
桃華「すぅ……すぅ……」
P(ね、寝てるー!!?いや、それは困るぞ……どこが桃華の家なのかわからなく……ん?)
サングラスの黒服達「」ザザ
P「ひえ!?」
サングラスの黒服達「……」
P(な、なんだぁこのざわ……ざわ……してそうな黒服の方々は!?あ!まさか!)
P「あ、あの!俺は決して怪しいものではなくてですね!く、靴ひもが切れてしまって困っていたこの子を、家まで送っていくためであって……」
リーダー格の黒服「……」
リーダー格の黒服『お嬢様の無事を確認。健やかに、眠っておられるだけで外傷など、特に見当たりません!』ザザ
リーダー格の黒服「……」ッス
P「え、あ、あぁ、はい、起こさないように気をつけて……」
サングラスの黒服達「……ペコリ」ザッザッザ
P(無線で何かを報告した後、黒服の集団は桃華引き取って、どこかへと行ってしまった……)
P「はぁ、公園で暮らすような女の子がいる一方で、世の中にはすごいセレブもいるもんだなぁ……ん?」
P「うお!サイレントモードにしてた携帯にまゆから3桁ほど着信が!!?しまった、もうレッスンの時間じゃないか!」
P「へ、下手をしたら、また恥ずかしいセリフを言いながら、小指を繋いで指切りげんまんをさせられてしまう……!!うおおおお、まにあええええ」タタタ
まゆ「指切りげんまん♪Pさんはぁ、もう二度とぉ♪まゆを寂しがらせません♪うふふ、はいPさん」
P「え~、Pさんは、まゆを、2度と寂しがらせません、はい指きった!」ッバ
まゆ「そんなんじゃだめでよぉ。もっと気持ちを込めてください、はい、もう一度♪」キュ
P「うぅ、え~Pさんは、まゆを……」
幸子「やれやれ、まゆさんは本当に時間に厳しいですねぇ。カワイイボクくらい寛容なら少しくらい、許してあげるものですが。まぁ、それはそれとして、ボクも何か後でお願いを聞いてもらいますけど!」
卯月「あはは、でもあれって、別にまゆちゃんは遅れたことをずっと怒ってるわけじゃないような……」
まゆ「はい、もう一度♪ウフフ」キュ
まゆ(プロデューサーから何やら別の女の匂いがしますねぇ……背中のあたりに強いバラの香り……さしづめ、困っていた女の子をおぶって運んであげたといったところでしょうか?うふふ)
まゆ(……あんまりたくさん浮気しちゃだめですよぉ?)キュ
>68
×まゆ「そんなんじゃだめでよぉ。もっと気持ちを込めてください、はい、もう一度♪」キュ
〇まゆ「そんなんじゃだめですよぉ。もっと気持ちを込めてください、はい、もう一度♪」キュ
-事務所(数日後)-
幸子「じゃーん!見てください!」
卯月「わぁ!私たちが表紙の雑誌です!!」
幸子「超新星あらわる!話題急上昇中のアイドル候補~!!カワイイカワイイボクを筆頭に、カワイイボク達についての特集がくまれています!!」
まゆ「確かに、こうして形になると、感慨深いですねぇ」
幸子「本当ですよ!カワイイボクが汚いライブホールでコンサートをしたり、売れないCDを必死で店頭販売した甲斐がありましたよ~!」
卯月「はい!頑張ってきて、良かったです!えへへ」
ちひろ「最近すごいですね、アイドルたちの人気!オファーもたくさんいただいてますよ」カタカタ
P「ははは、なぁに、まだまだこれからですよ、みんなポテンシャルが高いですから、そのうち、武道館やドームでライブをしたり!」カタカタ
ちひろ「ど、ドームでライブですか!?それはまた、大きな夢ですね」カタカタ
P「いやいや、ドーム何て、序の口ですよ!日本一のアイドルグループになって、ゆくゆくは世界デビューです!」カタカタ
ちひろ「せ、世界デビューですか!!?」
幸子「フフーン!そうですよプロデューサー!このカンペキなボクのプロデューサーを務めるからには、それくらいやっていただかないと困りますよ!」
卯月「が、外国語……が、頑張ります!じゃなくて、I'll do my best!」ッグ
P「お、えらく流暢だな、卯月」
卯月「えへへ、ファンの外国人にも、これだけは伝えたくて……I'll do my best!」ッグ
P(なぜ、ピースじゃなくて、親指をたてたポーズになんだ……?可愛いけども!)
まゆ「……」ニコニコ
P「あれ、まゆはあんまり乗り気じゃなさそうだな」
まゆ「いいえ、夢を大きく持っているプロデューサーは素敵ですし、まゆも同じ夢を持てるなんてとぉっても幸せですよぉ?」
P「そ、そうか、まぁでも、俺たちは現状まだまだだ。これから、もっと上を目指して頑張るぞ!!」
3人「「「おー!」」」
ちひろ(ふふ、本当、変わりましたね、Pさん。みんな、あなたのおかげで……)
プルルルルルル
P「ん、内線か?はい、Pです」」
P「……え!!?」
P(そんな馬鹿な!?そんなこと、あるはずが……)ッダ
ちひろ「え。あ、ちょっとPさん!?」
タタタタタ!
?「……Pさん!!」
P「か、楓さん!!?どうして、ここに……うわ!!?」ガバ
楓「あぁ、Pさん、Pさん、Pさん……!」ギュ
まゆ「……ちょっと、あなた、ふざけたことやってんじゃ……」
卯月「や、やめて、まゆっちゃん!どうやら、何か事情があるようですよ!?」
幸子(ま、まゆさんのあまりの気迫にちょっと、流石のボクもほんのちょっぴり、漏らしそうです!!)
楓「……Pさん、そのままどうか聞いてください。あまり、時間がありませんから」
P「え?……はい」
楓「……今、あなたは……所謂パラレルワールドに居ます」
P「そ、そうなんですか……!?何となく、おかしいなぁと思ってたんですが……やっぱり」
楓「……ふふ、そう思っていても、プロデューサーのお仕事を続けるなんて、Pさんらしいですね」
楓「こほん……Pさん、この世界に来る前の日の事、覚えてますか?」
P「前の日?確か、俺は楓さんや服部さんに無理やり飲まされてへべれけに……」
楓「私はそこまで飲ませていませんが……そうです、その日です」
楓「あの日貴方は、死にました」
P「え?」
楓「あの日、あなたは、暴走した車から私と美優さんをかばって……それで……」
P「ちょ、ちょちょちょ、ちょっと待ってください、まさか俺がいるのって冥府とか、黄泉の国とか、そういう……」
楓「……いえ、正確には死んではいないのです。貴方は奇跡的に目立った外傷もなく、身体的には健康なんです……ただ」
P「ただ?」
楓「魂が抜けたような、そんな状態になっているんです」
P「た、魂ですか……何だか、オカルト的な話になってきましたね」
楓「話を続けます、そうして魂だけの存在になったあなたは、何があったのか別世界であるこの世界で、魂だけ移り、今、こうしてこの世界のPさんに憑依しているような状態なのです」
楓「心当たりは、ありますよね?」
P「……それは、はい」
P(そうか、それで、卯月たちは……)
楓「……Pさん、あなたがこの世界に来てから、どれくらいの月日が経っていますか?」
P「え?えーっと、ちょうど一か月と少しくらいでしょうか」
楓「あぁ、そんな……!」
P「え?あの、何かまずいんですか?」
楓「良いですか、プロデューサーさん。11ヵ月後……あなたが倒れたあの日に、もう一度、Pさん、あなたは自宅の自分の部屋で眠ってください!それも夕方の6時にですよ!」
P「は、はぁ、11ヵ月後の夕方に自宅で寝るんですか?それがどうして……」
楓「それだけではありません、Pさん、当然ですが、絶対にこちらで死んではいけません。絶対ですよ!良いですね?後、餓死もしないでください!後、それから……」
P(!!?か、楓さんの体が透けて……)
楓「あなたが倒れてからこちらの世界ではまだ1日と経っていません、ですが、この1日を過ぎると、あなたの魂は、永遠に私たちの世界に帰ってこれなくなってしまいます……良いですか、お願いです。必ずこの世界の来年、あなたが倒れたあの日に自宅で夕方の6時ですよ!……お願いです、どうか……」スゥ
P「……消えた……」
幸子「あ、あわわわ、し、心霊現象ですよ~!Pさんは幽霊とお友達だったんですか~!?さ、流石のカワイイボクでもちびっちゃいましたよ!!?」ヒソヒソ
卯月「プロデューサーさんは、一体どんなお話をされていたんでしょう……とても、真剣な顔つきをしてましたけど……」
まゆ「……」
P(本当に、SFかオカルトじゃないか。こんなの……)
P(でも、普段飄々とした楓さんが、あんなに必死な顔で……)
P「……来年のあの日、か……ん?」
桃華「Pちゃま!」パァ
P「お、桃華じゃないか」
幸子「ま、また別の幽霊があらわれましたよ~!?か、カワイイボクのライフはとっくにゼロなんですよ~!!?」
まゆ「……いえ、あれは生身の人間ですねぇ。それにあの匂いは……きっと先日Pさんが困っているところを助けてあげた子ですねぇ」
卯月「に、におい?ここからだと全然わからないけど……すごいねまゆちゃん!」
まゆ「ウフフ」
幸子(そういう問題じゃないとおもうんですが!!?)
桃華「Pちゃま!先日はどうもありがとうございました。それで、折り入ってお話があるのですが……」
P「なに、気にすることないよ。お礼何て……」
桃華「いいえ、そうもいきませんわ。わたくしなりにどうすれば良いか……考えましたの」
P「ん?」
P(そういえば、彼女の家は超お金持ちだったな、まさか、霜降り牛とか、温泉旅行とかだったりして!)
桃華「プロデューサーはアイドルのプロデューサーをやっていらっしゃるのですよね」
P「そうだけど……」
桃華「でしたら!」
桃華「わたくしがあなた専属のアイドルになってさしあげますわ!」
P「えぇ!?」
まゆ「」ズモモモ
卯月「やったね、幸子ちゃん。またアイドルが増えるって!」
幸子(後ろ!後ろです卯月さん!!)
桃華「わたくしも、アイドルが何なのか、わからないことはたくさんありますが、きっと、お役に立ちますわ。それに何だかPちゃまを見ていると放っておけなくて……」
P「いや、あの……」
桃華「大丈夫ですわ。Pちゃま、もう話は全て通してありますし」
P「話?」
ちひろ「ぷ、プロデューサーさん!!?今、社長から直接お電話があって、今日から一人アイドルが配属されるから丁重にと……」
P「」
桃華「不束者ですが、どうかよろしくお願いしますわ。Pちゃま。」ペコ
P(こんな、11ヵ月後に、別れ来るかもしれないのに、アイドルなんて増やすわけには……でも、しゃ、社長じきじきじゃ断るわけにも……)
P「は、ははは。よ、よろしく、桃華……」
桃華「はい!」
幸子(あわわわ、何呑気なことを言ってるんですか~!まゆさんが、まゆさんが……!)
まゆ「……」シュー
幸子(あ、あれ)
まゆ(まぁ、誰のアイドルになろうが、どんな過去をもっていようが、最後にはこのまゆの隣にいてくれたら、それでいいですよぉ……うふふふ)
卯月「早速挨拶に行きましょう!」
幸子「う、卯月さん……ある意味一番最強ですね、あなたは!まぁ!一番最強カンペキ、ウルトラ空前絶後カワイイアイドルなのは、このボクですけどね!!!」ドヤァ
各修正点
>68 冒頭にスポット追加、まゆたちに行間・小文字追加
-レッスン場(10分後)-
まゆ「指切りげんまん♪Pさんはぁ、もう二度とぉ♪まゆを寂しがらせません♪うふふ、はいPさん」
P「え~、Pさんは、まゆを、2度と寂しがらせません、はい指きった!」ッバ
>78 場面転換でスポット追加、行間追加
P(そんな馬鹿な!?そんなこと、あるはずが……)ッダ
ちひろ「え。あ、ちょっとPさん!?」
タタタタタ!
-事務所(玄関前)-
?「……Pさん!!」
P「か、楓さん!!?どうして、ここに……うわ!!?」ガバ
楓「あぁ、Pさん、Pさん、Pさん……!」ギュ
まゆ「……ちょっと、あなた、ふざけたことやってんじゃ……」カベカラノゾキ
卯月「や、やめて、まゆっちゃん!どうやら、何か事情があるようですよ!?」ガシ
幸子(ま、まゆさんのあまりの気迫にちょっと、流石のボクもほんのちょっぴり、漏らしそうです!!)
>83 桃華訪問時にSE追加、他セリフ一部修正
幸子「あ、あわわわ、し、心霊現象ですよ~!Pさんは幽霊とお友達だったんですか~!?さ、流石のカワイイボクでもちびっちゃいましたよ!!?」ヒソヒソ
卯月「プロデューサーさんは、一体どんなお話をされていたんでしょう……とても、真剣な顔つきをしてましたけど……」
まゆ「……」
P(本当に、SFかオカルトじゃないか。こんなの……)
P(でも、普段飄々とした楓さんが、あんなに必死な顔で……)
P「……来年のあの日、か……ん?」
ガチャ…
桃華「失礼いたしますわ……!Pちゃま!」パァ
P「お、桃華じゃないか」
幸子「ま、また別の幽霊があらわれましたよ~!?か、カワイイボクのライフはとっくにゼロなんですよ~!!?」
まゆ「……いえ、あれは生身の人間ですねぇ。それにあの匂いは……きっと先日Pさんが困っているところを助けてあげた子です」
卯月「に、におい?ここからだと全然わからないけど……すごいねまゆちゃん!」
まゆ「ウフフ」
幸子(そういう問題じゃないとおもうんですが!!?)
>85 Pセリフ修正
×P(こんな、11ヵ月後に、別れ来るかもしれないのに、アイドルなんて増やすわけには……でも、しゃ、社長じきじきじゃ断るわけにも……)
〇P(こんな、11ヵ月後に、別れが来るかもしれないのに、アイドルなんて増やすわけには……でも、しゃ、社長じきじきじゃ断るわけにも……)
-とある小さな店の前-
P「……」
P(別の世界、抜けた魂、突然現れた楓さんから聞かされた衝撃の事実……)
P(しかし、今の俺には、既に卯月たちに加え、新たな担当アイドルとして桃華まで加わってしまった……)
P(このまま、彼女たちのプロデュースを続けたら、いずれは必ず別れの日が……)
P「はぁ……俺はこれから一体どうすれば良いんだ……?」
?「ねぇ」
P「ん?」
凛「店先でそんな大きなため息をつかないでくれないかな。つくなら、その辺の公園でも行ってきなよ」
P「っ!!?」
P(り、凛!そうか、ここは、凛の家族が営んでいる花屋……ということは、目の前にいるのは……俺がプロデュースしなかった場合の渋谷凛!元居た世界で、俺が初めてプロデュースした……)
P「……ああ、ごめんよ……じゃあ、景気づけに、元気の出る花でも見繕ってくれないかな」
凛「……まぁ、良いけど」
P(そういって腰に手を当てていた凛が奥へと消えていく。それにしても、店先でため息をついただけで、あんな強気に言うとは、知らない相手だったら顰蹙(ひんしゅく)をかってしまうぞ)カラン
凛「……元気の出るお花だったら、やっぱり明るい色の花が良いと思うよ、そこにあるオレンジのガーベラとかオススメかな……あとは……」
P(耳元に掛かった髪をかき分けながら花たちを見て柔らかい表情で話す凛。その姿は、昔から知っている彼女と少しも変わらず、やっぱり、彼女は……)
P「綺麗だ」
凛「……え?」
P「あ、いや、綺麗な花だなって。じゃあ、そのガーベラをもらおうかな」
凛「……ん。良いよ、花瓶にでも挿すの?」
P「あぁ、そうするよ」
凛「じゃあ、いくつか別の花も見繕ってあげようか?流石にガーベラだけじゃ、味気ないと思うし」
P「お願いできるかな」
凛「じゃあ、大体こんなもんかな。袋、いるよね」
P「あぁ、頼むよ」
凛「……」ガサガサ
P「……」
凛「ねぇ」
P「ん?」
凛「何に悩んでるかなんて、私にはわからないけどさ。悩むくらいなら、思いっきりやってみたら良いんじゃないかな?」
P「……思いっきり?」
凛「うん。偉そうなこと言える立場じゃないけど、思いっきりやって、後悔するのは、やらなくて後悔するより、ずっと良いと思うよ」
P「!……そうだな。ありがとう」
凛「……はい、これ、後おまけで一本入れといたから」
P「え、それは、どうも」
凛「うん……頑張って」パサ
P「あぁ!」パシ、タタタ…カランカラン
凛「……」フゥ…
凛母「凛、珍しいじゃない、お客さんにあんなこと言うなんて」
凛「!??い、いたの、お母さん!!」
凛母「それに、あんたが最後におまけしてた花のハルシャギクって」
凛「し、知らない。行くよ、ハナコ」
タタタ
P「やるぞ、俺は、やってやる!」
P「例え俺がこの世界からいなくなったとしても、輝きを失わないようなそんなアイドルに、彼女たちを……!!!」タタタ
-????-
幸子「ぷ、ぷぷぷぷ、プロデューサーさん」
P「ん?」
幸子「た、確かに、ボボボボ、ボクは言いましたよ?ボクは天使なので、空から舞い降りると……」
P「あぁ、その結果、あのスカイダイビングだ。あの番組の視聴率は過去最高だったらしい、おまけに、あれ以来カワイイ幸子のファンも爆発的に増えたじゃないか!がんばっているところが良いとか、もっといじ……色々とやってほしいとか」
幸子「ふ、フフーン!そうですよね!カワイイボクなら当然です!!……で、でもですね、でもでもですね?」
幸子「確かに、ボクの可愛さは人魚姫に匹敵するとも、寧ろ、人魚姫そのものだと言いましたが……」
幸子「本当に海の底に行かなくてもいいじゃないですかぁあ!!!?」
-船上(檻の中)-
幸子「大体!なんなんですか、この檻は!!だたのスキューバダイビングにこんなの必要ないんじゃないですか!!?」
P「いや、この辺りはサメがよく出るらしくて……」
幸子「さ、さささ、サメええ!?シャークですか、ジョーズですか!!?カワイイ、ボクとサメの夢のコラボですかぁ!?」
P「空は制したんだから……次は海、当然の帰結だと思うが……大丈夫だ、いざとなったら、人魚のように泳いで逃げろ!」
幸子「いざってとき!?い、いやいや、ですから、そ、そのようなことしなくても、ボクが天使で人魚カワイイことは周知の事実、今更確かめることもないような気がするんですよ!」
P「再実感したいんだよ、幸子」
スタッフ「そろそろ本番、入りまーす」
幸子「ひぃ!しょ、しょうがないので、プロデューサーにも、一緒に檻の中に入る権利をあげますよ!!ぼ、ボクはカワイイので!!!」
P「幸子、幸子が本当に危ない目に会う時は、俺が命がけでも助けてやるから」
幸子「……絶対ですよ!ボ、ボクはプロデューサーが居てくれるから、こ、こんなお仕事もやるんですからね!!?」
P「あぁ、終わったら、いっぱい褒め褒めしてやるから」
スタッフ「はーい、では、幸子ちゃん入りまーす」
幸子「せ、せめてプロデューサー!手、てってて、手を握っていても…うわあああああん!!!?」ザッバァン
P(幸子、強く生きろ、お前はカワイイんだから!)
P(いつも自分でカワイイカワイイと言っているが、本当は臆病で、自分に絶対の自信なんて持っていないことを、俺は知っている。)
P(少々荒っぽいが、数々の恐怖を乗り越えた時、お前は、俺無しでも自信を持ってカワイイと言えるような、そんなアイドルになれる……!!)
サメさんたち「」ガンガン!
幸子「ひ、ひぃ!?さ、サメと戯れるボクもカワ、カワイイですねええぇぇ!!!」シュコー
-ビーチステージ(舞台袖)-
幸子「うぅ、ひどい目にあいました……大体、ボクがほんの少し、泳ぎが、その苦手だということを、プロデューサーは知っているじゃないですか……」ミズギーン
P「いや、すまん。でも良い絵が取れたとスタッフさんたちも大喜びで……それよりも幸子、次はこのままビーチでのライブだが……行けるか?気分が悪いなら無理にとは……」
幸子「……誰に言ってるんですか、プロデューサー。目の前にいるのは、世界一カワイイ、プロデューサーのアイドル、輿水幸子こと、ボクですよ?行けるに決まってるじゃないですか!」
P「そうか、そうだったな」
幸子「はい!見ててくださいね、カワイイボクのステージを!」タタ
P(……幸子、今のお前なら、きっと一人でも……)
幸子「あ、後、プロデューサー、さっき、船の上で言っていたこと、ボクは覚えてますから!」
P「え?」
幸子「後で、たっくさん!カワイイボクのことを、褒め褒めしてくださいね!」ニパ
P「」
幸子『さぁ、皆さん、お待たせしました!カワイイカワイイ、ボクの登場ですよ!!』ワーワー
P「……参ったな」
ハルシャギクの花言葉「一目惚れ」「陽気」「上機嫌」
綺麗だと言われ「一目惚れ」し「陽気」になり「上機嫌」になったのか
-事務所-
P「ふぅ……」ギシ
P(……仕事が仕事を呼び、碌に休みも取れないぞ……でも、それに比例して彼女たちの人気もどんどんと上がってきている,
頑張らないと……今日は、後資料をまとめて、それから桃華のライブ……?)コト
桃華「お疲れ様ですわ。プロデューサーちゃま。少し、休憩をお取りになった方がよろしいかと」
P「ああ、桃華。これは……紅茶かな、ありがとう。でも、もう少し、この書類だけ……」ズズ、カタカタ
桃華「……Pちゃま……ちょっとこちらへ!」ギュ
P「あ、おい桃華!」ダッ
P(一体どこへ……って、ここは、事務所のソファ?)
桃華「さぁ、Pちゃま、そのままこちらへ……」ポフポフ
P「え?そこって……おわっ」グイ
P(突然、桃華に手を引かれるなり、ソファで膝枕をされることになった……)
P(桃華から、薔薇のような良い匂いが……って、いやいやいや!やばいって、この絵面は!!)
桃華「……Pちゃま。あなたが最近わたくしたちのためにお仕事を頑張ってくださるのは、とても喜ばしく思っておりますわ」
桃華「ですが、最近のPちゃまはどこか、やりすぎて、前のめりになっているようなきがして……わたくし、少し心配ですの」ナデ
P「……」
桃華「Pちゃま、わたくしはまだまだ子供ですわ」
桃華「仕事先で、いらぬ反発をしてしまい、スタッフの方やPちゃまを困らせてしまったこともありますし、今のように、お疲れのプロデューサーちゃまを癒してあげるすべも、あまり思いつきませんでしたわ」
P(……桃華)
桃華「でも、Pちゃま。わたくしはあの時のようなおんぶではなく、隣で、手を取り合って一緒に階段を上っていきたいんですの」ナデ
桃華「あなたと二人、トップアイドルという名の階段を……」ナデナデ
P(……やばい、桃華の優しい声が……眠く……)
桃華「……」ポン…ポン…
P「……ZZZ」
桃華「うふふ、寝顔は子供みたいですのね、Pちゃま……」
-事務所(夕方)-
P「うわしまった!!」ガバ
P「資料!桃華のライブ……!」バタバタ
P「ちひろさん!桃華のライブは!?」
ちひろ「え?あれ、プロデューサー!?えっと、桃華ちゃんなら、先ほど一人で現場に向かわれましたが……え、でもプロデューサーは外で先に待っていたんじゃ?」
P「ああ、わかりました!すみません、行ってきます!」ガチャ、バタン
ちひろ「い、行ってらっしゃい」フリフリ
P「桃華の奴……変に気を遣って!」タタタタ
-楽屋-
桃華「……」
スタッフ「えー、桃華ちゃん、そろそろ順番ですので準備を」
桃華「あ、は、はいですわ!」ビク
桃華(こ、こんなことでは駄目ですわよ櫻井桃華。少しでもプロデューサーの負担を減らさないと……でも……)
--------
------
---
P『桃華、今日は初めてのライブだけど、大丈夫か?』
桃華『当然ですわ!……と言いたいところですが、今にも心臓が飛び出しそうなほどドキドキしておりますの……Pちゃま、お願いです、もう少し傍に……』
P『あぁ』
桃華『……Pちゃま、わたくし、失敗してしまったらどういたしましょう』
P『別にどうもしないさ。ただ、俺は桃華には全力で、ステージを楽しんでほしい!って思ってるよ』
桃華『わたくしが、楽しんで……?』
P『あぁ、例えば、美味いラーメン屋ってのは、自分の店が美味いってのに自信を持ってる。同じように面白い漫画家は自分の漫画が面白い、短距離走の選手は自分が一番早い』
P『アイドルだって同じさ。自分が一番楽しんでる、って、そう思ってる子ってのは自然とステージでも輝くものさ』
桃華『……Pちゃま、わたくしに出来るでしょうか?』
P『できるさ。なんたって、俺の自慢のアイドル、櫻井桃華なんだから。……力抜いて、ステージを楽しんで来い』ポン
桃華『……はい!』
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----------
------------
-舞台袖-
スタッフ「本番10秒前です!」
桃華(Pちゃま……でも、やっぱり、まだわたくし……)ウル
P「桃華!」ゼェゼェ
桃華「Pちゃま!?」パァ
P「桃華、大丈夫、いつも通り、やればいい!」ゼェゼェ
桃華「Pちゃま、わたくし……」
P「ごめんな、寝てしまって。行ってこい、ファンが桃華を待ってるぞ」
桃華「……Pちゃま……その、やっぱりわたくしはまだ子供でしたわ……今、Pちゃまが来てくれただけで、すごく安心しておりますの……でも今なら……」
スタッフ「3、2、1……!!」
桃華「精いっぱい、ステージを楽しめますわ!!……ファンのみなさん!ごきげんよう!!」ワーワー
P「……ふぅ」
P(って、これじゃあ、ますます桃華と離れられなく……)ポンポン
運転手「お客さん、お代」
P「え?あ!?えーっと、交通系のICって使えますかね……?」
……離れようとしても、キュートな彼女たちとの絆はますます深まっていくばかり。
それに、絆が深まれば深まるほど、アイドルたちの人気は増していく……。
しかし、人気が上がるのに比例して、月日も流れていく……
-事務所(応接室)-
P「え!?ドーム公演に、うちのアイドルたちがですか!!?」
美城「そうだ。単独公演とまではいかないが、曲数も多く、かなり重要な役どころだ……引き受けてくれるな?」
P「もちろんです!!やらせてください!美城専務!そ、それで、公演日は……」
美城「あぁ……公演日は…………」
P「……え!!?」
P「……」
卯月「プロデューサーさん!さっき美城さんから聞いたんですが!」
幸子「カワイイボクたちが!ついに、ついにドームで公演するって本当ですか!」
P「え、あ、あぁ」
ちひろ「凄いじゃないですか!プロデューサーさん!前に言っていた、ドーム公演だなんて夢みたいだと思っていましたが、本当になってしまうなんて!」
桃華「皆さん!あまり浮かれてばかりではいけませんのよ!これからもっと、レッスンやお仕事もがんばりませんと!」
まゆ「……うふ、そういう桃華ちゃんがさっきは一番うれしそうにしていたじゃないですかぁ、思わずぴょんと飛び跳ねて♪」
桃華「え!?そ、それは……」カァ
P「……あぁ、そうだな。お前たちが頑張ってきたから、ここまで来れたんだ」
幸子「ふふーん、まぁそれは当然として、謙遜は、カワイイボクにしか似合わない言葉ですよ?」
P「え?」
まゆ「ここまでまゆたちがたどり着けたのも、ずっとプロデューサーが隣で支えてくれたからじゃないですかぁ」
卯月「そうですよ!プロデューサーさん!これからも、ず~っとよろしくお願いしますね!!」
P「……あ、あぁ、すまん、ちょっと、屋上に行ってくる」トボトボ
桃華「どうしたのでしょうか、プロデューサーちゃま、あまり嬉しそうになさっていませんでしたわ……」
幸子「きっと、あまりに嬉しすぎて、言葉を失っているんですよ!馬鹿ですねぇ、カワイイボクを褒め称えることなんて、頑張ったなと、これからも頑張ろうな、幸子の一言だけで十分なのに!」
まゆ「……Pさん」
-屋上-
P「……」
P(よりによって、あの日にドーム公演だなんて……)
楓『プロデューサーさん!お願いです……どうか……』
卯月『これからも、ず~っと!よろしくお願いしますね!』
P(……ここまで、全力で突っ走ってきたが、結局は、決断しなければいけないんだ……俺は……)
P「……あぁ、くそ!俺は一体どうすれば良いんだ!」ガン
卯月「……プロデューサー、さん?」
P「!あ、あぁ、卯月。どうしたんだ?」
卯月「はい!これから、そのドーム公演のお祝いに、事務所内でプチパーティを開くことになって!それで……」
P「そうか、すぐ行くよ」
卯月「……あの、プロデューサー、さん」
P「ん?」
卯月「私……怖いんです」
卯月「こうして、普通の女子高生だった私が、アイドルになって、ファンが出来て、ライブをして、テレビにも出て……」
卯月「今でも、たまに街頭で私自身のポスターを見つけて、知らない人が映ってるような、そんな気持ちになることがあります……」
P「……卯月」
卯月「でも、何より怖いのは。こうしてアイドルとして知名度が上がるごとに、プロデューサーが遠くに行ってしまうような気がして……」
P「……!」
卯月「私は、昔はよくプロデューサーさんに怒られましたよね」
卯月「へらへらするな、なんでそんなこともできないんだ、なんで俺がお前なんかをって……」
P(……それは)
卯月「あの時のプロデューサーさん、実は、すっごく怖かった、です……」
卯月「でも、今はそんなことありません!!それは、たまに厳しく𠮟られちゃうこともありますけど、すっごく優しくて私たちのこと大事にしてくれてるのがわかって……」ジワ
卯月「あ、あれ……ごめんなさい、何だか、えへへ……」ポロポロ
P(……)
卯月「プロデューサーさん!私、プロデューサーさんと一緒なら、どんなに険しい道だって頑張れます!だから!」
卯月「私と一緒に、頑張りましょう!大好きです!!!プロデューサーさん!」パァ
P「へっ!?」
卯月「えへへ」カァ
バタン……
P(……あー、くそ、今のは、ズルいぞ……そういう意味じゃないってのは、分かってるのに)ヘナヘナ
P(あれだけ、笑顔を見せなかった卯月が、今は、ミリオンスマイル、何て言われるくらい笑顔が代名詞のアイドルになった)
P(だって、こんな反則級に可愛い笑顔、普通のアイドルには……できないだろ)
P「……」
-自宅(ドーム公演当日)-
チュンチュン
P「……ついに、来てしまった……」
P(だけど、答えは、出せていないままだ。俺は……)
ピンポーン!
P「ん?誰だ、こんな時間に……」
ガチャ
まゆ「はぁい!あなたのまゆですよぉ?プロデューサーさん♪」ニコ
P「ま、まゆ!?」
P「どうしたんだ、まゆ。こんなに朝早く……やっぱり不安なのか?」
まゆ「はい……まゆは、とぉっても不安でしたよ?今日という日が来るのが……」
P「そうだな。でも、まゆなら大丈夫だ。今までだって……これからだって」
まゆ「……でも、そのこれからっていう時に、大切なPさんが居なければ、意味がないですよねぇ?」
P「え?何をいって」
バチィ!
P「…な!」
まゆ「……おやすみなさい、プロデューサーさん」
P(どうな……って…)
-???-
P(なんだ、ここ……暗い…な)
凛『へぇ、あんたが私のプロデューサー……まぁ、悪くないかな』
P(……凛!?)
加蓮『あ、アタシが可愛いって、馬鹿じゃん!?』
P(……これは)
美優『あの、あなたが名刺をくださって……その、行くあてなんてない私にも、ちゃんと道が……』
服部『これがラストチャンスね…今年こそ、貴方にかけてみるわ…』
P(……)
楓『本日6度目のカンパーイ!うふふ、あの、プロデューサー。私たちが出会った時のこと、覚えていますか?』
P『もちろん、おろえてますよ』ベロベーロ
P(これは!?)
楓『ふふ……私、あまり話すのが得意な方ではなくて……プロデューサーさんが一生懸命話しかけてくれるのに、ずっと黙ったまま車で移動してたりなんかしてましたね』
P『そういえば、そうれしたねぇ。今はこんなダジャレお姉さんなのに』
楓『まぁ!うふふ、ダジャレを言うのは、ダレジャ、なんて、うふふ……でも、こんな私でいられるのも、全部、全部……』
楓『あなたが居てくれるからですよ?プロデューサーさん』
和久井『そうよ!ヒック、だから、私たちを置いて、勝手に結婚なんてしたら、絶対許さないわよ!』ブスー
服部『留美……目がマジね……でもそうよ、プロデューサーさん、あなたが居るから、今の私たちがいるの』
美優『Pさん、ずっとそばにいてくださいね?うふふ』ギュ
和久井『はぁ!?ちょ!?酔ってるからって、なななぁ!?』
ちひろ『はぁ、これはまた、一波乱ですねぇ』
---------
------
----
-????-
P「……は!?」ガバ
まゆ「うふ、おはようございます。プロデューサーさん?」
P「……ま、まゆ!?これは一体……」
P(これは、目隠しに……なんだ、リボンのようなもので手足が縛られているのか!!?)
まゆ「すみません、プロデューサーさん。乱暴なことをしてしまって、痛くなかったですかぁ?まゆがなでなでしてあげますね、うふふ」スリスリ
P「!ま、まゆ!?……と、とりあえず、このヒモと、目隠しをはずしてくれ。今日は大切な……」
まゆ「それは、ダメですよぉ。だってそうしたら……プロデューサーは元の世界?に戻ってしまうんですよねぇ?」
P「…………え?」ゾク
まゆ「うふ、まゆはプロデューサーさんのことなら、なんでも知ってるんですよ?つい1年前から、急に人が変わったようになったことも、あの女と、何を話していたかも……」
P「!!?」
まゆ「こちらの世界に留まってくれると、そう思っていましたが……まだ悩んでいらっしゃるようでしたので、まゆが決めてあげますね?」
まゆ「Pさん、あなたはこの世界で、ず~っと、まゆのプロデューサーでいてください」
まゆ「まゆは、Pさんが居なくなった世界なんて、想像できないんです。灰色だった毎日が、色づいて、他愛ない会話も楽しくて、アイドルをしているこの時が、最高に幸せなんです……」
P「まゆ……」
まゆ「今日は、大切なライブがありますが……うふふ、一日のPさんに会えない損失より、一生この世界にPさんが居てくれることの方がよっぽど大事ですから」
P「……」
PIPIPIPIPI!ピ!
まゆ「……Pさんの携帯の電源は切っておきます。それから、これは、私が預かっておきますね♪」
まゆ「ライブまでしばらくありますから、それまで、二人だけの時間を味わいましょうか、うふふ」ギュウ、スリスリ
P「……まゆ」
まゆ「……そろそろ、リハーサルが始まる時間ですね……」
P「!まゆ、俺も……」
まゆ「ダーメ♪今日は一日ここで大人しくしていてください。そうすれば、明日からまたいつも通りの毎日がまっていますから、ね?」チョン
P「……」
まゆ「うふふ、Pさん。では、行ってきます。あ、逃げ出そうだなんて、思わないでくださいね。ちゃーんと、まゆは見てますから……」
P「むぐ!?」(なんだ、これは、口が……)
まゆ「うふふ、では、良い子にしててくださいね?」
ぎぃ……バタン
P「……むぐぅ……」
-ドーム-
卯月「……ダメです、プロデューサーさんの携帯電話に繋がりません」
幸子「全く!こんな大切な日に、遅刻をするだなんて、本当に困ったプロデューサーさんですねぇ!まぁ、カワイイボクの晴れ舞台なので、緊張して眠れなかった気持ちもわからなくはないですが!」
桃華「……!あれは」
まゆ「すみません、遅れちゃいました~!」タタタ
幸子「まゆさん!……と、あれ、プロデューサーさんは一緒ではなかったんですか?」
まゆ「……Pさんですか?いえ、私とは一緒に「来なかった」ですね」
卯月「そうなんですか……」
桃華「Pちゃま……」
まゆ「皆さん、落ち着いてください。たとえ、今日一日プロデューサーさんが来なかったとしても、これからずっと会えないわけじゃないんですから」
幸子「え?そ、それはそうですけど……」
まゆ「寧ろ、まゆたちだけで、今日のドーム講演を成功させて、プロデューサーさんをビックリさせちゃいましょうよ♪」
卯月「まゆちゃん……うん!そうですね!頑張りましょう!」
桃華「そうですわね……1日くらいなら……」
まゆ「うふふ」
-???-
カッチ……カッチ……
P「ぷはぁ!はぁ、はぁ」
P「どうにか、拘束は外せたな……」
P(あまり……厳しい拘束はされていなかったな……それに、ここは……まゆの部屋か?最悪、窓から脱出できそうだ)
P(まゆは、そこまで本気で俺を拘束しようとしていなかったのか……?)
P(……)
P(もうすぐ、17時、か。後は……)
-ドーム(舞台裏)-
ドワアアアアアアアアア!!!
まゆ「……」カタカタ
幸子「さ、流石に、こんなにすごいファンを前にして歌うのは、か、カワイイボクといえど、初めてですね!!」ガタガタ
卯月「す、すごい熱気です!?会場全体が震えていて、私たちの話し声まで、消えてしまいそう……」
桃華「……いつも通り、精いっぱい楽しむのですわ。皆さん……!」
まゆ(あ、ああ、Pさん、Pさん、待っていてくださいね、今日、一日、乗り越えたら、まゆたちの……)
ワアアアアアアアアアアアアアアア!!!
まゆ「!!」キュ!
まゆ(でも、怖いです……Pさん……)
P「まゆ、目を瞑ってたら折角のステージが見えないだろ」
まゆ「……え?」
P「それに、どうしたんだ、これだけ笑顔の似合うアイドルがそろっているのに、暗い顔なんてしてたら、ファンが悲しむぞ」
卯月・幸子・桃華「プロデューサーさん(ちゃま)!!」
幸子「お、遅いですよ、ぷ、プロデューサ~~!!心配したんですから!!」
桃華「もう!もう!わたくし、心細かったのに!」
P「すまん、みんな、ちょっと遅れた……」
まゆ「ど、どうしてここに!?」
P「お前たちのプロデューサーなんだから、当たりまえだろ。それよりも……」
P「みんな、夢にまで見たドーム公演だ!今日の日のために、厳しいレッスンを受けて、忙しい仕事もこなしてきたんだ。だったら、やることは一つ!」
P「楽しんで来い!お前たちのカワイイを、ドーム中のみんなに見せつけてやれ!!」
4人「はい!!」
P(4人がステージに向かって走り出す、最後の、まゆがこちらを向いて不安げな目をしていたが、俺は、それにサムズアップで答えてやると)
まゆ「っ!……」ッポ
P(まゆは幸せそうに頬に手を当てて、そのままステージに登って行った)
P(そうだ、これで良かったんだ。これで……)
-ドーム外(夜)-
P(終わった……)
P「……」
卯月「プロデューサーさん!」
桃華「もう、こんなところに居ては、風邪を引いてしまいますわよ?」トテトテ
P「あぁ……そうだな。すまん」
幸子「フフーン。まぁ、あの大歓声の中にいたんですから、終わってから急に寂しくなってしまう気持ちもわかります……でも!ここは、もっと頑張ったカワイイボクを褒めて可愛がるべきところですよ!」チラチラ
まゆ「……」
P「あぁ、お前たちは俺の誇りだ……」
卯月「……プロデューサーさん?」
P(時刻は、夜の10時……楓さんに指定された時間はとっくに過ぎてしまっている)
P(俺は、ずっとこの世界で生きていく、か……)
桃華「……もう!プロデューサーちゃま!何を全てが終わった~という顔をしているんですの!」
P「え?」
幸子「そうですよ!ボクたちにはまだドームの単独公演、次いで、世界デビューという超絶カワイイ未来が待っているんですよ!!」
卯月「プロデューサーさん!私、まだまだ、頑張ります!」
まゆ「Pさん。私、なんでもします。Pさんのためなら、なんでも……」
P「……お前たち……」
?『中々帰ってきませんね……』
?『……ふむぅ……ならもう無理やりきてもらうのでして~』
P「……へ?」
ブォン
ズゾゾゾゾゾ!!!
P「な、なんだー!?黒い渦みたいなものが現れて俺を!!?吸い込まれる!!」ズゾゾゾッゾ
桃華「Pちゃま!?」ガシ
まゆ「Pさん!」
幸子「か、カワイイボクに新手のドッキリですか~!!!?」ガシ
卯月「プロデューサーさん!!」ガシ
P「う、うおおおおおおお!??」グニョングニョン!
P「うわあああ!!?」ガバ
凛「!!ぷ、プロデューサー!」
P「はぁ、はぁ……凛?」
美優「Pさん!Pさぁぁん!!」ガバ
P「え!?うわ!、ちょっと、みんな、落ち着け……」
加蓮「Pさん……良かった……」
ライラ「ふぅ、おかげで助かったでございますです」ペコリ
謎の少女「いえいえ~困ったときは、お互い様なのでして~」
P「……そうか、俺は、戻って、来たのか……」
楓「はい!でも、私との約束、破りましたね?」ジトー
P「え!?えっとそれは……は、ははは」
P(……でも、そうなると卯月たちは……)
謎の少女「む……」
周子「?どっかしたの~」
謎の少女「いえ、どうやら、こちらの世界に連れ戻した時に……手違いがあったようでして~」
-事務所(後日)-
P(あの事件から、数日……)
卯月「おはようございます!!」
凛「おはよう、卯月」
卯月「あ!おはよう!凛ちゃん!」
P「まさか、彼女たちの魂までこちらの世界に来てしまうとは……」
P(あの、日本昔話に出てきそうな謎の少女を通じて、あの世界に来てしまったことをキュートアイドル4人にも話した)
幸子「ちょ、ちょっと周子さん!加蓮さん!どうしてボクのピコピコした愛らしい横髪をいじっているんですか~!!?」
周子「いやぁ、なんか可愛くって」ピコン
加蓮「そうそう、戻しても跳ねてくるんだ~カワイイカワイイ」ピコン
幸子「そ、そうですか?ふふん!まぁなら仕方がないでしょう!ボクはカワイイので!!」ドヤーン
周子・加蓮(これは良い感じのおも、アイドルがきてくれたな~)
桃華「あら、美優さん。そのような紅茶の淹れ方ではいけませんわ」
美優「え?」
桃華「お茶の葉が十分開くには、もう少し、時間がかかるものですわ。わたくしがお手本をおみせしてあげます」
美優「ありがとうございます。桃華ちゃん詳しいんですね」
桃華「これでも、ずっとPちゃまのお茶を淹れていたのはわたくしですもの。それに、この世界につれてこられた責任をPちゃまに取ってもらいませんと、それは即ち……うふふ♪」
和久井「」ピク
服部「」ピクピク
ライラ「美味しいでございますですね~」ゴクゴク
奈緒「な、なぁ。う、うまいなぁ」
奈緒(こえ~、子供相手にも容赦しない大人超こえーー!)
P(彼女たちは、意外にも元の世界に戻ることを拒否した。折角向こうでは有名アイドルという地位にいたというの、また俺と1からやり直すと、そういったのだ)
P(それに、今の彼女たちは俺の時とは違い、魂が同化して云々で、こちらで暮らしていたときの記憶もきちんと残っているらしい……まぁ、彼女たちが納得しているのなら、俺が言えることは何もない……か)
ガチャ
まゆ「うふ、おはようございます。プロデューサーさん♪あなたのまゆですよ~」
凛「」ピク
凛「ねぇ、まゆ、前から思ってたけどそのあなたのまゆって何なの?」
まゆ「そのままの意味ですよ?まゆの魂は、プロデューサーと契約したようなものですから♪」
凛「ふ~ん。ま、刹那で忘れちゃっただろうけどね」
まゆ「うふふ……あの時プロデューサーが買ってきた花……多分あれはあなたの……うふふふ」
ゴゴゴゴゴ……
ちひろ(ひえぇ、プロデューサーさんは、一体向こうでナニをやってたんですかぁ!?)カタカタ
P「さて!そろそろ行くか!」
卯月「はい!プロデューサーさん!」
幸子「今日のお仕事はなんですか?武道館でカワイイボクとのトークショーとかですかぁ!?」
P「何を言ってるんだ」
P「商店街のマスコットにきまってるだろ?」
モバP「いつの間にか、キュートアイドルのプロデューサーになっていた件」 おわり
ご精読ありがとうございました。
お察しの方もいましたが、1年前に書いたssの設定を一部使っております
【人助け編】モバP「人助けしてたら大変なことになった」
【人助け編】モバP「人助けしてたら大変なことになった」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1472135237/)
前、クール橘ルートも書いてたんですが、そっちはエタってしまいました……
後この辺も書いたことあるので、良ければご覧になってください。
提督「艦娘に高速修復材を使ってあげたら大変なことになった」
提督「艦娘に高速修復材を使ってあげたら大変なことになった」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1468945892/)
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