【ジュラシックパーク】×【東方】マルカム「サイトBだと?」[安価] (28)

・ストーリーは映画版の『ジュラシックパーク』、『ジュラシックパーク ロストワールド』、『ジュラシックパーク3』、『ジュラシックワールド』の後の話になります

・安価は多分申し訳程度になると思います

・独自解釈あり、弾幕要素なしになってます。東方要素はほとんどキャラのみになると思います

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1502289354

登場人物紹介

・イアン マルカム・・・数学者

・アラン グランド・・・古生物学者

・エリー サトラー・・・古植物学者

・ヘンリー ウー・・・遺伝学者

・ビリー ソーン・・・監視員

・河城 にとり・・・システムエンジニア

・レティ ホワイトロック・・・チーフエンジニア

・リリカ プリズムリバー・・・飼育員

・八意 永琳・・・獣医

・パチュリー ノーレッジ・・・遺伝学者

・射命丸 文・・・広報室室長

・ヘカーティア ラピスラズリ・・・アメリカ軍広報部長

6月24日
サンタフェ研究所 応接室

マルカム「サイトBだと?」

マルカムは思わず身を乗り出す

ウー「そうです。あなたはそこへ一度訪れたことがあるはずだ」

マルカム「ああそうだ。あんな体験は二度としたくないね」

ウー「私はあなたをそこに招待したいんですよ」

ウーは微笑みながら、チケットをマルカムに渡した

マルカム「なんだ、これは?」

ウー「島行きのヘリのチケットですよ。是非とも興味があると思ってね」

マルカム「嫌だ。僕はIngenと二度と関わる気はないんだ。もちろんその島ともな」

そう言ってマルカムはチケットを返す

ウー「残念です。あなたはまだ『彼女ら』に興味があると思っていたのに」

マルカム「待て、今なんて言ったんだ」

ウー「ですからあなたは『彼女ら』に興味があると思っていたと言ったんですよ」

マルカムは顔をしかめる

マルカム「まさか、サイトBは『グラウンド・ゼロ』されたはずだ」

ウー「この間の『ワールド』の事故、覚えていますか」

そう言ってウーは鞄から缶のようなものを取り出す

マルカム「まさか・・・」

ウー「そのまさかなんですよ」

ウーは再度チケットを渡す

マルカムはそれを黙って受け取った

『グラウンド・ゼロ』
バイオハザードということで島ごと爆撃して何もなかった事にする計画
原作の『ジュラシックパーク』では最後この計画が実行された
(サイトBは映画版、原作ではともにグラウンド・ゼロは行われなかった)

7月1日
サイトB近辺

グラント「いやはや、またヘリで再会するとは・・・」

マルカム「久しぶりだ、グラント」

グラント「ああ、マルカム」

マルカム「そういえば・・・、彼女がいないようだが?」

グラント「エリーのことか?」

ウー「サトラー博士なら一足先に島に着いていますよ」

マルカム「やれやれ、僕らも物好きになったな」

マルカム「一度喰われそうになった恐竜にまた会いたいだなんてな」

グラント「全くだ」

グラント「しかしウー博士、なぜIngenはまた『王国』なんかを作ろうとしているんだ?」

ウー「実際に島に行って見ていただいた方がいいかと」

パイロット「降下します。ベルトを閉めてください」

ウー「グラント博士、ベルトを結ばないでくださいね?」

グラント「分かっているさ」

グラントが安全ベルトを閉める

ガクンッ

突然ヘリが大きく揺れた

ウー「おっと」

ウー「さあマルカム、あなたもベルトを閉めてください」

二人とも安全ベルトを閉める

ヘリが再び大きく揺れる

マルカム「よく揺れるな」

ガクンッ

パイロット「着きましたよ」

ウーがヘリのドアを開けて言う

ウー「さあ、ようこそ王国へ!!」

7月1日
サイトB メイン道路

トヨタのランドクルーザーが大きな音を轟かせながら突っ走っている
アクセルを思いっきり踏みつけて運転のはウーだ。

グラント「この道はどこに続いているんだ?」

助手席に座っているグラントが尋ねる。

ウー「メイン道路を使えば島の各施設に行くことができます。恐竜達の餌もここの道を使って各エリアに搬入したりするんですよ」

ウーは続ける。

ウー「この道路の各所にある電流フェンスは全てコントロールルームから管理しています。センサーがついているので車が近づくと自動で開くのですが、何か起こった際にはコントロールルームのパソコンからもアクセスして制御できます」

ウーがブレーキを踏んで車を止めた。そして目の前を指した。
『高圧電流フェンス 10000ボルト 危険』と書かれた標識がある。奥にはゲートが見える。

ウー「待ってください。じきに開きますから」

マルカム「まるで要塞だな」

センサーが反応したのか、ゲートの上についているランプが点滅した。警告音が鳴りゲートが開く。
ウーが車を発進させる。

ウー「コントロールルームまであと少しです。」

?『ウー、聞こえているか?ウー、応答してくれ』

突然ウーのポケットに入っている無線
機が鳴った。
ウーは顔をしかめると、やれやれという仕草をして無線機を取った。

ウー「こちらウーだ。聞こえている」

ソーン『ウー、こちらソーンだ』

ウー「ソーン、今お客が来ているんだ。緊急でないなら掛けるなと言ったはずだ」

ソーン『ウー、D-26のマイアサウラの調子がおかしいんだ。直ぐに研究棟に来てほしいだが・・・』

ウーはイライラとした声で言った。

ウー「永琳がいるだろう。彼女はどこにいるんだ?」

訂正
突然ウーのポケットに入っている無線機が鳴った。

改行ミスです。すいません

更に訂正

○ 運転している

× 運転のは

ソーン『彼女ならB-25のヒプシロフォドンの様子を見に行っている。俺はあいにくラプトルの方に用事があるんで向かえないんだ』

ウー「なら無線で永琳を呼び戻せっ!」

ウーはハンドルを拳で殴りつけ、怒鳴った。

ウー「いいか、今僕はIngenの今後に関わる重要な客といるんだ!仕事の邪魔をするなっ!」

ソーン『落ち着け、ウー。彼女を呼び戻して対応に当たる、それでいいだろう?』

ウー「そうだ、もう二度と掛けてくるな!分かったか!?」

息を切らしながらウーは無線機のダイヤルをOffに切り替えた。
そして一呼吸おいて息を整えるとグラントに向き直った。

ウー「すいませんグラント博士、少しこちらの用事でして・・・」



以下より選択

・1 グラントはラプトルという言葉をソーンが言っていたのを聞いていた

・2 グラントはソーンの言っている事がエンジン音で聞こえなかった

1か2で選択してください
あれ、安価ってこんなんだったけ?これって単なる投票選択なんじゃ・・・

グラント「ラプトルだと?」

グラントがウーを睨む。

グラント「ここにはヴェロキラプトルがいるのか?」

ウー「・・・ええ、確かにいます」

ウーは苦い顔をして答えた

マルカム「ああ・・・、なんという事だ」

後部座席でマルカムが呆れかえったような声をして言った。
ウーは少し考えてから、

ウー「しかし問題はありません」

と言った。

マルカム「なぜそう言い切れるんだ?」

ウー「私は科学者です。同じ過ちは起こしませんよ」

ウーが穏やかな声で続ける。

ウー「あなたが唱えている『マルカム効果』はこの島では起こりません。この島は安全です」

マルカム「しかし・・・」

ウー「破局は絶対に起こりません」

今度は少しイライラとしたような感じで言った。
マルカムはそれ以上追求せず、それはグラントも同じだった。
再度標識が現れてウーは車を止める。
しばらくして警告音が鳴り、ゲートが開く。

ウー「さあ、これがコントロールルームです」

ウーはそう言うと車を発進させてクラクションを鳴らした。
車に二人、駆け寄ってくるのが見えた。

エリー「お久しぶりです先生。それとマルカム」

エリーは手を差し出しながら言った。

グラント「久しぶりだ、エリー」

握手をしながらグラントは言う。

マルカム「久しぶりだな、サトラー博士」

エリー「ええ、マルカム」

マルカムとも握手を交わす。
うしろからウーがエリーに挨拶をした

グラント「ところでそちらの方は?」

エリーの横に立っている女性に視線を送りながら言った。

文「ここの広報室室長の射命丸文です。よろしくお願いします」

神経質そうな彼女は微笑みながら言った。

グラント「僕はアラン・グラントだ。よろしく」

マルカム「イアン・マルカム、数学者だ。よろしく」

文「話はウー博士からうかがっています。今日はよろしくお願いします」

文は二人と握手を交わしながら言った。

ウー「じゃああとは任せるよ文。僕はさっき連絡があったマイアサウラの様子を見に行ってくる」

ウー「それではグラント博士、失礼します」

そう言うとウーは一礼してランドクルーザーに戻っていく。
ウーが乗り込みアクセルを踏むと、音をたてながらクルーザーは発進した。
文はそれを見送りながら言った。

文「さあ、ツアーを始めましょう。最初はこの島の最も重要な施設、コントロールルームに行きましょう」

一行はコントロールルームのあるヴィジターセンターに続く階段を上っていった。
ヴィジターセンターの入り口には横断幕が掲げられている。

『ようこそ!!ジュラシックパークへ』

7月1日
サイトB ヴィジターセンター

ヴィジターセンターのフロントはホールになっていた。
ホールの真ん中にはラプトルの骨格標本があり、マルカムはそれを「破局の象徴だ」と言った。
右端には階段があり一行は階段を上って二階に上がっていくことにした。

文「ここには約30名程が勤務しています。王国の運営はそれぐらいの人数で足りているのです」

文が階段を上りながら説明した。

文「王国の運営はほとんどコンピュータが行っています。ですから勤務しているほとんどの方は飼育員やウー博士のような研究者です」

階段を上ると手前には『広報』と書かれた部屋があった。
その横を通りすぎて、廊下を右に曲がると奥に『管理室』と書かれた部屋があった。
一行はガラス壁の前に立ち、その向こうの部屋を覗きこんだ。
その部屋は小規模な宇宙管制センターのような部屋だった。
大きなディスプレイがあり、王国の地図が写し出されている。
それに向かって多くのパソコンが並んでおり、監視カメラの映像や恐竜達の様子が画面に写っている。
奥では二人の人物が真剣に話し合っていた。
文がドアの横にあるスロットにカードを通すと緑色のランプがついた。

文「さあ、ここが我が王国の中心部であるコントロールルームです!」

文がドアを開けると一行は部屋の中に入っていった。
話し合っていた二人はグラント達に気が付いたらしく、会釈をした。

文「こちらはにとり、ここのシステムエンジニアです」

文が青色の作業着を着た女を指しながら言った。

文「その隣にいるのがレティ、マルカム博士は一度会われた事があると思います」

マルカムはレティとは一昨年に一度会った事がある。
サンタフェ研究所に新しくスーパーコンピュータを設置する際にシステムエンジニアである彼女が来ていたからだ。

文「彼女はここのチーフエンジニアです」

レティはカーキ色一色の服を着ている。
胸ポケットには『Ingen』のロゴが入っていた。

互いに会釈を交わした後、文は説明を再開した。

文「ここでは王国の全てを管理している、と言っても過言ではありません」

文「24時間体制で恐竜達の場所、頭数などを確認しています。各施設のセーフティロックや電流フェンスの制御もここで行っています」

マルカム「それじゃあ、ここにあるコンピュータが仮に止まりでもしたらどうなるんだ?」

マルカムが口をはさむ。

にとり「それについては問題ありません」

にとりが答えた。

にとり「仮にここのコンピュータが止まっても予備電源で電流フェンスは作動し続けます。予備電源では一時間ほどしか持ちませんが、それだけの時間があれば復旧作業を行って主電源に切り替えれます」

グラント「恐竜は何種類いるんだ?」

グラントが尋ねる。

にとり「確か、10種類程です」

そう言いながらにとりはパソコンのキーボードを叩いた。
しばらくするとパソコンの画面には表が表示された。


・マイアサウラ 15頭

・ヒプシロフォドン 16頭

・トリケラトプス 10頭

・ステゴサウルス 8頭

・オスニエリア 29頭

・ハドロサウルス 13頭

・プロコンプソグナトゥス 56頭

・ミクロケラトプス 22頭

・ディロフォサウルス 7頭

・ヴェロキラプトル 4頭

計180頭


グラント「・・・素晴らしいな」

グラントが表を見て呟く。

マルカム「これはどうやってカウントしているんだ?」

にとり「モーションセンサーですよ。センサーが動いている動物をカウントし、監視カメラなどでどの恐竜であるかを絞りこみます」

もう一度にとりがキーボードを叩く。
パソコンの画面にはまた違った映像が写し出された。
緩やかな丘と奥には森が見える。

にとり「これはマイアサウラフィールドの映像です」

グラント「フィールド?」

グラントが尋ねる。

レティ「恐竜達が放し飼いにされている場所のことです」

今度はレティが答えた。

マルカム「放し飼いだと?」

レティ「当然逃げ出さないように外には高圧電流フェンスが張り巡らされています。安全対策は完璧です」

文はグラント達に「質問はもうありませんか?」と聞いた。
グラント達が頷いたことを確かめてから文はツアーを再開した。

文「では次は・・・」

以下より選択

1 研究棟に向かう

2 ラプトルの檻に向かう

1か2で選択してください

>>20

遭遇する人物を書き忘れていました・・・

1 研究棟へ向かう→永琳と遭遇

2 ラプトルの檻に向かう→ソーンと遭遇

すごく久しぶりに挙げます・・・
何とか失踪はせず頑張りますのでよろしくお願いします

7月1日
サイトB 研究棟

ゲートが開くと文はランドクルーザーを発進させた。

文「あれが研究棟です」

文が指しながら言った。
研究棟は白く、学校のような二階建ての建物だった。
しかし窓には鋼鉄製の格子が入っており、少しばかり異様な雰囲気を漂わせている。

文「ここでは恐竜達の健康管理や研究などを行っています」

文は車を停止させるとサイドブレーキを引いた。
一行が車から降りると研究棟から向かってくる人物が見えた。

文「彼女は八意永琳。ここの獣医です」

永琳はカーキ色の半ズボンにカーキ色のシャツ、胸ポケットにはサングラスを下げて王国のロゴが入った帽子を被っていた。

永琳「ようこそ王国へ。私は八意永琳、よろしくお願いします」

グラント「やあ、僕はアラン・グラント。よろしく」

一行は軽く挨拶を交わすと、永琳に続いて研究棟の中へと向かった。

永琳「一通り説明は受けたと思いますがここでは恐竜達の健康管理、生体の調査や卵の孵化などを行っています」

グラント「卵の孵化は今見れるのかい?」
グラントが尋ねる。

永琳「少し遅かったですね。卵が孵ったのは昨日なんですよ。次に卵が孵るのは三ヶ月先になります」

グラント「そいつは残念。何の卵だったんだい?」

永琳「ヴェロキラプトルの子供です」

永琳が言った瞬間、文が強い視線で彼女を睨んだ。
マルカムが咳払いをして話題を変えた。

マルカム「恐竜の健康管理と言ったが一体どのように調べるんだ?」

永琳餌の食べる量や動きからですね。異常だと判断すると、麻酔で眠らせてからトラックで運んでからここで検査します」

文「研究棟の近くに専用の囲いがあるんです。そこでか検査を行うんです」

文が補足する。
少しの間が有ってからエリーが口を開いた。

エリー「そこは見学できます?先生も見たいんじゃないです?」

グラント「ああ、僕も見てみたい」

グラントが頷いた。

永琳「ならそこへ案内しますよ。ちょうど今、マイアサウラがいますよ」

パチュリー達の存在をすっかり忘れていた・・・
どうしよう・・・

7月1日
サイトB 研究棟付近の囲い

囲いの中には一頭のマイアサウラが寝そべっていた。
周りでは作業員が機材を運び、何か準備をしている。

永琳「あれが今回治療するマイアサウラです」

永琳が指で指しながら言った。

エリー「治療?」

エリーが尋ねる。

永琳「ええ、恐らく前足の骨が・・・、少し待ってください」

そう言うと永琳は作業員に何か指示を出した。
作業員は黙って頷くと、研究棟へ向かって行った。
永琳はエリーの方へ向き直ると

永琳「すいませんね」

と言って続けた。

永琳「右前足が骨折しているんです。ですからコントロールに連れていって治療しなくちゃいけないんですよ」

グラント「近くで見てもいいかい?」

グラントが尋ねた。

マルカム「僕もいいか?」

これはマルカムだ。

永琳「ええ、構いませんよ。但し触れるのは勘弁してくださいね」

グラントとマルカムはマイアサウラの近くへと寄って観察する。
マイアサウラの呼吸は浅く、少しばかり早い。

永琳「麻酔を打っているんですよ。暴れられたらひとたまりもありませんからね」

永琳が後ろから説明する。

永琳「恐竜達をトラックに乗せて移動させるのも一苦労するんです」

永琳はかぶりを振る。

文「そろそろコントロールに戻りましょうか。王国はまた明日も見学していただくので・・・」

グラント「ここにもう少し残っても構わないかい?」

グラントが尋ねる。

文「ええ、構いませんよ。では帰りは永琳に送らせますよ」

グラントは頷くと、マイアサウラに向き直った。

文「さあ、私達は日が暮れる前に戻りましょう!」

7月1日
サイトB ヴィジターセンター付近のロッジ

文「今日皆様に泊まっていただくのはこのロッジです」

文が指しながら言った。
ロッジは二階建ての建物で外装は白く屋根には天窓が据え付けられている。
しかし窓にはすべて鋼鉄製の格子がはめられており、異様な雰囲気があった。

文「ああ、あの格子は気になさらないでください。王国の安全は確かなものですから」

文はエリー達の視線に気づいたらしく、そう付け加えた。

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