陽奈「ストライカーナビ?」[スクストSS] (81)

あから姉が新たなビジネスを思いついたようです

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~朝~


[エテルノ・宿直室]


陽奈「…ふぅあー…」ノビー


あから「…」カチャカチャ


陽奈「あー…、お姉おはよー…」


あから「おはよう!陽奈!」カチャカチャ


陽奈「…おはよーって、んー…?」


陽奈「お姉…朝っぱらから何やってんの?」


あから「はっはっは、朝っぱらからじゃないぞ、陽奈」カチャカチャ


あから「昨日の夜からだ」


陽奈「…えっ、徹夜!?お姉、徹夜してんの!?何で!?」


あから「ふふふふ…」


陽奈「てか目の下めっちゃクマ出来てて笑顔が怖いんだけど!」


あから「実は…これを作ってたんだ」サッ


陽奈「えっ?何これ?…タブレット端末?」


あから「ストライカーナビだ」


陽奈「ストライカーナビ?」

陽奈「えっ?何それ?」


あから「今が“痛カーナビ”ブームの真っ只中にあるのを陽奈も知ってるとは思うけど…」


陽奈「全くもって知らないね!」


陽奈「っていうか、そもそも痛カーナビ自体を知らないし!」


あから「痛カーナビというのは、案内音声をアニメやゲームのキャラクターの声にしたカーナビの事だよ!」


陽奈「…あー!そういうのね!」


陽奈「アレっしょ?あのア○マスとかラブ○イブとかのキャラがナビしてくれるやつだよね!」


あから「そうそう!」


あから「ぶっちゃけカーナビなんて道路のデータさえ最新なら、どこの会社のどの機種でも似たり寄ったりの性能なんだけど…」


陽奈「そんな事ないと思うよ!?」

陽奈「こう…何かきっと各社なりに色々、企業努力してると思うよ!?」


陽奈「よく知らないけどさ!」


あから「そんな有象無象のカーナビの中でも、売れに売れているのが痛カーナビなんだ!」


陽奈「有象無象とか言わない!」


あから「そこで、ボク達もその痛カーナビブームに乗るしかないと!」


陽奈「はぁ…?」


あから「あわよくばガッポリ稼がせてもらおうと!」


陽奈「お姉、今日テンション高いね!?」


あから「徹夜明けだからね!」


あから「それに、もうすぐ大金が転がり込んでくるかと思うとテンション上げずにはいられないよね!」


陽奈「欲望だだ漏れだね!?」

陽奈「…っていうか、お姉、カーナビとか作れたんだね!?」


陽奈「意外と機械系得意なんだ!凄いじゃん!」


あから「はっはっは、ボクを侮ってもらっては困るぞ!陽奈!」


あから「ボクだって、澄原君や李野田君や田中君に下げる頭くらい持ってるさ!」


陽奈「何やってんの!?」



あから「三人共、ボクの土下座を見るや否や、快く手伝ってくれたよっ!」グッ!


陽奈「えっ?土下座!?」


陽奈「お姉、土下座したの!?」


陽奈「お姉マジ何やってんの!?」

陽奈「これからどんな顔して、その三人に会えばいいの!?」


あから「笑えばいいと思うよ」


陽奈「そういう問題じゃないよ!」


あから「よしっ!じゃあ、三人の協力とボクの土下座によって完成した、ストライカーナビの説明をしようか!」


陽奈「ひな置いてけぼりなんですけど!?」


あから「ナビゲーションシステム自体は普通のカーナビと大差無いんだけど…」


陽奈「聞いてよ!」

あから「案内音声がストライカーの皆の声になってるんだ!」


陽奈「へー、てかみんな良く協力してくれたね」


陽奈「あっ、まさかみんなに土下座してまわったんじゃ…」


あから「はっはっは、そこまでボクの頭は安くないぞ!陽奈!」


あから「このストライカーナビの案内音声は、皆の雑談やカットインなんかから抽出した音声データを元に組み合わせて出来ているんだ!」


あから「要は初音○クみたいなものだね!」


陽奈「それ無許可だよね!?」


あから「大丈夫大丈夫!売れたらちゃんと許可得るから!」


陽奈「事後報告はダメだよ!」


陽奈「裁判起こされたら負けるよ!?」


陽奈「最悪、緋ノ宮グループとか入州商事に消されるよ!?」

陽奈「というか、そもそもの話、みんなの声だと痛カーナビじゃなくない?」


陽奈「別に有名人ってほど知名度があるわけじゃないし、なんかのキャラじゃないし…」


あから「それなら心配いらないよ!」


あから「ストライカーナビのターゲットは各チャンネルの隊長君だからね!」


陽奈「えっ、タイチョーに売りつけんの!?」


陽奈「何で恩を仇で返すような真似するかなぁ!」


あから「いやいや、隊長君はボク達の声が聞けて嬉しい、ボク達はお金が貰えて嬉しいとwin-winじゃないか!」


陽奈「winのコストが釣り合ってないと思うよ!?」


あから「もちろんストライカー36人分の音声を収録してるよ!」


陽奈「そう聞くとお得っぽいけどさ!」

あから「まぁ、とりあえず批判する前に陽奈も一回試してみてよ」


陽奈「試すって…ひな、車も免許も持ってないんだけど…」


あから「それなら大丈夫だ!」


あから「このストライカーナビは車でのナビゲーションは勿論、バイク・自転車・そして徒歩でもナビゲーション出来るんだ!」


陽奈「あー!あれっしょ!ナビターイム!みたいな感じなんだ!」


陽奈「それは本当に凄いね!」


あから「その上、実際に出掛けなくてもナビゲーションを体感出来るデモモードも搭載してるんだ!」


陽奈「おおっ!…ってことは、お出かけの前日にルートを確認したり、雨なんかで出かけられない時でも楽しめるってわけだねっ!」

あから「ニートの引きこもりでも楽しめる仕様になってるよ!」


陽奈「それは言っちゃダメだって!」


陽奈「ひなも一瞬、頭をよぎったけどさ!」


あから「それじゃあ、陽奈も早速デモモードを試してくれ!」


陽奈「うーん…じゃあちょっとだけね?」


陽奈「本当にちょっとだけだよ?」


陽奈(ぶっちゃけ面白そうだからやってみたくなってきちゃったんだよね)


あから「まずはこのボタンを押して起動だね」ポチ


カーナビ〈スクールガールストライカーナビ!


陽奈「すっごい聞き覚えのある起動音なんだけど」


陽奈「大丈夫?スクエニから訴えられたりしない?」


あから「その時はその時さ」


陽奈「お姉!?」

カーナビ[パートナーを選んで下さい]パッ


あから「あっ、このパートナーって言うのはナビしてくれる人の事だよ」


陽奈「ふーん…じゃあ、まずはひなでやってみようかなー」タップ


カーナビ(陽奈)〈よろー!


陽奈「おおっ!喋った!」


陽奈「収録した覚えないのに!」


あから「じゃあ、とりあえず五稜館学園から渋谷駅までナビしてもらおうか」


陽奈「あいあい」タップ


あから「ルートを設定したら移動方法を選択、その後にここを押すとデモモードが始まるよ」


あから「今回は距離もあるし車で行ってみようか」


陽奈「らじゃー」タップ


陽奈〈案内開始するよー!


陽奈〈んじゃ、まずは次の交差点を右折ね!


陽奈「凄いひなっぽいじゃん!」


陽奈「一切、収録した覚えないけど!」

陽奈〈続いて、次の交差点を左折だってさ!


陽奈〈…うん!おっけーおっけー!


陽奈〈んじゃ次は…と


陽奈〈こっからはしばらく道のりみたいだねー


陽奈〈あっ!だからって気を抜いちゃダメだかんね!


陽奈「なんだかんだ普通にナビしてくれるんだね」


あから「隊長君が事故ったら大変だからね」


陽奈「ま、カーナビだし、これだけ出来れば上出来じゃない?」


あから「いやいや、まだまだこんなもんじゃないぞ!陽奈!」


あから「それじゃあ、ちょっとデモモードの時間を進めて…と」タップ


陽奈〈ねー、タイチョー?


陽奈〈そろそろ休憩した方がよくない?


陽奈「何これ何これ!」キラキラ

あから「陽奈ナビは長時間、連続した移動が続くと、こうして休憩を促してくれるんだ!」


陽奈〈ひな、この辺でコーヒーの美味しいとこ知ってるよっ! ポーン


あから「それに加えて、地図上に最寄りの喫茶店やコーヒーショップが表示されるよ!」


陽奈「凄い凄い!」


カーナビ[→休憩する]
    [ 休憩しない]


陽奈「って、何かギャルゲーみたいな選択肢出てきたんですけど!?」


あから「デモモードならどちらを選んだ場合も見れるようになってるんだ!」


陽奈「至れり尽くせりだねっ!」


陽奈「じゃあじゃあ休憩するっ…と!」タップ


カーナビ[休憩中…]


カーナビ[休憩終了…]


陽奈「そこの描写は無いんだ!?」

あから「あくまでもカーナビだからね」


陽奈〈タイチョ~♪コーヒー奢ってくれてありがとねっ!


陽奈「でも一緒にお店に寄ったていなんだね」


陽奈「しかも奢ってるし」


あから「店の前で放置させるわけにもいかないからね」


陽奈〈よしっ!じゃあ、一休みもしたし、そろそろ案内再開しよっか!


……………


~五分後~


陽奈〈目的地周辺だねー


陽奈〈じゃ、あとはタイチョーだけで大丈夫そうだし、ひなは案内終了するねっ!


陽奈〈またねー!


カーナビ[案内終了、デモモードを終了します]


陽奈「自分で言うのもなんだけどさ」


陽奈「ひなナビめっちゃよくない!?」


あから「陽奈の良さを全面に押し出したからね!」

陽奈「ちなみにお姉とか小織ナビだとどんな感じなの?」


あから「ボクのナビの場合は、スーパーのチラシ比較サイトと連動していて、特売品の情報を随時お知らせするようになってるんだ!」


陽奈「目的地に行くついでに、安い物だけちょろっと買ってこれるってわけだね!」


あから「そして小織ナビでは、近くにあるペットショップや動物園、水族館といった動物に触れ合える場所を紹介してくれるよ!」


陽奈「ついでに寄ってくって場所じゃないけど、どこに遊びに行くか迷ったときなんかにいいじゃん!」


陽奈「ねぇねぇ!別の人のナビも試してみていいよね?ね!」


あから「ああ!思う存分試していいぞ!」


陽奈「やったぁー!」

カーナビ[パートナーを選んで下さい]パッ


陽奈「じゃあ誰から行こっかなー!」


あから「ボクのオススメは椿芽ナビだね」


陽奈「んじゃ、椿芽ちゃんで!」タップ


カーナビ(椿芽)〈送り届けます!この身に代えても!


陽奈「道案内はそこまで仰々しいもんじゃないと思うよ!?」


あから「美山君、責任感強いからね」


陽奈「そういう問題なの!?」


あから「じゃあ今度は陽奈の好きなように目的地や交通手段を設定してやってみるといいよ」


陽奈「えー?じゃあ…五稜郭学園スタートとして…ひな達のアパートまで行ってみよっかな」タップ


陽奈「方法は…なんとなく車で」タップ


陽奈「ま、車で行くほどの距離じゃないけどね」

椿芽〈それでは、これより案内を開始します


椿芽〈実際の交通ルールに従って、十分に気を付けて運転してください


陽奈「真面目かっ!」


椿芽〈まずは次の交差点を右折です


椿芽〈今の内に右側の車線に移動する事をお勧めします


陽奈「うーん…カーナビとしては優秀だけど、ちょっと堅苦しくない?」


陽奈「何でこれがお姉のオススメなの?」


あから「確かに通常の案内時では、美山君らしく余計な雑談や紹介も無いから物足りなく感じるかもね」


あから「でもね…椿芽ナビの真価は、ナビ使用者が案内されたルートから外れた時にあらわれるんだ!」


陽奈「?」

あから「まぁ、百聞は一見にしかずって事で、この“ルートから外れる”ってところを押してみればわかるさ!」


陽奈「そんなシステムまで用意してんの?」


陽奈「お姉、デモモードに力入れ過ぎじゃない?」


あから「途中からナビよりデモモードの方にこだわっちゃってね」


あから「色々考えてる内に朝になっちゃったよ」


陽奈「それで徹夜してたんだ」


陽奈「そんじゃ、ルートから外れるを押して…と」タップ


椿芽〈…あれっ?案内した道と違う道を走行しているようですが、どうかなさいましたか?


陽奈「凄い罪悪感」


あから「じゃあルートから外れるを連打してみようか!」


陽奈「お姉は鬼なの!?」

陽奈「いくらカーナビとはいえ可哀想じゃない?」


あから「まあまあ、とりあえずやるだけやってみてくれよ」


陽奈「…そこまで言うならやるけどさ」タップ


椿芽〈新しいルートを検索ちゅ…あれっ!?また別の道ですか!?


陽奈「…」タップ


椿芽〈ごめんなさい!すぐに新しいルートを考えるので…あっ!また違う道に入っちゃったんですか!?


陽奈「…っ」タップ


椿芽〈ま、待って下さい!一旦停車してもらって…止まって!止まって下さい!


陽奈「…ふふっ」タップ


椿芽〈あわわわわわ…!


陽奈「めっちゃ可愛い」


あから「だろう?」


陽奈「わざと入り組んだ道に入って曲がり角という曲がり角を間違えてみたくなる可愛さだね」

陽奈「でもカーナビとしてはダメだよね」


あから「まぁ、そもそも、このカーナビ自体そこまで性能が良くないからね」


あから「連続してルートから外れたりしない限りは問題なくナビしてくれるんだけど…」


あから「何度も新しくルート検索すると負荷がかかって多少時間がかかっちゃうんだ」


あから「実は、さっきのはそれをごまかすって意味もあるんだよね」


陽奈「あー、初期のバイオハザードでロードの長さをごまかす為に扉の演出を加えた、みたいな?」


あから「そんな事、良く知ってるね」


陽奈「うん、さっちゃんから聞いた」

陽奈「ちなみに、ひなの場合だとどんな感じなの?」


あから「こんな感じだよ」タップ


陽奈〈あれっ?タイチョー、道違わない?


陽奈〈しょーがないなぁー!今、新しいルートを…ってコラコラコラ!


陽奈〈何でまた別の道行ってんの!?


陽奈〈はぁ!?ひなのナビ無視するとかマジありえないんですけど!?


陽奈〈…うっわー…ダッサ…


陽奈「心が痛くなるからやめて!?」


あから「美山君以外は概ね罵りになっちゃうから可愛くないんだよね」


陽奈「他の人のを聞かなくって良かったよ」


陽奈「辛くなっちゃうもん」


陽奈「自分に罵られるのもかなりのダメージ食らうんだしさ」

あから「一定の需要はありそうだけどね」


陽奈「そんなタイチョー嫌だなぁ…」


陽奈「じゃ、次は…椿芽ちゃん繋がりでアルタイル・トルテのみんなでやってみよっかな」


陽奈「まずは、サトカちゃん!」タップ


サトカ〈案内するですよ


あから「サトカーナビだね」


陽奈「サトカーナビ」


サトカ〈えー…次を左ですよ


サトカ〈…ここですよ 


サトカ〈よっ!名ドライバー!


陽奈「曲がっただけなのに?」


サトカ〈あー…ここから先はしばらく道のりみたいですよ


サトカ〈…お腹が減ったですよ


陽奈「えっ、早くない?」


あから「大体五分おき位にこの音声と…」

サトカ〈カレーパン…カレーパン…! パッ


あから「澄原君オススメのカレーパンが売っているパン屋さんが地図上に出てくるんだ!」


陽奈「そういえばこれ作るのに関わってたもんね」


陽奈「まぁ、確かにサトカちゃんのオススメっていうと気になるかな!」


あから「ちなみにパン屋に寄らないと…」


サトカ〈…あっ!待つですよ!


サトカ〈待つのですよ!


サトカ〈カレーパン!


サトカ〈カレ~パ~ン!!!!
(animation channel6話「急襲!SF大作戦」より)


あから「叫ぶ」


陽奈「どういう事!?」


あから「CT作戦だね」


陽奈「えっ、何の略?」


あから「カレーパン・食べに行くですよ!」


陽奈「くだらなっ!」

陽奈「んじゃ、次はマトモそうな伊緒ちゃんで行こっかなー」


あから「今までがマトモじゃないみたいな言い方だね」


陽奈「カーナビとしてはマトモじゃないでしょ!」タップ


伊緒〈オッケー!任せてよ!


伊緒〈二つ先の交差点を右折だよ!


伊緒〈…うん!良いね!


伊緒〈その調子その調子!


陽奈「さわやか!」


あから「夜木沼君バレーやってるからね」


あから「さわやか体育会系な感じをイメージしたんだ!」


陽奈「すっごい良いね!」


あから「ただ、この伊緒ナビには一つ欠点があって…」


陽奈「…?今のところ欠点は無いと思うけど?」

あから「伊緒ナビは椿芽ナビと同様、ルートの案内は完璧にこなしてくれるんだけど…」


伊緒〈次は六本木を…ふふっ…


伊緒〈ふふっ…六本木って…!


伊緒〈漢字にすると森森…ふふっ


伊緒〈どんだけ森だったのぉ~!


あから「面白い地名を案内すると五分は笑い続けてナビどころじゃなくなるんだ!」


陽奈「ポンコツすぎるよ!」


陽奈「もはやナビの仕事すら放棄しちゃってるじゃん!」


陽奈「ってか六本木で笑ってたら大体の地名で笑っちゃうんじゃないの!?」


あから「日本語って面白いよね」


陽奈「一番マトモそうなのが一番ダメじゃん!」

陽奈「もう残りのトルテナビも不安たっぷりだよ」


陽奈「じゃあ…悠水…ちゃんはろくでもなさそうだから後でにして…」


陽奈「まなちゃん!」タップ


まな〈まっほー♪まなについてきてねー!


陽奈「もう可愛い」


陽奈「ただただ可愛い」


あから「脳が溶けるよね」


陽奈「わかる」


まな〈じゃあじゃあ!


まな〈次の角を右にグッって行ってギューンと行ったら道がグワッってなってるからシュッとした方にビャッって入ってドカーンだよ!


陽奈「待って待って待って!?」


陽奈「擬音が多すぎる!」


陽奈「なんで表現が関西人みたいなの!?」


陽奈「曲がった後が曖昧だし!」


陽奈「っていうかドカーンって何!?」

陽奈「事故ってる擬音だよね!?」


あから「ルートを見るとトンネルだね」


陽奈「土管!?ドカーンって土管の事なの!?」


陽奈「ダジャレかっ!」


陽奈「まなちゃんでこれとか悠水ちゃんとかどうなっちゃうの!?」


あから「実は沙島くんのナビはボクの手には負えないから、李野田君に悠水AIを作ってもらったんだよね」


陽奈「真乃ちゃん凄いね!?」


あから「というわけで、実はボクもまだ試してないからどうなるか楽しみなんだよね!」


陽奈「不安しかないよ!お姉!」


陽奈「大丈夫?負荷かかりすぎてカーナビ爆発したりしない?」


あから「はっはっは、ノエル君じゃあるまいしそんな事起きないさ!」


陽奈「不安だなぁ…」

陽奈「じゃ、じゃあ悠水ちゃんナビいきまーす…」タップ


悠水〈どうもこんにちは


悠水〈わたくし、本日あなたの道案内をさせていただきますナビケーター・サジマと申します


陽奈「もう若干ウザいね」


悠水〈運転手さん!前の車を追って!


陽奈「いきなり!?」


陽奈「てかナビは!?」


悠水〈突然すまない!私は刑事のオフィサー・サジマという者で、あの車を追っているんだ!


陽奈「ナビケーターかオフィサーかどっちかにしてよ!」


悠水〈まもなく左方向です


陽奈「ナビは普通にするんだ!?」


あから「これは運転中に使っちゃダメなやつだね」


あから「こんなの絶対事故るよ」


陽奈「開発者が言っちゃう!?」

悠水〈どう最近?なんか良いことあった?


悠水〈…あっ、この先の道路…アスファルトだね!


悠水〈よしっ、じゃあブレーキランプ五回点滅させて…


悠水〈李・野・田・真・乃…と


陽奈「何がしたいの!?」


悠水〈えー、ではここで特別ゲストの紹介ですっ!


悠水〈リョウコちゃーん?


陽奈「自由かっ!」


リョウコ〈はーい


陽奈「来るんだ!?」


あから「2人同時とか出来たんだ!?」


陽奈「何でお姉もビックリしてんの!?」


悠水〈じゃあ一緒に案内しようじゃないか!


リョウコ〈お疲れ様でしたー


悠水〈リョウコちゃん!?


あから「リョウコナビにはAI無いからね」


陽奈「じゃあ何で出てきたのって話だけど」

悠水〈目的地に到着しました


陽奈「まだ着いてないよ!?」


悠水〈バカめ!今のは引っかけさっ!


陽奈「ねぇもう終了していい?」


あから「そうだね」


陽奈「終了っ…と」タップ


悠水〈ぐっ…!例え私がやられても第二・第三のまなちゃんがまっほー♪しにくるだろうっ!


悠水〈さらばだ!フハハハハ…!


カーナビ[案内を終了しました]


陽奈「最後の最後までカロリーが高すぎるよ!」


あから「お腹いっぱいを通り越して胸焼けしてくるね」


あから「悠水ナビは隠しコマンドで使えるようにしようかな」


陽奈「撤廃でよくない?」


あから「それはさすがに可哀想だからやめておくよ」

陽奈「じゃあ気を取り直して…」


陽奈「次は…プロキオン・プディングのみんなから行ってみよっかな!」


陽奈「まずは天音ちゃん!」タップ


天音〈あたしに任せておけばオールオッケーだから!


陽奈「いやー、相変わらずの自信家だねー」


あから「それに見合う努力をしているからこその自信だよね」


陽奈「天音ちゃんには幸せになってもらいたいよねっ!」


天音〈次の信号、左よ


天音〈ほら、さっさと曲がりなさいよ


天音〈あら、上手いじゃない


天音〈しばらく道なりね


天音〈だからって、ふぬけた顔してんじゃないわよ?


陽奈「根の優しさが滲み出てるね」


あから「ツンとデレのバランスが難しかったよ」

陽奈「てか普通だね」


あから「杏橋君はフィフス・フォースの中でも数少ない常識人だからね」


あから「もっと言うと東雲君より普通の女の子だし」


陽奈「まぁ、リョウコちゃんは普通普通言ってるわりに普通じゃないからね」


陽奈「あんなに可愛くてスタイルも性格も良い女の子なんて滅多にいないよ」


陽奈「で、天音ナビはこれだけなの?」


あから「基本的にはそうだね」


あから「ただ、目的地を特定の施設にするとその時だけの反応があるんだ!」


陽奈「へー、どこにすんの?」


あから「猫カフェ」


陽奈「あれっ?天音ちゃん猫好きなんだ?」


あから「かなりの愛猫家なんだってさ」


陽奈「へぇ、初耳だね」

あから「杏橋君は秘密にしたいみたいだからね」


陽奈「じゃあ何で勝手にバラしちゃうの!?」


あから「本当は猫が大好きなのに、隊長君に対してツンケンしてしまう事に悶々とする杏橋君って可愛くないかい?」


陽奈「わかるけどさ!」


陽奈「…じゃあ猫カフェ…っと」タップ


天音〈目的地は…ねね、猫カフェですって!?


天音〈猫のあんたが猫カフェ行ってどうすんのよっ!?


天音〈ま、まぁ?どうしても行きたいっていうなら案内してやってあげないこともないけど?


天音〈ほら!さっさと行くわよ!


天音〈べっ、別にあたしが早く行きたいわけじゃないわよ!


陽奈「めっちゃツンデレ可愛い」


あから「もう猫好きって公表しちゃえばいいのにね」

天音〈ほら、着いたわよ


天音〈さっさと降りなさいよ


天音〈べっ!別にあたしが早く行きたいからじゃないんだから!


天音〈わかったらちんたらしてないで行くわよ!


カーナビ[案内を終了します]


陽奈「はー、可愛い」


あから「杏橋君のは杏橋君単体で売っても売れそうだよね」


あから「ボクだったら買う」


陽奈「ひなも買う」


陽奈「さーて、この余韻がなくならない内に次…と」


陽奈「次は…真乃ちゃんかなー」タップ


真乃〈バックアップは任せてください!


陽奈「真乃ちゃんがナビゲーターだと安心感あるよね」


あから「こういう分野では絶対の頼もしさだよね」

真乃〈次の交差点を左折です


真乃〈…素晴らしいアウト・イン・アウトですね!


陽奈「ねー、お姉ー?アウト・イン・アウトって何?」


あから「カーブを曲がるときに、カーブの外側→内側→外側と進む事でカーブでの減速を抑える運転技術の事さ!」


陽奈「あー、そういえば、さっちゃんとレースゲームした時にそんな感じの操作してたなぁー」


真乃〈次の交差点を右折です


陽奈「あれっ?ずいぶん狭い道選んだね?」


陽奈「てか車、通れんの?この道?」


あから「真乃ナビの特徴だね」


陽奈「特徴?」

あから「真乃ナビはとにかく最短・最速のルートを案内するようになっているんだ!」


陽奈「あー、タイムアタック的な?」


あから「そうだね、渋滞回避は勿論、他のナビでは選ばないような脇道もガンガン攻めてくるよ」


あから「だから車で使う際にはドライバーの技量が必要になってくるんだ」


陽奈「ふーん、まぁそれはそれで面白そうじゃん?」


あから「ただまだまだ改良の余地があるみたいで…」


真乃〈…おや?この先で渋滞が起きているようですね


真乃〈渋滞回避の為、次の丁字路で右折して脇道に入りましょう


真乃〈右折です

陽奈「…あれっ?これ車道じゃなくない?」


あから「実は最短・最速を追求した結果…」


真乃〈この先、下り方向、階段です


真乃〈十分に注意して突破しましょう


陽奈「いやいやいや!?」


あから「交通手段に関わらず全ての道を走行ルートと捉えてしまったんだ!」


陽奈「色々とダメ過ぎるじゃん!」


陽奈「クレイジータクシーじゃないんだからさ!」


真乃〈50メートル先、右の路地に入ってください


真乃〈片輪走行がオススメです


陽奈「出来るかぁ!」


陽奈「ひなはルパンかっ!」


あから「真乃ナビも隠しコマンドかなぁ」

陽奈「何で真乃ちゃんが開発に関わってるのにこうなっちゃったの!?」


あから「ゲーマーの性だろうね」


真乃〈続いて左方向、ジャンプ台です


陽奈「何で街中にジャンプ台が!?」


あから「ゲーマーの性だろうね」


陽奈「好き勝手やりすぎだよ!」


真乃〈十分に加速し、川を越えてください


陽奈「さっきから淡々と、とんでもない事、要求してくるね!?」


カーナビ〈ヒューン…ドボーン!


陽奈「落ちてんじゃん!」


真乃〈案内を終了します、運転お疲れ様でした


カーナビ[案内を終了します]


陽奈「放置!?」


あから「これは間違いなく事故るから作り直しだね」


あから「ただ勿体ないから、これはこれでゲームとして売ろうかな」


陽奈「お姉、商魂たくましいね!?」

陽奈「うーん…真乃ちゃんであんな感じだと、もう誰のナビがマトモかわかんないなぁ…」


陽奈「とりあえず…真乃ちゃんの次にマトモそうな、いつみちゃんにお願いしよっかな」タップ


いつみ〈あいよっ!頼まれた!


陽奈「車…は、さっき酷い目にあったから…自転車で行ってみよー」タップ


いつみ〈了解!案内を始めるよっ!


いつみ〈…っと、その前に


いつみ〈隊長、ハンカチとちり紙は持ったか?


陽奈「えっ?あ、はい…と」タップ


いつみ〈ガスの元栓はちゃんと締めたか?


陽奈「オカンかっ!」


あから「この様に、いつみナビは出かける前に様々な事を気にかけてくれるんだ!」


陽奈「いや、ありがたいけどさ!」

陽奈「ナビとしてはその機能、必要なくない?」


あから「でも出かけた後で“あー、家の鍵締めたっけ…”とか“ガスの元栓締めたかなぁ…”とか心配しなくてもよくなるのは良くないかい?」


陽奈「うっ…、それは確かに」


陽奈「まぁ逆に他の子のナビを使う前に、色々な確認として使うってのもアリかな」


~五分後~


陽奈「ナシだね」


陽奈「出かける前には長すぎるもん」


いつみ〈よしっ!じゃあ最後に戸締まりはしっかりしたか?


陽奈「はいはい…っと」タップ


いつみ〈うん!エラいエラい!


いつみ〈じゃあ案内いくよ!


陽奈「いやー…長かったね!」


いつみ〈先ずはしばらく直進だね!

いつみ〈あっ、自転車は歩道じゃなく自転車専用レーンか、それが無ければ極力、車道を走らないとダメだぞ!


陽奈「ホントしっかりしてんね!?」


いつみ〈次、右方向だね!


陽奈「ねー、お姉ー?いつみナビって案内自体は普通な感じー?」


あから「基本的にはそうだね」


あから「ただ、気温なんかにも気配りしてくれるから、例えば気温が高いと…」タップ


いつみ〈いやー、今日は暑いなぁー!


いつみ〈こまめな水分補給を忘れないようにな!


あから「熱中症とか脱水症状にならないように気にかけてくれるんだ!」


陽奈「過保護!」


あから「ちなみに寒いと…」

いつみ〈いやー、今日は寒いなぁー!


陽奈「デジャヴ」


いつみ〈手袋とマフラー…あっ!腹巻きも忘れないようにな!


いつみ〈そうだ!出かける前に生姜湯でも飲んでくか?


あから「この様に、身体を冷やさないように気にかけてくれるよ」


陽奈「生姜湯って!」


陽奈「もうオカン通り越しておばあちゃんじゃん!」


陽奈「せめてカイロとか言わせてあげればいいのに!」


あから「でも棗君って使い捨ての物をあまり使わないイメージなんだよね」


あから「うちみたいにさ」


陽奈「いつみちゃんに失礼だよ!」


陽奈「百歩譲っても、ひな達ほど貧乏じゃないよ!」

陽奈「…あっ!いつみちゃんがこの調子って事は、まさか紗々ちゃんを成金とかにしてないよね!?」


あから「してないよ!」


陽奈「よーし、じゃあ検証しないと!」タップ


紗々〈は~い、案内しますよ~


陽奈「車、自転車…ときたら、次は電車かなーっと」タップ


カーナビ[このナビは対応していません]


陽奈「ん?あれっ?」


あから「あっ、紗々ナビは電車・自転車は非対応なんだよね」


あから「どうしても桃川君がそれらに乗ってるイメージが出なくってさ」


陽奈「えぇ…」


陽奈「まぁ、確かに電車とか乗ったことなさそうだけど…」


陽奈「じゃあ徒歩で行こっかな」タップ


紗々〈は~い


紗々〈目的地までは歩いて15分ほどですね~

紗々〈ではタクシーをお呼びしますね~


陽奈「いやいやいや!?」


陽奈「徒歩って言ってんじゃん!」


陽奈「なんで最初からタクシー使わせようとするの!?」


陽奈「てか、ナビしようよ!」


あから「デモモードだと特に何も起きないけど、実際に使った際にはカーナビのGPS座標にタクシーが来るようにしてあるよ!」


陽奈「もうナビですらないじゃん!」


あから「でもどこにいても瞬時にタクシーを呼べるっていうのは便利だと思うんだ」


あから「特にお年寄りとかさ」


陽奈「あー、確かにお年寄りだとタクシー止めたりとか、タクシー会社に連絡するのも大変そうだもんね」

陽奈「そう考えると紗々ナビを立ち上げて目的地を設定するだけで、タクシーを呼んでくれるっていうのは良いかもね」


あから「まあボク達が使う事は無いだろうけどね」


陽奈「降神家の交通手段は電車かバスのみだからね」


あから「先生が学生証とか諸々と一緒に用意してくれ定期券のおかげでね」


陽奈「最近は冷房代ケチる為に暇さえあれば電車で涼んでるもんね」


あから「休日とかずーっと山手線グルグル回ってたりするとか隊長君には言えないなぁ」


陽奈「言ったら普通に怒られると思うよ」


陽奈「エテルノ行けってさ」

陽奈「じゃあプディングの最後は…遥ちゃんだね!」


陽奈「もう今までの感じで大体分かったけど、多分徒歩専用とかっしょ?」


あから「うん、実はそうなんだ」


陽奈「まー、でも最近ウォーキングとかジョギングとか流行ってるし、需要はあるんじゃない?」


あから「そういうブームには積極的に乗っかって行かないとね」


あから「まぁ、とりあえず一回使ってみてよ」


陽奈「ほーい」タップ


遥〈よ・ろ・し・く・イェイ!(大音量)


陽奈「うるさっ!」

あから「遥ナビだけ他より1.5倍音量を大きく設定してるんだ!」


陽奈「いや、確かに遥ちゃん、ちょっと声大きいけどさ!」


陽奈「なんで元から大きいのにさらに増したの!?」


あから「まぁ、聞き取りやすいからいいかなって思ってさ」


あから「特にお年寄りとか」


陽奈「何でもかんでもお年寄りって言えば許させると思ったら大間違いだからね?」


遥〈案内を開始するよっ!


遥〈よーし!じゃあ張り切って行こー!


遥〈さぁ!いっちに!さんしっ!


遥〈プロキオン・プディングは最強だぁ~!♪


陽奈「ホント騒がしいなぁ!」


あから「遥ナビはナビ中に声をかけて励ましてくれるよ!」

陽奈「これが案内中ずっと!?」


陽奈「これイヤホンで使ったら鼓膜破れたりしない!?」


遥〈ショコラーデ・ミラには負けないぞ~!♪


陽奈「さすがに耳が痛くなってきたからちょっと飛ばすよ?」タップ


あから「そうしてもらえると助かる」


遥〈…さぁ!あとちょっとだよっ!


遥〈よーし!残り100m!


遥〈最後は全力で走ってみよー!


陽奈「やだよ!」


陽奈「何で最後に走らせんの!?」


あから「最後に全力を出す事でランナーズ・ハイになれるんじゃないかなって思ってさ」


陽奈「最後だけ全力出したってなれるわけないじゃん!」


陽奈「そんな簡単にランナーズ・ハイになれるなら、ひなでもマラソン選手になれるよ!」

遥〈ゴール!お疲れ様っ!


遥〈今度はもっと速く行こうねっ!


カーナビ[案内を終了します]


陽奈「何か最後の最後にディスられた気がするんだけど」


あから「そうかな?」


陽奈「…ま、これでプディングも全部見終わったね」


陽奈「次はベガから行こっかな」


陽奈「…一応聞いておくけど、リョウコちゃんのナビって…」


あから「特に何も無い普通のナビだよ!」


陽奈「やったね!もう一周回って安心するね!」


あから「リョウコナビは本当に普通のナビだから普段使いには最適だね」


陽奈「こういう時は普通ってありがたいね!」


あから「個性あってこその普通だからね!」


陽奈「いやー、普通ばんざーい!」

~同時刻~


[トルテ・チームハウス]


リョウコ「くしゅん!」


悠水「どしたんリョウコちゃん」


リョウコ「いや、何か急にくしゃみが…」


リョウコ「誰か私の事を噂してるのかなぁ…」


悠水「ハッ…!まさか恋の噂とかかい!リョウコちゃん!?」


悠水「どこの馬の骨ともわからんヤツにリョウコちゃんは渡さんぞ!」


悠水「それとも…私に恋しちゃったのかな?」


リョウコ「まず恋の噂はくしゃみ3回だし、悠水お父さんじゃないし、私悠水に恋してないよ!」


悠水「くしゃみ1回は褒められてるんだってね」


リョウコ「知っててボケないでよ!」

陽奈「じゃあリョウコちゃんナビは試す必要なし…っと」


あから「まあね」


陽奈「それじゃあ…次はハヅキさんかな!」


陽奈「ああ見えて割としっかりしてるから大丈夫っしょ!」タップ


ハヅキ〈はいよ


あから「もう前もって言うけど、ハヅキナビも一部を除いて普通のナビなんだよね」


陽奈「その一部がどの程度のものなのかにもよるけど」


あから「まぁ、わかりやすいのは高速道路に入った時だから、とりあえず車で首都高を通るようなルートにしてみてよ」


陽奈「ほーい」タップ


ハヅキ〈へぇ、なかなか良いルートじゃないか


陽奈「カーナビ的にルートに良いとか悪いとかあるの?」


あから「無いと思うよ」


ハヅキ〈…おや?

ハヅキ〈なんだい、アソコにアレが挿ってないじゃないか


ハヅキ〈このままだと奥までイケないからなんとかしておくれよ


陽奈「なんかいやらしい事、言い始めたんですけど!?」


陽奈「何これ!?セクハラ!?」


あから「セクハラとは心外だな」


陽奈「セクハラ以外のなにものでもないよ!」


陽奈「むしろセクハラじゃなかったらなんなの!?」


あから「今の案内は“ETCカードが挿入されていません”だよ!」


陽奈「原形が無さ過ぎるよ!」


陽奈「でも知った上で考えると何となくわかるのがムカつく!」


あから「いやー、ボクも悩んだ、悩んだんだよ陽奈」


陽奈「えっ?何を?」

あから「不知火君ってたまに言動がスケベオヤジになるだけで、それ以外は普通に良い人なんだよ」


陽奈「言動がスケベオヤジっていうのは致命的だと思うよ」


あから「だからそれ以外で不知火君らしいナビを考えてみたんだけど、どうしても東雲君とかぶるんだ」


陽奈「2人に失礼だよ!」


陽奈「なにそのハヅキさんからエロ抜いたらリョウコちゃんになって、リョウコちゃんにエロ足したらハヅキさんになるみたいな言いぐさ!」


あから「そういうわけで不本意ではあるんだけど、不知火君らしさを出すにはスケベオヤジにするしかないと思った結果がこれだね!」


陽奈「開き直った!」

あから「まぁ、そういうわけだからハヅキナビはそれっぽい地名とか固有名詞を案内する時にちょっとエッチな言い方になるってナビだよ!」


陽奈「使いづらくてしょうがないんだけど!」


ハヅキ〈おっと、もうすぐサービスエリだね


ハヅキ〈ふふふっ…一体、何をサービスしてくれるエリアなんだろうねぇ


陽奈「思春期の男子中学生かっ!」


ハヅキ〈どうだい?ちょっと寄って休憩していかないかい?


ハヅキ〈ふふふっ…休憩ってなんだか官能的な響きだと思わないかい?


陽奈「思わないよ!」


あから「案内自体はちゃんとしてくれるからリョウコナビに飽きた時にいいかもね」


陽奈「これでは補えないよ!」


陽奈「逆もしかり!」

ハヅキ〈秩父…いやらしい響きだねぇ


陽奈「秩父の人に怒られるよ!」


陽奈「ねぇ、もう次のナビ行っていいよね?てか行くよ?」


陽奈「次は…イミナさんで!」タップ


イミナ〈おう!任せろ!


陽奈「そういえばイミナさんの事って良く知らないなー」


あから「ボクたち姉妹とはチームも学年も属性も違うから接点がないよね」


陽奈「なんか元ヤンなんだっけ?」


あから「元ヤン…では無かったと思うよ…多分」


陽奈「ありゃ、ごめん失礼な事言っちゃったね」

陽奈「うーん…イマイチどんなイメージか分かんないから、とりあえず徒歩で歩き回ってみよっかな」タップ


イミナ〈よし!出発だな!


イミナ〈とりあえず、しばらくは真っ直ぐだ


イミナ〈目的地まではまだまだ距離があるからペース配分に気をつけるんだぞ?


陽奈「思ったより普通…てか親切だね」


あから「ボクも人づてに聞いたんだけど、居吹君って言葉遣いとかは男勝りだけど、かなり女子力が高いらしいんだ」


あから「裁縫も出来るっていうしさ」


陽奈「へぇ、意外だね」


あから「だから気配り出来るタイプなんじゃないかなって、こんな感じのナビにしてみた」


陽奈「そういえばイミナさんの冬服、可愛かったなぁー」

イミナ〈そろそろ右折だな


イミナ〈…おっ


イミナ〈な、なぁ?この近くに美味しいって噂のパンケーキ屋があるんだけどよ…寄ってかないか?


陽奈「なんか急に可愛くなったんだけど!」


あから「そうそう、実は居吹君スイーツ大好きなんだってさ」


陽奈「女子力高いな!」


あから「そういうわけだから案内ルートの近くに人気・話題のスイーツ店があるとこうして案内してくれるんだ!」


陽奈「うわー!これ欲しー!」  


あから「ただ、ちょっと問題があって…」


陽奈「やっぱり?」


イミナ〈おっ!すぐそこに美味しいあんみつを食べられる甘味処があるぞ!

イミナ「あっ!あの角の向こうにあるのは話題のクレープ屋じゃないか!


イミナ〈おっ!少し行ったところに有名なマカロン売ってる店があるぞ!


イミナ〈おいっ!左のデパートの三階に美味しいシフォンケーキが食べられる喫茶店があるぞ!


イミナ〈なあなあ!次の路地に知る人ぞ知るどら焼き屋があるから寄ってこうぜ!


陽奈「ちょちょっ!立て続けにどうしたの!?」


あから「実は都内とかスイーツ店が密集してる地域だと、案内よりスイーツ店紹介の方が多くなっちゃうんだ!」


陽奈「なんで最低限ナビを優先するように作れないかなぁ!」


陽奈「これはこれで食べ歩きに最適だけども!」

あから「どのスイーツを紹介すべきかよく分からなかったから、とりあえず食べ○グで星五つのお店を全部紹介するように設定したら、こうなっちゃったんだよね」


陽奈「食べ物系をネットの評価だけで参考にするのは無茶だって!」


陽奈「絶対、レビュー1人だけで星五つとかあるからさ!」


あから「あまり人の好みをどうこう言っちゃダメだそ!陽奈!」


陽奈「それはごめんね!」


陽奈「でもイミナさんの評判に関わるからサトカちゃんみたいに、せめて本人オススメのにしよ!?」


あから「そうだね、後でそれとなく聞いてみるよ」


陽奈「うん!是非そうして!」

陽奈「えーっと…ベガは後2人分かぁー」


陽奈「そういえばマリさんの事もイミナさんと同じく良く知らないんだよねってワケで…マリさんかなぁ」タップ


マリ〈案内するよ(低音量)ボソッ


陽奈「声ちっちゃ!」


あから「雪代君の雰囲気を再現するために運転中とか電車に乗ってる時でも聞こえるギリッギリの音量にしてみたんだ!」


陽奈「だから最低限ナビとしての機能を守ってよ!」


陽奈「確かにマリさんボソッと喋るけどさ!」


陽奈「こんなんじゃ街中行ったら聞こえないよ!?」


あから「大丈夫!画面上にもテキストは出てるから問題無いよ!」


陽奈「そうなったらただの普通なカーナビと変わんないじゃん!」

マリ〈次、右


マリ〈そう


マリ〈ここから当分、直進


マリ〈気を抜かないで


マリ〈そう


マリ〈この先、左


マリ〈そう


陽奈「ねぇ、口数少な過ぎない?」


あから「あんまり喋るのも雪代君っぽくないからね」


陽奈「いやー、これは流石に無愛想過ぎるって…」


陽奈「確かにマリさん口数少ないけどさ、ここまでじゃないよ?」


あから「まぁ、これはこれで需要はあると思うんだよね」


あから「余計なお喋りはいらない、案内だけしてくれれば良いって人とかさ」


陽奈「そういう人はストライカーナビ買ったりしないよ!」


陽奈「根底がおかしいもん!」

陽奈「てか無愛想なだけで他は普通っぽいけどどうなの?」


あから「正直ね、未だに雪代君のキャラがよくわかんないから余計な要素は付けない事にしたんだ」


陽奈「じゃあいっそのこと全員分とか作んなきゃいいのに!」


あから「36人全員分収録とか言っとかないと売れないじゃないか!!!」


陽奈「なんでちょっとキレてんの!?」


陽奈「むしろ中途半端なナビにした方が売上悪くなると思うよ!?」


あから「うーん…それも一理あるか」


陽奈「そもそもそんなに売上を気にするくらいならナビのデータだけバラ売りしちゃえば?」


あから「それはボクも考えたけどアフターサービスとか面倒だからなぁ」


陽奈「そんななら商売やめちゃいなよ!」

陽奈「この調子だとアコちゃんのナビも語尾に“なのだ”付けとけばいいやとか思ってんじゃ…」


あから「いやいや、高嶺君のナビは結構頑張ったんだよ!」


陽奈「そうなの?じゃあ試してみるけどさ…」タップ


アコ〈ボス~!案内ならアコっちにお任せなのだ!


陽奈「今更だけどボスって呼び方どうなの?」


あから「高嶺君なりの信頼の証なんじゃないかな」


あから「ほら、シャルロッテ君も隊長君の事を伍長って呼んでるしさ」


陽奈「でもタイチョーの事をボスって呼ぶとボス猫の事かと思っちゃうよね」


あから「野良猫のボス的なやつだね」

アコ〈今回は誰を追跡するのだ?


陽奈「…んん?」


陽奈「なんか今、追跡とか聞こえたんだけど」


あから「ああ、アコナビなんだけど…」ゴソゴソ


あから「…この“GPS内蔵うさこっちチャーム”を追跡する為、専用のナビなんだ!」


陽奈「もうナビじゃないじゃん!」


陽奈「てか怖っ!」


あから「そうかな?」


あから「ほら、最近は子供にもGPS付きの携帯電話を持たせたり、ペットにもGPSチップを埋め込んだりするじゃないか」

あから「だから子供やペット…後は障害者とかお年寄りの場所なんかを確認したり出来ると安心できるかなって思って作ったんだけど…」


陽奈「その発想自体は素晴らしいと思うよ」


陽奈「思うけどさぁ…」

陽奈「どう考えても悪用される未来しか見えないんだけど」


あから「いやいや、悪用なんて…」


陽奈「ほら、ストーカーとかさ」


あから「ストーカー…?」


あから「…」


あから「…あっ!」


陽奈「お姉はバカなの?」


あから「いやぁ、ストーカーとは盲点だったよ陽奈!」


陽奈「いや、真っ先に思いつくでしょ!?」


幸子「…こんにちはー…」ガラララッ


あから「じゃあアコナビも作り直し…というより、うさこっちチャームを目立つ様にしないとだね!」


陽奈「もうストライカーナビ自体、販売を見合わせた方が良いって!」


幸子「…あのー…?」

陽奈「もうちょっと良く考えてから作り直そうよ!」


あから「納期が遅れると違約金が…」


陽奈「だったら販売中止しようよ!」


幸子「…すみませーん…」


陽奈「…おおっ!さっちゃん!」


あから「…やぁ!田中君じゃないか!おはよう!」


幸子「あぁ…やっと気づいてもらえました…」


陽奈「どうしたの?」


幸子「いえ…今日は陽奈さんと昼食を食べに行くと聞いていたので…」


陽奈「うん!もちろんそうだけど、何でこんな朝から?」


幸子「もうお昼ですけど…?」


陽奈「えっ」

~昼~


陽奈「マジじゃん!もう昼じゃん!」


陽奈「こんな事してる場合じゃないじゃん!」


あから「こんな事って」


陽奈「ゴメンさっちゃん!直ぐ出掛ける用意してくるから、ちょっち待ってて!」バタバタ


幸子「あっ…お構いなく…」


あから「お待たせして悪いね」


幸子「いえいえ…」


陽奈「…よーし!準備完了!行こっ!さっちゃん!」


あから「速っ」


陽奈「って事だから続きはまた今度ね!」


あから「あっ、どうせ出掛けるならストライカーナビ持ってってまだ試してない18人分の実地テストしてきてよ」


陽奈「えー?もうじゃあちょっとだけだからね!」


陽奈「じゃあ行って来まーす!」ガラララ



幸子「あ、あの、すみません…行ってきます」ガラララッ


あから「行ってらっしゃい!2人とも気をつけるんだぞー!」


to be continue…

陽奈・あからだけでの会話では、どうしてもネタが使えない子が居るので一旦、ここで終了です

今スレで登場しなかった子達のナビは次回のストライカーナビ・実地テスト編で登場予定ですので少々お待ち下さい…

過去SS
ティエラ「メンタル強化特訓期間」などなど

その他の過去SSはTwitterで“SS書きのナツキ”もしくは#スクストSS #ガルパSSを検索でSSまとめサイトへのリンク付きのツイートが出るので、そちらよりどうぞ

では、またそのうちお会いしましょう!

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