ククリ「勇者様、今日からククリナイフで戦うことにしたの!」ニケ「え!?」 (18)

ニケ「よぉし、さらわれた子供たちを助けに森の魔物を倒しに行くぞ!」

ニケ(だけど……きっと手強いだろうなぁ)

ニケ「ククリ、お前の魔法に期待してるからな!」

『勇者は早くも弱気だ!』

ニケ「――ってあれ? いつもの杖は?」

ククリ「勇者様、あたし今日からククリナイフで戦うことにしたの!」ジャキッ

ニケ「え!? なんだ、その武器!? どこで手に入れたんだ!?」

ククリ「実はね、さっき町でこんなことがあったの」

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……

…………

グルカ兵「……」スタスタ

ククリ「あのー、お兄さん」

グルカ兵「?」

ククリ「ハンカチ落としたよ」ニコッ

グルカ兵「おおっ、どうもありがとう! これはとても大切な物なんだ!」

ククリ「よかったー」

グルカ兵「このままでは私の気が済まない。なにか礼をしたいが……」

ククリ「お礼なんて……」

グルカ兵「そういうわけにはいかん。ところで君の名前は?」

ククリ「あたし、ククリ!」

グルカ兵「ククリだと……!?」

グルカ兵「ならば、このナイフをあげよう! 我が故郷に伝わる非常に強力な武器なのだ」

ククリ「ええっ! でもあたし、魔法使いだし……」

グルカ兵「心配無用、このナイフは≪ククリ≫というのだ!」

ククリ「ええ~~~~~!? あたしと同じ名前!?」

『ククリは食いついた!』

ククリ「だけど、あたしナイフを使ったことなんか……」

グルカ兵「心配無用! 今から私が少し手ほどきしてあげよう! 君ならきっと使いこなせる!」

ククリ「じゃあ……お願いします!」

…………

……

ククリ「ってことがあったの」

ニケ「へぇ~」

ニケ「ククリと同じ名前のナイフがあったなんてなぁ……」

ククリ「えへへ~」

ニケ「ま、慣れてない武器なんだから、あまり無茶するなよ!」

ククリ「うんっ!」

森に入っていくニケとククリ。

ニケ「う~んと……」キョロキョロ

ニケ「ここらに魔物がいるはずだけど……」キョロキョロ

ククリ「あ、勇者様、あそこっ!」





ボス「ガッハッハッハッハ……!」

ボス「来たな勇者ども! ガキどもを返してほしくば、我らを倒すことだな!」

カセギ「お前らはここで終わりッシュ!」

タテジワネズミ「わざわざ敵地にやってくるとは笑止! 今の貴様らはまさに飛んで火に入る夏の虫……」

クロコ「オレの怖さを思い知らせてやる!」

『モンスターがあらわれた!』



ニケ「モンスターはボス含めて全部で四匹か……」

ニケ(いくらなんでも武器を新しくしたばかりのククリを戦わせるわけにはいかんよな)

ニケ「よぉし、ここがオレが――」

ククリ「あたしに任せて、勇者様!」

ニケ「え?」

ククリ「いくよぉっ!」タタタッ

ニケ「ク、ククリッ!」

カセギ「来たッシュねえ! 一撃で倒してやるッシュ!」

ククリ(あの人の教えを思い出して……)タタタッ

グルカ兵『君にあげたククリは特別製で、持ち主の魔力に呼応して切れ味が鋭くなるのだ!』

ククリ「えーいっ!」

『ククリの攻撃!』

ドシュッ!!!

カセギ「ッシュ……!?」グチャッ…

『モンスターは頭蓋骨を砕かれ、脳みそがどろりと飛び出した!』

ドチャッ…



ニケ「なにいいいいい!?」

ククリ「次はあなたよ!」

タテジワネズミ「え!? ぎょ、御意!」

タテジワネズミ「よくも我ら“魔界四天王”の一角、カセギを倒してくれたな。かくなる上は……」

クロコ「いつからオレたち魔界四天王になったんです?」

ボス「さぁ……」

ククリ「でやぁぁぁっ!」

タテジワネズミ「あ、まだセリフ言い終わってな――」

ザンッ!!!

『モンスターの首が切断され、残された胴体からは鮮血が噴水のようにまき散らされた!』

ブシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ… ビチャビチャッ…



ニケ「うわぁぁぁ……」

ニケ「ククリ、返り血まみれだけど大丈夫なのか!?」

ククリ「うん! このナイフを持ってると、なんだか勇気が湧いてくるの!」

ニケ(果たしてそれは勇気なのだろうか……)

ククリ「さぁ、三匹目!」

クロコ「くっ、くそぉぉぉぉぉっ!」

ズバンッ!!!

『モンスターは体の中心から真っ二つにされ、おぞましい叫び声を上げながら消滅した!』

ククリ「あとはボス一人!」

ボス「!?」ビクッ

ククリ「覚悟!」

ボス「あ、あの……せめて魔法で倒していただけないでしょうか! トカゲのしっぽあたりで――」

ククリ「えぇーいっ!」ダッ

ボス「あ、やっぱりダメですか!」

ザンッ!

ザシュッ! ドシュッ! ガシュッ! グシャッ! グチャッ!

ドチャッ…

『ボスは全身を切り刻まれ、ミンチになった!』

『モンスターの群れを倒した!』



ニケ「う、うげぇ……」オエッ

ククリ「みんな、モンスターは倒したよ!」ニコッ

子供A「ひいいい……!」

子供B「あっ、あっ、あっ」ガチガチ…

子供C「あううう……!」

ククリ「可哀想に……こんな震えて……よっぽど怖かったのね」

ニケ(多分、モンスターが怖くて震えてるんじゃないと思う)

ククリ「勇者様!」

ニケ「は、はいっ!」

ククリ「今日からあたし、バンバンモンスターを切り刻むからね!」

ニケ「お、おう! 頑張れよ!」



ギップル「これからの戦いは血なまぐさくなりそうですねえ」

ニケ「今日からタイトルは≪魔法陣グルグル≫から≪魔法刃グログロ≫に変更だな……」








―おわり―

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