男「オレを大金持ちにしろーっ！」

神龍「不可能だ」

男「は？」

男「不可能ってどういうこと？」

神龍「お前の願いは神の力を超えている」

神龍「そういう願いを叶えることはできないのだ」

男「ええぇ……？　……さっきはどんな願いでもっていったのに」

神龍「できないものはできない。他の願いをいえ」

男「……分かったよ」

男「じゃあ、収入がいい仕事につかせてくれ！」

男「いきなり金をバーッと出すのは無理でも、これならできるだろ！？」

神龍「不可能だ」

男「なぬ！？」

神龍「他の願いをいえ」

男「これもダメなのか！？」

神龍「ダメなのだ」

男「マジかよ……」

男「なら美女だ！　とびっきり可愛い女の子を出してくれ！　俺の彼女にする！」

神龍「それも不可能だ」

男「これもダメなのかよ！」

神龍「ああ、神の力をはるかに超えている」

男「くそっ……使えねえな」ﾁｯ

神龍「舌打ちするな」

男「うるせえ！」

男「う～ん、だったらそうだ！　健康だ！　俺を健康にして、不老長寿にしてくれ！」

男「ドラゴンボール集めでだいぶ無理して、体のあちこちにガタがきてるからな」

神龍「お前の体を健康にする……不可能だな」

男「どうして！？」

神龍「神の力を超えているからだ」

男「ならせめて水虫を治してくれ」

神龍「不可能だ」

男「ゲーム出してくれ！　なんか面白いやつ！　チョイスは任せるし、これくらいできるだろ！」

神龍「不可能だ。他の願いをいえ」

男「ゲームも出せねえのかよ！　出してくれよ！」

神龍「他の願いをいえ」

男「分かった……分かったよ！」

男「頭をよくしてくれ！」

神龍「不可能だ」

男「字をキレイに書けるようにしてくれ！」

神龍「その願いを叶えることはできない」

男「おいしい料理を出してくれ！」

神龍「神の力を超えている」

男「世界中からゴキブリを消してくれ！」

神龍「他の願いにしろ」

男「明日の天気教えて！」

神龍「無理」

男「ギャルのパンティおくれ！」

神龍「できません」

男「なにを願っても、不可能だの、無理だの、神の力を超えてるだの……」

男「お前なんにもできねえんじゃねえか！」

神龍「その通りだ。私はなにもできない」

男「は！？」

男「なにいきなり開き直ってんだよ！」

神龍「おれは剣術を使えねェんだコノヤロー！！！」

神龍「航海術も持ってねェし！　料理も作れねェし！　ウソもつけねェ！」

ウソップ「おい」ﾋﾞｼｯ

神龍「おれはなんの願いも叶えられねェ自信がある！！！」

男「シャハハハハハ……てめェのフガイなさを全面肯定とは歯切れのいい龍だ！」

男「てめェみたいな無能な龍を呼び出しちまった俺は迷惑しまくってるぜ」

男「なぜ俺は必死にてめェを呼び出したんだかなァ……」

男「そんなプライドもクソもねェてめェが神の龍の器か！？」

男「てめェに一体何ができる！！！」

神龍「お前に勝てる」





どん！！！