【ヤマノススメ】ほのか「花畑と妖精さん」 (70)
・ヤマノススメ
・百合要素あり
・エロエロかと思ったらガッカリなのです
・アウトドア知識とかありません、間違いだらけはご容赦を
§ season 1 - 山の妖精さん / From ほのか
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1合目 LINEミーティング ”富士山リベンジ”
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ひなた「ま、リベンジはあおいだけなんだけどね」
あおい「うっさい!早くはじめなさいよ」
ひなた「富士山の前に1度手近な山でウォーミングアップしようぜ」
あおい「ひなたにしてはいいアイデアじゃない」
ひなた「一言余計だよ!そんでさ、どこかいいところない?」
あおい「丸投げ!」
ここな「ウノタワなんてどうでしょうか。私が行ってみたいだけですけど」
ひなた「あおいと一度行ったよね」
ここな「えっ、もう行ってたんですか」
あおい「うん、でもまた行きたい。ひなたは?」
ひなた「いいよー。ほのかちゃんは?」
ほのか「ここだったら私も行きたい」
ひなた「そんじゃウノタワ、大持山と経由して武川岳までいこう」
あおい「それ結構時間かかるんじゃないかなあ」
ひなた「お、あおい自信ない?」
あおい「違うわよ」
ここな「私達はいいですけどほのかさんは大丈夫でしょうか」
ひなた「そっか。ほのかちゃんのところから日帰りじゃきついかも」
ほのか「大丈夫、5時起きでそっちに向かうから」
ひなた「いやいや、今回は別にそんな無理しなくてもいいから、もっと短いルートに変更しよう」
あおい「ひなたまって!ねえほのかちゃん。もし良かったら前日にうちに泊まりに来ない?そしたら朝ゆっくりできると思う」
ひなた「おおっ、あおいにしては名案」
あおい「一言余計!」
ほのか「うん、それはすごく助かる。でもいいのかな」
ひなた「もちろん!」
あおい「なんでひなたが答えるの!」
ここな「まあまあ」
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2合目 あおいちゃんの応援
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金曜日。学校から帰ってすぐにあおいちゃんの家に向かった。
飯能駅に着いたのは午後7時頃。
「いらっしゃーい!」
「お世話になります」
ご両親も揃って出迎えてくれて、とても緊張する。
それからあおいちゃんの後をついていって部屋に入れてもらった。
広い部屋の真ん中に置かれた小さなテーブルの上にティーカップと見覚えのあるクッキーが並べられていた。
「ほのかちゃんがうちに来るって言ったら、店長さんとひかりさんがこの紅茶とクッキーを持たせてくれて」
「ああ、見覚えがあると思った」
「ほのかちゃんモテモテだねえ」
「あ、ええと……」
「……ごめんね、一緒に行けなくなっちゃって」
「それは……残念だけど仕方ない……勉強がんばって」
あおいちゃん、せっかく企画してくれたのに実力テストで散々だったらしく、期末テスト対策のため補習を受けることになり、そのうえひなたちゃんまで付き添うと言い出して、再度話し合った結果私とここなちゃんの2人だけで行くことになった。
「明日は2人でいくんだよね」
「うん。でもここなちゃんはしっかりしてるから特に不安はないかな」
「じゃなくて、告白するの?」
私はまるで漫画のように、あやうく飲みかけの紅茶を吹き出しそうになった。
「んなっ……?」
「ってひなたが言ってたんだけど何を告白するっていうのかな」
「さ、さあ……」
「ひなたってさ、ときどきわけがわからないこというから困るよね」
「あはは……そうだね」
「ただ一つ言えるのは」
「うん」
「どんな告白だろうと、ここなちゃんはほのかちゃんの気持ちを受け止めてくれるはず!ほのかちゃんファイト!」
あおいちゃん……意味、わかってるんだよね?
「じゃなくて、違う……ここなちゃんとはそういうのじゃないから」
「えっ、そうなの?……あっもうこんな時間。早く寝て明日に備えなきゃ」
「うん、おやすみなさい」
ここなちゃんのことは確かに好きだけど、それはあくまでも友達として。
告白するとか……ありえない。
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3合目 白岩登山口
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「ほのかさん、あおいさん、おはようございます」
翌朝、制服を来たあおいちゃんに飯能駅まで送ってもらい、ここなちゃん達と合流した。
「おはよー、ここなちゃん、私のぶんも楽しんできてね」
「はい!あとでたっぷり写真送りますね」
「あれ、ひなたも一緒?」
「あおいを迎えにきたのよ。補習さぼって一緒に山に行きたーい!って言いだすんじゃないかと心配で心配で」
「そんなことしないわよ!」
やれやれ、とばかり頃合いを見てここなちゃんが二人に割って入った。
きっとここなちゃんには誰もかなわない。
「それでは行ってきます」
「あ、うん。気をつけて」
……
長く続いてゆく林道を、こうして二人で並んで歩くと、なんだか胸がくすぐったくなるような、妙な気持ちになる。
あおいちゃんが変なこというから……だと思う。
「ほのかさん」
「うん」
「もしかして疲れちゃってます?少し休んでからでも」
「ううん、大丈夫。ちょっと考え事してた」
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4合目 道に迷ったら
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「ほのかさん……大変です」
「どうしたの?」
「道を間違えているかもしれません」
「あ……」
言われてみれば、すでに通過しているはずの分岐点が見当たらず、道の先はゆるやかな下りに向かっている。
「どこかで下山道に入っちゃったのかな」
「わかりません。一度引き返しましょう」
「そうだね」
まだ来た道すらわからなくなっているほど深刻な状況にはないと思っていた私達は、特段深く考えず引き返すことにした。
「ごめんなさい、私先導していたのに全然分かれ道に気づかなくて」
「いや……私も見てたつもりだったけど気づかなかった」
そんな苦境に追い打ちをかけるように小雨が降りだす。
間もなく滝のような土砂降りとなり、土道はところどころ泥沼になりかけている。
目の前は水のカーテンに阻まれて5メートル先も見えなくなった。
こんなときは闇雲に動かず視界が戻るまで待つのがセオリー。
とはいえ。今日は本格的な雨対策をしていない。
こんな日に、いつ止むかもわからない雨を耐え忍ぶのはあまりに辛すぎる。
雨に打たれ泥にまみれながらも慎重に歩を進めていると不幸中の幸い、雨除けになりそうな小屋を見つけて飛び込んだ。
「助かりました~」
「休憩所みたいだけど、なんだかまともに使われてる形跡がない」
「やっぱり、登山道からは外れてるみたいですね」
崩れかけた床の上には木の板と塗料が片隅に並べられていた。
ここで看板でも作っていたのだろうか。
何か所も雨漏りしているし、小さな窓はガラスが入っていないため当然そこからも雨が入り込んでくる。
それでも屋根があるかないかの違いは大きい。
「もう雨は弱まってるけど、少し休んでいこうか」
「そうですね~」
泥まみれのレインコートを脱ぐと上着まで泥まみれになっていることに気付く。
上着をはたいて泥を落としていると、ここなちゃんはインナーシャツまで脱ぎ始めた。
気持ちはわかるけど、私にはちょっと無理……
「ほのかさんは着替えないんですか?」
「いや、私は大丈夫……」
意識しすぎとはわかってるけど、今日に限ってはここなちゃんの下着姿さえもまともに見ることができずにうつむいてしまった。
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5合目 フレームを作る
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どうにも目のやり場に困った私は「外はいい景色だなあ」なんてわざとらしくつぶやき指でフレームを作り、小屋の外に向けて撮影ポイントを探す。
幸いにして、本当に窓からの眺望はなかなかのものだった。高原が広がり白い花がずらりと咲き並ぶ畑が見える。
このままここなちゃんが着替え終わるまで鑑賞しよう。
「もう少し待っててくださいね」
「うん」
「下着は替えがあるけどズボンはさすがにないんですよねー。しっかりきれいにしないと」
……?
何か不穏な発言を聞いたような気がしてここなちゃんのほうを見ると、下着まで脱ぎ捨てて着替えようとしていた。
「わあっ?何してるのここなちゃん。はやく服着て」
「大丈夫ですよー」
ここなちゃんは私の心配をよそに、素っ裸のままのんきにズボンの泥なんか落としている。
一体いつ誰が来るかもわからないというのに、大胆不敵すぎてこちらがハラハラする。
だけど、しばらく見とれているうちに好奇心が勝ってきて、フレームを作り直してここなちゃんに合わせる。
ここなちゃんはすぐに反応して持っていたズボンで胸を隠した。
「きゃっ!」
「あ……ごめん」
「いきなりびっくりしたじゃないですか~。撮るなら言ってくださいね」
「いや、撮るつもりはない……」
いくらなんでも裸のここなちゃんを本当に撮るつもりなんてなかったのだけど……
「え……撮っていいの?」
「ほのかさんならいいですよー」
聞いておいてなんだけど、やっぱり早く服を着てほしい。
そう思いながらも、目の前の誘惑には勝てずにカメラを手にするのだった。
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6合目 永久保存版ここなちゃん
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ファインダーが映し出す裸体の少女。
なぜか肉眼で見るよりも生々しく、心を強く揺さぶってくる。
初めて見たのは二人で伊香保温泉に入浴したときだった。
いくら可愛いとはいっても女の子同士だし、そのときは特に思うところもなかったけど、まるで身体を隠そうともしないことには少し驚いたのを覚えている。今からすれば些細なことだけど。
「なんだか、緊張しますね~」
「私も……」
カメラを持つ手の震えが止まらない。多少ブレるかもしれないが構わずシャッターを切る。
乾いた電子音が小屋に響き渡り、私の心臓は強く跳ねた。
ここまで”撮影する”という動作自体に意識が行き過ぎてつい忘れていたけど、これってここなちゃんの身体をいつでも好きなときに見ることができるということでもあるわけで……途端に身震いがした。
「撮れました?」
「あの……できれば外をバックに撮りたいけど……いい?」
「いいですよー」
ここなちゃんはゆっくりと横に移動して窓を背にした。
私の心臓はピッチを上げ続けている。
早く服を着てくれないと困るとは思ってはいるのだけど、頭の中では何枚撮れるか、という心配でいっぱいになっている。
「ちょっとドキドキしちゃいますねー……どうですか?」
「待って、もう少し……」
問題は構図の難しさだ。
こうしてみると花畑が占める面積はかなり小さく、ここなちゃんを主にするとまったく背景が目立たない。
ファインダーを見ながら調整を繰り返す。
「あの花畑のそばで撮れたらいいんだけど」
「くぇっ!?」
思わずつぶやいた一言に、ここなちゃんが珍しく変な声をあげた。
「あんなところで裸になるのはさすがにちょっと……ははぁ、さてはほのかさんって撮影にかこつけて露出プレイしようと目論んでたんですね~」
「いや、そうじゃなくて構図として良いと思っただけ……って、そういうことする人いるんだ……」
「恋人を裸にして外に連れ出したりするそうですね。そうですかほのかさんも……」
「連れ出すって……いや、ちょっと待って。ここなちゃんにそんなことさせる気はないから」
「でもほのかさんとは恋人じゃないからできないです。残念ですけど」
「恋人にはなりたい」
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7合目 秘密
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ふとついて出た自分の言葉に、一瞬遅れて全身から冷や汗が流れ落ちる。
さすがにここなちゃんも服を胸の前で握りしめてゆっくりと後ずさりしている。
「わぁ…そこまでして連れ出したいなんて……どうしよう、ほのかさんがこんな人だったとは思いませんでした」
だから連れ出したいわけじゃないのだけど、どうやって説明したらいいのか……
「違う。誤解。撮影とか関係なく、ここなちゃんのことが好き……」
「ええ……本当に?」
私はただ頷いた。
「わかりました……それじゃ、キスしてください。本当に私のこと好きならできますよね」
「うん……」
手を握ると、彼女は少し体を竦めて私を見つめていた。
キス……はじめてだけど、ちゃんとできるかな……
そんな不安もあったものの、気づけば自然と唇を重ねていた。
本当に、これでわかってくれるのか、不安だらけだけど、もうここまできたらなるようにしかならないと気づいた。
そっと唇を離す。
現実感のない感触だったような、案外なんでもないような、そんななんともいえない感情と感覚が入り混じる。
キスのあと彼女は軽く頭を下げた。
「ごめんなさい。実はほのかさんの気持ちにはもう気づいてました。ついからかっちゃいました」
「ひどい……って……今キスしたのも……?」
「うふふ。私だって、好きでもない人にあんなこといいませんよ」
「……え?」
「私もほのかさんのこと好きですよ。本当におつきあいしてくれますか?」
「うん……ここなちゃん、あらためてよろしく」
「それじゃおわびに、ほのかさんの大好きな露出プレイしましょうか」
「別に大好きなわけじゃ……まあいいか」
本来ならこんな危険な行為は止めるべきなのだろうけど、存外に私の理性はもろいものだった。
ここなちゃんの手をつないで、急かされるようにしながら外に出る。
私はまるでいたずらをする子供のように、心の片隅に不安を抱えおびえていた。
一方で、こんなに開けた場所で何ひとつ身体を隠せるものもないここなちゃんといえば、不安なんて微塵にも感じさせない笑顔で両手を天にかかげ伸びをしている。
なんであんなに堂々としていられるんだろう。
「それじゃ……撮るけど、いい?」
「はい!」
ここなちゃんには花畑の前に立ってもらい、少し離れて片膝を立てて座りカメラを構えた。
それはまるで咲き乱れる白い花にはしゃぐ妖精のよう。
私は段々と周囲を気にすることもなくなり夢中になってシャッターを切り続けた。
「さっそく二人だけの秘密できちゃいました」
「うん……」
ここなちゃんとの秘密。それだけでなんだかワクワクしてきた。
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8合目 ウノタワ
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「こっちが登山道だったんですね」
「どこで間違えたんだろう」
視界さえ効けばこちらのもの。小屋を出てすぐに本来の登山道に復帰して、最初の目的地・ウノタワにたどり着いた。
すっかり体力と時間を消耗した私たちは、ここでしばらく休憩して横倉林道から下山することにした。
「ここがウノタワ……」
「やっぱり写真で見るのとは大違いですね~」
この一帯は元々は沼だったところで、ここで山の神様の化身の鵜を猟師が誤って撃ち殺した為に沼ごと消滅してしまった……という伝説がある。
現在、ここだけぽっかりと木が生えておらず代わりに苔に覆われている。
「ここなちゃん、あっちのほうで撮らせてもらっていいかな」
「いいですよー」
何枚か撮り続けたあとここなちゃんが駆け寄ってきた。
「やっぱりほのかさんの趣味からして裸になったほうがいいですかねー」
「だから、そうじゃないって……」
と言ったものの、内心はだんだん否定できなくなっている。
もちろん本当に撮る気はないけど、脳裏ではすでに緑の絨毯の上で微睡む裸のここなちゃんの絵ができあがっている。
そんな邪心も彼女にはお見通しなのだろうか。
「あれ?違うんですか」
「そういう趣味はないし、だいたいここは普通に登山客が来るから無理」
「ほのかさん的に見られるのはだめなんですね。よかった。本当にここで脱げって言われたらどうしようかとおもっちゃいました」
だったらなんで焚き付けてくるんだろう?
「もちろんそんなこと言わない。ここなちゃんの裸は誰にも見せたくない」
それを聞いた彼女は私の背中をぽこぽこと叩く。
「うふふ。だからほのかさん大好きです」
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9合目 横倉林道・名郷・飯能駅前
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「しかし……ここなちゃんがこんなに脱ぎたがりとは知らなかった」
下山しながらのんびり雑談。かなり人通りが少ないから少々きわどい話でも平然とできてしまう。
私も思わず饒舌になる。少なくとも、普段よりは。
「前々から、山頂とか見晴らしのいいところで裸になったら気持ちよさそうって思ってたんです」
「うん……まあ、それはわかるかも」
「だけど、私恥ずかしがりやさんじゃないですかー。一人ではこんなこととてもできませんから、ほのかさんみたいに理解してくれる人と一緒に楽しめてよかったです」
……え?
何か気になる発言がいくつかあったような。
「そうだ、こんどはほのかさんも一緒に脱ぎましょう。気持ちいいですよ」
「無理……見られたら恥ずかしすぎる……」
「それがいいのに……」
「えっ」
「何でもないです~」
麓近くまで下りてきたところで、そっとここなちゃんを抱き寄せた。
もうすぐ二人きりの時間が終わると思うと急に心細くなって、泣き出してしまった。
年上なのにみっともない、そう自分に言い聞かせたけど、あふれだす感情を止めることができない。
「ほのかさん?」
「ごめん、少しだけこうしていたい」
「意外と甘えん坊さんですね~」
「うん……自分でもびっくりした」
「こんなに想ってもらえて幸せです。また、いつだって会いに来てください。そうだ、私も遊びに行っていいですか?」
「もちろん……ありがとう。もう大丈夫」
それから私達は何度もキスをした。
最後はバス停に並ぶ人の列の後ろで人目を盗んで。
「見られそうって思うと、なんだかドキドキしますね」
その言葉で、やっと少しここなちゃんを知ることができたような気がした。
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10合目 回想
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飯能駅に着いたのは午後3時過ぎ。
あおいちゃん達に連絡するとちょうど駅の近くにいるということだったので、商店街のカフェで待ち合わせて合流した。
「やっほー、7時間ぶり!」
「なによそれ……ところでほのかちゃん、その様子だと……」
「おーさっそく恋人つなぎなんかしちゃって」
「う……」
恥ずかしいから人前で手をつなぐのは遠慮したかったけど、
「おめでとう、かな?」
「うん……ありがとう」
「ほのかさんったら、とっても情熱的だったんですよ」
「ほうほう」
「裸になった私の身体を見つめながら好きって言ってくれて」
「待って。それ秘密にするって……」
「あっ、ごめんなさい。今の話はなしで」
ここなちゃんがあわてて取り消そうとするけどもう遅い。
ガタッと音がして振り向くと、あおいちゃんとひなたちゃんが立ち上がっていた。
「待ってなになにどういうこと?今すごいこと聞いちゃったんだけど」
「さあさあお姉さん達にどーんと話してみなさい」
あおいちゃん達、目を輝かせてすごい勢いで食いついてきた。
なんだか人格も口調も変わってない?
「それじゃ仕方ないですねえ。全部話しちゃいます」
それからここなちゃんの回想が始まり……
「ほのかさん、着替えてる私を撮影しようとしたんです。私恥ずかしくて思わず体を隠しちゃいました」
「いや待って……撮るつもりはなかった」
こんな調子でウソではないけど聞き手を誤解させるような説明が続き、私はそのたびに釈明するはめになった。
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11合目 限定公開
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「ここなちゃんって大胆……」
あおいちゃん、私も同感。
「あおいも少しは見習いなよ」
「遠慮します……っていうか正直信じられないけど」
「ほのかさん、あの写真あおいさんたちに見せてあげてください」
「え……あれ見せていいの?」
「あおいさん達なら、よく一緒にお風呂に入ってますから裸見られても平気です」
それはちょっと、いやかなり違うような気がするのだけど、ここなちゃんがそういうなら、とカメラをテーブルに置いて画像を見せた。
……本音を言えば見せつけたい気持ちがあったのかもしれない。
「わぁー」
「ここなちゃん可愛い!妖精みたい!」
「うふふ、あんまり見られたら恥ずかしいですよ~」
仮にも野外でのヌード撮影(しかも、なんというか……見えてるものもある)だというのに意外と普通に好評だった。
「いやーそれにしてもこの写真を撮ろうとしたほのかちゃんって」
「ある意味、ほのかちゃんのほうが大胆かも……」
「うん。本当に連れ出しちゃうなんてすごい」
「いや……あの……」
確かに撮りたいと言ったのも実際に連れ出したのも私だけど……なんだろうこの納得できない気持ち。
「私もあおいを裸にして連れまわしたら面白そうって思っちゃったけど、とてもそんなこと言えないなー」
「ちょっ、なんてこと想像してるの?やめてよ!」
「どんな反応するか楽しみじゃん?」
「あ、それわかります」
「もうここなちゃんまで」
「それなら、ひなたさんも、あおいさんと恋人になっちゃえばいいんじゃないですか?」
「おお、その手があったか。ね~あおい~」
「まずひなたと恋人にならないし、なってもそんなことしない……」
「ちぇー」
ひなたちゃん、いつもこんな感じなのか……
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12合目 再会を祈って
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― こんな楽しい時間がいつまでも続いてほしい。
いくらそう願っても時計の針は休むことはなくただ過ぎてゆく。
東飯能駅2番ホーム。
ここなちゃん達に別れをつげる時がきた。
「……わざわざ見送りに来てくれてありがとう」
「こちらこそ来てくれてありがとう」
「ほのかちゃん、またね」
「次は富士山で」
「みんな揃って登頂しましょう」
「うん……ここなちゃん、帰ったら電話していいかな……」
「はい!いつでも待ってます。毎日でもお話したいです」
「見せつけてくれちゃって」
「あおいは私に電話してね」
「なんでよ……」
私はそっとあおいちゃんに耳打ちをする。
「あおいちゃんも、がんばって……」
「え?どういう意味?」
私は何も言わなかった。
あおいちゃんの赤みがかった頬を見て、もうそれ以上の言葉はいらないと思ったから。
~ つづく ~
ひとまずここまで
山の中で裸になって無邪気にはしゃぐここなちゃんを妄想したかった。
全然無邪気なんかじゃなかった。
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13合目 家の中ぐらいなら……
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その日の夜。私は眠れなかった。
露出、やりたいのかな……
でも、やっぱり怖い。こんなこともうやめよう。
……
だけど。
一人でできる安全な露出ならいいよね……
次できそうな課題は『鏡で自分の秘所を見る』か。
結構グロテスクだと聞くから見ないようにしてたけど、いい機会なので鏡の前に座り込んで足を開いてみた。
さらに指で中までよく見えるようにすると……覚悟していたおかげか、案外驚きはなかった。
ひなたのはどうなってるのかな。今度はちゃんと中まで見て触ってやろう。
だんだんと課題はどうでもよくなってきて、鏡そっちのけで撫でまわしていたせいか尿意が一気に高まってくる。
トイレ行ってこよう。
あ、そうか……
……家の中なら、裸で歩いてもいいよね……
警察沙汰にもならないし暴漢もいないんだから。
立ち上がりドアを開けた。
ドアの外をうかがってゆっくりと歩きだす。
冷たい空気が肌に触れてなんだかゾクゾクしてきた。ちょっと気持ちいい。
吾妻峡のときほどじゃないにしても、興奮と緊張が高まる。
だけど、決して心地の良い興奮じゃない。ただ息苦しい。
お父さんとお母さんはもう寝静まってるはずだけど、歩くたびに廊下がきしむ音で起こしたらどうしようって不安になってきた。
もし起きてきたら……見つかったら……どうしよう、すごくドキドキする。
……
幸い、誰に気づかれることもなくトイレに行き、用をすませると小走りで部屋に戻った。
部屋に入るとすぐにベッドに倒れこんだ。
思ったより……疲れた。
私なにやってるんだろう……本当にもうこんなことやめよう。
次の日の夜も、眠れなかった。
今日もトイレに行こう……用事はないけど。
廊下のきしむ音がする。
でも、この物音では起きてこないのがわかってるからか、昨日ほどのドキドキ感はない。
廊下を裸で歩くのは気持ちいい。それで充分なはずなのに、全然物足りない。
一度部屋に戻ってワンピースを着て、トートバッグを肩に引っ掛ける。
それからそっと玄関から外へ。できるだけ音をたてないようにカギをかける。
こんな深夜に一人で歩くなんて、やっぱり怖いなあ。
せめてひなたにつきあってもらって……でも、こんな夜遅くに電話するのはやっぱりためらわれる。
そうじゃない。
本当は、昨日の今日でまた露出したいなんて恥ずかしくて言い出しづらいんだ……
心底から私を心配してくれてるのに、つまらない理由でひなたの気持ちを台無しにしてしまってる。
私はなんて酷いことをしてるんだろう。わかってるのに、どうして……引き返せないの。
本当に怖くてしかたないのに。
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14合目 飯能河原
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今日の目的地は飯能河原。
橋の下にしゃがみこんで隠れた。
こんな自然豊かなところで裸になれたら、きっと気持ちいいはず。
よ、よしっ、やろう……
早くすませたい気持ちが強いのか、案外あっさりとワンピースを脱いでしまった。
うわー、誰かに見られたら大変。
でももうここまで来て引き返せない。
はやく下着も脱いじゃおう。
どうしよう。意外とあっさり裸になっちゃったよ。少し怖いけど、案外平気だったりもする。
……
ひなたも言ってたけど、やることがないと間がもたないなあ。
うーん、やることかぁー。散歩とか?
脱いだ服を抱えて歩き出した。
うーん。なんかいまいち。
これじゃ自然に触れることもできず見られたらまずいだけの格好になってしまってる。
服は置いていこう。石を乗せて風で飛ばされないようにして……
バッグも手放したいけど万一のことを考えるとさすがにそれはできない。
でもこれで思い切り手足を伸ばせる。
これだ!自然の風が気持ちいい!
少しはここなちゃんみたいになれたかな。
気分よく歩いていたら、服を置いた場所から結構離れちゃった。
またも不安が忍び寄る。
なのにドキドキしてきて……すぐに服着れないと思うと……見つかりそうで……興奮してくる。
まあ、でも私はそういうことを楽しみたいわけじゃないんだから、これ以上は……
だけどもうすこしだけ……
階段をかけあがり、橋のたもとにたどりついた。
やばい、ここ車道から丸見え。
体に力入らなくて、少しでも目立たないようにと四つん這いになってその場を逃れようとする。
もし後ろから見られたら……絶対見られたくないなあ。あ、でも顔見られないだけいいかな……
うぐ、なんだか段違いの緊張感がいきなり押し寄せてきて吐きそう。
なんとか立ちあがって、ただただひたすら、割岩橋を駆け抜ける。
お願い、今だけ誰も来ないで!
はー、はー
なんとか渡り切った。
あとは下に降りて元の場所に戻ろう、と思ってたんだけど……
川に足をつける一歩手前になってようやく気付く。
こんな暗闇の中で水に入れるわけない。
足元が全然見えないもの。怖すぎる。
そうだ、懐中電灯がある……ってこんなのつけたら目立ちすぎる、これも無理。
うー、しょうがない。来た道を戻ろう。
……怖い。
裸で道路に出ていくなんて……しかも逃げも隠れもできない橋を渡るなんて……無理……
さっき、すぐに階段を下りていればよかったのに、なんでそうしなかったんだろう。
なんで私の体はこんなに危ないことをしたがるんだろう。
やっぱり川を渡るしか……でも、これ足滑らせたら終わりよね……川で全裸の女子高生が溺死体で発見される―なんて死んでもいやだなあ。死んでるけど。
「最後の手段!」
私はスマートフォンを取り出し電話をかけた。
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15合目 エマージェンシーコール (ひなた視点)
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「ん?うーん……電話?……あおい!?」
ベッドから手を伸ばして、安眠妨害してくるスマートフォンをつかんだ。こんな時間に電話してくるなんて心当たりは一つしかない。
ひなた「ちょっとあおいー、こんな時間に何よ」
あおい「ひなたぁ助けてー!」
ひなた「どうしたの」
あおい「何も聞かずに服持って飯能河原まで来て」
ひなた「はぁ……すぐ行くから待ってなさい」
一人で露出プレイして、何かあったというのは容易に想像できる。
飯能河原ってことは風で服を飛ばされたとか……だったらまだいいけど、ヤンキーにからまれてとか……あー、まあ自業自得よね。私の助言も聞かないで勝手なことしてさ。
「お父さん!起きてる?」
「お、おお、なんだ」
「詳しいことは言えないけど友達が大変なの、すぐ車出して!」
「何と……よし、わかった」
ただごとじゃない雰囲気を察知したのか、お父さんはすぐに対応してくれた。
さあ、私も準備しなきゃ。
「ひなた、ここでいいのか?」
「うん、ありがとうお父さん。ここで待ってて!」
「おい待て、こんなところで一人じゃ危ないぞ」
お父さんが引き留めるのも聞かず、橋の上から懐中電灯で河原を照らしてみる。あおいの姿が目立つと困るから素早く手元を動かしながら。
あ、いたいた。一瞬だけどバッグを抱えてうずくまってるあおいの姿がはっきりと確認できた。
そのとき背後に人の気配が……
「あおいちゃんじゃないか……なんてひどい……」
「!? お父さんなんでここに」
「なんでってお前。こんな時間に娘を一人にさせておけるか」
お父さんに見つかるとは面倒なことになったなぁ。しかも何か勘違いしてるみたい……これなんて説明しよう。
とりあえずあおいに服を着せて家に連れて帰って二人きりにさせてもらうことにした。
「あおい。私言ったよね。絶対に一人でしちゃだめだって」
「ごめん……私どうしても自分の部屋だけじゃ我慢できなくなってきて、でもひなたに言えなくて。あんなに心配してくれたのに……」
すっかりしょげちゃったあおい。可愛いなあ。
頭でもなでてやりますか。
「ねえあおい……私怒ってるわけじゃないからね。あおいが無事ならそれでいい」
「ひなたぁ……ごめんね、ありがとう……ありがとう……」
「私こそごめんね、あおい。本当はこうなるのも予想できてて、対策も考えてた。でもまさかその日のうちとは思わなかったのよ。とにかくこれは誘った私の責任。明日からは一人でしなくていいようにしっかり調教してあげる」
「調教……えええっ!?」
それにしても、よくあんな無茶するなー……勢いって怖い。
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16合目 学校で
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「あおいー、トイレ行こう」
「えっ、私いまはべつに……」
「いいから」
昼休み。ひなたのいつもの押しで教室から連れ出された。
昨日のこともあってひなたには逆らえない私はそのまま引きずられていく……
「あれ?トイレってここじゃ」
「いいからついてきなさいって」
普段使っているトイレを通り過ぎ、階段を下りてゆく。
あ、ここは……
「覚えてる?あおいに告白した場所」
「覚えてるよ、3日前のことぐらい」
「もっと素敵な思い出にしようよ」
「ひなた……」
「いいよね」
「うん……」
制服のうえから軽く触られたり、顔中にキスされたりして、そのうちパンツの上から指で撫でてきた。
露出調教するっていうから覚悟してきたけど、さすがにここで脱がせたりはしないみたい。
……別にがっかりしてるわけじゃないわよ。
制服着たままでも外でこういうことをされると恥ずかしくて、やっぱりドキドキしてくる。
そういえば、外でというよりも、そもそも屋内でしたことがないような……
野外露出もいいけど、もっと普通の恋人らしいこともしたいなあ。
「あのね、ひなた……普通に、こういうことしたいな……」
「え、普通って……」
「ベッドでするとかあるでしょ」
「あー……そーだねー。じゃ今日の帰りうち来なよ」
「……あ、ごめん今日バイトだった」
「ん、わかった。じゃあ次の機会にしようぜー」
このとき、ひなたが頭の中で恐ろしいことを考えていたのだけど、私は全く気付かなかった。
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17合目 ひなたの陰謀
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「ねえあおいちゃん」
「はい」
ケーキを並べているとひかりさんが邪魔……じゃない、声をかけてきた。
「あおいちゃん、なんかいい顔してる。最近彼氏できた?」
「い、いえいえ彼氏なんてそんなっ」
「んーじゃあ彼氏じゃなくて彼女~?」
「!?」
「おっ、大正解?」
「いえ……その……」
「えっマジでそうなの?あーあ、あおいちゃんそっちの人かあ。だったら私も狙えばよかった。あおいちゃんかわいいもん」
「怖いこと言わないでください」
「まあ実はさっきひなたちゃんから聞いたんだけどね」
「あいつまた余計なことを」
「まあまあ」
とかいいながらひかりさん、しゃがみこんでる私の後ろからいきなりスカートをめくりあげる。
「きゃあっ!?なな、なにするんですか!」
「露出プレイはまってるって話も聞いたから実は今ノーパンだったりしないのかなーって」
「ひなたああああっ!」
「まあまあ」
「ほんとにこの人たちは……」
「今日は店長さんいないからパンツ脱いじゃっていいよ」
「しません」
「美容にも健康にもよくて、姿勢もよくなるらしいよ」
「しませんって。ひかりさんがすればいいじゃないですか」
「んー、じゃああおいちゃんがするなら私もする」
「本当に……?」
「うん」
一緒にしてくれるなら……いいかも……
ああ、私はノーパンでお仕事ができるという新たな魅力に抗うことができず、結局ひかりさんにまで調教されてしまうのでしょうか……
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18合目 触っちゃった!
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「じゃ更衣室に行ってくるから店番しててね」
「はい」
本当に行っちゃった。
「ただいまー」
「本当に脱いできたんですか?」
「したわよぉー。確かめてみる?」
「えっ」
ひかりさんに腕をつかまれて、スカートの中に引き込まれた。
否応なく指先はひかりさんのアソコを撫でてしまう。
「ね、はいてないでしょ」
「はい」
どうしてこの人はそんな平然と……
「じゃ次はあおいちゃんも脱いできてね」
「……私も触られちゃうんですかぁ……」
「あ、そうかあ。ひなたちゃんに悪いもんね」
「ひなたはともかく私は嫌ですけど」
「スカートめくって見せてくれてもいいよ」
それも嫌だけど今更嫌ともいえず、更衣室でパンツを脱いで戻ってきた。
「はい、パーッとめくって」
「うぅ……」
「わあ、あおいちゃんのオマンコ可愛いー!やっぱりちょっと触ってみても」
「だめです」
そのあとお客さんが来て、何事もなかったように仕事をこなした。
「いやー楽しかったねえあおいちゃん」
「疲れました」
「せっかくなんだからもっと見ていいのよぉー」
「遠慮します」
閉店時間になり、一緒に仕事上がって更衣室で着替えた。
私は真っ先に下着を身につけたけど、ひかりさんはといえば、着てるもの全部脱ぎすてて素っ裸ではしゃいでる。
まさかこの人露出狂……?
今日はここまでー
筋書きでミスって何度も書き直した……
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19合目 露出って楽しい?
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翌朝、私はトイレでひなたを締め上げてやった。
「なんでひかりさんにまで話しちゃうの!もう恥ずかしいったらなかったわよ」
「あおいは私とつきあってるって知られたら恥ずかしいの?」
「それはその……じゃなくて露出のこと!」
「ああ、だってあおいが露出したくなったとき理解者がいてくれれば安心でしょ」
「それを大きなお世話っていうのよー」
「まあ面白いからっていうのが一番の理由」
「ひなたパンツ脱いで」
「え?……いいけど、優しくしてね」
「か、勘違いしないでよね!ひなたにもちょっとだけ私と同じ目にあわせようと思っただけなんだからね!パンツは没収します」
「えっやだ返してっ」
「だめ」
ということがあって今日のひなたは朝からノーパンで授業を受けてる。
休み時間に見に行くと、人が変わったように大人しくなってしずしずと歩くひなたを見てちょっとかわいそうになってきて、昼休みには返してあげた。
放課後は観音寺でひと休みしてひなたといろんな話をした。
富士山のことと、露出の話も……
「ノーパン楽しかったよー。あおいもやればいいのに」
「やだ。っていうかひなた楽しかったの?すっごくテンション低かったけど」
「だってバレたらヤバいじゃん?そりゃ大人しくもなるよ。でも内心ではそのギリギリの感覚が楽しいんだよねー」
「ここなちゃんも、ひなたも楽しそうでいいなあ」
「あおいは楽しくないの?露出」
「うーん。ドキドキするし、もっとしたくなる。でも本当はね、どこか本当に楽しいって思えなくて……」
「うーん、そっかあ……でもさ、やってるうちに……よっと……そういうのわかるんじゃない?」
白象のお堂に寝転んでいたひなたは体を起こして歩き出し、私もそれに続く。
「あおいはさ、ここなちゃんみたいなことしたいわけよね?」
「うん。あんなふうに心から楽しみたい。私は恥ずかしいから無理……」
「慣れ、じゃないかな」
「うーん、慣れかあ。確かに最初に比べれば私も……わっ!?」
「きゃあっ」
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20合目 観音寺恒例行事
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考え事をしていたせいか、突然つんのめってしまい、さらに転んだ拍子にひなたのスカートをずりおろしてしまった。
しかも、ひなたったらいまだにパンツはいてなくて……昼間の路上だというのに前も後ろも丸見え。
あわててスカートを直したけど時すでに遅く、向かいの歩道からは幼稚園児の騒がしい声が聞こえてきた。
「わーぱいぱん!」
「ぱいぱんだー」
「パイパンじゃないよ!」
ひなた、何も言い返さなくたって……
「ひなたごめん!」
「あー、いいよいいよ。さっきの子たちしか見てなかったし結構気持ちよかったし」
「でも……」
「それよりさ、私もあおいのスカートおろしていい?」
「それはだめ……」
「気持ちいいのになあ……あ、そだ。二人きりになれる場所ならいいよね」
「う……まあそれなら……」
「そんじゃスカートを下ろしてドキドキできる服を探しにいこう」
「え、わざわざ……!?」
ひなたに連れられ向かった先は飯能駅のユニクロ。
「さあ入った入った」
試着室に押し込まれて、ひなたも入ってきた。
「よーし脱がせるぞー」
「その手つきやらしいわよ」
ひなたは私のパンツを脱がせてしゃがみこみ、スカートもずりおろした。
普段は制服を脱ぐときにスカートから脱ぐことはあってもパンツまでは脱ぐことはないから、こういう格好は慣れてなくて、なんとも落ち着かない。
私がオロオロしているとひなたが無防備な腰を指先で撫でてくる。
「ひゃっ」
「おっいい反応」
「もうひなたったら」
何も着ていないときよりも強く下半身の露出が意識されて敏感になってしまう。
「スカートをおろすという目的は達成したけど、せっかく来たんだから他の服も試してみよう」
「もう、やるなら早くして……誰も見てないとはわかってても、試着室でいつまでもこんな変な格好してるの恥ずかしい」
「脱げば?」
「うん……って、ちょっと何するの!?」
私が制服を脱ぐと、ひなたは全部バッグに詰めて持ち去ってしまった。
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21合目 きせかえあおいちゃん
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今、私は試着室の中で全裸で置き去りにされている。
ひなたはいつ戻ってくるかわからない。
だんだんと立っているのもつらくなってきたけど、動くわけにいかないから無心になってじっと耐え忍んだ。
それでも、体が興奮してしまうのはどうしても隠せない。せめて床を濡らさないようにしなきゃ……
どれほど待っただろうか、ようやくひなたがカーテンを開けて入ってきた。
「お待たせー」
「遅い!」
「5分ぐらいで大げさな……さー、それじゃ試着しよう」
「これ着るの?」
「そう、下着はなしで」
言われたとおり、裸でシャツだけを身に着け、鏡のほうを向いて立つ。
シャツの丈はなんとか隠すべきところは隠れるほどの長さになっていた。
「ほう……いいねえ。あおいならこれだけ着れば外歩けそう」
「無理だって……ひなたがやればいいじゃん」
「ほら私だと胸が目立っちゃうからなー」
「私だってそこまで小さくない!」
「でもスカート下ろしてもお尻見えないのはあまり面白味がないというか」
「されてるほうはこれでもすごく恥ずかしいんだけど」
「じゃ次はこれね」
「あーこれなら……ってもっと短い」
丈が腰のあたりまでしかない……つまり普通のTシャツを着せられた。
「あおいちゃんは可愛いなあ」
「全然うれしくない」
「真夏に川で遊ぶ子供みたいで」
「あーはいはい言うと思ったわよ」
「次はこれを」
「さらに短い!?」
「だめかー。スカート脱がせる前から露出高いとインパクトが薄い」
「なんか研究熱心!?」
こうして裸のうえからいろんなシャツやらなにやら着せられて、最後には……
「ワンピース?」
「そう。着てみて」
「どこか変なとこに穴あいてない?溶けたりしない?」
「あんたユニクロをなんだと思ってんの」
「そ、そうだよね。わあ、意外とけっこう可愛い……」
「うん、サイズも大丈夫みたいね。じゃあこれは私からのプレゼント」
「え?いいの?でもどうして……」
「お礼よ。いいもの見せてくれたから。でへへー」
「うわっ受け取りにくい」
「うそうそ。私が選んだ服をあおいに着てもらいたいのよ。それに、試着室でこんなことしておいて何も買わずに帰るのは心が痛い……」
「あはは……ありがと、ひなた。それじゃ私も今度ひなたに似合う服選んであげる」
「ありがと、楽しみにしてるよー。あ、あとこのシャツも買おう」
「それって、さっきの長いシャツ……」
「そうだ、これ着て帰ろうよ」
「えっ……いくら見えないからってさすがにそれは……でもひなたがそういうなら……でもなあー……」
「あの、あおい」
「何よ」
「スカートはかないでとは言ってない」
「はっ!……ひーなーたぁ……」
「わ、ごめん。からかうつもりはなかったんだけど」
「その……帰るのは無理だけど、二人きりでならまたこういうことするのもいいかも……」
「まかせて!」
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22合目 初?デート(ひなた視点)
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その翌朝。
あおいに告白してはじめての休日。
当然初デートという流れは必然……まあ、全然初めてって感じしないけどね。
そして二人とも家には早朝から登山に行くと言って出かけた。わけですが。
「それがまさか天覧山とは思わないわよね」
「あおいって案外策士じゃない」
「嘘はついてないもん」
石垣に隠れ体を寄せ合ってヒソヒソないしょ話。
「それにしてもあおい、わざわざ朝早くからこんなところに連れてくるなんてどういう魂胆なのよ」
「いつも私ばかりじゃ悪いから、今日はひなたに気持ちよくなってもらおうと思って」
「露出?あおいのリードで私がやるの?」
「うん、だめかなぁ。いやなら他の事するけど」
「いいけど安全第一で頼むよー?」
「大丈夫!ちゃんと考えてきたから」
そしてあおいプロデュースの露出プレイがはじまった。
「それじゃあの曲がり角の直前で脱いで。私は後ろで見張ってるから」
あおいは道の下り側を監視している。そこから見て誰もいなければ当面は登ってくる人に出会う心配はない。下山してくる人にだけ注意すれば良いというけど……上から来る人に先に気づいて隠れたりできるのかしら……?
下着、ワンピースと一気に脱ぎすてて歩きだし、あおいも私が脱いだ服を拾うと後ろから距離をあけてついてくる。
ここは格好良く胸をはって堂々と歩きたいところだけど、実のところ私だってあおいが思ってるほど耐性があるわけじゃなく、どうしてもつい前かがみになってバッグで胸を隠しながらよろよろと前進するのがやっと。
あおいに格好悪いところ見せたくないなあ……
とはいえ、歩いているうちにだんだんと慣れてきて、普通に歩けるようになっていた。
今のところ上に人はいないみたい。
このまま山頂まで全裸登山できちゃう?
……と思った頃にあおいからストップがかかる。
「待ってー!階段は見通しが良すぎるからここで服着てー」
「わかった」
あおいに渡された服を着て階段に向かうとちょうど降りてくる人と目があってあわてて会釈した。
ああ……危ないところだった……
「それにしてもあおい、完璧だったわよ~。この山を裸で歩けるなんて夢みたい……」
「あ、あのね、実はちょっと仕掛けがあって……」
「仕掛け?」
「おはようございますー」
なんと山頂で待っていたのはここなちゃん。
ベンチに並んで座り、用意していたサンドイッチと紅茶でもてなしてくれた。
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23合目 ヴァンガード
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「実はここなちゃんに先導してもらってました」
ひなたに精一杯気持ちよくなってもらいたいと思い、思い切ってここなちゃんに相談したら全面的に協力してくれることになった。
「あー、そうだったんだー。あおいにしてはうまくいきすぎだと思ったのよねー」
「むっ、失礼な」
「うそうそ。でも普通に考えれば見張りひとりじゃ無理でしょ。上から来る人を見つけてもどうすればいいのかわからないし、それでも大丈夫っていうから何かおかしいとは思ったけど」
「安全を確保しながらスリルを味わってもらうのが大事ですからね~」
「あ、ジェットコースターみたいなものか!」
「なるほど」
「っていうか、ひなたさんそこまでおかしいと思いながらもあおいさんの言うとおりにしたんですね」
「まあ、私はなんだかんだであおいを信じてるから。もし誰かに見つかっちゃっても、あおいの言う通りにした結果なら後悔はしないよ」
「ひなた……」
「ただしそうなったら仕返しにあおいを裸にして商店街引き回しの刑ねー」
「ひどい……」
「それじゃご褒美になっちゃいますよ~」
「ならないよ!ここなちゃんは平気かもしれないけど」
「いえいえ平気だなんてとんでもない、私は恥ずかしがり屋さんですから」
「えっ?」
「露出プレイなんて恥ずかしくなかったら楽しいわけがないです」
「それはいえてる」
「するとやはり慣れか……ここなちゃんは露出歴長いの?」
「そうですねー、でもせいぜい5年くらいですよ」
5年前って……ここなちゃんいま14歳だよね?
「ここなちゃん昔一体何が……」
「秘密です。それより多峯主山行きませんか?人気がなくて露出し放題の場所があるんです」
甘い誘惑につられた私たちは、ここなちゃんの案内でとんでもない場所に連れていかれることになった。
「多峯主山にこんな道が!」
「本当にこの岩場降りるの?」
裏ルートもいいところの謎の道をどんどん進んでゆくここなちゃん。
切り立った崖の下でようやく立ち止まった。
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24合目 多峯主山
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「ここが私のとっておきの場所なんです。開放感はありませんけど、人が来なくて好きなことできます」
「そりゃ確かにこんな奥地まで来る人はそういないだろうね」
「あの岩場なんて初心者には降りられそうにないよね」
「たまにいますよ。でもここまで来るのは同じ目的の人だから気にしなくてもいいですよー」
「男の人とかあわない?」
「もちろんいますよ。こっそり裸踊りしてるところなんて見られたらかなり恥ずかしいです」
「裸踊り……?いやいや、見られるだけならまだしも乱暴でもされたらどうすんの」
「そういうときは、ゴム渡してせめて優しくしてくださいって言ったらちゃんと楽しませてもらえますよ」
「やられてんじゃん」
「ここなちゃんっ!?」
「なんて冗談ですよ。まだここで人に会ったことはないですね~」
ここなちゃんの冗談エグすぎ!
「で、ここなちゃんは何をしてるの……」
何事もないように会話してるけど、いつのまにか全裸になって自分のあそこを触りだしたここなちゃんにひなたがあきれたような声をあげる。
露出しにきたんだから別におかしくはないんだけど、なんだか面食らってしまう。
「あ、ごめんなさい。今の話で変な気分になっちゃいました」
「自分でした話で!?」
「あっ見たくないなら言ってください、すぐやめますから」
「いや、続けて」
ひなたは興味津々といった感じで、一方私はといえばもちろん興味はかなりあるのでここなちゃんのオナニーを観察している。
やがて私たちはどちらからともなく唇を重ねて裸で抱き合った。
一応は恥じらってこそこそとオナニーしていたここなちゃんだったけど、私たちがエッチしているのが気になるようで、自然とこちらを向いて堂々とオナニーを続けている。私もここなちゃんによく見えるように足を開いてお互いを見ながら気分を高めあっていった。
……
「気持ち……よかった」
裸のまま、3人並んで空を眺めている。
「あ、あの雲富士山みたい」
「えーどこが?」
「本当ですね、富士山に見えてきました」
「言われてみれば確かに」
「あおいー、なんで私とここなちゃんで対応が違うのよ」
「さーなんのことやら~」
富士山挑戦まであと1週間。
私たちは立ち上がって、富士山の形をしてるらしい雲に登頂成功を祈った。
~ つづく ~
シーズン2終了ー
ああ長かった・・・
そして今見直したら1日ずれてることが判明。痛恨のミスなのです。
・正しい歴史
?|LINE会議
土|ウノタワ
日|吾妻峡 (2-8)
月|さくらの森 (11-12)
火|あおい自宅 (13)
水|飯能河原 (14-15)
木|すずき (17-18)
金|学校(19)ユニクロ(20-21)
土|天覧山(22-24)
翌週はいよいよ富士山に登りますが・・・
原作でも参加メンバーは不明なのでSSでは勝手にあおい、ひなた、ここな、ほのかとしました
まあ描写ないけど
かえでさんは受験で休みです
(ここなちゃんも受験生のはずだけどなあ・・・)
※当作品はフィクションです
※よい子のみなさんは試着室で遊んではいけません
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