【モバマス】杏「スローに生きていこうよ」 (14)


<ガチャ

P「…」

P「……」

P「…ふぅ」


杏「…プロデューサー」


P「うおっ!?な、なんだ杏か…びっくりしたなぁ」


杏「…」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1500121837


P「どうしたこんな時間まで、明日も朝からレッスンだろ?早く帰って休んだ方がいいぞ」

杏「そうしたいのはやまやまなんだけどさぁ…」

杏「プロデューサー、何か落ち込んでない?」

P「…あぁ、分かる?実はボーナスで買った宝くじを失くしちゃってさ」

P「いやもうほんとショッ…」

杏「そういうのいいから、次同じこと言ったら有休とるよ?土日に」

P「……それは、困るなぁ」


P「…」

P「ちょっと、仕事で失敗しちゃってさ…」

P「全部俺が悪いから、仕方ないんだけど」

杏「…それってさぁ」


杏「本当にプロデューサーだけが悪いの?」


P「…あぁ、俺が悪いんだ」

杏「ふぅん、じゃあしょうがないね」

P「あぁ、しょうがない」


P「さ、送るから帰る準備しろよー。一応未成年なんだから法律は守らないと」

杏「…ねぇ、プロデューサー」

P「ん?」

杏「ちょっとこっち来て」

P「何だ、言っとくけど運ばないぞ」

杏「いいから」

P「…どうした?」


杏「ここ、座って」

P「いや、だから帰る準備をだな…」

杏「…」

P「…はいはい、座ればいいんだろ」

P「それで、何をすればいい?」


P「なぁ、杏」

杏「なに?」

P「なんで俺は膝枕させられているんだ?」

杏「ちょうど枕が欲しかったんだよね」

P「いや杏の事情じゃなくてだな…」

P「…まったく、気が済んだら帰るぞ」

杏「プロデューサー」

P「うん?」


杏「ゆっくり生きるのって、難しいね」


P「…」

P「…そうだな、難しいな」


杏「全部放り投げられたら、楽なのにね」

P「…うん」

杏「楽になる?」

P「…それは、出来ないな」


杏「じゃあさ…」

杏「こぼしちゃえば?」

P「…え」

杏「全部放り投げられないなら、減らせばいいじゃん」

杏「そしたら、もう少しのんびりできるでしょ」


P「…はは」

P「杏は、かしこいなぁ」

杏「今更気づいたの?」

P「いや、知ってたよ。そうだな…そうしてみるか」

杏「…でも、プロデューサー不器用だしなぁ」

杏「しょうがないから、杏がそばにいてあげるよ」

P「…杏は優しいなぁ」


P「…そろそろ帰るか、行くぞ杏」

杏「食べるものないからファミレス行こうよ」

P「たまには自炊しろよ…って、俺も人の事言えないか」

P「じゃあ行くか…杏」

杏「んー?」

P「ありがとな」

杏「後で飴ちょうだい」

P「はいはい」


以上です。
元ネタというか参考にした題材は杏のソロ曲『スローライフ・ファンタジー 』です

初めてこの曲を何となく聞いたとき、なぜかじわっと涙が出て、気が付いたら泣いていました
特に「のんびり歩いて行こう」「心も体も軽く」のあたりで胸がいっぱいになり、しばらく呆然としていました
おそらく、去年の私では泣けなかったでしょうし、来年の私は泣かなかったと思います

ぜひ、まだ聞いたことない方は聞いてみてください

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom