【まどか☆マギカ】Black Rose Garden【安価とコンマ】 (68)

新編より1年後を舞台に新主人公をぶちこむスレです
セーブは出来ますけど必ず同じ運命辿れるとは限りません
コンマ判定ありますんで

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主人公は男で頼む

鳥つけます

>>2
なるほど
ではまず性別から

1.女
2.男

>>5

ですよねー
じゃあいきます


「――っ――うぅ――ん」

ぼやける瞳に差し込まれる真っ白な光。

――あぁ、朝か。
それも、心底晴れやかな。

と言うのも、今日は始業式。
私も晴れてめでたく中3!
しかも長い長い入院生活を終えた転校生と言う訳だ。

「……!」グゥゥゥ...

「うぅ……」

お腹空いた。
朝は得てして食欲が無いものだと言うのに。
まるで食い意地を張ってるみたい。
気恥かしい……。

*****

おとうさん「さぁ、召し上がれ」

「いっただっきまーす」

食い意地を張ってると言ったか。
実際張ってしまう。
おとうさんのごはんがおいしいのが悪いんだ。

「っん……おいひ……」

おとうさん「はははっ、がっつかなくても逃げないよ」

何と表現しようか。
味、量、栄養共に完璧な味と評する他ない。
おとうさん曰く、僕が全て計算している……んだとか。


「ごちそーさまー!」

おとうさん「はい、お粗末様だよ」

完食。
ここまで美味しいと体重大丈夫なのかな……と心配になってくるけど、おとうさんが言うには問題ないらしい。
さっすが!

――でも……。

『>>下2レス/名前』

>>10
良く見たら時間が凄い事になってる…!

おとうさん「――純花」

――黒江 純花(くろえ すみか)。
それが私の名前。

おとうさん「純花、今日の夜も――」

純花「――わかってる」

純花「しょうがないよね……、うん……」

おとうさん。
大事な大事なお仕事があるんだって事で、また家に帰ってこれないんだ。

――でも、嫌いになんてならないよ。絶対に。

おとうさんだって辛かったはずなのに、ここまで私を育ててくれたんだもん。
むしろ――

純花「――ありがと」

おとうさん「……どう言う意味だい?」

純花「ここまで育ててくれたもん」

おとうさん「……」

純花「……だからお仕事っ。頑張ってね」

おとうさん「……あぁ」

*****

今日から中学三年生な私は、今年で15になる。
けど、実年齢は1歳なんじゃないかなって思ってる。

――昨年よりも前の記憶が無いんだ。

おとうさんが言ってた。
おとうさんと私、ふたりとも交通事故に遭っちゃったんだって。
その時に頭を打ったのか、どうやら私の記憶が消し飛ばされたみたい。

――辛かった。

あの時目に入って来た光景は、おとうさんのお顔。
それも、怨讐に満ちていた――と形容しようか、鬼の様だった。
だから、しばらくおとうさんが怖かったけど、今は怖くなんて全然無いよ。
だって――

『――こんなにしたのを、許せるはずないじゃないか――!』

私の為に怒ってくれてたんだから。
こんなにされた私の為に怒ってくれたんだから。
私の為に、泣いてくれたんだから。

だから、おとうさんは鬼なんかじゃない。
私のせいで辛かっただろうに、おとうさんたった一人で、ここまで育ててくれた。

だから、ありがとう。
がんばって。

――私もがんばるから。

登校中の考えごと。
おとうさんも知ってる話だけど――

――私、黒江純花は――

『>>下2レス/

1.魔法少女である
2.ただの一般人である

0.???(コンマ秒数が10の倍数の時強制選択)』


――何の変哲も無い単なる一般人である。

厨二能力が使えたりなんて事あるはずもなく、普通の女子中学生です。
おとうさんも知ってる話だけども何もない。
当たり前過ぎる。
何を格好つけようとしたのか分からない。
格好つきたい。

純花「はぁ……」

……もう中3なんだ。
そんなモノからは卒業しなくては。

*****

――見滝原中学。

いろいろ細かいこと済ませて、始業式の校長先生の『ありがたいお言葉<ムダバナシ>』を静聴し、次はいよいよクラス発表!
……と言っても、多分知らない人だらけ。

おとうさんとならいっぱい喋れるけど、知らない子と話せるかなんて自信が無い。
クラスに溶け込めるか心配になってきた……。

*****

……さて、初っ端から打撃を食らわせてくるイベントが到来した。

――新クラスでの自己紹介だ。

純花「あわわわわわわわ……」アセアセ

クラス全員必須だ。
しかも『黒江純花です。よろしくお願いします』みたいなアッサリしすぎた自己紹介は出来るだけ避けて欲しい、との事。

早乙女「それでは自己紹介、行ってみましょう!」

早乙女「では名簿順なんで、あけm――」

あけm?「――」ギロ...

早乙女「――」

担任の先生――早乙女和子先生が固まった。

早乙女「――では名簿順なんで、イ――」

ちょっと待って!
あけナントカさんをスキップした!

『>>下2レス/

1.抗議する
2.こわいので放っておく
3.その他』

青髪「またやってるよ……」ヒソヒソ

桃髪「う、うん……」ヒソヒソ

なるほど、常習犯か。
ああやって先生を威圧して、クラスを掌握する女王サマ――もとい、カーストの頂点だな。
こわいから関わらないでおこう。

赤髪「いいよなぁ~、アレ。"アタシ等"以外にゃ気付かれねーんだから」ヒソヒソ

……"アタシ等"?

青髪「あんた絶対ロクでも無い事に使うんでしょ」

赤髪「当たり前だろ~? あの数学のハゲ鬱陶しいしさ~。当てられてもアンタに標的逸らすのに使うさ」

青髪「やめてほんとやめて数学無理なのあたし」

なんだかよくわからないけど、"アタシ等"って派閥か何かか。
もしかして私、とてもこわいクラスにぶちこまれたのでは?
見滝原中学不良抗争……みたいな。

純花「あわわわわわわわわわわわわわ……」ビクビクビクビク

*****

まどか「えっと……。鹿目まどかですっ。好きな音楽は演歌です! みんなよろしくねっ!」

さっきの桃髪――鹿目まどか。
見た感じ大人しそうで、小さくて、小学生みたいで可愛らしい。
こんな子が不良抗争に参戦するだなんてなんとも世知辛い。
早速不登校になってしまいそうだ。

恭介「上条恭介です。皆知ってるかもしれないけど、ヴァイオリンこそ僕の魂なんだ」

ヴァイオリニストの不良……!?
なんとお上品な不良だ事か。
色んな不良が居たものだ。
不良のバーゲンセールではないか!

恭介「特に思い入れのある曲はアヴェマリアで、これは――」

しかも中性的で端正な顔立ちなタイプのイケメンな見た目と反し、気色悪いオタクの様に音楽についてベラベラ喋り出す!

早乙女「か、上条くん……。そ、そろそろ……」

恭介「あ、すいません」

早乙女「……それでは黒江さん」

純花「ひゃいっ!?」ビクッ

とうとう出番が回ってきた。
か、考えなきゃ考えなきゃ考えなきゃ!

『>>下2レス/

1.名乗ってよろしくお願いしますだけにしておく。
2.黒江純花です。魔法少女です。
3.あけナントカさんの真似をする。
4.その他』

……しょうがない!
シンプルに自己紹介しよう!

純花「くっ、黒江純花ですっ! よ、よろしきゅおなぎゃいしますっ!」

……終わった。
噛んじゃった。
これで標的にされてしまう。
ひぃぃ~……!

早乙女「えっと……。黒江さん、結構長い間入院生活してたから、久々の学生生活に戸惑うでしょうから、みんな助けてあげてね?」

よ、余計なことを言うなぁ!

終わった……。
私の中学生活終わった……。
さようなら……。

*****

杏子「あ~。佐倉杏子。よろしく」

あ、ここまで投げやりでもよかったんだ。
さっきのこの赤髪。

仁美「志筑仁美ですわ」

と、上品な喋り方で自己紹介をしだす緑髪の子。
お嬢様が不良……!?
一体どうなってしまうの、私のJC生活……!?

と言うか本当に不良抗争が起きてる中学なのかいよいよ疑わしくなってきた……。

*****

青髪「……こほん」

あ、さっきの青髪だ。

さやか「……かわいい女の子だと思った? 残念っ! さやかちゃんでした! でわっ!」

なんだこいつ。

*****

全員の自己紹介を終えて、早乙女先生により明日からの予定を軽く伝えられ、下校時間となった。

純花「……」

このままではボッチだ。
いや、もうボッチでも良いや。
変に目立ちたくはない。

いや、それは流石に人としてまずい。
どうしよう……。

『下2レス/

1.惨めにひとりぼっちで呆然と棒立ちしておく
2.誰かに話しかける
3.下級生の教室を訪ねてみる
4.もう帰る!
5.その他』

――もう思考が停止した。

棒立ちするしかない。
ははっ、なんて惨めなんだ。
こうしてても、誰からも話しかけられるはずが――

まどか「えっと……黒江さんっ?」

純花「ひぃっ!」

まどか「あっ……」

あっ……。
やばい。
殺される。

まどか「……うぅ……」シュン...

純花「あ……」

……別の意味でやばい事になった。
鹿目さん、今にも泣きそう……。
桃色の瞳がとても潤んでる……。

さやか「あー、えっと……、急にごめんね?」

さ、さっきの青髪……。
さやか……だったか。

さやか「えっと、まどか――あぁ、この子ね。黒江さんを案内したいんだってさ」

さやか「て言うか純花って呼んで良い?」

純花「へ……?」

案内……?
……それって、案内と書いて別のルビが振られてたりしないだろうか。
この中学の縄張り争いにしか伝わらない、専門用語的な感じに……。

『下2レス/

1.案内してもらう
2.逃げる
3."アタシ等"について聞く
4.その他』

*****

とりあえず付いていく事にした。
逆らわない方が身の為だろうから。

まどか「あ、あのっ!」

純花「ひゃ、ひゃいっ!」ビクゥッ!!

まどか「わ、わたし今年も保健委員やるから、こ、困った事あったらいつでも言ってねっ!!」

純花「う、うんっ!?」

ガッツポーズか何かかな。
胸の前で両手の拳をグーっと作り、ほぼ一方的に宣言されてしまった。
意外と良い子なのかこの子は。

杏子「っつか、まどかよりビビりな奴が入って来るとはなぁ」

さやか「ん~まどかはねぇ~。こう見えて昔っからやる時は押しが強いんだよ~」

杏子「んな事あったっけ。っつかお前らたかだか一年の付き合いだろ。何旧知の仲ぶってんだよ。またあたしの嫁芸か?」

さやか「……あぁ、そうだった……」

肩を落とし、その瞳は目の前の杏子でなく、どこか遠い方へと向いている様で……。

杏子「あ~、純花……だっけ」

純花「は、はひ……」

佐倉杏子。
粗暴な口調で、目付きは鋭く、燃えるように紅い髪も相まって、正直見た目では一番怖い。

杏子「食うかい?」

純花「へっ?」

おもむろにうんまい棒を差し出された。

さやか「あー、それ杏子なりのお近付きの印だから」

純花「へ、へぇ……」

どうやら今のところ悪くは思われてなさそうで、胸を撫で下ろしたりもしている。
不良抗争のターゲットにされる事も無いだろう。
と言うかこの子達、多分不良の類ではない。

――けど……。

純花「あ、あの人なんなんですか……?」

指差す先に3人が、うん? と振り返ると……。

黒髪「……」

――睨みつける黒髪の女。
もとい、あけナントカさん。

まどか「ひっ……」

杏子「うお……」

小さく悲鳴をあげる2人。
そして――

さやか「……暁美ほむら」キッ...

さやかだけは声が震え、そして握り締める拳が震えていた。

ほむら「……随分、小賢しい真似をされたわね」

純花「――!?」

冷ややかで、生気が無く、無表情な視線。
突き刺す先はさやかでなく、私だった。

さやか「……何にしに来たってのよ」

ほむら「貴女に用があると思って? 美樹さやか」

さやか「ごたくは良いからさっさと吐きなよ、悪魔」

ほむら「……そう……」

純花「……?」

静かに瞼を閉じ、溜息をつき、艶のある黒い長髪を払い――

ほむら「――大丈夫よ。まどか」

――気付けば、まどかのすぐ背後に暁美が居た。

まどか「いっ……!?」

青ざめ、震えて、口を曲げる。
そんなまどかに――

ほむら「あなたは私が守るもの……。何も心配しなくてもいいもの……」

細く白魚の様な指で、まどかの頬を撫で、撫でて撫でて……粘着質に撫でる。

ほむら「もう二度とあなたを失わせない。もうあなたの世界を壊させない。お父さんやお母さん、弟さんも居る。大切な家族が居て、大切なお友達も居て、この尊い日々が――」

まどか「っぁ……ぁあっ……」

さやか「――いい加減にしろよ……!」

暁美に掴み掛かろうとするも――

ほむら「今の内に覚悟なさい」

純花「――!?」

――私の背後に、居る……。

ほむら「いずれ私の手で貴女を消してあげる」

純花「――」

感情なんて籠らない。
そんな声が、たまらなく恐ろしい。

消す……?
私を……?

さやか「その子は"関係無い"でしょ……!?」

ほむら「いいえ、大いに"有る"わ。コイツは貴女達にとっても害悪にしかならない」

さやか「……おま、え……ッ……!」

いよいよさやかの怒りの震えが頂点に達したと言う所で、暁美がまどかに振り返る。

ほむら「うふ……。……またね、まどか」

ほむら「貴女はいつも通り、普通の女の子のままで居ればば良いの……。ふふっ」

曇り気の無い、澄んだ微笑み。
けれど、全身に寒気が走り、肌が立ち、体が強張り、胃の中の物全てを吐き出しそうな不可避の不快感。

ほむら「ふふっ――フフフッ――ハハハハハ――――!」

もう、堪えきれなかった。

*****

――帰路。

純花「――――」

もう、どんな声にも応じられない。
足は引きずり、脈も遅い。
何も聞きたくない……。

絶望感しか無かった。

さやか「大丈夫……! あいつが何かして来たら、絶対あたしがぶっ飛ばすんだから!」

杏子「っつかさ、あいつがあそこまで殺意剥き出しにしてくんの珍しいじゃん。いつもはまどか眺めてにへらにへらしてるだけだってのにさ」

じゃあ、私が唯一の敵だと言うの……。

純花「…………」カタカタカタカタ

さやか「――――ッ」キッ...

杏子「お、おう……」

睨みつけるさやかに、後ずさる杏子。
さながら会話をする視線のよう。

杏子「……? …………?」

さやか「…………」

杏子「……? ………………!」

露骨に目配せし合う二人。
もう会話する視線のよう、ってどころじゃない。
多分、本当に視線で会話出来てる。

純花「うぅ……」

何か……、落ちつかないな……。

さやか「……今年卒業しちゃったあたし等の先輩にも話つけといたから! 直ぐに安心しろ、ってのは無理かもしんないけど……、とにかく少しでも力なれるならって!」

パイセン、ですか。
嗚呼……、いよいよ本物の抗争じみて来た。
前途多難だ……。

でも、なんで――

純花「――なんで守ってくれるんですか?」

さやか「え……」

出会って1日も経ってない。
私とこの子達には何の縁もゆかりもない。
お互いどんな人かなんてまだ知りもしない筈。

なのに、なんで私なんかを……?

さやか「――困ってる人を助けるのに、理由なんか要るの?」

純花「――!!」

青く澄んだ瞳は、確かに私を見据えていて、視線を逸らしたり、誤魔化したりなんかしない。
声色も震えてなんて居らず、確かな芯を感じた。

――だめだ、瞼があつい……。

純花「ううぅぅぅぅ……っ」グスグス

さやか「……よしよし」

話し掛けてくれたのがこの子達でよかった……。

本日分はここまでで~

マギレコ早く出してくれ~
出たらマギレコの子達も参戦させたい……
マミさんとつるのんとやちよさん絡ませたい……

>>13
すげえ

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