凌牙「元気そうだな…サイファー」 カイト「…」 (20)

凌牙「珍しく1人で散歩か?サイファーって光の波って書くんだったよな」

カイト「…」

凌牙「おい!」

遊馬「やめろよシャーク!」

小鳥「幾らなんでも酷すぎる!」

凌牙「うるせえな…いいじゃねえか」

小鳥「自分だってシャークからオクトパスに変えられたら嫌でしょ?オクトパス・ドレイクとかエアロ・オクトパスとか」

遊馬「あんまり蒸し返さない方がいいぜ」

凌牙「やっと弱みを握ったんだぜ?あいつから」

小鳥「何が気に入らないの?あんな風に突っかかるなんて、シャークらしくないよ」

凌牙「…」

遊馬「もしかして魂抜かれた事を根に持ってんじゃ」

凌牙「ああ」

小鳥「そんな昔の事で!?」

凌牙「だったら干物にされて見ろ!嫌でもイラっとするぜ」

小鳥「イライラするだけじゃ済まないと思うけど」

遊馬「それでも今のシャークのやり方は昔のカイトより酷いぜ!無茶苦茶じゃねえか!!カイトがどんな思いで嫌な奴の弟子になって使いたくもねえデッキ使ったと思ってんだ!!!」

凌牙「…てめえの信念曲げてサイファーなんて使ってる奴が悪いんだよ。じゃあな」

遊馬「シャーク!」

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凌牙「…」

ドルべ「おお…お帰りナッシュ」

凌牙「何やってんだお前?」

ドルべ「新作DVDの上映会…と言っても私1人だが」

凌牙「…」

ドルべ「何でもエンタメデュエリスト榊遊矢の成り上がり物語らしくてな。新作なのに何故か誰もレンタルしていなかった」

凌牙「…」

ドルべ「アリトもギラグも途中で飽きてしまって…ナッシュ!?」

凌牙「んなもん見るぐれえなら野良犬の野糞眺めてた方が暇潰しになるぜ」

ドルべ「しかし…新作の」

凌牙「新作が何でも面白えと思ったら大間違いだぜ」

ドルべ「そんな金の無駄遣いみたいな言い方はやめてくれ」

凌牙「ミザエルには見せるなよ。野郎が1番ブチ切れてるんだからな」

ドルべ「そんなに面白くないのか」

ベクター「いいや面白いぜ」

ドルべ「いつの間に」

ベクター「こりゃ隠れた名作ってやつじゃねえか?面白えよ…最高だぜ」

ドルべ「まさかベクターと気が合う日が来るとは…これも平穏な日常のお陰だな」

ベクター「ケケケ…こーんなヤバいデュエリストは滅多に見られねえよ」

ドルべ「ヤバい?何が危ないと言うんだ…」

アリト「ただいま!って…まだ見てんのか!?」

ギラグ「ミザエル!外行くぞ外!」

ミザエル「こ、こいつ!」

ギラグ「ドルべ!テレビ消せ!」

アリト「テレビ壊したらメラグに怒られるんだぞ!聞いてんのかミザエル!?」

ミザエル「許さん!こいつだけは断じて許さん!!!」

アリト「消せよドルべ!」

ドルべ「…」

アリト「ドルべ?」

ベクター「…さてと」

ギラグ「何か様子が変だぞ?」

アリト「変なのはいつもの事だろ?何を今更」

ドルべ「君は勘違いしているんじゃないか?エンタメデュエル…それに笑顔!素晴らしいデュエリストだよ…榊遊矢は」

ミザエル「何が素晴らしいものだ!こいつは誇り高きドラゴン族を小道具程度にしか思っていない鬼畜外道!」

ドルべ「いいや彼こそがデュエリストとしての本質!私達とは格が違う…君以上にドラゴン族を操っているんじゃないか」

ミザエル「許さん!」

アリト「大変な事になったな」

ギラグ「ドルべもストレス溜まってっからな…けどミザエルに喧嘩売るなんて、いい根性してるぜ」

アリト「マ、マジか…」

ギラグ「ミザエルが負けた」

アリト「よし!もういいよな?飯にしようぜ飯に」

ギラグ「珍しいな」

ミザエル「いつものドルべと違う」

ドルべ「君達はどうだ?」

アリト「知らねえよ!飯にしようぜ飯に!」

ドルべ「どうやら理解が出来ていないようだな」

アリト「どうなってんの?」

ギラグ「ストレスだろ」

アリト「ストレスか…」

カイト「ストレスではない」

ギラグ「カイト!」

アリト「靴脱げ!」

カイト「…表に出ろ」

ドルべ「君ならエンタメの素晴らしさを」

カイト「…」

アリト「絶妙のタイミングで登場したな。土足だったけどよ」

ギラグ「ストレス溜まると真面目な奴ほど危ねえんだな…あんましドルべを追い込むなよ」

アリト「俺!?」

ドルべ「光天使ウィングスを攻撃表示で召喚!光天使ウィングスの効果を発動!このモンスターが召喚に成功した時、手札から光天使モンスターを特殊召喚できる!私は手札から光天使ブックスを特殊召喚!」

ドルべ「光天使ブックスの効果を発動!手札から魔法カードを1枚墓地へ送り発動!手札から光天使モンスターを特殊召喚する。私は手札から光天使ソードを特殊召喚!レベル4の光天使ウィングス!光天使ブックス!光天使ソードでオーバーレイ!エクシーズ召喚!No.102光天使グローリアス・ヘイロー!!」

ドルべ「カードを1枚伏せてターンエンド!」

カイト「俺のターン!目障りな奴だ…何処までも自分の思いのままにならねば気が済まない」

アリト「何の話してんだ?」

カイト「相手フィールドにモンスターが存在しない事で俺は手札からフォトン・スラッシャーを特殊召喚!さらにフォトン・クラッシャーを攻撃表示で召喚!」

ドルべ「…」

カイト「これが俺だ…榊遊勝」

ギラグ「榊遊勝って…例の」

アリト「インチキくさい詐欺師!」

カイト「お前が伏せたカードは衝撃の拘束剣…フォトン・スラッシャーとフォトン・クラッシャーをリリースし手札から銀河眼の光子竜を特殊召喚!」

ミザエル「そうだ…それこそが天城カイトだ!」

カイト「貴様らゲス共から別れて3ヶ月か…お前の息子は今も下らんデュエルに拘っているのか」

ドルべ「光子?光波じゃないのか」

ミザエル「どうなっているんだ!」

カイト「愚かな中年の暴走だ。時期に得意の逃げ足が発動するだろう」

ミザエル「榊遊勝とは…あれか?まさかあれがドルべに取り憑いて」

カイト「操られているだけだ」

ドルべ「…」

カイト「逃げるなら今だぞ遊勝」

カイト「バトル!そして銀河眼の光子竜の効果を発動!」

ドルべ「仕方がない…永続罠『衝撃の拘束剣』を発動!このデュエルは中断だ」

カイト「…」

ドルべ「師が弟子を超えられると思ったら大間違いだぞカイト」

カイト「貴様に師事した覚えはない」

ドルべ「…」

カイト「何処に居てドルべを操っているのかは知らん…だが粗大ゴミを二つ放置したまま俺は去ったからな。しっかりと始末してやる」

ドルべ「粗大ゴミ?」

カイト「貴様と赤馬零王だ」

ドルべ「ははは…過激だな。君の心を救った遊矢もか?酷い男だ」

カイト「奴らランサーズもだ…貴様ら榊親子に加担するバカな連中も俺が始末する」

ドルべ「盟友黒咲隼も」

カイト「己の信念を失い妥協した隼に生きる価値は無い」

ドルべ「…」

カイト「忘れるなよ遊勝…貴様に明日は無い」

ドルべ「私に逆らえば遊矢を含めた四つの次元のデュエリストとの戦争になるぞ…この世界もエクシーズ次元のごとく廃墟になる。それでもやるか?君が可愛がっていたアレンもサヤカも君の敵になる。彼らは君より私を優先する」

カイト「その時は2人とも地獄へ叩き込むまで」

ドルべ「…君は異常者だな」

カイト「お前にだけは言われる覚えはない」

ドルべ「…では楽しみにしているよカイト」

カイト「…」

ミザエル「何というか…私も」

カイト「この戦いは俺のヤマだ。邪魔をするな」

アリト「けど殴り込んでるとか何とか言ってたろ?だったら」

カイト「その前に榊親子の首を取る。頭を失えば機能しないだろ」

ギラグ「んな事はねえだろ?大将首を討ち取られて黙ってる奴は居ねえ!例えば遊馬やナッシュがやられたら…俺は!」

カイト「連中にそこまでの繋がりは無い」

アリト「しかしよぉ~タイミング良すぎじゃね?こいつ」

カイト「ベクターには俺が頼んでおいた」

アリト「頼むって?」

ベクター「このDVDを見た連中はみーんなイかれちまうそうだ」

アリト「知ってたのか?ドルべに言ってやれよ!」

ベクター「都合がいいじゃねえか?身内の方が」

カイト「無関係な奴より遊勝と接触するには身内の方がいい」

アリト「非情な奴だぜ」

ドルべ「し、しかし久しぶりに私が役立った事はいい傾向だと思うぞ…」

ギラグ「おお…生きてたか」

ドルべ「ナッシュは見ていてくれたのか」

アリト「居ねえぞ」

ドルべ「メラグ不在時を狙って夜遊びか…グレる要因だぞ」

ギラグ「とっくの昔にグレてんだろ」

アリト「ナッシュの事をイマイチ理解できてねえな」

ドルべ「わ、私の方が付き合い長いんだぞ!」

凌牙「ペッ!何処のどいつか知らねえが…出て来いよ」

「…」

「…」

凌牙「2人組かよ…で?俺に喧嘩売りてえってわけか」

「…」スッ

凌牙「黙りってわけか?フードの奴に仮面のノッポ…薄気味悪いコンビだぜ」

「どうする」

「私から行こう」

凌牙「来いよ」

「…」

凌牙「っつうか降りろ!そんなの乗ってデュエルできんのか!?」

「それが可能だ」

凌牙「どっかイかれてんじゃねえのか?先攻は俺が貰うぜ!モンスターを守備表示で召喚しカードを2枚伏せてターンエンド!」

「私のターン!どうやら君達の行うARデュエルはDホイーラーである私とのデュエルをも可能にできるのか…素晴らしいな」

凌牙「やべえな…いよいよ妙な連中と関わっちまったぞ」

「私はホワイト・モーレイを攻撃表示で召喚!そして魔法『白の循環礁』を発動!自分フィールドのホワイトモンスターを破壊しデッキから同名モンスターを手札へ!さらに魔法『白の水鏡』を発動!墓地のホワイトモンスターを特殊召喚しデッキから同名モンスターを手札に加える!」

凌牙「破壊して蘇生して更に同名モンスターを2枚も?何やってんだこいつは」

「ホワイト・モーレイが墓地からの特殊召喚に成功した時、このモンスターをチューナーとして扱う」

凌牙「チューナーだと…てめえら連中の回し者か」

「そして魔法『白の繁栄』を発動!手札からレベル4以下のホワイトモンスター2体を特殊召喚する!」

凌牙「聞いてんのか!」

「回し者ではない。私は彼らの運命を変える為に別世界より馳せ参じた!レベル2のホワイト・モーレイ2体にレベル2のホワイト・モーレイをチューニング!シンクロ召喚!ホワイト・オーラ・ドルフィン!!」

凌牙「じゃあ何者なんだ…てめえは!」

蓮「私の名は蓮」

凌牙「蓮?」

蓮「そうだ」

凌牙「で?」

蓮「バトル!その裏守備表示モンスターを破壊させてもらう!」

凌牙「別世界…胸糞が悪い響きだぜ!破壊されたハリマンボウの効果を発動!このモンスターが墓地へ送られた時、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象に発動!選択した相手モンスターの攻撃力の攻撃力を500ポイントダウン!」

蓮「ターンエンド!」

凌牙「俺のターン!魔法『浮上』を発動!自分の墓地のレベル3以下の魚族・水族・海竜族を選択し発動!そのモンスターを表側守備表示で特殊召喚する!蘇れ、ハリマンボウ!そして自分フィールドに水属性モンスターが召喚または特殊召喚に成功した時、手札からシャーク・サッカーは特殊召喚する事ができる!さらにセイバー・シャークを攻撃表示で召喚!」

蓮「これで彼の手札は0…か」

凌牙「セイバー・シャークの効果を発動!フィールドの魚族モンスターを選択し発動!選択したモンスターのレベルを一つ上げる、または下げる事ができる!この効果は1ターンに2度まで可能!俺はハリマンボウとシャーク・サッカーのレベルを一つ上げレベルを3から4に変更!」

蓮「…」

凌牙「イルカ…そんなもんはサメの餌だぜ!レベル4のハリマンボウとシャーク・サッカーとセイバー・シャークでオーバーレイ!エクシーズ召喚!No.32海咬龍シャーク・ドレイク!!」

「この世界のNo.…けど何かが違うわね」

凌牙「こいつはドン・サウザンドとの戦いやカオスとの戦いの後にカイトら科学者共が創ったカード!いいか…てめえらに教えてやるよ!他の世界の争いに俺達を巻き込んでんじゃねえ!」

蓮「…」

凌牙「てめえらが連れて行ったカイトは…遊馬の憧れだ!あいつの背中を追いかけた遊馬がどんな思いをしてゲス野郎やクソ野郎に負ける姿を見てたと思ってんだ!あいつの弟や親父が何を思ってたか…カイトがやっと家族で過ごせる日常をぶっ壊された想いを…てめえらに理解できるのか!?アァン!?」

「…」

凌牙「運命を変える?冗談じゃねえ!終わっちまった事は変えられねえんだよ!」

蓮「…そうだな。表の世界のしでかした罪は重い…私のような裏の世界の人間も同罪だろう」

凌牙「表も裏も関係ねえんだよ」

蓮「なら…その怒りを私にぶつけるがいい」

凌牙「気取ってんじゃねえぞ!バトルだ!!」

蓮「…」

凌牙「今度はお前からだ…来いよ」

「…もういいわ」

凌牙「じゃあ名前ぐらい名乗ったらどうだ」

瑠那「瑠那…人は私を月からの使者と呼ぶわ」

凌牙「呼ばねえだろ」

瑠那「…こっちの凌牙はドライなのね」

凌牙「終わったな?じゃあな」

蓮「私は榊遊勝を倒す方法を知っている」

凌牙「だから何だってんだ」

蓮「数あるデュエリストの中で天城カイトと神代凌牙は相手が敵なら躊躇無く相手を始末できる…言わば漆黒の意思を秘めたデュエリスト」

凌牙「…」

蓮「遊勝は他の世界にも進出している。ここも出現したようだ」

凌牙「…あの胡散臭い野郎が」

蓮「だが遊勝を倒すには時間がかかる。君達は遊勝の呪縛に縛られしデュエリストを救ってくれ…それが表と裏のバランスを保つ手段だ」

瑠那「あの男の目的は全世界を自分色に染める事…ここの世界も私達の世界も…他の全てさえも」

蓮「デュエリストが存在する限り世界は広がり続ける…そして遊勝の暴走も止まる事は無い」

凌牙「あのド派手な中年をぶっ倒す方法?正面から八つ裂きにすりゃいいじゃねえか」

蓮「無理だ。奴は大したデュエリストでも人間でもない…だが神としか言いようの無い力を持っている」

凌牙「神?そんなの倒したばっかだぜ。本気で殺れるんだろうな」

蓮「確実に…そこまでの道のりを創るのに時間がかかるが」

凌牙「…だったら手を貸すぜ。但しだ」

瑠那「…」

凌牙「こいつのヤマは俺のもんだ。他の連中には言うんじゃねえぞ」

翌日

ドルべ「清々しい気分の朝だな」

瑠那「…」

ドルべ「…」

ギラグ「朝っぱらからボーッとしてんなよ」

ドルべ「…彼女は」

ギラグ「…誰だあいつ!?」

アリト「おお!すっげえゲロマブのボインねーちゃんだ!」

凌牙「うるせえぞ!」

瑠那「準備は」

凌牙「完璧だ」

アリト「ナッシュ!誰だよ?彼女か?ついにできたってわけか!」

凌牙「暫く出かけっから頼むわ」

ミザエル「それは構わんが」

ドルべ「どうして私ではなくミザエルなんだ…それに女連れとは」

アリト「あまり信頼されてねえんじゃねえか?」

ギラグ「詰めが甘いしよ」

ドルべ「答えてくれナッシュ!」

凌牙「お前は二番手が似合ってんだよ」

ドルべ「なっ…」

ギラグ「あいつ…ストレートだな」

アリト「っつうかよ、あのねーちゃん誰だよ?すっげえ気になるんだけどよ」

ミザエル「落ち込むなドルべ」

ドルべ「どうして私は毎度毎度バカにされるんだ…何故なんだ!?」

凌牙「蓮は?」

瑠那「彼なら遊勝を確実に抹殺できる方法を創っているわ」

凌牙「こいつにしても蓮にしても…どうにもズレてるっつうか」

瑠那「これを」

凌牙「何だこいつは?」

瑠那「デュエルディスク」

凌牙「妙に淡々としてやがるな」

カイト「そいつは俺が貰う」

凌牙「てめえ…何処から」

カイト「そこの曲がり角だ。誰だお前」

瑠那「私は瑠那…異名は月からの使者」

カイト「月にお前のような人間は居ない」

凌牙「こいつ月でデュエルしてんだぜ」

カイト「で?何処の誰だ」

凌牙「何でも裏の世界から来たらしいぜ」

カイト「裏の世界だと」

凌牙「こいつと蓮ってやつが居るんだけどな。目的は遊勝の抹殺」

カイト「あのゲスは俺が討つ」

凌牙「大人しく留守番してやがれってんだ」

カイト「無関係なお前がしゃしゃり出る必要はない」

凌牙「こっちは喧嘩売られてんだよ」

カイト「いつからだ」

凌牙「ちょうど1年と3ヶ月前だ…この野郎!!」

瑠那「…」

カイト「俺のターン…魔法『フォトン・サンクチュアリ』を発動!自分フィールドにフォトントークンを2体特殊召喚!そしてフォトントークン2体をリリースしフォトン・カイザーをアドバンス召喚!フォトン・カイザーが召喚または反転召喚に成功した時、手札またはデッキからフォトン・カイザー1体を特殊召喚できる。俺はデッキから2体目のフォトン・カイザーを特殊召喚!」

カイト「魔法『銀河遠征』を発動!自分フィールドにフォトンまたはギャラクシーと名のつくレベル5以上のモンスターが存在する時、デッキからフォトンまたはギャラクシーと名のつくレベル5以上のモンスターを守備表示で特殊召喚する。デッキから銀河眼の光子竜を特殊召喚!」

カイト「レベル8の銀河眼の光子竜とフォトン・カイザー2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!超銀河眼の光子龍!!カードを1枚伏せてターンエンド」

凌牙「俺のターン!」

カイト「お前が奴らと関わり合う理由はない…関われば永遠に付き纏うぞ。たとえ奴らを始末したとしても」

凌牙「てめえに指図される覚えはねえんだよ…俺は俺の為に気に入らねえから連中を噛み砕くんだよ!」

カイト「…」

凌牙「先攻1ターン目からそいつを出すなんてな…てめえも必死ってわけか、俺のターン!ハンマー・シャークを攻撃表示で召喚!ハンマー・シャークの効果を発動!レベルを一つ下げ手札から水属性・レベル3以下のモンスターを特殊召喚する。俺は手札からキラー・ラブカを特殊召喚!」

凌牙「レベル3のハンマー・シャークとキラー・ラブカでオーバーレイ!エクシーズ召喚!潜航母艦エアロ・シャーク!!」

凌牙「カードを2枚伏せてターンエンド」

カイト「俺のターン!」

凌牙「罠発動!『フィッシャーチャージ』自分フィールドの魚族モンスターをリリースしフィールド上のカードを1枚選択し破壊する!その後デッキから1枚ドロー!」

カイト「永続罠発動!『エクシーズ・トライバル』このカードがフィールド上に存在する限りオーバーレイ・ユニットを二つ以上持ったモンスターエクシーズはカードの効果では破壊されない」

凌牙「!」

カイト「今時流行らぬ義理と人情で俺に力を貸す腹か」

凌牙「はっ!何をくだらねえ事言ってやるんだ?すっかりロマンチスト野郎に成り下がっちまったな!俺は俺に喧嘩を売った奴をぶっ潰す!それだけじゃねえか!」

カイト「…」

凌牙「俺もてめえも結局のところは負けるのが嫌いなんだよ…だからいつだって喧嘩を売って来た奴を倒したじゃねえか!俺はⅣでお前ならミザエルだ!てめえのプライドとちっぽけな借りを返し続ける為に戦うじゃねえのか!」

カイト「その先にあるのは何だと思う」

凌牙「何もねえ…何もねえけど周りに居る連中を守りてえ…それが俺とお前がやらかした罪の償い方ってやつだ」

カイト「生きるも地獄そして死ぬも地獄」

凌牙「どうせ地獄行きってんなら俺は守りたい奴は守るぜ。それ以外の奴は問答無用で噛み砕く」

カイト「お前が戦おうとする連中に常識は通用せんぞ…そして恐らく彼処へ行けばお前の怒りは頂点に達するぞ」

凌牙「上等じゃねえか…誰が相手だろうと俺は負けねえ」

カイト「…」

凌牙「…」

瑠那「あっちでもこっちでもこの2人は不仲なのね…けどプライベートで不仲な者達こそ戦いの場では抜群のコンビネーションを」

カイト「こいつは大丈夫なのか」

凌牙「わかんねえよ。何かお前や俺と繋がりが深いんだとよ」

カイト「俺と?月だからか」

凌牙「ジジイの…お前の親父の助手らしいぜ」

カイト「別世界とやらの親父の助手?女の助手とは親父にしては珍しい」

凌牙「あの親父に助手とか居たのか?まさかMr.ハートランドじゃ」

カイト「あいつは悪知恵は働くが基本的に無能だ」

凌牙「じゃあチビ…Ⅳの親父か」

カイト「こういう連中だ」スッ

凌牙「…レスラーみたいな奴らばっかだぜ。トロンの奴が浮いてら」

カイト「だからこそ珍しい」

凌牙「案外愛人かもな…遺産目当てとか」

カイト「可能性はある。ああ見えて親父は若い女に弱い」

凌牙「あんな頭じゃ誰も来ねえだろ」

カイト「俺の母親は」

瑠那「亡くなられたわ」

凌牙「いよいよ怪しいぞ」

カイト「もしそうだとしてもハルトが喜ぶなら誰でもいい」

凌牙「お前…本当ズレてやがるな」

カイト「お前は」

凌牙「俺か?俺と璃緒にとっちゃ死んだ親父とおふくろだけでいい。それ以外の親はいらねえよ」

蓮「弱ったな…まさかDホイールが故障とは」

ブロロロ…

蓮「この世界にもDホイールが…だがこの型のDホイールは先ず無いだろう。何せ」

クロウ「…」

蓮「…」

クロウ「長えDホイールだな。しかも仮面付けてやがるし」

蓮「…」

クロウ「壊れたのか?」

蓮「だが君には修理はできない」

クロウ「こういう時に遊星が居りゃな…あいつ何やってんだか」

蓮「クロウ・ホーガンだな」

クロウ「おう!まだ駆け出しのプロだけどな、もしかしてファンか?結構有名なんだよな俺…WRGPの優勝チームでよ」

蓮「ファンではない。だが君を知っている…榊遊勝の件で君の事を知ってしまった」

クロウ「チッ、あのイかれ親父の話をするんじゃねえよ!」

蓮「厄介なデュエリストに出会ってしまった。私に会った事は忘れてくれ」

クロウ「待てよ」

蓮「…」

クロウ「遊勝の知り合いでDホイーラー…あいつら元気やってるか?」

蓮「あいつら?」

クロウ「シンジやタナ達…知らねえか?」

蓮「知らないな。あれは君の悪夢…忘れた方がいい」

クロウ「悪りいな。俺は忘れるのが苦手な方でよ」

蓮「ならどうする」

クロウ「俺とデュエルしろ」

クロウ「じゃあ…始めるか」

蓮「その前に…君も参加する気か」

ジャック「…」

クロウ「何でここに居るんだよ」

ジャック「今日はオフだ」

クロウ「とか言いながら落っこちたんだろ!お前って昇るのも落ちるのもハイスピードだからな!」

ジャック「どういう意味だ!」

蓮「君達はこれと言って誇りを傷つけられてはいない」

ジャック「俺とクロウは比較的マシだろう…だが他の連中が被った!そして連中の成長の邪魔をした」

蓮「…」

ジャック「と言ってもどうでもいい話だ」

蓮「なら無関係としか言いようが無いな。君達はどちらかと言えば遊勝側に」

ジャック「俺とデュエルだ。いいな!俺のターン!」

蓮「…」

クロウ「いつも横からしゃしゃり出やがって!」

ジャック「レッド・リゾネーターを攻撃表示で召喚!レッド・リゾネーターの効果を発動!召喚に成功した時に発動!手札からレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚する。俺は手札からスモール・ピース・ゴーレムを特殊召喚!さらに手札の奇術王ムーン・スターは自分フィールドにチューナーモンスターが存在する時、手札から特殊召喚する事ができる!」

ジャック「レベル3のスモール・ピース・ゴーレムと奇術王ムーン・スターにレベル2のレッド・リゾネーターをチューニング!シンクロ召喚!レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト!!」

クロウ「あいつ遊勝から貰ったモンスターを…おい!レッド・デーモンズはどうした!?」

ジャック「こいつがレッド・デーモンズだ。覚えているだろ?遊星との最後のデュエル…レッド・デーモンズがジャンク・ウォリアーに右腕を砕かれた事を」

クロウ「!」

ジャック「失った右腕を奴が修復させた。この姿に変化させてな」

蓮「君はどっちなんだ?遊勝側のデュエリストなら…残念だが君を始末しなくてはならない」

ジャック「俺はジャック・アトラス!何者の色に染まらぬ俺は俺だけの道を突き進む!」

蓮「…」

ジャック「カードを1枚伏せてターンエンド!」

蓮「私のターン!手札のホワイト・スティングレイは手札から水属性モンスターを墓地に送る事で特殊召喚する事ができる!さらに魔法『白の水鏡』を発動!墓地のホワイトと名のつくモンスターを特殊召喚しデッキから同名モンスターを手札に加える。墓地からホワイト・モーレイを特殊召喚し2体目のホワイト・モーレイを攻撃表示で召喚!墓地から特殊召喚したホワイト・モーレイはチューナーとして扱う!」

蓮「レベル2のホワイト・モーレイとレベル4のホワイト・スティングレイにレベル2のホワイト・モーレイをチューニング!シンクロ召喚!ホワイト・オーラ・ホエール!!」

蓮「ホワイト・オーラ・ホエールがシンクロ召喚に成功した時、相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊する!これで君のフィールドはガラ空きだな…バトル!」

ジャック「罠発動!『リジェクト・リボーン』相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動!バトルフェイズを終了させ墓地からシンクロモンスターとチューナーモンスターを効果を無効にし特殊召喚する!蘇れ!レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト!レッド・リゾネーター!!」

クロウ「また遊勝の!」

蓮「カードを2枚伏せてターンエンド!」

ジャック「俺のターン!遊勝がどうとか些細な事だろ。終わった話だ」

クロウ「まだ終わっちゃいねえ…そうじゃねえのかジャック!」

ジャック「彼処には関わるな。シンジにも子供達にも…お前にはお前の生活がある」

クロウ「急に何言ってんだ」

ジャック「遊勝は俺の事を気に入っていてな。あいつから面白い話を聞いた」

クロウ「面白い話?」

ジャック「シンクロ次元と融合次元は1年も満たない内に滅ぶそうだ。あの民度なら滅んで当然だろうが」

クロウ「…マジか」

ジャック「だが連中など死んで当然の連中ばかり…何が悲しくて手を差し伸べる必要がある。連中は人ではなく獣以下の連中よ」

クロウ「じゃあシンジはガキ共はどうなるんだ!」

ジャック「知らんな。目先の事を見落としたお前に何ができる」

クロウ「目先の事?」

ジャック「お前の胸に聞け!ドレッド・ドラゴンを攻撃表示で召喚!レッド・デーモンズ・ドラゴン!偽りの殻を破り本来の姿を取り戻せ!レベル8のレッド・デーモンズ・ドラゴンにレベル2のレッド・リゾネーターとドレッド・ドラゴンをダブルチューニング!!」

蓮「まさかダブルチューナーモンスター…」

ジャック「シンクロ召喚!!これぞ俺の…否!俺達の本当の姿!スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン!!」

蓮「まさに王者のモンスター…だが私とて頂点に立った男!ここで引くわけには行かん!!」

ジャック「どうやら俺も貴様も同じようだな…だが俺は負けぬ!」

ジャック「…こうすればいい」

ポンッ

蓮「待て、パーツが飛び出したぞ」

ジャック「遊星のようには行かないのか」

クロウ「当たり前じゃねえか!不器用のお前に修理できると思ってんのか!?」

ジャック「くっ…」

クロウ「ったくよ」

ジャック「しかし連絡を取らんとは随分と切羽詰まっているようだな。そして相変わらず情に脆い」

クロウ「…何が言いてえ」

ジャック「お前と遊星の事なら何でも知っている」

クロウ「だから何だってんだ」

ジャック「自分の生活が上手くは行かんが1度結んだ絆を断ち切れない…シンジらの事は俺に任せろ。お前は故郷に帰れ」

クロウ「帰れねえよ!」

ジャック「お前が面倒を見ていた子供が病気らしくてな。お前に会いたいと言っていてもか」

クロウ「…」

ジャック「それに蓮の複雑なDホイールを修復できると言えば遊星ぐらいだろ」

蓮「これが直らねば遊勝への打倒は不可能と言える」

ジャック「なら話は早いな。さっさと行け!」

クロウ「…わかったよ」

ジャック「では行ってくる。お前も自分を見つめ直す機会かもしれんぞ」

蓮「どうやって?」

ジャック「奴は俺を気に入っている。そして来るならいつでも来てくれだと言っていた。あの気色の悪いにやけ顔でな」シュッ

蓮「…君は何の為に」

ジャック「誰の為でもない。ただの暇潰しだ」

ジャック「楽しみにしておけ」

クロウ「わざわざ俺の為に報告するなんてな。礼を言うぜ」

ジャック「あの子らの為だ。何でお前の為に」

クロウ「素直じゃねえな。お前だって暇じゃねえくせに」

ジャック「行ってくるぞ」

クロウ「じゃあな」

ジャック「…」

蓮「どうした」

ジャック「どう使うんだ」

クロウ「馬鹿野郎!何でかっこ良く去れねえんだ!」

ジャック「仕方があるまい!こんな意味のわからんカードが通行手形になるんだ」

クロウ「お前…賢そうだな」

蓮「普通にセットすればいいんじゃないか」

ジャック「そんなバカな話が」

蓮「難しく考える必要はない。それはカードだ」

ジャック「…」

パシッ

クロウ「ど、どうだ」

ジャック「何も…」

クロウ「お、消えた」

蓮「…」

クロウ「じゃあ行くか」

蓮「大丈夫なんだろうか」

クロウ「サテライト育ちは何処でも順応できるんだよ」

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