【FGO】ジャンヌ「貴方と共に」 (9)

新宿攻略後という設定です。新宿のネタバレが若干あります。


ーカルデアにて

私の最期は今でも鮮明に思い出せる。魔女とされ、火刑に処されたあの時を。身を焦がす焔を、私に対する恐怖で染められた民の顔を、異端尋問官の嘲笑を。
そのことに私は憎しみを感じてはいない。私が死ぬことがこの国のためになるならば、私の歩んだ道に後悔はない。
けれども、私は忘れられない。あの焔を忘れられない。あの痛みを忘れられない。
フランスが私を殺したという事実を私は忘れられない。
熱い。痛い。熱い。痛い。熱い。痛い。
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!!
誰か!誰か私を!




ジャンヌ「ああああっ!!!」


ジャンヌ「……ああ、またこの夢か」



時折、焔に焼かれる夢を見る。英霊へと昇華されようが、焔は私を焦がし続けている。
そして、すっかり覚めてしまう私はカルデア内をフラフラとさ迷うことが夢を見た日の習慣となっていた。

ジャンヌ「はぁ、長い夜ですね」

ぐだ男「あれ?ジャンヌ、こんな時間にどうしたんだい?」

ジャンヌ「ま、マスター!いえ、少し寝付けなくて…。マスターこそ、こんな夜更けにどうなされたのですか?」

ぐだ男「いやー、新宿から帰ってきてから静謐が俺のベッドに勝手に入ってくるようになってね。ちょうど静謐を自分の部屋に運んだんだよ」

ジャンヌ「そ、そうでしたか。でも、静謐さんも悪気があるわけではないと思いますよ。マスターのことが心配で、近くにいないと不安になるんですよ」

ぐだ男「わかってはいるんだけどね、そのままにしておくと翌日が怖くてね…。主に清姫とかが…」

ジャンヌ「ああ…それは大変なことになりそうですね」

ぐだ男「ジャンヌはどうして寝付けないの?」

ジャンヌ「いえ、な、なんとなくです」

ぐだ男「嘘。そんな悲しそうな顔してるのに何もないわけないじゃん」

ジャンヌ「ううっ、」

ぐだ男「話してごらん?俺じゃあ頼りないかもしれないけど、少しは心が楽になるかもよ?」



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ジャンヌ「頼りないはずありません!ただ、サーヴァントである私がマスターに相談などしても良いのかと…」

ぐだ男「いいんだよ。それとも、少しでもジャンヌの助けになりたいって思うのは間違っているのかな?」

ジャンヌ「そのようなことございません!では、聞いていただけますか?」



ーーーー
ーーー
ーー



ぐだ男「なるほどね」

ジャンヌ「すみません。このような不甲斐ない私をどうかお許し下さい」

ぐだ男「なに言ってるの?俺、別に怒ってないんだけど」

ジャンヌ「ふぇ?」

ぐだ男「むしろ嬉しいよ。だって、自分の悩みを教えてくれたってことはそれだけ俺を信頼してくれてるってことでしょ?」

ぐだ男「辛かったね、恐かったね。よく今までで耐えたね」ヨシヨシ

ジャンヌ「まま、マスター!?」

ぐだ男「もう大丈夫だよ。俺はジャンヌの味方だよ。なにがあってもジャンヌを守るし、どんな時でもジャンヌを助ける」

ぐだ男「過去のことは俺にはどうにもできないけど、傍に寄り添うことはできる。特別な力なんて俺にはないけど、話し相手くらいしかできないけど。俺は何時までもジャンヌの味方だよ」


ああ、なんてことでしょう。あれほど苦しかった胸の奥が、こうもあっさり無くなるなんて。
私の中にあったはずの焔はいつの間にか消え去り、温かな感情が身体を駆け巡る。今もマスターに撫でられてる頭がなんだかくすぐったい。生前知ることのなかった気分に思わず酔いしれそうになる。
そう、きっとそうなのでしょう。私の心に芽生えたこの気持ちはーー

ジャンヌ「マスター、ありがとうございます。その言葉が私を何よりも勇気づけてくれます」

ぐだ男「ジャンヌには何時も助けてもらってるからね。こういう時くらい役に立ちたいんだよ」

ジャンヌ「いいえ、それは違いますよマスター。貴方は何時も私達サーヴァントを導いてくれます。どんな苦境に立たされても、貴方は諦めずに光を探します。それは何よりの助けになっているのですよ」

ぐだ男「そ、そうかな。なんか照れるな」

ジャンヌ「そうですとも。そんな貴方だからこそ人理は守られたのです。だからこそ、冠位時間神殿に英霊達が集ったのです。マスター、そのどこまでも優しく正しい貴方の在り方に皆は惹かれたのです」

ジャンヌ「私は貴方のような素晴らしいマスターと契約できて幸せ者です。この身はマスターのために捧げると、改めてここに誓います」

ぐだ男「ジャンヌは真面目だなぁ。でも嬉しいよ」

ぐだ男「また怖い夢を見たら俺のところにおいで。落ち着くまで傍にいるからさ」

ジャンヌ「はい!ありがとうございますマスター!……ああ、そうでした。もうひとつよろしいですか?」

ぐだ男「ん?なんだい?」

ジャンヌ「……」ギュ

ぐだ男「わわっ、ジャンヌ!?どうしたの!?」

ジャンヌ「私に抱きつかれるのは嫌ですか?」

ぐだ男「そ、そうじゃなくて!色々当たってるよ!?」

ジャンヌ「ふふっ、当ててるんですよマスター」

ジャンヌ「マスターが私を守ると言ったとき、すごく嬉しかったです。ですが、私は守られるだけの小娘ではいたくありません。貴方は私のただひとつの光なのですから」

ジャンヌ「何時如何なる時も貴方の隣で歩みたい。これからもよろしくお願いしますね、マスター!」

ぐだ男「ありがとうジャンヌ。サーヴァントにここまで言われるなんて誇らしいよ」

ジャンヌ「ええ、誇ってください。それに私だけでなく、カルデアにいるサーヴァント全員が貴方の味方です。数多の英霊達に慕われるマスターなんて、私は貴方くらいしかいません」

ぐだ男「そこまで言われると嬉しけどなんか恥ずかしいなぁ」

ジャンヌ「ふふっ」

ぐだ男「あっ!でもジャンヌオルタにはあまり好かれてると思えないんだよなー。何でだろ」

ジャンヌ「え?それはないと思いますけど…」

ぐだ男「でもさ、新宿に行ったときなんか服誉めてもそんなに嬉しくなさそうだったし、笑顔で罵倒されるしさ」

ジャンヌ「彼女なりの照れ隠しなんですよ」クスクス

ぐだ男「それに黒セイバーと一緒にいるとキレられるし」

ジャンヌ「ん?」

ぐだ男「私とだけダンス踊ってない!ってぶちギレられるしで好かれてる気がしないんだよね…」

ジャンヌ「んんん?」

ぐだ男「俺のこと椅子扱いしてすぐ膝の上に乗ってくるし、俺そんなに嫌われることしたかな?」

ジャンヌ「…知りませんっ!」スタスタ

ぐだ男「え?ちょ、ジャンヌどうしたの!?待ってよー!」

今まではこんなことで腹をたてることは無かったのに我慢できない。それもこれも全部マスターが悪いんです!あんなこと言われたら、意識せざるを得ないじゃないですか。
でも、そんな貴方だからこそ、私は共にいたいと思うのでしょう。
だからーー

ぐだ男「なんでいきなり機嫌悪くなってんだよー!?」

ジャンヌ「ご自分で考えてくださいっ!」

主よ、我が主をどうか守りたまえ。

以上です。ジャンヌに好かれたいだけの人生でした。
駄文失礼しました。
html依頼してきます。

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