VAVA「誰かの好きに動いてやるつもりはない……ないよな?【艦これ×VAKAⅤ】 (779)



深海(過去)



空母城



ワイワイ!!



泊地「遅イ!ソレジャア 駄目ナンダヨ!!先制攻撃ダ。ソレシカナイ!!」



潜水「ソウダ!泊地 ノ 言ウトオリダ。人類モ艦娘モ 一人残ラズ 根絶ヤシ ニ シテヤレバ イインダ!!ナァ、盟友ヨ!」ニカッ!



泊地「ア?アァ、ウン…」



空母「反対スル。戦争 ハ 最後 ノ 手段。冷静ニナレ」



駆逐「ダケドサ、最近 ノ 人間 ノ 態度ハ 目ニ余ル。コノママジャ 海ガ 汚サレル一方ダシ、放置 ハ デキナイ」



軽巡「無論。何デアレ、制裁ハ必要ダ」



戦艦「…」



潜水「戦艦!決断 ノ 時ダ」



戦艦「今回 ノ 件ハ、許シテアゲマショウ。人間ニモ、良識アルモノハ居ル」



潜水「オマエ ガ ソンナ 及ビ 腰ダカラ、舐メラレルンダゾ!!」



戦艦「ゴメンナサイネ」



潜水「コンナ所 バカリ 見セテイテハ、北方ガ 腑抜ケタ 姫ニ ナッテシマウデハナイカ。港湾、教育 ハ 怠ッテイナイダロウナ?」



港湾「…」



北方「オネーチャン…潜水オバサン、恐イ……」ビクビク…コソッ……



港湾「大丈夫ヨ。オ姉チャン ガ ソバ ニ イルカラ。モウ少シデ 終ワルカラネ」



フワッ…ストン



潜水「オマエ ニ 新タナ 姫 ノ 教育 ハ 難シカッタカ?今カラデモ、私ガ 変ワッテヤロウ。立派ナ 姫 ニ 育テテヤル」



北方「ウェ……」ビクッ!



港湾「ヤメテ。恐ガッテイルワ」



潜水「ソンナコト アルカ。ホーラ、ホッポ。潜水オネーサンダゾー♪覚エテルカナ~??」ニコニコ…



北方「カッ…カエレッ!」ポカッ!(右ストレート)



港湾「ホッポ!?ダメヨ!」



潜水「オゴッ…………ホワァアアアアアアアッ!?」ピュ~~~……ゴシャン!



駆逐「オォ?見テ、皆。ホッポ ガ 潜水 ヲ 殴リ 飛バシタゾ」



重巡「大シタモノダ。キット 強イ 姫ニ ナルダロウ」



軽巡「ソウダナ。ホッポ ニハ 才能 ガ アルヨウダ」



泊空「ドコカノ 誰カ ト 違ッテナ」



戦水「フッ……言イスギダゾ 泊地空母姫 。潜水オネーサン ガ 可哀想デハナイカ」



ドッ……ワッハッハッハッハッハッハ!!



潜水「…」大の字



グン……ヒュッ…ストッ!



港湾「ゴメンナサイ。潜水、大丈夫?」



潜水「フフフ……ハッハッハッ!!強烈ナ パンチ ダッタ。ソノママ、強ク育テロヨ。港湾」



港湾「…ホッポ、ゴメンナサイハ?」



北方「ゴメンナサイ」ペコリ



潜水「良イ子ダ。礼儀 ヲ 知ッテオル」



ガチャ!ドタドタドタ!!



「姫様 ノ 御成リーーー!」



装甲「ウワァアアアアアアアン!!空母ーーー!!!」ピェー!



空母「装甲!」



泊地「ン!オイ、装甲。オマエ、コレデ 何度目 ノ 遅刻ダ?」



駆逐「アァ、マッタクダヨ。装甲、オマエ ヨリ 若イ 防空 ガ、既ニ オマエ ノ 十倍 ハ 成果ヲ 上ゲテイルンダゾ」



重巡「恥ズカシイト 思ワナイノカ……?」



防空「マァマァ、姫 ト 言エド 向キ不向キ アリマスカラ」ニコニコ!



防空『アホ ナ 先輩ヲ 持ツト 苦労スル……無能共メ。コンナヤツ 追放 シテ、基地防衛 ニ 適シタ フラッグシップ ニ 権限 ヲ 与エタ 方ガ 余程有意義ダ』



南方「チョット オ仕置キ ヲ シナキャ ワカラナイ ミタイネェ。装甲、表ニ 出ナサイ」ゴキゴキ…



サッ……



空母「体罰ハ イカン。体罰ハ。ドウシタ?装甲」ギュッ…



南方「甘イコト…」



装甲「飛行場 ニ……飛行場 ニ 艦載機 取ラレタァー!!」ワァーン!!



空母「マタ 飛行場 ニ イジメラレタノカ……私ガ 飛行場 ニ 返シテクレルヨウ 頼ムカラ、安心シテ。サァ、座ルンダ」ナデナデ…



装甲「ウ、ウン。キット ダゾ」



空母「ソノカワリ、明日 ノ 会議 ニハ 遅刻 シナイヨウニナ?」



装甲「エェ!?イヤヨ!!何デ コノ 私ガ 自分ノ時間ヲ 削ッテマデ コンナヤツラ ト 顔ヲ 合ワセナクチャ ナラナイノ!!」



空母「装甲、ソンナコト ヲ 言ッテハ イケナイ。皆ダッテ ツライ ノヲ 我慢シテ 頑張ッテイルンダカラ」



装甲「ベー!ソンナノ 知ラナイヨー ダ!ドウセ ドンナ 案ガ デテモ 私ノ 答エハ コウ。NO!!」バッテン!



空母「装甲…」



装甲「居テモ 居ナクテモ 答エガ 同ジナラ、私 ガ 居ナクテモ 問題 ナイデショ?環境問題 ダカ、臣民ノ生活 ダカ 知ラナイケド、私ニハ関係ナイカラ」



空母「装甲…」



装甲「真面目 ニ ヤルダケ バカヨ!私ハ 持ッテ生マレタ コノ 超パワー ヲ 自分 ノ 為 ダケニ 使ウモンネ!!」



戦艦「…」じっ…



装甲「ウン……?アッ…戦艦……何ヨ!私ト ヤルッテノ!?ヤレルモンナラ ヤッテミナサイヨ!制空権トッテヤル!」ガルル…



戦艦「…」ドドドドドドド……ッ!



装甲「ヒェ…………アウゥ……」ビクッ…



潜水「愚カ者。制空権ナド ナクトモ 戦艦 ナラバ オマエ 如キ 一撃ダロウ」



装甲「ソ、ソンナコトハナイ!ハァッ!!」変身!



空母「…」



ダッ……!




装甲「戦艦!ソノ椅子 ハ 私ガ 貰ッタ!!」



戦艦「…」じ~…



装甲「ウ……」ピタッ…



戦艦「…」じぃ~……



装甲『カ、体ガ 動カナイ……』ガタガタ…!



戦艦「…」じいぃ~~~…………



装甲『コ……ワ…イ』シュン……変身解除



戦艦「装甲」



装甲「ハ、ハイ!」



戦艦「座ッテ」



装甲「ハイ…」



戦艦「資料、12ページ 海洋汚染 ノ 項目 ヲ ヨク 読ンデ オキナサイ」



装甲「ワカッタヨゥ…」



戦艦「貴女ハ ヤレバデキル子。期待シテイルワ」



空母「ハァ…」




イツモ ノ 会議。



イツモ ノ ヤリトリ。



全テハ、何時モ 通リ。



今日モ イツモ 通リニ 終ワル。



ソウ思ッテタ。




戦艦「……以上、過半数 ガ 戦争反対。モット 穏ヤカナ、言葉 デノ 解決ヲ 模索シテイキマショウ」



パチパチパチパチ!



港湾「素晴ラシイワ」パチパチ!


北方「スバラシー」ポムポム!



潜水「今ニ、後悔スルゾ オマエ タチ。言ッテ 解ル ヨウナ 人類デハナイ」



泊地「……ソウダナ。ソレニ 関シテハ 同意見ダ。人類 ハ 過チヲ 繰リ返ス」



戦艦「ソレハ 私達モ 同ジヨ。人類ダケガ 間違ウノデハナイワ」



ウーーーン……



空母「少シ、休憩 ヲ シヨウカ」



「空母様……」



空母「ン、何ダ?」



「ハイ、タッタ今 連絡 ガ アリマシテ……」



空母「…………ソウカ。ゴ苦労」



「ハッ、失礼致シマス」



空母「戦艦、連絡ダ」



戦艦「私ニ?」



空母「戦艦配下 ノ 部隊ガ 全滅 シタ ラシイ」



戦艦「!」



南方「全滅デスッテ……」



潜水「何?アノ 精鋭部隊ガカ…」



重巡「ドノ 海域デ ソンナコトガ?」



空母「深海遺跡 付近ダ。艦娘 ガ 近ヅケル ヨウナ 場所 デハナイ」



防空「ツマリ、同類ニ ヨル 犯行 ダト?」



装甲「飛行場ダ!ヤツガ 犯人ダ!!」



空母「イヤ、情報 ニ ヨルト エリートクラス ノ 戦艦タイプ カ 空母タイプ ノ 可能性 ガ 高イトアル……エリート?」



軽巡「ソンナ タダノ エリート艦 ガ、戦艦ノ部隊 ヲ 全滅サセラレルダロウカ……?」



戦艦「…」ブルブル…!



泊空「戦艦、トニカク 今ハ 要塞 ニ 戻ッタホウガイイ。コノ場 ハ 一時 中断ダ」



戦艦「……皆、アリガトウ。ソウサセテ モラウワ」



戦艦 ノ 行動 ハ 迅速 ダッタ。



要塞 ニ 戻リ、情報 ヲ 整理 シタ後、スグサマ 出動シタ。



深海遺跡 周辺海域



ズシン……!ズシン…!ズシンッ!



戦艦「様子ハ ドウ?」



「アッ……姫様!!」



戦艦「戦艦部隊 ヲ 全滅 サセタ、エリート艦 ハ 何処ニ?」



ガキィン!



「ハッ…ハイ!アチラ ノ 遺跡 ノ 中ニ……!!」



戦艦「……ゴ苦労様。後ハ 私ガ ヤル」



「姫様、ミズカラガ……!?」



戦艦「コレ以上、私 ノ 娘達ヲ 傷ツケサセハ シナイ」ギラッ…!



ズシン……!ズシン…!ズシンッ!




深海遺跡(内部)



ウィーン…



戦艦「…」



ガシャン…ガシャン……



「レ……レ…」



戦艦「ン……」



戦艦『ヤハリ、深海棲艦。初メテ 見ル タイプ ダ』



「レレーーーーーーーッ!!」ゴォッ!



フッ…!



「レ!?」キョロキョロ!



戦艦「フン」スタッ…



テクテクテク……テッテッテッテー!



「レェイ!!」



戦艦「ヘヤァ!!」



ドカッ!バキッ……ガインッ!!



「レッ……レッレッ!!」



スカッ……ヒュヒュンッ!



戦艦『ガムシャラ ナ 動キ。戦闘訓練 ヲ マルデ 受ケテイナイ』



戦艦「ハァッ!」ビュン!



ゲシィ!!



「レッ!?レレーーーー!」



ヒュ~……ゴシャア!!



戦艦「モウヤメ……ナッ!」



「レレ…」ニタァ!



戦艦「言葉 モ 解ラナイ ノネ……」



「レッレィヤァーーーー!!」



戦艦「デァアアア!」ゴォ!(右ストレート)



「レレンゥ!!」ビュッ!(左ストレート)



ガギィン!バヂヂヂヂヂ!!



バヂィッ……スタンッ!



戦艦「コイツ…!」



戦艦『私 ノ 戦イ方 ヲ 真似テイル……私ニ、追イツイテ 来テイル!?』



「レレレ…!」ゆらり…



ジリ…ジリ……!



戦艦「ナラ!」ガシャンッ!(16inch三連装砲)



チャキ…



「レッ……!」フォン…



戦艦「何……!?」



バクゥッ!ギリ……バツンッ!!ブチブチブチィッ!!!



戦艦「ウァアアアアアアアアアアアア!?」



ブシューーーッ!



「レ…レレレ」ビチョビチョ……ベロリ



モグモグ…ゴクン…



戦艦「カ…ハッ……!」ボタボタ…



戦艦『尻尾ニ……口ガ…』



「レレレレレレレレレ……」ニヤニヤ…



シュルルル……!グルンッ!!ギチチ……



戦艦「ア゛ァアアアアアアアア……!」



「レレレ……!レッレッレッレッレッレ!!」



セヨ…


ハカイセヨ……



「レッ!?」



ドクン……キュイーン…



ハカイセヨハカイセヨハカイセヨハカイセヨハカイセヨハカイセヨハカイセヨハカイセヨ

ハカイセヨハカイセヨハカイセヨハカイセヨハカイセヨハカイセヨハカイセヨハカイセヨ

ハカイセヨハカイセヨハカイセヨハカイセヨハカイセヨハカイセヨハカイセヨハカイセヨ



「レレ……レェーーー!!」じたばた!



シュル……



戦艦「ハッ!クッ……フンハァ!!」ブチンッ!



「レェア!?」



戦艦「コンナモノ……引キ 千切ッテヤル!オリャア!!」グシャ……グイィ!!



ブチィイイイイイン!



「レェエエエエエエエエエエエエエエエエエ!?!?」



戦艦「ブルァアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」ゴォッ!



バキィイイイイン!



「レ………レ…ァ……アァ……ゥ」ドサッ…!



深海遺跡 周辺海域



ズシン……ズシ……ヨタヨタ……



「戦艦棲姫 様ダ!」



「流石ダ。姫様ニ 敵ウ 深海棲艦 ナド イルワケガ……アァ!?」



戦艦「エリート戦艦 ヲ、入渠ドックヘ 運ンデ……ハァハァ……ソレト、集積地棲姫 ニ 連絡ヲ…」



ヨロヨロ……



戦艦「ハァッ……アノ戦艦 ヲ 調査スルワ」



「姫様、御体ノ 方 ハ……」 サッ…ガシッ……



「ウ、腕ガ…!?止血ダ!工作艦急ゲ!!」



戦艦「ア……アリガトウ。ハァ……危ナカッタ。一歩間違ッテイレバ…ヤラレテイタ…ウ……」ガクッ…



「姫様!?姫様ーーーッ!!」



「空母様 ニモ 連絡ダ!至急、応援ヲ!!」



ソノ戦艦 ハ、今マデノ 戦艦タイプ トハ 全ク異ナル 新種ダッタ。



深海棲艦 ノ 頂点 デアル 戦艦棲姫 ヲ 敗北 寸前ニ 追イ込ミ、更ニ 右腕ヲ 捕食 スル トイウ 狂気ニ、



姫達ハ 恐怖 シタ。



新タナ 姫 デアル 可能性モ アッタ。デモ、ソレハ調査ヲ 終エタ 集積地棲姫 ニヨッテ 否定サレタ。



姫 ハ 唯一無二 ノ 存在。似テイル 姫コソ 在レド、同ジ姫ナド 存在シナイ。



ソウ、新種 ニハ 同型艦 ガ 存在シテイタ。ソレモ、二隻モ。



一隻目ハ、比較的 気性 ガ 穏ヤカダッタ。姫ニ 対抗 出来ル チカラ ハ 在レド、凌駕スル 程 デハナク、手ヲ 引クト 大人シク 着イテ来タ。



ニ隻目ハ、一隻目トハ真逆。凄マジカッタ。金色 ノ オーラ ヲ 身ニ纏ウ 姿ハ、神ニモ 悪魔ニモ 見エタ。



戦艦棲姫 ト 対峙シタ 個体 ヲ 大キク 上回ル チカラ ヲ 持チ、中枢棲姫、運河棲姫、空母棲姫、飛行場姫、戦艦水鬼、防空棲姫 ノ 活躍ニ ヨリ、無事捕獲サレタ。



恐ルベキ 能力 ヲ 持ツ 新種。ソレラハ、特有 ノ 鳴キ声 ニ チナンデ、 レ級 ト 名付ケラレタ。



空母城



潜水「レ級 三隻 ヲ 手懐ケル 事ガ 出来レバ、人類 ナド モハヤ 敵デハナイ。レ級 調教計画 ヲ 提案スル」



軽巡「本気デ 言ッテイルノカ?危険過ギル。レ級 ハ 三隻 諸共 速ヤカニ 抹殺 スルベキダ」



港湾「レ級ハ、危険。ダケド、私達ト 同ジ 深海棲艦。何モ、命マデ トラナクテモ……」



海月「殺スノ……可哀想」



戦夏「御人好シ モ イイ加減 ニ シロ!私ハ 軽巡 ニ 賛成ダ」



泊地「ウーム……デハ、一番 大人シイ レ級 ダケ ヲ 残シ、残ッタ 二隻ヲ 抹殺 スルト 言ウノハ ドウダロウカ?」



泊空「難シイ 問題ダ。アイツ ガ 大人シイ フリ ヲ シテイル ダケダッタラドウスル?」



水水「ソッカ……ソウイウ 問題モ アルンダ……」



双子(白)「殺セバ イイワ」

双子(黒)「ウン、殺ソウ」



空母「…」



空母「……レ級達ハ 何モ 知ラナイ 赤子 ノ ヨウナモノ」



ザワザワ……?



空母「私ハ、出来ル コトナラ レ級達ヲ 生カシテヤリタイ ト 思ッテイル」



港湾「空母…」



ドヨヨヨ!?



潜水「ソレハ本当カ!イイゾ。実ハ モウ プラン ハ 考エテアルンダ。マズ、正シイ装イ ト レディートシテ ノ マナー ヲ 教エ込ンデダナ……」ゴソゴソ…



軽巡「愚カナ……ヤツラ ガ ドレス ヲ 着テ、我々ニ 頭ヲ 垂レル トデモ?空母、オマエトモ アロウ者ガ、見損ナッタゾ」バンッ!



重巡「ダガ……モシ、使イコナセタラ…」



軽巡「重巡…!?」



重巡「全員、目ノ当タリ ニ シタハズダ。アノ チカラ ヲ。タダ捨テル ノハ 惜シイ……」



軽巡「オマエハ チカラ ヲ 求メ 過ギテイル。ソノ 思想 ハ イズレ、破滅ヲ 呼ブゾ」



重巡「…」



水母「ト、トコロデ、戦艦ヤ、中枢達 ハ ドウシタノカ」



空母「戦艦 ハ 現在モ 修理中ダ。中枢 ト 運河ハ 既ニ 帰還シタ。防空達ハ…」



防空「ハイ、ココニ」ルンルン♪



南方「エラク 上機嫌 ジャナァイ?」



防空「エェ。フフフ……生マレテ 初メテ 全力 ヲ ダセタンデス。楽シカッタデスヨ……マダ ドキドキ ガ オサマリマセン」ふんすふんす!



駆逐「ヨクヤッタ。実ニヨクヤッタ防空。駆逐艦トシテ、オマエ ヲ 誇リニ 思ウゾ。褒メテヤル。コッチコイ」チョイチョイ



防空「ハイ」ササッ…



駆逐「イイコイイコ」ナデナデ……



防空「アリガトウゴザイマス」サラサラ…



ソレカラ、話ハ ドンドン 難航 シテイキ…



結局、三体 ノ レ級 ハ 空母 ノ 城 デ 面倒 ヲ 見ルコトニナッタ。



ソレカラ、少シ 時間 ガ タッテ、レ級達 ハ 言葉 ヲ 理解スルヨウニ ナッタ。



ダケド、喋レルヨウニハ ナラナカッタ。体 ノ 構造的ニ 発音ハ 出来ル ハズナノニ、



彼女達ハ 「レ」 ト シカ 喋ラナカッタ。



アル日、私ハ青イ子ニ オ裁縫 ヲ 教エテイタ……



港湾「ソウソウ、ココハ コウシテ、針ヲ 通ス ノヨ」クイクイ…



ノーマル「レ……レ…レ?」グイグイ!



港湾「チカラ任セニ ヤッテモ ダメヨ。優シク、ユックリ ト……ハイ」



ノーマル「レレレ……レッ!レレレァー!」ぴこーん!



港湾「上手♪」



ノーマル「レ~……」じー…



港湾「ドウ?何カヲ 作ッタリ、直シタリ、気持チガイイデショウ?」



ノーマル「レ!レ!!」ウンウン!



港湾「イイ子ネ。今度、ホッポ モ 連レテクル カラ、一緒ニ 遊ビマショウ」



ノーマル「レン!」コクリ!



港湾「約束ヨ」



ノーマル「レァレレゥ?」



港湾「ヤ、ク、ソ、ク」



ノーマル「レァ……ヤ…レレゥ」



港湾「!」



港湾「ヤークーソークー」



ノーマル「………ヤ…ク…ソ…ク?」



港湾「ヨクデキマシタ!」



ノーマル「レ!ヤクソクー!!」



ソノ笑顔ハ トテモ 純真 デ、愛ラシカッタ。



シカシ、他 ノ 二人ハ……



バキャアアン!!



エリート「……レッ!」ドカッ!



潜水「ヤメロ!何デ オマエハ スグ 物ニ アタルンダ!!」



エリート「レレレ!」ビュンッ!



潜水「バカ ガ!」ガシッ…!ブン!(一本背負い)



ビタァン!!



エリート「レレェ!?」



潜水「戦艦トノ 傷 モ 癒エテイナイクセニ、コノ 潜水棲姫 様 ニ 勝テルト 思ッテオルノカ!」



エリート「レ……レレ…」ふらふら…



潜水「立ティ!性根 ヲ 叩キ 直シテヤル!!」



エリート「レェ…」



潜水「立テト 言ッタラ スグニ 立タンカ!ウスノロ ノ コンコンチキ!!」



エリート「レゥ!?」



ゲシッ!ゲシッ!ゲシッ!




潜水「ドウダッ!素直ニナレ!素直ニッ!ドウダッ!エェ~?ドウダァ!!」



エリート「レッ……レレレェ…!」



潜水「素直ニ ナッタカ?反発 ナド 許サン!髪ノ毛一本、血ノ一滴 ニ 至ルマデ!!」



潜水「全テ、姫ニ 捧ゲヨ!!」



潜水「オマエ ニハ 服従 シカ ナインダ!ワカッタナラ ハイ。 ト 返事ヲ シロ。今スグゥ!」



エリート「レ…」



潜水「ハイ!ト……言ッテルダロ!!マヌケガァアアア!!!」サッカーボールキック!



バシィッ!!!ゲシッ!ゲシッ!ゲシッ!ゲシッ…………




深海牢獄



フラッグシップ「…」べたー…



飛行場「死ンデイル ヨウニ 大人シイワネ。ズット アアシテイルノ?」



重巡「ソウダ。ダガ、気 ヲ ツケロ……コイツハ 他ノ 二匹 トハ 比較ニ ナラン チカラ ヲ 秘メテイル」



飛行場「知ッテルワ。実際戦ッタンダカラ」



重巡「コイツハ、待ッテイルンダ。反撃 ノ 時ヲ。ナラバ、コチラモ 待ツダケダ コイツガ 諦メルマデ……」



飛行場「随分 ト 気長 ダコト。ツマンナイ。私、帰ルワ」



重巡「待テ、飛行場」



飛行場「何カシラ?」



重巡「……手ヲ 組マナイカ?」



クイッ♪



飛行場「コウ?」キュ…



重巡「フッ…」パッ…



飛行場「アラ、違ウノ」



重巡「相変ワラズ食エヌ ヤツ。一匹狼 ヲ 気取ルノモ イイダロウ……私 ノ 邪魔 サエ シナケレバナ」



飛行場「ソ。ジャアネ~~」



更ニ 月日ガ 過ギテイッタ。



ソシテ……トウトウ レ級達 ヲ 実戦 ニ 使ウ 日ガ キテシマッタ。



各地 ノ 重要 ナ 役割 ヲ 持ツ 海ニ ソレゾレ派遣サレ、姫ニヨル 直々 ノ 監視ノ下 運用サレタ。



海底油田プラント



カッ……チュドーン!



ノーマル「レ」シュゥ…



「ヤッター!コソ泥 ドモ ヲ ヤッツケタ ゾ!アリガトウ レ級!」



ノーマル「レ……レ!」スッ……チャプン!



「アッ!?オイ、ドコ行クンダ!」



泊空「ヤツメ、逃ゲルカ」



「泊空様、我々 ガ ヤツ ヲ!」



泊空「オマエタチ ハ 下ガッテイロ。私ガ追ウ……ン?」



ブクブク…………ザパァ!



ノーマル「レ…」シュルル…



泊空「オマエ……ソレハ」



ノーマル「レ…レレァ……タタカイ…………イケナイ……シヌノ…モット、イケナイ」トントン…サスリサスリ……



「……ごほっ!おえ……あれ!?ここは……ひゃあああ!降参します!命だけは!!」ボロボロ…



ノーマル「レッ……ゴメ…ンネ。テカゲン……ムツ…カシー」むーん…



泊空「沈メタ 艦娘 ヲ 拾イ上ゲテ 来ル トハ……」



泊空『港湾メ、一体 ドンナ 魔法 ヲ 使ッタンダ?コノ 眼ハ、マギレモナク 慈愛ノ心 ヲ 持ツ 者ノ 眼……』



「あのぅ……捕虜の扱いは国際法にのっとってもらえるのでしょうか…」



泊空「我々ハ 深海棲艦。オマエ達 ガ 勝手ニ 作ッタ ルール ナド 知ッタコトカ」



「ひぇ…」



泊空「心配セズトモ、修理ガ 終ワリ次第 陸ニ 放シテヤルワ。野蛮ナ 人間ドモ ト 一緒ニ スルナ」



鉱物資源採掘場



エリート「レ……レェ!レレァーーー!!」拘束具着用



双子(白)「艦娘、殺スノハ イイケド。コノ子」グリグリ…(ふみつけ)



双子(黒)「全然 言ウコト聞カナイネ」



双子(白)「小生意気」

双子(黒)「小生意気」



双子(白)「潜水 ニ任セタカラ」



双子(黒)「コウナッチャタノカナ」



双子(白)「調教計画ダッケ?」



双子(黒)「失敗ダネ」



双子(白)「帰リマショウカ」



双子(黒)「ソウシヨウ」



双子(白)「…」スッ…



ゴキャッ!!



エリート「レ゛ッ……ァ…」



双子(黒)「姉様ガ 首折ッタ カラ」



双子(白)「シバラク 動ケナイ デショウ」



双子(黒)「早ク 運ビナサイ」



「ハ、ハイ!」




深海兵器工場



ボゥウウウウ……メラメラメラ…



コォ……ズギューン!ズギューン!



ドカァアアアアアアアアアン!!



「きゃああああああああああああああああ!」



「提督ぅうううう!!たすけてぇえええええ!!!」



「沈みたくないよ……」



フラッグシップ「レ」



ガシッ…



「お願いします……命だけは…」



フラッグシップ「レ」



スッ…



「いやだぁあああああ!」



シュパ…ブシューーーーーーーーッ!!



「…」ズルリ…ドサッ…



フラッグシップ「レ」



ポイ……ポチャン…




戦夏「貴様……!エェイ、ヤメンカ!」



フラッグシップ「レ」



戦夏「誰ガ ソコマデ徹底的ニ ヤレ ト 言ッタ。私ハ タダ 敵ヲ通スナ ト 命令シタダケダ」



港夏「ソウダゾー!」



重夏「イクラ 艦娘 相手ダカラッテ 酷スギル……」



潜夏「オマエ ニハ 血モ 涙モ ナイノカ!戦意 ノ 無イ 敵ヲ 殺スナ!!」



フラッグシップ「レ」



港夏「ヒェ!」

重夏「ヒェ!」

潜水「ヒェ!」



戦夏「覚エテイロヨ。コノ件ハ 全員ニ報告スル……任務終了ダ。帰還スルゾ」



フラッグシップ「レ」





ソレカラ、姫達ハ 再ビ 集マッタ。レ級達 ノ 処遇 ニ ツイテ 話シ合ウ為ニ。



青イ子 ハ 自我 モ 芽生エテキタ ヨウデ、ドノ姫ニモ忠実。手加減 モ 覚エツツアッタ。



赤イ子 ハ 動物的デ 気性ガ 荒ク、モハヤ 教育 ナド デキソウモ ナカッタ。



黄色イ子 ハ 性格 モ 性能モ 謎 ガ 多カッタ。最初 コソ 激シク 抵抗 シタ モノノ……



後ハ 寝テイル カ、気紛レニ 命令ヲ 聴ク 程度ダッタ。


空母城



潜水「ナント 素晴ラシイ戦果ダ!私 ノ 眼ニ 狂イ ハ ナカッタワ!!」



戦夏「ドコガダ!青 ハ マダシモ、赤、ト 黄 ハ マルデ コントロール 不能ダ。使イ物ニ ナラン!」



泊空「潜水、オマエノ 教育 ガ イケナカッタノデハ ナイノカ?港湾 ノ 教育ヲ 受ケタ レ級 ハ 従順デ、思イヤリスラアッタゾ」



潜水「私ノ 育成 ニ ケチ ヲ ツケル気カ!アレハ 愛ノ ムチ ダ!」



双子(白)「叩カレテ 賢クハ ナラナイ ワヨネ?」


双子(黒)「普通 ニ 考エテ、卑屈 ニ ナルヨネ」



潜水「フンッ!叩カレモセズ 罵倒モ サレズ 一人前 ニ ナレルモノカ!!」



装甲「別ニ ナレルデショ。アンタ バカ?」



潜水「黙レ小娘ガ!コンナ時 ニ 限ッテ 時間ヲ 守リ ヤガッテ!!!」ベチン!



装甲「ギャヒィ!ウワーーーーン!イタァイ!」ワァーン!



空母「…」クワッ…



空水「…」ギロッ…



潜水「チッ……ソンナニ 強ク 叩イテ ナイダロウガ。泣クナ、オマエダッテ 姫 ダロウ」



装甲「ウッゥッ……ウルセーーー!クソババァ!陸ニ ウチアゲラレテ 干物ニ ナッチマエ!!」



潜水「ナ……ナンダト!?モウ一度 言ッテ見ロ!!」ガーン!



装甲「何度デモ言ッタラァ!クソババァ!小ジワババァ!エバッテンジャネーヤイ!年増ァ!!」ダッ!



ダダダダー……!



空水「装甲!待ッテ!!」ダダ…!



潜水「アノ小娘……タダデハオカン」



離島「クソババァ デスッテ。キャハハ♪オモシロ~~」ケラケラ!



潜水「笑ウナ!オマエ トハ ソンナニ 変ワラナイダロウガ!!」



離島「エェ~?貴女 ト 私ジャ 200年モ 違ウケド~??」



戦水「フザケルノハ ココマデダ。今ハ レ級 ヲ ドウスルカ 決メネバ ナラナイワ」



ザワザワー!!ヤイノヤイノ!!!



泊地「港湾 ハ 育成ニ 成功シテイル。残リモ 港湾 ガ 育テレバイイダロウ」



港湾「アノ青イ子 ハ 特別 優シイ 子 ナンダト 思ウワ。後ノ 二人ト 話シタコトモ アッタケド」



港湾「二人トモ 心ヲ 開イテハ クレナカッタ……モット、時間ガ アレバ、或イハ……」



戦夏「誰カサン ガ 育成 ヲ 急イダ セイダ。モウ手遅レ。我々ハ、トンデモナイ 怪物 ヲ 育テテシマッタ」



空母「……コウナレバ、仕方ガ無イ。危険 ナ レ級 二体 ハ、南極基地 ニ 封印シヨウ」



海月「コールドスリープ ……命ヲ 取ラナイ ダケ 慈悲深イカ」



港湾「残念ダケド、今ノ 世界 ニハ……彼女達ノ 居場所ガ 無イ。ソレガ 最良ノ 方法 ダト 思ウワ」



戦水「話ハ マトマッタヨウダナ。異議ハアルマイ」



サンセーイ!



重巡「ナラバ、青イ レ級 ハ 正式 ニ 我等ガ戦力 トシテ 採用 スルワケダナ?」



空母「ソノ通リダ」



潜水「トナルト、誰ノ 部下 ニナルカダナァ……?」



重巡「彼女 トハ 気ガ合イソウダ。私ガ 面倒ヲ 見ヨウ」



潜水「育成計画 ヲ 提案シタノハ 私ダ。当然、アノレ級 ハ 私ノ 部下ダ」



泊空「私ニモ 権利ハ アル。アイツ ハ 磨ケバ モット 輝クゾ。何ヨリ、アノ性格 ガ 気ニ入ッタ」



泊地「ホウ?泊空 ガ ソコマデ 絶賛 スルトハ。興味アルナ」



ワイワイ!!



深海牢獄



シーーーン……



フラッグシップ「…」ベタァ(耳あて)



(……南極基地 ノ 準備ガ 整イ 次第、アノ 二人ハ 凍ラセヨウ)

(ソンナ話イイカラ、誰ガ 青イ レ級 ヲ 手ニスルカ、公平ニ クジ引キ ヲ スルゾ)



フラッグシップ「…」スクッ…



コツコツ…



フラッグシップ「オーイ!誰カ イナイカ!!黄色イ レ級 ガ 倒レテイルゾーー!!」



「今ノハ……空母様 ノ 御声ダ!!」



「何カ アッタラシイ!行コウゼ!!」



フラッグシップ「早ク 医療棟 ニ 移セ!隔離シロー!!」



ダッダッダッダッダ!!



フラッグシップ「…」フッ……スサッ…



ブクブク…




「アッ!本当ニ 倒レテイル!!」



「泡ヲ 吹イテルゾ!?」



「アレ?空母様ハ ドコダロウ??」



「アノ御方 ノ コトダ。工作艦 ニ 連絡 シニ イッタンダロウ」



「ソウダナ。早イトコ 移送シナイト!!」



「檻 ノ 警報装置 ヲ 切ッテ、電流 モ 止メルンダ」



カチャカチャ……ブゥーン…



「ヨシ!止マ……」



フラッグシップ「レ」



ドスッ……ゴキゴキ……ズバン!



ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア……!!




エリート「レレレェ…!」ガジガジ!!



「ハッハッハ!バカナ ヤツ。ソノ 格子 ハ 深海一 硬イ アビスメタル デ 出来テルンダ」



「姫ノ 装甲板ニモ 使ワレテルンダゼ?ヤメトケ ヤメトケ。歯ガ 折レル ノ ガ オチ ダゾ」



エリート「レレ!」グギギ…



「ナンテヤツダ!歯型 ヲ ツケヤガッタ!」



「コリャ、コイツモ 電流付キ ノ 牢ジャ ナキャ 駄目カナ……」



コツコツ…



フラッグシップ「レ」シュルル…!



シュバァー!



「ワッ!?ナンダ!ウググ…グ……」バタン…



フラッグシップ「レ」ヒュン…



ドスゥッ!ズポ……



「グ……ハァ…」バタン…



エリート「レレ!?」



フラッグシップ「…」クルリ…



エリート「レッレレレ!」ガンガン!



フラッグシップ「レ」チッチッチッ……



エリート「レ!?」



フラッグシップ「レレ。レレレレ、レレレ」



エリート「レレレ!?レェー!レッレレ!!」



フラッグシップ「レレレ、レ。レレ、レレレレレ」



エリート「レーン……レェレッレ。レレレレレレレレ」



フラッグシップ「レ。レレ」グイ……グイィィン!



エリート「レレゥーレァ!」ぴょん!



フラッグシップ「レ」クイ…



エリート「レン」コクリ…



コツコツ……テクテク…




空母城(兵舎)



ガチャ…



「ココガ オマエサン ノ 新シイ 寝床ダ」



ノーマル「レ!テツボウ……ナイ。ゴハン、ナンジ…?」



「鉄棒?アァ、格子ナンカ アルモンカ。ココハ 牢屋 ジャナイ。泊空様 ノ 御進言デ、空母様 ガ オマエ ヲ 認メテ 下サッタ」



ノーマル「クーボサマ?」



「オマエモ 私達 ト 同ジク、姫ニ 使エル 兵 トシテ 認メラレタンダヨ。モットモ、スグニ 引ッ越ス カモ 知レナイ ケドナ」



ノーマル「レ?」



「皆様、オマエ ガ 欲シクテ 言イ争ッテルンダト。ヤッタジャネーカヨ。コノ分ダト、ドナタノ 眷属ニナッテモ 出世デキルゾ」



ノーマル「レ。ネェ、ゴハン ナンジ?」



「飯ナラ 好キナ時ニ 食堂ヘ 食イニ イキナ。オマエ ハ モウ 自由ナンダカラ。ジャアナ」



ノーマル「レ……自由。アリガトー」




ゴロゴロ~…



ノーマル「レレ~♪」



トントン…



ノーマル「レ?」



テッテッテ……



ノーマル「ダレ」ガチャ…



ドン…!グイン!!ガチャ……



ノーマル「ムグッ……レ゛!?」



エリート「レレレ!」



フラッグシップ「レ」




ノーマル「レレ、レレレレッ!レレレレレ」



フラッグシップ「レ。レレレレ、レレレ」スッ…



ノーマル「レレレ!」パチンッ!



エリート「レーレ?レ、レレレ」コイコイ♪



ノーマル「レッ!」ブンブン!



エリート「レレレェ…!レレ、レッレレレァ!!!」ジリッ!



フラッグシップ「レレォ」サッ…



エリート「…………レッチッ」スン…



フラッグシップ「レーレ……レレ、レレレレレ?」



ノーマル「レッ……!?」



フラッグシップ「レレレレレ…レレレ」ポン…



ノーマル「…」



フラッグシップ「レ、レレレレン」



ノーマル「……レレッレ。レレ、レレレレレ…?」



フラッグシップ「レ」コクリ…



ズンズン……テクテク…コツコツ…



廊下



空水「装甲、皆 ノ 所 へ 戻ロウ」



装甲「ヤ」



空水「装コ…」



装甲「アノババァ ガ 私ニ 跪イテ 許シヲ 請ウマデ 戻ラナイ」



空水「……姉サン。空母姉ェ ヲ 困ラセチャ ダメダヨ」



装甲「…」



空水「装甲姉サン。私ノ オ願イ ヲ 聞イテ」



装甲「マタスグ ソノ 呼ビ方スル……」



空水「オ願イ」



装甲「ワカッタワヨ。全ク、ショウガナイ 妹分ダコト」



空水「装甲姉サン!」



装甲「戻ルワヨ」



空水「ウン」



キラッ……シュルルルルル!!




シュバーーーッ!!



装甲「!」



空水「!」



ババッ!



装甲「ハッ!」ピョン!



空水「何ヤツ!!」ズササー…



テクテク……



フラッグシップ「レ」



エリート「レッレッレ…」ケタケタw



ノーマル「…」



空水「!?……貴様ラ、ココデ 何ヲ シテイル!」



装甲「姫ニ 牙ヲ 剥コトガ 何ヲ 意味スルカ……マダ ワカッテ ナイヨウネ」



フラッグシップ「レレ、レレレレッレレ」クル……スタスタ…



ノーマル「…」



フラッグシップ「レィ?レォーレレ」



ノーマル「レ…」




フラッグシップ「レェレーレ。レレレァ、レレレレレォ」



エリート「レレレレォレェ!!」



装甲「二匹 逃ゲルワ!空水、追エ!!コイツハ 私ガ ヤル」



空水「イヤ、コイツハ 戦闘能力 ダケハ 高イ。二人デ 確実ニ 倒ソウ!」



装甲「ドウデモイイワ!トリアエズ、コイツ ヲ 叩キ ノメスノヨ!!」



空水「ワカッタ!!」



装甲「ハァッ!!」(変身!)



シュシュシュシュシュン!!ビューンッ!!!



装甲「全機暴走!艦載機、発進!我ガ シモベ達、存分ニ 暴レナサイ!!」



空水「全機疾走!艦載機、発進!アウトレンジ オーバードライブ!!」



エリート「レレレ…♪」



空母城



空母「デハ、当タリ ヲ 引イタノデ 青イ レ級 ハ 泊地空母姫 ノ 部下 ト スル。コレニテ、閉会」



港湾「可愛ガッテ アゲテネ……トテモ 素直デ、良イ子ダカラ」



泊空「モチロンダ。娘 ノ ヨウニ、愛情 ヲ 持ッテ 育テルトモ」



潜水「クソ、セッカクノ 戦力ガ……失礼スル。モウ、オマエタチ ト 話ス コトハナイ」



軽巡「フン……付キ合ッテラレン」



水水「私モ 帰リマスワ。ジャアネ、空母。戦艦ニ ヨロシク 伝エテネ」



空母「確カニ。気 ヲ ツケテナ」



戦夏「空母、レ級ニハ、互イニ 注意 シテオコウ。嫌ナ 予感ガスルンダ」



空母「ワカッタ。レ級 ニ 関シテハ、警戒ヲ 緩メナイ。用心シヨウ」



戦夏「ソレデイイ。マタ会オウ、友ヨ」



潜夏「オーイ!リーダー!!仕事 終ワッタンダシ、帰ッテ ビーチバレー シヨーゼ!」



重夏「ビーチバレー!ヤッタァ!大好キ!!」



港夏「我等ガ パラダイス ニ 早ク帰ロウ ジャナイノ!外 ハ 陰気臭クテ ヤダ!」



戦夏「ヨォーシ!ウチ マデ 競争ダ!!タダシ、城 ノ 外ニ 出テカラナ。空母 ノ 部下ヲ 轢イテシマウカモシレン」



ワタシモー……帰ルー……次ハ何年後カナ~……



ゾロゾロゾロゾロ……




駆逐「オメデトウ。レ級 モ 良イ 姫ノ 部下ニ ナレタ」



駆水「私達 モ 帰ロウ。部下 ガ 待ッテイル」



駆逐「エー……公務 メンドー…」



防空「フフ…コノ城 ハ 広イシ、休ムニ ハ モッテコイ ノ 場所 ナンデスガネ」



駆水「駄目ダ 駄目ダ。臣民 ハ 姫 ヲ 必要トシテイル。傍ニ イテ ヤラネバ」



駆逐「ソウネ。帰ロウカ」



防空「ハイ。帰リ道 ハ 同ジ デスシ、オトモ シマスヨ」



駆逐「アリガトウ防空。オマエ ハ 本当ニ 良イ子ダ。ドコニ ダシテモ 恥ズカシクナイ」



防空「イエイエ、貴女ニ 比ベレバ 私ナド ヒヨッコ ガ イイ所デス。サ、帰リマショウ」



駆逐「ウン」スィ~…



防空「…」



防空『勇猛 ニシテ 聡明。ソシテ、美シイ。コレコソ 全テノ 駆逐艦 ガ 目指スベキ 極致。至高 ノ レディー』



防空『駆逐棲姫。貴女ニ ダケハ 頭ガ 上ガリマセン。貴女 ダケガ、私 ヲ 正シク 評価 シテイル』



防空『敬イ、尊ビマショウ。貴女 ダケ ハネ……』




シバラクシテ…



空母「皆 モウ少シ 仲良ク 出来ナイモノカ。我々 ハ 海ヲ 統率 スル 姫 ナンダゾ」



泊地「無理ダ 無理ダ」ヒラヒラ~



泊空「寧ロ、コレクライデ イイダロウ」



泊地「ウム。潜水 ヤ 飛行場 ト 仲良ク スルナンテ、考エタ ダケデ 気持チ悪イ」



泊空「潜水 ハ オマエ ノ 事ヲ 気ニ入ッテル ヨウダガナ?」



泊地「ヨセ。私ハ 真剣勝負 ヲ 求メル 闘士。ヤツ ハ タダ 他人 ヲ 痛メツケル 事ガ 大好キ ナ サディスト ダ。何度言ワセル」



空母「所デ 泊空。レ級 ハ ドウスル?」



泊空「連レテ行ッテモ イイナラ、スグ ニ デモ 連レテ行ク。ヤル事ガ イッパイアルカラナ」



空母「ナラ 部下 ニ ソウ伝エヨウ」



泊空「助カル」



空母「オイ、オマエ達」



「ハッ、空母様」スサッ…



空母「泊空 ヲ ゲストルーム ヘ 案内シナサイ」



「カシコマリマシタ」



空母「オマエハ、兵舎 ニ 居ル 青イ レ級 ヲ 連レテ、泊空 ノ ゲストルーム ニ 行キナサイ」



「ハイ!私ガ、案内致シマス。ドウゾ、コチラヘ……」



泊空「待テ、コノ城 ノ 中ニ 土産処 ガ アッタナ。寄ッテ行ッテ クレナイカ?」



「土産 デ ゴザイマスカ?」



泊空「青イ レ級 ハ カナリ ノ オオグライ ダト 聞イタ。甘イモノ デモ 与エテヤロウト 思ッテナ」



「カシコマリマシタ。デハ、マズ 土産処 ヘ 参リマショウ」



泊空「頼ム」



スタスタ…



泊地「サテ、私モ 帰ルトシヨウ。サラバ、空母」



空母「マタ キテクレ」



空母「…」



空母『結局、装甲 モ 空水 モ 戻ッテコナカッタナ……』



空母「……」ソワソワ…



空母『心配ニ ナッテキタ。迎エニ 行コウ』



空母「…」スクッ…



「空母様?ドチラヘ行カレルノデスカ??」



空母「装甲 ト 空水 ヲ 探シテクル」



「デハ、部下達ニ 捜索 サセマショウ」ピッ…



空母「必要ナイ。二人ガ 行キソウナトコロハ 目星 ガ ツイテ…」



ザーーー……



「ン…?オカシイナ、チャンネル ハ アッテルノニ。管制室、応答シロ。ダメダ……」



空母「ドウシタ?」



「監視カメラ ニ 御二方 ガ 映ッテイル ト 思イ、管制室へ 連絡ヲ シタノデスガ 繋ガリマセン」



空母「管制室ガ?……第二管制室 ハ ドウダ?」



「第ニ管制室 デゴザイマスカ?恐レナガラ、第ニ管制室 ノ 管轄ハ コノ区域 デハ ゴザイマセン」



空母「勿論 知ッテイルサ。イイカラ カケテミロ」



「ハイ。仰セノ ママニ」ピッ…




ザーーー……



「第二管制室 モ 応答無シ……空母様、私 ノ 通信機ハ 壊レテイルヨウデス。大変 申シ訳ゴザイマセン」



空母「ソノ 通信機 ハ 集積地 ノ 工場 デ 作ラレタ 物。集積地 ノ 製品ガ 100年以内 ニ 故障スル ナド、絶対 ニ アリエン」



「ツマリ……」ゴクリ…



空母「ソウダ。今、コノ城デ 何カガ 起キテイル……ハァ!」ボワッ!!



ボシュワァーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!



「オォ!コレガ、空母様 ノ 艦載機……」



空母「行ケ。コノ 城 ヲ 覆イ 尽クスノダ」



空母『牢獄 ハ 第二管制室 ノ 管轄 ノ ハズ。マサカ!杞憂デアッテ クレ……』




空母城(連絡通路)



バキッ……ドカッ……チュドーン!!



装甲「…」プスプス…(大破)



空水「チィッ!対空装備 カ!!」



エリート「レレッ!」



空水「艦載機 ダケダト 思ウナ!!」ミドルキック!



ブゥン……ゴリィッ!



エリート「レ゛ッ……!?」



空水「伊達 ニ 重イ ブーツ 履イテル ワケジャナイ」



エリート「レェ~…!レッ!?」



ブワァーーーーーー!!ヒュヒュヒュンッ!!!




エリート「レ!レレレェ……!!」ブンブン!



空水「空母 ノ 艦載機ダ!気付イテ クレタンダ!!」



ビシビシッ!ヒュ~~……ドガァーンッ!!



エリート「レギャ!!レレ……レッ!」ググ……



バゴォ!!ピョンッ!ダダダーーー……



空水「クソ……追イカケタイ ガ、残リノ 燃料 モ 艦載機数 モ 足リナイ」



装甲「…」キュ~…



空水「シッカリシテ。起キテヨ、装甲」ユサユサ…



装甲「……ハッ!?ウワァーーーッ!!クルナ!!オバケーーー!!!」ズドドドド!!



バゴォ!ズギューーン!!ズギューーン!!



空水「落チ着ケ!!ヤツ ハ モウ イナイ!!!」



装甲「エ……空水!無事ダッタヨウネ」キリッ…



空水「……ウン。オカゲ サマデ」



装甲「私達 二人 ノ 挟撃 ヲ カイクグル トハ、敵ナガラ 天晴レナ ヤツダワ」



ダダダダダダーーーッ!!




キキィーーーーーッ!



空母「ヨカッタ」



ギュ~…



空水「空母!」



装甲「イデデ!」



空母「二人トモ 無事デ……」



空水「喜ンデル 場合ジャナイ……レ級 ハ 三匹 トモ 脱走シタ」



空母「一匹 ハ 床ニ 穴ヲ 空ケテ 逃ゲタ ヨウネ。トリアエズ 二人ハ ココニ イテハ イケナイ。入渠ドック デ 傷ヲ ナオシナサイ」



空水「ワカッタ」



装甲「アイツラ ヲ 放ッテ オクノカ!?」



空母「大丈夫。コノ 城ハ 私 ノ 支配下 ニ オカレテイル。今ハ ドコカニ 潜ム ダケデ 手一杯 ノ ハズダ」



空水「装甲、行コウ。コノママジャ 足手マトイ ダ」



装甲「クッ……アノ ガキ、今度 アッタラ タダ ジャ オカナイ」



空母棲鬼 ガ 放ッタ 艦載機 達ハ、帰路ニ ツイテイタ 姫達 ノ 下ヘモ 届イテイタ。



「………!」フヨフヨ…



泊地「何ッ……レ級達 ガ 脱走ヲ!?タコヤキ、ソレハ マコト カ?」



「!」コクコク!



泊地「アイ ワカッタ。オマエ ハ 主人 ノ 下 ヘ 戻ルガイイ。全隊ー!トマレッ!!」



ピターッ!……コテン!イテテ…ナンスカ 急ニ…



泊地「進路変更、空母城 マデ 戻ルゾ!戦イダ!!」



戦イ!?ウォーーーーーー!!戦イダーーー!!



泊地「目標 ハ レ級 三隻。生死 ハ 問ワン。無力化デキレバ 何デモイイ」



ハーーーイ!!



泊地「クレグレモ 用心シテ カカレヨ!ヨシ、突撃ダ!私ニ 続ケー!!」



オォーーーーーー!!!



「!」



双子(黒)「フゥン、ソウ」



「!!」



双子(白)「ウルサイ。サッサト 戻リナサイナ。叩キ落スワヨ」



「…」ヒィー!



双子(黒)「ドウスル?」



双子(白)「今更 戻ルノ 面倒クサイ。ホットキマショ。私達 ガ 出向ク マデモナイ」



双子(黒)「ウン、ワカッタ。オイ、ソコノ……誰ダッケ。マァ、イイヤ。命令スルワ」



「ハイ……何ナリト」スサッ…



双子(黒)「部下 ヲ 何人カ 連レテ 空母城 へ 戻リ、空母 ニ 加勢シテヤリナサイ」



「ハッ、直チニ取リ掛カリマス」



双子(黒)「適当ニ ヤラレテ ナルベク早ク 帰ッテキナサイ。資材 ノ 無駄ダカラ」



「カシコマリマシタ」



双子(白)「フワァ…………アァ、眠イ」



双子(黒)「姉様 ガ オネムヨ。スグニ 輸送用ベッド ヲ」



「ハッ!」ガララー!



双子(白)「ン……膝マクラ」



双子(黒)「ハイ、ドウゾ。姉様」ストン…



双子(白)「ア~ヤワイ。オヤスミ」



双子(黒)「オヤスミナサイ」


空母城



空母「…」



空母『イナイ』



空母『一体 ドコ ニ 消エタ…』



空母『コノ 短時間 ノ 間 ニ、城カラ 脱出 シタトイウノカ?』



空母『ダトシテモ、城外ハ 厳重ニ 見張ラレテイル』



空母『アノ 数 ノ 警備 ヲ カイクグレル ワケガナイ』



空母『ソモソモ、ヤツラ ノ 目的 ハ ナンダ?自由 ニ ナル 事ガ 目的 ナラバ、ヤツラ ノ 行動 ハ 派手 スギル』



ズドドドー!



空母「?」



「落チ着イテ 下サイ!今ハ 警戒中デ…!」



泊地「ドコダ、裏切リ者 ハ!」



空母「泊地」



泊地「空母、話ハ 聞イタゾ。ココニ 来ル途中 モ 十分 気ヲ配ッテ イタガ、ヤツラ ノ 影 モ 形 モ ナカッタ」



空母「デハ、ヤハリ マダ コノ 城 ノ ドコカニ イル ハズダ」



タッタッタ…!



港湾「空母…!」



空母「港湾、オマエ モ 戻ッテキテクレタノカ」



港湾「アノ子達ハ……?」



空母「三隻 揃ッテ ノ 脱走 ダ。モハヤ、助ケテヤル コト ハ デキナイ。見ツケ次第 破壊 シナケレバ ナラン」



港湾「ソンナ…」



コツコツ…



飛行場「大変 ナ 事 ニ ナッタ ワネェ」



泊地「……飛行場、貴様、マタ 何カ 企ンデ イナイダロウナ?」



飛行場「マサカ。私、品 ノ 無イ 輩 ハ 大嫌イナノ。アンナノ 手駒 ニ スルノダッテ 御免ダワ」



空母「ヤメナイカ、泊地。今ハ レ級 ノ 事 ダケヲ 考エルノダ」



泊地「アァ、ソウダッタ」



飛行場「所デ 空母、イツマデモ ココダケ ヲ 守ッテイテ イイノ?」



空母「ドウイウ意味ダ」



飛行場「貴女ッテ 慎重ヨネ。デモ、今回バカリ ハ 後手ニ 回レバ 命取リニ ナルカモヨ」



空母「…」



飛行場「コレッテ、深海 全テヲ 巻キ込ム 大事件 ジャ ナァイ」



飛行場「ソモソモ、私達ニハ 協力シアッテ 共通 ノ 敵ヲ 倒ス ナンテ ノウハウ 無イワケデ」



泊地「ウ…」



飛行場「モタモタ シテイタラ、姫 ガ 全員 殺サレル カモ 知レナイワネェ」



空母「……ソウカ」



飛行場「フフ、気付イタ?……私ダッタラ、手強イ 敵ガ 複数 イルナラ 一人ズツ 確実ニ 始末シテ 回ルワ」



飛行場「ココニハ 姫 ガ 5人 モ イル。ソノ内 2人ハ 深海 ノ 頂点 ト 次点……負傷シテイル トハイエ、戦艦 ガ イル コノ場所ニ 長居 シヨウトハ 思ワナイ」



泊地「ツマリ ドウイウコトダ!」



飛行場「オ馬鹿サン ネェ。レ級達 ガ コノ海 デ 暮ラシテ 往ク為 ニ 邪魔 ナ 存在 ハ 何?」



泊地「……馬鹿ナ!姫 ノ 抹殺 ガ ヤツラノ 目的 ダト!?」



飛行場「現実的 ナ 話ヨ。ヤツラ ニハ ソレガ デキル チカラ ガ アル」



空母「筋ハ 通ッテイル……ヤツラ カラ スレバ、自由ニ 生キテイタ 自分達ヲ 拘束 シヨウトスル 姫 ハ、邪魔デシカナイハズダ…」



飛行場「サテ、凝リ固マッタ 頭脳モ 少シハ 解レタ カシラ?私、モウ 行クワ」



空母「…」



泊地「…」



港湾「待ッテ、飛行場」



飛行場「…」ツカツカ…



港湾「飛行場!今、1人 ニ ナルノハ 危険ダワ」



飛行場「居タンダ。港湾棲姫」



港湾「…!」



飛行場「ホッポ ハ マタ 結界 ノ 中デ オ留守番?可哀想ニ……」



港湾「…」



飛行場「サッサト 帰リナサイ。ホッポ ノ 身ニ モシモ ノ 事ガ アッタラ、絶対ニ 許サナイ」ギラッ…



港湾「私ハ……アナタ ガ 心配デ」



飛行場「アンタ ガ 誰ヨリモ 心配 シナクチャ イケナイノハ 北方棲姫 デショ!?マサカ、アンナ 薄ッペライ 結界 デ 守ッテイル ツモリ?」



港湾「…」



飛行場「私ハ 認メナイワ。アンタ ナンカ レ級 ニ 食イ 殺サレレバイイ」



空母「飛行場、オマエ ラシクナイゾ。チカラ ヲ 抑エロ」



飛行場「失礼……ソシテ、ゴキゲンヨウ。事態 ノ 終息 ヲ 願ッテイルワ」クルリ…



コツコツコツ……



港湾「飛行場……ドウシテ…」




泊地「フン!アイツ、本当ニ イヤ ナ ヤツダ。頭数ニハ 数エテオイテ、話シカケタラ 牙ヲ 向イテクルトハ」



港湾「…」



泊地「気ニスルナ 港湾。ヤツハ オマエニ 嫉妬 シテイル ダケサ」



港湾「…」



泊地「元気ヲ出セ 友ヨ」ポンポン!



港湾「ウン」



空母「港湾、飛行場 ノ 言ウコトニモ 一理有ル。ホッポ ハ コノ 城ニ 避難サセヨウ」



港湾「イイノ…?」



空母「勿論ダ」



泊地「ヨシ、デハ 私ハ 港湾 ニ 同行シヨウ。オマエタチ ハ ココニ 残リ、コノ城 ヲ 守ルノダ」



ハーイ!



泊地「ソレニシテモ、薄情者 ガ 多イコトダ。空母 ノ 通達 ヲ 無視シオッテ。ソレトモ 空母 ノ 実力 ヲ 信用シテノ事カ……?」


ソノママ、何モ 起キヌ ママ 一週間 ガ 過ギテイッタ。



空母城



装甲「修理ニ 一週間 モ カカッチャッタワ」



空水「赤イ レ級 カラ 受ケタ 傷ガ カナリ 深カッタ カラナ」



装甲「戦艦ハ?」



空水「マダ 修理中 ダ。腕 ノ 再生 ガ 不完全 デ、内部機関 モ 酷イ ヤラレヨウ ラシイ」



装甲「フーン」



空母「オマエ達」



装甲「空母」



空母「モウ 痛イ 所 ハ 無イカ?大丈夫?補給 モ 万全カ??」ペタペタ…



装甲「ヤメロィ!子供 扱イ スルナ!!」



空水「大丈夫ダヨ。モウ平気。状況 ハ ドウナッタノカ 聞キタイ」



空母「アァ、ワカッタ」



空水「ナルホド…」



装甲「潜伏中ッテワケネ。ビビリ虫 共メ」



てってってって~……!



北方「クーボー!」



装甲「ア、チビ 来テタンダ」



空水「避難シテキタンダロウ。アァ、ナンテ愛ラシイ♡」



装甲「ケッ!ドコガ。子供ナンテ 何ガイイノヤラ……」



空母「ホッポ!オイデ。ドウシタ?モウ ココハ 飽キチャッタ?」



北方「ポ!ウーウン!クーボーノ オ城 広クテ大好キ!!」ニコー!



空母「ソウカ ソウカ。オヤ?ドウシタノ。体中 色 ダラケ」なでなでなでなで……



北方「今日ネ、オ絵描キ シタノ。クーボーノ絵~~~!見ニキテ!!」わにわに!



空母「ワカッタ!オ話 終ワッタラ スグ 見ニ 行クカラナ」なでなでなでなでなでなでなでなでなでなで……!



ズシンッ……ズシンッ…ズシンッ!



港湾「ホッポ!待チナサイ!!マタ クレヨン デ イタズラ シテ!!オ風呂 行クノヨ!!ホラ!!!」



北方「ア、オネーチャン!?オ風呂キライッ……………………エイッ!」ヒュワァ~…



空母「!」



装甲「アッ!?」



空水「キ、消エタ!?」



港湾「ホッポ!?ヤメナサイ!ドコ……ホッポー?」



空母「ステルスボディ……潜水 ノ 得意技ダ」



装甲『私、アノ 技 使エナイノニ……ナンテ ガキ ダ!』



北方『ヌキアシ……サシアシ……カニカニカニ…』こっそり…



コトッ……トット…



空母「ソコダナ…………捕マエター!」ギュッ! 



北方「アレ…!?」ポシュ~…



空母「スゴイナ~ホッポ ハ。ヨシ、オ風呂 入ッテ キタラ、小遣イ ヤロウ」



北方「ホント…?」



空母「ウン」



北方「ワカタ。ホッポ、良イ子ダモン」



空母「良イ子 良イ子♪」なでなでなでなでなでなでなでなでなでなでなでなで……



港湾「モウ……ゴメンナサイ 空母。私 ダケジャ、捕マエラレナカッタ」



空母「子供 ノ 学習 能力 ヲ 侮ッテハ イカン」



港湾「ハイ…」



空母「因ミニ、ステルスボディ ニハ 目視 モ 電探モ 有効デハナイ。耳ヲ澄マスノダ。音ダケハ 隠セナイ」



港湾「ワカッタワ。アリガトウ。サ、ホッポ行コウ」



北方「ハイ!」



港湾「ソレト、当分 透明ニ ナッチャ駄目ダカラネ」



北方「ハァ~イ…」シブシブ…




ダッダッダッダッダ!



「空母様!」



空母「ン……暫シ 待テ」



空水「ツイニ 現レタカ!」



北方「?」



空母「港湾、シャンプー ハット ハ チャント カブセテ ヤルンダゾ」



港湾「オイデ……ホッポ」コクリ…



北方「ウン…?」



てくてく…




空母「ヨシ、話セ」



「ハッ、申シ上ゲマス。泊地空母鬼 様 ガ 支配スル 海域 ニ、戦艦 レ級 ガ 現レマシタ!」



空母「数 ト 色 ハ?」



「黄色 ガ 一隻デス」



空母「ワカッタ。私ガ 出ル」



装甲「私 モ 行ク」



空水「アァ、三人 デ カカロウ」



空母「駄目ダ。オマエタチ ハ ココデ 戦艦 ト 一緒ニ居ロ」



装甲「ナンデスッテ!?」



空水「姫6人デ 捕ラエタ 怪物 ダゾ。戦力ハ 多イ 方ガ イイ」



空母「ソレハ、相手ガ 軍勢 ノ 場合ダ。敵ハ 単騎。1人 ノ ミス ガ 全滅ニ 直結 スル」



空水「シカシ……!」



装甲「中枢ヨ!スグニ 呼ビツケテ ヤレバイイワ!」



空母「中枢ハ 頼リニ サレル 事ヲ 好マナイ。次 ニ 訪レル 時ガ アルト スレバ……」



空水「…」



装甲「…」ゴクン…



空母「私ガ、奴等 ニ 敗レタ 時 ダロウナ」



空母「全軍ニ通達。我、出陣ス。各 部隊長 ハ 持チ場 ニ ツケ。私 ノ 帰ル 場所 ヲ 守ッテ オクレ」



「了解致シマシタ。直チニ!」



ドタドタドタ~~~!!



「クッ空母サマァ~~!大変デス!!」



空母「ドウシタ?」



「黄色イ レ級 ガ、同時ニ 3箇所 デ 出現 シマシタァ!!」



空母「何…?」



空水「3隻 ノ フラッグシップ ダト!?」



装甲「ソ…ソソソ……ソンナ 馬鹿ナ 事 アルカ!オイ!!」グィッ!



「ヒェ!本当 デスゥ!!」



空水「ヤメロ装甲…落チ着イテ」ソッ…



装甲「ゥ…」パッ…



「ホッ……空母サマ、ドウシマショウ!アンナノ ガ 3隻 モ 襲ッテキタラ、コノ城 ト 言エド……アワワ!!」



空母「ウロタエルナ。恐ラク 1体 ハ 本物 デ、2体ハ フェイク ダ」




装甲「奴等メ、小賢シイ マネヲ……!」



空水「コウナッタラ、我々 ガ 3手 ニ 分カレテ 各個 撃破 スルシカ ナイ」



装甲「エ、ソンナ ノ ヤ……」



空母「イカン!ソレハ 絶対ニ 許サン!!」



コツコツ…



泊地「ハッハッハッハッハ!匂ウ、匂ウワ。戦 ノ 匂イガ……ドウヤラ、我々 ノ 出番 ノ ヨウダナ」



泊空「ウム、空母。助太刀 ニ 参ッタゾ」



空母「泊地!泊空!」



スィー……



泊水「空母……」



空母「泊地水鬼……オマエ マデ 駆ケツケテ クレタノカ」



泊水「ゴメンネ……イツモ、会議 参加 デキナクテ……私、ガンバルカラ……」



空母「気ニ スルナ。美シイ 自然 ヲ 守ル為ニ 働ク オマエ ヲ、誰ガ 攻メル モノカ」



泊地「言ッタロウ?空母 ハ オマエ ヲ 責メタリ シナイト」



泊水「ウン…」



泊空「海上 ヲ 超高速 デ 移動 デキル 我々 ナラバ、奴等 ノ カク乱 戦術 ニ 対抗 デキル」




装甲「アレ……チョット待ッテ。泊空」



泊空「ドウシタ?」



装甲「アンタ、自分 ノ 要塞 ノ 警護 ハ?」



泊空「部下達ニ 任セテキタ」



泊地「我々 ノ 支配スル 海域 ハ 田舎 バカリ ダカラナ。マサカ 攻メテ ハ 来ナイ ダロウ」



装甲「ハァ!?ヤバイジャン!!」



空母「ハッ……!?シマッタ……ツイ 気ガ緩ンデ…泊空、スグニ 要塞 ニ 引キ返セ!」



泊空「何故ダ?」



空母「3隻 ノ 内 ノ 1隻 ガ、オマエ ノ 要塞 ヲ 狙ッテイルンダ!早ク!!」



泊空「ナンダッテ!?」



泊地「!?」



泊水「エ…?エ…?」



空水「姫 ノ イナイ 要塞 ナド スグニ 落トサレルゾ!!」



泊空「ナントイウコトダ……!ワカッタ!スグニ 戻ル!!」ダッ…!



泊地「ワ、私ノ 要塞 ハ 大丈夫 ダロウナ…!?」



空母「クッ……連絡 ヲ 取リ合ワナイ 悪習 ノ 隙 ヲ 突カレタカ……!」


泊空要塞



ドカーン!



「ワァー!?備蓄倉庫 ガ 爆破 サレタ!?」



「食イ物ガ!?」



ドカーン!



「弾薬貯蔵庫 モ ヤラレタゾ!消火 イソゲー!!」



「駄目ダ!間ニ 合ワナイ!!」



ドドドドドカーーーン!!



「今度ハ ナンダ!?」



「ハッチ ガ 全テ 破壊 サレマシタ!!」



「コレデハ 出撃 デキマセン!!」



「何ィーーー!?」



「泊空サマァ!早ク 帰ッテキテェーーーッ!」


シバラクシテ…



泊空要塞



泊空「ナッ……!?アァ……」



泊空「オォーーーイ!!オマエ達!ドコダァーーー!!イタラ 返事 ヲ シテクレーーー!!」



泊空「オォーイ!オーーーイ!!」



泊空「…」



泊空「ナンテ 馬鹿 ナンダ 私ハ……!」



泊空「自分 ノ 部下モ 守レナイデ……私ハァ!」



カチャ…



泊空「!」ガチャ!



フラッグシップ「…」



泊空「オマエェ!ヨクモ……許サンゾ!」



フラッグシップ「…」ブツブツ…



泊空「……?」



フラッグシップ「ミンナ……ブジ…………キタ ノ アナ ノ ナカ………」



泊空「!?」



フラッグシップ「コロサ……ナイデ。トメテ……オネガイ…………」



泊空「待テ!オマエ、アノ時ノ 青イ レ級 ダナ!?」



フラッグシップ「…」ピタッ…



泊空「ソウダロウ?戻ッテ来イ!今ナラ マダ 間ニ合ウ!来ルンダ、私ノ下へ!!」スッ…



フラッグシップ「…」ぶるぶる…



泊空「サァ……オマエ ハ アノ 2人 トハ 違ウ。オマエ ニハ、心 ガ アルンダ!命 ヲ 無駄ニ スルナ!!」



フラッグシップ「……シューセキチ ネラワレテル……キヲツケテ……ワタシタチ……トメテ…」



泊空「集積地…?アッ、オイ!!」



フラッグシップ「…」ヒュンッ…



泊空「…」



泊空「北 ニ 海底 トンネル ガ アッタ……行ッテミヨウ」



集積地大工場



集積地様 ノ オ部屋



集積地「……ワカッタ。警備、固メル」



集積地「早クキテクレ。ココハ 戦闘員 ガ 少ナイカラ……コワイ」



集積地「ウン、ウン……空母、急イデクレ」



ガチャリ…



集積地「…」スッ…ピッ…



集積地「守リヲ 固メロ……エ?ドコヲッテ…………?」



集積地「…」ポカーン…



集積地「…………ドコヲ 守レバ イインダロウ?」



集積地「ウッ……エット、ジャア ダレモ ココニ 近ヅケルナ…」



集積地「仕方ナイダロ!敵 ハ 艦娘 ジャナインダカラ!!」



集積地「アゥァ……ゴメン。ソレデ イイ。頼ンダ」



更ニ 一週間……



レ級達 ノ 継続的ナ 攻撃ニ 姫達ハ 苦シンデイタ。



3体 ノ レ級 ニ ヨル 波状攻撃 ハ 凄マジク、好キ 放題 暴レ 回リ、



応援 ニ 駆ケツケタ 姫ガ 到着 スル 頃ニハ、忽然ト 姿ヲ 消シテイタ。



ヤガテ、姫達ハ ソノ 予測不能 ナ 動キニ 翻弄サレ、身動キガ 取レナクナッテシマッタ。


空母城



軽巡(ソレ見ロ!最悪 ノ 事態ダ!!)



双子(白)(コレモ ヤツラノ 思惑通リ トイウワケ)


双子(黒)(モウ、会ッテ話スコトモ 出来ナクナッタネ)


双子(白)(ダカラ 殺ソウ ッテ 言ッタノニ)



潜水(……何カノ 間違イダ。オマエ 達ガ 私 ノ 足ヲ 引ッ張ッテ サエ イナケレバ!)



防空(鈍足 ノ アナタ ガ ソレヲ 言イマスカ)



潜水(ナンダト 小娘!コノ 私ヲ 誰ダト 思ッテル!!)



防空(役立タズ ノ 白イ 棺桶)



潜水(!)



駆水(ヨセ、防空)



防空(イイエ。モウ 我慢デキマセン)



潜水(黙レ!貴様 如キ 若造 ニ 何ガ デキル モノカ!)



防空(少ナクトモ!)クワッ!



潜水(ウッ!)ビクッ…



防空(私ハ 間ニ合ッタ)



離島(……アリガトウ。防空棲姫。オカゲデ コッチハ 戦死者 0 ヨ)



防空(ドウ致シマシテ……ソレガ、アナタハ ドウデス?アナタニ、何ガ 守レルノデスカ?)



潜水(ウグ…ヌゥウウウ……!)ギリギリ…



空母「…」



駆逐(ン…………オッケー……防空、ヤメナサイ)



防空(駆逐……サン)シュン…



駆逐(ハッヤーイ 駆逐艦 ト、オッソーイ 潜水艦 ヲ 比ベルノハ 酷トイウモノダゾ)



防空(ハイ、仰ル通リデス)



駆逐(十人十色。得手不得手 アッテ 当然ナノダ。スマナイ、潜水。後輩 ノ 無礼ハ 私ガ 詫ビル)ペコリ…



潜水(ダガナ…!)



駆逐(後輩 ニ 手ヲ 上ゲルト 言ウナラ、後ホド 私ガ 相手ニ ナロウ)スチャ…(ソナー&爆雷)



潜水(フン!……イイ先輩ダヨ。オマエハ)ストン…



駆逐(アリガトウ。サテ、空母。何カ 言イタゲ ダヨネ?何??)




空母「決戦ダ」

南方(ト……言ウカラニハ、名案デモ アルノカシラ?)



空母「ヤツラ ノ 前途ニ 横タワル 障害ハ 何カ」



戦水(無論、我々ダロウ)



空母「ソウダ……危険ナ 作戦 ダガ、コレ以上 被害ヲ 増ヤスワケニハ イカナイ」



泊地(ドンナ 作戦ダ?)



空母「我々 姫ガ、囮ニ ナルノダ」



水母(待テ。勝算 ハ アルノカ?エリート デサエ 戦艦 ニ アレホド ノ ダメージ ヲ 与エタノダゾ)



空母「勝算 ハ アル……」



コツコツ…



戦艦「皆、随分 ト 待タセタワネ」



戦夏(オォ!戦艦!!体ハ モウイイノカ?)



戦艦「エェ、モウ 大丈夫」



離島(……解キ放ツノネ?アレ ヲ)



戦艦「艤装獣 ヲ 使ウ。フルパワー デネ」



海月(大丈夫カナ……地球 壊レソウ)



戦艦「ソノタメニ、皆 デ チカラ ヲ 合ワセルノヨ。コノ メンバー ダケデモ、全員 デ 結界 ヲ 張レバ 環境ヘノ ダメージ ハ 軽減デキル」



空母「聞イテイルナ、飛行場」



ドヨドヨ…!?



パッ…



飛行場(エェ、ヨク ワカッタ)



戦艦「頼リニ シテイルワ。飛行場」



飛行場(マァ……アナタニ 頼マレレバ、仕方ナイ。手伝イマショウ)


ソシテ、決戦 ノ 日ハ ヤッテキタ。



集積地大工場



ピー!ピー!



港湾「泊地、通信機ナッテル」ちょんちょん…



泊地「ウン?ホントダ。モシモシ?」



集積地(ナ…ナンデ ヨリニヨッテ 皆 ココニ 来ルンダヨォ!空母 ト 戦艦 ダケ デ イイ!!)



泊地「落チ着ケ。コレハ 空母 ノ 立案シタ 作戦 ダ」



集積地(空母ガ…?)



泊地「大勢 ノ 姫 ガ 一箇所 ニ 集マレバ、奴等ニ トッテ コレホド 好都合ナ コトハナイ。シカモ、随伴艦 無シデナ」



集積地(危険 ダロウ!ヤツラ ヲ ココニ 呼ブナァ!!)



泊地「成セバ成ル!コノママ ジリジリ ト 被害ガ 増エル ヨリ、ココデ 一気ニ決着ヲ ツケタ方ガ イインダ」



集積地(ナラ 他所デ ヤッテクレ。ココニハ 大事ナ モノ ガ イッパイ アルンダ!壊サレチャ タマラン!!)



泊地「壊レタラ、マタ造レバイイダロ!」



集積地(ションナァ…)



泊地「ソレニナ、ココヲ 戦場ニ 選ンダ 理由ハ オマエ ヲ 守ル 為ダ」



集積地(エ……私ノ為ニ)



泊地「オマエハ 深海 ノ 資g……宝ダ!オマエ ヲ イツデモ 守レルヨウニ、敢エテ ココ ガ 選バレタノダ」



集積地(デモ……自室ニ 1人ジャ 心細イヨゥ……1人デモ イイカラ 戦闘力 ノ 高イ 姫ヲ コッチヘ 寄コシテクレ)



泊地「安心シロ。今シガタ、特別チーム ガ オマエノ 部屋 ニ 向カッタ。戦闘 ガ 終ワルマデ ズット 一緒ダゾ」



集積地(ホント カ!?アリガトウ……皆 ノ 勝利 ヲ 祈ッテル)



泊地「ウム。任セテオケ!」



プツン…



集積地サマ ノ オ部屋



集積地「特別チーム カ。チーム ト 言エバ……」



集積地『ソウカ、夏姫達ダナ 。ソレナラ 安心ダ。頭ハ イマイチ ダガ 腕ッ節ハ 一流ダシ、何ヨリ 全員 優シイ』



ウィーン…



集積地「待ッテイタゾ。狭イ 所 ダガ 寛イデ……」



ル級「ハッ!戦艦ル級 デ アリマス。戦艦棲姫 様 ノ 命ニ ヨリ、貴女様 ヲ 御守リ 致シマス」敬礼!



装甲「ハァ~…ナンデ コノ私ガ ガキ共 ト ネクラ ノ 相手 シナクチャ イケナイノヨ」



北方「ソーコーソーコー♪」



戦水(娘)「ソーコー好キー♪」



装甲「ウッサイワネェ……ホラ、飴デモ 舐メテ 大人シク シテロ」



北方「ワーイ!」



戦水(娘)「甘イ!美味シイ!!」



集積地「エェ…」



ズズーン……グラグラ…!



集積地「ワッ…!始マッタンダ!!……ウゥ」ガタガタ…!



北方「ジシン!」



戦水(娘)「私モ 地面揺ラセルー!コウヤッテ ムガー!ッテ!」



ル級「オ嬢様、無闇ニ 大地ヲ 揺ルガシテ ハ ナリマセヌ」



戦水(娘)「ハァイ」



装甲「集積地、冷蔵庫 ノ 物 勝手ニ 貰ウワヨ」



集積地「イイケド…ナナ……ナンデ オマエハ ソンナニ 冷静 ナンダ 装甲?」



装甲「空母 ト 戦艦 ガ 揃ッテ 負ケルハズ 無イデショ」



集積地「……オマエハ 知ラナインダ。アイツラ ノ 恐ロシサヲ。私ハ 細部 マデ 見タカラ ワカル…」



装甲「ケッ……臆病者。アーモウ、ロク ナ モンガ ナイジャナイ。オイ、下民。オ腹減ッタワ。ナンカ 美味シイモノ 作レ」



ル級「ハッ!ココニ 空母様 カラ オ預カリ シタ オ弁当 ガ ゴザイマス」



装甲「空母 ノ オ弁当デスッテ!?早ク ヨコセ!!」



ル級「御意」



装甲「流石 空母。私 ノ 好キナ 物 バッカリ。ヘヘ、頂キ!」バクバク!



北方「オイシソー……」じゅるり…



戦水(娘)「ウン…」だらー…



装甲「ヘン。ネダッタッテ アゲナイゾ」ガツガツ!



ル級「御二方 ノ 分 モ ゴザイマスヨ♪」



北方「ヤター!」



戦水(娘)「空母オバサン ニ 後デ オ礼 イオーネ。ホッポチャン」



北方「言ウー!」



ル級「集積地様 ノ 分モ ゴザイマスヨ」



集積地「イラナイ……食欲 ナンテ ワクモンカ。オマエ……食ベテイイゾ」



ル級「イエ。自分ハ 作戦 開始 マエニ 食事ハ 済マセマシタ」



集積地「ナラ、ソノ辺ニ 置イトケ」



ル級「カシコマリマシタ。デハ、私ハ 外デ 見張リヲ シテ オリマス。御用 ノ 際ハ 御声掛ケ 下サイ」



集積地「頼ンダゾ」



集積地『只ノ エリート戦艦 ニ 何ガ デキルモンカ。気休メニモ ナラン……』


集積地大工場



採掘場



ドゴンッ!ビシィッ!ガギギギギ……!!



潜水「フンッ……セァッ!!」



エリート「レレェ…!」ギラン…!



潜水「ソンナニ 私ガ 憎イカ?アノママ 大人シク 言ウコト ヲ 聞イテイレバ、死ヌマデ 可愛ガッテ ヤッタモノヲ……」



エリート「レヤッ!」



潜水「クッ……コノ手デ 殺ス コト ニ ナル トハ、残念ダヨ!」



エリート「レ…………レッレィ!!」ヒュヒュン!



潜水「何ッ!?」



ヒュ~……チュドォオオオオンッ!!





潜水「ブワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」大破



エリート「レェーッレッレッレッレッレ!!」ケタケタ!



潜水「バカナ……戦艦タイプ ニ、アレホド ノ…対潜能力 ガ」ズルズル…



エリート「レレレ♪」スッ…



グシャ…グリグリグリグリ!!



潜水「ウ…グゥゥ!!」



エリート「レン。カ~……ぺッ!」



ベチャ!



潜水「コッ…コノ……屈辱ゥ!忘レン……ゾ…」バタン…



エリート「レーレッ!」あっかんべー!



クルッ…スタスタ……



潜水棲姫 敗北。





大型ベルトコンベアー



ガウンッ!ドンドンッ!!



駆水「加勢スルカ?」



駆逐「ウウン。私達ハ、後ロカラ 見テイテ ヤレバイイ」



駆水「心得タ」



ズドドドドンドドドドドドドドドン!!



防空「フフフフフ…………ドウシタ、縮コマッタリシテ」



ノーマル「レゥゥ……レレーーー!!」ヒュヒュヒュン!



防空「ア?……ナンダァ、ソレハ」



駆逐「出ルゾ♪」



駆水「ワクワク」



チャッ…チャッ…ズン…………



防空「艦載機 ナゾ 使ッテンジャネェ!」ガシャコン!



ヂュドドドドドドドドドドドドドドドドォーーーッ!!



ノーマル「!?」



駆逐「オーオー、墜チル 堕チル」



駆水「見事。今ダ 防空。止メ ヲ 刺セ」



防空「言ワレナクトモ……」チャキッ…



ノーマル「レェ……」タジッ…



ドォン!



ノーマル「レ!」



防空「ン…?援護カ」スカッ!



ドドォン!



駆逐「オット」ひょい



駆水「セイヤァ!……ウッ」ガギンッ!



駆逐「オォ、大丈夫?」



駆水「クゥ……私モ 避ケレバ ヨカッタ…手ガ 痺レテシマッタ」ビリビリ…



テクテク…



フラッグシップ「レ」クイッ…



ノーマル「レレッ!」



ヒュン…!



防空「駆逐サン、ヤツラハ 上ヘ 逃ゲタヨウデス」



駆逐「計算 通リダ。上 ノ 階層ニハ 戦艦 ト 空母 ガ イル。安心ダ」



防空「ソウデスカ。デハ 私ハ 万ガ一 ニ 備エ 補給 シテキマス。少シ 撃チスギタ ヨウデス」



防空棲姫 勝利。ノーマル、フラッグシップ、逃走。


連絡通路



てくてくてくてく……!



ノーマル「レ…?」



フラッグシップ「レ」



ノーマル「レッレ!?レレレ、レレレレンレ!!」



フラッグシップ「レ、レ」



ノーマル「レ……」コクリ…



フラッグシップ「…」ニタリ…




泊地「待テーィ!」



ピタッ…



泊地「艤装獣ナド、使ウマデモナイ。レ級 共!コレ以上 勝手ナ マネ ハ サセンゾ!」



泊水「平和 ヲ 乱ス 者……裁キ ヲ 受ケナサイ」



泊空「二人トモ、青イ レ級 ハ 私ニ ヤラセテクレ」



泊地「……イイダロウ。黄色 ハ 私達ガ!」



泊水「頑張リ…マス」



泊地「先手ハ 貰ッタ!!」ヒュッ…!



ゴォ!



フラッグシップ「レッ!」ヒュン!



泊地「イイ子ダ!サァ、着イテ来イ!!」



ダダダーーー…………!



泊空「…」



ノーマル「…」



大砲倉庫



エリート「…」キョロキョロ…



ドドウッ!



エリート「!」サッ!



ドガァン!



南方「……ヨク、避ケタワネ」



エリート「レレレ…」ベロリ…



南方「戦艦 ヲ 追イ詰メタ ソノ チカラ、見セテ 貰イマショウカ」



エリート「レーレォ」コクリ



南方「ハァッ!」



南方「南方棲戦鬼……参ルッ!」




ガシッ…ガシィ……!



南方「ガアァ…!!」



エリート「レウォ…!!」



ガップリ!!ギリリリ……!



南方「バカ ヂカラ ダコト…!」



エリート「レォ……!」



南方「ナッ…!」



エリート「レヤァアアアアアアアアア……!」



グググ…



南方「ウ…ワ……キャア!!」



エリート「デレァ!!」ブゥン!



ビタァン!!




南方「ガッ…」



エリート「ハァハァ……レン」フフン♪



南方「負ケタ……真正面カラ、チカラ 比ベデ……」



エリート「…」ガシャリ…



ドォン!



南方「グハッ…!ウッ……」大破



エリート「レレーーーレレレ!レァーーーーレレレェ!!」



南方棲戦鬼 敗北。


溶接工房



泊地「遅イッ!」



フラッグシップ「レッ!?」



泊水「焼キ払エ……」スッ…シュババババ!



ヒュヒュヒュン!



フラッグシップ「レギュ…レッレ……レレーーー!」



ボムンボムンボムン!



泊地「泊水、後ハ 下ガッテロ、止メハ 私ノ 主砲 デ……」



泊水「エ……コノママ 艦載機デ 押シ切レル ノニ」



泊地「ツベコベ言ワズニ 艦載機ヲ 退ケロ!接近 デキン!!」



泊水「デモ……」



フラッグシップ「レィヤ!」ブゥン!



ベチン!



泊地「オグワッ!?」



泊水「アッ……」



フラッグシップ「レ!」ガチャンッ!



泊地「泊水避ケロ!シマッタ……」



ピタッ…



泊水「……ドウシテ、撃タナイノ?」



フラッグシップ「…」ガタガタ…



泊水「……貴女」



フラッグシップ「…」じわっ…



泊地「ドウイウコトダ…?」



フラッグシップ「ウテナイ…ダメ……ヤッパリウテナイィ……」ぽろぽろ…



泊地「オマエ、マサカ!」



ボワァ……




ノーマル「ミンナ デ ナカヨク 生キテ イタイ ダケ……オヒメサマ モ コロシタクナイ」



泊地「青イ レ級!?貴様、黄色 ト 入レ替ワッテイタノカ!!」ガシッ!



ノーマル「死ニタク ナカッタ…………ゴメンナサァイ!ウワァ~~~!!」びえー!



泊水「泊地、スグ戻ロウ。青ガ ココニ イルナラ 泊空 ノ 相手ハ…!」



泊地「ソウカッ!マズイ……泊空 ガ 殺サレル!!クッ……来イ!オマエモ!!」グイッ!



ノーマル「モウヤダァ~~~ッ!ヤダヨォォオオオオオオ!!」じたばた!



泊地「エェイ!ナラバヨイ!泊水!ココ ニ 残ッテ コイツヲ 見張レ!!私ガ行ク!!!フンラァ!!!」ギュン!



連絡通路



ノーマル「…」



泊空「オマエ ハ コンナ事 望ンデイナイハズダ」



ノーマル「…レゥ」コクン…



泊空「今カラ デモイイ。来ルンダ。誰モ オマエ ヲ 傷ツケタリ シナイ」



ノーマル「レレ…」たじ…



泊空「頼ム!信ジテクレ!!身ノ安全モ、今後ノ生活モ 私ガ 補償スル。姫ノ 誇リニ カケテ、誓ウ」



ノーマル「レ」



てくてく…



泊空「信ジテクレルノカ……アリガトウ レ級」



ノーマル「レ…」ギュ…



泊空「ン……ソウカ。寂シカッタンダナ。安心シロ。赤 モ 黄色 モ オマエニハ 絶対ニ 近ヅケサセン」ポンポン…



ザシュ




泊空「!?」



ノーマル「…」ガシッ…



泊空「ガッ……ナ、何ヲ……」



ボワァ…



フラッグシップ「レ」メラメラ…



泊空「金色ノオーラ……貴様ァッ!フラッグ……シップ。ドウシテ……」



ズポ…



泊空「ウゥグッ……」



ポタ…ポタ……



泊空「ウワァアアアアアアアアアアアアアア゛!!」



フラッグシップ「レ」ペローリ…



ヒュッ…………ドズゥ!!ドズッ!!ドズッ!!



広場



ビーッ!ビーッ!



港湾「ハイ。コチラ、港湾」



空母(三体 ノ 位置ヲ 把握スルコトニ 成功シタ。広場 ノ 守リハ モウイイ。ソコカラ 西 ノ 巨大燃料タンク ニ 向カッテクレ。エリート ガ 暴レテイル)



港湾「赤イ子ネ……ワカッタワ。スグ ニ 向カウ」ズシンッ…ズシンッ!



空母(コチラハ既ニ 潜水、南方、泊空 ガ ヤラレタ)



港湾「ソンナニ……3人 トモ、命ハ 無事ナノ…?」



空母(潜水 ト 南方 ハ 集積地 ニ 頼レバ ドウニカナルダロウ)



港湾「…泊空ハ」



空母(スマナイ。私ニモ ワカラナイ……体 ノ 欠損 ガ 著シイ。元ニ 戻レルトシテモ ドレホド 時間ガ カカルカ……)



港湾「ワカッタワ。一刻 モ 早ク 止メナイト……」



空母(頼ム。私 ト 戦艦 ハ、フラッグシップ ニ 集中スル)



巨大燃料タンク 



エリート「レッ!」ブゥン!



ベチン!



水母「ウベワッ!?」



水水「イヤァ 髪ガ!ワタクシ ノ 美シイ 髪ガァ!!」メラメラ!



水母「バカ!火 ヲ ツケテ タンク ニ 近ヅクナ!!」



水水「ナンデ ココ 空気 ガ アルノォー!?」ポフポフ!シュゥ~…



水母「海水 ハ 作業 ノ 邪魔 ダソウダ……来ルゾ!」



エリート「レッハァ!」



ヒュヒュン!



エリート「ッ!……レッ!」ピョン!



港湾「ヤメナサイ」



水水「港湾!援護ニ キテクレタノネ!ヤリマシタワ!!」



エリート「レ~?」



港湾「コンナ 事 ヲ シテ 何ニ ナルト 言ウノ。武器 ヲ 捨テテ、話ヲ シマショウ……?」



エリート「ペッ……!レァレァレゥ!!レーィッ!!」ヒュッ…!



バキィッ!




港湾「…」ツツー…



水水「何ヲ シテイルノ!?反撃 ナサイ!!」



水母「イヤ、効イテイル」



水水「エ!?」



水母「見テミロ。ヤツ ト……港湾 ノ 顔 ヲ」



エリート「レ……レレ……!」



港湾「…」ポタリ…



水水「ナンテ……悲シイ顔……ナ、涙!?」



水母「ヤツ ノ 恐怖 ニ 歪ンダ 表情……ヤツ ニハ ワカラナインダ。港湾 ガ 何故 ヤリ返シテ 来ナイノカ」



スッ……ピト…



エリート「!?」



港湾「オ願イ……モウ ヤメテ」



エリート「レ…レレレ……レ……レ…」ブルッ…!



水母「混乱 シテイルンダ!今ガ チャンスダゾ!!」



エリート「レ……レッ!!」ボカボカ!



水水「シメタ!ワケ モ ワカラズ 自分 ヲモ 攻撃 シ 始メタ!!」



エリート「レ……ウゥーーーーッ!レレォ!!」



泊地「オウヨ!!」ゴォッ!(正拳突き)



ドッゴォオオオ!!



エリート「ゲブッ……!?レギャアアアアアアアアアアアアア!!」



ゴロゴロゴロゴロー!!ビタァン!!!




スタッ……



泊地「ヤット…ヤット ソノ ニヤケ顔 ニ 一発 叩キ込ンデヤッタゾ。泊空 ノ カタキ ダ!少シハ 応エタカ…………ムッ!!」ズキッ…



プシューッ!



港湾「泊地……血ガ!」



泊地「大丈夫ダ。コンナモノ……フン!説得ハ 無理 ナ ヨウダ」ズボッ…コトンコトン…



エリート「……レレレ」ムク…ニヤリ……



泊地「歯 ヲ 食イ込マセルトハ……ドコマデモ 歯向カウ ト 言ウンダナ!!」



エリート「レッ!」シャキン!キラン……!!(歯復活)




レ……



エリート「レ…?」ピクン!



泊地「?」



エリート「レレレ、レレィッレレッレ……」ブツブツ…



エリート「…」



エリート「チッ……レーレィ」フッ…!



泊地「アッ!?逃ガスモノカ!」フッ…!



水水「足 速過ギ……ドコニ 逃ゲタ ノ カシラ?」



港湾「マサカ……!ホッポ!!」ダッ!



水母「私達モ 行クゾ」





ヒュン…!



泊地『変身シテモ 追イツケナイトハ……!』



エリート「レッ!」キキィーーッ!



泊地「ブレーキ!?マズイ!」



エリート「レィレィ」ノシ…



コォ……ボシュー!!(烏賊魚雷)



泊地「クッ!コンナモノハ!」スイッ!



ビュン!



エリート「レンッ!」尻尾なぎ払い



泊地「ゴフッ!?」



エリート「レレレ…!レッ!!」ビュン!



ベシィッ!!



泊地「オワァアアアアアアアアアア……!」



ヒュ~~~……ゴシャァン!



ストン…



エリート「ペッ……レレ」フッ…


集積地サマ ノ オ部屋



装甲「クカー……」zzz



戦水(娘)「スゥ…」zzz



北方「オネーチャン……ンニャ……」ムギュ…



ムニムニ……



装甲「ウ゛~ン……」



集積地「コノ 馬鹿 共。ドウイウ 神経 シテルンダ。コノ 建物 ノ スグ外デハ 化物 ガ 暴レテイルンダゾ…!」



集積地『モシ、コノ 部屋ニ キタリシタラ……』ガタガタ…



集積地「……ォィ、外ハ 異常ナイカ?」ボソッ…



ル級(ハッ、異常 アリマセン)



廊下



ル級「ム…!」



集積地(ドウシタ!?レ級カ!)



ズシズシ…



ル級「……戦艦様?」



集積地(戦艦?ホッ……ソウカ。見回リニ キテクレタノカ……)



ズシン…ズシン……



ル級「…」ハッ…



戦艦「…」ニコニコ…



ル級「集積地様、レ級ガ 現レマシタ。ドウゾ 隔壁ヲ 閉ジテ 下サイ」



戦艦「レ!?」



集積地(何!?イ、色 ハ 何色ダ!?)



ル級「赤デス。オ早ク!!」



ビーッ!!カシュカシュカシュカシュ…………バスーン!



ル級「アビスメタル ノ 隔壁……コレナラバ 簡単ニハ 突破デキマイ」コンコン…



フォン……ボワァ!



エリート「カァッ……レ!レェォレレレンレ、レレォレァ!!」



ル級「見事ナ変身ダ……ト 言イタイ所ダガ、所詮 付ケ焼刃。品位 マデハ 真似 デキナカッタヨウダナ」



エリート「レォー!」



ル級「ココハ 通サン」



エリート「レッ!」



ル級「ルッ!」



ザッ!





数分後…



ル級「…」ボロボロ…



エリート「…ッ」ズタボロ…



ル級「ドウシタ。随分 驚イテル ヨウダガ」



エリート「レ……レレレレレ!!」



ル級「生マレ持ッタ 強サヲ 持テ余スカラ ソウナル」



エリート「レレレァ?」



ル級「オマエ ノ 戦イ方ハ 我ガ主ヨリ 学ンダ。次ハ マタ 尻尾カ…?」



エリート「レ…!?」



ル級「…」メラメラ……



ゴゴゴゴ……



エリート「レレ……!」ビクゥッ!



ガォン!




ル級「ナッ……ハグゥ…」ドサッ…(大破)



フラッグシップ「…」シュゥ~…



エリート「レレッレレッレ!」



フラッグシップ「レ」スッ…



バシン!



エリート「ギャアッ!」



フラッグシップ「レンレレレレ、レレレッレ」



エリート「レレン…」ヒリヒリ…



フラッグシップ「レレィレォ」ピタ…



ガギギギギ……グニャアアアアン!!



フラッグシップ「レ」ピッ!



エリート「レッ!」


フラ「雑魚に手間取ってんじゃねぇ」
エリ「すいやせんボス」
こんな感じのやり取り?



集積地サマ ノ オ部屋



シーン…



エリート「レッ!?」キョロキョロ…



フラッグシップ「…」じー…



エリート「レレレレァイ!?」



フラッグシップ「レレレレ」ピシッ!



エリート「レ?」



掛軸〔塵モ積モレバ山トナル〕



エリート「???」スッ…



ペラ……ヒュ~~~…(緊急脱出路)



エリート「レレッ!」



フラッグシップ「レ」



エリート「レェーイ!レレレッレレ!!」ズイッ!



ガシ…



フラッグシップ「レレォ」フルフル…



エリート「レレァ?」



フラッグシップ「…」ガシッ…(その辺の本)



ポイッ!ドサッ…………ジャキィィィンッ!!(床、壁、天井 からトゲ!)



エリート「レレ~…!」ゾゾゾ~ッ…



フラッグシップ「レレィ、レレォ」クルッ…ダッ…



エリート「レーレィ!」クルリ…ダダッ!



ダッダッダッダッダッ……!!



ル級「…ゥ……ウマク、逃ゲ 延ビテ 下サレバ イイガ……コウシチャ オレン……ゥグッ!」ズキッ…




秘密通路



ダッダッダ……!



装甲「クソッ!ナンデ 姫デアル 私ガ コンナ 惨メ ニ 逃ゲナキャ ナラナイノヨォ!!」



集積地「ドウセ ニードル トラップ ニハ 掛カラン!出口ヲ 突キ止メラレテ、先回リ デモ サレタラ 終ワリ ダゾ!!」



装甲「トゲ ナンテ 有ッテモ 無クテモ 同ジヨ!!」



集積地「イーヤ!誰ダロウト トゲ ニ 串刺シニ サレタラ 死ヌ!!コレニハ レッキトシタ 根拠ガ……!」



北方「クピ~…」zzz


戦水(娘)「グ~…」zzz



装甲「コラァ!ガキ共 起キロ!!」



集積地「無駄ダ!幼イ 姫ノ 寝ツキ ハ 深イ!!アノ ル級 トヤラ ガ 居ナカッタラ、オマエ モ 起コセナカッタンダ!」



装甲「モウ!置イテク 訳ニモ イカナイシ……チクショオー!」ハァハァ…



集積地「アト 少シダ、急ゲ!!」ゼェゼェ…



タッタッタッタ…



装甲「…今度 隠シ通路 作ル 時ハ 床 ガ 移動スルヨウニ 作リナサイヨ」



集積地「フゥ……ダメダ。ソンナコトシタラ 音デ バレル シ、普段使ワナイ 場所ヲ メンテナンス スル等 コスト ガ 掛カリスギル」



装甲「相変ワラズ ケチ ネ」



集積地「オマエ コソ、機械ニ 頼リ 過ギダ」



装甲「チッ…」



集積地「ココ ガ 出口ダ。開ケルゾ……」カチャリ…



ピタ…



装甲「……ドウシタノヨ」



集積地「……怖クナッテキタ。頼ム、オマエ ガ 開ケテクレ」



装甲「エ!ナンデ 私ガ」



集積地「オマエ ナラ 撃タレテモ 死ナナイカモ 知レナイ。防御高イ ダロウ?」



装甲「尚更 嫌ダワ!」


大工場屋上



フラッグシップ「レ」キョロキョロ…



フラッグシップ「レ………レレレ」ブツブツ…



メラメラ……ボムン…ドガァアアン……!



フラッグシップ「…」



コツ…



フラッグシップ「…?」クルリ



コツコツ…



空母「馬鹿ト 煙ハ ナントヤラ……コンナトコロ カラ 眺メテ、ソンナニ 炎 ガ 好キカ?」



ズシンッ…ズシンッ……



戦艦「ノーマル ト エリート ニ、反乱 ヲ 促シタノハ 貴女ネ……」



フラッグシップ「…」



空母「貴様 ダケハ 生カシテ オケナイ。オマエ ハ チカラ ヲ 示シ過ギタ」



戦艦「海ニ、還リナサイ……」



フラッグシップ「レ」



カッ……ズドォオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!



大工場 広場



潜夏「キャア!?オバサン、シッカリシテェ!!」



潜水「…」



重夏「ナンテコトヲ…」



港夏「嫌ナ人ダッタケド………………嫌ナ 人 ダッタワ」



潜夏「オバサン ノ 仇……必ズ 討ッテミセル…オバサァアアアアアン!!」オーイオイオイ!



潜水「ダ……マ…レ」ピクピク…



潜夏「オバサン!」



潜水「ヤツラハ…」



港夏「空母 ト 戦艦 ノ 影 ガ 食イ止メテル」



潜水「ソウカ……オ…?」



重夏「ドーシタノ?」



潜水「クックク……聞コエテキタゾ…………アノ詠唱…トウトウ……艤装獣ガ目覚メルゾ!」



潜水「ハーーーッハハハハハハハハハハ!!勝ッタナ!!! 何ヲ ボサットシテイル。運ベ……私ヲ 安全ナトコロヘ。コノママデハ 我々 トテ 危ウイゾ!」



大工場 正門



スチャ…ピッピッピッピ……トォルルルルルルルル…………カチャ



戦夏「モッシー、艤爽獣?私。出現 場所 ハ 前回 連絡 シタ通リダ。間違エテ 人里ニ 出ルナヨ。ハイ、宜シク」ピッ…



ズズズズズズズ……ガバァアアアアアアア!!



艤爽獣「キュオオオオオオオオオオオオン!!!」



戦夏「OK、上出来」グッ!



艤爽獣「…」グッ!



戦水「ミギノ、ヒダリノ。艤装化ダ」



ミギノ「ハッ、姫様」


ヒダリノ「準備ハ 出来テオリマス」



戦水「ソノ チカラ、存分ニ 振ルウガイイ」



ビカーッ!!ゴワワワワワワワ……!!!



艤双獣「ウォオオオオオオオオオオオオオ!!」



戦水「ドウ…ドウ!落チ着ケ」ポンポン…



艤双獣「シュー……シュー……」



戦水「暫シ 待ツゾ」



戦艦「………」ブツブツ…



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…………!!



戦艦「目覚メヨ、我ガ 最強 ノ 僕」



戦艦「艤装獣ヨ」



ガゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…………!!!



戦艦「応エヨ。主 ノ 前ニ、姿ヲ 現セ」



バシャアアアアアアア!!ズォオオオオオオオオ……



艤装獣「グモォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」



ザプゥ……ザバァアア!!



広場



港湾「ホッポ……!」ズシッ…ズシッ…!



ボムンッ……キィイイイイイイイイイイイイン!!



港湾「アレハ……?キャ!」



ゴシャ!ゴロゴロゴロ……ズササーーーーーーーーーーーーッ!!



空母「…」シュ~…



港湾「空母!大丈夫?」



空母「吹飛バサレタ。ダガ、問題無イ。ヤハリ 我々 ガ 全力 ヲ モッテシテモ ヤツ ヲ 消滅 サセルコトハ 難シイヨウダ」



港湾「モウ、艤装獣 達ガ 工場郡 ノ 外デ 待機 シテイルワ」



空母「艤装獣達 ガ 全力 ヲ 出ス ニハ マダ 時間 ガ 足リナイ……戦艦 モ 分身 ヲ 解イタ ラシイ。気 ヲ ツケロ 港湾。フラッグシップ ガ 来ルゾ」



港湾「北方 ハ ドコ?集積地 ノ 部屋 ニハ 誰モ イナカッタ」



空母「大丈夫、無事ダ。私ガ今モ 監視シテイル……ムッ!?」



港湾「!?」



空母「タッタ今、偵察機 ガ 撃墜 サレタヨウダ。視覚 ヲ 共有デキン。マズイナ」



港湾「ドコデ 撃墜 サレタノ?」



空母「ココカラ 西ニ 1200m。近イ」



港湾「空母、私……」



空母「子供 ヲ 守ルノハ、大人 ノ 義務 ダ。ヤツハ 引キ受ケタ。早ク行クンダ」



港湾「アリガトウ!スグニ 戻ル カラ!!」ダダッ!

スレ主です。皆様、ご無沙汰しております。

仕事と夏イベ(オール甲)に追われ、こちらがないがしろになっておりました。

本編を近々、更新する予定です。

ご心配をお掛けして申し訳ございませんでした。


VAVAさんの活躍シーンまで、もうしばらく掛かってしまいます。

気長にお待ち頂ければ幸いです。

失礼致しました。

秘密通路



集積地「…」ゴクリ…



装甲「開ケルゾ……」ス…ズズズ…



ガチャリ…



エリート「レッレレーーー!!」べろべろばぁ~!



装甲「ワァア!?」



集積地「コンナニ早ク 迂回シテクルトハ!?」



装甲「コナクソ!」体当たり!



エリート「レッ」ガシィ!



装甲「何ィ……!」



エリート「レーーーレレ」へらへら!



装甲「ウゴカナイ…!チビ ノ 癖ニ……!!」



エリート「レレレ、レレレッレレ!」ポイ!



ゴシャア!!



装甲「ゴワッ!!」



集積地「装甲!」



テクテク…


エリート「レレ」ニタァ…



装甲「ア…アワワ……」



ガォオオン!



エリート「レ!?」ビシッ!



戦水(娘)「マイッタカ!」



エリート「チッ…………レレレ!」ドドドォン!!



戦水(娘)「キャア!?」中破



集積地「ウワアアアアア!!」大破



装甲「クッ……!チビ共ヲ……!?貴様、何 ノ ツモリダ!」



グイ…



戦水(娘)「…」ガクン…


北方「スピ~……」zzz…



エリート「レレッ!」ヒュン!



ダッ!



ズシンッ!ズシンッ!ズシンッ!



装甲「港湾!?今頃……!!」



港湾「二人トモ…今助ケル!」



水母「港湾、援護 ハ 任セロ。水水、逃ゲ道ヲ 塞ゲ。子供達ニ 当テルナヨ」



水水「オマカセ!」ジャキン!



ズドドドドドドドッ!!


エリート「レィ……!」チャキッ…



ゴリッ…



北方「…クピ~」



水水「ナッ……!トウトウ 子供 ヲ 盾ニ シマシタワ!」ピタ…



水母「卑怯 ナ……!」



エリート「レッレッレ!」



港湾「……アナタハ、ソノ子 ヲ 撃テナイ」



エリート「!」



港湾「アナタ達 ノ 目的ハ、姫ノ殲滅 ノ 他 ニ、モウヒトツ アルンデショウ?」



エリート「…」だら…



港湾「ソノ子 ノ 命ガ 失ワレレバ、北方 ノ メダル ハ 未来永劫 手ニ 入ラナイワ」



エリート「レ…」だらだら……



港湾「メダル ハ、姫ガ 自分 ノ 意志デ 創ラナケレバ 何ノ 意味モナイノヨ。只 ノ 金属 ノ 塊 ニ ナル」



エリート「レレッレレレ!?……レレッ」クイッ!



港湾「…」



水母「イケナイ!戦水 ノ 娘ガ!?」



ヒュン……!



ザクッ!



ボトリ……ゴト…(右腕)



エリート「レ?…………レギャアアアアアアアアアアアアア!!」ブシューッ!



飛行場「……気ニ 食ワナイワネ。私ニ 気ヅイテタッテワケ」スタッ…



港湾「アリガトウ、飛行場」



飛行場「黙レ。アナタ ニ 礼ヲ 言ワレルト 吐気ヲ催ス。ホッポ、大丈夫?マァ、寝テル」ナデナデ…



港湾「飛行場、私、貴女ト……」



飛行場「今ハ コノ怪物ヲ 処理スルノガ 先」



港湾「…」



水母「動クナ」



水水「勝負アリ デスワ」



エリート「レゥウッ……ウッ…」



港湾「アナタトハ、モット 別ノ 出会イ方 ヲ シタカッタ」



エリート「レッ……」ガタガタ…



港湾「…………ッ」チャキ…



水母「港湾。オマエ ニハ 無理ダ。ココハ 私ガ……」



飛行場「邪魔」



チャキ……ドォンッ!!



バボォン!!(頭)



エリート「…」ドサッ…



港湾「!」



水水「……死ンダ?」



飛行場「ダトイイケド。マ、頭ガ 無キャ モウ小賢シイ 考エハ デキナイデショ」



ビチビチ……ヒクヒク…



水母「体ハ マダ 生キテイル ヨウダゾ……」



飛行場「フーン」ドンッドンッドンッ!!



ドシャ……シーーーン…



飛行場「動カナクナッタ」



水水「……気持チ悪クナッテ キマシタワ」オエーデスワ……



水母「コノママニ シテハ オケンナ。遺体 ハ 持チ帰ルカ」



飛行場「遺体ヲ 持ッテ、スグニ ココカラ 離レタ方ガイイワ。今、艤装獣 達ガ 金色ノ レ級 ト 戦ッテルカラ」



水水「余波デモ 食ラエバ 大惨事」



飛行場「モウ、行クワ。ジャアネ。ホッポ…」ヒュン…!



港湾「飛行場…」ギュ…



北方「ニャプ~~……」zzz



水母「港湾、見タ所 北方 ニ 怪我ハ 無サソウダ。オマエタチハ コノママ 脱出 シロ」



港湾「大丈夫?」



水母「アァ。私達ハ 戦水ノ娘 ト 集積地。ソシテ レ級 ノ 遺体 ヲ 運バ ナケレバナラナイ。足ガ 遅クナル」



水水「ココカラナラ、私 ノ 基地 ガ 近イワ。スグニ 緊急修理 ヲ サセマショウ。コンナコトモ アロウカト、腕ノ良イ 工作艦 ヲ 50隻 待機 サセテ オリマスノ」



水母「ヨシ、ソレガイイナ。港湾、空母 ノ 城 デ、マタ 会オウ」



港湾「ワカッタワ。二人トモ アリガトウ」ズシンッズシンッズシンッ……

水母「サテ、大丈夫カ?集積地」



集積地「ァ………ゥ」パクパク…



水母「喋ラナクテイイ。スグニ修理 シテヤルカラナ」



集積地「チガ………ゥ…………シ……ン…ゾゥ……ヲ……」



装甲「オーイ!私ヲ 忘レルナ!連レテケーーー!!」



水水「ハイハイ、困ッタ子。オンブ シテアゲル」グイ…



装甲「フゥ……助カッタ。水水 ハ 優シイナ。私ヲ 無視 シナイ」



水水「貴女 ヲ 可愛ガル 空母 ノ 気持チ、私ニモ ワカルワ」



装甲「?」



水水「危ナッカシクテ、放ッテオケナイノヨネ。ヨシヨーシ」



装甲「ブゥ……」ムスー!



集積地「ウッ…………ウゥ!」ブルブル…!



水母「集積地、ドコカ 痛ムノカ?術ハ 得意 デハナイ ガ、痛ミヲ 和ラゲル 程度ナラ……」



集積地「ハァハァ…………心臓ヲ…………破壊シロッ!早ク!!」



水母「何?心臓??…………ハッ!?」



水水「ドウカシマシテ?」



水母「無イ!遺体ガ……レ級 ノ 遺体ガ 消エテイル!!」



水水「アッ!?…………マサカ!アノ 体デ 動イタト言ウノ!?」



水母「ヤラレタ……死ンダフリ ヲ シテイタ ノカ!!」



集積地「ゥ……」



集積地『苦シイ……声ガ デナイ。ドウシテ……伝エタ 通リニ 心臓 ヲ 破壊シナカッタンダ』


集積地『調査内容ハ、全部 伝エタテイタ……ナノニ……ドウシテ、ドウシテ』



装甲「オイ!チビ ガ……戦水ノ娘モ イナイゾ!!」



水母「謀ラレタンダ!マンマ ト 危機 ヲ 脱シ、人質 マデ 取ラレルトハ…」



水水「ドウシマショウ…!」オロオロ…!!



水母「姫ガ ウロタエルナ!私 ガ 探ス!!オマエ 達ハ 脱出 シロ!!!」ダッ!!



水母『ナントイウコトダ……失態ダ。戦水 ニ 合ワセル 顔ガ無イ。必ズ 取リ返サナクテハ!』



水母「通信ヲ…」カチッ



水母「誰カ、助ケテクレ!戦水ノ娘 ヲ 人質 ニ 奪ワレタ!!」



ザー…ザー……応答ハ アリマセン。



水母「クソ!何故 誰 モ 応エナインダ!?」



水水「時間ハ十分ニ 稼イダ……私達ニ デキル 事ハ モウ無イワネ。サ、帰還シマショウ」



装甲「ネェ!ガキ共 ハ ドウシタノヨ!?」



水水「暴レナイデ!ソレガ……!北方 ハ 港湾 ト 一緒ニ 離脱 シテ、戦水ノ娘 ハ 赤イ レ級 ニ 攫ワレマシタワ!」



装甲「……アイツ、小サイ 癖ニ 私ヲ 助ケヨウトシタノヨ!」ギュー…!



水水「グェ…!?オヤメニナッテ!トニカク、今ハ ココ ヲ 離レマショウ!!」



装甲「クッ…」



水水「集積地、動ケル?」スッ…



集積地「ウゥ……サッ…触ルナッ!私ニ!!モウ誰モ 信ジラレナイ!!」



水水「癇癪 起コシテル 場合ジャ ナクッテヨ。コウナッタラ 無理ニデモ 連レテユキマス!装甲、手伝ッテ」グイッ!



装甲「マッタク。私ダッテ 怪我人ダッテノニ!ホラ、泣イテンジャナイ!!立テ!!」



集積地「ヤメロォ!オロセー!!」


深海BARダーウィン



港湾「ソシテ…」



VAVA『本当に長い話だ……不憫だな、集積地とかいう姫。メカニックなら一度会ってみたいもんだが。ん?』



イオナ「…」ぷく~…zzz……ズモモモモ…



VAVA「…」スッ…



パァン!



イオナ「寝てない」



港湾「ア……ゴメンネ。モウスグ クライマックス ダカラ」



イオナ「英雄とーじょー?」



VAVA「けっ……」



VAVA『何故だろうな。やはり英雄と聞くと無性に腹が立ってくる』



VAVA「しかし、ひでぇもんだ。たった三匹相手にかき回されるとは。ほとんど人災じゃねぇか」



イオナ「艦災?」



港湾「姫ハ、皆 プライド 高イカラ……協力トイウ 習慣 ガ ナイノヨ。大体単独デ 戦オウトスル」



イオナ「ほうれんそう大事」



VAVA「まったくだ」



深海(過去)



バチ…バチチ………



空母「艦爆、艦攻、艦戦。私 ノ 全力 ヲ 悉ク 叩キ 落ス トハ」



フラッグシップ「…」ハァハァ……



空母「鬼神 ノ 如キ 強サ、認メヨウ。私 ノ 負ケダ」



フラッグシップ「レ…」



グラ…



空母『戦艦以来ダ……生涯、二度目 ノ 敗北……三度目 ガ 楽シミダ……ナ』



ドサッ…



フラッグシップ「フー……スーーー…」



フラッグシップ「レ」ダッ!



ヒュンッ…




決戦 ノ 海



フラッグシップ「レ」



戦夏「来タナ、レ級。随分 ト 早イ ジャナイカ」



戦水「覚悟 ハ イイナ」



戦艦「……」ブツブツ……



戦夏「艤爽獣、存分 ニ 暴レルガイイ」



戦水「艤双獣、ヤツ ヲ 屠レ」



フラッグシップ「……レッ!」



空母ガ 言ッタ通リ。黄色イ レ級 ハ 鬼神 ノ ヨウナ 戦イブリデ、深獣 二体 ヲ 圧倒シタ。



バヂヂヂヂヂ……ッ!



ドヒュン……ズガアアアアアアアア!!



フラッグシップ「レッ」ヒュンッ!



ドカァッ!!



艤爽獣「キュオ…………ン」


艤双獣「ガァアア…………!!」



ズシャアアアアアアアアアアアアン……!!



戦夏「何ヲ シテイル!立チ上ガッテヤツ ヲ 踏ミ潰セ!!…………モウムリ ダト!馬鹿ナ……私 ノ 艤爽獣 ガ!?」



戦水「大丈夫カ!?艤双獣!!………二体 ノ 深獣 ヲ 倒ストハッ!信ジラレン」



フラッグシップ「…レ」



戦艦「マダヨ」



フラッグシップ「レ」



戦艦「二人トモ、下ガリナサイ。ゴ苦労様。艤装獣…………全主砲、発射用意」



艤装獣「…」ガパッ……コォオオオオオオオ!!



フラッグシップ「レッ……!」



戦艦「目標、戦艦レ級」



艤装獣「グォ」



戦艦「加減ハ無シヨ……撃テ」



カッ……ゴワァアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!



シュ~~~…



フラッグシップ「ガッ……………ゴホ……………レレ、レ」中破



戦艦「直撃ハ 避ケタカ……艤装獣、装填シナサイ」



フラッグシップ「レ!」ドォン!



グィーーーン!ガキンッ!



フラッグシップ「!」



戦艦「効カナイワ」



艤装獣「グ」ピタ!



戦艦「艤装獣…?ハッ!?」



フラッグシップ「レレ……」ニタァ…



戦水「ドウシタ!?戦艦!!何故撃タナイ!!」



戦夏「艤装獣 ガ 全力 ヲ 出セバ ソイツトテ 命ハ無イ!早ク撃テ!!」



戦艦「ダメヨ……撃テナイ。アソコ ヲ 見ナサイ」



戦水「何……アァーーーーーーーーーーーーーーーー!?」



戦夏「赤イ レ級!オノレェ……!子供 ヲ 盾 ニ スル トハ!!」



エリート「レ…」スタスタ…ヨロヨロ……(顔半分)



戦水(娘)「…」



フラッグシップ「レレレゥ」



エリート「レ…レ……」ちょいちょい



フラッグシップ「ハァ~……レレレレゥレレレ」スッ…



パァ!



エリート「レ!」メキメキメキ……!キラーン!(全快)



フラッグシップ「レッ……」ササッ…(座禅)



戦夏「ナンダ…?」



フラッグシップ「レッ!」カッ!



ピカーッ!



フラッグシップ「レ」スッ…コキコキ……(全快)



戦夏「キ、傷ガ!?」



戦水「姫 ニ 匹敵スル 回復能力。イヤ、ソレ以上ダ…!」



戦艦「先ニ フラッグシップ ヲ 倒ス 必要ガ アルワネ」



フラッグシップ「レ…」ブツブツ…



エリート「チッチッチ……レーレッレッレ!」ふりふり!



溶接工房



泊水「ヨシヨシ……良イ子、良イ子」なでなで…



ノーマル「レウ……」えぐえぐ…



泊水「ココモ モウ 危ナクナル カモ シレナイ。移動シマショウ。立テル?」



ノーマル「ウ…ウン……」スクッ…



レ……レ……レ……



泊水「!?」



泊水『只ナラヌ 気配…!?コレハ……念力 ノ 類イ』



ノーマル「レッ!?…………ググ、イ、イヤダ。モウ、戦イタクナイ…」



レ………レ………



ノーマル「イヤダァ!イイナリニナンテ……ナラナイゾゥッ!!」



レ…!



ノーマル「ワァアアアアアアアアアアアアアアア!!ヤメテェエエエエエエエエエエ!!」



ノーマル『コー…ワン……助ケテ……レ級 ハ、レ級 ノ ママデイタイ…助ケテ、助ケテ……』



泊水「気ヲ シッカリ 持ッテ!取リ乱シテハ 術者 ノ 思ウ壺ヨ!!」



ノーマル「……………ガァウウウウ!!」



泊水「ワ、私 ガ 解イテアゲル……!」バッ!



レ……



ノーマル「グオッ!レレレェーーー!!」バゥッ!



泊水「クッ……駄目ッ…私ダケデハ、トテモ…!」ヒュン…!



ノーマル「…レ。レレレ」



レ……レ、レレレレレ



ノーマル「レ!」ダッ!!


決戦 ノ 海



フラッグシップ「レ」



戦夏「万事休スカ…!」



ツカツカ…



エリート「レ…??」



フラッグシップ「…」



戦艦「誰カ、来ル…?」



戦水「蒼い…少女?」



戦夏「……ナンダアイツ」



ツカツカツカツカ……ピタ…



「……取り込み中、申し訳ないんだが、ここは地球か?」



エリート「……レレァーレ。レレレ、レレレレィ?」



フラッグシップ「レ」



「初対面だというのに。物騒なことを言うな。こいつ、殺していい?だと。いいわけないだろう。私は只、帰り道が知りたいだけなのだが」



フラッグシップ「!?」



「驚くことはない。私の演算能力をもってすれば、その程度の暗号、あってないような物だよ」



フラッグシップ「レ」



「いや、だから姫とか言われてもわからない。私の質問に答えてくれ。ここは地球か?地球なら今は西暦何年だ?」



フラッグシップ「レ」



「そうか。君は一見会話が通じるようで、狂っているんだな。会話が進まない」



エリート「レレレォ」シュッ!!



「ふむ」パシ……



エリート「レ?」



「ほら」クイ



ゴキンッ!



エリート「ハッガッッッ……レゥエグァアアアアアアアアアアアアアア…!!!」



フラッグシップ「……レ?レ?」



「……どちらに味方すればいいかわかった。群像なら、子供を盾にするような卑怯者は許さないだろう」



スィ~…



「見たところ、あなたのお子さんかな。顔がよく似てる。角とか。大丈夫、気を失ってるだけのようだ」



戦水「ア…ァ……アリガトウ!アリガトウ!!」



戦夏「ドコノ 誰カハ 存ゼヌガ、礼ヲ言ウ!コレデ ヤツラ ヲ 攻撃 デキルゾ!!」



戦艦「アリガトウ……私ハ、戦艦棲姫。貴女、名前ハ?」



「うむ、共闘しようというのだから、名乗らねば不自然かな」



イオナ「私は、潜水艦イ401。イオナと呼んでくれてかまわんよ」



フラッグシップ「レッ…」



イオナ「聞きたいことが沢山ある。悪いが、君には退散してもらわなければな」



フラッグシップ「…ッ!」



イオナ「ゆくぞ」



ズサッ…



エリート「レ……レレレ…!!」



イオナ「パワーは認める。だが、それ以外がまるでなってない」



エリート「レレッ!?」



イオナ「こんななりだが、それなりの場数は踏んで来てるんでね。舐めてもらっては困るよ」



エリート「レックァアアア!!」パチキ!



イオナ「むぉ!」



バギンッ!!



ドギューーーーーーンッ!!



イオナ「おぉー……!」



地球の裏側の海岸



ヒュ~~~……



ドシャアッ!!



プスプス…



イオナ「…」



イオナ「…」ムクッ…



イオナ「損傷、ごくごく軽微。それにしても慣れないな、この体は」



イオナ「…」キョロキョロ…



イオナ「やはり、パワーは凄い。どこか見知らぬ場所に突き飛ばされてしまったようだ」



イオナ「もしかしたら元の世界に……戻るわけないか。さて、どうする」



イオナ「…」



イオナ「反撃しておくか」



ダッ…!


決戦 ノ 海



エリート「レォオオオオオオ!!」



戦夏「勝チ 名乗リ ヲ アゲルノハ マダ早イワ!!」



エリート「レレレ~!!」



戦水「娘 ノ 恩人ダ。ナントシテモ 助ケネバ……貴様ラ ヲ 葬ッタ後ニナ!!」



戦艦「戦夏!下ガッテ」



戦夏「ムッ…!?」サッ!



ギュンッ!



ノーマル「レレーッ!!」



戦夏「青カ!」



エリート「レレ??」



フラッグシップ「レ、レレレ、レレン イオナ。レ、レレレンレ」



ノーマル「レ……イオナ。レレゥ」コクリ…



エリート「チッ……レレ、レッレレレレ!」



フラッグシップ「レレレ、レレレレレレレィ」



エリート「レェーィ…」しぶしぶ…



ゴォッ!



フラッグシップ「!?……レッ!」



エリート「!!」ササッ!



ヒュッ……!



イオナ「とぉ」



メギョ…!



ノーマル「ウブゥ……ッ!?」



イオナ「びげり」



ガッ!ズドォーーーーーーーンッ!!



ノーマル「レワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア゛……!!」 



キィーーーーーーーーーーーーーーーーーーン……フッ…





フラッグシップ「…」



エリート「…」



イオナ「…?今のは何だ??同じ顔が三人もいたのか。まぁいい」ガシッ…



エリート「レ!?」



イオナ「早く帰らないといけないんでね。甘えん坊を一人待たせてる」グィイ(バックブリーカー)



エリート「ヒィ~ッ!レレッレ!レレレレー!!」じたばた!



フラッグシップ「レレレレレガ」ジッ…



イオナ「役立たずだと。可哀相だが、覚悟。余計な事を覚えられても困るしね」



コォッ……



エリート「レァーーー!」ビエェー!



イオナ「超重力砲、エンゲージ」ジジジ…



エリート「レェ……タスケテ!」ガタガタ…



イオナ「今更喋ったって遅い」



ボォウッ!!ズギュウウウウウウウウウウウウウウン!!



エリート「レギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア……!」



キィーーーーン……キラン…



イオナ「……月まで届いたかな」



フラッグシップ「…レ」ジリッ…


イオナ ト フラッグシップ ノ 戦イハ、後 ノ 深海史 ニ 残ル 死闘 トナッタ。



フラッグシップ ハ 何度 致命傷 ヲ 受ケテモ 立チ上ガリ、ソノ度ニ 強ク、凶悪ニ ナッテイッタ。



フラッグシップ「レ」



イオナ「……やるじゃないか」



戦夏「理外ノ 助ッ人 ニ 助ケラレタマデハ ヨカッタガ、コノママデハ イタズラ ニ 奴ヲ 強化スル ダケダ…」



戦水「理解シタ」



戦艦「戦水…?」



戦水「奴ノ 回復能力 ヲ 破壊スル」



戦夏「ドウヤッテ…??」



戦水「奴 ノ 回復能力ハ、我々ノヨウナ 自然治癒 デハナイ。アレハ、一種 ノ 呪イノ様ナ モノダ」



戦夏「呪イ?呪術ニハ 詳シクナイガ……ワカルノカ。攻略 ノ 手段ガ」



戦水「ソウダ。私ガ、奴ニ カケラレタ 不死 ノ 呪イ ヲ 解ク」



戦艦「……戦水。ソノ 決心。モウ 貴女ハ 止メラレナイノネ」



戦夏「何ッ!?戦艦、何ヲ 言ッテイル!!」



戦水「戦艦夏姫。オマエ ハ 若イ。ソレニ 可愛イ 妹分達 モ 居ル」



戦艦「…」ツー…(涙)



戦夏「マサカ……」



戦水「戦艦 ハ、皆ヲ マトメネバ ナラナイ。私ニハ デキナイ コトダ」



戦夏「自分 ヲ 犠牲ニ シヨウト シテイルノカ!?」



戦水「私ガ 適任 ナノダ。私ニハ、モウ 遣リ残シタ コトハナイ。満足 ノ 善ク 一生ダッタ」



戦夏「ヤ……ヤメロッ…娘 ハ ドウスル!?子ニハ、親ガ 必要ダ!!方法ヲ 教エロ、代ワリニ 私ガ 行ク!!」



戦水「アァ、ソレダケハ 残念ダナ。コノ子ガ 立派ナ 姫ニ 育ッタ 所……見テミタカッタ」



戦水(娘)「…」



戦水「我ガ娘、戦水幼鬼 ヨ。今ヨリ 戦艦水鬼 ト 名乗ルガイイ……愛シテル、私ハ ズット 傍ニ イルカラナ」チュッ…



艤双獣「グゴッ……ォ……オオオオオオオ……」グググッ……ガクッ!



戦水「モウヨイ。無茶 ヲ スルナ。ミギノ、ヒダリノ。娘ヲ 頼ンダゾ。オマエ達ガ 居レバ、安心ダ」スッ…ナデナデ……



艤双獣「ヒ…メ…サマァアアアアアアアアアア゛……!!」



戦水「サラバ、戦友。最期ニ 肩ヲ 並ベテ 戦エテ ヨカッタ」



フラッグシップ「レ……レ!」



ヴィーン……!



イオナ「クラインフィールド まで真似るとは……これは危ういな」



戦水「イオナ」



イオナ「うん?」



戦水「次ニ 奴ノ 動キガ 止マッタ時、全力デ 奴ヲ 粉砕 シテクレ。デキレバ、アノ 光線 ガ イイ」



イオナ「了解、チャージ開始」



戦艦「艤装獣、主砲、発射準備」



艤装獣「ウォオオオン……」ジャキッ…



戦夏「ウッ……ヒグッ…私カラノ 手向ケダ。受ケ取ッテクレ……」



艤爽獣「……メカラ アセガ デテルゼ」ハンカチ



戦夏「スマン」フキフキ…



艤爽獣「イイッテコト」ガシャコン…



戦水「レ級、貴様ノ 進撃ハ ココマデダ」パァ…!



フラッグシップ「!」



戦水「セァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」



ギュゥゥゥゥゥゥゥン!!



フラッグシップ「レ…ッ!?」



戦水「フ……フフフ!光栄ニ 思エ!姫 丸々一人 ヲ 改修 ノ エサ ニ デキルンダカラナ!!」



フラッグシップ「レッ……レレォオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」



戦夏「ウワァ……アア…」



フラッグシップ「………今ダ!レ級 ニ 火力ヲ 集中シロ!!」



戦艦「艤装獣、終ワラセテアゲテ……」



ドォン!!



戦夏「クソォオオオ!!撃テ!艤爽獣ゥーーー!」



ドドォン!!!



フラッグシップ「レェイ!ガホッ……!?ォァアアアア…………!!」ボムンッ!!



イオナ「見事……超重力砲、発射」コォッ…!!



ガォオオオオオオオオオオン!!!



フラッグシップ「介錯、痛ミ入ル……英雄イオナ……ヨ……」バチバチ…!



戦水(娘)「ン……ア、アゥゥ……アレ?」パチ…



フラッグシップ「レガッ……レ、レレレ……」



戦水(娘)「…」



フラッグシップ「!…………」



戦水(娘)「……オ母サン?」



ぺタ…



飛行場「眠リナサイ」



戦水(娘)「!」パタン…



飛行場「気マグレニ 来テミタラ 案ノ定。残酷ダケド、綺麗 ナ 光……ネ」



カッ……ゴワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!


深海Bar ダーウィン



港湾「コウシテ、レ級 ノ 脅威 ハ 去リ、深海ニハ 以前 ノ 日常ガ 戻ッテイッタノ」



港湾「コレガ レレレ ノ 乱。三体 ノ レ級 ニ ヨル 大動乱」



グスッ…



イオナ「くすんすん……ごめんなさい。私、お母さんを殺した極悪人。死んで詫びる」スッ…(首吊り)



VAVA「やめろ。他人の空似と、同姓同名が偶然同時に起きただけだ。よくあることだろ」



イオナ「ない」



VAVA「それで?その後イオナは元の世界に帰れたのか?」



港湾「帰レタワ」



VAVA「……ほう、どうやって?」



港湾「…」



VAVA「マスター?」



港湾「グラス、空」



VAVA「資材もない。これ以上は…」



港湾「私ノ オゴリ」トクトク…



VAVA「…」



港湾「ユックリシテイッテネ」



VAVA「……そうだな。甘えるとしよう」クイ…



イオナ「おかわり」



港湾「ハイ♪」


しばらくして……



VAVA「強くなったな。チビ」ジャラジャラ…



北方「ムム……リーチ ダ!」ぺシッ!



南方「ウ~」



イオナ「怖い怖い」



VAVA「ここは降りておくかな」



北方「一発コイ!……コナイ!!」ぺチッ!



南方「アンパイ」



イオナ「熱戦」パチ…



北方「ヤタ!イオナ、ソレ 大当タリ!!ドンジャラーーー!!!」ドンジャー!



イオナ「あちゃー」



北方「240点直撃!」



イオナ「とばされた」


VAVA「ふっ…」



南方「タノシイネ!」ニコーッ!



VAVA「あ?……あぁ、そうだな」



南方「ヴァヴァン、ナンポー ノ コト キライ?」うる…



VAVA「嫌いではない」



南方「ジャア、好キナンダ!ナンポー モ ヴァヴァン、好キー!」



VAVA「ありがとよ」



VAVA『複雑な気分だ……』



南方「ホッポ オネーチャン ト コーワン オネーチャン ハ モット好キー!!」



北方「イモートヨー!」ひしっ!



南方「オネーチャン!」ひしっ!



VAVA「ペンダント」



南方「?」



VAVA「似合ってるじゃないか」



南方「コレ、私ノ宝物ナノー」



VAVA「どこで手に入れたんだ?気になるな」



南方「ウー……ワカンナイ。デモ、大事ナ物。スッゴク、大事ナ物ナンダ」



VAVA「……そうか」



イオナ「再戦をよーきゅーする」メラメラ…



南方「オー!」



北方「ノゾムトコロ!」


ワイワイ!!



VAVA「お、ツモったぜ。ドンジャラだ」トン…



北方「ウニャー!安手 デ アガラレタ!!」プンスカ!



VAVA「悪いな」



フキフキ……コト…



港湾『今日ノ 仕事 終ワリ。良カッタ。ホッポ モ 南方 モ 嬉シソウ。私モ 何カ 一杯 飲モウカシラ……』



VAVA「おい、そろそろ時間だ」



イオナ「りょーかい」



北方「モー帰ッチャウノ?」



VAVA「俺にも仕事があるからな」なでなで…



北方「ブー!ソウダ、ヴァヴァン。ココニ 住メバイイヨ」



VAVA「お姉ちゃんに悪いだろ。駄目だ」



北方「ソンナコトナイ。オネーチャン、ヴァヴァン ノ コト 好キ ダモン。オ願イ。オネーチャン ト 結婚シテ アゲテ」



港湾「ワンッ!?……ホッポ!!」わぷー!



北方「ソシタラ、ココガ オウチ」



VAVA「…」



VAVA「クッハッハッハッハッハ!!」




VAVA「俺が結婚?想像したことすら無かったが……バーの経営か。楽しそうだな。成程、そうすればチビとも一緒ってわけだ」



北方「ウン!ズーット一緒。ミンナデ 暮ラソウヨ!!」



港湾「アノネ、アノネ……VAVA、違ウノ。好キ ナノハ マァ……好キ ナンダケド、ソウイウノジャナクテ……ゴメン…コウイウ時 ドウシタライイカ……ハワワワ…!」ぷしゅー!



VAVA「チビ、嬉しいぜ。そこまで言ってくれるとはな。だが……お前のお姉ちゃんは俺なんかにはもったいない」



北方「オネーチャン ジャ ダメ?ジャ、ホッポ ガ 結婚シテアゲル!」



イオナ「てーとくもてもて」



VAVA「魅力的な話だが、もう少し背が伸びてからだな」なでなで…



北方「ウー!スグ伸ビルモン!!」



VAVA「クハハ!イオナ。退散するぞ。また来るぜ、マスター。ごちそうさん」



イオナ「ごちそうさまでした。待って、てーとくー」ぺこり……タタター…



港湾「ウン……マタネ」



南方「バイバーイ!」


早朝



横須賀鎮守府(運動場)



ガッガッガッ……ズルッ!ゴシャン!!



叢雲「ぅぐっ…!」



テクテク…



イオナ「なにをしているの?」



叢雲「イオナか、今朝の訓練中よ。邪魔しないで」



イオナ「ふーん」



叢雲「はっ!」ぴょん!



ガッガッ……ズルリッ!ドシャアッ!!



叢雲「いたっ…さっきは三回まで出来たのに……」



イオナ「そんな訓練がなんの役に立つの?」



叢雲「司令官の動きを真似できるようになれば、私でも姫を倒せるようになるかも知れないでしょ。これは司令官の基本の動きよ」



イオナ「無理。深海棲艦の姫と艦娘の駆逐艦では、性能に差がありすぎる」



叢雲「あんた……実力はあるくせに、司令官と主張が逆なのね」ムカッ…



イオナ「提督はなんて?」



ガシュン…ガシュン……



VAVA「性能差など工夫次第でどうとでもなるのさ」



叢雲「司令官!」



VAVA「叢雲、三角跳びはまだ早いと言ったろうが」



叢雲「ごめんなさい…」



VAVA「努力は認めるが、海上での戦闘において三角跳びはあまり役に立たん。どうせならダッシュや、主砲の反動を利用した空中滞空を覚えろ」



叢雲「……わかったわ。じゃあ、教えてよ。ダッシュ」



VAVA「いいだろう」



イオナ「わたしはもうねる」



VAVA「おう、今日は控えにしといてやるよ」



イオナ「ありがと」



叢雲「司令官、早く早く!」



VAVA「今日の任務に支障が出ない程度にやるぞ。気楽にやれ」



叢雲「はい!」


艦娘宿舎(屋上)



いせ「隊長、見ましたかー?今の」



ながと「あぁ、悪くない。あの子は伸びるな」



いせ「うーん、いつかの島風型亜種ほどじゃないが、いい速さだ。ここからでも残像が見えましたよ」



ながと「かく乱も兼ねた動きなのかもしれん。通った後にいくつも残像が続いて見える」



いせ「回避とかく乱を同時にか……すごい技だ。じゃあ、さっきの変な壁昇りは何だったんでしょうね?」



ながと「わからない。が、あれで壁を駆け上がれたら色々と便利そうだな。よし、今度私も試してみよう」



いせ「隊長なら壁に脚突っ込んでそのまま歩いていきそうですけど」



ながと「なるほど、いいアイディアだ。それも試してみよう」



いせ「ははっ……にしても、変な提督さんだ。なんでしょう、あの格好は」



ながと「軍人とは、ただ両の目で結果だけを見据えて居ればいいのだ。見た目や性格など、さしたる問題ではない」



いせ「いやぁ、あるでしょ」



ながと「結果が全てだ。現に、誰も成し得なかった姫の打倒を我々より先にやってのけた。心から尊敬しているとも」



いせ「悔しくないんですか?」



ながと「悔しいものか。見ろ、あの技。あの動き。全てが完璧だ。美しい」



いせ「貴女のそういう純粋なところは嫌いじゃないですが、私はちょっと不満なんですよ」



ながと「ほう?」



いせ「そりゃあ、私たちは姫殺しとして造られたわけですからね。獲物を横取りされた気分です」



ながと「驕るな。姫は獲物ではない。恐るべき敵だ」



いせ「はーい、今の一言は軽率でした。お許しを、隊長」



ながと「許す」



いせ「へい」



ながと「私抜きで宴会した事は許さんがな」



いせ「さぁ?なんのことやら」



ピリリリリ……カチッ…



ながと「はい……いいえ。まだ途中です。わかりました。零の修理が済み次第。失礼致します」プチッ…



いせ「催促ですか」



ながと「そのようだ。ゆくぞ、いせ」



いせ「御意」


それから数日後……



工廠



ムクッ…



零「…」



あかし「どう?どこも痛くない?動ける??」



零「…レ」



あかし「隊長?隊長がどうかしたの??」



コツコツ…



ながと「私ならここだ。零、心配していたぞ」



あかし「隊長、おはようございます」



ながと「あぁ、おはよう」



零「レ…!」ぷんぷん!



ながと「すまない、許してくれ」



零「…」コクリ…



あかし「いい子ね、零。隊長だって、やりたくてやったわけじゃないのよ」



零「レレ……イオナ」



ながと「イオナなんて潜水艦はここにはいない。安心しろ。お前は夢を見ていたのだよ。恐がる事は無い」



零「イオナ…イオナ……」ぶるっ…



あかし「また怖い夢を見たのね。かわいそうに。大丈夫、大丈夫。私たちが側にいるからね」



零「…」



天龍の部屋前



天龍「いや……なんだかなぁ。別にオレ、金とか名声とかどうでもいいし。オレはここが好きなんだよ」



おおよど「そんなこと言わずに。その才能を御国のために役立てようじゃありませんか。同じ軽巡でしょう」



天龍「やめとくわ。オレは気楽に普通の艦娘してるほうがいいや」



おおよど「……そうですかぁ。せっかく仲間になれると思っていたのに」



天龍「あんたらの理想ってのはすげーと思うぜ?そう簡単に(世界平和)なんて口にできるもんじゃねぇよ」



おおよど「本気なんですけどね」



天龍「でもそれで改造手術ってのは引くわ。絶対やだ。オレはこう見えても健康第一がモットーなんだ」



おおよど「健康に害はありませんよ。むしろ、今より数十倍強靭になります。ちょっと注射して艤装を体に埋め込むだけですから」



天龍「恐いわ!悪いけど帰ってくれ!!」



バタン!



おおよど「あ~……勿体無い。腐らせるには惜しい才能なのに」



こんごう「ニューフェイスかと思いきや。残念デース。彼女もまた、その辺の有象無象と同じだったというコト」



いせ「ま、選ばれし者なんてそうそう見つかるもんじゃないさ。行こうぜ。副隊長」



おおよど「うーん…ここで諦めちゃダメ。継続して手紙を送ろう」


執務室



ながと「提督殿、お世話になりました」



VAVA「…」



大淀「もう出航なさるのですか?」



ながと「はい。上から命令が下りましてね。即刻、司令部に戻って来い。と……」



大淀「そうですか。では、滞在にかかった費用の補償についてなのですが」



ながと「ご心配なく。全て補償させて頂きます。早期に納められるよう、急がせましょう」



大淀「それは助かります。雷ちゃん、ながとさんをお送りして」



雷「わかったわ!」



VAVA「待て」



ながと「?」



VAVA「さんざん面倒を見たんだ。ひとつ、俺の要求に応えてもらおう」



ながと「私に実現可能な事であれば、どうぞ仰って下さい」



VAVA「演習をしてもらおうか」



ながと「演習ですね。わかりました。ですが、こちらもあまり時間がありません。20分が限度です」



VAVA「手間は取らせん。一対一だ」



ながと「単騎戦…」



VAVA「俺と零とやらで実戦形式の模擬戦を行う」


ながと「零と……ですか。提督殿、話には聞いておりましたが流石。その勇ましさ、まことに素晴らしい」



VAVA「時間が無いんだろう?演習場はすぐそこだ。さっさと済ませようぜ」



ながと「ですが、私にはそれを許可する資格がありません。零は、我が国家が擁する最重要軍事機密なのです」



VAVA「…」



ながと「年齢、身長、体重、艤装、船としての来歴、艦種さえも秘密なのです。一応、表向きは航空戦艦となっておりますし、造船に伴い性能も設定されていますが……あと性別は女性です」



大淀『結構ペラペラ喋る人なのね』



VAVA「ならば、格闘戦で構わん。互いに装備の使用は無しだ」



ながと「鎧をお脱ぎになると?」わくわく…



VAVA「いいや、これは脱がない。お前達艦娘は骨格からして強靭だ。この鎧は、人間がそれに追いつくための補助としての役目を果たしている」



大淀『そうだったんですか!?』



雷『司令官、今日もかっこいいわ!』



ながと「ははは、それで姫を倒しているのですから、艦娘としては立場がありません」



VAVA「やるのか、やらないのか、どちらだ」



ながと「よろしい。恩人の頼みです。そこまで仰るのでしたら、今回は特別に見てみぬフリをしましょう。ただし、時間は守って頂きます。他言無用、あらゆる記録も禁止とします」



VAVA「いいだろう」



ながと「では、私は朝風呂を頂きましょう。2、30分……いえ、もしかしたら40分はでてこないかも知れません」



VAVA「コーヒー牛乳はサービスだ」



ながと「それはどうも!」



あかし「隊長、零の管理は私が」



ながと「頼んだ。さーて、お風呂だ、お風呂だ♪」


演習場



あかし「いい?くれぐれも本気を出しちゃ駄目よ。優しくね、優しく」



零「レー」ポリポリ……ぼー…



VAVA「余計な事だ。そちらがその気なら、俺は殺す気でかかるぞ」



零「レ…」じとー…



あかし「あのぅ……恐れ入りますが、この子を挑発しないで下さい。管理が大変なんです」



VAVA「互いに遠慮してちゃ演習にならないだろう」



あかし「それはそうですが、演習場が壊れても補償はできませんよ」



VAVA「大した信頼だ。そんなに強いのか、そいつは」



あかし「まぁ……艤装は私が造ったものですし、彼女の調整も私が施したものですから!」



VAVA『見た目といい、性格といい、明石と似ているな。工作艦のサガってやつかな』



零「レッ…レ?」カチャカチャ…



あかし「火器は使えなくしておいたわ。零、これより肉弾戦の演習を始める。標的は一人。無力化した時点で即座に行動を中止しなさい」



零「レーレィ」コクリ…



あかし「いつでもどうぞ。この子は戦闘態勢に入りました」



VAVA「OK。ならば俺から行かせて貰うぜ」ヒュッ…!


ゴォ……パシッ!



零「…」シュ~…



VAVA「…」ギリリ…



VAVA『一応、本当に殺すつもりで踏み込んだが、受け止められた……加減し過ぎたかな』



零「レーオ」ポイッ!



スタッ…



VAVA「やるじゃないか」



あかし「…」



あかし『これで、あの人が零に勝てる可能性は絶たれた。零を倒すなら、初弾。最初の一撃で決めなければならない』



零「レレレ」クイクイ



VAVA「……もう一度やってみろと?」



零「レン」コクリ



VAVA「良い度胸だ」カッ…



フッ……



零「!?」



VAVA「ふんっ!」ゴッ!



ベゴォッ!



零「レブッ…!」メコッ…!



バターン!!



あかし「馬鹿な!?」



武蔵「いいぞぉ!提督!!」



天龍「そこだ!やっちまえ!!」



あかし『零の反応を超えるスピードで、移動した?ありえないわ!到底人間が耐えられる速度ではないはず……』



VAVA「起きろよ。今度はお前の番だ」



零「…」



シーン……



あかし「れ、零?零、大丈夫!?」



零「…レ」ムクリ…



じわっ…



零「レ……レ」ぷるぷる…ダッ!



あかし「きゃ!?」ダキッ…



エーーーーン!


あかし「わ~!?痛かったね、恐かったね、でも一人で立てたのね。よぉ~~~しよしよしよしよしよしよしよしよし……」なでなでなで!



零「レ~!」ピェ~~~!!



VAVA「!!」ジリッ…



零「レ、レ!」レムレム!(命乞いのジェスチャー)



VAVA「こ、こいつ……」



VAVA『完全に戦意を失っている……肉体と精神の強さが、かみ合っていない!恐るべきアンバランス』



あかし「提督さん、先程の無礼をお許し下さい。さすが、姫殺しの英雄。この子もいい経験になりました。胸を貸して頂き、ありがとうございます」ペコペコ!



零「レッ……タイチョウ」



あかし「ごめんね、隊長は今お風呂でくつろいでるのよ」



零「レー!?レッレッレッ!!」ぷんすかふぁいやー!



あかし「そう、そうよね、あなたがこんな目に遭ったっていうのに、ひどいよね」なでなで…



零「レ、レレレレ!」レムレム!(行き場の無い怒りのジェスチャー)



あかし「ごめんなさい。この子、とてつもなく心が折れやすくて……」



VAVA「終わりだ。もう俺から求めることは何も無い。好きなところへいきな」クルッ…スタスタ…



天龍「おーい、あんなんじゃ不完全燃焼だろ~?オレとやろうぜ。体育館いくぞ」



武蔵「私も混ぜてもらおうか」



VAVA「あぁ、とことんやるぞ。拍子抜けだ。まるゆの方がまだ根性があるぜ」



大浴場入り口



ながと「あ~さっぱりした。風呂はいいなぁ。叶うのならば一日五回は入りたい」



おおよど「はい、隊長」きゅぽん!



ながと「ありがとう。んくっんくっ……ふっ!うまい!!コーヒー牛乳」にかっ!



おおよど「零は、敗北したようです」



ながと「やはりな」テキパキ…



おおよど「お見通しで」



ながと「当たり前だろう。いかに零が高性能と言えど、その精神はまだ子供のそれだ」



おおよど「一発蹴りを貰っただけで泣き出して逃げたらしいです。ビッグゼロの象徴にあるまじき愚行」



ながと「大目に見てやれ。零は任務にこそ忠実だが、味方と戦う演習には弱いからな」



おおよど「自分が傷つくことよりも、相手を傷つけることを恐れる……性格も更なる調整が必要ですね」



ながと「なぁに。あれぐらいの性格じゃないとこちらが制御できん。あれでいいのだ」



おおよど「隊長がそうおっしゃるならば……隊長、船の準備が整いました。出航しましょう」



ながと「うむ。零とあかしは既に乗っているな?」



おおよど「はい」



ながと「よし、ゆくぞ」



こんごう「いぇーす」



いせ「うぃーす」


ながと「しゅっこーう!」



ポッポー!



高速船



あかし「あら、零。こんなところに居たの。みんな甲板で横須賀鎮守府の方々とお別れしてるわよ。あなたは行かないの?」



零「レンレ。レッレレレ。レンレン」ちくちく……



あかし「出航前に一人一人挨拶して回った?あなたってとても律儀よね」



零「レレ、レレレレレ」



あかし「ふんふん、そして今は演習で破れた自分の制服を繕ってるのね」



零「レン」こくり…



あかし「わかったわ。私は甲板にいるから、何かあったら声をかけてね」



零「レ」うん

体育館



天龍「あー!負けたぁ!!」



武蔵「ふふふ……よもや、ここまで圧倒的とはな。少し落ち込んでしまうぞ」



VAVA「お前も順調に腕を上げている」



イオナ「おつかれ」



VAVA「解放されたか」



イオナ「軟禁はきつい」



VAVA「仕方ないだろう。ここであんなやつに暴れられでもしたら、後が面倒すぎるからな」



イオナ「なっとく」



VAVA「さて、いい運動だったな。飯にしようぜ」



イオナ「なっとうくう」




天龍「おう!」



武蔵「ついてゆこう」



大淀「その前に、二人はお風呂に入ってきて下さい」



天龍「あん?なんだ、居たのか。よど」



大淀「大淀です」



天龍「わかってるよ。武蔵の姉貴。背中流すぜ~」



武蔵「ふふ、私は妹なのだが。姉貴、悪くない響きだな」



天龍「へへへ、後でな」



VAVA「おう」



スタスタ…



大淀「提督、探しましたよ」



VAVA「どうした?」



大淀「お食事の前に一仕事です。大淀と一緒にハンコをペタペタしましょう」



VAVA「わかった。今戻る」



大淀「それとヘンダーソン嬢から電報です。一応、確認してください。しなくても特に問題ありませんが」



VAVA「……のどが渇いたな。大淀の入れた茶が飲みたい…気がする」



大淀「いいですよ♪今日はお紅茶にしましょうか」



VAVA「任せる」



大淀「はい、この大淀にお任せを」

執務室



ピラ……



VAVA「暗号文か……どれ」カシャ……カシャ…



VAVA『解読完了……認めたくないが、完璧な暗号だ。事前に解読パターンを聞いていなければ、俺でも解読は不可能に近い』



(Guten Tag!VAVA。私、今ドイツに居るの。寂しくなったから電報送っちゃった)



VAVA「…」



(VAVAはどう?寂しい??リコリスさびしいよーう!)



VAVA「…」



(でも、負けないわ。私、才女だもんね。新型空母の開発が終わったら、またあなたに会いに行くから)



VAVA「…」



(おみやげ、期待しててね!そりゃあもう、すっごいおみやげなんだから)



VAVA「…」



(リコリス・ヘンダーソンより、愛を込めて)



VAVA「馬鹿が」



(追伸、返信してくれないと泣いちゃうぞ。分身、送っちゃうぞ)



VAVA『軍の連絡網を私用しやがって』



大淀「…」じー……チラチラ…



VAVA「気になるか?」



大淀「え!?……まぁ、はい。複雑な暗号なので、さぞ大事な連絡なのかな。と」



VAVA「そうでもない。捨てとけ」ビリビリ…



大淀「いいんですか?」



VAVA「あぁ、捨てたら返信もしといてくれ」



大淀「なんと送りましょう」



VAVA「了解。以上」



大淀「それだけ……?かしこまりました」カタカタ…



VAVA「飯だ」


食堂



武蔵「ほら、あーん」



VAVA「ん」



武蔵「それ、開けてるのかい?」



VAVA「あぁ」



武蔵「そら」



VAVA「…」サクサク…



武蔵「うまいよなぁ、ここの飯は」



VAVA「うまい」



武蔵「流石、間宮だな」



VAVA「違うな」



武蔵「なに?」



ザッ…!



装甲「おいしいですかぁ!そうですか、そのカツ。私が揚げたんです!」



VAVA「この香ばしさ、ピーナッツだな?」



装甲「あ、はい。おいしいかな。と思って」



VAVA「うまいぞ。もっと食わせろ。おかわりだ」



装甲「うわぁ!ありがとうございます!!持ってきますね~!」ルンルン♪



天龍「嬉しそうだな、装甲さん」



武蔵「なんだか、こっちまで嬉しくなってくるな。不思議だ」



天龍「そうなんすよ。逆にあの人がかなしそーにしてると、無性に慰めたくなってきちまう」



武蔵「愛され体質ってやつかな?」



天龍「かなぁ。いい体質っすねそれ」



武蔵「あやかりたいもんだ」



VAVA『腐っても姫だからな。兵士を惹きつけるカリスマのようなものがあるんだろう。あいつにも』


イオナ「夜戦は芸術」



川内「わかってる!イオナさんわかってるねぇ」



イオナ「戦いは気合」



神通「面白い事を言いますね。イオナさん。日本酒などどうです?」



イオナ「アイドルは魂。サイン下さい」



那珂「ここで初めてサインねだられた!ありがとぉ~!」カキカキ…



イオナ「夜戦姉妹好き、わかりやすい」



川内「え~!なにそれ~?」



イオナ「でも」



神通「?」



イオナ「隠し事多そう」



那珂「そんなことないよ!」



イオナ「ううん。強い、絶対強い」



川内「そうだよ。私たちは、ただの軽巡姉妹。しがない給料ドロボーだよ」



神通「それは姉さんだけです。遅刻しすぎですよ」



イオナ「遅刻魔」



川内『ぬ~わからん。この子は誰の味方なのか、何が目的なのか』


戦艦水鬼大要塞



戦水「デ、ドウダ。経過 ノ 方ハ。VAVA ハ 仕留メタカ」



コンゴウ「申し訳ございません。まだ、完遂には至っておらず」



戦水「ソウカ……マァイイ。信ジテルカラナ」



コンゴウ「はっ」



戦水「今日、オマエ タチニ キテモラッタノハ 他デモナイ」



コンゴウ「なんなりと」



戦水「オマエタチ ト 親睦 ヲ 深メタクテナ。特製ノ チョコレートフォンデュ ヲ 用意シタ」



コンゴウ「ありがたき幸せ」



戦水「スゴイダロ。アノ、チョコ ノ 滝。20m モ アルンダゾ」



キリシマ「あんな物、設備費と電気代の無駄じゃ…」



コンゴウ「…」ズンッ!



キリシマ「う゛っ……うわぁ~綺麗だなー」


コンゴウ「成程、筒の中を下ってくるため、新鮮で清潔なまま食べることができるのですね」



戦水「フフン。嬉シイダロ。オ菓子トカ フルーツ トカ 沢山 用意 シタカラ イッパイ 食ベテケ」



コンゴウ「いただきます」



マヤ「わぁーい!チョコ大好き~!!」



ハルナ「良い香り……興味深い」



マヤ「タカオは~?」



キリシマ「調べたいことがあるんだと。協調性に欠けるやつだ」



ミギノ「アノ…」ズイッ…



コンゴウ「これは、艤装殿」



ヒダリノ「コノ度ハ オ嬢様 ノ 急ナ 呼ビ出シニ 応エテ 頂キ」



ミギノ「アリガトウゴザイマス」



ヒダリノ「ドウカ、美味シイ オ菓子 ヲ 食ベテ」



ミギノ「少シデモ、オ嬢様 ニ 笑顔 ヲ オ見セ 下サイ」



ヒダリノ「オ嬢様 ガ 企画シタ 親睦会 デス」



ミギノ「楽シンデイタダケレバ」



ヒダリノ「幸イデス」


それから数日…



横須賀鎮守府



VAVA「よく来た。お前達のこれからの活躍に期待する」



白露「いっちばーん!白露、活躍しますよー!」



夕立「夕立、着任したっぽい!」



時雨「時雨、精一杯がんばるよ」



村雨「はいはーい、提督。妹がお世話になってます。これからよろしくね」



VAVA「五月雨のことか?あいつはよく働く。俺の自慢の駆逐艦だ」



涼風「いいねぇ、気に入ったよ。あたいも使ってやってくれよな。期待には応えて見せるからさっ!」てやんでぃ!



VAVA「涼風だったな、ふむ。五月雨にソックリだ」



涼風「よく言われるよ。姉貴はここでも相変わらずドジばっかかい?」



VAVA「そんなことはない。五月雨は良い駆逐艦だ」



白露「うっふっふー!妹が褒められていると、一番上の私まで嬉しいです。提督さん、ありがとう」



VAVA「あぁ、こちらこそ頼むぞ。早速明日から遠征任務に就いてもらう。鎮守府の設備は自由に使ってくれ」



はーい!!


しばらくして…



執務室



VAVA「ふむ……そろそろ高速戦艦が欲しいな」ペラ…(カタログ)



VAVA「む、このビスマルクとかいう戦艦……装備といい、性能といい、なかなかじゃないか」



VAVA「育てると夜戦に強くなるのか……成程な。こいつがいるならドイツに行ってみるのも悪くない」



大淀「それよりも、やっぱり金剛型なんか手ごろでいいかと」



VAVA「コストを鑑みるとそうだな……特に、この霧島という戦艦。気に入った。大淀みたいじゃないか」



大淀「もう、眼鏡で判断してません?」



VAVA「はははっ」



大淀「提督ったら、ふふ」



ビーッ!ビーッ!



VAVA「なんだ?」



大淀「管制室に問い合わせます。こちら、執務室。何事ですか?」



(大変です!この横須賀鎮守府に超高速で接近する物体あり!深海棲艦だと思われます!迎撃、間に合いません!!)



大淀「なんですって!?鎮守府への接近を許したのですか!」



(敵はステルス性能の高い船のようです。レーダーに反応しません。目視で補足しました!)



VAVA『レーダーはまだまだ改良の余地があるな』



大淀「敵の数は?」



(一!敵は単騎。姫タイプの確立高し。至急、緊急出撃を発令してください!!)



大淀「わかりました」



VAVA「いらん。新入りだっているんだ。怪我人を出したくない。一人で来るとは、面白い奴じゃないか。俺が遊んでやるよ」



大淀「またそんな……ここは守りの要なんですよ」



VAVA「と言えど、姫タイプがその気になれば、容易にここまで接近できるということか……案外、奴等には手心を加えられているのかもな」



大淀「提督、被害は最小限にお願いしますね」



VAVA「わかった。要は敵以外を撃たなければ良いんだろ」


大淀「ライドアーマーは使いますか?」



VAVA「燃料がもったいないだろうが。あいつは決戦用だ。出るぞ」



大淀「御武運を」



ガラッ…



大淀「窓から行くんですか…」



VAVA「俺も成長したんだよ。以前は壁をぶち抜いたり、ドアを吹っ飛ばしたりしたからな。行って来る。風呂沸かしとけ」ダッ…!



ガッガッ……ズササー…



VAVA「さて、誰だか知らんが、単独での制圧は、俺の専売特許だって事を教えてやるぜ」



ガシュンガシュンガシュン!!

大変失礼しました。艦娘リストの更新を怠っておりました。修正します。

>>323


それから数日…



横須賀鎮守府



VAVA「よく来た。お前達のこれからの活躍に期待する」



白露「みんな揃ってきたねー。提督さん、この調子でお願いしまーす!」



VAVA「おう」



夕立「夕立、着任したっぽい!」



時雨「時雨、精一杯がんばるよ」



村雨「はいはーい、提督。妹がお世話になってます。これからよろしくね」



VAVA「五月雨のことか?あいつはよく働く。俺の自慢の駆逐艦だ」



涼風「いいねぇ、気に入ったよ。あたいも使ってやってくれよな。期待には応えて見せるからさっ!」てやんでぃ!



VAVA「涼風だったな、ふむ。五月雨にソックリだ」



涼風「よく言われるよ。姉貴はここでも相変わらずドジばっかかい?」



VAVA「そんなことはない。五月雨は良い駆逐艦だ」



白露「うっふっふー!妹が褒められていると、一番上の私まで嬉しいです。ありがとう」



VAVA「あぁ、こちらこそ頼むぞ。早速明日から遠征任務に就いてもらう。鎮守府の設備は自由に使ってくれ」



はーい!!


イオナ「てーとく、加勢する」ダッダッー!



VAVA「好きにしろ」



イオナ「霧が来る」



VAVA「ほう、霧の艦艇か。潰しがいがありそうだ」



イオナ「キリシマなら楽勝。タカオなら苦戦。マヤ、ハルナが相手なら、撃破される危険がある。コンゴウが相手なら、私は撃破される。けど、負けない。提督と一緒なら」



VAVA「誰が相手でも同じことだ。俺が勝つことに、何の変更もない」



イオナ「自信家」



VAVA「見えてきたぞ、俺の弾に当たるなよ」



イオナ「りょーかい。援護に徹する。危ない時は呼んで。壁になるから」



VAVA「そいつは助かる。来るぞ!」



イオナ「タカオ!」



タカオ「ここで会ったが百年目……覚悟は済んでるんでしょうね」


イオナ「あなたにしては、大胆な作戦」



タカオ「黙りなさい。イ401、あんたに用は無いわ。あんたはどうせ他の霧が始末する」



イオナ「……タカオ、様子がおかしい」



VAVA「よう、タカオ。元気だったか?」



タカオ「あれから、ずっと悩んでた……会いたかった……会いたかったわ。VAVA。私、とても元気よ。あなたは?」



VAVA「いまいちだな。そろそろショルダーキャノンのオーバーホールがしたい」



タカオ「いい主砲ね」



VAVA「わかるか」



タカオ「不思議。あなたと会うまで、視界全てに霧がかかっていたのに。仲間の声も、くぐもって聞こえたのに。今は全てがクリアに感じるわ」



VAVA「…」



タカオ「私達の新たな目的は、あなたを殺すこと。この役目は誰にも渡さない。はじめましょう。もう一度、感じさせて」



タカオ「あの時の……トキメキを!」



VAVA「タカオ、ますます気に入ったぞ。どうやら、お前は俺の同類らしい。戦いたくて、しょうがないんだろう?俺もそうなのさ!」



タカオ「いくわよ!」


ドゥン!バルルルルルルッ!!



バシュ!ジュドドドドドッ!!



イオナ「……激しい。互いに避けない。下がらない」



タカオ「痛ぁい!これが本当の戦いなのね。生きるということなのね。なんて狂おしいの……うふふふふふ!」



VAVA「クハハハハハハハッ!そうだ!!自らの意志で狂ってこそ鬼だ!!成り損なうなよ?俺に全て叩き付けてみろ!!」ゲシッ!



タカオ「かはっ…!」



VAVA「そんな程度じゃないだろ!自分を解放しろ、おらっ!!」バキッ!



タカオ「うぐぅ!」



VAVA「女だからといって容赦はしない。鬼に男も女も無いからな~?」



タカオ「ぜぇあ!!」ブンッ!



VAVA「ごぉわ…!」メキッ……ピシピシ…(バイザーにヒビ)



タカオ「はぁ…はぁ!」



VAVA「いいぞぉ……この痛み。お前に仕返ししたくなる。もっと痛めつけてやりたくなるぞ」


タカオ「はぁあああああああああああああああああああああっ!!」



イオナ「超重力砲!……クラインフィールド」



VAVA「どけ!受けて立ってやる。ナーバスゴーストを10倍の出力で放つ」



イオナ「やめたほうがいい、無茶はダメ」



VAVA「うるさい!俺がやるといったらやるんだよ!!」



タカオ「超重力砲、エンゲージぃ!!」カッ…!



VAVA「うぉおおおおおおおおおおおおおおお!」ジジジ……!



ズドォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!



とく……てーとく…おきて



VAVA「……はっ!」



イオナ「だいじょうぶ?」なでなで…(膝枕)



VAVA「気絶していたのか」



イオナ「エネルギー使いすぎ」



VAVA「タカオは?」



イオナ「傷ついて逃げた」



VAVA「そうか……」



イオナ「今度はあんたが会いに来いだって。座標データおいてった」



VAVA「アジな真似をしやがる」



イオナ「超重力砲の軌道をそらすなんて、てーとくはやっぱりすごい」



VAVA「イオナ。悪いが、俺を倉庫まで運んでくれ。リペアが必要だ」



イオナ「りょーかい」ガシッ…てくてく……


工廠


提督専用兵装保管庫(艦娘、妖精、立ち入り禁止)



ジリジリ……



イオナ「今度は逆になったね」



VAVA「良い腕だ」



イオナ「艦娘達が今日のあなたを見たら、絶対引くと思う」



VAVA「…」



イオナ「欲望に、負けちゃダメ」



VAVA「そうだな」



イオナ「うん」



VAVA「漣と約束していながら俺は……ん?もういいぞ。全ての修理は完了したはずだ」



イオナ「…」



イオナ『まだ、頭の中の故障が直ってない……わからないのかな?』



イオナ「修理箇所は自分で把握できるの?」



VAVA「あぁ、異常箇所はスキャンできる。どこにも異常は無い」



イオナ「そうなんだ。じゃあ完治。お疲れ様」



VAVA「あ?……あぁ、すまんな」



イオナ『私と彼は体の構造が違う。とりあえず様子を見よう』


空母城(城壁外周)



ヨロヨロ……バタン!



タッタッタ……



空母「ホッホッホッ……ヤ ヤ?」ランニング中



タカオ「…」ぼろぼろ…



空母「コレハ イカン……ムッ!?」



タカオ「うぅ……」



空母「……モシ、私 ノ 声ガ 聞コエルカ?オマエ ハ コンゴウ ノ 部下。タカオ ダッタナ」



タカオ「は、はい…」



空母「ドウシタコトダ……オーイ、誰カ 居ナイカ」



ババーッ!シュタタッ!!



「ハッ、オ呼ビデ」


「コノ者ハ、同盟者 霧ノ艦艇 ノ 者」



空母「怪我 ヲ シテイル。スグ入渠サセテ アゲナサイ。丁重ニ 扱ウ ヨウニ」



「ハハーッ!オイ、タンカ ダ!」


「ハイ、タンカ!」



タカオ「ぐっ……はぁはぁ…」



「見タ目 ニ 反シテ 重イナァ…」



タカオ「う、うるさい……」



「エッホ エッホ エッホ!」



空母『タカオ カラ……僅 カ ダガ、鬼 ノ 気配 ヲ 感ジタ』


空母『コンゴウ ヲ 問イタダス 必要 ガ アリソウダ』


空母城



バキッ!



タカオ「うっ…」



キリシマ「なっ!?コンゴウ、何も殴ることはないだろう!タカオ、大丈夫か?」



ハルナ「…」



コンゴウ「誇りの為ならまだいい。己の欲望の為に命令を無視したことが許せんのだ」



タカオ「VAVAは、私の獲物よ。誰にも譲る気は無いわ」



コンゴウ「まだ懲りてないと見える。今回ではっきりしたな。お前に奴は倒せん」キッ…



マヤ「ダメっ!」バッ!



コンゴウ「マヤ……そこをどきなさい。タカオは、規律を乱して…」



タカオ「ッ!」ブン!(ミドルキック)



コンゴウ「ぬっ…!?」ズキッ…



ハルナ「!……タカオ、いけない」



タカオ「私には倒せないですって?冗談じゃない。私が倒す……奴は、私が!」



キリシマ「やめろ!仲間割れなどしている場合か!!」



コンゴウ「重巡が大戦艦に歯向かうと言うのか…?タカオ!」



マヤ「コンゴウ!ケンカは駄目だよ!!」ギューッ!



タカオ「離してキリシマ!もう我慢できないわ!」



キリシマ「落ち着け!命令違反といい、今の蹴りといいお前らしくも無い。どうかしているぞタカオ!」


トントン……ガチャ…



空母「失礼。オット、取リ込ミ中……ダッタカナ?」



コンゴウ「空母様、これは……お見苦しい所を。聞き訳の無い部下を教育しておりました。お騒がせして大変申し訳ない」



空母「イイ。私モ モウ少シ若イ頃ハ 戦艦棲姫 ヤ 中枢棲姫 ト 取ッ組ミ合イノ 大喧嘩ヲ シタモノダ。ウン、元気ガ アッテ ヨロシイ」



タカオ「先程は、お世話になりました……」ペコ…



空母「ソノ分ナラ 体 ハ モウ大丈夫 ソウダナ。大事デナクテ 良カッタ。コンゴウ、私 ノ 部屋デ 紅茶デモ 飲マナイカ?話デモシナガラ」



コンゴウ「はっ、お誘い頂き光栄です。マヤ、あとの指揮は任せる」



マヤ「うん」



コンゴウ「タカオ、後で覚えてお……」



空母「イイカラ イイカラ。モウ、ソロソロ スコーン モ 焼ケテル 頃ダ。トント 早ク」グイグイ!



コンゴウ「は、はい。ありがとうございます」



ドタドタ……バタン…



キリシマ「あの姫……いや、空母殿は我々を気遣ってくれたのかも知れないな」



マヤ「タカオ、わかったよ。あなたがVAVA討伐の任務に就けるように、私からコンゴウに言ってあげるからね」



タカオ「ありがとう、マヤ」ツカツカ…



ハルナ「どこへいく?」



タカオ「頭を冷やしてくるわ」



キリシマ「あまり遠くへは行くなよ。また命令違反だと言われる」



マヤ「行ってらっしゃい」



タカオ『VAVA…』

横須賀鎮守府



雪風の部屋



雪風「あう~」



VAVA「動くな。アイス食べた後は、ちゃんと磨かないと虫歯になっちまうぞ」シャカシャカ…(膝枕はみがき)



雪風「ふぁ~い」



VAVA「ん?えらく……綺麗だな。まだ乳歯もあるようだが」



雪風「はえ!ゆいあえは、ういはいはいいういほうあんえう!!」(はい、雪風は虫歯になりにくいそうなんです)



VAVA「唾液が多い体質なのか、或いは歯が頑丈なのか……運のいいことだ」



雪風「あ~~♪」



十数分後…



VAVA「よし、もういいぞ。口をゆすげ」



雪風「くちゅくちゅ……べー」もば~



VAVA「次は一人でやるんだぞ」



雪風「ゆきかぜ、しれぇにやってもらったほうが歯がピカピカになって好きです!」



VAVA「そうか」なでなで…



雪風「えへへ」



VAVA「しかしな、もし俺が居なくなったらどうする?その時は、自分でやらなきゃいけないんだぞ」



雪風「…」



VAVA「戦場に身を置いている以上、仕方の無いことだ」



雪風「しれぇ」ぎゅ…



VAVA「うん…?」



雪風「…」ひしっ…


執務室



大淀「…」



VAVA「……という事があってな。雪風が背中に抱きついて、離れてくれないんだ」



雪風「いやです!離れません!雪風、しれぇを守ります!」



大淀「心配させるような台詞を言ったのは提督なんですから、ご自身でなだめてください」



VAVA「むぅ…」



雷「雪風だけずるいわ!」(母性的カンが働いた)



叢雲「ずるいとかじゃなくて……もう遅いんだから、司令官の邪魔しちゃ駄目でしょ!雪風!!」(寝る前に成果を褒めて欲しかった)



漣「そうだそうだー!」(修羅場が見たかった)



五月雨「あの……静かにしようよ。迷惑だよ」(秘書艦だった)



足柄「そうよ!不公平よ!!だったら私は前から抱きつくわ!」(だいしゅき)



VAVA「…」



大淀「騒いでないでもう寝なさい!足柄さん、提督が腰をいわしてしまいます。やめてください!駆逐艦に紛れないで!みっともないですよ!」



足柄「だってえ!」



VAVA「鬼の名は返上すべきか……」




しばらくして…



VAVA「すまんな、大淀」



大淀「いいえ……みんな良い子ですから。所で、イオナさんから聞きましたよ。また無茶をしたそうですね」



VAVA「まぁな」



大淀「提督には高速修理も女神のチカラも働かないんですから、もっと自重してください」



VAVA「わかってる」



VAVA『確かに危うい』



大淀「この鎮守府は提督一人のお力でここまで大きくなりました。しかし、逆を言えば提督のいなくなった鎮守府は……」



VAVA「脆い……か」



イオナ「そのとおり」ヌッ…



大淀「イオナさん」



VAVA「いたのか」



イオナ「皆、提督に頼り過ぎてる。強大な敵が現れても、最後には提督が何とかしてくれる。そんな甘い考えの子がほとんど」



大淀「……そうですね」



VAVA「しかし、艦娘たちが傷ついていく姿を、俺に黙って見ていろと?」



イオナ「そう」



VAVA「わからん。俺が出ればそれで済む話だろ」



イオナ「ちょっと、まじめに話す……経験は、時に苦痛を伴うもの。提督も、たくさん傷ついて強くなってきたはず」



VAVA「…」



イオナ「わたしも、あんまり厳しいこと言いたくない。けど、みんな楽観的」



VAVA「忠告として、受け止めよう」



イオナ「それがいい。犠牲者が出てからでは遅い」



大淀「私からも、あまり提督には頼らないよう皆に注意しましょう」



イオナ「うんうん」



VAVA「…それが、あいつらの為になるなら、仕方ない……な」


天龍の部屋



二人で戦争映画鑑賞



天龍「なるほどなぁ~」



VAVA「どう思う?」



天龍「確かに、何人かはお前におんぶにだっこかも知れねーな」



VAVA「そう…か」



天龍「お前の気持ちもわかるよ。お前、頼られんの大好きだもんな」



VAVA「…」むっ…



天龍「怒るなよ。俺の意見が聞きたくてこんな時間に来たんだろ?明日非番だからさ。徹夜で遊ぶつもりだったんだ。付き合ってやるよ」



VAVA「あぁ…」



天龍「…お前も苦労してんだな。やっぱ、チカラは強くても色々困ることとかあんのか?」



VAVA「そうだな。昔は気にも留めなかったんだが、今は周りの状況に合わせて行動している」



天龍「へー昔か、お前のことだ。特殊部隊とか、傭兵経験とかあるんだろ?嫌なら言わなくてもいいけど……」



VAVA「いや……軍属はこれっきりだ」



天龍「んじゃあ公安組織?まさか、テロリストってことはないよな。お前って謎が多いからな。気になるんだ」つんつん



VAVA「…」


天龍「俺は、お前がどんな過去をもってようが気にしないぞ。俺は今、目の前にいるお前を見てる」



VAVA「公安組織…が一番前職に近い気がするな」



天龍「へぇ~!お前が公安ねぇ。意外だな」



VAVA「そうでもない。暴力を振りかざす者に、さらなる暴力で更生を強いる組織だったからな。俺のような乱暴者が必要だったんだろう」



天龍「えぇ…」



VAVA「昔の事だ。若い時は、そこでの地位に固執した時もあったな」



天龍「お前が!?」



VAVA「今となっては、どうでもいいことだ。俺の居場所はここにある」



天龍「俺の部屋!?」かぁ…///



VAVA「ち、違う。ここだ。横須賀鎮守府だ」



天龍「あぁ、そっか……そだ、あれ、霧の艦隊はどうするんだよ?」



VAVA「大淀が言うには、上層部はやつらの存在を認めていないらしい。目下、深海棲艦の対処に勤めろとよ」



天龍「け、まるで他人事だよな。実際に襲われるこっちの身にもなれってんだ」



VAVA「まったくだ」



天龍「おうよ」



VAVA「だがな、近い内にやつらとは決着をつけなければならない。俺が思うに、やつらは深海の姫と同等か、それ以上の危険度だ。放置は無い」



天龍「夜戦にいくなら、俺を外すなよ」



VAVA「頼りにしている」



天龍「まっかせろい!」にかっ!



天龍「あ、映画終わっちまったな。次は何すっか」



VAVA「そうだな……ん?おい天龍。これは何だ?」カチャ…



天龍「めざといな。そいつは今流行のヘッドマウントディスプレイってやつだ。すごいぞ。こう、ゲームと接続して、かぶれば目の前に仮想現実が広がるって訳だ」



VAVA「ほう……バーチャルリアリティか」



天龍「興味あるのか?ゲーム」



VAVA「うむ。いいアイディアだ。よし、次のトレーニングマシーンはこれだな」



天龍「?」



VAVA「ちょうどいい。イオナにも手伝わせよう」


翌日



工廠



トンカントンカン!ジジジ……



イオナ「朝から重労働。間宮食券10日分を要求するー」



VAVA「後で発行してやるから働け」



イオナ「りょーかい。……ナノマテリアルをこんなことに使うなんて。ナイスアイディア」



VAVA「だろう?これでお前が言った経験不足とやらも、俺の懸念も同時に解消できる」



明石「これまた大掛かりな装置ですねぇ」



夕張「やぁ~、やりがいありますよ」



瑞鳳「えっと、提督。ここはどうしましょう?」



VAVA「あぁ、待て。ここの溶接は慎重にな、ゆっくりとやるんだ……」



瑞鳳「は、はい…」ぽっ…



VAVA「こうだ、いいな?」



瑞鳳「はい、ありがとうございます!」


明石「……提督ーここ、わかりませーん」



VAVA「どれ、貸してみろ」



明石「それじゃ分かりづらいですね。こう、私に覆いかぶさるように、後ろから手をこう…」



VAVA「こうか?」



明石「はい、良いです。すごく分かりやすい」



夕張「提督、ここの底部から回路をつなぐんですか?」



VAVA「あぁ、そうだ」



夕張「すみませんね、もう一度お手本を見せてくれませんか?」



VAVA「仕方ないな。よく見てろよ」



夕張「はい、見てますよー」スリスリ



イオナ「てーとく」



VAVA「今度は何だ?」



イオナ「なんでもない……それっぽい建前が無かった。むねん」



VAVA「…」


数時間後…



明石「できました!」



「できたー!」


「わーい!」


「なんだかわかんないけどおめでとー!」



キャー!キャー!



VAVA「礼を言うぞ、お前たち。想像以上のスピードで完成した。これで、俺達の戦力はより磐石なものとなるだろう」



イオナ「とはいっても、まだ1台だけ。最低12台。スペア込みで30台はつくろー」




「「「おーーー!」」」



VAVA「すまん、システムの調整をしておきたくてな。悪いが残りのカプセル製作の指揮は任せたぞ、イオナ」



イオナ「おまかせー」


VAVA「暇そうなやつはいないか……お」



VAVA「おい、加古ー!」



トコトコ…



加古「ふわぁ……あたしを呼んだかい、提督」



VAVA「今、新型マシンのテスト中なんだ。お前さえよければ試してみてくれないか?」



加古「へぇ~新しいマシン?おもしろそうだねぇ。やるー!」



VAVA「よしよし。特別手当ても出してやるからな」



加古「マジで!?らっきぃ~~~!」



VAVA「ついてこい」



加古「ほいほーい」


工廠



加古「あの……これ、マジで大丈夫なの?怖くなってきたんだけど!」カプセル内



VAVA「俺の設計だ。狂いは無い」



加古「……で?あたしをこんな物に閉じ込めてどうしようってのさ。なんの訓練なの?」



VAVA「今に分かる。ではいくぞ」ポチ…



ウィーン…



加古「うへぇ、なんか降りてきたよ~」



VAVA「そのままじっとしていろ」



加古「へぇーい」



VAVA「バーチャルミッション開始。時間無制限。勝利条件は目標の無力化。敗北条件は自身の轟沈だ」



加古「え?え?」



VAVA「フィールドは……よし、世にも珍しい艦娘の市街戦といこう。使用装備に制限は無し。好きなものを使え」



加古「あわわ…」



VAVA「俺が常にオペレートしている。安心しろ。さぁ、ロードが終わったぞ。ゲーム開始だ」



ピカァ…!



加古「まぶしっ…!」


荒廃した街



加古「んっ……あれ、ここどこ?」



VAVA『無事、プラグインできたようだな』



加古「提督?どこ??」



VAVA『姿は見えないが、お前のことを見守っている。キリキリいくぞ。ここから使いたい武器を選べ』



フォン…



加古「うーんと……じゃあ、普通に、主砲、主砲、電探、偵察機で」



VAVA『うむ。リアルな夢を見ていると思えばいい。これは、体を傷つけることなく実戦経験を積む事ができる仮想現実マシンなのだ』



加古「なるほどー!そいつはいい。ところで……」ぺちぺち…



ぎゅ……つねり…



加古「いでででで!夢なのに痛いよぉ!!」



VAVA『リアルな夢だからな。痛みが無きゃ訓練にならないだろう』



加古「痛いのやだよぉ」



VAVA『しかし、あまりに強い痛みの場合は、精神への影響も加味して自動で痛覚をシャットアウトできるようにしてある』



VAVA『もしそうなった場合、轟沈扱いと言うことでプレーヤー側の敗北が決定する。そろそろ敵が現れるぞ。用心しろ』



加古「あんまり理解できてないけど、とりあえず敵を倒せばいいんだね!よし、どいつがあたしのあいてだぁー!」



ピカ……フワァーン…



コツコツ…



古鷹「…」



加古「えぇ!?古鷹ぁ!なんで古鷹……」



VAVA『気をつけろ!それは古鷹の再現データだ。本物の古鷹のように優しくは無いぞ。本気でお前を沈めにかかってくる』



加古「データって言っても……やりづらいなぁ。どこからみても古鷹だよ」



古鷹「訓練開始します。重巡加古、速やかに撃破します」



加古「うわぁ!めっちゃこわい!こりゃ、本気でやんなきゃなんないね!いくよ!!古鷹!!!」ガシャ…!



ドォンッ!




戦闘後



加古「はぁ…はぁ……か、勝った…………なんとか」ボロボロ…



VAVA『任務完了、お前の勝利だ』



加古「ありがと……古鷹ってあんなに強かったんだねぇ」



VAVA『いいや、所詮は再現データだ。本物には及ばない』



加古「そんなもんかね」



VAVA『システムの調整は完了した。これで今まで戦った敵や、この鎮守府に所属している艦娘全員と自由に戦う事ができるぞ』



加古「敵って言うと……」



VAVA『姫タイプの事だ。だが、戦艦棲姫のデータだけはインプットしていない』



加古「ひっ…」



VAVA『だと思ってな。肉体にダメージは無いが、精神には現実と同じくダメージが蓄積される。戦艦棲姫のデータは、あらゆる意味で危険だと判断した』



加古「それがいいよ、名前だって聞きたくない」



VAVA『訓練、ご苦労だった。プラグアウト、と言ってみろ』



加古「ぷらぐあうと……?」



ピカッ…!



加古「まぶっ……ぃ!」


工廠



プシュー……ウィーン



加古「開いた……不思議だねぇ。あれだけ激しく動いたのに、全然疲れてないや」



古鷹「加古、お疲れ様」



加古「うわぁ!古鷹!?」



VAVA「落ち着け。その古鷹は本物だ」



加古「あ、そっかぁ……ごめんよ。さっきまで、古鷹のデータ?ってのと演習してたんだ」



古鷹「うん、よくがんばったわね。ずっとそこのスクリーンで見てたよ」



加古「おや、こんなものまで用意してたのかい?」



VAVA「ラウンジの巨大スクリーンのスペアを流用したんだ。訓練の様子をリアルタイムで観戦できるようにした」



加古「へぇ~こりゃあ便利だねぇ。強い人の演習をじっくり見れるわけだ」



ズシン……ズシン…



古鷹「あ、イオナさん。こんにちは」



イオナ「こんちゃ」



VAVA「イオナ、まさか、もう完成したのか?」



イオナ「全部できた。朝飯前。今、ここに全部並べる。待ってて」スト…



VAVA「お前の能力には本当に驚かされる」



イオナ「それはお互い様。よっこらせー」


それから数日…



工廠



ワイワイ!



武蔵「提督よ!?これ、お前強すぎないか!?まるで勝てる気がせんぞ!!」



曙「自分だけ強化してるんじゃないでしょうね!」



長門「ダメだ、提督で詰む……」



VAVA「お前達への精神ダメージを考慮して、俺の再現データは分割してある」



北上「ぶんかつ~?」



VAVA「そうだ。初期段階で挑める俺は、兵装も初期装備だ。つまり、一番弱い状態だ。俺を負かすたびに高難易度が解放されていく。あと三段階用意してあるからな」



霞「か、簡単に言ってくれる……やってやろうじゃないのよ!!」



大井『アァ゛ーー!北上さん!最高です!!さらさらです!ふわふわです!うわぁああああ良い匂い!!』くんかくんか…



北上『はなせぇ!!』



VAVA「い、今は大井がプレイ中なのか」



北上「データとは言え、自分があんなふうにされてるのは、ちょっと恥ずいかな……」



プシュー……



叢雲「駄目ね……自分との戦いに負けちゃったわ」



五月雨「すごく惜しかったよ。叢雲ちゃん」



叢雲「あなたもやってみたら?自分と戦うってのも、中々いい勉強になるわよ」



五月雨「私は、とりあえず深海棲艦の駆逐艦からはじめてみようかな」



VAVA『フフフ……システムにちょいと細工がしてあってな。自分自身に戦いを挑んだ時、再現データの能力は、10%増しになるのさ』



叢雲「くやしい……」



VAVA『全力を出した上で、さらにその上を行かねば、自身の再現データを倒すことはできないのだ』



プシュー……



吹雪「ふぅ~!私ってあんな風に戦ってたんだ。次はあの癖を極力ださないようにしよっと!」



VAVA「吹雪……?お前、自分の再現データに勝ったのか?」



吹雪「はい!自分で言うのも変ですけど……手強い相手でしたが、勝てました!提督が、色々と教えてくださったおかげです。ありがとうございます!」



VAVA『土壇場での爆発力や、成長性が優れているのかも知れんな。吹雪は』



イオナ「ずずー…」ちょこん…



イオナ「ジュースうまい。ん、てーとく」



VAVA「よう。まさか、ここまで人気になるとはな」



イオナ「いい感じ。資材を消費せず、艦娘達の錬度を上げる事が出来ている……むーん」



VAVA「どうした?」



イオナ「あんなオーバーテクノロジーを驚きもせず、みんな普通に使ってる」



VAVA「俺のせいだろうな。思えば、ここで様々な道具を開発し、あいつらに見せてきた」



イオナ「よかったら……あのマシンで再現できそうな、霧のデータがある。模擬戦、してみる?」



VAVA「そいつはありがたい。あのタカオとも、そろそろ決着をつけようと思っていた所だ」



イオナ「コンゴウ以外のデータなら、ある」

それからしばらく…



執務室



大淀「……ドイツへの訪問まではまだ余裕があるから、その前にこの海域を攻略して…霧への対処にはこれだけの予算を投入して……」



隼鷹「やれやれ、提督は今日もイオナと仮想訓練かい?」



大淀「そうですよ」



隼鷹「暇だねぇ。せっかくあたしが秘書になったげてんのに。この辺の酒ちょっぴり飲んじゃおうかな」



大淀「だめです」



隼鷹「はいはい、わかってるよ」



ガシュンガシュン……ガチャ…



隼鷹「お、やっと帰ってきた。おつかれ」



VAVA「あぁ…」ヨロヨロ……ギィ…ドサッ!



大淀「提督、体調が優れないのですか…?」



VAVA「訓練をし過ぎたようだ。少し、疲れた」



隼鷹「提督でも疲れるんだねぇ」



VAVA「そりゃあそうだ」



VAVA『ボディには何の問題も無いが……メンタルダメージはどうしようもない。我ながら、よく出来たトレーニングマシーンだ』



VAVA「1時間ほど休む」



大淀「ごゆっくり」スッ…



隼鷹「…」スッ…



VAVA「いや、出て行かなくていい。ここで作業を続けろ」



大淀「わかりました」スト…



隼鷹「甘えたいのかい?あたしの膝、貸してあげるよ」



大淀「隼鷹さん」



隼鷹「冗談だって」



VAVA「…」リラックス…

南方海域 最深部



ズドォオオオオン!!ガガガガガガガッ……!



大和「はぁっ!……でぁあああああああああああああ!!」連打



南方「グヌッ……ウゴゴワァアアアアアアアア!?」ドゴゴゴゴゴ……!



大和「まだ……まだぁ!」飛び後ろ回し蹴り



南方「ツケアガルナ!小娘ガァアアア!!」ジャキンッ!



大和「!?」



南方「シズメッ!」



大和『ここだ…!』



大和「たぁっ!」ヒュッ……パシンッ!



南方「ウッ……!?」グラッ…!



大和「そこっ!」カチ!



コォッ……ガォオオオン!!



南方「ウォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ……!!??」ビシィッ……ピキピキピキ…!



カッ……ドカーンッ!



大和「はぁ……はぁ…プラグ…アウト」



ヒュン…

工廠(特設VRトレーニングルーム)



休憩室



イオナ「やるぅー」ひゅ~



青葉「すごい剣幕ですね、大和さん」



武蔵「因縁の相手だからな。私達にとっては」



子日「いんねんって?」



武蔵「…」なでなで…



子日「?」わしゃわしゃ…



プシュー……フラフラ…



大和「…」



武蔵「見事だ。大和」



大和「…」スタスタ…



武蔵「おい、大和?」



大和「…ぅ」グラッ……



イオナ「ん」ガシッ!



大和「どうも…」



イオナ「お疲れ様」



武蔵「激しい戦いだった。無理も無い」



大和「でも、まだ本物には……及ばないかもしれない」



武蔵「よくやったさ。イオナ、とっさに姉を支えてくれてありがとう。後は、私が部屋までつれていくよ」



イオナ「大金星」



装甲「じー……」ものかげ



ある日の夜……



装甲「…」こそこそ…



装甲『一回使ってみたかったのよね。よし、誰も居ない』キョロキョロ…



こっそり……ウィーン…



装甲「わぁ……集積地がこんなの造ってたっけ。でも、あれよりすごく綺麗。本物みたい」



装甲『なるほどね、敵の能力値をグラフで分かりやすくしてるんだ』



装甲『ふんふん、あっ!私だ!!私が選べる!!!すごいわ、艦娘とは比較にならないパラメーターだわ!』わくわく!



装甲『それにこのポーズ……なんてかっこいいの。手を前に突き出して、強気な笑みを浮かべて、いかにも強敵ってかんじ』うっとり



装甲『あとは泊地と南方……飛行場が選べるのね。ゲッ!私だけ勝率が高い…!!みんな私のデータをこんなに倒してるのね……』



装甲「戦ってみようかな……」



装甲「…」



装甲「やめとこ……誰かに見られたら面倒だし」



装甲「…」



装甲「一回だけ…!」



装甲「対戦相手は……もちろんVAVAさん!プラグイン!装甲ー!」ノリノリ♪


鎮守府近海



装甲「……すごい。現実と変わらないわ。日差しも、海風も、潮の香りも……」



パッ……



装甲「ここから武器を…?そうか、私が使うことは想定して無いんだ。じゃあ、艦娘の空母装備を使おう」



装甲「えっ……この艦爆。対空能力無いじゃない!艦戦って……こっちは対空能力だけ!?艦攻も艦爆と同じで攻撃のみ!?」



装甲「なによこれ!こんなロースぺ装備で戦うなんて馬鹿じゃないの!!」ぷんすか!



装甲「……選ばないことには始まらないわね。いいや、わからないから一個ずつもっていきましょう」



装甲「できるだけ強そうなのを……これでいいや」(震電改、天山《村》、彗星《江》、副砲)



ガシュンガシュンガシュン……



VAVA「訓練を開始する。気を引き締めろよ」



装甲「はい!VAVAさん!!」


装甲勝利



VAVA「訓練終了。大したものだ」



装甲「おつかれさまでした」ペコリ…



VAVA「遊ぶのはかまわんがな、ほどほどにしておけよ。装甲」



装甲「へ…?」



VAVA「どうした?訓練は終わった。早く現実に戻れ。合言葉は、プラグアウト。だ」



装甲「私がこの機械をこっそり使うって、わかってたんですか?」



VAVA「お前は好奇心が強いからな。それに、体がなまっていただろう。仮想空間と言えど侮れまい」



装甲「はい……すごく、楽しかったです」



VAVA「よかったな」



装甲「VAVA…さんは、私ともう一度戦って、楽しかったですか……?」



VAVA「悪いな。俺は所詮、VAVAと同じ思考パターンを持ったデータに過ぎん。現実のように何かを感じたりすることはできない」



装甲「あ……」



VAVA「つまり機械だ。こうして話しているのも、お前の言葉に反応しているだけだ。VAVAの意思も感情もない」



装甲「…」うー…



VAVA「VAVAには、結果を報告しろよ」



装甲「はい…ありがとうございました。じゃあ……プラグアウト」



フォン…


プシュー……



装甲「ふぅ……ん?」



瑞鶴「…」



装甲「わっ!?」



瑞鶴「見てましたよ」



装甲「な、何を…ですか?」



装甲『ややや……やばいやばいやばいやばい!!』



瑞鶴「装甲さん……し、し、しん……」



装甲『バレた…!私が……深海棲艦だと』



装甲『どうしよう!?いまなら誰も見てないし暗殺すれば……いや、できるわけない!今更艦娘を傷つけるなんて、私にはとても……』



装甲「……はい、お察しのとおりです。私は……」



瑞鶴「信じられない!装甲さん、昔は空母艦娘だったんですね!!」



装甲「…うん?」



瑞鶴「どうして引退したんですか!?あんなすごい戦い方、見たこと無い!!」



装甲「その…」



瑞鶴「あの艦載機の使い方、私に教えてください!!」



装甲「えぇ!?」



ある日の事…



瑞鶴「翔鶴姉ぇどこかな~」



翔鶴「…」ペラペラ…♪



瑞鶴「いた!あ……加賀さんだ」



加賀「…」ボソボソ…



瑞鶴「何を話しているのかしら…?ついて行ってみよう」


射撃訓練場



加賀「私達は、弓を引くという動作によって艦載機を射出する。よって、弓を扱う技術無くしては艦載機を扱えないわ」



翔鶴「はい」



加賀「あなたも知っているだろうけど、これが基本。後は、射出後の艦載機との連携だけれど」



翔鶴「はい、私、まだ妖精さんたちと心をうまく通わせないみたいで……たまに指示を無視されたりしちゃうんです」ぐすん…



加賀「これだから五航戦は……」



翔鶴「加賀さん、お願いします。私に艦載機のなんたるかを教えてください」ペコリ…



加賀「……いいわ。実際に放ってみなさい。妖精たちを不満にさせることを、あなたが無意識にしているのかも知れない」



翔鶴「はい!流星、お願いね……」スッ…



瑞鶴「翔鶴姉ぇ!!」


翔鶴「あっ……瑞鶴」



瑞鶴「そんな人から教わることなんて何も無いわ。私達の方が新型じゃない。旧型に教わっても弱くなるだけよ」



加賀「…」



翔鶴「瑞鶴!なんて事を言うの。加賀さん、ごめんなさい。瑞鶴はまだ幼いんです。どうか許してあげてください」



加賀「別に、気にしていないわ」



翔鶴「加賀さんに謝りなさい」



瑞鶴「はんっ誰が!いくら翔鶴姉ぇのお願いでも、それは聞けない。私は間違ったこといってないもん。私たちがいる今、空母赤城、加賀は艦隊のお荷物よ」



加賀「…」カチン…



翔鶴「な……瑞鶴!!本当に怒るわよ!!あなたは何もわかってない」



瑞鶴「わかってないのは翔鶴姉ぇの方よ!!私のどこに間違いがあったっての?」



加賀「いいわ、教えてあげる。翔鶴、妹を借りるわね」



翔鶴「加賀さん、どうか穏やかに…」



加賀「心配しないで。来なさい、七面鳥」



瑞鶴「しちめんちょうぅううう!?冗談じゃないわ!!果し合いの場所は?時間は?いつでもいいですよ!」



加賀「あなた相手に大事な資材を使うわけにはいかないわ。先日新しく導入された、仮想訓練機による模擬戦で決着をつけましょう」



瑞鶴「いいわよ!やってやろうじゃないの!!見とけおらぁ!!」



現在……



装甲「で、負けちゃったと……」ぽん…



瑞鶴「うん……」



装甲「それはヘコむよね」



瑞鶴「うぅっ……わ、私は間違ってない……運動性能も搭載数も馬力も、全部私の方が上のはずなのに…どうして」ぐすっ……



装甲『見てて痛々しい……可哀相…』



瑞鶴「こ、怖かった……あんな怖い人どうやって勝てばいいのよ……私には、わからない」



装甲「泣かないで。うん悔しかったね…」なでなで…



瑞鶴「うわぁああああああああああああん!装甲さん……私、あの人に、勝ちたい……」ギュー!



装甲「うんうん…」なでなで…



装甲『あれ……私なに空母みたいなこと言ってんの。バレたらヤバイし、これ以上関わらない方がいいっしょ……』



瑞鶴「私の……師匠になってください」むくっ!



装甲「いや、それはそれ。これはこれ」スッ…



瑞鶴「えぇえええ!?」スカッ!



装甲「大丈夫。スペックで勝ってるんだから次はきっと勝てますよ。じゃあ、あの……もう遅いし、お休みなさ~い…」ソロソロ…



瑞鶴「待って!私には、あの変幻自在の統率力が必要なの!!教えてください!!!」グッ!



装甲「うわぁー!?ポニーテールつかまないで!!」



瑞鶴「教えてください゛ーーー!!」



装甲「だから嫌なのぉ!私関係ないもーーん!!」



それからしばらく…



装甲「こんな早朝から、つきまとわないで下さい……もう、引退した身ですから。私、ただの女ですから」ツカツカ…



瑞鶴「いいじゃないですか、別に教えたって減るもんじゃないんだし」トトトッ!



装甲「駄目です。現役の艦娘さんに教えることなんてできません」



瑞鶴「いいや、あなたはかつて、我が軍のエースだったんでしょ?それで、怪我とか、病気とかして、やむを得ず現役を退いたんですよね?」



装甲「違いますよ。弱いから戦力外通告されたんです~」



瑞鶴「弱い空母があんな華麗に艦載機を操れるわけが無い!!私の目はごまかせないんだから!!!」



装甲『現に今、欺けてるんだけどなぁ……』



瑞鶴「じゃあこうしましょう。月謝として、私の月給の三分の一を毎月あげますから!!」



装甲「最近VAVAさんが待遇良くしてくれたので、お金は間に合ってるんですよね~欲しいものも特に無いし」



瑞鶴「なら、何をあげたら教えてくれるんです?」



装甲「いりません。何も。私、これから皆さんの朝ごはんの仕込があるので、失礼します」



瑞鶴「そうか!お仕事が忙しくて、私に割ける時間が無いんですね!!そういうことなら私が装甲さんのお仕事手伝います!!」



装甲「なんでそうなるんですか……それも駄目です。厨房は毎日忙しいんです。慣れてない人を使う暇なんてありません」



瑞鶴「あきらめませんよ!」



装甲「あきらめてよ…」


次の日も…



瑞鶴「師匠」



装甲「師匠じゃない」



瑞鶴「教えてくださいよ。さもないと装甲さんは私の心の友だって皆に言いふらしますよ」



装甲「やめて……恥ずかしい」



瑞鶴「じゃあ教えてくださいよ。土日教えてください」



装甲「えぇ~……週末はVAVAさんとお茶してるからやだ」



瑞鶴「は?あなたもあんな提督がいいんですか?翔鶴姉といい、あのロボットもどきのどこがいいんだか」



グワァシッ!



瑞鶴「あぶっ!?むぐぐ……」



装甲「言葉には 気 ヲ ツケロヨ。小娘……取リ消セ」ギラッ…(駆逐艦程度なら殺せる眼光)



瑞鶴「は……ひゃい」コクコク!



装甲「ふん……姉はあんなに礼儀正しいというのに」パッ……シュゥ~ン…



瑞鶴「ゲホッ……ゲホッ……あの、提督と何を話してるんですか?」



装甲「別に、談笑してるだけ。装備とか、お酒の事とか」ぷいっ!



瑞鶴『今の眼光、気迫、凄み……装甲さん、只者ではない。絶対に弟子になってやるんだから!』

次の日…



コッ…コッ…コッ…



VAVA「イオナ、執務室でけん玉をやるな。気が散る」さらさら…カキカキ……



イオナ「早く終わらせて、シュミレーションの続きしよ。次はマヤ」



VAVA「わかってる。今終わるから待ってろ」



イオナ「提督業は大変」



VAVA「楽ではないな」



イオナ「えらい」



VAVA「ありがとよ」



ドアバーーーン!



瑞鶴「提督!お願いがあるんだけど」



VAVA「後にしろ」



瑞鶴「駄目、今聞くの!!」



イオナ「まぁまぁ」



VAVA「イオナ茶でも淹れてやれ」



イオナ「粗茶ですが」とぽぽ…



瑞鶴「いらないから。それより、装甲さんの事なんだけど!」



VAVA「装甲…?」ピタ…




瑞鶴「あの人に、私に艦載機の使い方を指導するように命令してよ。ね、このとーり。お願いこのとーり」



VAVA「あいつから何を学ぶってんだ。あいつはただの雑用だぞ」



瑞鶴「ウソよ!あの人は偉大な空母だったんだわ。ねぇ、私強くなりたいのよ」



VAVA「お前には翔鶴もいるし、赤城や加賀という立派な先輩がいるだろうが。先輩から学べ」



瑞鶴「それじゃあ駄目なのよ!!」



VAVA「なら鳳翔だな。経験豊富な上に、指導も上手い。おまけに俺の1万倍は優しいぞ」



瑞鶴「鳳翔さんも悪くないけど、装甲さんがいいの!」



VAVA「強情な…」



イオナ「問題児」



瑞鶴「エースよ!信じて提督。私があの人に師事したら加賀さんなんてあっという間に追い抜いて見せるわ。この瑞鶴こそが、空母艦娘のニューリーダーよ!」



VAVA「……ふむ、そこまで言うか」



瑞鶴「…」



VAVA「向こう見ずな馬鹿のようだが、その反骨精神。気に入った」



瑞鶴「!」



VAVA「いいだろう。装甲にはお前の専属教官になるよう命令を与える。これで満足か?」



瑞鶴「期限は?」



VAVA「お前が決めろ」



瑞鶴「ありがとう提督!大満足!!私、あなたの事誤解してたわ。こんなに話がわかる人だったのね」



VAVA「一言余計だ」



瑞鶴「ごめんなさい」ペコリ…



VAVA「所で、お前は妙に加賀につっかかっているようだが、加賀は嫌いか?」



瑞鶴「だいっきらい!あの澄ました態度が気に食わない!!」



VAVA「クッククククク……そうか」



瑞鶴「?」



VAVA「頑張れよ。用が済んだのなら行け」



瑞鶴「はい!」



バタン!ダダダーーー!!

執務室



装甲「えぇ…」



VAVA「本人から熱望されてな。しばらく面倒を見てやってくれないか」



装甲「うー……」



VAVA「嫌か?」



装甲「はい…バレたらここに居られなくなるし……VAVAさんにだから言いますけど」



装甲「私も、かなりの数の艦娘を沈めてきましたから……相当恨みを買ってると思うんです」



VAVA「お前がボロを出さなきゃいいだろうが」



装甲「でも!仮想訓練にも、私のデータが入ってたし……見た目で気付く子も出てきちゃうんじゃないかなって…」



VAVA「その点は心配ない。だから、お前のデータを入力したんだからな……やはり使ったな?」



装甲「えへへ…好奇心に負けて。心配ないとはどういうことですか?」



VAVA「あのデータは俺とお前が初めて出会った頃のデータだ」



装甲「私とVAVAさんが……?」



VAVA「無論、外見も当時のままだ。お前、仮想空間での自分の顔をよく見ていないのか?」



装甲「え?いつ見ても美人だなぁと」



VAVA「馬鹿。なら、今見せてやる」ピッ…(モニタ)



装甲「私だ」美人



VAVA「ほら」手鏡



装甲「あれ……こうして比べてみると……顔が全然違う!!」



VAVA「全体的に丸くなった。つり上がった目も、口元から覗いていた鋭い犬歯も今はまん丸だ」



装甲「人間みたい…」



VAVA「血色も良くなっている。相変わらず色白ではあるがな」



装甲「気付きませんでした……」



VAVA「段々と変化していったのだろう。気付くのは難しい」



装甲「……VAVAさん、私が瑞鶴さんに艦載機の使い方を教えたら、褒めてくれますか?」



VAVA「当たり前だろう。もとより、お前は十分役に立っている。間宮はいつもお前を褒めているし、妖精達も艦娘達も、お前の事を信頼している」



装甲「…!」



VAVA「俺も……信頼している。お前になら、瑞鶴を任せられる。あいつは じゃじゃ馬 だが、どうにも他人事だと思えなくてな。協力してやってくれ」



装甲「わかりました。決心がつきました。瑞鶴さんに、空母流より進化を遂げた、装甲流の全てを叩き込みます」



VAVA「宜しく頼む」

翌朝……



音楽室



ゴソゴソ…



装甲『誰かに自分の技術を教えるなんて初めてだ…』長良に借りたジャーブル



装甲「うまくできるかな……」



イオナ「…」じー…



装甲「…いつ間にそこへ?」



イオナ「普通にドアから入った」



装甲「あ、そう。イオナさん……でしたっけ。VAVAさんと同じくらい強いんだとか」



イオナ「一応」



装甲「勘違いしないほうがいいですよ。あの人は優しいんです。そして、誰よりも強い」



イオナ「…」じーっ



装甲「なんです…?」



イオナ「そーこーって深海棲艦?」



装甲「は?何をいきなり…」



イオナ「装甲空母鬼でしょ?」



装甲「…」



カッ……ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…………



装甲「…死んでもらうしかないわね。幸いあなたを嫌ってる艦娘も妖精も多いし、事故死ってことにすれば…」



イオナ「誰にもバラすつもりはない。安心して」



装甲「信用できない。悪いけど殺すわ」



イオナ「私達は似たもの同士」



装甲「何ですって?」



イオナ「本来ここに居てはいけない者同士。仲良くしよ。そもそもあなたでは、私を殺せない」



装甲「あなた…何者なの?艦娘とは明らかに雰囲気が違う」



イオナ「艦娘じゃない。霧の潜水艦。イ401」



装甲「霧……イオナ?まぁいいわ。冷めた顔を見ていたら、攻撃する気も失せた」



装甲『はて……どこかでそんな名前を聞いたような、ないような……どうでもいいか』



イオナ「ありがとう」



装甲「でも、あまり目立つことはしないことね。私が上、あなたが下よ」



イオナ「はい、お姫様」



装甲「……も一回言って」



イオナ「お姫様」


装甲「…」じーん…



イオナ「お姫様」



装甲「なんだか、久々にその肩書きで呼ばれた気がする。一年すらたってないのに、とっても懐かしい……感動しちゃった」



イオナ「深海の姫からすると、一年は人間の感覚で三日間程度と聞いた」



装甲「まぁね。伊達に不老不死やってないわよ」



イオナ「不死ではないはず」



装甲「そりゃあ、死にはするけど。そう簡単には死なないし」



イオナ「お姫様、てーとく好き?」



装甲「はぁ?いきなり何よ!…………好きよ、文句ある?邪魔する気なら…」



イオナ「お似合い。応援してる」



装甲「ホント!?」



イオナ「うん。私は尊敬しているけれど、恋愛感情のようなものは沸いてこない。戦友」



装甲「ふぅん」



イオナ「ただ、可哀相……とは感じる」



装甲「?」



イオナ「いざとなれば、あなたはこの鎮守府を守るために戦わなければならない。提督を除けば、あなたが一番強いから」



装甲「…」



イオナ「あなたが戦わなくても良いように、私も最善を尽くす。でも用意はしておいたほうがいい。艦載機も、鎧も、強化しておくことを推奨する」



装甲「忠告ご苦労様。他に用事は?」



イオナ「ない。ツンツン空母の指導、がんばって」



装甲「はぁ…」



運動場



VAVA『そろそろ始めたか……』



VAVA『霧の奴等も厄介だが、育成も大事な仕事だ』



VAVA「…」チラ…



装甲「オラー!サボるな!!もっと早く走れ!遅いと追加するぞー」



瑞鶴「ひぃー!こんなの艦載機とどんな関係が…」



装甲「あるわ!!ひよっこが、つべこべ言わずに言われたことを全力でやるの!!勝ちたいんでしょ!?



瑞鶴「ぐ……か、勝ちたい……!!」タイヤ引き(ON装甲)



装甲「見ろ!!お前の艦載機妖精さんも一緒に走ってんだぞ!!無様な顔見せるな!」



「わ~い、おにごっこだ~!」


「はしれはしれー!」


「ずいずいがんばれ!」



瑞鶴「はい!」ダダー!



装甲「艦載機は、己の分身。空母が強くなればなるほど、艦載機も強くなる!」



瑞鶴「はいぃ!!」ダダダー!



装甲「まずはそのひょろっひょろな体を一から叩き直してやるわ!」



VAVA『頑張っているな……そっとしといてやろう』そっ…



VAVA『霧との対決では、瑞鶴は使えんな……俺ならタイヤじゃなく錨を引かせるかな』



VAVA「クハハ…」


そこからさらに数日後



執務室



イオナ「……」イライラ…



大淀「提督、お茶です」コト…



若葉「お菓子だ。きっとお茶に良く合うぞ」



VAVA「うむ」ズズ……バリバリ…



大淀「あれは何をしているんですか?」



若葉「不気味だ…」



イオナ「うー…」ビリビリ…



VAVA「あいつが言うには、霧の艦艇の気配が近づくと、体が痺れるらしい」



イオナ「そろそろ、霧が攻めて来そうな気がする」



VAVA「ついにか。お前には霧艦センサーでもついてるのか?」



イオナ「敵も感じているはず。私の気配を」



VAVA「……ほんとか?」



イオナ「ごめんウソ。ほんとはセンサー的なもので探知してる」



VAVA「…」



大淀「イオナさんから言われた通り、対霧装備の配備は完了しています。艦隊、いつでもいけますよ」



若葉「私もいつでも戦える覚悟だ」



VAVA「迎え撃つのは性に合わん。今度はこっちから攻め込んでやろう。強行偵察作戦を敢行する」



大淀「了解」



VAVA「偵察後、霧の艦艇の居場所をつきとめたら、偵察部隊を撤退させ、主力艦隊を投入するぞ」



イオナ「シンプルでいい作戦」



VAVA「霧は全部で5体。今回は1体でも仕留められれば上出来だ。撤退の自己判断を許可し、有事の際には俺が撤退命令の信号弾を放つ」



大淀「上層部への支援要請は要りませんよね?」



VAVA「うむ」



大淀「だと思いました」



VAVA「偵察部隊は索敵能力と逃げ足の優れたメンバーがいい。主力には、俺とイオナが入る」



イオナ「同伴は対潜能力高めの人がいい」



大淀「わかりました。適正の高い人員をを早急に選定します」



VAVA「頼む。少し早いが、作戦開始は5日後だ」



大淀「はい」



イオナ「限定海域れっつごー」



空母城(カフェテラス)



空母「ウーム、VAVA……VAVAカ」



空母「…」クイッ(ブラックコーヒー)



コンゴウ「…」コト…(ミルクティー)



ヒュ~…



空母「風向キ ガ 変ワッタナ……」



コンゴウ「愚かにも、敵は先制攻撃を仕掛けるつもりのようです」



空母「行クカ?コンゴウ」



コンゴウ「はい。許可を頂けるのでしたら、我々が片付けましょう」



空母「オマエ ト 戦水 トノ 関係 ハ、私ニハ 関係無イガ」



コンゴウ「…」



空母「アレハ マダ 若イ。ドウカ 道ヲ 外サヌヨウ、見守ッテ ヤッテ欲シイ」



コンゴウ「ご安心を……我々は深海棲艦を敵に回すつもりはありません」



空母「私モダ。オマエ ハ 良キ友ダカラ」



コンゴウ「ありがとうございます…」ペコ…



空母「死ヌナヨ。VAVAトヤラ、カナリ ノ 強者ラシイ。私ノ 保有スル 基地 ノ ヒトツ ヲ 貸ソウ。武運ヲ祈ル」



コンゴウ「はっ、行ってまいります」


コツコツ…



キリシマ「出撃か?」



コンゴウ「あぁ、ここを出るぞ」



キリシマ「補給も修理も万全だ」



コンゴウ「そうでなくては困る」



キリシマ「タカオの事なんだが」



コンゴウ「タカオがどうした」



キリシマ「気をつけたほうがいい。精神が不安定だからな」



コンゴウ「軟弱な……」



キリシマ「今のタカオで、イ401を倒せるだろうか」



コンゴウ「安心しろ。策はうつさ」



キリシマ「策?」



コンゴウ「物は使いようさ…」



キリシマ「あ?あぁ…」


5日後…



横須賀鎮守府



VAVA「準備はいいか」



長良「はいっ!司令官」



VAVA「今回は、足の速いメンバーを選出した。危険を感じたら戻って来い」



若葉「やれやれ。強行偵察とはいえ、4人だけとはな……敵と遭遇したら痛い目に遭いそうだが……」



VAVA「大淀の選出だ。間違いは無いだろう。人数が少ないほうが敵に感知されにくいんだよ。ボーナス出してやるから頑張れ」



若葉「痛い目……悪くない」ごくり…



VAVA「お、おう」



阿武隈「これは特別な任務……頑張らなきゃ」ガチガチ…!



VAVA「阿武隈、肩の力を抜け。お前ならできる」ポン…



阿武隈「は、はい!精一杯頑張ります!!」



VAVA「阿武隈は逃げ足が速いと北上大井のお墨付きだ。期待しているぞ」



阿武隈「あの2人…ッ!」イラッ…



長良「阿武隈、落ち着いて。2人はあなたの事を期待しているのよ。期待には応えなきゃね!」ニコッ…



阿武隈「はい…長良お姉ちゃん……」



阿武隈『姉のまっすぐさを、羨ましくも疎ましくも感じてしまぅ…』



VAVA「うん?おい初霜、お前また……」



ゴソゴソ…



初霜「て、提督?……ああ、魚雷管の角度を直してくれてるんですね。いつも、すみません」



クイッ……ギュッ!



初霜「んっ……」



VAVA「これでいい」



初霜「ありがとうございます」



阿武隈『セクハラじゃないの……?』



若葉『セクハラだ……良いな』



長良『司令官は優しいなあ!』


VAVA「改めて目標を確認するぞ」



長良「はい」



VAVA「少々強引だが。お前たちには、深海棲艦と同盟関係にあるであろう、霧の艦隊を補足してもらいたい」



若葉「今回の装備は面白いな」



VAVA「こんなこともあろうかと、俺と明石が作成しておいた。その名もキャプチャーキャノン」



阿武隈「きゃぷちゃーきゃのん?」



VAVA「普段の主砲のように使えばいい。引き金を引くと写真を撮れる。引き続ければ動画として撮影できる」



若葉「どうして右肩に装着するんだ?」



VAVA「仕様だ」



長良「もし、夜になってしまったら、どこを押せばライトがつくのでしょうか?」



VAVA「ライトは必要ない。さぁ、装備してみろ」



ガチャガチャ…



VAVA「全員、よく似合ってるじゃないか」



長良「これは…!?」



初霜「うわぁ~この片メガネ、とても見やすいですね」



若葉「なるほど……ここを押せば赤外線、ここで暗視……ここでズームイン、ズームアウト…とりあえずオートモードとやらにしてみよう」



VAVA「お前たちがそのバイザーで見た光景を、肩のキャノンが自動追尾するというわけだ。お前たちはただシャッターを押すだけでいい」



阿武隈「はー…すごいハイテクですね」



VAVA「行ってこい。作戦の間は、俺が常時オペレートしている。俺と話したくなったら、いつでもスタートボタンを押してくれ」



若葉「わかった。スタートボタンを押して、通信を選べばいいんだな…」



阿武隈「???」



初霜「心強いわ……感謝します。提督」



長良「司令官、素晴らしい装備をありがとうございます!では、長良小隊行ってまいります!!」



執務室



VAVA「……よし、今の所は戦闘は無いようだな。極力戦闘を避けて進むんだ」



長良(はーい!)



イオナ「私ならカメラいらないのに」



VAVA「お前は一度の出撃で資材を食いすぎなんだ」



イオナ「トラウマ?」



VAVA「にもなるだろ。潜水艦の燃費じゃない」



イオナ「わたし、金のかかる女」



ピピッ…



VAVA「冗談になっていない……あぁ、すまん。どうした若葉」



若葉(いや、声が聞きたかっただけだ。別に問題は無い)



VAVA「そうか。いくらでもかけてきていいぞ」



若葉(わかった)



タカオ「……へぇ、この私の後ろを取るなんて、ただの軽巡にしてはそこそこやるみたいね」



長良「あなたには、降伏する権利があります」



タカオ「断ると言ったら?」



長良「撃ちます」



タカオ「撃ってみなさいよ」



ドォン!



タカオ「ちっ…」ガォン!



タカオ『特殊弾頭……?イ401。妙な入れ知恵したわね』



スカッ……!



長良「ふっ…!」ザッ…



タカオ「VAVAほどじゃないけど、いい身のこなしね。気に入ったわ。あなたほど優秀なら、人質として利用できそう」



長良「人質…?」



若葉『今のうちに、提督に救援要請だ…』スチャ…



バンッ……カイーンッ!



若葉「うぐ…」



タカオ「小賢しいことしないの」シュ~……フッ…



阿武隈「お姉ちゃん……」



タカオ「あなた達は包囲されている。消し炭になりたくなかったら、言うことを聞きなさい。聞いてるんでしょ?これの威力…」コォ…!



ナガラ級艦隊「「「……」」」



若葉「む……多勢に無勢だ」



初霜「イオナさんから聞いていたナガラ級がこんなに…!」



長良「……降参します。そのかわり、私以外は解放して下さい」



タカオ「分かりがいいようね。もとよりそのつもりよ」



阿武隈「私も残るっ!」



タカオ「いらないから。帰りなさい。この辺危ないわよ」



長良「阿武隈、言う通りにして」



阿武隈「お、おぼえてなさい!あなたなんか、提督にかかればイチコロなんだから!!」



タカオ「望むところよ。ちょっと、そこの黒いおチビさん。こっちへ来なさい」



初霜「…」スッ…



タカオ「良い子ね。それ、カメラなんでしょ?私を映しなさい。あなたの提督に、ビデオレターを送りたいの」



初霜「もう、撮ってますよ」



横須賀鎮守府



執務室



VAVA「…」



タカオ(そう。VAVA、がっかりだわ。せっかく私の居場所を教えてあげたのに、あなたがこないなんてね)



タカオ(話は帰ってきた子達から聞くといいわ。この軽巡は私が預かった)グイッ!



長良(くっ…)



タカオ(この子を救いたければ、明日の日没までに 観音崎沖 まで1人で来なさい。そこで決着をつけましょう。一対一よ)



イオナ「人質とは卑怯な。卑怯には卑怯。提督一人と見せかけて、私が後ろからタカオを撃つ」



VAVA「…」



タカオ(イ401、でしゃばるんじゃないわよ)



イオナ「読まれてた。無念」



タカオ(ちなみにこなかった場合は…)カッ!



チュドーーーン!!



タカオ(この子には、蒸発してもらうわ。髪の毛一本残さない)



長良(司令官、私は大丈夫です。私は、司令官を信じています)



タカオ(だって。泣かせるじゃない。もう一度言うわ。明日の日没までに 観音崎沖 よ。待ってるわ)クルッ!



長良(阿武隈、2人をよろしく)グイッ…



ギューーーン……!!



初霜「映像はこれで終わりです…」



若葉「あっという間だった。気がついたら包囲されていた」



阿武隈「ごめんなさい提督。作戦は失敗です……」



VAVA「お前達のせいじゃない。責任は俺にある」



大淀「提督、工廠から、ライドアーマーの準備が整ったと連絡がありました」



VAVA「あぁ。すぐに出撃すると伝えてくれ。エンジンはかけたままでいい」



大淀「了解」



阿武隈「提督、お姉ちゃんを……助けてください」



VAVA「任せろ。必ず連れて帰る」



イオナ「ここの守りは任せて」



VAVA「任せた」スッ…



イオナ「任された」スッ…



パシンッ!



霧の拠点



長良「…」



マヤ「どうぞ」コトッ…



長良「…」



マヤ「飲まないのー?」



長良「…」



コンゴウ「紅茶だ。いれたてだぞ。安心しろ。毒など入っていない」



長良「敵の施しは受けません」



コンゴウ「良い。気に入ったぞ。私は誇り高い者を好む。私もお前の行動を見ていたが……お前には、兵器としての誇りがあるようだ」



長良「…」



ハルナ「タカオが勝手に連れてきたとは言え……邪険には扱わない。人質として機能するよう、健康体でいてもらわなくては」きょうみ



キリシマ「茶が嫌いなら、これはどうだ。コーラだ。冷えているぞ。うまいぞ、このコーラというやつは」しんしん



コンゴウ「まぁ、ゆっくりとくつろぐがいい。もしお前の提督がこなければ、タカオはお前を殺すと言っていた」



長良「…」



コンゴウ「ここには食料も嗜好品もある。好きなだけ食べ、飲むがいい。最期になるかも知れんのだ。許そう」



長良「…」



コンゴウ「まぁいい。我々は寛大だ。ハルナ、後は頼んだぞ」



ハルナ「了解」



マヤ「そうだ!じゃあピアノ弾いてあげるね!!子犬のワルツ♪」



ポロロロロロン♪



長良『司令官…』

更新順を間違えておりました。
>>458の後に>>466が続きます。大変申し訳ございません。



そして…



長良「司令官から指定された地点まで、あと少し。皆、気を引き締めて…!」



りょーかーい…



ソロソロ…



タカオ「こんにちわ」



若葉「あぁ、こんにちわ。悪いが、今偵察任務中なんだ。話しかけないでくれ」



タカオ「まぁ、そうなの?大変ね」



若葉「そうとも……うん?」



初霜「若葉ちゃん、誰と話してるの…」



若葉「誰って、通りすがりの艦娘だが」



阿武隈「2人とも下がって!敵ですよ敵!!」



タカオ「やっと気付いた」



カチッ…



長良「動かないで」



格納庫



加賀「いってらっしゃい」



VAVA「うん…?加賀か」



加賀「ご武運を祈っています」



VAVA「お前が見送ってくれるとは珍しいな」



加賀「あの子の事……心配させたみたいで、ごめんなさいね」



VAVA「瑞鶴か?お前達の面倒を見るのは、俺の仕事だ」



加賀「そう」



VAVA「少し留守にするからな。あんまりいじめてやるなよ」



加賀「…」コク…



天龍「よ」



VAVA「おう」



天龍「お前の独り占めかよ、やってらんねぇぜ」



VAVA「お前は奥の手だからな」



天龍「そーよ。気ぃつけてな」



利根「あぁ~吾輩のらいどあーまーがぁ~!無事帰ってくるのだぞ~!!」



VAVA「お前のじゃないだろ……なんだ?」



ウイィン……グィングィン…



利根「おぉ!手を振ったぞ!!提督と一緒にがんばるのじゃー!!」キャッキャ!



VAVA「!?」



加賀「?」



天龍「おーい、どーしたー?」



VAVA「いや、何でもない……出るぞ!」



VAVA『俺は手を振る操作などしていない…今の動作は一体??』


観音崎沖



タカオ「…」



長良「…」



キリシマ「大した度胸だな。軽巡洋艦」



ハルナ「あぁ……もし、提督が来なければ、明日の日の出を見ることも無いというのに」



長良「司令官は逃げません。たとえ、あなた達が罠を張っていたとしても」



キリシマ「格下相手に罠など張るものか。我々がここにいるのはデータ収集の為だ」



ハルナ「……あの男は、面白い。研究する価値がある」



キリシマ「見物させてもらうぞ。タカオ」



タカオ「好きにしなさい。大人しくしているなら文句は無いわ」



ナガラ級「…」スッ…



タカオ「わかった。あなた達は引き続き警戒を続けなさい。特にイ401に注意すること」


ウィーーーン……シュバァーッ!



VAVA「待たせたな」



タカオ「約束通り1人で来たようね」



VAVA「お前以外に霧が2人いるようだが?」



タカオ「観客よ。あなたが無闇に攻撃しなければ、あの2人も余計な手出しはしないは」



キリシマ「そういうことだ」



ハルナ「…」



VAVA「ふん…」スッ……シュボーッ…!



タカオ「あら?別にいいのよ。それ、使っても」



VAVA「使うまでも無い。お前1人だけならな。帰りの足にさせてもらう」



タカオ「ふふん、ハンデとして教えてあげるわ。今の私はフルパワー。なんの制限もかかっていない本来の私なのよ」



VAVA「そうか、なら俺からも教えておいてやろう」



タカオ「?」



VAVA「性能など、執念というチカラの前では無力だということをな」



タカオ「執念……」



VAVA「長良」



長良「はいっ!」



VAVA「お前は、俺が連れて帰る」



タカオ「いいわ……舞台は整った」パチンッ…!




バシュシュシュシューーーッ!!



VAVA「なにっ!?」



ガンッ……ガガガンッ!!バヂヂヂヂヂヂヂ!!!



VAVA「これは……バリアーなのか?」



タカオ「触れれば黒こげよ」



VAVA「四方に柱。なるほど、海上のリングというわけか」



タカオ「話はおしまい……さぁ、行くわよっ!VAVA!!」



VAVA「…」バッ…!



タカオ「はぁっ!」ゴォッ!



VAVA「馬鹿正直な…!」ウィン…



カスン……



VAVA「ミスファイア……!?」



タカオ「ふんっ!」ドカッ!(体当たり)



VAVA「ぐわっ……!」



ゴォーーー……!バチィッ!!



VAVA「う゛ぉおおおおおおおおおおおお!!」バリバリバリバリ!!



バシャアン!



タカオ「バリアーの味はどう?」



VAVA「くっ……」カスン…カスン…



タカオ「無駄よ!」シュシュシュ!



VAVA「うぬっ…」ビスンッ…ビシィッ!



VAVA『……何故、ナーバスゴーストが発射されない!?』



タカオ「えいっ!てやぁっ!!」ブンッ!



VAVA「うぶわっ!」



タカオ「気分最高よ!こんな風に、あなたを叩きのめしたかった!!」



シュー…



VAVA『この音は…?』



シューーー……バヂヂヂヂ!



VAVA「あの柱か!」



タカオ「流石、気付くのが早いわね。そうよ。あの柱は逃げ場を塞ぐだけじゃない。範囲内のあらゆる光学兵器を無効化する粒子を散布しているのよ!」



VAVA「!」



タカオ「厄介な光の剣も、キャノン砲も、ここでは無用の長物ってことよ!!」ガシャンッ!



VAVA「実体弾か…!?」



タカオ「トラウマになるまで……叩き込んであ・げ・る♡」



ドンッ!ドンッ!ドンッ!



VAVA「ちっ……!」




ビシィッ……!



VAVA「ぐぅ……!」スサッ…



タカオ「休む暇なんて与えない!沈みなさいよ!!」



VAVA「はん!この粒子。あらゆる光学兵器を無効にすると言ったな。ならばお前も、クラインフィールドは展開できまいっ!」ジャキンッ!



バンッ!バンッ!



タカオ「しまった!」



VAVA『ディスタンスニードラー……今はこいつに頼るしか……!』



タカオ「なんてね!」ピキンッ…



カキンッ…!



VAVA「弾いたっ!?」



VAVA『どういうことだ。クラインフィールドは、光学兵器ではないのか!?』



タカオ「確かに、この粒子の影響下ではクラインフィールドすら満足に性能を発揮できない。けれど、あなたからは沢山のものを得る事ができた」



カチカチカチ……



VAVA「お前…フローズンキャッスルを……!」



タカオ「これもその一つ……そんな名前だったのね。ならば、私のこれはそうね……フローズンクラインとでも名付けましょうか!」



VAVA「フローズンクライン…」



VAVA『良いネーミングセンスだ……』



タカオ「ただのコピーと思わないことね」



タカオ「あなたの氷と比較すると、その防御力は実に2倍」



VAVA「2倍…お前に通るダメージは、4分の1にまで抑えられてしまうということか…」



タカオ「加えて、被弾寸前に必要な分だけ自動で展開される」ギュ…!



カチコチ……ファサ~~~…



タカオ「あなたのように常時展開してエネルギーを無駄遣いすることもないし、動きを制限されることも無い」



VAVA「……やるじゃないか。少し、困ったぞ」



タカオ「その余裕、まだ何か奥の手があるのね。私も教えたんだし、教えてよ」



VAVA「駄目だ。切り札は最後までとっておくもんだぜ」



タカオ「ケチ。でもまぁ、絶望的な状況に変わりは無いわ。このままジリジリと削り殺してあげる」



VAVA「…」



VAVA『どうする……ライドアーマーはバリアの外、ビームサーバーは愚か、ショルダーキャノンさえ使えない。頼みのディスタンスニードラーも、やつの装甲を貫けないときた』



タカオ「どうしたの?あなたらしくないわね。攻撃してこないの?」



タカオ『こんなはずじゃなかった』



VAVA「はっ……戦いはこれからだ」



タカオ「口だけは達者よね。内心焦ってるんでしょ?」



タカオ『こんな戦い……望んでなかった』



決闘前



コト……



タカオ「なんですって、罠!?」



コンゴウ「そうだ。やつを確実に仕留める為だ」クイッ…コトッ…



タカオ「嫌よ!私はベストコンディションのVAVAを、この手で倒す」



コンゴウ「これは命令だ。お前に拒否権など無い」



タカオ「くっ……敵の主力を封じて一方的に勝利を掴む事が、兵器としての誇りだというの!?」



コンゴウ「うぬぼれるな。たわけめ」



タカオ「!」



コンゴウ「必ず勝てる戦いのどこがいけない?約束を守れず、敗戦を喫する事の方がよほど屈辱だ」



タカオ「…」ブルブル…!




コンゴウ「勝てよ、タカオ。全ては我々の未来の為なのだ」



タカオ「……わかったわ。命令を遂行する」



コンゴウ「それでこそ霧の重巡だ」



タカオ「ふんっ…」



キリシマ「……タカオ、整備手伝ってやろうか?初めて使うんだろう。その装備」



タカオ「これは私が得た新たなチカラ。誰にも触らせないわ。放っておいて」



キリシマ「そうか……すまん」



ツカツカ……バタンッ!!



ハルナ「…」



コンゴウ「どうしたハルナ?」



ハルナ「何も」



コンゴウ「作戦に不満でもあるか。マヤもキリシマも同意の上だぞ」



ハルナ「不満は無い。紅茶をもらう」



コンゴウ「いいだろう。最高のダージリンを淹れてやる」トポポ…



キリシマ「…」



マヤ「ぅ~…」



ハルナ『仲間を犠牲にして得る未来に、価値などあるのだろうか……わからない』



観音崎沖



ハルナ「……勝ったな」



キリシマ「あぁ。あれほど優勢ならば、もはや負けようが無い」



ハルナ「攻撃は通らない。逃げ場も無い。しかし、いずれ体力は尽きる」



キリシマ「チェックメイトだ」



ズドドドドドド!



VAVA「がぁっ!?ぐぉおおおおおおおお!!」



タカオ「なんて往生際が悪いのかしら…!しぶといったらありゃしない!!」



VAVA「……ふんっ!!」カシュ…!ゲシッ!!



タカオ「何かを蹴りつけてきた…?きゃ!」



カッ!ボシュボシュボシュボシューッ!!



タカオ「これは!?くの……め、目が……くだらない小細工ぅっ!!」



シュ~……





タカオ「…」



キョロキョロ…



タカオ「いない……!?キリシマ!」



キリシマ「い、いや!我々もここから見ていたが、やつが逃げた様子は無かった!」



ハルナ「不思議だ。煙幕のようなものをはったと思ったら急に姿が見えなくなった」



キリシマ「特殊粒子が仇となったか……!その範囲内は索敵不可能。しかし、逃げられるはずは無い!やつはまだリングの中だ!目視でよく探すんだ!!」



タカオ「そんなこと言ったって……ここには遮蔽物なんて無いのよ!どこいったVAVAぁ!!」



ザパァ!



VAVA「ここだよ!」バッ!



バキィンッ!!



タカオ「はぐっ…」



キリシマ「海中に!?」



ハルナ「やつには潜水能力もあったのだな。記録しておこう」



キリシマ「器用なやつめ…!タカオ、しっかりしろ!」



タカオ「くっ……ふふっ、そんな攻撃へっちゃらよ!」カチカチ…



VAVA「ならこいつは……」グイッ↑↑



タカオ「きゃあ!?どどど、どこ触ってんのよ!!」



VAVA「どうだっ!」ブンッ!!



ゴォーッ!バチィッ!!



タカオ「うなぁああああああああああ!!」バリバリバリバリ!!



キリシマ「あっ!?」



ハルナ「慌てるな。大したダメージにはならない……むっ!」



VAVA「…」チャキッ!



バンッ!バンッ!バンッ!



タカオ「防御が…追いつかない!」カチ……カチ…



VAVA「クラインフィールドの性質を引き継いだのはまずかったな……!」



VAVA『イオナに感謝……だ。一見完璧な守りに見えるクラインフィールドだが、フィールドの結合を破壊すれば突破は可能』




VAVA『タカオがバリアーとの接触ダメージを防いでいるおかげでよく見えるぜ……ウィークポイントは…』



VAVA「そこだろう!」バンッ!



ピシィッ!ピキピキピキ……バリィィィィィン!!



タカオ「そんな!?フローズンクラインが!!きゃあああああああああああああ!!!」バリバリバリバリ!!



キリシマ「タカオ!!」



ハルナ「……もはや、これまでか」



長良「…!」



ハルナ「すまない、タカオ」ガシャ…!



長良「えいっ!」ドンッ!



ハルナ「うっ!」グイッ……ズギューーーンッ!



キリシマ「こいつ!いつの間に拘束を……!!」



チュドーーーン!!



ハルナ「しまった…!」



ギイィィィィィ……!



長良「ふんだ!」ダッ…!



キリシマ「待て!貴様、ただで済むと思うなよ!!」コォ…!



ハルナ「キリシマ退け!柱が倒れてくるぞ!!」



キリシマ「なにぃ!?くっ……」ババッ…!



長良「今のうちに……!」ダッダッダッ!



バッ…ストン!



長良「うわぁー!どうすればいいんだろう!?えっとえっと……お願い!動いて!!」ガチャガチャ…!



ウィーン……プシュー!



(モードチェンジ。マニュアルからオートモードへ移行します。パイロットは速やかに操縦桿を操作しちゃってください)



長良「動いた!やったー!!これさえ動けば、私だって!!」





ウィーーーン!!



長良「そーーーれっ!!」ダブルツイストパンチ!



バギンッ!ゴゴゴゴゴゴゴ……!!



長良「司令官!今がチャンスです!!撤退しましょうーーー!!!」



VAVA「バリアーが消えた……何?長良!自力で脱出を…!?」



タカオ「ま、まだ、勝負はついてない…わ」フラフラ…



VAVA「いいや、勝負はついた。俺の勝ちだ」



タカオ「違う…違う違う!負けて、無い。私は…」



VAVA「戦利品として、長良と……お前を頂いていく」



タカオ「なんですって…?や、やめて……」ドキッ…!



VAVA「楽しい戦いだった。悪いようにはしない。長良!!」タンッ…!



長良「はいっ!しっかりつかまって!!」



ギューーーーーーンッ……!!





ズギューン!ズギューーン!!ズギューーーン!!!



キリシマ「えぇい!くそォ!!やつらは……タカオはどこだ!?どっちが勝ったんだ!!」



ハルナ「……わからない。私の責任だ。人質にも逃げられた」



キリシマ「私の責任でもある。人質の拘束が解けていたことに気付けなかった」



ハルナ「しかし、私の誤射さえなければ……」



キリシマ「……とにかく今は帰還するしかあるまい。態勢をを整えよう」



ハルナ「ナガラ級にタカオの捜索を命じておく…」



キリシマ「う、うむ……」



ヴーーーーーーン…



長良「司令官、助けに来てくれてありがとうございました。私、本当に嬉しかったんですよ」



VAVA「あぁ……しかし、助けに来たつもりが、逆に助けられてしまうとはな……」



長良「違うんです司令官。実は……」



タカオ「言わなくていいわ」



VAVA「…」



長良「…」



VAVA「成程な……だから、タカオを連れ出すことに反対しなかったわけか」



長良「はい、司令官。タカオさんはすごく良い人なんです」



タカオ「だ・か・ら!言わなくていいの!!」



長良「本当は正々堂々、司令官と戦うつもりだったんですよ。でも、コンゴウという霧の首領に命令されて仕方なく……」



タカオ「はぁ~……」



長良「私が脱出できたのも、タカオさんがあらかじめ拘束を解いてくれていたからなんです」



VAVA「ほう…」



長良「巻き込んでごめんなさいって。隙を見て逃げてって。解いてくれたんです」



タカオ「もういいわよ。煮るなり焼くなり好きにして。解体すれば資材になるわよ」




長良「私も、2人の勝負を最後まで見てみたくなってしまって……でも、ハルナという人が勝負の最中に突然主砲を構えたんです」



タカオ「ん…」



長良「どうにかしなくちゃって……きっとタカオさんもろ共司令官を砲撃するつもりだと確信しました」



VAVA「…」



長良「そして、正面のバリアーが突然パッと消えたんです。私…今しかないと思って、全力で体当たりしました」



タカオ「あのハルナに体当たり…?」



長良「後は、勢いに任せて……この子が動いてくれて、助かりましたよ」



VAVA「そうだ。よく操作方法を知っていたな。長良にはまだ教えていなかったはずだが。利根から教わったのか?」



長良「いいえ。なんか適当にいじったら動きました」



VAVA「馬鹿な…」



(次からはめちゃくちゃにいじらないでね。やさしくつかってね)



VAVA「!?」



タカオ「わっ私はなにも言ってないわよ!」



ひょこ……



「じー…」チラ…




長良「わぁ~かわいい!妖精さんだ。ライドアーマーにも宿っていたんですねぇ!」



RA妖精「はじめまして、ライドアーマー妖精です」ペコ…



VAVA「いつの間に……」



長良「司令官、妖精さんは、艦娘の装備するものに宿るといいます」



VAVA「艦娘達に貸していた間に、宿ってしまったということか……」



RA妖精「お父さん、私、がんばりました。褒めてください」



VAVA「あ……あぁ、よくやったな」



RA妖精「くはは♪お父さんのお役に立てて、私も嬉しいです」



タカオ「信じられない……こんな小さな生き物が、言語を理解し、ロボットを動かすなんて…!」



RA妖精「早く帰って、お母さん達にお父さんの元気な姿を見せてあげましょう」



VAVA「お母さん……達?」



RA妖精「はい。今乗ってる長良お母さん。そんで利根お母さん、天龍お母さん、北上お母さん、明石お母さん、五月雨お母さん……」ペラペラ……



長良「すごいですね!横須賀鎮守府の艦娘全員がお母さんみたいです!!」



タカオ「どういうことなの…?」



VAVA「わからん……」



VAVA『ど……どう責任をとればいいんだ?』



帰還後…



足柄「あぁ……とうとう提督と私の秘密が白日の下に晒されてしまったのね」



足柄「昼下がりの執務室。相思相愛の若い男女が2人きり……何も起きないはずもなく」



足柄「……認めるわ。その子は正真正銘、提督と私との間に生まれた子よ!提督、認知して!!この書類にハンコを押すの!今すぐ!!」バッ!



VAVA「落ち着け」



北上「ふざけたことぬかすな」



叢雲「そうよ、大体艦娘から妖精さんが生まれるわけないじゃない」



五月雨「人間と艦娘の間に妖精さんが生まれるのもおかしいです」



漣「ご主人様は妖精さんだった……?」



赤城「おめでとうございます。お赤飯はないのですか?……そうですか」しょぼん…



あきつ丸「妖精さんは何にでも宿りますからして。この通りダイハツにも妖精さんが宿っているであります」



能代「うーん普通の妖精さんとは随分雰囲気が違いますよね。服装も近未来的というか……」



利根「なんでもいいのじゃ。愛らしいのう。吾輩、こんな気持ちになったのは初めてじゃ」なでなで…



RA妖精「利根お母さん大好きー」



利根「そうかそうか、吾輩も大好きじゃぞ」



VAVA「それにしても、お前達全員ライドアーマーに乗っていたんだな」



間宮「すみません。あれで農作業をすると、とても捗るので……」



多摩「あれで漁にでると、いつでも大漁にゃ」



明石「ライドアーマーを使えば大掛かりな工事も楽々ですよ」



吹雪「私達のような非力な駆逐艦でも、戦艦並みのパワーを発揮できるのでとても重宝していました」



イムヤ「あれに乗ってると潜水艦でも昼戦に参加できるからよく使ってたわ」



まるゆ「まるゆ、ライドアーマーさんのおかげで、初めてまともな戦力になれました」



加賀「……便利だと思ったわ。空母の打たれ弱さを補える。あれさえあれば艦載機の制御に専念できるもの」



VAVA「まぁ、どう使おうとお前達の自由だが……ん?」



VAVA「阿武隈、どうした」



阿武隈「あの…………提督、ありがとうございました。お陰様で、無事お姉ちゃんが帰ってきました」



長良「えへへ」



VAVA「礼を言わなくてはならないのはこちらの方だ」



阿武隈「ふぇ?」



長良「あんなに緊張した戦場は、そうありませんよ」



VAVA「確かに」



阿武隈「?」



VAVA「お前の姉は偉大だということだ」



長良「えぇー!?偉大だなんてそんな……照れちゃうなぁ!」



阿武隈「お姉ちゃん……私もっとがんばるね!」



長良「うん!走りこみしよっか!!」



阿武隈「うぇ!?今はやめようよ!」



VAVA『長良……素晴らしい艦娘だ。日々の努力に裏付けられた能力。素直な明るい性格……俺には、ちと眩し過ぎるがな』




しばらくして…



執務室



タカオ「タカオよ。よろしくね」



VAVA「新入りだ。大淀、手続きしてやってくれ」



大淀「あの、その人敵だったんじゃ……きゃあ!?」



イオナ「侵食魚雷、はっしy……」



ガシッ!



VAVA「やめろ。こいつは俺が連れてきたんだ」



タカオ「イ401……信じてもらえないかも知れないけど、もうコンゴウ達とは手を切ったわ」



イオナ「あなたは敵」



VAVA「おい、イオナ」



イオナ「?」



VAVA「カレー」



イオナ「……それを言われるとからい」



VAVA「つらい。だろうが」



イオナ「うん」



VAVA「俺の行動原理は変わらない。気に入らんものをぶっ潰すだけよ」



イオナ「タカオを気に入ったというわけ……何故、こちらに寝返るつもりになったのか、理由がわからない」



タカオ「彼と同じ理由じゃ駄目なのかしら」



イオナ「ダメ」



タカオ「そう。ならわかるように言うしかないわね。VAVA……一度しか言わないわ。よく聞いていて」



VAVA「なんだ?」



タカオ「私、あなたが好きよ。あなたが私の提督になってくれるのなら、あなたの為に戦うわ」



大淀「はぁー…」



イオナ「…」



タカオ「何もかも失ったけど、初めて知ったわ。これが愛するということなのね」



イオナ「うそ」



タカオ「死闘の果てに分かり合えた。やっと気付いたの。あなたが大好き……この気持ち、受け止めろとは言わないわ。ただ、そばにおいて欲しい。駄目……かしら」



VAVA「いいぞ」



タカオ「本当!嬉しいわ……」



VAVA「お前なら即第一艦隊入りだ」



大淀「はぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…………またですか提督。いいかげんにしてください」ギリギリ…!(11万馬力つねり)



VAVA「ぐぉおおおお!?よせ!そこは装甲が無いから痛いんだぞ!?」ケツ



大淀「手続きしておきました。後はご自由に」ぷいっ!



VAVA『大淀…すまん』



タカオ「どうもありがとう。大淀さん」



イオナ「わかった。タカオを友軍として再登録する」



タカオ「よろしくね。イ401」



イオナ「よろしくお願い致しますイオナ大先輩」じー…



タカオ「……よ、よろしくお願い致します。イオナ大先輩」わなわな…



イオナ「よろしい」



霧の拠点



コンゴウ「…」



キリシマ「報告は以上だ」



コンゴウ「今の報告を信じろというのか?」



ハルナ「事実だ……面目ない」



コンゴウ「ここまでとはな。もはや、格下とは思わん」



キリシマ「私達に処分は下さないのか」



コンゴウ「厄介払い出来ただけでもよしとしよう」



ハルナ「タカオは、発見できなかった」



コンゴウ「どうでもよい。それより、マヤ。行ってくれるか?」



マヤ「うん」



キリシマ「待て。次は大戦艦である私が出よう」



ハルナ「先の責任もある。私が出撃する。VAVAの首を持ち帰ってみせよう」



コンゴウ「いいや。マヤに任せる。お前たちは別の任務に就け。マヤ、教えてやってくれ。戦いは、チカラだけでは無いという事を」



マヤ「はーい!最高のカーニバルを見せてあげる!!」



それからしばしの月日が経過した…



大型ショッピングモール



大淀「あれも(洋服)、これも(万年筆)、それも(バッグ)です」ピッピッピ!



VAVA「はいよ……」ひょいひょい…



ズッシリ…



VAVA「なぁ、まだ何か買うのか?」



大淀「いけませんか」



VAVA「聞いてみただけだ」



大淀「そうですか。新しい靴とか眼鏡とか欲しいんですけど?」



VAVA「わかった……」



大淀「提督が力持ちで助かります」



VAVA『最近、仕事を押し付けてばかりだったからな……こんなもので労えるなら安いものだ』ズシッ…



大淀「せっかくの休日です。ちゃんとエスコートしてくださいね」スッ…



VAVA「あぁ」スッ…



きゅ…



ガシュンガシュン……コツコツ…


レストラン



VAVA「…」



VAVA『こんなに買って全部着られるのか?靴だって何足もいらんだろう?』



VAVA『と言うと怒るな、大淀は。黙っておこう……』



大淀「提督?」



VAVA「何でもない。うまいか?」



大淀「はい。提督は、コーヒーだけでよろしいのですか?」



VAVA「腹は減ってない。帰ったら間宮の夕食もあるしな。なぁ、大淀」



大淀「ふぁい?」もぐもぐ…



VAVA「今日は楽しかったか?」



大淀「勿論ですよ。でも、まさか提督の方から誘ってくれるなんて、驚きました」



VAVA「……楽しかったのならいいんだ」



大淀「ふふ、ありがとうございます。最近色々とストレス溜まってたので、どう発散しようかと困ってましたから。これでまたしばらく頑張れそうです」



VAVA「すまん……」



大淀「許してあげましょう。今日の買い物で私の事も大事に思ってくれている事が再確認できましたからね」



VAVA「…」



大淀「でも……長続きはしないので、また近い内にどこかへ連れ出してくださいね」



VAVA「了解だ」




ガシュンガシュン…コツコツ……



大淀「早いですねーもう夕方ですよ」



VAVA「そうだな」



大淀「……提督、ちょっとそこのベンチに座ってください」



VAVA「あ?あぁ、なんだ?」ストン…



大淀「せっかくお出かけしたので思い出に一枚撮っておきたくて。鎮守府SNSにアップしちゃいます」



VAVA「好きにしてくれ…」



大淀「ではでは……あら?」ゴソゴソ…



VAVA「どうした?」



大淀「ケータイが無くて……あっ、もしかしてブティックの試着室に忘れてきちゃったかも…」



VAVA「取りに行くか」



大淀「いいえ、荷物もありますし、提督はこのまま少し休んでいてください。すぐ戻ります」タッ…



VAVA「待て、急ぐな。ヒールで走ると足を痛める」



大淀「わかりました」ニコッ!



コツコツ…





VAVA「…」



~~~~~~♪



VAVA「?」



ポロロン…♪



VAVA「ピアノ……か」



マヤ「ふんふ~ん……♪」



VAVA『真っ赤なドレスの少女が展示品のピアノを奏でている……派手だな。俺も人の事は言えないが』



ざわざわ……



「すごーい」


「お上手ねぇ」


「プロかな?」


「さすがだぁ…」



マヤ「…」パッ!



ジャンジャーーーン♪



パチパチパチパチ!



マヤ「ご静聴ありがとうございました~」ペコリ…




てくてく…



マヤ「ねぇねぇ」



VAVA「…」



マヤ「ねぇってば!」



VAVA「俺か……?何か用か?」



マヤ「うん!貴方が一番最初に気付いてくれたよね。貴方もピアノ、弾けるんでしょう?」



VAVA「お嬢さんほど上手じゃあない」



マヤ「私、上手だった?」



VAVA「良い演奏だった」



マヤ「えっへへー!そっかそっかー!!」



VAVA「ただ…」




マヤ「ん?」



VAVA「少し、譜面に忠実過ぎる」



マヤ「ふぇー?」



VAVA「まるで機械のようだ。もっと遊びがあってもいいかも知れないな」



マヤ「もっと、遊ぶ。つまり、カーニバル」



VAVA「余り気にするな。ただの感想だ」



マヤ「教えてくれて、ありがとうございました。また会えるといいね!」つつっ…ペコリ(お嬢様お辞儀)



VAVA「…」



マヤ「ばいばーい!」ノシ



VAVA「…」ノシ



コツコツ…



大淀「提督ー、遅くなりました。ブティックじゃなくて、さっきのレストランに忘れていたみたいです」



VAVA「見つかって良かったな。帰るぞ」



大淀「はい」



帰路



ブロロロロ…



VAVA「…」



大淀「それにしても、最近ちょっぴり暇ですね」



VAVA「そうだな。イオナからは油断するなと釘を刺されているが、この頃は出撃回数も減ってきている」



大淀「霧の艦隊、深海棲艦ともに目立った動きはありません。せいぜい、こちらの攻撃を迎撃してくる程度です」



VAVA「やつらにも充電が必要なのかもな」



大淀「だとしたら可愛げがありますけれど」



VAVA「そう甘くはないだろうな」



大淀「あー……横須賀鎮守府の為に尽くしたい気持ちはありますが、こう穏やかな日々を送っていると、忙しい日々に戻りたくないなー」



VAVA「ほぅ?大淀もそんなことを考えるのか」



大淀「やだなー、私だってそこまで堅物じゃないもん」



VAVA「そうかぁ?」



大淀「ひどーい!なんですかその言い方!!馬鹿にしてるでしょー!」



VAVA「クッハハハハ!」



大淀「笑うなー!」



執務室



大淀「じゃあ……提督、今日はありがとうございました」



VAVA「あぁ、また明日な」



大淀「はい、また明日…」



パタム…



イオナ「…」つんつん(肘でつつく)



VAVA「なんだよ」



イオナ「ひゅう」



VAVA「あ?」



イオナ「こちらは1日異常無し。そっちは特に何も無かった?」キリッ!



VAVA「極々平和な1日だったな……買い物をして食事をした。その後……」



VAVA『ん?その後、何かあった……のか?…………何も無かったな』





VAVA「…」



イオナ「どうしたの?」



VAVA「いや、それぐらいだ。怪しいことは何も無かった」



イオナ「そう、よかった。じゃあ私も寝る」



VAVA「留守番ご苦労だった」



イオナ「はーい……あ、そうそう」



VAVA「?」



イオナ「タカオが、親鳥を見失った雛のように、提督どこー!?と喚き散らしてた。明日はケアに回ることをすいしょーする」



VAVA「わかった……」



イオナ「おやすみ」



バタム…

翌朝



食堂



じ~~~……(複数の視線)



タカオ「提督の為に早起きして作ったのよ。はい、あーん」スッ…



VAVA「…」もぐもぐ…



タカオ「美味しい?」



VAVA「あぁ、いける」



タカオ「良かった!今日が提督にとって、素敵な1日になりますように♡」



VAVA「タカオにとっても、良い1日になるといいな」



タカオ「ありがとう。あ、もう。ゆっくり食べなきゃダメじゃない。兜汚れてるぞっ」フキフキ…



VAVA「むむ……」



タカオ「そういえば、昨日はどこに行っていたの?丸1日探しても会えなかったわ」



VAVA「内地にな」



タカオ「何しに?」



VAVA「買い物だよ」



タカオ「……誰と?」



VAVA「大淀と」



タカオ「2人きりで?」



VAVA「あぁ」



タカオ「……私も連れてって」

VAVA「どこに行きたい?」



タカオ「提督と一緒なら……どこでもいいよ」



VAVA「わかった。連日の外出は流石にまずい。2週間程待て」



タカオ「連れてってくれるのね!ありがとう提督。その……わ?」



VAVA「なんだ?」



タカオ「だからぁ……耳貸して」ぼそぼそ



VAVA「?」



タカオ「愛してる……わ」ぼそっ…



VAVA「…」



タカオ「言っちゃった……!恥ずかしいけど、この感じ癖になりそうよ…」ぽかぽか…



VAVA「好意を示してくれることは、俺にとっても喜ばしいことではあるんだが……その感情はもう少し抑えてくれないか」



タカオ「えぇ!?私に提督の事を嫌いになれって言うの!?今更そんなことできないわ……」おろおろ…!



VAVA「違う、そうじゃない。好きでも嫌いでも構わないが、もっと自重してくれ。この鎮守府にいるのは俺とお前だけじゃないんだぞ」



タカオ「他の子も大事な仲間だけど、それとこれとは別よ。この感情、あなたが教えてくれたのよ。絶対に譲らないわ」



VAVA「ぐぅ…」



VAVA『まさか、短期間でこんな変貌を遂げるとは……命令には忠実なタカオだが、少々扱いづらい……求められて悪い気はしないが』



タカオ「私は提督の物。私の物も提督の物。提督が私の物になってくれたら……嬉しいなぁ♡」ぎゅー!



VAVA「だぁー……」はぁ~……



イオナ「アルティメット乙女プラグイン。実装済み」もっきゅもっきゅ



VAVA「解除する方法は?」



イオナ「無い。観念して究極の愛を享受してね」にぱ~!



VAVA「…」



キャッキャッ……



翔鶴「あんなに密着して…」



長門「天龍、あの重巡を斬れ」



天龍「勘弁してくださいよ」



北上「天龍はさぁ、あれ見てなんとも思わないわけ?」



天龍「別に。あいつ堅物だからな。大丈夫だろ」



足柄「憎らしいわ、恨めしいわ、妬ましいわ……あの位置は私のポジションだったのに……!」メラメラ…



初春「嫉妬など、みっともないのう。男一人に対して女がこの数じゃ。この状況は自然なこと。提督を信じているのなら、静観していられるはずじゃ」



扶桑「そうね。提督なら……心配いらないわ」



青葉「なるほど、なるほど。皆さんそれなりに意識しちゃってるわけですね。かく言う私も提督と出会った初めての重巡としては少しジェラシーです」パシャパシャ!



扶桑「私も……提督の初めての戦艦」



長門「ぐぬぬ…」



翔鶴「私も、空母では初でしたね」



五月雨「私、一番最初の艦娘ですもん……初秘書艦だもん」ぷくー…!


潜水艦専用会議室(水深50mプール)



イオナ「不穏」



イムヤ「私たちが日夜、海中から眼を光らせているからいいものの」



ハチ「以前と比較して、霧が大人し過ぎるよね。まるで、時間稼ぎでもしているような」



まるゆ「時間稼ぎですかぁ?」



イク「これはイクのカンだけど」



潜水艦一同「「「む?」」」



イク「霧の艦隊は、深海棲艦と結託して、地上を焼き尽くす最終兵器を造ってるのね!!」



ゴーヤ「あはは、そんなまさかでち」



イオナ「ありえる」



イムヤ「そうね……ここまで大人しいのが不気味なくらいだし。何かを企んでいるのは確かね」



イオナ「幸い、ナガラ級以外まともな対潜装備をもった霧はいない」



ハチ「とするとここは、私たちの得意分野。潜入と暗殺の出番だと思います。うん」



イク「不意討ちは得意なのね!」



イオナ「タカオが味方になってくれたおかげで、ここの守りも堅い。私も出られる。潜水艦のみの編成……あり」



ゴーヤ「タカオ?あぁ、あのデレデレ重巡でちね」



イムヤ「とりあえず、意見はまとまったようね。ハチ、作戦計画書を書いて」



ハチ「ヤー。ターゲットは?」



イオナ「大戦艦コンゴウ。彼女を沈められれば、霧との戦いはしゅーけつする」



ハチ「コンゴウの暗殺…と」



ゴーヤ「……その大戦艦コンゴウってどんな戦艦でち?」



イオナ「硬派、策士、残忍、火力、紅茶。そんなところ」



ゴーヤ「こーちゃ……?」


大浴場



タカオ「ふー…艦娘として働くのも楽しいわね。いい気持ち……」



赤城「お隣。よろしいでしょうか?」



タカオ「ええどうぞ。皆のお風呂ですものね」



赤城「どうも」



チャプ…



赤城「…」ドン…ッ!



タカオ『……でかい。いや、私だって負けてないはず。そうよ、私だってこんなに大きいんだし』



赤城「あら、加賀さん」



加賀「赤城さん、奇遇ですね。タカオさん…だったわね。お隣、いいかしら?」



タカオ「え、ええどうぞ」



加賀「ふぅ…」バン…ッ!



タカオ「さらにでかい!?いや、空母だしね。私は重巡だし……」ぶつぶつ…



鳥海「あ、タカオさん。お疲れ様です」



タカオ「え!?お、お、お疲れ様。鳥海さん」



鳥海「今日も疲れましたね」デン…ッ!



タカオ「かっ……り、立派な胸部装甲ですこと」



鳥海「えっ……?大したことないですよ。姉に比べれば、私の装甲なんてまだまだです」



タカオ「ふーん……こっちの高雄はそんなに大きいんだ…?」



タカオ『これより大きい…?それもう下見えないわよね。死角よね』



漣「よいではないかー!」タオルぐるぐるー



潮「あーれー」ブルンッ!



タカオ「!?」



天龍「おら、転んだら怪我するぞ。風呂場で遊ぶな」ユサッ…



はーい



龍田「まってー天龍ちゃーん」ぷるーん



タカオ「軽巡と駆逐にしてはちょっとでか過ぎるんじゃ…」



ザッパァー!



タカオ「きゃあ!」



武蔵「おっとすまん。ゆっくり入ったつもりだったんだが。いつも湯が溢れてしまうな」ザババー…



タカオ「でかすぎるわ!わびもさびもあったもんじゃないわ!」



武蔵「おもしろい新入りだな」



天龍「イオナといい、最近は変なやつばっか来るな……」


霧の拠点



キリシマ「驚いた……まさかあんな方法でVAVAに接近するとは」



ハルナ「至近距離によるスキャンで、スペックや体の構造も明らかとなった」



キリシマ「やはり人間でも艦娘でも、深海棲艦でもなかった。やつの実態は、恐るべき高性能ロボットだ……明らかに、この世界の技術水準を逸脱している」



コンゴウ「そんなこと、改めて説明せずとも既に理解している。マヤ、さすがだ。よくやってくれた」



マヤ「人間の街、とっても楽しかったなー!」



キリシマ「しかし、VAVAとイオナが協力関係にいる今、我々の存在はすぐに察知されてしまうのではないか?」



コンゴウ「その点は心配ない。マヤ」



マヤ「うん」キッ…



キリシマ「消えた……?どこだ、マヤ!?」

ハルナ「これは……」



コンゴウ「深海棲艦から獲得した技術を応用したものだ。行使すればたちまち対象の認識能力を歪めてしまう。マヤの能力をもってすれば、この程度再現することは造作も無い」



ハルナ「キリシマは幻を見せられているのか…?」



マヤ「こんなこともできるよ」キッ…



キリシマ「ん……?タカオ!無事だったのか!!」



コンゴウ「マヤ、遊びすぎだぞ?」



マヤ「はい」パッ…



キリシマ「はっ…タカオが消えた!?あれ、マヤ。そこにいたか。おかしい…………私は、一体何を見ていたんだ??」



コンゴウ「素晴らしい技術だろう」



ハルナ「深海棲艦……同盟を結んで正解だった」



コンゴウ「その深海棲艦が大事に守っているあの遺跡……深海の膨大な記録と技術を持ち帰れば、我等のチカラはより強大なものとなる」



キリシマ「……よくわからんが。次の手は考えてあるんだろうな?」



マヤ「とーぜん。VAVAの弱点だってわかっちゃったもんねー」



コンゴウ「マヤ、そのまま作戦を続けてくれ」



マヤ「はーい!」


コンゴウ「キリシマ、お前は深海棲艦の援護に出撃してもらう」



キリシマ「了解だ。艦娘ごとき蹴散らしてやる」



コンゴウ「ハルナ、お前も別の任務に就いてもらう」



ハルナ「了解……所で、例の装置は?」



コンゴウ「未完成ではあるが、実戦投入可能な状態だ。完成までは、もう少しかかるだろう」



ハルナ「使わずに済めばいいが」



コンゴウ「そうだな」

それからしばらく…



キィーーーン……!



タカオ「バイクで海沿いを走るのって、こんなに気持ちいいのね!」サイドカー



VAVA「いいもんだろ」



タカオ「大丈夫?潮風でVAVA、錆びたりしない??」



VAVA「錆びいるようなヤワな金属じゃない」



タカオ「そう。よかった」



VAVA「お前や、イオナの眼はごまかせんようだな……俺の体の事は、あいつらに話さないでくれ」



タカオ「やっぱり、なんかおかしいと思った。皆あなたの事を普通の人間だと思い込んでるもの」



VAVA「元はと言えば俺が悪いんだが」



タカオ「安心して。VAVAの秘密は誰にも喋らないわ。約束する」



VAVA「恩に着る…」



タカオ「どういたしまして。それで、どこに連れて行ってくれるの?」



VAVA「銃砲店だ」



銃砲店



ガチャ…



VAVA「邪魔するぜ」



タカオ「ふーん。個性的なデザインね。人間の頭骨をデフォルメしたものかしら」



「お、客か……いらっしゃい。どうぞごゆっくりー」新聞



VAVA『ロントは留守か……この怪しげな白髪の色眼鏡男が、かのお兄様というやつか?』



「ん?うぉ……!なんだ、変な客だな……まるであの青い野郎みたいな…」ボソボソ…



VAVA「…………今、青と言ったか?」ゴゴゴゴゴ…ッ!



「あぁいや!なんでも……本日はどういった用件で?」



VAVA「ここのメカニックに、機動兵器の製造を依頼した者だ」



「なんだ!あんたがVAVAさんか。そうならそうと言ってくれればいいのに。妹から聞いてるぜ。あんたは上客だ」



VAVA「そういうあんたは?」



ゼルティー「俺はトロ……ロントとボンボンの兄貴でな。ゼルティーってんだ。よろしくな、お客さん。そっちのべっぴんさんは?」



タカオ「この人の秘書よ」



VAVA「タカオだ。共々、よろしく頼む。あんたの妹は素晴らしいメカニックだな」



ゼルティー「ほぉー!あんた見る目があるねぇ。我が妹ながら、世界一の腕さ」



VAVA「依頼した物がどれだけ進んだのか見たいんだが」



ゼルティー「いいとも。裏のガレージにある。ついてきな」



タカオ「なんだかうさんくさいわね」



VAVA「少しな」

ガレージ



ゼルティー「どうだい。今のところ注文通りだろ?」



VAVA「まだ骨組み程度だが、よくできてる。これは期待できそうだ」



ゼルティー「そいつぁ結構。待っててくれ、妹を呼んでくる」



タカオ「これは……ライドアーマー?」



VAVA「新型だ」



タカオ「現行機と比べると一回り大きいわね」



VAVA「かつて俺が戦った南方棲戦姫のパワーを参考にした。姫と真っ向から殴り合えるほど頑丈にな。コードネームは、ブラウンベア」



タカオ「いい名前ね」



ひょこひょこ!



コブン「どうぞ、お茶ですー!」コトッ



タカオ「わぁ、可愛い!見てVAVA。おもちゃのロボットみたい」ひょい!



コブン「ひゃあ~!おろしてくださーい!!」



タカオ「喋ったわ!ちょこちょこしてるわ!」



コブン「ひぇ~~~!」



VAVA「下ろしてやれ、怖がっているぞ……ん?」



タカオ「どうしたの。この子、知り合い?」ズイッ!



コブン「あの……なんでしょうか?そんなに見つめられるとボク…照れちゃいます~///」



VAVA「お前、レプリロイドか……?」



コブン「れぷりろいど……??ボクは4号って言います」



VAVA『同郷だと思ったが、違ったようだ』



VAVA「4号……?ということは、1号から3号もいるのか?」



コブン「もーっといますよ。ボクたちコブンは40号までいるんです~」



タカオ「沢山いるのね。一人ぐらい売ってくれないかしら」



コブン「えぇ~!?ボク、売り物じゃありませ~ん!」



VAVA「そうか……変な質問をしてすまなかった。タカオ、いいかげんに下ろしてやれ」



タカオ「はーい」



コブン「ほっ…」ストッ



コツコツ…



ロント「いらっしゃい。待たせたわね」



VAVA「よう」



ロント「その子が気に入ったの?4号は素直で可愛いけど、しょっちゅうおやつをつまみ食いしちゃう我慢弱い所がたまに傷ね」



コブン「きゃー!恥ずかしいです!!お客さんの前でーーー!」



VAVA「こいつもあんたが?」



ロント「そ。それぞれ個性があってとっても可愛い子達なんだから。言っとくけど、一人も売らないわよ」



タカオ「そう…」



ロント「でも、レンタルならOKよ。今、半分くらいの子達はアルバイトに出て貰ってるのよねー」



VAVA「鎮守府の妖精の様だ」



ロント「妖精にも引けをとらないわよ。この子達はなんでもできちゃうんだから」




コブン達「「「ほめてほめて~~~」」」




VAVA「なるほど……こいつらを手足にライドアーマーを造っているのか」



ロント「小さくても凄腕揃いなの。完成までは、もう少し待ってね。あと半年もすれば、実戦で使えるようにしてあげる」

見てくださっている方、ご心配をおかけし、申し訳ございませんでした。

この頃、仕事が忙しくなってしまいまして、いつも夏は暇なのが今年の夏は異常なほど多忙でした。

9月からは落ち着いて更新できそうです。

どうか暇なときにでも、覗いてやって下さい。



ワイワイ!



タカオ「…」じーっ…



ロント「だからねぇ、そこをこうすると整備性が悪くなるでしょ」



VAVA「いや、だったらここはこうしてしまえばいいだろ」



ロント「やだ……斬新。あなた、やっぱり良いセンスしてるわね」



VAVA「合理性を追求しただけの事だ」



ロント「じゃあ、ここはこんなのでどう?」



VAVA「わざわざ弱点を作るのか?不可解だ」



ロント「あなたってロマン無いのね~これくらい遊びがあるほうがいいのよ」



VAVA「そうか…?」



ロント「時には敵の手に渡った時の事も考えなくちゃ」



VAVA「その時は自爆させる」



コブン達「「「ひぇ~~~!」」」




ロント「はぁ~~~?……あなたのメカなのよ。愛着とかないわけ?」ムカッ!



VAVA「所詮、道具だ」



RA妖精(おとうさーん♪)もわんもわん…



VAVA「……いや、やっぱり自爆装置はやめよう。事情が変わった」ハッ…



ロント「その方がいいわよ。で、ここもっと低予算でできるんだけど」



VAVA「予算の上限は無しだと言ったはずだ。細部にも上質な部品をふんだんに使ってくれ」



ロント「はっ……そうだった。つい節約したくなっちゃうのよね~」



VAVA「遠慮するな」



タカオ「…」じぃ~…



タカオ「ねぇ、VAVA。あれ買って」くいくい…



VAVA「なんだ?」



ロント「あら、お姉さん。お目が高いわ。その艦娘用ブローチは新製品」



タカオ「だって、買って買って。蒼いバラのブローチ」



VAVA「ブローチに艦娘用も何も……くっ」



VAVA『高いな』



ロント「女の子がお願いしてるんだから、そこは買ってあげなさいよね~」



タカオ「つけると回避と対空が上がるんですって」



VAVA「なんだそれは」



ロント「やっぱり素人相手に商売しても儲からなくって。艦娘用の装備って高く売れるのよね」



VAVA「…わかった。これもつけといてくれ」



ロント「まいどあり~」



コブン「今、包装しますね~はい、どうぞ」テキパキ…



タカオ「わぁ……ありがとう提督。大事にするわ」



VAVA「あぁ、そうしろ。また見に来るぞ」



ロント「はいはい。また艦娘さんを連れてきてね~」



VAVA「そのうちな」



コブン達「「「またのおこしお~~~!」」」



タカオ「ありがとー!」ノシ



VAVA「行くぞ、ちゃんとヘルメットかぶれよ」



タカオ「はい。必要ないけど、ルールだものね。提督は自前でいいわね」スポ



VAVA「だろう」コンコン



ブロロロロロ……



VAVA「ん?もうつけてるのか」



タカオ「うん、ブローチ。ねぇ、見て。似合う?キレイ?」



VAVA「あぁ、よく似合っている。キレイだぞ、タカオ」



タカオ「嬉しい……途中、私の事無視して、あのグルグルメガネの子とずーっと喋ってるんだもん。嫉妬しちゃうな」



VAVA「あいつとはあくまでビジネスの関係だ。タカオとは違う」



タカオ「どう違うの?私って提督の、VAVAの何なの?」



VAVA「また、哲学じみた言い方だな」



タカオ「知りたいの。この蒼いバラみたいじゃない。私たち」チャッ…キラン



VAVA「……つくりものか。確かに、その通りかも知れん」



タカオ「別にいいのよ。兵器として扱っても。私、それでもいいの。特攻しろって言うならする。コンゴウと刺し違えてもいいわ」



VAVA「…」



タカオ「……何か言って」




VAVA「まず、死ぬな。死なんて何もいいこと無いぞ。特に死の間際はかなりキツイ」



タカオ「え…うん!」



VAVA「俺も、考え方を変えた。兵器と言えど大事にする。末永く使うことにした」



タカオ「末永く……」



VAVA「そばにいてくれるなら、感謝する。お前はとても頼りになるしな」



タカオ「ホント!?」



VAVA「今の責務を投げ出すつもりはないが、提督を辞めたらお前の艦長候補にしてもらうのもまた、アリk……」




タカオ「艦長ーーー!?うんうん!VAVA艦長!!良い響きじゃない。

もーう本気だしちゃうから私!(ふんすふんす!)この戦争即効で終結させて、人類と深海棲艦を和解させるの(ガッチリ平和)その後は!2人でどこかに旅にでましょう!どこがいい?私の世界に来てもいいし、なんなら提督……あっ!その時はもう提督じゃないよね。VAVAの元いた世界へ行きましょう。それって……本格的にVAVAのところへ嫁ぎに行くみたいじゃない?(お嫁さん!)キャー!気が早いかしら!もうちょっとお互いのことを知り合ってからでも遅くは……いいえ、VAVAが望むなら私、今すぐにでも構わない。お互い寿命って言うか?時間はたっぷりあるんだし、長所も短所も認め合っていこうね。あぁ~もっともーっとVAVAと色んな場所に行きたいわ!世界って素晴らしい。そうだ!終戦後の、この世界の国。全部踏破してから別の世界に行くってのも悪くないわね。ねぇどうする!?そうする?むっはー♪とりあえず婚姻届にサインするぅ?(スチャ!)一度でいいから婚姻届に書きたかったの!サイン。ただ書きたかったんじゃなくて、愛する人が居ないと意味無いじゃない?

はぅあ……この胸のトキメキ、緊張感、高揚感、幸福感……たまらないわ!うぃわぁーーー!エンゲージエンゲージ、エンゲージリングー!!(婚約指輪)」コォ…!




ズドォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!




VAVA「うぉっ!?馬鹿!こんなところで超重力砲を撃つな!!」



タカオ「エッキサイティーン!!」ニッコリ!



VAVA『やはり、褒めすぎると暴走するタイプなのか…!』ブルッ…!

数日後……



横須賀鎮守府



執務室



VAVA「ふむ、敵の本拠地に乗り込んでボスを暗殺か」ピラ…



イオナ「良い作戦だと思う」



VAVA「この作戦、俺のいつものやり方と同じじゃないか」



大淀「提督のは敵に見つかるのも構わず突進して敵将を討ち取る、極めて力任せな作戦……というか作戦じゃないでしょう。敵もワラワラ出てきますし」



VAVA「だったら全部ぶっ壊せばいいだろ」



大淀「そんなぁ…」



イオナ「とにかく、一刻も早くコンゴウを倒さないといけない」



VAVA「…よし、俺も行こう」



ガチャ…!



タカオ「やはり霧ね……いつ出発する?私も同行するわ」



イオナ「タカオ」



タカオ「コンゴウにお礼をしないとね」



イオナ「むーん……それだと鎮守府の守りが手薄になる」



大淀「私もそう思います。この状況で提督とタカオさん、イオナさんまで不在になるのは、少々危険過ぎます」



大井「まるで別の戦場みたいですね、北上さん。私達、もうお払い箱なのかしら」


北上「まぁ、しょうがないよね。あたしら深海棲艦専門だしぃ」しぶしぶ…



VAVA「ハチ、お前の意見が聞きたい」



ハチ「ヤー。私も、提督とタカオさんの同行には反対です。この作戦は、潜水艦のみで構成することに深い意味があるかと。はい」



VAVA「うむ……そうか、わかった。この作戦はイオナに任せる。タカオ、待機だ」



タカオ「わかったわ。提督がそういうなら」



イオナ「りょーかい。お任せー」



VAVA「まるゆにはライドアーマーを使わせろ。戦力増強及び、いざという時には全員を抱えて逃げることもできる」



まるゆ「は、はい!隊長!!らいどあーまーさんさえあれば、まるゆだって!!」



VAVA「その意気だ。期待しているぞ」



まるゆ「はい!がんばります!!」




海底



ズン……ズン…



イムヤ「なるほど、楽でいいわね」



ハチ「スクリュー回すより静かですし、何より燃料を使わずに済みます」



イク「イクも乗ってみたいのね~」



まるゆ「らいどあーまーさん!とってもチカラ持ちです!」



RA妖精「うんしょ、こらしょ」



ゴーヤ「…」



イオナ「このままこの方向へ引っ張ってってもらえば、コンゴウのいる場所へ着く」



イムヤ「ゴーヤ、どうしたの?」



ゴーヤ「いや、なんでもないでち」



ゴーヤ『……なんでち?何故か、胸騒ぎがするでち』


横須賀鎮守府



執務室



タカオ「提督。私、明石たちに装備の改造頼まれたから、工廠に行ってくるわ」



VAVA「わかった。多少、オーバーテクノロジーを教えるのは構わんが、ほどほどにな」



タカオ「了解。またあとで」



バタン…



VAVA「……改造か。タカオとの撃ち合いでハッキリした」



VAVA『ナーバスゴーストは確かに強力な肩部兵装だ。俺が使ってきた物の中ではトップクラスといっても良い』


VAVA『しかし……超重力砲を切り札とする霧を相手にするには、火力が低すぎる。コンゴウとやら、恐らくタカオより強いのだろう』



VAVA「火力、か」チャキ…



VAVA「今霧相手に頼りになるのはこいつだけ……皮肉だな、シグマ」



VAVA「兵装を集めるだけでなく、俺も改造などしてみるか」



トントン!



VAVA「誰だ?」



トントントン!



VAVA「?」



トントントントントン!



VAVA「文月か?悪いな。今は遊んでやれないんだ」



(うふっ)



VAVA「!?」



VAVA『誰だ…!?どの艦娘の声でもない。俺の知らない声……いや、俺はこの声を知っている!』



VAVA「はっ……!知っているはずだ。この声は……」



VAVA『わからない』



VAVA「絶対に聞いているはずなんだ。だが、わからん……何故だ?」



タッタッタッタッタ……!



VAVA「はっ!……待て!!」



ガチャ!



VAVA「いない、こっちか!」



横須賀鎮守府



訓練場



キリキリキリ……!



瑞鶴「はっ!ていっ!ふん!ずぃやっ!」シュシュシュッ!



シュババババーーーッ!ブゥーーーーーン!!!



瑞鶴「…………今よ!投下!!」



「「「了解っ!」」」



ヒューーーン……ドガァーン!!



瑞鶴「標的撃破!」



装甲「なかなかいいじゃない」パチパチ



瑞鶴「ほんとですか!いやったぁ!」



装甲「調子に乗るなぃ」



瑞鶴「へーい」



ビー!ビー!





(緊急警報!鎮守府近海に、霧の艦艇接近中!総員、至急配置について下さい…!!)



装甲「…!」



瑞鶴「また霧の艦艇が!?装甲さん、私行ってきます!!」



装甲「気をつけなさいよ。絶対死んだりするなよ!」



瑞鶴「わかってますって!もう無敵ですから、私」



装甲「馬鹿……がんばれー!」



瑞鶴「はーい!」



タッタッタッタッタ……



装甲『あの馬鹿、本当にどうしようもない。だけど、放っておけない。可愛いやつ』



装甲「……いざというときは、私が護れ、か。あの蒼いチビ」



装甲『護ってやろうじゃないのよ』


鎮守府近海




ドンドン…!ドドドドドドドッ!!




キリシマ「流石にイ401が加担しているだけある。攻撃がかなり激しい」



ハルナ「…」



大和「はぁっ!」ガォン!



キリシマ「新手かっ…!こ、このパワー!?」



武蔵「受け取れ!」ガガンッ!



キリシマ「くぅ!艦娘のくせに!!」



ハルナ「大和型……か。パワーが増している」



赤城「足元がお留守ですよ」



バシューーーッ!



キリシマ「雷撃っ……!?しまっ」



ズドォオオオオン!



キリシマ「きぃ…正規空母か……潰す!」バシュ!



赤城「くぬっ」サッ!



バジューー……パシィン!!



赤城「ふぅ」



キリシマ「なんだ!?」



ハルナ「全員に……特殊な塗装が施してあるようだ」



キリシマ「ビーム対策か、ええい小賢しい…」



瑞鶴「うるせぇ!おかげで全身ベッタベタよ!!爆撃開始!!!」



キリシマ「あとどれほど耐えればいい!?思いのほか手こずるぞ!」



ハルナ「マヤ次第だ」



キリシマ「失敗したとはいえ、私はいつもこんな役回りばっかりだ!!」ドンドンッ!



長門「撃て撃てー!やつらに超重力砲を使わせるな!!砲身が焼け付くまで撃ち続けろ!!」



陸奥「任せて!」



ドンドンドンドンドン!!!!!




キリシマ「少しくらい数を減らしておくか…!そこだ!!」ドンッ!



長門「あ、ヤバ」



陸奥「長門!旋回して……間に合わない!」



シュバーッ!ガインッ!!



タカオ「させないっ!」



長門「すまん!タカオ!!」



タカオ「下がって!遠くから援護して頂戴!!」



長門「わかった!」ダダッ!



キリシマ「タカオ…!?」



ハルナ「タカオ……やはり、寝返っていたのか」



タカオ「引きなさい!さもなくば、容赦はしない!」



キリシマ「何を馬鹿な!戻って来いタカオ!!今なら、軽い処分で済むよう、コンゴウに掛け合ってやる」



タカオ「今更戻る気なんて無いわ!私は、愛に生きると決めた!私の艦生は、やっと始まったのよ!!」



キリシマ「愛……だと?」



ハルナ「ふざけたことを……」



キリシマ「…いいだろう!仲間だと思っていたが……お前はもう敵だ!ナガラ級!超重力砲用意!!」



ナガラ級「「「…」」」ヴーン…!


音楽室


ガチャ……ギィー…バタン



「あ、やっときた。また会えたね」


VAVA「目的は何だ」


「ふんふんふーん!」ポロロロン♪


ドゥンッ!


VAVA「答えろ、次は当てる」


「当たるかなぁ」


ドゥンッ!


「おっと!」パシンッ!


VAVA「…」シュ~……


「残念~!」


VAVA「……貴様、俺に何をした?」


「見えてるもの、聴こえるもの、どれも真実だと思う?」


VAVA「…」


マヤ「うふふ!私、マヤ。霧の重巡マヤ。タカオとは友達だよ」ぴょん!



シュタッ!


マヤ「目的は~あなたの命!」


VAVA「面白い」


マヤ「ごめんね。あなたには死んでもらわなきゃいけないの」ピッ…


ERROR……


VAVA「!?」


VAVA『こいつ、今…!』


マヤ「症状は激しい頭痛、虚脱感、吐き気。そんなところかな」


VAVA「何を……し、た」


マヤ「ちょっとだけ、あなたの心に触ってみたの。エラーが起こるのは当たり前。だってあなた……」


VAVA「ぐっ…」フラフラ…


マヤ「すでに壊れてるんだもの」


タッ…ヒュンッ……スルン…!




VAVA「きさ、ま…!」


マヤ「ビームサーバーって言うんでしょ?借りるね。えーい」


シャキィ……ヴーン……


VAVA「がっ!?」ズシャ…!


マヤ「カーニバルだよッ!」


ズババババババッ!!


VAVA「ぐぉ…!?うぬっ……」ズルズル…


ズパッ!


マヤ「ダメダメ……目的はあなた一人だけなんだから。他の子を巻き込みたくないでしょう?音楽室だから防音は大丈夫だね」スッ…


ドズ……ズズズ……!


VAVA「うぉああああああああああああああ!!」



マヤ「あなたの事は全部わかるよ。体の中も、心の中も。ビームサーバーを何処に隠してるか、とか。不意打ちにとても弱い所とかもね」


VAVA「……こ」


マヤ「なぁに?」


VAVA「殺すッ!」ゴォッ!


マヤ「すごーい!まだ動けるんだ」チャキ!


ズガァッ!


VAVA「かはっ……」


ドサッ……!


マヤ「ほんとに頑丈だね。もうとどめを刺したいけど」チャッ…


ピキッ……バキィイイイイイ!!



装甲「VAVAさぁあああん!」フルアーマータックル!


マヤ「う゛ぇっ!?」メキッ…!


べインッ……ビタァン!!


VAVA「…」バチバチ…


装甲「貴様ァ……よくも、よくも、よくも……!!」


マヤ「誰…?艦娘のデータは全て網羅してる筈なのに……けほっ!けほっ!……それに、このパワー…?」プルプル…


装甲「フンッ!」甲板ランス


マヤ「槍!?」


装甲「死にさらせ!」


スカッ!


マヤ「遅いよっ!この!!」ブゥン!


装甲「なんのぉぉぉ!」手甲受け


バチチチチチチチチ!パァン!!


マヤ「弾かれた……!?ビームサーバーはどんな守りでも貫通するんじゃ…」


装甲「護る…!」ギラ…


マヤ「わわっ!?」


装甲「もらった!!」



ドズンッ……!



マヤ「あうッ……!」



装甲「このまま、エンジンを粉砕してやる!!」グググ…!



マヤ「やだ…やだ……痛い……もう、怒った!」コォ…!



装甲『殺気…!』



マヤ「超重力砲、エンゲージ!発射!」カッ…!



ズドォオオオオオオオン!!

管制室


「砲台の砲手妖精に伝えろ!もっとよく狙って撃て!」



「扶桑さんに5発も当たってるぞ!」



「戦艦扶桑、誤射により退避します!戦力20%低下!」



「次の出撃要請だ!格納庫に連絡急げよ!!」



ドガァアアアアアアアアアン!!!



「「うわぁああああああ!!??」」



「くっ……どこからだ!被害状況は!?」



 「鎮守府内部からです!被害甚大!西館の……音楽室です!火が上がっています!」



「なんだと……!?白兵だ!総員、白兵戦に備えろ!!火力支援艦娘は西館に向かわせろ!」



「了解!こちら管制室!!聞こえますか!」

音楽室



マヤ「ハァ…ハァ……」



シューーー…



装甲「う……ぅ…」グラッ…



VAVA「そ…うこう…バカ…が」ガクッ…



装甲「私が避けたら、後ろのVAVAさんに当たるから……」フラフラ…



VAVA「…」



マヤ「……任務は、果たす」ヴーン!



装甲「来い…!」



マヤ「うっ……」ズキッ…



装甲「…?」



マヤ『いけない……身体を保てなくなってきた……皆に、分け与え過ぎたのかな…』



キリシマ『マヤ!どうした!反応が弱まっているぞ!?』


ハルナ『無茶はするな。VAVAの大破はこちらでも確認した。それ以上の攻撃は不要だ。じきに事切れる』



キリシマ『これで戦艦水鬼も満足だろう。引き上げるぞ!』



マヤ「……やっと戦いから抜け出せるね。おやすみ、VAVA」ヒュンッ……!



装甲「逃げた……アーマーイジェクト。VAVAさん、しっかり!!VAVAさん!」ピシュン…


霧の拠点


コンゴウ「そうか、タカオめ……こうなっては、我々の手で始末せねばな。ご苦労だった。帰投しろ」



コンゴウ『こうも容易く落ちるとはな。尤も、相手がマヤではVAVAとやらも手も足もでまい』



コンゴウ「…」



コンゴウ『所詮、タカオはこの世界に毒されただけのこと。しかし、イ401はそうではない』



コンゴウ「キリシマ、ハルナの報告では、戦場にイ401の姿は無かった……むっ」



コンゴウ「……そうだ。人間一人の命すら後生大事に扱う奴が、同盟者をみすみす死なせる訳がない」



コンゴウ「…」



コンゴウ「まさか」



タタッ……!



コンゴウ「ナガラ型、深海棲艦より借り受けた対潜装備を持って、私に続け」


霧の拠点(格納庫)



チャプ…



イク「…」キョロキョロ…



イク『クリアーなのね』ハンドサイン



イムヤ「…」グッ…



ハチ「…」ピッ…



まるゆ「はい…!」



ゴーヤ「……!?」しーっ!



まるゆ「!」コクコク!



イオナ『作戦かいし』ビシッ…



RA妖精『みんなーがんばって!外で待ってるねー』コソッ…


イムヤ『任務その一……敵基地の構造調査』



ゴーヤ『任務そのニ……イオナ爆弾を要所に仕掛ける』



ハチ『任務その三……大戦艦コンゴウの暗殺』



イク『なのね』



まるゆ「…」コクコク



イオナ『二手に別れよう』



『『了解』』

ご心配をおかけして大変申し訳ございません。

1月より休み無しで仕事が続いており、更新する時間を作れませんでした。

合間を見つけては順次更新の準備を進めておりますので、気が向いたときににでも覗いてやって頂ければ幸いです。


霧の拠点(天井裏)


ハチ『ふむ……深海棲艦の基地を流用してるのね。この部屋は恐らく休憩室か何か……』



ゴーヤ『ハチ、深海棲艦でち!』



イムヤ『大丈夫、やり過ごしましょう』



イク『なのね!』



「ヤッテランネェヨ!」



「マッタクダ。コキ使イヤガッテ。霧ダカ ナンダカ 知ラネーガエバッチャッテサ!」



「イラツクー!コンナ時ハ 一服ダ 一服」シュボッ!



「アーウマイ」



プカプカ……



イムヤ『ぐぬぬ…!』



ゴーヤ『これはきついでち』



イク『タバコ臭いのね~!』



ハチ『我慢…我慢……ここは喫煙室…と』カキカキ…


霧の拠点(格納庫)



ズルズル……ズルズル……↓
 


まるゆ「離さないでくださいね…」コソッ…



イオナ「大丈夫。私の腕力ならまるゆ程度の重さなら何時間でも支えられるから」



まるゆ「よいしょ……」ペタ…



イオナ「あともう少し仕掛けていきたい。次いこ」



まるゆ「はーい。すみません、ロープ引き上げてくださーい…」



イオナ「うい」グイグイ…



まるゆ「ふぅ…怖かったぁ。高いところ苦手なんです」



イオナ「えらいえらい。ん……?」



まるゆ「?……イオナさん、この大きな鏡のようなものは何でしょうか?」



イオナ「……私も初めて見る」



まるゆ「どうして鏡を兵器と一緒に保管してるんでしょうね?」



イオナ「これも兵器だから。とか」



まるゆ「うーん、だとしたら何に使うんでしょうか」



カッ…!



イオナ「…!」



まるゆ「わっ…電気が!」



コツコツ……



コンゴウ「…」



イオナ『コンゴウ……!と、ナガラ級が5隻』



まるゆ『はわわ……バレちゃったのかな…』



コンゴウ「……居るのはわかっているぞ。出てこい、イ401」



イオナ「まるゆ……私が囮になる。先に鎮守府へ帰ってて」



まるゆ「え…!?でも、イオナさんは……」



イオナ「戦闘が始まれば、あなたは足手まといになる。逃げて」

 

まるゆ「……わかりました。ご無事で……!」



イオナ「ん…」



サッ……!



イオナ「コンゴウ、相変わらず懲りない奴」



コンゴウ「そこか…………ふん、それは私の台詞だ。しつこい奴め、まさか異世界まで追いかけてくるとはな」



イオナ「何度でも邪魔してみせる」



コンゴウ「そうか、そこを動くな。クズ鉄にして深海棲艦に格安で売り払ってやる」



イオナ「スクラップになるのは、あなたの方」



コンゴウ「ナガラ級、出入り口を塞げ。イ401は私がやる」



イオナ「カモン」


数分後…



コンゴウ「…」



イオナ「コンゴウ、手抜いてる?」



コンゴウ「ふん」バシュッ!



イオナ「クラインフィールド」パシン…



コンゴウ「…」



イオナ「わかった。その体にまだ慣れてないんだ」



コンゴウ「ほう?だとしたらどうする。接近戦で一気にケリをつけるか?」



イオナ「…」ジー…



コンゴウ「…」ジー…



イオナ『とは言え、近づくのは流石に怖い』



コンゴウ『奴ならナガラ級を突破してでも強引に逃走を謀ると思ったが……何故逃げん』



イオナ『あんまり激しい攻撃をしてこない。借り物の基地だからか、破壊することを躊躇っている……?』



コンゴウ『あの装置さえなければ……この格納庫ごと葬ってやるものを。運の良い……』



イオナ『なんとか、こっちに誘導してまるゆが仕掛けた爆弾で仕留められないかな…』



コンゴウ『幸い、奴は私が不調だと疑っている……一芝居うつか』



イオナ『牽制のビームか何か、食らった振りをして油断させ、爆弾に近づかせる……できるかも』



イオナ「…」



コンゴウ「…」

海上



ハルナ「損傷軽微…戦果も申し分ない」



キリシマ「一足先に帰還したそうだが、マヤが心配だ」



ハルナ「しかし、仲間を心配してばかりもいられない」



キリシマ「あぁ、あとは深海遺跡を調査し、ZEROとやらを見つければいいんだろう」



ハルナ「……極秘コードだ。口に出すな」



キリシマ「別にかまわんだろう。私達とてそれが何なのか、何をもたらしてくれるかもわからんのだ。他の者にもわかるまい。コンゴウは何か知っているらしいがな」



ハルナ「…」



キリシマ「さて、この体にもようやく慣れてきた。とばすか」



ハルナ「うむ……」

霧の拠点(通路)



まるゆ「はぁ!はぁ!ひっ……」パッ……



敵ガ 侵入シタゾー!デアエ デアエーー!!



まるゆ「……ぷはぁ!見つかるかと思ったぁ」



タタッ…



まるゆ「出口は…えっと、あっちだ!」

まるゆ「外へ出た!やった…!」



キリシマ「…」



ハルナ「…」



まるゆ「あ」



キリシマ「あ?」



ハルナ「…」



まるゆ「あ……あ、あぁ…」ガタガタ…


まるゆ「に、逃げ…」チャプ…



ガシ!



キリシマ「…」



まるゆ『潜水……間に合わない!捕まっちゃった!?』



まるゆ「あ、あの…」



まるゆ『どうしよう……きっと、この二人が敵の大幹部……こ、ころされちゃう…』



キリシマ「おい、大丈夫か?沈みそうだぞ」



まるゆ「え……?」



ハルナ「ふしぎな形をしている…これはなんだ……?」



キリシマ「この姿を見る限り、艦娘に似ているが、まさか人間ではないだろう」



ハルナ「わからない……どんな些細な脅威であれ、データベースには登録してあるはずなのだが……」



キリシマ「私もだ。片端から検索をかけたが、どの分類にも該当しない」



ハルナ「スキャン……駄目だ。弱すぎてスキャンできない。つまり兵器ではないようだ」パシン…



まるゆ「兵器じゃない!?」


キリシマ「ならば、民間船だな」



まるゆ「民間船!?」



ハルナ「民間船……?」



キリシマ「見ろ、おなかに(ゆ)と書いてある。これは郵便の(ゆ)だ」



ハルナ「……人間の物流システムの一部か」



キリシマ「そうだろう。私は人間の文化に詳しいんだ。間違いない」



ハルナ「だが…何故こんなところに」



キリシマ「迷ってしまったのだろう。ここは危険だ。陸まで送ってやる」



ハルナ「まぁ…問題ない。行ってくるといい」



キリシマ「さぁ、来い」 



まるゆ「…はい」



まるゆ『ものすごく釈然としないけど……背に腹はかえられないです…』

霧の拠点(内部)


グラグラ……



イムヤ「暗殺……失敗したのかしら。戦闘音だわ」



ハチ「この震動は……イオナさんが魚雷を使っている?」



イク「助けに行くのね…!」



ゴーヤ「待つでち。イオナとまるゆ、二人とも通信が繋がらないでち……」



イムヤ「やられたとは思わないけど……イク、待ちなさい。まだ爆弾のセットが終わってないのよ」



イク「イオナがやられちゃったら、今回の戦いは負けも同然なのね!」



イムヤ「ここで少しでも妨害しておけば、後の戦闘が有利になるかも知れないんだから。冷静になって」



イク「……わかったの。じゃ、とっとと爆弾しかけてイオナを助けなきゃ!」



イムヤ「そうね。ハチ、ゴーヤ。次の爆弾の準備は?」



ゴーヤ「オーライでち」



ハチ「次は、食料庫を爆破しましょう」



ゴーヤ「兵糧攻めでち!」



しばらくして……



イムヤ「点火」



カッ……!ヂュドーーーン!!



ハチ「これで敵戦力の減退にはなったはず」



ゴーヤ「敵兵もかなり混乱してるでち!」



イク「よぉし!あっちもまだ戦闘中みたいだし、イオナを助けにいくの!」



ピリリリリ!!ピッ……



イムヤ「待って、イオナからの通信よ」



イオナ(暗殺失敗。現在コンゴウと交戦中。ちょっとやばい。撤退しよう)



イムヤ「撤退ね……了解。そっちも無理しないでね!援護はいる?」



イオナ(大丈夫。何とか独力で逃げ切る。合流地点はBで)



イムヤ「わかったわ!こっちも逃げ切って見せる」



ゴーヤ「とっととずらかるでち!」

霧の拠点(格納庫)



イオナ「勝負がつかない。もうやめない?……撤回する。無駄な質問だった」



コンゴウ「理解が早くて助かるよ。それにしても、格闘能力が向上しているな……ビーム、実弾ともに回避率も良い。改造でも受けたか?」



イオナ「良い相棒ができたから」



コンゴウ「それはよかった……これは、避けられるか」ピシュン!



ピシンッ!



イオナ「回避……む!……ん!?」ズキッ…!



イオナ『どこからの攻撃……?ビームで狙撃された……??右肘から先が喪失、腹部貫通。ダメージかなり大きい……めっっっちゃ痛い』



コンゴウ「とどめだ」



バゴォン!!



コンゴウ「何……!?」



イオナ「お……!ラッキー」



RA妖精「パワーなら負けないもんっ!」ツイストパンチ!



ナガラ級「「!?」」撃沈



RA妖精「乗って早く!あの黒いのには勝てません!!逃げましょう!!!」



イオナ「がってん」ガシッ……ひょいっ!



ウィイイイン!シュボーーーッ!!



コンゴウ「ナガラ級を一撃で撃破だと……イ401、また逃げるか?私から」



イオナ「何度も逃げるし何度も歯向かう。勝負は預けた。返さなくてもいいけど」



RA妖精「フルスロットル!」



ギューーーーン!!

集合地点



ゴーヤ「遅いでち……」



ハチ「私達は以外にも早く脱出できましたからね」



ゴーヤ「なんだか深海棲艦たちもやる気なかったみたいでち」



イムヤ「あっ!ライドアーマーだわ!」



イク「イオナも一緒なの!支援要請した甲斐があったの!!妖精さんナイスなのー!!」



RA妖精「つかれた~」



イオナ「ふぅ……おつかれ。ほんと助かった。死ぬかと思った」



ゴーヤ「ぎゃあああ!?イオナ!て、手はどうしたでち……!?」



イオナ「溶断されて落っことしてきた。おなかにも穴が空いてる。修理が必要」



ハチ「それ、痛くはないん…」



イオナ「クッソ痛い……」食い気味



イオナ「し、司令部、こちら伊168。作戦失敗、現在敵海域に潜伏中。周囲に敵影無し。イオナが敵の攻撃を受け中破。至急、援護を求む……なんですって!司令官が!?」

医務室


どよどよどよ……!



大淀「みんな落ち着いて!!今は各自、自室に……!!」



明石「面会謝絶よ!工作艦として、今は許可できない!!」



ドンッ!シュ~……



シーン……



天龍「聞こえなかったか?全員部屋に戻れ。あいつの性格を考えろ。あいつにとって、俺らに情けねえ姿を見られるのが一番苦しい事のはずだ。そうだろう」



ゾロゾロ……



天龍「さぁ行った行った!」



五月雨「私達……気づけなかった。敵も暗殺を考えていたなんて……」



吹雪「五月雨ちゃん……仕方ないよ」



漣「ご主人さま以外には手をつけなかったってことは、狙いは最初からご主人さまオンリーだったってわけ……」



電「とても……くやしいのです」



五月雨「もし、私が敵の侵入に気づけていたら、提督は敵の奇襲を回避できたかも知れない……」



叢雲「…」

医務室


装甲「VAVAさんは……?」



大淀「まだ駄目です……」



明石「装甲さん、あなたの火傷もかなり酷いんです。今は自分の事を一番に考えて下さい」



装甲「…すみません」



大淀「以前も10日ほど意識を失った事があったけど……」



明石「提督の鎧は、治癒能力を高める効果があるんだって……残念だけど、私では提督の鎧を脱がすことも、直す事もできない……今できるのは、鎧にエネルギーを送り続ける事だけ」



ドアバァン!



タカオ「提督!」



明石「面会謝絶だって言ってんのに…」



タカオ「私がハルナとキリシマに気を取られていた隙に……あぁもう!」



ツカツカ……



イオナ「状況は悪い。おーよど、話がある」



大淀「なんでしょう……?」

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タカオ「私のせいで提督が……」



イオナ「タカオは頑張った。タカオが前線を支えていなければ艦娘達はハルナとキリシマに焼かれていた」



タカオ「…」



イオナ「提督ならきっと大丈夫。今は次の作戦を考える」



タカオ「そうね。この借りを返さなくちゃ」



イオナ「うん。それで報告、敵はとんでもない新兵器を用意していた」



明石「新兵器?」



イオナ「これ。私の見たものを写真にしてきた」ピラ…



大淀「これは……?」



明石「どれが新兵器なんですか?」



タカオ「?……これ、鏡のような……」



イオナ「そう、鏡。これは超重力砲を反射できる鏡だと断定する」



タカオ「っ……不可能だわ!?」



イオナ「ちゃんと調べた。私は背後から低出力の重力砲で撃ち抜かれていた。コンゴウは反射を利用して私を撃退した」



タカオ「しかし、あまりにも非現実的よ……」



イオナ「深海棲艦の技術か……それ以上のオーバーテクノロジーだとしか考えられない」


タカオ「……あなたは超重力砲を装備していないし、コンゴウは仲間の中から裏切り者が出ることを恐れていた?」



イオナ「違う。これは防御には使われない」



明石「あの、まさかとは思うんですけど……」



イオナ「察しがいい。これは攻撃用。恐らくは宇宙に打ち上げて、超重力砲の射程を延長する為の兵器。たぶん射程は地球半分くらい」



タカオ「宇宙……」



大淀「宇宙から…!?馬鹿げています!」



イオナ「コンゴウは馬鹿真面目。規格外の事を真顔でやるサイコ戦艦。私の推測は正しい」



タカオ「あなたはテストに付き合わされたってわけね」



イオナ「予想外だった。でも、私はまだまだ戦える」



タカオ「そう言えば腕も生えてるわね」



イオナ「ナノマテリアルを蓄えといて良かった」



タカオ『ねぇ、ナノマテリアルは提督の修理に使えないの……?』



イオナ『出来なくは無い……ただ、本人の意識の無い状態で身体をいじるのはよくない』



タカオ『でも、このまま意識が戻る保証もないでしょう。今すぐリペアするべきよ』



イオナ『私達が余計な手を加えたら、提督が提督では無くなってしまうかも知れない。だから、それはできない』



タカオ『どういうこと?』



イオナ『……後でデータをわたす』



イオナ「とにかく、これを打ち上げられたら勝ち目がない。打ち上げを必ず阻止しなくては」



大淀「……わかりました。戦力を結集する必要がありますね」



明石「私はここを離れられないから、夕張さんと瑞鳳さんに装備の最終点検頼んどく」 



大淀「ありがとう。私、みんなにこの事を伝えてくる」



VAVA「…」

霧の拠点


ズンズン……


戦水『ナンテ仕事ノデキル ヤツラ ナンダ。コンナニ 早ク 仇ヲ 討ッテ クレルナンテ。ナニヤラ 散ラカッテル ヨウダガ、オオメニ 見ヨウ』



ヒュー……ドガアアアアアアン!!!!



戦水「花火カ?随分盛大ダナ……ナルホド 歓迎ノ印カ、殊勝ナ ヤツラ ダ!」



コンゴウ『爆弾処理完了。ただ捨てるのは勿体無いからな……各位、失礼の無いように』



コンゴウ「これは戦艦水鬼様、お待ちしておりました」



戦水「クルシュウナイ。提督討伐 実ニ御苦労ダッタ。褒メテ遣ワスゾ」



コンゴウ「はっ!恐れ入ります。こちらが作戦の報告書です」



戦水「ウム、愛イ ヤツラ メ。私ハ 気分ガ良イ。マタ欲シイ 物ヲ 言ッテミロ」



キリシマ「勿体無きお言葉」ペコ



ハルナ「恐悦至極」ペコリン



コンゴウ「はい。今回の作戦における武勲艦、マヤは提督との戦いで負傷しました。その修理に注力したく、新たに資材の供与をお願い申し上げます」



戦水「ナント……無事ナノカ、ソノ マヤ ハ」



コンゴウ「幸い、大事には至っておりません」



戦水「ソウカ……スマナイ、私ノ為ニ。直グ手配シヨウ。3日以内ニ各資材500万程届ケサセヨウ」



コンゴウ「ありがとうございます。宜しければ、この後お茶でも如何でしょうか」



戦水「ソウシタイ ノハ 山々 ダガ、今私ハ 内緒デ ココニ 来テイルノダ。トンボガエリ シナクテハナラン」



コンゴウ「左様で……またいつでもおいで下さい。歓迎致します」



戦水「良キ 報告ヲ 聞ケテ 何ヨリダッタ。見舞イニハ 色ヲ ツケテオク。マヤ ヲ 労ッテヤレ」



コンゴウ「はっ!有り難き幸せ……」ペコォー!

明石「…」



装甲「…」



明石「装甲さん」



装甲「はい?」



明石「敵、見たんですよね」



装甲「偶然居合わせてしまって……提督が守って下さらなければ、どうなっていたことか」



明石「どんな敵でした?」



装甲「そうですね……見た目は少女のようでした。あれが霧の艦艇というものでしょう」



明石「霧の艦艇……」



装甲「どうしたんです?」



明石「いえ、もし霧の艦艇の性能を平和利用できたら、この戦争もすぐ終わるのになぁって。イオナさんやタカオさんを見ていて思うんです」



装甲『姫に匹敵する戦力を艦娘達が持つ?そんな事になったら深海はオシマイだ。冗談じゃないわ』



装甲「でも、あのチカラは人の手に余るものだと思います。私は、妖精さんとチカラを合わせて戦う艦娘さん達の方が好きです」



明石「ありがとうございます」



装甲「いえ……ふぁ、少し眠ります」



明石「はい、おやすみなさい」



装甲「すみません、空気の入れ替えがしたいので、少しの間窓を開けておいてもらえますか」




明石「いいですよ」カチャ…



ヒュッ……!



装甲「どうも」



装甲『行け、偵察機。鎮守府近海を見張れ』

その日の夜……


廊下


五月雨『結局、提督は目を覚まさなかった……あれ』


ラウンジ(バルコニー)


ヒュ~~~……


タカオ「…」


五月雨「…」ヒョコ……


タカオ「あなた……五月雨、よね?」


五月雨「はい」


タカオ「眠れないの?」


五月雨「そうなんです。全然眠くないんです」


タカオ「困ったわね。明日も早いわよ」


五月雨「はい……」


タカオ「……一緒にココア飲む?」


五月雨「はいっ」

キャッキャ……



タカオ「へぇ~!そんなことが」



五月雨「死を覚悟しました……もう駄目だと思ったその時、提督が颯爽と現れて、助けてくれたんです……提督と初めて出会った時の事は、忘れられません」



タカオ「かっこいいわよね……提督」



五月雨「はい……!」



タカオ「おかわりは?」



五月雨「いえ、タカオさんのおかげで気持ちが落ち着きました。もうぐっすり眠れそうです」



タカオ「よかった。私はもう少し夜ふかししてるわ。お休み、五月雨」



五月雨「おやすみなさい」

タカオ「…」


タカオ『提督……今すぐに治してあげたいけれど……』


イオナ(提督の思考は、頭部の中枢に位置している回路でコントロールされている)


タカオ(人工知能ってわけね)


イオナ(この頭脳回路に、小さな損傷が見受けられる)


タカオ(本当に微細なものだけど、ダメージがあるみたいだわ)


イオナ(提督は、ダメージをセルフチェックできる機能があると言っていた。けど、この傷は見逃している)


タカオ(…)


イオナ(故意ではない。本当に認識出来なかったのだと思う。まるで、それが当たり前であるかのように)


タカオ(提督の人格は、この故障の上に成り立ってる……と言いたいわけ?)


イオナ(可能性はある。それに、私達が気づいていないだけで、提督の人格に影響を及ぼしている部分が他にもあるかも知れない。余計なことはしない方がいい)


タカオ(……わかったわ。提督の自己修復にかけるしか無いわね)


イオナ(うん。そんな所。じゃ、寝る)


タカオ「…」


タカオ『提督、私達やっぱり似た者同士だわ。私は乙女プラグインをエラーだとは思わない』


タカオ『それが、私なんだから』

霧の拠点



マヤ「うーん……うーん」



キリシマ「大丈夫かマヤ……くそ、メンタルモデルなら、こんな事には」



コンゴウ「マヤ……」



キリシマ「しかし、どういう事だ?マヤにダメージを与えられる程のチカラをもった艦娘がいるとは……考えられんが」



コンゴウ「……卓越した技量を持つ艦娘であれば、或いはあり得る。しかし、マヤに限って艦娘に遅れを取るなど……」



マヤ「強かったよ……あいつ……いたた、まだ痛いよコンゴウ~」



コンゴウ「あぁっ、かわいそうに、かわいそうに……」なでなで…



キリシマ『マヤは心配だが……付き合ってられん。邪魔者は消えるか』



キリシマ「哨戒でもしてくる」スッ…



コンゴウ「うむ」なでなで…



ガチャ……



ハルナ「客人だ」



キリシマ「客……?また戦水棲鬼…」



空母「ヤァ」



キリシマ「く、空母殿……ようこそ」



ハルナ「マヤのお見舞いにと」



コンゴウ「ありがとうございます」



キリシマ「しかし……我々はまだ報告もしていないのに」



空母「何、部下カラ 聴キ及ンダ モノデナ。ココニ 敵ノ 奇襲攻撃ガ アッタト。大胆不敵ダナ」



キリシマ「左様で」

コンゴウ「大事な要塞に傷をつけてしまい、誠に申し訳ございません。修復作業は我々が責任を持って行います」  



空母「気ニスルナ。所デ……ハルナ カラ 聴イタゾ。マヤ ガ 負傷シタラシイナ。加減ハドウカ?」



マヤ「お姫様、お見舞いに来て頂いて、きょーしゅくです」



空母「オォ、良カッタ。傷ハ深刻デハナイヨウダ」



マヤ「危なかったです……刺された所がもう少しズレていたら、コアを破壊されていたかも……」



空母「……刺サレタ?」



コンゴウ「はい。驚いた事に、マヤの身体は砲撃や爆撃で傷つけられたものではなく、刺傷なのです」



空母「…」




コンゴウ「驚いた事に、マヤの身体は砲撃や爆撃で傷つけられたものではなく、刺傷なのです」



空母「…」



マヤ「刃のない、円錐状の槍のような武器で、ブスッ!って……」



空母「……ドンナ艦娘ガ ソノ槍ヲ?」



コンゴウ「それが、データに無いのです。人型であり、女性的な外見から新型の艦娘か、艦娘を超える新兵器ではないかと予測しております」



空母「ドンナ情報デモイイ。ソノ艦娘ノ 外見ヲ 今スグ知リタイ」



マヤ「お姫様、私のスケッチでよろしければ」



空母「頼厶」



マヤ「よいしょ。うーんと、えーと」カリカリカリカリカリカリカリカリ……



空母「!」



マヤ「こんな見た目でした」



空母「似テイル……」



マヤ「?」



コンゴウ「……装甲空母姫様でしょうか。空母様は、かの姫をお探しだと伺っております」



空母「アァ……シカシ、違ウ。写真ノ様ニ 精巧ナ スケッチ ダナ。ダカラコソ、違ウト判ル」



マヤ「はい、見たものをそのままスケッチしました」



コンゴウ「現職の姫様達のご尊顔は存じておりますが、確かに似てはいるようです」



空母『装甲ハ コンナ 真ッ直グナ眼ヲ シテイナイ』


キリシマ『装甲空母姫か……データ照合。確かに……マヤのデータの方は胸部装甲が5.8cmほどデカいし、腹部装甲は3.4cm細い。臀部装甲もサイズが違うようだ。同じ大型艦ではあるようだが、他船の空似だな』



マヤ「色も塗りますね」サラサラ…



空母「ウ……ウム」



空母『肌ノ色モ違ウ……アノ子 ハ 変身術 ヲ 使エナイハズ。白イ髪ノ艦娘ナド、珍シクモナイカ』



空母「スマナカッタナ、怪我ヲ シテイル ト 言ウノニ 余計ナ 事ヲ 聞イテ……」



コンゴウ「滅相もございません」



空母「失礼スル。ササヤカ ダガ 弾薬ト燃料 ヲ 持ッテキテアル。遠慮ナク使ウトイイ。マヤ、オ大事ニナ」



マヤ「はいっ、ありがとうございました」



ハルナ「お見送りを」



空母「イヤ、一人デイイ」



ハルナ「はっ」



ガチャ……コツコツ……



空母「…」



空母『焦ッテイルノカナ……私ハ。人間嫌イノ 装甲ガ、寝返ル 訳ガ無イ』

1週間後……


執務室


川内「…」ダダダダダ……!



ガチャ……!



川内「只今!大変だよ、霧のやつらが!!」



大淀「お帰りなさい!よくご無事で……!早速、偵察任務の報告をして下さい」



川内「あー疲れた……人使い荒いよ全く。ごめん五月雨、お茶!冷たいの頂戴!こぼさないように」



五月雨「はい…!」あせあせ…

川内「ぷはー……イオナの言ってた通りだった。連中、明後日の朝には秘密兵器を積んだロケットを打ち上げるみたいだよ」



大淀「明後日……!?」



川内「間違いない。深海棲艦の話も盗み聞きしたし、燃料も積み込んでた。ロケットは最終調整の段階に入ってる」



大淀「…」



ガチャ…



イオナ「大淀」



大淀「イオナさん…」



タカオ「私もね」



イオナ「決戦の時がきた。総力戦を仕掛けて、基地ごとロケットを破壊する」



大淀「敵の基地ごと……?」



タカオ「可能よ。私がフルパワーで超重力砲を放てばね。周囲の被害や環境に与える影響は大きいけど、やむを得ないわ」

イオナ「提督の援護が得られないのは痛いけど、もうやるっきゃあない」



大淀「敵の戦力は?」



川内「深海棲艦はウヨウヨ居るね。幸い、姫タイプや、フラッグシップみたいな大物はいなかった。重巡マヤはまだ修理に手こずってる。他の霧については不明」



大淀「やるっきゃあ……ないわね」



イオナ「うん」



大淀「こんなこともあろうかと、作戦は既に立ててあります。ただちに部隊メンバーを集めてブリーフィングしましょう!」



「「「了解!」」」

ブリーフィングルーム



イオナ「いい編成」



タカオ「ちゃんとイオナと私も組み込んであるし、いいんじゃない?」



大淀「第一艦隊は、タカオ、扶桑、山城、蒼龍、隼鷹、龍驤」



大淀「第二艦隊は、イオナ、伊勢、日向、翔鶴、北上、大井」



大淀「第三艦隊は、長門、大和、武蔵、赤城、加賀、飛龍」



大淀「第四艦隊は、陸奥、瑞鶴、古鷹、加古、五月雨、叢雲」



大淀「この作戦の要は、タカオさんの超重力砲による、敵基地の完全破壊です」



大淀「その為、各艦隊にはそれぞれ役割をこなして貰います。手元の作戦計画書を熟読して下さい」



タカオ「私の艦隊は、何としても敵基地まで接近すること、か」



イオナ「ハルナ、コンゴウの撃破……」



長門「なになに?第三艦隊は、キリシマ、マヤの撃破……えぇ……」



陸奥「私達は……露払いね」

大淀「万事作戦通りに進むとは限りませんので、ターゲットにこだわり過ぎないようにして下さい。タカオさんの護送が最優先事項です」



大淀「質問のある方はいますか?」



武蔵「ビッグセブンに一航戦までついて下さるのは心強いが、本当に我々だけで霧を倒せるだろうか」



大淀「大丈夫、イオナさん説明をお願いします」



イオナ「その点は心配無い。ここ数日の間に、私とタカオがみんなの艤装全てに、対霧の艦艇用のさらなる改造を施しておいた」



タカオ「クラインフィールドの護りは尋常ではないけれど、完璧ではないわ。貴女たちが攻撃し続ければ、必ず突破できる」



武蔵「なるほど、それを聞いて安心した。通るんだな。我々の攻撃は」



イオナ「通る」



加賀「イオナさんとタカオさんがいない分、第三艦隊に戦力を集中したと言う訳ね」



タカオ「最悪、霧の艦艇を一人でも足止めできればいいわ。基地を破壊した後は、私も直ぐに加勢するから」

赤城「…」



飛龍「赤城さん……?何か、不服でも?」



赤城「ん?……いいえ。勝利した後の料理は何をお願いするか、決めておこうと思いまして」



蒼龍「さ、流石です!赤城さん……かっこいい!!」



赤城「負けるつもりで戦争にはいきません。勝ちますよ」



蒼龍&飛龍「「はい!」」

横須賀鎮守府


ザワザワザワ……!!


「急げー!作戦は明日の朝イチだ!!艦娘さん達が無事に帰って来られるように気合入れて整備しろよー!!」



叢雲「…ねぇ、妖精さん」



「むらくもしゃん!はい!なんでありますか?」



叢雲「五月雨、知らない?明日出撃だってのに、姿が見えないの」



「ごめんなさい、見てないですね」



叢雲「そう、ありがとう」



叢雲『これだけ探し回っても居ないってことは……』

医務室前



五月雨「…」体育座り



叢雲「やっぱりね」



五月雨「…」



叢雲「陸奥さんが皆と話したいって。行きましょう」



五月雨「…」



叢雲「無視すんな」



五月雨「…」



叢雲「あのね……私だって心配よ。会いたいわ。でも面会謝絶なんだから仕方ないじゃない」



五月雨「…」



叢雲「五月雨?……もしかして、具合でも悪いの。大丈夫?」スッ……(おでこに手)



ジュ…!


叢雲「あ゛っ……つ!」パッ!



五月雨「え?……あ、叢雲ちゃん」



叢雲「…!」



五月雨「どうしたの、叢雲ちゃん」



叢雲「あ、あなた、凄い熱よ。何ともないの……?」ヒリヒリ……



五月雨「熱?そうかな……普通だよ」ペタ…



叢雲「そんな、さっき確かに……えい」ソ~……ツンッ



五月雨「??」



叢雲「あれ……普通だわ。おっかしいな……」グニグニ!



五月雨「や、やめふぇよ むらくもひゃん」



叢雲「……まぁ、いいわ。作戦に選ばれたの知ってるでしょ。皆待ってるわよ。行こ」



五月雨「うん」

翌日…


ドック



ビービービー!



大淀(……只今をもって大規模作戦を開始します!順次、出撃して下さい。皆さんの武運をお祈りします)



タカオ「了解!第一艦隊、ついてきなさい!」



イオナ「第二艦隊、出撃ー」



長門「第三艦隊出撃!霧の艦艇など恐るるに足らず!提督の仇をとるぞ!全隊、このビッグセブンに続け!」



長門『やけくそだあ!』



陸奥「陸奥、いきます!長門、第四艦隊が先行でしょう?」



長門「あ、え……何を言っている、陸奥だってビッグセブンじゃないか!はっはっはっ!」



陸奥「あら、そうね。ごめんごめん!」



長門『だ、誰か助けて……今度こそ死んじゃう……』ギュ…(空のメダル)

艦隊進軍中……



長門「…」ガタガダ…


飛龍「見てみて瑞鶴ちゃん、長門さん、武者震いしてる。きっと頭の中で敵をどうやって倒すか、とか想像してるんだよ」



蒼龍「さすがだぁ」



瑞鶴「そ~お~?案外ビビってるだけだったりして」



キャハハハ!



加賀「もう敵地よ。黙りなさい。隊列を乱さないで」



シーン……

龍驤「ったく、ピクニックとちゃうんやで」



隼鷹「ピクニックかぁ、帰ってきたら外で1杯、なんてどうだい?」



武蔵「それは名案だ」



北上「いいねぇ~」



タカオ「となると、必ず全員生きて帰らなくっちゃね」



イオナ「みんな、死なないよ。私がいるから」



長門『かっこいいなぁ……なんだ、今の台詞。私だってそんな台詞言ってみたいぞ……』

霧の拠点


コツコツコツ……



コンゴウ「敵襲だと?」 



キリシマ「あぁ、かなりの大部隊だ」



コンゴウ「そうか、恐らくイ401とタカオも来るだろう……シャトルの発射を急がせろ」



ハルナ「了解した」



マヤ「コンゴウ、いつでも出撃できるよ!」



コンゴウ「あまり、無茶をするなよマヤ」



マヤ「はーい」



コンゴウ「私も出る。各自、敵を殲滅するぞ。マヤは、ハルナに同行してくれ」



ハルナ「わかった」



コンゴウ「キリシマ、イ401は恐らく私を狙ってくるだろう。タカオの処分は任せたぞ」



キリシマ「了解した」



コンゴウ「援軍の深海棲艦にも出撃要請をしろ。敵の脚は速いぞ」

限定海域



加古「敵はもう、こっちに気づいてるかな」



古鷹「多分ね」



陸奥「6隻でも探知されるんだから、これだけの大部隊なら既に見つかって居るでしょうね」



叢雲「…」



五月雨「…」



陸奥「二人とも緊張してる?」



叢雲「いいえ。指示がないので黙っているだけです」



陸奥「えらいわね」



叢雲「子供扱いしないで下さい」



陸奥「あらあら」



五月雨「…」



五月雨『許せない。必ず、霧を倒す。必ず……』



陸奥「五月雨」スイ~…



五月雨「はい、なんでしょうか?」



陸奥「今、鬼のような顔になってたわよ」ボソ…

五月雨「え!?」



陸奥「焦らないで。殺意じゃ敵は倒せないわ。冷静に、引き金を引くのよ」



五月雨「ごめんなさい……」



陸奥「いいのよ。大切な人を傷つけられるのは、自分が傷つくより辛いことだもの」



五月雨「はい…!」



陸奥「ふふふ、提督なら大丈夫よ」



五月雨「そうです…!提督は強いんですから」



陸奥「そうそう。案外、私達が帰ってくる頃にはエプロン着てお料理してるかも知れないわよ?」



五月雨「あははっ!あの時は驚きました」



陸奥「でしょうね。鎧着たままエプロン着けてるんだもんね」



叢雲「司令官は、いついかなる時も戦える準備をしているのよ」エッヘン!



キラッ……



イオナ「む」



タカオ「来た……敵艦見ゆ!ナガラ級多数。散開して超重力砲に備えて!いいわね?各隊、別れて行動するわよ!」



「「了解!!」」

戦闘開始!



ドドドドド……バシューーーッ……



イオナ「クラインフィールド広域展開。私を弾避けにして、全員攻撃」



日向「ありがたい」



伊勢「砲撃開始ぃ!」



翔鶴「艦載機、発艦始めッ」



大井「そう簡単に基地へは近づけないか……」



北上「さてと、スーパーズのチカラを見せてやりますか、大井っち?」



大井「はい、突撃します♪」



北上「みんな、あたしらは機動性を活かして突っ込むから、援護を頼むよ」



翔鶴「全機に通達、北上、大井に敵航空機を近づけるな」



イオナ「ん、危なくなったら直ぐに私の後ろへ」



北上「了解、いくよ大井っち!」



大井「この時が待ち遠しかったです!北上さぁん!!」

「バァアアー!」バッ!



叢雲「遅い…!」シュン…!(ダッシュ)



「!?」



叢雲「この……愚か者め!」ドスン!



「グギャアアア……!」



陸奥「やるわね!いい?手傷を与えたら止めは後ろの艦隊に任せて、私達は進むわよ!!」



瑞鶴「はいはいっと!爆撃……今!!」



ヂュドーン!!



加古「すごいじゃん瑞鶴!!」



瑞鶴「軽いもんよ!」



瑞鶴『装甲さん、あなたのおかげです……私の才能もあるけど』



古鷹「瑞鶴さんが敵空母を全て無力化!」



五月雨「発射!……命中!!」ドン!



陸奥「よし次!全速前進!」

シューーー……ッ!



キリシマ「ええい、何をしているのだ深海棲艦たちは!」



「ダッテ、オ腹 ヘッテルン ダモン……」

「腹減ッタナァ……モウ 4日 モ 食ベテナイ……」

「ヒモジイ……」



グゥ~~~……!



キリシマ「弾薬と燃料なら十分補給しただろう!」



「資材ト ゴハン ハ 別腹……」



キリシマ『防衛線を張らせていた部隊が壊滅寸前だと……浅はかだった。食料不足がここまで深海棲艦の戦力に影響するとは』



キリシマ「私が到着するまで持ち堪えさせろ!基地へは近づけるな!!」

防衛戦



キリシマ「深海棲艦隊は、艦娘は一人として通すな!基地を守れ!!」ドンドン!



キリシマ「ナガラ級!超重力砲はもっと出力を抑えてよく狙え!!友軍に当たるぞ!!!」



ピッ!



キリシマ「マヤ!まだか!」



マヤ『リペアまで後20分…!』



キリシマ「わかった保たせる!」



キリシマ『艦娘め、何を使っているのか知らんが砲撃が以前より強力だ。クラインフィールドを突破するつもりか……!』



キラッ……キイィーーーーーーーーーーーンッ!



キリシマ『何っ……正面を突破してくる奴がいる!?』



長門「たのもぉおおおう!せやぁああああああ!」ズゴォー!



キリシマ「むっ!ふぅん!」ガシィ!



プシューッ!……プシューッ!



長門「ふんぎぎぎぎぎ!」がっぷり四つ



キリシマ「そうか……貴様か、深海の姫を倒したとか言う艦娘は。戦艦長門、噂ほどでは無いわ」



長門「かっ……ぎ!ぐぐぐ……!!」グイグイ!



キリシマ「どうしたね」



長門「ま…さ…か……お前の馬力も」



キリシマ「ふん、この姿の私は91万馬力。組み合って貴様が勝てるものかよ」



長門『南方ほどじゃないが……私の相手はバカぢからばっかりだ!ならば!!』



長門「大和、武蔵、援護をおおおお!」



ヒュー……ズドォ!ズドォ!!



キリシマ「狙いが……正確だ!」スイッスイ…



長門「うぉっと!……ふふ、これ以上好きにさせんぞ!霧め、くらえ!!」ドドドドドンッ!

キリシマ「この程度の弾幕、避けるのはたやす……」



長門「でやぁ!」ビュン!



ガシィン!ググググ……



キリシマ「ま、また……貴様!ふざけているのかぁ!!」



長門「確かに私は非力だ……だが注意を引くぐらいは出来る……今だイオナ撃て!」グイ!



キリシマ「何!イ401!?」キョロ…



長門「嘘だよ!」ガシ…ガシ!グワキィ!



キリシマ「なっ……なんのマネだ!?」



長門「取り付いた!それ行け!!」卍固め



ザパァ…!

イオナ「バァイ、キリシマ。みんな今のうち」スィー…



キリシマ「イ401!?ステルス機能か……!待て!通すわけには……あんっ!」ギリギリ…!



長門「そぉら!動けば動くほど絡みつくぞ!」



キリシマ「こんな……攻撃!なんて野蛮な連中だ……」



長門「不便だろう!人の身体は!!お前たちの事は全部イオナから聞いている。生身に慣れてないんだとな!!」



キリシマ「離れんかこのぉ!!ナガラ級……!」



長門「は、離すかぁ……!お前はここで金縛りにしてやる!!」



ナガラ級「……!?……!?」オロオロ…!



キリシマ「早く私ごと撃て!ボケナスビ!!」



大和「はぁ!」ガゥンッガゥンッ!



ゴワァアアアアン!



ナガラ級「!」撃沈

キリシマ「役立たず共がぁ!……こ、ん、な、もの!」ガキキキ……



長門「でやぁああああああ!は、外れるぅ!?」



武蔵「させるか!」ガシィ!ズン……



キリシマ「うぉっ!?」



長門「武蔵!来てくれたか!!そっち持て!限界まで体重かけろ!!!」



武蔵「はい!しかし成功するとは…!」



長門「武蔵が居れば心強い…!大和!こいつは私達に任せろ!お前は空母たちと一緒に周囲の敵を黙らせてくれ!」



大和「了解!」



陸奥「長門!」



長門「早く行けぇ!」



陸奥「……みんな!全速前進!!」コク…

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年10月30日 (月) 14:28:02   ID: -Si_GYvd

レレレの乱、回想がやたらと長い・・・

2 :  SS好きの774さん   2017年12月23日 (土) 23:31:13   ID: xL0-1w_H

終着点がわからない・・・

3 :  SS好きの774さん   2017年12月30日 (土) 15:27:39   ID: uoZc-qtV

このシリーズ、初期から読んでいましたが
1コメの方と同じく、レレレの乱が長く感じたのとアルペジオ組が混ざって、読みづらく感じました…

4 :  SS好きの774さん   2018年01月15日 (月) 14:36:12   ID: WUYLeWjg

同じく初期から読んでた組ですが
上に同じく
レレレの乱の辺りからかなり読み辛くなった感がすごいです

5 :  SS好きの774さん   2018年03月22日 (木) 07:38:26   ID: mzjP6SpY

フラレこれシンゴジやろ

6 :  SS好きの774さん   2019年06月23日 (日) 19:36:18   ID: 5upSVSXh

続き期待しています。

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