アレイスター「プラン変更したら第一位と第二位が仲良くなった」土御門「は?」 (68)

・禁書ssです

・ほのぼのまったり系目指していきます

・初投稿であれなところが多いと思うけど、指摘してくれると嬉しいな

・時系列は大体妹達の前辺りだと思うんだよ

・ところで新訳で脳幹さん死んじゃったよぶっちゃけ一番好きなキャラだったのに死んじゃったよこれから何を思って生きていけばいいのねえねえねえねえ脳幹さん脳幹さん脳幹さん生き返って早くマジで生き返ってお願いします
上里マジ許さねえ略してkmy!kmjじゃ無いよkmy!

かきだめあるから投下します

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1495248330

窓の無いビル。
学園都市の中でも一際異臭を放つそこは、外界と隔絶されていた。
窓も、ドアも、出入りに必要とされるものは何もついていない。
空間転移系の能力が無いと決して侵入出来ないであろうそこの内部では、二人の人間が対峙していた。

一人の人間の外見は非常に特徴的だった。
金髪の少しウニ気味の髪型で、アロハサングラスを掛けている。
その上アロハシャツを身に纏っているといて、何ともハワイアンな風貌だ
その人間、もとい土御門元春は何やら怒り気味らしく、苛立った様に口を開いた。

土御門「呼び出しは大概にしろ、アレイスター。俺は忙しいんだぜよ」

もう一人の、アレイスターと呼ばれた人間は土御門の言葉にふっと笑った。
ふっと笑ったと言っても、彼の筋肉が笑みと類似した形に動いただけなのかもしれない。
その人間は男にも女にも(以下略)見えた。
その人間は何にでも男にでも女にでも(以下略)聞こえる声で、土御門の言葉に返答を零した。

アレイスター「……あのさ、その、あのね、非常に言いにくいんだけど」

何やら気まずそうに切り出そうとするアレイスターの姿に、土御門は眉を顰めた。
アレイスターが動じるなんて、非常に珍しい事だ。
もしや明日世界が滅びるのでは、そう危惧するくらいに珍しい事だ。
プランに予想外の事項でもあったのだろうか、奴が動じることと言えば其れ位だろう。

土御門(まさか、科学サイドと魔術サイドの間で戦争でも起きるってのか……!?)

戦争。土御門の脳裏には、そんな単語が浮かんだ。
アレイスターが動じる事となると、其れ位大規模な事に違いない。
しかし戦争となってしまえば、沢山の人々が死んでしまう。
土御門が大切にしている妹、土御門舞夏だって……
妹が腹部を魔術で貫かれる姿を想像してしまい、土御門は思わずえずいだ。

アレイスター「土御門って、アニメとか見る?」

戦争が起こるのでは、とかそういうシリアスな想像をしていた以上、土御門は間抜けな声を出さざるを得なかった。

土御門「はぁ?」

アニメ、あにめ、ANIME。
当然想像する必要もなく、あのアニメだろう。
よって、質問の答えはyesだ。疑う余地もなくyesって奴だ。
だが何故アレイスターの口からその言葉が出てきたのか、それが問題だ。
二次元は確かに素晴らしいしアニメは日本の文化みたいなものだが、何故アレイスターはその言葉を口にしたのだろうか。

土御門(……奴の意図はともかく、質問に答えないと話は進まないか)

意図は分からない。何を意図しての質問かなんて、土御門には分からない。
でも質問に答えて話を進めないと、家に返してもらえそうもない。
だから土御門は返答する。

土御門「いや、あるにはあるが……」

土御門が答えると、アレイスターは瞳をキラキラ輝かせ、まくし立てるように言った。

アレイスター「良かったぁぁぁぁぁ!!!お前話分かるね!話分かる奴だね!マジ見直したわありがとう。あのさ、それでさ、何で呼び出したかっていうとね、最近涼○ハルヒの憂鬱ってアニメにハマってね、それでね、それでね……ゲフンゲフン。

……まあそういう訳だ」

いやいやどういう訳だ、何てツッコミは無粋という奴なのだろうか。
話は変わってしまうが、オタクにはいくつかの特徴がある。
その特徴の内の一つにマシンガントークというものがある。
聞いても居ないのに勝手に語り出し、要領の得ない話をするのだ。
今アレイスターがしたのはまさにそんな感じだった。
つまり、即ち、これが表す事は……

土御門「お前キモオタかよ。そもそもそんなキャラだっけ」

アレイスター「うるせぇ!!どいつもこいつもプランぶっ壊そうと動いててなんか吹っ切れたんだよ!もう話戻すからな!」

土御門「口調ぐらいキープするべきだぜよ。
それはともかくお前、まさか話を聞かせる為だけに呼び出したんじゃあないだろうな?」

そんな下らない用件なら、[ピーーー]。
そう言った意の、所謂殺意を込めて土御門は言う。
だがアレイスターは眉一つ動かさず、土御門の質問に答えた。

アレイスター「えっ?そうだけど」

悪びれすらしない様子に呼応して、土御門の青筋がぴきりと浮き出た。

土御門「おれおうちかえる」

アレイスター「えっやめて」

土御門「まいかのしたぎあさる」

アレイスター「やめて帰ったら泣いちゃう」

土御門「じゃあねノシ」

アレイスター「あああああああああああああ」

お願い行かないで、と必死に懇願するアレイスターだが、土御門は意に介さない。
彼は懇願程度でなびく安くてちょろい人間では無いのだ。

土御門「案内人、俺をこのビルの外に転移させてくれ」

窓の無いビルは前述の通り、空間転移系の能力を使わないと出入り出来ない。
よって出入りするに際には、空間転移系の能力者が必要不可欠となる。
その空間転移系の能力者は案内人と呼ばれており、また、超能力者に限りなく近い大能力者でもある。

どう見ても帰る気満々の土御門に、アレイスターが慌てて噛み付く。

アレイスター「待て!ステイ!堕天使ロリメイドシリーズ最新作あげるから話聞いて!」

土御門「えっまじくれんの?」

アレイスター「学園都市最高峰のデザイナーを集めて作らせます。
安定した質と可愛さを約束しましょう。だから話聞いて!」

土御門「まじかよよっしゃ話聞くわ」

前言撤回。やっぱこいつ安いしちょろいわ。

saga入れるの忘れてた……


アレイスター「一週間前、私はとある理由によってプランを変更した」

そう言ってアレイスターは語り出した。
土御門に話しかける訳でも無く、ただ独りでに言葉を紡いでいった。

~~~

アレイスター「涼宮ハル○の憂鬱……面白かったなあ。神アニメだった。
原作の購入も視野に入れねば……。ショタの写真と交換で結標にでも送ってもらおうか」

アレイスター(ハ○ヒちゃん、朝○奈たん、キョ○、○泉……どれもこれも魅力的なキャラクターだが、何よりも素敵なのが………)


アレイスター(長○さん!)


アレイスター「ははははは私は○門派だあっ!!」

脳幹「このように急に叫び出すことが多くてね。直せそうかな?冥土返し」

カエル顔の医者「すまない。いくら僕でも頭の病気は治せないね。
まあ困ったら僕の病院へ来るといい。僕でよければ匿おう」

脳幹「ありがとう。冥土返し」

アレイスター「しかしあれだな。長○さんって誰かに似てるんだよな」

アレイスター「あの無感情な感じが、誰かに……」

アレイスター「はっ!妹達か!」

妹達。学園都市に7人しかいない超能力者の第三位、御坂美琴の体細胞クローン。
20000の個体がいるが、いずれもクローンであるが故に無感情である。
アレイスターは思う。そんな無感情な所が長○さんに似ている、と。

だが、とアレイスターは思考する。妹達はプランに必要な存在である、と。
妹達は元々軍事用クローンとして作られる予定だったが、オリジナルの御坂美琴よりも遥かに劣っていたため作られず破棄。
しかし超能力者の更に先、絶対能力者に辿り着く事を目的とする絶対能力者進化計画に転用された……という設定になっている。
実際は違う。妹達が作られた真の目的は、妹達を世界中にばら撒いてアヘ顔天使のヒューズ・カザキリを降臨させること。
つまりプランには必要不可欠な存在なのだ。

だがアレイスターは気が付く。プランに妹達は必要だが、絶対能力者進化計画という建前はぶっちゃけ必要ないのでは、と。

アレイスター「ぶっちゃけクローンの存在を隠蔽する為とか言えば、実験に使わなくても世界中にばら撒く理由になるんじゃね?」

アレイスター「そもそも○門さんに良く似た無感情美人があんなウルトラマンモヤシに殺されるとか長○さんへの冒涜でしか無いし」

アレイスター「よし、絶対能力者進化計画中止するか!」

こうしてプランは変更された。

~~~

アレイスター「という事があったんだ」

土御門「ほーん、で?」

プランを諸事情(クッソ下らない理由)で変更したというのは分かった。
だがそれがどうしたというのか。別にわざわざ土御門に話をする必要は無かろう。

アレイスター「いや、それがさ。実験中止したら第一位が怒っちゃってさ」

土御門「ふーん(鼻ホジ)」ピッ

アレイスター「培養器に付けるなよ汚いから」

土御門「あ"?」

アレイスター「すいませんでした!」

土御門「帰りたいから早く話せや」

アレイスター「何か実験再開しないと学園都市の全研究施設破壊するらしい」

土御門「俺に相談しなくても自分で倒しに行ってくればいいだろ」

アレイスター「しばらく動いてないから動いたら脚つっちゃう。痛いのやだ」

土御門「ドM的にはご褒美だからいいんじゃ」

アレイスター「ドMって誰が」

土御門「お前」

アレイスター「えっ」

土御門「えっ」

アレイスター「ってそうじゃないそうじゃない。
第一位の怒りを鎮めたいんだけど、どうすればいいかな?」

土御門「お前が[ピーーー]ばいいんじゃないかな」

アレイスター「真面目に考えろや中坊が」

土御門「高校生です」

アレイスター「真面目に考えろや高坊が」

土御門「そんな言葉は無いです」

saga……入れなきゃ……

アレイスター「土御門お兄ちゃん、考えてくれると嬉しいぞっ♡」キャピッ

土御門「おえええええええええええええ」げろげろ

アレイスター「お兄ちゃんはいもーとのお願いが聞けないのか、このぉっ!」プクー

土御門「おろろろろろろろろろろうええええええええええ」

アレイスター「やめろ、培養器の中に吐くんじゃない」

土御門「きぼぢわるっ……おえっ、おえっ、うえ……」

アレイスター「そんなに!?そんなにキモかった!?
女にも子供にも見えるってかまちーが言ってたから大丈夫かとばかり……」

土御門「いやキモいから。死んでくれ」

アレイスター「ひどいよお兄ちゃん……(涙目)」

土御門「げろげろげろげろ……吐きすぎて吐くもの無くなったわ」

アレイスター「さーせん」

土御門「真面目に謝れ」

アレイスター「ごめんなさい深く反省しております」

土御門「誠意が足りない」

アレイスター「ごめんなさい!ごめんなさい!(土下座)」

土御門「今回はこの位で勘弁してやる」

アレイスター「ありがとうございます!ありがとうございます!」

土御門「で、本題だが」

アレイスター「本題って何だったっけ……産業でお願い」

土御門「ハ○ヒにハマる、絶対能力者進化計画中止する、第一位が激怒」

アレイスター「そうだ、第一位が激おこぷんぷん丸だったんだ」

アレイスター「どうしよ」

土御門「マジレスすると」

アレイスター「うん」

土御門「別の超能力者のクローンを使って実験再開すりゃあ良くね?」

アレイスター「お前天才だな!あっでも費用が足りないし咄嗟に用意出来ないかも……」

土御門「第二位なら費用も時間もほぼ0で自分のクローン作れるんじゃね?」

アレイスター「天才だなお前。私専属のブレインになる気は無いか?」

土御門「無いです」

アレイスター「そうか……なる気は無い、か……」ふっ

土御門「悲しそうにしてもなる気は無いです」

アレイスター「チッ」

土御門「もう帰っていいか?」

アレイスター「ああ。堕天使ロリメイド最新作は結標に送らせる」

土御門「了解だぜよ」

アレイスター「ああ、それと」

土御門「?」

アレイスター「また何かあったら話を聞いてくれ」

土御門「報酬は?」

アレイスター「土御門舞夏の下着の色」

土御門「乗った」

アレイスター(チョロいぜ)

土御門「なあ、毎回思うんだけど」

アレイスター「ん?」

土御門「何で俺を呼ぶんだ?」

アレイスター「ずっと培養器に引きこもってるボッチに話し相手がいるとでも?」

土御門「冥土返し」

アレイスター「仕事があって忙しいから話せない」

土御門「ゴールデンレトリバー」

アレイスター「最近唯一さんが怖くて話しかけられない」

土御門「案内人」

アレイスター「こないだ会った時、『あなた見ようによっては子供に見えるわねハアハア』って興奮した様子で言われた」

土御門「………」

アレイスター「なっ?」

土御門「お前も苦労してるんだな」

アレイスター「正直辛すぎワロエナイ」

土御門「じゃあな」

アレイスター「慰めの言葉とかは無いんだ」

土御門「お前にかける慰めの言葉は無い、じゃあな」

アレイスター「…………」グスッ

アレイスター「行ってしまったか……」

アレイスター「ぼっち………、辛い…………」

アレイスター「皆さーん二人組作って~」

アレイスター「せんせー、アレイスター君が余ってまーす」

アレイスター「じゃあアレイスター君は先生とね」

アレイスター「………うっ…………頭が…………」

アレイスター「………………」

アレイスター「いや、いいもん。やる事あるもん」

アレイスター「実験資料の書き換えとか……って、これは脳幹に頼んだからやらなくていいんだった」

アレイスター「第一位と第二位への通達とか……ってこれももう研究者と電話の人に頼んだんだっけ」

アレイスター「暇だな……」

アレイスター「別に、寂しくないし……」

アレイスター「………はぁ…………」

アレイスター「ごち○さ見て癒されよ……」

アレイスター「あぁ~^^心がぴょんぴょんするんじゃ~」

アレイスター「培養器の中だから跳ねるとビチビチしちゃうな」

アレイスター「あっ、土御門のゲロまだ残ってた。汚ねっ」

アレイスター「…………」

土御門「アレイスター」

アレイスター「何だ!また来たのか!」パァァ

土御門「いや、報告をしに来ただけだが」

アレイスター「そっか……報告か……。手短に頼むよ」

アレイスター(はいはい、どうせ私は万年ぼっちですよはいはい)

土御門「分かった。手短にだな」

アレイスター「そうそう、手短に」

土御門「第一位の怒りは収まったが、第二位が承諾してくれそうもない。どうする」

アレイスター「第二位は第一位への対抗意識が高いからな。素直に第一位のレベルアップに協力してくれるはずもないか」

土御門「直接交渉権をくれるなら考える、との事だが」

アレイスター「やむを得ん。協力してくれたら直接交渉権を寄越す、と伝えておいてくれ」

アレイスター(むしろ直接交渉権の譲渡は望む所だな。話し相手が増えるし)

土御門「報告は以上だ。じゃあ」

アレイスター「もう帰るんだ。へー……」

土御門「手短にと言ったのはお前だろ」

アレイスター「……べっ、別に一人が寂しいからってわけじゃ無いんだからね!」

アレイスター「あれ、いない……」

アレイスター「もう帰っちゃったのか……」

アレイスター「………」

アレイスター「アホくさ、糞して寝よ」

アレイスター「あっ、今のは糞の臭いとアホくさいのくさいをかけてみました」

キリがいいので本日の投下分を終了にしますね
それはそうと食蜂さん可愛すぎる
記憶してもらえないっていうのはガチ鬱だけど

ふと思ったけど一方通行って第一位とか最強って言われてる割には最近噛ませ気味……何でもない

脳幹シンでないじゃん
コールドスリープでしょ?

>>2の冒頭の「異臭を放つ」がインパクト強すぎて何も入ってこなかった
ここのアレイスターさんなら異彩じゃなくて異臭を放っててもおかしくないが

最新刊読めばわかるけどそもそも☆はプラン破綻織り込み済だからな
こいつにとって想定外なんてその程度でしかない

>>26
まあ機能停止みたいなものですが、実質生きてるとは言えるかと問われれば微妙かなぁと

>>27
(⁎⁍̴̆Ɛ⁍̴̆⁎)<テヘッ

>>29
おおう、流石アレイスターさんやでぇ
禁書最近インフレ凄くてついていけないから見てないんや
つい最近までラスボス感放ってた魔神軍団が一瞬で理想送りされたりとか上条さんをフルボッコにしたオティヌスが失敗作だったり
細かい設定の差異は出て来ちゃうと思うけどssだから見逃してぴょん!

それはそうとssのちっちゃい文字(28のブリブリみたいなやつ)打てないんですが、どなたか方法知って居たら教えてくださると嬉しいです。

☆さんJKになってヒロイン入りしたからね、仕方ないね

>>30 Appで「半角カタカナキーボード」っていうアプリ(無料)をダウンロードすれば打てるようになる、と思います

麦野「やーいやーいお前の中の人顎がハプスブルク家ー!」

美琴「うるせぇよ絶許」

>>31
アレイスターさんって見ようによっては可愛いよね
培養液に浸かって逆さになってるとかもう最高だよね
あらゆるヒロインを凌駕してるよね

>>32
オオツカエル!アリガトナス!

投下してきまーす。
見返してみると行間が詰まっていて読みにくく感じたので、ssの行間を開けてみます
前の方が見やすかったならそう書き込んでくれると嬉しいです
今回はシリアスで行くぜー。
一方通行を真面目に書こうとしたら中二病臭くなるのは必然だと思うの

少年は追憶する。


誰かを守ってみたかった。


誰かを救ってみたかった。


少年は思う。


誰かを愛してみたかった。


誰かに愛されたかった。


少年は考える。


誰かを、誰かを、誰かに、誰かに。……誰かって、誰だろう。


学園都市最強の少年がいた。

彼は文字通り、学園都市の中で最も強いとされていた。

彼に敵う者はいなかった。現に彼は最強だった。

彼は白い髪に白い肌、紅い目と言う変わった風貌をしていた。

彼はひょろひょろのガリガリでその上真っ白で、その姿は歩くモヤシの様だった。

彼は白線の入ったセンスのない服を着ていて、正直ダサかった。

彼はスクラップだの愉快なオブジェだのと、中二病の様な発言を好んでいた。


彼の名前は苗字が三文字名前が二文字と、ごくごく普通でありふれたものだった。

彼は自らの名前を記憶していなかった。

故に彼は、自らの事を一方通行と名乗っていた。

一方通行と言う中二病の権化のような名前は、彼の能力名だった。


彼は一人だった。

その力があまりに強すぎたが故にぼっちだった。

彼の力を前にして人々は恐れ、ひれ伏し、恐怖した。

自らの力が強すぎたが故に、彼は孤独な人生を歩んでいた。

彼に近寄ってくる人間は二種類しかいなかった。

一種類目は彼の力を利用しようとする研究者だった。

二種類目は最強の名を求めて一方通行に挑む、馬鹿な輩だった。

どちらも一方通行の力の前では恐れ、ひれ伏し、恐怖するしかなかった。


一方通行は誰かに手を差し伸べたかった。守りたかった。愛したかった。

でも駄目だった。守れなかったし愛せなかった。

彼の差し伸べた手は触れた物を全て粉々にし、破壊し尽くしてしまう。

彼の手の前では何も残らない。

一方通行は誰かに手を差し伸べられたかった。救われたかった。愛されたかった。

でも駄目だった。救われなかったし愛されなかった。

彼に差し伸べられた手は、彼の意思に反して全て弾かれた。


彼に手を差し伸べてくれる存在なんて、この学園都市にはいなかった。

人々はそんな彼を妬み、恨み、憎んだ。

彼は悪意のみを浴びせられ、彼に悪意を持つ者に囲まれて育ってきた。

だが子供だけは、悪意を知らない無垢な子供だけは、彼に悪意を向けなかった。

故に彼は、幼い子供が好きだった。

子供はいい。決して妬まず恨まず憎まない。

悪意を浴びせたりもしない。


だが彼はホモではないため、ショタ以外、つまり幼女のみを愛していた。

幼女は無害だ。天使だ。何よりちっちゃくて可愛い。

でも無害で天使で可愛いのは、あくまで二次元の幼女だけ。

彼が愛しているのは、あくまで二次元の幼女だけだった。


二次元の幼女は決して老けない。

老いる事なく、また、触れても壊れたりしない。

何より可愛い。可愛いすぎる。ぶっちゃけ二次元の幼女のためなら余裕で死ねる。

ーー自分に悪意を向けない汚れなき二次元の幼女を、彼は真剣に愛していた。

彼に向けられた感情は、悪意のみだった。優しさを向けてくれる者なんていなかった。

普通ならそれは、とってもとっても悲しいこと。

でも彼は悲しまない。励ましてくれる存在があるから、だから悲しまない。

ギャルゲーに出てくる可愛らしくあざとい幼女が、

アニメに出てくる個性豊かな可愛らしい幼女が、

漫画に出てくる背伸びして大人っぽくなろうとする幼女が、彼を励ましてくれるから。


だが、だが、だが。彼は聡明だった。

能力の強度というのは、頭脳の出来に比例するから。

学園都市で最も強く、学園都市最高クラスの頭脳を持つ彼は気付いた。

そう、気付いてはならない事に気付いてしまった。



一方通行(二次元の幼女は確かに可愛い。だがなァ……)



そう、二次元の幼女は、あくまで二次元の幼女。平面世界の住人。

故に、故に、故に……









一方通行(現実にいねェ……!)








そう、いないのだ。我々の住む世界は三次元。彼が愛する幼女の住む世界は二次元。


だから彼は、愛する幼女と会えない。会う事が出来ないのだ。

悲恋、失恋、失望、落胆、悲壮、悲嘆……

悲しかった。切なかった。落ち込んだ。

気付いてしまった彼の胸を蝕んだのは、マイナスの感情。

そのくらい彼は本気で、本気の本気で二次元の幼女を愛していた。


二次元の幼女が好きだった。

主人公に好意を伝え続ける健気な幼女が好きだった。

表裏のない、純粋無垢な笑顔を見せてくれる幼女が好きだった。

大人になろうと精一杯背伸びする幼女が好きだった。


好きなんて陳腐な言葉で表せないほどに好きで好きで大好きで、愛していて……

でも会えない。彼は、彼の愛する幼女に会う事が出来ない。


織姫と彦星はいい。

天の川で分断されてしまったとはいえ、年に一度会えるのだから。

でも彼は違う。住む世界の次元が違う以上、彼と幼女たちが交わる事はない。

交わる事がないとはつまり、会えないということ。見ることしか出来ないということ。

幼女のもちもちほっぺに触れる事が出来ないということ。

幼女を性的な意味でも一般的な意味でも愛でられないということ。

幼女の蒸れ蒸れおぱんつを嗅ぐことが出来ないということ。

幼女の汗で濡れたしょっぱい脇をぺろぺろする事が出来ないということ。


幼女のふわふわしたさらさらの髪が好きだ。幼女の汚れ一つ知らない目が好きだ。

幼女の純粋無垢な笑顔が好きだ。幼女の汗をかいた後の脇が好きだ。


こんなにも愛しているのに。こんなにも好いているのに。

三次元と二次元。数字がたった一つ違うだけだというのに、交われない。

運命というものは残酷だ。

本人の望むものなど、決して写してはくれない。

運命が嫌いだ。運命が憎い。運命が辛い。

幼女といちゃらぶHしたいとまでは言わない。

幼女にだいしゅきほーるどされたいとまでは言わない。

幼女とキスしたいとまでは言わない。

触れたいだなんて言わない。使用済みおぱんつの匂いを嗅ぎたいだなんて言わない。

体の隅から隅までぺろぺろしたいだなんて言わない。

もちろん出来れば上記の事を全てしたいけど、でも、叶わぬ望みだと分かっているから。

叶わないって分かってる。無理だって分かってる。でも、せめて、せめて……










一方通行(せめて結婚するだけでもいいンだ……)









せめて幼女と結婚をしたい。

婚姻を結んで共に生活したい。

裸エプロンを着せてやりたい。

「お風呂にする?ご飯にする?それとも……わ・た・し?」とか言われてみたい

決して老ける事ない幼女と共に、一生を終えたい。

三次元の幼女じゃ駄目なの?なんて愚を問うた馬鹿がいた。

何にも分かってない奴だった。

一方通行はそいつの皮を剥いて、素敵なアートにしてやった。

三次元の幼女なんて、愚かにも程がある。

何せ奴らは老けるのだ。


一方通行(いずれ老ける幼女なんて、そんなの幼女じゃねェんだよ)


いつまでも幼くてちっちゃいから幼女なのだ。

いずれ老けてババアになってしまう三次元の幼女なんて、控え目に言ってゴミなのだ。

老けた幼女は裏表を持ってしまう。

人に妬みや恨みなどの悪意を向けてしまう。

だから彼は、三次元の幼女を愛さない。

三次元の幼女は愛せず、二次元の幼女とは会えない。

一方通行は八方ふさがりだった。

もしも神様がいるのならば、一方通行は神様を恨んでいた。

最強の超能力者?そんな地位なんていらない。

そんな地位いらないから、自分に二次元幼女のハーレムをよこせ。

そう言ってやりたい気分だった。


一方通行(愛する人にも会えねェで、何が学園都市最強だ。笑わせる)


そんな風に絶望しかけていた彼の元に舞い込んできた実験の話。

それが『絶対能力者進化計画』だった。

今の自分の力では、愛する幼女に会う事が出来ない。

でも、この実験で圧倒的な力を手にすれば。絶対的な力を手に入れれば。

超えられるかもしれない。


ーー二次元と三次元の間に広がる、絶対的な壁を。


だから彼は決めたのだ。


一方通行(待ってろよォ、幼女達。

俺は必ず絶対能力者になって、オマエ等の所にやってくるからなァ)シコシコ


絶対に、何が何でも絶対能力者になってやる、と。


一方通行「うっ、ふゥ……」ドピュ...


一方通行(勢い余ってゲーム画面にかかっちまった)

一方通行(しかもよりによって幼女の顔に……)ムクムク

一方通行(仕方ねェ、二回戦と垂れ込むか)

キリがいいので投下終わりでふ
一方通行は中二病でロリコンなんだからそりゃ恐れられるよね
むしろあれで友達たくさんいたら引くぞ逆に

話変わるけど能力は才能のあるものが習得、魔術は才能の無いものが習得するんだよね?
だったら能力の方が強そうなのに、何で魔術サイドの方が強いんだろうか……
科学サイドで禁書の強さ上位に組み込めてるのなんて、カザキリ脳幹唯一くらいじゃね
書きだめの溜まり次第では今日中にもう一回投下するかもでふ

よっしゃ投下じゃーい。
早速書き溜め尽きてて正直やばいけどな!

学園都市には暗部というものが存在する。

暗部、文字通り学園都市の裏の組織のようなものだ。

仕事の内容は麻薬運搬、学園都市に害を為す者の殺害、隠蔽工作などなど……

決して褒められるような事ではない、謂わば闇の仕事。

暗部に所属する者達は、表の組織の者達では出来ない様な事を裏で執り行う。

学園都市上層部が隠蔽しているため、その存在が表に知らされる事はない。

暗部において絶大な活躍をした組織には、組織名が与えられる。

例えばグループ。例えばアイテム。例えばブロック。例えばメンバー。例えばスクール。

名前を与えられた組織は何れも強大であり、圧倒的な力を持っている。

そんな名前持ちの組織の内の一つに、スクールというものがある。

スクールのリーダーを務めるのは垣根帝督という青年。

学園都市第二位の超能力者、と大層な名を冠する青年だった。

彼は新築のビルの中の椅子に深々と腰掛けていた。

赤色の学生服……言い方は悪くなるがホストの様な服装をした彼は、周りを見渡す。

彼の周りには誰もいなかった。

いつもなら彼の周りには三人の人間、もとい仕事仲間がいる。

赤いドレスを身に纏う、やたら大人びた少女、心理定規。

土星風の大きなゴーグルを頭に装着した少年、誉望万化。

仕事のせいで学友を作れないぼっちな少女、弓箭猟虎。

だが三人は今、自分の周りにはいない。

スクールに今日、依頼は一切入っていなかった。

簡単に言うなればそう、スクールは今日非番だったのだ。

よって垣根帝督は、一人でそこに座っていた。

彼に人望があるならば、こんな所で一人虚しく時間を潰すなんてこと無かった筈だ。

だが生憎彼に人望なんてなく、友達なんて論外、要するにいない。

彼は弓箭猟虎に勝るとも劣らないぼっちなのだから。


垣根(しかし暇だな……)


垣根(未元物質性ブーブークッションを全ての椅子に仕込んでおこうか)


垣根(いや、心理定規にゴミを見る様な目で見られる未来しか見えねぇ、却下だな)

一度心理定規に悪戯を仕掛けたことがあった。

悪戯といっても何のことはない。

ただ彼女の食事を未現物質性の食事そっくりな何かにすり替えただけだった。

だがその時の心理定規が垣根を見た時の目を、垣根は忘れない。

あれはもう憐れむかの様な、悪意しか感じられない目だった。

人間を見る目なんかじゃない。ゴミや蝿を見る様な目だった。


垣根(何がいけなかったというんだ)


垣根(味見してみたが普通に美味かったぞ)


垣根(しかし暇だ………って、………気配?)

一時思考を中断した垣根。

その原因は彼のいる部屋に突然入り込んできた金髪グラサンの青年にあった。

その青年はとってもハワイアンだった。


垣根「………てめぇ、何者だ」ファサァ


この場所に行きつけたという時点で、暗部に通ずる人間だという事は明白。

そう判断し、垣根はすぐさま背中をファサっとさせて臨戦態勢に入った。

怪しげな動きをすればすぐに殺せるように、相手を見据える。

沈黙がしばし広がる。

破ったのは金髪グラサンの青年だった。

土御門「俺の名前は土御門元春だにゃあ」


途端、垣根の喉奥から胃液が込み上げてきた。

吐きそうな気分だった。というか吐く寸前だった。

キモい。というか気色悪い。吐きそう。あと一秒で吐く。

大の男がにゃあとか正直ない。絶対ない。認めない。

にゃあというのは少女の特権だし許容出来てもショタだけだ。

お前のやっていいもんじゃない。頼むから早く喉を潰して死んでくれ。

それが出来ないのなら俺が喉を潰してやる。頼むからもう口を開かないでくれ。

そう言おうとした垣根だったが、ハッと何かに気づき、思い留まる。


垣根(まさかこいつ……)

垣根(猫の真似すれば可愛い~って女が寄ってくるとでも考えてるんじゃないか?)


垣根(そうだとすればなんて可哀想な奴なんだろうか)


垣根「……強く、生きろよ」ウン


土御門「なんか盛大な誤解を受けている様でならないぜよ」


垣根(と言っても俺だって憐める立場じゃなかったな)


垣根(暗部にいるせいで女とろくに会えずついたあだ名がどうていとくん)


垣根(いや、確かに童貞だしていとくんだが。ちょっと上手いなあとか思っちまったが)


垣根(クソ、こんなあだ名付けやがった心理定規は一生許さねぇからな)

垣根「人間いつかモテ期は来るさ、元気出せよ」ナッ?


土御門「いや、俺は妹一筋だぜよ」


垣根「可哀想に、二次元のゲームの中の妹をリアルの妹だと思い込んでるんだな」


土御門「いや、三次元の妹なんで」


垣根「さ、三次元……!?……つまりフィギュアか」ハッ


土御門「いや、リアルだから。写真あるし。お前には見せないが」


垣根「見せないんじゃなくて見せられないんだろ?」オカワイソウニ...


土御門「………本題だが、何故俺がここに来ていると思う?」

垣根「女にモテる方法を知るため」


土御門「……おお、こんな所にべ◯ブレードが」バキッゴキッ


垣根「あああああああ俺の秘蔵コレクションがあああああああ」ウソダアアアアアア


土御門「で、本題だが」


垣根「おう」


土御門「こないだ実験の話をされただろ?」


垣根「ああ、第一位の実験の為に未現物質でクローン作れって奴か?」ポン


土御門「それだ」

垣根「言っておくが参加する気は無いぞ。俺は第一位が嫌いだからな」


土御門「……参加したら直接交渉権が貰えるとのことだが」


垣根「日時と詳しい実験内容を説明しろ」


土御門「見事な手のひら返しだな。恐れ入るぜよ」


垣根「というか直接交渉権って案外安いんだな。ピンセットとかあほくさ」


土御門「ああ、それと日時と詳しい内容はこの紙に書いてある」


垣根「口では説明してくれないんだな」


土御門「俺の台詞を打ち込む人が面倒臭がるんだ、分かってくれ」


垣根「……ああ、なるほど」

土御門「仕事終わり、と。じゃあな」


垣根「おお、じゃあな。……彼女作り頑張れよ」


土御門「あぁ?ちょっと黙れやぼっち」


垣根「ぼっちじゃねえ。たまたま周りに人がいないだけだ」


土御門「ぼっち乙。一人で暇な時間過ごすってどんな気持ち?ねえねえ今どんな気持ち?」


垣根「……未現物質で作った手の上で回す駒の練習をしてるから寂しくねえ」クルクル


土御門「ほーん。じゃあ俺は友達と遊びに行くぜよ」テクテク


垣根(………友達と、ねえ。当てつけか?)ビキィ


垣根(土御門、だっけか。ーー次あったらぶっ殺す)



アレイスター「ふむ、第二位との交渉も終わったか、順調だな」


アレイスター「………しかし第二位もぼっちだったとは」


アレイスター「学園都市ってぼっちが多いんだな(白目)」

スレが落ちるのを防ぐ目的の投下だったので、ここで終了します
来週には書きだめ溜まってるといいなあ(人事)
どうでもいいけど独楽ってロマンあるよね?あることない?
くるくると回る感じがとっても愛らしいっていうかさ。正直結婚したい。

てかみこっちゃん闇落ちしてAAA取り込んだ割にそこまで強くなってなくて悲しいんですがそれは

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