(モバマスSS)『ふたりはデレキュア』4話:アイドルの景色 (16)


モバマスのプリキュア風SSです。

続きものです。

過去作は最後に書きます。


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1、事務所のグラウンド

梨沙「ハァ……ハァ……」

由愛「ヒィ……ヒィ……」

他の女の子たち「ハァ……もうダメ……」

トレーナー「ほらー!! まだノルマに達してないぞー!!」

全員「ハーイ!!」

梨沙「な、なんなのよ……このレッスン……」

由愛「体力……付けるって……」

梨沙「分かってるわよ……ハァ……」

由愛「……ぁ……壁に……絵?」

梨沙「由愛?」

由愛「う、ううん……何でもない……」

トレーナー「そこの二人! おしゃべりしない!!」

梨沙&由愛「はーい!」


2、敵のアジト

バステノー「デレキュア……そして……あの妖精……」

ロノーマ「あの妖精、俺らのこと知ってるんだよな~」

バステノー「それだけではない」

ロノーマ「はぁ?」

バステノー「妖精は我が消滅の檻の儀式、効果、弱点を知っていた」

ロノーマ「旦那の儀式を!?」

バステノー「そうだ。それを的確にデレキュアに指示していた」

スタイラー「面白そうな話をしてるじゃない?」

バステノー「スタイラー……貴様、いつまで遊んでいる」

スタイラー「遊んでるんじゃないわよ。今後の活動をしやすくする工作をしているの」

ロノーマ「工作だぁ?」

スタイラー「あのデレキュア共もいる事務所にミレイをアイドルとして仕込んできたの」

バステノー「確か、アイドルが大量にいる会社だったな」

スタイラー「そうそう。で、アタシら3人の仮名と人間に化けた写真を使って社員にしたわ」

ロノーマ「社員?」

スタイラー「ミレイ専属のトレーナー(ロノーマ)とプロデューサー(アタシ)とマネージャ(バステノー)」

バステノー「……ほう」

スタイラー「これで狙い目のアイドルを見つけやすくなるし、邪魔なデレキュアを倒しやすくなるんじゃない?」

バステノー「まぁ、いいだろう」

ロノーマ「じゃ、さっそく行ってみるかな」

スタイラー「あら、アンタが?」

ロノーマ「まぁ、この前は手を抜きすぎたしな、挨拶がてら絶望を増やしてくるさ」


3、更衣室

梨沙「まったく……足がパンパンよ……」

由愛「そうだね……」

梨沙「それに、あのトレーナーキツくない!?」

由愛「そう……だね……」

梨沙「走り込みだけでこんだけなんて……明日から走り込みに他のレッスンもするとか……」

由愛「……」

梨沙「でもまぁ、これがこなせないとパパが可愛いっていうアイドルになれないんなら、やるしかないわよね、由愛!……由愛?」

(ガラーーン)

梨沙「……はぁ、どこ行ったのよ! もう!!」


4、事務所の外

由愛「確か……この辺りに……あ、あった」

??「なにか探し物っすか?」

由愛「はわわ!?」

??「あぁ、驚かせちゃったみたいっすね」

由愛「あ、あのあなたは……?」

??「アタシは吉岡沙紀っす。えっと……」

由愛「な、成宮由愛……です」

??→沙紀「ゆめ……いい名前っすね。ドリームがありそうで!」

由愛「え、えっと……漢字は、自由の『由』に『愛』でゆめって読みます」

沙紀「へぇ……なんかゆあとか呼ばれちゃいそうっすね」

由愛「よく……言われます」

沙紀「やっぱり? そういえば、どうしてここに来たんすか?」

由愛「そ、その……この絵が気になって……壁一面の絵……すごく綺麗だなって……」

沙紀「いやぁ、褒められると照れちゃうっすね」

由愛「え?」


沙紀「この絵、アタシが描いてるんすよ。会社に許可をもらって合間合間にペンキを使ってね」

由愛「じゃあ、沙紀さんも……ここのアイドル?」

沙紀「そうっすよ」

由愛「すごい……」

沙紀「そんなことないっすよ。由愛ちゃんは?」

由愛「私は、今日が初めてのレッスンでした」

沙紀「じゃあ、アイドルの卵さんっすね」

由愛「……はい」

沙紀「由愛ちゃん?」

由愛「……あ、あの……」

沙紀「?」

由愛「……そ、その……ア、アイドルだけが見える景色ってどんな景色ですか?」

沙紀「アイドルだけが見える景色?」

由愛「そ、その……プロデューサーさんに言われた言葉で、それが気になってて……」

沙紀「う~ん……そうっすね~」

由愛「……」ゴクリ


沙紀「こればっかりは、その子の感性によるものかもしれないっすね」

由愛「か、かん……せい?」

沙紀「由愛ちゃんも絵を描くのが好きなんすか?」

由愛「はい……あ、あまり人には見せませんけど……」

沙紀「じゃあ、きっと見えてくるっすよ。きっと描きたい自分が」

由愛「描きたい……自分?」

沙紀「そうっす。どんな色をまとっているのか、どんな景色の中なのか……考えるだけで楽しくなるんすよ」

由愛「(すごく……綺麗な笑顔)」

沙紀「ん? なんかアタシの顔に付いてるっすか?」

由愛「い、いえ……とても」

ロノーマ「とても壊し甲斐のある希望だなぁ~」


由愛「この声は!?」

沙紀「誰っすか!?……って、居ない?」

由愛「! う、上です!」

沙紀「!? あ、悪魔?」

ロノーマ「悪魔なんかじゃねぇよ。って、おいおい、黄色い方がいねぇじゃねえか」

沙紀「何言ってるんすか?」

由愛「沙紀さん、逃げましょう!」

沙紀「え?」

ロノーマ「させねぇよ! 浮かび上がれ希望の水晶!!」

ピカーン

沙紀「!?」

ドサッ(沙紀の胸から綺麗な水晶が出てきて、沙紀が倒れ込む)

由愛「沙紀さん!? 沙紀さん! 沙紀さん!!」

ロノーマ「無駄無駄ぁ! えっと……この水晶を壊すならぁ~これかなぁ?」

(闇の空間から大きな金槌を取り出す)

ロノーマ「儀式の時間だ! 目覚めよ、絶望の司徒!!」

司徒「ボウーーーー!!!!」

(禍々しいフルプレート甲冑の戦士が先ほどの金槌を持っている)

ロノーマ「その水晶を砕いて、そこの女の希望を粉々にしろ!」

司徒「ボウ!!」


由愛「え? もしかして……この水晶が沙紀さんの希望?……そ、それを壊そうとしているの?」

ロノーマ「せーいかーい♪ 希望が粉々になって絶望する女を見るのが楽しみだぜ♪」

由愛「そんな……こと、そんなこと……絶対にさせません!!」

ロノーマ「ん? あぁ、揃ったか」

P「おーい! 由愛ちゃーーーん!!」

梨沙「由愛、ここだったのね」

由愛「梨沙ちゃん、行くよ」

梨沙「ゆ、由愛?」

由愛「行くよ!」

梨沙「は、はい!」

由愛・梨沙「マイカラーチェンジ!ライブセット!!」

(変身)由愛→シンデレライム、梨沙→シンデレラカタン

ライム「しおしお心をスキッとさせます!シンデレライム!」

ラカタン「よわよわ心に栄養まんてん!シンデレラカタン!」


ライム「えーーーーい!!」

クルッ……ドゴッ!!

ラカタン「ライムって相手の攻撃が無くても自分で回ったりして威力上げられるのね……」

司徒「ボウ!!!」

P「ラカタン!!」

ラカタン「アタシだって気を抜いてなんか無いわよ!」

ドゴッ……スザーーーーーーーー

司徒「ボゥ」

ラカタン「あれ? ノーダメージ?」

ライム「……」

ロノーマ「この司徒は無敵さ~♪ 早くやられろよデレキュア」

P「水晶と……武器……ライム! もしかしてアイツは水晶を壊すとか言ってなかったか?」

ライム「え? はい、言ってました!」

ロノーマ「またか……オマエ、妖精のクセになんで俺らのことを知っている?」

P「教える訳ないだろ。ライム、ラカタン、アイツの弱点は司徒じゃなくて武器だ! 武器を壊すんだ!!」

ラカタン「そういうこと……」

ライム「分かりました」

ロノーマ「そんな簡単に出来ると思うなよ!」


司徒「ボウボウ!!」

ヒュンヒュン……

ラカタン「速い!?」

ライム「こういうときの足止めは……私の仕事! ライムスコール!!」

ズガガガガガガガガ!!!!!

司徒「ボーウ!?」

ラカタン「あ、動きが止まった! 今なら……ラカタンシューーーート!!!」

ドゴッ バキィ!!

ロノーマ「俺のコレクションがぁあああああああ!!!」

ラカタン「良かった。今日は狙い通り。ざ、ざまぁみなさい!」

ロノーマ「おぼえてろよデレキュア!!」

ヒュンッ(ロノーマ離脱)


沙紀「うぅ……あれ、アタシなんでこんな場所で?」

梨沙「へぇ、この絵をこの人がねぇ」

由愛「すごいよね。あ、沙紀さん」

沙紀「おはようっす。なんで寝てたのかは覚えてないっすけど」

由愛「あ、あの……沙紀さん」

沙紀「どうしたんすか?」

由愛「いつか、私の色が見つかるように頑張ってみます」

沙紀「!……へへ、いいっすね! 見つかったら、この壁に一緒に色を付けたいっすね」

由愛「はい!」

P「由愛……吹っ切れたのかな」

梨沙「そうみたいね。アンタの仕事に出来なくて残念だったわね」

P「アハハ……でもまぁ、こういう出会いが生んだ結果なら、喜ぶだけだよ」

梨沙「あっそ」


由愛「(いつか、沙紀さんと綺麗な色を塗りたいなぁ)」


続く


次回予告

成宮由愛です。

黒いアイドルの噂ですか?

真っ黒で、相手をどんどん倒していくアイドル

なんか怖いですね。

え、次のお仕事の見学にその子が?


次回、絶望のアイドル!?

次回もしおしお心をスキッとさせます!


以上です。

二人揃って出来る必殺技を使う敵と個人の必殺技でも倒せる敵

敵キャラのバリエーションも考えていきたいですね。


そんな感じ


デレキュアの過去作

『ふたりはデレキュア』1話:伝説の戦士誕生って私(アタシ)たち!?
新番組『ふたりはデレキュア』1話:伝説の戦士誕生って私(アタシ)たち!? - SSまとめ速報
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