【ペルソナ】直斗「宗教団体鳴上教?」 (48)

P4Uとは違うIF世界

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僕は白鐘直斗。

とある町で起こった事件を解決したペルソナ使いだ。
その後、ペルソナ能力を活かし警察に協力したら、公安からスカウトされ、僕は大学卒業後警察庁公安部に配属されることになった。

僕の仕事は組織的グループの調査。
するととある宗教団体を監視、調査するよう命じられた。

日本全国に信者を増やしつつあり、政界との繋がりも噂されている新興宗教だ。



団体名は「鳴上」

僕と同じ能力を持ち、僕が憧れ、尊敬した人。
鳴上悠が持ち前のカリスマ性を活かし、ペルソナ能力を信仰する宗教団体の代表となった。

公安は急激に規模を拡大したこの団体を一大新興宗教組織と認識された。
僕はこの団体を調査することにした。

最初はセミナーに参加した。
他愛の無いどこにでもいるような催し物で、簡単な演説と教義の暗唱を行った。

教義内容は「世界中の多くの人間と絆を結び、自らの弱さ、脆さを告白し成長していく」という物だった。

直斗「先輩…」

僕は教義内容を聞いて、懐かしさを覚えた。

多忙な生活で忘れていた高校生活を思い出した。

直斗「先輩がこういう道に進んだんなら文句無いな…」

僕はセミナーを後にしようとした、その時丁度壇上に白いフードを被った鳴上先輩が現れた。

高校時代と変わらない先輩がそこにいた。

直斗「……」


直斗「何故こんな団体を作り上げたのだろう…」
先輩を見るまで個人的な感情は抑えていたが、疑問が沸く。

直斗「あの先輩があの頃と変わらない先輩が、どうしてこのような求道家の道に進んだんだろう」
直斗「気になる…」

僕はすっかり探偵が持つ知的好奇心が芽生えてきた。


僕は早速先輩にアポを取ろうとした。

しかし会見は一ヶ月先だと断られてしまった。

なのでまず外堀から埋める事にした。

側近から探れないかと思い、パンフレットの関係者を確認すると多くは、高校時代の先輩の知り合いが多くいた、そして彼らは教団幹部として活動していた。
巽君、久慈川さん、天城先輩、里中先輩、花村先輩や高校時代先輩と一緒にいた人までこの教団の関係者だった。

それは一つ注視したいのが、教祖鳴上の周りには女性が多すぎる。
こう言った宗教団体で若い女性信者が教祖から性的虐待を受けるケースは良くある話だ。

僕は先輩を知っているし、そんな人では無いと思いたい。
だが先輩が変わってしまったかも知れない。
だから僕は独自に教団を調べることにした。

~喫茶~

直斗「…」

直斗「…」

カラーン

りせ「…」キョロ

りせ「あ!いたいた」

直斗「久慈川さん、お久しぶりです」

りせ「うん、直斗くん、久しぶりー」

直斗「忙しい中呼び寄せてすみません」

りせ「うん、いいよー。さすがに全盛期より仕事の量減ったから」

ウェイトレス「いらっしゃいませーご注文は?」

りせ「あ、私紅茶で」

ウェイトレス「かしこまりました」


りせ「やっぱ芸能界って若くて可愛い子がじゃんじゃん来るんだよねー」

直斗「でも久慈川さんはちゃんと女優業に成功しているじゃないですか」

りせ「まあね、今期脇役ばかりだけど」

直斗「でも凄いですよ」

りせ「ん、ありがと」



りせ「それで私に何のよう?」

直斗「ええ…最近先輩の動向が不明でして…」

りせ「先輩…?」

直斗「はい…どこかで詳細が分からないかと久慈川さんに連絡したんです」

りせ「えー直斗君、警察に入ったって聞いたけど捜索願の担当なの?」

直斗「まあ…そんな所です」

りせ「おかしいな…奈々子ちゃんも堂島さんも入信しているのに」

直斗「…!」

直斗「久慈川さんはご存知で」

りせ「うん、ここの教祖様だよ」

ピラッ


直斗「…」

直斗(やはり…)

直斗「これは…」

りせ「先輩が始めた宗教団体、世の中を導く為に先輩が始めたんだ」

りせ「ほら!先輩ペルソナの能力をもっと有効活用したいって言っていたし」

りせ「それで始めたみたい」

直斗「それは高校卒業してからですか?」

りせ「えっと…ねぇ」

りせ「先輩都会にもどって一杯勉強して東大入ったの」

りせ「私も東京だから結構会ってて」


りせ「都会に戻っても時々私とは遊んでくれたんだよ」

りせ「その時は別に変わった様子も無かったなぁ」

直斗「本当ですか…」

りせ「うん…あっ!でも…」

直斗「…!」

りせ「先輩、変わったかなぁ…大学入学してからなんか吹っ切れたみたいに」

直斗「吹っ切れた?」

りせ「覚悟を決めたって様子に変化したかなぁ?」

直斗「……」

りせ「ごめんね、抽象的で」

直斗「いえ」

りせ「そうだ、もっと知りたいなら直斗君もセミナーくればいいよ!今度一緒に行こう」

直斗「ええ…都合がいい時に」

りせ「もう…きっとだよ」

PPPP

りせ「あっ!マネージャーから呼び出し…!ごめんね直斗くん、仕事みたい」

直斗「あ!いえ、ありがとうございます」

りせ「ばい、ば~い」

直斗「……」

直斗「先輩は少なくとも東京の高校生時代には何も無かった…?」

直斗「先輩を変えたのは大学…?」



直斗「先輩がメディアに現れたのが2016年の5月頃…つまり大学を卒業してすぐにこの宗派を立ち上げた」

直斗「僕の「大学時代に何かあった」という推理に一致はしている…」

直斗「よし」

trrrrrrrr

ピッ

天城「はい、天城です」

直斗「本当に…偶然でしょうか?」

直斗「お久しぶりです、天城先輩」

雪子「久しぶり直斗君、どうしたの?」

直斗「少しお話が聞きたいんですが…そうだ、せっかくなら旅館に宿泊できますか?」



雪子「えっ…?別にいいけど、今はシーズンオフだから」

~旅館~


直斗「お久しぶりです、天城先輩」

雪子「うん…久しぶり」

直斗「随分盛況のようですね」

雪子「ええ…それでも今は空いている方なの」

雪子「教祖様がお泊りになる日は一斉の信者の方も貸し切りから忙しくて、忙しくて」

雪子「旅館と言うのはほとんどが学生のイベントで生計を立てる物なんだけど」

直斗「修学旅行とかスキー学校とかですか?」

雪子「ええ…」

雪子「教祖様がここに泊まってくださるから家に大きな財源が出来たから助かるわ」

直斗「そのこと…なんですが…」

直斗「天城先輩は何時頃教団に入信されたんですか?」

雪子「私?私は、教祖様がふらりと泊まりに来てくれた事がきっかけなの」

直斗「…それは何時頃でしょうか?」

雪子「そうね……大学卒業してだから2016年の8頃ね」

直斗「詳しく教えてくれませんか」

雪子「えっと……もちろん久しぶりに会えて嬉しく、その日は休みを貰って二人で過ごしたの」

雪子「そこで彼が宗教団体を立ち上げたと聞いたの」

雪子「最初は驚いたけど、世の中にはシャドウの被害に悩んでいる方沢山居ることを教えてくれたの」

雪子「それを救うには宗教団体という形が最適だと教わったわ」

直斗「でも先輩自体、形だけでなくその団体自体に立派な教義をお持ちだと…」

雪子「教祖はシャドウから人々救うためにどうすればいいのか考えたの」

雪子「その方法が絆を深めることだとおしゃっていたわ」

雪子「つまり私は教団自体がシャドウの対策と対抗できる最適な機関だと認識したのよ」

直斗「…」

直斗「なるほど…天城先輩も入信されたんですか?」

雪子「ええ、その日の夜に」

直斗「?」

雪子「教祖様直々に一晩掛けて教えを授かったわ」



直斗「……先輩と寝たんですか」

雪子「そんな、下品な言い方しないでよ」

雪子「これは教団鳴上に取っても重要な儀式なのよ」

直斗「儀式…?」

直斗「儀式とは何の事でしょうか?」

雪子「ごめんなさい…これ以上は信者ない人に言えない規則なの」

雪子「ごめんね」

そう言うと雪子は後にした

直斗「…儀式ですか…」





直斗(その後調べて見れば、旅館内の従業員全ても信者だった)

直斗(何がここまで先輩の熱狂させるんだ)

直斗(そう言えば近くに里中先輩の家があったな、行って見るか)

直斗「お久しぶりです、里中先輩」

千枝「久しぶり~元気だった」

直斗「ええ、里中先輩は去年署に配属されたんですか?」

千枝「うん、そうだよ。毎日が大変だよ~でもやりがいはあるよ」

千枝「直斗君も警察官なんだよね」

直斗「はいでも、公安ですけど」

千枝「そうなんだ、じゃあ同僚みたいなもんだね」

直斗「はい、ところで…里中先輩は先輩について聞きたいんですが?」

千枝「教祖様?うんいいよー」

直斗「里中先輩は何時頃先輩に再会し、教団のトップにいたんでしょうか?」

千枝「えっと…2015年の12月かな?その時たまたま東京に用があってばっちり街中で再会したの」

千枝「教祖様はその時はまだ教団を立ち上げて無かったよ」

千枝「大学卒業してすぐ修行の旅に出たみたいで私達全然連絡取れなかったじゃない?」

直斗「ええ」

千枝「卒業したら全国各地を回ってペルソナ事件に一人で調べていたの」

直斗「ペルソナ事件…?」

千枝「うん…各地で起こる大小のペルソナ事件を解決しに行ってたんだって」

千枝「その時からちょっとずつ教祖様がメディアに取り上げられようになったの」

直斗「でも僕達はマヨナカテレビでしかペルソナは出せない…」

千枝「なんでも大学の時の時にペルソナが現実に出せるようになったんだって」

直斗「…!」

直斗「そ、そんな事」



千枝「そうじゃなかったらここまで教祖様が支持されると思う?」

~町~

直斗「…」

直斗「…なるほど先輩が支持される理由が分かった」

直斗「先輩の力は本当だ…ペルソナ能力を具現化できれば超人とも言える能力」

直斗「どこかのインチキ霊能力団体じゃないことはたしか…」

直斗「他の人も確認してみるか…」

~テレビ局~
結美「~♪~♪」

直斗「失礼します」

結美「ん?」

直斗「女優の小沢さんですよね、お話が聞きたいのですが」

結美「ん?何あんた」

直斗「警察の白鐘直斗と申します。結美さん僕も八神高校のOBです」

結美「ああ、教祖様と良くいた後輩の…」

直斗「少し先輩について聞きたいことがありまして」

結美「ん?何?」

直斗「ええ…まあ上からの命令なんで協力してください」

結美「教祖様の後輩だもんね、まあいいけど」

直斗「それで…先輩と最近お会いしたのはいつでしょうか?」

結美「私が最近の教祖さまをみたいのは先週よ」

結美「みんないつも通り集会にいたわ」

直斗「なるほど。それでは卒業してお会いしたのはどんな頃でした?」
結美「私と教祖様がお会いしたのは東京よ」

結美「私もその時東京の大学いってね、偶然駅のホームで再会したの」

直斗「そこで何か変わった事はありませんでしたか…?」

結美「変わった事…あ、サークルに入ったって言っていたわ」

直斗「サークル…?」

結美「オカルトサークル…そんな感じののサークル」

結美「教祖様、わりと怖い物とか好きなんじゃないの?」

直斗「詳しくどんな活動していたんですか?」

結美「そこまで知らないわ。でも大体大学二年生の頃みたい」

直斗「……そうですか、教団ではどんなことをしました?」

結美「まあそんなにほかの信者達と違わないけど…」

結美「そういえば教祖様に有名な俳優さんとか脚本家とかスポンサーの社長さんとか紹介してあげたな」

直斗「スポンサー…?」

結美「私こう見えてもCMもしているし結構お金持ちと仲がいいの、桐条グループとかも」

直斗「それで…どういうお話を……」

結美「えっと…詳しいことは分からないかないけど教祖様のお話を聞きたいとか、寄付したいとかそういうお話」

直斗「寄付…」

結美「教祖様の是非役に立てたいんだ、さすが教祖様!人望が違うわ」

直斗「…」

結美「あ!こんな時間、もういいかな?」

直斗「ええ…ありがとうございました」

直斗「桐条…調べてみるか…」



直斗「海老原さん、お話が聞きたいのですが」

海老原「ん?誰あんた?」

直斗「白鐘直斗です。鳴上先輩の後輩です」

海老原「ああ…教祖様の」

直斗「ちょっと先輩の事を調べていまして…協力してもらえませんか?」

海老原「いいわよ、丁度教祖様から協力を連絡依頼来たから」

直斗「えっ…?」

直斗(僕が調べている事がばれている…そんな…)

海老原「それで何?」

直斗「あっ…えっと」

直斗「海老原さんが高校卒業後に先輩にお会いしたのは何時ですか?」

海老原「大学2年生かな?私も高校卒業して東京の大学に進学したんだけど、教祖様二年ぐらい行方が分からなくて…」

海老原「それで再会したのが、社長同士のパーティーに出席した時なのよ」

直斗「パーティー?」

海老原「そう、結構有名所の企業が出席していて、桐条グループも居たのよ」

直斗「桐条…」

海老原「そこの若い女社長が教祖様のこと有名な社長に紹介していてね」

海老原「なんでも出資のお願いみたいだったわ」

直斗「出資…?」

海老原「その時声をかけてもらって私も入信したの」

直斗「な、なるほど」

海老原「こんな所かなーもういい?」

直斗「はい、ありがとうございます」


直斗(先輩は桐条と交流して何をしたんだ?)

直斗「それを確かめないと…」


直斗(近くに松永さんが就職した楽器販売の会社があるみたいだ)

直斗「ちょっと聞いてみるか」


~応接室~


直斗「松永さん」

松永「白鐘さん…」

直斗「お久しぶりです。ちょっとお話よろしいでしょうか?」

松永「ええ…はい、教祖様から協力するよう言われています」


直斗(ここもか)

直斗「先輩が卒業した後、お会いしたことはありますか?」

松永「教祖様ですね…はい、あります」

直斗「どのような様子でした?」

松永「私が再びお会いしたのは私が東京の音大に進学が決まって上京してきたときでした」

松永「先輩はその頃大学のオカルトサークルで心霊研究をしていると話していました」

松永「なんでも最近幽霊騒動があった高校を調べていたそうです」

直斗「その高校は…?」

松永「月光館学園…だそうです」

直斗(月光館…)





~ファミレス~

直斗「…」カタカタ

直斗「…」カタカタ

直斗「…」カタカタ

直斗「!?」

直斗「桐条グループの当主桐条美鶴は月光館学園出身?…これが先輩と桐条グループの関係?」



直斗「…どういうことだ?」


直斗「!?」

直斗「あれは…マーガレットさん?」

直斗(先輩が言っていたベルベットルームの住人、力を司る者…何故この現実世界に?)

直斗「すみません」

マーガレット「…」

直斗「マーガレットさん、お久しぶりです」

マーガレット「あら…彼の…」

直斗「少しお話したい事があるんですがよろしいですか」

マーガレット「ええ…」

直斗「先輩が街に去った後の事を知っていますか」

マーガレット「彼があの街を去った後…ですか?」

直斗「はい…」

マーガレット「一度だけお会いしました」

マーガレット「そのあの方は誰かと会ったとお話しました」

直斗「その人は誰ですか?」

マーガレット「分かりませんただ…」

マーガレット「ペルソナ使い…だと聞きました」



~教団内~
千枝「はぁっ…はっ…」

鳴上「……」

鳴上「大丈夫か?千枝?」

千枝「う、うん、少し寝る」

鳴上「ああ…」




マリー「まーた、他の子と寝たんだね」

鳴上「マリー、どうしてここに?」

マリー「明日、ロケだから寄りに来た」

マリー「また寝たの?ばか、きらい、おんなたらし」

鳴上「俺には子供が必要だ、そうしないと生きられない…説明しただろ?」

マリー「うん、君が死ぬなんて認めないよ」

マリー「だから君の子が丈夫に育つように、祈るよ」

鳴上「ありがとう、マリー」



直斗「こうなったら直接たずねるしか無い」

直斗「駄目元でアポを取ろう」

アポを取ったら丁度キャンセルが出たので先輩と面会できる機会が得られた。

~教団内~

鳴上「久しぶりだな、」

直斗「はい、お久しぶりです先輩」

直斗「随分、大きな施設ですね」

鳴上「そんなことは無い、せいぜい2000坪だ。」

直斗(でかい、しかもこの都会の一等地に)

直斗(資金源が不明すぎる)

鳴上「それで今日は何のように来たんだ?」

直斗「今日は僕の立場はひとまず置いて、単純な好奇心で来ました」

直斗「【教団鳴上】とはどのような物かと」

鳴上「なるほど、そうか興味を持ってくれて嬉しいよ、直斗」

直斗「えっと…まず何故先輩は教団を?」

鳴上「俺は立てるつもりは無かった、ただ俺の教えを受けたいという人達が大勢居てその人達が住めるような設備を備えただけだ。」

直斗「それでは教団の理念は?」

鳴上「絆による世界平和さ、全ての人間男女子供老人善人悪人…この世の人間全てにコミュニティを築く事の大切さを教えている」

直斗「……寄付を強要するようなことは?」

鳴上「無いな、俺達は有力な地主や政治家から寄付を貰って贅沢しなければ決して生活に困らない、それに桐条グループにもな」

直斗「…」
直斗「…先輩正直に言いますがこの団体は胡散臭いです」

鳴上「……」

直斗「老若男女この団体に信仰し、ほとんど悪い噂も聞かず、短期間でこれほどの影響力がある」

直斗「そして、なにより先輩が……惹かれます」

鳴上「そうか…」

直斗「失礼します」


鳴上「また来いよ…」

直斗「…!」

直斗(不覚…)

直斗(嬉しい、と思ってしまった……)

~廊下~

完二「直斗!」

直斗「巽君、君も…居たんだ」

完二「何しに来たんだよ」

直斗「……仕事だよ、公安の」

完二「教祖は何もしてねぇよ、ただ俺らを導いてくれてんだよ」

直斗「そう、みたいだね」

直斗「それが怖いんだよ」

~夜~

鳴上「ふぅ…」

クマ「お疲れ様クマ、教祖様」

鳴上「ああ、お疲れクマ」

鳴上「直斗はどうだい?」

クマ「嘘はついてないクマ、直チャンの言うとおり公安から指示クマ」

鳴上「そうか、俺の目標の為にもここでしくじる訳にはいかないから」


りせ「教祖様」

鳴上「りせ、来ていたのか、生中継だったろ」

りせ「撮影終わってすぐ来ました!」

りせ「だって今日教祖さまの直々コミュニティの時間じゃないですか」///

鳴上「そうだな、じゃあ行こうか」

りせ「はい」

僕はもう一度公安の資料を見た。



宗教団体【鳴上】
・コミュニティ

共同体を意味するこの言葉。
この教団鳴上においては少し意味が違って来る。
教祖直々が信者と一対一で話し合い、自らの心の壁を取り除き、他者との絆を最大限高める儀式で、教団鳴上において最も尊い儀式とされる。

が、問題はこのコミュニティはする上で相手が女性の場合。全裸で行いそのまま教祖「鳴上悠」と性行為に及ぶと言う。


…にわかには信じがたいこ事が行われているという噂である。もちろん報じているのは三流ゴシップ誌やネット噂だが、ありえない話ではない。

直斗「だって先輩だもん」

直斗「先輩がベッドで優しく話しかけてくれたら、皆…体を許してしまうかも知れない」

直斗「少なくても僕は…」

~翌日~

陽介「A県でも信者の数が一万人越えました」

完二「教祖、衆議院議員のA氏から応援依頼の連絡が来ました」

鳴上「そうか、この国を救うことが日々現実の物となっているな」

クマ「そうクマ、この国には教祖の力が必要クマ」

一条「教祖様、お約束の考案の白鐘直斗様が参られました」

鳴上「うん、今行く」


鳴上「また来たな」

直斗「ええ…直接聴きに来ました」

鳴上「なんだ…?」


直斗「先輩…あなたが何故こんな宗教を立ち上げたか」

直斗「僕なりの推測ですが、あなたはとてつもない大きな事をやろうとしている」

鳴上「…」

直斗「それこそ…神の領域まで」

直斗「先輩あなたは何をしたいんですか?」

鳴上「そろそろネタバレしてやるか…」

鳴上「俺は大学生までは普通に生活していたよ」

鳴上「だがあるサークルに入った」

鳴上「ペルソナと呼ばれるサークルだ」

直斗「ペルソナ?」

鳴上「オカルトサークル扱いされていたが、俺は一瞬で分かったよここが本物だって」

鳴上「そしてペルソナ使いが俺達の他にも存在し、同時に人類の危機も起こった事もあるとそのサークルで知った」

鳴上「サークル内で俺は月光館学園を調べていて、そこには幽霊騒動が起こっていた」

鳴上「俺はそこに潜入した」


鳴上「そして昔ペルソナ使いだった幽霊に出会った」


直斗「幽霊…?」

鳴上「その幽霊は俺に警告とも忠告とも取れる言葉を残した」


鳴上「俺はその時彼から教わった」

鳴上「近いうちにまた人は死ぬ事になる」

鳴上「その前に多くのコミュニティを作れと」

鳴上「そして子孫を残せ」



鳴上「俺は思う。もしあのような事件が起こるなら常に対応できる組織が必要だと」

鳴上「その時まで俺達の子孫を多く残して行いといけないんだ」

鳴上「だからこの宗教を立ち上げて、仲間と子孫を増やして、死から克服する」

直斗「それが宗教法人鳴上」

鳴上「ああ…みんなが力をあわせれば必ず死に立ち向かうことができる」

鳴上「俺はその出来事以来仲間を増やし、コミュニティを増やして拡大した」

鳴上「幸いスポンサーの桐条グループは月光館学園の事件以来俺の事を注視してくれて、簡単にスポンサーになってくれて…それから今の団体がある」


直斗「…」

鳴上「直斗、ちょっと見せたい物がある」

直斗「え?」

先輩はそういうと奥の部屋の扉を開けて、僕を入れてくれた。

直斗「ここは…?」


「きょうそさまー」

「こんにちわー」

大きな部屋には数十人の子供と数人の大人が居た。

鳴上「俺の子供だ」

直斗「え?」

鳴上「雪子、千枝、りせ、マリー、あい、結実、綾音…に産ました」

直斗「え?」

鳴上「りせは一時休業しただろ」

直斗「あっ…」

鳴上「それ以外にも数十人と築いた俺の結晶だ」
鳴上「俺はこの子達を将来、世界の危機に直面したら対応できるようにしたい」

鳴上「世界は俺たちで救うんだ」

鳴上「直斗…」

直斗「…」

鳴上「お前も協力してくれないか?」

直斗「…」

直斗「はい…僕にできることならなんでも…」

鳴上「なら一つ頼んでいいか?」
直斗「はい」

鳴上「子孫を残してくれ」

直斗「え?」

鳴上「信者の女性になるべく頼んでいるんだから。俺の子孫を残して欲しい」

直斗「えっ…そんな…」

鳴上「これは必要なことなんだ、ペルソナの強化維持するためには多くのコミュニティを築く事が重要なんだ。」

鳴上「特に俺は多くのコミュニティを築く事でより強大なペルソナ能力が使えるんだ」

鳴上「そしてコミュニティは肉親や恋人に多く現れる」


鳴上「その研究は桐条グループとの共同研究で判明している」


鳴上「だから俺は多くの子孫を残したい」

直斗「でもそんな大勢の人と…」

鳴上「直斗…これはみんなが生き残る手段はこれしかないんだ」

鳴上「それとも俺が嫌か?」

直斗「そ、そんな…事無いです!先輩を拒否するなんてありえません」

鳴上「なら頼む…協力してくれ!」

直斗「はい!」

直斗「先輩の為…教祖様のためなら何でも…」

鳴上「ああ、じゃあ頼む」

直斗「はい…」

~1時間後~

直斗「はぁ…はぁっ…」

鳴上「ふふ、これで直斗も信者になった」

鳴上「俺はこれからも人々と絆を深めていく」

鳴上「全ての人類は繋がり、死は超えられる」

鳴上「そうだろキタロー」






おわり

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