仮面ライダーブレイド外伝 復活のK (34)

2005年 1月、人類の命運をかけた戦いは終わりを迎えようとしていた......


仮面ライダーブレイド=剣崎 一真とジョーカーアンデッド=相川 始は山中で死闘を繰り広げていた。
激戦の末にお互いの身体はボロボロに。そして遂に剣崎はキングフォームの影響からジョーカーになってしまった。


始「剣崎......」

剣崎「来るな! 俺とお前は......アンデッドだ......俺たちはどちらかを封印しない限り、バトルファイトは決着せず滅びの日は来ない」

剣崎「だから......俺達は戦ってはいけない。近くにいては......いけない」

始「......いくら離れたところで......統制者は俺達に戦いを求める。本能に従い戦う......それが......アンデッドの運命だ」

剣崎「俺は運命と戦う。そして勝ってみせる」

始「それが、お前の答えか」

剣崎「お前は人間達の中で生き続けろ」

始「どこへいく......?」

剣崎「俺達は二度と会うことはない、ふれあうこともない、それでいいんだ」

始「剣崎......」

始「剣崎!」


立ち去る剣崎。
その後を追う始だが追い付くことは出来ない。
やがて木々を抜けると崖に辿り着いた。
そこに橘 朔也と上城 睦月も駆け付け、立ち尽くす3人。


橘「けんざきぃぃぃぃ!!」


その叫び声は水平線がくっきりと見られる綺麗な海と雲一つない青空、飛び立つカモメの群れが織り成す空間に響き渡った。

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12年後......とある草原


ヨウ「ここがブレイドの世界か......フェローチェ、ジョーカーを倒してつれてこい」


その命令を聞いたフェローチェは高速で飛び立った。


ヨウ「バトルファイトの勝者には万能の力が手に入る......か......リーリエ......」


その左手には一冊の本と一枚のカードが握られている。

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物静かな場所に位置する喫茶店 ハカランダ。
ジョーカーこと始は現在もここに住んでおり従業員として働く一方で真崎 剣一という名前でカメラマンとしても活動している。
店員として接客に当たっているときに何物かがこちらに近づいてきていることに気付いた。


始(なんだ? アンデッドではないようだが......)

始「逃げろ!」

遥香「なに?」

始「遥香さん、今すぐ店内の人々の避難を!」

遥香「わ......わかったわ。さあ皆さん! 非常口はあちらです!」


5人ほどの客は一目散に逃げ出していく。
それを確認した遥香もその後を追い、店内には始が一人残り敵の襲来を待ち構えた。


始「どこからでも来い!」


突如窓ガラスが一斉に割れる。そしてそこから現れたのは白い身体をもった異形の"なにか"だった。
その姿はかつて自分自身や地球全体を苦しめたダークローチを彷彿とさせる。

始「目的は何だ?」


問いかける始だがフェローチェは何も答えない。
するとフェローチェはいきなり高速で辺りを駆け巡り始めた。そのあまりの速さに目が追い付かない始。

そこにフェローチェの飛び膝蹴りが放たれた。
始はこの攻撃を顎に喰らい倒れてしまう。なんとか立ち上がるもそこからは緑色の血が滴り落ちていた。


始「速い......!」


ハートのカテゴリー2、スピリット以外のラウズカードを持たない今の始に勝ち目は薄い。
そこにフェローチェの虫のさざめきが鳴り響く。


始「ぐおっ!」

始「はあ......はあ......」


衝撃で壁に飛ばされ、もたれ掛かっている始に対してフェローチェが一歩ずつ距離を積めていく。
今の始が得たいの知れない化け物に勝つにはもはや本来の力、即ちジョーカーの力を解き放つしか残されていない。
けれども"人間たちのなかで生き続けろ"という剣崎の言葉から、踏み込むことが出来なかった。


フェローチェ「!?」


フェローチェの背中を弾丸が襲いかかる。
極めて耐久力のないフェローチェはそれを受け地に膝をつけた。


ギャレン「始、カードを受けとれ!」


レッドランバスに跨がる赤いライダーは始にハートのカテゴリーAを投げつけた。
それを手にした始は腰にカリスラウザーを出現させる。

始「変身」


CHANGE


掛け声と共にカードをスリットに通らせ変身が完了。
醒弓カリスアローを出現させるとフェローチェ目掛けて走り出した。

銃撃を受けたフェローチェに更に斬撃が迫り来る。
フェローチェは何度かはかわすがその素早さは失われており、次第に追い詰められていく。


ギャレン「残りのカードだ」


カリスの元に辿り着いたギャレンが残る11枚のラウズカードを渡した。
カリスはそれを左腰に仕舞うとカテゴリー3,6を取り出す。
更にはカリスアローにカリスラウザーを取り付け、先程手にした2枚を読み込んだ。


CHOP

TOLNADO


SPINNING WAVE


読み込みが完了するとカリスの右手が風に覆われた。
その手刀はフェローチェの頭に降り下ろさせれ、肉を断ち、骨を砕き、その細い身体を破壊し尽くす。


SPRITE


始の姿に変身したカリス。
眼前には赤い鮮血に包まれた肉片が散らばっている。


始「橘、何が起きているのか説明しろ」

橘「俺も詳しくは解らん。確かなことは謎の化け物が現れたということだ。未確認生物の情報が来てみたらこの様だ」

始「それがさっきの奴か。駆除を手伝ってやろう」

橘「すまない」

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とある草原には二人の男が対峙していた。
そのうち一人はタブレットの様なものを確認しつつ顔をしかめている。


ヨウ「ちっ......フェローチェの反応が消えやがった。殺されたか」

ヨウ「だがもう一体のジョーカーを封印すればどっちみち同じことだ。そうだろ?」

剣崎「目的は何だ?」

ヨウ「お前を封印する」

剣崎「封印だと? 俺を封印したらこの世界は今度こそ滅びる!」

ヨウ「安心しな? 俺がその世界を救ってやるからよ!」

ヨウ「行け!」


ヨウがウルトラボールを五個投げつけるとそこからはウツロイド、カミツルギ、マッシブーン、テッカグヤ、デンジュモクが出現した。


ヨウ「お前たち、奴の動きを止めろ!」

剣崎「ウェ!?」


五体は畳み掛けるように剣崎に攻撃を仕掛けていく。
アンデッドであるため死ぬことはないがかなりの苦痛である。
だが歴戦の戦士がその程度でくたばることはなかった。


剣崎「ウェーーイ!」


オールオーバーのような剣を召喚するとそれを振り回してUBを凪ぎ払う。


ヨウ「流石は元仮面ライダー。だけど俺には切り札がある!」

剣崎「ウェーイ!!」


オールオーバーの上段からの降り下ろしはテッカグヤを真っ二つに切り裂いた。
しかし一体倒したのも束の間、剣崎はデンジュモクのコードのようなものに囚われてしまう。

ヨウ「よくやったデンジュモク。剣崎 一真、これが俺の切り札だ。どこかで見覚えはないか?」

剣崎「そのカードは!」


動けない剣崎にそのカードを近づけるヨウ。
それが触れた瞬間剣崎の身体は消え去り、後にはジョーカーのカードのみが残った。


ヨウ「人類を滅亡させるわけにはいかないな」

ヨウ「変身」


左腕のカードリーダーにカードを入れるとその身体は異形のものへと姿を変えた。
更に胸部にはヨウの顔が浮かび上がる。


ヨウ「さてと、もう一体のジョーカーを封印しにいくか」


残る四体のUBをボールに戻すと彼は目的地へ飛び立った。

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橘の研究所


橘の研究所に連れてこられた始。
そこには橘に召集された、かつて仮面ライダーとして人々の為に戦った上条 睦月(仮面ライダーレンゲル)の姿もある。


始「!?」

橘「ど......どうした!?」

始「......いや......何でもない」

始(一瞬嫌な予感がしたような......気のせいか?)

睦月「お久しぶりです。相川さん」

始「そうだな。睦月」


睦月は現在会社に勤めるごく一般的なサラリーマンとして暮らしている。
仕事は忙しいが充実感のある毎日を過ごしているらしい。


部下「主任! 例の化け物が出たとの連絡が! 場所はここから南西20kmです!」


主任とは橘のことだ。


橘「わかった、行くぞ!」

始「......」

睦月「はい!」


3人はその場を立ち去る。


部下女A「やっぱり主任イケメン......」

部下女B「私は相川って人がミステリアスで好きになりそう!」

部下女C「睦月君かわゆすな!」

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それぞれのバイクに跨がり目的地に急行している。


睦月「ほんとに懐かしいですよね。仮面ライダーとして戦うなんて」

始「そうだな。これであいつがいれば......」

橘「剣崎......あいつ今はどこで何をしているんだろうな」


会話に花を咲かせていると一行は例の場所に到着した。
そこには三人に見覚えのある化け物の姿があった。
化け物は宛もなくビル郡を肩からの火炎弾で破壊していく。


ヨウ「なんという力だ! 素晴らしい!」

始「あれは天王寺のケルベロスか......?」

睦月「どうしてケルベロスが......」

始「そういえばケルベロスのカードはダイヤ除いたカテゴリーKが封印されてから行方不明になっていたな......」

ケルベロスⅡ(ヨウ)「奇遇だな仮面ライダー! 会いたかったぜ! 今日の俺はついている!」

橘「何故こんなことをする!」

ケルベロスⅡ「お前たちに用があるんだよ。正確にはジョーカーに、だけどな」

始「俺に?」

ケルベロスⅡ「貴様を封印して俺がバトルファイトの勝者になるんだ!」

睦月「そんな!」

橘「万能の力とやらに目が眩んだか」

ケルベロスⅡ「この本が俺に教えてくれたのさ」


どこからともなく一冊の本を取り出した。
それを見て驚く3人。

始「白井の書いた本、"仮面ライダーという名の仮面"か......」


それは白井 虎太郎の書いた当時の大ヒット小説であった。
一年間に及ぶ剣崎達の激闘を書き綴ったもので、現在でも度々話題に上がる程の作品だ。


始「剣崎の守ったこの世界を壊させはしない!」

始、橘、睦月「「「変身!」」」

CHANGE

TURN UP

OPEN UP


ケルベロスⅡ「行け、やつらを蹴散らせ!」


投げられたボールからUBが飛び出した。


カリス「俺は貴様をぶっ殺す!」

ギャレン「人をおちょくっているとぶっ飛ばすぞ」

レンゲル「俺は仮面ライダーだ!」

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レンゲルVSマッシブーン


醒杖レンゲルラウザーを構えるレンゲル。
マッシブーンも独特の構えで牽制している。


レンゲル「行くぞ!」


大振りに槍を振り回すレンゲル。マッシブーンはそれをかわそうとせず身体で受け止めた。
マッシブーンの尖った口が襲いかかる。


SMOG  


クラブのカテゴリー9の効果は煙幕。それを用いて隙を作り出す。


マッシブーン「?」


BITE

BLIZZARD


煙幕に隠れて背後に回ったレンゲルは2枚のカードをラウズ。


BLIZZARD CRASH


槍から手を離し飛び上がると足から冷気を放ち凍らせ、マッシブーンの身体を挟み蹴りで砕いた。

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カリスVSデンジュモク


デンジュモクの放電をかわしつつ接近したカリスはカリスアローで切り裂いていく。
カリスラウザーを弓に装着するとカードを読み込ませた。


DRILL

TOLNADO

FLOAT


SPINNING DANCE


渦巻きがカリスを包みながら高速で回転し、空中に浮遊する。
デンジュモクは放電を繰り出すがそれをかわしつつドリルキックが命中し、身体を貫通した。
が、一息つく間もなく次の敵、カミツルギが近づいてくる。


カリス「雑魚の癖に数ばかり多くて厄介だ」

EVOLUTION


カリスラウザーをベルトに戻しハートのカテゴリーKを使うとカリスは13枚すべてのハートスートと融合を果たし、ワイルドカリスへと変貌を遂げた。
新たな武器ワイルドスラッシャーを手に持ち、斬り合う。


カミツルギ「!!」

Wカリス「なかなかのパワーだ」


鎌を振り上げてカミツルギの小さい身体を吹き飛ばすと、それを折り曲げてカリスアローに装着。
そしてあるカードを精製した。


WILD


カリス最強の技、ワイルドサイクロンはカミツルギを木っ端微塵に消し去った。

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ギャレンVSウツロイド


ギャレンラウザーの弾丸とパワージェムが激しくぶつかる。
両者引くに引けない攻防だ。


ギャレン「こうなったらジャックフォームで......」


パワージェムをかわしつつギャレンは左腕のラウズアブゾーバーを操作した。


ABSORB QUEEN

FUSION JACK


ギャレンジャックフォームは空中へ舞い上がり銃撃を浴びせる。


ウツロイド「♪」

Jギャレン「効いていない?」


パワージェムの連射を持ち前の機動力を活かしてかわしていくも有効打に繋げることができない。
そんななか一発が命中し、墜落してしまった。


ギャレン「はあ......はあ......」

ウツロイド「!!」


発射されたヘドロ爆弾。ギャレンにもはや打つ手はないと思われたが......


GEMINI


分身を駆使してなんとかかわすことに成功した。
そしてカードを二枚ラウズ。


DROP

FIRE

BURNING SMASH


ギャレンは炎を纏ったドロップキックをウツロイドに放った。
相性が不利なため身体を破壊することこそ失敗したが、命を奪うのには充分な威力を誇る。

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ケルベロスⅡ「まさか俺のしもべたちがこうもあっさりと!」

ギャレン「本当の戦いはこれからだ」

Wカリス「ここからは一筋縄でいかんな」

ケルベロスⅡ「こうなったら奥の手を見せてやる!」


どこからともなく漆黒のカードを取りだし、見せつけるケルベロスⅡ。


Wカリス「そのカードは......」

レンゲル「まさか剣崎さん......」

ケルベロスⅡ「ここからが本番だ!」


ケルベロスⅡは左腕にそのカードを差し込んだ。


ギャレン「あっ!」

ケルベロスⅡ「うおぉっ......ああああ......!」

レンゲル「苦しんでいる?」

Wカリス「当然だ。ただの人間がケルベロスとジョーカーを取り込めるわけがない」

ケルベロスⅡ「うおおぉぉぉ......!」

ケルベロスⅡ「ああああ!!」


絶叫のさなかケルベロスⅡはその姿を消した。

ギャレン「睦月、後ろ!」

レンゲル「へっ?」


長い爪は簡単にレンゲルを吹き飛ばす。


ケルベロスⅡ改「これがジョーカーの力! 素晴らしい!」

Wカリス「なんて速さだ......」


ギャレンは銃を乱射するも圧倒的な素早さの前に太刀打ち出来ない。


ギャレン「何だと......」

ケルベロスⅡ改「喰らえ!」


放たれた怪光線は辺り一面を焼き払う。
その威力は凄まじく、周囲の建物は粉々になった。


BULLET

FIRE


負けじと二枚のコンボを放つギャレン。
それはケルベロスⅡの左腕を掠めるもほとんど効いていないようにみえた。


ケルベロスⅡ改「貴様ら雑魚がいくら足掻いても勝てるわけがなかろう! 俺が万能の力を得るんだ!」

ギャレン「......万能の力......13年前の惨劇を知りながら、それでも叶えたい願いなんてものがあるのか!?」

ケルベロスⅡ「当たり前じゃん......俺はリーリエに会いたいんだよ!」

Wカリス「ふざけるな!」

ケルベロスⅡ改「13年前のこととか知らないよ。俺は別の世界からバトルファイトの話を聞き付けてやって来たんだぜ!」

レンゲル「別の世界から?」

ギャレン「......確かにさっきの奇妙な生物を見れば納得せざる終えないか......」

ケルベロスⅡ改「ジョーカー! さっさと封印させろよな!」

Wカリス「剣崎に救われたこの命を無駄にするわけにはいかない!」  

ギャレン「お前だけは俺達の手で倒す!」


ラウズアブゾーバーを展開するギャレン。中にはダイヤのJ、Q、Kが収納されている。

ABSORB QUIN


ギャレン(果たして俺はなれるのか......?)

レンゲル「まさか橘さん......!」

Wカリス「キングフォームを使うつもりか?」

ギャレン「あぁそうだ......」

ケルベロスⅡ改「どうした? 何かを企んでいるようだったから待っていたが、ハッタリだったのか?」

「それなら飽きたしお前らを消し去ってやるぜ!」


極太の禍々しいビームが襲い掛かる。直撃すればまず助からないだろうと思われたとき金色の光が彼等を守りきった。


EVOLUTION KING


ギャレン「俺はなってみせる! キングフォームに!」


光が途絶えるとそこには重醒銃 キングラウザーを携え、ギラファアンデッドとの融合を遂げたギャレンが立っていた。

Wカリス「橘......」

レンゲル「橘さん!」

Kギャレン「待たせたな......」

ケルベロスⅡ改「ほう......少しは楽しめそうだな!」

Kギャレン「いいか......奴には正面からやりあっても勝てる見込みは薄い......だから狙うべき位置は......」

レンゲル「はい!」

Wカリス「ふん......」

ケルベロスⅡ改「作戦会議か? そんなことさせるか!」

 
キングラウザーから爆音と共に放たれた光弾は避ける隙を与えずケルベロスⅡ改を吹き飛ばす。


ケルベロスⅡ改「なに!?」


追い討ちをかけるようにWカリスはワイルドスラッシャーを両手に、斬り込む。
ケルベロスⅡ改も爪で応戦し、互角の戦いが繰り広げられた。


Wカリス「うっ......」

ケルベロスⅡ改「貰った!」


Wカリスの腕を弾き鎌を落とさせ、そのまま左爪先を胸に突き刺した。
Wカリスは緑色の血を傷口から吹き出すも、それに耐え左腕を掴む。


Wカリス「今だ、睦月」

RUSH

BLIZZARD

POISON


BLIZZARD VENOM


レンゲルは三枚コンボを発動するとレンゲルラウザーにありったけの力を込めて左腕を貫いた。

ケルベロスⅡ改「いてえぇぇぇぇぇ!!」

Wカリス「せめて剣崎のカードだけでも返してもらう」


ケルベロスのカードは強く結びつけられているため取ることはできなかったが、ジョーカーの封印されたカードを回収することに成功。


ケルベロスⅡ改「ちくしょう......力が失われていく......」

Wカリス「はあ......ごふっ!」


ケルベロスⅡ改に傷口を更に抉られ、血を飛沫のように上げながら倒れたWカリス。


Kギャレン「始!」


五枚のラウズカードをキングラウザーに入れていくKギャレン。


DAIA TEN

DAIA JACK


レンゲル「よくも相川さんを!」


レンゲルは槍を振り回してケルベロスⅡに飛びかかる。


ケルベロスⅡ改「次は貴様だ!」


しかし肩からの火炎弾を受けレンゲルは飛ばされてしまい、変身解除にまで陥ってしまった。 


睦月「そ......んな......」

ケルベロスⅡ改「弱体化したとは言え貴様らに遅れを取ることはない!」

DAIA QUIN

Kギャレン「睦月!」


DAIA KING

DAIA ACE


Royal Straight Flush


Kギャレンの前に現れた五枚のカード型のエフェクト。
キングラウザーから発射された光線はそれらを通過するごとに威力やスピードを増していき、一直線にケルベロスⅡ改に襲いかかる!


ケルベロスⅡ改「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


ケルベロスⅡ改を中心として発生した爆発は辺りを飲み込んでいった。


睦月「うっ......」

始「あっ......」

Kギャレン「くっ......」


煙が徐々に止んでいく。
ギャレンはキングフォームの反動に身体が耐えきれず、解除されてしまう。


ギャレン「剣崎はこれ以上の苦しみに耐えながら戦い抜いたのか......」

ケルベロスⅡ改「はあ......はあ......」

ギャレン「しぶとい奴だ......」

ケルベロスⅡ改「俺は負けない......負けるものか! これで俺の勝ちだな!」

ギャレン「万事休すか......」

始「橘......剣崎のカードを受け取れ。それをどう使うかはお前次第だ」


投げつけられたカードを掴むギャレン。


ケルベロスⅡ改「もう諦めろ!」

ギャレン「......」



剣崎『やっぱり一流だよな、橘さんは』

剣崎『例えカードが一枚もなくても、お前を封印できるはずだ! 俺に仮面ライダーの資格があるのなら!』

剣崎『戦えない大勢の人たちの代わりに俺が戦う!』

剣崎『俺は運命と戦う、そして勝ってみせる』



ギャレン「剣崎......俺に力を貸してくれ!」

ABSORB QUIN

JOKER


ラウズアブゾーバーに剣崎のカードをラウズしたギャレン。
その姿はジョーカーと仮面ライダーが融合したかのように思われるものだ。
醒剣 ブレイラウザーを召喚するとケルベロスⅡ改に斬りかかる。


ケルベロスⅡ改「まだやるつもりか! 最後まで付き合ってやる!」

ブレイドギャレン「貴様だけは......貴様だけは俺の手で倒す!!」


上昇した融合係数を力に変えてケルベロスⅡの反撃を恐れずに何度も切り裂いた。
また、ギャレンラウザーの零距離射撃も使用して的確にダメージを与える。


ケルベロスⅡ「まさか......これほどの......パワーが......」

ブレイドギャレン「俺はすべてを失った......信じるべき正義も、組織も、愛するものも......なにもかも......だから最後に残ったものだけは失いたくない......信じられる......仲間だけは!」

KICK

THUNDER

MACH


LIGHTNING SONIC


ブレイドギャレンはブレイラウザーを地面に突き立てると助走をつけて空中へ高く跳び、雷を纏う。


ブレイドギャレン「剣崎!!!」


渾身のライダーキックはケルベロスⅡ改を貫き、その強大な力を無に帰した。


ケルベロスⅡ改「あっ......がっ......」




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ギャレン「睦月、リモートを渡せ」

睦月「あっはい」


クラブのカテゴリー10の効果で剣崎は解放された。


剣崎「ここは......」

橘「剣崎......」

剣崎「た......橘さん! ご無沙汰してます!」

睦月「剣崎さん......」

剣崎「睦月、元気にしてたか?」

睦月「はい! お陰様で」

剣崎「ってことは近くに始もいるんですか?」


いつの間にか始は姿を消していた。
剣崎と再会し、闘争本能が掻き立てられるのを防ぐためだ。


橘「......あぁ」

剣崎「すみません橘さん。俺もう行きますね」

橘「そんな......」

睦月「折角再会できたのに......」

剣崎「確かに俺も皆とまた会えて嬉しい。だけどその分別れが辛くなりますから......」

橘「......」

そこに空から現れたのは黒い石板だった。
それは倒れていたケルベロスⅡ改を封印すると剣崎に戦いを促してきたのだった。


剣崎「あっ......がっ......」

橘「大丈夫か? 剣崎」


後ろを振り返りその場から離れようとする剣崎。
気がつくとモノリスは既に消えていた。
そこに橘が語りかけた。


橘「俺も運命と戦う。そして勝ってみせる」

睦月「俺もです。誰でも運命と戦うことは出来るはずです......違いますか?」

剣崎「二人とも元気で」

剣崎「始、お前もな!」


剣崎は顔を見せずに三人に別れを告げた。


始「剣崎......」

始「俺は......人間たちのなかで生き続ける......」


END

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