【4月10日】
つい先日、誕生日を迎えたらしいこのわしを、職場の部下たちが盛大に祝ってくれることになった。
正直、いつが誕生日だったのか、さっぱり覚えていないのだが……。
「部長、何かご希望はありますか?」
わしは即答した。「世界の絶景スポットでホモセックスがしたい」と。
その日のうちにわしは派出所メンバーとともに中川の飛行機に乗せられ、夜には北極の地に降り立った。
七色に光り輝くオーロラの下で、わしは両津と凍えたカラダを温めあった。じつに神秘的な光景だ。
行為中、何度もシロクマたちの視線を感じた。
見られている……そう思うとわしは自然と鼻息が荒くなった。いつもよりもいっぱい出た。
アナルから漏れてきた精子がたちまち凍り付いて、つららになった。すまん両津。
【4月11日】
中川の財力をもって、今日はハワイのワイキキビーチを貸し切った。
いつも人々で賑わうこの砂浜だが、今日はまるで別の場所のような静けさだ。
雄大な大海原と、風に揺れるヤシの木を尻目に、わしは戸塚を激しく突きまくった。
そういえば戸塚のイレズミを見たのはずいぶん久しぶりな気がする。
両津ばかりを可愛がっていてはいかんな……。ハワイにてわしは、上司としての心構えを新たにした。
【4月12日】
今度はナイル川の船上でわしらはホモトレインを作った。
河畔のオアシスや、そびえ立つ三大ピラミッドが船旅の途中で目に入ってきた。
しかし、目の前の行為に夢中だったわしらにはどうでもよいことだった。
その後、サハラ砂漠の真ん中でふたたびホモトレインを組んだときには、脱水症になりかけて死ぬかと思った。
だが、命を懸けたホモセックスというものはじつに気持ちが良いものだった。
【7月15日】
世界中を回り終え、わしらは日本へと戻ってきた。
じつにすばらしい誕生日プレゼントだった。
だが……3ヶ月ぶりに帰ってきた祖国、やはりここが一番だと思う。
さて、気持ちを切り替えて明日からまた勤務に励まねば!
【7月16日】
派出所に出勤すると、中川が「おめでとうございます」と声をかけてきた。
何でも、きょうはわしの誕生日だそうだ。何かがおかしい気がするが……まあいい。
「部長、何かご希望はありますか?」
わしは答えた。「日本各地の古戦場で鎧のコスプレをしてホモセックスがしたい」と。
――完――
※大原部長の誕生日は変動制です。(秋本治談)
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