【ガルパン】 三匹の用心棒 (22)

-アンツィオ高校学園艦-


アンチョビ「うー寒ぅ」

カルパッチョ「緯度の高いところを航行してますからね」

ペパロニ「早くあったかいとこに行きたいっす」

アンチョビ「艦の燃料がないからな、次に洋上補給して母港に帰るまで我慢しろ」

ペパロニ「試合も近いのに…、ん?アンチョビ姐さん、あの島って無人島だったっすよね?」

アンチョビ「どうした?」

ペパロニ「いや、なんか煙が上がってて…」

カルパッチョ「まさか遭難者がいるんじゃ…」

アンチョビ「あっ!信号弾が上がった!間違いない!遭難者がいるんだ!ペパロニ!揚陸艇の準備!
怪我人がいるかもしれないから救護班も!あとカルパッチョ!海保に連絡!」

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一方、無人島では…

アキ「ミカ!ミッコ!船だよ船!どっかの学園艦が来てるよ!」

ミッコ「本当だ!早く狼煙を上げないと!あと戦車砲から信号弾を!ミカ!手伝って!」

ミカ「いや、今はまだその時じゃない」

アキ「ブチ殺すぞ貴様ぁ!」

カルパッチョ「ドゥーチェ、遭難者を収容しました、でもこの人たちって…」

ペパロニ「確か継続高校の…」

アキ「これでようやく帰れる…」

ミッコ「よかった…」

ミカ「やあ、ようやくいい風が吹いてくれたみたいだね」

ペパロニ「さー遠慮しないでどんどん食べて。腹減ったでしょ」

ミッコ「うう…久しぶりのまともな食事だ…」

アキ「あの島に流れついてからというもの、毎日三食イセエビとかアワビとかウニとかばっかりで…」

ペパロニ「ちょっとうらやましいっす」

アンチョビ「で、人員輸送専用のウイスコ型揚陸艇に無理やりBT-42を載せて石川から
北海道まで来たまではよかったけど、帰りに難破して無人島に流されたと」

アキ「それからというもの、ずっとサバイバル生活で…」

カルパッチョ「大変でしたねえ」

アンチョビ「うーむ、ちょっと変わった人たちだとは思ってたが、まさかここまで変わり者だったとは…」

ミカ「君たちに大きな借りができたね、これはどう返したものかな」

アキ「ミカ、カッコつける前に口の周りのトマトソースを拭こうね」

カルパッチョ「いえ、そんなに気をつかわなくてもいいんですって、困った時はお互いさまですから」

ミッコ「でも命の恩人だよ、なにかお礼させてよ!」

ペパロニ「アンチョビ姐さん、だったら今度の試合の助っ人やってもらいましょうよ」

ミカ「試合?」

アンチョビ「ああ、今度聖グロと交流試合があるんだ」

ミカ「助けてもらった上に一宿一飯の恩もあるからね、できることであればなんでも協力するよ」

ペパロニ「アンチョビ姐さん、協力してもらいましょうよ、きっといい戦力になってくれますよ」

カルパッチョ「でも交流試合とはいえ公式戦ですよ?うちの生徒以外の人を参加させるのは規定に触れるんじゃ…」

ペパロニ「黙ってりゃわかりゃしないって!なんなら変装すればいいし。アンチョビ姐さん、予備のウィッグ貸してあげてください」

アンチョビ「だからこれは地毛だって何度言えばわかるんだよ!」

カルパッチョ「制服のサイズが合うのがあってよかったです」

アキ「アンツィオの制服って可愛いね」

ミカ「可愛い…、それって必要なことかな?」

ミッコ「うう…、ミニスカートにタイツって恥ずかしいよ…、ジャージ穿いてもいい?」

アキ「ダメだよ、せっかく貸してくれたんだし、それにすごく可愛いよ」

ミッコ「うう…」

ミカ「可愛い…、やっぱり必要なことだね」

アンチョビ「よーし、じゃあ汚すといけないから戦車に乗る前にパンツァージャケットに着替えてね」

ミッコ「じゃあなんでこんな格好させたの!」

アンチョビ「いや、可愛いかなって」

ペパロニ「すごく似合ってるっすよ、可愛いっす」

アキ「うん、似合ってるよね」

ミカ「可愛いよ、ミッコ」

ミッコ「うう…」

アンチョビ「アキとミッコはCV33の予備車、ミカはカルパッチョと一緒にセモヴェンテを担当してくれ」

カルパッチョ「ウチでBT-42の修理ができればよかったんですが部品がなくて…」

アキ「いえ、継続高校から迎えが来るまで収容してくれただけでもうれしいです」

ミッコ「それに、CV33は運転したことないけど、ヴィッケルスとかコムソモーレッツとかT-26とか、
豆戦車は継続でも扱ってたから大丈夫だよ」

カルパッチョ「ヴィッカーズ6t戦車やコムソモーレッツ軽装甲車はともかく、T-26ってKV-1と一緒に
行方不明になったってプラウダ高校の人が大騒ぎしてたやつじゃ…」

アンチョビ「面倒なことになりそうだから突っ込まないでおこう」

ミカ「私が車長で本当にいいのかい?」

カルパッチョ「ええ、乗員の定数が足りなくて、いままで車長と装填手を兼任していたものですから助かります」

ペパロニ「よーしお前ら!今度の試合にはこの用心棒の姐さん方3人が助っ人に来てくれることになった!
この姐さんたちはな、あたしらや大洗の角谷姐さんたちがカールと戦ってる間、護衛のパーシング3輌を向こうに
廻して3輌とも撃破するって信じられん凄腕の持ち主だ!失礼のないようにな!」

「おおっ!すげえ!」「めちゃくちゃ強いんだ!」「カッコいい!」

アキ「パーシング3輌倒したっていっても、1輌目は不意打ち、2輌目は自滅、3輌目は相討ちだったんだけど…」

カルパッチョ「それにしたって大したものですよ」

アンチョビ「助っ人も来てくれたことだし、お前ら!絶対勝つぞ!」

「おー!」

試合当日…

ダージリン「こんな格言をご存知かしら?『諸君、安心したまえ。これだけ離れていてはゾウにだって命中させられないだろう』」

オレンジペコ「ジョン・セジウィック将軍ですね、ちなみにそう言って陣地から出た途端に狙撃兵に頭をブチ抜かれて即死しました」

アッサム「なんでそんな縁起悪い格言を…」

ルクリリ「ていうかそれ格言なんですか?」

ダージリン「今日は交流試合ですが、お互いに悔いのない…、あら?あなたたちは…」

ミカ「やあ、今日はよろしく頼むよ」

オレンジペコ「あの…、この人たちって確か継続高校の…」

アンチョビ「なにを言うんだ!こいつらはウチの新入りだよ!なあペパロニ!」

ペパロニ「そうっすよ!この人たちはウチの新入りっす!」

アンチョビ「紹介しよう!この2人がカレリアパイとライ麦パン!あの背の高いのがサルミアッキだ!」

ミカ「サ…サルミアッキって…」

アンチョビ「ん?シュールストレミングのほうがよかったかな?」

カルパッチョ「ドゥーチェ、シュールストレミングはフィンランドじゃなくてスウェーデンの名物です」

アンチョビ「そうだっけ?」

ミカ「うーん、どっちもやだなあ」

・ルール 10対10のフラッグ戦

・チーム編成

アンツィオ高校        聖グロリアーナ女学院

P40 1輌(フラッグ車)  チャーチルMkⅦ 1輌(フラッグ車)

M41セモヴェンテ 3輌   マチルダⅡ MkⅢ 4輌

CV33 6輌        クルセイダーMkⅢ 5輌

『試合開始!』

アッサム「データ上では装甲において2.5倍、火力においては3.6倍のアドバンテージがありますが、
機動力については向こうが1.8倍有利です」

ダージリン「『厚い皮膚より速い脚』というわけね」

オレンジペコ「ハインツ・グデーリアンですね」

アッサム「やはり最大の脅威は修理の完了したP40ですね。主砲の34口径75mm砲は500mで
80mm、1000mで60mmの装甲貫徹力があります。チャーチルは近距離から後方や側面に回り込まれ
なければ大丈夫ですが、マチルダⅡやクルセイダーは中距離や準遠距離からでも前面装甲を抜かれかねません」

ダージリン「違うわね、一番の脅威はあの3人よ」

ミッコ「みんな行くよ!ついてきて!」

一同「へい!先生!」

ミカ「我々も行こうか」

カルパッチョ「あの…、それ、爪弾いてないとダメですか?」

ミカ「ああ、これがあると落ち着くんだ」

カルパッチョ(こっちが落ち着かないんだけど…)

アンチョビ「よし!本隊も続くぞ!アヴァンティ!」

ローズヒップ「ダージリン様!露払いはおまかせくださいですわ!」

ダージリン「ローズヒップ、自分が何を成さなければならないか、自身の役割をよく考えて行動しなさい。
安易に挑発に乗らないように」

ダージリン「相手の出方がよくわからない上にあの3人という不確定要素もあるわ、
今回は手堅い作戦でいきましょう。クルセイダー隊は斜行陣で先行、マチルダⅡは
フラッグ車を中心に菱形方陣を形成、ルクリリ、殿をお願い」

ルクリリ「了解しました」

アッサム「この山岳ステージは向こうの得意とする地形です、ここは慎重にいきましょう」

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