【まほいく安価】プク「皆と仲良くなりたいな!」【魔法少女育成計画ACES & QUEENS】 (1000)


前スレ
【まほいく安価】スノーホワイト「地下施設で20人目と」【魔法少女育成計画JOKERS】
【まほいく安価】スノーホワイト「地下施設で20人目と」【魔法少女育成計画JOKERS】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1485430905/)
の続き


・魔法少女育成計画ACES、魔法少女育成計画QUEENSが舞台
・これから原作読もうと思っている人はバリバリのネタバレ注意

・頑張って生き残ってほしいぽん


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1485788894


  魔法少女とは


魔法の国三賢人の1人アヴ・ラパチ・プク・バルタの現身であるプク・プック様

プク様は魔法少女のすべてであり、何もかもを捧げるに相応しい素晴らしきお方

現在魔法の国は大きな危機を迎えている。それを救うためにプク様はとある儀式を思いついた

プク様の考える儀式だ。それは魔法の国をより良くしてくれるものである

魔法少女とは、プク様にすべてを捧げ、プク様の願いを叶えることを宿命づけられた少女達のことである

だがその儀式を邪魔する悪い奴らがいる。オスク派という野蛮な集団だ

我々魔法少女はオスク派の妨害を振り払い、プク様の偉大なる儀式を成功させなければならないのだ

プク・プック様万歳


主人公その1

魔法少女「キノ」

本名:木野 結衣(きの ゆい)

魔法:【魔法の銃で撃ったものを強くしたり弱くしたりするよ】(発動条件:精製した弾を銃弾程度の速度で当てる)

容姿:黒い短髪に大きな瞳。白いシャツの上に黒のジャケット、茶色いコートを羽織って銃を持っている

性格:アグレッシブ

口調:普通の女の子


身体能力……70 ★★★★
精神力……78  ★★★★
知力……36   ★★
幸運……78   ★★★★
自己主張…… ★★★★★
野望・欲望…… ★★★
魔法のポテンシャル…… ★★★★★

スキル「幸運」
スキル「射撃」
スキル「逃げ足」

持ち物
「ラピッドスワロー」
「四次元袋」
「カラミティ・メアリ特製重火器」


監査部門に所属するベテラン魔法少女
リップルとコンビを組んでおり、しばらく前にグリムハートを捕まえた魔法少女として有名になった


主人公その2

魔法少女「美しい妖精のシャナ」のステータス

本名:龍崎紗南(りゅうざき さな)

魔法:【いつでも消えることができるよ】(発動条件:自分の素肌を相手に見せる)

容姿:紅い長髪に紅い瞳を持ち、地に着きそうなほど丈の長い黒コートの下は下着のみ

性格:引っ込み思案(現在は治ってきてる)

口調:乱暴


身体能力……95 ★★★★★
知力……59   ★★★
精神力……97  ★★★★★
幸運……96   ★★★★★
自己主張……  ★
野望・欲望…… ★★★
魔法のポテンシャル……★★★

スキル「豪運」
スキル「剣道」
スキル「殺人剣」
スキル「ペチニー」

持ち物
「太刀」


外交部門に所属する暗殺者
現在はB市の事件以降死亡(行方不明)扱いとなっており、プキンやテプセケメイと共に細々と暮らしている


主人公その3

魔法少女「メルティ☆セルティ」のステータス

本名:本郷麻由(ほんごう まゆ)

魔法:【影を自在に操ることができるよ】(発動条件:対象の影に触る)

容姿:随所に装飾が施された真っ黒なドレス。なんかお前透けてね?

性格:竹を割ったような人(現在は荒んでいる)

口調:異様に穏やか


身体能力……50 ★★★
知力……75   ★★★★
精神力……67  ★★★★
幸運……18   ★
自己主張……  ★★
野望・欲望…… ★★★★
魔法のポテンシャル……★★★★

スキル「悲運」
スキル「快楽的凶行」

持ち物
「四次元ポシェット」
「殺した魔法少女の私物」


人事部門に所属しながら革命軍にも所属する魔法少女
時にプフレ、時にフレデリカの手駒として暗躍し、自分の中の「悪」を貫かんとする屑。世界中の正しい人間をヤクに溺れさせてやりてぇんだ……


主人公その4

魔法少女「オティヌス」のステータス

本名:音桐 菫(おとぎり すみれ)

魔法:【様々な欲求を失わさせるよ】(発動条件:右目を相手の目と合わせる)

容姿:右目を眼帯で覆い、地に着く青い髪の上に三角帽子を被っている。マントを羽織りその下は胸と股間のみを布で隠した姿であり、そよ風が周囲に発生している

性格:純真無垢で天真爛漫

口調:偉そうに気遣う中に冷たさを秘める


身体能力……28 ★★
知力……94   ★★★★★
精神力……20  ★
幸運……1   ★
自己主張……  ★★
野望・欲望…… ★
魔法のポテンシャル……★★★

スキル「悲運」
スキル「深謀遠慮」

持ち物
「槍」


野良の魔法少女
行方不明のプリズムチェリーを探すべく、プフレを訪ねるが……やめとけ! やめとけ!


今日はここまで
開始はまた明日から


追記
今回は全員が主人公なため、幸運により身体能力・知力が左右されることはありません


参加メンバー一覧
(画像が無かったのでとあるブログの記事から拝借)
http://fanblogs.jp/dokusyo97531/archive/557/0

こちらに紹介されています

今回リップルはプレミアム幸子をめぐる追いかけっこには登場しません


in

キノ、シャナ、セルティ、オティヌス、他沢山


・・・・・・

~約1ヶ月前~


B市の事件から1年弱くらいが経った

龍崎紗南は普段は自分の家に戻って高校生活と作家生活を送り、ときたまこの街に来てニートとなったクソ主と亀がペチカ様に粗相をはたらいていないか確認しに来ていた

というかほぼ毎日魔法少女的に見ても自宅からかなり遠いこのボロ家を往復する生活だ

現在シャナは行方不明という名の死亡者リストに載っている。今更外交部門のあの仕事をする気にはなれない。このまま魔法の国からは消えてもいいかと思っている。革命軍についても、あのB市を襲った大量破壊兵器で無事とは思えない

魔法の端末にメッセージが来ることはなくなった。魔法の国も、かつての仲間も全員死んだと思っているに違いない。ペチカにも「自分達のことは誰にも言わないでほしい。この凶悪犯を世に出すことなく静かに暮らさせたい」と口止めしてある

シャナ達が住む家は今や解体業者の作業を待つ風前の灯火だったが、業者が何者かが無残に殺される事件が何度も起きてからいわく付きの物件として手を惹かれていた。地元の小学生などは幽霊屋敷などと騒ぎ立てている。紗南はもう怒る気も無くしていた。いつものように変身をして屋敷の玄関に入る


プキン「シャナか。今日は女神が『チ・ゲナーベ』というものを作ってくれた。これまた絶品だ。辛いが箸がとまらん」

テプセケメイ「からい……ちょっと、苦手。でもおいしい」

シャナ「……チゲ鍋ね」


プキンはもう箸の使い方をマスターするくらいになっていた。ペチカの作る料理は箸で食べるものが多い。元が日本人であるから料理のレパートリーもそっちに偏っているのだろう

テプセケメイもプキンほどではないが、箸がこれだけ使えるようになったとシャナに見せてくる様はまるで子供の成長を見ているようでなんだか感慨深い


シャナ「そうか。あー……やっぱなんかここ落ち着くな。外とのつながりはテレビだけだってのに」

プキン「吾輩はもう永住も考えている。女神が引っ越すならついていくが」

シャナ「………………ただ、ちょっと気になることはある」

プキン「なにがだ?」

シャナ「この魔法少女用のネット掲示板にな……なーんか妙な噂があるんだよ。魔法の国から魔法少女を開放するだのなんだの胡散臭い」

プキン「いつの時代にも狂言回しは存在するものだ」

シャナ「だといいがな……ま、何かあったら色々と考えてる」

プキン「色々とは?」

シャナ「色々っちゃ色々よ」


・・・・・・

~1週間前~


ピティ・フレデリカは熱しやすく冷めやすいと自覚していたが、どうやら最近の自分は熱したら熱いままだと思う。スノーホワイトという魔法少女にここまで固執することになるとは思わなかったし、今胸の中で力を抜くプリズムチェリーにもまだお熱になっているとは思わなかった

そういえばトットポップも先月出て行ったきり帰ってこない。どこで何をしているのかとそろそろ心配になってくる


プリズムチェリー「マスターのお胸、ふかふか」

フレデリカ「あなたの髪もふかふかですよ」

セルティ「失礼しま――申し訳ありません。お楽しみ中とは知らず」

フレデリカ「構いませんよ。そうそう、どうやら魔法の国に色々と動きがあるようです」

セルティ「色々とは?」

フレデリカ「色々っちゃ色々ですよ」


セルティ「色々じゃ分からないですよ」

フレデリカ「プク派とオスク派が近々衝突するかもしれません。ちょっと事態を引っ掻き回してきてもらっていいですか? オスク派に手を回しておきますから」

セルティ「それは……誰かを殺しても構わないと?」

フレデリカ「ええ。勿論」

セルティ「……分かりました」ニヤ

フレデリカ「人事部門はどうですか?」

セルティ「プフレは先月自宅を何者かに襲撃された後、後ろ暗いものがあるのではと監査部門に調査されたようですが、何もでませんでした」

フレデリカ「3代目ラピス・ラズリーヌの魔法ですね。恐らく自分が悪事に加担してきた物的証拠を消した後、それらに関する自分の記憶すら消したのでしょう」

セルティ「ああ、人造魔法少女の技術が匿名で流出したのも彼女の仕業でしたか。狸でしたが、記憶が無ければ何もできない」

フレデリカ「ええ。そしてプフレの記憶はシャドウゲールが保有し、そして今、それは彼女の手元にない……これも私の思惑通りですよ。有能な者は、いつ敵に回るか分かりませんからね」


・・・・・・

~1日前~


オティヌスこと音桐菫は人小路邸前でバスを降りた。長い道のりだった。今まで色んな不幸があったと涙が出そうになるが、今泣いている暇は無い

インターホンを押し、誰だと問われ、「魔法少女オティヌスと申します。プフレ人事部門長に会いに来ました」と答えた。菫はしばらくして屋敷に通された。身分証明のため変身しろと言われたので変身してオティヌスとしてプフレのいる部屋に入った


プフレ「オティヌスと言ったね。私になんのご用かな? 確か資料には君の新人研修の予定はまだ先と――」

オティヌス「単刀直入に聞きましょう。人造魔法少女計画に出資していましたね?」

プフレ「………………? なんだって?」

オティヌス「しらばっくれても無駄です。S市の人造魔法少女研究施設……その金のルートの大元は、この人小路家だと分かったんですよ」

プフレ「ちょっと待ってくれ。人造魔法少女の研究に出資? 私がか?」

オティヌス「ええ」

プフレ「………………すまない。こんな話をしてとぼけているとか馬鹿にしているのかとか、そういうことを思ってほしくないが……言っておかねばなるまい。私には記憶が無い」


オティヌス「なっ、ふざけているんですか!?」

プフレ「すまない……ふざけているわけではないとだけ言っておく。私は記憶が断片的に抜けているんだ。私自身不思議でならないが、事実だ。人造魔法少女だって、匿名で何者かが流出させた技術だという認識でしかない……」

オティヌス「…………(彼女は恐らく、本当のことを言っている)」

プフレ「さらに個人的な話をさせてもらうと、現在私はどうやらピンチだ。幼馴染みが攫われ、その誘拐犯が私に『戦力を寄越せ』と言ってきている」

オティヌス「戦力?」

プフレ「ああ……」


話が変わろうとしたところで、ドアがノックされ、1人の魔法少女が入って来た


デリュージ「人の手配はできましたか――っ、オティヌス!?」

オティヌス「プリンセス……デリュージ…………!?」

プフレ「おや、知り合いだったか」


デリュージ「なんで彼女が……あなたが言う最高の戦力が彼女ですか!?」

プフレ「いや。オティヌスはたまたま私のもとを訪ねて来ただけだ。彼女達が来るのは明日になるだろう」

オティヌス「あの、意味が……」

プフレ「彼女が私のシャドウゲールを攫った張本人だということだよ」

オティヌス「……なんで……?」

デリュージ「っ……」

プフレ「積もる話もあるだろう。私との問答を再開するか、彼女と過ごすか選びたまえ。私が呼んだ魔法少女達が来るまでにね」

オティヌス「……彼女と話がしたい。ですが最後に、プリズムチェリーという魔法少女に心当たりは?」

プフレ「………………すまない。それも……」

オティヌス「……そう、ですか」


その後客室に通されたオティヌスとデリュージは変身を解除。菫と奈美として話をした


奈美「菫ちゃん……なんで」

菫「奈美こそ……魔法の国に軟禁されてたんじゃなかったの? 最近連絡が無いと思ったら、こんなところでなにを? 誘拐犯? あなたが?」

奈美「っ、やりたくてやってるんじゃない! ……でも、インフェルノを……インフェルノを取り戻すためには、もう…………!」


インフェルノ、プリンセス・インフェルノのことだ。半年前にあの施設で非業の死を遂げたプリンセス・クエイクとプリンセス・テンペストの仲間、ピュアエレメンツの2人の生き残りの片割れ

なんでも軟禁生活はもう終わっており、一通りの検査が終わったら数日に1度検査に来るようにと解放され、その時に何者かによってインフェルノが拉致されたらしい

誰が、なんの目的で。というところに協力者が現れたという

インフェルノはデリュージにとって、唯一生き残った仲間だ。クエイクもテンペストも、プリズムチェリーという名前を出さないのはオティヌスを気遣ってのことだ


インフェルノはプク・プックという魔法少女をいただくプク派によって連れ去られたとのこと。彼女を取り戻すためにデリュージは色々とする必要があった

デリュージとインフェルノにはブルーベル・キャンディという魔法少女が半世話役のようなことをしていた。デリュージは彼女を利用し、魔法の国について色々調べてはオティヌスに送り、自身はインフェルノを取り戻すために動いていたらしい。協力者の助言通りに――


奈美「だから……インフェルノを攫ったプク派とかいう奴らは許せない。必ず取り戻す……!」

菫「…………そう。なら、私も強力しようかな」

奈美「菫ちゃんはプリズムチェリーを探すのに忙しいんでしょ?」

菫「唯一の手掛かりがここだったんだけど……アテが外れちゃったみたいで。奈美も仲間が奪われたんでしょ。気持ちは痛いほど分かるから……」

奈美「…………ありがとう。全部終わったら、私もプリズムチェリー探しに協力するね」

菫「うん」


・・・・・・

~現在~


S市の――グリムハートの事件から1ヶ月

魔法少女キノはスノーホワイトと共にW市にある屋敷を訪れていた

魔法の国三賢人であるアヴ・ラパチ・プク・バルタのこの世界における現身、プク・プックから招待を受けて来たのだ

キノとスノーホワイトの深い仲であるリップル、ラ・ピュセル、ハードゴア・アリスは呼ばれなかった。当人達は怒っていたが、ただお茶を飲んで帰ってくるだけだからと言うと大人しく引き下がった


「お待ちしておりました。どうぞこちらへ、プク様がお待ちです」

スノーホワイト「大きなお屋敷……」

キノ「でもまぁプフレのところのとは比べちゃいけないね」

ファル「2人ともいいかぽん? プク・プックはもう普通の魔法少女からしたら雲の上の存在だぽん。機嫌を損ねて海に沈められないよう気を付けるぽん」


キノとリップル、スノーホワイトとお付きの2人は現在魔法の国で大変有名だ。あのオスクの現身であるグリムハートを捕縛した張本人達と、それに貢献した者だ。監査部は以前の暗殺者云々の不祥事を塗りつぶさんが勢いでオスク派の機嫌を気にしながらこの2組をプッシュした

5人共同期であの森の音楽家クラムベリーの試験を生き残り、クラムベリーの子供達であるにも関わらず、悪を許さない正義の味方としてそのストーリー性と話題性は魔法少女達の最近のトレンドだ

客間に通されると、「どうぞどうぞぉ」と呑気でかわいらしい声が聞こえた。この家の主、プク・プックだ


プク「いらっしゃい、スノーお姉ちゃん、キノお姉ちゃん」

キノ「(……かわいい)」

スノーホワイト「(……)」

プク「お菓子とコーラ用意したの! よかったら食べて?」

キノ「これはこれはどうも。いただきます」

スノーホワイト「……それでなんのご用でしょうか?」


用意されたお菓子詰め合わせとコーラに手を伸ばすキノとは対照的に、スノーホワイトはいたって冷静だ。早速話を切り出すという不躾だと責められそうな対応を繰り出した


プク「えっ、用?」

スノーホワイト「なにかお話があって私達を呼んだのでしょう?」

プク「えっと、2人とお友達になりたいなぁって思って」

スノーホワイト「……ではなぜわざわざ今日この場に呼んだんですか?」

キノ「ちょっとスノーホワイト、失礼じゃないか。こんな可愛い方に向かって」

プク「いいのキノお姉ちゃん。突然呼んだのはプクの方だから」

キノ「いえいえとんでもございません! このスノーホワイトという奴はいささか礼儀知らずのようで、平にご容赦願いたいです!」

ファル「(キノはへりくだりすぎだぽん)」

スノーホワイト「……お友達になりたいのなら、何故」

プク「お友達になりたいなら直接会うのが普通でしょ? プクはスノーお姉ちゃん達とお友達になりたくて」


プク・プックが身を乗り出してスノーホワイトを上目遣いに見た

その可憐さに思わず目を奪われる2人。キノは目をキラキラさせながらプクを見ていたが、スノーホワイトは内心の動揺を隠し平静を保った


スノーホワイト「(っ、かわいい……)」

キノ「(かわいい……!)」

プク「それにね、2人はグリムハートをやっつけた人達でしょ?」

キノ「えっ? ああまぁそうですね。師匠と共にやっつけましたよ!」

スノーホワイト「キノは伸びてただけでしょ。追い詰めたのは私」

キノ「捕まえたのは私達だよ!」

プク「まぁまぁ、2人ともすっごいんだね!」


プク「それでね、今5人は監査部門が推してるけどその分オスク派にマークされてると思うの。マークなんてもんじゃなく、もっと酷いことをされるかもしれない。プク達なら守ってあげられるよ!」

ファル「(そういうことかぽん)」


キノ達としては、プク派の後ろ盾を得ることができ、プク派としては、有名な魔法少女達を擁することができる。一見してWin-Winだ


スノーホワイト「(そういうことね……可愛い顔をして腹の探り合いなんて。キノは気付いてたかな?)」チラッ

キノ「えっ、いいんですか? いやーありがたいなぁ」

スノーホワイト「(…………キノにそういうのは求めてないからいっか)」

プク「だからプク達のお友達になって!」

キノ「えへへぇこちらこそ。あ、今度師匠も紹介しますね」


和気藹々とした雰囲気になりつつある空気に侵入者があった。廊下から急ぐ足音が聞こえてくる

襖を開けたそこには、2人の魔法少女が立っていた


プク「あ、宇宙美ちゃんどうしたの?」

ソラミ「……プレミアム幸子が……逃げちゃいました」

プク「えっ……」


驚きを隠そうとしない。プク・プックはテーブルに乗り出していた身を引き、ヘナヘナと座り込んだ

中野宇宙美という魔法少女が気まずそうに、うるるという魔法少女が憤慨して報告してくる


プク「幸子ちゃんが……?」

ソラミ「儀式、怖くなったって」

プク「…………」

うるる「幸子の奴、何を考えてるの……!」


プク・プックは申し訳なさそうな目でキノ達を見た

なんとなく、察する。これから何を言われるのか


プク「あの……プレミアム幸子ちゃんってね、プクの儀式にどうしても必要な魔法少女で……それはオスク派も分かってることなの」

キノ「そうなんですか!?」

プク「……屋敷はお友達の皆が守ってるからいいんだけ……」

スノーホワイト「このW市から出てはいないだろうが、万が一オスク派がプレミアム幸子に何かしたら困る……と?」

プク「スノーお姉ちゃんすごいね……! 分かっちゃうの!?」

スノーホワイト「ええ、まぁ」

キノ「スノーホワイトは相手の考えが分かっちゃう魔法なんですよ。あ、私は色んなものの強化や弱化ができます」

プク「っ、へぇ……プク達は今、魔法の国にとって大事な儀式をするの。今魔法の国は実は魔力が足りなくて、この儀式でプク達がお願いすればなんとかなるんだけど……」

キノ「素晴らしい儀式じゃないですか!」

スノーホワイト「(嘘はついてない……)」


プク「お願い、プク達を助けて!」

キノ「分かりました! 今すぐ探して連れ戻して――」

プク「あの、スノーお姉ちゃんにお願いしてもいいかな?」

キノ「え、私は?」

プク「キノお姉ちゃんとはもうちょっとお話してたいんだ!」

スノーホワイト「キノはお菓子食べてて」ニコッ

キノ「そういうことならいいけど……気を付けてね。スノーホワイトがケガなんかしたらラ・ピュセルとアリスが私を殺しにかかってくるから」

スノーホワイト「もしそうなったらリップルと戦う羽目になっちゃうね。あの2人で勝てるかなぁ……」

うるる「さっさと行くよ!」

ソラミ「こっちでーす」


スノーホワイト達が出ていき、部屋にはプクとキノだけが残される

プクはキノに興味津々だ。キノはそれが嬉しかった。こんなにかわいい子に懐かれるなんて


キノ「(現身っていうくらいだからグリムハートみたいな奴を想像してたけど、こんなのもいるんだなぁ)」

プク「ねぇねぇ、キノお姉ちゃんの魔法って何を強くしたり弱くしたりするの?」

キノ「え? そうだなぁ……なんでも、かな?」

プク「なんでも!? すごぉい!」

キノ「すごい? えへへ、そんなことないですよぉ」

プク「あのねあのね、キノお姉ちゃんにお願いしたいことがあるんだけど……ごめんね? 初めて会うのにお願いばかりで」

キノ「そんなそんな! こちらこそ、なんでも言ってください!」

プク「そう!? じゃあ……プクの儀式に協力してほしいんだ!」


お友達になったのだから屋敷をプク自ら案内しながら話そうと言ってきた。キノ歩くプクについていく

その途中、庭で数人がせっせと何かを運んだりしている中に見覚えのある魔法少女を見た。1ヶ月前、監査部門の増援としてS市に赴いた時にチラッと見た――


キノ「あれ、プリンセス・インフェルノ?」

プク「ああインフェルノお姉ちゃん? この前プクのお屋敷に来てくれたの! プクも人造魔法少女に興味あったから会いたいなーって言ったらお友達が連れて来てくれて」

キノ「へぇ、そうなんですか」


他にも監査部門で見た顔もいる。知り合いもこの屋敷で何かしているようだった

キノはプクに色々と教えられた。儀式にはとある装置を使うのだが、遥か大昔の装置らしく、その装置を起動させるためにプレミアム幸子の魔法が必要らしい


プク「でもキノお姉ちゃんがいれば……他の魔法少女いらないくらいかも」

キノ「そんなこと言っちゃ皆に悪いですよ」

プク「えへへ、言ってみただけ!」


・・・・・・


面通しが行われた。CQ天使ハムエルという男性の欲求解消道具のような名前の魔法少女と、シャッフリンⅡというセルティも見覚えのある顔の次世代型だ


ハムエル「あなたが協力者ですか。お互い大変ですね」

セルティ「いえいえ。私とてプク派は気に入りませんから。微力を貸させていただきますよ」

ハムエル「大体のことはこのシャッフリンがやってくれますから、メルティ☆セルティさんは何かあった時のために」

セルティ「セルティで構いませんよ」

ハムエル「あ、私もハムエルで構いません。ちなみにこのCQというのは無線用語で、通信可能な無線にとにかく話しかけるという意味で別に卑猥な意味はありません」

セルティ「は、はぁ……?」

ハムエル「すみません。中には私の名前を猥雑な意味で呼ぶ方もいるので」


セルティ「目標は?」

ハムエル「プレミアム幸子。捕縛で、場合によっては殺すこともやぶさかではありません。彼女はプク派に必要不可欠な魔法少女のようですから」

セルティ「分かりました」

ハムエル「念のため、あなたの魔法を教えてもらってもいいですか? 私は面識のある相手の脳内に直接語り掛けるという魔法です」

セルティ「私も魔法は影の操作です。触れている影を操りますよ。影縫いも」

ハムエル「なるほど……捕縛向きですね」

セルティ「はい。頼りにしてくれて構いません」

ハムエル「では早速行きましょう。プレミアム幸子がこのW市の中を逃げ回っているという情報は既に得ています」


・・・・・・


プフレ「彼女達が、私の用意する最高の人材だ」


人小路邸に泊まった次の日の朝、プフレに呼び出されるとそこには3人の魔法少女が居た

ダークキューティー、物知りみっちゃん、グラシアーネ。三者三様な魔法少女と挨拶を交わす


オティヌス「私も同行します。邪魔にはなりません」

グラシアーネ「ふぅん」

みっちゃん「いいんじゃない?」

ダークキューティー「……」

デリュージ「分かりました。では早速行きましょう」

みっちゃん「引き締めて行きましょう。この件でパトリシアがブチのめされたみたいですし」

グラシアーネ「ええっ、あの人殴るために生まれてきたような女原人が死んだって!? あのー帰っちゃダメかな」

ダークキューティー「行くぞ」


屋敷の敷地内の外に出たところでデリュージに話しかける魔法少女に出会った。デリュージはばつが悪そうな顔をしている

なるほど、この人がブルーベル・キャンディか


ブルーベル「デリュージちゃん、なんであんなこと……!」

デリュージ「……研究部門のデモンウイングを盗んだのは謝ります。けど、必要だったんです」

ブルーベル「…………」

オティヌス「あなたがブルーベル・キャンディですね? 私はオティヌス。デリュージの友人です」

ブルーベル「あ、どうも……」

オティヌス「彼女を止めないでいただきたい。彼女は仲間を取り戻すために動いているのです。都合のいい話ではありますが、見逃してください。あなたのためにも」ギロッ


オティヌスはこれ以上口出しするなら何かするぞと言外に脅してみせた。それを察したのか、ブルーベルは止めようとはしない。ならばせめて自分もついていくと言ってきたのには流石のオティヌスも面食らった


とりあえずイントロダクション
また夜に

>>26訂正
×→半年前にあの施設で非業の死を遂げた
〇→1か月前にあの施設で非業の死を遂げた


・・・・・・


W市の捜索を始めてからしばらく経ち、ハムエルから「プク派の魔法少女を発見」との報を受けたのは、単独で行動している時だった


セルティ「ハムエルさん?」

ハムエル『こちらから一方的に話しかけることしかできませんが、状況だけお伝えします。プレミアム幸子ではありませんが、3人の魔法少女を見つけ、スペードのJ、Q、Kを送り込みましたが返り討ちにあい捕まってしまいました』

セルティ「おやおや」

ハムエル『場所は市民公園。2人はプク派の魔法少女で片方は言ったことを相手に信じさせる魔法を使うようです。残りの1人は監査部門のスノーホワイト――』

セルティ「……スノーホワイト…………」


聞き覚えのある名前だし見覚えのある顔だ。1ヶ月前の地下施設にて、今思い出すとぶっ殺したくなる自分と共に戦った魔法少女

スノーホワイトがプク・プックの傘下に入ったということだろうか。まぁいい。邪魔するなら殺すだけだ


ハムエル『どうやらまだプレミアム幸子を見つけてはいないようですね。こちらも見つけられませんし、こうなったらあの3人を監視しながら追います。見つけたところを横取りしましょう』


・・・・・・


オティヌス達5人がW市に入り、プレミアム幸子の捜索を始めてから数時間、ついに見つけた。そこは廃園になった遊園地だった

デリュージにとって、プレミアム幸子はインフェルノを取り戻すのに必要不可欠な存在だ。拉致には拉致で対抗する。プレミアム幸子はプク派にとって重要な魔法少女らしい。それだけの奴を人質にすればインフェルノと交換で返せるだろう。デリュージは派遣されてきた3人に決して殺さず生け捕りにするようにと念を押した


オティヌス「そういえば、パトリシアって誰ですか?」

みっちゃん「ゴリラですよ。近接戦ではかなりブイブイ言わせてた魔法少女で、手錠で拘束した相手を無力化する魔法を持ってたんですが……」

グラシアーネ「もうこの世にいねーって」

オティヌス「そうなんですか……」

ダークキューティー「……パトリシアを倒したのは、三叉槍を持つ魔法少女だと聞いているが」

オティヌス「えっ、それって……」

ダークキューティー「友人を信用するなら今の話を聞き流せばいい。だが向き合うというのなら、この話を信用しろ」

オティヌス「………………デリュージ……」


先を走るデリュージとブルーベルに聞こえないように話をする。中学の同級生が人殺し……笑えない話だった。だが自分もプリズムチェリーを探す道中、人を殺さねばならなくなったら……迷わず殺すだろう


 どちらの視点で遊園地の戦いを進めますか?

 >>60

 1.セルティ
 2.オティヌス

2


遊園地に入った。どうやら4人の魔法少女が襲われている。あ、3人になった。あれは……スノーホワイトだ。スノーホワイトが魔法少女を1人、なんか袋に入れた

再会を喜ぶ暇はない。襲っている相手にも見覚えがあったのだ


オティヌス「あれは……シャッフリン!?」

デリュージ「ッ…………!」ダッ

ブルーベル「あっ、デリュージちゃん!」


 知力(94)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→シャッフリンもプレミアム幸子を狙っているのだろう
 失敗→戦局がよくわからない
 


 25……成功!


シャッフリンといえばオスク派だ。恐らくプク派の魔法少女を襲っている……ということは、スノーホワイトと他2人はプク派ということで、今スノーホワイトが保護したのがプレミアム幸子ならこの状況のすべての説明がつく

ならまずは……と考える必要も無い。デリュージは鬼の形相でデモンウイングを展開し、シャッフリンの群れに突っ込んでいった。自分達も続くしかないだろう

スノーホワイトがいるのは厄介だ。彼女は心を読む。シャッフリンを撃退してさも味方のように見せかけてプレミアム幸子を奪うという作戦はとれない

三つ巴にするしかない


オティヌス「プク派の魔法少女達がオスク派のシャッフリンに襲われています。あの薙刀を持ったスノーホワイトという魔法少女は心を読んでくるので注意してください!」

みっちゃん「了解ですよ!」

グラシアーネ「気を付けて。敵さん、かなりの数だ」

オティヌス「シャッフリンなら当然ですね……私はなんとかシャッフリンの戦意を奪います」

ダークキューティー「ならば、戦うか」


戦意を奪うといっても、こうも乱戦だと自分だけに目を引き付けられない。どちらかというと三叉槍を振り回すデリュージにシャッフリン達の視線は向いている

オティヌスはジョーカーを探した。シャッフリンといえばジョーカーだ。奴を叩けば他も……


オティヌス「(……ジョーカーが、いない!?)」

スノーホワイト「オティヌス……?」

オティヌス「……スノーホワイト」

スノーホワイト「なんでここにいるのか……ああ、そういうこと」チャキ

オティヌス「ま、待ってください!」


 知力(94)ロール……直下コンマ二桁
 
 成功→とりあえずジョーカーを見つけないといけませんよ!
 失敗→スノーホワイトが斬りかかって来る


オティヌス「シャッフリンなら、ジョーカーでしょう? ただ戦うだけでは……」

スノーホワイト「こいつらはシャッフリンⅡ。ジョーカーはいない」

オティヌス「ジョーカーがいない? じゃあ復活は……」

スノーホワイト「復活はしない。倒せば死ぬ」

オティヌス「……なるほど」

スノーホワイト「あなた達も幸子さんを奪いに来たんだね」

オティヌス「……プク派にインフェルノが攫われたんです。それを取り戻すために、プレミアム幸子は必要なんですよ」

スノーホワイト「インフェルノが……?」

オティヌス「はい。ですから、大人しく渡してください」

スノーホワイト「……できない」チャキ

オティヌス「くっ……(まずい。いくら長物同士でも、私は弱すぎる……!)」


オティヌス「ラ・ピュセルとハードゴア・アリスは? あなたがいるということは、あの2人も……」

スノーホワイト「そうやって時間を稼ぐつもり? 私を止めていれば戦力差はあるものね」

オティヌス「(……やっぱり、バレてる。味方なら相性バツグンだったけど、敵になると……)」


スノーホワイトが斬りかかろうとしたその時、影の獣が彼女に襲い掛かった

不意討ちだった。スノーホワイトは影の獣に気付きはしたが、動きまでは読めていないようで苦戦している


ダークキューティー「戦えないのなら下がっていろ」

オティヌス「ダークキューティー……」

ダークキューティー「クライアントの友人なら、死なすのはよろしくない」

スノーホワイト「ダークキューティー……!? 本当にいたんだ……」


オティヌスは前線で戦うよりも後方で指揮するタイプの魔法少女だ。事を上手く運ぶためにはまず戦局を見極めなければならない

シャッフリンはデリュージとデモンウイングによって刈りつくされそうだ。スペードの1とデリュージが1対1で切り結んでいるが、まさかデリュージがあそこまで強くなっているとは……スペードの1を押している

グラシアーネも後方支援タイプのようで、戦場から1歩引いたところで観察している。横に立った


グラシアーネ「みっさんは今そこの建物の中で1人と戦ってる。あの玩具の銃を持った奴は戸惑いながら逃げ回ってるよ」

オティヌス「どうも。便利な魔法ですか?」

グラシアーネ「この眼鏡を通すとね、色々見えるわけ」

オティヌス「…………オスク派はシャッフリンのみ。デリュージがそれらを全滅させるなら、私達がやることはプク派と……」

グラシアーネ「いいの? お友達いるみたいだけど」

オティヌス「……スノーホワイトは、ちょっと縁があるだけです。私の邪魔をするなら……」


 セルティへと視点移動しますか?

 >>直下

 

このままで


・・・・・・


セルティが遊園地へとやって来たのは戦闘が始まってしばらくしてからだった。ハムエルの案内のもと辿り着いたが、出遅れたようでシャッフリンはボッコボコにされている

あっちゃー……これ、負け戦か?

スペードの1の死体の上に立ち尽くしているのは見覚えがある魔法少女だ。デリュージ、まさかこんなところで再会とは

よく見たら魔法少女の数が増えている。プク派の増援か?


ハムエル『それは第3勢力です。彼女達もプレミアム幸子を狙っています』


なら敵か。お化け屋敷の上に2人、シャッフリンの周りにいるのが2人、スノーホワイトと戦っているのが…………ん? あ、あれは……


セルティ「ダークキューティー!!?!????」


居ても立ってもいられず駆け出した


スノーホワイトは強い心の声を聞いた。「ダークキューティーに挨拶できなければ困る」と


セルティ「あ、あのっ!」

スノーホワイト「セルティ……!?」

ダークキューティー「ん?」

セルティ「だ、だだ……ダークキューティー、さん……ですよね……!?」

ハムエル『ちょっと、何してるんですか!? 戦ってください!』

セルティ「え、えーっと…………」


殺した魔法少女がたまたま持っていた四次元ポシェットの中を探る。他にも殺した奴らの私物がごった返している中で、やっと見つけた

色紙とペン


セルティ「……あ、さ、サイン……ください…………」カァァ

ダークキューティー「…………終わったらでいいか?」


ファンへの丁重な態度をとったあと、ダークキューティーは再びスノーホワイトとの戦闘を再開した

セルティは憧れのダークキューティーに出会えた嬉しさでもう死んでいいとも思っている


ハムエル『セルティさん!』

セルティ「ハッ! い、いけません……今は……」


自分はどうするか。ダークキューティーの雄姿を観察しながら……


 >>84
 
 1.お化け屋敷の上の2人を攻撃
 2.建物の中にいる2人を攻撃
 3.スノーホワイトを攻撃
 4.デリュージ達を攻撃


セルティは自分のホームグラウンドを選んだ。どうやらあの建物……倉庫かなにかの中で魔法少女が2人戦っている

廃遊園地の建物に電気など通っていないだろう。つまりあの中は暗い。窓から差し込む光だけが頼りだろう


セルティ「(ああっ……ダークキューティー……頑張って……!)」キラキラ


ファンからの熱い眼差しを受け、ダークキューティーは無表情の中にウインクというサービスをしてくれた

恐らくダークキューティーはセルティが何者か分かっていないだろう


セルティ「キャー! 今ウインクしてもらった!」

ハムエル『怒りますよ!!』

セルティ「もう、分かってますよ……」


 セルティの身体能力(50)ロール……>>直下コンマ二桁

 成功→建物の中に侵入し影を操った
 失敗→建物の中に潜入したが攻撃された


オティヌス「あれは、セルティ?」

グラシアーネ「またお知り合い?」

オティヌス「え、ええ……けど、何を?」

グラシアーネ「アイツ、みっさんがいるとこに飛び込んでった!」

オティヌス「……ッ、まずい!」


みっちゃん「棍を籠手に! 籠手を盾に!」

ソラミ「ちっ」

セルティ「…………」スタスタ

みっちゃん「ん?」

ソラミ「えっ?」


 セルティの数値……>>↓1コンマ二桁
 みっちゃんの数値……>>↓2コンマ二桁-30(影縫いにより)
 ソラミの数値……>>↓3コンマ二桁-30(影縫いにより)
 
 セルティの数値が勝っていた場合……勝った相手にダメージ(40以上上回っていた場合撃破)
 みっちゃんの数値がセルティに勝っていた場合……建物から脱出
 ソラミの数値がセルティに勝っていた場合……建物から脱出


 セルティの数値……97
 みっちゃんの数値……52-30=22
 ソラミの数値……34-30=04


セルティ「こんにちは」


みっちゃんとソラミは完全に不意討ちを受けた。突如部屋にやって来た侵入者に気付くことはできたが、セルティの右手は部屋全体を覆う影に触れていた

2人は動けない。何故だか、動けない


セルティ「私、魔法少女を殺すときに決めていることがあるんです」

みっちゃん「誰……お前……!」

ソラミ「……っ、まず……!」

セルティ「なるべくグッチャグチャにしてやるってねぇ!!」


影すべてから槍を出し、2人をメッタ刺しにした。ザクッ、ザンッ、グチャ、ビチャ、ザクッ、ザンッ、グチャ、ビチャ、ザクッ、ザンッ、グチャ、ビチャ、ザクッ、ザンッ、グチャ、ビチャ、ザクッ、ザンッ、グチャ、ビチャ、


セルティ「あっはははははははははははははーーっはっはははははっ!!!! あはははははははははははははははははははは!!!!」


セルティ「…………ふぅ」


物言わぬ肉塊2つを前に、額を拭う。あー楽しかった

今日は最高の日だ。長年憧れていたダークキューティーに出会えて、しかも魔法少女を早速2人殺した

きっとこの2人は信念やら目的やらあったのだろう。それらをグチャグチャに踏みにじってやった。人の大事な物――命すら奪ってやった

血の中には人間体に戻ったであろう肉塊が転がっている。さて、私物をいただこうか


セルティ「さて、表はどうなっていますかね」ガチャッ

スノーホワイト「ッ!」

セルティ「ッ!?」バッ


建物を出た瞬間スノーホワイトに斬りかかられた。再び建物の中に戻り、影に溶け込む


セルティ「(チッ、あのガキ……確か心の声が聞こえるんだったか)」


グラシアーネ「ま、マジ…………!?」

オティヌス「どうしました?」

グラシアーネ「……みっさんが……殺された」

オティヌス「っ……まさか、プク派に」

グラシアーネ「戦ってたプク派の魔法少女も殺された……あのセルティとかいう奴が、建物に入って、2人を殺した……高笑いして、グチャグチャにしてやるって」

オティヌス「セルティが……? 馬鹿な、あの人がそんなことをするわけない!」

グラシアーネ「でも事実だ!」

オティヌス「(……どういうこと? あのセルティが……2人を殺した? 理由があって?)」


オティヌスが知るメルティ☆セルティという魔法少女は曲がったことが許せない親切で優しい正義の魔法少女だ。その彼女が、凶行に及んだ。可能性は2つ

セルティが何者かに操られているか、それとも本性か


スノーホワイトは今まででもっとも醜い心の声を聞いた

「こいつらを殺せないと困る」「スノーホワイトも殺さないと困る」「私の欲求が満たされないと困る」「悪を貫けないと困る」「もっとグチャグチャでドロドロの死体にしてすべてを踏みにじってやらないと困る」

吐き気がした。コイツはヤバイ。セルティのことは知っている。彼女は強く優しい正義の魔法少女だ。それが、こんなに醜い声を出すのか

あの地下施設で聞いた声は確かに本心だった。あの時は「皆無事に脱出できないと困る」「悪を成敗できないと困る」といった声が聞こえて来たのに

どっちが本当なのか分からない。彼女がオスク派に与しているということは分かっている。だが、無理やり協力させられている可能性も捨てがたい

魔法の中には相手の精神を変えてしまう魔法もある。それを喰らって手駒にされたか

ともかく、中野宇宙美は殺された

残りの戦力は2人、うるるの魔法がシャッフリンに耳栓によって対策されてしまった以上実質スノーホワイト1人だ

そんな中、2つの勢力を相手取るのはまずい。シャッフリンがデリュージによって駆逐されたが、シャッフリンより凶悪なセルティはまずい。オティヌスにデリュージ、ダークキューティーといった連中の相手もまずい

スノーホワイトはうるるに撤退を進言した


スノーホワイト「うるる、ソラミが殺された……」

うるる「はっ?」

スノーホワイト「オスク派の魔法少女に……今ここに留まるのはまずい。シャッフリンがいないなら数で追い立てられることもないから、逃げよう」

うるる「ソラミ……が…………!」プルプル

スノーホワイト「うるる!」

うるる「アアアアアァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!」


うるるの絶叫はすべての魔法少女を注目させた。彼女の目には怒りの炎が燃えている


うるる「貴様らぁぁぁぁ!! 絶対に許さない! ここで私もろとも死ねぇぇぇぇぇぇ!!!!」


オティヌスは一瞬で全身の毛が逆立つのを感じた。これは、本能が叫んでいる。ここにいるとまずい。死ぬ。逃げなきゃ

あの叫んでいる魔法少女は自爆してここら一帯を焦土にするつもりだ。グラシアーネを見る。彼女もまた怯え、逃げ出していた

ダークキューティーもデリュージもブルーベルも一斉にその場から逃げ出した。皆アイツのヤバさが分かるんだ。逃げないと、逃げないと!

オティヌスは短い悲鳴をあげて脱兎の如く逃げ出した


スノーホワイト「皆が逃げる……そうか、魔法……」

うるる「絶対、絶対殺してやる!!」

セルティ「うっふふ……」スタスタ

スノーホワイト「ッ、なんで!?」

セルティ「ハムエルさんがいてくれてよかった」


セルティは自分の耳の中の影を使って耳栓を作っていた


セルティ「あらためてこんにちはスノーホワイト。お久しぶりですね。耳栓を外しておきましょうか。そこの子が何か言いだしそうになったらすぐに塞ぎますが」

スノーホワイト「(やっぱりうるるの魔法がバレてる……)……あなたは、本当にメルティ☆セルティですか?」

セルティ「ええ。あなたと共にS市の地下でシャッフリンとグリムハート相手に戦ったセルティですよ」

スノーホワイト「…………」

セルティ「心の声、聞こえますか? いいでしょう。私はもっと血が見たいんですよ。もっと奪いたいんですよ」

スノーホワイト「……どうやら、それが本当のあなたのようですね」

セルティ「ええ。私は悪ですから」

スノーホワイト「では何故あの時は……」

セルティ「私でも思い出すだけで胸糞悪いですよ。本当の私は、ダークキューティーみたいな悪の魔法少女なんですよ!」

スノーホワイト「……あなたはダークキューティーになれない」

セルティ「ええ。知っていますよ。私はメルティ☆セルティ。ですが、私はダークキューティーが大好きなんです。ダークキューティーみたいな魔法少女になるためにこの姿、この魔法を手に入れた!」


セルティ「あなたもキューティーヒーラーギャラクシーは見たでしょう?」

スノーホワイト「ええ。ダークキューティーが出てましたね」

セルティ「私はダークキューティーに惚れ込んだんです。あの悪の姿勢に、復讐を誓って消えていくあの背中に、私は心奪われ、焦がれ、熱に浮かされた」

スノーホワイト「……」

セルティ「できればダークキューティー本人にこの思いの丈をぶつけたいのですが、いなくなってしまいましたね」

スノーホワイト「私は頼まれごとを果たさなくちゃいけない……邪魔をするなら!」チャキ

セルティ「私はねぇ、もっと自分の悪に苦しむ人が見たいんですよ。あなたが更にお仲間を失ったら……どうなりますか?」

スノーホワイト「悪いけど、仲間でもなんでもない、ただの行きずり」

セルティ「あら、じゃあこの前のラ・ピュセルとかハードゴア・アリスとか……」

スノーホワイト「ここにはいない」

セルティ「残念。やっぱりそこの子を殺しましょう」


 セルティの身体能力(50)ロール……直下コンマ二桁

 成功→うるるにダメージ
 失敗→スノーホワイトに邪魔される


 85……失敗


セルティはうるるに手を伸ばしたところで思い出した

あ、ここ屋外だし影無いじゃん


スノーホワイト「ッ!」ズバッ

セルティ「おわっ!」


迫る薙刀を避け、なんとかうるるの影に触れようとするが、うまくいかない。かつてはラ・ピュセルとアリスがいたためによく分からなかったが、スノーホワイト単体でもかなり強い

しかも心を読まれているということは、タイマン勝負は確実に分が悪い


ハムエル『セルティさん、撤退してください。シャッフリンがほとんどやられて、もう手がありません!』

セルティ「チッ、命拾いしましたね」


悪に相応しい捨て台詞を吐いて、セルティは逃げ出した。スノーホワイトは追ってこなかった


・・・・・・


オティヌスが他の魔法少女達と合流したのは、遊園地から逃げ出してから30分後のことだった

あらかじめ決めていたポイントに集合し、みっちゃんがいないことを心の中で嘆く

デリュージは気絶してブルーベルにおんぶされていた。人造魔法少女は普通の魔法少女と違う。プリンセス・ジュエルという宝石を使って変身し、さらに力を引き出すには専用の薬を服用しなくてはならず、その薬は1度に大量に飲んではいけないものだ

それを大量に飲んででも倒したかったシャッフリンを、デリュージは倒した。スペードの1とサシで戦って倒し、スペードとクラブを全滅させた

とりあえずデリュージが起きるまで待とう。そう決めてからしばらくして、デリュージが目を覚ました


ブルーベル「デリュージちゃん、大丈夫?」

デリュージ「……は、い……」

オティヌス「ラグジュアリーモードだっけ? 使いすぎたのでしょう」

デリュージ「正確には、ラグジュアリーモード・バーストっていうもっとすごいやつ……プレミアム幸子は?」

グラシアーネ「残念ながら…………みっさんもやられたし」


ダークキューティー「……」

オティヌス「あの魔法少女が言っていたことは、嘘でしたね

グラシアーネ「なのに揃いも揃ってウチらは逃げ出した……リーダーもあの『自爆宣言』を信じたんで?」

ダークキューティー「ああ。悪役として、自爆に巻き込まれて死ぬというエンディングもいいかと思ったが……他が全員逃げ出したものだから私も逃げた」

オティヌス「……普通に考えれば、あんな逃げ回ってばかりだった人が私達を全滅させられるだけの魔法少女だとは思えません。おそらくは、言ったことを信じさせる魔法でしょう」

ダークキューティー「だからか。シャッフリンの動きが鈍かったのは耳栓をしていたからだな」

オティヌス「相手の手札は分かった……なら、こちらも耳栓を用意しましょう」

グラシアーネ「まだ追うの?」

オティヌス「デリュージはまだ追うつもりでしょう?」

デリュージ「……」コクッ

ブルーベル「そんな……危険よ! デリュージちゃん、下手したら殺されるのよ!?」

デリュージ「……それでも、私は仲間を取り戻したい」

ダークキューティー「……クライアントがそう言うのなら、従うまで。それに――」

グラシアーネ「それに?」

ダークキューティー「さっきサインを頼まれたんだが、まだ書いてない」


そろそろ太陽が西日となりはじめる頃だろうか

セルティはこの街有数の高いビルの屋上ハムエルと合流し、シャッフリンの残数を数えていた


ハムエル「はぁ……スペードとクラブが全滅して残るは荒事に向いてないハートとダイヤ……」

セルティ「そう悲観することもありません。プク派の魔法少女と割り込んで来た魔法少女1人ずつとれましたし」

ハムエル「殺ったのはあなたでしょう? まぁトータルで考えてシャッフリンのスート2つと引き換えに2人とれたと思えばいい方ですが……」

セルティ「まだ余裕はあります。連中がプク・プックの屋敷に戻るには移動しなくてはなりません。そこを叩けば……」

ハムエル「ですね。シャッフリンを街に放ちましょう。皆、あの青い魔法少女には気を付けるように」


シャッフリンⅡは旧型のシャッフリンと違い、各能力がそれなりに上がっている。知能も例外ではなく、シャッフリン達の間には「青いシャッフリンハンター」の姿が畏怖の対象として認識されていた


セルティ「さて、何人殺せますかねぇ」

ハムエル「……一緒にいて心強いですよ。あなた」


オティヌス「グラシアーネさん、この街……プク・プック邸に動きは?」

グラシアーネ「特になにも……」

オティヌス「みっちゃんさんが遺してくれた地図があって助かりましたが……土地勘のないこの街で別れたら連携のしようがないですね」

グラシアーネ「加えてあの嘘つき魔法少女対策に耳栓をつけたらお互いの声も聞こえない……」

デリュージ「関係ない……とにかく、シャッフリンはまだ残ってる。あいつらを殺していけば……」

オティヌス「……デリュージ、確かにシャッフリンは私達にとって因縁のある相手です。しかし、それでプレミアム幸子にたどり着けますか?」

デリュージ「っ、あんたには分からない! クエイクとテンペストはあいつらに、あいつらに……!」

オティヌス「…………分かってますよ」

グラシアーネ「で、どうする参謀?」

オティヌス「参謀?」

ダークキューティー「この中で一番頭がいいだろう。みっちゃんがいない以上、頼りはオティヌスだけだ」

オティヌス「……そうですね…………>>134


 1.別れずにしらみつぶしに探していきましょう
 2.多少のリスクは仕方ありません。手分けしましょう

1


オティヌス「おそらく今もっとも戦力を有しているのは私達でしょう。プク派はスノーホワイトしか残っておらず、シャッフリンもスペードとクラブは倒した」

グラシアーネ「手分け?」

オティヌス「いえ。スノーホワイトやセルティ辺りに各個撃破されたら確実に詰みます。時間はかかるでしょうが、固まってしらみつぶしに探していきましょう。グラシアーネさん、プク・プック邸の動きにも注意してください。増援が送り込まれる可能性も捨てきれません」

グラシアーネ「了解っと」

オティヌス「それで、いいですね?」

デリュージ「……分かった」

オティヌス「ブルーベル・キャンディさん。分かったでしょう。これ以上ついてくるとあなたの身の安全も保障できません。元よりしてませんが……」

ブルーベル「分かってます。けど、私はデリュージちゃんが心配なんです。お願いです、一緒にいさせてください」

デリュージ「っ……」

オティヌス「……分かりました」


・・・・・・


キノ「どうしたんですか?」

プク「……ソラミが殺されちゃったんだって」

キノ「ええっ!? オスク派に?」

プク「メルティ☆セルティって魔法少女……知ってる?」

キノ「……ええ、まぁ。1度だけ会ったことがあります。けど、話したことは……」

プク「その人に殺されたって……」

キノ「(メルティ☆セルティ……あの時はスノーホワイト達と行動していたから分からなかったけど、悪い奴なのか……プク様をこんなに困らせて!)」

プク「でもでも、幸子は回収したって!」

キノ「よかったですね! やっぱり私もスノーホワイトを助けに……」

プク「キノお姉ちゃんはここにいて! お願い!」

キノ「は、はい」


スノーホワイトとうるるとプレミアム幸子は裏路地に隠れていた。この街はうるる達の庭のようなものだ。土地勘があり、隠れる場所にも困らない。だが隠れてばかりではいられない


スノーホワイト「普通に戻ろうとしても絶対道中襲われる……」

うるる「……」

幸子「……速く走れば……」

うるる「速く走ったところで待ち伏せされたら意味ないでしょ! おバカ!」

幸子「ご、ごめんなさぃ……」

うるる「…………」イライラ

スノーホワイト「………………(こちらは2人、相手は沢山……)」


うるるが経過報告をプクに送ってはいたが、返信は「頑張って戻って来てね」くらいなものだった。当然助けを求めたが、誰もが儀式の準備で忙しく、人を割けないとのこと


 スノーホワイトは……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→ラ・ピュセルとアリスに助けを求めた
 偶数→今いる者達だけでなんとかしようと決めた


ラ・ピュセルとアリスの顔が浮かぶ。あの2人に助けを求めれば絶対に近いうちにこの街にやって来るだろう

だが、だめだ。これは監査部門のヤマじゃない。それにスノーホワイトはいつまでも2人に守ってもらうだけの魔法少女でいられないと常々思っている

下手をしたら命を落とすこの戦いに2人を巻き込みたくないという思いと、自分1人でやってみせるという思いが、通話コマンドのある画面を閉じさせた


スノーホワイト「とにかく、行くしかない。まだ敵は諦めてないけど、私達だって諦めてない」

うるる「……うん」

幸子「……」プルプル

スノーホワイト「また袋に入って。この中なら普通についてくるより安全だから」

幸子「う、うん」

スノーホワイト「(大丈夫……やれる……)」


ファル「魔法少女反応1ぽん!」

スノーホワイト「っ……どこ?」

ファル「あの建物の向こうだぽん」


スノーホワイトが顔を半分だけ建物から出す。そこにはシャッフリンがいた。ハートの5だ

なるほど、オスク派は一般人の認識阻害をいいことにシャッフリンをそこら中にばらまいたか


うるる「どうする?」

スノーホワイト「倒しても意味がない……多分うるるを警戒して耳栓をしてるだろうから、このままやり過ごす」


 デリュージは……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→そこにいたシャッフリンに襲い掛かった
 偶数→まったく別の場所にいた


スノーホワイト「移動しよう」

うるる「どうやって!?」

スノーホワイト「…………変身を解いて」

うるる「っ、でも……!」

スノーホワイト「もうすぐこの辺の学校の下校時間だから、それに紛れれば大丈夫」

うるる「……襲われたら、絶対に文句言ってやるから」

スノーホワイト「あはは、大丈夫。こういう手は慣れてるから」

スノーホワイト「(多分、キノもきっとこうする。キノは逃げるのだけは上手いから)」


・・・・・・


シャッフリンはまだスノーホワイト達を見つけられていない。時間だけが過ぎていき、ハムエルはイライラしてはいけないと思いながらもイライラしてしまっていた

セルティは出会ってから変わらない涼しい微笑みのままだ


セルティ「……見つかりませんねぇ」

ハムエル「ええ……」

セルティ「騒ぎでも起こしますか」

ハムエル「………マジですか?」

セルティ「スノーホワイトは正義の魔法少女ですよ。沢山の人間が困ればそこに向かうはず」

ハムエル「え、いやーそれは流石に……もしバレたらただでさえ悪いオスク派の評判が地に……」

セルティ「私はオスク派ではありませんし」


 >>148
 
 1.騒ぎを起こす
 2.やっぱ地道に探す


ハムエル「でもやっぱり駄目ですよ! オスク派と行動してるんだから嫌ってる奴は『オスク派に命じられてやったに違いない』『マジかよオスク派最低だな』とか掲示板に書きまくるに違いません! 動画にとられてまほまほ動画なんかに上げられたら……あぁぁぁ」

セルティ「そ、そうですか……? 分かりました。では私も地道に探しましょう」

ハムエル「騒ぎは起こさないでくださいよ!?」

セルティ「分かってますよ」

ハムエル「絶対ですよ!? フリじゃないですからね!?」

セルティ「分かってますって。いやーハムエルさんは芸人を喜ばせるのがお得意で」

ハムエル「だからフリじゃないですってば!!」


大丈夫大丈夫と言ってセルティはビルを降りた。この立場にいる以上、ハムエルにはいい顔をしておかねければ


 セルティの幸運(18)ロール……直下コンマ二桁
 
 成功→人間態のスノーホワイトを見つけた
 失敗→見つからない。時間だけが過ぎていく


 00……ファンブル

 
 
ビルから飛び降りるというアクション映画みたいな行動をとったせいだろうか

 
着地をミスって足をくじいた
 
いかに魔法少女と言えど100m以上からの着地をミスれば足をくじくのかという教訓を得ながらも、大声をあげてハムエルに気付かれるまで無様に地面をのたうち回る醜態を晒した
 

ハムエル「あ、あの……大丈夫ですか?」

セルティ「…………」ズーン

ハムエル「や、休んでてください……あとは私達で、なんとかするので……」

セルティ「………………死にたい」ズーン
 


セルティが行動不能になったことを知らないオティヌス達は固まってスノーホワイト達を探していたが、見つからない


オティヌス「……もしかしたら、彼女達は変身を解いているのかもしれませんね」

ブルーベル「ええっ、追われているのに!?」

オティヌス「もうどの学校も下校時間です。スノーホワイトの変身前の姿は1度だけ見ましたが高校生でした。彼女が制服を着ていて、もう1人も制服を着る学生ならその手段をとるでしょう」

グラシアーネ「奴さん四次元袋持ってるから、仲間突っ込んで1人でその辺歩いてても不思議じゃないね」

ダークキューティー「そう仮定すると、どうなる?」

オティヌス「学生が沢山いる通学路に向かいましょう。おそらく、どこかの通学路を使って屋敷に戻るつもりです」

グラシアーネ「さっすが参謀」

デリュージ「……オスク派も気付いているのかな」

オティヌス「私と同じ発想に至れば気づくでしょうけど、そもそもスノーホワイトの正体を知っていないと無理ですね。セルティがそれに気付けたら、まずいですけど」


 セルティの知力(75)ロール……>>直下コンマ二桁

 成功→オティヌスと同じことを思いつく
 失敗→いてぇぇ~足がいてぇよぉ~~~~


セルティもオティヌスと同じ考えに至っていた

足をくじいて動けない分、頭を使い辿り着いた結論だ


セルティ「ハムエルさん、スノーホワイトは高校生です」

ハムエル「へー」

セルティ「そして彼女は四次元袋を持っています。仲間をそこに入れて変身を解いて……学生たちの中に紛れて移動していてもおかしくはありません」

ハムエル「なるほど! 頭いいですねセルティさん!」

セルティ「私にできるのはもうこれくらいですから……」ズーン

ハムエル「えっ、あっ、せ、セルティさん流石! ほんっと頼りになります!!」

セルティ「慰めは痛いだけですよ……」

ハムエル「とにかく、シャッフリンに探させますね! スノーホワイトの人間状態の特徴は?」

セルティ「…………あまり派手ではないです。普通の女子高生ですね」

ハムエル「………………それ、シャッフリンに分かるでしょうか?」

セルティ「……多分、直接見たことある人だけじゃないですかね。見分けられるの」

ハムエル「………………で、でも! でもですよ! もしかしたらシャッフリンにも見分けられるかもしれません!! とにかく通学路を探させましょう!」


屋敷に近い通学路から順に探していった。学校といってもW市には学校がいくつもある。その中のオティヌスとデリュージにのみ分かる小雪を見つけるなど、砂漠の砂からダイヤを探す2歩手前ほど大変な作業だ。だが今は闇雲に探すよりもそれに賭けた方がいい。たとえスノーホワイトがまったく違う戦法を取っていても


グラシアーネ「地味めな高校生ねぇ……どこにでもいる」

ダークキューティー「……スノーホワイト」

グラシアーネ「有名ですもんねぇ、グリムハート逮捕に貢献した魔法少女」

ダークキューティー「……主人公だ」

グラシアーネ「リーダーもお気になんで?」

ダークキューティー「先程戦った。仲間を守る戦い方をしていた」

グラシアーネ「へー」


 オティヌス達の数値……>>↓1コンマ二桁
 シャッフリン達の数値……>>↓2コンマ二桁
 スノーホワイトの数値……>>↓3コンマ二桁
 
 オティヌス達の数値が勝っていた場合……スノーホワイト(小雪)発見
 シャッフリン達の数値がオティヌス達の数値に勝っていた場合……オティヌス達発見
 スノーホワイトの数値がオティヌス達の数値に勝っていた場合……やりすごせる


 オティヌス達の数値……99
 シャッフリン達の数値……89
 スノーホワイトの数値……46

 
 
オティヌスは小雪を見つけた。間違いない。魔法少女は人間より記憶力がある。1ヶ月前、あの地下施設で突然変身を解くという荒業をやってのけた少女の顔を見間違えるはずがない


仲間に小雪を知らせる。見れば見るほど違和感がある。複数の制服が入り乱れる人ごみの中、ただひとりどの制服とも違う制服を着ているし、なにより隙が無さすぎる


デリュージ「……あれね」

ブルーベル「ホントに人を襲うの?」

オティヌス「襲うわけではありません。>>181


 1.私が変身を解いて近付きます
 2.1人になったところを変身される前に取り押さえます


今日はここまで

音桐菫は成績優秀スポーツ万能
そうちゃんはスポーツ万能
つまり菫は半分そうちゃん


菫「……よし」

グラシアーネ「おいおいおい、死ぬわあんた」

菫「仮に失敗しそうになったら全力でフォローお願いします」

ダークキューティー「……」コクッ


路地裏から出て、下校中の学生に紛れる小雪の後ろから近づく

スノーホワイトは心を読むが、変身していなければ読めない


菫「お久しぶりっ」

小雪「えっ? あ、……誰、ですか?」キョトン

菫「まぁまぁ、今帰りでしょ? 一緒に帰ろうよ」

小雪「……???」

菫「騒いだらさっきのこわぁい人達、来ちゃうよ」

小雪「っっ!!」


小雪は激しく動揺した。何故だ、何故バレた

自分の正体がバレるようなことは……魔法少女の前で変身を解除したのはあの地下施設の1回だけ…………まさか、あの時あの場に居た……


菫「1ヶ月ぶり、だよね。一緒に来てもらってもいい?」

小雪「………………」

菫「来ないと、ここにいる人達どうなっちゃうかな」

小雪「っ、あなた……やっぱり……!」


間違いない。コイツはセルティだ


菫「(こういう脅しに弱いよね。正義の味方って)」クスッ

小雪「…………分かりました。私の負けです」

菫「よろしい!」


プク邸のすぐ近くでオティヌスに変身し、スノーホワイトにも変身していいとの許可を出した

いくらスノーホワイトと言えど、この人数で囲って後ろ手に縛っていれば簡単には逃げられまい


スノーホワイト「オティヌス……!? セルティじゃ、ない……」

オティヌス「ごめんなさい。あなたのためにも、こうするしかなくて。抵抗しないでプレミアム幸子を渡してもらえますか?」

スノーホワイト「デリュージまで、なんで!」

デリュージ「心読めるんでしょ。それで全部分かるなら説明なんていらない」

スノーホワイト「インフェルノが……朱里ちゃんがプク派に拉致された。取り戻すために人質として幸子さんって、どういう……!」

オティヌス「さっきの嘘つき魔法少女を出してください。その袋に隠しているんでしょう? 彼女を橋渡しにしましょう」


四次元袋からうるるが取り出され、じだんだを踏むのを見た。何か言おうとしたら容赦はしない。黙ってプク・プックにこちらの要件を伝えろと言うと、うるるは悔しそうな顔に涙を浮かべながら屋敷へと向かっていった


デリュージ「…………ふぅ。これで……」

スノーホワイト「それで、あなたはプク派に喧嘩を売って、これからマークされる生活でいいの? ただでさえ人造魔法少女って言われてて……」

デリュージ「うるさい! お前に何が分かる!」

オティヌス「まぁまぁ。スノーホワイトもすぐに開放しますから、今しばらく」


うるるはプクのもとへ戻り、委細を報告した。プリンセス・インフェルノとプレミアム幸子の交換という条件も

プクはそんなことでいいんだとインフェルノを呼んだ


プク「インフェルノお姉ちゃん、お姉ちゃんのお友達の青い人造魔法少女が近くにいるみたい。会いたがってるって!」

インフェルノ「デリュージが? 分かりました。行ってきますね」

プク「うん! うるる、幸子を連れ帰って来てね」

うるる「はいっ!」


うるると共にやってきたインフェルノを見てデリュージは安堵した。よかった、無事だ。何も酷いことはされていない


デリュージ「インフェルノ……!」

インフェルノ「どうしたの? デリュージ」

デリュージ「よかった……本当に」

インフェルノ「プレミアム幸子、返すんでしょ?」

デリュージ「あ、うん。オティヌス」


オティヌスが久しぶりとインフェルノへ軽い挨拶をし、四次元袋からプレミアム幸子を取り出した

幸子は泣きながらうるるへと抱き着き、屋敷へと戻っていく。インフェルノがこの場に残された


デリュージ「インフェルノ……帰ろう。あ、そうだ。オティヌスがプリズムチェリーを探してるんだ。一緒に探して――」

インフェルノ「帰る? どこに?」

デリュージ「え……? どこって、私達の街に……」

インフェルノ「私の街はここ。プク様のお屋敷が私の居場所だよ」

スノーホワイト「朱里ちゃん?」


インフェルノ「おかしな話だと思ったよ。デリュージが幸子と引き換えに私を返せなんて。まるで私が人質みたいに」

デリュージ「なに言ってるの!? インフェルノは拉致されてここに連れてこられたんだよ!?」

インフェルノ「ああ、そんなこともあったね。だけどそれ、プク様のおちゃめだったみたいで。可愛いよね」

オティヌス「(……?)」

デリュージ「インフェルノ、どうしちゃったの? プク・プックに何かされ――」

インフェルノ「プク・プック『様』でしょ? 本人がいないからいいけど、目の前だと凄く失礼だよ」

デリュージ「え、どうして…………なんで……」ワナワナ

オティヌス「(……洗脳魔法?)」

グラシアーネ「どういうこと? まさか最初からおたくの勘違いってこと?」

デリュージ「ち、違う。インフェルノは私の目の前で拉致されたの。インフェルノだって抵抗して、私も助けようとしたけど間に合わなくて……」

ブルーベル「デリュージちゃんは嘘なんかついてません!」

オティヌス「(過保護が過ぎる……けど、デリュージの勘違いとも思えない。話がいまいち噛み合ってない)」


インフェルノ「変な事言ってないで、デリュージも一緒に来なよ。スノーホワイトもオティヌスもブルーベルも、そこの2人も。プク様ってすっごく可愛くて優しいんだよ」

オティヌス「彼女は……」

スノーホワイト「……嘘はついてない。本心からプク・プックに……」

オティヌス「……そうですか」

デリュージ「本当にどうしたの!? まさか、プク・プックに何かされて……アイツ……!」

インフェルノ「デリュージ……プク様に何かしようってんなら、私が相手になるよ?」チャキ

デリュージ「っ、インフェルノ!」

プク「喧嘩はだめー!」


突如放たれた大声のもとを見る

プク・プックだ


グラシアーネ「っ!」バッ

ダークキューティー「……!」バッ


グラシアーネとダークキューティーは丁度近くに居たデリュージとブルーベルを担ぐと、目を閉じてその場から背を向けて逃げ出した

その行動が何を意味するのか、オティヌスにもすぐに分かった


オティヌス「(プク・プック……プク様、かわいい……っ、違う!)」


今まで敵対していた連中の長に突然こんな感情を抱くなんてありえない。魔法を受けている

頭では分かっても、体が言うことを聞かない。ダークキューティーとグラシアーネは歴戦のベテランだ。自分の異変に気付き、プク・プックの魔法だと察してできるかぎりの対処をし、デリュージとブルーベルと共に見事脱出した。オティヌスを見捨てたのはオティヌスまで助けていたら自分達まで逃げられなくなってしまうと感じたからだろう。責めるつもりはない

状況を理解しつつある頭を、違う心が染めていく


 オティヌスの精神力(20)……>>直下コンマ二桁
 
 成功→槍で自分の足を突き刺して洗脳を紛らわせ脱出
 失敗→プク様可愛さにどうでもよくなる


 短いけど今日はここまで

某女神「どうせまたあの人はキレて[ピーーー][ピーーー]言うんでしょ」
某師匠「またキノが誰かに操られてんですか?もう次はラスボスになっても驚きませんよ」


 86……失敗

 
 
オティヌスはプク・プックの前に膝をついた。プク様は喧嘩は駄目だと言った。そうだ、プク様が言うなら喧嘩はよくない


さっきまでプク様に仕える魔法少女を追って捕まえようとしていた自分を殴り、いや殺したくなる。お前はなんてことをしてるんだと

さらにはプレミアム幸子を死なせてしまった。なんてことだ。あの時自分がプク様のことを知っていればなんとか殺さずにできたかもしれないのに


オティヌス「……申し訳ありません」

プク「ううん。いいよ、分かってくれたなら……ねぇ、お名前教えて! プクとお友達になってよ!」

オティヌス「っ……!」


嬉しかった。敵だった自分に優しく接してくれたことが。しかもお友達にまでしてくれようとしている。なんと器量の大きなお方だ

生涯をかけて仕える主を見つけた


オティヌス「オティヌスと申します。あらゆる欲求をひとつだけ失わせる魔法を使います。こちらこそ、お友達にしてください」


ファルはプク・プックを見た瞬間、スノーホワイトよりプク様にマスターになってほしいと思い、自分の人格プログラムにふりかかるすべての外的要素を遮断した

ファルは電子妖精で人格があり感情もある。だがプログラムで構成されるファルは自分を機械的に制御できるマスコットだ。一目見ただけで「マスターになってほしい」と感情回路が振りきれる現象は明らかにおかしい。知能回路がそれを察し瞬時に感情回路を――人格を一時的に消したのだ

オティヌスはオスク派ではないにしろ、プレミアム幸子を奪わんと行動していた魔法少女だ。そのオティヌスが簡単に恭順した。明らかに不自然だ


プク「スノーお姉ちゃんも、プクとお友達だよね! これから準備が整ったら皆でおでかけするんだけど、一緒に行かない?」

スノーホワイト「はい。私もプク様と一緒におでかけしたいです」


ファルはキークによって通常のFAシリーズと逸脱した性能と機能を有している。その中のひとつ、スノーホワイトのバイタルを調べる機能で彼女を見ると、感情の内「嬉しさ」「楽しさ」「ワクワク」が異常なほど高い。ここから導き出される結論として、スノーホワイトと、あと恐らくオティヌスは瞬間的にプク・プックのことが好きになったのだろう

人間は一目惚れなどという現象が無い限り、瞬間的に人のことを好きになるわけがない。好きになるにはそれなりの蓄積が必要だ。そして何より、ファルがスノーホワイト以外にマスターになってほしいなどと思うわけがない。だがそれを可能にする手段はひとつだけある。魔法だ


インフェルノ「小雪も一緒に儀式行くの?」

スノーホワイト「うん。朱里ちゃんも一緒かぁ。嬉しいな」

インフェルノ「へへ、デリュージはなんで逃げたんだろう……」

オティヌス「デリュージも一緒に来ればよかったのに、ダークキューティー達に連れていかれちゃいましたね」

インフェルノ「そうか……あ、そうそう。さっきプク様がキノを連れておでかけしたかと思えば、また新しくお友達を連れて来てたんだよ。ですよね」

プク「うん。プクが前からお友達になりたいなって思ってたシャドウゲールお姉ちゃんと、あとその場に居た魔法少女達とお友達になってきたよ!」

ファル「(まずいぽん……どういうわけか知らないけど、プク・プックはスノーホワイトとオティヌス、他にもキノやシャドウゲールなど他の魔法少女達を味方にして、なにかする気だぽん」


プクは魔法の国のために儀式を行うと言っていた。それが正しいものなら公の席でその儀式をしたいから協力してほしいと言えば普段敵対しているオスク派だろうとしぶしぶ協力するだろう。なら何故いちいち洗脳まがいなことまでして人手を集める必要があるのか。何故オスク派と手を取り合うことなく事を進めるのか

仮にプク派が魔法の国のためになる事をして手柄を独り占めするつもりなら、それにスノーホワイトを巻き込まないでほしい。彼女は本当の仲間とずっと笑い合っていてほしい

ファルは急いでスノーホワイトの仲間――ラ・ピュセルとアリスに状況を伝えた


・・・・・・


ダークキューティーとグラシアーネはデリュージとブルーベルを連れて街の外まで逃げた。ようやく揺らいでいた気持ちが収まり、腰を下ろす


グラシアーネ「ここまでくれば……大丈夫……」

ブルーベル「どうしてオティヌスさんを置いてきたんですか?」

ダークキューティー「時間が無かった」

グラシアーネ「私達でもギリギリだった。あのプク様……じゃない。プク・プックのことをメチャクチャ好きになりかけてたんだ」

デリュージ「私も、一目見て……」

グラシアーネ「アイツ、多分自分を好きになるような洗脳を私達にしてた。アイツを見た瞬間好きになりかけてたから急いで目を閉じて何も聞かずに逃げ出したってこと。クライアントは置いてけないから一緒に連れてった」

ダークキューティー「ブルーベルはたまたま近くにいたから運び出せたが、オティヌスは遠かった。オティヌスまで助けていたらその僅かな時間で我々はプク・プックに堕ちていた」

プフレ「そうか、大変だったな」

グラシアーネ「どわぁぁ!!? い、いつのまに!?」


デリュージ「プフレ……何故ここに」

プフレ「失敗とはいえ作戦が終わったのならちょうどいい。終わってなかったら途中でも止めさせたまでだが、今はこんなところにいる場合ではないよ」

グラシアーネ「何故?」

プフレ「プク派に大きな動きがある。デリュージ、頼む。シャドウゲールは無事かどうか確認してほしい」

デリュージ「シャドウゲールを監禁してるところでは常に数人の魔法少女が監視している。手荒なことはしていないはず」

プフレ「君達が何かするとは思っていないよ。問題はプク派だ。もしかしたら、シャドウゲールを君から横取りしている可能性がある。私が間違っているならそれでいい。馬鹿な早とちりだと笑ってくれて構わない。頼む。彼女は大切なものなんだ」

デリュージ「……」


しぶしぶ魔法の端末を取り、電話を入れた。出ない

出ないなんてことはないだろう。あの場所には常に誰かしらを詰めさせている。それが出ないということは――

デリュージは単身デモンウイングに捕まると、どこかへ飛んでいった


プフレ「……杞憂ではなかったか」


・・・・・・

セルティは影の中で急いで飛んでいくデリュージを見て、プフレ達の前にその姿を現そうとした

屋敷の近くでスノーホワイト発見との報をシャッフリンから受けたハムエルがビルから飛んでいき、意気消沈した顔で戻って来てどうしたと尋ねたら「プク・プックに先を越されました」と敗北宣言をされたとき、セルティの頭にあったのはダークキューティーだった

ハムエルはダークキューティー達が逃げるまでの一部始終を遥か遠くから見ていたらしい。セルティは勢いよく立ち上がった


ハムエル「あ、もう立って大丈夫なんですね……って、どこに?」

セルティ「ダークキューティーからサインを貰っていません」

ハムエル「はぁ……そうですか」

セルティ「ダークキューティー達が逃げた方向は分かりますか?」

ハムエル「屋敷から西の方に逃げて行った気が……」


セルティは礼を言って今度こそ足をくじかないようビルから降り、屋上を伝って屋敷から西側へと走った。オティヌスとスノーホワイトはもういない。オスク派の仲間としてダークキューティーの仲間であろう魔法少女を殺したが建物の中の出来事だ。いくらでも言い訳はできる。サインを貰うことが第一だ


しばらくして休んでいるダークキューティー達を見つけたところにプフレが出て来たのは渡りに舟だった。ここは人事部門のフリをしてそしらぬ顔で出ていこう


グラシアーネ「っ、お前! みっさんを殺したサイコパス野郎……!」

セルティ「えっ(なんでバレてんの!?)」

グラシアーネ「私達も殺しに来たのか!」

プフレ「セルティじゃないか。何故ここに?」

ダークキューティー「知り合いか」

プフレ「人事部門の部下だ。だが君がみっちゃんを殺したと?」


 セルティの知力(75)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→うまく言い訳する
 失敗→問答無用


 23……成功!

 
 
セルティ「実は、私はオスク派とカスパ派の二重スパイだったんです」


プフレ「……」

セルティ「オスク派の信用を得るためにCQ天使ハムエルという魔法少女と同行し、あの場で仕事をしていたのですが……ハムエルの疑いの監視は強く、ああするしかありませんでした」

グラシアーネ「信じられるかそんなこと!」

セルティ「信じてくださいとしか言えません。あなた達の仲間を殺してしまったのは取り返しがつかないことだとは分かっています。ですが、カスパ派であるプフレさんへの報告がてら、あなた達をこれ以上攻撃する気は無いと言うためにここに来させていただきました」

ダークキューティー「…………そうか」

グラシアーネ「え、信じるんで!?」

ダークキューティー「立場が違えば戦うしかない。セルティがみっちゃんを殺すしかなかったのだというのなら、もう責めはしない。みっちゃんもいつかはこうなると覚悟していたことだろう」

セルティ「ありがとうございます……」

セルティ「(やった! ダークキューティーに名前覚えてもらえた!!)」


>>231致命的な間違い訂正
×→さらにはプレミアム幸子を死なせてしまった
〇→さらにはプク派の魔法少女を1人死なせてしまった


プフレ「そうかそうか。ご苦労だった。少し2人で話をしたいからそこまでいいかな?」

セルティ「はい」


2人で他の魔法少女達に話が聞こえない位置まで移動する


プフレ「…………さて、君は人事部門の魔法少女だということは知っている。が、何故あんな言い訳を?」

セルティ「あそこでフレデリカの名前を出して良い事はないだろうと思いまして」

プフレ「……フレデリカ? それは、ピティ・フレデリカのことか? 君は奴とどういう関係だ」

セルティ「えっ? いや、あなたもご存じでしょう?」

プフレ「………………そういうことか」

セルティ「?」

プフレ「すまない。どうやら私は記憶を失っているようだ。それも恐らく、悪いことに関する記憶をね」

セルティ「ええぇ……では何故さっき何も言わずにいてくれたのですか?」

プフレ「君は人事部門の部下だからね。言い訳くらい聞いてやろうと思ったのさ」

セルティ「……ではうまい言い訳でなければ問答無用だったと」

プフレ「まぁそうなるね」


セルティ「ではあなたがフレデリカと内通し、色々とまずいことをやっているのも忘れているんですか」

プフレ「ああそうだ。何をやったのかは言わなくていい。私はこれまで人事部門長になるために色々と汚いこともやってきただろうからね、悪いことをしている自分というのは大体想像がつく……だからオティヌスもあの時、ああ言ったのか……」

セルティ「オティヌス……ああ、そういえばあなたは人造魔法少女計画に出資していましたね」

プフレ「やはりか……オティヌスには後で謝っておかないとな」

セルティ「そのオティヌスもプク派に取り込まれたと聞いておりますがね」

プフレ「プク・プックが何かしたのだろう。私はこれから人事部門長として監査部門とオスク派に色々と話を持ち掛けようと思う。君も来るかい?」

セルティ「はい。お供しましょう。ですがその前に……」

プフレ「野暮用かな?」

セルティ「ダークキューティーからサインを貰ってきます」


グラシアーネも割り切ってくれたようで、以後遺恨は残さないと言ってくれた

こんな格言を知ってる? 「割り切れよ、でないと……死ぬぞ」

割り切るというのは大事だ

ダークキューティーからサインを貰ってからプフレに言われた通りにハムエルのところに戻った


ハムエル「あ、お帰りなさい。どうでした?」

セルティ「ダークキューティー達は人事部門の手の者でした。どうやら彼女達もプレミアム幸子を狙っていたものの、プリンセス・デリュージが暴走してシャッフリンにフレンドリーファイアしてしまったとのこと」

ハムエル「じゃあ……あの人達は味方だったと?」

セルティ「そういうことになりますね。色々と行き違いがあってシャッフリンには不幸な目にあわせてしまいました」

ハムエル「そうだったんですか……」

セルティ「人事部門長プフレから、オスク派とコンタクトをとりたいというアポイントメントを伝えておきます」

ハムエル「分かりました。すぐにでもウチの上司と会わせましょう」


フレデリカにも連絡した。どうやらフレデリカは別の顔でカスパ派の現身の側近らしい

なんで最近脱獄したくせに側近なの? という疑問はこの際置いておこう


フレデリカ『そうですか……分かりました。プク派のことはオスク派も掴んでいるでしょうから、大きな動きがあるならカスパ派も介入させていただきましょう』

セルティ「具体的にどうするんですか?」

フレデリカ『カスパ派としてオスク派に協力します。あ、あなたが二重スパイだったということにもしておきますよ』

セルティ「ありがとうございます」


ハムエルに「ついでにカスパ派からもコンタクトがあります」と言っておいた


・・・・・・


オティヌスはプク様の屋敷に入り、知った顔がいることに気付いた


オティヌス「あなたはこの前の……お顔は治ったようですね」

キノ「え? ああ、S市の……」

プク「みんなー! これから儀式に向かうよー! 今から着替えるから1時間くらい待ってねー!」


 オティヌスの知力(94)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→1時間って長すぎじゃ……
 失敗→はーい!


 23……成功!

 
 
オティヌス「……プク様、オスク派は我々の動きを知っているのですか?」


プク「えっ? あー……もしかしたら知られてるかも」

オティヌス「オスク派とプク派は昔から対立してきたと聞いています。もしオスク派が本気になってこちらを監視しているとしたら、必ず儀式を妨害することでしょう。ここは早めに動くことが賢明かと。着替えに1時間というのは……」

「こら貴様! プク様に何言ってんの!」

オティヌス「す、すみません……」

プク「ううん、分かった! 頑張って早く着替えるね! オティヌスお姉ちゃん頭いいんだね!」

オティヌス「い、いえ……そんな……」


ああ、褒められた。進言してよかった


幸子「あ、あの……プク様。ごめんなさい……」

プク「ううん、いいの。もしかしたら幸子が儀式の大切な部分をやらなくていいかもしれなくなってきたから」

幸子「えっ、それって……じゃあ、私……いらないですか?」

プク「そんなことないよ! 一緒に行こう?」

うるる「そうだよ幸子、プク様が幸子をいらない子にするわけないじゃん」

幸子「えへへ……よかった」


プクは宣言通り1時間よりはるかに速い時間で着替えると、早速行こうと言い、車に乗った

他にも屋敷にはトラックが何台もある。中身は大量の魔法の宝石――儀式に必要らしい――と、プクに心酔しプクに従う忠実な魔法少女達だ。その数は多い


キノ「シャドウゲールは儀式に必要らしいじゃない。頑張ってね」

シャドウゲール「キノの方こそ」


プクの乗る車は3列シートだ。運転席には運転担当の魔法少女が、二列目にはうるると幸子に挟まれたプクが、3列目にはキノとスノーホワイトとシャドウゲールが座っている

インフェルノとオティヌスは別の車だが、何かあった時のためにいつでも連絡ができるようになっている

車内はまるで遠足に行くバスの中のような雰囲気だ。とても仰々しい儀式をするようには思えない


プク「1時間くらいで遺跡につくから、皆リラックスしてね!」

キノ「はーい!」


・・・・・・

~2ヶ月前~


ペチカ「だから、何度も言ってるじゃないですか! 早くストーカーを退治してくださいって!」

『ええ、その通報ならもう20回目です。ですが派遣した魔法少女の誰も彼もが「そんな仕事あったっけ」と帰ってきてしまうのです』

ペチカ「そういう魔法なんです! もういい加減に対処してください! 監査部門でしょ!?」


ペチカはついに堪忍袋の緒が切れていた。日頃付きまとってくるストーカーという名の信徒を監査部門にはやいとこ突き出そうと思っていたのだ

シャナには魔法の国に自分が生きていると知らせるのはやめてくれと言われていたが、もう知ったこっちゃない。これ以上耐えられない。シャナの名前を伏せれば通報したっていいだろう

最初に通報した時には「魔法少女のストーカーってマジですか?」と相手にされなかった。何回も通報してやっと来てくれた監査部門の魔法少女はシャナの姿を見て記憶を失い帰っていった。それが何回も続いたのだ。キレもする


ペチカ「とにかく、一番強いのを派遣してください!」

『わ、分かりました……ウチのエースを送ります』


しばらくして兎耳の魔法少女が送られてきた。なんか頼りない。ホントにエースか?


羽菜「監査部門の下克上羽菜と言います。ストーカー被害にあわれているとか」

ペチカ「そうなんです! いつも私が寝た時に色々色々……この前なんか下着を盗まれました!」

羽菜「許せませんね! 安心してください、あなたが寝ている間に賊は成敗します!」

ペチカ「(そう言って皆私が寝ている間に帰っていったんですよ……)」


その日の深夜、羽菜がペチカの部屋に隠れて寝ずの番をしていると、窓が開き賊が入って来た


シャナ「よしよし、今日も寝てる……うへへ」

羽菜「そこまでです! 監査部門で――――あれ?」

シャナ「チッ、今日もか――あれ?」


羽菜「あなたは、あの時の……!」

シャナ「お前は……生きてたのか。だが姿を見られた以上記憶から――」


羽菜はシャナの両手を掴むと、シャナが魔法を使う時間も与えずに壁際へと追い詰め――


羽菜「あの時はありがとうございます!」


感謝した


羽菜「B市が消滅したと聞いて、ずっとお礼が言いたかったのですが、あなたが行方不明になったと知り……」

シャナ「……そっか。プキンの魔法から解放されると操られてた時の記憶も……」

羽菜「あなたが私達のために動いているとは分かっていました……ですがお礼も言えず、諦めていたのですが……まさかあなたがストーカーだったなんて!」

シャナ「言いがかりだ! 私はストーカーではなくボディーガードだ!」


シャナ「それに、私はお前を斬った奴だぞ。恨みこそすれ感謝なんて……」

羽菜「プキンから守ってくれたのだとも知ってます」

シャナ「…………ちっ、ならその恩に報いてほしいな。今日は帰ってほしい。今からペチカ様を堪能するんだ」

智香「させませんよ」ピキピキ

シャナ「げ、起きてた……」

智香「人の部屋でドタバタやられれば起きますよ!」

羽菜「あ、ストーカーは確保しました」

智香「ありがとうございます。しょっ引いてください」

シャナ「ちょ、嫌だ! 魔法の国はもう嫌だ! 羽菜頼む、見逃してくれ! 私はもう暗殺なんて面倒な仕事したくないんだよ!」

羽菜「え、暗殺?」

シャナ「(あ、そういえば言ってなかった)」


シャナは自分のことと、自分が何故B市にいたのかを簡潔に説明し、もう魔法の国に関わりたくない、静かに暮らしたいと言うと、羽菜は困っていた


羽菜「……でも仕事ですし……」

シャナ「頼む!」

羽菜「………………分かりました」

智香「分かっちゃ駄目でしょ!?」

羽菜「シャナさんも今日は帰ってください。あと、もうやらないと約束してください」

シャナ「分かった。約束しよう」

智香「ソイツ平気な顔して約束破りますよ! 騙されないで!」

羽菜「でも恩があるので……」

シャナ「今日は帰る。そしてもう2度とペチカ様の部屋に侵入しないと誓おう


そう約束すると羽菜は帰っていった。智香にはしこたま怒られた

そして次の日、シャナは智香の部屋に侵入した


・・・・・・

~現在~


オスク派とカスパ派はプク派の素早い動きに後手に回ざるを得なくなった

プフレはセルティと共にカスパ派として、魔法少女レーテを暫定トップとするオスク派と共に遺跡のある場所へ向かった

そこは今いるこことは違う世界にあり、行くにはゲートを通る必要がある

その世界はプクが儀式に必要とする「装置」のためにある世界だ。三賢人の師匠である「始まりの魔法使い」が作り、この世界に封印したのだ

現在はオスク派の厳重な警戒のもと管理しているが、報告を聞くにプク派は既に遺跡に入っているらしい

つまり、プクが門を突破したということだ

荒野であるこの世界には門があり、その向こうにある2つの山の間の谷に遺跡がある。遺跡に行くには門を突破するしかない


レーテ「…………門が落ちているなら、最初の戦場はここになるな」

ハムエル「そうでしょうねぇ……」


・・・・・・


遺跡に突入したプク達は瞬く間に警備のオスク派の悪魔や魔法少女達を倒し、最深部――「装置」のある部屋にやってきた

迷路のような遺跡だったが、プクの持つ地図で迷うことなくここまで来れた。あとはシャドウゲールとキノの仕事だ


プク「キノお姉ちゃん、シャドウゲールお姉ちゃん、お願いね!」

キノ「はい!」

シャドウゲール「必ず装置を動かせるようにしてみせます!」


シャドウゲールの魔法……「機械を改造する」魔法を知ったプクは何者かに囚われていたシャドウゲールを助け出した後、装置をプクが扱えるように改造させるために連れて来た

そしてスノーホワイトと共に屋敷へとやってきたキノの魔法なら、シャドウゲールの魔法を強化して作業の効率を上げてくれることだろう


「プク様、オスク派の連中がゲートを通って来たとの知らせが」


 オティヌスの知力(94)ロール……>>直下コンマ二桁

 成功→戦法の提案
 失敗→プク様かわいい


 75……成功!

 
 
オティヌス「プク様、オスク派はおそらく我々の行動に慌てて追いかけて来たのでしょう。満足に戦力があるとは思えません。一気に叩き潰しましょう」


プク「オティヌスお姉ちゃんは本当に頭がいいね。分かった。皆! 作業にかかる子は早速作業を始めて、戦いが得意な子は全員でオスク派の奴らを追い払って!」


はーい! と誰もが元気よく返事をする。スノーホワイトやインフェルノ等、戦える魔法少女はすぐさま門へと向かっていった


オティヌス「プク様は作業を見守られますか?」

プク「うーんそれもいいかな。時間かかるみたいだけど」

オティヌス「我々は時間稼ぎが出来ればいいんです。もし門に向かった部隊が突破されたら、プク様を遺跡の入り口に配置したいのですが。そうすればオスク派は皆お友達になってくれますよ」

プク「……いいね! 分かった! 早く皆一緒になれるといいね」

オティヌス「ええ……早くあの装置の中でドロドロに溶けて、皆でプク様に見守られたいです」ウットリ


・・・・・・


ハムエル「吉岡さん、ラツム様は今日は……」

吉岡「ラツムは置いてきました」

レーテ「そうか。カスパ派の戦力は?」

吉岡「今ここにはあなた方にお貸ししたシャッフリンⅡと、このメルティ☆セルティしかおりません」

レーテ「頼りにならんな……というか、そこのは誰だ。戦力じゃないのか?」

吉岡「あ、プリズムチェリーは私の個人的な付き添いです」

ハムエル「ピクニックですか!?」


オスク派はプクが大体何をしようとしているのか、諜報員などを通して分かっている。プク・プックがやろうとしているのはすべての魔法少女を消すことだ。そんなことが許されるわけがない

レーテは方々に手助けを求めた。嫌われ者のオスク派でも、プク派の凶行を止められるならと藁にも縋る思いで協力してくれるところは沢山あった

監査部門のマナ、リップル、ラ・ピュセル、ハードゴア・アリスもまた、事情は違えどその中のひとつだった


マナはプフレに「監査部門のスノーホワイトとキノがプク派に協力しているぞ」と言われてたまらず来たのだ。身内がそんなことに手を貸していると知って止めない上司はいない

リップル達を呼んだ覚えは無いが、どうやらファルに言われて来たとのこと。そのファルはスノーホワイトのもとにいるが、どういうわけかプクに従わず、こちらに情報を寄越してくれている


マナ「内通者いわく、プク派はあの門に戦力を集中させているらしい」

レーテ「そうか。初戦から決戦だな」

ハムエル「あちらの戦力がどれだけのものか知りませんが、こちらの戦力はシャッフリン十数セットとカスパ派の寄越してくれた魔法少女達ですね。少し心もとないですが……」

プフレ「時間が無かったのだから、間に合わないのは仕方がないだろう。時間を稼いで増援を待ちたいところだが……その時間が無いときた」

レーテ「うむ、早く攻め込まねばプク・プックの儀式の準備が完了してしまう。そうなってはもうおしまいだ」

吉岡「早くなんとかしないとですね」

プリズムチェリー「マスター……こわいです……」

吉岡「おーよしよし。大丈夫ですよー」


デリュージ「プリズムチェリー! あなた、生きて……」

プリズムチェリー「……?」

デリュージ「オティヌスが探していた。まさかカスパ派に保護されてるなんて……よかった」

吉岡「……すみません。プリズムチェリーは記憶を失っていて」

デリュージ「ああ、そうなんですか……でもよかった。オティヌスも喜びます」

吉岡「そのオティヌスは今プク・プックの陣営に居るんでしたっけ。なんとか会えるといいですね」

ラ・ピュセル「リップル、『またかよ』とか言わないでよ」

リップル「言いたくもなる。またかよ!!」

アリス「操られのテンドンを使うキノは芸人」


過去に色々とあっても、今は仲間だ。中には過去いがみあった仲の魔法少女もいるだろうが、今はどーこー言っていられない

現在オスク派とカスパ派とその他有象無象の連合軍は門の前にいる。まずはこの門を突破しなければならないのだ

ファルの情報通りなら、門の向こうには多数の敵が待ち構えているだろう


ハムエル「っ、門が開いていきます!」

レーテ「来るな…………戦闘用意」

ハムエル「皆さん、私が魔法で皆さんの頭の中に語り掛けますので、指示に従ってください。まずはシャッフリン達と共に進んでください」

マナ「お前達も行け。キノは遺跡の最深部にいるらしいが、スノーホワイトは出張ってきている」

ラ・ピュセル「はい!」

アリス「スノーホワイト……」

プフレ「ファルから連絡がある。インフェルノもあそこにいるそうだよ。だが君は今日沢山動いて疲れただろう。ブルーベル達の居るテントに戻って休んでいても……」

デリュージ「いや……やる……」

吉岡「じゃ、よろしくお願いします」

セルティ「はいはいー……ひひひ」


門が開いた。プク派は最初から全力で戦力の整っていない連合軍を叩きに来た。ファルの言っていた通りだ

魔法少女同士の戦争が始まる


ハムエル「皆さん、シャッフリンを前に出しますので、第二波として行ってください!」

グラシアーネ「とりま戦況は見ときますよっと」

プフレ「すまないね。休み休みでいいから頼む」

グラシアーネ「大丈夫大丈夫。ブルーベルはリーダーと一緒にテントで休んでるんで」


まずシャッフリンのスペードとクラブの上位ナンバーがプク派の魔法少女達に襲い掛かる。相手も精兵だ。それだけで簡単には終わらない

各々が魔法を使い、シャッフリンを駆逐した。特にスノーホワイトとインフェルノが上位ナンバーを狩っているのが痛い。数で言えばプク派の方がやや有利だ


ハムエル『まずい、皆さん、お願いします』

ラ・ピュセル「いた、スノーホワイトだ!」

スノーホワイト「……この声は……ラ・ピュセル?」

ラ・ピュセル「はぁぁ!!」

スノーホワイト「っ、ラ・ピュセル、アリス……なんで攻撃してくるの」

アリス「あなたは操られているんです……」

ラ・ピュセル「リップルの気持ちが分かるよ。今はどうにかして君を開放したい!」

スノーホワイト「……解放?」

ラ・ピュセル「ああ。プク・プックから君を開放する」

スノーホワイト「…………ふ、ふふふふっ、間違ってるよそうちゃん。解放されるのは皆だよ。プク様が皆を開放するの。邪魔するならそうちゃんや亜子ちゃんだって容赦はしない」

アリス「っ……」

ラ・ピュセル「耳を貸すなアリス! 今は倒すことだけを!」

アリス「はい……!」


リップル「(キノ……キノ……!)」ズバッ

「ぐあぁっ!」

リップル「邪魔をするな!」

インフェルノ「お前こそ!」

リップル「っ、あの時の……」

インフェルノ「その節はどうも! でも今は敵だね!」

リップル「邪魔をするなら、命の保証はできない」

デリュージ「インフェルノ!」

インフェルノ「ああ、デリュージ……丁度いい、一緒にプク様のところに行こうよ」

デリュージ「…………」チャキ

インフェルノ「…………ああ、そう。なら仕方ないね」


オティヌスはプクから離れることを悲しみながらも、門の上から戦場を観察していた。プク様に部隊の指揮を任されたのだからやってみせる。新参者の私にこんな大役をくれるなんて、プク様は本当に素晴らしい


オティヌス「…………やはり連合、手強いか……」

オティヌス「(特にシャッフリンのエースは、こちらの魔法少女達とも対等以上に戦っている)」

オティヌス「(作戦開始か)」


門に備え付けの拡声器を使うときだ。ボリュームを最大にすれば、戦場の音に負けない声を届けられる


オティヌス「皆さん、例の作戦を」


 スノーホワイトの数値……>>↓1コンマ二桁
 ラ・ピュセルとアリスの数値……>>↓2コンマ二桁
 インフェルノの数値……>>↓3コンマ二桁
 リップルとデリュージの数値……>>↓4コンマ二桁
 
 プク派の魔法少女の数値が勝っていた場合……相手がプク派に寝返る
 連合軍の魔法少女の数値が勝っていた場合……相手は目を閉じる


プク派の魔法少女達は一斉に今戦っている相手に自分の端末を見せた。相手は勿論何事かと見てしまう

そこにはまほまほ動画にもアップされているプクのダンス動画が表示されていた。まずい。プクの魔法は本人を見ずとも、写真の類ですら発動してしまう


ハムエル『皆さん! その画面を見ないで! 目を閉じて!』

リップル「ッ!」

デリュージ「分かってる!」

ラ・ピュセル「アリス!」

アリス「見てません」

スノーホワイト「目を閉じてていいの?」ズバッ

アリス「っ……!」ドサッ

ラ・ピュセル「なっ……小雪! 本気か!?」


そこは事前に対策もあった。大半は自発的に気付いたり、ハムエルの声を受けたりしてなんとかプクに魅了されることなく無事な魔法少女だ

だが一部には画面を見て魅了されてしまう魔法少女達もいた。そういったのは寝返ってつい数秒まで仲間だった者達に襲い掛かっている。魅了されずとも、目を瞑っている隙を突かれてやられる魔法少女もいた


リップル「(クッ、見なきゃ私の魔法は使えないっていうのに……!)」

インフェルノ「どうしたのデリュージ、防がないと死んじゃうよ!」

デリュージ「くっそぉ……!」バシュッ

インフェルノ「今更ラグジュアリーモードをしたって!」


インフェルノは既にラグジュアリーモードを発動している。だがデリュージのそれは違う。もっと強力なものだ


デリュージ「ラグジュアリーモード、バースト……!」

インフェルノ「ッ!?」

デリュージ「ぶん殴って目を覚まさせてやる!」


 デリュージの数値……>>↓1コンマ二桁-10(目を瞑っているため)
 インフェルノの数値……>>↓2コンマ二桁
 
 デリュージの数値が勝っていた場合……インフェルノ気絶
 インフェルノの数値が勝っていた場合……デリュージ気絶(50以上上回っていた場合撃破)


インフェルノ「バーストなら、私も使えるっての!」

デリュージ「(なっ、そこにいたはずなのに……空振った……!)」

インフェルノ「デリュージより速く動くこともできるしね!」ドカッ

デリュージ「う…………!」ドサッ

インフェルノ「…………プク様のところに行こうか。きっとデリュージも分かってくれるよ。プク様の素晴らしさが」


インフェルノの当身にデリュージの変身が解ける。W市からこっち、ずっと変身していたのだろう。ただでさえ燃費の悪い人造魔法少女であるデリュージの糸がついに切れてしまった

奈美を担ぎ、背を見せたインフェルノをリップルが襲う


リップル「はぁぁぁ!」

インフェルノ「皆! この人がお友達を増やすのを邪魔してくる!!」

「任せて!」「早くプク様のところに連れてって!」

リップル「チッ、アイツは諦めるしか……」


ラ・ピュセル「(視界を塞がれて心の声も聞かれてるんじゃ、到底太刀打ちが……!)」

スノーホワイト「(アリスは昔に比べて再生速度が格段に上がってる……切り刻んでも5秒くらいで復活するし……その5秒でラ・ピュセルを……!)」

アリス「気を」ドサッ

アリス「つけて」ドサッ

アリス「スノー」ドサッ

アリス「ホワイトは」ドサッ

アリス「本気で」ドサッ

アリス「殺しにきてる」ドサッ


アリスが何度も斬り殺されては復活して斬り殺されては復活する。ラ・ピュセルにとって、アリスがやられる瞬間だけスノーホワイトの位置がアリスの近くにいるのだと分かる。アリスはそれを見越してあえて声を出しているのだろう

今のスノーホワイトはプク・プックにすべてを捧げている。例え歴戦の仲間だろうと幼馴染みだろうと容赦無しに排除するつもりだ

ラ・ピュセルは次の一撃が決まらなければ撤退しようと決めた


 ラ・ピュセルの数値……>>↓1コンマ二桁-30(読心され目を瞑っているため)
 スノーホワイトの数値……>>↓2コンマ二桁
 
 ラ・ピュセルの数値が勝っていた場合……スノーホワイト撃退
 スノーホワイトの数値が勝っていた場合……ラ・ピュセルとアリス撤退(70以上上回っていた場合ラ・ピュセル撃破)


せっかくアリスが囮になってくれているのだ。次アリスの声が聞こえたらそこをやる。アリスごと……スノーホワイトならきっと避けられるはずだ。死なないように弱めに振りぬく

その甘さからだろうか。それともスノーホワイトが相手だからだろうか、ラ・ピュセルの動きは鈍くなり、スノーホワイトのいい的になる


スノーホワイト「……」ズバッ

アリス「だめ……!」ドサッ

ラ・ピュセル「はぁぁぁぁ!!」


アリスが起き上がるまで5秒。その5秒の間に、スノーホワイトはラ・ピュセルの斬撃を避け、心臓へとルーラを突き入れた


ラ・ピュセル「っ、…………く、っそぉ……!」

スノーホワイト「……そうちゃんが悪いんだよ。そうちゃんが……プク様に従わないから」

ラ・ピュセル「こ、ゆき…………」


スノーホワイトの頬にラ・ピュセルの手が添えられ、颯太の手から力が抜けた


スノーホワイト「………………」

アリス「…………!」


アリスの本気の蹴りがスノーホワイトを襲うが、心を読まれて簡単に避けられた

アリス達は下校中にファルからスノーホワイトのことを聞いた。下を見ると、学ランの前を開け、ワイシャツを真っ赤に染めた颯太がいる

何年も3人で過ごしてきた。人間状態の顔だって見慣れているから、見間違えるわけがない


アリス「っ、スノーホワイト!」

スノーホワイト「アリスは再生する前に四次元袋に入れればいいかな」


ファルにもその一部始終は分かっている。故にファルは後悔した。呼ぶべきではなかった。この3人を数年も見ていると、きっと今度もなんとかしてくれると、そう思っていた

その機能があれば、おそらく涙を流していた


ファル「………………ラ・ピュセル、ごめん、ぽん……」


あの時ファルは現在プク・プックに従っている者以外の連絡先にとにかく片っ端から連絡を入れた。スノーホワイトの連絡先自体あまり多い方ではないからそんなに数はいないが

とにかくキークのゲームに巻き込まれた者達の生き残りにも声をかけたが、返信があったのはラ・ピュセル、アリス、リップル、プフレの他には1人だけだったのだ

そのラ・ピュセルが死んだ。ファルには罪悪感が残る。それだけではない。仮に連合軍が勝利してスノーホワイトが生き残った場合、どうなるか想像もしたくない


アリス「あなたは、何をしたか……! 分かっているんですか!」

スノーホワイト「……」ズバッ


スノーホワイトはアリスの首を飛ばし、倒れた体を四次元袋に放り込むとそのまま戦闘を続けた


初めは拮抗していた形勢が大きく傾いている。連合軍はまだ奮闘を続けているが、多くの者が寝返ったりやられたりしている

そしてここは屋外。セルティも満足に魔法を使えない


セルティ「(クソッ、スペードの1なんかが裏切ったら厄介だ……!)」

「はぁぁぁ!」

セルティ「ぐあっ!」


大げさに吹っ飛び、やられたフリをして前線から下がる。このままでは連合軍は確実に終わる


セルティ「(いっそ寝返ってプク派に……いや、プク派に入ったところで待ってるのはドロドロだ……!)」


 セルティの知力(75)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→プリズムチェリーの魔法を思い出す
 失敗→一時撤退


 09……クリティカル!
 クリティカル報酬、知力が1上がった!(76)

 
セルティ「(ッ、そうだ……えーっと、フレデリカの番号は)」ピッ

吉岡『はいはい』

セルティ「プリズムチェリーの魔法、確か鏡の中の物を変えるでしたよね」

吉岡『ええ』

セルティ「彼女の持ってる鏡に、太陽を」

吉岡『ふむ、分かりました』


ほどなくして、陣地の方から直視できないほどの光が浴びせられた。誰もがその眩しさに動きを止めるが、太陽に背を向けているセルティは違った

影が細く長く伸び、それは最早門の方まで届いている。そしてその影の上には何人かのプク派がいる。あとは簡単だ


セルティ「死ねよ!」


セルティの伸びた影に覆われたプク派の魔法少女がその影に蹂躙された。槍で刺され、ハサミで首を切られ――


セルティ「よし、次!」


横移動して別のプク派へと自分の影を重ねる。今回ばかりは自分の趣味を優先させている暇は無い。とにかく早く殺す

よし、ここだな。2度目の影祭りいくぞ! と思ったときに限ってセルティを運が見放した

突然プリズムチェリーから送られてくる光が途絶えたのだ。どういうことだと後ろを向くと、謎の集団がこちらに向かってくるのが見えた


吉岡「大丈夫ですか?」

プリズムチェリー「いたた……大丈夫。突き飛ばされただけです」

ハムエル「なんだったんですか今の乱暴な連中」

「申し上げます! 突如謎の一団が戦場に乱入! プク派の魔法少女達を蹴散らして一直線に門へ突撃しています!」

レーテ「見ればわかる! 増援かな?」

「い、いえ……こちらのシャッフリンも被害を受けております」

ハムエル「はぁ!?」

プフレ「…………こちらの戦力ではないのか?」

グラシアーネ「見てみる……………………こ、これは……」

プフレ「どうだ?」

グラシアーネ「…………これはひどい」


・・・・・・


「うっひょー! 強そうなのがわんさかいるな!」

「目的は戦うことじゃないですよ! 分かってますね!?」

「ね、ねぇ本当に私がこの軽トラ運転してて大丈夫なの? 免許持ってないんだけど」

「オートマだからアクセルベタ踏みで、あとは根性っすよ!」

「おお、こんな数の魔法少女は吾輩も見たことないぞ。長生きはしてみるものだな」

「敵も味方も壮観ね! また一緒に戦えて嬉しいね!」


「貴様ら止まれ! どこの所属だ、プク派か? オスク派か!?」

「そうイライラしないでくださいよ。味覚強化しておきますから、まぁ一口どう、ぞ!」

「モガッ!?」

「プク・プックか……奴もまだ生きているとはな」

「プク派? オスク派? んなもんねぇよ。私達は――」












シャナ「ペチカ派だゴラァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッッ!!!!」













今日はここまで
フォーエバーそうちゃん……


・・・・・・


グラシアーネ「ペチカ派とか言って暴れ回ってる……」

プフレ「ペチカ?」

「申し上げます! 管理部門の協力のもと、謎の一団にいる魔法少女が分かりました! とんでもない奴らばかりです!!」

レーテ「述べよ」

「先頭を突っ走っているのは外交部門の美しい妖精のシャナ、軽トラックにはディティック・ベルとペチカ。これらは無名の魔法少女ですが、他が頭おかしいです! 昨年脱獄した伝説の魔法少女プキン、元魔王塾の袋井魔梨華、葱乃、革命軍のトットポップ、監査部門のエース下克上羽菜、2代目ラピス・ラズリーヌ、魔王塾の双龍パナース、双子星キューティーアルタイル、闇の牙リミット、他にもスタイラー美々、フィルルゥ、キューティーベガ、コクリちゃん、アウロ、ミナ・マッドガーデナー・エイカー、マイヤー、バーター嵐子、メタリィ、転寝早苗、もるもるモルグ、ぷちでびぃ……ピンからキリまで、とにかくヤバすぎます!!」

吉岡「すっげぇ」

マナ「羽菜だと!?」

レーテ「なんだその集団は!」

プフレ「ぷっ、あっははははははははははは!! 旗印はペチカというわけか……悲しいじゃないか。同窓会くらい呼んでくれてもいいだろうに」

吉岡「(トットポップ、どこに行ってたのかと思ったら……)」


ハムエル「プク派の戦線は崩れかかっておりますが、どうしますか?」

レーテ「あんな乱戦に手勢を突っ込んで消耗させる手は無い、が……今突っ込めば門を落とせるやもしれんな」


ペチカ派と名乗る世紀末集団はもうやりたい放題だった

ベルの運転する軽トラの荷台にはペチカと、彼女が作った料理がたんまり。今でもせっせと空き缶を料理に変え、出来上がっている料理をトラックの周りの魔法少女達にパスしている。襲い掛かるプク派やらオスク派やら関係無しにとにかく食わせまくる。飯テロ(物理)だ

拒んだ奴は処刑。女神ペチカ様の料理を食わずは魔法少女にあらず


魔梨華・ミナ「ヒャッハァ!!」

プキン「はっはっはっは!!」

ラズリーヌ「はーっはっはっは!!」

羽菜「あはははははははは!!」

シャナ「ギャハハハハハ!!」


魔梨華「オラ食えッ! いや食うな! その代わりボコボコにさせやがれぇ!!」

スタイラー美々「この馬鹿にボコボコにされたくなければ食べてくださーい!」

羽菜「味覚3000倍ですよー!」

フィルルゥ「これも食い扶持のため!」

パナース「この至高のカレーラーメンを食わなければ龍の餌にしてやる!」

ラズリーヌ「これもオマケに食うっすよ!」

シャナ「ペチカ様あぶにああああああああああああああああああ!!!」ズバッ

プキン「女神に何かあればお前を処刑するぞ」

シャナ「そっくりそのまま返してやるよその言葉」


トラックにスペードの1が向かう。周りを囲う魔法少女達の間を縫い、ペチカへとその槍を向け――


シャナ・プキン「 邪 魔 だ ボ ケ ! ! ! ! 」


シャナとプキンにバラバラに斬り刻まれた


シャナ「ゲヒャヒャ! お前らやれぇ! 気に食わねぇ奴と料理を食わねぇ奴はぶっ殺せ!!」

「「「「「 ヒ ャ ッ ハ  ー ー ー ー ー ! ! ! ! 」」」」」

シャナ「プクだのオスクだのを信仰する邪教とは根切りだ! 刈りつくせ!! 生き残りたけりゃ改宗しろオラァ!!」

「「「「「 ヒ ャ ッ ハ  ー ー ー ー ー ! ! ! ! 」」」」」

ベル「ひぃぃぃぃぃ!」

ペチカ「あわわわわわわわわわわわわ」ガクブル


その辺からかっぱらってきた社用の会社名を塗りつぶし、「ペチカ様万歳!!」「フォーエバーペチカ」などと書かれた軽トラは多くの魔法少女の護衛のもと、傷ひとつ負っていない

料理を食ってもなお刃向かうシャッフリンなどはとりあえず撫で斬り根切りにした

トラックの進路上に居た憐れなプク派の魔法少女達も、ペチカの料理を口に押し込まれるか殺されるかの選択しか残らず、中には血気盛んな魔法少女もいて、そういうのはとりあえず運が悪ければ死に、運が良くて戦闘不能に陥るばかりだった


シャナ「いいか! 私達ペチカ派の信徒達にはどうしても許せないことが3つある!」

「そうだそうだ!」

シャナ「ひとつ、この世にペチカ様を知らない魔法少女が存在するということ!」

「殺せ!」「焼け!」「食え!」

シャナ「ふたつ、ペチカ様を見て跪かない魔法少女!」

「ざっけんな!」「平伏しろ平伏!!」

シャナ「みっつ、シャッフリンの衣装、アレ際どいなとか思って横から見たら思い切りインナーがあったことだ!!」

「カラーページのキャラ紹介で期待したのに!」「裏切り者ー!」「プキン将軍みたいにもっと潔くしろ!!」

シャッフリン「」オロオロ

プキン「いや、吾輩もこの下にはちゃんと服を着てるぞ」

シャナ「でもそれほぼ申し訳程度の服でへそと太腿丸出しじゃん! 最初お前を見たとき布1枚に穴空けて首を通してるだけの痴女かと思ったわ!」


オティヌス「なにあれ……っ! 撤退! 門を閉じます、早く撤退を! なるべくお友達を見捨てないで!」


オティヌスの指示のもと、もう動けない魔法少女もできるだけ担いだりして門の向こうへと退いていくプク派。レーテはこれ好機ぞ攻めよと言いたいが、例の一団がいるのに突撃命令を下すかどうか迷う


レーテ「アレどうするべきかな?」

ハムエル「あー……まぁ、とりあえず私達の敵にはしないようにしましょう」

プフレ「私が橋渡しをしよう」

レーテ「できるのか?」

プフレ「あの中にちょっとした知り合いがいる。味方になってくれるはずだよ」

ハムエル「シャッフリンの皆さん、とにかく注意して。門は彼女達が勝手に攻めてくれます。あちらと目を合わせないように。あいつら中学のヤンキー並みに因縁つけて来ますよ」


・・・・・・

~1ヶ月弱前~


シャナはキークのゲームから解放されてからかつての勘を取り戻し、1年弱前B市で魔王パムに敗れてから鍛錬を欠かさなかった。剣術を研究し、姿勢を変え、太刀筋を変え、時にプキンを相手に模擬戦をやり、中国の奥地で仙人と出会い、NASAのセミナーに行き、以前よりもずっと強くなった実感があった

だが1年とは長いようで短く、シャナの鍛錬は満足がいくまで完成することはなく、自分にはまだ上があると思っている。もっと鍛錬すれば、もっと経験を積めば、もっと戦えば――

魔法の国にバレないよう魔王パムに挑みに行ったのは、頼み事がてら途中経過を知るつもりからだった

結果、惨敗


シャナ「くっ……あ、……っそぉ……!」

パム「馬鹿め。生半可に力をつけて浮かれたか?」

シャナ「……まだだ」

パム「ほう、まだやるか」


シャナ「まだ私には上がある……先がある……!」

パム「なら見せてみろ」

シャナ「死ねよやあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


魔王パムの二の腕にほんの少しだけ切り傷を入れた。ぶっ飛ばされた


シャナ「ぐふっ」

パム「まだタンスの角の方が私にダメージを与えられるが……まぁ約束は約束だ。一撃と数えてお前の頼みとやらを聞いてやる」

シャナ「う…………あんたと、あんたの人脈を借りたい……」

パム「は?」

シャナ「あんたをはじめとする魔王塾の連中を、私に貸してくれ」

パム「これはまた……どこかに攻め入る愚連隊でも結成する気か?」

シャナ「ああそうだ」


外交部門に顔を出す気の無いシャナにとって、主な情報収集はネットだ。こういうとき匿名掲示板というのは便利だ。魔法少女だけが使えるここは、よほどの荒らし行為を働かなければ通報されない

掲示板にはグリムハート逮捕からの事故死で祭りになっているスレッドやお通夜になっているスレッドなど、色々とあった。中には新しい魔法少女アニメの主人公に決定していた魔法少女のSNSヲチスレなどもある。シャナが特に気に入っているのは日記形式のスレだ。最近のトレンドはHN≪対魔忍≫の「嫁日記」だ。魔法少女なのに嫁? という疑問は置いておく。同居生活をしている同僚魔法少女の可愛さがこれでもかと書いてあり、「砂糖吐いた」「早く爆発しろ」など読者は愛のある罵倒を浴びせつつ楽しんでいる。あとはHN≪コック≫の「変態ストーカーに住所特定されたんだけど助けて」とか。「〇月×日。今日はお気に入りのパンツを目の前で食べられた。もうやだ」のレスには「監査部門に通報すべき」「とりあえず通報」「最近グリムハート逮捕したのって監査部門でしょ? そこに頼めばいいじゃん」などなど、真摯に対応されている

閑話休題

2週間前、カオス極まるスレッド群の中にある異彩を放つというかキチってるというか、「プク様がもうすぐ魔法の国を救ってくれる」というスレッドを見つけた。

ここからは他の釣りスレやネタスレには無い狂気じみたものを感じた。勘というやつだが、魔法少女の勘はもしかしたら捨てたもんじゃないかもしれない。シャナはプク派について調べ回った

シャナの魔法は隠密に有利だ。「グリムハート昇天したけどねぇどんな気持ち?wwww」などという煽りに対して「コイツはプク派」などと個人情報を晒されるという通報まっしぐらの無慈悲なスレッドの情報を頼りにプク派と思わしき魔法少女を尾行し、時に脅し、時に内情を話させて色々知った

驚いたのはネットに書いてあった通りソイツがプク派だったことだ


どうやらプク・プックという奴は大変ヤバい計画を立てているらしい。ソイツにはまったく自覚が無かったが、冷静になれとビンタしてやりたかった

太古の装置を起動させてすべての魔法少女をそこに入れ、外からはプクが眺める。熱帯魚じゃねぇんだぞと突っ込みたくなる

これにはオスク派とかいうプク派と対立している派閥が黙っていないだろう。下手したら全面戦争だ

だがこれは絶好のチャンスだ。ペチカを本物の魔法少女にするための

ペチカは最高の魔法少女だ。清く正しく美しく、慈愛の心に満ち、あのゲームを経て何かを感じたのか、最近はその中に強さを見せつつある。もしかしたらゲームのせいじゃなくて自分のせいかもしれないがそんなことはまぁどうでもいいじゃないか

彼女は在野に埋もれてていい魔法少女ではない。彼女には美味しい料理で皆を幸せにするという魔法少女然とした才能がある

そのためにはまずペチカという存在を大々的に魔法の国に知らしめてやる必要があり、「こんな素晴らしい魔法少女がいるんだぞ」と他の魔法少女達に見せてやる必要があり、プクだのオスクだの訳の分からない連中よりペチカこそ至高と教えてやる必要がある


ならば舞台は派手に、部隊も派手に。強烈なインパクトと先進的なセンセーショナリズムを持った登場が良い

「やめてー争わないでー!」と行かせるのは簡単だしペチカのキャラだろうが、それはだめだ。印象に残らない。ここはたとえどんな印象を抱かれてもいいようにしようと思う

「周りクソヤバいけど本人は優しいんだよ」的な。まぁ自分やプキンなど、周りのインパクトに圧倒されてペチカ本人も畜生だと思われてしまうかもしれないが今はまだそれでいい。まずはペチカという存在が知られることに意義があるのだ

部隊はまず偶然再会した羽菜を誘うところから始まった。ここまできたら自分の性格を押し通している場合ではない。なるべくお節介焼きみたいに、なるべくしゃーねーなぁと言わせるように。それに羽菜には一応恩を着せている形となっているから引き込むことができた

次に1年ぶりにトットポップに連絡を入れ、秘密の作戦会議だと言って呼んだ。久しぶりの再会はトットポップが胸に飛び込んで来て思わず仰向けに倒れるという強烈なものだった

トットポップはシャナとプキンが生きているとは思わなかったらしい。両手で握手してブンブンと振っているその様は見ていると懐かしさすら覚える

次はかつての仲間達だ。ディティック・ベル、ラピス・ラズリーヌ……人事部門長のプフレに話を持ち掛けるのは流石に酷だと思いやめた。キノにも声をかけたかったが、アイツはマジで気に入らない。こんな時に私情を挟んで戦力を減らすなと冷静な自分が諭すが、無理だ。自分でも不思議なくらい、キノとはまったく気が合わない。これが不?戴天というやつか

ベルとラズリーヌは快諾してくれた(実際ベルは嫌がっていたが)。頼れる仲間達が揃いつつある。が、デカい舞台にこの人数では寂しい。そこでシャナはプライドを捨て、会いたくない相手に会って下げたくない頭を下げたのだ


パム「…………分かった。魔王塾の連中に召集をかけておこう」

シャナ「っ……!」

パム「だが私は行かん」

シャナ「え、なんで」

パム「確かにお前の考える『舞台』にはプク派オスク派入り乱れた強い相手がいるだろう。だが、私は待つことにした」

シャナ「何を?」

パム「お前をだ」

シャナ「ッ…………」

パム「楽しみにしているぞ。仕上げてこい」

シャナ「……チート使ってる魔王に、レベル50くらいの戦士で挑めっての?」

パム「レベルはカンストさせて来い。お前もチートを使え。逃げるなよ。お前は私の獲物になった。狩られたくなくば牙を研げ。できなければ首を洗っていろ」


魔王パムにプキンと住む例のボロ家の住所を教えると、後はさっさと帰れの一点張りをされた

シャナは頭を下げて帰宅し、翌日の夜にプキンとだべっていると、玄関を叩く者が何人もいた

いつもはプキンとテプセケメイが日本語の勉強のためにテレビを見ているが、これじゃ静かに見れないだろう

ツラを見る。予想通り、暴力的な連中がたくさんだ。連中と作るはペチカ様の花道という名の修羅道だ


魔梨華「お前がシャナか! あのクソ魔王が私にまで声をかけて来たから何事かと思ったが……面白そうじゃん!」

スタイラー美々「スタイラー美々です。本当は魔王塾じゃないんですけど、どうやら魔王パムから魔王塾関係者に片っ端から声がかかったようで……私まで」

パナース「久しいな」

シャナ「誰子さん?」

パナース「双龍パナースだ! まだお前が魔王塾に居た頃、1度決闘を申し込んだことがあっただろうが!」

シャナ「ああー……? …………あー……?」

パナース「忘れるなよ!? 魔王パムから使えそうな知り合いもとにかくかき集めろと言われたから皆適当に連れて来たんだぞ!」

シャナ「ああ……だから知らない人も…………あのアフロすっげぇ」


魔王塾ってこんなに少なかったっけと思うが、魔王パムの誘いにも乗らない跳ねっ返りがいるらしい。実に魔王塾みたいだ。本当はそういう奴にこそ来てほしかったが、来ないなら来ないで仕方ない。来てくれた連中も精兵だ

だがこれで舞台と部隊が整った。各員の面通しをすぐに行う


ラズリーヌ「あれー! パナっち久しぶりっす! 相変わらず邪気眼っすか?」

パナース「殺すぞ貴様ァ!」

シャナ「そうだ羽菜、前のあの、B市の時のリボンの魔法少女とか来られないか?」

羽菜「リボン……? ああ、繰々姫さんですか。あの人は魔法少女やめちゃいまして。記憶を消されて一般人でいることを選びました」

シャナ「……そっか。一番幸せだな、それが……」

フィルルゥ「スタイラーさんからなんの連絡かと思いきや……あの、本当にここが私の就職先なんですか?」

シャナ「……さぁ」

フィルルゥ「フリーランスの魔法少女達が使うSNSでうっかり喋っちゃって、戦えれば誰でも歓迎なら皆で就職しようってことで来たんですけど、本当にここってまっとうな魔法の国の職場なんですか!?」

シャナ「今は違う。だが、これからそうする。おい皆! 女神のおなりだ! ひれ伏せ!!」


魔梨華「なんだよペチカってどんな奴かと思ったら、弱っちいだろ絶対」

プキン「ひれ伏せ愚民共! 女神ペチカの御前であるぞ!」

テプセケメイ「頭がたかーい頭がたかーい」

羽菜「ッ、ぷ、プキン! それにあなた、革命軍の!」

シャナ「あ、言うの忘れてた」

プキン「おお、羽菜か。久しぶりだな」

トットポップ「お久しぶりね。今は仲間ね」

羽菜「ぁ……はぁ…………まいっか」

シャナ「とりあえずペチカ様の料理を皆に振舞う。この方はこれからすべての魔法少女の基本となり中心となる方だ。飯を食ってこの方についていこうと思った奴だけ残れ! そうじゃなければ帰ってくれて構わん!」


なんだなんだ。魔王パムからの招集だというのに、地獄サバイバルでもなければ模擬戦でもない。戦闘とまったく無縁なイベントかよ

就職先が見つかると思ったのに、騙された?

そう訝しんでいた者達は悉くペチカの料理に首を垂れた

ここにペチカ派が誕生したのだ


シャナ「一応確認したい。この中にプク派またはオスク派という魔法少女はいるか?」

「あ、私オスク派……」「プク様派だ」

シャナ「今からペチカ派になれ」

「はい」


シャナ「よろしい。私達は何のために集まったと思う?」

魔梨華「はっ、わざわざ魔王塾呼んでんだ……そりゃ戦うためだろ!」

シャナ「正解! 近々プク派とオスク派の衝突があると思われる。私達はそこに突撃し、目に付いた奴を片っ端から叩き潰す!」

「「「「「おおー!!」」」」」

魔梨華「いいねぇいいねぇ! 賛成だ!」

スタイラー美々「聞いてないですよ!!?」

シャナ「言ってなかったからな。旗印は勿論、ここにおわすペチカ様だ! 三賢人とかいう連中のなにが偉い!? 美味しい料理を作るペチカ様の方が偉いに決まってんだろ!」

テプセケメイ「そうだよ」

プキン「そうだぞ」


日本語を覚えたプキンは最近妙にウザい


魔王塾の面々は戦いと聞いて今から胸躍らせる戦闘民族ばかりだ。魔王塾を放逐された袋井魔梨華でさえ、久々に会った魔王塾の連中と気でも合ったのか楽しそうにしている

羽菜はなにかしらの決心をしたのか、表情が締まっていた。下手したら死地へと赴くの薄々予想はしてたのだろう、マナを連れてこなかったのは大切に思っているからか

理由を知ってずらかろうとしたフィルルゥ達フリーランス組や他の魔法少女達にはもう1度ペチカの料理を食わせた


コクリちゃん「ううっ、久々にこんな高級料理……!」

シャナ「うまいだろ。ペチカ派に入れば毎日食べられるんだぞ」

フィルルゥ「毎日…………つまり、食いっぱぐれない……!」

アウロ「それだーーーーー!!」

シャナ「これから魔法の国の3つある派閥の内2つに喧嘩を売るんだ。皆、行方不明ということにしておけよ! 異論は許さん! 仕事は休め! 端末没収!」


ペチカのご馳走に騒ぐ魔法少女達から離れて、シャナはペチカに問い詰められていた


ペチカ「あの、ホントになんなんですかこれ!」

シャナ「説明した通りです。近いうちにあなたは魔法の国に喧嘩を売るんです」

ペチカ「なんでですか!」

シャナ「あなたを担ぎ上げるために」

ペチカ「結構です! 私はそんな、魔法の国に喧嘩を売るために魔法少女になったんじゃ……」

シャナ「まぁ厳密に言うと喧嘩を売るのは私達です。あなたは私達の神輿なんです」

ペチカ「だから、なんで私がそんな役割にならなくちゃいけないんですか!」

シャナ「…………あなたにしかできないからです」

ペチカ「できますよ誰だって!」

シャナ「いいえ。そもそも、何故プク派とかオスク派とか、三賢人とか、魔法の国のいざこざがあると思いますか? それはわざわざ何人もいるから派閥が出来て軋轢が出来るんですよ」


シャナ「ここで1度、誰か1人がすべての魔法少女を統一すべきじゃないかなぁって、思いません?」

ペチカ「っ、そ、それを私にやれと!? 馬鹿なんですか!?」

シャナ「あなたにはできる。前にも言いましたね……あなたは本物の魔法少女だって」

ペチカ「それはあなたの主観ですよ!」

シャナ「今はそうかもしれません……ですが、あなたは『なれる』んですよ。私がそうさせる」

ペチカ「…………自分勝手……」

シャナ「ええ。そうです。あなたは自分をただ普通の魔法少女だと思っていませんか? ただの普通の魔法少女……どこにでもいる、平凡な」

ペチカ「そうですよ。私は普通の、ただの人間です! あのゲームさえなければ、あんなことさえなければ……!」

シャナ「ええ。あのゲームがあったから、私はあなたと出会えた。自分のすべてをかけてもいいと思えるあなたと出会えた」

ペチカ「……なんでそんなに、私にこだわるんですか」

シャナ「あなたが好きだからです」


ペチカ「っ……ふざけ――」

シャナ「ふざけているわけではありません。私はあなたが好きなんです。恋慕とか友情とか、そういうものではない。皆あなたのことが好きになる。あなたは光。私の……皆の光なんです」

ペチカ「そんなんじゃないですって……」

シャナ「今の魔法の国には、私のような『犠牲者』ばかり。あなたもそうでしょうが……あなたは私達のように堕ちることは無かった。あなたは魔法少女のままでいてくれた」

シャナ「だからこそ、あなたは皆の上に立つべきなのです。ペチカ」

ペチカ「…………(初めて、呼び捨てにされた……)」

シャナ「私が今やろうとしていることは、自分の思いをあなたに押し付けて、あなたの運命を狂わせます。謝ります。けど、どれだけあなたに嫌がられようと私はやめない。私は自分の考えを押し通す」

シャナ「…………私は自分勝手です。沢山の人を殺しているのにのうのうと生きて、勝手にあなたに可能性があると決めつけ、無理を強いようとしている。ですが、魔法少女は可能性なんです。あなたは、未来の可能性なんです。私のすべてを捧げます。だから、私達にすべて委ねてください。あなたのすべてを、私達にください」

ペチカ「………………」

シャナ「…………………………」

ペチカ「…………ゎ」

シャナ「……」


ペチカ「私に、そんな力はありません……私だって本当は自分勝手で、弱くて…………皆の足を引っ張って、挙句、死なせてしまって……それなのにいきなり、救世主になれって言われてるようなもので」グスッ

ペチカ「私は、私は…………なにもできない……」

シャナ「…………これも前に言いましたね。あなたは向き合わなくてはならない。皆の死に。自分1人で」


2年前のキークの事件……あのゲームに参加させられていた頃のペチカは、ここで挫けていた。だからシャナもこれ以上気持ちをぶつけることもなかった

だが2年という歳月は、智香とペチカに「向き合う」という力を与えていた。向き合い、認め、己を変革し、周りを変革するという力を

その力が、ペチカを諦観と決心へと導く


ペチカ「私に、あの時……力があったら……」

シャナ「私達が、その力です。私達はあなたのために戦う。あなたのために死ぬ。ですがあなたは、私達の死に向き合える。そして作ることができる。本物の魔法少女による、本当の魔法少女を」

ペチカ「………………私は――」


ペチカ派は今はまだ、ただ飯と戦いに釣られシャナに無理やり連れてこられただけの荒くれ集団だ

だがいつか、ペチカを知った誰かがシャナやプキンのようになれば、同じように救われるのではないか

ペチカがいたから、ゲームから解放された後も暗殺者などという仕事をやる中で心を失わずにいられた

自分がやっていることは狂信者が世の中をかき乱すのと同じことだ。ああ狂信者さ。何とでも言え。私はそれが正しいと思ったから進むんだ。魔法少女なんてそんなもんだ

ペチカは皆の心の支えになることができる存在だ。神格化されるべき存在だ。いつか、いつかと願う。本物の魔法少女のもと、今の魔法の国がより良くなってくれたら、自分や他の連中みたいに、憧れを捨ててしまった人達も、魔法少女に憧れる者もきっと――


・・・・・・


シャナ「っ……」ブンブン

シャナ「(変なことを思い出したな……)」


突然ファルから連絡があった時は驚いた。連絡帳にある者達に片っ端から送っていたようだが、まさか死んでいるはずのシャナにまで送って来るということは、よっぽどの事態だろう

とりあえずベルとラズリーヌに返事をするなと言い、シャナだけが返事をした。当然驚かれた。「死んだと思ってたぽん」と言われた時には相変わらずだなと思った

ファルのリアルタイムで更新される情報のもと、どことどこが戦うとか、ゲートの場所はどこかとか、プクの魔法の推測とか、戦力とか様々なことが分かったが仲間を緊急招集するのに時間がかかってしまった。だがこんな乱戦に飛び込めるのなら願ったり叶ったりだ

そしてファルの情報は突撃する寸前まで続いていたから、今プク派がどんな戦法をとっているかも分かる


ふと、殺気の飛び交う戦場で自分を貫く強烈な敵意を感じた


スノーホワイト「……邪魔」

シャナ「ッ、スノーホワイトか!?」


ルーラと太刀が交錯する。ファルから連絡があった時になんとなく予想はしていた

背後からプキンが斬りかかる。避けられた


プキン「ほう、やる奴か」

スノーホワイト「……」スッ

プキン「秘密兵器か? 何を取り出す」

シャナ「ッ、目を瞑れ!」


流石にプキンも分かったのだろう。スノーホワイトのとった作戦はさっきと同じ、プクの写真やら映像やらを見せて寝返らせるものだ。こちらの目が潰れた。音と感覚を頼りにするしかない


プキン「ふっ」

スノーホワイト「っ……!」

プキン「目を潰してどうこうとか、ずいぶんつまらない奴だなお前」


目を瞑ったまま、プキンはルーラをレイピアで受け流す。おそらくラズリーヌ辺りもなんなくできるだろう。シャナもやってやれないことは無いかもしれないが、自信が無い

普通ならこれで拮抗するが、スノーホワイトは普通ではない。彼女の能力は知っている


 シャナの身体能力(95-50+30=75)ロール(読心により-50、プキンとの共闘により+30)……>>直下コンマ二桁
 
 成功→スノーホワイトから魔法の端末を奪う
 失敗→画面を見てしまう


 93……ファンブル
 

目は開けまいとしていた。だが視界に囚われて耳に意識を集中してしまったのは失敗だった

スノーホワイトはプキンを退け、シャナを押し倒すとその耳に大音量でプクの声を聞かせてきたのだ


シャナ「ぁ……あ、あっ……!」

スノーホワイト「可愛い声でしょ。プク様、いいよね」

シャナ「……いい、プク様、いい……」

プキン「クッ!」


プキンがスノーホワイトに斬りかかるが避けられる。できたことと言えばシャナから引き剥がしたことくらいだ

プク様の声が忘れられない。あんな声に囁かれたら、絶対に蕩ける。そういやプク様の計画は皆で溶けることだっけ。ああ……いいなぁそれ

シャナは自分の頬にピッと筋が入れられるのを感じた


 シャナの幸運(96)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→プキンの魔法が発動
 失敗→プクの魔法の方が強かった


プキン「起きろ馬鹿者」

シャナ「……あ、ああ…………」

プキン「お前はプク・プックという存在を知ってもなお、ペチカに心酔し忠誠を誓う奴だ」

シャナ「そうだよ。何言ってんだ」

プキン「…………ふむ、どうやら一安心だな」

スノーホワイト「……プク様の魔法が効いていない…………?」

プキン「ああそうとも。悪いが我々は全員お前らの手の内を知っている」


流暢な日本語で行われたスノーホワイトへのブラフは効いたようだった。スノーホワイトは魔法の端末をしまい、今度こそルーラを両手で構えてきている


プキン「第二幕と行こうか」ダッ

スノーホワイト「……!」ダッ


魔梨華「オラオラーッ! どきやがれ!」

ラズリーヌ「ペチカ様のお通りっすよ!」

羽菜「ほーら美味しいでしょー!」

スタイラー美々「あの3人とも! 料理、料理忘れないで持って! 目的は食べさせることですよ!」

魔梨華「ああ食わせてやるよ。この拳をなぁ!!」

「ぐええぇっ!」

魔梨華「もっと歯ごたえのある奴ぁいねーのかぁ!?」

パナース「ペチカ号が来る! 門に突っ込むぞ!」

コクリちゃん「やだ、あれじゃペチカ様が!」

アウロ「おまかせ!」ダッ


ベル「うわああぁぁ! ぶ、ブレーキ、間に合わない!」


アクセルベタ踏みの軽トラックが門にぶつかりそうになったところで、アウロのアフロがクッションとなって止まった

フリーランスの魔法少女アウロのアフロはどんな衝撃も吸収するのだ


アウロ「危ない危ない」

ベル「た、助かった……? ペチカ、大丈夫?」

ペチカ「なんとか……」

魔梨華「オラオラーッ! まだ暴れ足りないんだよー!」

羽菜「もっと食べていいんですよー!」

スタイラー美々「……あの、下克上さんって、結構はっちゃける方だったんですね」

羽菜「なんか楽しくなってきちゃって。難しいこと考えずに皆で騒ぐの、楽しくないですか?」


シャナ「ッ、お前らやめだやめ! 相手が撤退してる、深追いするな!」

魔梨華「かんけーねーぇって!」

シャナ「やめろバカ野郎!」

スタイラー美々「そうですよ! どうせこれから追いかけるんですから!」

スノーホワイト「(皆撤退した……)」

プキン「さて、どうする。味方はみっともなく背を向けて逃げ出したぞ」

スノーホワイト「(この人達の乱入で退いてたオスク派も、徐々にこっちに向かってきてる……足止めは厳しいか……)」ダッ

プキン「………………奴はなかなかやるな」

シャナ「アイツは心を読む魔法を持ってる。タイマンじゃ分が悪い」


安価少なかったけど今日はここまで
アイハブ ア そうちゃんのペン アイハブ ア そうちゃん オンッ、合体
そうちゃn……


・・・・・・


オティヌス「チッ……門から遺跡まで何の防御設備が無いのはどうなのよ……」ブツブツ


まんまと突如乱入してきたペチカ派とかいう連中にやられた。だが収穫もある。シャッフリンが意外と寝返ってくれた

戦力は減ったというより、減って増えたと言うべきか

敵のシャッフリンの数は多く、10数ケースは居た。シャッフリン1セットにつき52体いるから単純計算でスペードとクラブが250人以上いたことになる

こちらも相当数の魔法少女を揃えていたがシャッフリンの数とペチカ派の勢いに3割を削られた。だが向こうは戦力の大半を失っている。多くのシャッフリンの寝返りのお陰で、こちらの優勢は変わらない

しかし門が落ちてしまった以上、遺跡まで守るに適した場所が無いということは、このままでは遺跡での最終決戦になってしまう

よく分からないが、戦争は首都まで攻められたら実質負けらしいから相当ヤバい


オティヌス「(なんとか、あいつらが遺跡にたどり着くまでに数を減らす。ならば……)」

オティヌス「シャッフリン、全員来て」


オティヌスが指揮官だと悟ったのか、鹵獲したシャッフリンMK-Ⅱ、シャッフリン試作2号機、イージスシャッフリン、デュエルシャッフリン、バスターシャッフリン、ブリッツシャッフリン、フリーダムシャッフリン、カオスシャッフリン、アビスシャッフリン、ガイアシャッフリン、シャッフリンスローネツヴァイ等、様々な型のシャッフリンが集まる


 オティヌスの幸運(01)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→その中にスペードやクラブの1がいる
 失敗→よくて9ばっか


 05……失敗

 
 
オティヌス「(こんなもんか……流石に上位の連中は引っかからなかったと……)」


オティヌス「というかシャッフリンの種類多すぎません? 各々、自分の特色を」


新しく加わった戦力を見る。数はあっても期待ができるかどうか

だが居る戦力は活用しなければいけない。オティヌスはシャッフリンだけでなく、撤退中の魔法少女達にも声をかけた


 これからの戦法は……>>463
 
 1.門から遺跡にたどり着くまでに散発的な奇襲
 2.遺跡に戻り籠城戦

2


オティヌス「(……仕方ない)」

オティヌス「戻って籠城戦をしましょう。私達の目的は勝つことではなく、時間を稼ぐことです。遺跡の入り口にはプク様もいらっしゃいますし、装置の完成は時間の問題かと」

スノーホワイト「……ねぇオティヌス」

オティヌス「はい?」

スノーホワイト「オスク派の陣営の中で厄介な魔法少女はいた?」

オティヌス「厄介なのしかいない……と言った方がいいかもしれませんね」

スノーホワイト「シャッフリンを数体、あっちに紛れ込ませよう」

オティヌス「え?」

スノーホワイト「厄介なら潰そうよ。全部」

オティヌス「え、ええ……」


・・・・・・


シャナ「よし、門から敵は退いたな」

プキン「だが閉じられているな」

魔梨華「私ならこんな門、一撃でブチ破ってやるけど?」

シャナ「ペチカ様に頼もう。オスク派の連中にも見せておきたい」

ラズリーヌ「ペチカのスゴサーーってやつっすね!」

ベル「ねぇ、私なら門自体に頼んで開けてもらうこともできるけど」

ラズリーヌ「ベルっち! 今からペチカがやるんだから邪魔しちゃダメっす!」

ベル「そんなこと言ったら私のいる意味がなくなるじゃないか!」

シャナ「後でなんとかしろよ! 遺跡なら建物だろ」


ペチカ「この門でいいんですね。やってみます」

プキン「何になるか楽しみだ」

プフレ「やぁ、久しぶり」

シャナ「プフレ? いたのかよ」

プフレ「あの時の同窓会か? にしては部外者が多いのと、1人足りないのが気になるね。あと呼んでくれてもよかっただろうに。同窓会に呼ばれないのって相当堪えるらしい」

シャナ「人事部門長にクーデターの片棒担がせようとは思わねぇって」

プフレ「だからキノも呼ばなかったのか……呼んでいれば今頃敵同士でなかっただろうに」

シャナ「……厄介だ」

プフレ「ああ。この上なく厄介だよ。あ、そうそう。君達と話がしたいとオスク派の代表が言ってきてるんだが」

シャナ「代表?」

レーテ「私だ。これはどういうことかな?」


プキン「見ての通りだ。我らが女神ペチカのお披露目会だ」

レーテ「なにがお披露目会だ。ふざけているのか?」

ハムエル「まぁまぁ落ち着いて! 気を悪くして都合のよくなる連中じゃないですよこいつらは」ヒソヒソ

プフレ「まぁこのようにカスパ派はともかくオスク派は戦場の乱入者に非常にお怒りだ。あ、私はカスパ派で通っているよ」

レーテ「あの劣勢を覆した礼は言おう。だが、この非常時にこちらにまで攻撃を加えた理由を知りたい」

シャナ「そもそもウチらペチカ派の目的はそっちと似ているようで違うからな」

レーテ「なんだと? プク派の儀式を止めねばペチカ派とやらも消えてなくなるのだぞ」

シャナ「だからプク派は潰す。これには変わりないが、その後でオスク派も潰す」

レーテ「……どうやら話の通じる相手ではないようだな」

プフレ「まぁまぁ。どうすれば潰されずに済む?」

シャナ「簡単だ。ペチカ派に降ればいい」

プフレ「これはまた」


プフレ「君達の中には革命軍のトットポップも居る……ということは、革命軍の正体はペチカ派だったと?」

シャナ「少し違うな。革命軍とは目的が同じだったから併合しただけだ。プフレはペチカ様が反体制派やるように見えるか?」

プフレ「見えないね。担がれて神輿になるとは、かつての戦友としては複雑な気持ちだよ。というわけで共同戦線といこう」

シャナ「なにがというわけでなんだ?」

プフレ「懐かしい顔と話していると時間を忘れる。が、時間は有限だ。しかも今は限りなく少ない。ウィットに富んだ会話よりも実を得ることにした」

シャナ「そういうことね……まぁ今回限りならそれでもいいが」

プフレ「決まりだ。仮に君原作のアニメの2期が作られることになったらスポンサーは任せなさい」

シャナ「弱み握ったつもりかよ……」

ハムエル「あ、お仲間になったんですね」

レーテ「邪魔だけはしないようにな」


ハムエル「時間が無いってのは分かってるんですけど、今シャッフリンの確認をしてるんです。すみませんが同じ歩幅でいくなら、少しの間テントをお貸ししますので休んでは?」

シャナ「ありがたい申し出だが、私達は常にペチカ様と共にある。ここにいるよ」

マナ「羽菜、羽菜は!?」タッタッタ


レーテ達と共に陣地からやってきたのはプフレだけではない。マナは羽菜を見つけると飛びついた


羽菜「きゃっ、あ、マナ」

マナ「『あ』じゃない! なんで連絡くれなかったんだ!」

羽菜「端末没収されてて」エヘヘ

マナ「クソ共が! 潰してやる!」

プキン「ほう、いつぞやの魔法使いじゃないか。いいぞ、戦おうか」

マナ「今度こそ逮捕してやる、そこに直れ!」


このやり取りとペチカ派によってもたらされたおにぎりはオスク派の魔法少女達を和ませた


・・・・・・


陣地に残った魔法少女達もまた、シャッフリンの確認をしている間は待機だ。ダークキューティーとグラシアーネが数ある中のテントのひとつで休んでいる

グラシアーネ「ペチカ派とかいう連中とは共同戦線を張るみたい」

ダークキューティー「そうか……」

セルティ「すみません、ダークキューティーさんは……っ、あ、いた!」

ダークキューティー「セルティか」

セルティ「あ、あの……お話を……」

ダークキューティー「デリュージはどうした?」

セルティ「デリュージ? いえ、存じていませんね」

グラシアーネ「クライアント死んじゃったかな?」

セルティ「一応死んだ人の死体は回収しているらしいですが、見に行きますか?」

グラシアーネ「元の姿知らないしいいや」


そこにハートの2がやってくる。なんでもダークキューティーとセルティにプフレから話があるそうだ


ダークキューティー「……行くか」

セルティ「(……ん? ダークキューティーと一緒に歩ける……!?)」

セルティ「行きましょうか。時間がもったいないですし」

グラシアーネ「いってらっしゃい」

セルティ「にしてもさっきは『少しの間だがゆっくり休んでくれ』とか言っていたのに、すぐに呼び出すなんて人事部長も気まぐれですね」


 セルティの知力(76)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→プフレはそんなタイプか?と疑問に思う
 失敗→言われた通り行く


 66……成功!

 
 
セルティ「(……だが、あのプフレがそんなタイプか? 適当な話ならわざわざ呼ばないし、重要な話でも人は使わず自分で赴くか端末にメッセージを送るだろう。そもそもシャッフリンは今数えてる最中だろう……?)」


セルティ「……」


セルティを気にせずプフレのもとへ行ったダークキューティーの背中を見ながら、グラシアーネに声をかけられる

行かないのかという問いに、やっぱいいですと答えた


グラシアーネ「勝手な奴。ま、みっさんの穴を埋めるくらいの活躍したらしいから今だけはチャラにしよう」

セルティ「まだ根に……持ってますよね。すみません」


そこへシャッフリンのクラブとスペードが10人ほど飛び込んで来て、セルティは「ああ、そういうことね」と頷いた


グラシアーネ「……ねぇ、この状況ってなに?」

セルティ「私とダークキューティーがいなくなったところであなたを暗殺しようとしたのでしょうね。どこかの誰かが」

グラシアーネ「プク派か!」


今頃ダークキューティーはプフレに呼んだ覚えは無いと言われて混乱していることだろう

非戦闘員でありながら戦場どころか遺跡の奥地まで一望できるグラシアーネは確かに敵にとっては厄介極まる

グラシアーネの魔法を知っているプク派の魔法少女……思い当たる顔がひとつ


グラシアーネ「……オティヌスか」


 セルティの数値……>>↓1コンマ二桁
 グラシアーネの数値……>>↓2コンマ二桁
 シャッフリンの数値……>>↓3コンマ二桁
 
 セルティの数値が勝っていた場合……シャッフリン撃破と同時にテントから脱出(50以上上回っていた場合グラシアーネを無条件で救出)
 グラシアーネの数値が勝っていた場合……テントから脱出(40以上上回っていた場合セルティを無条件で救出)
 シャッフリンの数値が勝っていた場合……テントから逃がさない
 


セルティ「どこの誰でも構いませんよ。屋内で戦闘を仕掛けてくるなど愚の骨頂」

グラシアーネ「守ってはくれないと?」

セルティ「あなたも部長の言う『最高の人材』なのでしょう?」

グラシアーネ「部隊の中の斥候って意味ならね……戦いとなっちゃあ……」


シャッフリンは槍とこん棒を構え、ジリジリと包囲を狭めてくる

クラブが何かを放った

それは拳大の丸いもので、眩い光を放つと同時にセルティ対策であると気付かされるものだった


セルティ「(閃光弾!? クッ!)」

グラシアーネ「やっば!」


部屋の影がほぼ消えると同時に、セルティの影とシャッフリンの影が繋がらないそして包囲されている以上、逃げられない。まずい


シャッフリンは全員ゴーグルをつけていた。つまり視界において……


セルティ「(クソが!)」

グラシアーネ「やばい!」

セルティ「(こんなところで終われるか……!)」


 セルティの身体能力(50)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→這う這うの体でダメージを受けながら逃げ出す
 失敗→シャッフリンに刺され、重傷を負うも逃げ出す
 ファンブル→死ぬ


 03……成功!


 クリティカルボーナス(どちらかを選んでください)
 ノーダメでグラシアーネ共々逃げ出すのは都合が良すぎるので
 ダメージを受けた場合、この章での身体能力ロールにてずっと-20されます

 >>495

 1.視界が無い中ノーダメで1人だけ奇跡的に脱出
 2.グラシアーネ共々ダメージを受けながらも脱出

2


シャッフリンの槍やら棍棒やらが2人を襲う

その内1つがセルティの脇腹を裂いた


セルティ「あ、が……!」

グラシアーネ「おい、どうなってる!?」

セルティ「ぐ……」


グラシアーネにも棍棒が叩きつけられた。頭から血を流しながら悶えている様が音から想像できる

運が良かったのは光が収まるまでに行われた攻撃がこれだけだったことだろう


セルティ「ク、ソ……があああぁぁぁ!!」


光が収まり、視界が徐々に戻って来た。出口はあそこで、グラシアーネはここだ。仕方ない、助けてやるか


右手を地面に叩きつけ、影を使い自分とグラシアーネの体を出口へと押し出す。テントの外に出た。屋外の光で影の助けはそこまでだ


グラシアーネ「ぅ……」

セルティ「(なんで私が人助けなんだよチクショウ!!)」

セルティ「誰、か…………敵が……!」

ダークキューティー「……!」


プフレを後につけ、ダークキューティーが走って来ていた。ああ、やはりダークキューティーは私の中の最高のキャラクターだ

セルティが掠れる声でテントの中に敵がいると話すと、すぐさま駆逐してくれた


ダークキューティー「無事か」

グラシアーネ「いや……そうでも…………」

セルティ「死にそう……です……」

プフレ「大丈夫だ。魔法少女はそう簡単に死ねるもんじゃないさ」

セルティ「(それが簡単に死ぬんだよ……! いってぇぇぇぇ~~~!!)」


プフレ「……これでは魔法は使えないか」

グラシアーネ「多少なら……でも、頭ぐわんぐわんして集中できない……」

プフレ「休んでいたまえ…………敵は目を潰しに来たか」

グラシアーネ「多分、オティヌス……あいつ、策士だぁねぇ……」ガクッ

プフレ「……気絶したか」

セルティ「………………オティヌス……?」

プフレ「ダークキューティーと共に行動していた魔法少女だが、今はプク派のようだな」

セルティ「(ああ、あの痴女っぽいのか……)」

セルティ「(ソイツが私を殺そうと……? ああ、ムカついてきた。こんなにムカついたのはレイン・ポゥの時以来だ……)」

セルティ「(……よし、溺れさせるか)」


・・・・・・


オティヌス「………………」


放ったシャッフリンは暗殺を実行するスペードとクラブの他に、報告役のハートを混ぜている

そのハートが帰って来て暗殺失敗との報を受けた時には既にオティヌス達は遺跡に着いていた


オティヌス「(スノーホワイトの提案でメルティ☆セルティとグラシアーネは負傷させることができた……が、殺すには至らず)」

オティヌス「(プク様に従わない魔法少女なんて死んだ方がいいってのに)」

プク「皆、大丈夫!?」

オティヌス「ああ、プク様……! 私達を労ってくれるのですか!?」

スノーホワイト「プク様、私、新しくお友達を連れて来たんです」


スノーホワイトが四次元袋に手を伸ばした


スノーホワイト「ハードゴア・アリスって言うんですけど、彼女はどんなケガをしてもすぐ治るんです。だから死ぬことはありません」

アリス「……!」ダッ

スノーホワイト「おっと、駄目だよ」ズバッ


アリスの両足を斬り落とし、プクの前に跪かせる格好になった


プク「アリスちゃんって言うの? よろしくね!」

アリス「……殺す……!」

スノーホワイト「駄目だって」グサッ

アリス「あ、……スノー、ほわ……!」

スノーホワイト「ほら、プク様を見てごらんよ。可愛くて麗しくて、本当に素晴らしい方」

アリス「(見ちゃいけない……のに……)」

プク「アリスちゃん大丈夫? 顔白いけど」

アリス「…………は、い………………大丈夫、です……生まれつきです」


オティヌス「(ここはプク様1人で済ませることができるとはいえ、装置が完成すれば自然と手薄になる。相手も死に物狂いだから、あの手この手でプク様を突破してくるかもしれない……)」

オティヌス「(なにより、総力戦を仕掛けてきたらプク様が危ない……)」

スノーホワイト「本当はもう1人いたんですけど……」

アリス「仕方ない……プク様に、刃向かった……」

スノーホワイト「でもこれだけは持ってきてるんです」

プク「なにそれー?」

スノーホワイト「その子の鎧の一部です。これで一緒に溶けられる」

オティヌス「(……作業は順調、とはいえ工程が多すぎるから順調といっても遅々としている……)」


 オティヌスの知力(94)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→キノを呼び出す
 失敗→あまりいい考えが浮かばない


 16……成功!

 
 
オティヌス「(そうだ、キノなら……)」



キノの能力を持ってすれば、味方の強化と敵の弱化は簡単だ。8分おきにキノには前線に出てもらおう

装置と前線を往復するのは忙しい仕事だろうが、プク様のためなら了承してくれるだろう


インフェルノ「あ、プク様もう1人」

プク「あ、さっきの!」

オティヌス「奈美……? 変身解けてるってことは……」

インフェルノ「大丈夫、生きてるよ。デリュージ、ほら起きて!」

奈美「…………う……」

プク「さっきはなり損ねちゃったけど、お友達になろうよ!」

奈美「…………はい……」


・・・・・・


死体を回収し、一時的に置いておくテント

リップルはそこにいた


リップル「………………そっか、だめだったか……」


颯太を見る。心臓を一突きにされ、無念の表情をしているということは、殺されたのだろう

誰に? 簡単だ。ラ・ピュセルはアリスと共にスノーホワイトを助けに行くと豪語していた。相対するはスノーホワイト以外にあり得ない

色んな感情が溢れてくる。ラ・ピュセルはかつて共に戦い、敵を打倒した仲間だった。涙も出るし、無念でならない。あの試験でせっかく生き残ったのに……

流れる涙を拭いて、リップルは颯太の顔に添えていた手を戻し、立ち上がった


リップル「………………大丈夫。私もだめだったら……せめて……」


せめて、ラ・ピュセルとトップスピードに会いに行くなら彼女も一緒に連れて行こう。いないと寂しい

そう心の中で呟いて、リップルはテントを後にした


進軍の準備が整った。オスク派とカスパ派にペチカ派も加えた連合軍が進む

オスク派にシャッフリンを提供した各陣営の者達は安全を考慮して陣地に残ると言った。レーテ達も最初から協力者達を危険な場所に行かせない考えもあり、「ただプク派にやらせるとヤバいからオスク派に協力してやんよ」勢を置いてレーテ達はシフォンケーキと化し、文字通りペチカ派の信者によって食い破られた門を通って遺跡へと向かった


プリズムチェリー「マスター、残ってよかったんですか?」

吉岡「ええ。あなたを危険な目には合わせたくないですから」

プリズムチェリー「マスター……」ポッ


 ペチカ派は……>>511
 
 1.先陣を切る
 2.まずは一歩引く

1


シャナ「ベル、その軽トラまだ使えるよな?」

ベル「使えるけど……谷に突撃するの?」

シャナ「ああ。豪快に行こうかペチカ様ここにありと示す」

パナース「一番乗りは誰にする?」

魔梨華「そりゃ私だろ! 袋井一番乗り! ってね!」

ラズリーヌ「えー! そんな花形ならやりたいっす!」

フィルルゥ「お給料が上がるなら私だって!」

スタイラー美々「でも敵もどんな策を弄してきてるか分かりませんよ!?」

羽菜「その時はその時ですよ」

シャナ「じゃあペチカ様、決めてください」

ペチカ「えっ!?」

シャナ「ここまで来たらもう後戻りはできないですよ。ペチカ様が任命して激励を」

ペチカ「え、ええぇ…………ええっと……」


 遺跡に突入する一番乗りは……>>直下コンマ二桁

 01~20→シャナ
 21~40→プキン
 41~60→パナース
 61~80→フィルルゥ
 81~99→ラズリーヌ
 00→ペチカ


ペチカ「フィルルゥさん!」

魔梨華「何故だ!?」

フィルルゥ「(ホントになんで!?)」

ペチカ「(戦う中で一番まともそうだからとか言えない……)」

ペチカ「あ、あの……頑張ってください!」

プキン「いいなぁ……吾輩も言われたいよ」

シャナ「景気よくドカーンと言ったら給料増えるかもな」

フィルルゥ「ホントですか!? 信じていいんですね!?」

葱乃「それ私達にも言える!?」

シャナ「あ、ああ……」

アウロ「頑張れ! フリーランス組の希望の星!」

コクリちゃん「ホンットに! ホンットに頑張って! 給料上げて!」

プキン「資本主義者共め」


今日はここまで
最初シャッフリンの数値に(60以上上回っていた場合撃破)を入れていたのですが、消してよかったのか悪かったのか


フィルルゥは自分の魔法でできることを考えた。魔法の糸と針で色々と縫い付けられる

ファル曰く、入口にプクがいて最早トラップと化しているそうだから簡単に攻め込めない

プクの周りにはお供の魔法少女もいるだろう


フィルルゥ「なんとかプクを縫い付けられれば、活路は開けるはずです」

スタイラー美々「あなたの糸は簡単には切れませんものね

フィルルゥ「はい。あの、命綱としてこの糸を私につなげるので、私が引っ張ったらこれで回収してください」

シャナ「分かった。おい袋井、引いてやれ」

魔梨華「魔梨華と呼べ。苗字だとこんがらがる。私はごめんだから、美々頼むわ」

スタイラー美々「あ、はい」

シャナ「(同じ苗字の魔法少女がいるのか? まぁいいか)」

フィルルゥ「じゃあ、ディティック・ベルさん。私がうまくやれたら突撃お願いします!」


ペチカが降り、荷台には魔王塾を筆頭とした荒事専門の魔法少女達がギュウギュウと乗る


スタイラー美々「頑張ってください!」

フィルルゥ「おりゃあああぁぁぁぁ!!」ダッ


フィルルゥが走り出す。情報通り、遺跡の入り口にはプクが鎮座していた。周りにはお供らしき者達も陣取っていた


プク「あれ、誰かな?」

スノーホワイト「フィルルゥ……あなたもなのね」

フィルルゥ「(スノーホワイトとハードゴア・アリス!? こうなったらプクごと……!)」

デリュージ「あなたはあの時の……1人で突っ込んでくるなんて投降?」

フィルルゥ「デリュージとインフェルノまで!? ちょ、意外と多い!」


まずい、声を聞いただけでやっぱりプク・プックを好きになってしまいそうだ

プク様を視界の中に入れないよう、地面を見ながら駆ける。声のした方に魔法の糸を繰り出した


 フィルルゥの数値……>>↓1コンマ二桁
 プク派の数値……>>↓2コンマ二桁
 
 フィルルゥの数値が勝っていた場合……お供の誰かを縫い付ける(80以上上回っていた場合奇跡的にプクを縫い付ける)
 プク派の数値が勝っていた場合……フィルルゥはなにもできない(40以上上回っていた場合フィルルゥ拘束)


 フィルルゥの数値……05
 プク派の数値……52


スノーホワイト「彼女は魔法の糸でプク様と私達を縫い付けようとしている!」

アリス「させない……!」

フィルルゥ「(っ、足音が近づいてくる……!? 1人、ハードゴア・アリスか!)」


フィルルゥの糸がアリスを拘束する。が、スノーホワイトがアリスをバラバラに斬り刻んだことにより無理やり拘束から脱出された

続いてデリュージの三叉槍がフィルルゥの足元を刺し、氷を発生させた


フィルルゥ「まず、動けない……!」

プク「フィルルゥちゃんって言うんだ。どうして1人で来たの?」

フィルルゥ「あ、……くっ!」プチッ


スタイラー美々「あれ、糸から急に張りが……」

シャナ「ッ、引いてみろ!」

スタイラー美々「はい! あ、糸が切れてる……!」

魔梨華「つまり失敗か。死んだか取り込まれたか」

シャナ「プク・プックを無力化してから全員で突撃したかったが……」

魔梨華「なぁなぁこうなったら二番槍を出すしかないんじゃないか? 例えば私みたいなさぁ!」

シャナ「……」

プキン「………………戦力の逐次投入は愚策だ。が、やってやれないこともない」

シャナ「……お前の魔法か」

プキン「だがこれを使うということは、お前にかけている魔法が切れるということだ。切ってお前は正気でいられるか?」

シャナ「さぁ。時間が経って薄れてるかもよ」

プキン「ならばやってみるか」


 シャナの精神力(97-20=77)ロール(プクの声が記憶に残っている-20)……>>直下コンマ二桁

 成功→ペチカ様万歳
 失敗→プク様万歳


 72……成功!

 
 
シャナ「………………プク様――」


羽菜「っ、やっぱり……!」ザッ

シャナ「プクを殺せ!」

魔梨華「言われなくてもォォォ!!」

プキン「よし、やはり女神の威光は素晴らしい。フィルルゥの時に使えば一番よかっただろうが……」

シャナ「懸念は分かる。だがもう言っても仕方ねぇ」

魔梨華「よっしゃあ! じゃあ二番槍やるか!」

プキン「吾輩が行きたいが、この魔法は1人用でな」


 二番槍は……>>543
 
 1.シャナ
 2.魔梨華
 3.羽菜
 4.ラズリーヌ

1


シャナ「魔梨華は切り札同然だ。私が行く」

プキン「なんだ、魔法のかけ直しか」

シャナ「私の魔法なら、プクをやったらそのまま装置まで行ってやるよ」

魔梨華「オスク派の出番ねーな!」

シャナ「当たり前だ! この戦いで一番の武功はペチカ派のいただきだ!」


コートを脱ぎ捨てる。一部から目を逸らされた

プキンに斬ってもらい、プク対策も万全。あとはシャナの力で切り開く


ペチカ「シャナさん」

シャナ「なんでしょう」

ペチカ「……頑張ってください」

シャナ「聞いたか皆!?」

「ずるいぞ!」「ペチカ様私にも言ってー!」


プク「ふーん、ペチカっていうんだ」

フィルルゥ「はい。皆でプク様とオスク派を潰して魔法の国を転覆させようとしています」

デリュージ「そいつら……許せないな」

スノーホワイト「プク様に弓引く魔法少女は皆、私が狩る」

アリス「……お客さん」


下着姿の痴女が走って来ていた


シャナ「テメェらああぁぁぁぁぁぁ!!!!」


シャナの大声に誰もがそちらを見る。そして忘れた


プク「……?」

アリス「なにかありましたか?」

デリュージ「いや、誰か走って来たってのは覚えてるけど……誰だっけ?」

フィルルゥ「さぁ」

スノーホワイト「…………」


 シャナは……>>550
 
 1.プクを斬る
 2.周りの魔法少女を斬る


シャナ「(プクより周りだな……最後まで取っておいてやる!)」


さっきはクソみたいに殺しまくったがここにいるのは誰も知った顔で、なるべく仲間になってほしい魔法少女ばかりだ

だが知らない顔は殺す


スノーホワイト「(なんなの……? この心の声……誰の……?)」

スノーホワイト「(分からない……姿を見られたら困るって魔法少女……誰か、いるの?)」


 シャナが狙ったのは……>>555
 
 1.スノーホワイト
 2.デリュージ
 3.インフェルノ
 4.フィルルゥ
 5.その場にいるシャッフリン含めた知らない魔法少女複数

1


シャナ「(厄介なスノーホワイト、悪いが少し眠っててくれ)」

スノーホワイト「私を戦闘不能にできないと困る……誰なの!?」

プク「誰かいるの?」

デリュージ「スノーホワイトを狙ってる?」

アリス「……させません」

インフェルノ「けど、ここには仲間しか……仲間の誰か?」

プク「皆、喧嘩はだめ!」

シャナ「(悪ぃが、ケンカじゃねぇよ!)」


スノーホワイトの目の前に来た


 シャナの身体能力(95)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→スノーホワイト戦闘不能
 失敗→防がれ見つかる


スノーホワイトに対する物理だけ解除した

物理だけ解除することにより、風切り音以外のすべては隠れたままだ。魔王パムレベルになるとそこでバレるが、スノーホワイトはその域ではない


シャナ「オラッ!」


スノーホワイトの背中に太刀を叩きこむ。血と悲鳴が舞い、スノーホワイトが前のめりに倒れた


スノーホワイト「あ……!?」ドサッ

アリス「スノーホワイト……!?」

デリュージ「スノーホワイトが倒れた!? 誰かいるの!?」


プク派の魔法少女達がスノーホワイトを斬った「誰か」がいると認識する。すると紅い髪が誰もの目に映った

まだ足りない。他の連中が突入するにはまだ犠牲が足りない


 シャナは……>>569
 
 1.プクを狙った
 2.続けざまに他を狙った

2


フィルルゥ「思い出した……あなたの魔法!」

シャナ「フィルルゥ、お前は愚かにもペチカ様を裏切りプク・プックとかいうクソペド野郎に浮気した。その罪は重い。終わったらペチカ様の料理を腹が破裂するまで食わせるという幸福な刑に処す」

インフェルノ「プク様を見ても何もないって……どういう……!?」

プク「美しい妖精のシャナっていうんだよね? どうしてお友達を攻撃するの?」

シャナ「そりゃ、友達じゃねぇからだよ!」ダッ


 シャナが狙ったのは……>>574
 
 1.フィルルゥ
 2.デリュージ
 3.インフェルノ
 4.その場にいたシャッフリン含む他の魔法少女複数
 
 そのレスのコンマ二桁でシャナの身体能力(95-20=75)ロール(1対多の戦い-20)
 
 成功→(フィルフゥのみ戦闘不能)殺す
 失敗→殺せない


シャナ「炎使い! テメェ、フレイム・フレイミィ思い出してムカつくんだよ! 死ね!!」


フレイム・フレイミィは魔王塾にいた頃決闘を申し込んで来た馬鹿野郎だ。コートを燃やされて「うわ、お前痴女かよ」と言われたあの時の屈辱は今でも忘れられない

スノーホワイトが捕まえてなければ自分が殺していたであろう


デリュージ「インフェルノ、狙われてる!」

インフェルノ「そう簡単に死ぬかっての!」

シャナ「いいや、お前は死ぬんだよ!」


魔法少女には自分の魔法を使わずに身体能力を鍛える者がいる。ペチカ派にいるフリーランス組などは自分の魔法が使えないものだから仕方なく鍛えたという

シャナも同じだ。自分の魔法が嫌いだから魔法以外といったら身体しかない。ましてや魔王パムに勝つには魔法だけじゃ勝てない

たとえ魔法が使えずとも、1対多でも、標的は殺す。暗殺の仕事の中でそんな状況はいくらでもあった

スノーホワイトは恩人だ。どんな状況だろうと殺す気は無い。が、他は死んでもらう。ペチカ様のためとかいう陳腐な言い訳はしない。自分は悪い奴だから、すまない、死んでくれ


ラグジュアリーモード・バーストという言葉が聞こえて来た。なんだその主人公みたいな技名は。こっちはクソ魔王に名付けられた中二病みたいな技だぞ

その技を見せてやるクソが


シャナ「…………『獄炎の光』」ボソッ

シャナ「あああああああ恥ずかしい!! 死ね!!」


迫る他の魔法少女達の攻撃も避け、インフェルノの攻撃も左右のフェイントで避けて凄まじいスピードで喉元を捉え、太刀を突き出した

肉を貫く感触が手に伝わって来た


デリュージ「インフェルノ!!」

シャナ「……」


突き刺したまま、太刀をグリッと回し、確実に命を絶つ。横を見ると鬼の形相でデリュージが迫っていた


デリュージ「貴様ああああああぁぁぁぁ!!」

シャナ「(クソッ、これ以上は……!」

「プク様、危険です! 下がって!」「アイツ、プク様の魔法が効かない!」

プク「う、うん……」

シャナ「(よし、プク・プックが退いた!)」


デリュージや他の魔法少女の猛攻から命からがら逃げ回り、魔法の端末でベルに合図を送った

すぐさま軽トラが突撃してくる。その後ろには連合軍も見える

ひとまず安堵した。これで相手はビビッて退いて――


デリュージ「ああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 シャナの数値……>>↓1コンマ二桁
 デリュージの数値……>>↓2コンマ二桁
 
 シャナの数値が勝っていた場合……デリュージを退ける
 デリュージの数値が勝っていた場合……シャナがダメージを負う(70以上上回っていた場合撃破)


 シャナの数値……98
 デリュージの数値……30

 
 
シャナ「クソが! しつけぇんだよ!」


デリュージ「お前は殺す、お前はぁぁぁぁぁ!!」

シャナ「はっ、さっき私が殺したのは親友さんか? その気持ちは痛いほど分かるがな、やめとけやめとけ! 復讐なんて誓うもんじゃねぇ!」

デリュージ「黙れ! お前がぁぁぁ!!」

プキン「おっと、悪いが従者をこれ以上死なせるのは吾輩としてはいかんのでな」

デリュージ「ッ、邪魔だ!」

ラズリーヌ「やらせねーっすよ!」

シャナ「すまん! お前ら、突撃だ! 石器時代にしてやれ!」

スタイラー美々「既に石器時代なんですけど」


魔梨華「ヒャッハー! おらおら敵さん出てきなよ!」

羽菜「まだ料理は残ってるんですよー!」

レーテ「これなら簡単に制圧できるかな?」

プフレ「いや、まだ遺跡内に敵がわんさか残っているだろう。ペチカ派が殲滅してくれればいいが、それではオスク派としてもまずいのでは?」

レーテ「その通りだな。ハムエル、シャッフリン達を突入させろ」

ハムエル「はい」

プフレ「…………分かっていると思うが」

ハムエル「シャドウゲールさんは生きたまま捕らえる、ですか?」

プフレ「そうだ。ペチカ派にも同じことを言ってある。まぁシャナなら殺さずにしてくれるだろうが」

リップル「私も、行きます」


・・・・・・


キノ「入口が突破された!?」

オティヌス「それは、本当なのですか?」

「ええ。美しい妖精のシャナなる奴が一気に2人も……」

キノ「シャナ……アイツ!」

オティヌス「すぐ防御に向かいましょう。シャドウゲールさん、進捗は?」


 キノの知力(36)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→効率的な強化弾を撃っていた
 失敗→効果はあるが的外れな強化をしていた


 79……失敗

 
 
シャドウゲール「器用さの強化とか、防壁の弱化とかそれなりにやってもらいましたが、工程が多すぎて順調とはいえまだ少しかかります」


オティヌス「順調ではあるんですね。分かりました。キノさん、ついて来てもらえますね?」

キノ「ええ…………アイツは昔から気に入らなかった」

オティヌス「あなたは私達の要です。決して前線には立たないよう」

キノ「だけど前線に立たないと相手とは……!」


 オティヌスの知力(94)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→キノの魔法を効率的に使う
 失敗→いいから行くぞ!


 69……成功!

 
 
オティヌス「キノさん、銃を貸してください」


キノ「え? はい」

オティヌス「確か、ここに物をコピーできる魔法少女いましたよね?」

「私です」

オティヌス「この銃をコピーして、シャッフリン含めた皆に渡してください。キノさんは弾をどんどん作ってください」

キノ「分かった。やっぱり頭いいんだね」

オティヌス「……まあ、少しだけです」


プク「はぁ……あのお姉ちゃん、怖かったぁ」

オティヌス「プク様! お怪我はありませんか!?」

プク「うん、大丈夫! でも遺跡の中に入られちゃった……」

オティヌス「プク様はこの装置の部屋にいてください。シャッフリンのダイヤ!」


号令に寝返って来たダイヤシャッフリンが集まる


 オティヌスの知力(94)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→シャッフリンに遺跡の各地にモニターとスピーカーを設置させる
 失敗→お前らは肉壁だ


 39……成功!

 
 
オティヌス「遺跡の防衛ラインは現在ここです。徐々に下がりつつありますが、あなた達には防衛ラインからこの部屋までの各地にモニターとスピーカーを設置して、プク様のダンス動画をリピート再生させてください。敵が見れば寝返り、味方が見れば鼓舞になります」



ダイヤが散らばる。これで万が一の時間稼ぎ作戦は出尽くした

装置の完成は目前だ。あとは防衛ラインが頑張ってくれれば、儀式は行われる


プク「オティヌスお姉ちゃん、ありがとうね」

オティヌス「いえ、私の頭はすべてプク様のためにありますから」


プリズムチェリーの捜索も、プク様の前には塵に同じだ。プク様の儀式のために、すべての手を打つ

そして戦えない自分も前線に立つ必要がある。欲求を失わせる魔法……プク様に逆らおうなんて不埒な欲求すべてを失わせるため、オティヌスはキノと共に駆け出した


・・・・・・


魔梨華「『向日葵砲』!!」

パナース「『神をも喰らう蒼き毒龍』!! 『終焉に舞う黒き飛龍』!!」


魔王塾勢の活躍により、戦闘面は問題ない。さらに連合軍のシャッフリンや魔法少女達も加わって来た

だが相手は籠城戦を仕掛けてきている。狭い遺跡の中で大軍が攻め入る隙間はなかなか無く、渋滞を起こしつつある中、防御側の有利は変わっていない


リップル「シャナ」

シャナ「あんたは……オフ会以来だっけ?」

リップル「そう。スノーホワイトは?」

シャナ「寝てるよ。今はベルが介抱してる。あ、そうだ。ファルはあんたに渡すよ」ポイッ

リップル「っ、ファル……」

ファル「シャナ、ありがとうぽん。スノーホワイトはただ操られてただけで……」

シャナ「わーってるっつの! 全部終わったらリップルから返してもらえ! お前を見てるとゲームを思い出して嫌なんだよ!」


リップル「私はキノを探して連れ戻す」

シャナ「ああそうしな。私だとうっかり殺しかねない」

ラズリーヌ「シャナー! だんだん相手が後退してるっす!」

シャナ「よっしゃ、遺跡は迷路らしいから迷うなよ!」


防衛ラインが後退している。数より質のペチカ派の勢いに押されたか

そこでプク派は各々銃を取り出してきた


リップル「あの銃……! キノ!」

シャナ「ッ、お前ら避けろ!」


 プク派の数値……>>↓1コンマ二桁
 ペチカ派の数値……>>↓2コンマ二桁
 
 プク派の数値が勝っていた場合……連合軍の戦力ダウン
 ペチカ派の数値が勝っていた場合……ペチカ派だけはなんとか避ける


魔梨華「っ、なんだ今の……痛くないし」

パナース「弾は飛んできたようだが……」


更に銃から弾が飛んでくる。ペチカ派を含めた連合軍は複数の銃口から放たれた「魔法の弱化」と「筋力の弱化」に晒された


羽菜「う……体に力が……」

ラズリーヌ「大丈夫っすか!?」

リップル「キノの魔法……なんであんなに沢山」

シャナ「初見組は避けられないか……」


連合軍の勢いは完全に削がれた。キノの魔法を知っていたシャナ、リップル、ラズリーヌは避けたが、他は鈍くなった体と魔法に困惑している

次の弾が発せられようとしている。リップルは思い出す。現在のキノの基本弱化セット……次は戦意の弱化だ。まずい


トットポップ「まだ、ね!」


トットポップがギターをかき鳴らし、弱弱しい音符が複数、遺跡の空間を埋めた

銃弾は音符に阻まれ、連合軍に届かない


シャナ「ナイスだ!」

トットポップ「でもなんか魔法が弱くなってるね……トットにもこれが限界ね」

シャナ「お前ら下がれ! 連合軍を前に出させろ!」

魔梨華「御免被るね!」

アルタイル「背を見せれば魔王塾の名折れ……!」

シャナ「クソ共が!」


 ペチカは……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→後退を命じた
 偶数→声はかき消される


ペチカ「皆さん、言うことを聞いてください!」

シャナ「ペチカ様!? 駄目ですよこんな前線に出ちゃ!」

ペチカ「今すぐ退いて! さもないとご飯抜きです!」

パナース「なん……だと……!?」

魔梨華「…………関係ねぇ!」

スタイラー美々「はいはい退きましょうねー」

魔梨華「あっ、おい放せ! 私はまだ戦えるー!」

スタイラー美々「私は銃弾受けてませんから、あなたも軽々持っていけますよ」

シャナ「ペチカ様……」

ペチカ「……今の私にできること、皆さんを死なせないことです……」


ペチカの声を受け、ペチカ派の魔法少女達は後退した。残るは連合軍のシャッフリンだ


プク派のスペード隊が音符を破壊して突出してきた。どうやらキノの魔法で強化しているようで、同じナンバー同士のシャッフリンが当たってもプク派の方が強い


リップル「戦力を小出しにしてる……いよいよ時間稼ぎだ」

シャナ「なら突破口作るしかねぇか……」

マナ「おい、羽菜は死んでないだろうな!?」

シャナ「羽菜ならあそこで休んでるよ。キノの魔法は8分間続く。それまで傍にいてやれ」

ブルーベル「私も行きましょう」

シャナ「誰だあんた」

ブルーベル「プリンセス・デリュージの知り合いです。彼女は私が連れ戻します」


シャナはブルーベルを見て頼もしさと共に油断ならない奴だという印象を受けた

立っているだけで身のこなしの強さと隙の無さが伺える。これならデリュージの相手は任せていいだろう。なにせ自分はデリュージに嫌われている


ダークキューティー「クライアントは助け出してやらなければな」

セルティ「うっ……私も、助太刀いたします。建物の中なら、この程度のダメージ……!」

ダークキューティー「無理はするな」

セルティ「ああっ……ダークキューティーに心配されてるぅ!」

シャナ「…………お前もいたのか」

セルティ「お久しぶりです」

シャナ「……まぁいい。裏切って後ろからブスリはやめてくれよ」

セルティ「シーッ!」

シャナ「な、なんだよ……」

セルティ「ダークキューティーに聞かれたらどうするんですか!」

シャナ「…………今更猫かぶりかよ。まぁいいか」


シャッフリンを除けばシャナ、リップル、ラズリーヌ、セルティ、ブルーベル、ダークキューティーが残されたまともな戦力だ。レーテはどっしりと構えているし、プフレもまだ動かない

プフレのことだ。シャドウゲールを確保したらいの一番に来るに違いない


プキン「おい従者よ、吾輩を忘れるな」

テプセケメイ「メイも、行く……」

シャナ「おいおい……お前らまだ魔法にやられてるだろ」

プキン「吾輩の心配はいらん。吾輩は自分に魔法を効いていないという暗示をかけておいた」

テプセケメイ「プキン様のところにいる」

シャナ「……てかお前、魔法切れてるはずじゃ」

テプセケメイ「たくさん一緒にいた。魔法無くても、プキン様のじゅーしゃ」

シャナ「そうかよ、じゃあ行くか」


ブルーベル「あら、あなたは」

ラズリーヌ「? なんすか?」

ブルーベル「いいえ」

ラズリーヌ「初めましてっすよね?」

ブルーベル「はい」

シャナ「相手はキノの魔法の銃を持っている。弾に当たるなよ」

ラズリーヌ「へっへーん……ラズリーヌには切り札があるっすよ!」

シャナ「なんだよ言ってみろ」

ラズリーヌ「このクズ宝石の入ったゴムボールを相手の後ろに放れば、挟み撃ちにできるっす!」

リップル「ならそのボールは私が投げる。絶対に届ける」

ラズリーヌ「お願いするっす!」


シャナ「もうファルが向こうにいないからこの先何が待っているかの情報は無い。どんなトラップにも引っかかるなよ!」

ラズリーヌ「ちょ、敵がスピーカーを持ち出してきたっすよ!?」

シャナ「やば……あれはやべぇ! 皆耳を塞げ!」

魔梨華「『向日葵砲』!」


後ろから飛んできたビームがスピーカーを破壊した。プク派のダイヤは浮足立っている


魔梨華「万全になったらすぐに追いかける。早く行け!」

シャナ「ああ。複数班で行くぞ。プキンとメイはついてこい。リップルはラズリーヌと、あんたらはあんたらに任せる」

セルティ「ダークキューティーさんとブルーベルさんは私と行きましょう。単独行動はまずそうですし」

ブルーベル「ええ、分かりました」


シャナ「敵は多分さっきのスピーカーみたいなのを持ち出してるに違いない! 変なのを見たらすぐに破壊しろ! 行くぞ!」

ベル「待って!」


3つの班に分かれ、それぞれプク派に突撃していく

リップルの投げたボールにラズリーヌがテレポートし、後ろからできるだけ叩きのめした

シャナとプキンが立ちはだかる敵をバッサバッサと撫で斬りにした

セルティとダークキューティーの影が敵を蹂躙した

連合軍のシャッフリンは命を顧みず戦い続けている。シャナ達は敵の防衛ラインを抜け、迷路たる遺跡の中を進んでいった


 ベルは……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→遺跡の構造を把握した
 偶数→遺跡もプク派だった


 >>632訂正
 ベル「待って!」 は消し忘れ



・・・・・・


ベル「……だめだ、遺跡は構造を教えてくれない……」

スノーホワイト「う……」

ベル「まずっ、この袋井印の睡眠エキスを飲ませてっと……」

スノーホワイト「すぅ……」

ベル「ふぅ」

ベル「ラズリーヌ、無事でいてよね」


 誰の目線で進めますか?
 
 >>640
 
 1.キノ
 2.シャナ
 3.セルティ
 4.オティヌス

3


・・・・・・


セルティはダークキューティーとブルーベルと共に遺跡内を進んでいた

傷が痛み、満足に走れないが影で椅子を作り移動して2人と変わらない速度を保っている

遺跡の中は影だらけだ。しかも濃い。誰と出会ってもすぐにズタズタにできる


ダークキューティー「ブルーベル・キャンディ、随分と余裕そうだな」

ブルーベル「こんなところで慌ててもいられませんから」

ダークキューティー「……そうか。W市の時とはまるで別人だ」

ブルーベル「そうですか?」


 セルティ達が出会ったのは……>>直下コンマ二桁
 
 01~30→アリス
 31~60→デリュージ
 61~100→ダイヤシャッフリン


ダークキューティー「あれは、クライアント」

ブルーベル「デリュージ!」

デリュージ「っ、あなた達……」


セルティ達を見るなり臨戦態勢をとるデリュージ。やる気だ

ダークキューティーとブルーベルも身構える


 セルティは……>>648
 
 1.戦う
 2.仲間だと偽る

1


セルティ「お久しぶり……とも言えませんかね。あなたをお迎えに来たようですよ」

デリュージ「お迎え?」

ブルーベル「帰りましょう。インフェルノと共に――」

デリュージ「っ、インフェルノは殺された! お前も私を殺しに来たんだろう!!」

ブルーベル「そんなことはしないわ。あなたにはまだ生きてもらわないと」

デリュージ「それに、ブルーベルがこんな状況で冷静でいられるはずがない。お前は誰だ!」

ブルーベル「私は私だし、関係ないんじゃない? インフェルノは残念だわ」

セルティ「これは戦わねばいけないみたいですね」

ダークキューティー「……復讐か。主人公足り得るか?」

セルティ「ですよねー! あなたが主人公かどうか、ダークキューティーさんが確かめたいと言っていますよ!」

デリュージ「……!」


 セルティの身体能力(51-20+40=71)ロール(傷-20&2人との共闘+40)……>>直下コンマ二桁
 
 成功→デリュージ捕縛
 失敗→デリュージに逃げられる


 78……失敗

 
 
セルティが影を使いデリュージの周りに檻を発生させる。が、デリュージの三叉槍は檻を凍り付かせ、実体を持った影を砕いた


魔法は相性の問題だと思い知らされる。デリュージは実態を持った相手には強い

ダークキューティーが影絵の獣と蛇を同時に作りけしかけるも、デリュージはすべてを払った

鬼神の如く凍る槍を振り回され、ブルーベルも攻めあぐねているようだ


セルティ「(オイオイコイツつええじゃねぇか!!)」

デリュージ「紅い髪のアイツを出せ、アイツを持ってこい!!」ズバッ

セルティ「紅い髪……シャナ?」

ダークキューティー「奴は他のルートを使っている。ここにはいない」

デリュージ「他に? くっ……!」ダッ

セルティ「あ、ちょっと! お待ちに!」


影で壁を作り出すも凍らされ、砕かれる

ああもうブチ殺した方が早いよコイツ! と漏らしそうになる自分の気の短さはダークキューティーの手前封印した


 誰に切り替えますか?

 >>658

 1.キノ
 2.シャナ
 3.オティヌス

キノ


・・・・・・


キノはオティヌスと別れ、1人遺跡の中を走っていた。たまにモニターとスピーカーを設置しているシャッフリンに出会う

装置のある部屋には「器用さの強化」「魔法の強化」「魔法の弱化」「ストレスの弱化」「やる気の強化」など弾を置いてきた。あとはコピーの銃を持った誰かが定期的に撃ってくれるだろう

シャナと聞いて、居ても立っても居られなくなった。アイツはホントに気に食わない。ペチカ派? ざけんな

何故ペチカなのだ。あんなのただ可愛くて庇護欲をそそられて料理が神並みにうまいだけでプク様には遠く及ばない。それがプク様に刃向かうなどもってのほかだ

シャナ……ゲームの中で出会い最後まで気が合うことがなかった魔法少女。オフ会でもなんでも、アイツとはとにかく気が合わなかった

アイツとの敵対が明確になった今、もう止めるものは無い


キノ「アイツは……絶対私が仕留める!」


 キノは……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→リップル達と出会った
 偶数→シャナ達と出会った
 


叫び声が聞こえて来た。聞き覚えのある声だ。確か、ゲームの中で聞いた……


ラズリーヌ「キノー!」

キノ「ラズリーヌ?」

リップル「見つけた……!」

キノ「っ、師匠……」

リップル「……また、だね」

キノ「また? 今度は立場が逆ですよ。目を覚ますのは師匠の方だ」

リップル「はぁ……」

ラズリーヌ「どうしたんすか? プルっち」

リップル「流石に慣れてね……あとプルっちってなに」


リップル「キノ、もう2年前みたいなことにはならない。今度は油断しないし本気でいく」

ラズリーヌ「とりあえずキノをブチのめして眠っててもらうっすよ!」

キノ「(師匠にラズリーヌ……確実に強いタイプ)」


 キノはまず……>>669
 
 1.自分を強化した
 2.相手を弱化しようとした

2


キノは魔法少女になったばかりとは違い、戦い方を分かっている。こういう時、自分の強化か相手の弱化か、優先させるべきは……


リップル「弱化、来る」

ラズリーヌ「プルっちの空中殺法とラズリーヌのボールは相性が良いっす! 負けないっすよ!」

キノ「2人とも、私が……!」


 キノが弱化させるのは2人の……>>672

 1.筋力
 2.魔法

 そのレスでキノの身体能力(70-20=50)ロール
 (キノの動きを知っている相手が2人-20)
 
 成功→弱化に成功
 失敗→弾が当たらない。距離を詰められる
 


 26……成功!


リップルがボールのようなものを投げて来た。恐らくラズリーヌが以前使っていたテレポート用のボールだ。なら魔法を封じるならまずはラズリーヌの魔法を……


キノ「……!」バァン

ラズリーヌ「よし、テレポー…………あれ」

キノ「3発撃った。これなら魔法も使えない」

ラズリーヌ「なっ!?」

リップル「来るって言ったでしょ!」

キノ「師匠も!」バァン

リップル「(くっ、こんな狭い廊下じゃ……まんぞくに避けられない……!)」


ラズリーヌとリップルはあえなく魔法を封じられた。最早ここからは単純なスペック勝負だ


ラズリーヌ「魔法が使えなくたって負けねーっす!」ダッ


ラズリーヌが駆け出す。リップルも同時だ

2対1という状況は魔法少女同士に置いて不利だ。次に講じるは……>>676


 1.自身の強化だ
 2.相手の筋力の弱化だ

2


魔法弱化セットは撃ち尽くした。四次元袋から筋力弱化セットを取り出す。2人に3発ずつ撃てばどちらも立っていられないほどの衰えになる


リップル「キノは筋力を下げに来る!」

ラズリーヌ「なら当たらなければどうということは無いっす!」

リップル「さっき当たったでしょ!」

ラズリーヌ「汚名返上っすー!」


この2人は体のスペックが異常に高い。まともにやりあえばキノに勝ち目は無い


キノ「(だけど、これも師匠とラズリーヌのため……2人をプク様に会わせれば、きっと考えも変わるはず)」


 キノの身体能力(70-20=50)ロール……>>直下コンマ二桁
 (キノの動きを知っている相手が2人-20)
 
 成功→弱化に成功
 失敗→弾が当たらない。距離を詰められる
 


ラズリーヌの飛び蹴りを避け、すれ違いざまに弱化を1発撃ち込んだ。動きが目に見えて鈍くなる

リップルの峰打ちの忍者刀も避ける。かつての修行で培った回避行動は伊達ではない


キノ「師匠、私を見くびりすぎじゃありません?」

リップル「っ、キノ……!」


リップルには2発撃ち込んだ。立っているのもつらそうだ


キノ「諦めて私と一緒にプク様のところに行きましょう、華乃ちゃん」

リップル「今は、その名で、呼ぶなぁぁ!!」


ひょろひょろの太刀筋。避けるのは簡単だ。ラズリーヌの攻撃も今は避けられる

あの2人を手玉にとっている。キノは自分の魔法ってすげえんじゃねぇかと思い始めた


キノ「(ラズリーヌ……動きは鈍っているのに……!)」

ラズリーヌ「ちょあー!」


あのゲームでも感じていたが、ラズリーヌは強い

彼女は鍛錬を欠かさぬ魔法少女だと聞いたことがある。もしかしたら自分が弱体化しても大丈夫なように訓練しているのかもしれない

威力と速度が鈍いが、まだまだその体からはパワーを感じる


キノ「だけど、私には勝てない」

ラズリーヌ「へっ、楽しいから勝てなくても……勝つっすよ!」


 キノの身体能力(70)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→ラズリーヌ無力化
 失敗→関節技を決められる

クリティカルじゃないだけマシという言葉を使う時が来るとはな……


 45……成功!

 
 
キノ「だから無理だって!」バァン


ラズリーヌ「う……!」ドサッ

キノ「…………これで」

ラズリーヌ「うううう……! 体に力が入らないっす……キノ8分待ってほしいっす! またやるっすよ!」

キノ「待てないって。8分以内にプク様のところに持って行かないと――」


それは執念だろうか、唸り声と共に忍者刀がキノの足に突き立てられた


 キノの身体能力(70-20=50)ロール……>>直下コンマ二桁
 (不意討ち-20)
 
 成功→うおっ、あぶねっ
 失敗→足に忍者刀が突き刺さる


足と地面が忍者刀で縫い合わされた。キノは悲鳴を上げ、倒れこむ

続けざまに腿にも脇差が突き刺さり、足と腿どちらもグリグリされた。あまりの傷みに銃を手放して脚を抑えてしまう

まさか、何故リップルが……あ、2発しか撃ち込んでない


キノ「う、あ……! いった……ぁ……!」

リップル「逃がさ、ない……!」

キノ「師匠……!」

リップル「ラズリーヌ、動いて……! このまま8分、拘束……!」

ラズリーヌ「すまねぇっす……動けねぇっす」

キノ「くそっ、放して……!」

リップル「放さないよ……放すもんか……!」

キノ「くそっ、離れろ!」バキッ

リップル「うぐっ……キノ、覚えて……ろ……!」


弱弱しい力で新たな忍者刀がキノの肩に突き刺さり、再び痛みが襲った

傷みに満足に力が入らない。こんな弱い奴を引き剥がすことができない


キノ「あっ、ああぁ……!」

リップル「ふ、ふふふふふ……痛い?」

キノ「痛い、痛い痛い! 師匠、やめ……!」

リップル「8分後が楽しみだね……!」


右手が床に縫い合わされた


ラズリーヌ「うっわー…………見たくねぇっす」


キノ「(やばい、やばい……! いたい、痛い痛い痛い……!)」

キノ「師匠、もう、やめ……死んじゃ……う!」

リップル「大丈夫、簡単には死なないし、死なせない……からっ!」


無傷だった方の足にも忍者刀が突き刺さり、血が噴き出した。もうだめだ、いやだ、痛い、痛い、プク様、助けて……!


 キノの身体能力(70-50=30)ロール……>>直下コンマ二桁
 (ダメージ-50)

 成功→リップルをなんとか引き剥がして逃げる
 失敗→リップルにされるがまま

よーしよしよし(ムツゴロウ風)
新しいプレイかな?(すっとぼけ)


 >>700訂正
 =30ではなく20だ。引き算の知能がキノ並みになっていた

 86……失敗


キノ「い、いや……!」

リップル「散々困らせて、これくらいしたっていいでしょ!」

キノ「い、痛い、やめて、やめてぇ!」

リップル「ふふ、怖い? 大丈夫、全部終わったら私が治してあげるから」

ラズリーヌ「(……なんか、キノに同情し始めてきたっす……)」


キノの悲鳴が廊下を震わせる。だが、それを聞く者はいなかった


 誰に切り替えますか?

 >>77

 1.シャナ
 2.オティヌス

安価指定ミス このレスの直下で


・・・・・・


シャナ「トラップの類は……今はまだ見つからないか。にしてもなんだよこの遺跡! 今どこにいるんだよ私達はぁ!」

プキン「そう急くな。急いては事をし損じる」

シャナ「どこで習ったそんなことわざ!」

メイ「血が上ってる。クールダウンいる」

シャナ「つってもよぉ……装置がいつ完成するか分からねぇし、まだ連合軍の本隊は入口からすぐのところでプク派とドンパチだ。実質的に行動してるのは私達だけだぞ」

プキン「他の2班を信じるか。だがこの遺跡はまったくもって不愉快だ」

シャナ「そうだよ、お前に逆らう遺跡だぞ? これは爆破して埋めちまうしかねぇよなぁ?」

プキン「それはいいな。終わったら爆破してこの世からなくすか」

メイ「……あれは?」


 シャナ達が出会ったのは……>>直下コンマ二桁
 
 01~30→アリス
 31~60→デリュージ
 61~90→ダイヤシャッフリン
 91~00→セルティ達


シャナ「あれは、シャッフリンか?」

プキン「せわしない連中だな。何かをしているようだが」

シャナ「………………確かダイヤって機械とかそういう作業系の連中だよな?」


あらかじめプキンに斬ってもらい、プク対策をしてからダイヤ達に近付いた

ダイヤはシャナの魔法により近づいても何もしてこようとしない


シャナ「これは、モニターにスピーカー……」


その場にいたシャッフリンを1体残して斬り殺し、残って怯える最後の1体の前で魔法を解除した


シャナ「何やってんのか、教えてもらってもいいかな?」


ダイヤのシャッフリン達はモニターとスピーカーでプクのトラップを作っていた。まったくもって凶悪な作戦だ。提案した奴の顔が見たい

今出会ったのはただの出力先で、これらのモニターやらを操作している簡易的な大元のコンピュータが遺跡のどこかにあるらしい。その場所まではシャッフリンも知らなかった


シャナ「クソが! 大将軍の文化爆弾じゃねぇんだぞ!」

プキン「なんだそれ」

メイ「時間泥棒の話してる?」

シャナ「とにかく進むぞ! ったく、とりあえず他の連中に教えとくか。大元っぽいのを見たら全部ぶっ壊すようにっと」

プキン「おや、どうやらお客さんだぞ」

シャナ「あ?」


見るとプク派の魔法少女がこちらに走って来ていた。なるほど、防衛ラインを突破した連中を狩る部隊か


プキン「今日は戦ってばかりだな」

シャナ「魔法少女ってそういうもんだろ」


 シャナの身体能力(95)ロール……>>直下コンマ二桁

 成功→プキンと共に成敗
 失敗→フカク!手傷を負った


 93……成功!

 
 
シャナ「邪魔だオラァ!!」


プキン「大人しく狩られろ」


とりあえず斬り殺した。こいつらももしかしたらプクに操られたあわれな魔法少女だったのかもしれない。知り合いだったら助けた奴らかもしれない。それぞれリアルの人生があった。それを奪うのは罪深い

が、そんな感傷はとっくに捨てて来た。邪魔するなら殺す。自分の前に立ちはだかる不運を呪え

だからせめて、他の奴らは自分達を見つけずに遺跡をさまよっていてくれ

見つかったら、殺さなくちゃいけないから


シャナ「とにかく急ぐぞ。似たトラップがあったらさっきと同じように私が破壊する」

プキン「ああ、よきにはからえ」


・・・・・・


オティヌスは前線に立っていた。やって来るシャッフリンに「プク様に逆おうとする欲求」を奪い、動画を見せる戦法により、むやみに突っ込んで来たシャッフリンなどはどんどん寝返っている


レーテ「……苛立つな」

ハムエル「え?」

レーテ「このまま手ぬるいことを続けていては意味が無いな。例の兵器を」

ハムエル「ああ、レーザー兵器ですね」


オスク派の援軍は到着していた。その内のひとつが取り扱いの難しい固定式の砲だ。だがこれなら相手を一層できるという代物である


プフレ「ペチカ派もいるが?」

レーテ「この戦いが終われば奴らは敵だな」

プフレ「おいおい」


魔梨華「よぉ! お前あの時の奴だな!」

オティヌス「袋井魔梨華……! あなたもですか」

魔梨華「おっと、もうお前の右目は見ない。戦いたくなる欲求が9時間もってのは痛すぎるんでね!」

オティヌス「くっ……!」


オティヌスもキノの銃は持っている。中にあるのは基本弱化セット

どうやらペチカ派という奴らは相当の粒ぞろいらしい。もうキノの魔法から立ち直り戦線復帰している者が山ほどいる。魔梨華もその1人だ


スタイラー美々「どいてください、オティヌスさん。私達は進まなければなりません」

オティヌス「この防衛ラインは死守します! プク様の邪魔はさせない!」

魔梨華「ああそういう分かりやすいのがいいねぇ、そこをどかなきゃボコボコだ!」


 オティヌスの身体能力(28)ロール……直下コンマ二桁
 
 成功→魔梨華に弱化セットを当てる
 失敗→たまらず前線から退く


 23……成功!


魔梨華「おらおらーぁっ!!」

オティヌス「まるで獣……だが、動きが直線的なら!」

スタイラー美々「っ、まず!」


銃を取り出し、魔梨華に発砲する。よく引き付けてから撃ったため、まず魔法の弱化が魔梨華に当たった


魔梨華「チッ、またそれかよ!」

オティヌス「私は弱いから、こうした武器に頼るんですよ」


筋力の弱化、戦意の弱化を立て続けに当てる。普通に撃っても避けられるだけだから、魔梨華の攻撃を敢えてギリギリ受けないくらいの距離に誘い込んで撃ちまくった


魔梨華「あーーーくっそーー! またかよー!!」

スタイラー美々「はいはい、退きますよ!」ズルズル

オティヌス「……や、った……あの袋井魔梨華を……」


オティヌスは静かに歓喜した。自分でもあの魔梨華を退けられる。プク様の役に立てる

私は、まだ、魔法少女やれる


オティヌス「ふ、ふふ……」

プフレ「やぁ」

オティヌス「っ、あなたは……!」

プフレ「健気に防衛ラインを守るのもいいが、オスク派がレーザー兵器を持ち出してきているぞ。このままではこの場に居る多くが死ぬ」

オティヌス「なんですって!?」


オティヌスは頭が良い。敵であるプフレが教えて来た理由、それはプク派の魔法少女達が死ぬのを黙って見ていられないなどといった高尚なものではないだろう。ブラフとも思えない


オティヌス「……それを教えて、私にどうしろと?」

プフレ「ああ、察しが良くて助かるよ。私を防衛ラインの内側に入れてほしくてね」

オティヌス「なっ……!」

プフレ「もうペチカ派の連中には言ってあるから連中も前線から引いた。ここにいるのはプク派とオスク派だけだ。こんな危機だ。私と取引をした方がお互いのためじゃないかな?」

オティヌス「………………分かりました」

プフレ「じゃ、私はプク様の敬虔な信者ということで」

オティヌス「皆さん、敵の攻撃が来ます! 一旦退いて!!」


オティヌスの指示のもと、防衛ラインが大幅に後退し、オスク派の勢いが増した。レーザー兵器の出番は無くなったが、これにより連合軍の魔法少女が多数遺跡の迷路に足を踏み入れた


 今日はここまで

 各々の状況
 ・キノ……痴情のもつれで刺されてる
 ・シャナ……プキン達と共に遺跡の探索
 ・セルティ……ダークキューティー達と共に遺跡の探索
 ・オティヌス……防衛ラインの指揮

 プク派……装置の完成目前。あとはもう少し時間を稼げば勝利
 連合軍……遺跡に完全突入。装置完成までに発見できれば勝利
 ペチカ派……とにかく暴れれば勝利


オティヌス「それで、これからどうすると? もしプク様に何かするようなら、あなたをここにいる全員で叩き潰しますが」

プフレ「プク・プックをどーこーしようなんて思っていないさ。私はただ、シャドウゲールを連れ帰りたいだけだ。場所を教えてくれないか?」

オティヌス「シャドウゲールは現在プク様のために大切な作業をしている最中です。場所は……この画面を見たら教えてあげますよ」

プフレ「ふむ、そうか……ならシャドウゲールのいるところに装置があるということだな。ありがとう、後は自分でやろう」


端末の画面を一切見ることなくプフレの車椅子が猛スピードで走っていく。車椅子のスピードに驚く暇も無い、連合軍の魔法少女達は迫っている


オティヌス「(まぁ、この迷路の遺跡でどこまで探し出せるか……それに道中トラップもある。本当のお友達になってもらわないと)」


だが一抹の不安というやつか、どうも気になる。プフレは頭がキレる魔法少女だ。自分よりも頭が良い。自分では考えられないような作戦を思いついて内側に入り込んだのかもしれない。人となりを暴くことが得意な菫でさえ、プフレはよく分からない

いつも理詰めをするオティヌスだが、今回は直感で行動していいものか迷った


 オティヌスは……>>738
 
 1.プフレを追いかけた
 2.防衛ラインの指揮に集中した

1


オティヌス「皆さん、キノの魔法は8分間で、もうすぐ切れます! 常に弱体化させておくように!」


既に何人もの連合軍の連中が遺跡内を駆け回っている。この防衛ラインも時間の問題だろう。そうなる前に装置が完成してくれればいいが……

ひとまず一番頭が良さそうな奴にこの場を任せ、オティヌスはプフレを追った

プフレの人となりは謎だが、善人でも聖人でもないことは確かだ。防衛ラインの内側には入れてやった。後はどうするとは言っていない。追うも始末も次第によりだ


オティヌス「(キノも前線に来ない……一体なにが……!)」


あと少しなのだ。あと少しでプク様の儀式が始まる。それまでに、片付ける奴は片付ける。プフレの欲求とはなんだろうか


 オティヌスは……>>直下コンマ二桁
 
 01~20→デリュージと出会った
 21~40→アリスと出会った
 41~60→シャナ達と出会った
 61~80→プフレを発見した
 81~00→セルティ達と出会った


オティヌス「あれは……確か、ペチカ派……」

シャナ「ん? またか……じゃ、死んでもらうか」

オティヌス「っ! ま、待って! 待ってください!」


オティヌスは突入してきたオスク派を気取った。あれだけの軍勢だ、初めて見る顔でもオスク派だと言えば大丈夫だろう

必死に説明したらなんとか分かってもらえたようで、殺気が収まる


シャナ「オスク派か……」

プキン「…………オティヌスと言ったな。吾輩はこう見えてかつて官吏として働いていた。人を見る目も確かのつもりだ」

オティヌス「えっ……?」

プキン「貴様のような言葉を弄するタイプも見てきたよ。貴様がプク派だろうがオスク派だろうが、悪意を持って我々に接してきたことくらい、すぐに分かる」

オティヌス「(ッ……!)」


プキンと言ったか。何故官吏なんて古い言葉を使ってくるのかは分からないが、コイツは鋭い

殺気を収めたまま、オティヌスに向かってくる


オティヌス「ちょ、なんで……私、オスク派で……」

プキン「オスク派なら、そうだな……プク・プックをどう思っているか言ってもらおうか」

シャナ「踏み絵かよ」

オティヌス「プク・プックを……?」

プキン「ああそうだ。奴のこと、奴の儀式のことをどう思っているか、正直に言ってみろ」


 オティヌスの精神力(20)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→プクの悪口を言う
 失敗→プク様は315です!


オティヌス「プクさ……プク・プックは、あの…………」

プキン「どうした? 続きを言うがいい」

オティヌス「…………っ、儀式は……みんな、溶けて……見守って……」

プキン「魔法少女すべてを溶かして水槽の魚にしようとする儀式が見守るとな?」

オティヌス「っ、だって、プクさ…………プク・プックに、ずっと……」

シャナ「……決まりか」チャキ

オティヌス「(う、く……っ、プク様の悪口なんて、言えるわけない……!)」


もうこうなったら欲求を失わせるしかない。ペチカ派の欲求はなんだろうか。あれだけ暴れてペチカという魔法少女を担いで、邪魔をするなら殺すと言わんばかりの猛威を振るってきた人間嵐だ

なんとか自分を殺そうとする行動に直結する欲求を失わせなければ……


 オティヌスの知力(94)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→分析して欲求を思いつく
 失敗→的外れな欲求をなくさせる


 86……成功!
 

オティヌス「(きっと、多分……ペチカ派は邪魔者を人だと思っていない)」


オティヌスの分析が正しければ、この乱入もペチカの売名だ。魔法少女ペチカここにありとでもいったところか

プク派もオスク派も向かってくるなら邪魔者で、そいつらを殺すことになんの躊躇もないクズ集団

門での戦闘では少なくともそうだった。オスク派のように儀式を台無しにしてやろうなどというイジメっ子精神ではない。なんでもいいから場所が欲しかったのだろう

なら、今失わせる欲求は……


オティヌス「……」

プキン「どうした眼帯などめくって。あれか、邪気眼というやつか」

オティヌス「(邪魔者を排除したいという欲求を……消す)」

シャナ「……………………プキン、先を急ぐぞ」

プキン「そうだな。こんなところで足止めを喰らっている場合でもないか」


オティヌス「(やった……!)」

プキン「……何かの縁だ。次に吾輩が使うまで、正気に戻してやる」


プキンの剣が飛んできた


 オティヌスの身体能力(28)ロール……>>直下コンマ二桁

 成功→なんとか避けて逃げ出す
 失敗→プキンの剣をくらってしまう


頬を切られ、右目を隠していた眼帯が落ちた


オティヌス「……………………ぁ……!」

プキン「お前はプク・プックが大嫌いだ」


そうだ

あの時、あのW市の屋敷の近くでのこと

あの時、自分の号令のもと、何人もの魔法少女を殺し、死んでいったこと

あの時、装置の部屋でインフェルノの死を聞いたこと

あの時、防衛ラインを死守しようとしてまた何人も殺させたこと

すべてプク・プックのためだと思って、それ以外はすべてゴミだと、プリズムチェリーのことも頭の片隅に追いやって……

それらの事実は、オティヌスを発狂させることはないが、中学生の音桐菫を罪悪感に追い詰めるには十分だった


 オティヌスの精神力(20)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→クソッ!と壁を叩く
 失敗→吐いてうずくまり、泣く


 01……クリティカル!
 クリティカル報酬、精神力が1上がった!(21)ロリ

 
 
オティヌス「くっそおおおおお!!」



壁に拳と頭を打ち付けた

自分は馬鹿か。なにプク様だ。なにが儀式だ

桜との平穏のためならなんでもすると誓った。だが、これはまったく違う。平穏でもなんでもない。ただの大量殺人犯だ

恥じた。一緒に魔法少女頑張ろうねと言ったのに、これでは桜に顔が合わせられない


オティヌス「くそっ、くそっ、くそっ!」


シャナとプキンとぷかぷか浮いていた魔法少女はもういない。ここにはオティヌス1人だけ

壁に血がついている。おそらく今の自分の顔は酷いだろう


オティヌス「っ、桜ぁ……」


嘆いていても仕方がない。そんなことは自分が一番よく分かっている

ここは平穏とは程遠い、桜もいない。こんなところにいる意味が無い


オティヌス「…………」


さっきまでは装置に溶けてプクに見守られるのが一番の平穏だと思っていた。プクこそがすべてだと思っていた

だが今は違う。プキンの魔法がどんなものかは分からない。斬った相手を正気に戻す魔法だろうか

大して嫌っていなかったはずだが、今はプクが大嫌いだ。プクのすべてが憎い


オティヌス「プク・プック……!」


潰してやる。こんな儀式


オティヌスは走り出した

プクに従っていたときの記憶はある。今思い出すと自分すら憎い。プクに褒められて昂揚し、もっと役に立ちたいと思っていた。プクの姿や声だけで元気が出た。プクに撫でられた感触が忘れられず、何度も自分で頭をさすった

ああ、もういい。脳のリソースはもっと良い事に使おう

方向はこちらで合っているはず


 オティヌスは……>>778
 
 1.防衛ラインを瓦解させに行った
 2.装置をぶち壊しに行った


 誰に切り替えますか?

 >>783

 1.キノ
 2.シャナ
 3.セルティ

3人の主人公が儀式を潰そうとする中、痴情のもつれで刺されて動けないキノさん


・・・・・・


結衣は気を失っていた

既に8分経ち、リップルとラズリーヌは立ち上がり、血だらけのキノはついに力尽き、その変身を解いていたのだ。変身前なら刀も刺さっていないし血も出ていない


ラズリーヌ「し、死んでないっすよね?」

リップル「死んでないよ」

ラズリーヌ「あー……見てて辛かったっす」


キノはリップルとの特殊プレイをラズリーヌに終始見られていた


リップル「……」

ラズリーヌ「なんすか? その弾」

リップル「私もキノの弾を何個か持ってる。銃を使わなくても当てられるから…………」


基本的にバディを組んで事に当たる2人だ。お互いの魔法の特性上、リップルもキノの弾を一通り持っているスタンスは監査部門に入る前から変わらない


リップル「キノが言ってた……あのゲームの中で自分に魔法の弱化が撃たれた時、自分にかかっている魔法も弱化されたって」

ラズリーヌ「ということは……元に戻るっすか!?」

リップル「といっても8分だけ。その上いくらキノに魔法の弱化を撃ってもまたプク・プックと接していれば上塗りされる」

ラズリーヌ「プク・プックに撃ち込むのが一番ってことっすね!?」

リップル「そう。じゃ、行こう」

ラズリーヌ「え、その人担いで行くんすか!?」

リップル「置いては行けない。装置を探そう」

ラズリーヌ「オッケーっす!」


結衣「(…………ここは……)」

結衣「(そうだ、私……師匠に、刺されて……)」

結衣「(痛くない……変身が解けてる……? 私、死んだの……?)」

「でも笑いながら刺すのはないっすよ!」

「仕方ないでしょ」

結衣「(声……ラズリーヌと…………師匠の声……)」

結衣「(…………プク様……)」

結衣「あと、少し……」

リップル「結衣、起きた?」

結衣「あと少しで……」

ラズリーヌ「なんて言ってるんすか?」

リップル「ブツブツ呟いてる……結衣、なんて?」

結衣「あと少しで、完成だから……一緒に溶けようよ、華乃ちゃん……」

リップル「…………ごめん。いつも溶けてるから今更」

ラズリーヌ「???」

リップル「今はまだ寝てて」


 誰に切り替えますか?

 >>796

 1.シャナ
 2.セルティ


シャナ「こっちだな」

プキン「いやこっちだろう」

メイ「あっちこっち」

シャナ「さっきはお前が道決めただろうが! 次は私だ!」

プキン「従者なら主に従え!」

シャナ「主なら従者の進言を受け入れろ!」

プキン「やるか!?」

シャナ「やってやるよ!」

「貴様ら、オスク派か!」

シャナ「うるせぇ!!」ズバンッ

メイ「……あっちいこう」


遺跡に入ってかれこれ結構経つ。ペチカ派の連中は大丈夫だろうか、殺しても死なないような奴ばかりだから大丈夫だろうが

装置の完成とやらは近いらしい。プキンがただならぬパワーを感じると言っている。テプセケメイもだ。地震の察知みたいだ、流石亀だ。いやそれナマズか

迷ったと言うにはそうでもなく、迷ってないと言うにもそうでもない

近付いてはいる


 シャナ達は……>>直下コンマ二桁
 
 01~20→セルティ達とバッタリ
 21~40→アリスとバッタリ
 41~60→オティヌスとバッタリ
 61~80→プフレとバッタリ
 81~00→デリュージとバッタリ


オティヌス「……!」タッタッタ

シャナ「ん? あ、さっきの痴女」

オティヌス「あなた達は……先程はどうもありがとうございました」

プキン「どうやらお前も魅入られた方だったか」

オティヌス「ええ……! プク・プックぶっ殺す!」

シャナ「そりゃウチらの仕事だ。痴女のねーちゃんは服着てどこかにいな」

オティヌス「は? 下着姿の痴女にツルペタ痴女とか言われたくないんですけど」

シャナ「は?」

オティヌス「あ?」

シャナ「あん?」

オティヌス「おぉん?」

 >>806訂正
 ×→オティヌス「は? 下着姿の痴女にツルペタ痴女とか言われたくないんですけど」
 〇→オティヌス「は? 下着姿のツルペタに痴女とか言われたくないんですけど」


シャナ「やっぱ死ぬか」

オティヌス「私を殺せば装置の部屋までいけませんよ」

シャナ「そんなブラフ効かねぇな」

オティヌス「事実です。この迷路に迷っているのでしょう?」

シャナ「踏破してやる」

プキン「シャナ、謝れ」

シャナ「はぁ!?」

プキン「時間が惜しいのだろう。早くしろ」

オティヌス「そちらのお方は聡明なようで」

シャナ「ぐぎぎぎぎ! ……すみませんでした」


オティヌス「ふっ……あ、そうだ」バキッ

シャナ「ぐえっ!?」

オティヌス「……私の戦友を殺してくれたお礼です。本当は足りないですが、今は非常時なので」

シャナ「戦友だぁ? どこのバカだよ。もうここに来てから両手両足の数じゃ足りないくらい殺してるから分からねぇや」

オティヌス「プリンセス・インフェルノ……彼女を殺したんですよね?」

シャナ「……ああ、あの炎使いか」

オティヌス「デリュージは怒り狂っています。もう会いましたか?」

シャナ「いや」

オティヌス「……そうですか。彼女には注意してください。あと、全部終わったら大人しく殺されてください」

シャナ「やなこった。こちとらまだやることは山ほどあるんだ。殺した相手の関係者に恨まれることをいちいち気にしてられねぇ」

オティヌス「…………合理的なお考えで。こっちです」


・・・・・・


セルティ達は遺跡の中を進む途中、プフレと合流していた

ボスがこんなところまで出張る必要は無いとダークキューティーは言っていたが、プフレにも目的があるらしい。足手まといにはならないからとにかく装置の部屋に急ごうと言われ、進む


プフレ「グラシアーネが居たら楽なんだがね……だが、ファルに送ってもらった見取り図で装置の部屋までもうすぐだ」

セルティ「そんなものがあるなら最初から……」

プフレ「ファルと関わりがあるのは私の他にはペチカ派とリップルくらいだからね。私からその者達以外には見取り図を送るなと言ってある」

ブルーベル「何故ですか? 全軍にこの内部を把握してもらった方が楽でしょうに」

プフレ「大量の魔法少女達が装置の部屋になだれ込んでシャドウゲールに何かあっては困る。シャナ辺りはいまだにファルと距離を置きたがっているようだから見取り図なんて送られてないだろう。まったくあれでデリケートだよ」

ダークキューティー「ならもうすぐか」


途中のトラップに気を配りながら、なんとか遺跡の部屋の前までやってきた。まだ防衛ラインではプク派と連合軍がドンパチ賑やかやっているだろう

さて、乗り込もうかという意気込みを邪魔したのは、またもやデリュージだった

剣を持った魔法少女と大砲を持った魔法少女を従えている


プフレ「やぁデリュージ。そろそろ誘拐したシャドウゲールを返してくれ。身代金ならいくらでも払うよ」

デリュージ「……妖精は……どこだ」

プフレ「妖精? トコは今頃何しているかなぁ」

セルティ「また、殺すな。ですよね?」

ブルーベル「ええ」

セルティ「……他は?」

ブルーベル「お好きに」

ダークキューティー「デリュージ。復讐を誓う主人公になるか?」


プフレ「ふむ、どうやら装置の完成はいよいよ大詰めらしい。こうして部屋の前に陣取っているということは、各個撃破よりも防御に重点を置いているか」

ブルーベル「私がデリュージと。ダークキューティーとセルティは他2人をお願いします」

ダークキューティー「復習に燃え、かつての友人と争う……止められんなそれは」

セルティ「そちらの方が私としてもやりやすい」

デリュージ「妖精は……どこにいるっ!!」

プフレ「来るぞ。頼む」


 セルティは……>>817
 
 1.剣の魔法少女を狙った
 2.大砲の魔法少女を狙った
 

2


狭い廊下だ。乱戦になることは厭わないが、それぞれ目標は必要だろう。大砲の魔法少女の前に出る

ダークキューティーもそれを察したか、剣の魔法少女と対峙した


セルティ「…………(オティヌスへの分をちょっとだけテメェにくれてやる!)」


影の箱で大砲の魔法少女を閉じ込める。あとは中をイリュージョンマジックよろしくグサグサ貫けばいい

だが大砲の魔法少女も今までの連中とは一味違う。自分が爆風に巻き込まれることもいとわず、中で大砲を放ち、影の箱を破壊してみせた


セルティ「なるほど……おやりになりますね」

「……」

セルティ「だがこれならどうですかぁ!」


 セルティの身体能力(51-20=31)……>>直下コンマ二桁
 (傷-20)
 
 成功→大砲の魔法少女を殺す
 失敗→大艦巨砲主義万歳される


 89……失敗

 
 
影の槍をいたるところから発生させた。これなら並みの魔法少女は死ぬ


またもや避けられた。大砲を持っているにも関わらず、身のこなしが軽い。コイツは強い


セルティ「(チッ、ならその足を縫い付けてやるよ!)」


足元に影の銛を作る。下から足を刺され、銛の返しで完全に縫い付けられた大砲はこれで動けない

よし、すぐに地獄に送ってやる。とさらに影の槍を出そうとしたとき、大砲の魔法少女はわざと足を縫い付けられたのだと分かった

地に足がついているおかげで、狙いが定まる。大砲の口がまっすぐセルティを捉え、発射された


セルティ「っ、まず――!」


咄嗟に影で壁を作ったが、それでは足りない

狭い空間で放たれた大砲は壁を破壊し、セルティを爆風で吹き飛ばすのに十分な威力を持っていた

壁に叩きつけられ、焦げ臭いにおいにと肺から出た空気にむせる


プフレ「大丈夫か?」

セルティ「けほっ、けほっ……え、ええ……」

プフレ「ふむ、ブルーベルもダークキューティーも倒せていない……ということは、最終防衛ラインということか」

セルティ「殺す……!」

プフレ「……どうやらその必要は無いらしい」

セルティ「えっ……?」


 飛んできたのは……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→手裏剣
 偶数→太刀
 


手裏剣が廊下の向こうから飛んでくる。突然の乱入者に誰もが回避行動をとり、剣の魔法少女がすべて叩き落とした

だが飛んできたのは手裏剣だけではない。手裏剣に混ざってぽてぽてと敵の後ろを跳ねるのはゴムボールで――


ラズリーヌ「とりゃーっす!」


そのゴムボールのすぐそばに突如青い魔法少女が現れた

大砲の魔法少女は瞬時に反応し、足の損傷も厭わず無理やり影の銛を引き剥がすと、ラズリーヌに向き直る

発射――当たらない。ラズリーヌはもうそこにはいない


ラズリーヌ「こっちっすよ!」


もう1つのゴムボールにテレポート。大砲が向けられればまた違うボールに、また向けられればまた別の、その合間に蹴りを叩きこむ。大砲の魔法少女はよろめいた


 ラズリーヌの数値……>>↓1コンマ二桁
 大砲の魔法少女の数値……>>↓2コンマ二桁
 
 ラズリーヌの数値が勝っていた場合……大砲の魔法少女戦闘不能
 大砲の魔法少女の数値が勝っていた場合……ラズリーヌ怪我を負う


 ラズリーヌの数値……85
 大砲の魔法少女の数値……59
 

ついに大砲の魔法少女が焦れた。ロクに狙いを定めず、とにかくラズリーヌがいる方向へとぶっ放す。それがラズリーヌの狙いでもあった

大砲のすぐ近くにテレポートし、わざと撃たせ、破壊された壁の埃煙が舞う

そのほんの少しの視界の妨害を使い、ラズリーヌは大砲の足元に転がるボールにテレポート、ブリッジの体勢から腕と体の反動で蹴りを下から大砲の魔法少女の顎に叩き込んだ

両者が宙を舞い、ラズリーヌが追撃を行う。演舞とも言うべき動きで今度は踵落とし。頭に叩き込む。大砲の魔法少女が沈んだ


ラズリーヌ「戦場に舞う青い煌めき! ラピス・ラズリーヌッ!」


キメポーズまでバッチリだった


ブルーベル「さっすがぁ」

デリュージ「はぁぁぁ!!」

ブルーベル「おっと。危ない危ない」

ダークキューティー「1人撃破か。味方のピンチに助けに来る……実に主人公だ。決めポーズもヒーローらしい」

セルティ「(あのポーズでヒーロー……? 芸人じゃなくて?)」


今度は弾が飛んできた。デリュージと剣の魔法少女に2発ずつ当たる

剣の魔法少女は目を覚ましたように周りをキョロキョロと見渡し、状況があまり理解できていないようだったが、デリュージは止まらない


デリュージ「(ッ、氷が作れない……?)」

ブルーベル「……!」

デリュージ「っ、でも!」


 デリュージの数値……>>↓1コンマ二桁
 ブルーベルの数値……>>↓2コンマ二桁
 
 デリュージの数値が勝っていた場合……ブルーベルを退け、また援軍がやって来るのを見る
 ブルーベルの数値が勝っていた場合……デリュージが気を失う


 デリュージの数値……94
 ブルーベルの数値……62


リップル「なんで止まらないの……魔法の弱化を撃ってるから、プク・プックの洗脳も解けてるはずなのに……!」 
 
デリュージ「ブルーベル、邪魔しないで! 私はインフェルノの仇を!」


ブルーベル「今のデリュージが妖精に挑んでも犬死するだけっしょ」

デリュージ「やれるって!」ガキィン


氷が作れなくても武器という有利は変わらない。ブルーベルがいかに達人だろうと、この差は大きい

そしてデリュージは、また別の方向から走って来る紅い髪を見つけた


オティヌス「あそこが装置の部屋です!」

シャナ「なんか門番っぽいのがいるな」

プキン「お、一直線にこっちに向かってくるぞ」


デリュージ「見つけた……! やっとぉぉぉぉ!!」

シャナ「デリュージってか!」


三叉槍と太刀が鍔迫り合いを起こす


オティヌス「気を付けて! デリュージは相手を凍らせて――」

シャナ「使えねぇみたいだな」

デリュージ「だからどうしたぁぁぁぁ!!」

シャナ「どうもしねぇよ!! 邪魔するなら死ぬだけだ!」

オティヌス「っ、デリュージやめて! 今は!」

デリュージ「プク・プックなんてどうでもいい! 私はコイツを殺す!!」

シャナ「やってみろ人魚姫ぇ!!」


シャナ「結局こうなるんだ。特別に私も魔法抜きで戦ってやるよ」

デリュージ「っ、舐めるなぁぁぁ!!」

ダークキューティー「いきなり復讐の相手が出てきたか。これはストーリーの展開的にもう少し引っ張った方がいいのではないか」

セルティ「ですよねー!」

プフレ「シャナか。見取り図なしによく来られたな」

リップル「え、ファルが見取り図送ってたんじゃ……」

ファル「残念ながらシャナには送ってないぽん」

ブルーベル「あのー、デリュージ殺すのはナシにしてくださいよー」


 オティヌスは……>>840
 
 1.魔法を使って戦いを止める
 2.黙って見てる

1


オティヌス「(くっ、今こんなことしてる場合じゃないってのに……!)」

デリュージ「はぁぁぁぁっ!!」

シャナ「甘すぎだ。お前、今まで魔法に頼って戦ってただろ」

デリュージ「なんだと……っ!」

シャナ「魔法を有効活用できるっていいよなぁ羨ましいよ……死ね!!」

デリュージ「ぐっ……! コイツ……!」

シャナ「どうしたおらかかってこいよ! 私はここだぞ! おらどうした怖気づいたかぁ!?」

デリュージ「ああ行ってやる! はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

オティヌス「っ、デリュージ!!」


オティヌスが2人の間に割り込んだ。同時に使うのは「仇をとりたい」という欲求


 オティヌスの身体能力(28)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→三叉槍を槍で弾く
 失敗→三叉槍が肩に深く刺さる
 


 85……失敗


グサリと、三叉槍が肩口を貫いた


オティヌス「っ、く……ぅ……!」

デリュージ「オティヌス、どいて!」

オティヌス「今は、どけないよ……奈美」

デリュージ「………………」


目が合った。デリュージから殺気が消えていく

オティヌスの魔法でなんとか無駄な戦いを阻止することができた


デリュージ「……チッ」

シャナ「あ? どうしたオラ腰抜け、かかってこいよ」

デリュージ「……気分が乗らない」


デリュージ「…………ごめん、菫ちゃん」

オティヌス「大丈夫…………っ、っつ」

ブルーベル「いやーお見事お見事。というわけでデリュージには少し眠っててもらいますね」トンッ

デリュージ「えっ? ぁ…………」ドサッ


ブルーベルがデリュージの肩をぽんぽんと叩くと、なにかキャンディーが出ると同時にデリュージは倒れこんだ

そのキャンディーを大事そうにしまい、仕事は終わったと言わんばかりに部屋とは真逆の方向に向かうブルーベル


プフレ「君の目的は果たせたわけだ」

ブルーベル「ええ。オティヌス……だっけ? ありがと。お返しにこのキャンディーをあげるから、困った時に食べてね」

オティヌス「えっ……?」

ブルーベル「それじゃ、皆さんお疲れ様ー!」


ブルーベルは「おいここまで来て帰るのかよ」という声を無視して遺跡を後にした


プフレ「さて、そこの剣の魔法少女もダークキューティーが気絶させたことだし、いよいよ最後の部屋……ラスボスだ」

シャナ「リップルの背で寝てるのはキノか」

リップル「うん。ダメージ与えたから変身が解けたみたい」

プフレ「キノの洗脳は?」

リップル「……」

プフレ「そうか。さて、おそらく部屋にはプク・プックをはじめとした魔法少女達が待っていることだろう。そしてこちらがプク・プックを見れば一瞬で寝返ってしまう。つまり、ここから攻め込むのが難しいということだ」

プキン「吾輩の魔法を使えば1人だけプク・プックを見ても平気だ」

プフレ「多勢に無勢で挑むのは酷だろう。直援の魔法少女もいるかもしれない」

シャナ「じゃあどうするんだよ。またその頭の良さをひけらかしてくれよ」

プフレ「ふふっ、君といると色々と思い出すな。今度は魔王が初めから分かっているんだ。簡単だろう?」

シャナ「ああ。魔王がチート持ちじゃなけりゃな」

ラズリーヌ「あー確かにこりゃ魔王討伐っすね。面子も一緒っす。ベルっちとゲールっちがいないっすけど」


オティヌス「(……プク・プックを見ずに済む方法、そりゃ目隠しして耳栓してりゃいいけど……)」

プフレ「目隠しに耳栓、は無理だな」

オティヌス「ですね」

プフレ「だから私は考えた。全員突撃当たって砕けろ。とね」

リップル「玉砕覚悟の特攻? キノなら魔法で強化された爆弾持ってるけど」

プフレ「最悪それも考えよう。だが今回の作戦は三段構えだ。鍵はプキン、リップル、キノ」

リップル「キノも?」

プフレ「ああ。リップル、キノに魔法の弱化を」

リップル「分かった」


プフレの作戦。それはなんでもいいからとにかくプクの魔法を封じるという至極シンプルなものだ

プキンの剣はプクに魔法を使うなと命じることができる。キノの弾ならプクの魔法を弱めることができる。リップルならキノの弾を使える

他はとにかく捨て石だ。3人を守りながら肉の壁となり、視界にプクを入れないようにする。プキンはギリギリまでオティヌスの暗示を解かない。オティヌスがメイン盾だ


まずキノを正気に戻した。リップルとラズリーヌに土下座していた

ダメージは残っているようだが、痛みの弱化と筋力の強化でなんとか賄う

部屋が暗く影さえあればセルティ1人で全員を守れるが、オティヌスいわく、装置が完成間近だから光を放っているらしい。光源があるとセルティの魔法もどこまで使えるか分からない


オティヌス「私がまずプクと目を合わせて欲求を消します。『魔法の国を救いたい』という欲求を」

プフレ「それで片付いたら御の字だな」

プキン「ひとつ言っておこう。吾輩の剣は誰でも使える。持つ者が念じれば吾輩ほどではないにしろある程度の洗脳ができる」

リップル「私の魔法ならプキンの剣を絶対にプク・プックに当てられる」

プフレ「素晴らしい」

プキン「吾輩の剣を使うなら大事に使えよ」

ラズリーヌ「はいはーい! ゴムボールをプクのところに放ってくれれば剣でブスリいけるっすよ!」

シャナ「脱落組の始末は任せろ。死なない程度にぶった斬ってやる」

キノ「お前が脱落したら私がお前を殺してやる」

プフレ「この作戦は臨機応変にスタイルを変えられる。例え誰が脱落しても、確実にプク・プックに届けるぞ。私達のラブレターを」


シャナ「……おい」

キノ「なに?」

シャナ「お前の壁役は私だ。せいぜい届けろ」

キノ「お前こそ、寝返って私を斬るな」

シャナ「それもいいな。願ったり叶ったりだ」

キノ「…………お願い」

シャナ「ああ。あ、そうそう。これが終わったらペチカ様に会え。そしてペチカ派に入れ」

キノ「なにそれ……?」

プキン「まったく、吾輩は守ってくれないのか」

テプセケメイ「プキン様はメイが守る」

プキン「はっはっは、頼りにしているぞ」


ラズリーヌ「プルっち、どんと任せてほしいっす!」

リップル「うん。よろしく。でもラズリーヌの身長だと足りないような……」

ラズリーヌ「マジっすか!?」

オティヌス「行きましょう。私が先頭に、セルティさんが続いて、次に3人を守るように皆さんが……いいですね?」

プフレ「ああ。私も壁となろう。私なら寝返っても大した戦力にならないしね」

セルティ「それじゃ、行きましょうか」

シャナ「おう」

オティヌス「はい」

キノ「うん」

プク「どこにー?」


倒したい相手が、そこにいた


どういうことだ。まだ部屋に入っていないぞ。魔王が玉座を離れてわざわざ部屋から出てくるなんてまるっきりキークのゲームだ。ふざけるな。などと思っている暇は無い

突然のプクの出現に、誰もが驚き見てしまう


プフレ「しまっ――!」

オティヌス「プク・プック!!」

プク「?」


オティヌスとプクの目が合う。『魔法の国を救いたい』という欲求は消した。これで――


プク「どうしたの? 変なの!」

オティヌス「えっ……?」

リップル「……」グサッ

ラズリーヌ「えっ?」


ラズリーヌが崩れ落ちる。見ると呻いて倒れこんでいた。リップルが裏切った。いや、作戦で言う『脱落』した


シャナ「あああぁぁぁぁぁぁ!!」


シャナがプクへと斬りかかる。見ると口から血を流していた。痛みで洗脳をかき消そうとしているのだ

だがプクは三賢人の現身と呼ばれる魔法少女。基本スペックもそこらの魔法少女とはまるで違う


キノ「くっ……だい、じょうぶ……まだ……!」バァン!


キノの銃弾も当たらない。リップルが脱落した今、銃はキノしか握っていない。いや、オティヌスも持ってはいるが、どうせ当てられない


キノ「ごめん、むり……!」ドサッ

シャナ「ぐっ……プキン、斬れ! 早く!!!!」

プキン「ああ、すまんなオティヌス」ピッ


キノは自らに意識の弱化を撃ち、気絶した

プキンが自らを斬る。唯一の攻撃にして防御がプキンに集中した


セルティ「プク様に逆らっちゃだめですよ」

プキン「影縫いか……効くと思ったか? 馬鹿者が」


プキンがグググと動く。セルティの魔法でも封じ込められない


シャナ「ああああぁぁぁぁぁ!!」ズバッ

セルティ「っ、かはっ……!」

リップル「……!」


 シャナの身体能力(95-50=45)ロール……>>直下コンマ二桁
 (プクの精神汚染-50)
 
 成功→リップルを無力化
 失敗→リップルに無力化される
 


 65……失敗

 
 
リップル「お前か。プク様に逆らうのは」グサッ


シャナ「ぐ、くっそぉ……!」ドサッ


ラズリーヌと同じく、混濁する意識の中沈む。どちらも死んではいない。だが、戦えない

プキンだけが頼りなど、なんとも皮肉がかかっている。プフレはそう思いながら、プク様のためにプキンにビームを繰り出した


プキン「チッ、これはキツい……」

プフレ「感情というのは、いつも私の邪魔をするな……悪いことだと分かっていても、シャドウゲールと共に溶けるのも悪くない……」

ダークキューティー「プキン、主人公なら……私達を倒してプク様を倒して見せろ」

リップル「……」

プク「ああ、プキンがプクの最後の敵なんだね。ありがとね! お友達が沢山増えた!」


プキンの前にプクの僕と化したリップル、プフレ、ダークキューティー、テプセケメイが立ちはだかる

どいつもこいつもタイマン勝負ならプキンの敵ではないだろうが、数でかかられると厄介だ


プク「あのね、装置完成したんだ! もうスイッチも入れちゃったから、あとは入るだけだよ! プキンも一緒になろうよ!」

プキン「チッ、やはりあそこで左に曲がっていれば間に合っていたのだ。シャナのアホめ」

テプセケメイ「プキン様……一緒に溶けよう」

プキン「悪いが溶けんし、お前も解けさせはしない」


 プキンの数値……>>↓1コンマ二桁-30(1対多-30)
 プク派の数値……>>↓2コンマ二桁
 
 プキンの数値が勝っていた場合……周りの魔法少女達を無力化(60以上上回っていた場合プクを刺す)
 プク派の数値あ勝っていた場合……プキン無力化(70以上上回っていた場合撃破)
 


 プキンの数値……24-30=01(下限カンスト)
 プク派の数値……96

 
 
リップルの手裏剣が容赦なくプキンを襲う。叩き落としてもダークキューティーの影で作られた獣とプフレのビーム、テプセケメイの空気の塊が襲い掛かって来る。八方塞がりと言ってもいい



プキン「っ、はははは!! 楽しいじゃないか!」


クナイが腹と背に刺さる。痛くない。プクを好きになる事は無いという暗示と共に、プキンは一切の痛覚を遮断し、ダメージを感じないようにしていた

影の獣がプキンの左腕を食いちぎった。片腕となってもなお、レイピアは落とさない。これは放せない

テプセケメイがプキンの顔を覆った。息ができない。関係ない。進むのみ。狙うはプク1人


リップル「これで!」

プキン「やるなら首を落とせ!」

ダークキューティー「しぶとい……!」

プキン「ああ、腹を食い破ろうと生きるとも!」

プフレ「やはり、化け物だな。300年前の伝説というのは」

プキン「ああ、そうだ、化け物だ。私は女神の飼う化け物だ! だから、食わせろ、ソイツを!」


リップルがすれ違いざまに忍者刀でバッサリとプキンを袈裟斬りにする。が、王者の進行は止まらない

ダークキューティーが鞭で影の蛇腹剣を作った。体に巻き付き、絞められ、ぎりぎりと内蔵を痛めつける。止まらない

プフレのビームが胸を貫く。止まらない

クナイが左目に突き刺さった。構わぬ

ついに首に影の獣が食いついた。流石に斬り落とす

忍者刀を2本、背中から刺される。それだけか


オティヌス「…………」

プキン「ああ、お前か……いたな、そういえば」


プクを刺そうという欲求がなくなった

だが、何かをしなければならないことは体が分かっている。女神のため、従者のため、そのため、何をすべきか


プキン「(何をすべきか…………ああ、そうだ、何を…………)」


ついにプキンにも限界が訪れた。痛みとダメージを感じなくても、実際にそこにある。両足を影の蛇腹剣に斬り落とされ、血に伏せた


プキン「ふっ、ふふふははは…………」

プキン「(そうか……私はここまでか……)」


走馬燈というやつか、まったく似合わない。思い浮かぶのはソニアとの日々ばかり――

ではない。永い時の中で見たら一瞬だろうが、シャナとテプセケメイとの日々、女神との日々……楽しかったと思う。シャナは「お前は絶対にロクな死に方しない」と言っていた。たしかにこんなのロクな死に方ではない


プキン「………………ぅ……」

リップル「まだ生きてる……!」

プフレ「トドメを」

ダークキューティー「ああ」

テプセケメイ「プキン様……」

プキン「テプ、せ……メイ……泣くなよ……」


 プキンは薄れゆく意識の中……>>直下コンマ一桁

 奇数→倒れるキノにレイピアが届いた
 偶数→倒れるシャナにレイピアが届いた


プキン「(あれは、誰だったか…………よく見えんな……)」

プキン「(シャナと言い争っていた…………確か……ああ、名を知らん)」

プキン「(お前は、プク・プックに対する最後の…………お前は……強い……お前は…………伝説に……)」


ありったけの強化暗示を込めた。死にかけでも魔法は使える


 プキンにトドメを刺したのは……>>直下
 
 1.リップル
 2.ダークキューティー
 3.テプセケメイ
 4.オティヌス


テプセケメイ「それ貸して」

リップル「……分かった」

テプセケメイ「プキン様……大丈夫。プキン様も、一緒に、つれてく。から、大丈夫」ポロポロ

プキン「(テプセケメイよ……泣くなよ…………殺すときに涙を見せるのは、駄目だ。大人しく、殺されてやれないじゃないか……)」

プキン「(……シャナ、死ぬなよ…………女神が泣く…………羨ましいよ)」

プキン「(ソニア……)」


テプセケメイの持つ忍者刀がプキンに刺さるのと、レイピアの先端がキノの頬に傷をつけたのは、ほぼ同時だった


プク「終わった?」

オティヌス「はい。プク様、見ちゃいけません。テプセケメイが片付けるそうですから」

プク「分かった! じゃあ早く皆を呼びに行こう!」

オティヌス「はい」

プフレ「プク様、シャドウゲールは?」

プク「装置のところにいるよ! 皆が集まるまで抜け駆けしちゃだめって言ってるからまだ入ってないと思う」

プフレ「あの、シャドウゲールと一緒にいたいのですが……」

プク「分かった! じゃあ皆行こうか!」

リップル「はい」

ダークキューティー「楽しみだ」


・・・・・・


キノ「(………………声が、聞こえる)」

キノ「(誰の声だろう……)」

キノ「(……私は、確か…………自分で…………そうだ、プクと………………今、どうなってるの……?)」


目を開ける。何もない廊下に赤がそこら中に散らばっていた


キノ「…………私……は……」


キノはプク・プックを倒すための最後の希望であり、最強の存在であり、伝説となる存在である。そう自覚している


キノ「…………皆……どこ……」


数人が倒れている。まだ息がある。死なせることはできない。仲間だ。最強にして伝説である魔法少女を支えてくれる仲間なのだ


生命力の強化、出血の弱化をかける。少しは楽そうになっていた


ラズリーヌ「…………キノ……?」

キノ「うん。大丈夫。助かるよ」

ラズリーヌ「……プルっち…………プク様に……」

キノ「………………」


プク様……そうか、魔法が効いていたか

「かけてある魔法の弱化」を撃ち込み、ラズリーヌを開放した


シャナ「う…………ちくしょ……あの、やろ……!」

キノ「お前も助けてやる。伝説の魔法少女は寛大だからな」

シャナ「ぁ……? 頭、沸いたか……?」

セルティ「ぅ……」

キノ「……こっちは傷が多い…………なんとか助ける」


 プキンの魔法ブースト
 最強にして伝説の魔法少女(自称)のキノにプキンの暗示魔法による一時的な能力値ブーストがかかります

 ↓1コンマ二桁……現在の身体能力にプラスされる
 ↓2コンマ二桁……現在の知力にプラスされる
 ↓3コンマ二桁……現在の精神力にプラスされる


 プキンブースト内容

 身体能力……70+25=95
 知力……36+09=45
 精神力……78+25=00(上限カンスト)


廊下で仲間の回復を待った。遺跡内に残った反プク派……もうペチカ派としておこう

キノ、シャナ、セルティ、ラズリーヌ

4人、ちょうどいいパーティーじゃないか。あのゲームを思い出す


キノ「じゃ、とりあえず装置ぶっ壊そうか」

シャナ「……おう」

キノ「どうしたの?」

シャナ「………………プキンの置き土産がなんでテメェなのかと考えてるところだ」

キノ「プキン将軍は私という最強にして伝説の魔法少女キノに相応しいものを残してくれたよ」


足元に転がるレイピアを拾う


キノ「私はプキン将軍の魔法によって最強にして伝説の魔法少女キノとなった。この剣は私が持っていよう。私が最強にして伝説の魔法少女キノじゃなくなってもよくなったら、私自身の暗示も解きましょうかね」

ラズリーヌ「キノ、なんか変わったっすね」

キノ「私は元からこうだよ?」

セルティ「なんでもいいですよ。助けていただきありがとうございます」

キノ「いえいえ。最強にして伝説の魔法少女キノの仲間は死なせません」

セルティ「(……うぜぇ)」


装置の部屋へと入る。中には作業を終え、おめでとうムードに包まれていた


キノ「(シャドウゲールにプフレ……後は……結構いる。けど、最強にして伝説の魔法少女キノに勝てる魔法少女などいない)」

シャナ「あれが装置ってやつか……卵みてぇだな。Dグレで見たわ」

ラズリーヌ「あの中に皆入るんすか?」

シャナ「ベルにはとりあえず魔王塾を遺跡から退かせるよう頼んどいた。ペチカ様が命じてくれりゃ皆従うだろ」

キノ「ああ。この場に他の魔法少女は必要ない。最強にして伝説の魔法少女キノ1人いれば片付く」

シャナ「(プキン…………強くするのはいいが、この性格なんとかならなかったのかよ……)」


誰かが侵入者に気付いた。キノであることに安堵する者がいる。だがそれ以外の魔法少女はここに来た時仲間ではなかった


 最強にして伝説の魔法少女キノの知力(45)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→仲間だと偽って装置に近付く
 失敗→最強にして伝説の魔法少女キノに小細工など必要ない


 18……成功!

 
 
プフレ「キノか……プク様はどうした?」


キノ「皆を呼びに行ってるよ。私達はとりあえず回復してここで待たせてもらうことにした」

プフレ「……そうか」


プフレは訝しむ顔をしていたが、あの場の誰もがプクを見ている。誰もがプクに魅了されたと思っているだろう


ラズリーヌ「ゲールっちおひさっす!」

シャドウゲール「あ、お久しぶりです」

セルティ「(…………影は…………あそこと、あそこと……)」

キノ「(さて、どうぶっ壊そうかな)」


 >>926
 
 1.キノが弱化を撃ちこんで自ら破壊
 2.キノが弱化を撃ちこんでシャナが破壊
 3.キノが弱化を撃ちこんでラズリーヌが破壊

2


キノ「シャドウゲール、すごいねこれ」

シャドウゲール「あ、触らないように! 触ったら溶けちゃいますよ」

キノ「あぶねっ!」

シャドウゲール「そこの制御盤で操作してるんです。で、あそこのコードやらケーブルやらで」

プフレ「こらこら、あまり専門的な話をしても混乱するだけだろう」

シャドウゲール「あ、すみません……つい嬉しくて」

キノ「へぇ……」チラッ

シャナ「……」コクッ

ラズリーヌ「にしてもでっけーっすね!」

セルティ「この光源が無ければ真っ暗になってしまいますね……」

プフレ「まぁ明かりはあるが……それでも暗くなるな」


キノ「プク様はいつ戻って来るかなぁ」

プフレ「前線の混乱を収束させねばならないから、少しかかるんじゃないかな」

キノ「なるほど、ねぇシャナ」

シャナ「だな、キノ」

プフレ「…………? 随分と仲良くなったな」

キノ「ええ。そりゃ、同じ目的の為の同志だから」

シャナ「ああ。仕方ねぇよなぁ、一緒に同じことするんだから」


なんだ2人は喧嘩する仲だったが仲直りしたのか。やっぱりプク様は最高だな。という空気になる

唯一プフレだけが眉間にしわを寄せていたが、もう遅い


 伝説の魔法少女キノの身体能力(95)ロール……>>↓1コンマ一桁
 シャナの身体能力(95)ロール……>>↓2コンマ一桁
 
 どちらも成功→装置を破壊
 キノだけ成功→装置の弱化
 シャナだけ成功→制御盤の破壊
 どちらも失敗→最強にして伝説(笑)


 訂正 二桁でした
 
 90……成功!
 82……成功!

 
 
キノはおもむろに銃を取り出すと、魔法の弱化(強化版)をとにかく撃ちまくった。装置はプク派がせっせと集めた希少な「魔法の宝石」を動力にして動いている。それだけ起動するために必要なエネルギーを必要とするが、1度動けば半永久的に動き続けるという代物だ


魔法の宝石というなら、魔法が原動力だろう。駄目なら物理的な堅さを弱化だ。仲間の奇行にあっけにとられる魔法少女達を尻目に、バンバン撃ちまくる

シャナが駆けた。制御盤を太刀でぶった斬り制御不能にし、コードやらケーブルやらをバッサバッサ


キノ「あっはっはっはっはっはっは!!!!」

シャナ「わはははははははははは!!!!」


裏切り者だ。誰かがそう叫び臨戦態勢。と同時にラズリーヌが駆け出した

ラズリーヌはその場にいる魔法少女全員にお近づきの印として「こうしなきゃいけないって師匠に言われてるんすよ」と言ってゴムボールを渡していた。1人1人にテレポートし、気絶させまくった

セルティは光源を失いつつある部屋で、影を操り全員の影縫い。補佐だ


シャドウゲール「そんな、なんで!?」

プフレ「やはり、そうか……! プキン!!」

ラズリーヌ「とうっ、とうっ、ほあちゃ!」

セルティ「さー動かないでくださいね。ま、動けないんでしょうけどね」

キノ「いいぞシャナァ! もっとやれぇぇ!!」

シャナ「わっはっははは! 今だけ言うこと聞いてやるよぉ!」


装置が動力を失い、機能を停止する。キノ達が最初に見たのと変わらない、石なのかなんなのか分からない丸い卵になった


シャナ「おっしゃらぁぁぁぁぁぁぁ!!」


太刀が堅さの弱った装置を上から下まで駆け抜ける。シャナは装置を真っ二つにするとふぃーと額を拭った


シャドウゲール「ぁ、そん、な…………装置が…………儀式が……!」

プフレ「貴様……ァ……!!」

キノ「最強にして伝説の魔法少女キノの前に装置は破壊された。さ、プク派の負けだね」

シャナ「人が頑張って作った物を壊すってホンット楽しいなオイ! ペチカ様ばんざーい!!」

ラズリーヌ「とりあえず全員気絶させたっすよー!」

セルティ「では影縫いはお2人だけにしておきましょうか」

キノ「じゃあラズリーヌ、そこの奴ら集めて。最強にして伝説の魔法少女キノが皆を開放してあげよう」


今日はここまで
勝ったなガハハ!


訂正とお知らせ

プキンはオティヌスと出会ったときに「邪魔者を排除したい」という欲求を失っていますが、死ぬ間際にまたかけられたという致命的な能力的矛盾が見つかりました
死ぬ間際オティヌスを見た時にプク様を刺すのをやめたのはオティヌスの魔法を思い出して「プク=邪魔者」と認識してしまったからだと補完してください
シャナの欲求も勿論現在失われています

多分次スレまで伸びると思うので、QUEENSが終わったらそのスレで in dreamlandをやろうと思います
なんぞやと思った方は「まほいく ドラマCD」で検索
登場人物なども安価で決まります
それが終わったら今度こそこのシリーズもぱっぱらぱー


部屋の中の魔法少女の中には、ラズリーヌが気絶させられない魔法少女もいた。テプセケメイもその1人だ。セルティの影縫いで動きを止められたまま、キノによって「かかっている魔法の弱化」を施される

テプセケメイはプキンの死体に擦り寄り、ブツブツとごめんなさいと連呼していた


シャナ「お前のせいじゃねぇよ、メイ」

テプセケメイ「……」フルフル

シャナ「……きったねぇ。もっとマシな死に方なかったのかよ」

キノ「彼女は偉大な魔法少女だ。この最強にして伝説の魔法少女キノを残した。それだけでも魔法の国の歴史の1ページどころか見開きになる」

セルティ「それ、煽ってるんですか?」

プフレ「すまない、助かったよ」

キノ「礼には及ばない。最強にして伝説の魔法少女キノは施す側だからね」

シャドウゲール「あのー……本当に今度こそ頭打ったんですか?」

キノ「さて、皆正気に戻ったところで状況を整理しよう。セルティ」

セルティ「分かりました。まぁ簡単に言うと、装置を破壊したことにより我々は勝利しました。あとはこのことを戦場に伝えるだけです」

プフレ「プク・プックはどう動くかな?」

キノ「諦める他ないだろう。この最強にして伝説の魔法少女キノが敵側にいると知れれば、土下座して謝って来るに違いない」


プフレ「戯言に付き合う暇はない。随分頑張って仕掛けた計画だ。それを台無しにされたと知れれば、私ならこの遺跡もろとも自爆してもいいと思うよ。さて、専門家の意見は?」


プフレが見る先にはうるるとプレミアム幸子もいた。プクは戦闘向きでない側近を置いていったということだろう

側近である彼女達は本心からプクに従っていただろうが、魔法が解けてからこの計画を知り、戦慄していた


うるる「…………これは、遊びだから……」

プフレ「遊び?」

うるる「遊びに来て、皆を救えるなら一石二鳥だねって、プク様は言ってて……」

プフレ「…………ふむ、そういうことか。なら危険は無いかな?」

幸子「……分からない」

キノ「行けばいいさ。どんな行動をとろうとも、この最強にして伝説の魔法少女キノの前で何かできるわけがない」


防衛ラインは混戦の様相を呈していた。突破し何人か中に入った魔法少女もいたが、プク派の撃つ銃は味方を強くし、敵を弱くする。戦力差は絶大だ。ついにはレーテが戦線に立つ必要があった

プク・プックが防衛ラインに出てきたのだ。もう収拾がつかない


レーテ「……ハムエル」

ハムエル「はい」

レーテ「勝てると思うかな?」

ハムエル「いやー無理でしょう」

レーテ「だな。だが時間稼ぎにはなるな」

ハムエル「あー……皆さんに伝えます」


ハムエル『皆さん聞こえますか……プク・プックが前線に……これよりレーテ様が対処にあたりますが期待しないよう。遺跡内部に入った方々は装置の破壊を急いでください』

プフレ「ふむ、どうやらプク・プックが前線に到着したらしい」

キノ「いい舞台だ」

シャナ「だなぁ」

セルティ「あそこはまぁ影も多いですし」


シャドウゲールをはじめとする戦えない魔法少女は部屋に残し、ラズリーヌに任せた。何かあればシャナの持つボールにテレポートしてくるだろう


キノ「シャナ、セルティ。いくらかかっている魔法を弱化しているとはいえ、またプク・プックを見れば魅了されてしまうだろう。露払いだけに専念してほしい」

シャナ「わぁったよ。いざとなったら口噛んで痛くすればちょっとは大丈夫だ」

セルティ「私にはそんなことできませんねぇ。プク・プックを見ないように頑張ります」

プフレ「そういえばファルはまた向こうにいるのか。行ったり来たり忙しいな」

キノ「もうすぐ防衛ラインだ。なるべく殺さないように」


防衛ラインに戻ると、そこはプク派の独壇場だった。ほとんどの者はプクの姿を見て、声を聞いて寝返っている。シャッフリンなど連合軍に残されているのは一握りだろう。その一握りすら戦力差により殲滅されようとしていた

ペチカ派も現在は1歩引いたところにいて、大して戦いらしい戦いはもうしていない

唯一、袋井魔梨華を除いて


レーテ「アメノオハバリ」

魔梨華「なんだよ、やるってか!?」

レーテ「貴様はプク・プックを見てなにもないのか?」

魔梨華「プク様か? ああ、素晴らしいよなぁ! 憧れのあの人と戦えるってんだから、嬉しさもひとしおだよ!」

レーテ「……そうか。ならば勝手にプク・プックに挑むがいい」

魔梨華「ああそうさせてもらう! なぁプク様ァ! 遊ぼうよーーー!!」


魔梨華が楽しそうにプクにじゃれ合いに行き、レーテがそれに追撃をかける。それは勿論お付きの魔法少女達に阻まれた


リップル「袋井魔梨華……プク様になにをする」

魔梨華「あ? 楽しく遊ぶだけだよ……命のやりとりほど楽しい遊びはねぇしな!」

レーテ「……邪魔だな」

ダークキューティー「させん」

レーテ「貴様もか。アメノオハバリでは役不足だな」

セルティ「私がダークキューティーのお相手をしましょう!」フンス

レーテ「……誰かな? ああ、プフレの」

ダークキューティー「お前は私のことが好きなのか?」

セルティ「ええ、大好きですとも! 走って来てよかった!」


シャナ「フィルルゥ、悪いがまたこっちに戻って来てもらうからな」

フィルルゥ「……ペチカ様よりプク様の方がいいです」

シャナ「…………戻る必要無いかもな……死ぬか」ピキピキ

キノ「…………」


キノ含め、残った味方は全員怪我持ちだ。ダメージの弱化に痛みの弱化と筋力の強化を施しているが、時間は限られている。短期決戦だ

最強にして伝説の魔法少女キノは無人の野を行くかのごとく、プフレを伴に歩いていた。見据えるはレーテと相対するプク・プック

プフレが連合軍の本陣に戻るため、目を瞑って車椅子を爆走させる。残ったのは最強にして伝説の魔法少女キノだけだ


キノ「…………」ザッザッ

レーテ「ちっ、避けるか……なら、天羽々斬」

プク「それも宝物庫から持って来たの? 綺麗!」

レーテ「蒼ノ一閃」


レーテはオスク派の所持する古代からの魔法武器を引っ張り出してきていた。それだけもしもの事態があることを想定し、プクとの対決はそれだけのもしもの事態だ

どこからか取り出した美麗な宝剣を振り回し、ドッカンドッカン激しい技を繰り返している。暫定ではあるがオスク派のトップであるレーテの面目躍如とも言えるだろう


キノ「邪魔だなぁ……」

レーテ「? 貴様誰かな?」

プク「あ、キノ! レーテってすっごく綺麗でかっこいいんだよ!」

キノ「そうか。じゃ」バァン


 最強にして伝説の魔法少女キノの身体能力(95-20=75)ロール……>>直下コンマ二桁
 (三賢人プクの身のこなしは素早い)

 成功→プクに魔法の弱化を1発撃ち込む
 失敗→プクに避けられる
 


 07……クリティカル!

 
 
プクは避けられなかった。仲間だと思っていたキノに魔法の弱化(強化版)を撃ち込まれ、一瞬だけあっけにとられる


瞬時に敵と分かったのだろう。プクは軽い身のこなしで追撃から逃れようとするが……


キノ「遅い」


2発目の魔法の弱化(強化版)が当たった。3発目に筋力の弱化が当たる

プクの動きが鈍くなる。レーテの繰り出す宝剣の衝撃波がプクを襲い、プクは転がった


プク「うっ、キノ……」

キノ「悪いが無力化させてもらおうかな。私の伝説にあなたは必要ない」

レーテ「味方か……」


 キノは……>>977
 
 1.レーテもついでに無力化
 2.プクに事実を突きつける


キノ「あなたも邪魔」バァン

レーテ「っ……!?」ドサッ

キノ「この戦いに勝利してしまったことが分かれば、あなたはすぐさま殲滅の命令を下すだろう。声を出せなくしようか」


レーテに撃ち込むのは魔法と筋力と喉の弱化。生命維持に支障のないくらいに弱化してやる。たった今プクを無力化した味方に攻撃されるとは思わなかったのだろう。すべて避けられない

プクの魔法が弱化されたことにより、戦場は混乱の一途だ。何故自分が戦っているのか、何故寝返って仲間を傷付けているのか……そして、何故仲間を殺してしまったのか。どこからか悲鳴が上がっている


プク「どうして……なの……? 皆、お友達じゃ……」

キノ「もうお友達じゃない。そしてプク・プック、あなたはもう1人ぼっちだ」


リップル「…………私は……?」

魔梨華「オラァ!」

シャナ「おっと、そこまでだ敬虔なペチカ様信者よ」

魔梨華「あ? なんだよ」

シャナ「コイツをペチカ様のところへ持ってけ。飯の刑だ」ポイッ

フィルルゥ「きゅぅ……」

魔梨華「…………チッ、勝負はとっとくぞ! 忍者!」

リップル「………………私は、プク・プックに……っ、キノ!」ダッ

シャナ「はぁ……ったく、人気だねぇ」


ダークキューティー「…………」

セルティ「はぁっ、はぁっ……」

ダークキューティー「弱い。そんなことでは悪役にはなれん」

セルティ「くっ……」

ダークキューティー「…………ひとまず預けよう。やることはまだある」

セルティ「えっ?」

ダークキューティー「プク・プックの魔法が解けた」

セルティ「ということは、あの人が上手くやったんですね」

セルティ「(うざいけど役に立つじゃん)」


ペチカ「シャナ……大丈夫かな」

ベル「彼女は大丈夫だよ。強いんだから」


ペチカ派が休む軽トラに1人の魔法少女がやって来る。敵かと思ったが、攻撃の意思は無いらしい

その魔法少女はスノーホワイトの介抱をするペチカとベルのいる荷台に飛び込んで来た


ベル「うわああぁぁぁぁ!!? だ、誰!?」

アリス「スノーホワイト…………」

ペチカ「お知り合い?」

ベル「知らないよ!」

アリス「…………あの、私は――」


キノ「装置は破壊した。あなたの儀式はもう行われない」

プク「…………何をしたか、分かってるんだよね?」

キノ「ええ。溶けたいのなら自分1人で海に身を投げるといい。自然に溶けることができますよ」

プク「…………」

キノ「魔法少女は傲慢だ。特に三賢人ともなると、それは加速する。お友達はあなたのペットか人形ですか?」

プク「そっか……駄目だったかぁ。仕方ないね」


 プクは……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→大人しくした
 偶数→キノに魔法をかけた


プク「また違う方法で何かすることにするよ!」

キノ「できるんですか? これだけのことをしたんだ。あなたはただではすまないだろう」

プク「キノの魔法、8分経てば無くなるんでしょ?」

キノ「ええ。困ったことに」

プク「誰かに捕まってもそこにいる人とお友達になれば、また色々できるし、まだ遊び足りないよ!」

キノ「…………」

シャナ「キノ、コイツは殺すしかないぞ」

キノ「駄目だ。殺すな」

シャナ「へっ、やだね」

キノ「シャナ!」


 キノの数値……>>↓1コンマ二桁
 シャナの数値……>>↓2コンマ二桁
 
 キノの数値が勝っていた場合……シャナを止める
 シャナの数値が勝っていた場合……プクを殺す


シャナに筋力の弱化を撃つも、当たらない。まさか、最強にして伝説の魔法少女キノと同等の身体能力を持つというのか


プク「ぁ……」

シャナ「悪いが、お前はペチカ様の礎だ」


 シャナは……>>994
 
 1.心臓を貫いた
 2.グリムハートした


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【まほいく安価】吉岡「これはひどい」【魔法少女育成計画QUEENS】
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>>1000でキノがペチカ派に入るかどうか

1.入る
2.入らない

2

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