西片「からかい上手のタカギさんたち?」 (68)


たぶん高木さん

西片が自分のこと好きなの知ってたとしても、知らんぷりしてる系

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土曜日、本屋さんにて


西片くん(ふふふ、この日を待ちわびたよ)



西片(なんと今日は、コミガイル新刊の発売日!)

西片(月刊誌の単行本は、次が出るまで長いのがつらい)


西片(しかしどんな話になるだろう。原作から言えば新章の部分だけど)

西片(どんな感じで漫画化されてるか、毎回楽しみだ!)


高木さん「あ!」

西片「わ」


高木「あー、西片じゃん」

西片「やあ高木さん、奇遇だね」

高木「今日はどしたの?」

西片「や、追っかけてる漫画を買いに」

高木「へー、奇遇だね。私もだよ」

西片「そ、そうなんだ」


西片「……」

西片(お、落ち着けオレ。別にこの状況でからかわれることは無いはずだ)


西片(でも本能が告げている。この場は早く立ち去れと!)


西片「それじゃ、オレ。とっとと買いたい漫画買うから」

高木「ふーん、いつもみたいに喋らないんだ」

西片「い、いつもって、言われても……」


西片「と、とにかく半年ぶりの新刊発売で、早く帰って読みたいんだよ」

高木「へー、そうなんだ。わかるわかる!」

西片「でしょ、だから今日はこれで、バイバイ!」

高木「うん、ばいばーい」


西片「……」テクテクテク

高木「……」テクテクテク


西片「な、何で追いてくるの!?」

高木「だって、私が買いたい漫画もこっちだもん!」

西片「そ、そうなんだ」

高木「奇遇だね~」



高木「ねぇ西片」

西片「な、なに!?」

高木「この後、どんな漫画買ったか見せ合いっこしようよ」

西片「えっ、あっ、ハイ」


【公園のベンチ】


高木「あー、この話か~。アニメでも見たけどいいよね~」

西片「……」

高木「へー、妄言録だとああなのに、こっちはこういう風になってるんだ」


西片(くそぅ、オレのお小遣いで買ったのに、速攻で取り上げられてしまった)

西片(どうしてこうも、ジャンケン弱いんだろう。高木さん相手はいっつも負けてる)


高木「あれ、私が買った方の漫画、交換したのに読んでないの?」

西片「……うん、まぁ」

高木「ふーん」

西片「……そもそもこれ、どういう漫画?」

高木「うん、バンドと青春とラブコメな漫画」


西片「バンド……」


高木「電子図書で3巻分まで買ってたんだけど、紙の本とコマ割りとか違ったり」

高木「カバー下とかおまけ漫画がないらしいから、お年玉使って買い直そうって」

西片「そ、そこまで思い入れが」


高木「……雲行きが怪しいねぇ」

西片「えっ、そう」

高木「うん。朝の天気予報じゃ、今ぐらいから小雨が降るって」

西片「ふーん、そうなんだ」


高木「じゃぁ西片、これ借りるから!連休明けに返すね」


西片「えっ、オレまだその新刊読んでないんだけど!?」


高木「西片は私が買った分、1~3巻まで交換して持ってるから、そっちの方がお得でしょ」

西片「い、いやいやいや。オレはこっちの漫画には全然興味ないし」


高木「わ、雨降ってきちゃったよ」

西片「あ、ほんとだ」


高木「じゃぁ急いで帰ろうか。感想聞かせてよね~。バイバーイ」


西片「えっ、あっ、ええええ!?」


西片「待ってくれー!!!!」


【西片くんの家】


西片「……せっかくの楽しみを、高木さんに強奪されたorz」

西片「……しかもよく知らない漫画を、押し付けられた」



西片「……どうすりゃいいんだ」


西片「高木さんはコレ、バンドと青春とラブコメな漫画って言ってたけど」


西片「オレはどれも全然、身近じゃないんだよなぁ」


西片「う~む」



西片「あっ、でも高木さんは気に入ってたらしいから」


西片「コレを読むことで、何か高木さんをからかうヒントが得られるかも」



西片「……ふふふ、うかつだったね、高木さん!」


西片「よし、そうと決まれば早速読んでみよう」





西片「ふむふむ」ペラッ


西片「……」ペラッ




西片「!」




西片「……」ペラペラッ


西片「……」ペラッ




西片「なるほど」




西片「……」ペラペラッ


西片「……」ペラッ




西片「~♪」




西片「……」ペラペラッ


西片「……」ペラッ









西片「……」ペラッ


西片「……」ペラッ









西片「……」


西片「……」ツー









西片「……やばい、名作だ(泣)」グスッ


【連休明けの教室】


高木「おはよー」

西片「おはよう!高木さん」




西片「高木さん! 先日はあの漫画貸してくれてありがとう!」

高木「うん。西片のも貸してくれてありがとね―」


高木「でさー。どうだったアレ?」

西片「感動したよ! あんな漫画が知られてないのは、社会のそんしつだね」ウンウン

高木「あはは」


西片「読むうちに、楽器やバンドがしたくなってきたよ!」フンスッ♪

高木「うんうん!」


高木「やっぱり、西片は影響されやすいね~」


高木「ちなみに1~3巻まで貸したけど、どの巻が好きだった?」


西片「とりあえず今のところ、3巻かなぁ」

高木「あーやっぱり! 西片はそう言うと思った」

西片「わかる!?」




高木「だって温泉回があるじゃん!」

西片「えっ」


高木「……西片って、やっぱりエッチだねー」

西片「違う違う違う! そうじゃ、そうじゃない!」

高木「じゃー、3巻のどこが好きだったの?」


西片「それはエーと、ナンっていうか……///」

高木「やっぱり、温泉回のおっぱいとか、おしりとか、楽器?」

西片「ち、ちがうって!」


西片「うぅぅ///」


西片「しゅ、主人公の歌声が、ヒロインへの恋心で……///」

高木「んー……」

西片「か、覚醒するシーンがあって、そこがいいと思ったから///」

高木「あー」


西片(うぅぅ/// 歌声が恋心で覚醒とか、チョット恥ずかしいセリフだ///)

高木「ねぇ、西片!」

西片「えっ?」



高木「大好きだよ!」

西片「ええっ!!?」ドキーン///


高木「私もあの、歌声が恋心で覚醒するシーン大好きなんだ!」

西片「あ、あぁ。シーンの方ね」

西片(び、びっくりしたー)


西片(それにしても、ちょっと恥ずかしいセリフなのに平然と言う高木さんは、つよい!)


高木「あーゆー、ヒロインへの想いで覚醒する男の子ってカッコイイよねー」

西片「うんうん。わかるわかる。カッコイイ!」


高木「へー。西片もそうなんだ……」


高木「ねぇ西片?」

西片「はい?」


高木「西片はさ、いつか覚醒する?」

西片「か、覚醒……!?」

高木「そう。西片がカッコよくなると、どうなるか興味あるからさ」

西片「あっ、はい」

高木「そのうち、カッコよく覚醒した西片を、見せてよね」

西片「えーと、その?」


西片「よくわかんないけど、善処します」


高木「あー、そうそう」


高木「実はさ、残りの4巻から最終巻までもう買っちゃったんだ」

西片「えっ、そうなの」

高木「うん。それで一気に読んじゃった。西片も見たい?」

西片「うん。見たい見たい!」

高木「うわー、見たい見たいの言い方エッチすぎー」

西片「そ、そんなこと無いったら!」


高木「まーとにかく、西片の持ってるコミガイルと、交換でどうかな?」

西片「うん、いいよ!」

高木「じゃぁ放課後、公園にお互いの漫画を手下げ袋に入れてきて、貸しあいっこしようよ」

西片「オッケーさ、高木さん」


西片(いやー、残りの展開を一気に読めるとか、しあわせ!)


<放課後の公園>


西片「あっ、高木さん」

高木「ごめんね。待った?」

西片「まぁ10分くらい」

高木「そっか、ちょっと迷っちゃてさー」

西片「えぇ、道に?! いつもの町内なのに???」


高木「ううん。やっぱり西片に漫画貸すのを」

西片「ええええ!? 貸してくれないの?」


高木「漫画そのものは、手下げに詰めて持ってきたけど」


高木「だってホラ、西片ってエッチだし」

西片「だからエッチじゃないって!」

高木「どういう風に読むのか、しんぱいなんだ」

西片「なにもやましい事はしないって」

高木「えー」

西片「本当だって、信じてよ!」


高木「じゃーこうしよ。クイズ!」

西片「クイズ?」

高木「クイズに正解したら、貸してあげる!」

西片「クイズかー」


西片「いいよ、やったろうジャン!」

西片(ふっ、ばっちり正解させて、高木さんを悔しがらせてやる!)


高木「じゃーねー」

高木「3巻までに出てくるメインキャラのうち、私はみんな好きだけど、特に一番好きなキャラは誰でしょう!?」

西片「高木さんが、一番好きなキャラか……」

西片(困ったな、予想がつかない)


高木「ヒントはねー。私によく似てるキャラかなー」

西片「むぅ……」


高木「あとそれと、1話から出てるキャラだねー」

西片「むむぅ……」


そしてその一話はこちらから読めます(ステマ)
http://gekkansunday.net/series/hallelujah

ちなみに高木さんのもどうぞ!(布教!)
http://gekkansunday.net/series/karakai


更ににコミガイルと妄言録も!!(ごり押し!!)
http://sundaygx.com/sakuhin/sakkaInfo/io_oregairu.html

http://www.jp.square-enix.com/magazine/biggangan/introduction/oregairu/


西片「一話から出てる、高木さんに似てるキャラ……?」

西片「…………」

西片(いや、いなくない?)


西片(えー、ぜんぜん分かんないよ)


西片(あえて言うならタンポポさん? ちょっと生意気っぽいとことか……?)


高木「さらに追加ヒント。タンポポさんではありません」

西片(……違うのか)


高木「タンポポさんに似てるのは、西片の方だから」


西片「オレ、似てるかなぁ?」

高木「うん。似てるよ!」


高木「それにホラ、西片もベースが似合いそうだし」

西片「そ、そう?」


高木「うん。地味だけどパフォーマンスで、ライブ会場を盛り上げそう」

西片「……ちなみに、どんな?」


高木「うーん、演奏中に『巨乳大好き、女子高生サイコー』とか『時は戦国!』とか」

高木「前触れもなく、意味ありげなセリフを、ひたすらに叫び続けそう」


西片「言わない言わない、言わないよ!」


西片「って言うか何の話だっけ?」


高木「私に似てる、私の好きなキャラは誰でしょう」

西片「あぁ、そうだった」



西片「高木さんに似てるキャラ、高木さんに似てるキャラ……」

西片「……かぎ、たかぎ」

高木「……」



西片「……鷹木部長?」

高木「おっ、せいかーい!」


西片「やった、当たった!」

西片(はんぶん、無意識に呟いただけだけど)


西片「……えぇ、でも似てるぅ?」


高木「……じゃぁ第2問。私と部長はドコが似てるでしょう」

西片「第2問? 聞いてないよ!」

高木「そりゃ言ってないもん」


高木「まぁコレ当てたら貸してあげるから」

西片「むむむ」


高木「ちなみに名前とかじゃありません!」

西片「高木と鷹木は、確かに似てるけど……」


西片(えぇ、むしろ名前以外に高木さんと鷹木部長の似てるとこある?)


西片(体型も、眼鏡の有無も、性別も性格も違うのに!?)

西片(たぶん生まれとか血液型でもないだろう)

西片(髪の毛や瞳の色、イメージカラーも違うし……)


西片(いや、待てよ?)


西片「……」

高木「どう、降参?」


西片「いや、分かったよ高木さん!」

高木「!」

西片「高木さんと鷹木部長の、共通点!」

高木「……///」カァァァ

西片(えっ、何でそんな照れてんの?)


西片「それはズバリ、」

高木「……」

西片「髪型だね!」

高木「…………!」



西片「ほら、高木さんも部長も真ん中分けでしょ!」

高木「…………そうだね」

西片「ふっふふ。じゃぁ正解ということで!」

高木「うん。正解ってことでいいよ。…………まぁそっちでも」


西片(そっちでも?)


高木「じゃぁ私は帰るから」

西片「えっ、もう」


高木「西片の漫画も手下げ袋に入ってるの?」

西片「う、うん」

高木「私のはここに置いてくから、勝手に借りて。じゃぁね」プイッ

西片「えっ、あぁ。うん」


西片「あれ、なんか凄く怒ってる?」

西片「オレが正解したからって訳じゃない、よな?」

西片「……」


西片「真ん中分け、そっちでも正解って言ったけど」

西片「本来は、どんな正解だったんだろう?」


西片「…………」

西片「わかんない。帰って漫画読も」


<西片くんの部屋>


西片「……いやー、イイ感じだなぁ」

西片「青春なラブコメ要素がガッチリ詰まってて」


西片「1巻から読み直して、とうとう最終巻を残すのみ」

西片「終わっちゃうのが寂しいけれど、読んでいこう」



西片「……終わったかー」



西片「ラストが良かったなー。大人になったみんなが、元気に大人に生きててて!」

西片「……オレも大人になったら、どんな大人になるかなぁ」


西片「職業とかは分からないけど、何と言うかこう」

西片「カワイイ奥さんと結婚してて、子供と一緒の、暖かい家庭を築いていきたいなぁ///」


< 妄想中 >


オレ「ただいまー。やー、今日も仕事がキツかった」

ムスメ(高木さんとの)「パパ、おかえり~」

オレ「あぁ、良いコにしてたか?」

ムスメ(高木さんとの)「うん!」


ツマ(高木さん)「いつもご苦労様。ごはんにする? お風呂にする?」




西片「みたいなー///」

西片「……」

西片「ってうわぁぁぁぁぁ?!!」


西片「な、何だよツマ(高木さん)って」

西片「ムスメ(高木さんとの)って、どういうことだ!」


西片「べ、別にオレと高木さんは、単にからかい勝負をしてるだけの、変哲ない関係で」

西片「結婚するとか、子供作るとか、そんなもんあり得ない話だし」

西片「うん、もしあり得たら、もう一生スパゲッティーはクチから食べるよ、もう一生!」


西片「あー、それにしても名作だったなー」


西片「表紙カラーとか、色使いもキレイで……ってアレ?」

西片「あ、カバー下にオマケあるんだ。見逃すとこだった」


西片「キャラの設定とか、オマケ漫画かー」

西片「……」ペラッ

西片「ふふふ」


西片「ふーん。やっぱり鷹木部長は、タンポポさんが部長を好きって知ってて、知らないフリをしてたのか?!」

西片「オマケ漫画だから、本編とも一致してるかハッキリしないけど……」


西片「……鷹木部長とタンポポさんの関係、いいなぁ」

西片「……」

西片「はっ!?」


西片「そういえば公園で、高木さんは言っていた」


高木さん『私は鷹木部長に似てて、西片はタンポポさん』


西片「って」

西片「そして髪型以外にも似てる部分があるらしいけど、ひょっとして……」


西片「鷹木部長は、タンポポさんが自分を好きって知ってて、知らないフリしてからかってるけど」

西片「高木さんも、オレが高木さんを好きって知ってて、知らないフリしてからかってるっていう……」


西片「そういうところが似てるのが、あのクイズ本来の正解なのか!?」



西片「ということは……」



西片「オレは高木さん好きを高木さん本人に知られてて、それを前提にからかわれてる!?」


西片「…………」


西片「うわぁぁぁぁぁ」



西片「うそだぁ、そんなの恥ずかしすぎるぅぅぅ!」


西片「……」




西片「いやいや、まてまて!」


西片「別にオレは、高木さん好きとかないし!」

西片「これっっっっぽっちも、好きじゃないしっ!!」


西片「……」


西片「そうそう、むしろオレが好きだと知ってたら、全力で拒否するのが高木さんだよ!!!」

西片「……」

西片「あっ、だからオレ、からかわれてるのか?」

西片「」


西片「うわぁぁぁぁぁ!」


西片「いやいやいやいや、ないないないない!」

西片「……どの道ありえないよ、そんなの///」


西片「オレは高木さん好きじゃないし!」

西片「高木さんもオレを、好きじゃない!」


西片「でももし好きだったら……」


西片「」



西片「いやいやいやいや!!!!」





そうして、その夜は更けていきましたとさ

【END】


おまけ


< 一方その頃、高木さんのお部屋 >



高木「私たち、もうちょっと大人になったら、」


高木「西片もちゃんとした」




高木「……彼氏? になるといいかな」

【FIN】



ゲッサンもGXもビッグガンガンも、もっと流行れ!!!!!

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年02月05日 (日) 20:38:50   ID: 8jJGWPAb

カテゴリー間違ってるね。
からかい上手の高木さん だのに

2 :  SS好きの774さん   2018年04月07日 (土) 17:03:23   ID: mFI9zvZO

西片がこの想いに気づくのは高校生になってからかな

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