【トネガワSS】会長「ぽっぴんジャンプってなんじゃ・・・?」利根川「え?」 (15)

会長「のう利根川・・・・・ぽっぴんジャンプってなんじゃ・・・?」利根川「え?」

利根川(なんだ・・・Poppin Jumpとは・・・・・・)

利根川(Poppinといえば・・・ガラス製のビロードのことをいうが・・・それがジャンプとはどういう意味なんだ・・・??)

利根川「申し訳ございません・・・存じません・・・・・・」

会長「ふむ・・・そうか・・・お前もわからんか・・・・・・」


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会長「なら・・・保登心愛・香風智乃・天々座理世・宇治松千夜・桐間紗路の中ではどれが一番好きなんじゃ・・・??」

利根川「????」

利根川(ホットココア・カプチーノ?・・・テデザリゼ・宇治抹茶・・・・・・!!)

利根川(最後が「きりましゃろ」と聞こえたが単語の語順を考えるとおそらく飲料の種類・・・・・・つまりキリマンジャロのことか・・・!!)

利根川(これはどう答えればよいのだ・・・ワシが好きなのはキリマンジャロだが・・・会長の意に沿わない可能性もある・・・・・・)

利根川(だが・・・いつもワインをドバドバ愛飲している会長のことを考えると・・・・・好きな飲み物がこの選択肢にない可能性も否定できない・・・・・・!!)

利根川(ここは単純にワシの好きな飲み物を・・・!!)

利根川「キリマンジャロを愛飲しています・・・」

会長「あぁっ!?」

利根川(しまった・・・会長の機嫌を損ねてしまったか・・・!!)

利根川(ならば・・・次点の・・・!!)

利根川「キリマンジャロも好きですが、一番好きなのはカプチーノです・・・」

会長「・・・・・・」

会長「利根川・・・お前・・・・・・さては「にわか」かっ??」

利根川「っ!!」

会長「お前みたいな奴が「ツイッター」やら「フェイスブック」やらで「ああ^~心がぴょんぴょんするんじゃあ^~」とか「チノちゃあああああああん」とか訳のわからん感想を垂れ流しておるのか??」

利根川「なんですかそれは・・・??滅相もございません・・・!!」

ゴホン

利根川「会長・・・失礼ですが・・・先ほどから何の話をされているのでしょうか・・・??」

会長「お前・・・まさかワシの質問を知らんで答えてたのか・・・・・・まぁよい・・・」

会長「『ご注文はうさぎですか?』というアニメを知らないのか・・・??」

利根川「っ!?・・・いえ・・・存じません・・・・・・」

会長「カカカッ・・・お前も年よな利根川・・・ワシみたいにいろいろなカルチャーに精通していないとたちまち世間のムーブメントに乗り遅れてしまうぞ・・・・・・」

利根川「はぁ・・・それでその『ご注文はうさぎですか』とはどのようなアニメなのでしょうか?」

会長「ふむ・・・木組みの家と石畳の街に引っ越してきた女子校生の保登心愛・・・通称ココアちゃんが、立ち寄った喫茶店・・・通称ラビットハウスで香風智乃・・・チノちゃんと出会って、ラビットハウスをお手伝いすることになる・・・という日常ほんわか作品じゃ・・・」

利根川「ココアちゃん・・・ほんわか・・・!?」

会長「元々は漫画に掲載されていたようじゃが・・・最近アニメが制作されてテレビで放送していたようじゃ・・・」

会長「これがさっき届いたブルーレディスクだ・・・」

利根川「こ・・・これはっ・・・!?」

利根川が目にしたもの・・・それはこの世で最も会長と縁のない代物・・・『ご注文はうさぎですか?』・・・ブルーレイ第一巻・・・・・・!!

キラキラした派手なデザイン・・・写実性とは遠く離れた頭身やパーツによって構成された3人の女の子と謎の生物・・・・・・特に一番正面に描かれた少女は、悪魔的な会長とは全く対照的で純粋無垢な雰囲気を醸し出す美少女・・・

利根川は、未だかつて無い混乱をきたしていた・・・

利根川(これはもしや・・・巷に言う「萌え」というやつか!?)

「萌え」・・・アニメや漫画に登場するキャラクターに対して感情の高ぶりを形容する言葉だが・・・会長にはただただ不釣合い・・・・・・匕首に鍔とはこのことを言うのか・・・・・・

利根川(そもそも、なんだこの芸術性の欠片のない醜いデザインは・・・キラキラしすぎて目が痛くなってくる・・・会長はどうしてこのような醜悪で下劣そうなアニメにハマったのだ・・・??)

利根川(だが・・・ここでこのアニメを否定すると会長のお怒りを買うことになるは火を見るより明らか・・・穏便に済まさねば・・・・・・)

利根川「はぁ・・・おおよその概要は把握しましたが、なぜ会長がこのようなアニメに関心をお持ちになられたのでしょうか・・・??」

会長「カカカッ・・・利根川よ・・・ワシのような古今東西の芸術を嗜む知的な老人が・・・内気でオドオドするような容姿の醜い男共が観るようなアニメを好きになるのがそんなに意外か・・・??」

利根川「いえ滅相も・・・!!」

会長「よいよい・・・・・帝愛の債務者から借金の差し押さえとしてオーディオ機器を収得したのじゃが、その中に「ごちうさ」が録画されておってな・・・愚民どもがどのような映像芸術を鑑賞するのか気になって暇つぶしに鑑賞していたのじゃ・・・・・・」

利根川「「ごちうさ」・・・??」

会長「「ごちうさ」じゃ「ごちうさ」・・・『ご注文はうさぎですか』を省略して「ごちうさ」というのじゃ・・・」

利根川「ああ・・・なるほど・・・」

会長「それで・・・ひとまず録画履歴の一番上にあったこの「ごちうさ」を観ることにしたのじゃ・・・」

会長「まぁー話の展開は遅いわ、下着姿の女を平然と描くわ・・・性格付けに難が感じられるわ・・・チノちゃんの父親の声がダンディーだわと、だんだん観ていて気分が悪くなってきたのじゃが・・・・・・」

利根川(最後の父親のくだりは、どう気に障ったのだ・・・?)

会長「じゃが・・・グフフ・・・このココアちゃんの声をやっている桜紅音という声優?の声がのう・・・キンキン耳障りな声なんじゃが・・・愛嬌があってな・・・だんだんと心地よく聴こえてきてのう・・・・・・」

会長「クククッ・・・段々ココアちゃんがどんどん可愛く見てきてのう・・・あっという間に全12羽鑑賞してしまったのじゃ・・・最後の、チノちゃんに「お姉ちゃん」と言われたココアちゃんの反応は、さすがのワシも心動かされたぞ・・・・・・」

利根川「・・・・・・・・・・・・」

利根川・・・絶句・・・圧倒的絶句・・・・・!?

悪の権化・・・独裁者・・・悪魔・・・帝王・・・そんな会長が、萌えアニメに嵌る・・・嵌りこむ・・・・・・そして珍しいほどのご満悦・・・!?

正直・・・こんな会長見たくなかった・・・・・・そんな思いに駆られる利根川に構わず、どんどん「ごちうさ」の良さを語っていく会長・・・・・・

桜紅音の演技・・・4羽の作画・・・6羽最後のココアとティッピーとの哀愁漂う会話劇・・・さらっと登場したココアの姉とお爺ちゃんとの姿・・・エトセトラ・・・エトセトラ・・・

その姿はもはや・・・まごうごとなきアニメオタクのおじいちゃん・・・歳を重ねた老人の哀れな姿・・・・・しかし利根川・・・会長の卑しくも「ごちうさ」を語るその熱意に・・・プレッシャー・・・ただただ圧倒される・・・!!

会長「ということで利根川・・・はやく続きが見たいから○文社とか白狐とか買収してこい・・・・・・なんなら製作委員会に参加したと思われる博○堂も買収してきても良いぞ・・・・・・」

利根川「無茶です会長・・・帝愛の資金を持ってすれば簡単でしょうが、博○堂を買収するとなると日本経済やメディア産業に大混乱をきたすおそれが・・・・・・」

会長「そうか・・・なら買収はしなくてよいからとにかく二期を作るよう働きかけろ・・・・・・」

利根川「・・・承知しました・・・」

利根川(また会長の訳がわからん命令を受けてしまった・・・・・・アニメのことなんて全くわからんのに・・・・・・・・)

こうして、利根川チームによる「ごちうさ二期推進プロジェクト」がスタートすることとなる

ひとまず、貯め置きのAパートは終了です


Bパートは近日中に投稿したいと思います。

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