マシュ「レイシフトしたら先輩が真っ二つになりました」 ぐだ子「ひっ」 (89)

シュゥゥゥゥゥゥ

マシュ「……レイシフト、無事完了です」

マシュ「周辺索敵……異常なし」

マショ「先輩、ここは安全なようですね」

ぐだ子「うん、そうだね、ところでマシュ」

マシュ「はい?」

ぐだ子「背、伸びた?」

マシュ「いえ、別にそんなことはないか……と……」

ぐだ子「そうかなあ……何か見上げるくらいに大きく感じるんだけど」

マシュ「……先輩?」

ぐだ子「ん?」

マシュ「……あの、下半身は?」

ぐだ子「え?」

マシュ「下半身は……どちらに?」

ぐだ子「は?」


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ぐだ子「あははは、変なことを言うなあ、マシュは」

ぐだ子「下半身ならちゃんとここ……に……」ペタペタ

ぐだ子「……」ペタペタ

マシュ「……」

ぐだ子「……あ、あれ、お腹から下に、何故か地面が」

マシュ「せ、先輩……」

ぐだ子「……」

マシュ「……」

ぐだ子「う、うわああああ!私、下半身どこかに落としちゃった!?」

マシュ「た、大変です!一大事です!ダヴィンチちゃん応答を!」

「はいはい、皆の可愛いダヴィンチちゃんだよ」

「こちらでも状況は把握してる」

「というか、リアルタイムでぐだ子ちゃんが見えてる」



マシュ「ど、どういう事ですか」

ぐだ子「あ、あははは、下半身が、下半身が……」ブツブツ

マシュ「このままでは先輩が、先輩のメンタルが!」



「ちょっと待っててね……ほい」



ぐだ子「あっ……」

マシュ「せ、先輩?」

ぐだ子「……お尻がくすぐったい」

マシュ「え?」

「つまりね、ぐだ子ちゃんの下半身はこちらに取り残されてるんだよ」

「今の様子を見ると……感覚はちゃんと伝達されてるようだね」

「出血も見当たらない、痛みもないんだろう?」


マシュ「ど、どうですか、先輩、痛いですか?」

ぐだ子「う、うん、痛くはない……それに、何とか動けもするみたい」ズルズル

マシュ「先輩、その移動方法だと断面が汚れます……

マシュ「しかし、なぜこんなことに……」

マシュ「ここは一度、カルデアに戻って先輩の身体を元に戻す方法を探したほうが」


「いや、原因が判らない状態でカルデアに戻すのは危険だろう」

「下手すると、ぐだ子ちゃんの上半身がまた真っ二つになってしまう可能性もあるし」


ぐだ子「ひっ」

マシュ「た、確かに……そうなると、今度も無事で済むか判りませんよね」


「原因の方はカルデアで調査を進めるよ」

「だから、それが済むまで君達はそちらの特異点の調査を進めておいてくれるかな」


マシュ「ど、どうしましょう、マスター」

ぐだ子「……うん、今の状況だとそれしか方法はないかな」

ぐだ子「ショックではあったけど、何とか動けるし、令呪も異常はない」

ぐだ子「だから、私たちは私たちにできることをやろう」

マシュ「はい!流石は先輩です!」

~カルデア~


ダヴィンチ「よし、では調査を始めようか」

ダヴィンチ「レイシフトの手順に問題があったのかもしれないから、その辺を徹底的に……」

ダヴィンチ「……」

ダヴィンチ「……」

ダヴィンチ「……あれ、今そこにあったぐだ子ちゃんの下半身は?」

ダヴィンチ「何故かなくなっているぞ」

~特異点側~

ぐだ子「マシュー、流石にこの状態で移動するのは時間かかりすぎるから、抱っこして~」ブンブン

マシュ「は、はい、お任せください、マシュ・キリエライト、マスターの身体を抱っこします」


ギュッ


ぐだ子「ふー、やっぱりこれくらいの高さじゃないと落ち着かないねえ」

マシュ「……」

ぐだ子「マシュ?どうかした?あ、もしかして重い?」

マシュ「い、いえ、そういうわけではありませんが……」

マシュ(こんなに密着することはそうそうありませんでしたので、何だか少し緊張します)

マシュ「で、では進みましょう、あちらに砦のようなものが見えるのでそちらに向かいますか」

ぐだ子「おー!進め!マシュ号!」

マシュ「ふふふ、こんな状況でも明るく振舞えるなんて、先輩は凄いです」

ぐだ子「いやあ、それしか取り柄……が……」

マシュ「先輩?」

ぐだ子「ひゃっ///」ビクッ

マシュ「え、せ、先輩?」

ぐだ子「///」プルプル

マシュ「ど、どうしたんですか先輩!?」

ぐだ子「い、いや、なんでも///」プルプル

マシュ「し、しかし様子が明らかに」

ぐだ子「だ、大丈夫だから///」

マシュ「先輩……」

マシュ(やはり、気丈にふるまってはいるものの、不安なのですね……)

マシュ(私が守ってあげないと!)

ぐだ子(だ、誰かが私のお尻を撫でまわしてる気がするなんて、恥ずかしくて言えないよ///)

ぐだ子(た、多分これはダヴィンチちゃんが調査の為に撫でまわしてるんだと思う)

ぐだ子(きっと、きっとそうだよ、そ、そうだ、ちょっと聞いて見よう)

ぐだ子「……ダヴィンチちゃん、調査の進展はどうかな?」


「う、うん、ちょっと待っててくれるかい、今探してるから、おかしいな見つからない」


ぐだ子(やっぱり、原因を探して頑張ってくれてるんだ)

ぐだ子(私も少しくらいの事は辛抱しないと!)


サワサワサワ


ぐだ子「くっ///」プルプル

~カルデア~


ダヴィンチ「参った、困った、見当たらないぞ、ぐだ子ちゃんの下半身」

ダヴィンチ「ひょっとして誰かが持って行ったのか」

ダヴィンチ「だとしたら探しに行かないとまずい……」

ダヴィンチ「けど、私はここで原因調査をしないといけないし……むむむ……」

ダヴィンチ「……仕方ない、助っ人を呼ぶか」

ピーピーピー


エレナ「緊急連絡?何の騒ぎかしら」


「突然すまないね、今暇かい?」


エレナ「暇ではないわね、魔道書読んでいたから」

エレナ「けれど、話を聞く余裕くらいはあるわよ?」

エレナ「貴方のような優秀な魔術師が連絡してきたのですもの、魔道の話かしら?」


「いや、少し探し物をしてもらいたくてね」


エンレ「真理の探究ね?それなら私も手を貸すわ」


「助かるよ、実はぐだ子ちゃんの下半身が行方不明なんだ」


エレナ「……それは、えっと、何というか、深遠な問題ね」

エレナ「少しだけ待ってくれるかしら」

エレナ・ブラヴァツキーは独自の魔術形態を確立した魔術師である。

彼女は高次の存在「マハトマ」と通信を行う事で未知の叡智を受け取る事が出来るのだ。



エレナ「ねえ、マハトマ、ぐだ子ちゃんの下半身が行方不明らしいんだけど」

エレナ「これって彼女の精神……所謂、貞操観念に問題があるって意味かしら」

マトハマ「彼女の下半身が次元的に隔離されて、現在進行形で凌辱されてるんだよ」

エレナ「なにそれこわい」



尚、マハトマが実在するかどうかは誰にも証明できない。

故に、彼女が得た叡智は全て「彼女自身が考えついた物」である可能性が存在する。

エレナ「……状況は全てつまびらかに理解できたわ」

エレナ「すぐに探さないとね、状況は刻一刻を争うわ」


「話が早くて助かるよ、こちらも手が足りなくてね」


エレナ「手が足りない?ドクターロマンはどうしたの?」


「ロマニはマシュが用意していた胡麻団子を食べてしまい、怒ったマシュからシールドアタックを受けてリタイアしたよ」


エレナ「そっかー」

~特異点側~

~砦~


ぐだ子(ふう、良かった、お尻を撫でまわされる感触が無くなった)

ぐだ子(きっと、ダヴィンチちゃんの調査が人段落ついたんだろうな)

マシュ「マスター!砦を襲撃していたワイバーンを迎撃する事に成功しました!」

ぐだ子「う、うん、ありがとね、マシュ」

マシュ「私達を援護してくれたサーヴァントがいるようです、話を聞いてみましょう」

ジャンヌ「砦を守ってくださってありがとうございます」

ジャンヌ「私はジャンヌ・ダルク……ルーラーです」


マシュ「先輩、ジャンヌさんです、ジャンヌ・ダルクさんがいます」

ぐだ子「うーん、多分、この特異点の聖杯に呼ばれたジャンヌさんだろうね」

ぐだ子「雰囲気からすると、私達がいるカルデアのジャンヌさんとは記憶共有してないみたい」


ジャンヌ「あの……?」

マシュ「す、すみません挨拶もせず……私はマシュ・キリエライト、デミサーヴァントです」

ぐだ子「マスターのぐだ子だよ、よろしく~」ブンブン

ジャンヌ「……デミサーヴァントというのも気になりますが」

マシュ「はい」

ジャンヌ「貴女のマスターは、その、何というか……霊基が切断されているのですか?」

ジャンヌ「何やら奇妙な状況のようですね」

ぐだ子「あははは、実は……」

ジャンヌ「なるほど、この世界に召喚される時に不具合が起こってそんな姿に……」

マシュ「はい……」

ぐだ子「まあ、私達の所にいる魔術師が原因を調査してるし、きっと大丈夫だよ」

マシュ「ジャンヌさんから、今のこの国の状況も伺いました」

マシュ「竜の魔女と呼ばれるサーヴァントに侵攻を受けており、ジャンヌさんはそれに対抗しているとか」

マシュ「私達とジャンヌさんは共闘できる立場にいると思うのですが……どうでしょうか、マスター」

ぐだ子「うん、そうだね、ジャンヌさん、是非私達と……」

ぐだ子「……ひゃんっ!?」ビクッ

ジャンヌ「ぐだ子?どうしましたか?」

マシュ「先輩?」

ぐだ子(え、ま、また誰かがさわってる?)

ぐだ子(と、いうか、え、これ、下着を……)

ぐだ子(ずらされ……て……)

ぐだ子「///」プルプルプル

ジャンヌ「マシュ、貴女のマスターは何か持病があるのですか?酷く赤面して震えているのですが」オロオロ

マシュ「い、いえ、レイシフト前の健康診断では何も異常はありませんでした」

マシュ「……恐らく、身体が両断された事が精神にも影響を与えてしまっているのかと」

ジャンヌ「そ、そうでしたか」

マシュ「凄い汗です……先輩、辛そう……」ナデナデ

ぐだ子「ま、ましゅ、わ、わたし……///」ピクピク

マシュ「ジャンヌさん!私は少し水を汲んできます!」

マシュ「先輩を、先輩を見ていてあげてください!」

ジャンヌ「わ、判りました」

ジャンヌ「ぐだ子、大丈夫、私が傍にいますからね」

ぐだ子「あ、あ、や、やだ、そんなトコ///」ビクンッ

ジャンヌ「ぐだ子?」

ぐだ子「ジャ、ジャンヌさん、だ、だめ、んぅぅっ///」モジモジ

ジャンヌ「な、なにが駄目なのですか?私に何か不手際でも……」

ぐだ子「み、見ないでぇっ///」モジモジ

ジャンヌ「……」ドキッ


ジャンヌ(ど、どうしたのでしょうか、ぐだ子の表情を見ていると、何か変な気持に)

ジャンヌ「す、すみません、マシュに見ていてくれと頼まれたので、その、眼を逸らすわけには」ドキドキチラチラ

ぐだ子「はぁ、はぁ、はぁ///」グッタリ

ジャンヌ「ぐだ子……」チラチラ

ぐだ子「こ、こわいよぉ……」グスン

ジャンヌ「……!」

ぐだ子「ひゃっ、ま、またっ///」ビクン

ジャンヌ「……」ジー


ジャンヌ(……そうですか、そうだったのですね)

ジャンヌ(聞けばぐだ子は本来何十人ものマスターで背負うべき任務を1人で肩代わりしているとの事)

ジャンヌ(こんな細腕でその重荷に耐えていた上に、身体が真っ二つに裂かれるという悲劇にまで見舞われて)

ジャンヌ(元は一般人だったと言うぐだ子はきっと不安で不安で、心が押しつぶされそうになっているのでしょう)

ジャンヌ(私に、私に何か手伝える事は無いでしょうか)

ジャンヌ(聖女として何か……)

ジャンヌ「……そうだ」

ジャンヌ「ぐだ子、怖いのですか」ギュッ

ぐだ子「ひゃっ、ジャ、ジャンヌさん?」ビクッ

ジャンヌ「貴女が感じている恐怖は人間として当然の物です」

ジャンヌ「けれど、貴方は1人ではないのです」

ぐだ子「ひ、ひとりでは、ない///」ハァハァ

ジャンヌ「ええ、私やマシュが傍にいます」

ジャンヌ「ほら、こちらを向いて……私を見てください」

ぐだ子「け、けど……んぁっ///」ビクッ

ジャンヌ「もう、眼を逸らさないでください、ほら」グイッ

ぐだ子「う、うぅっ///」ウルッ

ジャンヌ「こんなに震えて……けど、大丈夫です」

ジャンヌ「貴女が落ち着くまで、私がこうして抱っこして」

ジャンヌ「ずっと見てあげますから……ね?」ギュー

ぐだ子「ず、ずっとって、そ、そんな……」

ジャンヌ「はい、ずっとです」

「そう言うと、ぐだ子は不安そうに私を見上げました」

「何か言おうとしていたようですが、何も言う事もなく、再び震え始めました」

「声を抑えながら、身を縮めビクンビクンと震え始めました」



「きっと、心の中の葛藤と戦っているのでしょう」

「私は神の声に導かれていましたが、彼女はそうではないのです」

「誰かが、誰かが彼女を導いてあげないと」



「私は、彼女の眼を見つめながら、強く抱きしめました」

「彼女の身体の震えを止めてあげたかったからです」

「彼女の不安を受け止めてあげたかったからです」



「彼女は私の胸の中で、何度も何度も震えました」

「声を抑えて鳴いていました」

「涙を見られたくなくて、眼を逸らそうとしました」

「その度に私は、彼女の顔を引き戻しました」

「私がちゃんと見ていますと、伝えたかったからです」

「私という存在が近くにいると、感じて欲しかったからです」



「彼女の鼓動が激しくなっています」

「震えも強くなり、私の手から逃れようとします」

「けど私はそれを認めず、より強く彼女を抱きしめました」

「彼女の震えが感じられます」

「時に弱く、特に激しく」

「そこには何故か喜びを感じられて……」



「……あれ、何かこれおかしいですね、と感じた時」

「彼女の体はひときわ大きい震えに襲われ」

「その直後、私の腕の中で崩れるように意識を失ってしまいました」

~カルデア側~


エレナ「さて、ぐだ子ちゃんを探すのは良いけど……手掛かりが少ないわね」

エレナ「ここはもう一度、マハトマに聞いてみようかしら」

エレナ「あまり多用すると怒られるのだけれども……」

エレナ「……」

エレナ「ねえねえ、マハトマ、今ぐだ子ちゃんを辱めてるのって誰かしら」

マハトマ「それは精神的に?肉体的に?」

エレナ「肉体面もそうだけど、やっぱり一番問題なのは精神面じゃないかしら」

マハトマ「じゃあ、ジャンヌさんだね」

エレナ「……!」

~カルデア内ジャンヌルーム~


ドンッ


エレナ「カルデア警察よ!大人しくお縄につきなさい!」

ジャンヌ「え、何の騒ぎですか?」

エレナ「貴女がぐだ子ちゃんを凌辱してるって事はもう判明してるのよ」

エレナ「さあ、彼女は何処?」

ジャンヌ「ぐだ子とは任務開始前に少し話しましたが……」

ジャンヌ「彼女はレイシフトしたのですよね?ならばココにいるはずが無いでしょう」

エレナ「あら?」

エレナ(おかしいわね、反応がフラットだわ)

エレナ(彼女の性質からすると、嘘をついてるようにも思えないし)

ジャンヌ「エレナ?」

エレナ「えーと、実はね……」

~特異点側~


マシュ「水を汲んできました!」

ジャンヌ「あ、ありがとうございます、マシュ」ビクッ

マシュ「先輩の、先輩の様子はどうですか?」オロオロ

ジャンヌ「ええ、今は疲れて眠っているようです」

マシュ「よ、良かった……」ホッ

ジャンヌ「けど、先ほどまでは酷く怯えた様子で……」

ジャンヌ「身体が熱くて凄く痙攣して息が乱れていて声が高くて眼が潤んでいて何かを求めるかのような切ない表情でビクンビクンしていました」

マシュ「そんなに……」

ジャンヌ「……」ポー

マシュ「ジャンヌさん?ジャンヌさんも何か顔が赤いような」

ジャンヌ「い、いえ、そのような事はありません」

マシュ「しかし……」

ジャンヌ「それは、あれです、先ほども説明しましたが私も召喚時の不具合に見舞われていまして!」

ジャンヌ「不完全な状態で現界しているので、きっとその影響です!」

マシュ「そ、そうでしたか」


ジャンヌ(……そうです、この身体のほてりは、決してぐだ子の身体を抱いていた影響ではないのです)

ジャンヌ(けど……まるで彼女の身体の熱が私に移ってしまったかのような感覚で……)

ジャンヌ(なんでしょうか、こんなのは初めてです)

ジャンヌ(そうです、きっとこれは不完全な現界の影響です、きっとそうです……)

~カルデア側~


ジャンヌ「……なるほど、高次存在からの助言で私が犯人だと予想した、と」

ジャンヌ「けれど、早計でしたね、このカルデアにいるジャンヌ・ダルクは私1人ではないのですから」

エレナ「面目ないわ……」

ジャンヌ「いいのです、間違えは誰にでもありますから」ニコリ

ジャンヌ「それに、マスターの下半身が無くなったとなっては私も放ってはおけません」

エレナ「手を貸してくれるの?ありがと、心強いわ」




エレナ「それで……問題の部屋はここね?」

ジャンヌ「ええ、彼女は今、この部屋に住んでいるはずです」

エレナ「ジャンヌ・ダルク・オルタ……私はあまり話した事ないけど、一癖も二癖もある人物なのよね」

エレナ「なら、今回は少し慎重に行ったほうがよいかしら」

ジャンヌ「……確かに、マスターの身体を人質にされると厄介かもしれません」

エレナ「よし、じゃあ盗聴の魔術で少し中の様子をうかがうわね」

ザッ


ザザザザザッ


「ふふふ、ほら、どうしたのかしら、ぐだ子」

「普段は私に大きな口を叩いてる癖に、こんなになっちゃって」

「あははは、無様ね、無様だわ」

「許してほしい?駄目よ、貴女は絶対に許さない」

「もっと苛めてあげるわ、もっと、もっと……」

「ほら、ここも、ここも……」

「ふふふ、たっぷりと、傷をつけてあげる……」

「私の印をつけてあげるわ……」


ザザザザザッ

エレナ「……」

ジャンヌ「どうでしたか、エレナ、彼女の様子は……」

エレナ「……まっくろよ」

ジャンヌ「え?」

エレナ「真っ黒だったわ、貴女のオルタ」

ジャンヌ「やはり、彼女が犯人なのでしょうか……」

エレナ「ええ、確定ね」

ジャンヌ「くっ、お恥ずかしい……」

エレナ「よし、今、彼女はお楽しみみたいだし、そっと扉を開けて侵入して取り押さえるわよ」

ジャンヌ「はい……!」

エレナ「開錠の魔術……!」ピッ


スーーッ


 

オルタ「くっ、まさかこんな反撃を食らうなんて……」

人形「私のガントを甘く見たのが運の尽きだね、オルタ」

オルタ「こ、殺しなさい!ぐだ子!辱めを受けるくらいなら死んだ方がましよ!」

人形「殺すなんて出来ないよ、だって私は貴女の事を……」

オルタ「な、何を言ってるのぐだ子、私は、私は貴女にあんな酷い事をしたのに!」

人形「いいの、あんな事は全然大したことじゃないし」

オルタ「ぐだ子……」

人形「オルタ……」


サワサワ


オルタ「な、なにをするのぐだ子、やめなさい、やめて……」

人形「止めて欲しいなんてウソだよね、ほんとはずっと、こうされたかったんでしょ……」

オルタ「やっ、だ、だめ、首は弱いの……」

人形「ふふふ、可愛いね、オルタは」

オルタ「ば、馬鹿言わないで!私が可愛いはず……」

人形「ううん、可愛いよ、だから手に入れたいの」

人形「私の物だよ、オルタは、誰にもわたさない」

人形「好き好き大好きオルタオルタオルタ」

オルタ「そ、そんな激しくされたら、私、私……」ジタバタ




エレナ「……」

ジャンヌ「……」

エレナ「ねえ、ジャンヌ」

ジャンヌ「……はい」

エレナ「あそこで、ぐだ子人形とお喋りしながら身悶えてるのって、貴女のオルタ?」

ジャンヌ「……はい」

エレナ「私達に全く気付かず、凄く熱中してるようだけど」

ジャンヌ「……恥ずかしいです」




オルタ「はぁ……はぁ……ふう、私とした事が少し熱を入れ過ぎて……」

オルタ「……あ」



エレナ「あ、気づいた」

ジャンヌ「……」

オルタ「……」

エレナ「……」

ジャンヌ「……」



オルタ「……いや」

エレナ「……」

ジャンヌ「……」



オルタ「違うのよ、これは、予行演習って言うか」

エレナ「予行演習」

ジャンヌ「……」



オルタ「ほら、今後ぐだ子と私が道を違えて戦う事になる可能性も」

エレナ「……」

ジャンヌ「……」



オルタ「あ、あ、あ、ある訳じゃない?だから戦う準備を……して……」

エレナ「……」

ジャンヌ「……」



オルタ「……」

オルタ「……」

オルタ「///」

オルタ「///」プシュー

~特異点側~

~城下町~


オルタ「はっ!もう1人の私がいると聞いて見に来てみれば……」

オルタ「無様ね?聖女様ともあろうものがそんな状態で現界してるなんて」

オルタ「見ていて虫唾が走るわ」

ジャンヌ「くっ……貴女が竜の魔女……」

ジャンヌ「まさか本当に私自身だなんて……」

オルタ「未だに生前と同じ聖女面をしている貴方と一緒にしないでくれるかしら?」

オルタ「私は一度死ぬ事で成長を果たしたのです」

オルタ「だから私はこの国を……フランスを!」



マシュ「くっ、囲まれています、マスター」

ぐだ子「このままじゃ不味いかな、何とかジャンヌさんと一緒に包囲網を……ぬけ……」

ぐだ子「ふぁっ///」ビクッ

マシュ「マスター?」

ぐだ子「こ、こんな時に///」ガクガク

ぐだ子「くっ、駄目、が、がまんしないと///」プルプル

マシュ「だ、大丈夫ですか先輩、そ、そうですよね、状況は絶望的」

マシュ「耐えきれなくなってもしかたはありません……けど、けど先輩なら乗り越えられるはずです!」

マシュ「カルデアの事故で死にかけた私の手を取ってくれたのは、先輩なのですから!」

マシュ「ええと、確かジャンヌさんに聞いた話ではギュッと抱きしめてあげれば落ち着くと……」

マシュ「よ、よし、マシュ・キリエライト!マスターを強く抱擁します!」



ギューッ



ぐだ子「ひゃっ///」ビクッ

ジャンヌ「ど、どうしたのですか、ぐだ子!マシュ!」

マシュ「ジャンヌさん、先輩が、先輩がまたプルプル震え始めて……!」

ジャンヌ「何ですって!?」

ぐだ子「あ、あ、だ、だめ、触んないで、駄目だって///」プルプル

ジャンヌ「これは酷い……」

マシュ「抱きしめても効果がないんです、どうしたら……」ギュー

ぐだ子「だ、だめ、ぎゅってしないで、だめだからぁ///」ピクピク

ジャンヌ「……仕方ありません、2人でやりましょう!」

マシャ「え?」

ぐだ子「ふぇっ?」

ジャンヌ「2人で抱きしめれば効果倍増です!」

マシュ「なるほど!盲点でした!」

ぐだ子「な、なにするの、え、ちょ///」ピクピク

マシュ「えい」ギュー

ジャンヌ「えい」ギュー

ぐだ子「あっ」


              ヒアー  
    (ジャンヌっぱい)○(マシュっぱい)
              /□\
-----------------------------------------

次元の壁
-----------------------------------------

               □
              / \
              (誰か)
              サワサワチュッチュ

 

オルタ「……ねえ、お願い誰か私の頭に水をかけてちょうだい」

オルタ「まずいの、やばいの、本気でおかしくなりそう」

オルタ「だってあの聖女、あの聖女」

オルタ「あの聖女、敵に包囲されてる時に何をやっているの」

オルタ「誰をはさみこんでるのあれ」

オルタ「あの娘、嫌がってるじゃない」

オルタ「逃れようともがいてるじゃない」

オルタ「なのにどうしてあんなに……」

オルタ「……あ」

オルタ「あの娘、ぐったりしたわ」

オルタ「え、という事は」

オルタ「ま、まさかあの聖女が?」

オルタ「あの聖女がもう一人の盾のサーヴァントと一緒に、え?」

オルタ「あの娘を、絶頂させ……」

オルタ「……」

オルタ「……」

オルタ「///」

オルタ「///」プシュー

~カルデア側~


オルタ「……」

エレナ「ごめんね、ジャンヌ・オルタ」

ジャンヌ「すみません……」

オルタ「……」

エレナ「ほら、大丈夫よ、誰にも言わないから、ね?」

ジャンヌ「勿論です、私も恥ずかしくて誰にも言えません」

オルタ「……」

エレナ「私自身も、この事には言及しない、というかもう忘れるわ」

ジャンヌ「そうです、あんな事は無かったのです、我々は幻を見たのです」

オルタ「……」

エレナ「え、ええと、それじゃあ話を進めるわね」

エレナ「結局、犯人はオルタじゃなかったのよね」

ジャンヌ「そのようですね……もし犯人ならぐだ子人形を使って身体を慰めるなんて事は」

オルタ「……」ピクリ

ジャンヌ「こほんっ、では一体だれが犯人なのでしょう」

ジャンヌ「もう一度、高次存在に質問できないのですか、エレナ」

エレナ「マハトマに同じ質問をすると叡智を処理する資格がないって事で、二度と接続出来なくなっちゃうのよ」

ジャンヌ「そうですか……」

オルタ「……方法がないわけでもないわ」

エレナ「うわ、喋った」

ジャンヌ「意識があったのですね、あんな所を見られて」

オルタ「……」プイッ

エレナ「あ、うそうそ、私、オルタの意見聞きたいわ?」

ジャンヌ「そうです、私達だけではこの事件を解決できない……貴女に頼るしかないのです」

オルタ「……仕方ないわね、そこまで言うのであれば力を貸すわ」フッ

エレナ「やったわ」

ジャンヌ「ヤリマシタネー」

エレナ「それで、その方法って?」

オルタ「カルデアにいるザーヴァント1人1人に聞いていけばいいのよ」

エレナ「直球すぎるでしょう……」

ジャンヌ「その手がありましたね、賛成です」

エレナ「えっ」

ジャンヌ「人間は知恵と勇気を持って困難に立ち向かう存在です」

ジャンヌ「しかし、知恵や勇気を絞っても状況が改善されない時は、後はもう強引に行くしかないのです」

エレナ「そ、そうなんだ」

ジャンヌ「そうなのです!」

エレナ「まあ、けど聞く内容を捻れば効果的かもね」

ジャンヌ「ひねる?」

エレナ「本当に正直に質問しても、犯人にはきっとはぐらかされるだけだもの」

エレナ「だからもっと抽象的な内容にして、そこに催眠系の魔術を乗せるの」



誰も居ない台所で、貴女はぐだ子の鞄を見つけました。

鞄は蓋が開いており、中には貴女の大好物が入っていました。

さて、貴女はそれをどうしますか?



エレナ「こんな感じにね」

ジャンヌ「ふんふん」

エレナ「この質問にどう応えるかで、相手が犯人かどうかを大体予想できるわ」

ジャンヌ「本当でしょうか……」

エレナ「例えば……オルタは、この質問になんて答える?」

オルタ「当然、食べるわね」

エレナ「どうして?」

オルタ「だって、ぐだ子が私の好物を用意してくれてたのでしょう?」

オルタ「だったらそれは私の物なんだし、その場で食べるわよ」

エレナ「ええ、そうね、貴方ならその場で食べる」

エレナ「ソレが自分の物だと思い込んでるから、隠す事なんてしない」

エレナ「自室に持って帰ろうとして誰かに横やりを入れられるより、その場で食べる事を選ぶ」

ジャンヌ「な、なるほど……」

エレナ「じゃあ、ちょっと皆に質問してみるわね?」

ブーディカ「うーん、1人分しかないの?だったらもっと沢山作って皆で食べるかな」

マルタ「あの子の物なんでしょ?だったら勝手に食べるなんて論外、あの子に食べていいか質問します」

エリザ「アイドルの中でもトップに立つ私はファンの差し入れを無下になんてしないのよ。当然その場でいただくわ?」

茨木「ちょこれーとか、ちょこれーとだな、早く出さんか、我が即座に平らげてやろう」

頼光「我が子が母の為に用意してくれたものでしょう?その場で食べますね」

清姫「まあ、ますたぁが私の為に?その場で食べますね」

静謐「……大事に持って帰って、自室でゆっくり、少しずつ、味わって、味わい尽くして、食べます」

ナーサリー「みんなで食べたほうが、お茶会もきっと楽しくなるわ?」

ジャック「おかあさんに聞くよ」

 

「「「おまえか!」」」


静謐「ひっ……」ビクッ

エレナ「貴女ね?貴女が犯人ね?」

静謐「な、なんの事でしょう……私にはさっぱり……」

エレナ「正直に言いましょう?今なら罪は重くならないわ」

静謐「し、知りません……私は、私はちょっと用事があるので、部屋に帰りますから……」タッ

オルタ「逃がすか!」

ジャンヌ「逃がしません!」

静謐「毒霧っ」フッ

オルタ「うあっ!眼が!眼が!」ジタバタ

ジャンヌ「沁みます……!」ジタバタ

エレナ「ああ、逃がしちゃったか……まあ、けど行き先は判ってるし」

~静謐ルーム前~


コンッコンッ


エレナ「開けなさい、静謐のハサン、貴女はもう包囲されています」

ジャンヌ「鍵がかかってるのですか?では先ほどの魔術で……」

エレナ「それが駄目なのよ、施錠機能自体が毒で腐食してるみたいで……」

オルタ「それなら仕方ないわね」

ジャンヌ「そうですね」

エレナ「え?2人とも何を……」



ジャンヌ「聖女パンチ」ガンッ

オルタ「元聖女パンチ」ガキンッ



エレナ「ああ……」

オルタ「さあ、行くわよ」スタスタ

ジャンヌ「貴女に言われずとも判ってます」スタスタ

エレナ「……」

エレナ「……」

エレナ「……聖女って、みんなあんななのかしら」

静謐「あ、ああ、あああ……」ガクガク

エレナ「さあ、静謐のハサン、ぐだ子ちゃんの下半身は何処?」

ジャンヌ「この部屋にある事は判ってるのです、応えてください」

静謐「わ、私は、私は、うう……」ガクガク

オルタ「そんな奴に聞く必要はないわ、探せばいいのよ」

オルタ「どうせベットの下あたりに……」ゴソゴソ

静謐「だ、駄目……です、そこは……!」

エレナ「んー、下着ばかりね?そこじゃなかったみたい」

オルタ「……これ、全部ぐだ子の下着よ?」ガサゴソ

オルタ「それだけじゃなくて、使った後のバスタオルまであるわ」

オルタ「これは……確実に常習犯じゃない」

ジャンヌ「静謐のハサン!貴女はそんな事までしていたのですか……!」

静謐「うぅぅ、照れます……」

エレナ(ぐだ子ちゃんの下着やバスタオルだって何でわかったのかしら)

エレナ(不思議ね)

エレナ「さて……残ってるのは物置だけね」

ジャンヌ「こんな何の変哲もない物置に、ぐだ子の下半身が……」

オルタ「静謐は相当な変態だって判明したし、ぐだ子の下半身、酷い事になってるかもしれないわね」

ジャンヌ「怖い事を言わないでください!」

エレナ「じゃ、じゃあ、開けるわよ……」



ギィィィィー


エレナ「……」

ジャンヌ「……」

オルタ「……」

下半身「……」チョコン


エレナ「あった、あったわ、ぐだ子の下半身」

ジャンヌ「け、けど思ったより……綺麗に置いてありますね」

オルタ「もっと……色んな液で汚れてたりするのかと思ってたわ」

静謐「そ、そんな……そんなひどい事、しないです……」

静謐「だって、だって可愛そうじゃないですか……」

エレナ「静謐のハサン、貴女もしかして……ただ、ぐだ子の下半身を保護してただけ、とか?」

静謐「そ、そうです、私は……あのままだと可哀想だったから」

ジャンヌ「つまり、淫らな事はしてない、と?」

静謐「……」

「私は、隠密能力で……マスターの出発を、見守っていたのです……」

「そしたら、マスターの下半身が、コフィンに取り残されていて……」

「心配、だったんです、マスターの下半身を狙う人は、多い気がしましたから」

「だから、こっそり持って帰ったんです……」

「それで、あの、身体に傷がないか、色々さわって調べて……」

「マスターの身体、柔らかかったです……」

「そうしたら、私、少し興奮してしまって……」

「抑えきれなくて、毒が、私の手から毒が出て、マスターの服がボロボロに……」

「綺麗な、お尻が見えたんです、だから、つい」

「つい、甘噛みを……」

「だって、誰も見てませんでしたから、その、ちょっとくらいはいいかなと……」

「けど、マスターの身体が、ビクってなったんです……」

「ビクビクってなったんです……」

「それを見たらもう、我慢できなかったんです……」

「誰だって我慢できないと思います……」

「だから、色んな所に、舌と指を……」

「マスターも、喜んでくれてました、だから私……」

「沢山、頑張りました……」

「気がつくと、マスターはいっぱい汚れていました……」

「私とマスターの色んな液で、いっぱい……」

「だから、私かわいそうに思って……」

「ちゃんと、綺麗に拭いてあげて、ちゃんと下着を変えてあげたんです……」

「だって、その方が……えっと、次の機会の時に、楽しいですから……」

「皆さんも、綺麗なマスターが、好きですよね?」

「けど……色んな液で汚れたマスターも、魅力的ではあるのです……」

「その落差を見ると、何だか凄く……胸がドキドキするんです……」

「ドキドキします……」

エレナ「まっっっっっっくろね、この子」

静謐「ち、違います……マスターは、私の事、照れ屋なだけだって、言ってくれてました……」

静謐「だから、私は照れ屋なんです……」

オルタ「ムッツリなだけじゃない……」

ジャンヌ「酷いですね……」

エレナ「とにかく、ぐだ子ちゃんの下半身は返してもらうから」ヨイショット

静謐「……駄目、です」

エレナ「え?」

静謐「マスターには、私から……私から、返却します……」

静謐「だから、マスターを持って行く事は……許しません……」

エレナ「……うーん、困ったなあ」

エレナ「ジャンヌ?」

ジャンヌ「は、はい!」

エレナ「ここは私が足止めしておくから……ジャンヌはぐだ子ちゃんの下半身を持って安全な所まで逃げてくれる?」

ジャンヌ「わ、判りました!」

オルタ「ええ、任せて」

エレナ「いえ、オルタ、貴女もこの部屋に残って頂戴」

オルタ「は?」

エレナ「貴女も……ぐだ子ちゃんの下半身には無関心って訳じゃないわよね?」

オルタ「……」

エレナ「だから、わざわざ私やジャンヌと同行なんてしてたのよね?」

オルタ「……ふふふ」

ジャンヌ「ま、まさか……」

オルタ「あはははははははは!バレましたか!」

オルタ「そう、そうです、その聖遺物は私の物です!」

オルタ「誰にも渡すものか!」

オルタ「今!この場で!私が手に入れてあげるわ!」

エレナ「ジャンヌ!早く彼女を連れて外へ!そしたら非常用のハッチを閉めるから!」

ジャンヌ「し、しかしそれでは貴女が取り残されてしまう!」

エレナ「私はいいのよ、何とかするから」

エレナ「けれど、ぐだ子は、ぐだ子の身体は、この戦いにはついてこれない……だから」


ドンッ


ジャンヌ「あっ!」ドサッ

エレナ「……その子を、守ってあげて」

ジャンヌ「エレナ……」

エレナ「緊急防衛回路強制始動!防御隔壁閉鎖!」

オルタ「お、おのれ!おのれ魔術師風情が!」

静謐「のろいます……」



ガシーン

ガシーン

ガシーン

ガシーン



≪四層防壁閉鎖≫

≪該当区画の凍結が完了しました≫

ジャンヌ「……」

ジャンヌ「……」

ジャンヌ「……エレナ、約束は守ります」

ジャンヌ「さあ、ぐだ子、行きましょう」グイッ

ジャンヌ「大丈夫です、もうこのような事は起こさせません」

ジャンヌ「だって、私がいるのですから」

ジャンヌ「私が付いているのですから」

ジャンヌ「……ぐだ子、平気ですか」ナデナデ

ぐだ子「……」ピクッ

ジャンヌ「……」

ジャンヌ「そういえば、エレナが出したあの質問、私は応えてませんでしたね」




誰も居ない台所で、貴女はぐだ子の鞄を見つけました。

鞄は蓋が開いており、中には貴女の大好物が入っていました。

さて、貴女はそれをどうしますか?




ジャンヌ「私の答えは……」















ジャンヌ「誰かがぐだ子の許可なくソレを食べないように」

ジャンヌ「部屋に持ち帰り厳重に管理する、です」

~特異点側~

~オルレアン砦内~


ジャンヌ「見つけましたよ!竜の魔女!ぐだ子を返すのです!」

マシュ「先輩を、先輩をどうするつもりですか!」

オルタ「ど、どうもこうもないじゃない、だってこの娘泣いてたし、何故か放っておけないし」

オルタ「だから仕方なく保護しただけよ?」

オルタ「貴女達こそ、この娘に何してたの?い、いやらしい!信じられない!」

ジャンヌ「私達はぐだ子を守ろうとしていただけです!」

マシュ「その通りです、少しだけ私もドキドキしていなかったワケではありませんが、不純な気持は一切ありません!」

オルタ「その独善がこの娘を傷つけていると何故気付かないの!?」

ジャンヌ「そんな事は……!」


ぐだ子「う、うぅ……」ピクッ


ジャンヌ「……!」

マシュ「……!」

オルタ「……!」

ぐだ子「ま、また、誰かが……ひっ///」ビクッ

ぐだ子「誰かが、誰かがぺろぺろって、ううっ///」グスン

ぐだ子「や、やだ、もう、もう辛いよ、こんなのっ///」モジモジ


オルタ「ちょと、こ、この子どうしたの、どうしたらいいの」

ジャンヌ「ぎゅってするのです、暫くそうしていれば収まりますから!」

マシュ「先輩、大丈夫ですよ、ほら、抱きしめてあげますから、私達が守ってあげますから」


ぐだ子「ひっ///」ビクッ


 

~カルデア~


ダヴィンチ「よし、原因も解明したし、これで問題なく帰還できるぞ」

ダヴィンチ「それにしても、エレナ君達はどうなったかな」

ダヴィンチ「何やら連絡が繋がらないけど……まあ、いいか」

ダヴィンチ「ぐだ子ちゃんが帰還すれば下半身も自動的にぐだ子ちゃんの元に戻るはずだし」


フォウ「……」ピクピク


ダヴィンチ「しかしまさか、フォウ君がコフィンの隙間に挟まってたのが原因とはね」

ダヴィンチ「これは盲点だった……」

こうして、ぐだ子さんの上半身は

オルレアン砦で三人に挟まれて

ひゃんひゃんひゃんと泣かされて

数日過ごした後

ふんわりと第一特異点を開放し

無事帰還する事が出来ましたとさ




めでたしめでたし

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