シャア・アズナブル 「見せて貰おうか、『◯◯◯◯◯!』の劇場版とやらを」 (15)

ガンダムSS(宇宙世紀)?
なお、ガンダムとは関係ない2016年公開映画のネタばれがあるので注意。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1484379403

ララァ 「お帰りなさい、大佐」?

シャア 「ああ、ただいま」?

ララァ 「大佐、その袋は?」?

シャア 「ファルメルがドックに停泊している間、気分転換にララァと映画を観たくなってな。旧世紀の作品が安かったから買ってきた」?

ララァ (大佐のような人でも円盤のワゴンセールを漁るのかしら)?

ララァ 「劇場には連れていって下さらないのですか?」?

シャア 「それはサイド3に帰ってからだ。私とて大勢の部下がいる。指揮官が部隊そっちのけで映画館でデートという訳にもいくまい」?

ララァ 「フフッ、なら我儘は言いません。映画のタイトルは?」?

シャア 「一本目はこれを観よう」?

つ『君の名は。』

ここから『君の名は。』ネタばれ注意!

シャア (『君の名は。』アニメーション監督、マコト・シンカイの代表作。この作品の前にも幾つか監督作品はあるが、後年宇宙世紀まで語り継がれることとなった彼の伝説はここから始まったと言えよう。彗星衝突により町が壊滅するシーンは意表を突かれ印象に残ったが、ジオンのコロニー落としの犠牲者も死の直前あのような光景を観たのだろうか?)

シャア (私とてモビルスーツパイロットとして戦線に加わってはいたが、私がスペースノイドの代弁者を名乗るならあのような傲慢かつ無慈悲な大量殺戮などしない)

シャア (ザビ家の連中め、思い上がるな! 神にでもなって地球の人間を裁いたつもりか?)

ララァ 「大佐、何を泣いているのですか?」

シャア 「少し感傷的になってな……。どうだ、ララァ?」

ララァ 「お言葉ですが映画の体を為していません」

シャア 「!?」

シャア (ララァは『君の名は。』を酷評するのか!? 認めたくないものだな)

シャア (だが映画は人それぞれ好みがある。気を取り直して……)

シャア 「まだ他にも円盤は買ってきた」

シャア 「これはどうだろう?」

つ『この世界の片隅に』

ここから『この世界の片隅に』ネタばれ注意!

ララァ (大佐がしんみりと観てるわ……)

シャア 「……」

シャア (『この世界の片隅に』。旧世紀の世界大戦を描いたアニメーション映画。監督は巨匠ハヤオ・ミヤザキの元で脚本や演出補を務め、自身の監督作品として映画『マイマイ新子と千年の魔法』やテレビアニメ『BLACK LAGOON?』を持つスナオ・カタギリ)

シャア (クラウドファンディングで資金を集め、当初は上映館も少なかったが、徐々に人気が出てヒット作となったと聞く)

シャア (ヒロインの出身地はヒロシマで、核兵器の脅威や悲惨さも描かれている。地球に核を落として汚染させるなど許されざる行為だ)

シャア 「ララァ、どうだった?」

ララァ 「これは嫌がらせですか?」

シャア 「?」

ララァ 「とても映画とは呼べません」

シャア 「!?」

シャア (ええい、私が心打たれた映画を次から次へと……気に入らんな)

シャア (しかしララァの機嫌を損ねたままというのも居心地が悪い)

ララァ 「もう大佐なんて知りません」

シャア 「そう言わずにもう一本、頼む」

シャア (最後の一本、これに賭けろというのか? ええい、ままよ!)

つ『ポッピンQ』

ここから『ポッピンQ』ネタばれ注意!

シャア (『ポッピンQ』。監督はドラゴンボールシリーズで作画監督を務めたナオキ・ミヤハラ。)

シャア (設定自体は決して悪くない。惜しむらくはターゲットとなる層を絞り込めなかったか。キービジュアルは中高生向けに見えるし主人公達5人のメインキャラクターも中学3年生(卒業式直前)だが、ストーリーはもっと下の年代向けと言える。メインキャラ5人を貧乳で統一して3Dのダンスシーンにおいて乳揺れの一つも無く、着替え中や入浴中のシーンはおろかパンチラの一つも無く、戦闘シーンにおけるグロテスクな描写も無い。これはトウエイアニメーション60周年記念作品にエロやグロは不要という制作サイドの決意が伺えるが、それならいっそプリキュアくらいにまで対象年齢を下げた作品とプロモーションを目指した方が良かったのではないか)

シャア (これでララァの機嫌が直るとは……)

ララァ 「大佐、今日観た映画で一番良かったです」

シャア 「!?」

シャア 「ところでララァは今の映画でどこが気に入った?」

ララァ 「はい、少女達やポッピン族のダンスが美しく、時に愛らしいところが。ただ出来ればもっと大勢で歌いながら踊って欲しかったです」

シャア (そういうことか……思い出した)

シャア (『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』で後世に影響を与えた旧世紀の鬼才、マモル・オシイ監督の言葉を)

シャア (『インド映画は中身が無い。そしてダンスシーンは必ず有る』)

シャア (ムンバイ出身のララァは幼少期、インド映画に慣れ親しんだ筈だ)

シャア (ララァにとって映画とは、大勢で歌いながらダンスをするシーンがあって然るべきもので、それが無い時点で映画として認められないということか)

シャア 「フッフッフッフッフッ、ハッハッハッハッハッ!」

ララァ 「大佐?」

>>2の改行部分に「?」が入っていました。失礼しました。以下が修正した>>2です。


ララァ 「お帰りなさい、大佐」

シャア 「ああ、ただいま」

ララァ 「大佐、その袋は?」

シャア 「ファルメルがドックに停泊している間、気分転換にララァと映画を観たくなってな。旧世紀の作品が安かったから買ってきた」

ララァ (大佐のような人でも円盤のワゴンセールを漁るのかしら)

ララァ 「劇場には連れていって下さらないのですか?」

シャア 「それはサイド3に帰ってからだ。私とて大勢の部下がいる。指揮官が部隊そっちのけで映画館でデートという訳にもいくまい」

ララァ 「フフッ、なら我儘は言いません。映画のタイトルは?」

シャア 「一本目はこれを観よう」

つ『君の名は。』

しばらく後……

シャア 「ララァ、また買ってきた」

ララァ 「あら、今度はどんな映画ですか?」

シャア 「実は私も今回初めて観るので詳しくない。只、パッケージに書かれたあらすじを読んだ限りではララァが気に入ると思った」

ララァ 「それは楽しみです。私は紅茶を淹れてきますので、それから映画を」

シャア (少なくとも歌って踊るシーンがあるのは分かっている)

シャア (見せて貰おうか)

シャア (『ラブライブ!』の劇場版とやらを)

それから月日は流れ……

シャア 「私はシャア・アズナブル、ご覧の通りラブライバーだ」

アムロ 「何故ララァを巻き込んだ!? ララァはラブライバーになる人ではなかった!」

セイラ 「止めなさいアムロ! 止めなさい兄さん! 二人がラブライバーになることなんてないのよ。二人がラブライバーになるなんて!」

シャア 「ラブライバーにならなければララァのニュータイプとしての覚醒は無かった」

アムロ 「貴様だって、ラブライバーだろうに!」

シャア 「アムロ君、私の同志(ラブライバー)になれ。そうすればララァも喜ぶ」

アムロ 「正気か!?」



アー・バオア・クー攻防戦の後、地球連邦とジオン共和国との間で終戦協定が結ばれた。
サンシャイン派が牛耳ったジオン残党は小惑星アクロスで地球圏を脱出、μ's派のシャアとAqours派のハマーンは互いに相容れずグリプス戦役での不和に繋がった。

ミネバ 「堕天使ヨハネと契約して、あなたも私のリトルデーモンに……なってみない?」

クワトロ 「よくもミネバをこうも育ててくれた!」

ハマーン 「ミネ……ヨハネ様の御前である!」

ハマーン (幼くして両親を亡くされたミネバ様は自らを不幸体質と見なし、サンシャインのヨシコ・ツシマに傾倒されたのだ。それが分からないのか、シャア!)



更に時は流れ……

バナージ 「ごめん、名前言ってなかった。俺は――」

ミネバ 「バナージ」

バナージ 「えっ?」

ミネバ 「この子が呼んでたから」

ハロ 「バナージ、ガンバレ。バナージ」

バナージ 「そう、バナージ・リンクス」

ミネバ 「私は……ヨハネ。ヨハネ・ツシマ」

バナージ 「ヨハネ……」

バナージ 「こいつはハロ。知らない? 大戦中のエースパイロットが作ったマスコットロボットのレプリカ。子供の頃、流行ったろ?」

ミネバ 「私、田舎に住んでいたから」

バナージ 「田舎って?」

ミネバ 「ヌマヅ」

これにて完結。?
読んで下さった皆さんありがとうございました。?
なお、押井監督のコメントは映画『スカイ・クロラ』上映後トークショーの時のものです。

ガンダム関連の過去作あります。
クェス「始まりの物語」 シャア「永遠の物語」?
http://ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs=news4ssnip&dat=1429448585

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