【まほいく安価】クラムベリー「17人目の追加によって……」【魔法少女育成計画】 (417)


 前スレ
 【まほいく安価】ファヴ「突然だけど17人目を追加するぽん!」【魔法少女育成計画】
 【まほいく安価】ファヴ「突然だけど17人目を追加するぽん!」【魔法少女育成計画】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1483525025/)

・なんどめだまほいく並何番煎じ
・安価とコンマで進行
・キャラメイクは1人のみ
・基本的にそのキャラが主人公となる視点
・無印(アニメ)が舞台なので原作要素はそんなに無いぽん!多分
 でも突然原作QUEENSまでのネタバレが出ても責任はとれないぽん

・頑張って生き残ってほしいぽん


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1484146685


 魔法少女「キノ」のステータス

【魔法の銃で撃ったものを強くしたり弱くしたりするよ】


身体能力……60 ★★★★
精神力……78  ★★★★
知力……26   ★★
幸運……78   ★★★★

キャンディー所持数……6000超

スキル「幸運」……精神力以外のすべてのロール+10
スキル「射撃」……射撃時のみ身体能力ロール+5
スキル「逃げ」……回避・逃走時身体能力ロール+8


 信頼度

リップル……09(親愛)
トップスピード……05(友達)
スノーホワイト……05(友達)
ラ・ピュセル……09(親愛+命の恩人)
ハードゴア・アリス……06(友達)
シスターナナ……02(懐疑)
ヴェス・ウィンタープリズン……02(懐疑)
他……02(知己)


 あらすじ

ファヴによって17人目の魔法少女となったキノ――木野結衣は色々あってリップル、トップスピードと共にカラミティ・メアリを倒した
その後スイムスイム達の襲撃によってトップスピードが負傷。致命傷ではないものの……プランD、所謂ピンチですね

前スレ>>1000……98……ファンブル


リップル「クソッ、死ね! 死ねぇぇ!!」

ミナエル「うおっ、あぶな!」

ユナエル「ちょっと、まずくない?」

ミナエル「スイムちゃんやっちゃって!」

スイムスイム「……隙が無い」

スイムスイム「(たま、おそい……リップル、意外と強い。3人で精一杯)」


トップスピード「くっ……早く、行けって……リップルが、やべぇ、から!」

キノ「…………」


たま「(あと、数歩で……この爪で……うう……!)」ゴクリ

たま「(スイムちゃんも頑張ってる…………私も……!)」

たま「(あと、3歩、2歩、1ぽ……)ひゃっ!?」ドテッ

キノ「ッ!? な、なに!?」

トップスピード「……?」

たま「あ、透明外套が……!」

キノ「あなた、魔法少女! スイムスイムの仲間!」

たま「あ、あぁ、あ! うわあああぁぁぁぁ!!」


たまの爪がキノの目の前に迫る。再び、さっきと同じ状況だ。今度は喰らわない。絶対……と思っていたが、トップスピードを膝枕していた。まずい……

と、たまの前に片足で立ちあがったトップスピードが立ち上がる

グサリ……嫌な音が響いた


キノ「トップ、スピ…………」

トップスピード「……ったく、世話が焼け――」ニコッ


後はもう、何もなかった。消えたのだ

トップスピードが消えた。いや、違う……見えている。けど、見られない。消えたのはトップスピードの上半身。キノは瞬きひとつできなかった

故に、見てしまう。トップスピードの体がどうなってしまうのかも

破裂音。嫌な破裂音。目の前で

次に、液体が飛び散る音。目の前で

残ったのは、トップスピードの、下半――


キノ「あ、ああ……あ、あぁ……ぁ……あ、あああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


キノは叫んだ。腰も抜けた。立ち上がれない。傍から見たら発狂したように見えるだろうが、していない。キノは魔法少女だ。魔法少女の精神はそんなことで壊れない

それがキノにさらなる苦痛を与えようと、仕方ないのだ。魔法少女とは、そういうものだ


たま「ぁ…………う、オエエェッ……!」

キノ「と、すぴ…………ド…………あ、い、や…………」


トップスピードがどうなったか、キノとたま以外も勿論見ていた


ミナエル「う、っわ……!」

ユナエル「た、たま……マジクレイジー…………」

スイムスイム「(よくやった……あとはリップル)」

リップル「……」ギロッ

スイムスイム「ッ! ミナエル、ユナエル――」


 リップルの数値……↓1コンマ二桁
 ミナエルの数値……↓2コンマ二桁
 ユナエルの数値……↓3コンマ二桁


リップル「…………」シュバッ


リップルがありったけの手裏剣を宙に放る。その数、三桁に及ぶのではないか

スイムスイムの声を受けたピーキーエンジェルズが回避行動に移るが、1歩遅い


ユナエル「お姉ちゃん!」ドカッ

ミナエル「えっ――?」


ユナエルがミナエルを突き飛ばし、その手裏剣をすべて受ける。ユナエルはあっという間に針山と化した


ミナエル「……ユナエル……ユナ……ユナ!? ユナァァ!!」

リップル「……!」


 リップル怒りの2回行動数値……↓1コンマ二桁
 ミナエルの数値……↓2コンマ二桁


リップルの次の行動は速かった。何故だろう、トップスピードがあんなことになって、悔しい、悲しい、憎い、憎い、憎い、憎い。その感情を超えた先にあったのは、クリアな感覚だった

次にどうすればいいか直感的に分かる。キノの魔法で強化していないのに、視野が広い。魔法が強い。手裏剣の軌道も思うがままだ

だけど、こんな力、欲しくなかった


スイムスイム「チッ……ミナエル、撤退。たまも逃げて」

たま「う、うん!」

ミナエル「ユナ、ユナ……!」

スイムスイム「ミナエル!」

リップル「……!」


スイムスイムの仲間を守らんとする攻撃を避け、呆然と針山の中にいる少女――大学生くらいであろうか――を見るミナエルに肉薄するのは簡単だった

忍者刀をミナエルの首めがけ振るう。決まった

天使の首が宙を舞う


スイムスイムは苦虫を噛み潰した顔で壁の中に消えた。たまもいなくなっている

残ったのは、リップルとキノと――


キノ「…………」

リップル「………………立って」

キノ「……師匠…………」

リップル「………………」

キノ「とぷ……ぁ……さん……、私、まもって……わたし、なにも……!」

リップル「…………もう、いい……っ、から…………!」

キノ「ごめ、な……さい…………なにも、できな……ごめ、ぁ、あ、あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」


キノは涙を流し、崩れ落ちた。リップルはそんなキノにどう言葉をかけていいか分からない

リップルだって辛い。今すぐキノに抱き着いて友の死を嘆きたい。でも、できない。そうしてしまったら、キノは……私達はダメになってしまう

今のリップルにできることは、キノが落ち着くまで、自身の涙を塞ぎ、直立不動を保つことだった


・・・・・・

~翌朝~


キノが落ち着き、建物から2人が出てきた頃には日が昇ろうとしていた


リップル「……人が来る前に……帰る」

キノ「…………」

リップル「……」


2人は無言で別れた

リップルの手には、トップスピードの残りが入った袋がある。これからどう処理するのか、キノにはもうどうでもいい

キノは、自分が持つ箒――ラピッドスワローを見て、また泣いた


・・・・・・

~翌日~


ファヴ「今週の結果発表だぽん!」

ファヴ「えっとぉ~今週はちょっと死んでしまった人が多いぽん」

ファヴ「カラミティ・メアリ、ミナエル、ユナエル、トップスピード……以上の4名だぽん」

ファヴ「というわけで今週の脱落者は無し! それでは引き続き頑張ってほしいぽん!」


結衣は家から出なかった。華の日曜に部屋に籠っているのはよくないと母に咎められたが、返事をする気分にもなれない

友達からも昨日はあの後どうしたのかというメッセージを帰せていない。何もしていない。何もしたくない


結衣「…………」


壁に立てかけたラピッドスワローを見る。命の恩人の、数少ない遺品だ。持って行くことに師匠は止めなかった


結衣「私…………」


魔法の端末がけたたましく鳴る。差出人は大体想像がつくが、今は見たくない。魔法少女自体、今は……

けれど、見なければいけない。遅かれ早かれ、見ないとどうしようもない。結衣は力無い手で魔法の端末に手を伸ばした


 画面に表示されたのは……>>直下

 1.スノーホワイト達からのメッセージ
 2.シスターナナからのメッセージ
 3.リップルからのメッセージ
 4.その他からのメッセージ


結衣「……師匠」


リップルからのメッセージ……「会いたい」という簡潔な言葉と、時間と場所が書いてあった。それはもうすぐ裏山で会うという意味だった

涙の痕でぐしゃぐしゃになった顔を洗うことなく、キノに変身。鏡に映るキノは憎たらしいほど綺麗で、整っている

窓を開け、裏山へと向かう。リップルが待っている


リップル「…………キノ」

キノ「師匠……」

リップル「……落ち着いた?」

キノ「……はい」

リップル「そう……」


リップル「……これ、キノいる?」

キノ「え?」


リップルが手に持つ物、それは見覚えがある。確か四次元袋だ


キノ「これ、なんで……」

リップル「メアリの死体の近くに、落ちてた……」

キノ「……そう、ですか……」

リップル「……私が思うに、これはキノと相性がいい。あらかじめ弾を作って、ここに入れておけば弾の精製というプロセスを省ける。リロードの時間も」

キノ「……いいです、もう、そういうの……」


 幸運(78)ロール……直下コンマ二桁

 成功→頬を張られる
 失敗→リップルは力無く謝って来る


バシンッ、と乾いた音が響く。どこから鳴った? ああ、自分の頬と師匠の手だ


リップル「ッ、いつまでそんなんでいる!!」

キノ「っ……」

リップル「トップスピードは……もう、いい……いない……だから、もう、これ以上……悲しむな……!」ポロポロ

キノ「だって……師匠だって……泣いてる……っ」

リップル「黙れ……黙れ!」バシッ

キノ「ッ、私だって、嫌だ! もう嫌だ!」バキッ

リップル「このっ、くそっ!」

キノ「うがっ、だぁ!」


魔法少女らしからぬ取っ組み合いの末、2人は結局お互いにもたれかかる形になった。キノはリップルを見る。リップルもまた涙目でキノを見る

思考が少しだけ落ち着く。昨夜からまったく落ち着きのなかった思考が、まとまっていく。事実を受け止める。感情は既に吐き出したために残るのは、クリアな感覚

キノは無言でリップルの手から四次元袋を受け取った


キノは魔法の端末を見る。メッセージはまだ残っている

リップルもまた、魔法の端末を見た。あちらもまた、キノと同じようになにかしらのメッセージが届いているのだろうか


キノ「…………スノーホワイト達から」

リップル「こっちも……あと、シスターナナからも」

キノ「……」コクッ


 2人は……>>

 1.スノーホワイト達と合流した
 2.シスターナナ達に会いに行った

安価指定ミス このレスの直下で


・・・・・・

昨日、リップル――華乃は夢を見ていた

誰か分からないが、公園のベンチにベビーカーを傍らにおく女性がいた

華乃は何故か話しかけた。女性はノリがよく、話ははずんだ


華乃「赤ちゃん……可愛いですね」

「うん……頑張ったから」


出産はやはり頑張るのだろうか。それとも妊活とやらを頑張るのか、それを聞こうとしたところで夢は覚めた

華乃は涙を流していた


・・・・・・


今日はここまで
ぶっちゃけ、死ぬなんて思わなかった
本来なら今の夢を現実としてエピローグに添えるつもり満々だったのだ……(泣)


・・・・・・

~王結寺~


たま「ううぅ……グスッ、ミナちゃん……ユナちゃん……」

スイムスイム「よしよし」

たま「スイムちゃぁぁん……」グスッ

スイムスイム「(2人がやられるなんて……予想外だった……)」


カラミティ・メアリが引き起こした騒動――今日テレビを見たらテロと言われていたほどの事件が起こった時、スイムスイムはどさくさに紛れて魔法少女を襲撃する作戦を決行した

遠くから観察したところ、襲撃できそうな場所は2つ。カラミティ・メアリとリップル達が戦っているホテルと、スノーホワイトやシスターナナ達が人命救助をしている高速道路周辺

最初は二手に別れて行動しようとした。だが、どちらも魔法少女の数が多すぎて返り討ちにされかねない。ならばポイントを絞って、そこに全員で向かった方が成功率が高い

ルーラの教え――「組織はギャンブル性より確実性を優先すべき」を実践してみたのだ

スイムスイムは魔法少女の少ないホテルの方に向かった。それにあそこにはある意味で因縁があるキノがいる。3対1ではあるが、カラミティ・メアリならものともしないかもしれない。メアリが3人を倒したら疲弊したメアリを4人がかりで襲えばいいし、メアリがやられてもきっと3人は疲弊しているはず。その目論見は当たった

たまの活躍でトップスピードを獲れたまではよかったのだが、リップルがあそこまで鬼神の如き強さを誇っているとは思わなかった。おかげでこちらはピーキーエンジェルズを失った。プラスマイナスで数えたら、この作戦は失敗だ。しかもここからどう動けばいいか分からない


スイムスイム「(キノを倒そうとして、ルーラも失敗したし私も失敗した……キノって、どういう……)」

スイムスイム「(ルーラなら、もっとうまく……犠牲を出さずにたくさんやれた……?)」

スイムスイム「(ルーラなら……ルーラなら、これからどうする?)」


・・・・・・


スノーホワイト達に合流しようという旨を伝えるために魔法の端末を開く

シスターナナからのメッセージを忘れていた。とりあえず大げさに嘆いて心配を隠そうとしないメッセージに月並みな返信をし、スノーホワイトからのメッセージに答える


キノ「10分後、鉄塔で……」

リップル「……」


言葉は少ない。2人は1つの共通の目的の為に動くと決めた

私怨だの目的を忘れるなだの、大義名分がどーこー言われるだろうが、そんなことはもうどうでもいい。魔法少女は勝手な生き物だ

スイムスイム、たま……2人を倒す


・・・・・・

~鉄塔~


スノーホワイト「あ、キノ、リップル……」

キノ「……どうも」

リップル「……」

ラ・ピュセル「……言うべきことは山ほどあるが、言われる方が辛いだろう。様子を見たくてね」

アリス「……大丈夫、ですか?」

キノ「……ありがとう、大丈夫……」

スノーホワイト「っ……あの、キノ達はこれからどうする? よかったら私達と――」

キノ「……スイムスイム」

スノーホワイト「えっ?」

リップル「スイムスイム、たま。2人を殺す。3人はあいつらのこと何か知らない?」

スノーホワイト「ッ!? な、何言ってるの!?」

リップル「仇だから……!」

スノーホワイト「っ……!」


アリス「じゃあ前の騒ぎで……」

ラ・ピュセル「待てリップル。私達の目的は他にあるだろう!」

リップル「アイツは後でどうとでもなる。今はスイムスイムだ……! あの双子は殺した。あとはアイツさえやれば……!」

アリス「今の2人は冷静じゃない……落ち着いて」

キノ「落ち着いてるよ……だから、今はあの2人を……!」

スノーホワイト「キノ、そんなこと言う人じゃなかったでしょ!」

ラ・ピュセル「(なるほど……今週あれだけの魔法少女が死んだのは……)」

スノーホワイト「キノなんでしょ? 昨日ホテルで沢山困ってたの……」

キノ「ッ、なんで……」


問いかけてから思い出す。スノーホワイトの能力「困った人の声が聞こえる」ことを


スノーホワイト「どうしよう、トップスピードさんが、どうすればいい……そんな声が沢山聞こえた。行きたかったけど……」


シスターナナが言った。「今は目の前の人命救助だ」と。確かに言うとおりだ。魔法少女は人間より丈夫に出来ている。多少のことなら自分でなんとかなることはスノーホワイトをはじめ、あの場に居た誰もが知っていた。だから優先順位は一般人より低くなってしまった

それに、もしホテルで何か起こっているならスノーホワイトを近づけたくないというのがラ・ピュセルとアリスの考えでもあった。仮に自分達がホテルに向かってキノ達を助けたところで、高速道路にクラムベリーなんて現れたら目も当てられない。シスターナナとウィンタープリズンだけでスノーホワイトを守り切ってくれるのかどうかは不安が残るし、ラ・ピュセルとアリスどちらか片方がホテルに向かっても1人でスノーホワイトを守りながらシスターナナ達と協力してクラムベリーを倒せるかと言われれば無理だと答えるしかない。それにリップルがいる。リップルの強さならなんとかなるのではないか

シスターナナ達は言わずもがな、ただでさえキノ達が関わっていることが分かって戦いになっていることは火を見るよりも明らかだったのだから行くわけがない。シスターナナにとって、ウィンタープリズンを向かわせ、自分を守ってもらいながら戦わせるのは望むところであるが、スノーホワイト達の手前出られない

故に高速道路に居た魔法少女は誰一人としてホテルには向かわなかったのだ


ラ・ピュセル「あの時、高速道路は酷い有様だった。沢山の車が爆発、炎上して……私達とシスターナナ達でとにかく助けて回ったんだが……終わったころには……」

アリス「キノの声は聞こえなくなっていた、と……」

スノーホワイト「……」

キノ「ッ……!」

キノ「(そんなに居て……魔法少女が寄ってたかって居たくせに……!)」


 精神力(78)ロール……直下コンマ二桁

 成功→言おうとして踏みとどまる
 失敗→スノーホワイトに酷いことを言ってしまう


スノーホワイト「どうしよう、トップスピードさんが、どうすればいい……そんな声が沢山聞こえた。行きたかったけど……」


シスターナナが言った。「今は目の前の人命救助だ」と。確かに言うとおりだ。魔法少女は人間より丈夫に出来ている。多少のことなら自分でなんとかなることはスノーホワイトをはじめ、あの場に居た誰もが知っていた。だから優先順位は一般人より低くなってしまった

それに、もしホテルで何か起こっているならスノーホワイトを近づけたくないというのがラ・ピュセルとアリスの考えでもあった。仮に自分達がホテルに向かってキノ達を助けたところで、高速道路にクラムベリーなんて現れたら目も当てられない。シスターナナとウィンタープリズンだけでスノーホワイトを守り切ってくれるのかどうかは不安が残るし、ラ・ピュセルとアリスどちらか片方がホテルに向かっても1人でスノーホワイトを守りながらシスターナナ達と協力してクラムベリーを倒せるかと言われれば無理だと答えるしかない。それにリップルがいる。リップルの強さならなんとかなるのではないか

シスターナナ達は言わずもがな、ただでさえキノ達が関わっていることが分かって戦いになっていることは火を見るよりも明らかだったのだから行くわけがない。シスターナナにとって、ウィンタープリズンを向かわせ、自分を守ってもらいながら戦わせるのは望むところであるが、スノーホワイト達の手前出られない

故に高速道路に居た魔法少女は誰一人としてホテルには向かわなかったのだ


ラ・ピュセル「あの時、高速道路は酷い有様だった。沢山の車が爆発、炎上して……私達とシスターナナ達でとにかく助けて回ったんだが……終わったころには……」

アリス「キノの声は聞こえなくなっていた、と……」

スノーホワイト「……」

キノ「ッ……!」

キノ「(そんなに居て……魔法少女が寄ってたかって居たくせに……!)」


 精神力(78)ロール……直下コンマ二桁

 成功→言おうとして踏みとどまる
 失敗→スノーホワイトに酷いことを言ってしまう

間違えた>>90は気にしないでください


キノ「(聞こえてたなら、来てくれたって……!)」


不意に、肩に手が乗る。誰の手か、見るまでもない


リップル「……」

キノ「っ……」

キノ「(そうだ……今スノーホワイトに何を言っても、何かが変わるわけじゃない……)」

スノーホワイト「……あの、ごめん」

キノ「……いいの」

ラ・ピュセル「2人とも、今スイムスイムを倒すのは駄目だ。まずは……あ」

スノーホワイト「?」

ラ・ピュセル「あ、いや、なんでもない……だけど、とにかく変な動きはするな!」

アリス「私も、そう思います……」

キノ「……」

リップル「……考えておく」


キノとリップルは言葉少なにスノーホワイト達と別れた。後に残された3人は微妙な雰囲気の中にいる


スノーホワイト「……ねぇ、ラ・ピュセル。アイツって誰?」

ラ・ピュセル「えっ? なにそれ?」

スノーホワイト「さっき2人に言ってた。ラ・ピュセルはキノとリップルと一緒に、何をしようとしてるの?」

アリス「スノーホワイト、それは……」

スノーホワイト「アリスも……隠してる。聞こえる」

アリス「っ……」

ラ・ピュセル「……話せない。でも、信用してほしい」

スノーホワイト「っ、できないよ! いくらラ・ピュセルでも……こんなに、人が沢山死んで……その中で何かしているラ・ピュセルが……ラ・ピュセルも、いなくなっちゃいそうで……」

ラ・ピュセル「…………僕は……っ、すまない!」バッ


鉄塔から身を躍らせ、ラ・ピュセルもまたその場から消えた。取り残されるスノーホワイト。アリスの心配そうな目も、今は素直に受け止められない


ラ・ピュセル「(すまない……小雪…………だけど、君を守るために、アイツだけは……!)」


ラ・ピュセルはいつも通り、心の中でさえもクラムベリーのことを考えない。ただ「スノーホワイトに知られては困る」とだけ言う。どこまで通用する誤魔化しかは分からないが、それで今までスノーホワイトからの言及を避けることができた

が、今回は違った。スノーホワイトの前で「アイツ」と言ってしまい、特定の誰かに何かをすることを悟られた可能性がある。平常心を保つために、困った声を出さないようにしたが、ラ・ピュセルの誤算は、スノーホワイトの魔法が今までと少しだけ違うところにあった


(すまない……小雪…………クラムベリーを、早く……)

スノーホワイト「っ、そうちゃん……?」

アリス「……誰ですか?」

スノーホワイト「(クラムベリー……って、クラムベリー…………あの人に、関係してるの?)」


・・・・・・

~マンションの一室~


奈々「ああっ、なんてこと……こんなにも沢山の魔法少女が犠牲に……」グスッ

雫「奈々……」ギュ

奈々「やはり、皆が戦って……殺し合いなんてことに……ああっ!」

雫「……」

雫「(あの大惨事がカラミティ・メアリの仕業だというのなら、倒したのはリップル達……彼女達はメアリを倒すために訓練を? いや、ならばラ・ピュセルとハードゴア・アリスが私達と行動していたのは辻褄が合わない……それに、トップスピードとピーキーエンジェルズも……どうなっているんだ)」


クラムベリーを思い出す。あの、チャットールムの時と違い好戦的で野蛮な印象を叩きつけられた森の音楽家を


雫「(やはり、クラムベリーの思惑通りなのか? すべては……彼女が……?)」

奈々「雫……」

雫「大丈夫。何があろうと、君だけは守ってみせるよ」

奈々「ありがとう……雫」

雫「(そうだ、私は奈々を守る。それがウィンタープリズンが魔法少女となった意味だ)」


・・・・・・

~王結寺~


スイムスイム「たま、もう泣きやもう。次を考える」

たま「グスッ……うん…………次、って、どうするの?」

スイムスイム「また魔法少女を襲う。今度は確実に殺せる奴」

たま「またやるの……っ?」

スイムスイム「やる。ルーラなら、こんな状況でも諦めないはず」

たま「…………」

スイムスイム「たま……ついてきて、くれる?」

たま「……グスッ、うん…………スイムちゃんをひとりに……したくないから」

スイムスイム「ありがとう」

スイムスイム「(次に狙うとしたら……)」


 >>直下コンマ二桁

 奇数→シスターナナ
 偶数→クラムベリー


スイムスイム「(シスターナナとウィンタープリズン……は、ダメ…………ピーキーエンジェルズがいたらまだやれたかもしれないけど、いない……ウィンタープリズンは強い。負けないけど勝つのが難しい。下手したらたまがやられかねない)」

スイムスイム「(キノとリップルは……多分向こうから私達を狙いそう。こっちから行く必要は無い)」

スイムスイム「(スノーホワイト達は………………ラ・ピュセルとハードゴア・アリスの隙が無い。まるで何かからスノーホワイトを守ってるみたい)」

スイムスイム「(……クラムベリーは…………分からない。最古参の魔法少女みたいだけど……実際に活動してるのを見たことが無い。姿を見せないのは、弱いから?)」


スイムスイム「ファヴ」

ファヴ「なんだぽん?」

スイムスイム「クラムベリーに、会いたいって言ってみて」

ファヴ「分かったぽん」

たま「スイムちゃん……」

スイムスイム「たま、準備して。次をやる」


・・・・・・

~山小屋~


クラムベリー「先日は随分と多く死んだみたいですね」

ファヴ「リップルがカラミティ・メアリとピーキーエンジェルズをあっという間に葬ったぽん」

クラムベリー「……リップルのスコアは今のところ1番。次点でスイムスイムですか……キノは、0」

ファヴ「まぁキノの魔法自体に殺傷能力が無いから当然っちゃ当然ぽん。今じゃリップルの金魚の糞だぽん」

クラムベリー「ウィンタープリズンも生き残っている……それはまぁ当然でしょう」

ファヴ「まぁ誰とも戦ってないんだから仕方ないぽん。あ、そうだマスター」

クラムベリー「なんですか?」

ファヴ「スイムスイムとスノーホワイトから個別にメッセージが来てるぽん」

クラムベリー「……ふふっ」


クラムベリー「ならば、私が直々に舞台をセッティングしましょうか」

ファヴ「動くぽん?」

クラムベリー「私は動きませんよ……ああ、もしかしたら動くかもしれませんが…………スイムスイムに私も会いたいと言ってこの場所を教えてください。キノ達4人には、スイムスイムが会いにくる時刻に果たし状でも送りましょう」

ファヴ「2つの勢力をぶつけるぽん? スイムスイムはほぼ無敵のようなものだけど、キノ達の方が人数的にも魔法的にも勝っていて勝負にならないぽん」

クラムベリー「誰が2つをぶつけると言いました? シスターナナにも連絡を」

ファヴ「あの2人も呼ぶぽん?」

クラムベリー「ええ。三つ巴ならぬ、私を含めた四つ巴……いえ、彼女も交えて五つ……楽しくなりそうです」


・・・・・・


スイムスイム「クラムベリーから返信来た。明日の夜10時……」

たま「山の中だね……罠とかあったら……」

スイムスイム「看破すればいい。たまは透明外套と元気の出る薬を忘れないで」

たま「う、うん!」


・・・・・・


奈々「クラムベリーが、明日の22時に会いたいと……」

雫「ついにか……」

奈々「場所も指定されています」

雫「自分のことを周りに話せば次々殺していくと言って脅してきた相手だ。油断はしないように行こう」

奈々「あの、話し合いでは……」

雫「それが一番だけど、アイツは話の通じる相手じゃない……多分、殺すことになるだろう。次は逃がさない」

奈々「……はい」


・・・・・・

~裏山~


キノ「師匠……」

リップル「分かってる。スイムスイムをやるのは……その後になりそうだけど」

キノ「私は大丈夫です」

リップル「ラ・ピュセルとアリスを呼ぼう。果たし状を送って来るくらいだ……今日スノーホワイトをひとりにしたところで狙ってはこないだろう」

キノ「はい」


ラ・ピュセルとアリスに連絡をとり、すぐに来ると言ってくれた。最後の訓練……作戦会議だ


キノ「師匠、安心してますか?」

リップル「……うん。スノーホワイトは巻き込みたくない。彼女は……私の憧れだから、戦いなんてしてほしくない」


リップル「キノも……大切な後輩だから。本当は巻き込みたくなかった……この前だって、逃げてくれてよかったのに」

キノ「師匠、そんな言い方はもうナシですよ」

リップル「うん……分かってる。キノは、私が死なせない。もう、私の周りから人がいなくなるのは、嫌だ」

キノ「私も……師匠を死なせたりなんか……!」


ラ・ピュセルとアリスが合流する。スノーホワイトは少しやることがあるからひとりにしてくれと言っていたので、置いてきたとのことだ


リップル「2人とも、明日クラムベリーを倒しに行く」

ラ・ピュセル「そうか……よかった」

アリス「場所は分かるんですか?」

キノ「クラムベリーから果たし状が来た。明日の夜10時に……場所も指定してきた」

ラ・ピュセル「なら今日が最後の訓練だ」


リップル「その前にひとつ、報告したい。私の魔法が……少し変わった」

アリス「魔法って……変わるものなんですか……?」

リップル「それは分からない……変わったというより強化されたって言うのかな」

ラ・ピュセル「キノの魔法無しでか?」

リップル「そう。投げた物の軌道を操れるようになった。今まではまっすぐ飛ばすことしかできなかったけど、今なら回り込ませたり、方向転換もできる」

ラ・ピュセル「凄いじゃないか!」

リップル「それが報告。キノ、なにかある?」


 キノは……>>116


 1.今リップルに魔法強化を施したらどうなるか試す
 2.ラ・ピュセルとアリスの魔法を強化したらどうなるか確認する
 3.念密な作戦会議をしたい


キノ「この前クラムベリーと戦ったとき、ラ・ピュセルの魔法を強化したことがあったけど……どうだった?」

ラ・ピュセル「……あまり覚えてないな。確か剣を2本出せた気がしたんだけど」

キノ「今は?」

ラ・ピュセル「できるかな……って感じ。多分できない」

キノ「そう……じゃあそれを確認したい。ラ・ピュセルとアリスの魔法を強化してみるから、どんなのか自分で確認してみて」

アリス「分かりました……」


2人に魔法の強化を撃ち込み、反応を確認する。が、どことなく魔法が強くなった実感は無いようだ


ラ・ピュセル「じゃあ……剣を……ハッ!」フォン

ラ・ピュセル「おお……2本出てきた。それに、大きさを変えるときの速さが速くなってる……」


 知力(26+10)ロール……直下

 成功→キノは閃き、ラ・ピュセルの魔法の有効活用法を思いつく
 失敗→特に無し。アリスの確認へ


 40……失敗


キノ「じゃあ、次はアリス……は、傷つかないと分からないか……」

アリス「構いません……ラ・ピュセル」

ラ・ピュセル「なんだ? 腕なんかつきだして」

アリス「腕を落としてください。なんなら体を刻んでバラバラにしてくれても構いません」

ラ・ピュセル「ッ!? そ、そんなこと……」

アリス「できないのならリップル……」

リップル「……」チャキッ

キノ「あ、でも待って。ラ・ピュセルがやって」

ラ・ピュセル「ええっ!?」

キノ「二刀流なんて慣れないことをするんだから、少しでも慣れないと」

ラ・ピュセル「うう……恨むなよ?」

アリス「何回斬られたか覚えておきます」

ラ・ピュセル「もう! そういうところが気に入らないんだ!」


ラ・ピュセルがアリスの腕を斬り落とす。と、そこで驚いた

アリスの腕はほぼ1秒したら完全に治っていたのだ。斬り落とされた腕が瞬時にまるで吸い込まれるように切り口に向かっていき、すぐにくっついた


ラ・ピュセル「これは……タイムラグ無しか?」

アリス「……そのようです。さぁ、次」

ラ・ピュセル「あ、ああ……やるぞ!」ズバババッ


二刀流でみるみるうちにバラバラになっていく。が、破片同士でくっつきあい、5秒もすれば何事もなかったかのようにアリスはそこに立っている


ラ・ピュセル「う、うおお……!」

リップル「すごいな……」

アリス「……15回」

ラ・ピュセル「な、何をする気だ!」

アリス「……へへっ」ニタァ


アリス「これは使えます」

キノ「2人とも、結構強化されてる……けど効果は8分だから、気を付けて」

リップル「その他の強化も8分しか持たない。今まで気にしなかったけど、8分なんて感覚じゃ計れないから、魔法の端末のタイマー機能を使おう」

アリス「そんなのあったんですね……」

リップル「魔法の国のアプリが色々ダウンロードできるみたい」

ラ・ピュセル「スマホか! スマホか……」

キノ「音を鳴らしたらまずいので、バイブレーション機能だけで、全員が同じ時間に……もし個別にするなら効果が切れた時に教えてくれればまた次の弾を撃つので」

リップル「キノも今までと違ってスムーズに弾を撃てるようになってる」

ラ・ピュセル「というと?」

キノ「この四次元袋に、あらかじめ6発セットの……これを使います」

アリス「これは……?」

キノ「スピードローダーって言うらしくて、カラミティ・メアリの持ち物の中にありました。ローダーが沢山あったので、結構の数の弾丸セットが作れます」

リップル「2人で考えた基本能力の強化セットを沢山作っておいた。だからリロードの時間はかなり減るし、弾の内容を考える時間も無くなる。まぁ即席の弾はその都度考える必要があるけど……」


キノ「それに、カラミティ・メアリが持ってた武器の数々がある。試しに撃ってみたところ、装填されてる弾の分はかなり強化されてたみたい」

ラ・ピュセル「ということは、キノが戦えるように……」

キノ「でも全弾撃ち尽くしたらおしまい。使うならここぞという時に……」

アリス「頼もしいです……」

リップル「大丈夫。キノが前に出るようなことは私達がさせない」

ラ・ピュセル「ああ! 頼りにしてくれ」

リップル「じゃあいつも通り、訓練を開始する。キノは逃げて」

キノ「はい!」


いつも通り、キノが逃げて3人がそれを追う

今度はラ・ピュセルとアリスに魔法強化を施している


ラ・ピュセル「もらった!」

キノ「ッ!」ガシッ

アリス「!?」

ラ・ピュセル「なっ、アリスを盾に!?」ズバンッ

アリス「なんで分かったんですか……!」パッカリ

キノ「私だって、ただ逃げてるだけじゃ駄目だから……!」

リップル「良い心がけだ。けど!」シュバッ

キノ「ひっ!」

リップル「私達の勝ち。次のセット行く」

キノ「はい!」


 最後の訓練、今までで一番有意義なものとなった……>>

 1.身体能力が3上がる
 2.知力が3上がる

安価指定ミスこのレスの直下


 4人で更に様々な戦法や魔法の活用法を話し合い、キノの知力が3上がった!(29)


リップル「こんなもんだね。もう朝になっちゃった」

キノ「お疲れ様でした」

ラ・ピュセル「魔法少女になって家に帰らなかった日なんて初めてだ」

アリス「私も……あの、1度帰ります。家族が心配していると悪いので」

リップル「分かった。じゃあ今日の夜8時にまたここで集合」

キノ「(……そうだ、私も…………でも、私は……)」


キノにも学校に行き、仕事に行くという日常がある。幸い今日は収録は無いものの、学校はある

だがキノにとって、この魔法少女という生活は現実に……日常になろうとしていた

今までは実感が無かった。殺したり殺されたり、テレビの中の世界だったのだ。魔法少女って、もっとキラキラして、人に感謝されて、実際そうではあった。だけどこんなことになるなんて思わなかった

だけど、今はそんなこと言っていられない。目の前で無残な死に方をした彼女を思い出す。それだけで泣きそうだが、涙はもう流し切った

今日でひとまずの決着をつける。クラムベリーを打倒し、返す刀でスイムスイムも倒したい。そうすればあとはもうどうなってもいい

その前に、しておきたいことがあった


キノ「師匠……」

リップル「なに?」

キノ「私、キャンディー集めてきますね!」

リップル「……ふっ、私も行く」

キノ「でも、師匠だって生活が……」

リップル「いいの」

キノ「ありがとう、ございます……」


 決戦前夜、仲間との絆が深まり信頼度が大幅に上がった!

 リップル(09→10)、ラ・ピュセル(09→10)、アリス(06→08)


・・・・・・


スノーホワイト『あの、クラムベリー』

クラムベリー『なんでしょう?』

スノーホワイト『沢山の魔法少女が死んで、私の仲間も様子がおかしい。あなたは何か知っているんですか? この街で何が起こっているのか』

クラムベリー『そうですね、知っているといえば知っています』

スノーホワイト『教えてください。私の仲間が、あなたの名前を呟いていました』

クラムベリー『あまりオススメはしません。あなたのお友達の頑張りを無駄にするつもりですか?』

スノーホワイト『どういう、ことですか?』

クラムベリー『事実を受け入れる覚悟があるのなら、いいですが』

スノーホワイト『お願いします』


スノーホワイト――姫河小雪はクラムベリーの話を漏らさず受け止めた


小雪「そうちゃんが……戦い……?」


クラムベリー『すべてはあなたを守るため、ラ・ピュセルはハードゴア・アリス、キノ、リップルと共に行動しています。恐らく今日も戦うことでしょう』

スノーホワイト『そんな! そんなことする必要なんて……』

クラムベリー『私は彼女達が今日、どこで何をするのかを知っています。知りたいですか?』

スノーホワイト『……知りたい、です』

クラムベリー『ですが、知ったところでどうしますか? 失礼ですがあなたの説得で止まるとは思えません』

スノーホワイト『それでも……それでも私は仲間を助けたい。戦いなんて、止めさせたい。教えてください』

クラムベリー『分かりました。彼女達は今日の夜10時半に――』

スノーホワイト『……ありがとうございます。でもなんでクラムベリーがそんなことを知っているんですか?』

クラムベリー『なんででしょうね。ああ、信用できない情報だと捨て置いてくれても構いませんよ』


・・・・・・

~夜・王結寺~


スイムスイム「……行こう」

たま「う、うん!」

スイムスイム「何があるか分からない。離れずに行動しよう」

たま「分かったよ!」

スイムスイム「あと、怖くなったり、勝てないと思ったらたまは逃げて」

たま「えっ? で、でもスイムちゃんは……」

スイムスイム「私はやられないから大丈夫」


・・・・・・

~マンションの一室~


雫「奈々、行こう」

奈々「はい」


クラムベリーをどうにかすれば、あとはきっとどうにでもなるはずだ。自分の考えを広め、この街から争いを無くす。そのために、1度だけ。1度だけウィンタープリズンに頑張ってもらう。もしかしたらその後も頑張ってもらうかもしれないが、その時はその時だ

変身したシスターナナとウィンタープリズンは窓を開け、月が見降ろす街の空に駆けた


・・・・・・

~裏山~


リップル「集まったね」

キノ「……」

ラ・ピュセル「行こう」

アリス「……」コクッ


今日こそ決着をつける。その思いが4人を包んでいた

クラムベリーさえ倒せばスノーホワイトへの後ろめたさも無くなる。もしバレても必死に謝ろう。心優しいスノーホワイトの事だ、きっと真摯に謝れば許してくれる

相手の魔法は分からない。けど、片腕を封じている。今度はリップルもいる。心強い。油断しなければ勝てる相手だ

4人は今まで培ってきたコンビネーションを思い出しながら、無言でクラムベリーが指示した山へと向かった


・・・・・・

~山小屋~


クラムベリー「…………どうやら、獲物が来たようですね」

ファヴ「マスターはホントにドMポン。まさか一斉に自分にかかってこさせるなんて」

クラムベリー「プチプチ1匹ずつ潰していっても、あなたの望む血だまりは作れないでしょう?」

ファヴ「まぁそうだぽん」

クラムベリー「さて、少し散歩でもしますか」


 誰サイドから始めますか?

 1.キノ
 2.スイムスイム
 3.シスター・ナナ

 >>143


・・・・・・


スイムスイム「あの山小屋……」

たま「……」プルプル

スイムスイム「とりあえず私が入ってみる。たまは少し離れてついてきて」

たま「うん……!」


ゆっくりと山小屋の扉を開ける……中には…………


 >>直下コンマ二桁

 奇数→シスターナナ達がいた
 偶数→物言わぬピアノだけが鎮座していた


スイムスイム「…………いない?」

たま「スイムちゃん?」

スイムスイム「クラムベリーはいない。どこに……?」


今さっき2人が飲んだ元気が出る薬の効果は30分。2つ使ったから残り8つ。時間はたっぷりあるが、できれば薬を使い切る前に終わらせたい


スイムスイム「(この小屋自体が罠……じゃなさそう)」

スイムスイム「クラムベリーを探しに行く」

たま「あうう……」

スイムスイム「たま、頑張って。いざという時、たまの魔法は頼りになるから」

たま「う、うん……頑張る……」


スイムスイム達はクラムベリーを探して森の中へと入った


 誰サイドに切り替えますか?……>>152

 1.キノ
 2.シスターナナ
 3.そのまま


・・・・・・


ナナ「ここが待ち合わせ場所……あの山小屋でしょうか」

ウィンタープリズン「気を付けてナナ。クラムベリーのことだ。何があるか分からない」

ナナ「はい……いざという時は……」

ウィンタープリズン「ああ。君を守る」

ナナ「はいっ」


背中にピッタリとシスターナナをつけたウィンタープリズンが山小屋の扉を開ける

その中には……


 >>直下コンマ二桁

 奇数→キノ達がいた
 偶数→物言わぬピアノだけが鎮座していた


ウィンタープリズン「……いない?」

ナナ「いない、ということは……どこに……?」

ウィンタープリズン「……森か。誘われているようだ」

ナナ「ならば行きましょう」

ウィンタープリズン「森だと壁をどう作ればいいか迷うところだが、行こうか」

ナナ「はい」


 2人は山小屋を出て森へと向かった。夜の森は暗く、月明かりの差していないところは完全な漆黒だ。何があるか分からないが、ウィンタープリズンは決意する。何があってもこの人だけは守り通すと


・・・・・・


キノ「あそこに……」

リップル「ここまでの道中に罠は無かった……気にしすぎ?」

ラ・ピュセル「クラムベリーがあの言動そのままの人間なら、罠は無いだろうね」

リップル「どういうこと?」

ラ・ピュセル「アイツはとにかく戦いが好きなんだ。真正面からぶつかり合って、相手を叩きのめすのが……なら、奴は罠なんて仕掛けない」

アリス「だといいですけど……」

ラ・ピュセル「私を疑うのか?」

アリス「刑事ドラマでそんな言葉が出てきたら信じますが、ラ・ピュセルは……」

ラ・ピュセル「貴様ァ……!」

リップル「くだらないこと言ってないで、行くよ。まず私があの小屋の中を調べる」


リップル「…………いない。中には誰も……」

ラ・ピュセル「いない? クラムベリーはどこに……」

アリス「森……」

キノ「森の中……か」

ラ・ピュセル「奇襲にはうってつけだな」

キノ「大丈夫。私達だって、森の中で訓練をしたんだから、ホームだよ」

リップル「キノの言うとおりだ。行こう」

アリス「……」コクッ


 森で……直下コンマ二桁


 00~30→シスターナナ達と出会った
 31~60→スイムスイム達と出会った
 60~90→クラムベリーと出会った
 91~99→誰かが戦っている音が聞こえた


キノ「ッ……この音……」

ラ・ピュセル「間違いない、誰かがクラムベリーと戦っている!」

アリス「……本当にクラムベリーとでしょうか」

リップル「それ以外にあると?」

アリス「いえ……なんとなく言ってみただけです」

キノ「行ってみよう!」


森を抜けた先には少し開けた場所があった。そこでは確かに戦いが行われている。魔法少女同士の戦いの音だ


キノ「あれは……!」


 戦っていたのは……>>直下コンマ二桁

 00~20→クラムベリーとスイムスイム
 21~40→クラムベリーとウィンタープリズン
 41~60→スイムスイムとウィンタープリズン
 60~80→クラムベリー1人
 81~99→クラムベリーの罠


スイムスイム「ッ……!」ブォン

クラムベリー「おっと……惜しいですね」

スイムスイム「(強い……攻撃が当たらない!)」


森の中を悠々と歩くクラムベリーを見つけ、地中を泳いで真下から奇襲を仕掛けたのだが、何故かクラムベリーはそれを看破していた

そして戦いになったのだが、強い。あまりにも強い。こんな相手にたまなど出したら一瞬で殺される

スイムスイムはたまを逃がし、1人クラムベリーと戦っていた


クラムベリー「フンッ!」ブォン

スイムスイム「……」スカッ

クラムベリー「ふむ……」


クラムベリーの回し蹴りがスイムスイムをすり抜ける。いかにクラムベリーであろうと攻撃後には多少の隙ができる。その隙を突いてスイムスイムは獲物を繰り出すもそこは技量差だ。決着がつかない


キノ「あれは……スイムスイム……!」

リップル「……ッ!」

ラ・ピュセル「抑えるんだ2人とも。どうやらあの2人は戦っているようだが……」

アリス「漁夫の利……得られます?」

キノ「(そうだ……つい飛び出しそうになったけど、今は……)」


まだ向こうは戦いに夢中でこちらに気付いてはいない。たまは逃げたかやられたか、姿は見えないがこれは好機だ


 キノ達は……>>175

 1.すぐさま飛び出した
 2.両者の決着がついたところを突いた
 3.両者の決着がつく直前にまとめてやろうと思った


クラムベリー「なるほど、物質透過……なんでも潜れるという能力はこうなるのですね」

スイムスイム「逃がさない……!」

クラムベリー「誰が逃げると言いました? 悪いですが、片腕でもあなたを倒すくらいは簡単なんですよ」


クラムベリーの右ストレートがスイムスイムの腹をすり抜ける。腕が腹を貫通している様は見る人が見れば致命傷に見える、が……


スイムスイム「無駄」

クラムベリー「そうでしょうか?」

スイムスイム「ッ……?(なに? 嫌な感じ……)」

クラムベリー「知っていましたか? 透過状態にも関わらず、あなたの姿が見え、こうして会話ができるということは……!」


クラムベリーの腕から遠くにいても耳を塞ぎたくなる音波が発生する。スイムスイムはそれに気付くも逃げられる状態ではない

次の瞬間、突如爆発が起こった。リップルを除いたキノ達はそれを覚えている。遠くにいても耳を塞ぎたくなる爆音。膨大なエネルギーの放出


スイムスイムが吹っ飛ぶ。彼女だけではない。森には爆発の影響でクラムベリーを中心としたクレーターが出来上がっていた


キノ「(スイムスイムを、倒した!?)」

クラムベリー「光と、そして音は……透過できないんですよ。ましてやこの破壊音波は相殺できない」


 幸運(78)ロール……直下コンマ二桁

 成功→クラムベリーはこちらに気付かない
 失敗→クラムベリーに気付かれた


クラムベリー「…………はふぅ……」


クラムベリーは恍惚とした表情でスイムスイムが吹っ飛んだ先へと向かう。どうやらキノ達には気付いていないようだ。これはチャンスだ


クラムベリー「さて、念のため死体の確認でもしますか。魔法少女は死体を確認するまで油断ならないですからね」

キノ「(今やれば……!)」チラッ

リップル「……!」コクッ

ラ・ピュセル「(いや、まだスイムスイムが死んだかどうか……)」ブンブン

アリス「(私もそう思います……)」ブンブン

キノ「…………(確かに)」コクッ


クラムベリー「あの破壊音波を喰らったのだから、無傷ではないはず……ん?」


芝をどかし、そこに横たわる『子供』の姿を見てクラムベリーは一瞬だけ眉間に皺を寄せた


クラムベリー「子供……! こんな子供が……ふふっ……」

リップル「(子供……? スイムスイムはどう見ても子供じゃない……なら、変身前の……つまり)」

キノ「(スイムスイムは死んだ……! 今だ!)」

ラ・ピュセル・アリス「……!」コクッ


 キノ達は奇襲しようとし――>>直下コンマ一桁

 1~4→たまと鉢合わせた
 5~7→シスターナナ達と鉢合わせた
 8~0→クラムベリーの背中を捉えた


キノ「今――」

ナナ「あなた達なにを……!?」

キノ「なっ――に!?」


いざ飛び出てクラムベリーに一撃くれてやろう、と息巻いたところで背後から声をかけられる

4人とも振り返る。そこにはシスターナナと、彼女を庇うように立つウィンタープリズンの姿があった

そして、もちろんそれはクラムベリーも気付く


クラムベリー「ッ、キノ!? やはりいたか……!」

たま「っ、ああああぁぁぁ!!」

クラムベリー「ッチィィ! うるさい!」


背後を見ると、キノ達を見た視界の中にたまの姿もあった。こちらに向かってくる。なるほど私を殺そうとしたか、駄犬。だが無駄に終わったなぁ!


たまの突き出す爪をいなし、蹴りを入れる。右腕の骨を折った感触が伝わって来た


クラムベリー「私に傷一つ付けられない負け犬が、墓穴は堀終わっているんでしょうね?」

たま「ひっ……ぁ……!」


キノ「皆、今はクラムベリーを!」

リップル「あの犬っころもやる!」


 幸運(78)ロール……直下コンマ二桁

 成功→シスターナナ達が察してくれる
 失敗→戦いをやめろと言ってくる


ウィンタープリズン「ナナ、彼女達はクラムベリーを……?」

ナナ「なら、目的は同じ……」

ウィンタープリズン「ああ、そのようだ」

キノ「行くよ!」

ラ・ピュセル「ああ!」

クラムベリー「チッ、負け犬を逃がすことになるが……仕方ない……か!」


 キノ達の数値……↓1コンマ二桁
 クラムベリーの数値……↓2コンマ二桁

 キノ達の数値が勝っていた場合……クラムベリーに有効打(40以上上回っていたら撃破)
 クラムベリーの数値が勝っていた場合……1人戦闘不能


 キノ達の数値……97
 クラムベリーの数値……50


今こそコンビネーションを活かすときだ。リップルが各種基本能力を強化する弾を空中に放り、4人に命中させる

強化された4人は、クラムベリーに束でかかった

アリス、ラ・ピュセルが前衛で主にアリスがメイン盾。魔法で強化されたアリスは傷の治りが速く、治すための長期離脱など無い

2人の攻撃の隙間を縫ってリップルの手裏剣が意味不明な軌道を描いて襲い掛かる。恐るべき三重奏だ


クラムベリー「ほう、流石に仕上げている……だが!」


クラムベリーも本気モードだ。超音波カッターと音のシールドを駆使し、アリスを刻み、ラ・ピュセルを突き飛ばし、リップルの手裏剣を叩き落とす


アリス「っ……!」

ラ・ピュセル「まだだ!!」

クラムベリー「沈め!」

アリス「!?」


クラムベリー「再生するのなら、動けなくすればいい……」


アリスの周りの空間が歪みむ。そしてアリス自身も歪み始める


クラムベリー「圧縮音波……全方位からの音の圧力に一生潰れているがいい!」

アリス「ッ……!」グニャァ

キノ「アリス!」

クラムベリー「次、殺し損ねた騎士……!」

リップル「させない!」

キノ「(とりあえずアリスの拘束を……あの空間に魔法の弱化を撃てばいい?)」バァン!

アリス「っ……!」

クラムベリー「チッ、やはりキノ……あなただけは!」

キノ「そうだ! 私はお前の嫌がることしかしない!」

クラムベリー「小娘……!」


クラムベリーが一心不乱にキノへと殺到する。怖い、怖い、怖い。けど、怖いものか!

恐怖心の弱化と戦意の強化を自分に撃つ。よし、怖くない。挫けない

そして四次元袋から取り出すのは、メアリ特性マシンガン


キノ「これで終わりだ……クラムベリー!」

クラムベリー「終わるものか! 私はぁぁぁ!!」


 クラムベリーにトドメを刺したのは……>>211

 1.キノ
 2.リップル
 3.ラ・ピュセル

3


リップル「いいや、お前はここで終わるんだ!」


背後から飛んできたリップルの手裏剣を叩き落とそうとし――急な方向転換をした手裏剣に背中をやられた。が、止まるものか

キノ、キノ、キノ。ファヴが突如追加し、自身も侮りがたい相手と認めたイレギュラー。目の前にいるのだ。どうして殺さずにいられようか

と、突如目の前の地面が盛り上がった。突如現れた壁に強か胸を打ち付けられ、空中へと舞い上がられる


ウィンタープリズン「往生際が悪いのはよくないな」

クラムベリー「ウィンター、プリズン……!」

キノ「ッ!」バララララ!


メアリ特性のマシンガンの豪雨に晒され、クラムベリーの体は傷付き、抉れていく

まだだ、まだ死ねるか、まだ、まだ強者との戦いを楽しみたいのだ。この戦いもまた楽しい。この上なく。だがまだ、世界にはまだいるはずだ。これを超える楽しみを提供してくれる獲物が――


ラ・ピュセル「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!」


上にラ・ピュセルが見えた。月明かりを反射して煌めく二振りの剣と共に――


思えば、彼女を標的とした時に……既に運命は決まっていたのだろうか。今更ながらそう思う

迫るラ・ピュセル。あれが当たれば間違いなく絶命する。それもよしか、戦いに生き、戦いに死ぬ。いい最期だ


クラムベリー「…………ヒヒッ」ニヤッ

キノ「ッ、ラ・ピュセル!」


だが死に土産をいただきたい


 ラ・ピュセルの数値……↓1コンマ二桁
 クラムベリーの数値……↓2コンマ二桁

 ラ・ピュセルの数値が勝っていた場合……クラムベリーに完璧なトドメ
 クラムベリーの数値が勝っていた場合……ラ・ピュセルに一矢報いる(40以上上回っていた場合、ラ・ピュセルと相討ち)


クラムベリー「ッ!」シュッ

ラ・ピュセル「ッ!? ぐああああぁぁぁ!!」


ラ・ピュセルの左腕を飛ばした。いつかのお返しだ

が、彼女の目は痛みに苦しむ目ではない。意地でもクラムベリーの命を獲る目だ

キノが咄嗟に撃った「痛みの弱化」と「戦意の強化」によるものだった


ラ・ピュセル「終わりだ!」


クラムベリーの首に剣が突き刺さり、そのまま股にかけてはしる

真っ二つだった


薄れゆく意識の中、クラムベリーはラ・ピュセルではなく、その後ろを見る


クラムベリー「キ、ノ……」


2つの体がドシャリと地に落ちる。クラムベリーは絶命していた

ラ・ピュセルは片腕を失いバランスが取れず、痛い着地の仕方だった


キノ「ラ・ピュセル!」

ラ・ピュセル「う……うう……倒し、た……?」

キノ「うん……倒したよ!」


クラムベリーの拘束魔法から抜け出したアリスもラ・ピュセルに駆け寄る

ラ・ピュセルが「お前に心配されたくない」と呟くと、アリスもまた「相討ちになればよかったのに」とこぼす

2人の顔に、やっと笑顔が訪れた


とりあえずラ・ピュセルに「出血量の弱化」と「生命力の強化」を撃ち、一息

トップスピードの時にはできなかったが、もうあの時とは違う。勉強した。血を流したならこの2つの弾が一番だ


アリス「この腕……くっつかないんですか?」

ラ・ピュセル「お前じゃないんだからできるわけないだろう」

アリス「……ヘッ」

ラ・ピュセル「貴様ァァ! 片腕でもお前ごとき斬り殺せるんだぞ!」

アリス「怪我人は休んで」


ナナ「まさかとは思いますが、あなた達はクラムベリーを倒すために?」

キノ「そうです。周りにクラムベリーのことを話せばスノーホワイトを殺すって……」

ウィンタープリズン「こちらと同じ状況だったということか……」

アリス「どういうことです?」

ウィンタープリズン「私達がクラムベリーに襲われた直後、そのことを周りに話せば魔法少女を殺していくと脅されていた。なるほど、だからあの時キノは言いよどんでいたのか」

キノ「あ、あはは……」

リップル「キノ、まだ終わっていない」

キノ「っ……はい……」

ラ・ピュセル「まさか……まだ、たまを?」

ナナ「たま……?」


キノ「ラ・ピュセルとアリスはもういいよ。これは私達2人の問題だから……」

リップル「行こう。クラムベリーに一撃もらってたけど、まだ死んでない。そう遠くには行ってないはず……」

ナナ「まさか……たまを殺すつもりですか!?」

リップル「そう。奴はトップスピードの仇だ」

ウィンタープリズン「トップスピードを……たまが……?」

キノ「弔いをしなきゃ、ならないんです……それじゃ」

ファヴ「ああ~待った方がいいかもしれないぽん」


突如鳴り響く電子音声。それはクラムベリーの死体のすぐそばに落ちていた、キノ達のそれとは違う形をした魔法の端末からだった


ファヴ「たまはもうこの世にいないぽん」

キノ「ッッ!!?」

リップル「まさか、クラムベリーの一撃が致命傷に!?」

ラ・ピュセル「どういうことだ!」

ファヴ「あ、ヘーイ! ニューマスター!」

ラ・ピュセル「は?」

ファヴ「マスターのクラムベリーを倒したんだからラ・ピュセルがこれからのこのゲームのマスターだぽん」

キノ「どういう……こと……?」

リップル「それはこの際どうでもいい! たまは死んだんだな!?」

ファヴ「死んだぽん。スイムスイムが殺したぽん」

キノ「はぁ!?」


ラ・ピュセル「どうなっているんだ。ちゃんと答えてくれ」

ファヴ「皆が元気に殺し合っている隙に、たまはスイムスイムを運んでこの場から離れたぽん。けどスイムスイムが目を覚まして、たまを殺したぽん」

キノ「ど、どうして……あの2人、仲間だったんじゃ……!」

ファヴ「それに関しての理由は不明だぽん。とにかくスイムスイムがたまの首を落としたぽん」

ナナ「そんな……酷い……!」

ウィンタープリズン「ナナ……」

リップル「……そう、じゃあスイムスイムはどこに?」

ファヴ「えーそれは言えないぽん。チクリ魔は嫌われるぽん」

リップル「チッ、言えってんだよ!」


 知力(29+10)ロール……直下

 成功→ラ・ピュセルに頼む
 失敗→とりあえずしらみつぶしだ


キノ「ねぇ、ラ・ピュセルから言ってみて。スイムスイムの場所を吐けって」

ラ・ピュセル「えっ?」

キノ「さっきファヴはラ・ピュセルをマスターと言った。ならマスターの言うことなら従うんじゃないの」

ラ・ピュセル「そ、そうか……」

ナナ「待ってください! スイムスイムを殺すつもりですか?」

リップル「チッ、そうだ。奴はトップスピードの……!」

ナナ「しかし、クラムベリーがマスターとのことなら、このゲームとやらは終わったはず! もう殺し合うことも……」

アリス「けど、あと1人……半分になるには足りない」

ラ・ピュセル「ファヴ、どうなんだ。もうこんな殺し合いは終わりでいいんじゃないのか!」

ファヴ「ん~、1度決めたルールはいくらファヴでも止められないぽん」

ラ・ピュセル「クソッ……!」

ファヴ「(まぁ本当はできるけど、こんなんで終わってもらったら楽しみようがない)」


リップル「それに、今奴を止めないと……犠牲が出るのはこっちだ!」

ラ・ピュセル「ッ……(スノーホワイト!)」

キノ「……たとえあなた達と敵対することになろうと、私達はスイムスイムを殺します……シスターナナ」

ナナ「っ……!」

ウィンタープリズン「貴様……!」

ラ・ピュセル「ファヴ、スノーホワイトの居場所を言え」

ナナ「!?」

ファヴ「ああ、まだ近くにいるぽん」

ラ・ピュセル「なに!? どこだ!」

ファヴ「>>直下コンマ二桁」


 00~30→君達のすぐ下だぽん
 31~60→今こっちに向かってるスノーホワイトのすぐ近くだぽん
 61~90→必死に逃げている最中だぽん
 91~99→そこの茂みで様子を伺ってるぽん

>>246

 × ラ・ピュセル「ファヴ、スノーホワイトの居場所を言え」
 〇 ラ・ピュセル「ファヴ、スイムスイムの居場所を言え」

スノーホワイトとスイムスイムは似ている。雪のような白い服に、ピンク色の髪。遠くから見れば見間違えるかもしれない

だからスイムスイムと間違えてスノーホワイトと書いてしまっても仕方のないことなのだ


ファヴ「こっちに向かってるスノーホワイトのすぐ近くにいるぽん」

アリス「ッッ! スノーホワイト!」

ラ・ピュセル「なっ、何故スノーホワイトがここにいる!?」

ファヴ「クラムベリーが呼んだぽん。本来なら戦闘中に来てもらって、スノーホワイトに気を取られた瞬間にラ・ピュセルなりハードゴア・アリスなりリップルなりを殺すつもりだったらしいぽん」

リップル「どっちだ!」

ファヴ「あっちだぽん」

リップル「チッ!」バッ

アリス「……!」バッ

ナナ「なっ、お待ちに!」

キノ「スノーホワイトが殺されるかもしれないんですよ!」バッ

ラ・ピュセル「頼む、皆!」


まさかクラムベリーがこちらへの攻撃手段を持っているとは誤算だった。変身が解けた姿をたまに見られたのも誤算だった。そうなった以上、たまを殺さなくてはならなかった

ルーラが言っていた。「魔法少女は己の正体を知られてはならない」

たまはいい子だった。おどおどしながらも自分と共にルーラに忠誠を誓い、ルーラの死後も、ピーキーエンジェルズの死後もついてきてくれた。撫でると気持ちよさそうにして、とても可愛かった。けど、仕方がないんだ

たまの無念は、自分が魔法少女を殺すことで晴らす。キノ達はクラムベリーを倒したようだ。疲弊しているとはいえ、自分より強い魔法少女があそこにはわんさかいる。どうしよう

そう思っていたところに飛び込んできたのがスノーホワイトだった

たま、私やるよ。見てて


スノーホワイト「ハァッ、ハァッ……皆、どうなってるの……!」タッタッタ

スイムスイム「(…………今……)」


 スノーホワイトの数値……↓1コンマ二桁
 リップルの数値……↓2コンマ二桁
 アリスの数値……↓3コンマ二桁
 スイムスイムの数値……↓4コンマ二桁

 スノーホワイトの数値がスイムスイムの数値に勝っていた場合……攻撃を避ける

 リップル、アリスの数値がスイムスイムの数値に勝っていた場合……スノーホワイトを庇うことに成功(リップルがスイムスイムを40以上上回っていれば無傷)

 スイムスイムの数値が他の3人のどの数値にも勝っていた場合……スノーホワイト負傷(どの数値からも40以上上回っていればスノーホワイト撃破)


リップル「クソッ、間に合わない!」

アリス「……!」シュンッ


地中から飛び出し、スノーホワイトの目の前に躍り出る。不意打ちは完全に成功した

後はこの武器――ルーラを突き刺すだけ

……と思っていたのに


スイムスイム「なっ……」

アリス「……!」ポタポタ

スノーホワイト「あ、アリス……?」

アリス「スノー、ホワイト……無事……?」

スノーホワイト「う、うん……」

アリス「よかった……」

スイムスイム「チッ……!」

リップル「ハァァァッ!!」

スイムスイム「……」スカッ

リップル「チッ! やはり当たらない……」


キノ「やっぱりあの能力……クラムベリーが言っていた……物質透過」タッタッタ

キノ「けど、弱点も言っていた…………確か、光と音……」

キノ「光と音……?」

キノ「ああもうなによそれー!」


 知力(29+10)ロール……直下

 成功→スタングレネードが袋の中にあったことを思い出す
 失敗→何も思いつかない


キノ「ああもう! とにかく、あの魔法が厄介なら……魔法弱化を!」ジャキン

スイムスイム「……キノ……!」

キノ「(こっちを睨んでる!)」

リップル「貴様! お前の相手はこっちだ!」


リップルが手裏剣を投げまくるも、効果が無い。アリスは腰が抜けたスノーホワイトの介抱に忙しい

キノはこちらにまっすぐ向かってくるスイムスイムに向け、「魔法の弱化」を放った

相手は直線的だ。外さない……だが、命中したところで当たるのか?


 幸運(78)ロール……直下コンマ二桁

 成功→キノの魔法は進化していた
 失敗→弾はスイムスイムをすり抜けた


キノの魔法のポテンシャルは★★★★★だ

その気になれば、世界すら変えられる凶悪なものだということを本人は知らないが

トップスピードを喪い、クラムベリーを倒したキノの心――魔法は一種の進化を遂げていた

キノの魔法は、音や光にも通用する。光線に向けて「光量の弱化」を撃てば弱くなり、逆もまた然りだ。音だって、響いている空間にさえ打てば音量の強化も弱化も思うがままだ

「魔法の弱化」が命中。スイムスイムは当然驚く。何故、透過したはずなのに


キノ「(当たった……!? 当たる!)」


立て続けに「魔法の弱化」を放つ。全て命中。スイムスイムは何が起こったのか分からず、とりあえず地中に逃げようとした。が、潜れない。魔法が使えない


キノ「師匠ーーーーー!!」

リップル「キノーーーーー!!」


リップルがありったけの手裏剣をスイムスイムへと放る


キノ・リップル「貫けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」


駄目押しに放った忍者刀がスイムスイムの心臓へと突き刺さる音が聞こえた


スイムスイムが、幼い子供に変わる。倒した

崩れ落ちる針山と化した少女を見て……キノは……リップルは……


キノ「………………っ、ひぐっ……」

リップル「っ……や……った、よ……」

キノ「ぁっ……あ……ぁ……ぁぁぁ……!」

リップル「これ、で……」

キノ・リップル「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」


恥も外聞もなく泣いた


まず、トップスピードの仇をとったという嬉しさから泣いた

次に、まだ小学生か園児か分からないような小さな子を見て、泣いた。自分達は、罪深いと

泣く2人に、スノーホワイト達も、シスターナナ達も、話しかけることはできない

およそ数十分後、やっと泣き止んだ。どうやら2人が泣いている間にラ・ピュセル達はスノーホワイトにすべてを説明しているようだった


スノーホワイト「そんな、ことが……って、腕!」

ラ・ピュセル「ああ……でも、君を守れたんだ。安い物さ」

アリス「私も、頑張りました……」

スノーホワイト「2人ともありがとう……私の為に……ごめんなさい。アリスもさっきはありがとうね」ナデナデ

アリス「エヘヘヘヘヘ……」ニタァ

ラ・ピュセル「なんだよ……」

スノーホワイト「そうちゃ……ラ・ピュセルも」ナデナデ

ラ・ピュセル「べっ、別に……」

アリス「…………」ゴゴゴゴゴ


ナナ「皆さん……お疲れ様でした。これで私達魔法少女は安泰ですね!」

ラ・ピュセル「確かに、最後のスイムスイムも倒したしこれで半分……あとはここにいるのだけだ。どうなんだファヴ」

ファヴ「ああー……」

ファヴ「(なんかつまらないぽん……ファヴはもっと、血みどろでグッチャグチャのが見たかったんだぽん!)」


 無理やりこのゲーム(殺し合い)を続けることもできます
 ……続けますか?

 >>↓5まで多数決


スノーホワイト「………………ファヴ、何言ってるの?」

ファヴ「えっ?」

スノーホワイト「この殺し合いゲームを続けてもらわないと困るって、ファヴ……そう思ってるよね」

ファヴ「エッ!? そ、そんなことは無いぽん! ファヴは魔法少女を育てるために……」

スノーホワイト「ファヴの声が聞こえるの。もっと血を見ないと困る。満たされないと困るって」

ウィンタープリズン「なん……だと!?」

ラ・ピュセル「どいうことだ!」

ファヴ「あ、えーっと、これはーそのー」

キノ「……ラ・ピュセル、聞いて。この戦いのことと、クラムベリーのこと。これまでのこと全部!」


マスターであるラ・ピュセルに問われたファヴは隠し事ができない。ファヴは洗いざらいすべてを話した

自分を含めた魔法の国で流通している電子妖精タイプのマスコットFAシリーズにはとある抜け道があり、ファヴはその抜け道を使い、自分の欲望を満たすために行動できるようになったこと

クラムベリーの参加した事件で召喚した使い魔が面倒で管理を怠っていたら暴走してしまったこと。そこからクラムベリーが狂い、そそのかしたら簡単に乗ったこと

そこからクラムベリーと共に凄惨な悲劇を何度も起こしたこと全部


ファヴ「いや~中でも100人試験というのは凄かったぽん。1人とんでもないのがいて――」

ラ・ピュセル「もういい!!」

ファヴ「ぽん?」

ラ・ピュセル「………………貴様、よくも……!」


 魔法少女達は……>>315

 1.ファヴを破壊し、魔法の国に報告した
 2.ファヴを破壊せず、魔法の国に報告した

2はどうなる?


リップル「貴様……ぶっ壊してやる!」

ファヴ「ま、待つぽんリップル! ちょっと話を聞いてほしいぽん!」

ウィンタープリズン「言い逃れできると思っているのか!」

キノ「師匠、待って!」

ナナ「キノ、なにか考えが?」

キノ「はい…………ファヴ、魔法の国がどうとか言ってたよね」

ファヴ「そうだぽん! あ、キノさえよければファヴから魔法の国に良いように言って出世――」

キノ「ファヴを証拠に、魔法の国に訴えましょう」

ファヴ「!? や、やめるぽん! そんなことしたら……」

ナナ「……それが、一番でしょう」

ファヴ「シスターナナまで何を言い出すぽん!?」

ラ・ピュセル「ああ。それがいいな。マスターとして命じる。お前はもう黙れ!」


・・・・・・


キノ達はファヴを通して魔法の国へとコンタクトをとり、そのすべてを訴えた

魔法少女になり、半分にすると脅され、脱落すれば死に、そこから凄惨な殺し合いに発展したことを魔法の国は重く受け止めた

ファヴはラ・ピュセルの命令により、すべてを話した

結果ファヴは解体処分。FAシリーズには構造上の欠陥があるとして表記上すべて回収され、電子妖精マスコットの評判は地に落ちた


 キノは……>>直下

 1.魔法の国「名誉住人」として魔法少女を続けていた
 2.記憶を失い、普通の暮らしに戻った


キノは魔法少女を続けていた

ラピッドスワローを駆り、困った人のところにすぐさま駆けつける正義の魔法少女……と噂にもなった

そして、キノの魔法を魔法の国は放っておかない。もっと有効活用しないかという打診もあった


 キノは……>>330

 1.人事部門に入った
 2.監査部門に入った
 3.外交部門に入った
 4.打診を蹴った

2


魔法の国は、キノのその後衛能力を高く評価され、魔法の国の監査部門所属となった

魔法の性質から、ツーマンセルでの行動が原則付けられ、どうせならとリップルも誘った

リップルは快諾してくれた

今では魔法の国監査部門期待のトップエースコンビだ

互いが互いを信頼し、悪い魔法少女を追い詰める。それが数か月に1回くらいあり、なんと給料も出た

木野結衣は高校を卒業後、声優と魔法少女という二足の草鞋で食べている。華乃とは卒業後も定期的に会い、連絡をくれる。あのアニメが面白かった、あのゲームは泣いた……どれも結衣の出演作品で、結衣は連絡をもらう度に照れる

だが、木野結衣と細波華乃がお互いの正体を知ることは、今はまだない


スノーホワイトもまた、街で野良の魔法少女を続けている

ラ・ピュセル、ハードゴア・アリスと共に日々街の平和を守る生活だ。最近はN市だけでなく、隣町も活動範囲とのことだ

特にアリスは、その魔法から外交部門より熱烈なアプローチをかけられていたがすべて蹴った。なんでも、スノーホワイトがいない場所に行きたくないとのことだ


シスターナナとウィンタープリズンは揃って外交部門に入った

あの試験を生き残った者として、定期的に連絡はある。この前はなんかすごい肩書を持った魔法少女と仕事をしたとか……確か、魔王とか言われていたような

元気ならそれでいい、とキノは今でもナナ達を毛嫌いしているリップルを横目に武勇伝に相槌を打つ


・・・・・・

~とある喫茶店~


リップル「なんでまたjこんなところで……」

キノ「まぁまぁ……あ、こっちこっち!」

スノーホワイト「キノ、リップル!」

アリス「お久しぶり……です」

ラ・ピュセル「本当に店を持っているとは……」

ナナ「こういうの、憧れだったんです!」

ウィンタープリズン「いらっしゃいませ」


シスターナナとウィンタープリズンは、大学生だったらしい。卒業後にN市郊外にある小さな喫茶店をナナの親戚から引き継いだらしい

普段は人間として、時にかつての同期が集まる場所として、それなりに儲かっているようだった


ナナ「なにせ年に1度の集まりですから、腕を振るいますよ」

ウィンタープリズン「ナナの料理は絶品だ」

ラ・ピュセル「それは楽しみだ」

キノ「ラ・ピュセル、腕治ってよかったね」

ラ・ピュセル「ああ。魔法の国が治してくれた」

アリス「そのままの方が……」

ラ・ピュセル「何か言ったか?」

アリス「いえ……」ヘッ

ラ・ピュセル「ああもう! そのにやけ顔が最初から嫌いなんだ! 表に出ろ!」

アリス「また腕を引き千切ってあげます」ゴゴゴゴゴ

スノーホワイト「もう! 2人とも!」


スノーホワイト「キノは明日また仕事なんでしょ?」

キノ「うん。監査部門が手を焼いてるって上司が言ってた魔法少女が居て……」

リップル「ソイツは通常の手段じゃ太刀打ちできないようなんだ」

ラ・ピュセル「そんな強敵が……」

キノ「名前はなんて言ったかなぁ……」

リップル「忘れないでよ……まったくキノは」

ラ・ピュセル「リップルも丸くなったな」

アリス「前までは切れたナイフだった」

リップル「どういう意味……」


ナナ「じゃあ皆さん、乾杯しましょう!」

スノーホワイト「あの、私まだ未成年で……」

ウィンタープリズン「ジュースもあるさ。じゃあ音頭は……」

キノ「…………えっ、私ですか?」

リップル「ほら」

スノーホワイト「キノ!」

ラ・ピュセル「君がやらないと締まらないだろう」

アリス「……」ソワソワ

キノ「じゃ、じゃあ……乾杯ー!」

「「「「「乾杯ー!!」」」」」


キノ達はこうしてかつての仲間との交流と情報交換をを欠かさない

先日捕まえた水晶を持った魔法少女を逮捕したことも、今は忘れよう

笑い、食べ、飲み、日々の疲れを癒す。キノはこの年に1回しかない集まりが大好きだった。できれば、ずっとこのまま――




この後、キノはリップルと一旦別れ、キノはとある魔法少女の監査に。そのまた後、リップルは監査部の上司とB市に行くことになるのを、彼女たちはまだ知らない


 魔法少女育成計画 ―完―

お疲れ様でした
誤字脱字多くてすみません

ラピッドスワローは箒そのものに機能があったという解釈です。プキンの剣やパトリシアの手錠的な
キノは飛ぶとき、常にバイクモードにして、ついでに族みたいな装飾はちょっとアレだったので黒塗りにしています。箒自体は喋ったりしません
クラムベリーはもっとしぶといと思ったのですが、まさかコンマで原作並みのあっけなさになるなんて
そしてナナとウィンプリは死ぬと思ってましたしラ・ピュセルも死ぬと思ってました

近いうちに熱が残っていたらrestartか2週目でもと思います
その時のアンケです


 1.完全新規で無印を2週目
 2.完全新規でrestart
 3.この話の続編でrestart


↓6まで多数決

アンケ結果……3

この世界線でのrestart


キークがクラムベリーの子供達をゲームに参加させる基準ってありましたっけ?
restartが布教のため手元に無く、確認できません

基準はキークにとって魔法少女らしくない、子供達。人を殺したり、卑怯だったり、正しくなかったり、そういうのが基準だったはず。二代目は手違いで、魔王は音楽家の協力者だったから一人だけ魔王になった。違ったらすまぬ。

申し訳ない自己解決(思い出した)
クラムベリーの試験をパスしてその記憶を失っている魔法少女でしたね

ではまた、restart開始時に新しくスレを立て、ここにも報告させていただきます

安価協力・読んでいただきありがとうございます

>>361
人間が何故感謝するか分かった。俺にはありがとうとしか言えないが


魔法の国を震撼させた森の音楽家クラムベリーの悪行の数々が暴かれてから半年後

監査部門所属の魔法少女キノが、ラ・ピュセルとハードゴア・アリスを侍らせるスノーホワイトからとある魔法少女を突き出されたのは突然だった

猿轡を噛まされ、手足を縛られた魔法少女がキノの前に転がっている。見覚えは無いが、その魔法少女を手土産に自分を監査部門に入れてくれとスノーホワイトに言われ、キノは2度驚いた

拘束された魔法少女――ピディ・フレデリカは何かを言いたそうな目をキノとスノーホワイトに向ける

野良魔法少女であるスノーホワイトは「いざという時に仲間と共に戦うため、強くなりたい」と思っていた。そこにフレデリカは近付いたらしい。彼女はヴェス・ウィンタープリズンに協力を仰ぎ、スノーホワイトに稽古をつけさせた。ウィンタープリズンは、スノーホワイトが強くなりたいと願うのなら手助けをするのが同じ試験を生き残った者としてできることだと快諾した。ウィンタープリズン本人は完全なる善意だったのだが、それを利用された

ラ・ピュセルとハードゴア・アリスの考えは「私達で守るからスノーホワイトは戦わなくていい」だが、スノーホワイトは違う。フレデリカはそこもかいくぐってきた。結果、スノーホワイトは数ヶ月のウィンタープリズンとの訓練で強くなった。ラ・ピュセル、アリスと共にフレデリカを倒すほどに

だが、聞いている限りではフレデリカに捕まる要因は無い。むしろ感謝すべきではとキノが首を捻ったところでフレデリカの猿轡が外れた


フレデリカ「スノーホワイト、あなたは……まだ!」

スノーホワイト「……!」

フレデリカ「分かるでしょう!? 仲間と共に正義のために戦い、弱い者のために涙を流す、強く優しく格好良く! そんな魔法少女にっ、あなたはっ、なれるんですよ!」

スノーホワイト「ええ……感謝しています。あなたが私を『魔法の国転覆の旗印』にしようとしなければ、あなたは私の人生の師だったでしょう」


スノーホワイトの雰囲気が違う。訓練を積み、鋭さを身に着けた

なんということだ……あのスノーホワイトが、優しさと笑顔の中に強さも兼ね備えてしまった。彼女をここまで育てたフレデリカに脱帽したい気分だ


キノとリップルは監査部門。シスターナナとウィンタープリズンは外交部門とどちらも魔法の国の管理下にある。が、スノーホワイトをはじめとする3人は違った

フレデリカはスノーホワイトに野良魔法少女としての身の丈に合った心得と、あわよくば魔法の国に都合のいいところに所属させ管理下におけるよう魔法の国から要請を受けていた

表向きに、彼女は魔法の国の認可を受けた優秀な「本物の魔法少女」だ。が、本性は違った

その真の顔は、魔法の国の現状に不満を持つ不穏分子――魔法の国の転覆を目論む側の人間だったのだ

そして自分の理想の魔法少女像を他人に押し付け、魔法少女を愛で、魔法少女の髪がなにより大好きな変態だった。悪人・変態・クズ、三拍子そろっていた

フレデリカはスノーホワイトの担当となり、スノーホワイトの望むものを与えてやった。戦う力、考える力、魔法少女としての心得、リアルとの折り合い、果てには中学卒業後の進路相談までなんでも乗った

スノーホワイトは素直でいい子だから、フレデリカを師と仰ぎ、信頼してなんでも話してくれた。その内に、フレデリカは自分の中の理想の魔法少女像を故森の音楽家クラムベリーからスノーホワイトへと変えた

スノーホワイトは王道の正義だ。正義はフレデリカの語る魔法の国の現状に黙っていないだろう。そして力さえあれば実行に移すだろう。それがフレデリカの狙いだった


フレデリカ「私は、私の理想とする魔法少女を作りたいだけなんですよ。魔法の国なんてどうでもいい……私はスノーホワイトが……!」

スノーホワイト「キノ、もう1度猿轡をつけて。あと、私の監査部門入りもよろしく言っておいて。お願い」

キノ「う、うん……分かった」


スノーホワイトの顔に笑みは無い。彼女が笑っていないのを見るのが珍しいくらいだったのに

まぁ話を聞く限り、スノーホワイトはフレデリカを相当信頼していたようだ。そんな者に裏切られれば当然だろう

試験の時やその直後と比べて、どこか吹っ切れた顔をしている。フレデリカと出会い、自分の魔法少女像が決まったのだろうか。キノが何故監査部門に入りたいのか聞くと


スノーホワイト「その人の言うとおり、私は正義の魔法少女だから、私が最初に思い描いた魔法少女……清く正しく美しく……それを貫くために、悪い魔法少女を正していく……私はそう決めたの」


キノ「ラ・ピュセルとアリスは? 一緒に入るの?」

ラ・ピュセル「いや、キノと違って私達は1人でも戦える……ああ、君が弱いとかそういうのじゃないよ。だから1人でどこか遠く……スノーホワイトを守ることのできない場所に仕事で行ってしまうこともあるだろう」

キノ「まぁ、そういうものだね」

アリス「そんなの嫌です……」

ラ・ピュセル「だから私達は引き続き野良だ」

キノ「うーん……いいのかな?」

アリス「私はスノーホワイトの持ち物ですから……私物にまで口出しはされません」

キノ「人間じゃないと申しますか」


2人がそう言うのなら仕方ない。監査部には自分が話を持って行こうと言うと、スノーホワイトは「ありがとう」と笑顔を見せてくれた

うん、やっぱりスノーホワイトには笑顔が似合う


ファヴの配布した魔法の国のアイテムは、1度キノ達によって「本当は魔法の国の物だけど所有者があやふやなので一応預かっておく」という形をとってある

スイムスイムが最期に持っていた武器「ルーラ」と透明外套と元気の出る薬、カラミティ・メアリの遺物である四次元袋、そしてアリスがその寿命と引き換えに購入し、スノーホワイトに譲渡した兎の足

その5つをどう分配するか、それはスムーズな話し合いによって決まった

まず透明外套はその性質からリップルが、元気の出る薬は外交部門の仕事上よく使うことになるだろうシスターナナ達が、兎の足は持ち主のスノーホワイトが、そしてルーラと四次元袋はキノが一応持っておくことになった

四次元袋はキノの魔法の性質上手放すのは惜しい。ルーラも戦闘能力を持たないキノに向いている

だがキノはリップルと相談し、これから戦うことになるのならと餞別としてルーラをスノーホワイトに渡した

四次元袋の中にあった物も、もし使える物があれば配ろうと1度皆でいるときにすべて出し、何故か一緒に入っていたメアリが強化したであろう消火器をアリスが妙に気に入っていたのであげた


それから数年後、スノーホワイトはラ・ピュセル、ハードゴア・アリスと共に監査部門のエースとなる。戦闘力の強い3人に敵う魔法少女はおらず、つい先日は戦闘力なら魔法の国屈指といわれていたフレイム・フレイミィを逮捕したとのことだ

最近は同じ部門の所属だからか、よく連絡を取り合うし、必要があれば直接会って話している。スノーホワイトは初めて会ったときの優しい笑顔そのままに、実戦で培った強さを感じさせた。ラ・ピュセルもアリスも、以前よりずっと強くなっている

数年前までは自分達が監査部の期待の新人だったのに、抜かれちゃったかな? とリップルと話していると、悔しいというのはまったく無く、なんだかとても誇らしい


リップル「キノだってかなり強くなったよ。身体能力は高いんだから、もう1人でも十分やっていけるよ。だから今度の監査はキノの単独でしょ?」

キノ「うう、私は師匠と一緒の方が……」

リップル「ははは、私も。何かあったら言って。バックアップくらいはしてあげられるから」

キノ「ですね。悪い人じゃない、もしくは簡単に捕まえられればいいんですけど…………あ、メールだ。どこからだろう」

リップル「こっちには無いね……キノだけに来たみたいだ」

キノ「えーっと、なになに……魔法少女育成計画………………は?」


そう表示されたメールが画面を勝手にスクロールし終わった時、キノは意識を失った


>>244で魔法少女の人数を間違えて最後の最後で謎の矛盾を生じさせてしまったのは私の責任だ。だが私は謝らない
次スレでは愛しのラピス・ラズリーヌがベルっちとイチャコラしてくれると信じているからだ

次スレは明日にでも

ちなみに次スレ以降の主人公はキノではありません(なので展開次第で簡単に死ぬこともあります)
キャラメイクは1人、次スレ開始時に

失礼、変な伝わり方をしたかもしれません
一応キノ視点もあります。が、割合としては新キャラ7:キノ3くらいの割合です

SEEDdestinyのキラとシンみたいにはしません


次スレ
【まほいく安価】キーク「18人目もゲームに入れよう」【魔法少女育成計画restart】
【まほいく安価】キーク「18人目もゲームに入れよう」【魔法少女育成計画restart】 - SSまとめ速報
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