【FE聖戦】エスリン「聖騎士誕生ですって」オイフェ「はあ…」 (152)

※こちらは「ファイアーエムブレム 聖戦の系譜」のSSです。

※ノリや空気に関してはこっちのSSシリーズを参照ください
【FEif】ヒノカ「カムイを逆レイプしたい」レオン「えっ」
【FEif】ヒノカ「カムイを逆レイプしたい」レオン「えっ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1436698336/)

※全体的に下ネタ・R-18・キャラ崩壊多いです

※カップリングに関しては自分が実際のゲームで進める場合によくくっつける組み合わせになります。
 論争駄目、絶対

※VCファイアーエムブレム聖戦の系譜 3DSやWiiUなどで配信中!(ダイマ)


………記憶の彼方の時代、魔王の闇が世を満たし………




???「結婚は3親等以内しか認めません!これは帝国憲法の一番最初に書いてください!」

???「逆らったやつは皆殺しで!わかりましたね?」

ガレ「仰せのままに………」





世界は悪夢の中にあった(迫真)

果てしない嘆きの日々、むなしく見上げる天は暗い……




??????「何やってんだあの馬鹿………」

???「……これはお仕置きが必要みたいですね………ロプトちゃん?」


十二の神、天より来たり、邪悪な闇に立ち向かい……

光を呼び、魔を焼きつくし……



???「これでも喰らいなさい!」ドロ-

???「びゃあああああああっ!なんですかこれぇっ!痒い!痒いですっ!」

???「アカネイア原産の長芋です。私が魔力をたっぷり込めて作りました」

???「……とりあえずロプト帝国はこれで崩壊な」




失われし希望が再びこの世によみがえった……

そして今、 無数の昼と夜がめぐり、全ては伝説の中へ……





【シアルフィ公国 シアルフィ城】

シグルド「ふう……」

オイフェ「シグルド様、どうなされたのです?」

オイフェ「……もしや、イザークに行かれたバイロン様がご心配ですか?」

シグルド「ああ、オイフェか……いや、父上のことは心配していない」

シグルド「あそこまでの大軍での戦いだからな……もう大勢は決まったようなものだし……」

シグルド「…………それよりも、少し思うところがあってだな……」

オイフェ「思うところ……ですか?」

シグルド「うむ……」

オイフェ「心配事でしたら聞きますよ?私では力になれないかもしれませんが……」

シグルド「い、いや……大したことじゃない……」

シグルド「以前から……エスリンが嫁いでからずっと考えていたことなんだが……」

オイフェ「はあ………」

シグルド「………私も恋というものに憧れていてな………」

オイフェ「……………」

オイフェ「………え?」

シグルド「……笑うなら笑って構わない。けど、真剣なんだ……」

オイフェ「え、ええ、笑いませんよ!シグルド様もそんなこと考えて当然ですよね!」

シグルド「うん、だが………」

シグルド「如何せんわからないんだ……生まれてこの方異性というものを意識したことがなくて……」

シグルド「しかもこの城も完全に男所帯だから浮いた話もないし……」

シグルド「………せめて出会いがあれば……」

オイフェ「お、お見合いの話とかはないんですか?シグルド様はシアルフィの嫡男なんですし……」

シグルド「お見合い結婚だと恋愛ができないじゃないか!なんか政略結婚っぽくて!」

シグルド「……なんか、こう……ロマンチックな恋愛がほしいんだ、私は……」

オイフェ「なんかめんどくさ……こほん……何かに影響されたんですか?」

シグルド「いや、エスリンを見てたらそう思うさ……」

シグルド「キュアンとあそこまで情熱的な恋愛をして……羨ましい……」

オイフェ「………はあ……」

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アーダン「………」

アレク「……アーダン……何でシグルド様の部屋に聞き耳立ててるんだよ」

アーダン「おう?アレクじゃないか……いや、少しおもしろい話が聞こえたんだよ」

アレク「面白い話?」

アーダン「………シグルド様がな……」

アレク「うむ………」

アーダン「……恋に憧れてるんだとよ」

アレク「……………」

アーダン「……………」

アレク「……………っ」プルプルプル

アーダン「おい……笑ってるんじゃねえぞ!?シグルド様真剣みたいなんだからな!」

アレク「い、いや……すまねえ……」

アレク「で、でもシグルド様が恋って………あの人らしくなさすぎだろ……」

アーダン「ああ……あの人士官学校卒業してから女っ気なさすぎだからな………」

アレク「そのうちラケシス様かエーディン様あたりと見合いすんのかなー、とか思ってたけどな。俺は……」

アーダン「……キュアン様やエルトシャン様が結婚したのを見て、割と本人も焦ってるのかもしれん」

アレク「あー、なるほどな……同期2人が結婚したら焦りたくもなるか」

アレク「確かに俺とノイッシュだけ結婚したらお前かわいそうだもんな!」

アーダン「なんで俺を引き合いに出すんだよお前」

アレク「……結婚ねぇ……でもキュアン様見てると結婚も大変だと思うがな……」

アーダン「……あれは特殊な例だろ……でもよくエスリン様を娶る気になったよな」

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エスリン「ふふ……久しぶりのシアルフィね、兄さんたち元気にしてるかしら」

キュアン「ああ、私もシグルドに会うのは久しぶりだ……手紙では特に異常はないみたいだったが」

エスリン「………はふぅ……楽しみね、アルテナのことも報告しなきゃいけないし」

キュアン「そうだな……ところでエスリン」

エスリン「はい?」

キュアン「馬車内で私のゲイボルグ(意味深)に触るのやめてくれないか?」

エスリン「え?ダメなの?」

キュアン「駄目に決まってるだろう!?状況を考えてくれ!」

エスリン「わかったわ、じゃあ触るのをやめてお口で………」

キュアン「だからそういうことじゃほあっ!?」

エスリン「じゅる………じゅるるる…………」



フィン「………聞こえてるんだよなぁ………」←馬車の外で待機中

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アーダン「……10代の前半の頃から官能小説を人前で堂々と読む人だからな……あの人……」

アレク「そのせいで性に奔放すぎるんだよなぁ……ビッチではないんだけど……キュアン様一筋だし」

ノイッシュ「……お前たち、こんなところで何をやってるんだ」

アレク「あ、ノイッシュ!?」

アーダン「……どうかしたのか?」

ノイッシュ「……緊急事態だ。シグルド様にも知らせなければならない」

ノイッシュ「……ユングヴィ城がヴェルダンから攻撃を受けている」

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【ユングヴィ城】

ミデェール「………エーディン様、敵に城を包囲されました」

ミデェール「我が城に残っているのはほとんど弓兵……、これでは……」

エーディン「………そう、ですか」

ミデェール「くっ……姫様をお守りすべき我々が、ふがいないばかりに………」

エーディン「いいんです。今は一人でも多く生き延びることを考えてください」

ミデェール「いえ、エーディン様!我々は最後の一人まで貴女を守る覚悟です!」

ミデェール「命に代えても……必ずや……」

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シグルド「………ユングヴィ城が……?本当か?ノイッシュ?」

ノイッシュ「はい。ユングヴィ城がヴェルダンに襲われていると伝令が」

アーダン「なんだって……」

オイフェ「ユ、ユングヴィは主力の殆どが遠征中で、たしか残ってるのは……」

ノイッシュ「……残っているのはアーチナイト部隊のみ……善戦はしたものの……」

ノイッシュ「ほとんど壊滅しているという話だ……」

アレク「マジかよ……すぐに行かないと!」

アーダン「だ、だけどよ……主力がいないのはうちも一緒だろ?」

アーダン「ここにいるのはシグルド様と、俺ら三人だけだぜ?」

アレク「じゃあ見捨てるっていうのかよ!?」

アーダン「そうは言ってないっての!」

ノイッシュ「シグルド様の前だろう?喧嘩はやめろ」

オイフェ「……どうしましょうか、シグルド様……」

シグルド「………たしかにヴェルダン軍は蛮族とは言え大軍だ……」

シグルド「…だが、それを口実に戦わず、幼馴染を見捨てるのは騎士道に反する」

オイフェ「と、いうことは……」

シグルド「……ノイッシュ、アレク、アーダン。この戦いは命を捨てることになるやも知れぬ戦いだ……」

シグルド「お前たちを巻き込む訳にはいかない……降りたければ降りてくれ」

アレク「何いってんですか!主君が行くと言ってるんだから共に行くに決まってます!」

ノイッシュ「アーダン、守備の方は任せたぞ」

アーダン「わかってるって。シグルド様。城の方は任せてくださいよ」

オイフェ「シグルド様、僕も良ければ連れて行ってください」

オイフェ「こんな大変なときに留守番なんて嫌です……僕も行かせてください!」

シグルド「……みんな……よし、行こう。目指すはユングヴィだ!」

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【ユングヴィ城】

ガンドルフ「へへへ……兄ちゃん、よく頑張ったじゃねぇか………」

ミデェール「くっ………」

エーディン「ミデェール!早く逃げて!」

ガンドルフ「だがそれもここまでだ!喰らえ!」

ブゥン!

ミデェール「ぐっ、あああああっ!」

ドサッ

エーディン「ああっ……ミデェール……!」

ガンドルフ「……ふっ、俺としたことが張り切りすぎたな……」

ミデェール「え、エーディン様……お許しを……」

ガンドルフ「ククク……こいつはなかなかの上玉だな……」

デマジオ「ガンドルフ王子、いい戦利品を手に入れたじゃねぇですか!」

ガンドルフ「ああ、こいつはマーファに連れ帰って俺の嫁にする……いいだろう?」

デマジオ「ゲヘヘ……涎が出ちまいますね……」

ミデェール「この…!」

エーディン「くっ……あなた達はけだもの!けだものです!」

ガンドルフ「なんとでも言いやがれ……そういうのを負け犬の遠吠えって言うんだよ…」

ガンドルフ「さあ、行くぞ、グズグズするんじゃねえ!さっさと起きやがれ!」

ガバッ

ミデェール「……………へ?」

ガンドルフ「くくく………見れば見るほど線の細いいい男じゃねぇか……ゾクゾクするぜ……」

エーディン「………は?」

デマジオ「……え?」


ガンドルフ「よし、マーファに凱旋だぁっ!」

デマジオ「王子……ちょっと待って下せぇ……戦利品はこっちの女じゃねぇんですか?」

エーディン「そ、そうですよ!?私もそのつもりで覚悟してたんですが……」

ガンドルフ「……………………」

ガンドルフ「………?」

デマジオ「いや首を傾げないでくださいよ?何言ってんだこいつみたいな顔しないでくださいよ……」

ガンドルフ「お前こそ何言ってんだ……明らかにこっちの男のほうがいいだろう?」

デマジオ「よくねぇよ!?キンボイス王子もそう言いますってば!」

ガンドルフ「なんだよ……これからグランベルに攻め入れば、いい男が取り放題なんだから文句をいうんじゃねぇよ……」

デマジオ「いらねえんですけど!?」

ミデェール「こ、これは……貞操の危機というやつなのでは……」

エーディン「ミ、ミデェール……」

ミデェール「え、エーディン様………」

エーディン「……た、多分抵抗しなければ命は奪われないと思いますから頑張って?」

ミデェール「エーディン様ぁぁぁぁぁっ!?」

ガンドルフ「さあ、行くぞ!グズグズすんじゃねえ!」

イヤアアアアアアアアアアアアアアア!

ガタン……ダッダッダッダ……

エーディン「………ま、まずいですね……早くミデェールを助けに行かないと……」

デマジオ「おっと、どこに行くつもりだ?」

エーディン「……あなたは占領軍の指揮官ですか?お願いです。この城の財は持っていって構いません」

エーディン「ですが、今すぐ私を開放してください。このままではミデェールが……」

デマジオ「ゲヘヘ……そうはいかねぇな……ガンドルフ王子の行動には唖然としたが……」

デマジオ「逆に言えばてめぇを好きにしても問題ないってことだ……」

デマジオ「……つまりお前はこれから俺のカキタレになるんだよぉ!」

エーディン「……やはりケダモノは所詮ケダモノというわけですか……仕方ありません」

エーディン「……父上、申し訳ありません。言いつけの方を破らせていただきます」

エーディン「………あなたには今から誅伐を与えます。身から出た錆ですので恨まぬよう」

デマジオ「はっ、戦闘力のないシスターが何言ってやがる!かかれっ!」

エーディン「…………………」

カッ!

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シグルド「よし、行くぞ皆!目標はユングヴィだ!」

アレク「はい!」

ノイッシュ「仰せのままに!」

オイフェ「…………」

オイフェ(こうして、後の世の歴史に『聖戦』と書かれた戦の火蓋が落とされた)

オイフェ(この戦いをきっかけにして、私は何十年という戦いの中に身を投じる事になった)

オイフェ(……そして、その中で私は多くを知ることになる)

オイフェ(新たなる仲間との出会いや、つらすぎる別れ、そして何よりも感じることになったのは……)

オイフェ(……『聖戦士やばい』という直球の感想だった)

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キュアン「何!?ヴェルダン軍の侵略だと!?」

キュアン「くっ……なら私もシグルドに力を貸さねば……行くぞ、シアルフィへ!」

エスリン「杖が使えるものがいないと危ないわ!私もイキます!」

キュアン「ぐっ!?え、エスリン、ちょっと待て……今大事なところだから……」

エスリン「くっ……あああっ……キュアン、早くイカないと早く行けないわよ……?」

キュアン「待ってくれ!?もう何回目だと思ってるんだ!?私はもう……」

エスリン「そうね……急がないとまずいし、全力で………」

ジュポジュポジュポジュポ……



フィン(……早く終わらないかな)←待機中

とりあえずこんな感じで
リハビリ程度にがんばります。

言い忘れていましたがこのシリーズは聖戦の系譜のシナリオをなぞっていく形になってます。
なので聖戦の系譜プレイ済みの方が楽しめると思います。(前シリーズからしてそうでしたが)

今日の夜来ます

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アゼル「……ふう、ユングヴィがヴェルダンに襲われていると聞いて飛び出してきたけど……」

アゼル「やっぱりヴェルダンとの数の差は歴然みたいだね……その証拠に……」

ヴェルダン兵A「うぐぐ………」

ヴェルダン兵B「ぐへぇ………あちぃよぉ……」

アゼル「……北の方の守りが手薄になってる。やっぱり来て正解みたいだね」

レックス「お前も物好きなやつだな……アゼル。放っておいても良かったものを」

レックス「……あれか、エーディン公女が心配なのか?お前は昔っからエーディン公女が……」

アゼル「……ちょ、それは関係ないだろ!?」

レックス「照れるな、可愛い奴め。……ま、いずれお前の処女は俺がもらうがな」

アゼル「……いつも言ってるけど、それは冗談なんだよね?」

レックス「当たり前だろ……俺はもっと……がっしりとした男が好みでね……」

アゼル「……そ、それも冗談なんだよね?ねえ、ねえ!?」

レックス「よし、俺はこのまま北の方の警護を続ける。お前はユングヴィの方に行ってやれ」

アゼル「ねえレックス!?質問に答えてもらってないんだけど!?ねえ!?」



アレク「あれ?あそこにいるのヴェルトマーのアゼル公子とドズルのレックス公子じゃね?」

ノイッシュ「援軍ということか……北はあの二人に任せて大丈夫そうだな」

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【ユングヴィ城】

シグルド「ふう、中々数が多かったが……」

オイフェ「なんとかたどり着けましたね。ヴェルダンの戦力がほとんど斧兵だったのにも助けられました」

シグルド「アレクとノイッシュには村を襲おうとしている賊の排除を頼んできたが……大丈夫だろうか?」

オイフェ「危なくなったら引くようには言ってきましたけど心配ですね……せめて杖を使える治療係がいれば……」

エスリン「呼んだかしら?」ヒョイ

オイフェ「うひゃい!?」

エスリン「久しぶり、治療だったら私に任せて?兄さん、オイフェ」

オイフェ「え、エスリン様!」

シグルド「エ、エスリン!?どうして君がここにいる!?レンスターに行っているはずじゃ……」

エスリン「赤ちゃんが生まれた報告に実家に帰ろうとしたら大変なことになってるみたいだったから……」

エスリン「それより兄さん、大丈夫?ケガとかしてないかしら?」

シグルド「今のところはかすり傷だが……念のためにだ、頼む」

エスリン「わかったわ。ライブ!」パァァァァァ……

シグルド「ふう……」

オイフェ「エ、エスリン様……あなたがいるということは……」

キュアン「……ああ、私もいるぞ……久しぶりだな、シグルド……」

シグルド「キュアン!?君も来てくれたのか!?と言うか子供ができたのか?おめでとう!」

キュアン「あ、ああ……ありがとう……戦場で言う話ではないが……」

エスリン「そうね、落ち着いてから話しましょうか」

シグルド「あ、そうだな……まずはヴェルダン軍をどうにかしてからだ」

キュアン「そうだな……うん………」

キュアン「……多分近いうちにもう一回来るしな……うん……」メソラシ

エスリン「うふふ……」ニコニコ

オイフェ「……………あっ」(察し)

フィン「キュアン様、この周辺の敵は倒し終えたようです」

キュアン「偵察済まないな、フィン……」

シグルド「フィン、君も来ていたのか……だが、もうすでに敵はそこまで減っているのか……」

オイフェ「アレクやノイッシュたちがうまくやってくれたんでしょうか?」

フィン「いえ、どうやら援軍があったようです。その方たちが敵を倒しているようですね」

シグルド「援軍か、ありがたい……」

オイフェ「ともかく、僕らはユングヴィ城を制圧しましょう」

オイフェ「エーディン様が無事かどうか調べないと……」

エスリン「けど妙ね……外の警備の兵士が倒したのに、指揮官が動く様子がないわ」

キュアン「……む?そうだな……何かの罠の可能性もある」

シグルド「だが、飛び込まなければどうにもならないだろう。こっちの戦力は十分だ」

オイフェ「シグルド様、キュアン様、エスリン様、フィンさん……これだけいればどうにかなりますね」

エスリン「いざとなれば私が回復するわ。行きましょう」

フィン「万一に備え私が城の扉を開けましょう。シグルド様達はそれに続いて踏み込んでください」

シグルド「よし……行くぞ……!」

バターン!

フィン「はあっ!」ダッ

シグルド「エーディン!?無事か!?」ダッ

オイフェ「エーディン様!」

エーディン「ユングヴィ百烈拳!!」ドスドスドスドスドスドス!

デマジオ「うわらばっ!?」ドブシュ!


ナギッペシペシナギッペシペシハァーンナギッハァーンテンショーヒャクレツナギッカクゴォナギッ
ナギッナギッフゥハァナギッゲキリュウニゲキリュウニミヲマカセドウカナギッカクゴーハァーテンショウヒャクレツケン
ナギッハアアアアキィーンユングヴィウジョウダンジンケン!


デマジオ「」

エーディン「……せめて痛みを知らずに安らかに逝ってください……」

オイフェ「」

キュアン「」

フィン「」

シグルド「エーディン!無事だったのか!」←(幼馴染なので慣れてる)

エスリン「本当に良かったわ……」←(幼馴染なので(ry)

エーディン「……あ、あら?シグルド様!どうしてここに!?」

フィン「……た、助けに来た相手がバスケをしていた……どういうことなんだ……?」

エーディン「心配をおかけして申し訳ありません……シグルド様」

シグルド「いやあ……ヴェルダン軍に囲まれたときは危ないと思ったけど……」

エスリン「流石にあの程度の規模の軍だったら余裕だったみたいね……」

エーディン「いえ……敵が撤退したから私のような未熟者でも何とかなっただけです……」

エーディン「危なかったのは本当でしたから……助かりました、シグルド様」

フィン「あ、あの……エーディン様……あなた……シスターですよね?」

エーディン「ええ、そうですよ?」

フィン「そ、その……シスターの割にお強いなぁ、と……」

エーディン「いえいえ、私は武器が使えませんから………」

オイフェ「まあ武器を使ってないのは事実でしたけども………」

キュアン「お、おい……シグルド……エスリン、どうなっているんだ……?」

キュアン「ユングヴィは聖戦士ウルの家系だから弓が強いのは知っているが……」

オイフェ「……継承されてる神器もイチイバル……弓の神器のはず……」

オイフェ「なのにその近接戦闘は何なんですか……?」

フィン「……正直に言わせていただければ……見習いの私より圧倒的に強いのでは……?」

シグルド「……ん?まあ話せば長いんだが……」

エーディン「……弓の歴史というのはユングヴィの表の話です」

エーディン「イチイバルを継承する直系、ですが継承できない傍系は……」

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【十年と少し前 とある山岳地帯】

エーディンの父 リング「……………」

エーディン「…………」

エーディンの弟 アンドレイ「あ、あの……父上……なぜ我々をこんな崖に追い詰めたのです……」

リング「………アンドレイよ、我がユングヴィ家はどういう家系なのだ?」

アンドレイ「え、えっと……聖戦士ウルの血を引く、イチイバルを継承する一族です」

リング「……半分正解だ。だが、イチイバルを使えるのは直系のみ……」

リング「お前もエーディンも聖戦士の痣が出ておらず、イチイバルを使用することはできない……」

リング「それならばイチイバルを継承するという我が家の役割を果たせないことになるな?」

アンドレイ「う……」

リング「では、イチイバルを使えない貴様らは、どういう役割を持つのか?」

リング「それこそがユングヴィ家のもう半分の側面なのだ……」

アンドレイ「そ、それってどういうこと……?」

リング「……質問を変えよう。イチイバルを持つものの弱点は何だ?」

アンドレイ「え?神器に弱点なんかないんじゃ……」

エーディン「………」

エーディン「………近接戦闘、ですね」

リング「……正解だ。エーディン」

リング「いかにイチイバルといえど、懐に潜り込まれてしまえばただの弓……」

リング「故にイチイバルとて無敵ではない。アンドレイ。もう少し勉強するべきだったな」

アンドレイ「ご、ごめんなさい………」

リング「だからだ、弓を使うもの、その側に立つものとしてお前たちには……」

リング「『ユングヴィ神拳』を伝承してもらう」

アンドレイ「ユングヴィ……」

エーディン「神拳……?」

リング「うむ……弓の死角を補うため、我らが何代にも渡って継承してきた近接格闘術……」

リング「いずれブリギッドが戻ってきたときのためにもお前たちの身体に叩き込む……」

リング「ぜぇぇぇぇぇぇい!」

ドガアッ!

アンドレイ「うわあっ!?」

エーディン「きゃあっ……!?」

リング「………獅子は我が子を崖から突然落とし、戻ってきたもののみを育てるという……」

リング「エーディン、アンドレイよ……まず話はそれからだ……」

アンドレイ「父上ええええええええええええっ!?」

エーディン「くっ……これも試練ならばっ!」バッ

リング(む?落ちている途中に受け身の体制を取ったか……エーディン……なかなかやりおる……)

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【そして三日後】

エーディン「はあ……はあ………」

アンドレイ「」グデーン

リング「まさか……二人共生き残るとはな……」

エーディン「………ち、父上……これでよろしいでしょうか……?」

リング「まさか足の折れたアンドレイを背負って崖をロッククライミングしてくるとは思わなかったぞ……」

エーディン「ええ……どうしても見捨てられませんでしたので……」

リング「呵呵っ……面白い……それでこそユングヴィの子よ……」

エーディン「では…、父上!」

リング「うむ……ユングヴィ神拳の全て……お前に継承させよう」

リング「だが修行はこれ以上に辛く険しいものだ……それにお前は耐えられるかな?」

エーディン「……それが私の使命であれば……父上……いえ、師父(マスター)!」

リング「よくぞ言った!ではすぐに修行じゃあっ!」


アンドレイ(殺す……絶対殺す……父上殺す……苦しませて殺す………)

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エーディン「こうして私はユングヴィ神拳を継承したのです」

オイフェ「どうしよう。ユングヴィが恐ろしくなりましたよ」

キュアン「は、初めから戦えばよかったじゃないか……」

エーディン「……家訓により、命の危機に瀕した時か、イチイバルを持つ者の守護にしか使ってはならぬのです」

エーディン「……最初からこの拳が震えていればミデェールも……」

シグルド「ん?ミデェール…?そういえば彼がいないね?」

エーディン「はい……ヴェルダンのガンドルフ王子に連れ去られてしまって……」

キュアン「ミデェールを……?何故だ?普通に考えればエーディンをさらったほうが……」

エーディン「……ガンドルフ王子の嫁にするらしいです」

オイフェ「……ええ……?」

シグルド「お、男同士で恋愛だと!?」

エスリン「さ、流石に同性愛はドン引きよ……」

フィン「エスリン様も駄目な属性があったんですね……」

エスリン「生憎だけど私は純愛小説しか受け付けない体質なの……」

キュアン「官能が抜けてるぞ官能が……」

シグルド「くっ……ヴェルダンめ……所詮蛮族か……」

シグルド「……待てよ……?それは男同士でも恋ができるということなのでは……」

オイフェ「そんなことしたら僕、お暇を頂きますからね」

シグルド「じょ、冗談だぞオイフェ……流石にそんなことはしない……」

オイフェ「冗談でも言っていいことと悪いことがありますからね?」

シグルド「大丈夫だ……言っておくが私にも理想のタイプというものがあるんだぞ?」

シグルド「銀髪で清楚で可愛らしい物静かな謎めいた女性が好みなんだ……」

オイフェ「やけに具体的ですね……」

キュアン「……シグルド?お前もしかして結婚願望があるのか?」

エスリン「まあ……剣と馬にしか興味のなかった兄さんが……?」

フィン「……ええ、シグルド様の性欲は全てエスリン様が持っていったものだと思っていましたが……」

オイフェ「何気に凄い毒吐きますねフィンさん……」

シグルド「私を何だと思っているんだ……お前たちは……」

シグルド「ともかくだ……ミデェールが連れ去られた以上、助けないわけには行かないな」

オイフェ「ガンドルフ王子が城に帰ったということは……ヴェルダンに戻った可能性が高いですね」

エーディン「となると、国境のエバンスを経由してヴェルダンに向かわなければならないですね」

シグルド「よし、アレクやノイッシュと合流してエバンスに向かおうか……アーダンにも伝令を出さなければな」

オイフェ「……ミデェールさん、無事だといいなぁ……主にお尻が……」

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【ヴェルダン王国 マーファ城 牢屋】

ヴェルダン兵「おとなしくしてろ!」ガシャーン


ミデェール「くっ……早く逃げなければ……」

???「ね、ねえお兄さん、お兄さんもガンドルフの奴に嫁候補で連れてこられた口?」

ミデェール「ん?君は……?」

デュー「……オイラ、デューってんだ……盗みをやってたらヘマして捕まっちまって……」

ミデェール「……私はミデェールという。あの男色家の王子に連れてこられたんだよ……」

デュー「あはは、そりゃ災難だったね……ここに捕まった男ってどうなるか知ってる?」

ミデェール「……聞かないほうが良さそうだけど、どうなるんだい?」

デュー「……これから一生オナホ役なんだってさ」

ミデェール「OH……」

デュー「まあ……まだ一度も掘られてないんだけどね……けどそろそろヤバイかなぁ……」

デュー「……残ってる牢屋の人間……ミデェールとオイラだけだし………」

ミデェール「ま、まずいねそれは……君盗賊なんだろう?鍵とかはないのかい?」

デュー「……鍵も鍵開けの道具も没収されちゃってさ……うう……」

ミデェール「私も武器がなければ戦えないし、馬もない……どうしたものか……」


????「………おい、お前ら……ここから逃げたくないか?」

ミデェール「………?」

ジャムカ「……俺はジャムカ、ヴェルダンの第三王子だ」

ジャムカ「今から鍵を開けてやる。少し待ってろ」

デュー「ひっ!?掘らないでよジャムカ!?」

ジャムカ「掘らねぇよ!?お前俺の知り合いだろうが!?」

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【シアルフィ・ユングヴィより北の草原】

アルヴィス「…………ふむ」

アルヴィス「……賊相手に即席の軍でなかなか善戦しているようだが……」

アルヴィス「シグルド……所詮その程度の男か……」

アルヴィス「まあいい、陛下の命だ。早く終わらせて戻るとするか……」

?????「……アルヴィス様……万が一ということもありますゆえ、油断なさらぬよう」

アルヴィス「……わかっている。お前はお前で責務を果たせ。クルト王子の隠し子を見つけるという仕事をな」

?????「ええ……既にヴェルダンにその子がいるという情報は得ていますゆえ……ご心配なく……」

アルヴィス「……私はシグルドに陛下から賜った銀の剣を渡したらバーハラに帰国する」

アルヴィス「期待しているぞ、マンフロイ」

マンフロイ「くくく……仰せのままに……」

アルヴィス「……ところで、だ……」

マンフロイ「……はあ、何でしょうか?」

???「……ふう、退屈ですねぇ……やっぱりおやつは30Gとは言わずにガッツリ持ってくるべきだったと思うんですよ……」

???「もう空っぽじゃないですか……やっぱりシュークリーム三つじゃ限界がありますね……」

アルヴィス「……その子供は何だ?」

マンフロイ「……わしの孫でして」

アルヴィス「そ、そうなのか?似てないが……?」

マンフロイ「色々わしにも事情がありまして……その……暗黒教団的に……」

アルヴィス「……その名前を外で出したりするなよ?あとマンフロイの孫?」

???「え?私のことですか?」

マンフロイ「……話合わせてください」ボソ

???「あっはい……」

アルヴィス「……ここに私の携行食料がある。干したイチゴだぞ。これを食べていい子にしていろ」

???「おっ、あなたはよくわかってらっしゃいますね!さすが私の……」

マンフロイ「わあああああああっ!わああああああっ!」

???「むぐっ!?」

アルヴィス「……孫の口を押さえて何やってるんだお前は……」

マンフロイ「いえ……あの、少し事情が……暗黒教団的に……」

アルヴィス「……まあいい、私は行くぞ……」

タッタッタッタ

マンフロイ「………余計なこと言わんでくださいロプトウス様……」

ロプト「私の継承者に挨拶して何が悪いんですか……というか、なんで私が孫扱いなんですか!?」

マンフロイ「しょうがないでしょう……一番自然な言い訳はこれだったんですから……」

ロプト「全く……そもそも私がこんなになってるあんた達が継承者も無しに復活の儀式を行ったせいですからね?」

ロプト「しかも失敗すればいいものを中途半端に成功するから降臨できちゃいましたし!」

ロプト「そして中途半端な儀式のせいで私今『シビリアン(LV2)』ですからね!」

マンフロイ「面目ないです……」

ロプト「全く……ですが水に流しましょう……ロプトウスの血族をきちんと一人見つけたようですからね」

ロプト「……そして……あともう一人見つけて……濃厚な近親相姦タイムを行えば……!」

マンフロイ「ええ……あなた様は復活し……我ら一族の悲願を遂げられるわけですな」

ロプト「くくく……これでまた帝国の再建ができるというわけですね……」

ロプト「それではマンフロイ!早くヴェルダンに向かいましょう!」

マンフロイ「わかっております……そこには既に教団より魔道士を派遣していますゆえ……スムーズに進むでしょう……」

今日はここまで

やっぱりシナリオに沿って書こうとするとどうしても全員にスポットライトを当てるのは難しいすね
あと先に謝っておくとレヴィンファンごめんなさい

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【ユングヴィ城 外】

オイフェ「かくかくしかじか………」

アレク「まるまるうまうま……ってわけか……」

ノイッシュ「……つまりは、ヴェルダンの王子は男色家で……」

ノイッシュ「だからミデェールがさらわれていった訳だな」

オイフェ「話が早くて助かるよ……アレク、ノイッシュ」

レックス「ほほう……そりゃとんでもない話だな、シグルド公子」

アゼル「……レックス……なんでそんな嬉しそうなのさ……」

レックス「いや……ちょっといい感じにやり合える相手が見つかったからな……」

アゼル「それが『ヤりあう』じゃないことを心から祈ってるよ……」

シグルド「アゼル公子、レックス公子、応援感謝するよ」

アゼル「いえ……僕もヴェルトマー家の人間として国防のために当然のことをしたまでです」

アゼル「それよりも……エーディン様は大丈夫なんですか?」

シグルド「ああ、エーディンなら……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

バシュバシュバシュバシュ!

エーディン「皆さん、私がアーチャー達を押さえている間に殲滅をお願いします!」パシパシパシパシ

キュアン「お、おう……」

エスリン「相変わらずねエーディン。放たれた矢を掴んで投げ返すなんて」

エーディン「ユングヴィには腕の経つ弓使いが多いですからね。この程度朝飯前ですよ」パシパシパシ

フィン「あ、あの……一応あなたプリーストですよね?前衛の後ろに隠れたほうが……」

エーディン「いえいえ、守られてるばかりじゃ悪いですから……」パシパシパシパシ

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シグルド「敵が送り込んできた増援をキュアン達と追い払ってるよ」

アゼル「ええ………」



後の『弓殺し』の誕生であった

オイフェ「と、ともかく……次の作戦を考えましょう?」

アゼル「ね、ねえ、オイフェ君……エーディン様たちを助けなくていいの?」

オイフェ「……あの光景を見たらその考えはなくなりますよ」

アゼル「そ、そうなんだ……」

オイフェ「じゃあ次の作戦ですが……次の目標は西のエバンス城の制圧ですね」

オイフェ「国境の城を押さえなければヴェルダンに入ることもできませんし」

シグルド「うむ……その通りだな」

アレク「じゃあエバンスを押さえて、そのままヴェルダンに突入って感じか?腕が鳴るな!」

オイフェ「敵が斧兵ばかりだからって油断しないでね?アレク……」

オイフェ「まあ、斧兵が多いのは事実ですし、中心になるのはシグルド様達ですね」

シグルド「ああ、任せてくれ」

オイフェ「レックス様とアゼル様は相手の弓兵を中心に狙っていただくようお願いします」

オイフェ「ただ、キュアン様達は槍が中心ですので……そちらのフォローもお願いします」

レックス「了解だ。さっさと済ませようぜ」

アゼル「うん………わかったよ……」

ノイッシュ「……ではシグルド様。私とアレクは出撃の準備を始めます」

レックス「俺もそうするかね……アゼルはどうするんだ?」

アゼル「僕はもう少しここにいるよ。どうせ準備も魔導書しかないし」

レックス「そうか、じゃ、終わったら早く来いよ?」

トントン

シグルド「ん?」

キュアン「シグルド、入るぞ」

シグルド「キュアン、外の援軍は片付いたのか?」

キュアン「問題ない。だがフィンが少し怪我を負っていてな。エーディンが治療している」

エスリン「やっぱり槍で斧を相手にするのはきつかったみたい……」

キュアン「それからシグルド……お前に客だぞ?」

シグルド「客?誰なんだ?」

アルヴィス「………失礼する」

アゼル「……兄さん!?」

オイフェ「あ、あなたは……アルヴィス卿……?」

シグルド「アルヴィス卿!?どうしてあなたが……」

アルヴィス「アゼル、お前も来ていたのか?国を離れるなと言っておいたはずだが?」

アゼル「ご、ごめんなさい……兄さん……」

アルヴィス「……まあいい。シグルド公子に迷惑をかけるなよ」

アルヴィス「シグルド公子。蛮族襲来の報を受けて本国の陛下が心配されてな……」

アルヴィス「軍の指揮を一度外れて様子を見てくるようにと命じられたのだ」

シグルド「そ、そうなのですか……」

アルヴィス「……それに、弟のアゼルがこちらに来ているとも聞いてな……迷惑ではないか?」

シグルド「いえ、むしろ助かっていますが……」

アゼル「…………」

アルヴィス「そうか……シグルド公子、少し耳を貸してほしい」

シグルド「……?はい……」

アルヴィス「………アゼルは母親こそ違うが、大事な弟だ……」ボソ

アルヴィス「アゼルの事をよろしく頼む……色々教えてやってくれ……」ボソ

シグルド「ええ、お任せください……!」

アゼル「……オイフェ君、ちょっと離れようか」

オイフェ「……アゼル公子、どうしたんですか?」

アゼル「…………僕は昔からどうしても兄さんが苦手なんだよ」

アゼル「……あの人のそばにいると……何か息が詰まりそうになるんだ……」

アゼル「確かに、平民の母親を持つせいで立場が悪かった僕を助けてくれた恩もあるし……」

アゼル「兄さんは立派で、僕のことを気にかけてくれている……」

アゼル「…でも、恐ろしいものは恐ろしいんだ……」

オイフェ「アゼル公子……」

アゼル「それに……」

オイフェ「それに?」

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アルヴィス「……そうだ、シグルド公子。陛下から贈り物だ。受け取ってくれ」

シグルド「陛下から!?なんと名誉なことだ……」

アルヴィス「うむ、この包の中に入っている。確認してくれ」

シグルド「では失礼して……こ、これは!?」

アルヴィス「うむ、その銀の剣で蛮族共を……」

キュアン「あ、あの……アルヴィス卿、これは……?」

エスリン「……まあ……ファンタスティック……」

アルヴィス「む……?」


『母の淫らなご奉仕~性に目覚めた我が子へ(18禁)』を手に入れた!


アルヴィス「」

シグルド「な、なんてものを送られたのだ陛下は……!」

キュアン「こ、これは何かの間違いだろう!?」

エスリン「きっとこれは兄さんに『早く結婚しろ』ってメッセージの暗喩よ!」

シグルド「でも母子相姦だぞ!?そもそも私の母は亡くなっているだろう?」

エスリン「もしかしたら義母であるキュアンの母上を……」

キュアン「さり気なく何言ってるのお前!?」

シグルド「だ、だがこの表紙の女性……比較的好みだぞ……」

エスリン「ほら!兄さんにも性の目覚めが!」

キュアン「目覚めが、じゃねえよ!?」

アルヴィス「……………」

アルヴィス「すまん、私の私物と間違えた」

キュアン「しかもお前の!?」



アゼル「あとあの年になってもマザコン拗らせてるのが純粋にキモいよ」

オイフェ「急に辛辣になりましたね……」

アルヴィス「私の母親に似てるものだからジャケ買いしてしまったんだよ!」

キュアン「ジャケ買いとか言ってんじゃねえよ!?戦場にそんなもの持ってくるな!」

エスリン「うーん……確かに絵はそそられるものがありますけどね……」

エスリン「この作者って文章が抜き辛いことで有名なんですよ」

アルヴィス「何?そうなのか?」

エスリン「アルヴィス卿、よければ私の蔵書をお貸ししましょうか?幾つか持ってきてますので……」

アルヴィス「本当か……?だが私はこの絵が気に入ってるのだが……」

エスリン「挿絵の分は妄想でカバーすればいいんですよ」

アルヴィス「ふむ……試させてもらおうか……協力感謝する」

キュアン「君もかエスリン……」

エスリン「戦場で催したら大変じゃない!」

キュアン「その想定はおかしいだろう……?」

アルヴィス「……済まないなシグルド。こちらが本物の銀の剣だ」

キュアン「そもそも……あんたも剣と本を間違えるなよ……」

シグルド「は、はい……ありがたく賜ります………」

シグルド「……………」

キュアン「…………」

アルヴィス「………………」

アルヴィス「で、では……私は王都バーハラに戻らせてもらう。陛下が心配なのでな……」

キュアン「どうすんだこの空気」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

シグルド「………ふう」

キュアン「……シグルド、気持ちを切り替えろ。アルヴィス卿のアレは事故だったと思え」

シグルド「い、いや、そうじゃないんだが……」

シグルド「………キュアン、友人として聞いて欲しい話がある」

キュアン「ん?構わないが……」

シグルド「さっきの本表紙の女性がいるだろう?」

キュアン「ああ……思い出したくもないが……」

シグルド「……私に近親相姦の願望がない、ということだけは念頭においてほしいのだが……」

シグルド「正直……あの女性の見た目は確かにくるものがあった……」

キュアン「………ああ」

シグルド「……もう少し年齢が私と近ければ恋愛対象となり得たかもしれない……」

キュアン「……今は戦場だ。そういう話は謹んで貰いたいが……」

シグルド「す、すまん……!」

キュアン「……だが、お前も女性に興味がある用で良かった。学生時代はそういう素振りも見せなかったしな」

キュアン「貴族の嫡男として嫁の事は考えたほうがいいかもな……相談ならいつでも乗ろう」

シグルド「キュアン………!」

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エスリン「取り敢えず兄さんにも一冊くらい官能小説見繕っとこうかな……」

オイフェ「やめてくださいよエスリン様……」

エーディン「リライブ!」

パァァァァァァァ……

フィン「………すみません、エーディン様」

エーディン「いえいえ、これが私の本来の役目ですから」

フィン「……自分が情けないです。女性に守ってもらわなければならないとは……」

エーディン「大したことはありませんよ、フィンさん。少し修行すれば貴方にもできるようになります」

フィン「……よろしければ私は貴女に師事したい。少し稽古をつけていただけないだろうか?」

エーディン「……稽古、ですか?でも私はまだ未熟で……」

フィン「………未熟さで言えば私も同じです。未だ『見習い騎士』ですからね」

エーディン「……わかりました。では、一度構えてください」

エーディン「……骨が折れてもすぐに直しますので」

フィン「え?」

……………………

………………

…………

ポキッ

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フィン「………………」ボロッ

キュアン「フィン………お前どうしたんだ?その怪我は……」

フィン「ふふ………死兆星が見える………」

今日はここまで

ディアドラと出会うまではプロローグみたいなもんなのでサクサク行くと思います

あけましておめでとうございます
今年も適当によろしくお願いします
あと多分明後日くらいに本編


ティルテュはサイファ第六弾のイラストが性的すね

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エーディン「破ぁっ!」ドガァッ!

シグルド「城門を蹴破ったぞ!全員突撃ぃっ!」

オイフェ「僕はもうツッコミませんからね……」

オイフェ(……エバンス城に進撃した私たちはそのまま怒涛の勢いで進撃し……)

アレク「はあっ!」

キュアン「ふっ!」

ゲラルド「ぐへぇっ!」

オイフェ(……そのままエバンス城を制圧し、ヴェルダン王国への足がかりを手に入れたのだった)

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【エバンス城】

エスリン「兄さん。バーハラから国王の使者のフィラート卿が来られたわ」

フィラート「シグルド様、この度の戦い見事であります」

シグルド「いえ、グランベルの騎士として当然のことです」

フィラート「国王陛下もいたく喜んでいました。そして今回の戦いの叙勲として……」

フィラート「そなたに『王国聖騎士』の称号を与えるとのことです」

エスリン「お、王国聖騎士ですって!?」

オイフェ「これは名誉なことですね……」

シグルド「ああ……身に余る光栄です……」

フィラート「こちらが栄誉をたたえての勲章です。お持ちください」

エスリン「……王国聖騎士……」

エスリン「……………」

キュポン

キュアン「待てエスリン。そのペンで何をする気だ……?」

エスリン「ちょっとやらなければいけないことがあって……」

キュアン「私には君がシグルドの勲章に落書きをしようとしているようにしか見えないんだが……」

エスリン「大丈夫よ、『小』と『生』という文字を加えるだけだから……」

キュアン「やめろよ!?頼むからやめて!?偉い人も見てるんだぞ!?」

エスリン「止めないでキュアン!私は心のままに生きたいの!」

キュアン「普段から君は本能の赴くままに生きてるじゃないか!」


フィラート「…………あ、あの……」

オイフェ「気にしないでください。病気みたいなものですから」

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【エバンス城】

オイフェ「ふう……」

アゼル「オイフェ君、ここいいかい?」

オイフェ「……アゼル様……?」

アゼル「仕事とかは大丈夫かい?君は一応ここの軍師と聞いてるけど……」

オイフェ「いえ、いちおう軍師の仕事はしていますけど、まだ若輩の身ですから……」

オイフェ「指示を出したりとか、事務作業はシグルド様やキュアン様がしてくれてるんです」

オイフェ「それで今はヴェルダンの方に降伏勧告を出してるんですが、その返事がなくて……」

オイフェ「だから今は待機しているんです」

アゼル「そうなのか……」

オイフェ「アゼル様こそ何故ここに?いつもはレックス様と一緒にいるような……」

アゼル「……ねえ、オイフェ君。エスリン様を近くで見ていた君に聞きたいんだけどさ……」

オイフェ「はい?」

アゼル「……近くに凄まじい変態がいると本当に辛いんだよ……」

オイフェ「……え、ええ?」

アゼル「レックスってばファッションホモだと思ってたんだけど……マジっぽいしなぁ……」

アゼル「辛いなぁ……」

オイフェ「話されてる私のほうが辛いんですけど!?なんて言えば良いんですか!?」

アゼル「聞いてくれないかい?オイフェ君……」

アゼル「……レックスはあれだし、兄さんもクソマザコンなんだけどね……」

アゼル「うちの父親とかもっと酷いんだよ?なにせそこら中の女性をガチレイプして孕ませるような人間だから」

オイフェ「ヴェルトマー家の闇を軽くぶっちゃけるのやめてくれません?」

アゼル「僕も実はガチレイプで生まれたんだからさ……本当にやってられないよ……」

オイフェ「……なんでこの話を?」

アゼル「君もエスリン様に苦労してるみたいだからね……悩みをわかってくれないかなと思って……」

オイフェ「いえ、それはキュアン様にいうべきだと思いますが……」

アゼル「キュアン王子は今干からびてるからね……話もできないよ……」

オイフェ「エスリン様何してるんですか……戦の前に……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

エスリン「~♪」

エーディン「あら、エスリン。機嫌が良さそうですね?」

エスリン「うふふ……キュアンからいっぱい貰っちゃったの……ゲイボルグの使用回数……」

フィン「……あっ……」(察し)

エーディン「あらフィンさん。まだ声をだす余裕があるのなら修練続けましょうか?」

フィン「」

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アゼル「……でもシグルド様は至って普通だよね……聖戦士の血族なのに」

オイフェ「聖戦士の血族関係あります?」

アゼル「だって僕の知り合いの聖戦士の血を継いでる人はだいたい変態なんだもん……」

アゼル「その点シアルフィやレンスターは良いよね……直系の人どっちもまともだし……」

オイフェ「まあ……シグルド様やキュアン様は変な性癖もありませんしね……」

オイフェ「あ、でもシグルド様……最近恋をしたいらしくて……?」

アゼル「え?恋?」

オイフェ「はい。何でも同期の人達が結婚しているのを見て焦っているらしく……」

アゼル「なるほど……シグルド様も跡継ぎを考える身だもんね……」

アゼル「うーん……シグルド様に似合いそうな女性かあ……」

オイフェ「はい……本人としても色々悩んでいるみたいで……色んな人に相談しているみたいですから……」

??????「……その話は本当なのか?」

アゼル「……え?」

オイフェ「あれ……?あなたは……エルトシャン様?」

エルトシャン「……あのシグルドが遂に恋愛感情に目覚めたのか」

オイフェ「エルトシャン様、シグルド様とのお話は終わったんですか?」

エルトシャン「ああ、シグルド達がヴェルダンに攻め込む間、エバンスの守りはクロスナイツが受け持つことになった」

エルトシャン「……アグストリアの諸侯の中にはいらぬ野心を持っているものがいるからな……」

エルトシャン「……と、そんなことは些細な事だ」

オイフェ「些細なことって……」

エルトシャン「……オイフェ、それとヴェルトマーのアゼル公子。今の話は本当か?」

アゼル「いえ、僕はさっき聞いたばかりなので……」

オイフェ「……ええ、シグルド様が僕に話してくださいましたけど……」

エルトシャン「ふむ……それならばやっと見つけられたかもしれないな……」

エルトシャン「ラケシスの嫁ぎ先を……!」

オイフェ「え?ラケシス様ですか?」

アゼル「……ラケシス様って……ノディオン王国のラケシス姫ですか?」

エルトシャン「ああ、そして俺の妹でもある」

エルトシャン「……自慢じゃないがラケシスは可愛いんだぞ?こう、可憐な花と言った感じでな」

エルトシャン「実際アグストリアの国内では見合い話が沢山来ているんだ」

エルトシャン「だがシグルドなら安心だ……安心して嫁にやれる……」

アゼル「見合い話が沢山来ているんだったら受ければ良いんじゃないですか?」

エルトシャン「死ね」

アゼル「死ね!?」

エルトシャン「何処の馬とも知れん奴にラケシスは渡せん……」

エルトシャン「もしもラケシスが関係を迫られたとあれば……」

エルトシャン「……すぐさまこの魔剣『ミストルティン』で叩き切ってくれる」

エルトシャン「故に、アグストリアの腐った貴族共には見合いなどさせられん」

エルトシャン「だからお前に死ねと言ったんだ。そんな下らないことを言うんじゃない……」

アゼル「ぼ、僕悪くないよね……?」

オイフェ「相変わらずのシスコンぶりですね……エルトシャン様……?」

エルトシャン「シスコンじゃない。妹思いと呼べ」

エルトシャン「妹の嫁は少なくとも俺レベルの人間でなければ認めん」

エルトシャン「そうでなけらば必殺ミストルティン(追撃無)で沈めてやろう……」

アゼル「やっぱり直系は変態じゃないか!」

オイフェ「だ、大丈夫ですから……周囲に被害が出ないタイプですから……ラケシス様さえいなければ……」

エルトシャン「さて、それでは俺はこのままノディオンに戻る」

エルトシャン「出撃の準備とラケシスの嫁入りの準備をしなければならないからな」

オイフェ「はい、お気をつけてお帰りください……?え?嫁入り?」

エルトシャン「ああ、ノディオンの総力を上げてバックアップさせてもらおう……」

アゼル「……それどっちの事言ってるんですかね?」

エルトシャン「ではお前たちの武運も祈っているぞ!さらばだ!」



アゼル「………ねえ、オイフェ君」

オイフェ「なんですか?」

アゼル「……兄があんなだとそのラケシス王女も大変そうだね……」

アゼル「まあ僕も変な兄を持ってるからわかるんだけどさ………」

アゼル「ラケシス王女と結婚する人も大変だよね、ははは……」

オイフェ「………………」

オイフェ「…………と思うじゃないですか」

アゼル「え?」

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【ノディオン城 エルトシャンの自室】

ラケシス「……………」

ラケシス「………兄様のベッド……いい匂いがします……」

ラケシス「………はぁっ……はあっ………」

クチュクチュクチュ……

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【ヴェルダン王国 ジェノア城】

キンボイス「……アイラよ、わかってるだろうな?」

キンボイス「グランベルの奴らが攻めてきたらこの城を守れ。さもないと……」

アイラ「………くっ…」

シャナン「アイラ!ぼくはだいじょうぶだから!こんな奴らの言うことを聞いちゃ駄目だ!」

アイラ「……約束は守る。だからシャナンには手出しするな」

アイラ「この戦いではこの剣をお前たちの為に振るうことを誓おう」

キンボイス「くっくっく……懸命な判断だぜ」

アイラ「だがその前に頼みがある。シャナンと一度二人で話がしたい」

キンボイス「む?まさかそのまま逃げるんじゃねえだろうな?」

アイラ「心配なら一度剣を置こう。剣無しの私など取るに足らないだろう?」

キンボイス「……まあ良いだろう。三分だ。三分だけガキと話せ」



シャナン「………アイラ!」

アイラ「シャナン……待っててね。少しの間の辛抱だから……」

シャナン「アイラ……駄目だよ……」

アイラ「あと……いつものをしましょうか。あれをしないと力が出ないし……」

シャナン「え?ちょ……待……」

ペロペロペロペロペロペロペロ

アイラ「………ふう、戦いの前には男の子をペロペロするに限るな……」スッキリ

シャナン「……アイラ、ハンカチ貸して……ベトベトになっちゃった……」

今日はここまで

一方マンフロイさん御一行は

アイラ「ペロペロはするが手を出したことはない。近親相姦はよくないからな」キリッ


明日くらいに来ます。

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【ヴェルダン王国 マーファ城】

ジャムカ「いいな、ミデェール。そのガキを連れてさっさと逃げろ」

ジャムカ「早くしないとガンドルフの兄貴に掘られちまう……」

ミデェール「あ、あの……あなたはヴェルダンの王子ですよね……?何故こんな……」

ジャムカ「あのクソ兄貴どもを放っておいたらうるさくて眠れないしな……」

ジャムカ「それに兄貴が働き盛りの男を持っていくから近所の村の働き手もいなくなっちまうし……」

ミデェール「あのホモ王子どうしようもなくありません?」

ジャムカ「全くだ……と言うか何故お前みたいな男を助けなきゃならないんだ……」

ジャムカ「せめて女を助けられれば見栄えも良かったものを……」

デュー「良かった……ジャムカってホモじゃなかったんだ……」

ジャムカ「……デュー。また牢屋に入れられたいのか?」

デュー「う……それは勘弁してよ……」

ミデェール「……ヴェルダン王族はそんなに同性愛者が多いんですか?」

ジャムカ「んなわけあるか……そんなんだったら俺は生まれてねえよ……」

ジャムカ「ホモは兄貴だけだ……俺はノーマルだ……」

ミデェール「ほっ……」


ジャムカ「それじゃあデュー。ミデェールを北のエバンスまで案内してやれ」

ジャムカ「そこにはグランベル軍が来てるはずだ。ミデェールも一緒なら事情を理解するだろ」

ジャムカ「それが終わったら約束通り盗賊からは足を洗えよ?」

デュー「うん。わかったよ!牢から出してもらう条件だもんね!」

ミデェール「……ジャムカ王子、あなたは……」

ジャムカ「すまんが俺は一緒に行けん。親父は裏切れないからな……」

ミデェール「……そうですか。ジャムカ王子。この御恩は忘れません」

ジャムカ「……早く行け。あとエバンスに向かう途中にジェノアって城があるんだが……」

ミデェール「ええ…」

ジャムカ「そこはキンボイスの兄貴が治めている地だ。絶対に近づくなよ?」

ジャムカ「……最近そこには強い女剣士が居るという噂もある」

デュー「うわ……なにそれ……怖そう……」

ミデェール「……大丈夫だよ、デュー。見つからないように行けば……

ジャムカ「ああ、森の西側を経由していけば安全なはずだ……」

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ガンドルフ「何だと!?ジャムカがあのミデェールきゅんを逃しただぁっ!?」

ガンドルフ「でめえら何やってやがる!尻を出せ尻を!」

ヴェルダン兵「ひぎぃ」

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フィン「ユングヴィ神拳奥義、ユングヴィ百裂槍!」

ザクザクザクザク!

ヴェルダン兵A「ぐはぁっ!」

エーディン「さすがですフィンさん!私の見込んだ通りの腕前ですね!」

キュアン「あれ?なんかフィンの奴滅茶苦茶強くなってないか?」

シグルド「エーディンの修行で基礎体力が大きく向上したようだな……」

キュアン「……まだまだ未熟だから私が稽古をつけてやろうと思ったんだが……」

シグルド「……いらない心配じゃないか?」

キュアン「……私の仕事が一つ減った気がして寂しいが……部下の成長は喜ぶべきだろうな……」

エスリン「あっ、キュアン!それならわたしに夜の訓練を……」

キュアン「君は壊れた槍(意味深)を一本生産したいのか?」



アゼル「騎兵部隊のエスリン様達は相変わらずみたいだよ」

オイフェ「アゼル様。報告ありがとうございます」

アーダン「なあ、オイフェ。お前とアゼル様はともかく、俺が城を離れて良いのか?」

アーダン「今のエバンス城はもぬけの殻だぞ?本陣をあそこに構えてるんだからまずいんじゃないか?」

オイフェ「大丈夫だよアーダン。エルトシャン様がどうにかするって言ってたし」

アゼル「それに、神器を持っているっていうのはそれだけで戦術兵器も同然だしね」

アーダン「……じゃあこれからどうするんだ?いま敵の本隊はシグルド様達が一歩先に交戦中だが」

オイフェ「歩兵は騎兵たちの討ち漏らしを処理しましょう」

オイフェ「シグルド様たちには先にジェノア城を落とすことを優先してもらいます」

オイフェ「……早くしないとミデェールさんがいつ掘られるかもわかりませんし」

アゼル「了解……。でも大丈夫かな?一応ここは敵国だし……」

アーダン「まあ、ヴェルダン兵は斧使いが中心だからシグルド様中心で戦えば問題ないだろ」

アーダン「俺達が討ち漏らしを処理してる間にきっと終わらせてくれてるぜ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ヴェルダン兵「敵が来たぞ!アイラ!準備しろ!」

アイラ「……わかった」

アイラ「……私に近づくものは哀れだな……ん?」

アイラ「……城の西側……あっちの方にも誰かがいるな……」

アイラ「挟撃というわけか……面白い……!?」


デュー「ミデェールさんってば早く!この近くがジャムカの言ってたジェノア城なんだからさ!」

ミデェール「シーッ!静かに!敵の近くだからこそ慎重に進まないと……!」


アイラ「…………………」

ヴェルダン兵「アイラ!どうした!?アイラ!?」

アイラ「……………………」

アイラ「きゃあああああああっ!あっちにかわいいショタっ子が居るうううううううううっ!」ダッ

ヴェルダン兵「アイラ!?どこ行くつもりだ!?」

アイラ「あっちに動く影が見えた!敵兵かもしれない!」(建前)

ヴェルダン兵「何!?じゃあ様子見てこい!でも早く戻ってこいよ!?北からも敵が来てるんだからな!」

アイラ「わかっている!終わったら急いで戻ってくるから!」(戻ってくると言ってない)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ミデェール「………はっ、殺気!?」

デュー「え?見つかったの!?」

ミデェール「い、いえ……でも私に向けられているような感じでは………」

アイラ「イヤッッホォォォオオォオウ!」ガバー!

デュー「わああああああああっ!?」

ミデェール「な!?いきなり女性が突っ込んできた!?」

アイラ「ふひひひ……可愛い、可愛いぞぉ……半ズボン履かせたい………」スリスリ…

デュー「何この人!?鼻息荒い!?頬を擦り付けるのやめてよお……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【ヴェルダン城】

サンディマ「……というわけでバトゥ王。グランベルには侵略の意図があり……」

サンディマ「王子たちを早くグランベル信仰に向かわせねばヴェルダンが先に滅ぶでしょう……」

バトゥ王「ふむふむ……なるほどのう……」

バトゥ王「わかった……ガンドルフたちには引き続きグランベル攻めを頼むとしよう」

サンディマ「ククク……それで良いのです……」

バトゥ王「それではわしはもう一度ガンドルフ達に連絡を送る。サンディマよ、また何かあれば頼むぞ……」

サンディマ「ククク、おまかせください……」

バタン

サンディマ「……フン。所詮は老いぼれか。ころっと騙されおって」

サンディマ「この調子で戦火を拡げるが良い。その時こそロプトウス様が降臨するに相応しい暗黒の時代が訪れるのだ……」

マンフロイ「……首尾は上々のようだな。サンディマ」

サンディマ「……マンフロイ大司教様…!?おいでになられていましたか……」

マンフロイ「うむ……此度のヴェルダンでの仕事は見事だった。これでヴェルダンも滅亡するだろうよ」

サンディマ「…ありがたきお言葉……」

マンフロイ「…あとはもう一つの仕事だな。シギュンの娘、ロプト帝国皇帝ガレの血族……」

マンフロイ「そのものを見つけ出してロプトウス様の器を生み出してもらわねばな」

サンディマ「そちらの方はまだ手こずっております……申し訳ありません」

???「全く、早くしてくださいよね!私は気が長い方ではありますけど早いに越したことはないんですから!」

マンフロイ「既にわしが男の方は見つけておる。あとはこの森に住む娘だけなのだがな……」

サンディマ「はっ、早急に見つけ出します!」

???「あっ、リンゴあるじゃないですか!ヴェルダン産のは美味しいとの噂ですからね!」

???「まあこれで遅れている分は許しましょうか……」シャリシャリ

サンディマ「……ところで大司教」

マンフロイ「何だ?」

サンディマ「……この少女は一体?」

???「え?私ですか?」

マンフロイ「………ふふ、驚くがいい、なんとこの少女こそ……」

マンフロイ「……暗黒神ロプトウス様なのだ……!」

サンディマ「……………えっ?」

ロプト「…ふふん、どうですか?降臨してやりましたよ?ありがたく思ってください」

サンディマ「え?ロプトウス様?大司教ボケたんですか?」

マンフロイ「ボケとらんわい。この方こそ我が一族が研究の果てにある儀式を使って降臨させた……」

マンフロイ「紛れもないロプトウス様本人なのだ……」

ロプト「ええ、ロプトウスの書に封印されていた人格そのものです」

ロプト「……まあ儀式の影響で人間の少女の姿を取っていますので少々弱々しいですが……」

ロプト「……人間たちに恐怖と苦しみを与えるという目的自体は忘れていませんので安心してください」

サンディマ「は、はあ……」

サンディマ「マンフロイ様……どういうことですかこれは?」

マンフロイ「ふむ……話せば長くなるが……」

マンフロイ「最近我ら暗黒教団から離反者が多いことが問題じゃったろ?」

サンディマ「ええ……嘆かわしいことですが」

マンフロイ「理由のとして、『いつ降臨するか分からん神を待ち続けるのに絶望した』とか……」

マンフロイ「教典の一番最初に来る『近親相姦万歳!』を毎日唱和するのに恥ずかしくなったとかあったな」

ロプト「なんでですか!?みんな近親相姦大好きでしょう!?」

サンディマ「いえ、私もそれはどうかと思って……いや何でもありません。続きを」

マンフロイ「……こうしてロプトウス様への信仰心が失われている中、私は立て直しのためにある方法を考えた」

マンフロイ「……その方法が……ロプトウス様を魔戦士を媒介に降臨できないか?という実験じゃ」

×魔戦士
○魔将 でお願いします

サンディマ「魔将……確か人間の死体を媒介に屍の兵士を作る外法でしたか」

マンフロイ「その通り、本来魔将を作るには優れた戦士の死体をベースにして古の戦士の魂を入れるのじゃが……」

マンフロイ「この戦士の魂の代わりにロプトウスの書の力を注ぎ込んだらという実験をしたんじゃよ」

マンフロイ「そして……まずは実験のために幼くして病で死んだ少女の身体を実験的にベースとして儀式を行ったが……」

サンディマ「お、行ったが……」

マンフロイ「……普通に降臨しちゃった」

サンディマ「えええ……」

ロプト「そのせいでこんな女の子になってしまいましたけどね。まあ若々しい身体で良かったんですけど」

マンフロイ「……一発で成功するとわかっておったらもっと強い体を使ったんじゃがのう……」

サンディマ「……あ、あの……それならシギュンの娘探す必要あります?もう降臨したのなら意味が無いんじゃ……」

マンフロイ「……サンディマ。ロプトウス様のステータスを見てみよ」

サンディマ「……はあ、分かりましたが……」

ロプトウス
LV2 シピリアン
HP 力 魔力 技 速さ 幸運 守備 魔防
 8 2  3 1  2  6  2  2


サンディマ「弱っ!!」

ロプト「弱くありませんよ!むしろFE的には一般人の方が強くなるのです!」

サンディマ「聖戦に村人枠はありませんから!何このステータス!?」

マンフロイ「一般人の少女がベースじゃからのう……」

マンフロイ「というわけでサンディマ。新しい任務だが……」

マンフロイ「ちょっとロプトウス様守ってあげてくれ。ワシこれからアグストリアで仕事じゃから」

サンディマ「ええ!?なんですかその保育園に子供預けるようなノリは!」

マンフロイ「くれぐれも機嫌を損ねないように。怒らせたら器を用意したとしても拗ねて降臨しなくなるから」

ロプト「ええっと、サンディマでしたっけ?私を世話する栄誉をあげましょう。感謝してくださいね?」

マンフロイ「ロプトウス様。くれぐれもいい子にしておるのですぞ。はいお小遣い。500ゴールド……」

ロプト「わーい!だからマンフロイは大好きです!」

サンディマ「親戚のお爺ちゃんみたいな真似はやめてくださいよ!?」

マンフロイ「あとロプトウス様死んだらワシも死ぬから」

サンディマ「……は?」

マンフロイ「当たり前じゃろ。この少女はロプトウス様の意思。死ねばロプトウスの書から力も消える」

マンフロイ「ロプトウスの書の力が消えれば、その力で保っているワシの肉体も……」

サンディマ「弱点増やしてどうするんですか!?これなら本のほうがマシでしたよ!」

ロプト「」ガーン

マンフロイ「何おう!?ワシだってこんな女の子にロプト様が宿って役立たずになるとは……」

ロプト「」ガガーン

ロプト「ひぐっ……うえっ……」

ロプト「うええええええええええええええええええん!マンフロイ達が虐めるううううっ!」

マンフロイ「ああっ、ロプトウス様、すみません。泣かないで泣かないで……」

サンディマ「……ま、まさか子守までしなければならないとは……」


その後バトゥ王があやしたら一発で泣き止んだ

今日はここまで

ロプトちゃん(イメージ図)

         ,    ´         `ヽ、
         /               `ヽ、
      , '   /             \  \  ヽ
      / /   {  l     l.    l   ヽ\//',  ',
     , / !  | ,ハ {   { \/lヽ、  ヽ//、ハ  ,
     | | | `ト、l l ハ 、_!/__,...ィ∨ {/  `{   .
     | { {.  l-r,-` ヽ l  {ノ:::::::}  Ⅵ{   ',  ',
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       /三////}:.:.:7r―:.:´/7//// /三三三三ニ、
        /三三!///l:.:./ /:.:.:.:.:/ {/////{三三三三三_>-、

マナナン「」
マリクル「」

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