谷みなみ「ゆうちゃんが夢野咲子先生のアシスタントに!?」 (28)

ゆう「うん……」

みなみ「よかったねゆうちゃん!! 漫画家の夢に一歩近づいたよ!!」

ゆう「ありがとう」

ふゆみ「夢野咲子先生って……本当にあの?」

ゆう「知ってるのか?」

のあ「脅威の魔導書の執筆者」

みなみ「えっと……何の漫画描いてる人だっけ? 名前だけしか知らないや」

ふゆみ「『恋しよっ』だよ!! 月刊少女ロマンスで連載されてるあの!!」

みなみ「と、兎に角……ゆうちゃんは凄い人のアシスタントさんになるってことだよね?」

ゆう「まあ……確かにそういうことになるな」

※パンでpeace×月刊少女野崎くん

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みなみ「そっかー……いよいよゆうちゃんが……」

ふゆみ「待って!! てことはもう私達とは……」

ゆう「あ、それは大丈夫。 別に学校をやめるわけじゃないから」

みなみ「そうなの!? よかったー」

ゆう「しかも自分の家から近かったから通勤に困ることもないんだ」

みなみ「やったね!!」

ふゆみ「この間言ってた知り合いの人からの紹介?」

ゆう「うん」

宮前『逢沢さん、この間言ってたアシスタントの件だけど』

ゆう『は、はい』

宮前『俺が今担当してる人なんてどうかな、夢野咲子先生』

ゆう『夢野咲子……!?』

宮前『君と同じぐらいの歳だから仲良くなれそうだし君の家から近いからさ、いいと思うんだ。 それに丁度アシスタントを一人欲しがっていたから』

ゆう『ほ、本当にいいんですか?』

宮前『うん』

ゆう『あ、ありがとうございます!!』












みなみ「ええっ!? じゃあ夢野先生は私達と同じぐらいの人だったの!?」

ゆう「らしい」

ふゆみ「それじゃあゆうちゃんのアシスタントデビュー記念に……」

「パンぱーい!!」

のあ「……」モグモグ

みなみ「飲み物じゃなくてパンで乾杯……まさにパン友の私達ならでは!!」

ゆう「食べ物の時点で乾杯とは言わなくないか……」

みなみ「まぁまぁ!! 細かいことは気にしない!!」

ふゆみ「ゆうちゃん……私達もう……」

のあ「ゆうがパーティから離脱した」

ゆう「いやだから……学校やめるわけじゃないし今まで通り普通に会えるから」

野崎「二人に言わなきゃいけないことがある」

千代「言わなきゃいけないこと……?」

御子柴「なんだよ?」

野崎「今度、新しいアシスタントがくる事になった」

千代「あ、新しい人!!?」

野崎「ああ、堀せん……背景担当の人がそろそろ受験で忙しくなって来てここに来れなくなるんだ」

野崎「だから俺も丁度新しいアシスタントが欲しいと思ってた所だったんだ」

千代(どうしよう……私よりベタの上手い人だったら……私の立場が!!)

野崎「なんでもその人は剣さんとは知り合いでな……そこで俺がアシスタントが一人来なくなるって話をしてたことを剣さんが思い出して彼女を誘ったそうだ」

千代「剣さんの知り合いかぁ……」

御子柴「まぁ、俺が先輩として色々と教えてあげねえとな」

野崎「というわけで当日はよろしく」

千代「うん!」

御子柴「おう」

当日

ゆう(ここが夢野先生の住んでるマンション……)

ゆう(うう……凄い緊張する)

ゆう(落ち着け!! 落ち着くんだ私!!)








ゆう(ええと……確か部屋の番号は……)

ゆう(……あった、ここだ)

ゆう(……『野崎』)

ゆう(……本名は野崎なのか)

ピンポーン

御子柴「おい野崎!! 来たぞ!!」

野崎「ああ、来たな」

御子柴(一体どんなやつなんだ……)

千代(一体どんな人なんだろう……)

野崎「……二人とも、そんな遠くから見なくても」

御子柴「う、うるせえな!! 初対面で三人玄関でズンと構えてたら向こうが萎縮するだろ!!」

野崎「……まぁいい、兎に角開けよう」

ガチャッ

野崎「はい」

ゆう「あ、あの!! 逢沢です!!」

野崎「どうも夢野です」

ゆう「!!」

ゆう(男の人だったのか……)

御子柴(女じゃねえか……)

野崎「逢沢さんは漫画家を志望?」

ゆう「はい!! 少女漫画とかを描きたくて……」

野崎「成る程……」

ゆう「あ、あの!! まずは何を……」

野崎「ああ、まずはここに背景を描いてくれ」

ゆう「はい! 分かりました!!」

御子柴「……新人さんよぉ」

ゆう「! な、なんですか?」

ゆう(す、凄い怖そうな人……)

御子柴「あんたも運が悪いな……こんな所に来ちまって」

ゆう「え……?」

御子柴「……この俺に見惚れちまって作業が疎かになったりしても知らねえぜ☆」

ゆう「……???」

御子柴「///」

ゆう(あれ……そんなことないのかな)

野崎「そうだ、アシスタントの紹介が遅れた」

千代「ベ、ベタ担当の佐倉です!!」

野崎「そしてこっちが花担当の御子柴だ」

御子柴「よ、よろしくな……///」

ゆう「は、はい……よろしくお願いします」

ゆう(なんだかんだでやっていけそうだな……)

千代(どうしよう……凄く可愛い子が来ちゃった)

千代(野崎くん、好きになっちゃったりしないかな……)

野崎「逢沢さん、そのノートは?」

ゆう「! こ、これはその……漫画のネタになりそうなのを描いたり描かなかったり……」

野崎「成る程、ネタ帳か」

野崎「漫画の参考になるかもしれない、少し見せてもらえるか?」

ゆう「!! え、あの……それは……」

ゆう(悪魔クマとか……色々変なのが描いてあるから……見られたら恥ずかしいってレベルじゃない!!)

ゆう「いや、その……ちょっと……恥ずかしい……イラストがあって……」

野崎「……そうだったのか、すまない」

ゆう「い、いえ!! 私の方こそすいません」

御子柴(見せられない絵……)

御子柴(R-18か!!? まさかこの子も俺と同じオタクなのか!?)

ゆう「あの……口頭じゃ駄目ですか?」

野崎「ああ、構わない」

ゆう「ありがとうございます……じゃあ……」

ゆう「『最初の出会いはアシスタントの誘い……アシの仕事と恋愛、その両立の日々……』」

千代「!!!?」

千代(これって……まるで私が描いてる今後の野崎くんとの展開!!)

野崎「……」

ゆう「ど、どうですか……?」

野崎「ありだな」

ゆう「!!!」

野崎「お世辞なしにストーリー自体は普通に連載を狙えそうだ」

ゆう「あ、ありがとうございます!!」

野崎「後は画力も今以上に向上しないとな」

ゆう「はい! 頑張ります!!」

ゆう(夢野先生、最初は怖そうな人だと思ってたけど……)

ゆう(思ってたより……いい人でよかったなぁ)

千代「……」ボーッ

御子柴「……佐倉?」

千代「!! な、何!?」

御子柴「お前、ボーッとしてるぞ。 大丈夫か?」

千代「う、うん!! ……あっ!!」

野崎「ん?」

千代「ご、ごめん野崎くん!! ベタはみ出しちゃった……」

野崎「ああ、そんな謝ることじゃない……しかし珍しいな」

野崎(新人にいい所を見せようとして空回りしてしまったんだろう)

千代(二人がいい感じになってる……)

御子柴「……」

御子柴(まずいな……いい感じに仲良くなってやがる所為か……佐倉が動揺してるな)

野崎「そろそろ休憩に入るか」

ゆう「はい!!」

ゆう「……ふう」

ゆう(アシスタントって作業は思ってたより大変だな)

野崎「実は今日、パンを買って来たんだ」

ゆう「!!!」

千代「パン?」

野崎「ああ、俺の近所にある……」

野崎「ふわふゆベーカリーというパン屋さんで買ったパンだ」

ゆう「!!!!」

御子柴「……逢沢、どうしたんだよ? 急に驚いて」

ゆう「ほ、本当にふわふゆベーカリーで買ったんですか?」

野崎「? ああ」

ゆう「じ、実は……私の友達の店なんです」

千代「ええっ!? そうなの!?」

御子柴「凄い偶然じゃねえか……」

野崎「あそこのパンは凄い美味しいな、何度も通ってる」

ゆう「な、何度も!?」

野崎「ああ」

ゆう(……今度ふゆみに聞いてみよう)

野崎「あそこのあんパンは格別に美味しい」

ゆう「そ、そうですよね!!」

ゆう(ふゆみの店が褒められてるハズなのにまるで自分が褒められてるみたいだ……)

野崎「とりあえず食べよう」

千代「い、いただきます!!」

千代(野崎くんがベタ誉めするパン……よっぽど美味しいんだろうな……)

千代「……」パクッ

千代「……!!」

千代「お、美味しい!!」

御子柴「ああ……美味えじゃねえかよ」

野崎「驚いたな……まさか逢沢さんの友達のパンだとは……」

ゆう「はい」

野崎「俺は手作り料理をよく作るが……パンは作ったことがないな」

ゆう「私はよくその友達と作りますよ」

野崎「そうか……逢沢さん」

ゆう「?」

野崎「もしよかったらレシピを教えてくれないか?」

ゆう「……はい!!」

千代「あ……あ……」アタフタ

御子柴(まずいな……あの二人の距離感が徐々に縮まってから佐倉が焦ってきている)

千代「どうしようみこりん! どうしようみこりん!!」

御子柴「落ち着け、お前はいつも通りにしてりゃ大丈夫だ。 それに最初だけかもしれねえぞ?」

千代「そ、そうだね!! じゃあ……」

千代「……」スラスラスラスラ

御子柴「……凄え速えな」

野崎「……!! 佐倉、もう休憩終わりか?」

千代「! う、うん!!」

野崎「佐倉は頑張り屋だな……無理はしないでくれ」

千代「あ、ありがとう!!///」

ゆう(私も見習わなきゃ……)

その後、ふわふゆベーカリー

みなみ「ゆうちゃんゆうちゃん!! この間のアシスタントの仕事はどうだった!!?」

ゆう「ああ、最初は凄い怖そうな人だったと思ったけど……いざ話してみたらとても優しかった」

ゆう「しかも男の人だったんだ」

ふゆみ「ええっ!? そうだったの!!?」

のあ「夢野咲子はコードネームだった……?」

ゆう「あ、そうだ。 ふゆみ」

ふゆみ「何?」

ゆう「よく店にさ……身長が高い学生の人来ないか? 黒髪の」

ふゆみ「常連さん? うーん……それだけじゃ分からないなぁ~……でもなんで?」

ゆう「その人が夢野咲子先生なんだ」

みなみ「ええっ!? まさか常連さんが夢野先生!!?」

ゆう「うん、らしい」

「いい匂いだな」

「本当だね!!」

「すげえな……」

ゆう「!!」

ふゆみ「どうしたのゆうちゃん?」

ゆう「今一階から聞こえた声……」

みなみ「声がどうかしたの?」

ゆう「夢野先生とアシスタントさんの声だ……!!」

みなみ「おおっ!! 噂をすればご本人登場!!?」

ふゆみ「どんな人か気になる!! 見てみましょう!!」タッタッタッ

みなみ「そうだね! ご挨拶しなきゃ!!」タッタッタッ

ゆう「お、おい!! ちょっと……」

のあ「……」

千代「これがこの前食べたあんパン?」

野崎「ああ、そしてこれがクリームあんパンだ。 これもなかなかいけるぞ」

御子柴「へえ……」

ドタドタドタ

野崎「ん?」

みなみ「始めましてー!!」

ふゆみ「!! そっか……この人が夢野先生だったのね……」

野崎「貴女は……確かふゆふわベーカリーの……」

みなみ「ゆうちゃんがいつもお世話になってます!!」

千代「えっ!!? じゃあもしかして……」

御子柴「……逢沢の友達か?」

みなみ「はい!!」

ゆう「せ、先生……こんにちは」

野崎「! 逢沢さん」

2階

野崎「そうか、四人はパン友なのか」

みなみ「はい!! パン大好きです!!」

のあ「……またの名を武器友」

ゆう「パンを武器扱いしてるのはのあだけだろ……」

野崎「……」

野崎(こののあという女の子……苗字といい身長といい……佐倉にそっくりだな)

御子柴「……」ガシッ

千代「みこりん……なんで私にくっついてるの?」

御子柴「だ、だってよぉ……」

みなみ「……」

みなみ(アシスタントさん、苗字といい身長といいのあちゃんにそっくりだなぁ……実は姉妹だったりして!!)

ふゆみ「そうだ!! これからパンを作ろうと思ってたんですけど……よかったら夢野先生達もどうですか!!?」

野崎「! いいのか?」

ふゆみ「はい! アシスタントの方達もどうぞ!!」

千代「い、いいのかな……」

御子柴「俺はパンなんて作らねえよ……」

千代「みこりん!?」

御子柴「俺が作るのは……お前らの心を撃ち抜くピストルさ☆」

みなみ「『パン』!! だけに!!」

御子柴「//////」

野崎「すいません。 この人、初対面の人にはこんな感じなんで」

みなみ「面白い人ですね!!」

ゆう(私と最初に会った時もそんな感じだったなぁ)

コネコネコネコネ……

千代「えいっ……えいっ!!」

千代「……はぁ……はぁ……これ、結構力がいるなぁ……」

のあ「……」コネコネ

千代「!!」

のあ「……こうするとMPの消費量が普段より少ない」

千代「あ、ありがとう!!」









野崎「あの二人、姉妹のようだ」

みなみ「あ! 私もそう思ってた所です!!」

ゆう「苗字と身長が同じなだけだろ……」

御子柴「……」コネコネ

ふゆみ「うわー!! 御子柴さん、上手ですねー!!」

御子柴「……だろ? こんなの朝飯前だぜ」

御子柴「俺の手にかかれば……どんな物も料理しちゃうぜ?」

御子柴「そう……あんたもな」

ふゆみ「???」

御子柴「//////」

みなみ「できた!! 夢野先生発案、ハート型のパン!!」

千代「!! す、凄い綺麗!!」

野崎「逢沢さんと谷さんのお陰だ、ありがとう」

ゆう「そんな、私は大した事は……」

ふゆみ「食べるのが勿体くらいね!!」

野崎「このパンの名前なんだが……『パンしよっ』というのはどうだろうか」

みなみ「おお!! 『恋しよっ』とのコラボってわけだね!!」









みなみ「美味い!!」

ふゆみ「はぁ~///」

のあ「HPMAX」

御子柴「……」

御子柴(そういやギャルゲーでこんな形したパンあったな)

野崎「しかしパン作りがこんなに楽しいとは思わなかったな」

千代「そうだね!!」

みなみ「!! 本当!? 楽しかった!!?」

野崎「ああ」

御子柴「なかなかこういう経験はねぇからな」

みなみ「ねぇ三人とも!! よかったら……パン友にならない!?」

野崎「パン友に? いいのか?」

みなみ「うん!!」

ゆう「お、おい……そんないきなり……」

野崎「……ありがとう、みんなが良ければ俺もパン友の仲間に入れてくれ」

ゆう「夢野先生……いいんですか?」

野崎「ああ」

千代「わ、私達も……いいのかな?」

御子柴「……俺もいいのか?」

ふゆみ「大歓迎ですよ!!」

のあ「パーティは多い方がいい」

みなみ「わーい!!」

千代「……じゃあ喜んでパン友になります!!」

御子柴「あー……その……よろしくな」

みなみ「うん!!」

野崎「……! そうだ、この中で俺の漫画を読んでる人はいるか? よかったら感想を聞きたいんだが……」

ふゆみ「はいはーい!! 私読んでまーす!!」

千代「のあちゃん!! さっきのコネ方なんだけど……」

のあ「スキルを習得と来たか……」

みなみ「ゆうちゃん!! 今度は私達が夢野先生のアシスタントをするのは!?」

ゆう「いや、それは駄目だろう……」

野崎「俺は構わないぞ」

ゆう「いいんですか!?」

みなみ「ありがとうございます!!!」

ゆう「……結局仕事場でも一緒になるのか」

みなみ「やったねゆうちゃん!! 私達、ずっと一緒だよ!!」

ゆう「……そうだな」

御子柴「……」

御子柴(作業中に女子の手に触れた///)

ワイワイガヤガヤ……

宮前「……」














マミコ「見て鈴木くん!! このパンしよっ、凄く美味しいわ!!」

鈴木「うん!! 本当だね!! そして柔らかい!!」

マミコ「まるで……私達の恋愛を彩ってるみたい」

鈴木「そうだねマミコ……」

マミコ「パンしよっ最高ね!!」

鈴木「うん!! これから毎日食べよう!!!」









宮前「商品化させる気満々じゃねえか……」

~終わり~

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