友利「貴方、能力者ですよね?」直井「はぁ?」 (22)


・Charlotte×Angel Beats!のSSです
・原作のネタバレの可能性があります
・Angel Beats! 1stBeat のネタが混ざっている可能性があります




星ノ海学園
生徒会室


ピチャン

熊耳「能力は、催眠術」

バタン

乙坂「催眠術……って、アレだよな、糸で吊った五円玉揺らす感じの……」

柚咲「あなたはだんだん眠くなる~ってやつですね!」

友利「そうでしょうね。中々一筋縄では行きそうにないですね。場所は……森? 今は平日の昼なのになんでそんな所にいるんだか……」

高城「何か企んでいるのかもしれませんね」

友利「まあ、そうっすね。取り敢えずちゃっちゃと行きましょう」


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友利「確かこの辺でしたね」

柚咲「あの……これちゃんと帰れますよね?」

友利「スマホで地図が見れるので大丈夫です」

乙坂「本当にそれ大丈夫か? 電波が届かなくなったらどうするんだよ」

友利「まあまあ、そんな事ある訳ないですよ。そんな大きな森じゃないですし。もし無理そうなら高城の瞬間移動でどうにかしてもらいます」

高城「ちょっと友利さん、それ私は何されるんですか!?」

柚咲「……あの、皆さん!あれって……」

友利「どうしましたか。……ん? 舗装された階段っすね」

高城「……あの、友利さん。まさか、あそこに見えるのって、学校じゃないですか?」

乙坂「……こんな森の中に、学校!?」

友利「……地図にはこんな所乗ってなかった筈です」

乙坂「どう考えてもおかしいだろ……本当に学校なのか? アレは」

高城「石碑には学園と書かれていますが……肝心の学校名が崩れていて読めませんね」

友利「うっわ本当だ。何なんですかココは
……」

乙坂「実は科学者のアジトだったとか……無いよな?」

友利「……恐らくですが、それは無いとは思いますよ。ちょっと中を見てみて下さい」

乙坂「……誰もいないな」

高城「でも生徒のもののような声もかすかにですが聞こえてきますね」

友利「生徒もいるみたいですし実は研究施設という訳でも無いでしょう。仮にこの学生が全員研究者に捕まった能力者なら、入り口なのに警備員も居ないなんて、こんなにザルな警備体制では無いはずです。それに一応このあたりの研究者アジトは学園が把握しているらしいので、それも考えるとまあ違うんじゃないっすかね」

高城「むしろ催眠術の能力者が何かしたんじゃないですか? それはそれで疑わしい話ですが」

友利「こんな学校、何年で建つかもわからないのに能力に目覚めてからこんなもの建てませんよね。学校ごと地図から消したとか……?」

柚咲「凄い話ですね……」

友利「まあとにかく、入ってみましょう」

柚咲「アポとかは取らなくて良いんですか?」

友利「はい、よく見て下さい。ここの入り口には、『関係者以外の立ち入りを禁ず』とは書いてません。なので入っても大丈夫です」

柚咲「そうですか~、なら大丈夫ですね!」

乙坂「それで大丈夫なのか……? っていうかそれ以前に、マジで入っても大丈夫な施設なのかよ……」

友利「大丈夫ですって。さっき言ったように少なくとも科学者じゃないと思いますし。さ、行くぞー」

柚咲「はーい!」

??学園


友利「おっ、生徒さんらしき人もちらほら居ますね。ここの事について少し聞いてみましょうか」

乙坂「本当に話し掛けても大丈夫なんだよな……?」

友利「だから、大丈夫ですって。あの、すみませーん」

生徒「はい? 何か用でしょうか?」

友利「私たち、ここに迷い込んできたみたいなんですけど、ここの事についてお聞きくださいませんか?」

生徒「ここは天上学園ですよ」

友利「てんじょう学園……? 漢字は?」

生徒「天の上と書いて、天上学園です」

友利「天の上、ねぇ……。あの、ここは、普通の学園ですか?」

生徒「仰る意味がよく分かりませんが……。天上学園は、全寮制の共学の高校です。特におかしい事は何も無いです」

友利「そうですか。あなたはどうやってこの学園に入学したんですか?」

生徒「え? 普通に、高校受験で合格してですが……。」

友利「そうですか……。ありがとうございました」

生徒「それでは私はこれで」スタスタ

友利「って事らしいですよ、皆さん」

高城「天上学園ですか。聞いた事の無い名前ですね」

友利「あー駄目だ、調べても特になんにも出てこない」

乙坂「本当、何なんだよここは……」

友利「これも能力者のしわざだとすると、とんでもないですね……。まあでも特に情報を持っている訳ではありませんし、取り敢えず近くにいる生徒に、この学校で不可解な事が起こった事はないか、手分けして聞いてみましょう。何かあったらお互いメールで連絡を取り合いましょう」

高城「了解です」

柚咲「がんばります!」

乙坂「はいはい」

大食堂

直井(……先程から音無さんが愚民共と何やら話している)

直井(副会長としての仕事を一通り終えた今、やるべき事などない……暇だ)

生徒会役員「あっ副会長! 見回りですか? お疲れ様です」

直井「……は?」

役員「立華会長が学習棟A棟の周りを清掃するそうなので、寮の方の見回りをお願いします!」

直井「お、おい、ちょっと待て…………行ってしまったか」

直井(面倒な事この上ないが……どうせ暇だし、音無さんの生活環境を整える為にも一肌脱ぐか)

直井(確か寮と言っていたな……行くか)

図書館前

友利「あのーすみませーん、ちょっと聞きたいことがあるんですけど」

一般生徒A「なんですか?」

友利「最近この学校で何か変わった事とかありませんでしたか? 何でもいんですけど」

A「変わった事? そうだなぁ……そう言えば、最近立華生徒会長が復職したんだ」

友利「生徒会長が? 今まで休んでいたんんですか?」

A「今まで、会長がテストでちょっと問題のある回答をしたとかで生徒会長をやめさせられていたんだけど、それが間違いだったっていうのが分かって、それでまた立華さんが会長として復職する事になったんだ」

友利「その立華さんが生徒会長をやめていた間、生徒会長はどうしていたんですか? 不在ですか?」

A「いや、副会長が、その時期だけ生徒会長代理として活動していたんだ」

友利「そうですか……あ、あと、テストの回答が間違いだったって事でしたが、どうしてその間違いが起こったのかご存知ですか?」

A「誰かがテストの回答をすり替えていたって言ってたかな。そのテストの筆跡が会長のものと違ったから、それで発覚したらしいよ」

友利「そうなんですか、ご協力ありがとうございます」

A「いえいえ、では僕はこれで」

友利(テストの回答すり替え……それも気になるけれど、今回の能力者は対象を操ると思われる能力者)

友利(能力で直接その生徒会長を操って書かせているわけでもないならこの件はその能力者とは無関係なのか、能力の関係で回りくどい手を使わざるを得なかったかのどっちかだな)

友利(その事件が能力者の仕業かも分からないですし、もう少し情報が欲しいですね……。ここは人が少ないですし、もう少し奥に行ってみましょう)




乙坂「……まあ、そこら辺でもうろついてみるか……」

乙坂(すこし違うとはいえここの制服も学ランみたいだし、上手く紛れそうだ)


学習棟B等前
乙坂(それにしても、さっきはここの男子制服は学ランだけかと思ったけれど、よく見たらブレザーの男子制服もあるのか)

乙坂(女子制服にもブレザーとセーラー服の二種類があるみたいだし、中高一貫でも無いみたいなのに、一体何の基準で制服が別れているんだ?)

乙坂(……遠くに西森が見えたな。もう少し遠くに行こう)

大階段

乙坂(他校生が紛れているのに誰も気にした様子を見せないな……)

乙坂「にしても……随分と大きい階段だな」

乙坂(グラウンドは運動部が走っているのが見える。アイツら元気だな)

乙坂(この辺で休憩にするか…………暇だし)




立華「……ねえ、どうしたの?」

乙坂「えっ?」

乙坂(前から人が……全然気がつかなかった)

立華「何か困っていることでもあるの?」

乙坂「えっ」

乙坂(もしかして……一人で黄昏れ悩んでる奴、みたいに見えてたのか、僕?)

乙坂「い、いえ特には……ところで、貴方はここで何をしているんですか?」

立華「私? 私は見回りよ、ここで何か起こるかもしれないし」

乙坂「そうですか」

乙坂(見回りか……風紀委員とかそういう立場の人なのか? ……っと、そういや調査中だったな)

乙坂「あの、最近この学校でおかしな事とかが起こったりしませんでしたか?」

立華「そうね……いいえ、最近は特に……SSSの人達がたまに騒ぎを起こすくらいよ」

乙坂「SSS? ってなんですか?」

立華「あの。学校指定のものでない制服を着ている人達のことよ」

乙坂(……成る程、制服が二種類あると思ったら、そういう事だったのか)

乙坂「……あの、そのSSSってどんな騒ぎを起こしていたんですか?」

立華「そうね……食堂でゲリラライブを行ったり、球技大会に事前の申し込みで乱入したり、地下に変な空間を作ったり、かしら?」

乙坂(なんだ地下に空間って。そのSSSっていうのは相当とんでもない集団のようだ)

立華「ところで、ここで貴方は何をしていたの?」

乙坂「えっ……っと、人を探していたんです」

立華「人を? どんな人を探していたの? 協力するわ」

乙坂「あー……詳しくは言えないんだが、なにやら悪い事を企んでいる奴が居るらしい、それを捕まえに来ました」

乙坂(勝手に悪者にしてしまったが、催眠術とか持ってる位だ、何かしら悪巧みもしているだろう)

立華「悪い事……? それってどんな事?」

乙坂「えっ!? あー、詳しくは知らないんだが、噂だと人を操り学園の転覆を狙っているとか」

乙坂(我ながら酷い嘘だ。何だよ学園の転覆って。あほか)

立華「学園の転覆……それは大変ね」

乙坂(ん? 今こいつこの嘘を真に受けたか?)

立華「私もその人を探すのに協力するわ」

乙坂「えっ、……どうも」

立華「ねえ、そう言えば貴方の制服、学校のと少し違うみたいなんだけど……」

乙坂(……バレたっ! いやでも友利も言ってたじゃないか、関係者以外立ち入り禁止とは書いていなかったって! 多分バレても大丈夫だ!)

乙坂「実は……僕はこの学校の生徒じゃないんだ」

立華「えっ?」

乙坂「星ノ海学園という所から来た……許可とかやっぱり取っといた方が良かったか?」

立華「いえ、許可取る必要は多分……無いと思うのだけれど…………そう、そういう事もあるのね」

乙坂(謎の納得をされた)

立華「他にも仲間が居るの?」

乙坂「あ、ああ、何人か……」

立華「そう。分かったわ」

乙坂(……話の分かる生徒会長で助かった)

乙坂(この分なら案外楽に能力者を見つけられそうだ)

図書館前

柚咲「はい。何か心当たりとか、有りませんかぁ?」

一般生徒B「さあ……そんな奴、見た事もないよ。申し訳ないけど……」

柚咲「そうですかぁ……ご協力、ありがとうございましたぁ!」

B「じゃあ、自分はこれで」

柚咲「……うーん、中々見つかりませんねー。どうやったら能力者なんて探し当てることが出来るんでしょうか?」



ゆり「ねえ、そこのあなた」

柚咲「はい? あれ、この学校の方ですか?」

ゆり「……ええ、そうよ。ねえ、あなた、死んだのかしら?」

柚咲「えっ、死んだ!? それって……」

美砂「どういう事だよテメェ」

ゆり「……随分雰囲気が変わったわね」

美砂「適当な事言ってるんじゃねぇだろうな、あぁん?」

ゆり「別に適当な事は言ってないわよ。ただ聞いただけじゃない」

美砂「……チッ、まあいいか」




柚咲「……あれ? また私寝ちゃってましたか?」

ゆり「え? あの、あなた今……」

柚咲「私今寝ちゃってましたよね? お見苦しいとことろを見せちゃってすみません!」

ゆり「……えーと」

柚咲「私、ゆさりんこと西森柚咲です! あのぉ、私この学校で人捜しをしてるんですけど、この学校に怪しい人は居ませんか?」

ゆり「……怪しい人? どういう人かしら」

柚咲「はい、えーっと、人を操ってなんかしてるみたいな人です!」

ゆり「随分アバウトね……」

柚咲「学校の生徒会の活動で探さなくちゃいけなくてぇ……」

ゆり「人を操る…………もしかして、直井くんの事かしら?」

柚咲「心当たりあるんですかぁ? その人の事を教えて欲しいんですけど、お時間は大丈夫ですか?」

ゆり「……ええ、大丈夫よ……ところで、あなた見たことない制服だけど、どこから来たの?」

柚咲「はいっ! 私は星ノ海学園っていう所から来ました!」

ゆり「星ノ海学園? へぇ、ここまでどうやって来たの?」

柚咲「えぇと、なんか森を歩いてたらここに着きました!」

ゆり「は?」

柚咲「森でさっき言った怪しい人を探してたんですけど、そしたらここの学校を見つけたので、入ってみちゃいましたー!」

ゆり「いや、入ってみちゃいましたーって、随分軽いわね。そもそも、それって最初からここを目指して来たわけじゃないって事なの?」

柚咲「はいっ!」

ゆり「へぇ……。ねぇ、今人を探してるのよね? 心当たりがあるんだけど、今どこにいるかわからないのよ。一緒に探しに行く?」

柚咲「良いんですかー? やったぁ!」キャッキャッ

ゆり「じゃあ、とりあえず居そうな所に行ってみましょうか」

柚咲「はーい!」




高城「ご協力、ありがとうございました」

C「いえいえ。それでは」

高城(中々情報が得られませんね。どうしたものか……)

大山「あっ、高松くんだ、おーい!」

高城(催眠術では、中々痕跡が残らないという事でしょうか……)

大山「……ってなんでNPCの制服なんて着てるのさ!?」

高城(能力を使ってないなんて可能性もありますね)

大山「高松くーん! おーい!」

高城「あっ、すいません。少し聞きたい事があるんですが……」

大山「聞きたいのはこっちだよ! どうしたの高松くん!?」

高城「……高松? 誰の事でしょうか」

大山「高松くんがおかしくなった!?」

高城「いや、おかしくなったも何も、私は高松ではないのですが」

大山「えっ、高松くんじゃないの!?」

高松「はい、その人は私ではないですよ」スッ

高城「……貴方、どこから!?」

大山「高松くんが二人!?」

高城「な、何者ですか貴方は!?」

高松「私は高松……貴方こそ何者なのでしょうか」

高城「……私は高城です。星ノ海学園から来ました」

高松「……驚きました。まさかここまで私とそっくりの方がいるとは」

高城「そうですね。本当に驚きです」

大山「本当にそっくりだ……。高城くん、僕は大山っていうんだ」

高城「大山さんですか」

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