【SS】カトウナノカドー音ノ木坂店 (20)

絵理「今日は練習もないし、用事も急になくなっちゃったから暇ね…たまにはデパートにでも買い物に行こうかしら」

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~カトウナノカドー ~

絵理「カトウナノカドー…久しぶりに来たけど昔と随分変わったわね」

スタッフ「家電量販店新規オープンです」ビラ

絵理「家電かぁ…家の家電達ももう寿命なのよね。引っ越してきてからずっと使ってるから」



~家電コーナー~

絵理「家電を少し見ていきましょう」

スタスタ

絵理「…洗濯機かあ」

店員「なにかお探しですか?」

絵理「ああ、洗濯機がどんなのあるかなあと…今買うわけじゃないんですけど」

店員A「なんだぁ、今買うわけじゃないのかぁ」

絵理(随分と本音がダダ漏れね…この店員さん)

店員B「凛ちゃんあかんよ、そんな事言ったら」

絵理(凛?っていうか希?)

希「もしかしたら後日お金を落としてくれるかもしれないやん?」

凛「そっかぁ。そうだね」

絵理(いや、希も本音がダダ漏れよ。って言うか私だって気がつかない…あ、今日は帽子を被っているし風邪気味でマスクをしてるから…わかるわけないわね)

凛「お客様、後日お買い上げしますか?」

絵理(この子は接客をなんだと思っているのかしら?)

絵理「と、とりあえず見るだけ…どんなのがあるんですか?」

凛「え~とっ、こちらの○○の洗濯機がオススメです」

絵理「あ、そうなの?どういった機能が?」

凛「まず、全自動となっております」

絵理(今時全自動じゃない方が珍しいわよ)

凛「脱水、除菌、消臭、防爆、冷却効果、と機能が豊富となってます…にゃ」

絵理(防爆?防爆ってなによ。何を洗濯するのよ。なんで、爆発を防ぐ必要があるの、怖いわよ。冷却効果も意味わからないし)

凛「お値段がですね100万円となっております」

絵理(誰が買うのよ!防爆仕様なんかにするからそんなにするんじゃない)

凛「お気に召しませんか?」

絵理「え、ええちょっと高いかな~と」

凛「じゃあ、どうしようか?」

希「こっちの普通のやつは?」

絵理「あ、普通のがあるなら」

凛「こちらは従来のタイプと機能も一緒です」

絵理「値段は?」

凛「12万円です」

絵理(本当に普通ね)

凛「分割でお支払いして頂く事もできます」

絵理「あ、そうなんですか?」

凛「はい、365回払いまで出来ます」

絵理「365?」

凛「はい。一日一回で一年で支払いが終わる算段です」

絵理「いや、意味わからないわ。分割の意味をなしてないけど」

希「この件に関してはウチもおかしいと思うんですよ」

絵理(希…あなたはまともな感性をしてるのね。さすが元生徒副会長)

希「この制度だとうるう年はどうするんやって話ですよね」

絵理(まともじゃなかった)

絵理「せ、洗濯機はやっぱりいいかな~」

希「では、何を?」

絵理(なんでついて回るのよ)

絵理「あの、冷蔵庫を」

希「冷蔵庫はあちらです」

絵理「…は、はい」

スタスタ

絵理「あら、あの冷蔵庫はCMでやってた…いくらかしら?」

希「あ、それは」

絵理「えっと…あら?値札じゃない…お札?なんで、冷蔵庫にお札が貼ってあるのよ」

希「その冷蔵庫からは嫌な感じがするんです。近づくと寒気がすると言うか」

絵理(冷蔵庫の冷気でしょうが!)

希「最初は冷蔵庫の冷気かなと思ったんやけど電源入ってないし」

絵理(じゃあ、店頭に並べないで片しなさいよ)

希「処分しようと思ったんですけどね」

凛「電源入れないのに冷気が出るなんて省エネにゃ」

希「という意見があるので保留中です」

凛「今の世の中エコですから」

絵理(だからと言って理由つけて訳アリ品を売り付けるのはあなた達のエゴよ)

絵理「あ、えっと、そうだ、他の所も見て回ろーとっ」

希「何かあったらお呼び下さい」

絵理「は、はーい」
(たまったもんじゃないわ)

スタスタ

パッぺー君「こんにちは」

絵理「あら、これは…人工知能搭載ロボットのパッぺー君じゃない」

店員C「気になりますか?」

絵理「ええ、ちょっと興味が」
(ってこの店員さん…)

にこ「最近テレビでも話題ですよね~?」

絵理「ええ、そうですね」
(にこもいたのね)

にこ「あ、ちょっとすいません…あんたも接客しなさいよ」

店員D「わ、わかってるわよ」

絵理(…このツンデレも居たのね)

真姫「にこちゃんこそちゃんと接客出来るの?」

にこ「してたじゃない、今!」

絵理(なに、ケンカしてるのよお客の前で)

パッぺー君「アア、ワタシもニコチャンにセッキャクサレタイナー」

真姫「へ?」

にこ「は?」

絵理「?」

にこ「今の何?」

真姫「に、にこちゃんがおかしな事したんじゃないの?」

パッぺー君「ドウシタラワタシもニコチャンとナカヨクナレルカシラ?」

真姫「ななななな、何よこれ」

にこ「壊れたの?」

パッぺー君「ドウシテニコチャンはワタシにヤサシクしてクレナイノ…イミワカンナイ」

絵理(思いっきり真姫の口調よね?)

真姫「どうして私の心の声が…ハッ!?」カァァ

にこ「…なっ」

絵理(にこも固まっちゃったじゃない)

パッぺー君「キョウショクジニサソッタラキテクレルカシラ?」

真姫「もう、イミワカンナイ」ダッ

にこ「…待ちなさい…今日、この後行く?」

真姫「…うん」

パッぺー君「コンニチワーボクパッぺー君」

絵理(人類は物凄い物を作ってしまったんじゃ…でも、良いものを見たわ)

スタスタ

絵理「それにしても凄いものを見たわね…この先ロボット戦争が起きなきゃいいけど…」

ザワザワ

絵理「行列?」

店員E「お帰りなさいませ御主人様~」

絵理「…ミナリンスキー」

ことり「あ、お帰りなさいませ御主人。お疲れですか?」

絵理「え、ええ」

ことり「では、マッサージチェアでリフレッシュしていきませんか?」

絵理「そうしようかしら…でも、凄い行列」

ことり「一回500円です」

絵理「お金を取るの?しかも、高い」

ことり「今なら私が肩凝りが直るおまじないもつけちゃいます」

絵理「それでこの行列…」
(アコギな商売をするわ)


客「あ、あの私、お願いしてもいいですか?」

ことり「あ、お帰りなさいませ御主人。列に並んで…って海未ちゃん?」

海未「は?海未?誰ですか?ここは陸ですけど?」

里です。間違えました

ことり「海未ちゃんだよね?だって…眼鏡だけで変装してるつもりなの?」

海未「…肩凝りが酷くて」

ことり「おかしいね?海未ちゃんは肩を凝るようなもの持ってないのにね?」

海未「そんな事言ったら男の人だって凝るでしょう!」

ことり「男の人~?なんの事言ってるのかな~?」

絵里(ことりが海未で遊んでる…ていうか海未は何がしたいのよ)

絵里「あ、私は結構ですので、では」ダッ

ことり「あ、絵里ちゃん行っちゃった」

海未「絵里?何処にいるのです?」

ことり「ふふっ、ナイショ」

絵里「ことりも可愛い顔してあざといのね」

店員F「へい、いらっしゃい!」

絵里(ここまで来たら見当つくわ。穂乃果ね!)

穂乃果「あ、お客さん。見ていきやせんか?」

絵里(なぜ、江戸っ子口調?)

穂乃果「この、電子レンジで冷えたお饅頭をチンします」

チーン

穂乃果「見てください。まるで、出来立て!一つどうぞ」

絵里「おいしいけど」

穂乃果「このお饅頭はすぐそこの穂むらって老舗の和菓子屋があるんですけどそこのほむまんって饅頭なんです。よかったら帰りに寄って見てください」

絵里(なんで、自分のお店の宣伝してるのよ。電子レンジを売りなさいよ)

穂乃果「ちなみに、ほむまんを買ってくれたらこの電子レンジをつけます!」

絵里(逆でしょ、普通)

店長「バイトー!なに勝手なこと言ってるんだ」

穂乃果「あ、店長…すいませんー。」

絵里(当たり前ね)

絵里(ここまで来たら残りは…)

店員G「い、いらっしゃいませぇ」

絵里(やっぱり、花陽。炊飯器コーナーに。予想しやすぎね)

花陽「あ、あのぉ、」

絵里(はあ、付き合ってあげましょう)
「この炊飯器はどうなの?」

花陽「やっと、お客さんが来てくれたぁ」パァァ

絵里(どれだけ来なかったのよ)

花陽「この炊飯器はですね…いや、まず炊飯器の説明の前にこちらをどうぞ」

絵里「へ?…ごはん?」

花陽「食べてください」

絵里「あ、どうも」
(マスクをはずさなきゃ)

花陽「どうですか?」

絵里「美味しいけど」

花陽「このお米はですね魚沼産のコシ」

絵里「え?お米の説明をするの?」

花陽「まずはお米の歴史からです。炊飯器の説明はですね」

絵里「まって。え?歴史?お米の歴史を説明するの?炊飯器の説明を受けるのにお米の歴史を学ばなきゃいけないの?」

花陽「当たり前です。お米はですね…あれ?絵里ちゃん?」

絵里「あ、そっか。マスクを外してたから」

花陽「なんだ、絵里ちゃんがきてたんだね」

穂乃果「あー、絵里ちゃんだ」

凛「え?本当だにゃ」

希「あ、さっきウチ等が接客をしたのって」

絵里「いや、あのね?」

テレテンテテン テレテンテテ テレテレテテテテテ~

絵里「あ、この曲って…」

男性シンガー「I SAY HEY HEY HEY START DASH」

絵里「誰よ!」

希「カバー曲やね」

凛「徳永英明かな?」

穂乃果「徳永英明の物まねをしている英明だって」

絵里「…そう」





にこ「…この後、どこ行く?」

真姫「…あの…家に」

にこ「えっ!?」

ー完ー

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