大野「久しぶりだな!元気だったか?」
まる子「元気だよ!それよりもあんた、急に帰ってくるなんて知らなかったよ。」
大野「あぁ、夏休みだからな。偶にはお前らにも会いたいだろ」
まる子「それにしても…暫く見ない間に背も伸びちゃってまぁまぁ~男前だねぇ~さぞ向こうでもおモテになってるでしょうに」
大野「親戚のババアかよ…」
まる子「ていうか何年ぶり!?あんたが転校したのって小学校の時だから…」
大野「あぁ、もうだいぶ昔だな。」
まる子「ひぇ~、随分とまぁ都会っ子になっちゃって」
大野「お前は、髪は伸びたな。」
まる子「そりゃあたしだって何年もすれば髪くらい伸びるよーっ」
大野「身長もか?」
まる子「そうです!伸びましたよーだ。」
大野「ふ」
まる子「ちょ、なに?」
大野「いや、懐かしいなって思ってさ」
まる子「変な大野くんだなー」
大野「いいだろ別に、ていうかお前こんな年になってまでTシャツで駄菓子屋来てるのか?」
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まる子「失礼だね!今日はたまたまだよ!」
大野「怪しいぞ。」
まる子「ぎく、…大野君こっちには何泊いるの?」
大野「4泊杉山ん家で世話になる予定。今ちょうど向かってるとこ。」
まる子「へぇ~、そっか。…あれ、あんた向こうでもサッカーしてんでしょ?部活は?まだお盆じゃないし…」
大野「…辞めたよ。」
まる子「えっ!なんでさ!あんなにサッカー好きだったのに」
大野「あ、飽きたんだよ…。じゃ、俺そろそろ行くから」
まる子「あ、引き止めて悪かったね」
大野「いや、いいんだ別に。滞在中また遊ぼうぜ」
まる子「うん、じゃーね。」
大野「失礼しまーす」ぴんぽん
杉山「大野!!」
大野「久しぶりだな!杉山!」
杉山「あぁ、元気そうでよかったぜ!」
大野「お前もな」
杉山「まー立ち話もなんだし中入れよ。」
大野「おう、邪魔するぜ」
杉山マ「大野くんいらっしゃい、何にもないけどゆっくりしていってね。」
大野「はい。すみません、お世話になります。」
杉山マ「まぁ!随分男前になって」
杉山「昔からだろ」
大野(さっきあいつにも同じ事言われたな)
杉山「大野、部屋行こうぜ!」
大野「おう…じゃ、失礼します。」
杉山マ「はーい」
杉山「荷物そこら辺置いとけよ。」
大野「了解」
杉山「はー、それにしても心配したぜ。お前がサッカーやめるなんて電話してきた時は。」
大野「…その話は」
杉山「怪我しただけだろ?治せばいいだけなのに」
大野「…前みたいなプレイができなくなった、それが苦痛で」
杉山「はいはいその話はもう聞いた~」
大野「お前なぁ」
杉山「…まぁ別に俺はお前が辞めたいっていうんなら止める権利もねぇけどな。」
大野「…」
杉山「…あ!そうだそうだ、それより」
大野「なんだ?」
杉山「お前向こう行って彼女の1人でも出来たんじゃねーの?」
大野「い、いねーよ。そんなん」
杉山「小学生の時のまんまじゃねーかよ!!」
大野「ちげーよ!!女って意味わかんね。すぐ好きとかいうくせに振った後気がつくと違う男と歩いてるしよ、軽すぎだろ。」
杉山「まぁお前顔で選ばれてそうだからなー」
大野「…でも」
杉山「でも?」
大野「…さっきあいつ見かけたんだ、さくら。あいつ髪伸びて雰囲気変わったよな。」
杉山「あー、さくらな。俺はあんまあいつが変わったかは分かんねぇけどな。」
大野「あれなら彼氏ぐらい出来たんじゃねぇの」
杉山「ぶっ!!お前眼科行けよ!!!」
大野「はぁ!?別にただ久しぶりに見かけた感想言っただけじゃねぇか!」
杉山「フハハ!お前の口からそんな言葉が出る日が来るとは思わなかった!」
大野「ぶん殴るぞ」
杉山「ひー、おもしれぇ!どうせならお前がいる間どっかでさくら呼んで遊ぼうぜ!」
大野「お前部活は?」
杉山「いやー、それがさぁ俺の高校のサッカー部異常に緩いから、そこら辺は大丈夫」
大野「なんも大丈夫じゃねえだろ!」
杉山「どうせ弱小だし練習なんて皆サボりまくりだよ。あーあ、少なくともサッカーする環境があるお前が羨ましいぜ」
大野「辞めたんだから意味ねえ」
杉山「あーはいはい。…んで、明日どうする?祭りあるけど。」
大野「行くよ、久しぶりだな。こっちの祭り」
杉山「どうせならさくらも呼ぼうぜ、あと穂波」
大野「いいけどよ、他に誘うやついねーのか?」
杉山「はまじとブー太郎か?…いや、いいだろ」
大野「そう考えるとあいつらとはくだらん遊びしかしてなかったしな」
杉山「あぁ、肝試しやったな!3年の時」
大野「藤木がさくら置いて逃げてったよな~。俺なんか丸尾に抱きつかれて最悪だったけど」
杉山「懐かしいな~。ほんとバカみてぇ」
大野「な。案外楽しかったけどな」
杉山「あぁ、そうだな。あと大野」
大野「あ?」
杉山「安心しろ。さくらに彼氏が出来たなんて話聞いたことねぇから」
大野「…あっそーっすか」
杉山「穂波情報だから信用できるって!」
大野「知らねーし!大体お前なんでそんな穂波穂波言ってるんだよ!」
杉山「え、いや…な。」
大野「…」
杉山「…」
大野「…いつからだ?」
杉山「んーと、中学あがったくらい?」
大野「てめー何俺に隠し事してんだ!!」
杉山「わ、わるかったよ!痛てぇってば!」
大野「でもなんで穂波?」
杉山「…そりゃ、お前が引っ越した後色々あって」
大野「色々ってなんだ!!」
杉山「痛てぇ、痛てぇよ大野!」
大野「はーー、まさかお前と穂波がなぁ。」
杉山「うっせーうっせー…お前さくらに気があるなら滞在中に告っといたほうがいいんじゃね?ほら、あいつ帰宅部だし穂波は写真部でほとんど夏休み活動ねぇし!な?4人で遊ぼうぜ~」
大野「てめーが穂波と遊びてぇだけだろ!!」
杉山「細かい事はどーだっていいんだよ!じゃ、穂波に電話するからな。」
大野「あー、もう勝手にしやがれ」
杉山「さんきゅー大野、応援してるからな」
大野「ちげーしいらねーよ!」
プルルルルル
たまえ『もしもし穂波です』
杉山「もしもし、俺!杉山。」
たまえ『杉山君?どうしたの?』
杉山「今日大野が来たんだけどさ」
たまえ『あぁ!そういえば言ってたねぇ』
杉山「うん、今俺の部屋にいる。…んでさぁ、明日の祭りなんだけど。」
たまえ『うん』
杉山「4人で行かね?大野連れてくからさくらも誘ってさ。」
たまえ『いいねぇ、まるちゃんに電話しとくよ』
杉山「おう、…あとさ。」
たまえ『ん、なに?』
ーーー
杉山「穂波に電話してきたぞ」
大野「おう、なんだって?」
杉山「それがさ、さくらが明日から出かけるらしくて…残念だな。」
大野「…そうか。」
杉山「うっそぴょ~ん!ばーかばーか、あからさまに残念そうにしやがって」
大野「しっ、してねーよ!!くだらねー嘘つきやがって」
杉山「あーあ、楽しみだなぁ浴衣」
大野「浴衣?」
杉山「穂波が着てくるってさ、あとさくらも」
大野「へー」
杉山「浴衣褒めてやれよ?」
大野「馬鹿いうな!そんなこと言えっかよ。」
杉山「ひえーこえーこえー。」
大野「あんまからかってんじゃねぇぞ。」
杉山「はいはい分かった」
大野「はー…だいたいなんでさくらの話しただけでこんなん言われなきゃならねーんだよ…」
杉山「だってお前の口からそんな感じの女子の話聞いたの初めてだぜ、俺」
大野「別にそんなことねぇだろ!」
杉山「しかも内容が内容だしなぁ~。素直になれって、久々の同級生がすっかり成長しててちょっとドキッとしちゃったんだろ?」
大野「…」
杉山「沈黙は肯定とみなすぞ」
大野「あほか、あんなババくせー女知るか」
杉山「ちぇ、一瞬素直になったと思ったのにな」
大野「うっせぇ!…ちょっと夕飯まで寝かせてくれ、疲れてんだ。」
杉山「わーったよ、お休み」
大野「あぁ」
杉山「待ち合わせの時間まであと5分、この時間こそ彼氏の真の約束時間」
大野「なんだそりゃ」
杉山「先に待ってるのは彼氏としての常識だろ」
大野「意味わかんね~たかが5分だろ。ヘタしたら先こられてるかもしれねーじゃねーか」
たまえ「杉山くーん!大野くーん!」
杉山「お!来た!」
たまえ「待ったー?」
杉山「待ってない待ってない」
まる子「やっほー二人共」
大野「か」
まる子「蚊?」
大野(か、可愛いじゃねぇか…)
杉山(大野のやつ絶対可愛いとか思ってるよな)
杉山「おい、大野。さくらになんか言うことあるんじゃねーの?」
大野「はぁっ!?ねねねねねえよ!」
まる子「あたしに?なにさ」
大野「馬子にも衣装!」
まる子「なにぃ!?喧嘩売ってんの!?」
杉山「あひゃひゃひゃ」
たまえ「あはは…」
ーーー
まる子「うわー!出店がいっぱいあるよ!美味しそ~」
たまえ「ほんとだねぇ、あ!りんご飴だっ」
杉山「穂波、奢ってやるよ」
たまえ「えっ!悪いからいいよ」
まる子「いいなぁー!たまちゃん」
杉山「お前には大野がいるだろ」
大野「げっ」
まる子「おごっておごって~!」
大野「ば、ばかっ!まとわりつくな!」
たまえ「あはは、久しぶりに会ったとは思えないねぇ」
杉山「あのデレデレしてる奴が大野なんてちょっと信じたくないぜ」
大野「わかったわかった!奢ってやる!だから離れろ!」
まる子「わーい!」
大野「はぁ…なんで俺が」
杉山「じゃ、俺らてきとうにまわってくるわ」
大野「は!?」
たまえ「ごめんね~また後で!」
大野「ちょ、俺ら置いてってどうするつもりだよ!」
まる子「おっけー!じゃあね」
大野「おい!お前もなんか言えよ!」
まる子「馬鹿だねーあんた!恋人の夏祭りデートなんて鉄板中の鉄板じゃん!ほら、いくよ!」
大野「えっ」
まる子「あのふたりの邪魔しちゃ悪いでしょっ」
大野「あ、ぁあそういうことね…」
大野(くそー、なんでこいつと二人で)
まる子「ほら!りんご飴買ってくれるんでしょ!いこっ」
大野「おい!腕引っ張んなよ!」
キートン『満更でもないようである』
まる子「はー、それにしてもわたしゃラッキーだね」
大野「なにがだよ」
まる子「こーんなイケメンに夏祭りでりんご飴奢って貰えるなんてさ、冬田さんにバレたら大泣きされるだろうけど」
大野「もう頼まれたって祭りなんかあいつと行かねぇからな…」
まる子「もう頼まないよ!」
大野(ていうか今、コイツなんて言った?)
まる子「ほら、ちゃっちゃと並んで屋台回ろう!」
大野「お、おう」
大野(こいつ俺と祭り回れて嬉しいのか…嫌な気はしねぇな。)
ーーー
たまえ「まるちゃん達大丈夫かなぁ~」
杉山「どうだろうなぁ、大野はさくらに対してかなり好反応だけど。」
たまえ「まるちゃん…成功するといいね…」
ーーー
まる子「次どーする?」
大野「そうだなぁ、射的とか?」
まる子「お、いいね~じゃーいこーいこー!」
大野「あんま走るとはぐれるぞ」
まる子「あっ、そうだね」
大野(一応止まりはしたものの…またいつ走り出すかわかったもんじゃねえな。
拘束するために手繋いどいた方がいいのか?…いや、でも…)
まる子「わー!大野くん!」
大野(まずい!無意識のうちにぼっとしてた!さくらが人波に流される!)
ガシ
まる子「えっ」
大野「危なっかしいんだよお前」
まる子「…ウン」
大野(い…いきなり黙らないでくれ!!!)
大野「…」
まる子「…」
大野・まる子「「あ 」」
大野「どうぞ」
まる子「あ、え…くだらないことだから先いいよ」
大野「いや…こっちもくだらないし」
まる子「えっと…あんたの手でかいね。男子って感じがするよ」
大野「そ、そそそうか?」
まる子「わーわー!なんで急に赤くなるのさ!恥ずかしいからやめてよ!」
大野「いやっ、これは暑くて」
まる子「じゃあ、大野君も何言いかけてたか言ってよ」
大野「………お前の手ちっせえな」
まる子「ま、まねしないでよ!」
大野「してねぇよ!てか赤くなんなよ!」
まる子「いやこれは暑くて」
大野「お前こそ真似してんじゃねえか!」
まる子「違くて、ほんとに!」
大野「…」
まる子「…」
大野「なんか俺ら恥ずかしいな…」
まる子「ほんとだよ…」
ーーー
たまえ「あ!まるちゃんたち!」
杉山「え?どこだ?」
たまえ「あそこだよあそこ!」
杉山「あ、ほんとだ。…ん?あいつら手、繋いでねぇ?」
たまえ「あ、ごめんそこまでは見えない…浴衣と髪型ぐらいはわかるけど」
杉山「あ!まじで手繋いでるぜあいつら!」
たまえ「えーっ!やるねぇ、大野くん」
ーーー
まる子「あ、射的あったよ」
大野「お、やるか…あの、1回」
おじさん「お、イケメンな彼氏連れてるねお嬢ちゃん」
まる子「か、彼氏!?」
大野「やっ、違…はぁ。」
まる子「馬鹿!否定しなよ!」ヒソヒソ
大野「一々否定すんのもめんどくせぇだろ」ヒソヒソ
おじさん「はい、じゃ玉5個ね。」
大野「よーし…おいさくら、なに欲しい?」
まる子「とってくれんの?そうだねぇ、だったらあのクマちゃんがいいかな」
大野「子供だな」
まる子「うるさいなぁ、ほっといてよ!」
大野(つっても射的なんて全然得意じゃないんだよなぁ俺)
まる子「がんばれ!」
大野「よし、」ガチャン
ポコ
まる子「あっ、あたった!…でもやっぱ落ちないねぇ」
大野「何回か当てれば落ちるかもしれない」
まる子「やっぱぬいぐるみなんで落ちそうにないよ、ねぇ、他のにしない?」
大野「うるせぇ!なんて言われたって俺はやるんだよ!」
まる子「げ、この人変なとこで負けず嫌い発揮し始めたよ」
大野「うりゃー」ポコ
まる子「あちゃー、ビクとしないね。」
大野「あたりどこがわりぃんだよ」
まる子「よしっ、がんばれ!」
大野「おりゃっ」ポコポコ
まる子「あぁ!ちょっとズレたね!」
大野「あと1発しかねぇけど…ま、やるしかねぇ!」ポコ
カタッ
大野「」
まる子「あ、なんか黒いDVDケースみたいなのが落ちたよ」
おじさん「…はい、これ」
大野「」
まる子「え、なにそれ」
大野「見なくていい」
まる子「なにそれー!」
大野「もういいっ!行くぞ!おっさん、それいらねーっす!」
おじさん「まいどあり~」
まる子「はー、急に何なのさ、せっかく貰ったもん返しちゃうなんて」
大野「あんなもん杉山ん家に持って帰れるわけねぇ」
まる子「?」
大野「…一回座るか」
まる子「そうだね」
ーーー
大野「はー」
まる子「ねぇ、どう?向こうは」
大野「ん?あぁ…楽しいけど、こっちの方が気楽だよ。」
まる子「えー?なんでー?いいじゃん東京!行きたいなぁ」
大野「…じゃあ今度はお前がこっちくればいいんじゃないか」
まる子「ほんと!?大野くん家にお邪魔になろうかな~」
大野(コイツマジかよ)
まる子「あ、でも…向こうに彼女いるんじゃない?そしたら彼女に怒られちゃうよ…」
大野「かっ、彼女なんていねーよ!」
まる子「え?いないの!?」
大野「おう」
まる子「そっかー、そっかそっか~」
大野「お前こそ、いるんじゃねーの」
まる子「あたしがぁ!?いるわけないじゃんっ!」
大野「そ、そうなのか?」ほっ
大野「彼氏じゃなくても、好きな人とか…」
大野(って俺なに聞いてるんだ!)
まる子「好きなひと…ならいるけど」
大野「えっ」ガーン
まる子「いやでも私なんかじゃ釣り合わないし!絶対むり…」
大野「いや、そんなこと…」ガーン
まる子「…もう諦めてるから」
大野「あ、そ、そうなの?」ガーン
まる子「うん…。もともと私が恋愛なんて柄じゃないしね」
大野「そ、そうか」ガーン
大野(これは失恋に入るのだろうか…っていやいやなんで俺が!)ゴーン
まる子「大野くんは?」
大野「えっ俺?」
まる子「うん」
大野「い、いねぇけど」
まる子「じゃ、じゃあ今まで付き合ってた人は?」
大野「…それもいねぇけど」
まる子「じゃあもしかして大野君って童貞!?」
大野「どどどど童貞ちゃうわ!」
まる子「え!?」
大野「…う、うっそーん。てかそんな言葉どこで聞いたんだよアホ!」
まる子「はまじがいってた」
大野「浜崎…」
まる子「ちょっと学びたての下ネタを使ってみたくなって」
大野「そ、そうかビックリした…」
まる子「…」
大野「…」
まる子「しあさってまでは居るんだよね?こっち」
大野「おう」
まる子「…東京帰っても、またまる子と遊んでくれる?」
大野「別にいいぜ」
まる子「ふふふ」
大野「なんだよ」
まる子「なんでもなーい」
大野「はぁ?…なぁ」
まる子「なに?」
大野「お、お前の好きな奴って、どんな奴?」
まる子「え!?…えっ、えっとーや、優しくて強くてかっこいい人、かな。」
大野「…」
まる子「やっぱあたしなんかじゃ釣り合わなー…」
大野「お」
まる子「お?」
大野「俺と…」
まる子「な、なに」
大野「俺とどっちがかっこいい!?」
まる子「…はっはぁああ!?」
大野「い、いやお前があまりにも俺のことをイケメンイケメンイケメンイケメンイケメンイケメンイケメンイケメンって言うから気になっただけだ。」
大野(なに言ってんだ俺…)
キートン『別にそんなに言ってない』
まる子「こ、答えようがない…」
大野「ですよね…変なこと聞いたな、すまねぇ。」
まる子「うん」
大野「…出店回るか」
まる子「!そうだねっ」
大野「じゃ、手だせ」
まる子「う、」
大野「お前がはぐれると困るんだよ!」
まる子「わ、わかったよ。」
大野「あと」
まる子「…ん」
大野「さっきは、馬子にも衣装なんで言って悪かったな。
その髪型も浴衣も結構いけてると思うぜ」
まる子「!!」
大野(あー、なんでこんなことに)
まる子「こっち向いてよ、大野君」
大野「無理!早く行くぞ」
まる子「わわ、ちょっとまってよ!」
大野(この空気恥ずかしすぎるだろ…耐えられない)
大野(あー…でもさくらかわいいよな、やっぱ。)
大野(チクショー…気でも狂ったみたいだぜ)
ーーー
杉山「おう、お帰り。遅かったな。」
大野「…あいつ帰り道で転びやがって。
おぶって家に送りに行ってた。」
杉山「ぶふー!おまえやるなぁ」
大野「はーっ、疲れた」
杉山「んで、どうだったんですかー?祭りは」
大野「…おい」
杉山「ん?」
大野「お前の学校のイケメンで優しくて強いひとってなぁ誰だ」
杉山「ど、どうした急に」
大野「いいから答えろ」
杉山「ん、んー?強いかはよくわんねーけど、花輪とか?」
大野「花輪ってまだ公立通ってんのか」
杉山「友達いるしなぁ、金持ちで私立入れたがる親なら小学校から入ってるんじゃね?」
大野「確かに…」ガーン
杉山「あ!その条件当てはまるヤツ一人だけいるぜ」
大野「えっ、誰だ!?」
杉山「俺」
大野「確かに…」
まる子『諦めてるから…』
大野「合点がいったぞ…」
杉山「どうした大野!」
大野「なんでもねぇよ!お前氏ね!」
杉山「理不尽すぎねぇ?」
大野「あーもう寝てやる!」
杉山「風呂ぐらい入れよ」
大野「…確かにそうだよなぁ」
杉山「おう、早く行ってこい。」
大野「行ってくらァ」
杉山「うーい」
杉山「…あの様子だと進展もないかんじか。それどころかこんがらがってるようだな」
ーーー
大野「さくらの好きなヤツって杉山だったのか…」
大野「くそー、駄菓子屋でさくらにでくわしちまったのが運の尽きだったんだ」
大野「…でも杉山には彼女がいるしな」
大野「あの条件なら俺もあてはまってっし(?)」
大野「東京にもどる前に伝えとかないと男じゃねえな…。」
ーーー
大野「でた」
杉山「おうー…あ、そうそう明日なんだけど穂波とさくら誘って宿題やるから」
大野「お、おう」
杉山「ヨーロシクークークー」
大野「なんだよそのテンション」
杉山「別にいいじゃねえか」
大野「俺は…俺は今猛烈に辛い」
杉山「なにがあった!!」
大野(はぁ…俺さくらに振られるんだろうな…あの食い意地張ってる間抜けなさくらに)
ーーー
まる子「わっかんないよー!」
大野(昨日の浴衣もなかなかだったけど今日の薄着も…)ゴクリ
杉山「理数なら大野に教えてもらえよ」
まる子「あっ、そうだね!教えておくれよ~」
大野「どれだ?…あぁ、これなら」
まる子「ふむふむ…おー、こういうことかー」
まる子(大野くんって勉強もできるんだ。)
大野(勉強もできるんだぜ、俺。杉山は出来ないんだぞ。)
たまえ「なんか大野君がこわいんだけど」ヒソヒソ
杉山「なんだろうな…まぁ仕掛けるとしたら今日だよな。明後日帰るし。」ヒソヒソ
たまえ「1日くらいは恋人としてそばに入れる日を作っといた方がいいもんね」コソコソ
杉山「じゃ、俺らちょっと穂波ん家行ってくる。」
大野「は!?意味わかんねーよ!家主が居なくてどうする!?」
杉山「おい、仕掛けるなら今日しかねぇぞ。明日あいつ予定あるから」(嘘)コソコソ
大野「!?…わかった、腹くくるぜ…」ヒソヒソ
杉山「お前なら行けるから。堂々としてろよ」ヒソヒソ
たまえ「じゃっ、またね!」
まる子「はぁーい。あたしはまだ宿題やってくけどいいよね?大野君」
大野「あぁ、見てやるよ。そのかわり…後で俺の話聞いてくれ」ドキドキ
まる子「あっ、うん。」
大野(よし。落ち着け大野健一。)
まる子「ねぇ、大野くん。」
大野「なんだ?」
まる子「サッカーってもう2度とやんないの?」
ーーー
杉山「はー、大野のやつ大丈夫かな。あいつピュアピュアだからなぁ」
たまえ「きっと大丈夫だよ!痺れ切らしてまるちゃんから言うかもだし」
杉山「まぁ最悪の場合俺らが直接何とかするか」
たまえ「2人のためにもできるだけ避けたい選択肢だけどね」
ーーー
大野「サッカー…ね。急にどうしたんだ?」
まる子「まる子、サッカーやってた大野君好きだったから。」
大野「!?」
まる子「いや、変な意味じゃなくて…本当に楽しそうでさ。あたし運動神経悪いから羨ましくて」
大野「そうか」
まる子「変なこと言ったね、ごめん…」
大野「…さくら」
まる子「はい?」
大野「俺…実はサッカー辞めたの、飽きたからじゃねぇんだ。」
まる子「…うん。知ってるよそんなこと…」
大野「え?」
まる子「だって大野くんがサッカーに飽きるわけないじゃんか」
大野「…部活入ってすぐ怪我、したんだ。足に」
まる子「…」
大野「足自体はすぐ直した。…けど、それから思うようにボールを蹴れなくなった。
恐かったんだよ俺、前みたいにサッカーできない自分が」
まる子「そっか…」
大野「お前、サッカーやってない男は嫌いか?」
まる子「へ?」
大野「すーはーすーはー…よしっ、
好きだ!お前に惚れた!」
まる子「え、えぇぇぇぇええ!?!?」
大野「杉山はやめといて俺にしとけ。不満にはさせない」
まる子「いや、ちょっとなんでそこに杉山君がでてくんのさ…」
大野「は!?お前がいったんだろ!お前の学校で昨日の条件に当てはまってる奴といったら杉山しか居ねぇだろ」
まる子「まってまって!なんで学校限定なのさ!あたしはあんたの事言ってたんだよ!?」
大野「…え」
まる子「引いた?あたし小学校の時からずっと大野君の事…」
大野「引いてない!引くわけない!な、泣くなよ」
まる子「大野君…これ、夢かな…」
大野「…夢でもなんでもいいから抱きしめていいか」
まる子「きゅ、急に」ぎゅ
大野「ちっちぇーな」
まる子「あんたがデカイだけだよ!」
大野「さくら…」
まる子「なにさ」
大野「俺、東京帰りたくねぇな…ホントはずっとここに居たかった」
まる子「さ、寂しくなること言わないでよ!」
大野「帰ったら、電話してもいいか」
まる子「あんま長電話すると怒られちゃう」
大野「わかった、声聞きたくなったらかけるから」
まる子「ちょっとカッコイイこと言わないで」
大野「いや、こんな俺カッコ悪いだろ…」
まる子「いや…かっこいいよ…大野くん東京帰ったら告白されまくるんだろうなー…。私も東京行きたいよ」
大野「次告白されたら彼女いるって言うからさ…お前も彼氏いるって言えよ。」
まる子「されないから大丈夫」
大野「危機感持て」
まる子「ん、わかったよ大野君…」
大野「さくら…」
大野(こ、これは…いったほうがいいのか?わかんねぇ!!仮にもここ杉山の家だぞ…)
まる子(き、キスぐらいするんじゃないの!この流れでいくと…あたしゃ心臓が爆発しそうだよ)
大野「さくら」
まる子「大野君」
大野「…さくら」
まる子「大野君」
大野「…」
まる子「…」
大野(俺には無理だ…!いく勇気がない!)
まる子(何コイツ…)
大野「おいさくら…き、キスしてもいいか?」
まる子「ばっか、あんたそんなこと聞くもんじゃないよ!こーいうのは黙って」ちゅ
まる子「あわわ」
大野「よっしゃ!やりきったぞ俺は!」
まる子「はぁ、あんたこのペースでいくと一生童貞かもね」
大野「女子がそんなこと言うな!」
まる子「馬鹿だね、あんたが一生童貞なら私だって巻き添えくらうんだからね。」
大野「そ、それは困るよな…」
まる子「…うん」
大野「ていうか東京に帰ったらまた暫く会えないよな、俺ら」
まる子「うん」
大野「…」
まる子「…」
大野(これは進むべきか、退くべきなのかわかんねぇ!!まずさくらが何考えてるかもわかんねぇ!!)
大野「…ここじゃ流石にまずいよな。」
まる子「まずいね。」
大野「…」
まる子「…」
大野「…高校卒業したら」
まる子「うん」
大野「家賃半分こしようぜ」
まる子「…うん。」
大野「約束な。」
まる子「わかった、約束だかんね。だれにもあげちゃだめだよ」
大野「何を?」
まる子「童貞」
大野「ばーか!ばーか!…お前もだぞ」
まる子「何を?」
大野「処女、誰にも渡すんじゃねーぞ」
まる子「うわー!!変態だ!!!」
大野「大きい声出すな!!」
まる子「…今、ずっとあんたのこと好きでいて良かったと思ったよ私」
大野「おう」
まる子「もう少しであたしゃ人生諦めてはまじあたりで妥協しちゃうとこだったよ」
大野「俺から浜崎って…」
まる子「じゃ、まずは」
大野「…まずは?」
まる子「宿題教えてっ!一人じゃできない!!」
ーーー
杉山「ビックリしたぜ、お前がそこまで度胸あるとは思わなかった!」
大野「あったりまえだろ、俺はやるときは締める男だ。」
杉山「さくらずっとお前のこと好きだったから、ほんとに良かったと思う」
大野「…あぁ、お前にもあいつにも穂波にも感謝しきれねぇ」
杉山「じゃ、最後のプレゼントな。」
大野「何かくれるのか?」
杉山「それがしりたきゃ早く寝るこったな。」
大野「?おう。」
ーーー
大野「…さくら」
まる子「やっほー」
杉山「ごめんな大野!じつは本当はさくら今日も暇だったんだ!」
まる子「嫌な言い方に聞こえるのはあたしの気のせい?」
大野「お、おれ昨日でお別れかと…」
まる子「あー!もう何もそんなに感動することないじゃないの!」
杉山「…行ってこいよ。最後に過ごせる時間だろ。」
大野「一生の別れみたいに言うなよ…」
まる子「…でも私にとっちゃ一生にも等しいほど長いよ」
大野「大袈裟だって」
杉山「じゃーな、俺は穂波と遊んでくるから。」
大野「おう。…じゃ、いくか」
まる子「うん」
ーーー
まる子「ねぇ、どっか行きたい場所ある?」
大野「特にねぇな」
まる子「…そう」
大野「…」
まる子「…あたしんちくる?」
大野「へっ、おまえんちか?」
まる子「お姉ちゃん今いないし…まぁお母さんとおじいちゃんはいるけど。おばあちゃんも出掛けてる。」
大野「じゃ、行かせてもらうことにするぜ。ちょっと早いけどお前の母さんに挨拶もしとくか」
まる子「ちょっと、あんた一体なんの挨拶するつもりだい」
大野「…あなたの娘さんの幸せは確約されたのでご安心ください」
まる子「あんたほんと恥ずかしい男だね…」
大野「…流石に今のは自分でもないと思ったわ」カァア
まる子「じゃあ、家あっちだから」
大野「おう」
ーーー
まる子「おかあさーん」
まる子母「なによ」
まる子「大野くん来たよ」
まる子母「えっ!あらまぁおっきくなっちゃって…」
まる子「おかぁさん。オヤツはちゃーんと豪華なのだしてよね。なんてったってこのイケメンは私の男なんだから」
まる子母「えっ!?大野くんが!?まる子と!?」
大野「こ、こんにちは。娘さんにお世話になってます」
まる子母「って、まる子ったら!あんた昼ドラの見すぎだよ!
…大野君、まる子なんかには勿体ない気がするけど…オホホ」
大野「いえ、足りてます」
まる子「あんたたち緊張しすぎだよ!」
まる子母「じゃあ、居間だと落ち着かないだろうし部屋に行っててね。まる子、あんた後でおやつ取りに置いでね。じゃあゆっくりしていってね」パタパタ
まる子「…なーにが娘さんの幸せは確約されたのでご安心くださいだよ」
大野「いや、緊張しちまってよ」
ーーー
まる子「おやつとってきたよ」
大野「あぁ、サンキュ」
まる子「…」
大野「…」
まる子「今日で遊べんの最後だね。」
大野「…あぁ。」
まる子「…」
大野「さくら、もっとこっち来いよ」
まる子「な、なんか恥ずかしい」
大野「馬鹿いうな、早く来い」
まる子「あんたがこっちくればいいじゃんか」
大野「…じゃあ同時に近寄ろうぜ」
まる子「ふふ、なにそれ」
まる子「」にじり
大野「」にじり
大野「…どうする?キスするか?」
まる子「勝手にやれ~!」
ちゅ
大野「…あーー、恥っずこれやべぇ」
まる子「ほんとだよ…」
大野「抱き合おうぜ」
まる子「恥ずかしいよあたしゃ」
大野「…しばらく会えないから」
まる子「あー、うん。そうだね」
大野「…じゃあ」
まる子「…うん」
大野(やべーな、昨日はすべて勢いだったけど改めて抱きしめるとなるとそうとう恥ずかしいぞこりゃ)
まる子(何やってんのかね、この人…ガバッと早くくりゃいいのに…ん?もしかして大野君、あたしから行くの待ってる!?)
大野「…さくら」ぼふっ
まる子(大野君の匂いだ…腹筋やば)
大野(昨日俺はなんでこんな恥ずかしいこと平然とやってのけたんだ…とりあえず腕まわさないと不審がられるな)ぎゅ
まる子「…絶対他の女の子にこんなことしないでよね」
大野「お前もだぜ」
まる子「…」
大野「…心臓もたねぇ」
まる子「でもあたしゃこれから会えない分まで埋めとかないと」ぎゅ
大野「埋まるもんでもねぇだろ」
まる子「…そうだね」
大野「東京、帰りたくねぇな」
まる子「ふふっ、また言ってるよこの人」
大野「家賃半分この約束わすれんなよ」
まる子「わかった分かった」
大野「あと、東京に遊びに来い。いろいろ連れてってやるから。美味いもんも食わせてやるから。」
まる子「行きたい」
大野(こいつ絶対食いもんに釣られてるな…)
まる子「大野君も、またこっち来てね」
大野「…あぁ。」
まる子「可愛い女の子がいてもついてっちゃだめだよ。」
大野「お前もカッコイイ男がいても着いてくなよ」
まる子「…もうここにいるし。」
大野「いや、それをいったらこっちだって…」
まる子「ばか!」
大野「いて」
まる子「…女の子にあんまり期待させちゃだめだよ」
大野「お前もあんまり男子ばっかりに絡むなよ」
まる子「うん」
大野「約束な」
まる子「うん、ぜったい。」
大野「指切りげんまん嘘ついたら針千本のーます」
まる子「大野君やっぱ歌上手いね」
大野「そりゃどーも」
そっからなにも言わずに1回だけキスをした。
俺もさくらも緊張で震えてたと思う。
ーーー
杉山「大野、お前またあそび来いよ。俺も行くからな!」
大野「あぁ、約束だぜ。大学はこっちで受けるから。」
たまえ「気をつけてね、大野君!」
大野「穂波、杉山を宜しくな。」
たまえ「うん!」
大野「あと…さくら、泣くな。」
まる子「うーっ、だって…」
大野「昨日穴埋めたんだろ?」
まる子「埋まるもんじゃないって言ってたのあんただしっ…」
大野「お前、昨日の約束全部守れよ」
まる子「わかってるよう」
大野「色々ありがとうな。3人とも。
…俺静岡いる間、考えたんだ。東京戻っても何も変わらないままでいいのかって」
まる子「…」
杉山「大野」
大野「俺、東京戻ったらまたサッカーするよ」
まる子「!」
杉山「ほんとか!?大野!」
大野「あぁ、目が覚めたよ!こんなんで諦めて逃げるなんて俺じゃねぇ。
それに…気がついた。さくらにサッカーしてる姿が好きだったって言われて」
まる子「大野君」
大野「絶対戻ってくるから、それまでお互い何とか頑張ろうぜ」
まる子「…うんっ、うん!」
大野「じゃ、電車きたから行くな。
…こんどは乗ってくんなよ、さくら!
また乗ってきたりしたら今度は帰さねぇから。」
まる子「まーたカッコつけて!辞めてよ!」
大野「はは、じゃあな!お前ら!」
まる子「うん、ばいば」
杉山「うぉおおお!大野ぉおお!!」
まる子「ちょ、暴れないでよっギャァー!」
\ドアが閉まります/
まる子「え、嘘でしょ…いゃぁあああ」
キートン『杉山の暴走におされてまたも電車に乗ってしまったまるこ。
呆然として呆れたような表情の大野は、帰さねぇからと最後にカッコつけたのも虚しく次の駅でまる子をおろしたのであった。』
終わり
先週メモ帳を生理してたら出てきた残骸を書き直して供養
では暇な人ありがとうございました。
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