【FGO】カルデア相談室の日常 (45)


・スタミナ回復の待ち時間にのんびりさっくり書いてみるスレ。
 以前少しだけ書いた内容の修正版。

・途中より参加サーヴァントの安価予定。
 覗いてくれるお方は時間潰しがてらにお付き合いください。

 

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頭の中には夢がある。

カタチを問わない、夢幻のような無限を内包する幻想(ファンタズム)。

それぞれに宿る幻想を確認するかのように、人は優しい夢を見る。

それはきっと尊いモノ。

自分にだけしか見えない筈の煌めくような事柄を、一人で治めるには勿体無いから。

心に描いた風景の片鱗を絵画や文筆などで共有し、皆に告げるのだ。



ほら、この夢は憐れだろう、悲しいだろうと。


それでも。

楽しいだろう、美しいだろうと。

 


ぐだ子「……心療内科?」

ロマン「まぁ、そこまでも堅苦しいものじゃないけれどね。モノの喩えの話だよ。
    ときにキミは自分の介添えをしてくれているサーヴァントの状態は把握しているかい?」

ぐだ子「そこはまぁ、繋がっているパスで体調とか蓄積ダメージは分かるけれど…。
    あれ?でもそれってバイタルチェックでロマンが管理してくれているんじゃないの?」

ロマン「いやまぁ、そりゃボディケアって言えばボクの性分の一つでもあるけれどさ。
    細部まで利用するのってキミかマシュくらいで、キミが健康になればサーヴァントも比例して治るものだし」

ロマン「ボクが言ってるのはね、メンタル部分の話さ。どれだけ健康体でも、悩み一つで行動は鈍っちゃうのが人の常。
    あ、それって英霊たちにも言えるのかな……?」

ぐだ子「??」

ロマン「英霊たちを使役する身として、彼らの内面を知っておくのは有りだと思うよ。
    じゅうぶん仲良くやっていけてると思うけれど、もう少し親しくなってもいいんじゃないってこと」

 


ぐだ子「言われてみれば溜息ついたりしている人達って、思い返すと結構いるなぁ……」

ロマン「そういう人が気軽に話せるように相談室でも開いたら?、ってのがさっきの話しだね。
    さすがに心療内科はちょっと言い過ぎちゃったかも知れないけれどさ」

ぐだ子「なるほど、確かにみんなの抱えている悩みや不安を取り除ければ、更に戦力が増すってことだね!」

ロマン「そうそう。キミが誰よりも命を賭けて頑張っているのはみんな知っているし、信頼関係から多少は何かと話してくれると思うよ」

ぐだ子「ありがとうロマン! さすがは三十路の知恵袋!!」

ロマン「そういうハートに直接ザックリくるのは止してくれないかな!?」

 




ぐだ子「と、いうワケで自分の部屋の前に張り出して見たんだけれど……」



―― お悩み相談室 ~ ご法度無しのバーリトゥード ~  ――



ぐだ子「……」

ぐだ子「…………」

ぐだ子「………………」

ぐだ子「だーーれもこなーーーーーいっっ!!」

 


ぐだ子「まぁ急に怒涛の如く来られても困るから、ヒマなのは良いんだけれどさー」

ぐだ子「こうも誰も来ないとなると、待機しているのが退屈っていうかー」

ぐだ子「ぶっちゃけお昼寝したくなってきたというかー」

ぐだ子「……よし、今から10数えるうちに誰も来なかったら休憩しよう。そうしよう」

ぐだ子「じゅーう、きゅーう、はちななろくごー、よーん、さーん……」


コンコン コンコン


 沖田「マスター、部屋の前に書かれてる触書(ふれがき)を読んできたのですが!」

ぐだ子「…………」

 沖田「なんかすっごく不機嫌そう!?」

 


ぐだ子「おっといけない。 ようこそ、相談室へ!」

 沖田「おおぅ……。一転して突然の歓迎ムードを出されると、さすがの沖田さんも困惑してしまいますね」

ぐだ子「まぁまぁお気になさらず。この部屋の門戸を叩いたということは、何かしら困りごとがあると見た!」

 沖田「ああ、いえ。 法度まみれの所で生前は過ごしていたので、ご法度無しの言葉に惹かれてつい来ちゃいました!」

ぐだ子「おぅなんでぇ冷やかしかい!? 帰ぇんな帰ぇんな! こちとらヒマしているワケじゃねぇんでぃ!」

 沖田「江戸っ子気質っ!?」

 


ぐだ子「いやまぁ、本当はヒマしていたんだけれどね。
    とりあえず気まぐれで相談室なんて開いてみたけれど、これがまた誰も来なくてさー」

 沖田「相談室……ああ、なるほど。じゃあ、私が最初の訪問者になるんですか?」

ぐだ子「そうなるねー。 ま、そういう体(てい)で一応色々と聞くからさ。
    沖田さんはカルデアに来て割と日も経ったけれど、何か困ってることや悩み事とかない?」

 沖田「悩み事ですか? うーん……そうですねぇ。
    喀血でよく物を汚してしまうのですが、それが悩みの一つですかね」

ぐだ子「あぁ、それ本当にキツそうだよね。最初に戦闘で見たときはどうしたもんかと思ったよ」

 沖田「慣れてしまえばへっちゃらへーですよ。お酒の席の一発芸でもよく使ってますから」

ぐだ子「喀血自体は深刻じゃないのね……」

 


 沖田「むしろ血を吐くことからの弊害が大変ですねー。
    枕元が朝血塗れになっていると、起こしに来てくれた人が凄くビックリするんですよ」

ぐだ子「そりゃまぁ仰向けで寝て血を吐くから、寝起きの沖田さんって顔面えらいことになってるからね。
    しかも低血圧だから中々自分で起きてくれないし……」

 沖田「低血圧っていうか血そのものが失われてるんですけれどねー。はっはっは!」

ぐだ子「はっはっは、……傍から聴くと物騒だなぁ」

 


ぐだ子「喀血の原因は“病弱”のスキルから来ているからなぁ。
    召喚された際の所持スキルって個性みたいなもので、変えようがないし……」

 沖田「そこはご安心を。生前からずっとそうでしたし、慣れっこだから大丈夫です!」

ぐだ子「よし、じゃあこうしよう。 体調が悪い夜があれば、私が添い寝してあげるよ」

 沖田「えっ。でもそれだとマスターのお召物が汚れちゃいますよ……?」

ぐだ子「別に沖田さんの血を浴びるのは不快でもなんでもないし、それに弱ってるときの夜って心細いでしょ?
    そういう時こそ私を呼んでよ。私は貴方のマスターなんだから」

 沖田「ま、ますたぁ……っ!」

ぐだ子「ホラホラ、お目目ウルウルさせない。悩みの相談してくれたら、解決案を出すのが筋でしょ?」

 沖田「あの、ちなみにですね……」

ぐだ子「ん?」

 沖田「一緒に寝て不測の事態が発生しても、それは事故ということで宜しいですか?」

ぐだ子「貞操の危機しか感じないのですがそれは」

 


ぐだ子「はぁ……全く。 それで、他に何か悩み事や相談事とかはある?」

 沖田「そうですね~。 う~ん、う~ん」

ぐだ子「良い機会だから何でも言ってくれていいよ」

 沖田「あっ、ではここ最近困り事というか愚痴りたい所が一つあってですね……」

ぐだ子「ほいきた何じゃらほい」

 沖田「図書館で借りた本の事なんです」

 


ぐだ子「……へ?」

 沖田「いや、そのですね。先日カルデア内にある図書館に赴いたときの事なのですが……」


~~

 沖田「おや、珍しい人を発見」

アンデルセン「なんだ藪から棒に。珍しいのは貴様の方だろう」

 沖田「普段あまり見かけないと思ったらこんな所にいたんですね、アンデルセンさん」

アンデ「作家のサーヴァントが書物に惹かれないわけないだろう。
    模写された失書本などがここにあるから、参考がてらに読んでいるだけだ」

アンデ「そもそも極東の侍がどうして書庫にくるんだ?竹光でも振り回して遊んでいればいいだろう」

 沖田「むぅ、それはひどい言い草ですね。私だって偶には読書に耽ることだってありますよ」

アンデ「……本音は?」

 沖田「最近暑くて過ごしにくいから、涼しいところを求めているとココに辿り着きました!」

アンデ「正直すぎるのは美点なのかどうか非常に悩ましいところだな」

 


 沖田「やはり作家のサーヴァントというのは自身の本が気になるのですか?」

アンデ「可もなく不可もなく、だ。あくまで仕事の結果として残るのが、私にとっての書物だ。
     結果に感慨など湧かないが、まぁ……そうだな。
     重版されているかどうか確認するくらいか。読み手に届いているかの目安になるからな」

 沖田「ふぅん、そんなものですか。
     私も仕事として剣を振るいますから、結果として残る死体そのものに何か思う節などは特にありませんね」

アンデ「心に残る染みが、赤いか黒いか。 それだけの違いだ。 貴様も私も、そういう点では相違ないさ」

 


 沖田「……」

アンデ「えぇい、急に黙るな。 会話を探すのが更に面倒になってくるだろうが」

 沖田「いえ、面白い御方だなと思いまして」

アンデ「なんだ馬鹿にしているのか。 宜しい、回れ右をするとすぐ図書館の出口になるぞ」

 沖田「ああ、失礼を。 そういった事ではなくてですね……少し、嬉しいというか何というか」

アンデ「別に喜ばれることを言った覚えは無いのだが」

 沖田「その、私は生前は人斬りと呼ばれていまして……」

アンデ「安心しろ、私が読んだ文献では死後もそう呼ばれているぞ」

 沖田「いえ、その、人斬りそのものは別に良いんです。 貴方のいう“仕事の結果”というものですから。
     ただ、それが周囲に浸透してしまうと自然と人が減っていくというか……」

 


 沖田「その人斬りの印象が広まった結果、周りの者は皆どこか余所余所しくて。
    自慢じゃないのですが、私と気軽に話してくれたのは近所の子どもくらいでした」

アンデ「本当に自慢にならないな。 そもそも友人がいない俺といい勝負ができそうだ。
    それに何だ、その語り方だと俺が子どもに見えるとでも言いたいのか?」

 沖田「はい。 あ、いえ失敬! そうではなくて、こういう軽口を叩いてもらえるのが嬉しいというか……」

アンデ「……ふん」

 沖田「もし宜しければ、今後もこうやって気軽にお話して頂けたら、有り難いというか何というか」

 


アンデ「おい、受け取れ」

 沖田「へ? あ、っと。急に本を投げるのは、作家として如何なものかと思いますよ、沖田さんは!
    それに、そもそも投げてきたこの文庫本は一体なんでしょうか?」

アンデ「作家のサーヴァントと話す際には弁を立てろ。その為の勉として本を読め。
    お前は日本人だろう? ちょうど先日、日本人作家の本を幾つか読み終えたところだ」

 沖田「……お薦めを貸してくれているんですか?」

アンデ「あいにく俺は今締め切りに追われていてな。
    どこぞの髭を蓄えた作家とのアンソロジー本の執筆が忙しいから、相手をしている暇などない」

 沖田「つまり、これを読み終えて締め切りが過ぎたら、お喋りの相手をしていただけると?」

アンデ「どう捉えようがお前の勝手だ。ほら、もう充分涼んだろう?
    図書館は本来静かに過ごすべき場所だ、五月蝿い輩がいると気が散る。しっしっ。」

 沖田「は、はい! ではお借りして、色々と読んでみますね!」

アンデ「原稿の邪魔だから早く行け」

 沖田「あ、それと! 沖田さんはハッピーエンドが大好きなのですが、その辺りは大丈夫なお話ですか?」

アンデ「馬鹿者。それを言うとネタバレになるだろうが。 結末を楽しみにしながら物語に浸れ」

 



~~


 沖田「と、いう事で借りてきた本を読んでみたのですが」

ぐだ子「うんうん」

 沖田「バッドエンドが一冊、ビターエンドが二冊でした……」

ぐだ子「うわぁ……」

 


ぐだ子「その作家さんは何ていうお名前なの?」

 沖田「確か、虚淵何某さんだったかと」

ぐだ子「ああ、私もその人の本読んだことあるよ。中々エグい内容だよねー」

 沖田「吸血鬼の話は哀しくて、殺し屋の話は切なくて。
    美しい物語ではあるんですが、なんとも言えないモヤモヤで寝つきが悪くなりましたよ!」

ぐだ子「ああいうシナリオが書き慣れているんだろうね」

 沖田「酷いです……好き合った男女が幸せに結ばれないシナリオなぞ、言語道断公家諸法度!
    アンデルセンさんも本を貸してくれたときにそう言ってくれたら良かったのに!」

ぐだ子「あの人はああいう底意地がよくないところあるからなぁ……」

 沖田「でも、マスターに愚痴を吐いたら少しスッキリしました。
    あまり人と話すのは得意ではありませんが、喀血以外に吐いてスッキリするものもあるんですね!」

ぐだ子「あはは、愚痴と喀血を一まとめにするのはどうかなぁ……。
    まぁ良かったよ、沖田さんの内側のモヤが少しでも晴れてくれたなら、それは嬉しい」

 沖田「マスターに感謝を。 では、そろそろ私はお暇をさせて頂きますね。
    これから図書館に行って、本人に物言いを直接告げてきますゆえ」

ぐだ子「りょうかーい。アンデルセンさんにも相談室のこと伝えといてー」

 沖田「承知しました!」

 



ぐだ子「さてさて、最初の相談は割とまともに対応できたんじゃないかな?」

ぐだ子「この調子で上手い具合に対応できればいいんだけれど……」

ぐだ子「まぁ、やるからには真摯で! しっかりお話を聞いてみようじゃないか!」


コンコン コンコン


ぐだ子「おっと。 そんな事を言ってたら、さっそく二人目かな?」

ぐだ子「どうぞー。 空いてるから入ってきていいよー!」



アンリ「いよーぅ! なんか変な事やってんねぇ!」

 


アンリ「ノックしてもしもーしぃ! オレ、参上ってやつ!?」

ぐだ子「おぉ、アンリ。 君がこういう所にくるのって珍しいね」

アンリ「そりゃ珍しいことしてたら野次馬が出来るのが世の常だろ?
    一般人はそういうのに目が無いってワケ。
    そんでオレは、パンピーらしく世の常ってやつに乗っかってみるのさ」

ぐだ子「野次馬かぁ……これほど分かり易い冷やかしなら、そりゃ逆に大歓迎だよ」

アンリ「うっわぁ、捻くれまくって捻じれちゃってるなぁ。
    ま、せっかくだし? なんか適当に話でもしようぜ、マイマスター」

 


ぐだ子「相談室って名目でサーヴァントの話を聴こうと思ったんだけれどさぁ。
    アンリが相手だとやる気も削がれるよね」

アンリ「あ、ひっでぇなぁ! そういう差別がこの世の悪を生むんだぜ!?」

ぐだ子「それを冠する英霊から言われると信憑性が凄まじいなぁ……」

アンリ「へへへ、アンタのそういう苦笑いした表情、割と好きだなオレ。
    なんかこう、困っているような風を見せかけて、全然堪えてない感じってーの?
    手玉に転がされているっぽくて何だか楽しくなっちまうなぁ」

ぐだ子「変なところの琴線に触れちゃったのはさておいて。
    単刀直入だけれどさ、アンリ。 キミなにか悩みや相談したいことってあるの?」

アンリ「いんや、全然」

ぐだ子「ですよねー……」

 


アンリ「そもそも悩みっつーのが、オレにとっては羨望の一つみたいな?
    悩めるということは、それ即ち何かを謳歌しようと足掻いた副産物だ。
    悩みがある、そういう贅沢だってあるって思うんだよなぁ」

ぐだ子「確かに悩むのは、思考や行動で出来た道のコンパス亡くしたみたいなものだね。
    その道をどういう風に進むか、じゃなくて。そういう道があるって事自体が素晴らしいのか」

アンリ「いやそこまで大それたモンじゃねぇよ。オレは只、なーんもないから悩みもないのさ」

ぐだ子「じゃあ、悩みがないのが悩み、みたいな? うーわ、アンリちゃん思春期みたーい♪」

アンリ「おおぅ、さっすがマスター。 煽るのが上手なようで何よりだぜ全くぅー♪」

 


ぐだ子「でも正直なところ、何か困った事は無いの? 些細なことでもいいんだよ」

アンリ「ん~、いざこうして言われても、俺はオレだし?
    このままだとマジで悩みがないのが悩みになりそうで怖いわー」

ぐだ子「キミは心の内側にポケットを沢山持っていて、しかも収納上手ときたもんだ。
    隠してるもの、たまには私に見せてみてよ。綺麗なところも、汚いところもさ」

アンリ「……ったく、アンタ無駄にそういうところが意固地だよなぁ。昔の女を思い出すぜ」

ぐだ子「えっ、昔の女!?」

アンリ「ばっか、勘違いすんなって。 
     色恋なんて微塵もねぇけれど、真っ直ぐだった愚かな女を思い出すのさ」

ぐだ子「ふーん。 じゃあさ、悩みがなかったら、その人の話でも教えてよ」

アンリ「あー! あったあった! やっべぇくらい特大の悩みあったわー! これ相談するの忘れてたわー!」

ぐだ子「話のはぐらかし方、下手くそだね。キミ……」

 


アンリ「オレの宝具ってさ、なんつぅか、華が無いっての? ……ぶっちゃけ弱くね?」

ぐだ子「あ、それ自分で言っちゃうんだ」

アンリ「まぁ英雄様が扱うってんだから、そりゃ在り方なんて多種多様っつーのは仕方が無いとして?」

アンリ「心臓もっていくような物騒極まるモンもあれば、すっげぇ盾を出して敵を寄せ付けないようなモンもある。
    挙句の果てには対界宝具だっけか? 世界そのものをぶっ壊せるヤツだってあるんだぜ」

ぐだ子「規格外が通常(ノーマル)だよね、宝具って」

アンリ「そんな“当たり前の高貴(ノーブル)”に囲まれちまったらさ、非常(アブノーマル)が目立つじゃん?
    オレの『偽り写し記す万象』はハッキリ言ってお粗末。下手すりゃ三流にすら劣るクソッタレよ」

ぐだ子「……」

アンリ「なのに、何故かそれを好んで手元に置いてるような輩がいるってんだからお笑いだ」

 


アンリ「それでもオレを使うか、マスター? エクストラクラスの復讐者。
    カタチを伴ったロクデナシですぜ、オレって。 そんなのを使い続けてもだーいじょーぶぅ?」

ぐだ子「なんだ、そんな事かぁ」

アンリ「そーそー。 言ったろ、特大の悩みだってな」

ぐだ子「その言い分だったら、私の言う答えも予想がついてるんでしょ?」

アンリ「いんやぁ、全然。分っかんないから教えてくれよ、おまえさんから」

ぐだ子「はぁ……面倒くさいなぁ、キミ」

アンリ「けっけっけ。 ほれほれ~、サーヴァントのやる気を盛り上げていこうぜマスター!」

ぐだ子「アンリ」

アンリ「あいよ」

ぐだ子「君の弱さを愛してるよ」

 


アンリ「おおっと、こいつぁ予想外! 素敵なラブコール頂きました!」

ぐだ子「満足かい?」

アンリ「おぅさ。まぁ、ボチボチって所だな」

ぐだ子「はぁ、全く。使えるか使えないかで君たちを見ているわけないの知っているでしょ?
    そもそもサーヴァントとして私に仕えているんだったら、使えるように努力してほしいところだよホント」

アンリ「へーへー。精進しますよー、っと」

ぐだ子「これからも宜しくね、アンリ」

アンリ「おぅさ、マスター。 ……おまえなら大丈夫だ。これからも聖杯戦争を続けていこうぜ」

ぐだ子「そうだね。 終わらせるために、続けていこう」

 



ぐだ子「いやはや、珍客というか何というか。流石に予想外だったからビックリだね、ホント」

ぐだ子「悩みすらないのが悩み、って所だけは多分本当だったのかな?」

ぐだ子「そういう感情の機微って難しいなぁ……」

ぐだ子「ま、割とみんな好意的に話してくれるのは嬉しいな。 この調子で色々お話できるといいけれど」


コンコン コンコン


ぐだ子「おっと、千客万来! いや、まだ三人目だけれどね」

ぐだ子「はーい! 空いてるから入ってきていいよー!」



【三人目のサーヴァント】
>>34

ブーディカ


>>34


ブーディカ「やっほー、マスター。 なんか変な看板立ってたけれど、何してんの?」

ぐだ子「おお、ブーディカさん! らっしゃいらっしゃい!」

ブーディカ「やたら歓迎してくれるのは嬉しいなぁ。 よーし、お姉さん気分良いから今度ガレットでも作ってあげよう♪」

ぐだ子「Fooo! これだからブーディカさんは最高だぜぇ!」

 


ぐだ子「おっといけない、浮かれてばかりじゃいられない! 
    今日はお悩み相談してるんだけれどさ、ブーディカさんって何か悩みとかある?些細なことでもいいんだけれどさ」

ブーディカ「ああ、確かに表にはそんな感じの貼札があったね。どういう風の吹き回しなのさ?」

ぐだ子「いや、日頃の感謝の意というか……」

ブーディカ「バカだねぇ。君がどれだけ頑張っているのか、それが分からないサーヴァントはここに居ないよ。
      こちらが感謝することは多々あれど、私たちが貸している力を恩義に捉えることなんてないさ」

ぐだ子「ママ……」

ブーディカ「ママ!? いや、まぁ、……悪い気はしないねぇ♪」

 


ぐだ子「まぁ、今日は色々な話を聞こうと思ってるんだけれどさ。実際どうなの?」

ブーディカ「何がだい?」

ぐだ子「夜眠れないとか、疲れが取れないとか、なんでもいいんだ。
    貴方が抱えるものを少しくらい持ちたいって思って、こうして相談室なんて開いてるんだけれど」

ブーディカ「うんうん」

ぐだ子「やっぱり英霊って、みんな優しいんだよね。本当に重い荷物は抱え込んじゃう。
    重いって知ってるから、誰かに持たせるのは気の毒って考えてるのかな?
    だからそれを無理に持たずに、私で軽くできるところをカバーしたいなー、なんて思ってるんだ」

ブーディカ「なるほどねー。まぁ、なんでもいいから悩みが聞きたいってことか」

ぐだ子「ぶっちゃけるとそうなるね!」

ブーディカ「よっし。じゃあくだらない悩みだけれど、是非とも相談させてもらおうかな!」

ぐだ子「さっすがブーディカ姉さん! 話が分かるサーヴァント暫定六位ぃ~!」

ブーディカ「えっ、なにそれ上位五人が凄く気になるんだけれど……」


【ブーディカの悩み】
>>40



ブーディカ「ネロやカエサルとかを見るとさ~」

ぐだ子「うん」

ブーディカ「こう、あたしのハートが疼くっていうか」

ぐだ子「うんうん」

ブーディカ「知らずに剣の柄を握ってたり」

ぐだ子「うん…?」

ブーディカ「なんか正中線を目で追っかけたり」

ぐだ子「姉さん……?」

ブーディカ「ぶっちゃけ無意識にイラってしちゃうんだよね~」

ぐだ子(地味にアカンやつやコレ)

 


ぐだ子「あの、お訊ねですが……やっぱり今でも“ローマ死すべし慈悲は無い”感じで?」

ブーディカ「いやいや、もう昔は昔と割り切ってるよ! 今は人理修復の為に共に戦う仲間だからさ!」

ぐだ子「おおぅ、それは良かった。いやホントに」

ブーディカ「だけれど、本能的な部分がどうにもローマに所縁のあるサーヴァントを苦手にしちゃってるみたいなんだ」

ぐだ子「ああ、嫌いじゃないけれど生理的にキッツイっていう按配なんだね」

ブーディカ「いい解決方法が中々思いつかないんだよね。良い機会だしマスターに聞いてみよっかなって」

ぐだ子「むぅ~。 そうだね、じゃあこうしよう」

 

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