ザック「俺様のスピードについてこれるか！？」ダッ

女天狗「遅い！！」ブワッ

ザック「うおっ！？」

女天狗「ふふふ……妾はこの風がある限り無敵じゃ」

ザック「くっ……これじゃあ近寄ることさえできねぇ」

ザック「どうすれば……どうすればやつの風を攻略できる？」

ザック「こうなったら！！ 風に耐えきる！！」ダッ

女天狗「無駄じゃ」ブワッ

ザック「ぐあっ！！！」

ザック「駄目だ……この強風、耐えきれねぇ」

女天狗「どうじゃどうじゃ！！ 妾の羽、触りたくても触れないじゃろう？」

ザック「触りてえ……けど触れねえ……」

女天狗「あははははは！！！ そうじゃそうじゃ！！ その顔じゃ！！ その悔しそうな顔！！」

女天狗「その顔を見る度に妾は楽しくてしょうがない！！」

ザック「考えろザック……考えるんだ」

ザック「俺が近くに行っても……彼女に風を吹かせない方法……」

ザック「あの風はやつの意思で発生する……だったら……」

ザック「……気を引くしかねぇ！！」

ザック「……女天狗の姉ちゃん！！」

女天狗「なんじゃ？」

ザック「……じゃじゃーん！！ この水着どうだい！？」

女天狗「！ そ、それは……ラブリーサマーコスチューム！！」

ザック「どうだい！！ 着たいだろう！！」

女天狗「き、着たい……その水着着たい！！」

ザック（水着に気を取られてる！！ 今だ！！）

ザック「チャーーーーンス！！」

女天狗「妾の物！！」バサバサ

ザック「あ、こら！！ 動くな！！」

女天狗「！！ 危ない……妾、罠に嵌められてたのか……」

ザック「もうちょっとだったんだけどな……」

女天狗「ザックとやら」

ザック「なんだい？」

女天狗「この水着、妾にくれるのか？」

ザック「そりゃ勿論」

女天狗「妾、この水着を見てたら南の島に行きたくなった」

ザック「！！」

女天狗「妾とお主の対決……南の島でやるというのはどうじゃ？」

ザック「！！」

ザック（こいつぁいい……南の島でバカンス中に襲ってやるぜ！！）

ザック「いいぜ姉ちゃん！！ 南の島へ招待してやるぜ！！」

ザック「俺様の……ザック島へな！！」

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パッ

女天狗「！！」

ザック「さぁあっという間に着いたぜ！！ 南の島、ザック島！！」

女天狗「お、おお……おおお！！！」

ザック「興奮してるねぇ」

女天狗「あ、遊びたい……あんな事やこんな事をして遊びたい！！」

女天狗「ザック！！ 戦いは後じゃ！！ ひとまず遊ぼうぞ！！」

ザック「ま、待ってくれ天狗の姉ちゃん！！」

女天狗「あはははははは！！ ここまでおいでーー！！」

ザック「！！」

ザック（俺に背を向けてる……これはもしや……チャンスじゃないのか？）

女天狗「妾を捕まえてみよー♪」

ザック（チャンスは……今しかねぇ！！）

ザック（この姉ちゃんの感じてる顔を見れるのは……今しかねぇ！！）

ザック「もらったああああああああああああああああああああああああああ！！！」

スカッ

ザック（……ん？ 掴んだ感触が……ない……）

女天狗「なんと……妾の羽が消えた」

ザック「は！？」

女天狗「これはもしや……南の島の力なのか？」

ザック「な、なんで……」

バサッ

ザック「！！！？」

女天狗「なんと……ザックに羽が……」