梨子「警備員の深夜アルバイト?」 (356)

前のSS 海未「(・8・)と山頂アタックです!」
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今作はホラーゲーム「Five Nights at Freddy’s」のパロディです。ラブライブ!サンシャインの桜内梨子ちゃんが夜間警備をします。




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夏休み

ー部室ー


千歌「あ~あ、明日から練習お休みかぁ……」






梨子「お盆の期間はメンバーがみんな忙しいみたいだからしかたないよ」





曜「花丸ちゃんは家のお寺の手伝い、ルビィちゃんは家が綱元だから親戚がたくさん来てお手伝いが大変。善子ちゃんは天界に帰るみたいだし」




千歌「うちの旅館もお盆はお客さんが増えるんだよね~、手伝い頼まれちゃうなぁ……」






曜「わたしは最近参加できてなかった水泳部の練習のほうにいかなきゃね!」





梨子「みんないろいろ大変なんだね…」



曜「あはは…田舎のお盆は忙しいんだよ」






千歌「そういう梨子ちゃんはお盆の予定は?東京に帰ったりしないの?」






梨子「わたしこの前2日間部活お休みしたでしょ?東京の親戚の都合で少し早いけどその時にお墓参りとかは済ませちゃったの。だから特に予定はなくて……」






千歌「じゃあ梨子ちゃんは1週間フリーに使えるわけだね」





梨子「そうなの、夏休みの宿題ももう終わっちゃったしどうしようかなぁ…」






曜「おぉ、宿題を既に終らせてるとはさすが梨子ちゃん!千歌ちゃんとは大違いだね」






千歌「大丈夫!宿題なんて最終日が
勝負なんだよ」





曜「千歌ちゃん……まさか宿題全く手をつけてないとか?」





千歌「ぎくっ…」



梨子「う~ん……せっかくの1週間何もせず過ごしちゃうのはもったいないよね」





千歌「そうだ!だったら梨子ちゃんが普段やらないようなことに挑戦してみたら?」






曜「ずいぶん漠然としてるな~」






梨子「普段やらないようなこと……」





千歌「なんでもいいんだよ、なんでも!」





梨子「なんでも………じゃあアルバイトとか?」






千歌「いいなあアルバイト!わたしは家の旅館のお手伝いしてもお給料なんてでないし羨ましい……」



曜「でもどうしてアルバイト?」





梨子「わたしは小さい頃からピアノばっかりだったから、もっと外の世界を見て視野を広げようかなって思ったの。社会勉強にもなるだろうし」






千歌「今は夏休みだから学生向けの短期のアルバイトも結構ありそうだよね」






梨子「でもなんのアルバイトがいいか全然思いつかないよ……わたし人見知りだから接客とかは向いてないし」






曜「そんな梨子ちゃんに朗報!」






梨子「何?」






曜「実はそこで働いてる人から誘われてたアルバイトがあったんだけど、水泳部の練習とかで余裕がないから……梨子ちゃん代わりにやってみない?」



梨子「でも曜ちゃんが頼まれてたのに代わりにわたしがやっていいの?」






曜「へーきへーき、人手が足りなくて困ってるみたいだからきっと梨子ちゃんでも問題ないよ!」





梨子「そう……ところでなんのアルバイトなの?」





曜「ハンバーガー屋さんだよ」





梨子「ハンバーガー屋さんなんて無理無理!忙しそうだし笑顔で接客とか緊張しちゃうし…」





曜「それがどっこい問題ないんだな~………確かかばんの中に」ガサゴソ





曜「はい求人のチラシ、読んでみて!」スッ




梨子「えーと……」ペラッ




人材求む!

うちっちー Walrus’s Burger

午前0時から6時までの夜勤警備員を募集中。

お仕事内容は監視カメラのチェック、

備品や動物ロボットの安全確認をするだけの簡単なお仕事です。

勤務日数…5日(個人の技量により短縮される場合あり)

週給1500円




※注意
死亡または四肢欠損などの責任は一切負いません。




千歌「うちっちーわるらすす?読めないや……」





梨子「これはウォルラス、セイウチのことだね、セイウチのうちっちーのバーガー屋さんってことかな」




千歌「なるほど!」





曜「閉店後の夜間の警備員なら自分以外誰もいないし、接客なんてもちろんしないから恥ずかしがり屋の梨子ちゃんでも安心かなと思ってね」





梨子「でも深夜0時からって遅すぎない?それに泥棒とか強盗とか来たら女子高生のわたしじゃ……」





曜「田舎のハンバーガー屋さんに強盗なんてこないって!気になって聞いてみたけど、そういう犯罪者が現れたことは一度もないみたい」



梨子「そうなんだ……でも不安だなあ、警備員っていうくらいだから暗い中で見回りとかするんでしょ?そんなの怖いよ……」






曜「それも心配ないみたいだよ?見回りどころかむしろ警備員室から出ちゃダメなんだって」




梨子「なんで?」




曜「それはわかんない……でも監視カメラたまに確認しながら朝までだらだらしてればいいってさ。梨子ちゃんでもきっとできるよ」





梨子「そうかなあ……本とか読みながらなら時間はつぶせそうだけど……」





千歌「ねえ、この動物ロボットってなんだろう?ロボットがお店にいるのかな?」



曜「実際に見たことはないんだけど、そこのお店は動物のロボットが接客してたり」





曜「あとはロボットのショーを見ながらご飯が食べられる楽しいお店みたいだよ!」





千歌「こんな田舎にそんな最新技術が!?」





花丸「すごいずら!未来ずら!」





梨子「わ!花丸ちゃんどこから出てきたの!?」




花丸「先輩達の話が聞こえてきたからつい……」





千歌「それにしてもそんなお店が地元にあったなんて全然知らなかったよ」




花丸「マルもロボット見たいなあ……今度お店に行ってみたいずら」


曜「ロボットが接客する珍しいお店なのに全然知名度も人気も上がらないみたいで……わたしもその人に聞くまで存在自体知らなかったし」



花丸「なんだか悲しい話ずら……」




梨子「勤務日数5日…?それ以上はできないのかな」





曜「一応1週間毎に契約を更新するらしいんだけど今までの人はみんな5日以内に辞めちゃってるんだって」




梨子「それってやっぱりなにかあるんじゃ……みんな辞めるなんて普通じゃないよ……」




曜「きっとみんな1人で朝まで部屋に籠るのが退屈なんだよ、わたしだって多分無理だし!」




花丸「マルも本さえあればずっと部屋にこもれるから向いてるかもしれないずら」


梨子「うーん……」




梨子(でもほとんど何もしないで時給1500円……)




梨子(5日頑張れば結構な額になるよね、初めてのお給料で家族にご馳走したらお父さんとお母さん喜んでくれるかな……)




梨子「!?」





千歌「どうしたの固まっちゃって」






梨子「最後の注意書き……死亡または四肢欠損ってどういうこと…!?」ガクブル




曜「もう、さっきから心配し過ぎだよ梨子ちゃん!バンジージャンプとかでも飛ぶ前に誓約書みたいなの書くし、安全だけど念のため書いときましたって感じだよきっと!」


梨子「そ……そうだよね……」



梨子(そうよ桜内梨子……!なにごとも怯えてばかりじゃダメ、自分の殻を破らなきゃ!)





曜「どう?悪い話じゃないと思うけどなあ…」





梨子「わたし、このアルバイト……やってみようかな!」





千歌「お~!梨子ちゃん頑張れ!」





花丸「マルも応援するずら♪」




曜「まだ不安があるなら一度お店を見学しに行ってみたら?わたしがお店の人に話をしておくからさ」




梨子「そうだね、1回見学に行ってみる!」



ーうちっちーウォルラスズバーガーー



梨子「すぐ近くにこんなお店があったなんて…引っ越して来てからいろんなところに行ったけど全然気づかなかった」




梨子「地元の千歌ちゃんも曜ちゃんも知らないんだからわたしが気づくわけないか……」テクテク




梨子「ファンシーなお城みたいな外観だね、小さい子たちはとっても喜びそう。小さい頃に行った遊園地を思い出すなあ」




ガチャッ




梨子「こんにちは~……」


♪~



梨子「陽気な音楽は流れてるけど……誰もいないのかな?」





うちっちー「………」ヒョコッ




梨子「わあ!急に出てきたらびっくりするって……」




うちっちー「………」スッ




梨子「あ、風船くれるの?ありがとう……」




うちっちー「………」ニコッ




梨子「あの……あなた以外には誰かいないのかな?」




うちっちー「………」チョットマッテテ-




梨子「お店の奥に行っちゃった……」



エッオキャクサン?アルバアトノボシュウノヒトカナ




梨子「よかった…誰かいるみたい」




善子「いらっしゃいませ~!夢と魔法の国、うちっちーウォルラスズバーガーへようこそ!お一人様ですか?」




梨子「え!?よっちゃん!?」




善子「リリー!?」


クルッ


善子「ジーザスクライスト!!」ダダダッ




梨子「あ!逃げないでよよっちゃん!」ガシッ


善子「いやよぉ!堕天使ヨハネがこんなメルヘンなお店でウェイトレスしてるのがバレるなんて黒歴史にもほどがあるわ!」ジタバタ




梨子「大丈夫だよよっちゃん、わたしは変だなんて全然思ってないよ?それによっちゃんの黒歴史なら他にも五万とあるし」





善子「うっ……ぐすっ……本当に?」





梨子「もちろん♪」




善子「ふふ………あはははは!」




梨子「なんなの…?急に笑いだして……」




善子「だって大の女子高生が風船持ってるの見てたらなんだかおかしいなって」


梨子「もう!これはさっきうちっちーにもらったんだよ」





善子「どう?子供には夢を壊すから言えないけどあのアニマトロニクス、凄いと思わない?」





梨子「アニマトロニクス?」





善子「あのロボットたちのこと、動物のロボットだから店ではあの子たちのことアニマトロニクスって呼んでるの」



梨子「あのうちっちーはアニマトロニクス?だったんだっけ?動きが滑らか過ぎて人が入ってるかと勘違いしちゃった」




善子「その通り、あのうちっちーは機械仕掛けで動いてる自動人形なの」



うちっちー「………」フリフリ




梨子「すごいな~、体の中は一体どうなってるんだろう?」





善子「リリーはターミネーターって映画知ってる?」





梨子「まあ、有名だから1回くらいは見たことあるよ」


善子「ならそれを想像してもらえば簡単ね、あの映画に出てくるターミネーターみたいにこの着ぐるみのガワの中に機械の骨格が入ってるの」




梨子「すごい技術だね……でもそれにしても」キョロキョロ




善子「この店寂れてるでしょ?あんなすごいロボットがいるのにお客さんは滅多にこないわ、家族連れがたまにくるくらいで」




梨子「こんなこと言ったら失礼だけどお店の中もちょっと老朽化してるね」




善子「はっきり言ってボロいでしょ?きっと経営不振で改装とかもできないのよ、アニマトロニクスたちもね」




梨子「アニマトロニクスも老朽化してるの?」




善子「ちゃんとしたメンテナンスはできてないみたいよ?」




うちっちー「フォッフォッフォッフォ……」



善子「ほらね、あのうちっちーなんて前はペラペラ喋ってたのに今じゃスピーカーが壊れたのかたまに野太い声で笑うだけだし……ショーの時はちゃんと歌うけどね」




梨子「アニマトロニクスたちもかわいそうだね……あ、ところでそろそろ」




善子「あ、そうだったわね……1名様ご案内しま~す♪」



梨子「違う違う!そうじゃなくてわたしはバイトの見学にきたの」





善子「え?店長から話は聞いてたけど夜間警備のバイト希望者ってリリーだったの?」




梨子「うん……いろいろ挑戦してみようかなって思ってそれで」





善子「ふ~ん引っ込み思案のリリーにしては珍しい…ヨハネも応援するから頑張って」





梨子「よっちゃんもバイトしてるしやっぱりここで頑張る!でも面接とかいつしてくれるんだろう?」


善子「店長が面接ならいいって、人がいなくて緊急事態だから大歓迎だって言ってたわ」





梨子「面接しなくていいの?」




善子「できれば今夜からでも来てほしいみたい、一応マニュアルとかは預かってるからもうここで渡しておくわ」スッ





梨子「えぇっ!?本当に大丈夫なの?なんか店長さんに挨拶もしてないのに話が早く進みすぎな気が……」





善子「大丈夫、店長はかなりテキトーな人だから」




♪キ-ンコ-ンカ-ンコ-ン




善子「やばっ、そろそろショーの時間じゃない!」





梨子「よっちゃんも歌ったりするの?」





善子「ヨハネは歌わないわよ!?あくまでも主役はアニマトロニクス、ヨハネは司会みたいなものね」





梨子「ねえ、せっかくだからショー見ていってもいいかな?」






善子「ま、まあいいけどヨハネが何やってても笑わないでよね!」




梨子「はいはい♪」



ーステージ&ダイニングエリアー



梨子「ここでステージを見ながらハンバーガーを食べるんだね」




善子「無駄に広いでしょ?いったいここの客席が満席になる日は訪れるのかしらね」





梨子「あ、ねえよっちゃん?」トントン





善子「ん?」




梨子「おの部屋の隅のワンワン広場って場所はなんでカーテンが閉まってるの?」




善子「あそこに故障中の札がかかってるでしょ?前はあそこに犬のアニマトロニクスがいたんだけど壊れちゃったみたいで…」





善子「お金がないから修理できないんでしょうね……もう長い間あのままよ」





梨子(犬…!?いなくてよかった……)ホッ





ブ----!




善子「時間ね…」



梨子「よっちゃん頑張って~」






善子「………」



クルッ



善子「さあ!よいこのみんな集まって~!動物さん達のかわいい歌とダンスの時間だよ~☆」キュルルン



梨子「……クスクス」






善子「ちょっとそこ笑うな~っ!やらなきゃいけない決まりなの!」





梨子「………」プルプル




善子「さ……さあ~!お姉さんと一緒にみんなを応援しよ~!」




ガラガラガラ




梨子「あ、幕が開いてアニマトロニクスたちが出てきた」



うちっちー「………」フリフリ



マイコー「コンニチハ!ボクマイコー!」




ちかちー「がお~!」




梨子「あれ?あの人形千歌ちゃんにそっくり!まるで千歌ちゃんが怪獣の着ぐるみを着てるみたいに見えるけど偶然かな……?」




善子「ミュージックスタート!」

♪~


うちっちー「♪空色カーテンOpen! 海色ゲートWelcome!」


あ・そ・び・ま・しょう




梨子「あ、恋になりたいAQUARIUM!」



マイコー「イエイ!」シュバッ




ちかちー「うがー」ピシッ





梨子「すごい!あんな踊りにくそうな体なのに振り付けが完璧……!さすがロボット」






善子「はいリリー手拍子手拍子!」パチパチ





梨子「あ……うん!」パチパチ


梨子(よっちゃんもなんだかんだで楽しそう♪)




梨子(この子供のお誕生日会みたいなお店の飾りとこの雰囲気、結構好きかも♪ところどころボロいけど…)




善子「はい!もっと応援しよう!」





梨子(よし、わたしこのお店で頑張ろう!)


ー梨子の部屋ー


梨子「よっちゃんからもらったマニュアル、一応一通り目を通しておこうかな…」ペラペラ





梨子「ふふ、ご丁寧なアニマトロニクスの紹介ページまであるんだ~♪」




梨子「ロボットとはいえ一緒に働く同僚だもんね、ちゃんとチェックしておかないと」



うちっちーウォーラスズバーガーの愉快な仲間たち♪



うちっちー

型…セイウチ 性別…オス
担当パート…ボーカル

お店の看板ともいえるアニマトロニクス。
普段はお店の中を歩きまわって子供たちに風船を配っているみんなの人気者。以前は普通に会話が可能だったが最近は老朽化のためか喋らなくなり、たまに野太い声で笑う。
反面ステージ上では見た目からは想像できない美声で熱唱する。得意な歌はもちろん「恋になりたいAQUARIUM」。




梨子「わたしに風船をくれたうちっちーだね」




梨子「人なつっこくて可愛かったけど近くで見ると大きくてちょっと怖いかも……



梨子「あとよく見ると、ところどころに人の手形みたいなものがついてたんだよね……あれはなんだったんだろう」


マイコー

型…アザラシ 性別…オス
担当…ベース


ちょっとカタコトな日本語でしゃべるアザラシのアニマトロニクス。
とにかく活発でよく喋り、よく動く。普段は積極的に店内を歩き回り、客や店員にちょっかいを出しているようだ。
ステージではベースを担当するはずなのだがベースを弾かずに踊りまくっている。ベースよりダンスのほうが得意らしい。
スキンシップが激しく女性の胸を触ることもあるため女性客からの苦情が多い。




梨子「確かに元気なアザラシだったな~、ダンスの振り付け完璧だったし」




梨子「ていうかロボットもセクハラとかするの!?」



ちかちー

型…普通怪獣 性別…メス
担当…バックアップボーカル


アニマトロニクスの中の紅一点。
怪獣型のアニマトロニクスで、怪獣の着ぐるみを着た少女のような姿をしている。
とても可愛らしい見た目で女の子に大人気。普段はお店に来た子供を背中に乗せてあげていることが多い。
ステージでの担当はバックアップボーカルなのだが「がお~」などの鳴き声しか発しないため全くボーカルをバックアップしていない。
また鳴き声以外に光線の音の「ぴゅーん」や爆発音の「どっか~ん」なども自分の口で言っている。



梨子「千歌ちゃんにそっくりで初めて見た時はびっくりしちゃった」




梨子「千歌ちゃんが着ぐるみ着てるみたいで可愛かったなあ……アニマトロニクスの中では1番好きかも///」


ペラペラ



梨子「うーん……後はカメラの操作とかドアの開閉にフラッシュライト……電力の話とかが書いてあるみたいだけど……」





梨子「目の前に現物がないからよくわからない……残りは実際に向こうに着いてから読もうかな」



ペラッ


梨子「出入り口と鍵のページだけ読んでおこう」


店内の出入りは必ず裏口から行うこと。
裏口は午前0時に完全に施錠され、外からも中からも開けることはできない。午前6時になると解錠され店内から出ることができる。

※注意
警備員は必ず午前0時までに警備員室に入ること。午前0時までに警備員室内にいなかった場合、この時点で警備員の安全は保障されない。


梨子「これって朝6時まで閉じ込められるってこと!?」




梨子「行き過ぎた防犯?……でも逆を言えば外から誰も入れないってことはかなり安全なのかも……」





梨子「あとこの注意書き……安全は保障されないって遅刻したら怒られるってことなのかな…」




梨子「それを大げさに書いてるだけなら遅刻はしないし問題ないよね」



梨子「夜からバイトだから今の内に少し寝ようかな、バイト中に寝ちゃったら大変だし…」





梨子「よし!初めてのアルバイト、頑張ろう!」





梨子「おやすみなさい」



梨子「………」




梨子「zzz…」


とりあえず今日はここまでです。
続きはまた近日中に投下したいと思いますm(._.)m

台詞の中で若干グロい表現がありますが、グロい描写自体はいれないつもりです。
二次創作とはいえあまりキャラは殺したくないので(>_<)


ーうちっちーウォルラスズバーガーー


梨子「当たり前だけど真っ暗……こんな夜遅くに外に出たの初めてかな」





梨子(さすがに閉店してるから外の電気は点いてないね……)





梨子「裏口は……あ、あった」





ガチャッ




梨子「こんばんは~…」



シ-ン……



梨子(誰もいないのかな……)キョロキョロ





梨子(お店の中は電気点いててよかった~、中まで真っ暗だったらさすがに怖いよ……)


梨子「一応マニュアルは貰ってるけど今日が初日だから仕事の説明とかがあるはずだよね」



梨子「30分前に来てみたけど人がいる感じがしない…わたしが早く来過ぎちゃったのかな?」



梨子「とりあえず警備員室にいこう」テクテク



梨子(なんだろう、お店のやけに明るい内装とこの誰もいない静かさがちぐはぐでなんか不気味……)



梨子(誰もいない遊園地にわたしだけがぽつんといるみたい……あんまり好きじゃない……)


テクテク


梨子「この廊下の先が警備員室かな……」


テクテク


梨子「着いた…けど」




梨子「この部屋ドアはないの?」




梨子「失礼しまーす……ドアが無いから誰もいないのはわかってるけどね」



梨子「向かいにも入り口がある……わたしが来たほうとは逆の廊下に繋がってるみたい」




梨子(それにしても質素な部屋……)



梨子(部屋を見回してみたけど……あるのは机と、その机の上にモニター、電話、扇風機、スイッチがいろいろ、部屋の両側の入り口の横にそれぞれ廊下が見える窓……)



梨子(あとは椅子とスピーカーくらいかな、照明ははだかの電球でなんか薄暗いし……)




梨子(お世辞にもいい部屋とは言えない……どこのお店の警備員室もこんな感じなのかな?)



梨子(壁にはお店のポスターと、あとは子供が描いたキャラクターたちの絵がたくさん……これはちょっとした癒しだね♪)




梨子「ふう……椅子があるしもう座っちゃお」チョコン



梨子「………」ソワソワ




梨子「うーん……自分の両側に部屋の入り口があるってなんか落ち着かないなぁ…」




梨子「あ、よく見たら机の上にうちっちーの人形がある」




梨子「えいっ」





ぷひゅー




梨子「ふふ、お腹を押すと音が鳴るんだ……かわいい♪」




梨子「……」チラッ




梨子「ついに11時50分……もしかしてこのまま誰もこないの?」



梨子「もう自分でいろいろ確認しなきゃだめかも……」



梨子「マニュアルの読んでないところまだいっぱいあったよね」



ペラペラ


梨子「えーっと……カメラの操作から確認しようかな」




梨子「ボタンを押すとそこに対応したカメラの映像がモニターに映るんだね」

http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira116143.png





梨子「まず真ん中の大きな部屋にカメラ1A、1B、1Cの3台……」

カチッ



梨子「1Aはステージ、うちっちー、マイコー、ちかちーのアニマトロニクス3体が座ってる。閉店後だから電源が切れてるのかな」



梨子「次はカメラ1B、ここはステージの正面のダイニングエリア」


カチッ



梨子「お客さんがごはんを食べるところでわたしがお昼にショーを見たところだね、テーブルと椅子が映ってる」



梨子「カメラ1Cはダイニングエリアの隅にあるワンワン広場」

カチッ


梨子「カーテンが閉まった入り口しか映してないけど、わざわざここにカメラをつける意味があるのかなぁ?」


梨子「奥から見ていくことにして次はカメラ5、ここはダイニングエリアの西側、バックステージかな……」


カチッ


梨子「うわ!着ぐるみの頭がたくさん……テーブルの上の鉄のガイコツみたいなのはアニマトロニクスの中身なのかな……」




梨子「不気味な部屋だね……ここはあんまり見たくない……」




梨子「気をとりなおして次はカメラ7。ここはダイニングエリアの東側にあるトイレ」



カチッ



梨子「うん、男女のトイレの入口が映ってる。いたって普通かな」



梨子「次はカメラ6。ダイニングエリアの右下のキッチン」



カチッ


梨子「あれ?画面が真っ暗で何も映らない……故障?」




梨子「えーっとマニュアルマニュアル……」ペラペラ




梨子「カメラ6は故障中で音声しか確認できない……?」




梨子「うぅ……画面は真っ暗だけど何か聞こえてきそうで怖い……ここもあんまり見ないようにしよう……」




梨子「次はカメラ3。ここは警備員室の西の廊下にある倉庫だね」



カチッ



梨子「掃除道具とかが入ってるだけかな、特に変わったとこはないね」


カチカチカチカチッ


梨子「あとは警備員室の西の廊下にカメラ2A、2B。東の廊下に4A、4Bって感じかな」




梨子「でもどうして警備員室の両側の廊下にわざわざ2つずつもカメラなんて……」




梨子「廊下なんてすぐそこなんだし、そんなにカメラを仕掛ける必要ないと思う……変なの」




梨子「よし、カメラの操作確認は終わり、次はフラッシュライトの確認しようかな」


ペラッ


梨子「ボタンを押すと各入り口付近の廊下を照らす……」



ポチッ



ピカッ



梨子「確かに入り口の近くが照らされるけどこれもなんのために!?」



梨子「よくわからないけど最後にドアの確認だね…」




梨子「ってドアあるの?」



ペラペラ


梨子「……警備員室の両側のドアは机の上のボタンでそれぞれ開閉する」



梨子「ボタンってこれかな……?」


ポチッ


ガシャン!!




梨子「うわぁ!上から扉が降りてきて入口が閉まった!シャッターみたいに上にしまわれてたんだ……」



ガシャン!!



ガシャンガシャン!!




梨子「右だけとか左だけとか両方閉めるとかもできるみたい」



コンコン



梨子「すごく分厚い鉄の扉……いったい何を想定してこんなものを?」


梨子「こんなの普通のお店にあるものじゃないよ……」




梨子「こんな鉄の扉まで用意して、オーナーさんはそんなに防犯に執心してるの?」





梨子「それともここまでしなきゃいけない何か理由があるの……?」




梨子「………」ゾワッ





梨子「どうしよう……急に不安になってきた…」



梨子「意味のわからないことが多すぎるし、誰もいないお店に1人でいるのがこんなに怖いなんて……」


梨子「はあ……お店が開いてる時みたいにアニマトロニクスのみんなが動いてたら1人じゃない気がして怖くないのに」




梨子「あ、そういえば電力についてのページをまだ見てなかったね」


ペラッ



電力について

電力は午前0時より通常電源から予備電源に切り替わる。
予備電源へ移行後は電力に限りがあり、警備員室のカメラ操作、フラッシュライトの使用、ドアの開閉により電力を消耗する。
また上記の操作を行わない場合も警備員室の照明、扇風機の稼働、店内の一部照明、待機電力により電力は徐々に消耗していく。

※注意
予備電源の電力が尽きた場合、警備員室のドアが開き、カメラ操作が不可能になって店内全ての照明が落ちる。
残りの電力はモニターに表示されるので随時確認すること。


梨子「え……」



梨子「もし電気を使い切ったら朝まで真っ暗な中で過ごすことになるの!?」




梨子「そんなの無理……絶対に電気は切らさないようにしなきゃ…!」




梨子「ああ……やっぱりバイト選び失敗したのかな……こんなに不安な思いしたこと今までないよ……」



梨子「………」



梨子「0時だ……」



梨子「結局わたし1人……誰もこないんだね」



12AM
ー1st Nightー


バチン!


梨子「!?」



梨子「この部屋以外の照明が落ちた?予備電源に切り替わったの?」




梨子「あ、モニターにメーターが出てる……」


残量100%


梨子「100%……これが0にならないようにさえ注意すればいいんだ」



梨子「ドアの開け閉めなんてしないし、カメラだってずっと見てるわけじゃない……なんとかなるはず!」



プルルルルルルルル!!



梨子「きゃあっ!!」ガタタッ




梨子「いたた……静かな時に急に電話なんて……心臓が止まるかと思った」



プルルルルルルルルル!!



梨子「こんな時間に誰だろう?」


ガチャ


梨子「もしもし?」



電話の女「チャオ~☆あなたが初日を過ごすのに役立つためのメッセージよ♪」


梨子「あれ?この声どこかで聞いたことあるような……」



電話の女「あなたは私の前任者よ、もう今週で最後だけど。
きっと緊張してると思うけどノープロブレム!あなたならきっと大丈夫よ♪
だからとりあえず最初の1週間を乗り切りマショウ!いいわね?」



梨子「あ、あの……鞠莉さん……ですよね?」



電話「え~っとぉ……まずは読まなきゃいけない歓迎のご挨拶があるの!まあそういう決まりだから聞いてね?」



梨子「わたし梨子です!浦の星女学院2年の桜内梨子!聞こえてますか?」


電話の女「このたびは小原家が経営する子供も大人も夢見て楽しい魔法の国、うちっちーウォルラスズバーガーへようこそ!」



電話の女「当店はあらゆる損害に対して一切の責任を負いません。
万が一誰かがデッドエンドした場合は、あらゆる証拠物件を始末した後90日以内に失踪届けが出されマース♪
あとは長いからカットね☆」




梨子「え……このお店って鞠莉さんの家の!?」




電話の女「今、酷い話だと思ったでしょ?わかるわ♪
でもドントウォーリー、何も心配いらないの」



梨子「いや……そんなことより聞きたいことがいろいろと」



電話の女「さて、着ぐるみのお人形たちはね?夜中に少しおかしな行動をするの……」




梨子「おかしな行動?」



電話の女「人形たちは夜中に少し歩き回る 傾向があるの、自動徘徊モードってものが備わっていて……ほら、あまり長く動かさないと機械とかって錆ついちゃうでしょ?
表向きはそういうことにしているの♪」




梨子「なんだ、人形は夜も動いてるんですね」




梨子(それなら少し寂しくないかな、話相手にもなってくれるだろうし♪)


電話の女「そんなわけであなたの身の安全についての話をするわね?」



梨子「身の安全?」




電話の女「夜間警備員のあなたにとって1番デンジャラスなのは実はあのお人形たちだと思うの♪
閉店後の彼らはあなたを見かけてもきっと人間とは認識しないわ」




梨子「?」




電話の女「彼らはきっとあなたをスーツを脱がされた金属製の内骨格、つまり着ぐるみの中身と勘違いしてしまう」




梨子「それが何かまずいんですか?」



電話の女「キャラクターが中身を晒すなんて子供達のドリームをクラッシュするルール違反……」


電話の女「だからあなたをうちっちーの着ぐるみの中に無理やり押し込もうとするでしょうね」



梨子「え?」



電話の女「ただの着ぐるみだったら全然問題ないんだけど……ここの着ぐるみは頭部を中心にワイヤーとか部品とか機械とかいろいろ詰まってて…」




電話「だからそんなものを無理矢理被せられたら……」



梨子「無理矢理……被せ……られたら?」





電話の女「頭がつぶれて死ぬわね♪」





梨子「!?」


電話の女「再び朝のサンシャインを拝めるのは目玉と歯くらいね、着ぐるみの中から飛び出す形で、ふふっ♪」




梨子「嘘……そんな」




電話の女「こんな話、契約書にサインした時には聞いてなかったでしょうね……でも多分初日は何事もなくやり過ごせると思う、そうしたらまた明日話しマショウ♪」



梨子「嘘ですよね……?」



電話の女「オウ!言い忘れてたけど監視カメラをよくチェックして絶対に必要な時にだけドアを閉めるってことを忘れないでね!電力は節約しなきゃいけないから」



梨子「鞠莉さん?」


電話の女「それじゃ頑張ってね、良い夜を♪シャイニー☆」



梨子「鞠莉さん!聞いてくださ……」



プ-…プ-…プ-…




梨子「…………」





梨子「人形たちが襲ってくる……?」





梨子「う、嘘だよ、あの子たちがそんなことするわけない……」




梨子「だって昼間だって何も危ないことなんてなかったし……」



梨子「…………」



梨子「そうだ、監視カメラ……!」ササッ



梨子「ステージのカメラは」


カチッ


CAM1A ステージ

マイコー「………」

ちかちー「………」

うちっちー「………」


梨子「ちゃんと3体いるね」



梨子「ほら、やっぱり夜は動かないんだよ…」




梨子「きっとわたしを怖がらせようとしてる鞠莉さんのいたずらなんだ……」



梨子「そうに決まってるよ……」



残量99%



梨子「今のでもう1%減ったんだ…カメラをつけっぱなしにしてたからかな……」

………………


4AM


梨子「もう4時だ…」



梨子「あれから時々ステージのカメラを見て人形たちがいるのを確認してはホッとしての繰り返し」




梨子「結局人形たちには何の動きもない、わたしは騙されてたんだ」




梨子「でもそれでいい……まだ初日なのに鞠莉さんったらあんな趣味の悪いいたずらを……」


5AM


梨子「はあ……もう少しで初日は終わりだね」



梨子「結局ずっとドキドキしっぱなしで一度も落ち着けなかった」



梨子「一応読めたらと思って本を持ってきてたんだけど、これからも出番はなさそう……」



残量40%



梨子「いつの間にか40%まで減ってる……カメラしか使ってないけどかなり頻繁にチェックしてたから?」



梨子「とりあえずこの調子なら電気もなんとかなるかな……」



梨子「あ、そういえば前にカメラチェックしてから結構時間経ってる」



梨子「チェックチェック……」


カチカチッ



CAM1A ステージ

マイコー「………」

ちかちー「………」

うちっちー「………」



梨子「やっぱり変化なし……そろそろこんなに頻繁にチェックすろのも辞めようかな」




ザザッ ザザザッ




梨子「あれ?おかしいな…画面が乱れて一瞬真っ暗に」


CAM1A ステージ

ちかちー「…………」

うちっちー「………… 」



梨子「!?」



梨子「嘘!?1体いなくなった!」



梨子「どこ……!?どこに行ったの!?」



カチカチカチカチカチッ



梨子「ダイニングエリアにも、トイレの前にも……倉庫にもいない!」



カチッ


CAM5 バックステージ


マイコー「………」ジ-…



梨子「いやああああ!!」


梨子「さっきステージにいたのに画面が乱れた一瞬でバックステージに移動した!?」



梨子「どういうことなの!?」



マイコー「………」ジ-…



梨子「カメラ越しにこっちを見てる……!!わたしが見てるってわかってるの!?」



………………

電話の女「あなたをうちっちーの着ぐるみの中に無理矢理押し込もうとするでしょうね」

電話の女「頭がつぶされて死ぬわ」

………………


梨子「……!」ゾワッ


梨子「このままじゃ殺される!」


梨子「そうだドア!ドアを閉めれば入ってこれない!」



梨子(どっちから来るかわからないから両側を閉める!)


ポチッポチッ


ガシャン!!


ガシャン!!


CAM5 バックステージ

………


梨子「いつの間にか移動してる…!マイコーはどこ!?」


カチッカチッ


梨子「いない……ここにもいない…!」



カチッ


CAM3 倉庫

マイコー「…………」


梨子「近付いてきてる!!」



梨子「さすがにこの分厚い鉄の扉、破られたりはしないよね?」


残量33%
残量32%
残量31%
残量30%



梨子「そんな……すごい勢いで電力が減ってる」



梨子「はあ…はあ…落ち着けわたし、両側のドアとかカメラとか一度にたくさん使うときっと消耗が激しくなるんだ……」


梨子「もうカメラは切る……」パタッ



梨子「ああ……1番消耗の激しいドアが怖くてもう開けられないよ……!」



ガクッ



梨子「お願い………早く……早く終わって!!」プルブル



ザザザッ

うちっちー「ボクダヨ……」



梨子「幻覚!?頭の中に映像が直接……」



梨子「誰か………誰か助けて!」


6AM

♪キ-ンコ-ンカ-ンコ-ン
YEAHHHHHHHH!!


梨子「!」



梨子「終わったの………?」


タタタッ

梨子「人形たちは……?」


カチッ


CAM1A ステージ

マイコー「………」

ちかちー「………」

うちっちー「………」


梨子「もとの位置に戻ってる……」


ポチッポチッ


ガシャン!!

ガシャン!!


梨子「……」ソロ-リ



梨子「廊下も、ダイニングエリアも、全部電気がついてる……」




梨子「………う」



梨子「うわああああ!」ダダダダッ


ガチャ


梨子「はあ…外に出れた……」


タッタッタッタッ


梨子「おかしいよ………こんなの絶対おかしいよ!」


梨子(これが、わたしの悪夢のような5日間のはじまりだった……)


今日はここまでです!
元ネタのゲームを知らないと雰囲気がわかりづらいSSになってしまってるかもしれませんね……自分の描写力を向上させたいところです( ;´Д`)

誰かが死亡するようなことにはなりません!
バッドエンドにはならない、と言っていいのかはわかりませんが…なにせ終わり方をまだ決めていないものでして(^^;;




ー梨子の部屋ー


梨子「ん………」パチッ



梨子「お昼だ……」



梨子(お店から出て、とにかくあのお店から早く離れたくて泣きながら走って………)



梨子(その後のことは全然覚えてない……)



梨子(きっと解放された安心感で家に着いてそのまま寝ちゃったんだね)



梨子「………」ゾワッ



梨子(嫌でも夜のことを思い出しちゃう……あれはなんだったの?)


……………

曜「見回りどころか警備員室から出ちゃダメなんだって」

曜「今までの人はみんな5日以内に辞めてるらしいよ」

………………


梨子「曜ちゃんが言ってたことってそういうことだったんだね……」



梨子「あの鉄の扉で侵入を防げる警備員室にいないときっと人形に殺されちゃうんだ……」



梨子「それにあんな怖い思いしたら誰だってすぐ辞めるよ……」



梨子「そもそもちゃんと辞められたのかな……」




梨子「まさかみんな人形に殺されてるんじゃ…!」ガクブル



梨子「……」



梨子「そういえば、よっちやんはアルバイトしててもなにも感じないのかな?」


梨子「昨日のことを話したら、きっとよっちやんは不安になるし怖がらせちゃうよね」




梨子「人形と常に一緒にいる仕事をしてるんだし……」





梨子「それとなく何か変なことが起きてないか聞いてみよう」





梨子「電話出てくれるかな……」





プルルルルル



「はぁい、リトルデーモンたち、堕天使ヨハネよ……残念だけど今神々との闘いでヴァルハラへ侵攻しているの。
用があるならこれから響く鐘の音の後にあなたの罪を述べ、懺悔なさい……」


ピ-ッ


梨子「留守電だ……バイト中なのかも」



梨子「行きたくないけど……行ってみるしかないね」



ーうちっちーウォルラスズバーガーー


ガチャ

カランカラ-ン


梨子(よっちゃんいるかな……)



善子「うちっちーウォルラスズバーガーへようこそ!1名様ですか?」




梨子「よっちゃん!」



善子「……ってまたリリーじゃない!昨日のバイトはどうだった?」



梨子「う、うん………なにごともなく無事に終わったよ、それより少し話せる時間、ないかな?」



善子「それはよかった!……でも今日は珍しくお客さんがそこそこ入ってるのよ……昨日みたいには無理だけど接客の合間に少しなら話せるわ」


梨子「そう……」キョロキョロ


ワイワイ ガヤガヤ


うちっちー「………」スッ


マイコー「アソボウヨ!」



梨子(人形たちは子供と遊んでたりいつも通りみたい)



善子「リリー?大丈夫?」



梨子「あ、うん!大丈夫……そうそう、よっちやんにちょっと聞きたいんだけど」




善子「なに?」




梨子「人形たちってよっちやんになにか変なことしてきたりとかしない?」



善子「変なこと?」


梨子「その……襲ってきたりとか……」




善子「あいつらが?ないない!指示出したらちゃんと言うこと聞くし、ましてや襲ってくるなんてことないわよ?」



梨子「ならいいけど……」



善子「なによリリー、まさかわざわざそんなこと確認しにきたの?」


善子「いくらヨハネが魅力的だからってわざわざそんな理由つけてまで会いにこなくても……」

ノッシノッシ

ちかちー「がお~!」ダキッ


梨子「いやぁ!さわらないで!!」パシ-ン!



善子「リリー!?」



ちかちー「うがぁ……」シュン…



梨子「う……うぅ」



善子「あ~あ、ちかちーあんたリリーに振られちゃったわね」



ちかちー「がうがう…」



善子「ほら、しょげてないであっちの子供たちと遊んでやりなさい?いいわね?」



ちかちー「がお~!」ノッシノッシ


ア、カイジュウチカチ-ガキタ-!カワイ-!



梨子「………」ブルブル



善子「ねえ……リリー大丈夫?」



梨子「………」コクコク



ちかちー「………」ジ-…



ちかちー「………」ニヤリ…



アレ?ドウシタノチカチ-アソンデヨ-!


ちかちー「がおがお~!」

キャッキャ


ー倉庫ー

梨子「ねぇ、よっちゃんどうしたの?こんな誰もいないところにわたしを連れ込んで……」



梨子「ま、まさかこんなところで…///」



善子「ちが~う!」



善子「リリー、ヨハネに何か隠してない?」



梨子「え……?」



善子「さっきの変な質問といい、あの尋常じゃない人形への反応……」



梨子「………」



善子「ほんとは昨日の夜なにかあったんでしょ?」


梨子「そそそ、それは……その…」



善子「すごい動揺してるし……」



善子「リリーとヨハネの仲でしょ?隠してないで教えなさい!」



梨子(もう見透かされてる……隠しててもしかたないね……)


梨子「実はね……」



………………


善子「人形に襲われた!?ほんとに襲われたの?」




梨子「襲われたというか正確には倉庫のほうまで近づいてきてて……」



善子「ふむふむ……なにかの黒魔術かしら…」



梨子「もう!真面目にはなしてるのに~!」


善子「ごめんごめん、でも……」



善子「本当にあいつらが襲ってくるような奴だったらヨハネだってお客さんだってとっくに殺されてるわよ?」



梨子「それはそうだけど……」



善子「人形が機械の誤作動で動きだして、それが生徒兼理事長の悪ふざけとたまたま重なっただけなんじゃないの?」



梨子「たしかに襲ってきたって確信はない……」



善子「たしかにこの店、変なとこはいろいろあるけど流石に人間の魂を狩るようなことまではねぇ……」


梨子(たしかに普通に考えたらこんな命を狙われるバイトなんてあっていいわけない……)



梨子(そんなことが起きてたら警察だって放っておかないよね……)




善子「もしもーし?リリー?」



梨子「あ……ごめん」



梨子「そうだね……もしかしたらよっちやんの言う通りなのかも……」



梨子「わたしが怖がり過ぎて、1人でおかしくなっちゃってただけなんだよね……」



梨子「きっと……そうだよ……」


善子(リリー、かなり精神的に参ってるわね……)



善子「もしそんなに怖いならこのバイト辞めれば?言いづらいならヨハネが店長に伝えてもいいけど……」



梨子「ありがとうよっちやん、そうする……」



善子「ちょっと待っててね、店長に電話してくるから」




数分後


善子「リリー、バイトの件なんだけど……」



梨子「?」



善子「辞めてもいいけど代わりの人を探さなきゃいけないから今日だけはどうしても出て欲しいって……」



梨子「………」


夕方

ー梨子の部屋ー


梨子「そうだよ……あれは全部まぼろし、幻覚なんだ……」



梨子「それかお店に着いてからいつの間にか眠っちゃって、悪い夢を見たんだ……」



梨子(そう思っておかないと頭がおかしくなりそう……)



梨子「あはは……もう既におかしくなっちゃってるのかもね……」



梨子「今日さえ耐えればわたしは解放されるんだ……」



梨子「このまま0時にならなければいいのに……」


深夜

ーうちっちーウォルラスズバーガーー


警備員室


梨子「考えなきゃ……生き残る方法を!」



梨子「思い出したくないけど昨日のことを思い出さなきゃ……生き残るために」



梨子「とにかく昨日の鞠莉さんの話とわたしの体験でいろいろわかった……」



梨子「警備員室の分厚い鉄の扉は人形の侵入を防ぐため……」



梨子「あまり必要なさそうなところに監視カメラがついてるのもきっと人形を見失わないようにするためだよね……」



梨子「鞠莉さんが昨日少しヒントをくれたけど、きっとあれだけじゃ足りない……自分でも何か対策を練らないと」


梨子「警備員室の左右のドアを閉めっぱなしにすれば絶対に助かる……でもそれだとすぐ電力が尽きるし」




梨子「たしか両方のドアとカメラを同時に使ったら凄い勢いで電力の残量が減っていった……」



梨子「なるべく設備を同時に使うのは避けなきゃ、特に1番電力消費が多そうなドア……両側のドアを同時に閉めるのはなるべく避けたい……」




梨子「でも人形がどっちから来るのかわからないのにどうすればいいの?」


……………

電話の女「絶対に必要な時にだけドアを閉めるってことを忘れないでね!
電力は節約しなくちゃいけないから」

………………


梨子「必要な時にだけ……それってつまり人形が警備員室の側まで来た時だよね」



梨子「人形の動きを常にカメラで追えれば近づいてきてるのはわかる……」



梨子「そうだ………だからわざわざ警備員室の近くの廊下に2A、2B、4A、4Bとカメラが密集してるんだね……」




梨子「なるべく人形が近くに来てからドアを閉めるようにしないと」



梨子「でもそんなの怖いよ……」



梨子「だけど電力が節約できなければ結局どっちみち死んじゃう……」



梨子「………」チラッ



梨子「そろそろ時間だ……やれるだけやろう……」



梨子「こんなところで死にたくないもの……!」


12AM
ー2nd Nightー


プルルルルルルルルル!!



梨子(きっとまた鞠莉さんだ……)



ガチャ



梨子「もしもし?」



電話の女「シャイニー☆電話に出たってことは2日目を迎えられたのね♪
コングラッチュレーション!」



梨子「鞠莉さん、もうこんなこと辞めてください!わたし、今日でこのバイトを辞めますから!」



電話の女「うちっちーと仲間達は日が進むにつれてアクティブになっていくから、手短に話をさせてもらうわ♪
あ、わたしがこうして話をしてるあいだもちゃんと人形の位置は確認したほうがいいわよ?」


梨子(昨日より活発ってこと!?)


梨子「電話はスピーカーにして……」ポチッ



梨子「もう動いてるかもしれない!位置を確認しないと」


カチッ


CAM1A ステージ

ちかちー「………」

うちっちー「………」



梨子「もうマイコーがいない……」



カチカチカチッ



CAM1B ダイニングエリア

マイコー「………」


梨子「マイコーはダイニングエリア……まだ近くじゃない」


梨子「とりあえず一旦カメラは閉じる……」パタッ



電話の女「面白いことにうちっちーはあまりステージを離れないの、わたしが聞いた話だと暗闇の中では活発になるらしいわ。
だからなおさら電力には気をつけてね?」



梨子「敵が少ないならそれにこしたことはないね……」

パタッ


カチカチッ


CAM2A 西廊下

マイコー「………」


梨子「近づいてきてるけど……まだ大丈夫なはず!」


電話の女「それとフラッシュライトの重要性について教えておくわね」




梨子「そういえば昨日はライト使わなかったね」



電話の女「店内に設置してある監視カメラ、実は警備員室のドアのすぐ外だけは死角なの」



梨子「そこが1番大事なところなのに……」



カチカチカチッ



梨子「あれ?マイコーがどのカメラにもいない……見落とした?」



電話の女「だからもし探している人形がどのカメラにも映っていないことがあったら、ドアライトを使って部屋の入り口を照らしてみてね♪」



梨子「え!?まさか!」


ポチッ


ピカッ!



マイコー「…………」



梨子「いやああああああ!」




ガシャン!!




梨子「電話に聴きいってるあいだにドアの前まできてたなんて!」



梨子「早く諦めて帰ってよ……ドアが開けられない!」



電話の女「一部の例外を除いて、人形たちは段階的にワープのように各部屋を移動してるわ。」




電話の女「警備員室にもいきなり入らずに、数秒間は外から中の様子を伺ってくるからその猶予が終わるまでにドアをクローズしてね♪」


梨子「廊下は真っ暗だからドアの前に人形がいてもライトで照らさないといるかどうかわからないんだ……」




梨子「もうマイコーはいなくなったの……?」



ピカッ



梨子「ドアは閉めてるけどライトをつければドアの前にいる人形の影が窓から見える…」



梨子「この影が見えなくなればドアを開けても安心かな……」


ピカッ


…………


梨子「いなくなったね」




ガシャン!!

残量96%



梨子「残量はまだ大丈夫」


カチカチッ


CAM5 バックステージ

マイコー「………」ジ-…



梨子「マイコーはバックステージのほうに戻った……またいつ来るかわからないけど」



梨子「他の人形は……」

カチカチッ


CAM1A ステージ

うちっちー「…………」



梨子「ついにちかちーまで動き出した……」


カチカチッ


CAM7 トイレ前

ちかちー「………」



梨子「こっちも警戒しなきゃね……」



電話の女「それからワンワン広場のカーテンもチェックすることを忘れずに、そこの子はカメラで監視してない間にカーテンの裏から出てくるわ。きっとシャイなのね」


梨子「ワンワン広場にもやっぱり人形がいるの??故障してたはずじゃ……」


電話の女「この子はある旅館で飼ってるワンちゃんをモデルに作ってみたの、わたしのお気に入りよ♪
他の人形たちとはちょっと違う動きをするから気をつけてね」




梨子「ワンワン広場はノーマークだった……故障中だから動かないと思ってたのに」


カチカチッ


CAM 1C ワンワン広場

しいたけ「………」ヒョコッ



梨子「!」



電話の女「見てないあいだに動くからってせの子ばっかりに気をとられてると、他の子にやられちゃうわよ?
まあとにかく、あなたならうまくやれると思うわ。
それじゃ、エクストリームな夜を楽しんでね♪シャイニー☆」

プツッ


プ- プ- プ- プ-……

梨子「今までワンワン広場のカーテンを見てなかったから出てきたんだ……カーテンの隙間から顔を出してる……」


梨子「しかもよりによって犬だなんて!旅館の犬って聞いた時点で嫌な予感はしたけど明らかに千歌ちゃんの家の犬がモデルじゃない……」



梨子「どうしよう……監視しなきゃいけない対象が増えすぎだよ……」



梨子「昨日はマイコーだけだったのに…」




ガシヤンガラガラ!




梨子「何の音!?」



梨子「どこからだろう……」


CAM1C ワンワン広場

しいたけ「…………」ヒョコッ


梨子「さっき鞠莉さんが言ってたとおりこの人形ばかり見てるわけにもいかない……!」


カチカチカチカチッ


CAM6 キッチン
ーAUDIO ONLYー

ガシャンガシャン!!
ガラガラ!ガシャン!



梨子「キッチンに誰かいる……」



カチカチ


CAM1A ステージ

うちっちー「………」

カチッ

CAM1B ダイニングエリア

マイコー「………」



梨子「カメラに映ってないのはちかちーだけだからキッチンで暴れてるのはちかちーかな……」



梨子「一旦カメラは閉じようか」パタン



梨子「まだ2日目なのに人形たちが動くのがかなり活発になってる気がする……」




梨子「明日になったらどうなるかなんて想像したくない」


梨子「でもわたしはもう明日ここにはいない……!今日さえ乗り切れば」



梨子「一応左右の入り口をライトで確認……」

ピカッ


梨子「右は大丈夫」


ピカッ


梨子「左も大丈夫」


残量85%



梨子「はあ……なにをするにも電力が減っていく」



梨子「自分の安全を確保しようとすればするほど、電力が減って死に近づいていくんだね……ほんとに酷い」



梨子「どうか朝までもちますように……!」



梨子「そろそろカメラのチェックしなきゃ」



CAM1C ワンワン広場

しいたけ「………」ズイッ



梨子「カーテンから体がほとんど出てきてる……!やっぱり見てないあいだに少しずつカーテンの裏から出てきてるんだ…」



カチカチッ


CAM4B 東廊下

ちかちー「………」



梨子「いつの間にかちかちーがかなり近くまで来てる!」



梨子「あああ……一瞬も気が抜けない」



CAM1C ワンワン広場

しいたけ「………」ズイッ


梨子「しいたけは変化なし……」



CAM4B 東廊下

ちかちー「……」


梨子「こっちも動きなし…」



CAM14B 東廊下

……………



梨子「いない!」


梨子「まずい!右のライト」



ピカッ!



ちかちー「………」



ガシャン!!



梨子「はあ…はあ…間に合った……」


残量70%


梨子「やっぱりドアは片方閉めるだけでも電力の消費が大きい……ドアの前に長くいられると本当にまずいよ……」



ピカッ


ちかちー「………」




梨子「まだいる……ちかちーはマイコーと違って窓の向こうに姿がちゃんと見える」



ピカッ


ちかちー「………」



梨子「いつまでいるつもりなの……」



梨子「左も確認しよう……」



ピカッ

…………



梨子「左は大丈夫」



梨子「ちかちーは……」



ピカッ


…………



梨子「帰った、もう大丈夫なはず!」



ガシャン!!

残量65%



梨子「安心してる暇なんてない」


カチッ


CAM1C ワンワン広場

…………



梨子「しいたけがいない!ちかちーに気をとられ過ぎた……!」



カチカチカチカチカチ


梨子「どこ?どこなの!?」



カチ


CAM2A 西廊下

しいたけ「ハッ…ハッ…ハッ」ダダダッ


梨子「廊下を走ってきてる!!」



梨子「左側……!」


ポチッ


ガシャン!!



梨子「これで入ってこれないよね……?」


しいたけ「ワン!ワン!」


梨子「!」



ドンドンドン!!!


梨子「ドアを叩いてる……もうやめてよ……」



残量63%
残量60%



梨子「電力が急に減った……どうして!?」


カチッ



CAM1C ワンワン広場

しいたけ「………」



梨子「いつの間にカーテンの中に戻ったんだろう……」


梨子「鞠莉さんが言ってた他の人形と違う動きって走って一気に部屋まで来るってこと…!?」


5AM

残量26%



梨子「あれからマイコーに2回、ちかちーに1回襲われかけたけどなんとかやり過ごせた……」



梨子「もう少しで6時だけど電力の残量が怖いよ」



梨子「もう心が折れそう……」




梨子「カメラの見過ぎなのかな……でも人形の動きを追ってないと不安で仕方ないし…」



梨子「そろそろカメラの確認を…」


カチッ



CAM1C ワンワン広場

……………



梨子「……まただ!」



カチッ


CAM2A 西廊下

しいたけ「ハッ…ハッ…ハッ…」ダダダダッ




梨子「やっぱり走ってきてる…!」



ポチッ


ガシャン!!


梨子「さっきと同じならこれで大丈夫なはず……」




しいたけ「ワン!ワン!」



ドンドンドンドン!!!



残量25%
残量18%



梨子「!?」


梨子「嘘!?さっきの倍近く電力が減った!」




梨子「これ以上何回も襲撃にあったらさすがに電力がもたない……」




梨子「ましてや運悪く1回でも両側のドアを閉めなきゃならない事態になったら確実に死んじゃう……」



梨子「もうドアは開けて大丈夫……」



ガシャン!!




梨子「最後に左右の入り口を確認……」


ピカッ



ピカッ




梨子「しいたけが警備員室に来たら電力が減るなんて聞いてないよ!」


ガシャンガシャン!

ガシャン!



梨子「またキッチンから音が……」




梨子「お願い……もう来ないで……」




梨子「お願いだからわたしをこの悪夢から解放してよ……」



梨子「もうこんなの嫌!」


6AM

♪キ-ンコ-ンカ-ンコ-ン
YEAHHHHHHH!!


梨子「終わった……」




梨子「わたし……わたし助かったんだ!」




梨子「これでやっと解放される……」




梨子「よっちゃん……わたし頑張ったよ……!」グッ



ガチャッ


梨子「朝日が眩しい……」



梨子(もう全てが終わったと信じていた。これが束の間の安息だとも知らずに……)

今回はここまでです
更新を待ってくださってたかたには遅くなってしまいすみませんでしたm(._.)m

あと次回の更新は1日空けるかもしれません、ご了承ください

18歳以下は本来一部例外を除いて22時から翌5時の時間帯はバイトできません。
なにせこんなブラックどころではない店ですし、フィクションということで納得して頂ければと思います(^^;;




梨子「……」パチッ



梨子「………ふぁ~あ」ゴシゴシ



梨子(まるで憑き物が取れたみたいにすっきり目が覚めた)




梨子「今までは眠ったらもう起きるのが怖かったもの」




梨子「これからはまた今までどおりの生活に戻る、練習はまだもう少しのあいだないけどね」



梨子「今日はなにしよう……」




梨子「新曲の曲作りでもしようかな、ここ数日ピアノも弾けてなかったし」




プルルルルルル




梨子「電話?」



梨子「よっちゃんからだ……」



ピッ




梨子「もしもし?」





善子「もしもしリリー?もうお昼だけどおはヨハネ~!」


梨子「よっちゃんから電話してくるなんて珍しいね、今日はバイトじゃないの?」





善子「時間帯は変わったけど今日もバイトはあるわよ?」




梨子「よっちゃんも毎日アルバイト大変だね……」




善子「ヨハネにはとにかくお金が必要なのよ……黒魔術のための道具、儀式の供物……そして堕天使にふさわしい漆黒のドレス……手に入れたいものがたくさんあるの!」




梨子「あはは……そうなんだ……」




善子「まあそれは置いといて、リリー、昨日のバイトは大丈夫だった?」




梨子(昨日の話……)


善子「昨日のリリーはちょっと普通じゃなかったから……あんな精神状態のままバイトに行って大丈夫だったのかなって心配になっちゃったの」




梨子(もう全部終わったんだ……これ以上話をややこしくしたくないし、よっちゃんに余計な心配をかけるのはやめよう)




梨子「うん!なにごともなく無事に終わったよ。初日のことはやっぱりわたしの勘違いだったみたい」




善子「その言葉を聞いて安心したわ。正直リリーがあんなに怖かってるの見たことなかったから、ほんとに夜あの店で何かが起きてるのかと思った……」




梨子「心配かけてごめんね……」


善子「ふふふ………これで安心してヨハネがリリーの後を引き継げるというわけね!」




梨子「え………引き継ぐ?」




善子「言ったでしょ?バイトの時間が変わったって。リリーが辞めたから代わりにヨハネが深夜の警備にまわるのよ」




梨子「!?」





善子「店長ったら代わりのバイトを頑張って探したみたいだけど結局見つからなかったみたいで……」




善子「そんな時に天界から追放されたフォーリンエンジェル……この堕天使ヨハネに声がかかったというわけ」




梨子「ちょっと………まって」


善子「やはりヨハネは選ばれし存在なんだわ!フフフフフ………アーッハッハッハッハッハッ!」





梨子「いっちゃダメ!!」




善子「ひっ!?で、電話なんだから大声出さないでよ!」




梨子「よっちゃん!絶対にバイトに行っちゃダメ!」




善子「なんでよ!?別に何も危ないことなんてないんでしょ?」




梨子「うっ……」




善子「なによリリー!そんなに資金源を絶たせてヨハネの下界侵略を阻止したいの!?」


梨子「そういうわけじゃないけど……とにかくダメなの!」





善子「そんなこと言ってもリリーが辞めた以上ヨハネが行かないと誰もやる人がいないのよ……」





梨子「わたしがやるから!バイト辞めるの撤回するって店長に伝えておいて」





善子「え~、そんなぁ……」




梨子「そういうことだからよろしくね!」


善子「あ……ちょっとリリー!」




プツッ



善子「なんなのよもう……」





…………………


梨子「わたしが辞めたことでよっちゃんが危険な目に遭うところだった……」




梨子「そんなこと絶対にダメだよ……」




梨子「もとはといえばわたしが巻き込まれたんだ…よっちゃんを巻き込むわけにはいかないよ……!」


梨子「でも………そうしたらまたわたしが……」




梨子「うぅ……もうやだよ……」




梨子「やっと……やっと解放されたと思ったのに」



梨子「鞠莉さんは人形たちは日が進むにつれて活発になるって言ってた……」




梨子「そんな時によっちゃんが行って無事で済むわけないよ……」



梨子「わたしだって昨日の時点でもうギリギリだった……」




梨子「今日はもう……さすがに無理かもしれない」




梨子「わたしがもし助からなかったら………」




梨子「ごめんね………よっちゃん…」



深夜

ーうちっちーウォルラスズバーガーー


梨子「またきちゃった……」



梨子「もうここにくることは二度とないと思ってたのに……」



梨子「どうしてわたしがこんな目にあわなきゃいけないの……?」



スタスタ



梨子「結局よっちゃんとはあれから話さなかったな……」





梨子「もう会えるのも今日で最後かもしれなかったのに」




梨子(さあ、そろそろ中に入ろう……)




梨子(ばいばいよっちゃん……)


夜は闇が支配する時間………
月も眠りにつき
光を忌む者が闊歩する、悪魔たちのための時間よ………

待ちなさい、彷徨える可憐な一輪の百合の花……

あなたはこの闇にはふさわしくないわ……



梨子「!?」




善子「ヨハネ……降臨!」


梨子「よっちゃん!なんでここにいるの!?」




善子「決まってるじゃない、リリーを1人にするわけにはいかないからよ」




梨子「来ちゃダメだよ…帰って!」




善子「お昼の電話で確信した……リリーはやっぱり何か危険な目にあってるって」




善子「リリーのことだから、どうせヨハネが危険な目に遭うのを止めるために自分ががばって助けようとか思ったんでしょ……」



梨子「だって………」


善子「そんなことでヨハネが助かったってねぇ!リリーの身にになにかあったら何の意味もないのよ!」





梨子「よっちゃん……ありがとう!」ダキッ




善子「さあ、行くわよ……2人で朝日を拝みましょう」


ガチャン

短いですがとりあえず3夜目開始の直前まで
続きは近日中に投下しますm(._.)m


警備員室

善子「薄暗い部屋……」


梨子「0時まであと15分くらいあるからよっちゃんにも少し説明しないとね…」




善子「あんなかっこいいこと言っておいて悪いけど、はっきり言ってヨハネは何にもわからないのよね……」




梨子「わたしも全部を理解してるわけじゃないけど、とりあえず言えるのは……0時になると人形が襲ってくる」




善子「やっぱり……」




梨子「だからこの警備員室にある設備を使ってわたしたちは6時までここでひたすら耐えることになるの」


ピカピカッ


ガシャンガシャン!!


善子「へえ~、マニュアルでは一応読んでたけど実際はこんな風になってるのね」




梨子「あとはこのモニターの映像で人形を監視する……わたしたちにできるのはこれだけだよ」



善子「対抗手段はないの?武器とか魔法とか」



梨子「そんなのないよ……ひたすら人形の襲撃を食い止めるだけ」



善子「でもリリー、こんな分厚い鉄の結界があれば何も怖くないんじゃない?閉めっぱなしにしておけば朝まで楽勝でしょ?」



梨子「よっちゃん、最後までマニュアルちゃんと読んでないの?」


善子「だってこんな文字ばっかりのマニュアル読んでて楽しくないもん……ヨハネは説明書は最後まで読まないタイプなの!」



梨子「あはは………ほら、この最後のページ読んでみて?」スッ




善子「なに……電力は……ふんふん」



善子「…………」



善子「こんなのあんまりよ……」



梨子「でしょ?」



善子「なんで電力に限りがあるのよ……普通に考えておかしいじゃない!」



梨子「だからわたしたちはただ人形を食い止めるだけじゃなくて電力も気にしなくちゃいけない……」





善子「ただ考えなしにやってるだけじゃいずれ……」





梨子「死ぬってことだよ……」




善子「っ………」ゾワァッ




善子「はじめから店側も人形共もこっちを生かして帰すつもりはないってことね……」


梨子「でも大丈夫なはずだよ!2人で協力すれば必ず……!」





善子「ええ、いくら初めてだからって全部リリーに任せてたらヨハネがいる意味がないわ……」




善子「だから手伝えることがあったら何でも言ってね」




梨子「うん、頼りにしてるよよっちゃん!」




善子「そろそろ0時ね……」




12AM
ー3rd Nightー


プルルルルルルルルルル!!



善子「きゃあああ!!」ガタタ



梨子「スピーカーでいいね……」

ピッ


善子「なんでそんな冷静なのリリー」



梨子「もう慣れちゃった……初日からいつも最初に電話がきてたの」



電話の女「チャオ~!グレートね♪大抵の人はこんなに長くはもたないのに……」



善子「ちょっとあんたどういうつもり!?わたしたちにこんなことさせて!」



梨子「いいよよっちゃん、どうせ何を言っても返事はしてくれないから……」



善子「ぐぬぬ……」


梨子「鞠莉さんの話をよく聞いてて、結構大事なヒントを言ってくれるはずだから」


カチカチッ


CAM1A ステージ

マイコー「………」

ちかちー「………」

うちっちー「………」


電話の女「普通ならみんな今頃別の場所に行ってしまってるわ。
あ、別に死んだってことじゃないわよ?失踪よ、失・踪
表向きはね♪」


善子「こっちは命がかかってるのに……お気楽な態度が腹立つわね」



梨子「………」




電話の女「まあ、あまりあなたの時間を奪うつもりはないわ、今日からが本番だから!」


CAM1A ステージ

マイコー「………」

ちかちー「………」

うちっちー「………」


ザッ…ザザザッ



善子「あ……なんか画面が」



CAM1A ステージ

うちっちー「………」ジ-


梨子「今日からが本番か………さっそく2体動いたね」



善子「うわぁ……うちっちーもこっち見てる……」


カチッ

CAM1C ワンワン広場

しいたけ「…………」



梨子「カーテンが膨らんでる……まだ中にいるね」



電話の女「そういえばうちっちーの話を昨日したけどもう彼にはもう会った?」



電話の女「うちっちーは暗闇の中を素早く移動する。あなたが彼を見ていない間にね……
暗闇はあなたのすぐ近くにもあるでしょ?もしかしたらすぐそこまで来てても存在に気づけないかも」



電話の女「だから彼から目を離す時はまず自分の安全を確保しておくことをお勧めするわ♪」



善子「すぐ近くの暗闇?ヨハネの闇が深いとかそういう悪口?それとも哲学的な話?」




梨子「すぐ近くの暗闇……ドアのすぐ外の廊下のことだと思うけど…」



梨子「しいたけと同じでうちっちーばかり見てるわけにはいかないからまた何か対策が必要みたいだね……」


カチカチッ

CAM1B ダイニングエリア

ちかちー「………」


カチッ

CAM3 倉庫

マイコー「………」


善子「もう結構近くにいるじゃない……」


梨子「昨日より明らかに移動が早い……」



梨子「よっちゃん、左側の入口を警戒して!たまにドアのライトを点けて確認してね」



善子「わかったわ…!」



電話の女「あーそうそう!私にアイディアがあるわ。
もしあなたが人形に捕まりそうになって絶望的な状況になったら……そう…
死んだふりをしてみまショウ!」



善子「は?死んだふりなんてあいつらに意味あるの?」



電話の女「力を抜いて、ぴくりとも動かず……ぐったりするの!
きっと着ぐるみの外側だと思われて少しは時間を稼げる可能性があるわよ♪」



善子「うそくさ……」


ピカッ


…………



善子「左側は何もいないわ」



梨子「ありがとう」


カチカチッ


CAM1C ワンワン広場

しいたけ「………」ヒョコッ


梨子「うっ……ちょっと出てきてる、やっぱりここが一番問題かな……」


善子「こいつ、ヨハネがバイト始めた時はまだ普通に外に出てたのよ。最悪な再会だわ……」




電話の女「まあ着ぐるみの外側だと思われたら、今度は金属の内部骨格を体にねじ込まれるかも……
その時はドンマイ♪」


梨子「そんな死に方絶対にいやだ……」


電話の女「それじゃあ頑張ってね!健闘を祈るわ、素敵な夜を♪
シャイニー☆」


プツッ……



善子「………」

ピカッ

マイコー「………」



善子「きゃあああ!!」


梨子「よっちゃん驚いてちゃダメ!早くドア閉めて!」



善子「あわわ、ごめん!」


ガシャン!!



梨子「危なかった……」


善子「役に立てなくてごめん……」



梨子「ドア閉めないと入ってきちゃうから……」


善子「うん……」



ピカッ

…………


梨子「影が消えた、開けて大丈夫」


ガシャン!!



善子「リリーはすごいわね、こんな状況なのに落ち着いてて……」



梨子「そんなことないよ……わたしも最初はよっちゃんと同じだった」



梨子「むしろよっちゃんの反応が普通だよ、だからあまり自分を責めないで?」



善子「ありがとうリリー……」


梨子「わたしはよっちゃんが一緒にいてくれるだけでも十分頼もしいよ!」



善子「リリー…」



梨子「だから絶対2人で生き延びよう、必ず!」



善子「もちろん!」


カチカチッ


CAM2A 西廊下

しいたけ「ハッ…ハッ…ハッ…」ダダダダッ


梨子「!」


梨子「よっちゃん!左のドア閉めて!」


善子「まかせて!」


ガシャン!!


しいたけ「ワン!ワン!」

ドンドンドン!!

残量88%
残量85%



善子「うわ!なんなのよこいつ!?」



梨子「仕組みはわからないけどしいたけがくると電力を減らされるの」



梨子「だからなるべくしいたけが来ないようにしたいんだけど…」



ガシャン!!



善子「もういない?」



ピカッ


マイコー「………」



ガシャン!!



善子「別のアザラシがいた!しつこいわねぇ!」



梨子「明らかに人形達の襲撃頻度が増えてる……電力もつかなぁ」


3AM

残量43%

ピカッ

マイコー「………」


ガシャン!!


善子「アザラシがしつこい……」



梨子「しいたけには電力は減らされるし、人形が来るのが増えた分ドアを使う頻度が増えてる……」



梨子「ちょっとこのままじゃ電力がまずいよ」



善子「やっぱり監視は犬優先がいいかも、他は見てようが見てなかろうがこっちに来るし……」


「フォッフォッフォッフォッ……」




梨子「なにこの笑い声……」ガクブル




善子「あの声はうちっちーよ……」



梨子「………」


カチッ

CAM1A ステージ

………………


梨子「ついにうちっちーが動きだしちゃった……」


善子「全員集合ってわけね」


カチカチッ



CAM6 キッチン

ーAUDIO ONLYー

♪とっても とっても 楽しそう(ぷかぷか) ♪



梨子「うわ……」



善子「はぁ、こっちは全然楽しくないわよ……」



梨子「よっちゃん、左右の入口の確認お願い」



善子「了解!」


ピカッ


ピカッ


ちかちー「…………」



ガシャン!!



梨子「いつのまに来てたの!?」




善子「今の、リリーが確認頼んでこなかったら確実に終わってた……」


ピカッ


ちかちー「…………」



善子「早く帰りなさい」



ピカッ



ちかちー「………」



善子「もぉ!電力無くなっちゃうわよぉ!」



梨子「ちかちーはあんまり来ないけど、来ると結構長く居座るから……ここは我慢だよ……」




ピカッ

……………


善子「やっと帰った……」


ガシャン!!


残量34%


善子「ちょっと…さすがにそろそろやばいって!」



カチカチッ


CAM1B ダイニングエリア

………………

CAM7 トイレ前

ちかちー「…………」


梨子「うちっちーはどこ?」


ピカッ


ピカッ


善子「左右の入口にもいないわよ…」


カチッカチッ


善子「あ!リリーちょっとダイニングエリアにカメラ戻して!」



梨子「え?いいけど…」



CAM1B ダイニングエリア

うちっちー「………」ピカッピカッ



善子「ほら、あの画面のかなり奥の真っ暗なとこ、両目が光ってる」



梨子「これは見つけづらい……」


5AM

残量12%

「フォッフォッフォッフォッ……」


「フォッフォッフォッフォッ……」



善子「凄い笑ってる……」


梨子「うーん……」



善子「リリー、何悩んでるの?もうすぐ時間だからなんとかしのぐわよ!電力やばいけど」




梨子「鞠莉さんが言ってた存在に気づけないとか、目を離すなら安全を確保してからっていうのが気になって……」



善子「うちっちーのこと?」



梨子「そう……」


善子「あいつは結局全然来ないし、意外と大丈夫かもしれないわよ?」



梨子「でもわたしたちが気づけてない何かがある気がする……」



善子「それより犬を監視しましょう、あと1回ドアまで来られたら致命傷だわ……」



梨子「うん」



「フォッフォッフォッフォッ……」



善子「右から笑い声がする……」



梨子「よっちゃん右のドア閉めて!はやく!」



善子「え?」



梨子「いいからはやく!」


ガシャン!!



善子「リリーは自殺するつもり?ドアは人形が来るまで閉めちゃダメって言ってたじゃない!」


梨子「きっといるよ……見えてないだけで」




善子「え……?」




梨子「近くまで来ても気づけないってきっとそういうことだよ……」




梨子「カメラで見つけづらいのはもちろんだけど、ドアの前にいても見えないんだと思う……」




善子「ちょっと……そんなの反則じゃない……」




梨子「安全を確保しろっていうのはきっとドアを閉めろってこと……」



梨子「ドアの前にいても見えないから、カメラで近くの廊下にいるのがわかったら念のためドアを閉めてから他の行動をしろってことじゃないかな」




善子「理不尽すぎるでしょ……」


残量10%


梨子「…………」


善子「電力が……」


カチカチッ


CAM6 キッチン
ーAUDIO ONLYー

♪サカナたちのパーティー 呼ばれちゃった♪


梨子「離れたね……」



善子「あんな見た目でどんな移動速度してんの……」



カチカチッ


CAM1C ワンワン広場


………………

梨子「あ!」

善子「やばっ!」


CAM2A 西廊下

しいたけ「ハッ…ハッ…ハッ…」ダダダッ


梨子「閉めて!」


善子「っ!」



ガシャン!!



しいたけ「ワン!ワン!ワン!」


ドンドンドン!!


残量9%
残量2%



梨子「!?」


善子「ちょっとぉ!?」


ガシャン!!


梨子「もうカメラも見ない……ドアもライトも使わない。何も来ないことを信じよう」



善子「うぅ……」



梨子「よっちゃん、一応最後に一度だけ左右の入口の確認して……」




善子「うん………」



ピカッ


ピカッ


残量1%


善子「いないわ……」



梨子「祈ろう……時間が来るのを」



善子「………」



梨子「………」


善子「………」



梨子「………」



善子(お願い神様!……いつも悪魔崇拝とか変な儀式してごめんなさい!)



梨子(よっちゃんが一緒だから頑張れた……よっちゃんと一緒に帰るんだ!)



善子「………」



梨子「………」



「フォッフォッフォッフォッ……」




よしりこ「!?」




6AM
♪キ-ンコ-ンカ-ンコ-ン
YEAHHHHH!!


善子「リリ~!!」ダキッ


梨子「やったねよっちゃん!」ダキッ




善子「ヨハネにはあんなの絶対無理だった……きっと開始数分で死んでたわ……」




善子「リリーありがとおぉぉぉ!!」モッギュウゥゥ




梨子「ちょ、ちょっとよっちゃん!?」




善子「さ、はやく帰りましょうリリー!生き残れたのは嬉しいけど1秒でも早くここを出たいわ」



梨子「そうだね……!」




ガチャッ

梨子「うわ、眩しい……」

善子「太陽あれ!」ビシッ



梨子「よっちゃん、悪魔は闇を好むんじゃなかったの?」



善子「あ…い、今はいいの…///」



梨子「ふふ♪」


梨子(友達がわたしの悪夢に一筋の光をくれた……堕天使が光をくれるってなんかおかしいけどね♪)

今回はここまでです
続きはまた近日中に投下します、遅筆ですみませんm(._.)m


ー梨子の部屋?ー


梨子「…………」パチッ



梨子(あれ?わたしなんで床で寝てたんだろう…)



梨子「…………」キョロキョロ




梨子「外が暗い……夜まで寝ちゃったんだ…」




梨子「部屋が真っ暗……」


カチカチッ


梨子「停電?照明がつかない…」


コトッ


梨子「足に何か当たったと思ったら懐中電灯だ……」



梨子「部屋に懐中電灯なんてあったかな?」



ピカッ



梨子「とりあえずなんとか明かりは確保できたね」


テクテク


ガチャッ



ソロ-リ


梨子「家の中も真っ暗……やっぱり停電みたい……」



梨子「お母さーん……いないの?」



梨子「出かけてるのかな……」


ピカッ




ナイトメアマイコー「……………」サササッ



梨子「!?」



バタンッ!



梨子「い、今のはなに……?」



梨子(懐中電灯で照らした廊下の奥に何かがいた……)



梨子「え……?」



梨子(今ドアを閉めて部屋の入口を背にしたわたしの目線の先にまた別の扉がある……)




梨子「部屋の入口が2つになってる……」



梨子「この部屋……わたしの部屋に似てるだけでわたしの部屋じゃない!」


チラッ


梨子「ベッドの上にうちっちーのぬいぐるみなんて置いてないし……」




梨子「あ……!」


梨子(なぜかある左右の扉……懐中電灯の明かりで廊下を照らしたわたし……そして廊下の先にいた何か)



梨子(これって……)




梨子(部屋のつくりも、わたしがやってることも夜の警備のアルバイトと同じ……!」



タッタッタッタッ



梨子「反対の扉には何もいないよね……」


ギイイッ


梨子(怖くて全部開けるのが怖い…)


ソロ-…



梨子「………?」




………………ゴオッ…



バタン!



梨子「はあ…はあ…!」




梨子(何かがいた………!)


梨子(半開きにしたドアの向こうの暗闇の中……わたしの目と鼻の先に…)




梨子(なにかの息遣いが確かに聞こえた……)



ギイイッ



梨子「もう………いない?」




ピカッ






ナイトメアちかちー「ギュオアアアアアアアァァァ!!!」

梨子「いやああああああ!!」

………………



………………



梨子「うわあああああ!」ガバッ



梨子「はぁ………はぁ……」



梨子「夢……?」



プルルルルルル




梨子「よっちゃんだ……」



梨子「もしもし?」



善子「もしもしリリー?夕方だからさすがにもう起きてた?」




梨子「今起きたよ……」


善子「随分元気ないわね~、まあ無理もないだろうけど…」




梨子「すごく怖い夢を見たの……」




善子「怖い夢?」




梨子「自分の部屋が警備員室みたいなつくりに変わってて、人形たちが襲ってきた……」





梨子「最後は怪物みたいに凶悪な見た目に変わったちかちーに捕まったところで目が覚めたの」





善子「恐ろしい夢ね……」


梨子「ねえよっちゃん………わたしも夢の中みたいに……その夢の中みたいになっちゃうのかなあ……」




善子「ちょ、ちょっとリリー、なに弱気になってるの!?そんなのただの夢よ?」





梨子「だって起きたらアルバイトであんな怖い思いをして、寝ても夢の中で襲われるなんてこんなの耐えられないよ!」





梨子「もう……やだぁ……ぐすっ」




善子「リリー……」


梨子「うっ……ううぅ……」




善子「リリー、今からそっちに行くから待ってて?」




梨子「え?」



善子「そんな部屋で1人で泣いて怯えてるリリーなんて見てられないもの……」




善子「それに今日の夜に向けて作戦会議もしたかったし……いい?」




梨子「うん……」


善子「じゃあ決まり!ヨハネが降臨するまでおとなしく待ってるのよ?それじゃ!」



プツッ




梨子「よっちゃんは優しいね……」




梨子「ダメだね……わたしのほうが年上なのによっちゃんに甘えちゃって…」




1時間後



ガチヤッ



善子「はぁいリリー!堕天使ヨハネが来てあげたわよ!」




梨子「よっちゃん、わざわざごめんね」


梨子(きっとよっちゃんだっていろいろ怖いはずなのに……わたしのためにこうして明るく接してくれてるんだ)




善子「あ、リリーにこれをあげるわ」スッ




梨子「え、なに?」ガサガサ




善子「開けてからのお楽しみよ」




梨子「あ、これ……たまごのサンドイッチ?」






善子「急いで作ったからちょっと雑になっちゃって……味の保証はできないけどね」





梨子「手作りなの!?」


善子「リリーの好物でしょ?少しでも元気になってくれればと思って」



梨子「ありがとう……!」



善子「どうせご飯だって食べてないんでしょ?早く食べちゃいなさい!そして感想を言っちゃいなさい!」




梨子「いただきます」



梨子「………」パクパクモグモグ




善子「………」ソワソワ




梨子「おいしい……!」



善子「ふふ♪それはよかった!」



梨子「全然雑じゃないよ……すごくおいしいよ♪」


善子「さすがは魔界の料理長の異名をとるこの堕天使ヨハネ………腕は衰えていないわね」



梨子「わたしのためにこんな……」



善子「気にすることないわ……堕天使も、友達の悲しむ顔は見たくないものなのよ」




梨子「ありがとうよっちゃん……!」




善子「さ、この話は終わり!今夜の作戦会議をしましょう」




善子「あ、リリーは食べながらでいいわよ?」




梨子「うん」パクパクモグモグ


善子「リリーはあの店で3日間……ヨハネは夜は昨日だけだけど…」



善子「きっと2人で話し合えばなにかいい作戦とか突破口が見つかるんじゃないかと思ったの!」




梨子「昨日の時点で電力は切れる寸前だったし……確かになにか対策をしないと今夜は乗り切れなさそう…」





善子「日を増すごとに人形が活発になるんでしょ?昨日であれだから今夜は更に襲撃が激しいってことよね」




梨子「うーん…まず何から話し合おうか?」




善子「そうね~……じゃあ最初はそれぞれの人形の特徴と対処法とかはどう?」


善子「リリーのほうが長く人形の相手をしてるから何か気づくことあるんじゃない?」



梨子「そうだね~」



数分後


梨子「ざっとわかることはこんな感じかな」



善子「ふむふむ……」



梨子「まずはマイコーだけどこの子はかなり積極的に襲ってくるよね……」



善子「たしか昨日、警備員室まで来た回数が1番多いのはこいつだったわ」



梨子「とりあえず来たらドアを閉めて対処するしかないよね、カメラで見てても見てなくても動くみたいだし……」


善子「ちかちーも対処法は同じね……来る頻度が少ないぶん、ドア前に長く張り付くとこは違うけど」




梨子「あ……そういえば」



善子「どうしたの?」




梨子「ずっと3日間監視してきて今さらかもしれないけど、人形の動きには法則性があるかも!」



善子「たとえば?」




梨子「思い出してみればマイコーって、必ず警備員室の左のドアのところに来てない?」




善子「あ、言われてみればそうかも……」




梨子「そしてちかちーは反対側、右のドアの前にしか来てないよね?」


善子「ある程度ここまで来るルートが決まってるのかしら……」



梨子「そうだと思う……人形によって通る部屋と通らない部屋は確実にあるよ」




梨子「きっと今までマイコーはお店の西側、ステージから動き始めてダイニングエリア、バックステージ、倉庫、西廊下のルートで警備員室に向かってきてたんだと思う」




善子「そういえばトイレの前とか東の廊下にあいつは来てないわね」




梨子「次にちかちー、この子はマイコーとは反対のルート、お店の東側、ステージから動き始めてダイニングエリア、トイレ前、キッチン、東廊下のルートで警備員室に向かってきてるはず」


善子「なるほど、さすがねリリー!ある程度ルートがわかれば人形を監視する時の目安になるわ!」




梨子「あの子たちは一応ロボットだから……ある程度の規則的なパターンでしか行動してないのかもしれないね」



善子「そして次は犬のしいたけ、正直こいつが1番の厄介者よね……」




梨子「わたしの苦手な犬……ってところもあるけど、なにより警備員室に着くと電力を減らされるのが大問題だよ…」




善子「最初は3%くらいしか減らされないけど、2回目以降は7%くらい減らされてたわ」


梨子「対処法はとにかく監視することかな……カメラで見てない間に少しずつワンワン広場のカーテンから出てきちゃうし」




善子「そしてカーテンから出たら一気に西側の廊下を走って警備員室までくると……」




梨子「よっちゃんもわたしも、しいたけを気にしてワンワン広場はよくチェックしてるから警備員室に入らないようにするのは簡単だけど」



善子「ワンワン広場からいなくなってるのに気づいたらすぐ左のドアを閉めれば侵入は防げるわね!電力は減らされるけど……」




梨子「だからなるべくしいたけがワンワン広場から出てこないようにしたい……最優先で監視しなきゃ」




善子「ただ、しいたけばかり見てると他の人形が怖いし……他の人形の対処に追われて見てない間にいつの間にかワンワン広場から飛び出してるのよね……」


梨子「うーん……これは困ったね」




善子「そして最後にうちっちー……こいつはまだ不確定要素が多いわ」




梨子「昨日のわたしの推測ではドアの前に来てても姿が見えないってこと……」



梨子「とりあえず確実なのはカメラに映ってても暗闇の中に隠れてるから見つけづらいってことだね」



善子「あとあいつの笑い声が聞こえるわよね…」




梨子「もしかしたら移動する時に笑い声が聞こえるのかも……」



善子「だとしたら笑い声に注意するべきね」


梨子「対処法は……なんだろう、鞠莉さんは見てない間に動くって言ってたからやっぱり監視?」




善子「犬で手一杯なのにうちっちーまで見てる余裕はないわよ……しかも、ただでさえカメラで探しっらいのに……」




梨子「やっぱり昨日みたいに近くにきたら前もってドアを閉めてから他の作業を続けるしかないのかなあ……」




善子「そういえばあいつは散々笑いまくってたけど、笑い声は右側、つまり東側からしか聞こえてこなかったわ」



梨子「じゃあうちっちーも最終的には右のドアにしか来ないのかな?」




善子「昨日のリリーの対処法で襲われなかったから恐らく正しいと思う……」


梨子「うーん……」



善子「うむ……」




梨子「とりあえずここまでわかったけど……これがわかったことでなにか変わるのかな……」




善子「電力の節約に結びつくのかしら?」




梨子「もしかしてこれ、なんの突破口も見つかってないんじゃ……」




善子「そんな……」





よしりこ「どうしよ~!!」


1時間後


梨子(あれからずっと考えてるけど何の糸口も見つからない……)




善子「…………」




梨子(よっちゃんはずっと考えてるのか、寝てるのか……ぴくりとも動かないし)




梨子(このままじゃ何も進展しないまま時間になっちゃうよ~!)




善子「………はっ!」



梨子「?」


善子「きてます………ああ……きてます……」




善子「降りてきたああああああぁ!」



梨子「ひい!?」




善子「傀儡人形の術破れたりぃ!」




梨子「え?なにか思いついたの!?」




善子「思いついたわ……とっておきの作戦をね……」




梨子「まさか魔法とか呪術とか言わないよね?」



善子「もちろん……使うのは今まで通りの設備……やること自体はカメラを見てライトを点けてドアを閉める、これまでと何も変わらないわよ」



善子「ただ、これは結構思い切った作戦になるわ……今までやってきたことは何だったのかとリリーは思うかもしれない……」





梨子「そこまで!?」




善子「人形の動きをほぼ把握できた今、この方法を使えばしいたけの襲撃を最低限に抑えながら他の人形の侵入も防げるはず……!」





梨子「本当にそんな方法があるなんて信じられないけど……」




善子「じゃあ説明してあげる……まずはカメラでの人形の監視だけど…」




梨子「………」ゴクリ


善子「しいたけ以外は監視しないわ」




梨子「え?せっかく色んな部屋が見れるのに?」




善子「しいたけは監視しなければ少しずつ動くんだから、しいたけをひたすら監視するわ……」



善子「もちろんカメラは1Cのワンワン広場で固定……それ以外のカメラは見ない。電力がもったいないわ」




梨子「でもしいたけだけ見てたら他の人形がって言ったはずじゃ……」



善子「もちろん他の人形への対策もするわ、やることは単純よ」



善子「流れで言うとまずは右のドアを閉める、これはちかちーと、いつ来てるかわからないうちっちーが部屋に入らないためよ」



善子「そして次に左側のドアをライトで確認。これはマイコーがいるかの確認。」



善子「そしていなければカメラでワンワン広場を見る。でも見るのはあくまで一瞬。見たらすぐカメラを閉じる。」



梨子「すぐ閉じちゃったらあまり監視できてないんじゃ……」



善子「カメラを閉じたら右側のドアを開けて再び右→左と人形がいないかドアをライトで確認」




善子「これだけよ!」



梨子「これだけ!?」


善子「そうよ!右のドアを閉める→左のドア確認→しいたけを見る→カメラを閉じて右のドアを開ける→右のドア確認→左のドア確認→また右のドアを閉める……」



善子「もちろん途中でドアに人形がいたらドアを閉めるけどそれ以外はこの動作だけ……」




善子「この一連の動作を高速で朝6時までひたすら繰り返す!」



梨子「ずっと!?」




善子「ちょっとしたイレギュラーには対応する必要がある……でもこれができればかなりの頻度でしいたけだけを監視できるうえ、全ての人形の侵入を阻止できるはず!」



梨子「ほんとにできるかなぁ……」


善子「何の能力ももたぬアザラシと怪獣は意にも介さず……うちっちーはドアを閉めるだけで姿も見ずに封殺……」




善子「ひたすら機械のように洗練された無駄のない確認作業を繰り返す姿は、まるで幾千もの夜を乗り越えた歴戦の警備員!」




梨子「えぇ……」




善子「そのアルバイトの域を超えた動きを先人たちはこう呼ぶ……!」



善子「『正社員の動き』と!」




梨子「!?」




善子「時は来た!今夜は生まれ変わった正社員リリーと聖社員ヨハネで人形共を完封してやるわ!」




梨子(そんなに簡単にいくようには思えないけど……)




梨子「よし、わたしはよっちゃんを信じる……今夜も2人で生き延びよう!」



善子「見える……我々を照らす一筋の光が!」

今回はとりあえず4夜目開始前まで
続きはまた近日中にでもm(._.)m

たしかに逃げるかサボればいいじゃないかって感じですが元ゲームの主人公もなぜか律儀に毎日出勤するんですよねぇ…
何が彼をそうさせるのか(^^;;


深夜

ーうちっちーウォルラスズバーガーー

警備員室

善子「左右確認!」


ピカッピカッ



善子「右側ドア閉鎖!」

ガシャンッ!!


善子「カメラチェック!」

カチッ


CAM1C ワンワン広場

………………………


パタッ




パタッ

梨子「右側ドアの開放!」


ガシャン!!


善子「あと10セットいくわよ!」


梨子「オッケー!」



数分後

梨子「ふぅ……こんな感じでいいのかな……」



善子「シミュレーションはばっちりね、これだけ練習すれば充分この動きが体に染み付いたと思うわ」




梨子「よっちゃんの考えた作戦、これはもう恐怖との戦いというより集中力と忍耐力の戦いだね……」




善子「朝6時までこの動作だから、もはや単純労働とも言えるかもしれないわ」



梨子「さすがにボタン操作とはいえ1人で全部やるのは大変だから役割を分担しようか?」



善子「じゃあヨハネがカメラと左右のライトを担当するわ。リリーは左右のドアの開閉をお願い」



梨子「よっちゃんのほうがやること多いけど大丈夫?」



善子「大丈夫よ、それにヨハネが提案した作戦だし………ヨハネがドアを担当するとこの前みたいに人形にビビってドア閉め損ねるかもしれないから……」



梨子「わかった、じゃあドアは任せてね!」



善子「そろそろ始まるわ……」



梨子(よっちゃんももちろんだけど、ここでわたしたちが逃げたら紹介してくれた曜ちゃんの身に何が起きるかわからない……)



梨子(だからわたしが5日間耐えきって全てを終わらせる!)



善子(リリーはボロボロになりながらもヨハネをかばってバイトを続けてくれた……)



善子(1人で背負わせるわけにはいかないわ!)


12AM
ー4th Nightー

プルルルルルルルル!!


梨子「………」


ピッ


電話の女「チャオ~!もう4日目、実にグレート♪
あなたならできると思ってたわよ!」



善子「はあ…相変わらずこの調子ね」


善子「とりあえず最初は犬をチラ見しときましょうか」


カチッ


CAM1C ワンワン広場

しいたけ「………」


パタッ


カチッ


CAM1C ワンワン広場

しいたけ「………」


梨子「モニターを開けたり閉じたりするのはなんで?」




善子「なるべく持続的にカメラを使うのはやめて電力を節約するため……だから一瞬見たら閉じる!」


「フォッフォッフォッフォッ……」



善子「まだ始まったばかりなのにもううちっちーが動き出した…」



梨子「でも動揺しちゃだめだね……落ち着いていこう!」



善子「怖くてもカメラで追わない……電力がもったいないから……」




電話の女「あ~……その、聞いてほしいんだけど……マリーからのメッセージは明日はないかもしれないわ……
(ドンドンドンドン!)」



善子「ついに自分で名前を言いやがったわね!まあ名乗らなくてもわかってたけど…」




梨子「でもなんか様子が変だよ?」




善子「たしかに……まあとりあえず聞きながら犬を監視しましょうか……練習の成果を出す時よ!」


ピカッピカッ

善子いないわ」


梨子「えいっ」ポチッ


ガシャン!!



善子「………」カチッ



CAM1C ワンワン広場

しいたけ「………」


パタンッ


梨子「開けるね」

ガシャン!!

ピカッピカッ


善子「異常なし!」


電話の女「そ、その……状況がとってもファッキンクレイジーになっちゃって……
あらかじめ、あなたのためにこうして今までメッセージを録音しておいて良かったわ……」


梨子「録音……?今までのはリアルタイムの電話じゃなかったってこと?」


善子「それならこっちが何を言っても返事をしないのも納得ね……」


梨子「じゃあ誰がこの録音を今電話で流してるの……?」



ピカッピカッ


ガシャン!!


カチッ


CAM1C ワンワン広場

しいたけ「………」

パタッ

ガシャン!!


ピカッ


ピカッ

マイコー「…………」



善子「あ!きてた!」


梨子「っ!」


ガシャン!!


善子「どうしても来た時だけは動作を止めて対処しなきゃいけないわ」



梨子「でも今のところ順調だね!」


ピカッ

……………


善子「帰ったわ」


梨子「開けるよ!」


ガシャン!!



電話の女「(ドンドンドンドン!)はあ……今までのマリーからのメッセージは役に立ったかしら?
あなたが生き残るための手助けになっていれば良かったのだけど……」




梨子「電話の中ですごい音がしてる……」



善子「ドアを叩かれてるのかしら?」



電話の女「オウ……もうここまでなの……?(ドンドンドンドン!)」



梨子「…………」



善子「警察にでも乗り込まれたのかしら?ざまあないわね」


ガシャン!!


カチッ


CAM1C ワンワン広場

しいたけ「…………」


梨子「さっきマイコーがきて少し時間を取られたけどまだしいたけがでてきてない……」



梨子「よっちゃんの狙い通り、かなりしいたけを妨害できてるかも!」



善子「ふふん♪ばっちりね」


電話の女「(♪ゆらゆらゆれながら真珠の時計 キミとわたしを夢に誘い込むの)
そんな………こんなはずじゃ……」



善子「え?うちっちーが来てるの!?」




梨子「こっちじゃなくて電話の中だね……」


善子「どういうことなの……」




電話の女「(ガシャン!!)ノー……これは……まずいわ(ドンドンドン!)」



善子「今のって警備員室のドアの音じゃない?」



梨子「そっか……」



善子「?」



梨子「今までのもこの鞠莉さんのメッセージも、わたしたちがいる同じ警備員室で録音されてたんだ…!」




善子「え……?」



電話の女「あ……ああ…
(♪アクアリウムで(Yeah!)ふたりが出会うファンタジー)
オ-ウ!プリティボンバヘ~!
ザザッザザザザザズザアアアア!!
………」


プツン……



善子「!?」


梨子「鞠莉さんはわたしの前任者だって言ってた……だから鞠莉さんはわたしがバイトを始める前にはもう………」



善子「………っ」ゾクッ




善子「そ、それ以上は言わなくていいわ!今の電話を聞けばわかるし……」




梨子「だからよっちゃん、わたしたちは鞠莉さんみたいにならないようにしよう」




善子「そうね……」




善子「バイトが終わったら断罪してやろうと思ったのに……既に黒幕が退場してるとは」


3AM

残量55%


「フォッフォッフォッフォッ」


善子「ようやく後半戦ね……」


梨子「よっちゃんの作戦のおかげで今のところ順調だよ」



善子「人形は結構な頻度で来てるけど、なんとかいなせてるわね!」



ガシャン!!


カチッ


CAM1C ワンワン広場

しいたけ「………」ズイッ


パタンッ

梨子「かなり引き伸ばせたけどさすがにそろそろこっちに来そう…」


「フォッフォッフォッフォッ……」


ガシャン!!


ピカッ

ちかちー「…………」



ガシャン!!



善子「ちかちーも結構来るようになったわよ」



梨子「確実に電力を減らそうとしてきてる…」



ピカッ


ちかちー「………」


梨子「やっぱりなかなか帰らないのは相変わらずだね……」



ピカッ

…………



善子「これでオッケー」



カチッ

CAM1C ワンワン広場

………………



善子「あぁ……」



ガシャン!!


しいたけ「ワン!ワン!」


ドンドンドンドン!!


残量49%
残量46%


ガシャン!!


梨子「ちかちーに構ってる隙をつかれちゃったみたい」




善子「まだ1回目だからなんとかなるわ……このペースで襲撃を遅らせましょう」



善子「今のわたしたちにはもう、しいたけくらいしか脅威はいないはずよ……」



梨子「残量は大丈夫、まだまだいけるよ……!」


4AM

残量31%


ピカッピカッ



ガシャン!!



カチッ

CAM1C ワンワン広場


しいたけ「………」ヒョコッ


パタッ



善子「ちょっと残量が怪しくなってきてるけど……」




梨子「大丈夫……このままのベースならギリギリ間に合うよきっと……!」



アハハッ… ハハハッ……



善子「リリー……今の笑い声なに!?」



梨子「わ……わたしも初めてきいた……」ガクブル


善子「こ、ここに来て新しいやつとか出てきたら洒落にならないわ……」ガタガタ


ピカッピカッ



ガシャン!!


カチッ


CAM1C ワンワン広場

しいたけ「………」ヒョコッ



パタッ



ゴールデンうちっちー「………」



よしりこ「!?」


梨子「よっちゃん!!金色のうちっちーが部屋の中に!どこから入ったの!?」



善子「リリー!!見ちゃダメ!!」ガバッ!


ドサッ!


梨子「わっ!よっちゃん敵が目の前にいるのに!見えないって!」



善子「見ちゃダメなのリリー!」



梨子「え?」



善子「店長から聞いたことがあるの!もし店の中で金色のうちっちーを見たらすぐ視界から外せって!」



善子「ただの冗談だと思ったけどほんとだったのね……」


ゴールデンうちっちー「………」スウッ…




梨子「………」チラッ



善子「消えた……?」




梨子「あ!よっちゃん、しいたけの監視しないと!」



ガシャン!!




善子「しまった!」




カチッ


CAM1C ワンワン広場

……………



善子「やられた………」


梨子「うぅ……左側閉めるね……」


ガシャン!!


しいたけ「ワン!ワン!」


ドンドンドンドン!!


残量26%
残量19%


梨子「ちょっと………まずいかも…」


善子「どうしよう……」


5AM

残量14%

ガシャン!!

カチッ



CAM1C ワンワン広場

しいたけ「………」ヒョコッ



パタッ


ガシャン!!


善子「もううちっちー対策の短時間のドア閉めの電力も惜しく感じる……」



梨子「でも相手の姿が見えない以上は閉めておかないと……」


善子「でももう少し……もう少しの辛抱よ……!」


ピカッ


ちかちー「………」


ピカッ


マイコー「………」


善子「うそ!?両側に人形!?」



梨子「両側閉めるよ!」



ガシャン!!ガシャン!!



残量13%
残量12%
残量11%
残量10%



善子「まずいわよ!電力がぁ~……」



梨子「両側のドア閉めは1番電力を消耗するから使いたくなかったけどしかたないよ………閉めなきゃ殺される……」


ピカッ


マイコー「………」



ピカッ


ちかちー「………」



善子「はやく!はやく帰りなさいよぉ!」



ピカッ

マイコー「………」


ピカッ


ちかちー「………」




梨子「こんなの初めて……人形が両側から同時にくるなんて…」




残量8%
残量7%
残量6%
残量5%


善子「ああ……ああああ………!」


梨子「向こうも本気でわたしたちを殺しにきてるんだよ……」




善子「あんたたち!昼間はヨハネと一緒にショーやったり楽しく仕事してたじゃない!なんでこんなことするのよぉ!!」



梨子「よっちゃんの作戦は完璧だったはずだよ……これで今日を生き延びられると思った……」



梨子「こんな終わりかた………やだよ…」





善子「そんな……リリー……!」




残量0%



梨子「あ……」


バチン!


シ-ン………



善子「終わった………」ガクッ



梨子「………」



梨子(照明が落ちた……電力が尽きたんだ……)




善子「いやだぁ……暗くて何も見えない!!殺される殺される殺される殺される!!!」バタバタ



善子「あと少しだったのにぃ……!」




梨子「!」


…………………

電話の女「あーそうそう!私にアイディアがあるわ。
もしあなたが人形に捕まりそうになって絶望的な状況になったら……
死んだふりをしてみまショウ!」

…………………


梨子「そうだ……!」



梨子「よっちゃん!」



善子「もう終わり……何もかも終わりよ……」




梨子「よっちゃんわたしの話を聞いて!」ユサユサ




善子「なに……リリー……」




梨子「死んだふりだよ死んだふり!鞠莉さんが言ってた…!」


善子「あいつの言うことを信じるつもり?きっと何の意味もないわよ!」




梨子「よっちゃんはなにもしないでおとなしく殺されてもいいの!?」




善子「それは……嫌……」




梨子「じゃあやろう!はやくしないと奴らがきちゃう!」




善子「わかった……」




梨子「いい?絶対に動いちゃダメだからね?」




善子「うん……ねえリリー……」





梨子「なに……?」


善子「今だけでいいから……手…繋いでて………」




梨子「いいよ………!」ギユッ





善子「怖いよぉ……」





シ-ン……



梨子「………」



♪空色カーテンOpen! 虹色ゲートWelcome!

あ・そ・び・ま・しょう



よしりこ(!!?)




善子(きた……!)


うちっちー「♪ゆらゆらゆれながら真珠の時計 キミとわたしを夢に誘い込むの」ピカッピカッ



梨子(ドアの前にいる……!目だけが光ってる……)



善子(絶対に………動かない……!)




うちっちー「♪水着でさわぐ さわいで跳ねる
サカナたちのパーティー 呼ばれちゃった」ピカッピカッ



梨子(お願い………このまま…6時に……!)




善子(まだ……まだ死にたくない…!)



うちっちー「♪とっても とっても 楽しそう
だったら 一緒に ぷかぷかしちゃえば(ぷかぷか)
いつもと違う わたしになれ 」ピカッピカッ



善子(リリー………!)


梨子(よっちゃん……!)



うちっちー「♪吐息が 聞こえる 距離まで

近づきたいな I miss you 」


……………………


シ-ン……



梨子(目の光が消えた………)



善子(帰ったの………?)



…………………………



……ヒタッ ……ヒタッ ……ヒタッ




梨子(違う……!)



善子(部屋に入ってきてる!?)


ヒタッ……



梨子(見えないけど確実に目の前にいる……!!)



善子「………」



梨子「…………」



………………………

………………………



……………………




………………



6AM
♪キ-ンコ-ンカ-ンコ-ン
YEAHHHHHHHH!!


バチン!

梨子(電気がついた!)



善子(奴はいなくなってる………)


タッタッタッタッ



善子「やったあああああ!!」



カチヤッ



善子「リリイイイイィィ!!!」ダキッ



梨子「よっちゃあああああん!!」ダキッ



善子「怖かったあああ!今度こそほんとにダメかと思ったああぁ……!」




梨子「よっちゃあん!最後にちゃんとわたしの言うこと聞いてくれてありがとおお!」


善子「あああ!ヨハネは生きてる!全部リリーのおかげよぉ!」



梨子「そんなことない!よっちゃんが頑張ったからだよぉ!」





よしりこ「うわあああん!!」



梨子(わたしたちは朝の日差しに照らされながら抱き合ってひたすら泣き続けた……その喜びとは裏腹に、とうとう最後の日が近づこうとしていることも忘れて……)

今回はここまでです!
明日か明後日に続きを更新投下して完結になると思います。

ゲーム内の仕様ではカメラはつけてすぐ消すほうが恐らく電力消費が少ないと思われます、なぜか……

梨子ちゃんたちが出勤し続ける理由をコメントで考えてくださっていた方がいらっしゃったので勝手ながら設定に反映させていただきましたm(._.)m


夕方


ー梨子の部屋ー

梨子「…………」バチッ



梨子「もう夕方だ……」



梨子(今日は悪夢を見なかった……それにしてもかなり寝ちゃったみたい)



梨子(昨日の夜はかなり大変だったから、きっと想像以上に疲れてたんだね……)




梨子「………」スマホポチポチ




梨子「よっちゃんからはなんの連絡もきてない……よっちゃんも疲れて寝ちゃってるのかな………」




梨子(……だめだ……全然疲れがとれてない……すごく眠いよ…)




梨子「………」




梨子「zzz」





プルルルル!



梨子「はっ!また眠っちゃった……」




梨子「電話……よっちゃんからだね」




梨子「もしもし?」



善子「リリー?大丈夫?」



梨子「あはは……昨日の疲れかこんな時間まで眠っちゃってたみたい…」



善子「わたしもよ……帰ってからさっきまで、死んだように深い眠りについてしまったわ……」



梨子「よっちゃん……」



善子「なに?」


梨子「今日で5日目、いよいよ最後の日だね……」



善子「そうね……きっと人形たちも確実にヨハネたちを仕留めようとしてくるはずよ」



梨子「昨日出てきた金のうちっちー……あれは姿を視界に入れないようにすればいいの?」



善子「ヨハネも店長から聞いただけだけど……恐らくそれで大丈夫なはず」




梨子「今日はどうやって乗り切ろうか……」



善子「うーん……正直ヨハネから言えることはもう何もないわ……昨日の作戦が全力、あれ以上は何も思いつかないわ……」



梨子「そうだよね……」



善子「もうあとはヨハネたちの経験て感覚……そして運がものをいうと思うわ。ヨハネは運には自信ないんだけど……」


梨子「でも……!」



梨子「でも昨日を生き延びられたよっちゃんとわたしなら、きっと今日だって生き延びられるはずだよね」



善子「そう信じているわ……」



梨子「よし、頑張ろうねよっちゃん!」



善子「ええ!人形なんかに負けるわけにはいかないもの!」



善子「じゃあ今日はヨハネはリリーの家には行けないけど、少し前に店の前で待ってるわね」



梨子「わかった!」


善子「じゃあまた夜にね!」


梨子「うん!」



プツッ


梨子「今まで何度もピンチを2人で乗り越えてきた……だから今日だって必ず……!」グッ


深夜

ー梨子の家付近ー


ガチャッ

梨子「いってきまーす」


テクテク


梨子(明日からはもう当分こんな時間に夜道を歩くこともなくなるね)


梨子(こんな時間に女子高生が出歩いて犯罪に巻き込まれたら嫌だし……)



梨子(…ってもう犯罪どころじゃないことに巻き込まれてるよね…)


テクテク


梨子「………」


梨子(あれ?あそこにいるのって……)


梨子(千歌ちゃんと曜ちゃん?)


タッタッタッタッ



梨子「ねぇ、2人ともこんな時間に外でなにしてるの?」



ようちか「!?」




梨子「?」




千歌「り、りりり梨子ちゃん!?」




曜「あはは、きき、奇遇だねぇ!」



梨子「なに?そんなに驚かなくてもいいのに……」



しいたけ「ワン!」



梨子「ひいい!?」アトズサリ





千歌「あ、しいたけ夜遅いから吠えちゃだめ!」




梨子「ぜ、絶対リード離さないでよ!?」




千歌「大丈夫だよ……」




曜「きっと梨子ちゃんが走って逃げるからしいたけも追いかけるんだと思うよ!」




梨子「うぅ………2人揃ってこんな遅い時間に犬の散歩?」




千歌「ま、まあ……そんなところかな」




曜「梨子ちゃんはこれからアルバイトだよね?」




梨子「そうだけど?」


曜「………」ジ-…


千歌「………」ジ-…



梨子「?」



千歌「あーそうだ!わたしたちちょっと急がなきゃいけない用事があったんだった~」




曜「そうだそうだ!急がなきゃー」





梨子「犬の散歩なのに急ぐってどういうこと?」




千歌「え……それはその……」




曜「まあ……ね?」




しいたけ「ハッ…ハッ…ハッ…」


梨子「?」





ようちか「にげろ~!!」ダダダッ


しいたけ「ワンワン!」ダダダッ




梨子「あ、ちょっと…!」


ポツ-ン…


梨子「行っちゃった……」




梨子「はあ……変な2人………」


ーうちっちーウォルラスズバーガーー


梨子「よっちゃんお待たせ!」



善子「大丈夫、ヨハネもさっききたところよ!」




善子「……」キョロキョロ



梨子「どうしたのよっちゃん?」



善子「気のせいかもしれないけど……さっきヨハネがちょうどここに着いた時、何か人影が店に入っていったように見えたのよ……」



梨子「泥棒?」


善子「さあ……何人かいたように見えたけど、もしかしたら見間違いかもしれないし……」



梨子「ちょっと怖いね……」



善子「まあ店には泥棒なんかよりもっと怖いやつがいるけどね……」


梨子「でもこんな店に入るなんて運が悪いね……何か危険な目にあったらかわいそうだよ……」




善子「自業自得よ……こっちだって命がかかってるんだからそっちまで構ってられないわ……」




梨子「とりあえず時間になっちゃうからお店に入ろうか?」




善子「そうね……誰かが潜んでるかもしれないから注意しながら行くわよ」



ガチャ


警備員室


梨子「とりあえずここに来るまでは誰もいなかったね」



善子「そうね……やっぱりヨハネの勘違いかしら」



梨子「そうだ!0時までもう少し時間があるし、今はまだ電力は関係ないからカメラでお店の中を見てみようよ、誰か見つかるかもしれないし……」



善子「名案ね、しかも泥棒なら監視カメラを壊してるかもしれないわ……そんなことされてたら洒落にならない……!早く確認しましょう!」



梨子「うわ……それはまずい!」



………………


カチカチカチカチッ


梨子「うーん……特にどのカメラにも異常はないね」


善子「荒らされた形跡もないし人もいないみたいね……いよいよヨハネの見間違い説が濃厚かしら……」


カチッ


梨子「ん?」



善子「何か見つけた?」




梨子「バックステージに見たことない物があるよ……」



善子「どれどれ……」



善子「何かしらこれは……鉄の棺桶が4つ?しかも端から端まで鎖で巻かれて南京錠までついてるわ……」




梨子「あの中にはいったい何が……」


善子「まさか最終日だから一気にあの中から人形が4体でてくるとかじゃないわよね…」ガクブル



梨子「そ……そんなの絶望的だよ…」




善子「考えるのはやめましょう……ところでいつもの人形はどう?」




梨子「えーっと……」



カチッ



CAM1A ステージ

マイコー「………」

ちかちー「………」

うちっちー「………」


善子「いつも通りね…」



梨子「泣いても笑ってもこれが最後……そろそろ時間だよよっちゃん」




善子「ヨハネたちならいけるはず!こっちも全力で迎えうつわよ!」


12AM
ー5th Nightー


プルルルルルルルル!



梨子「電話だ……」


善子「昨日マリーが死んでメッセージは終わりじゃないの?」



梨子「………」ポチッ



電話「ザザザ………ザザザアアア……ザザザ」



善子「何よこの音……気持ち悪っ」



電話「ザザザザザザッザザアアアアアアア………」



梨子「嫌な音………」


電話「………」



善子「とまった…?」



電話「 人 形 に も 命 は 宿 る …」


プツッ

プ-……プ-……



よしりこ「!?」ゾワアアア



梨子「何……今の……」ガクブル



善子「しゅ、趣味の悪いいたずらはやめなさいよね!」ガタガタ




梨子「あ、よっちゃん!しいたけを監視しないと!」




善子「動揺してすっかり忘れてた……!」


カチッ


CAM1C ワンワン広場

バサッ

しいたけ「ハッ…ハッ…ハッ…」ダダダッ



梨子「え!?カーテンからいきなり飛び出してきた!?」




善子「ていうか今の人形じゃなくて普通の犬じゃなかった?」



梨子「とりあえずドア閉めるね!」



ガシャン!!


しいたけ「ワン!ワン!」カリカリ


残量96%



善子「え?電力減らないわよ?」



梨子「どうなってるの?」



善子「なんか様子がおかしい!あんまりカメラ使いたくないけど他の人形もチェックしてみる!」



カチッカチッ

CAM1A ステージ

マイコー「………」スクッ スタスタ

ちかちー「………」スクッ スタスタ

うちっちー「………」スクッ スタスタ


梨子「みんな立ち上がって歩き始めたよ?」



善子「ありえないわ!みんなカメラに映ってる間は画面が乱れない限りその場に静止してるのに……」


梨子「とりあえずカメラで追ってみて!」



善子「わかった……!」



カチッ

CAM1B ダイニングエリア

ちかちー「ミカン……カンカン………」

マイコー「ニネンブウリデスカ……」

うちっちー「オド-レスイスイ……オド-レスイスイ……」


善子「みんなブツブツ何か言いながらこっちに向かって歩いてきてるわ!」



梨子「今まではカメラに複数体同時に人形が映るなんてなかったはず……それにうちっちーも普通にカメラに映ってる」



善子「しかもうちっちー以外が夜に喋ることもなかったはずよ……いったい何が起こってるの!?」


しいたけ「ワン!ワン!」タッタッタッ



梨子「いやあああああ!!」




善子「普通に逆側のドアから入ってきた!?




しいたけ「ハッ…ハッ…ハッ…」フリフリ



善子「………ってやっぱり普通の犬じゃない…」ナデナデ



梨子「よっちゃん……絶対こっちに来させないで……」




善子「どっから迷いこんだのかしら……」


マイコー「ロックオ-ン………」



ちかちー「オド-レカンカン……オド-レカンカン……」




梨子「よっちゃん!両側から人形がきてる!!」




善子「くっ……!また昨日みたいに両側閉めなきゃいけないじゃない!」



ガシャンガシャン!!


残量85%
残量84%
残量84%


善子「やっばりみるみる電力が減っていくぅ~……」


ピカッ


マイコー「ビックリシマ-シタ…」



ピカッ


ちかちー「マブシイヨ!」


ピカッピカッ


ピカッピカッ



ピカッピカッ



梨子「だめ……!全然帰らない!」



善子「ちょっと!まさか電力が尽きるまで張り付くつもり!?」



善子「そんなの反則よ!」




梨子「ダメだ……こんなことされたら勝てるわけないよ……」



善子「リリー……」



残量10%
残量9%
残量8%



善子「そんな……まだ始まってから全然時間も経ってないのに……」




梨子「こんなの………ひどすぎるよ……」


残量0%


バチン!



梨子「死んだふりでも朝までしのぐなんて無理だね……」




善子「なんで………なんでよ……」プルプル




うちっちー「♪とっても とっても 楽しそう
だったら 一緒に ぷかぷかしちゃえば(ぷかぷか)」



梨子「……終わりだね」




善子「もう……煮るなり焼くなり好きにしなさいよ……!」



しいたけ「ハッ…ハッ…ハッ…」



うちっちー「♪吐息が聞こえる距離まで 近づきたいな I miss you」


……………………

……………………


梨子「………」


善子「………」


しいたけ「ハッ…ハッ…ハッ…」フリフリ



……ヒタッ


梨子「よっちゃん……!」ギュッ


梨子「リリー……!」ギュッ



しいたけ「ハッ…ハッ…ハッ…」フリフリ




……………………
……………

…………




うちっちー「ヨーソロー!!!!!!」ガバッ



よしりこ「きゃああああああああああああああああああああ!!!!」



善子「………って……え?」



梨子「ヨーソロー……?」




うちっちー「…………」カポッ


善子「え!?」




曜「いやぁ~真夏のクーラーもない部屋で着ぐるみ着るのがこんなに大変とは……死んじゃうかと思ったよ~」



梨子「曜ちゃん!?」




ちかちー「がお~」ダダダッ



善子「ひいっ!来るんじゃないわよ!」



ちかちー「……」カポッ



善子「は?」


千歌「じゃじゃーん!どう?びっくりした?」




善子「千歌さん!?」



梨子「ど………どういうこと…?」




マイコー「………」タッタッタッタッ



梨子「あ……」




マイコー「………」スッ

看板『ドッキリ大成功!!』




よしりこ「はあああああああああ!?」


善子「ていうかあんた誰なのよ!」




マイコー「………」カポッ



よしりこ「!?」



鞠莉「シャイニー☆2人ともバイトお疲れ様♪」



梨子「鞠莉さん!?」


善子「生きてた……」



鞠莉「電話の役も、着ぐるみも1人で2役もやってマリーも結構大変だったのよ?」



梨子「ドッキリって……どういうことですか……?」




曜「梨子ちゃんがただアルバイトしてるだけじゃ面白くないだろうって鞠莉さんが言い出して……あはは」



千歌「こんな時期だし梨子ちゃんに恐怖体験でひんやり涼しくなってもらおうと協力したんだけど……」


梨子「………」ゴゴゴゴゴゴ



曜「まずかった……みたい……だね」


千歌「でも言い出したのは鞠莉さんだから……ね?」


鞠莉「イエース!これまでの5日間のバイト期間をフルに使ったハイクオリティでエキサイティングなドッキリデース♪」


善子「はあ……怒りを通り越して呆れたわ……」




梨子「人がどれだけ悩んで………どれだけ苦しんだかも知らないで……」ゴゴゴゴゴゴ



鞠莉「ワッツ?」




梨子「なんてことしてくれたんですかあああああ!」


バシーン!!


鞠莉「アウチ!」



善子「いいのはいったわね……」


梨子「もっと言いたいことはたくさんありますけど…キリがなさそう」ワナワナ



梨子「だいたい千歌ちゃんと曜ちゃんもだよ!わたしがどれだけ怖い思いをしたことか!」




ようちか「ひぃっ!?ごめんなさいいいいい!!」




鞠莉「ほら、梨子ちゃん落ち着いて……5日間頑張ったあなたにお給料があるわよ♪」ヒリヒリ



梨子「今ここでですか?」



鞠莉「直接手渡しされたほうが貰ったな~って実感が湧くでしょ?ついでに巻き込んじゃったヨハネちゃんにもちゃんと同額あげるわ!」スッ



善子「どうも……」


梨子「はあ……一応受け取っておきます……」




鞠莉「念のため中身を確認してね♪」



よしりこ「……」ガサゴソ



善子「え………」



梨子「せ……1500円…?」



鞠莉「?」


梨子「なんで1週間こんな怖い思いしながら働いてもらえるのが1時間分の給料なんですか!?詐欺ですよね!?」




善子「そうよ!どういうつもり!?」



鞠莉「パードゥン?求人のチラシちゃんと読んでくれた?ほらこれ」スッ



人材求む!

うちっちー Walrus’s Burger

午前0時から6時までの夜勤警備員を募集中。

お仕事内容は監視カメラのチェック、

備品や動物ロボットの安全確認をするだけの簡単なお仕事です。

勤務日数…5日(個人の技量により短縮される場合あり)

週給1500円



善子「」


梨子「しゅ、週給1500円……」



善子「何よこれぇ!?ブラック企業も真っ青じゃない!」




鞠莉「もしかして時給1500円だとか思ったの?うちは経営不振でそんなに払えないわよ……」



善子「ヨハネは巻き込まれただけだからまだしも……これじゃリリーが浮かばれないわよ!」



鞠莉「ちゃんと読まないのがいけないのよ?勉強になったネ♪」




梨子「………………」ドドドドドドドド



鞠莉「?」



梨子「ふざけんなああああ!!」


パシーン!!バシーン!!



鞠莉「アーウチ!!」



善子「きれいにきまったわね」




鞠莉「あ、そうそう今日からまた契約更新できるけどどうする?続ける?」ヒリヒリ



梨子「お断りします!!」



善子「辞めるに決まってるでしょ!ついでに昼のバイトもね!」



ー店の前ー


善子「はあ………とんだ災難だったわね」



梨子「ほんと……わたしの5日間はなんだったの……」




善子「でも少なくともヨハネにとっては無駄じゃなかったわよ?」




梨子「え?」




善子「リリーの色んなところが見れた……」



善子「その……意外とかっこいいところとか///」




梨子「よっちゃん///」




善子「とにかく!もっとリリーのことを好きになれた///言いたいことはそれだけ!」




梨子「よっちゃんもすごく頑張ってくれた……こんなわたしのために」




梨子「そんなよっちゃんはすごく頼もしくて、かっこよかった!ありがとう!」ダキッ




善子「リリー///」ダキッ




鞠莉「ふふふ♪2人ともお熱いわね」

曜「こんな外で3人で正座とは……」

千歌「かゆい~……また蚊に刺された……」


ー帰り道ー

千歌「梨子ちゃ~ん話聞いてよ~!」



梨子「知りません!」



曜「そんなに怒るとはみんな思ってなかったんだよ……」



梨子「普通ならこんなの絶交だよ!そうしてないだけまだ優しいと思うけど?」


千歌「梨子ちゃんひどい!」




梨子「ひどいのはそっちでしょ?5日間も散々わたしたちのこと着ぐるみで怖がらせておいて!」



千歌「へ?5日間?」




曜「何言ってるの梨子ちゃん……わたしたちがドッキリ仕掛けたのは今日だけだよ?」




梨子「え……?」


梨子(ドッキリと打ち明けられていた時からずっと感じていた違和感……)



梨子(確かにそうだ……もし3人が着ぐるみに入ってたとしたらあと1人、あのしいたけの人形はなんだったの?)


梨子(なにより電力を減らすとかそんなこと普通できるわけない……!)


梨子(それにあの急に現れて消えた金のうちっちーだって……)




梨子「あ………ああ……」ガタガタ



曜「梨子ちゃん?大丈夫?」



千歌「具合悪いの?」



梨子「ちがう……」



梨子(じゃあやっぱりあの時の人形たちは本当に……!)


ーうちっちーウォルラスズバーガーー


バックステージ


ガタガタガタガタ!


バンバンバンバン!



鞠莉「ワオ!元気一杯ね♪」




バンバンバンバン!!



鞠莉「またあなた達の遊び相手がいなくなっちゃったわね……あの子たちはどうだった?」


ドンドンドンドン!



鞠莉「また代わりを用意してくれるのかしら……?」


鞠莉「でもとうとうこれで従業員は店長以外0ね~」




鞠莉「この店ももう終わりかしら………」


バンバンバンバンバンバン!




鞠莉「もう!あなた達が途中で出てきちゃったらどうしようかと心配してたのよ?」




バンバンバンバン!



鞠莉「でもさすがに小原家特注の鋼鉄の棺桶に入れられて……ここまで頑丈にロックされたら無理よね♪」



ドンドンドンドン!


鞠莉「ふふふ♪そんなに怒らないで?次の人とは今日遊べなかったぶん、もっとたくさん遊んでもらいなさい…」



ドンドンドンドン!!



鞠莉「ふふふふ………」

今回だけでは終わりませんでした( ;´Д`)
また明日か明後日に続きを投下して完結します
この後は花丸ちゃんのCustom Night(元ネタの人形の強さを選べるモード)、そしてエピローグが続きます。

今回梨子ちゃんがおかしいと言っていた電力を減らすというのは扉の開け閉めの電力消費ではなく、しいたけ人形の特殊能力による電力消費のことです。
わかりづらかったらすみませんm(._.)m


……………………


鞠莉「……」ポチポチ


プルルルル


ガチャッ……


鞠莉「もしもし店長さん?わたしよ♪」



鞠莉「とうとう従業員があなた以外誰もいなくなってしまったわね……」



鞠莉「これから夜の人形のお世話は誰がするの?わたしは嫌よ?」





鞠莉「え?また別の人間を補充する?いつまでそんなことを繰り返すつもりなの……」




鞠莉「最新技術を使ったあなたの人形、その素晴らしさと将来性を見込んで潰れかけのあなたのお店を小原家が立て直してあげたのに」





鞠莉「蓋を開けてみればこんなことになるなんて……」



鞠莉「ねえ店長さん?店で起きた誘拐殺人事件のこと、忘れたわけじゃないわよね?」




鞠莉「結局犯人は捕まったみたいだけど、わたしにはわかってるのよ?本当の犯人はあなただって……」





鞠莉「だってあなたとわたししか知らないはずの店の隠し部屋から死体が見つかったのよ?」




鞠莉「もうあなたが犯人だと言ってるようなものじゃない……」




鞠莉「思えばその事件の後からね……人形の様子がおかしくなったのは」




鞠莉「子供に噛み付いた人形もいたわよね……」



鞠莉「殺された子供たちの復讐なのかしら?あなたならわかるでしょ?」



鞠莉「誘拐事件も、人形の?みつき事件も……小原家がもみ消さなかったら今のあなたの店はとっくに存在しないのよ?」




鞠莉「とはいえ悪い噂はどこかしらか勝手に立つもの……結局客足は減って今の状態だけどね……」


鞠莉「いずれにせよ早く夜の警備員が必要よ……遊び相手がいなかったらあの子たちが店の外まで出て行っちゃうかもしれないじゃない……」



鞠莉「さすがにそんなことになったら小原家でも収拾がつけられないわ。だからスケープゴートが必要なの……


鞠莉「もし代わりが見つからなければ次はあなたの番よ」


鞠莉「もっとも……そろそろ罪を償うべきじゃない?あの子達はあなたと早く遊びたくてうずうずしてるわ♪」



鞠莉「嫌なら代わりを見つけることね……そうやって自分の罪から逃げて、関係ない人間をどんどん殺していくといいわ、あなたの人形でね………!」


鞠莉「でも安心して?あなたが死んでもあなたの大事なお店とお人形はちゃんとわたしが引き取るわ」



鞠莉「ふふ……ペーパーカンパニーに店の経営権を買収させて、店も人形も新しくリニューアルすれば……きっと悪い噂もみんな忘れてしまうでしょうね……」


鞠莉「だからお店と人形のことは心配しなくていいわよ♪」


鞠莉「それじゃあ店長さん………よい1日を♪」


プツッ

ブ-……プ-……プ-……


深夜


ーうちっちーウォルラスズバーガーー


花丸「初めてのバイト……緊張するずら……」


花丸「マルもずっとお寺の生活しか知らないから社会勉強にはいい機会だよね」




花丸「先輩たちのロボットの話を聞いてからずっと気になってたこのお店……」




花丸「やっと空きが出来たって聞いて迷わずお店に連絡してみたけど、まさか夜勤の警備員しか募集してないとは」




花丸「ただロボットを見るだけならお店にご飯を食べにくればいいだけだけど、きっとお店で働けばもっとロボットを観察したり……お店の裏側がわかると思うずら♪」



ガチャッ


花丸「こんばんは~……」




シ-ン………




花丸「誰も……いない」




花丸「これは……お店の中を探検するチャンスずら……!」



花丸「警備員の仕事だから本当は見回りの時にいろいろ見ようかと思ってたんだけど……」



花丸「このお店は仕事中は警備員室から出ちゃダメなんだって……不思議だね」



花丸「でも念のため早く来ておいてよかった……0時になる前に人形をじっくり観察するチャンスずら」


ワンワン広場


花丸「ん?ここは……」



花丸「故障中……カーテンも閉まってる……」


花丸「この中には何があるんだろう…」


花丸「………」キョロキョロ



花丸「もちろんマル以外誰も見てないよね…」」




花丸「隠されていると見たくなる……それが人間の性…!」




花丸「それでは御開帳……」


パサッ


しいたけ「………」




花丸「壊れた犬の人形だ……ポロポロでところどころ中身が見えちゃっててかわいそう……」




花丸「なんか千歌さんの家の犬に似てる気がするけど……気のせいかな」




花丸「ああ……マルが機械に詳しければ直してあげられるのになあ……」



ゴソゴソ



花丸「?」


花丸「破れて剥き出しの背中に何か光るボタンが……」




花丸(押したい……!)




花丸「………」ソ-……



花丸「えいっ!」ポチッ


しいたけ
AI Level 20→1



花丸「あれ?何も起きない……」




花丸「今のボタンで変形したりしてくれたら感激だったんだけどなぁ……」


ステージ

花丸「ずら~!」パアァ



花丸「動物のロボットが3体も!」



ゴソゴソ



花丸「やっぱりここの人形たちの背中にもボタンがある!」



花丸「えいっ!」ポチッ


マイコー
AI Level 20→1


花丸「えいっ!」ポチッ


ちかちー
AILevel 20→1



花丸「このボタンを押す感覚……癖になりそうずら…」ポチッ


うちっちー
AILevel20→1


花丸「あ、そろそろ時間だ……警備員室に行かなきゃね!」


0AM
ーCustom Nightー

AI Level all 1 (最弱)


警備員室

花丸「すごい!」


花丸「ボタンがこんなにたくさん!押し放題ずら~!」


ポチポチポチポチ


ピカッピカッ


ピカッピカッ



ガシャンガシャン!!



花丸「ずら~!」パアァ



花丸「すごいすごい!これなら遠くけらでもドアの開け閉めができる~!」


カチッカチッ


花丸「おぉ~……動かずして全部の部屋が見渡せる!!」



花丸「はぁ~……未来ずら~!」


2AM

残量40%


花丸「ちょっと遊び過ぎちゃったかな?」


花丸「電力には限りがあるから切れたら真っ暗になっちゃうんだよね……」




花丸「こんなに静かで落ち着いて本が読める環境なのに真っ暗じゃ読めなくなるずら…」




花丸「さて、何から読もうかな~」ドッサリ



アハハッ……ハハハッ



花丸「ん?」


シ-ン……



花丸「空耳かな?」



ゴールデンうちっちー「………」




花丸「弘法大師・空海に学ぶ生き方……」ペラペラ



花丸「ふむふむ……」ペラペラ



ゴールデンうちっちー「………」スウッ…



花丸「弘法大師様からは見習わなければいけないことがたくさんあるね……」


4AM


花丸「どら焼きおいしいずら」パクパカ



花丸「………」モグモグ



花丸(ボタン………押したい!)



マイコー「………」



花丸「ずっと我慢してたけどこの衝動は止められないずら!」




花丸「あと1回だけ……!」ポチッ



マイコー「………」



ガシャン!!




花丸「もう病み付きになってしまったずら……///!ウットリ


5AM


花丸「………」



花丸「zzz」



ゴールデンうちっちー「………」




花丸「zzz」




ゴールデンうちっちー「………」スウッ…


………

……


6AM
♪キ-ンコ-ンカ-ンコ-ン
YEAHHHHHHH!!



花丸「ずら!?」ガバッ



花丸「警備するつもりが寝てしまったずら……」



花丸「お寺の暮らしで早寝早起きが基本のマルには夜更かしの仕事は向いてないかもしれないなぁ……」


ー部室ー


花丸「梨子さんと善子ちゃんはずるい!」



梨子「?」



善子「会って早々怒り出すなんてどうしたのよずら丸……」



花丸「あのハンバーガー屋さん!マルも働いてわかったけどあんな未来の技術を2人で独占なんて!」



善子「ずら丸あんたあそこの警備のバイトやったの!?」



梨子「花丸ちゃん!無事で良かった!!怪我はない?何か怖いことはなかった!?」




花丸「え?なんでそんなに心配してくれるんですか?」




梨子「え?何も知らないの?」



善子「あんた……運良すぎでしょ…」



花丸「?」


夕方

国木田家



花丸「ただいま~」



花丸「え?マル宛に手紙が来てる?」




花丸「マルがバイトしてるハンバーガー屋さんからだ…」



花丸「なんだろう……」ガサガサ



ペラッ



解雇通知

国木田花丸様

あなたを下記の理由により解雇処分と致します。

・人形を勝手に操作した
・かわいい


うちっちーウォルラスズバーガー店長




花丸「ずら!?」


数日後


ーうちっちーウォルラスズバーガーー

ガチャッ


鞠莉(店長と連絡が取れなくなったから店の様子を見に来たけど……店の中は特に変わった様子は無し)



鞠莉(逃げた?………いやそれとも……)





警備員室



鞠莉「ん?これは……」



鞠莉「ボイスレコーダー……ここに置いてあるってことは恐らくここで警備をしてた人間が置いたものよね」



カチッ


ボイスレコーダー「ザザッザザザザザザ(ドンドンドンドン!!)
もしこのメッセージを聞いてくれた人がいたら………その……
お願いがあるんだ………

ステージの奥の部屋に人形があるんだが………
その中を見てみて欲しい………
(ドンドンドンドン!!)

誰かが来るまで持ちこたえられるか………いや

着ぐるみの中もそう悪くないかもしれない……

(♪とっても とっても 楽しそう)

あ……しまっ………

ザザザザザザッザザザッ……………


プツッ


鞠莉「……………」



鞠莉「きっと店長の最期のメッセージね……」



ー隠し部屋ー

鞠莉(店長は奥の部屋を見ろって言ってとけど、この部屋は隠されているうえにわたしと店長が持ってるキーでしか開けられない)



鞠莉(さっきのメッセージ………実質わたしに向けられたものよね)



鞠莉「さて……解錠っと」


ガチャ

ギイイィ


鞠莉「オウ………部屋中血まみれじゃない………」



アルパカ人形「………」



鞠莉「ふふ……やっぱりここにいたのね♪」




鞠莉「鍵のかかった部屋にいたってことは、人形たちにやられたわけじゃなさそうね……」




鞠莉「着ぐるみを着れば人形をやり過ごせると思ったけど失敗しちゃったのかしら?」



鞠莉「あなたが死んでしまったから真相はわからないけど……」




鞠莉「なんにせよ、人形を愛したあなたらしい最期と言えるんじゃない?」




鞠莉「良かったわね、人形と1つになれて♪」


鞠莉「それにしてもこの部屋にわたしも知らないアルパカの人形があったなんてね~……」




鞠莉「ふふふ……あなたも人形になった以上働いてもらうわよ?」




鞠莉「そう……約束通り、新しくこの店を引き継ぐわたしの下でね♪」




鞠莉「だってこのまま処分しちゃうなんてもったいないじゃない?」




鞠莉「こんなエキサイティングなおもちゃ……なかなか見つからないもの♪」





鞠莉「さて、それじゃあ早速準備を始めなくちゃいけないわね♪」




鞠莉「でも準備が整うまであなたたちは解体しておこうかしら……勝手に動かれても困るし…」



鞠莉「だからもう少しだけ待っててね?とっても素敵な場所を用意してあげるから………」



アルパカ人形「………」



バタン!


ーうちっちーウォルラスズバーガー前ー


鞠莉「………」ペタペタ
 

鞠莉「これでよし!」


鞠莉「外装はどうしようかしら?お城みたいな外見はそのままに、もっとスプラッターでバイオレンスな感じがいいわね♪」



お知らせ

うちっちーウォルラスズバーガーは経営不振と店長の失踪などの理由により閉店させていただきました。

尚、当店は新たに経営権を譲渡致しましたマリーズエンターテイメント社の手によりリニューアル致します。
続報をお待ちください。



「μ's スクールアイドルズフライト」近日オープン!

マリーズエンターテイメント社がおくる、最新鋭の技術を駆使した人形たちの演出によるまったく新しい戦慄のホラーアトラクション、それがμ's スクールアイドルズフライト!

あの伝説のスクールアイドルμ'sたちがなんとお化け屋敷に!?
どうぞご期待ください!

※オープンに際しましてオープニングスタッフ、夜間警備員を募集しております。詳細は当社までご連絡ください

マリーズエンターテイメント(株)
代表取締役社長 小原鞠莉



鞠莉「それにしてもあんなに長く生き延びられた梨子ちゃんとヨハネちゃんに辞められちゃったのは残念ね~……」



鞠莉「まあいいか♪」








鞠莉「代わりはいくらでもいるもの♪」




鞠莉「~♪」



おわり

これにて完結てす!
約1週間お付き合い頂きありがとうございましたm(._.)m
最後のほうはいろんなシリーズの要素を混ぜたり独自の解釈もかなり入っていますのでおまけ程度に思ってください。

最後に触れたお化け屋敷はシリーズの続編のものですがそっちを舞台にしたSSはゲームの内容的に書くのが大変なので書きません((^^;;


実際にゲームをプレイした方でないとわかりづらい描写も多々あったかと思います。いまいち読んでも内容がわからん!という方は是非元ネタもチェックしてたみてください。

最後にここまで読んでくださった方々にこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました

http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira116709.jpg

読み返してみたら描写が抜けてしまっていたので少しだけ補足を
マリーがようちかを誘ってよしりこにドッキリを仕掛けたのは人形が動くということをドッキリだったことにして誤魔化そうとしたためです。
マリーの電話も4日目以外は録音を装ったリアルタイムです。

失礼いたしましたm(._.)m

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