【安価】ホワイト・ダンガンロンパ【再】 (93)

・オリロンパです。

・これは以前>>1がSS速報でたてた【安価】ホワイト・ダンガンロンパ、と言うスレを多少リメイクしてやり直すものです。

・冒頭部分はほとんど変化がありませんがご了承ください。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1470665443


生徒名簿

生徒番号01
【超高校級の司書】 棚田 結(タナダ ユイ) 女
身長:162㎝ 体重:49㎏ 胸囲:88㎝
血液型:AB 誕生日:6月11日
好きなもの:読書 嫌いなもの:カッターナイフ、自分自身
キーワード
《卑屈》…常にいじけていて、自分のことをダメな人間だと決めつけている。
《成人の余裕》…とある事情から既に成人を迎えているので、一歩引いた目線で物事を見ることが出来る。
《全身の傷跡》…服の下は傷跡だらけだで、ろくに手当をされてこなかったようだ。

生徒番号02
【超高校級の和菓子職人】 道明寺 櫻子(ドウミョウジ サクラコ) 女
身長:157㎝ 体重:46㎏ 胸囲:81㎏
血液型:A 誕生日:6月16日
好きなもの:甘いもの、可愛いもの 嫌いなもの:はしたない事
キーワード
《エロいことばかり考える》…清純そうに見えて内心ではHな事に興味津々なお年頃。むっつりスケベ。
《クーデレ》…普段はクールな態度だが好意的な相手にはデレデレする。
《帰国子女》…幼い頃は海外で暮らしていた。そのため洋菓子にも精通している。

生徒番号03
【超高校級のバドミントン選手】 飛火 梓(トビヒ アズサ) 女
身長:178㎝ 体重:65㎏ 胸囲:91㎝
血液型:B 誕生日:9月30日
好きなもの:暴れること、汁物 嫌いなもの:常識
キーワード
《野生児》…人間社会の常識に囚われない野生動物のような性格。
《危ない性癖》…常人には考えられないような、ある行為に性的興奮を覚える。
《サイコパス》…良心や道徳心といったものが欠如していて、自己の利益のためなら平気で悪事を働く。

生徒番号04
【超高校級の弓道部】 雪平 亜美(ユキヒラ アミ) 女
身長:173㎝ 体重:50㎏ 胸囲:72㎝
血液型:A 誕生日:2月25日
好きなもの:スポーツドリンク 嫌いなもの:パソコン
キーワード
《文武両道》…弓道の腕前は勿論のこと、勉学においても優秀な成績を残している。
《同姓にモテる》…凜とした佇まいから、女性に好意を抱かれることが多い。
《異性にきつい》…男女の差を極端に意識し、素直になれず態度がキツくなってしまう。


生徒番号05
【超高校級の情報屋】 久住 夏帆(クズミ カホ) 女
身長:145㎝ 体重:40㎏ 胸囲:76㎝ 
血液型:O 誕生日:9月20日
好きなもの:役に立つ情報、飴 嫌いなもの:役に立たない情報 
キーワード
《面倒くさがり屋》…自分から働くことが嫌いで、面倒な事は他人任せにする。
《脅しの種》…情報は相手を脅し動かすための道具。その情報網は底が知れない。
《ドS》…他人が苦しんでいたり、悔しがっているのを見ることが大好き。

生徒番号06
【超高校級の催眠術師】 夢宮 黒猫(ユメミヤ クロネコ) 女
身長:165㎝ 体重:57㎏ 胸囲:95㎝
血液型:B 誕生日:3月21日 
好きなもの:怪しい通販番組 嫌いなもの:日差し
キーワード
《隠れ巨乳》…一見そんなに大きくなさそうに見えるが、脱ぐと色々凄い。
《独善的》…ひとりよがりで自分だけが正しいと信じてしまっている。
《バイセクシャル》…異性だけでなく同姓にも恋愛感情を抱くことがある。

生徒番号07
【超高校級の不運】 四葉 結(ヨツバ ユイ) 女
身長:165㎝ 体重:49㎏ 胸囲:83㎝
血液型:A型 誕生日:7月7日
好きなもの:前向きな人 嫌いなもの:罠
キーワード
《中性的な容姿》…一見美少年のようにも見える整った顔立ちをしている。
《アホの子》…基本的にはまともだが、どこか抜けているところが有り、たまに変なことを言ったりする。
《超低血圧》…血圧が低く、突然めまいや立ちくらみなどを起こすことが多々ある。

生徒番号08
【超高校級の声優】 秋峰 フラン(アキミネ フラン) 女
身長:136㎝ 体重:38㎏ 胸囲:69㎝ 
血液型:AB 誕生日:5月8日
好きなもの:アニメ、弟 嫌いなもの:オバケ
キーワード
《泣き虫ビビり》…怖がりな性格で、ちょっとのことですぐに泣いてしまう。
《声帯模写》…あらゆる声を真似することができる。その完成度はとても高い。
《素直で良い子》…捻くれておらず、従順で真っ直ぐな性格。


生徒番号09
【超高校級の歌人】 秋峰 カラン(アキミネ カラン) 男
身長:136㎝ 体重:38㎏ 胸囲:69㎝
血液型:AB 誕生日:5月8日
好きなもの:ロック、姉 嫌いなもの:注射
キーワード
《双子の弟》…超高校級の声優、秋峰フランを双子の姉に持つ。2人は一卵性双生児で容姿はそっくり。
《脳内お花畑》…頭の中にお花畑でも広がっているのかと疑いたくなる程、思慮が浅く何を考えているのか分からない。
《ギター常備》…弾けもしないギターを何故か常に持ち歩いている。

生徒番号10
【超高校級のパン屋】 山川 米花(ヤマカワ ベイカ) 男
身長:173㎝ 体重:62㎏ 胸囲:84㎝
血液型:O 誕生日:4月12日
好きなもの:おっぱい、蜥蜴の丸焼き 嫌いなもの:女性専用車両
キーワード
《おっぱいに貴賤無し》…その大小に関わらず、全ての女性の胸部を愛する男。
《無自覚の女タラシ》…自覚はないが、普段の変態的な態度からは予想もつかないような格好いい一面を見せることがある。
《ゲテモノ好き》…普通の人なら食べることを躊躇してしまうような物を好む。

生徒番号11
【超高校級の軍師】 時雨 冬也(シグレ トウヤ) 男
身長:180㎝ 体重:67㎏ 胸囲:89㎝
血液型:A 誕生日:9月4日
好きなもの:ブラックコーヒー 嫌いなもの:喧嘩
キーワード
《ちょっとドジ》…基本的には有能だが、たまにどうしようもないミスを犯す。
《優れた技術と洞察力》…あらゆる場面で冷静に物事を観察し、様々な技術で適切な対処ができる。
《明るくフレンドリー》…誰とでも仲良くなれるような性格で、多くの人に好まれるタイプ。

生徒番号12
【超高校級の吹奏楽部】 音峰 弓弦(オトミネ ユヅル) 男
身長:177㎝ 体重:63㎏ 胸囲:86㎝
血液型:B 誕生日:6月6日
好きなもの:クラリス(クラリネット) 嫌いなもの:雑音
キーワード
《努力の天才》…才能に驕らず、人並みならぬ努力をし続けている。
《共感覚》…音を別の五感でも感じることの出来る能力がある。
《楽器フェチ》…楽器を愛するあまり異様な執着を見せる。


生徒番号13
【超高校級の囲碁棋士】 千島 直樹(チシマ ナオキ) 男
身長:168㎝ 体重:57㎏ 胸囲:81㎝
血液型:A 誕生日:1月5日
好きなもの:わらび餅 嫌いなもの:炭酸飲料
キーワード
《清廉潔白》…心が清く、私欲や後ろめたいことがない性格。
《先見の明》…常に先の事を考え、事が起きる前に見抜くことができる。
《頭は良いが抜けている》…どこか抜けているような所があり、非常識な一面をもっている。

生徒番号14
【超高校級の時計職人】 時事 正丸(じじ せいまる) 男
身長:132㎝ 体重33㎏ 胸囲:66㎝
血液型:A 誕生日:6月10日
好きなもの:とにかく速いもの 嫌いなもの:スヌーズ機能
キーワード
《見た目はショタ》…高校生にはとても見えない幼い身体。
《超せっかち》…時間にうるさく、思いたったらすぐに行動しないと気が済まないたち。
《笑みがラスボス》…笑った顔は可愛いだけではなく、謎の威圧感がある。

生徒番号15
【超高校級の忍者】 ラチェット・ラッドウィプス 男
身長:212㎝ 体重:89㎏ 胸囲:91㎝
血液型:B 誕生日:10月10日
好きなもの:ラーメン、おしるこ 嫌いなもの:生野菜 
キーワード
《超長身》…とにかく背が高く目立つ存在に見えるが、動きは素早く音もない。
《変わった日本文化》…日本文化に詳しいと言うが、その内容は何処かおかしい。
《正義の中二病》…自分のことを正義の味方であると言い張り、それにふさわしい言動を目指している。

生徒番号16
【超高校級の投資家】 宮之原 摂理(ミヤノハラ セツリ) 男
身長:192㎝ 体重:110㎏ 胸囲:109㎝
血液型:AB 誕生日:10月4日
好きなもの:筋肉、筋トレ、金 嫌いなもの:弱者
キーワード
《高圧的》…権力に物を言わせ、相手を見下したような強気な態度をとる。
《筋肉好き》…筋肉愛好家で自身も筋トレを欠かさないが、他人にまで強要する。
《老け顔》…高校生にはとても見えない大人びた顔立ち。しかし実年齢は十七歳。


ここまでがテンプレ。

以下本文となります。



手記・Ⅰ

『親愛なる私の友人、■■結へ』

『貴方が■■を読んでい■■いう事は、私は既に■■■はいない■■し■う』

『■■居なく■って■、■方は■人■■あり■せん』

『私■■なくな■■も、貴方■■望して■■けませ■』

『■こに私■■■ている■■■てを書■■して■■ます』

『これ■貴方を■う■■になること■■■て』

『まず■、あ■■■のことから綴っ■■■ましょ■』

『始■に言っ■■きます』

『■■事件はB■DENDで幕を■■■と』




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    ホワイト・ダンガンロンパ

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× × ×


肌を刺すような寒さに、私は目を覚ました。

吐く息が白い。

空気が真冬のように張り詰めているみたいだ。

……私はどうしてこんな所に居るのか。

その疑問を解決するには、まず記憶を呼び起こさないとダメか。

目を覚ましたら此処に居た……つまり、私は知らない場所で寝てしまっていたということ。

なら、寝てしまう前のことを思い出さないと。

私は努めて冷静に思考を巡らし、そして辿り着いた。


────ああ、そうだった。

私は〝希望ヶ峰学園〟に行こうとしてたんだっけ。


希望ヶ峰学園。

希望の学園という名が示すように、その規格外の教育機関はまさに人類の希望と呼べるような才能を集めている所だ。

完全スカウト制で、超越的な才能を持つ者…いわるゆ〝超高校級〟の生徒だけが入学できるとされている。

そんな特別な場所に、私は選ばれたのだ───【超高校級の司書】棚田結として。


これで、ようやくあの学校から離れることができる。

──そう思って希望ヶ峰学園へ向かったのに………


棚田「何故かは分からないけど、いつの間にかここに居る、と……はぁ」

口から零れた溜め息が寒さで白く濁る。

私は改めて自分が居る部屋の中を見渡してみる。

無機質な白い壁、白い床、白い天井。

そして監視カメラのような物と、何かしらの映像を流す為であろう液晶モニターが壁に設置されている。

部屋の隅に大きめの暖房器具がついているが、それでも冷たい空気が部屋の中を満たしていた。


棚田「あっ…窓がある」

視線の先に小さな窓があるのを見つけた。

窓から外の様子を確認する為、私は小走りで駆け寄る。

希望ヶ峰学園があるのは都内。

今の時期にこんなに寒くなるなんて普通は考えられない。

なら、ここは希望ヶ峰学園ではなく別の場所……もっと北の何処か…

私は自分の仮説を確かめるべく、窓から外をのぞいた。




棚田「えっ……?」

目の前の光景に私は息をのむ。













窓の覗くと────そこは雪国だった。








────────なんて、古い小説みたいな甘い展開だったら、どれだけ良かっただろうか。



しかし、実際の景色は〝雪国〟なんて表現では物足りないような物だった。


私が目にした光景…それは……

















どこまでも果てしなく続いているような、広大な【氷河】だった。







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    PROLOGUE【絶望アイスエイジ(あるいは自由の上に成り立つもの)】


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???「あ、こんな所にも人が居たんだ!」

突然後ろのドアが開き、声をかけられる。

棚田「………っ!?」

???「ね、あなたも希望ヶ峰学園の新入生だよね?」

部屋に入ってきた男、フードのついたパーカーを着こなした童顔の少年は私にぐいぐいと詰め寄ってくる。

…ダメだ。初対面でこういう馴れ馴れしい態度をとる人に、ろくな奴がいたためしがない。

どうせ、私のことを気持ちの悪い女だと知ったら、手の平を反すように冷たくなるに決まってる。

無視無視。

こういうのは相手にしないのが一番ね。

棚田「…………………」

???「あ、あれ? どうしたの? ボクの声聞こえてる? もしかして具合でも悪いのかな?」

棚田「…………………」

???「…これは、相当まずいみたいだね。まってて今横になれる所に連れてってあげるから」

棚田「…えっ? あっ、ちょっ!? 何処触って…!!?」

男はいきなり私の腰に手を回し、抱きかかえようとする。

???「安心して、向こうにベッドがある部屋があったから」

棚田「な、ななななな、なにして…べ、ベッド!? は、離して! 離せってば!!」

男の手を振りほどこうと、私は身体をジタバタさせて抵抗する。

???「わわっ!? そんなに暴れたら危ないって……って、きゃあっ!!?」ドンッ

棚田「……あっ!?」

突き出した拳が見事に男の鼻先を捉える。

可愛らしい悲鳴を上げた男は、そのままバランスを崩し転倒してしまった。

さらに不幸なことに、頭から床に激突してしまったからか、目を回して動かなくなってしまう。

棚田「…………………け…」

棚田「…………………………K.O.…しちゃった」

なんて、言ってる場合じゃないな、これ。


× × ×

数分後。

目を覚ました男に、事情を説明し、一応の謝罪を試みる。

???「あははは、やっぱりボクはツイてないなぁ。でも、人と話すのが苦手なだけならそう言ってくれれば良かったのに」

棚田「…………それが言えたら苦労してない」ボソッ

???「まあ、いいや。そう言えば自己紹介がまだだったね」



???「ボクの名前は四葉結。超高校級の…不運っていうおかしな才能で選ばれたんだ!」



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   【超高校級の不運】 四葉 結(ヨツバ ユイ)   

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私は彼の名前にピクッと反応する。

棚田「……四葉…〝結〟?」

四葉「うん。えへへへ…女らしくて可愛い名前でしょ?」

まあ、結なんて今時珍しい名前でもないし…被ってたっておかしくないか………

棚田「────って、ちょっと待って! え、女らしい…?」

棚田「アンタまさか…女だったの?」

四葉「まさかも何も正真正銘、最初から女の子だよっ!?」

棚田「確かに男にしてはやけに童顔というか…女っぽいとは思ってたけど」

女だと分かっていれば、腰に手を回されてもあそこまで話当てなくて済んだ物を。

………………いや、やっぱり女でも他人に抱きかかえられるのは嫌だな。


四葉「さてと、じゃあ次はアナタのこと教えて貰っても良いかな?」

棚田「……………」

自己紹介。

私みたいな人間にとって、学校生活を送る上で最初の関門として立ちはだかる恒例のイベントだ。

どうせ私が何を言ったところで、誰も聞いてなんかいないというのは分かっている。

しかし、緊張したり、見栄を張ってしまったりし、空回り、自らを傷つけてしまう事も多い。

かくいう私も小学校、中学校と何度も痛い目を見てきた。

だが今の私は違う。

今の私はもう大人だから。

なるべく自己負担を軽減する為の道具を持っている。

私はポケットから1枚の小さい紙片を取り出し、四葉に手渡した。

棚田「………………」スッ

四葉「えっと…これは名刺?」

四葉「『超高校級の司書、棚田結。留年を繰り返して今は二十歳。主な生息地は図書館。』」

四葉「な、なるほどなるほど…」

四葉「ホントに人と話すの苦手なんだね……あはは…」

彼…いや彼女は呆れた顔をしながらも、しっかり名刺を懐にしまってくれた。


四葉「というか、アナタも結って名前なんだね?」

棚田「……………まあ、そうだけど…」

四葉「あははは、同じ名前だなんて何だか運命感じちゃうね!」

この人は…全国に結という名前の人が何人いると思ってるんだ。

四葉「よーし、せっかくだから結ちゃんって呼ぼうかな。いいよね?」

棚田「ゆ、結ちゃん…っ!? …べ、別に勝手にすれば…」

下の名前で呼ばれるなんてもう何年ぶりになるのだろう。

なんか、こう、ムズムズする感じ。

四葉「じゃあ結ちゃん! 向こうの広間にみんな集まってるから行こうよ」

棚田「みんな…? 他にも人がいるのね」

久しぶりに名前を呼ばれたからだろうか、私は少し浮かれ気分で四葉について行った。


× × ×


四葉が広間と呼んでいた部屋は確かに広く、先程の部屋より幾ばくか暖かい気がした。

そして、そこには私と四葉以外の14人の人間が待っていた。

四葉「みんなー、向こうの部屋にもう1人いたよ」

???「それは良かった。ありがとう、四葉さん」

???「むむむ、女子か! こいつは……中々良い物を持ってるぜ!」

???「つか、起きんの遅すぎ」

???「なんにしても仲間が増えるのは良いことですわ」

???「仲間など儂にはどうでもいいがなぁ」

???「オッサンに同意。俺にはクラリスさえいればいい」

???「(-_-)zzz」スピー

四葉「ほら、結ちゃん、みんなとも自己紹介しないと!」

棚田「……………………………」

初対面で悪いけど、キャラ濃すぎて吐きそうなのだが。

仕方ない。

まずはあのあたりに自己紹介(名刺をわた)して来よう。


自己紹介の相手

1.可愛らしいエプロンを着けた、暑苦しそうな男子

2.後に長い筒のようなケースを背負った、ポニテ女子

3.老け顔なのにムキムキボディーのオッサン系男子

4.猫耳の着いたフードを深く被った、怪しい女子

5.眼鏡をかけて、ネクタイをきちっと結んだ真面目そうな男子

安価↓1


夢宮「にゃふふふ、私は夢宮黒猫。特技は…心を惑わし操作する黒魔術……催眠術と言えば分かりやすいかにゃ?」



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   【超高校級の催眠術師】 夢宮 黒猫(ユメミヤ クロネコ)

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黒いフードのついたローブのようなぶかぶかの服を着ている女は、なにやら怪しげな口調で自己紹介をした。

棚田「……催眠術?」

私は聞き慣れないフレーズに首をかしげる。

夢宮「にゃにゃ? もしかしてタナちーは催眠術を知らないのかなにゃ? しょーがにゃいにゃあ、私が教えてあげる」

語りたくて仕方ないという顔で、夢宮は鼻息を荒くする。

途中、なんだか気にくわない呼び方をされたような気がするけど…一々訂正するのも面倒くさいから良いか。

変なあだ名をつけられるのなんてもう慣れている。

夢宮「催眠術を知るには、やっぱりかかってみるのが一番にゃ! と言う訳で早速……」ゴソゴソ

棚田「……かかってみるって……は? そんな怪しいことやるわけ無いでしょ」

夢宮「えー、大丈夫だって! タナちーは私を信じてくれないのにゃ?」

夢宮はベルトについている尻尾のようなアクセサリーを、後ろに回した手で揺らした。

こういう独特なキャラクターの人間は嫌いだ。

どんなに愉快で他人に好かれるようなキャラクターだろうと、私を救ってはくれないのは分かりきっている。

棚田「………信じられるわけ無い…そんなヘンテコな語尾の人間なんて…」

夢宮「あ、この話し方はキャラ付けの一環なんです」

……………………………………………………………………

……………………………………………………

訂正。

思ったより愉快なキャラクターではないようだ。



自己紹介の相手

1.可愛らしいエプロンを着けた、暑苦しそうな男子

2.後に長い筒のようなケースを背負った、ポニテ女子

3.老け顔なのにムキムキボディーのオッサン系男子

4.真っ赤な髪とスポーツウェアの活発そうな女子

5.眼鏡をかけて、ネクタイをきちっと結んだ真面目そうな男子

安価↓1


山川「オレはおっぱい! あ、間違えた。オレは山川米花だぜ! よろしくな!」



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   【超高校級のパン屋】 山川 米花(ヤマカワ ベイカ)

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エプロン姿の男は私の胸元を凝視しながら自己紹介をした。

どこ見てんだコイツ。

山川「あ、オレ、超高校級のおっぱい…じゃなくてパン屋やってるんだぜ!」

棚田「…………見れば分かる…」

山川のエプロンには丸っこいフォントで『ヤマカワベーカリー』と大きく書かれていた。

山川「いやー、パンは良いぜ? 丸くて柔らかい所とかまるでおっぱい! あのふくよかさは我を忘れて揉みしだきたくなるぜ…」

山川「あ、でも柔らかいだけがおっぱいじゃねーよな。オレはつるぺたも大好きだぜ!」

一番最初のセリフから分かっていたことではあったが、こいつ変態だな。

こういう軟派な奴は嫌いだ。

体目当てで近づく奴は、どうせ私の本性を知ったら、興味を失ってしまうんだ。

その後も山川の熱弁は続き、もはやパンの話でなくなってきていたので流し聞きした。

すいません。始めたばかりですが、今夜はここまでです。また明日来ます。

質問等ありましたら、ご自由に。

乙乙
再開してくれて嬉しいです

乙、おひさ

まさか再開してくれるとは思わなんだ


>>25>>26>>27
ありがとうございます。頑張りますので、よろしくお願いします。

では、始めて行きます。

安価から


自己紹介の相手

1.派手なオレンジ色の装束に身をつつむ、背の高い西洋人男子

2.後に長い筒のようなケースを背負った、ポニテ女子

3.老け顔なのにムキムキボディーのオッサン系男子

4.真っ赤な髪とスポーツウェアの活発そうな女子

5.眼鏡をかけて、ネクタイをきちっと結んだ真面目そうな男子

安価↓1


雪平「私は雪平…雪平亜美。これからよろしくね、棚田ちゃん」



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   【超高校級の弓道部】 雪平 亜美(ユキヒラ アミ)

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凜とした出で立ちの女は、長いポニーテールを揺らしながら自己紹介をした。

彼女の背には大きいケースのような物が見える。

雪平「ああ、これ? この中は弓矢があるの」

雪平「私、弓道をやってるから…いつでも持ち歩くようにしてるのよ」

何も言っていないのに、雪平は勝手に説明をはじめた。

雪平「弓道に限らず、やっぱり一流の人って言うのは道具を大事にする物だって言っていたから…私も見習ってみようと思って」

雪平「あ、棚田ちゃんは弓道には興味ある? もし良かったら今度一緒にやってみない? やり方は私が教えてあげるから」

一流をめざしているらしい弓道家さんは爽やかな口調で、ありがた迷惑なことを言い始めた。

この女は…どこをどう見たら私が弓道に興味があるように見えるんだ。

棚田「………興味なんてない…」

雪平「そっか、それは残念。でも、何かあったら私をたよってね。何でも相談に乗るから」ニコッ

笑顔まで凜々しい雪平は、優しい言葉を私にかける。

こういう格好のいい事ばかり言う女は嫌いだ。

初めは味方だという顔をして近づくくせに、最後には私を切り捨ててしまうのだから。


自己紹介の相手

1.派手なオレンジ色の装束に身をつつむ、背の高い西洋人男子

2.黒い髪が淡い色の着物に映える、清楚な雰囲気の女子

3.老け顔なのにムキムキボディーのオッサン系男子

4.真っ赤な髪とスポーツウェアの活発そうな女子

5.眼鏡をかけて、ネクタイをきちっと結んだ真面目そうな男子

安価↓1


道明寺「わたくしは道明寺櫻子と申します。今は京都で和菓子屋を営んでおりますわ。以後お見知りおきを」



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   【超高校級の和菓子職人】 道明寺 櫻子(ドウミョウジ サクラコ)

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淡い色の着物が映える和風美人は、育ちの良さそうな言葉遣いで丁寧な自己紹介をした。

多分名家の生まれとか、そういう選ばれた人種なのだろう。

微かに甘い香りが漂う人だった。

道明寺「棚田さんは…超高校級の司書さんですのね。なるほど…確かに言われてみれば感受性が豊かそうな顔つきをしていらっしゃいますね」

このお嬢様は…わざわざお世辞なんか言わなくたっていいのに。

それとも、遠回しに私を馬鹿にしているのだろうか。

まあ、どうせ私には感受性のかの字もありませんけどね。

こういう清楚な感じの人は嫌いだ。

どうせ大人の前ではいい顔して、裏で人の有ること無いこと言いふらしているに決まっている。

道明寺「わたくしは幼い頃から製菓業一筋でしたので、読書と言える物なんて…かんの……………」

一瞬、言葉が途切れる。

だが道明寺は、コホンと咳払いをして何事もなかったかのように話を続ける。

道明寺「精々、恋愛小説の類いしか読んだことがありませんが、これから仲良くしていただけるとうれしいですわ」

…今、何と言いかけたのか。

知らない方が今後のためだと、私の本能が警鐘を鳴らしていた。


自己紹介の相手

1.派手なオレンジ色の装束に身をつつむ、背の高い西洋人男子

2.それぞれ色違いの服装をした男女二人組。

3.老け顔なのにムキムキボディーのオッサン系男子

4.真っ赤な髪とスポーツウェアの活発そうな女子

5.眼鏡をかけて、ネクタイをきちっと結んだ真面目そうな男子

安価↓1


カラン「アハハハハハハ、ぼくは秋峰カランだよー! 孤高のギタリストなのだー!」



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   【超高校級の歌人】 秋峰 カラン(アキミネ カラン)

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フラン「ち、ちがうでしょカランちゃん! カランちゃんは歌人で、フランの双子の弟だよっ!」



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   【超高校級の声優】 秋峰 フラン(アキミネ フラン)

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耳をつんざくような笑い声の弟、その弟を今にも泣きそうな顔で嗜める姉。

浮かべる表情と服装以外で見分けるのは難しいほど似ている双子は、騒がしい自己紹介をした。

カラン「そーだったー! ぼくは超高校級の歌人なのでした-! アハハハハハハ!」

フラン「ご、ごめんなさいっ…ごめんなさいっ…カランちゃんが適当なこと言っててごめんなさいっ!」

フラン「でも悪い子じゃないんです、怒らないで下さい…ごめんなさいっ!」

うるさい…これだから子供は……いや、こいつらも超高校級ってことは高校生か。

だとしたら、高校生にもなってどうしてこんなに落ち着きがないんだ。

フラン「あぁっ! そういえば、まだフラン自身の自己紹介がまだでした、ごめんなさいっ!」

フラン「フランは秋峰フランですっ。声のお仕事をさせて貰っています、ごめんなさいっ!」

さっきからこの子は謝りすぎでしょ…そんなに私、怖い顔してるのだろうか。

カラン「アハハハハハハ! ここで一首詠むのだ」

カラン「我が姉が ごめんなさいと 謝るが 許してくれぬ 人がいるかな」

カラン「なんちゃって-! アハハハハハハ!」

フラン「ご、ごめんなさいっ…ごめんなさいっ! カランちゃんが変な短歌を詠んでごめんなさいっ!」

…………………………………………………………………

この双子は嫌いだ。

弟は馬鹿みたいにうるさいし、姉は姉で何に対しても弱腰で謝ってばかり。

まるで昔の私を見ているみたいでイライラする。


自己紹介の相手

1.派手なオレンジ色の装束に身をつつむ、背の高い西洋人男子

2.大きめのケースを持ち、髪をオールバックにした目つきの悪い男子

3.老け顔なのにムキムキボディーのオッサン系男子

4.真っ赤な髪とスポーツウェアの活発そうな女子

5.眼鏡をかけて、ネクタイをきちっと結んだ真面目そうな男子

安価↓1


千島「小生の名は千島直樹である。座右の銘は清廉潔白。清く正しい人間関係を築こうぞ」



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   【超高校級の囲碁棋士】 千島 直樹(チシマ ナオキ)  

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眼鏡の奥に真っ直ぐな瞳を持った真面目そうな男は、見た目通りの真面目な自己紹介をした。

千島「小生は超高校級の囲碁棋士。この学園に来たのは、これからの囲碁人生に必要なことになると祖父に言われた故である」

千島「ふむ、棚田氏は超高校級の司書さんなのだな。眼光紙背に徹すと言うが、読書が何たるかをご教授いただきたいものであるな」

短く切りそろえられた前髪や、きっちりと結ばれたネクタイのように、真っ直ぐに私の方を向く。

棚田「………暇があったらね……」フイッ

私は素っ気ない返事をして、目線をそらした。

こんなにも真っ直ぐな視線で見つめられるのには慣れてない。

なんだか、私の過去を全て見通しているかのような目が気に入らないし。

千島「うむ…一期一会、小生はこの出会いを大切にしていきたい所存であるが…棚田氏の都合もある。幸い時間はあるのだ、また今度ということにしようぞ」

千島「家に帰るには、恐らく長い時間がかかることになるであろうしな」

遠くを見つめるように呟く千島。

私はこう言う悟ったような態度の人は好きじゃない。

どうせ悟りなんて物は、傲慢な人間の勝手な勘違いに過ぎないのだ。


自己紹介の相手

1.派手なオレンジ色の装束に身をつつむ、背の高い西洋人男子

2.大きめのケースを持ち、髪をオールバックにした目つきの悪い男子

3.老け顔なのにムキムキボディーのオッサン系男子

4.真っ赤な髪とスポーツウェアの活発そうな女子

5.黒いコートに身を包み、穏やかな笑顔を浮かべる聡明そうな男

安価↓1


飛火「飛んで火に入る夏のなんとやらの飛火に、木が辛いと書いて梓! そう飛火梓! それがアタシさ!」



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   【超高校級のバドミントン選手】 飛火 梓(トビヒ アズサ)

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真っ赤に染めたショートヘアーが眩しい活発そうな女は、何故か虫だけ略した自己紹介をした。

どうせなら夏から略せ。

飛火「あー、自己紹介って言っても他に何すりゃあ良いのさ?」

棚田「私に聞かないでよ……」

飛火「うーん、あ、アタシ【超高校級のバドミントン選手】なんだけどさ。実はバドミントン好きじゃねーの」

飛火「ラケットでシャトルを叩くより、人の顔面叩く方が好き」

飛火「さらに言うとラケットより素手でやる方が好きだね!」

棚田「…………は?」

物騒な言葉を連ねるように発する飛火とかいう野蛮人。

本気で言ってるのなら相当頭のおかしい人間だな……精神科医の知り合いがいるから紹介しようかな。

棚田「アンタ何でバドミントンなんかやってんの…?」

飛火「え? う~ん、それは盲点だった。考えたこともなかった!」

コイツ…人間かどうかすら怪しくなってきた気がする。猿かお前は。

飛火「確かにアタシなんでバドミントンをやってるんだろう?」ムムム

頭を抱えて、本格的に悩みはじめた様子の真っ赤な猿。

こういうバカな猿は嫌いだ。

バカは狡猾な人間にのせられて、すぐに暴力を振るうからね。


自己紹介の相手

1.派手なオレンジ色の装束に身をつつむ、背の高い西洋人男子

2.大きめのケースを持ち、髪をオールバックにした目つきの悪い男子

3.老け顔なのにムキムキボディーのオッサン系男子

4.ラフな格好で眠っている、やる気のなさそうなツインテ女子

5.黒いコートに身を包み、穏やかな笑顔を浮かべる聡明そうな男子

安価↓1


ラチェット「拙者はラチェット・ラッドウィプス! 正義のシノビだってばヨ!」



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   【超高校級の忍者】 ラチェット・ラッドウィプス

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異様に背が高い西洋人の男は、著作権に触れそうな語尾のついた自己紹介をした。

棚田「シノビって…漫画じゃあるまいし…」

ラチェット「何を言うんだヨ! 拙者は正真正銘のシノビだってばヨ!」

ラチェット「ちゃんとニッポンのイガの国で修行したんだってばヨ!」

こんな怪しい外国人を忍者としてスカウトするなんて、希望ヶ峰学園もついに気が狂ったのか。

まあ、私なんかをスカウトしてる時点で見る目がないとは思っていたけど。

ラチェット「ニッポン人は疑い深いのが最大の欠点だヨ。それさえなければ素晴らしい人種だというのに…」

ラチェット「拙者はニッポン人大好きだってばヨ! ニッポン人は誠実だし、勤勉だし、親切だし」

ラチェット「それに何よりドゲザが上手い! もう最高だってばヨ!」

日本人の土下座はエセ忍者のお眼鏡にかかる物だったようだ。訳分からんけど。

こういう勘違い野郎は嫌いだ。

日本人は誠実? 勤勉? 親切?

幻想を見るのもいい加減にしろと言いたいね。

勝手なイメージだけで物事を判断する人間が一番厄介だって、私は知ってるんだ。


自己紹介の相手

1.小柄な体格で、帽子を被った落ち着きのない男子

2.大きめのケースを持ち、髪をオールバックにした目つきの悪い男子

3.老け顔なのにムキムキボディーのオッサン系男子

4.ラフな格好で眠っている、やる気のなさそうなツインテ女子

5.黒いコートに身を包み、穏やかな笑顔を浮かべる聡明そうな男子

安価↓1


時雨「僕は時雨冬也。『UNISO』二等陸佐、超高校級の軍師だよ」



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   【超高校級の軍師】 時雨 冬也(シグレ トウヤ)   

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私を含めた他のメンツがガキに見えるほど、大人びた表情を浮かべる男は、現代の日本人とは思えない肩書きの自己紹介をした。

棚田「……UNISOって…」

『UNISO(ユニソー)』…正式名称はUnited Nations International Suppression Organization、国際連合国際鎮圧機関。

少し前に国際法で設立された、世界各地で起こる紛争の鎮圧を目的とされた、いわるゆ多国籍軍のことだ。

そのUNISOでこの男は二等陸佐…つまり陸軍の中佐と言う役職に就いてると言うことだ。

前に図書館にあった新聞で読んだことがある。

日本人高校生が国連の軍に召集されたと大きく報道してあったっけ。

時雨「いやぁ、久しぶりに日本に戻ってきたと思ったのに、この氷河…どう見ても日本じゃないよね? 参ったなぁ、あはは」

全く参ってない様子で、楽しそうに笑う時雨中佐。何がそんなに可笑しいのか。

おそらくこの軍人さんは異常事態に慣れてしまっているのだろう。

私は軍人なんていう人種は嫌いだ。

どうせ武力で事を納めようとするに決まっている。

本当に力だけで解決できることなど、この世にはないと言うことに早く気付くべきだな。


自己紹介の相手

1.小柄な体格で、帽子を被った落ち着きのない男子

2.大きめのケースを持ち、髪をオールバックにした目つきの悪い男子

3.老け顔なのにムキムキボディーのオッサン系男子

4.ラフな格好で眠っている、やる気のなさそうなツインテ女子

安価↓1


久住「ふわぁ~、んー? 私の名前? えーと…山田花子だよ」



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   【超高校級の情報屋】 久住 夏帆(クズミ カホ)   

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先程までのんきに眠っていた少女は、着崩したTシャツにジャージのズボンというだらしのない格好のまま自己紹介をした。

久住「と言う訳で、自己紹介も終わったし……私はもう一眠り」

棚田「…は? もう終わりなの?」

久住「だってー、もうねむすぎてかんじにへんかんするのすらめんどくさいよー」

そう言い残すと、近くの椅子に倒れ込み、静かに寝起きをたてはじめた。

この女…私が言える事じゃないかもしれないけど、自己紹介をなんだと思ってるんだ。

これじゃあコイツがどんな才能を持ってるのかすら分からないじゃない。

棚田「仕方ない……嫌だけど、この山田とか言う人の事は他の人に聞いておこう」

全く…こういう自分勝手なだらしない奴は嫌いだ。

どうせ私みたいな人間の事なんて認識すらしてないんだろう。


自己紹介の相手

1.小柄な体格で、帽子を被った落ち着きのない男子

2.大きめのケースを持ち、髪をオールバックにした目つきの悪い男子

3.老け顔なのにムキムキボディーのオッサン系男子

安価↓1


時事「僕、時事正丸。超高校級の時計職人。以上終了さようなら」



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   【超高校級の時計職人】 時事 正丸(ジジ セイマル)

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背が低く、まるで子供のような男は、早口で自己紹介をしたと思ったら、そのまま私の前を離れていってしまった。

棚田「……え? え? 今の何だったの…」

あまりにも早すぎる自己紹介に私は戸惑いを隠せない。

名刺を渡すことすらできなかった。

名刺作戦にはこんな弱点があったなんて…不覚。なんて言ってる場合じゃないな。

正直、今の奴みたいな極端にせっかちな奴は嫌いだ。

とにかく前に進むことしか考えてない人は、いつだって足下を見ずに、私のような人間を踏みにじっていくのだ。

それに……こんな自己紹介じゃ、他の人との尺が違いすぎて手抜きしたと思われるじゃないか。


自己紹介の相手

1.大きめのケースを持ち、髪をオールバックにした目つきの悪い男子

2.老け顔なのにムキムキボディーのオッサン系男子

安価↓1


音峰「俺は音峰弓弦。そしてこっちが俺のハニーのクラリスだ」



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   【超高校級の吹奏楽部】 音峰 弓弦(オトミネ ユヅル)

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チェック柄のブレザーを着たオールバックの男は、大事そうにケースから取り出した〝クラリネット〟を見せながら自己紹介をした。

今、この男は何て言ったんだ……?

クラリスという名の女性を紹介するようなことを言った気がしたんだけど……

何度まばたきをしても、私の前には音峰という男一人しか見えない。

音峰「どうした根暗女。ふふん、俺のクラリスがあまりに可愛いから嫉妬してるのか?」

音峰「ふっ、クラリスの美しさは世界最高峰だ。根暗女ごときが比べるのはおこがましいぞ」

そう言うと、音峰は手元の〝クラリネット〟を優しい手つきで撫でた。

嘘でしょ……まさかコイツ、あのクラリネットをクラリスと呼んでいるのか…!?

しかも、ただの楽器をを自分の恋人だと言っているのか…!?

私は根暗女と悪口を言われたことにも気付かないほど動揺していた。

棚田「………変態だ…」

狂気的なまでの楽器愛に、気持ち悪い汗が背中を流れた。

どうやら私は、とんでもない人間と出会ってしまったようだ。

あんまり関わらないようにしよう。


宮之原「宮之原摂理だ。儂の名ぐらいは貧相な貴様でも知っておろう?」


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   【超高校級の投資家】 宮之原 摂理(ミヤノハラ セツリ)   

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妙に筋肉が盛り上がっていて、スーツの上からでもそのマッチョぶりがよく分かる男は、威圧的な態度で自己紹介をした。

宮之原摂理。

確かにその名前は知っている。

私の場合、聞いたというか新聞で読んだことがあるだけなのだが。

宮之原家といえば世界中のトップ企業に多額の投資を行い株を大量に保有していることで有名な家だ。

その宮之原家を実質的に支配しているのは、弱冠17才の長男、宮之原摂理だ。

宮之原家の莫大な財産はその出所が不明で、世界の大富豪七不思議に数えられているほどだという。

宮之原「それにしても司書。貴様…貧弱すぎやしないかのぉ? 少し力をこめたら折れてしまいそうな身体をして…」

宮之原「儂が一から鍛え直してやろうか! ガッハッハッハッハッハッ!!」ガシッ

棚田「………………痛っ」ギリギリギリ

宮之原の極太の腕は私の肩を掴んで、軋むような音を鳴らしている。

こういう色んな意味で力のある人間は嫌いだ。

私みたいな力のない人間の事なんて何一つ分からないのだから。


全員と自己紹介を終える頃には、吹き付ける雪が強くなったのか、一層寒さが増してきていた。

空気が冷たく、なんだか居心地が悪い。

時雨「さてと、棚田さんの自己紹介タイムも終わったことだし、状況の整理でもはじめようか」

ここにいる人間の中でも特に落ち着いている時雨が切り出して、話し合いが始まった。

時雨「まず確認するけど、ここにいる皆は希望ヶ峰学園の新入生で、超高校級の才能を持つ人って事で良いんだよね?」

道明寺「そうですわ。わたくし、ちゃんと希望ヶ峰学園からの入学通知を持ってきています」

雪平「でも、不思議なのよね…私は希望ヶ峰学園に行こうとしてたはずなのに、いつの間にかここで寝てたんだもの」

カラン「ぼくとフランもなのだー! ここは寒くて困るねー! アハハハハ!」

千島「一網打尽、つまり何者かが小生らをまとめて誘拐したと言うことであるか?」

宮之原「仮にそうだとしたら、犯人は途轍もない規模の犯罪集団になるのぉ…貧弱な貴様らだけならまだしも、儂まで連れてこれたのだからの! ガッハッハッ!」

夢宮「ミャーくんの自慢はウルサいにゃー」

時事「つか、ここどこ? 僕、早く帰りたいし」

飛火「こんだけ寒いってことは…分かった! ここは北だな!」

音峰「黙ってろ、このアホ猿。次、俺のクラリスに唾を飛ばそうとしたら殺すぞ」

フラン「うぅ~、一体どこなんでしょうか? 分からなくて、ごめんなさいっ!」

四葉「窓から外を見た限りどこかの氷河みたいだよね」

時雨「これだけ広いところとなると、それこそ南極大陸とかになるのかな? あはは、困ったね…僕、南極は初めてなんだよ」

道明寺「な、南極なんて言ったことある人の方が少ないですわよ…」


山川「そんな事よりおっぱい揉みたい!」

雪平「急に何よ!? 山川…あんたやっぱアタマおかしいよ!」

道明寺「お、おっぱ……はしたない! はしたないですわ、山川さん!」

山川「なーなー、飛火! その豊満なおっぱいを俺に揉ませてはくれないか?」

飛火「お? テメーの顔面が血に染まるまで殴って良いなら良いよ」

ラチェット「おお…なんてデンジャラス! これが日本文化の真骨頂だってばヨ!」

久住「(-_-)zzz」スピー


……………………………………………………………

ろくに参加していない私が言うのも何だけど…こんなにも纏まりのない話し合いを見るのは初めてだ。

頭が痛くなるね。

今の状況すらまともに把握できてないのに…このままでちゃんと帰れるのだろうか。



棚田「……〝帰る〟か……」

ふと、言葉に出してみた言葉に自分で違和感を覚えた。


帰る。

……帰る?

一体どこに帰ると言うんだ。



帰る場所なんて無いのに。

私の帰りを待つ人なんていないのに。

希望ヶ峰学園に逃げようとしてたくせに。


私は本当に〝帰りたい〟なんて思ってるのかな。


思考が段々と暗くなると共に、周囲の喧噪が遠くなっていく。



─────多分、私は皆と違って、帰りたいなんて思ってないんだ。


だってそうでしょ?

私は他の人とは違う。

超高校級の司書なんて言われてても、所詮はただの引きこもり。ただの社会不適合者だ。

そんな人間が〝帰りたい〟なんて思うはずがない。

そんな人間が〝帰りたい〟なんて思えるはずがない。

ならば─────



ならば、どうして私は〝帰る〟なんて言葉を使ったんだろう。




そこまで考えた時、私は気づいた。





────自分の足が、恐怖でカタカタと震えていることに。





棚田「……!」

棚田「……………………………」

棚田「…………まったく…寒くて嫌になるね…」

心の弱さを温度計の数値に押しつけ、私は前を向いた。



そうとも。

確かに私は帰りたいなんて思ってない。

でも、だからと言ってここに居たいとも思わないね。

棚田「そうと決めたら……一応、話し合いに参加しないと」

私は何とか決意を固めて、再び話し合いに戻ろうとする。







まさにその時───





???『あれれ、皆だいぶ混乱してるみたいだね』

???『でも安心してね。今からぜーんぶ説明してあげるから!』




それは声だった。

優しく語りかけるその声は、何処かちぐはぐで、聞いている人を不安にさせる。

暖かさの裏に冷たさがある──そんな矛盾をはらむ声が、私達のいる広間に響く。



四葉「な、何が起きてるの…?」



四葉の不安混じりの声が合図になったように、『奴ら』は現れた。









???「ぷはーっ! よーやく喋れるぜ!!」

???「何だ何だ? どいつもこいつもシケた顔しやがって! まさかモノクロの奴が出てくるのかと思ってたのか? あぁん?」



クロクマ「残念! 今回の司会進行はオレ様! ラッパー界のレジェンドことクロクマ様だ ! ギャ-ッハハハハ!」












???「もうダメだよクロクマ。ボクもいるんだから、ちゃんと紹介してくれなきゃ」



シロクマ「えっと…ボクはシロクマ。よろしくね、みんな~♪」


広間の真ん中に現れたのは二体のクマ。

クマと言っても本物ではなく、全長1メートルぐらいの人形のクマだ。

片方は全身真っ黒で、黄金色に輝くアクセサリーをつけている趣味の悪いクマ。

もう片方は全身真っ白で、所々包帯が巻いてある、ぼろぼろのクマだ。



雪平「に、人形が喋ってる…?」

ラチェット「KARAKURI…! これぞニッポン文化だってばヨ!」

時雨「あはは、確かに日本のロボット工学は最先端だし…あながち間違いでも無いね」

夢宮「そういう問題じゃにゃいと思うにゃーよ、しぐしぐ」

山川「それで、人形さんがオレたちに何のようだ?」

クロクマ「かーっ、オレ様を人形と勘違いなんて…青春の勘違い王と呼ばれる童貞男子高校生でもしねーぜ!」

クロクマ「たとえるなら近海の主ごときに片腕食われちまう赤髪の海賊なみのあり得なさだな!」

シロクマ「ボクたちはキミたちに全部を教えてあげるためにここに来たんだよ」

千島「全部を教える? 小生らをここに連れて来た理由をであるか?」

シロクマ「もちろん! でも、その前にキミたちに言わなきゃいけないことがあるんだ」

シロクマ「えっと…キミたち希望ヶ峰学園の75期生のみんなには…」



シロクマ「この氷上基地『リベラル・ハロ』の中だけで、こらからの一生を過ごして貰うんだ~!」

訂正


広間の真ん中に現れたのは二体のクマ。

クマと言っても本物ではなく、全長1メートルぐらいの人形のクマだ。

片方は全身真っ黒で、黄金色に輝くアクセサリーをつけている趣味の悪いクマ。

もう片方は全身真っ白で、所々包帯が巻いてある、ぼろぼろのクマだ。



雪平「に、人形が喋ってる…?」

ラチェット「KARAKURI…! これぞニッポン文化だってばヨ!」

時雨「あはは、確かに日本のロボット工学は最先端だし…あながち間違いでも無いね」

夢宮「そういう問題じゃにゃいと思うにゃーよ、しぐしぐ」

山川「それで、人形さんがオレたちに何のようだ?」

クロクマ「かーっ、オレ様を人形と勘違いなんて…青春の勘違い王と呼ばれる童貞男子高校生でもしねーぜ!」

クロクマ「たとえるなら近海の主ごときに片腕食われちまう赤髪の海賊なみのあり得なさだな!」

シロクマ「ボクたちはキミたちに全部を教えてあげるためにここに来たんだよ」

千島「全部を教える? 小生らをここに連れて来た理由をであるか?

シロクマ「もちろん! でも、その前にキミたちに言わなきゃいけないことがあるんだ」

シロクマ「えっと…キミたち希望ヶ峰学園の75期生のみんなには…」



シロクマ「この氷上基地『リバティ・ハロ』の中だけで、こらからの一生を過ごして貰うんだ~!」


──────は?

氷上基地? 一生過ごす?

この白いのは…今そう言ったのか?

笑えない……外の氷河よりも寒い冗談だ。


道明寺「ま、待って下さい! 一生って…冗談ですわよね?」

音峰「ふざけるな。なぜ俺がそんな事をしなければならん」

クロクマ「ああん? 理由がいるって? 何馬鹿なこと言ってるんだ?」

クロクマ「勇者が魔王を倒しに行くのに理由がいるのか? ライトノベルの主人公がヒロインにモテモテになるのに理由がいるのかよ?」

クロクマ「ソイツと同じさ! テメーらがここで過ごす理由なんていらねーんだよ! ギャーッハハハハ!」

クロクマ「ふっ、あえて言うなら…愛と正義のためかな………なんつってな! どうよ! 今のオレ様最高にクールだったろう?」

クロクマ「こいつはハリウッド映画のスターになるのも時間の問題だな! って、オレ様はもうスターだったぜ! ギャハハハハ!」

宮之原「よく喋るクマだのぉ…理由が有ろうと無かろうと儂は帰らせて貰うぞ」

時事「そうだそうだ! さっさと僕をここから出せ! あと3秒以内ね。はい、3…2…1…」

シロクマ「わーっ、待って、待って!」

シロクマ「そうだよね。やっぱりみんな帰りたいって思うよね。そんなみんなの為に特別ルールを設けたんだ」

シロクマ「そのルールに従えばちゃーんとお家に帰れるんだよ~!」

カラン「ルール? ルールって何ー? ルールルル♪ アハハハハ!」

雪平「ねえ、シロクマ…だっけ? 早く教えてよ。そのルールで家に帰れるんでしょ?」


嫌な予感がする。

私は言葉にできない気持ち悪さを感じた。

そのルールが何かを聞いてしまったら、もう戻れないよな。

何かを失ってしまうような。

そんな気がする。

決して暑くなんかないはずなのに、むしろ寒くて震えるほどなのに、さっきから嫌な汗が止まらない。



シロクマ「えっとね、そのルールって言うのは───────」









クロクマ「【コロシアイ】だぜ! 【コロシアイ】! ギャーッハッハッハッハ!」







初めは意味が分からなかった。

頭が理解するのを拒んでいるみたいだった。

ころしあい…?

こ…ろ…し…あ…い…?

コロシアイ…ころしあい…頃し愛…小ロシア医…コロ試合…

まさか…「殺し合い」?

クロクマの言った【コロシアイ】と言う言葉の意味を理解していくと、次第に恐怖が私を支配していく。


棚田「…こ、殺し合い…って…なんでそんな…」

クロクマ「コロシアイはコロシアイだぜ! テメーらがテメーらの誰かを殺せば、ここから出られるっつー、最高にポップでクールなルールよ!」

シロクマ「人を殺すなんて、簡単なことでここから出してあげるなんて…ボクらって優しいよねぇ、えへへ!」

雪平「優しいって、ふざけてるの!? どうして私達がコロシアイなんてしなくちゃいけないのよ!」

山川「コロシアイなんて…冗談だよなあ? オレまだ死にたくなんかないぜ? 揉み足りない人生でおわれるかよ!」

宮之原「冗談に決まっておるのう。こんな要求、本気でしているとしたらただの阿呆だぞ」

フラン「そ、そうですよねっ! 冗談ですよね! 一瞬信じてしまいそうでした…ごめんなさいっ!」



シロクマ「冗談なんかじゃないよぉ」

クロクマ「くぎゅう! 信じてもらえなくて泣きそうだぜ! こうなったら……オレ様の本気を示すしかねーなぁ!」




そう言うと、クロクマはどこからかボタンを取り出し、ポチッと押した。



クロクマ「ギャハハハハ! 最初の見せしめはテメーだぜぇ! キミに決めたぁっ!!」



クロクマの叫びと共に、鋭い槍が私達の方に伸びてくる…!


そして─────────
















棚田「─────────────っ!!」





赤い。

ただただ赤い。

つぶれたトマトのように赤くてグチャグチャ。

何これ……

まるで血みたいじゃないか……




棚田「…あ、あ、」



棚田「っああああああああああああああああああああああああああああああ゙あ゙あ゙っ!!!!!!!!!」





痛い!

痛い痛い痛い!

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!



激しい痛みが全身を駆け抜ける。



四葉「ゆ、結ちゃんっ!」



青ざめた顔の四葉が駆け寄ってくるのが、ぼんやりと見える。

でも、彼女が私にた取り付く前に。




──────────私の世界は暗転した。















これが始まりだった。

長い、長い、気が遠くなるほど果てしない、絶望の始まり。


────その始まりは、白くて、赤くて、そして黒かった。




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    PROLOGUE【絶望アイスエイジ(あるいは自由の上に成り立つもの)】

                【END】


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【超高校級の司書】棚田 結
【超高校級の和菓子職人】道明寺 櫻子
【超高校級のバドミントン選手】飛火 梓
【超高校級の弓道部】雪平 亜美
【超高校級の情報屋】久住 夏帆
【超高校級の催眠術師】夢宮 黒猫
【超高校級の不運】四葉 結
【超高校級の声優】秋峰 フラン
【超高校級の歌人】秋峰 カラン
【超高校級のパン屋】山川 米花
【超高校級の軍師】時雨 冬也
【超高校級の吹奏楽部】音峰 弓弦
【超高校級の囲碁棋士】千島 直樹
【超高校級の時計職人】時事 正丸
【超高校級の忍者】ラチェット・ラッドウィプス
【超高校級の投資家】宮之原 摂理


残りメンバー…16人


To be continued…


今日はここまでです。

次回は明日か明後日にきます。

質問等ありましたら、いつでもどうぞ。

乙、ストーリーはあらかた決まってるのかな?


リメイク前にはあった見せしめ安価をなくす>>1の鬼畜さよ

>>69
大まかな流れと、1章のトリック、裁判の展開は既にできています。2章以降も、少しずつ形になってきているところです。

>>70
棚田さんが刺される展開が良かったのでここは固定させていただきました。


遅くなりましたが、始めて行きます。




手記・Ⅱ

『始ま■は超■校級の■■家が出し■、一つの■■でした』

『その■■は■■■にない■新■な■■■含んでいま■た』

『しかし、■■すぎる■■は■■■平■を揺るが■■■ない』

『そ■考えた■■の■■■達は、そ■■■を■■家■と、この■から消し■■■と考え■のです』

『で■、それこそ■間違■だっ■■かもしれませ■』




× × ×





─────昔の事を思い出した。





私は本を読むのが好きだった。


いつも図書館に引き籠もっては、本ばかり読んでいた。


別に物語が好きだった訳じゃない。


王子様と結ばれるお姫様にも、難事件を解決する名探偵にも興味なんてなかった。


────ただ、文字を目で追うのが好きだったんだ。


真っ白いページに、黒いインクで刷られた文字。


読むと言うよりは……目に、脳に刻むと言った方が良い作業。


そんな、何の意味もないような事が好きだった。


だって──────





──────私の真っ白な心を、埋めてくれるような気がしたから。





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    CHAPTER01【鮮血のホットミルク(あるいは間違えてしまった選択肢)】    
          (非)日常編

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× × ×


────ペチャリ。


額に湿った感触を覚え、私は目を覚ます。

四葉「あ! 良かった…結ちゃん! 起きてくれた!」

濡れたタオルを、私の額に乗せていた四葉と目があう。

棚田「ん、ここは……」

四葉「結ちゃんの部屋だよ。今みんなを呼んでくるから少し待っててね?」

そう言い残すと、四葉は部屋を出て行ってしまった。

棚田「…………………っ!」

一人になると、それまで意識していなかった痛みに気付かされる。

そっか……私、槍で刺されて…

てっきり、死んだのかと思ってた。

刺される前に走馬灯を見たような気さえする。


棚田「……以外と私…しぶといのかな」


───なんて、そんな訳はない。


身体に巻かれた包帯、つんとくる消毒液の臭い、そして……額の濡れたタオル。

こんな状況を見れば、私でも分かる。

きっと私は、誰かに治療されたから助かったのだ。


棚田「感謝…するべきなのか…」

誰かに身体を気遣われること自体、ろくに経験してこなかった私。

こういう時に、どうすれば良いのかが分からない。


棚田「とにかく、このままじゃダメか…」


私はとりあえず立ち上がろうと、ベッドから降りる。


棚田「あっ…あれっ!?」ガクンッ


だが、どうしたことか、何もない床で躓いてしまった。

おかしいな……私はこんな何もない所でコケるような、ドジッ子キャラだったっけ?

さっきから、上手く距離感が掴めないような気が……


棚田「あ…………」


その時、私はようやく気付いた。









棚田「…………左目が………見えないんだ………」





────片方の光を失ってしまったことに。



× × ×


時雨「ごめんね。僕も医療の専門家じゃないから…治療が完璧じゃなかったのかもしれない」

部屋に来た時雨は、いきなり謝罪からはじめた。

時雨「あの時…棚田さんが槍に刺される時、僕はもっと早く動くべきだったんだよ」

時雨「そうすれば棚田さんの左目は………」

四葉「で、でも時雨クンが咄嗟の判断で結ちゃんの手を引いてなきゃ…結ちゃんが死んでたかもしれないんだよ!?」

四葉「だから、時雨クンは悪くない…むしろ結ちゃんの命の恩人だよ!」

どうやら私は時雨に助けられたらしい。

さすがは軍師さんだ。瞬時の判断力だけでなく怪我人を治療する技術まで持ってるなんてね。


私は戻ってきた四葉と、彼女に連れられてきた時雨の二人に、事の顛末を聞いた。


───あの時。

クロクマが放った槍は私めがけて一直線に飛んできたが、それに気付いた時雨が咄嗟に私の手を引いた。

そのおかげで急所への直撃だけは避けられたのだそうだ。

ただ、完全に避け切れたわけではなく、身体に刺さった数本の槍の中の一つは、私の左目を抉っていった。

私が見た真っ赤な世界は、多分これが原因だろう。

その後、痛みで意識を失った私を部屋まで運び、止血等の治療を行ったという。

以外な事に、治療に必要な薬や包帯はシロクマが用意してくれたらしい。

あのクマ達は私を殺したいのか、殺したくないのか、一体どっちなのだろう。

治療がおわった後の目を覚ますまでの看病は、女子が持ち回りで担当してくれたようだ。

もっとも全員ではないようだが。


時雨「それで、どうだい棚田さん? 動けそうかな? 無理はしなくて良いんだけど」

棚田「……慣れれば、問題ない」

右目だけと言うのは少し違和感があるが、それでも歩けないことはなかった。

痛みも我慢できないほどじゃないし……これなら大丈夫だ。

時雨「良かった。じゃあ早速で悪いけど一緒に来てもらえるかな?」

時雨「これから皆で話し合いをしようと思うんだ」

時雨「これからの事とか……クロクマ達が言っていた『ルール』について…とか、色々話さないといけないしね」

最初の頃とかわらず、笑顔のままの時雨だったが、その瞳には真剣さが垣間見えていた。

四葉「よし、行こっか? 結ちゃん」

棚田「ん…………」

私は四葉に支えられ、ゆっくりと部屋をあとにする。

まったく………

はやく誰にも頼らずに歩けるようにならないとな……

このままじゃ、一人の時間がなくなるじゃないか。

常に誰かと一緒だなんて…考えただけでも吐き気を催しそうだ。


× × ×


綺麗に並べられた椅子とテーブル。

仄かに香るのは、皿に盛られた鮮やかな料理のものだろうか。

皆が集まっていたのは、レストランのような部屋だった。


夢宮「にゃにゃ!? タナちー起きたのかにゃ!?」

棚田「ん…まあ…」

ラチェット「OH! それは、本当に良かったってばヨ!」

時事「てか、起きるの遅すぎ」

宮之原「全くだのう…貧弱な身体をしておるからそうなるのだ」

道明寺「まあまあ、棚田さんが無事だったのですから…怒らないでも良いではないですか」

千島「全員集合…これで話し合いもできるのである」


私が入ると同時に、何人かが話しかけてきた。

こんな状況で他人の…しかも私なんかの心配をするなんて…よほど余裕があるのか、それともただの楽観主義者か、判断に困るね。

問いかけを適当に受け流した私は、八人がけのテーブルの端に腰を下ろす。


時雨「うん。じゃあ、全員そろったから、また話し合いをしよう」

雪平「まずは状況を整理しようよ。今、私達は氷上基地『リバティ・ハロ』ってところに閉じ込められているんだよね」

四葉「どこからか出ることはできないのかな?」

フラン「窓はついてるけど…全部開かないんです、ごめんなさいっ!」

飛火「アタシや宮之原のじいさんでも開けられなかったから、ありゃあ、相当堅い窓だな!」

千島「しかし仮に外に出られたとしても、待ち受けるのは氷河である。果たして生きて帰れるかどうか」

山川「あーもう、ダメじゃねーか! オレ、おっぱいが凍りつくのなんて見たくねーよ!」

フラン「みんなでおしくらまんじゅうすれば、きっと大丈夫なのだー! アハハハハ!」

道明寺「そもそも、窓を壊してあけるなんて…恐らく例の『リバティ・ハロ規則』とやらを違反することになりますわよ?」


棚田「…?」


知らない単語に反応する。

字面から察するに、ここでの生活上の規則のことのようだけど……

四葉「ああ! 結ちゃんに渡すの忘れてたよ」

はっ、と思い出したように、四葉は慌ててポケットから四角い小さな板のようなものを取り出した。

それは、よく見ると電子端末のようだった。

四葉「これ、『電子生徒手帳』…って言うんだって。あのあとシロクマが私達に配ってたんだ」

夢宮「『電子生徒手帳』の中には、さっきの『リバティ・ハロ規則』とか、ここのマップとか色々あるみたいにゃ」

私は手渡された端末の電源を入れてみる。

ピコーンッ

軽快な音を立て、画面に文字列を映し出す。

その中に『リバティ・ハロ規則』という名前のアイコンを見つけ、タップした。



【リバティ・ハロ規則】

【第一条、生徒達はこの基地内だけで共同生活を送りましょう。共同生活の期限はありません。】

【第二条、夜10時から朝7時までを夜時間とします。夜時間は立ち入りを禁止されている場所があります。】

【第三条、就寝は寄宿舎エリアに設けられたら個室でのみ可能です。他の部屋での故意の就寝は居眠りと見なし罰します。】

【第四条、氷上基地『リバティ・ハロ』について調べるのは自由です。特に行動に制限は課せられません。】

【第五条、コロシアイ生活の進行役への暴力を禁じます。また、むやみに窓や、監視カメラ、鍵のかかっている扉などを破壊することを禁じます。】

【第六条、仲間の誰かを殺したクロは無事帰還となりますが、自分がクロだと他の生徒に知られてはいけません。】

【第七条、生徒内で殺人が起きた場合は、その一定時間後に、生徒全員参加が義務付けられる学級裁判が行われます。】

【第八条、学級裁判で正しいクロを指摘した場合は、クロだけが処刑されます。】

【第九条、学級裁判で正しいクロを指摘できなかった場合は、クロだけが帰還となり、残りの生徒は全員処刑です。】

【第十条、以上の規則を守らなかった生徒は罰として処刑とします。】

【第十一条、皆で楽しくコロシアイをしてね!】

【規則は追加されることがあります】


─────何だこれは。

読んでいて眩暈をおぼえる。

何度も出てくる処刑という文字に、槍に貫かれた自分の姿を重ね、底知れぬ恐怖を感じた。

………命が惜しければ、この『規則』を守らないといけないって訳ね。

まったく…誰だか知らないが、このコロシアイ生活というシステムを作った奴は悪趣味すぎるな。

私は震える手で、電子生徒手帳の電源をそっと切り、制服の内ポケットにしまった。



時事「てか、マジどーすんの? 窓壊す以外に帰る方法はねーの?」

話し合いは再び、ここから出る方法について進行していた。

夢宮「クロクマちゃん達にお願いしてみるとかどうかにゃ?」

音峰「その程度で出してくれる連中なら、初めからこんな事はしてないだろ」

フラン「うぅ…じゃあもう死ぬまでここで暮らすしか無いんですか」

千島「万事休す、ここまでであるか」

皆が諦めムードに浸りつつある。

そんな中、一つの豪快な笑い声が部屋の中にとどろいた。



宮之原「ガーッハッハッハッハッ!!!!」

宮之原「ふん、何を言っておる? 帰る方法ならもう一つあったろうが…」



宮之原「コロシアイという『ルール』がのう!」


『ルール』。

宮之原がその言葉を口にすると、皆一様に黙ってしまう。

クロクマ達が言っていた『ルール』とは、私達にコロシアイをさせるというものなのだから、当然と言えば当然だ。



ラチェット「し、しかし…その『ルール』は本当なのかってばヨ!? クロクマ殿の言うことを信じるのかヨ?」

宮之原「ふん、クロクマの発言が本当かどうかなど今は問題ではないのぉ…」

ニヤリと不敵に笑う宮之原。




宮之原「重要なのは、その『ルール』を信じてコロシアイを起こそうとする奴が、この中にいるかどうかだ」





───スッ、と音が鳴った気がした。

交差する目線。

飛び交う猜疑心。

張り詰めた空気は、私達に一つの可能性を想像させる。




この中の誰かが───裏切るのではないかと。


× × ×


静まり返った食堂。

未だ止む気配を見せない吹雪は窓ガラスを叩き付ける。

その音がやけに大きく聞こえた。


沈黙がどれくらい続いただろうか。

永遠にも感じられるほど長い間───

疑心暗鬼という名の檻に、私達は閉じ込められていたのだ。













久住「ふわぁあ~……うん、よく寝れた」




────約一名を除いて。



久住「おはよ~(*・ω・)ノ」

久住「って、あれ? 何してるの皆おそろいで」

久住「あ、棚田さん起きたんだ? 良かったね」


呑気に話しかけてきた山田の言葉に、空気が溶け出すのを感じた。

雪平「お、おはよう…今は皆で今後についての話し合いをしてるのよ」

久住「ふ~ん、ご苦労な事だね」

音峰「ふん、寝坊助女…お前も参加しろよ。俺のクラリスが参加してやってるのに、寝坊助女ごときが無断欠席などふざけている」

フラン「く、クラリスさんも参加してたんですか…」

音峰「当たり前だ。クラリスはお前らと違って礼儀正しい女だからな」

夢宮「……にゃ、にゃはは……オトみんは時々何を言ってるのかわからないにゃ…」


先程までの沈鬱な雰囲気なが弛緩していく。

ふう………

あんなに冷や冷やする展開は、もう御免だね。


宮之原「ところで情報屋。貴様は仮にも超高校級の情報屋なのだろう?」

唐突に、宮之原は山田に問いかける。

……そうか、この女…超高校級の情報屋なのか…

まともに自己紹介もしてくれなかったから山田の才能を知るのは初めてだった。

久住「うーん、そうだよー? ってそれは宮之原くんはよく知ってるでしょ」

宮之原「ならば今の状況に何か心当たりは無いのかの?」

久住「えー? うーん…私だって完璧じゃないから、何でも知ってるわけじゃ無いんだよねー」

久住「私が知ってる事なんて、せいぜい─────」









久住「今回の件に【超高校級の絶望】って存在が関係してるかもって事ぐらいだよ」







四葉「……!?」

山川「超高校級の絶望…? なんだそりゃあ?」

飛火「聞いたことねーなぁ…適当言ってんじゃねーの?」

音峰「おい寝坊助女。クラリスにも分かりやすく説明しろ」



久住「んー、私も噂レベルでしか知らないから…あんまり言いたくないんだけどなー」

久住「まあ、いいか」


山田は心底どうでも良いような表情で語り始める。


久住「なんでも、ここ数年の内に希望ヶ峰学園にそう言う存在が現れるっていう予測があるんだって」

久住「希望ヶ峰学園の上層部は既に兆候を掴んでるみたいだね」

久住「才能至上主義が横行した結果だとか、才能を持たない者達の反感によるものだとか…正体はよく分かってないみたいだけど」

久住「絶望と呼ばれる、希望ヶ峰学園を…もしかしたら世界すら陥れかねない存在」

久住「それが、近い将来あらわれる可能性はきわめて大きいらしいよ?」

久住「まあ私も、まさかこんなに早く出てくるとは思ってなかったけどさー( ̄∇ ̄;)」

……………………………………………

え……何なの…それ…

超高校級の情報屋がもたらした事は、私には理解するのも難しいようなものだった。

まるで漫画とかゲームとか、そんな下らない大衆娯楽にありがちなお伽話のようだ。


道明寺「さ、流石にそれは…冗談ですわよね?」

久住「さあ? あくまで噂レベルだから信じる信じないは自由じゃないかな?」

夢宮「じゃ、じゃあ私たちはそんなヤバい連中が起こしたヤバい事件に巻き込まれてるのかにゃ!?」

雪平「嘘…でしょ…?」


ざわざわ、と誰もが不安を吐き散らすように喋り出す。

不安は恐怖を呼び。

恐怖はさらなる不安を呼ぶ。

ついさっきまで沈黙が続いていた場は、内に秘めた感情が爆発したかのようにざわめき出す。


────ああ、うるさいうるさい!

こういう集団特有の雑音は大嫌いだ。

私だって怖い。

絶望だか何だか知らないが、よく分からない奴らにコロシアイを強要されるなんて、怖くないわけが無い。

でも、それを口に出したところで意味なんか無いだろ。

不安を叫べば、誰かが助けてくれるのか?

恐怖を唱えれば、救いが現れるのか?

そんな訳はないね。

誰も……私なんかを救ってなどくれないのだ。

なら……なら私は───────────












時雨「────黙れええええええ!!!!!!!!!!!!」





一際大きな怒声が、私の陰鬱な思考とともに周囲のざわつきを吹き飛ばした。

皆の視線を集める彼は、襟元を正しながら、いつもの穏やかな顔を見せる。

時雨「……ふぅ、いきなり大声を出しちゃったね。失礼」

時雨「皆、今日は色々あって疲れたよね?」

時雨「時間も時間なワケだし、今日はそろそろお開きにしようと思うんだ」

時雨「いいよね、皆?」ニコッ


その笑顔は有無を言わさぬ迫力があり、あの宮之原でさえ文句を言う口を噤んだのだった。

すいません。今日はここまでです。

次回から自由行動がはじまり、再開前と変わっていくことになるのでよろしくお願いします。

次回は明日か明後日にきます。

質問等ありましたら、いつでもどうぞ。

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