静「メイの世界」 (599)
※初めに
・このSSは「静・ジョースターの奇妙な日常」の続き・第十七話です。
現在アニメ放送中の、ジョジョの奇妙な冒険第四部の16年語を書くオリジナルSSです。
・話が全てつながっております。長いですが最初から読んでいただけると。
・展開予想はおやめ下さい。
・更新遅いですが、のんびりお待ち下さい。
一話
静・ジョースターの奇妙な日常
静・ジョースターの奇妙な日常 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363790589/)
二話
仗助「静のやばい物を拾ったっス」
仗助「静のやばい物を拾ったっス」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1365094145/)
三話
静「ジャンケン教師がやって来た」
静「ジャンケン教師がやって来た」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1367669400/)
四話
静「引きこもりのうちへ遊びに行こう」
静「引きこもりのうちへ遊びに行こう」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1368951927/)
五話
静「泥棒をしよう」
静「泥棒をしよう」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1370177583/)
六話
静「ペーパー・バック・ライターは父親に憧れる」
静「ペーパー・バック・ライターは父親に憧れる」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1373404472/)
七話
静「お見舞いへ行こう」
静「お見舞いへ行こう」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1379932767/)
八話
静「日本料理を食べに行こう」
静「日本料理を食べに行こう」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1383137249/)
九話
静「幽霊屋敷に住もう」
静「幽霊屋敷に住もう」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1386418852/)
十話
静「双葉双馬は静かに暮らしたい」
静「双葉双馬は静かに暮らしたい」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1391689545/)
十一話
静「吉岡純はお金が好き」
静「吉岡純はお金が好き」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1398837668/)
十二話
静「杜王町の人々」
静「杜王町の人々」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1404738764/)
十三話
静「静・ジョースターはキャンプをする」
静「静・ジョースターはキャンプをする」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1408711275/)
十四話
静「町の背後霊」
静「町の背後霊」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1432295512/)
十五話
静「ぼくは未来人」
静「ぼくは未来人」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1445436858/)
十六話
静「彼の名はウォーケン」
静「彼の名はウォーケン」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1454598348/)
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1468158253
…………
その日――……
一人の女が、寂れたアパートの一室で、誰の子どもかわからない『女児』を出産した。
様々な男の遊びに振り回された女だ。
妊娠が発覚してから、父親とおぼしき男に伝えても『おれの子ではない』の一点張り。
病院に行くカネすら無く、ついに女は自分の住んでいるアパートで子を産み落とし、
台所の流し台で産湯に浸からせた。
女は誰にも知られる事無く、一人で赤んぼうを育てようとするが……
ある日、限界は訪れる。
いや……とっくの昔に、限界は来ていたのだ。
金も、環境も、何もない女に……
赤子を育てる事は不可能だった。
女は赤子を、犬を捨てるかのように……ダンボール箱へ入れると、
児童養護施設の前に置き去りにし、
……アパートの一室で、首を吊って自殺した。
1999年、初夏の事である。
ダンボールの中にいた一人の女児は、軽い脱水症を起こした状態で発見される。
『5月』に施設に引き取られたその赤子は――……
……名を『冥(メイ)』と……名付けられた。
…………
…………
現在――
バァァアア――z__ッ……
メイ「……『らせん階段』『カブト虫』……『廃墟の街』『イチジクのタルト』」
ツツッ……
メイ「『カブト虫』『ドロローサへの道』……『カブト虫』……『特異点』」
ツツツ……
メイ「『ジョット』『天使(エンジェル)』……『紫陽花』『カブト虫』……『特異点』」
ツツ……
メイ「『秘密の皇帝』」
ピタッ
メイ「……」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
メイ「忘れてないわ。私は、何も……天国に行くための事は、絶対、忘れていない」
チェスタ「……」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
メイ「『極罪を犯した36名以上の魂』も……ウォーケン、彼のおかげで、全て集まった。もう近いわ。天国の時は近いの。……ああ、だけど……チェスタ……!」
チェスタ「……」
メイ「昔見た夢が、私を苦しめる……チェスタ、貴方が裏切る夢よ」
チェスタ「……」
ドクン……
メイ「スタンドを捨て去る『勇気』……それは、私の『死』を意味するんじゃあ、ないの?」
チェスタ「違う。『信頼』しろ……メイ。どうして俺がお前を裏切れようか?2010年の夏のあの日、俺は君を愛すると決めた。俺は人の法よりも神の法を尊び、君のために生きると決めた」
メイ「……うう……う……うううう……!」
チェスタ「近いんだ……天国の時は近い。あとは、メイ。君が俺を『信頼』してくれれば、それで良い。惑わされないでくれ。……血が減って弱っているのなら、いくらでも俺の血を飲んでくれ。眠くてぼうっとしているのなら、君のために子守唄を歌おう。だから……メイ」
メイ「……」
チェスタ「俺を『信頼』してくれ。俺は……君の唯一無二の『友』だ」
メイ「ううう……ああ……!」
ドクン……ドクン……
メイ「『来る』……!奴らが来るわ!私を……殺しに!」
チェスタ「!……『奴ら』……だと?」
メイ「向かってくる……『空条承太郎』!『東方仗助』!そして、『静』……『静・ジョースター』ッ!彼女を感じるッ!近づいてくるわッ!ああ……うああ……」
ドクン……ドクン……!!
チェスタ「……メイ、落ち着くんだ。俺が、お前を――」
ズルッ
チェスタ「……」
・ ・ ・
チェスタ「……『何』?」
ズル……ズル……!
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
チェスタ(今、確かに……メイの身体が……)
ズルリッ
メイ「……あああああ……うううう……」
ズルズル……
チェスタ「二つに……『二人』いる?」
メイ1「ひいいい……いい……」
メイ2「おおおおお……ああ……」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
チェスタ「こ……『これ』はッ!?この能力はッ!!?」
ドバアッ!!
メイ3「ああああああ」
メイ4「ううううううううううう」
メイ5「ひいいいい……!!」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
チェスタ「まさか……いや、『違う』ッ!これは……この能力は、『屋敷』の――……!!!」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨……
…………
今回はここまでです。
…………
ドヒュ――ッ
静「……」
双馬「……」
純「……」
仗助「……」
億泰「……」
承太郎「……」
ド ン
仗助「……康一には連絡したが、こっちに来れないらしい。他の奴らはよォー……巻き込む訳には行かねー」
億泰「……」
承太郎「……これで全員か?」
純「あー、いや……向こうで電話してるみたいで……」クイッ
承太郎「……」チラリ
ムーロロ『あ~~~~ッ!!あっあっあっあっあっああッ!!やめろってバカ、お前言っただろうがよォーッ。オレは電話のピピピっつー無機質な電子音が嫌いなんだ。あの音を聞くとケータイを本能的に叩き壊したくなるんだッ。電話ならこっちからするんだよッボケッ』
シーラE「やかましいわよムーロロ!重要な事はアンタに伝えなきゃあならないんでしょうが!あんましふざけた事抜かしてたら、今度テメーの頭に乗っかってるヘンな帽子吹き飛ばしてやるんだからッ!」
ムーロロ『何だと?テメーッはアレだよなああァ~~……いまいちオレに対する敬意が足りねえんだよなァ~~ッ……いいか?オレは上。お前は下だ。オレの指示に従わねえと、組織の立場ってモンがよォーッ――……』
シーラE「んな事言ってる場合かァ――ッ!!今ッ!あたし達は抜き差しならない所にいるッ!!」ゴオッ!
フーゴ「……シーラE、電話、僕が代わろうか?」
シーラE「引っ込んでなさい、フーゴ!!」クワッ!
フーゴ「……」
ムーロロ『だーん、だらららららららら……』
シーラE「あッ!ちょっとムーロロ!アンタ何やってんの?劇団『見張り塔』なんてやってる場合ッ!?」
ムーロロ『うっせえなッ!お前らがこの先どーなるか、オレが見てやろうってんだ。ほら、拍手だ拍手!』
シーラE「やかましゃぁぁぁ――話を聞けッ!テメェーのくだらない能力なんか今必要ないわッ!!」
フーゴ「……」ハァー
純「……長くなりそうね」
承太郎「今のうちに話を進めよう。それで、静……」
静「……」
承太郎「……『吸血鬼・メイ』の居場所が『わかった』……というのは、本当か?」
億泰「……」ゴクリ
静「……」
静「……ええ。だから、あたし達は今、この場所にいる……」
承太郎「……」
仗助「……この場所は……」
静「……この本が――」ゴソッ
ス ッ ・ ・ ・
静「――教えてくれた。これは、『ウォーケン』……『大間ケンヂ』が持っていた本。そして……『あたしはこの本に見覚えがある』」
静「この本は、『幽霊屋敷の本』よ」
バ ン
億泰「……『幽霊……』んん?何つったよ?今?」
仗助「『幽霊屋敷』……そうだぜ、以前静と康一とでこの場所まで来て、二人は幽霊屋敷の中に入った!」
静「康一さんがいない今……幽霊屋敷に案内出来るのは、あたしだけ……」
双馬「そして……承太郎さん、口を挟むようですが、言わせて欲しい。僕達の数少ない望みをだ」
承太郎「……」
双馬「僕達三人は、『吸血鬼・メイ』の退治に……幽霊屋敷突入作戦に、参加させてもらう」
ドン
承太郎「……」
仗助「おい、お前らよ……」
双馬「当然の権利だ。この本を手に入れたのは静だし、案内出来るのも静だけ、だ。それと!ついでに言っておく……この本が無ければ、幽霊屋敷の入口の扉は『開かない』……『見つける事すら不可能だ』」
承太郎「……」
静「……承太郎さん」
静「あたし、決めたの。本当は……怖くて怖くて仕方ない。きっと承太郎さんは……兄さんは、億泰は、言うでしょうね。『危険だぞ、命の保証はない』って。そんな事はわかってる。その事を考えると胸がバクバク痛むわ。メイに血を吸われて死ぬ自分を考えると、身体が芯から冷え切ってしまう。……けどね」
承太郎「……」
静「あたし……許せないの。まがい物の力で、『友達』とかいう、上辺だけの存在を作って……人々を狂わせる、メイが……許せない。……そのためなら、どんなに怖くったって……あたし、拳を握って、あいつをブン殴れるわ」
仗助「……」
静「あいつに見せてやりたいの。『親友』と『悪友』の力をね。だから……お願い。あたし達を……認めて」
仗助「……」
億泰「……」
承太郎「……君たちの言葉を聞かせて欲しい」クルッ
双馬「……」
純「……」
双馬「……申し訳無いですが、僕の目的はメイが所持している『弓と矢』です。メイがそれを使う前に、手に入れるのが僕の目的です」
純「私もさァ~~……正直言って来たくなかったっつーか……少なくとも、自分の命をかけてまで吸血鬼とかいうバケモンと戦う気は無いわよ。もし死にそうな目にあったら、一目散に逃げるわね」
承太郎「……」
双馬「ですが……」
純「だけど……」
双馬「メイはそれを使って『神』となる気です。ならば、それを阻止するため……静の力になってやりましょう」
純「コイツ、放ってたら前の戦いでも死んでたもん。そんなヤツほったらかしにしてベッドでグースカ寝る訳にはいかねーッ……コイツが死にそうな目にあったら、全力で助けてやるわ」
バァーン
仗助「……」
静「……二人とも……」
純「……いい気になってんじゃあねーぞ、フンッ」カアアッ
承太郎「……やれやれだぜ」
承太郎「作戦の説明をする。よく聞いてくれ……といっても、大したものでは無いがな」
静「……」
双馬「……」
純「……うう、お腹いたくなってきた」
承太郎「屋敷に突入後はチームで行動する。仗助、お前は億泰とだ。そして静達は三人で行動しろ」
億泰「久しぶりのコンビだな、仗助」ニカッ
仗助「ちょっと待って下さいっス、承太郎さんは?」
承太郎「おれは一人だ。『スタープラチナ』の時を止める能力は数秒……多人数を守るのには向かないんでな」
承太郎「静、屋敷の間取りは覚えているか?」
静「え?あー、うーん……ちょっと自信ない……入ってすぐの部屋が『ガラスのオブジェ』だったと思うんだけど」
仗助「なんだそりゃあ?」
静「あ!良い忘れてましたけど、屋敷の中のものは絶対壊さないで下さい!壊すとそりゃあもうとんでもない事に……!」
承太郎「らしいな……その事はすでに聞いている」
純「ちょっと待った。私それ初めて聞いたんだけど?何?とんでもない事って?」
静「っさいわね~~、後にしろっての」
承太郎「屋敷に入った後、おれと仗助達は二階へと向かう。もし三階があるのなら、おれが三階だ。静達は一階をくまなく探索しろ」
静「は、はい」プレッシャァー
承太郎「それと……全員にこれを渡しておく。小型の通信機だ」スッ
億泰「おおッ!なんかかっぴょイイじゃあないかよォ~~ッ!」
承太郎「ここのボタンを押せば会話が出来る。そして……こっちの赤いボタンを押すと、他チームの通信機が振動する。吸血鬼を見つけた時は、このボタンを」
双馬「振動……音や会話でさとられないようにするため、ですか?」
承太郎「……気休めだが、まあそういう事だ」
承太郎「今回の作戦は……『暗殺』という形になる。時刻は昼……吸血鬼ならば眠っている時間だからだ。いいか?吸血鬼は人を食い物にする怪物……もはやこの世にいて良い生物じゃあない。奴らを見つけた場合――……」
仗助「……」
静「……」ゴクリ
承太郎「ためらわず……『殺す』事だ」
億泰「……」
双馬「……」
純「……」ウゲッ
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
ザッ
静「……ここよ」
承太郎「……」
仗助「……」
静「ここに……メイがいる。感じるわ……」
純「……『ここ』って……何もないわよ、静」
億泰「そうだぜェ~~、何かの間違いじゃあねえのか?」
双馬「静、本を」
静「……」
スッ……
ブ ワ ッ
承太郎「!」
仗助「う……おおッ!?」
ズキュン!!
双馬「うッ……!?」ガクンッ
静「……」スタッ
純「あタタ……こ、ここは!?」キョロキョロ
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
億泰「どひぇええ~~ッ……いつの間にやら屋敷ン中にいるぜェ~~……」
仗助「……承太郎さん」
承太郎「ああ……」
行くぞ!
バ――z__ン
承太郎「……」ザッ
仗助「億泰、ボサッとすんじゃあねーぜ」
億泰「おう!しかし、でっけェ屋敷だぜ~~」
ザッ
静「双馬……純」
双馬「……」コクン
純「……ハァ~~……仕方ないわね、やったるわよ」
ザ ッ ! !
本日はここまでです
荒らしその1「ターキーは鶏肉の丸焼きじゃなくて七面鳥の肉なんだが・・・・」
↓
信者(荒らしその2)「じゃあターキーは鳥じゃ無いのか?
ターキーは鳥なんだから鶏肉でいいんだよ
いちいちターキー肉って言うのか?
鳥なんだから鶏肉だろ?自分が世界共通のルールだとかでも勘違いしてんのかよ」
↓
鶏肉(とりにく、けいにく)とは、キジ科のニワトリの食肉のこと。
Wikipedia「鶏肉」より一部抜粋
↓
信者「 慌ててウィキペディア先生に頼る知的障害者ちゃんマジワンパターンw
んな明確な区別はねえよご苦労様。
とりあえず鏡見てから自分の書き込み声に出して読んでみな、それでも自分の言動の異常性と矛盾が分からないならママに聞いて来いよw」
↓
>>1「 ターキー話についてはただ一言
どーーでもいいよ」
※このスレは料理上手なキャラが料理の解説をしながら作った料理を美味しくみんなで食べるssです
こんなバ可愛い信者と>>1が見れるのはこのスレだけ!
ハート「チェイス、そこの鰹節をとってくれ」
ハート「チェイス、そこの鰹節をとってくれ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1469662754/)
余談
7 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします sage 2016/07/28(木) 09:06:48.44 ID:10oBco2yO
ターキー肉チーッスwwwwww
まーたs速に迷惑かけに来たかwwwwwwwww
9 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします sage 2016/07/28(木) 09:12:33.84 ID:LxY8QrPAO
>>7
はいNG設定
この速さである
相変わらずターキー肉くん=>>1という事を隠す気も無い模様
荒らしだよ
通称ターキー肉君と自称嫉妬される名作者の>>1と俺の3人(2人)によるタッグ荒らしだよ
そんな無駄知識今すぐ忘れた方がいいぞ
>>90
今すぐヘブンズ・ドアーにその知識を消してもらうんだ
>>90
今すぐヘブンズ・ドアーにその知識を消してもらうんだ
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
静「チラリ」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
静「……うッ!?」
承太郎「……」ピタッ
仗助「?……なんだ静?ブサイクな顔しやがってよ~~」
静「ブサイク?はあ?メチャきゃわいいに決まってますけど?……ってか、んな事言ってる場合じゃあないっての」
静「変わってるの……『間取り』が」
双馬「……」
純「……『間取り』?」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
静「前は……そんな所にドアなんか無かった。窓の位置もオカシイわ」
仗助「オメーの記憶違いなんじゃあないっスかァ~~ッ?」
承太郎「いいや、あり得る話だ……この『幽霊屋敷』はスタンドと同じ、生命エネルギーの塊……形を変えてもなんらおかしくは無い」
仗助「……つまり、こういう事っスか?この屋敷は敵の『罠』で……中は迷路のように入り組んでいたりする可能性が……」
承太郎「十分予想されるだろうな……チームから逸れるなよ。それと、無闇やたらに通信機は繋がない事だ。情報が筒抜けになるおそれがあるからな。……おれ達は奥へ行くぜ……仗助、億泰」
仗助「……了解っす」ザッ
億泰「迷路だったらよォ~~、那由他のヤツが得意なんだがなァー」スタスタ
静「……」
双馬「静、僕たちはこっちだ。左の部屋に入ろう」
ギイッ……
バタン
純「……」ザッ
双馬「……」ザッ
静「……やっぱり……」
ザッ
静「違う。……見て。本棚に入ってる本。ここ最近発売された安ゥーいミステリばっかだわ……この屋敷がまだこの世にあった頃、こんな本は無かった」
純「私、ミステリ読まないんだよね……昔っから本とか買ってもらえなかったし」
静「……」
双馬「今重要か?その話?会話をするなら、もっと重要な事を話す方が良くないか?」
純「重要っつったらさ、この本『幽霊』なんでしょ?重さを感じずサッと仕舞えるって電子書籍の代わりみたいに使えねェー?一冊もらっとこ。重要案件」ガサゴソ
双馬「……そんな下らない物を手に入れているヒマがあったら、『弓と矢』を手に入れるために全力を尽くしたらどうだ?」ハァー
純「……」ピタッ
静「……」
双馬「メイは矢のエネルギーを使って神になろうとしているんだ。魂が集まったはずなのに何故まだ矢を使わないのかは知らんが……ダラダラしていたら本当に神になってしまうぞ」
純「……それだけじゃあねーだろ、メガネ」
双馬「……」
クルッ
双馬「何か言ったか?純」
純「お前はこの戦いより、『弓と矢』の方が大切なんだろ?……いい?私たちは『メイを止める』のが目的なのよ。『弓と矢を手に入れる事』じゃあない。足並み揃えられないっていうのなら、外に出て待ってろ」
双馬「……何を訳のわからない事を……」
純「アンタ、静がどんな気持ちでアイツを止めようと――……!!」
静「待って純。あたし、わかってるから」
純「!」
双馬「……」
静「わかってるの……双馬、アンタの望みはわかってる。アンタの目的もね。だけど……」
静「改めて、聞かせて」
双馬「……」
静「アンタは本当に……他の全てより、弓と矢の方が……大切だっていうの?」
純「……」
双馬「…………」
双馬「……母さんは、父を信頼していた」
純「……」
静「……」
双馬「ちっとも父さんの事を、恨んじゃあいなかったよ。心労で倒れ、病院のベッドに寝たきりになってからも、ずっと僕に言っていた。『双馬……貴方は愛されて産まれてきた子なの。母さんから、そして、父さんからね』……と」
静「……」
純「……」
双馬「しかし……事実は違った。スタンド能力に目覚め、父さんと母さんが出会ったこの場所、杜王町の地面の記憶を読んで、僕は知った。……僕はただ、復讐のためだけに孕ませられた子だと!」
純「……」
静「……双馬……」
双馬「聞きたいんだ……知りたいんだよ。僕の能力は、実際に起こった過去を読む事しか出来ない。だから、聞きたいんだ。父さんに……母さんの事を、僕の事を、本当に愛していたのかどうかを」
純「……」
双馬「そのためなら……今の僕から解き放たれて、幸せになるためなら、何だってする。邪魔をするなら……今ここでやりあってもいいんだぜ?静……純」
純「……な……」タラリ
静「……バーカ、双馬。なんでそんな無駄に疲れる事しないといけないのよ」
双馬「……」
静「邪魔なんて、しないわよ。けど、そうね……双馬、アンタ何か勘違いしてるようだから、言わせてもらうわよ」
双馬「……何?」
静「アンタ、今愛されてるわよ。純も、那由他ちゃんも、兄さんも億泰もみんなみんな、アンタの事好きになってるわ。もちろん……あたしだって」
双馬「……」
純「……いや、私は嫌いだけどな」ムスッ
双馬「……フン」
ザッ!
双馬「かなり時間を無駄にしてしまった……先へ進むぞ。静、純」
静「……はいはい」クスッ
純「仕切るな、双馬」ムッスー
双馬「……この部屋の鍵は……」カチャッ
ギィィイ……
双馬「……開いているな。静、この先に何があったのか、本当にわからないのか?」
静「うーん、間取り完璧に変わってるからなー……っていうか何でこの部屋ドアが6つもあんの?多すぎでしょ……」
双馬「……」コソッ
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
双馬「……暗い部屋だな。何もないのか?」キョロキョロ
純「明かりのスイッチは?壁についてるんじゃあないのォ~~?」
双馬「待て、むやみにつけるのは危険だ。……それに、奥に何かあるようだぞ……?」コソッ
双馬「 ! ! 」ギクリ
メイ「……」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
双馬「――ッ!!」バッ!
静「!!」
純「!?なに――……」
双馬「シィ――ッ……!」ピタッ
純「!!」ムグッ
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
双馬「……」コソッ
キイ……
メイ「……」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
双馬『いた……有栖川メイだ。ね……(寝ているのか?)横たわったまま動かないが……?』
静「……」
純「……」タラリ
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
双馬『しかし……今ドアを開けた時、結構大きな声で喋ってしまった……気づかないものなのか?なぜ何も反応が無い……?』
メイ「……」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
双馬『……気づかないほど『弱っている』と考えるのは、甘すぎるか……?しかし何にせよ、このままドアの隙間から眺めているだけでは状況は変わらない……!!』
ズオッ!
紙人間『……』
双馬『戦うしかないッ!ヤツが動かないうちに、一撃を……』
メイ「……」
双馬「……」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
双馬「……!!」
メイ「……」
ギョロリ
双馬「う!!」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
双馬「……」
純「……そ、双馬……?」
双馬「……ぐ、うう……目と目が合った。マズい……マズいぞ~~静、純」
純「!?」バッ
静「?……待って、双馬……おかしいわ。何か……何かおかしい」
双馬「今そんな事を言ってる場合じゃあないぜ、静」
メイ「……」グッ
ムクウッ!
メイ「……」ポキ、ポキ
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
双馬「おい、起き上がったぞ……首の骨をポキポキ鳴らして、寝起きの運動に僕らを殺す気満々って感じだぜ。いや!それとも僕らを朝ご飯にでもするつもりかもな~~……」
純「きゅ、吸血鬼って、力もスピードも人間以上のバケモノでしょう?……あるの?その……『勝算』っていうかさァ~~」
双馬「無くてもやるんだよ。そのために来てるんだッ!」
純「う……ううッ!!」
純「つ、『通信機』よッ!通信機の『ボタン』を押して、承太郎さん達に知らせないと――……!!」バッ!!
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
純「……!?」
ピタッ
純「……は?何……これ?」
静「え?」
双馬「どうした?押すなら早くボタンを――……」
純「『押してない』……私、押してないわ。なのに……けど……」
ブブブブブブブ……
純「『振動してる』……すでに……」
双馬「……!?」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
双馬「つまり……どういう事だ?『押した』のか?他の誰かが?それって……」
ガチャッ!
メイ「……」
ギイイ……
純「うッ!うおッ……!?」
双馬「くっ!」バッ
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
静「……アンタ……」
メイ「……」
初めて遭遇出来て超うれピー
静「……『誰』?」
双馬「……」
純「……へぁ?」
メイ「……」ニコリ
…………
今回はここまでです
>>127
おつです
静はメイに「誰?」って言ったんですかねなんにしろ分からないことが多くて続きが気になる
そして純の「へぁ」がかわいいwww
…………
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
ザッ
仗助「まいったな、承太郎さん何処行ったんだ?先々行くんだもんよ~~三階まで行っちまったのか?」キョロキョロ
億泰「しかしどうなってんだ?この屋敷はよォ~~。ちょいと広すぎるんじゃあねえか?」ザッ
スタスタ……
仗助「長ェー廊下だな……気を抜くなよ億泰。待ち伏せとかされてるかもしれねー」
億泰「こんだけ見通し良いのに何処待ち伏せするんだ?仗助~~?」
スタスタ……
ドサッ
億泰「……」
クルッ
億泰「……?」
仗助「……?どうかしたか?億泰」ピタッ
億泰「いや……今、何か『音』がよォ~~……」キョロキョロ
仗助「『音』?……」
億泰「何かが落っこちたよーな『音』が、後ろからしたと思ったんだが……おれの聞き間違いかァ?ネズミでもいんのかよ~~?」
……モゾッ
仗助・億泰「「 ! ! 」」
メイ「……ううう……ああ……」ムクリ
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
仗助「そ……その『顔』はッ!『有栖川メイ』ッ!!」ドン
億泰「何ィ――ッ!?吸血鬼がよォ~~天井に張り付いてたっつーのか?落っこちてくるなんざとんだマヌケだぜ――ッ!!」バッ!
ザ・ハンド『……』ドン
仗助「!待て億泰!何か……何か『奇妙』だッ!」
億泰「うるせーぜ仗助ェ――ッ!今ッ!再優先すべきはコイツを倒す事だぜ――ッ!!」
ザ・ハンド『空間を――……』
ガ ・ ・ ・
ドサッ ドサドサッ
億泰「……」ピタッ
仗助「……」
メイ1「……うう……あ……」
メイ2「ひい……い……!」
メイ3「すけて……た……けて……!」
メイ4「ころ……さ、ないで……お、ね……がい……!」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
億泰「な……何ィ――ッ!?」
仗助「こ、コイツっ!何体いやがるんだッ!?実は『四つ子』とかってオチか?チクショウッ!」
メイ1「ああああ……ああ……!!」ヨロヨロ……
メイ2「ひいいい……いやああ……!」ズルッ、ズルッ!
億泰「近付いてきやがるぜッ仗助!ジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』みてェ――にヨロヨロとよ~~ッ!!」
仗助「何だかわかんねーがヤベェーぜッ億泰!ここは先へ――……」
ドサドサッ
メイ5「うふふ……フフ……」
メイ6「ああ……うう……」フラフラ……
仗助「うおおおおああああ!?『前』にも落ちてきやがったァ――ッ!?」
ギャ――z__ン
仗助「『前門の虎、後門の狼』っつーがよ~~、『前門も後門も吸血鬼』じゃあねーかッ!!」
億泰「ちくしょうコイツら全員削り取ってやろうか~~ッ!?」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨……
???『待ってッ!!』
仗助「!?」
億泰「ああン!?」
仗助「つ……『通信機』だッ!この声は……静?」バッ!
静『待って兄さんッ!その……もしかして、兄さんの所にもいるの?……メイが?』
億泰「いるっつーかよォ~~、囲まれちまってるぜ!」
メイ2「だいすき……ふふ……」ズルズル……
メイ5「あたたかい……おひさま……」ズルリッ
億泰「ち……近づいてきやがるッ!ヒイイーッなんなんだコイツらはよォ~~ッ!?」
仗助「待て静!『兄さんの所にも』だと?……お前の所にもいるっつーのか!?」
静『ええ!クソッタレな事にね……そして言っておくけど!いい?よく聞いてね?』
静『そのメイは……『攻撃しちゃダメ』よ!!』
仗助・億泰「「……は?」」キョトン
静『そいつはメイじゃあない。……『幽霊』よ。この屋敷のスタンドそのもの……幽霊屋敷の幽霊なのッ!!』
ド――ン
仗助「ま……待て待てマテマテ、静!お前何言ってやがる?それに『攻撃するな』だと?んな事よォ~~……」チラリ
メイ1「あああ……」ヨロヨロ……
メイ3「うう……」ズリッ、ズリッ……
メイ6「じょう……すけ……おくやす……」ズリッ
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
仗助「……出来る訳ねえぞ」タラリ
メイs「「「「「「UUURYYYYYYYYYYY!!!」」」」」」
ドバアッ!!
仗助「マズイぜ億泰!!『クレイジー・――」ズッ……
億泰「どけェッ仗助!!」ドンッ!
仗助「ぐっ!?お……億泰!?」
億泰「『ザ・ハンド』ッ!!」
ザ・ハンド『ッシャアア――ッ!!』
ガオン!
ガオン!!
ガオオオォォ――z__ォォン!!!
メイ1「ブ!」ブシュッ!
メイ6「RY!!」ズバアッ!
スカッ!
億泰「いデッ!?」
ボトォ――ン
億泰「ぐ……おお……おれの『腕』が……何だ?こりゃあ……攻撃して倒したのはおれなのに……」
ドサッ
億泰「『腕』がッ!!き……切り落とされちまったァ――ッ!?」
仗助「『クレイジー・ダイヤモンド』ッ!!」バッ!
ズギュ――ン
バン!
億泰「び、ビックリしたぜェ~~……何だったんだ?今のはよ?」グッパッグッパッ
仗助「ムチャするんじゃあねー億泰!死んじまったらおれの『クレイジー・ダイヤモンド』でも治せねーんだぜ!?」
億泰「あんな大人数にフクロダタキにされたら、二人ともオダブツじゃあねーか!このボゲッ!!」
静『ちょ、ちょっと兄さん?もしかして……攻撃したんじゃあないでしょうねッ!?』
仗助「攻撃したのは億泰だ……敵を二人ばかり倒したはいいが、億泰の腕が切り落とされた。……攻撃を受けてないのに、だぜ……」
静『相手の攻撃は関係無いわ。問題はッ!この屋敷の『ルール』なんだから……』
仗助「『ルール』……だと?」
静『この屋敷のルールは……『屋敷の物は壊してはいけない』の』
仗助「……」
億泰「屋敷の……『物』?」
静『あのメイに見える幽(ザザッ)――は、この屋(ザザッ)の『スタ(ザザザッ)ド』なの。だから、そ(ザザッ)――『壊す』と、そのダメ(ザザザッ)は、自分に――……』ザザッ
仗助「何だと?おい静?よく聞こえねえぞ、おい?」
通信機『ザザザザ――ッ……』ガガッ
仗助「静?おい……聞こえてんのかよッ!?もしもーし!?」
億泰「仗助、今はよォ~~……おしゃべりしてる場合じゃあねーんじゃあねえか?」
仗助「!」
メイ2「うう……」ヨロッ
メイ4「ひどい……ひどいわ……!」
億泰「二人倒しても、まだ何人もいるんだからよォ~~……ここを乗り切らねエとマズイぜ、マジによ~~……」
仗助「……」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
仗助「……しかし、ここを乗り切るには……」タラリ
億泰「……おれはもう覚悟を決めてるぜ」
仗助「!!」
・ ・ ・
億泰「……『頼む』ぜ、仗助」
仗助「ああ……『任せた』ぜ、億泰」
ザッ!!
億泰「ウオッラァ――このボゲェ――ッ!!」
ガガオ――ン!!
仗助「『クレイジー・ダイヤモンド』!どらあ!!」
ビシッ!
ズォォオオオオ……!!
バァ――ン
億泰「おれが全員ぶっ倒し!!」バン
仗助「おれが億泰の怪我を治すッ!!」ババン
ドォ――ン!!
億泰「行くぜ、仗助ェッ!!メチャクチャいてーぜゼッテェー許サネー!」
仗助「おう、先へ進むぜッ!!ケツ100タタキにしてくれる!!」
ドン!
…………
今回はここまでです。
生存報告です。土曜あたりに更新しようと思います。遅くなって申し訳ないです
静ジョのサブタイトルについては、考えているのはありますが、たぶん当たらないと思いますので(最終話のスレタイにする予定です)
好き勝手に創造してもらって大丈夫です
ただ、展開予想は控えてもらえると助かります。Twitterとかで展開予想してる人がいて、結構当てられているので……
…………
施設に拾われた子は、2歳の頃子どものいない老夫婦に養子として迎え入れられる。
聡明で可愛らしい娘の事を、老夫婦は我が子のように育てた。
……少女が原因不明の『病』にかかるまでは。
衰弱し、治療費ばかりかかる少女の事を、老夫婦は疎ましく感じ始める。
そんな寂しい少女には……生まれつき、ある『能力』を持っていた。
『どんな生物とも『友達』になれる』能力を――……。
少女は人に対して使おうなどという事は思いつきもしないで、小鳥や野良犬などと仲良くなって、
人に関わる事無く、いつか死ぬ自分の事だけを考えて生きていた。
少女は……ひとりきりだったのだ。
あの日……2010年の夏。
『チェスタ・テスタロッサ』に出会うまでは――……。
…………
…………
純「危ない静ッ!!」ドンッ!
静「きゃっ――……」
ドッゴォ!
純「くっ!」ブシュッ!
双馬「静!通信に夢中になってる場合じゃあないぜ。目の前にニセモノとはいえ、メイがいるんだからな~~」
静「え、ええ。悪かったわ……」チラリ
偽メイ「……」ギロリ
双馬「純、お前今ので怪我したのか?見せてみろ」
純「カスリ傷よ。あいつ破壊力は大したもんだけど、大ぶりで乱雑よ。注意してたら当たんないわ……で、静」
静「何?」
純「……あれが『幽霊』って?『幽霊屋敷』の?」クイッ
静「……」
偽メイ「……ふふ、遊びましょう……純」ニッコリ
静「そう。あいつは『幽霊』……この前この屋敷に来た時は、もっと不定形っていうか、よくわかんない形してたけど……間違いないわ。あいつはメイって感じしないし」
純「……その『感じ』っていうの、私にはよくわかんないんだけど」
双馬「そんな事はどうでもいい。静、さっき通信で仗助さんに言ってたな?『この屋敷の物は壊してはいけない』って」
静「うん。それが『ルール』なの……前来た時は、あの幽霊は直接攻撃しなくって……襲う『フリ』をして、あたし達に物や幽霊を壊させようとしていた」
純「けどさあ――おっと、伏せろ」バッ
偽メイ「SHYYYYAAAAA!!」
ギャオ――ン!!
ドッグォ!
純「~~……メチャクチャ攻撃してきてんじゃあね~~かよーッ!オイコラ静ッ!お前マジなんだろーな~~!?」
静「たぶん、『セキュリティ』みたいなモンだと思う。この屋敷の主である『メイ』を守ろうとしているの。番犬みたいにッ!!」
双馬「そしてこっちが攻撃したら、そのダメージは何倍にもなってこっちに返ってくるっていうのか?無茶苦茶すぎる……」
静「億泰が攻撃したみたいだけど……まああっちは兄さんがいるから無事かな。たぶん」
純「向こうの心配は後にしとこうか。今マジによ~~……ヤバイかもしんない」
偽メイ「……逃げないでよ……友達になって……鬼ごっこ……」ブツブツ
ヒュバアッ!!
双馬「走れ、二人共!」ダッ!
ドゴ!ドゴ!
ドグシャアッ!!
純「ヒーッ!やたらめったらに攻撃してくるわッ!!例えるならッ!家の中にゴキブリがいるの見つけてパニックになってホウキ振り回すお母さんって感じか~~!?」ダダッ
静「大ぶりで乱雑だけどスピードは結構なモンね~~。ずっと追いかけてくる気かな、コイツ」
双馬「そこのドアの向こうに行くぞ!この部屋に閉じ込めてやろう!!」ダダダッ!
ガシッ!
純「……?」ガチャガチャッ
静「ちょ、ちょっと純?何やってんの?早く開けなさいよ」アセアセッ
純「違……待って静、この『ドア』……!!」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
双馬「おい、何を遊んでいるッ!?追いつかれるッ!逃げ場なんてないぞッ!!」
偽メイ「ふふ、うふふ……!!」バッ!
ドッヒャアッ!!
純「かっ!『カギ』がかかってやがるっこのドアッ!!ヒイイイ――ッ!!!」ブワッ!!
双馬「『ペーパー・バック・ライター』」
ドン
紙人間『ペラアッ!!』
バラッ!!
双馬「『ドア』を『本』にした……『幽霊屋敷』っつーのは『物』って事になるのかな?よくわからんが……」
ドサアッ!
純「とっ、通れたッ!!」
静「双馬、ドアを戻して!早く!!」
双馬「言われなくても……!」ペラペラペラ……
偽メイ「WRYYYYYYYY……!!」
グオッ……
バシィ――z__ン
純「……ハア、ハア……」
ガチャガチャガチャ……!
純「……フーッ!焦ったわ……ガチで……」
静「うえ、向こうからドアノブ回してるわ……自分の屋敷なんだから、カギくらいすぐ開けられそうなモンだけど」
双馬「とにかく、この隙にさっさと奥へ行くしかないな……攻撃出来ないっていうのは思ってた以上に厄介だ」
純「えーそうね。さっさと先へ……」
クルッ
メイs「「「「「…………」」」」」ゾロッ
ド――ン
純「きゃあああああああああああ!!!?」
双馬「うおおおおおお!!?まっ!?『待ち構えていたァ――』ッ!!何人もッ!!?」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
静「……!」タラリ
偽メイ3「ようこそ……ふふふ……」ヨロッ
偽メイ7「あははは……あひ……」ヨロヨロ……
偽メイ4「イヒヒヒ……あばばば……」ユラリ……
静「……離れて、二人とも」
ザッ
純「ちょ、ちょっと静!?アンタ、何する気?」
静「……逃げられないなら……被害は最小限でいい。あたしが……ここを食い止める」
純「な……!!」ゴクリ
双馬「馬鹿な……死ぬ気か、静」
静「出来たら死にたくないっての~~。あたしが相手してる間に、全力で兄さんか本物のメイか、どっちか探しだして欲しい。そうすりゃあ解決でしょ、この場はさ~~」
純「ま……待って、静!私……閃いたかも。もしかしたら……いける。これは……いけるわ」
静「……へ?」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
「「「「「KUWAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」」」」」
ドッヒャアッ!!
純「静ッもっと近くに寄れーッ!双馬テメェーもだあ――ッ!!」グイッ!
静「純!?一体何を――……」
純「『ルビー・チューズディ』!!」ギャン!
ルビー・チューズディ『パアキパキパキパキパキ……!!!!』ババババ……
静「!?」
双馬「!!」
ドグシャアッ!!
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
偽メイ2「……え?」ボキッ
偽メイ8「……なに……が……アハハ」ボロッ
純「……ハアー、ハアー、ハアーッ……」ドキドキ
静「……!?……いっ……『痛くない』……?」キョトン
双馬「……全く、無茶をするなあ、お前は……」
ルビー・チューズディ『パキパキ……!』キラン
純「私達の身体を『ルビー』に変えたッ!!コイツらの軟弱な攻撃なんか効かないようにね~~。攻撃出来ないっつーのならッ!正面切って受けきっちまえばいいのよッ!」
パキィン!!
静「……純。アンタってば……最高ね」ニヤリ
純「『屋敷は攻略した』ッ!!行くわよ、二人とも!!」
ドン!
今回はここまでです。
大変遅くなって申し訳ないです
あと4回くらいでこの話終わりの予定です
最終話のタイトルには『ワイルド・ハニー』が入ると思う
だから「ワイルド・ハニーは砕けない」に一票
最終決戦時に静は、2部や4部の様に『機転を効かせる』のか
3部5部7部の様に『新たな能力に目覚める』のか。
6部の様に『勝利の礎になる。』のか
若しくはそれ以外か。全く予想がつかないけど
とにかく次スレが楽しみだな。
このシリーズって四部のモブキャラである吉岡さんや
外伝である恥パとかのエピソードも盛ってるけど
ハイウェイスター戦時の赤ん坊って出てたっけ?
あとプロポーズを邪魔された男とか
アニメは関係ないだろ……
体をルビー化したからルビーの強度調べてみたらすごい強度だな
傷に対する強さのモース硬度はダイヤモンドにつぐ順位だからダイヤ以外の宝石では傷つかない
更に衝撃に対する強さは宝石の中で一番高いし汚れや薬品への耐性も高い
つまりルビーチューズデイは砕けない
>>358
なんか純の方が主人公に相応しい気がしてきた
スター『プラチナ』
クレイジー『ダイヤモンド』
『ゴールド』エクスペリエンス
『シルバー』チャリオッツ
…………
『承太郎さん!そっちは大丈夫!?こっちは純のお陰で……承太郎さん?もしもーし、聞こえます?』
『静!言っとくけど全身ルビーにすんのは無理だからなッ!ある程度は自分で――……危なッ!通信切れ通信ンーッ!』
ザザザッ
『おい、一階はここで終わりなんじゃあないか?僕らも(ザザッ)……上へ……(ザザッ)』
ザザザザッ
「……」
『チクショ~~、キリがないぜ仗助ッ!それによォーなんだかおれ、ちょいとばかしフラッとすんだよな。貧血か?』
『流れちまった血は治す事は出来ねえんだ。はえーとこトッちめねーと持たないかもしんねー……承太郎さん、そっちはどんな感じっスか?』
『……?おい仗助ェ~~、通信機使い方あってんのか?聞こえねえーぜ、なんも……』
『もしも(ザザッ)……承た(ザザザッ)……無事で……』
ザザザーッ……
「……こいつはもう、いらないな……」
コトンッ
通信機『……』
…………
…………
チェスタ「す……すごいぞ、メイッ!『屋敷』が君を愛しているッ!君は愛されているんだ……『天国へ到達しろ』と言われているッ!!」
メイ「……ハァー、ハァー、ハァー……!」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
チェスタ「求められているんだ……君が天国へ到達するのを!君が神になるのを!この世界から求められているッ!!さあ、行こうメイ。ジョースターの血統はここで終わる。俺たちは……ゆっくりと待てばいい」
メイ「……『違う』……」
チェスタ「?」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
メイ「……見たことがあるわ。今、この状況……この部屋は、見た覚えがある」
チェスタ「……当然だ。俺たちは、この幽霊屋敷で暮らしていた……」
メイ「違う、違うわ。……『裏切る』夢は、ここで……!」
チェスタ「……また夢の話、か」
ガシッ!!
メイ「!!!」
チェスタ「……何と言ったら、信じてくれる?俺が、君にとっての『友』だと……どう伝えれば、思ってくれる?」
メイ「……何故、そうまでして……」
チェスタ「……」
メイ「……貴方は、行った事のない『天国』を……到達出来るかわからない、貴方のためにならない、私にとっての『天国』を……信頼するの?」
チェスタ「……」
チェスタ「……モノクロだった俺の世界は、君に出会って、色鮮やかな……憧れた、フルカラーの世界になった」
メイ「……」
チェスタ「そんな君が、モノクロの世界のまま、訳もわからない病によって、死のうとしている」
メイ「……」
チェスタ「……命を脅かされる事なく……幸せな世界で、生きて欲しいんだ。それが、俺を変えてくれた君に対する、俺の恩返し」
メイ「……チェス――……」
ガチャガチャッ!!
メイ「!!」
チェスタ「!!」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
チェスタ「……なんだと?」
メイ「あ……あああ……!!」ガタガタ
ガチャガチャガチャガチャッ……
チェスタ「鍵だ……鍵に手こずっている。今のうちにメイ、奥の扉の先の、階段へ……!!一本道で裏口から出られるルートへ!」
メイ「う、ううッ!!」
チェスタ「さあ、早く――……」
バキイッ!!
チェスタ「!!」
メイ「!!」
バラバラバラ……
承太郎「……」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
チェスタ「……空条……承太郎」
メイ「や……(やっぱり、夢と同じ……!!)」
承太郎「……おれが一番最初にたどり着いて、良かった。仗助や静達には……手を、汚させたくないからな」
ザッ
承太郎「悪いが、手加減は出来ない。殺すつもりで、行かせてもらう」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
メイ「チェスタ……チェスタ、チェスタ!!」
チェスタ「…………」
メイ「……やっぱり、貴方は……!!」
チェスタ「『サカナクション』」
ズアッ!!
メイ「!!」
承太郎「……」
チェスタ「……メイ……」
メイ「な……」
スッ……
ギュッ
メイ「!!」
チェスタ「……」
……チェスタに抱きしめられたメイは、
チェスタの暖かさと、鼓動を、感じた。
メイ「……何?なん……だって、いうの……?」
チェスタ「……メイ……」
チェスタ「命を常に狙われるっていうのは……辛かったよなぁ。怖かったよなぁ。俺を……信じられなくなるくらい……苦しかったよなぁ」
メイ「…………」
チェスタ「……だけど、もう少し……もう少しだけ、逃げてくれ。階段を下りて、裏口へ……逃げて、逃げて、逃げ延びてくれ」
メイ「……だって、けど……空条承太郎が……!!!」
チェスタ「俺が食い止める」
ザッ!!
メイ「!!!」
承太郎「……」
チェスタ「空条承太郎……今、俺は自分の『触覚』を奪った。来い……死ぬまで俺は倒れないぞッ!!」
承太郎「『スター・プラチナ』」
ドン
メイ「待って!チェスタッ!!私――……!!」
チェスタ「運べ、『サカナクション』ッ!!メイを逃がすんだァ――ッ!!!」
ゴウッ!!
メイ「チェ――……!!!」
チェスタ「『メイを守る』……それこそが、俺の『アイデンティティ』」
チェスタ「メイ……君を愛している」
ニ コ リ
ドバッ!! ドバ
シュバッ ドバ ドバ
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ」
バショアアッッ
メイ「うあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
……………………
…………
……
…
…
……
…………
……………………
その女が、産んだ女児は……
『双子』だった。
ダンボール箱へ入れる前、
最後の最後に、彼女は自分の娘達を抱きしめる。
その暖かさを、その鼓動を、
どんな事があっても忘れないように。
双子のうち、一人は……
まるで『透明』にでもなったかのように、箱の中から姿を消した。
その存在は誰も知らなかった。
その行方は……誰も、わからない。
…………
…………
ド ス ウ ッ
メイ「がふっ」
……飛び散るチェスタの血を見た時、
自分を運ぶ魚型のスタンド、『サカナクション』から、
『生命のエネルギー』を感じなくなった時……
メイの、真っ暗な心に呼応するかのように、『矢』が動いた。
それは、メイの左肩の辺りを突き刺した。
丁度……ジョースター家の者たちが、『アザ』を持つ部分へ。
メイ「…………」
ドクン……ドクン……!!
メイのスタンド、『イエスタデイ・ワンス・モア』が、
ドロドロと溶けて黒いコールタールのようになる。
それは、幽霊屋敷の天井を突き抜けて、壊して、外へ飛び出して……
……杜王町の空へ広がった。
ガラガラガラガラ……!!
承太郎「……なんだ、これは……!!」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
メイ「…………」
ドクン……ドクン……ドクン……
杜王町が、黒い『膜』のような、ドーム状のもので覆われる。
……『天国』の時が、来た。
…………
今回はここまでです
ジョジョにおいては全くの無駄な話だってことはわかってるんだけどメイと静って髪の毛の色違うよね・・・?
>>451
メイは病気のせいで白髪になっています
(科学的・医学的にはありえない話ですけど、まあ、物語ですから)
あと二人は血液型と身長は同じですが、静は筋肉質で、メイは病気のせいで痩せています
胸はないです
胸はないです
…………
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
双馬「何が……起こっている!?」
ガラガラガラガラ……
純「何?『屋敷』が……崩れてるっつーの!?」
静「熱あッ!!?痛――」ジュウッ!!
双馬「静?」
静「何!?うあつっ……え?え??」
純「何よ、私ら今アンタにかまってる暇ァないんだけど」
静「違ッ……なんか首の、背中のつけ根あたりがメチャクチャ痛くて……」
双馬「……『首』……?」
純「虫にでも刺されたんじゃあねーの?それより!今すぐここから脱出しねーとヤバイッ!」
双馬「『ペーパー・バック』……」バッ
双馬「『ライター』ッ!!」
紙人間『ペラペラペラペラ……!!』
バサアッ!!
双馬「……とりあえず、崩れた家に下敷きになって死ぬというのは避けられそうだ」
バサバサバサバサ……!!
純「うお、全部『紙』に……!」
双馬「大黒柱に頭打ちつけて死にたくなければ、離れるなよ。……仗助さん達は皆パワータイプのスタンドだし、大丈夫だろう」
静「双馬、この『紙』ッ!読んだら何が起こったのかわかるんじゃ……?」
双馬「ああそうだな。なんで崩れたのか、その原因を――……」
純「ま、待てッ!それより二人とも……『上』を……『空』を見ろッ!!」
静「は?」バッ
双馬「……なんだ?これは……?」ジッ
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨……
双馬「……杜王町の空が、黒いドーム状のもので……覆われている?」
純「い、今……『昼』だよな?吸血鬼が活動しにくい真っ昼間を狙って、私らここに来た……ん、だよな……?」
双馬「……」タラリ
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
純「見えねェーぞッ!『太陽』だッ!!私のスマホが狂ってねェーのなら、あるはずだぞッ!!空にッ!!」サッ!
『PM 14:14』
純「な……何も見えねえッ!真っ暗だッ!!スマホの表示は『昼の2時』だっつーのに……そ、それに、気のせいか?あれは……『星』が見えているんじゃあねえのか――ッ!?」
静「……メイ」ボソッ
双馬「?……なんだと?」
静「『わかる』……『感じる』の。メイは今……『新たなる力を手に入れた』……!!」
双馬「……静?おい、さっきからお前……おかしいぞ。メイの居場所がわかっているような口ぶりをしたり、幽霊とメイを明確に区別したり……それに今度は、『感じる』だと?お前……何が『わかってる』んだ?」
静「……」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
静「……あたしにも、サッパリよ。だけど……なんだろう。……わかるの。今……あいつがどんなに苦しい思いをしているのか、とか……どんなに悲しい気持ちでいるのか、とか……全部、わかる」
双馬「……静、お前――……」
純「うっ……」
ガクッ!
静「?……純?」
双馬「?」
ガラガラガラガラ……
純「……ハァー、ハァー、ハァー、ハァー……」タラリ
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
純「……私……『大マジ』よ。今、命がけの任務の最中だってこともよーくわかってる。昨日は、今日の事が怖くって、グッスリ寝付けなかったけど……それでも6時間は寝たわ。全然問題ねェー……はずなの」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
双馬「お前、何を言って――……」ヨロッ……
ガクンッ!!
双馬「うッ!?……な、こ……『これは』ッ!?」
純「そう……『眠い』の。こんな……屋敷が崩れてきて、杜王町が黒いモンに覆われて、なんだかわかんねーけどヤベーッて時に……『眠い』」
静「……ね……『眠い』?」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
双馬「嘘でも冗談でも無い。僕も……強烈な『睡魔』に襲われている。なんだ?……これが、静、お前の言う……メイの『新たなる力』なのか?」
静「……」
純「――っざけんなよッ静ァ!!不眠症で悩む人達を救う能力だってェーのかッ!?ありえねえだろッ!!ぐっ……うう……!」ヨロヨロ……
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
静「……」
ガラガラガラガラ……
静「『勇気』だ……メイは、自分のスタンドを『捨て去る』勇気を持った。今、溶けて空を覆っているのは、メイの『スタンド』……」
双馬「……天国へ行く方法、か。僕がチェスタの奴から聞いたのを、お前にも教えたな」
静「……『新しいもの』が産まれるの。この『睡魔』は、きっと……『前奏曲(プレリュード)』に過ぎない」
双馬「……」
純「……」
ガラガラガラガラ……
静「目覚めるの……あたしにも、よくわかってない。だけど……これから新しい『世界』が――……」
┣¨
双馬「――!!」
┣¨
純「……えっ」
┣¨
静「…………」
┣¨
┣¨
メイ「…………」
静「…………」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
……崩れ落ちる屋敷の中から、有栖川メイは、現れた。
しっかりと、チェスタ・テスタロッサを、後ろから抱きしめて。
その姿は……我が子を愛する、母のようにも見えた。
もう死んだと思われたチェスタだったが。
最後の最後に――
残された力を振り絞り。
小さな声で、告げる。
『らせん階段』
『カブト虫』
『廃墟の街』
『イチジクのタルト』」
『カブト虫』
『ドロローサへの道』
『カブト虫』
『特異点』
『ジョット』
『天使(エンジェル)』
『紫陽花』
『カブト虫』
『特異点』
チェスタ「……『秘密の』…………『皇帝』……」
聞き取れないような、微かな声。
しかし、大切なその声を、最後に。
チェスタ・テスタロッサは……死んだ。
メイ「……」
静「……」
双馬「……」
純「……」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
メイ「……失ってから……初めて、気付くの」
静「……」
メイ「彼は、いつもどんな時でも、私を愛してくれた……信頼出来る、友だった」
静「……メイ……」
メイ「彼は『天国』を望んだ。皆が、幸せに生きる世界を望んだの」
「……だから、私はそれを叶える」
「彼のような、真っ暗な人生を歩んだ者も……」
「私のような……死と、隣合わせで……」
「人々から、疎まれ続けた者も……」
メイ「――皆が幸せに生きる世界を、私は作るッ!!」
静「……メイ……」
有栖川メイは、泣いていた。
静・ジョースターも……泣いていた。
静「……どんな事があってもね」
メイ「…………」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
静「……人の人生を踏みつけて、幸せを見つけちゃあ……いけないのよ」
メイ「黙れエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!!」
バッ!!
メイ「私達は向かうのよッ!!全ての人々が幸せに暮らす、天国へ……新しい世界へッ!!」
双馬「……」
メイ「そこでは過去の因縁なんて関係ないわッ!!ジョースター家も私も、善人も悪人も人殺しだって!私を捨て去った奴だって!!私をクソッタレな病気にした『神』という存在がいるのだとしたら、そいつだって、『許す』――私達は全ての罪を洗い流して、素晴らしきこの世界を愛すッ!!!」
静「……」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
純「……ゆっくり聞いてる場合でも、ないでしょ……い、意識がモーローとしてきた。たお……倒さないとッ……!!」
双馬「ああ……その事、なんだが……な」
双馬「……純。すまない」
純「は?……え、何?」
双馬「……動けない」
静「……」
純「……は?」
双馬「ずっと……浴びせられてる。振り絞るような『殺意』が……僕に突き刺さっているんだ」
静「!!」
双馬は滝のような汗を流していた。
いつも冷静で、汗一つかかないような彼が……今。
泣きそうな顔で、立っている。
殺意を当てられ、精神を消耗し、
膝から崩れ落ちそうになりながらも、立っている。
立つのが精一杯だ。
動くなんて……出来ない。
静「……そ、双馬……!」
双馬「……畜生。ただの……純粋な、ドス黒い殺意なら、良いんだ。耐えられる。……なのに……!」
双馬「……なんなんだ、クソ。……吸血鬼だろうがッ!お前……人を食い物にする、化物……じゃあないのか!!」
メイ「…………」
双馬「なんで……そんな、辛そうな顔で……『本当は殺したくない』なんて、シミったれた偽善者ぶった顔で……内側からヒネり出すように、殺意出して、僕を見るんだッ!!!」
メイ「……私は、皆が手を取り合える世界へ行く。……だけど、ね……」
メイ「人では無く、『物』から『過去の記憶』を読む貴方は……貴方だけは」
双馬「……」
メイ「……連れていく事は、出来ないの。貴方の能力は……天国を壊すから」
純「……」
静「……は?」
双馬「……ハアッ!ハアッ!ハァ……!!」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
双馬「『ペーパー』――……!!」
ド ッ
双馬「……」
純「……?…………」
静「……そ……」
メイ「……『約束』するわ。……貴方の事は、忘れない」
双馬「…………」
メイ「……貴方という犠牲のもと……私達は、天国で生きる」
双馬「……」
グラッ……
「静……僕は……」
「……『草原』へ、行きたい」
「父と、二人……地平線の彼方、どこまでも続く、『草原』へ……」
「……馬が、のびのびと生きているような『草原』へ……行きたい」
「…………お前と、一緒というのも……悪くない、かもな……」
ドサァアアァッ
双馬「」
純「……あ……ああああ……!!」ガタガタガタ
静「……双、馬……?」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
有栖川メイの右腕は、
目にも留まらぬ速さで、正確に……
双葉双馬の、命を奪った。
純「双馬ァァァア――――ッ!!!!」
静「うああああああぁぁぁぁあああぁあああああ!!!!」
ド ン
ワイルド・ハニー『ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ』
メイ「無駄・無駄・無駄・無駄……無駄なのよ、静」
ガシッ!!
静「くッ!テメェ……離せッ!離しやがれッ!!メイィィィイイイイ!!!」
メイ「私達は向かうの。完成した私の能力によって……この世の人類が幸せになれる世界へと、向かうのよ……」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
メイ「名を冠するなら『ワンダフル・ワールド(素晴らしきこの世界)』……私は神となり、そして……貴女と幸せになるの」
静「!!……な……」
メイ「それじゃあ……おやすみなさい、静。新しい世界では……私と、いっぱい、仲良くしてね?」
静「……ふざけ――……」
ゴ
ウ
ン … …
夜が来る。
杜王町が、暗闇で覆われる。
耐え難い睡魔が人々を襲い、
町が、眠る。
静・ジョースターの記憶は……
……そこで、途切れた。
…………
…………………………………………
…………………………………………
……………………
…………
……
…
…………
???「……ずか……静…………起きなさい、静や」
「……」
???「起きなさい。これ……風邪をひいたらどうするんじゃ。静……」
「……はッ!」
ガバッ!!
ジョセフ「おお、起きたかの~~静」
静(5歳)「……こ、ここ……は……?」
……暖炉の火が、暖かい。
パチパチと燃える薪の音が心地よく、静は、いつの間にか眠っていたようだ。
ジョースター邸内の、この大きな暖炉がある部屋は、静が最も好きな部屋であった。
5歳の彼女には似合わないくらい、大きくて立派な、朝日のあたる部屋が、彼女の自室として与えられていたが、
それでも彼女は、この暖炉の部屋の方が好きだった。
ロッキングチェアに揺られて、暖炉の火に当たる父――静は『おじいちゃん』と呼んでいたが。
父、ジョセフ・ジョースターが語る冒険話を、ゆったり聞きながら絨毯の上で寝そべるのが大好きだったのだ。
ジョセフ「……なんじゃ、静。泣いておるのかのー?」
静「え?……あれ?なんで、あたし……ないて……?」
ジョセフ「怖い夢でも見たんじゃろう。よーしよし、わしがおるから大丈夫じゃぞ。よーしよし……」ナデナデ
静「……うん……あたし、こわい夢……見た、かも……」
静「夢の中で、あたし……もっと年上の、おねえさんになってて……」
ジョセフ「……」
静「それで……アメリカじゃあなくって、どこか遠くの、小さな町で……あたし、なんだか……大切なものを、失った……そんな、夢を見た気がするの」
ジョセフ「ふーむ……それは辛かったのう。ほれ、おいで静」
静「……うん」
ギュッ
ジョセフ「よしよし、大丈夫じゃ。お前さんはなーんにも、失っちゃあおらんからの」ナデナデ
静「……本当?」
ジョセフ「本当だとも!おじいちゃんはのー、静にウソなんか言った事ないわい」
静「……おじいちゃんの話す冒険話は、うそくさいけど、ね」ニヤッ
ジョセフ「むむむ……もっと格好いい所見せないといかんかのう……」
ジョセフ「ほれ、そろそろ行きなさい。静」
静「え?」
ジョセフ「お友達が来ておるよ。いつもの子じゃ。エントランスまで迎えに行ってあげなさい。今日は寒いが天気も良いしのー……一緒に外で遊んだらどうじゃ?」
静「……『友達』……?」
ジョセフ「ほれほれ、早く行ってあげなさい。お友達を待たせるもんじゃあないぞ」
静「……」
テテテッ……
静「……友達……あたしの、友達って……?」
静「……だって、ニッポン人の顔してるあたしの事、みんなあまり、話してくれないし……冒険ごっこだって、いっしょにしてくれない……」
静「あたしと、遊んでくれる人なんて……」
静「誰も……」
テテテッ……
タタタッ……
静「……ほら。エントランスになんか、誰も――……」
???「……あッ!」
静「え?」
タタッ!
???「やっと来たわね。フフフ……お昼寝でもしてたのかしら?一緒に遊ぼうって言ってたのに……忘れちゃった?」
静「う、ううんッ!忘れてなんかないっての。友達の……あなたとの約束、だもの!」
???「そうよね!フフフ……」
静「……え?けど……あ、アレ?」
???「なあに?どうかした?」
静「……あ、あなたって……?」
???「もう、静ったら!まだ寝ぼけてるんじゃあないの?」
静「ごめんね。えっと……?」
???「フフフ……」
「私は『メイ』……『有栖川メイ』よ」
⇐To be continued=・・・?
次回、完結。
『ワイルド・ハニーは砕かない』
というスレッドタイトルでお会いしましょう……
もうこのスレは終わりなので、展開予想とかあまりにも関係ない話以外なら好きなようにしていいんじゃないですかね
また新しいスレを立てたら誘導のレスします
辻彩はそもそも味方っていうほど味方か?ってところからアレだが…
強いて言うなら運強過ぎの吉良を「帰宅中に偶然体格が似てる殺人鬼に遭遇して殺され人生を乗っ取られる」様なおっさんの運勢で固定したとか
>>302がニアピン
砕『か』ない
砕『け』ない
「クレイジーDは砕けない」だと他人が仗助を砕くのは不可能だってニュアンスに感じるのに「ワイルドハニーは砕けない」だとこれまでの展開を踏まえて静には他人を砕くことはできないってニュアンスに感じるのが面白いところ
さて正解の「ワイルドハニーは砕かない」はどういう展開を見せてくれるやら
次スレです
ワイルド・ハニーは砕かない
ワイルド・ハニーは砕かない - SSまとめ速報
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移動お願いします。
最後までお付き合い下さいませ
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