ゼオン「お前・・・その本をよんでみろ」清麿「は・・・・・・?」 (991)

清麿「なんだこれは……一定の文法法則すら……ん?」

清麿「第一の術……ザケル……?」

ゼオン「高嶺清麿……お前がオレのパートナーか」

清麿「どうしてオレの名を?」

ゼオン「お前の父の頼みで教育係をすることになった」

清麿「教育係? ふざけるな! なんでガキに……」ピカーン

清麿「うわあああ」

ゼオン「バカめ、呪文をとなえやがって」

清麿「お前何者だ――」

ゼオン「オレは魔物だ」





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ゼオン「さっきお前はふざけるなといったことでザケルという呪文が発動したんだ」

ゼオン「そしてオレの名はゼオン」

清麿「魔物だと……?」

ゼオン「ああ、お前らの言葉で説明するならな。人間界とは別に魔界が存在するんだ」

清麿「おいおい、いきなり別世界だって? 最近の子供は……」

ゼオン「まあ、それについてはおいおい納得してくれたらいい」ガシッ

清麿「お、おいどこに連れて……っておい飛んで……」

ゼオン「何日も食べてないんだ。何かおごれ」


レストラン――

ゼオン「!!なんだこのパンは!?」

清麿「ああ? ホットドッグのことか?」

ゼオン「うまいぞこれ!すごいな」

清麿(いつになく目が輝いてるな……)

清麿「ってかなんでオレはこんなガキに飯をおごらされて……」

ゼオン「お前にはオレを王にするために働いてもらうからな」

清麿「よくわからないんだが」

ゼオン「よろしい、順を追って説明してやろう」

ゼオン「魔界にはその世界を治める王がいる。それを決める戦いが千年に一度この人間界で行われる」

ゼオン「魔界で選ばれた百人の子供が本とともに人間界に送られ、人間と手を組み、王の座をかけて戦うというわけだ」

ゼオン「本がこの戦いのカギとなり、心の力を源に魔物の力をひきだす」

ゼオン「またこの本が燃えれば魔界に強制送還される」

ゼオン(まあ、オレの目的は王になるだけじゃないがな……)

ゼオン「どうだ、わかったか?」

清麿「さっぱりわからん」

清麿(何もかもがでたらめで信じるも何もなあ)

清麿(ガキのいうことだし)

ゼオン「とりあえずオレは帰る。寝所を移さねばならん」シュンッ

清麿「消えた!?」

清麿(オレのところで暮らす、冗談じゃねえ!)

清麿(……でもあいつ電撃出したし、オレを軽々持ち上げるし、そのうえ空まで飛ぶし、本当に魔物……?」

清麿「まあ、もう会うことなんてないだろ。冗談に決まってる」

清麿「帰って寝よ」

次の日――

ゼオン「おい起きろ!」ガッ

清麿「いってえ、ってお前!」

ゼオン「学校とやらに行くんだろう!?さっさと支度しろ!」

清麿「い、行かねーよ、うわああ」ドカーン

清麿「あ、暴れるなああ」

ゼオン「五分以内に支度しろ、いいな?」

清麿「本当に来やがった……」

華「ゼオンちゃんがいて良かったわ。ああいうのは無理やりにでもいかせないとね」

清麿「おいおふくろ!なんでこいつを家の中に入れてるんだ!」

華「この子は教育係で来たのよ、そんなの当たり前でしょ」

清麿「本当だったのか……」

ゼオン「フン、イタリア中探してもパートナーが見つからなかったからな。それとお前の父親には宿の提供等いろいろお世話になった」

ゼオン「その恩返しもでき、一石ニ鳥だ」

清麿「ちっ面倒なことになりやがって行けばいいんだろ、行けば」バタン

華「ごめんねゼオンちゃん。あの子、あんなだから友達もいなっくて」

ゼオン「フン、そうとうひねくれているようだな」

ゼオン(だが問題は友達がいないことではない)

ゼオン(義務教育という決められたルールに従っていないことが問題なのだ)

華「清麿に一人でも友達ができたら学校だって楽しいものになるはずなのに……」

ゼオン「…………友達ね……オレにはわからんものだ」

先生「高嶺!」

清麿「……はい……」

先生「この数式をといてみろ!」

清麿「a=4,b=8……」

先生「ク……正解だ……」

「ちっなんだよあいつ……」「またいやみなことしやがって」「勉強する必要ねーなら帰れよ」///

清麿「…………」

屋上――

ゼオン「…………」





昼休み――

ゼオン「……む、清麿?動き出したか……」

水野「え、もう帰っちゃうの?高嶺君。まだ昼休みよ」

清麿「!水野……」

水野「授業がつまらないなら、また前みたいに先生になって私に勉強をおしえてよ」

ゼオン『ほう、お前を嫌わないやつもいるじゃないか』

清麿「!ゼオン……!? お前どこに?」

ゼオン『屋上だ、安心しろ。この声はおまえにしか聞き取れない』

清麿(そんなことまで……)

ゼオン『このオレがこのまま帰らせるとでも思っていたのか?』

ゼオン『そうだな、そのまま帰ればその女にお前が好きであることを伝えて差し上げよう』

清麿(な……ふざけるな!)

水野「高嶺君……?」

ゼオン『あながち間違ってないんじゃないのか……?』

清麿「だまれ……」

水野「」

ゼオン『そんなことをされたくないなら、今日一日おとなしくそこにいることだな』

清麿「……」

水野「」

ゼオン(しかしなぜ優秀なお前は何も言い返さない?)

ゼオン(お前には弱者を蹂躙する権利があるというのに……)

ゼオン(お前を傷つけるものはすべて壊せばいい)

ゼオン(……それを促すのもオレのしごとか……くっくっく)

ゼオン「特別ないじめはうけてないみていだし陰口などとるにたらない)

ゼオン「オレの受けてきた陰口の方が何倍も上だ」

放課後――

ゼオン「……よう」

清麿「……わざわざ校門で待っていたのか?」

ゼオン「迷惑そうなかおだな」

清麿「当たり前だ」

清麿「オレは学校になんか行く必要なんてないんだよ」

清麿「なんであんな低レベルのやつらと友達にならなくちゃいけないんだ」

ゼオン「くっくっく、友達など作る必要などない」

清麿「……は?」

ゼオン「大事なのは心を鍛えることだ」

ゼオン「まわりなどあてにならない。信じれるのは自分だけだ」

ゼオン「つらくて逃げ出したいとき、オレのまわりにはだれもいなかった。だれも理解者などいなかった」

ゼオン「孤独でずっと一人で戦っていた」

ゼオン「まあ、お前には水野という女がいるがな」

清麿「ガキが何を言って……」

ゼオン「逃げるな清麿。逃げている限りお前は一生弱いままだ」

清麿「うるさい、お前にオレの何が……」

ゼオン「まあその話はもういい。今日一日よく頑張ったな」

ゼオン「そうだ、帰るついでだ。あの女を呼んでやろう」

清麿「はああ!?てめっふざけるな」

ゼオン「……ん?なんだ……?

ゼオン「屋上か……?男と二人っきり……恋人か?……いやこれは……」

清麿「……?……!金山だ!!」

ゼオン「金山……?」

清麿「毎日のように屋上でカツアゲをやっているやつだ」

清麿「おそらくそいつに捕まったんだ」

ゼオン「なるほどな。たぶんそいつでまちがいない」

ゼオン「行かないのか?」

清麿「……お金を渡すだけだの話だ、オレが行っても何の解決にもならん」

ゼオン「……けがをしているようだが……!お、おい殴られてるぞ!!」

清麿「!!」

清麿「……あのばか!素直にわたせばいいのに……」

ゼオン「まあ、残念だったな、一緒に帰れなくて。さあ帰るか」

清麿「な……」

ゼオン「オレには関係ない女だしな」

ゼオン「しかし憐れな女だ。高嶺君、高嶺君とつぶやいて……大けがまでしている」

清麿「っ!」

ゼオン「当の本人は行く気すらないというのに」

ゼオン「帰り道は……!いない……?行ったか…」

ゼオン「なんだ……走れるじゃないか……」

屋上――

清麿「はあはあ、くそ」

清麿「水野っ!!」

金山「は……」

水野「高嶺君!」

清麿「水野?」

清麿(くそ、ゼオンの奴!なにがケガしてるだ、キズ一つないじゃないか!)

清麿「すみません……間違えました……」

金山「おいこら、なにが間違えただ」

清麿「ひいいいい」

ドカッバキッボコッ

金山「ふん誰かとおもえば愛しのあの子がピンチだからってヒーローきどりかあ?」

水野「高嶺君!」

清麿「いってえええ」

清麿(なれねえことはするもんじゃねえよ……ってかなにしてんだオレ……)

ゼオン「お前にしては上出来だ」

清麿「!ゼオン!てめえ……」

ゼオン「お前がこなきゃこの女は助からなかっただろう。ほめてやる」

清麿「……っう、うるせえこんなにぼろくそになって何が……」

ゼオン「バトンタッチだ。あとは任せろ」

金山「なんだあ?このガキは?」

ゼオン「これからはオレが相手してやるよ」

金山「ぶははははwwwww唯一の友達がこんなガキってか情けねえなおい!」

金山「お前も高嶺のこと、よくわかってねえみたいだからおしえといてやるよ」

金山「自分が常に一番!自分以外すべてクズだとおもってんだ!」

金山「どんな関係かしらんが、てめえも厄介者のブタにしかみえてねえんだよ!」

清麿「……」

ゼオン「だからどうした?それはおれも思っていることだ」

金山「」


ゼオン「そんな御託はいい。さっさとかかってこい」

金山「てめえ!!」ばっ

ドーン

金山「そげふっ!」ドサッ

清麿「あの金山を……」

水野「たった一撃で……」

ゼオン「帰るぞ清麿。そこの女もな」

清麿「……ゼオン……」

水野「あの、ありがとう……」

ゼオン「礼ならそこの男に言うんだな」

水野「高嶺君も……助けてくれてありがとう」

水野「私うれしかった」

清麿「……ああ……」

清麿(……この小さな体でこの腕力……)

清麿(本当に魔物ってやつなのか……)

次の日  山――

清麿「何をしてるんだ?」

ゼオン「見てわからんのか?精神統一だ」

清麿「木のてっぺんでか……」

ゼオン「ところで学校はどうした?」

清麿「今日は休みだ」

ゼオン「ふむそうか」シュンッ

ゼオン「これを」スッ

清麿「本……?」

ゼオン「そろそろ呪文の感覚をつかんでおきたい」

清麿「ま、まさか呪文ってあの電撃か!?」

清麿「だめだだめだ!あんな危ないもの!」

ゼオン「バカかお前は。これから先ほかの魔物と戦うことになる。コントロールが重要になってくるだろーが」

ゼオン「ザコ相手なら呪文抜きでも戦えるがそれには限界がある……」

ゼオン「さあ練習だ!呪文をとなえろ」

清麿「……ザ、……ケル……」

ゼオン「でないな……」

清麿「あ、あれ……」

ゼオン「ったく怯えやがって!もう少し心をこめろ!!」

清麿「ザケル!!!」

ドカ――――――ン

ゼオン「…………」

清麿「…………」

清麿「おい、ここ山だったよな……」

ゼオン「ああ……」

清麿「一面焼け野原になっているんだが……」

ゼオン「……す、少しはコントロールしろ!バカモンがあ!」

ゼオン「しかもあんな範囲だけの攻撃じゃあ使い物にならんぞ!もっと一点にあつめてだなあ……」

清麿「とにかくこれは当分禁止だ、あまりに危険すぎる!」

ゼオン「やはり、コントロールの練習が必要か……」

今日はこれで終わります。
都合上オリジナルの魔物、術、能力、デュフォーもだすつもりです。

これから書いていきます。
イタリアにいたころに清麿の父に助けられたので原作よりは優しくなってるんじゃないかなと思います。
陰口については、あんな小さいのに大人顔負けの強さなので、きっとつらい目にあったんだと自己解釈しています。
オリジナルの設定とかもありますので結構矛盾とか生じるかもしれません。

家――

清麿「ダメだ!」

清麿「なぜだ……?冗談じゃねえぞ、この銀色の本……」

清麿「なんでこのオレに読めない本が存在するんだ? ほぼ世界中の新、旧、古代のことばをしらべたが、どれも参考にすらならん!」

ゼオン「やけに熱心だな」

清麿「あたりまえだ。あれほどの力をわからいままにするのも危険だ」

ゼオン「まあ、解読はあきらめたほうがいい」

ゼオン「この字は魔界の文字とは似てはいるが、まったくちがっていた」

ゼオン「魔界のさまざまな言語を学んだオレでも解読できなかったのだからな」

ゼオン「もしかしたら意味などないのかもしれん」

清麿「やはり読めるのは色がかわったここだけか」

ゼオン「その文字が読めるのもお前だけなのだがな」

清麿「何?」

ゼオン「前にもいっただろう?なかなかパートナーがみつからんと」

ゼオン「そのパートナーの基準とはその文字が読めるかどうかなのだ」

清麿「……なるほど。パートナー探しがこの戦いの第一ラウンドってわけか」

テレビ「さてここで、臨時ニュースですが入ってきました!」

ゼオン「……!」

テレビ「銀行強盗です!モチノキ町の甲虫銀行に現在、銃をもった二人組がたてこもっています」

ゼオン「モチノキ町とはここじゃないか」

ゼオン「そういえば、お前の母親は大丈夫なのか? 買い物にいくと言っていたが」

清麿「ああ、お袋の行く場所とは反対方向だ」

テレビ「あっ、ただいま人質の映像が入った模様です」

清麿「!!」

ゼオン「!!」

清麿「水野……!あいつまた捕まって……」

ゼオン「どうする、清麿。助けに行くか?」

清麿「い、いや……ここは警察にまかせよう」

清麿「プロのやりかたってやつがある!素人が下手にてを……」

パンッ

テレビ「犯人が発砲しました!接近を試みた私服警察が足をうたれました!」

清麿「――!!」

テレビ「けが人が運び出されています!犯人は人質を盾のように集め……」

清麿「う……お」

清麿(警察がてを出せない!?)

ゼオン「どうする?このままではあの女が……」

清麿(そうだ、ゼオンと銀色の本……この力をコントロールできれば……)

清麿(いや、ダメだ!一つ間違えたら余計に……)

ゼオン「……」

ゼオン「あの屋上の時の勢いはどうしたんだ?」

清麿「!」

ゼオン「逃げるな清麿。ほんとにそれでいいのか?」

清麿「……」

ゼオン「コントロールすればいいだけの話だろ?」

清麿「しかし…………」

ゼオン「走るしかないだろうが!!」

清麿「!!……ゼオン、力を貸してくれ」

――

清麿「うおおおおお」

自転車 シャカシャカシャカ

清麿(そうだ、オレは変わるんだ!!)

シャカシャカ

清麿「もうすぐだ!」

ゼオン「よし……まずオレがつっこむ。気を取られているすきにお前も入ってこい」シュン

清麿「っておい!?」

警察「!??なんだ、このガキは!?」

ゼオン「どけええええ!!」ガッシャーン!

清麿「あいつ派手にやりすぎだ!」

                                 ,.へ
  ___                             ム  i
 「 ヒ_i〉                            ゝ 〈
 ト ノ                           iニ(()

 i  {              ____           |  ヽ
 i  i           /__,  , ‐-\           i   }
 |   i         /(●)   ( ● )\       {、  λ
 ト-┤.      /    (__人__)    \    ,ノ  ̄ ,!
 i   ゝ、_     |     ´ ̄`       | ,. '´ハ   ,!
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└─────┘  └┘   |__/      |__/      |__/      |__/      |__/      |__/      |__/

銀行――

強盗a「!?なんだお前は!」

ゼオン「フン」ドカッ

強盗a「ぎゃはああ」ゴキッ

強盗b「ゲフッ」バサッ

シーン

清麿「入ってきたけど……オレいらなくね?」




清麿「ったく、何が走れだよ……はあ、はあ。人質だって呆然としていて何が起こったかわかってないし……」

清麿「!!」

強盗a「こんのお、くそがきがああああ」ジャキッ

ゼオン「……」

清麿「い、いかん!」

清麿「やめろお!」

清麿「ザケル!!」びりびりりりりり



清麿「しまった!直撃だ!」サッ

清麿「よかった……生きてる……」

ゼオン『なかなかのコントロールだ』

清麿「あれゼオン?おまえどこに……」

ゼオン『疲れたから先に帰るだけだ』

清麿(まさか強盗を倒さなかったのはわざと……」

水野「高嶺くーーーーん!!」バッ

水野「助けてくれてありがとう!!本当にこわかったよー!」

ざわざわ   「たすかったわ」「たすけてくれたのはあの子ね」「ありがとー」

清麿「いや……これはおれじゃなくて……」

清麿(まったく、あいつは格好つけすぎだぞ)

清麿「ん……? 読めなかったはずのページの色がかわってる……」

清麿「第二の術……ラシルド……!」



清麿(まあ、なんにせよ尊敬はオレの勘違い……)

山中「よう!」

清麿「?」

山中「おまえけっこう根性あるじゃねえか」

水野「高嶺君!この新聞見てよ!」

『お手柄中学生! 銀行強盗逮捕!』

清麿「いつの間に……」

清麿(でも、ゼオンが写ってない……)

清麿(本当に活躍したのはあいつなのに……)

水野「でね、マリ子ちゃんたちが聞きたい事あるんだって!」

清麿「ああ……」  ――――

ゼオン(ふっ、楽しそうだな……)

ちょっとご飯たべてきます

お待たせしました。書いていきます。


細川「ここの中学か? 魔物がいるのは」

レイコム「見るだけだ。いくなよ」

細川「強いんだろ? だったらなおさらほしいじゃねえか」

レイコム「バカを言うな。パッと見ガッシュだと思ったから来てみただけだ。みつからないうちに帰るぞ」

細川「ずいぶんと弱気じゃねえか」

レイコム「オレには相手の強さを測る能力がある。勝ち目はない」

レイコム「仲間を集める。あいつならオレと手を組んでくれるだろう……」

レイコム(ガッシュに似たやつか……要注意だな……)

数日後――

清麿「ゼオンはまた山でトレーニングか?」

清麿「しかしまあ、他の魔物とは出会わないものだ……」

ピンポーン

清麿「ん? 誰だ……?」

清麿「はい…………!!」

シェリー「この本を見せれば大体の事情はわかるかしら」

シェリー「でも安心なさい。私たちは話し合いに来たの……争う気はないわ」

ブラゴ「あがるぞ? かまわぬな?」

清麿「あ……ああ」

清麿(いったそばからかよ!!)

ゼオン「今日はこれぐらいにしておくか……ん?」

ゼオン「これは……魔物?」

ゼオン「オレがいない間をねらうだと……なめたまねをしよって」イラッ

家――

シェリー「おとなしく本をわたしなさい」

シェリー「素直に渡せば痛い目にはあわないわ」

清麿「渡したらどうするつもりだ?」

シェリー「燃やすの。そうすればその本の子は魔界に送還される」

清麿「……だったら渡せないな……」

シェリー「……もしかしてあなた、あの子の力を使い悪いことを重ねていい思いをいてたクチ?」

シェリー「だとしたらよしたほうがいいわ」

シェリー「その程度の事でその本を持ち続けたら」

シェリー「あなた自身がもっとひどい目に合うのよ?」

清麿「…………」

シェリー「そう……レイス……」コオオオ

清麿「!!」

シュ――

ゼオン「フン、鬼のいぬ間にいろいろとしてくれてるじゃねえか」

清麿「ゼオン!」

シェリー「突然現れた……?」

ゼオン「貴様ら覚悟はできてんだろうな!?」ゾッ

清麿「」ビクッ

清麿(なんつーオーラだ)

ブラゴ「シェリー、気を付けろ」

シェリー「?」

ブラゴ「こいつは今までの雑魚じゃない」

ブラゴ「雷帝ゼオン……まさかここまでの大物をひきあてるとはな」

シェリー(!ブラゴがここまで言うなんて、それほどなの!?)

ゼオン「ほう……オレの事をしってるのか。光栄だな……」

清麿「有名なのか……」

ブラゴ「今の魔界の王の子供だ……あいてにとって不足はない!」

ブラゴ「シェリー!」

シェリー「アイアン・グラビレイ!!」

ゼオン「清麿」マントくるくる

清麿「うおっ」

ズドドーー

ゼオン「……ふん、なにかしたか?」

シェリー「なっ、まったくきいてない!?」

清麿「家がアア」

ブラゴ「シェリー、あれをぶつけるぞ!」

シェリー「ギガノレイス!」

ゼオン「おい、くるぞ」

清麿「えっとどれを唱えればいいんだ」

ゼオン「おい」

ドカーン

シュ――

シェリー「!?今何が??」

ブラゴ「ギガノレイスを片手だけで消しとばしやがった」

清麿「うわあ、衝撃でオレの家がアア、もうやめてくれ!オレんちの家のライフはもうゼロだ!!」

ゼオン「おい、たたみかけるぞ!新呪文のほうだ!」

清麿「!!……ああ、ラシルド!」ピカーン

シェリー「盾……?」

ゼオン「…………」

清麿「…………」

ゼオン「おい、真面目にやれ」

清麿「…………すまん」

ゼオン(ちっ、実践経験がなさすぎたか……)

ブラゴ「だあああ」バッ

ガッ、ドガッ、ドオオオ

シェリー「なっ、ブルドーザーをもふっとばすブラゴのパンチをすべて受け流して……」

ゼオン「お返しだ」グシャアアア

ブラゴ「ぐあああ」

ゼオン「清麿」

清麿「ザケル!!」

ブラゴ「がはっ」

ゼオン「ふんこの程度か……」

ブラゴ「!」

ブラゴ(このクソガキ……オレがなめられて……)

ブラゴ「オレをなめるなああ」

ピカーン

シェリー「きた!」

シェリー「ブラゴ、手を前に!」

シェリー「ディオガ・グラビドン!!」

清麿「ラシルド!」

ブラゴ「な、はね返されて……ぐあああああ」

ピカーン

ゼオン「ふっこっちにも新呪文がでてきたらしい」

シェリー「な……」

ゼオン「となえろ」

清麿「え……もういいんじゃ……」

ゼオン「やれ」

清麿「あ、ああ。第三の術マーズ・ジケルドン」

ゼオン「そうか、これは相手を拘束する呪文か」

ゼオン「くっくっく。どうだ、何もできずにとらわれている状況は?」

ブラゴ「……」ギロッ

ゼオン「……いまからこの女を屠る」

ブラゴ「!!」

清麿「!?」

ゼオン「このおれにはむかったんだ。しかるべき罰だ」

シェリー「そんな……」

ブラゴ「ぐ……」

ゼオン「お前はこの女がいたぶられるのをだまって見るしかないってわけだ。泣きながらオレに救いを求める姿がめにうかぶなあ?」

清麿「おい……ゼオン?」

シェリー「うっ」ガシ

清麿「やめろ!!」バッ

ゼオン「!?」

清麿「もう相手はボロボロじゃないか」

清麿「これ以上のこうげきなんていい!家の請求台を払ってもらえばもういいだろ?」

ゼオン「ああ、家のことなら心配するな。二階はボロボロだが一階はすべてマントで守ってある」

清麿「そういうことじゃない!どうしたんだよゼオン? お前は……」

ゼオン「だまれ」

ゼオン「オレは強者だ。弱者になにをやってもゆるされるんだよ」

ゼオン「情けなど無用。王である父が言っていた、非情さと能力こそが王の器だと」

ゼオン「オレはそれを実行しているだけだ」

清麿「違う!!」

ゼオン「!?」

清麿「人々を苦しめて何が王だ!国民を守るのが王の役割だろうが!」

ゼオン「貴様!父を愚弄する気か!?」

ゼオン「――!!」

ゼオン「いない!? いつの間に術の解除を……」

ゼオン「フン、気がそげれた。かってにしろ……今日は山にこもって修行だ」シュンッ

清麿「……」

シェリー「ブラゴ、大丈夫?」

ブラゴ「…………」

シェリー「……まったく歯がたたなかった……」

ブラゴ「……次は……絶対にまけない……絶対に……」

シェリー「強くなりましょう。あの子よりももっと強く……」

清麿(……ゼオン……それがお前の本性なのか……?)

清麿(いや、違う。あいつはほんとはいいやつなんだ)

清麿(あいつのおかげでオレは変われたんだ)

清麿(助けられたんだ)

清麿「…………今度はオレの番だよな」

今日はこれで終わります。確かに最初のアイアン・グラビレイはやりすぎた。グラビレイにしとけばよかったな……
それとコルルの人格が変わるのって第一の術の影響なのか、それとも術自体を唱えたらなのかどっちなんだろう

今日はけっこう時間があるので書いていきます。



バギャアア

春彦「はあはあ、ふう。連続だと六回くらいが限度か」

春彦「まあいい、これだけ使えりゃ上々だ。次は動く標的だな」

数日後

カロン「あら、出かけるの?」

レイコム「ああ、植物園のほうにな、お前もくるか?」

カロン「うーーん。あいつがいるから嫌なのよね」

レイコム「そのあいつに会いに行くんだ。拠点を移そうとおもう」

カロン「ガッシュに似たやつから逃げるため? いくらなんでもびびりすぎじゃない?」

カロン「だからあんた、弱いのよ」

レイコム「お前こそ、あのときオレが助けなきゃスギナにやられていただろうが」

カロン「はいはい、お互い弱いってことね。あんた一人じゃあぶないからついて行ってあげるわ」

カロン「私たちが手を組めば最強なんだから」

植物園――

清麿「本当にここなのか?」

ゼオン「ああ、ここで先日魔力の反応があった」

ゼオン「立て続けにきているようだ。今日もここに来る可能性が高い」

清麿(できる限りほかの人が巻き添えにならないようにしたいところだが)

ゼオン(新しくでた呪文の方ももう試してある。これで少しは清麿のやつも戦うことができるだろう)

清麿「ははっ、しっかしかわんねーな。日曜なのに数えるほどしか客がはいってねえし」

つくし「なにがかわらないって?」

清麿「うおあっ」

清麿「は、はは。お久しぶりです」

つくし「ふん、しばらく顔みせなかったわりにはげんきそうじゃない?」


ゼオン(……いるな。詳しい場所まではわからないが……しかし偶然か?)

ゼオン(別の魔物がここに近づいてくる……もしかしたら組んでいるのかもしれんな。まあ敵がなんにんだろうとつぶすだけだが)

春彦「……八人か。……まあこんなもんだろう」

春彦「トレーニングスタートだ!」

春彦「ジュロン!」ズアア

――

「なっ」「ぐあっ」「きゃああ」

清麿「な、これは!?」

ゼオン「やつらだ、もうひそんでいる」

つくし「清麿、何が起こって……きゃああ」

清麿「つくし!!」

春彦「ちっダメじゃねえか。みんなしっかり逃げてくんねえと」

春彦「オレたちのトレーニングになりゃしねえ」

清麿「何!?お前らトレーニングだと」

春彦「なんだ、まだいるじゃねえか。捕まってないやつが……そうさ。力を使いこなすためのトレーニングよ」

春彦「おいお前ら、三十秒時間をやる」

春彦「せいぜい遠くに逃げな。でないと……」

つくし「きゃああ」

春彦「こいつみたいに苦しい目に遭うぜ!」

清麿「ザケル!」ドカーン

春彦「うっわっと」

春彦「あ、あぶねえ……まさか、あいつら」

スギナ「!……そうかあれがガッシュに似たやつ……」

清麿「つくし、すまねえ。少しだけあんたの友達を傷つけるぜ」

清麿「でもよ、必ずあいつらをぶちのめしてやるから……」

清麿「こい、ゼオン!」タッ

ゼオン「!?」

清麿「ゼオン、お前はあいつらをどう思う?」

ゼオン「お前の大切な奴が傷つけられて、お前の怒りが伝わってくるな」

清麿「それだけじゃない」

ゼオン「……?」

清麿「オレの事はいい。お前の意見を教えてくれ。奴らのしたことについてだ」

ゼオン「まあ、なかなかの良いトレーニング方法だとは思うがな」

ゼオン「対人の実践練習にもなる、今度オレたちもやってみるのはどうだ?」

清麿「……やはりお前はそういう考えなのか……?」

ゼオン「何か都合の悪いことでもあるのか?」

清麿「奴らは関係ない人たちまでまきんでいるんだぞ!?」

ゼオン「……?関係ないなら、いいじゃないか。別に悲しむことなどないだろう?」

清麿「……本気で言っているのか?」

ゼオン「ああ」

清麿「…………だとしたら、オレはお前とはやっていけない」

ゼオン「!!」

清麿「お前にはわからないのか?人の痛みが……苦しみが!」

ゼオン「フン……苦しいのは弱いからだ。同乗の余地などないな」

清麿「じゃあ、なんでオレを助けてくれたんだ!?」

清麿「オレだって弱い人間だ」

ゼオン「違うな。お前は人間界の中で優秀な人間だ。才能が腐るところだった。見逃すわけにはいくまい」

清麿「本当にそれだけか……?」

ゼオン「…………」

ゼオン「……ああ」

清麿「…………」スッ

ゼオン「おい、どこに行く?」

清麿「オレは捕まった人たちを助けに行く。お前はかってにしろ」

ゼオン「なっ、助けるのはこの女だけでいいだろうが!あんなもの放っておけ!」

ゼオン「……行きやがった」

ゼオン「何かいけない事でも言ったのか?……何故……」

ゼオン(いや、違う……そうだ……)

ゼオン(そもそも人間の力なんて借りようとしたのが間違いだったんだ)

ゼオン「ふっ、オレ一人で奴らをたおすなんて簡単なことじゃないか」スッ

すみません。気を付けます。

春彦「ほう、来たか。逃げるのかと思ったぜ」

ゼオン「フンッ」シュンッ

ドシャアアア

スギナ「があああ」

春彦「なっ……全く見えな……」

ゼオン「消えろ!!」

???「ギコル!」ドカカカ

ゼオン「氷?」マントくるんっ

細川「助けにきたぜえ、スギナアアア」

ゼオン「フン……二対一か……このオレ相手にそんなもの……」

ピカーン

ゼオン「!?三体目か!」

キュミエル「……」

ゼオン(すごい光だな……清麿にも……いや、何を考えている!やつはもう……)

キュミエル「モケルドオオ!!」ブオオオ

ゼオン「黒い煙……?」

細川「フリズド」ピキピキ

ゼオン「足が凍って……フン、こんなもの!」パキーン

細川「ずいぶんとやられてるじゃねえか、春彦」

カロン「あれがガッシュに似たやつ……?」

レイコム「!あいつ、パートナーがいないのか……?」

カロン「チャンスってわけね」

補足
カロンとキュミエルはオリキャラです。どちらも女でカロンの方が魔物です。

ゼオン(術が使えればこんな煙など……)

キュミエル「ゼガルガ!」

春彦「ジュロン!」

細川「ギコルガ!」

ゼオン「!」

ドカーーン

ゼオン(三方向から……油断した!)

キュミエル「ボルク!」ボウッ

ゼオン「だが、だんだんと煙が晴れてきたな……そこだ!」ガッ

ゼオン「残像……?」

キュミエル「モケルド!」ブオオオ

ゼオン「くそっ、また……!」

キュミエル「ゼガルガ!」

春彦「ラージア・ジュガロ!」

細川「ギコルガ!」 ドーン!

ゼオン「ぐううっ……」





ゼオン「効かねえんだよ!こんの雑魚供がああ!」ザザッ

春彦「よし、いったん距離をとるぞ!」

カロン「ふふっ、焦ってるみたいね」

キュミエル「しっかしタフね……これだけ攻撃を浴びせているのに……」

――

ゼオン「はあ、はあ……くそっ、どこにいやがる!?」

キュミエル「モケルド!」ブオオオ

ゼオン「そこかああ!」バッ

細川「ギコルガ!」

春彦「ジュロン!」ドカーン!

清麿「ゼオン!後ろだ!」

ゼオン「!!」

清麿「ラシルド!!」ドンッ

細川「ぐあああ!」

春彦「ぐううう!」

ズザザザザ!

ゼオン「清麿……」

清麿「危なかったな」

清麿「全員助けてきたぞ」

ゼオン「……」

清麿「どうした、一人で倒すんじゃなかったのか?」

ゼオン「……」

清麿「たとえどんなに強くても、一人じゃあ限界があるんだ。」

清麿「弱いやつだって、力を合わせれば、どんな強いやつだって倒すことができる」

清麿「信頼されなかったら、裏切りだって起こる」

清麿「もしお前が王になって、人々を力で押さえつけようとしたら」

清麿「いつか必ず滅びる」

ゼオン「……」

清麿「ま、おれだってそんな人の事言えねえけどな」

ゼオン「フン……言ってくれるな」

ゼオン「……力を貸せ、奴らを倒す」

清麿「おう」

キュミエル「ついにパートナーと協力ってわけ!?」

カロン「逃げるわよ!」サッ

キュミエル「え、カロン!?」

春彦「ここまでやったんだ!負けるかあ!ラージア・ジュガロ!」ドドーン!

レイコム「お、おい!!」

清麿「ザケルウウ!」ドカーン

レイコム「なっ!」

スギナ「これほどまでの力が……!」

 「うわああああ」バ―――ン!

メラメラメラ

清麿「やったか?」

ゼオン「ああ……一体は逃げたがな……」

ワ――――

「ありがとう!」

ゼオン「!」

「ちいさいのに強いのね」「ありがとう、たすかったよ」

つくし「あんた、やるじゃない」

ゼオン「フン」

つくし「このっ素直じゃないやつめ!」ガシッ

ゼオン「は、離せ!」

ゼオン(……しかし、こんなに人に感謝されるなんて初めてだな……)

ゼオン(なんだか変な気分だ……)

清麿(ごめんな。銀行強盗のときはオレだけが感謝されて)

清麿(もしかしたら、感謝されることが一番、心を救ってくれるものなのかもしれないな)

ザ―― ザ――

えーん、えーん

コルル「うえーん」

しおり「……どうしたの? お父さんとお母さんは?」

家――

しおり「おお、ぴったりぴったり。よかったわ、昔の服取っておいて」

コルル「私の服は?」

しおり「安心して、ちゃんと洗濯して返すから」

しおり「持ってきたカバンもここにあるよ。それよりご飯食べましょ!」

しおり「あなた、名前は?」

コルル「コルル」

しおり「コルル……コルルちゃんね。私はしおりよ、よろしくね!」

コルル「しおり……しおりちゃんね!しおりちゃんは優しいね」パアア

しおり「うーん、なんだか、ほっとけなかったのよね」

しおり「そ、そーだ。それよりお父さんとお母さんはどうしたの?」

コルル「……いないの……」

しおり「いないって、そんなわけないでしょ。じゃあ、お家の電話番号は……?」

コルル「ごめんなさい。本当にこっちで心配してくれる親はいないの」

コルル「……本当にひとりなの……」

しおり「……」

コトン

しおり「このプリン、食べていいよ」

コルル「ありがとう、しおりちゃ……」

しおり「ねーちゃんって呼びな」

コルル「……!」

コルル「ねーちゃん!」

しおり「よし、それでいい!それ食べたら私の部屋で遊びましょ」

数日後――

ゼオン「こ……これは……なんということだ!」

ゼオン「なんておいしいホットドッグなんだ!」キラキラ

ゼオン「この新発売のホットドッグ……」

ゼオン「こんなおいしいものがあるとは……人間め、やりよる!」

ゼオン「オレが王になったら、ぜひともこれを作らせよう!」

ゼオン「しかし清麿から、くすねた金で三十個も買ってしまった……」

ゼオン「い、いや。これは仕方のないことだ。魔界の復興に必要なことなんだ」

ゼオン「さすがにたくさん買いすぎたな……公園で食べるか」

公園――

コルル「ふふふふ。ティーナちゃん、お花の冠よ。きれいになったわね」

ゼオン「ん……?子供か?」

コルル「……!」

コルル「ガッシュ!?」

ゼオン「貴様誰と勘違いしている……」イラッ

コルル(!……よく見たらガッシュじゃない……!?)

ゼオン「魔物か……」

ゼオン「……フン、お前は実に運がいい」

ゼオン「オレは今すこぶる機嫌がいい。お互いパートナーもいないようだ。見逃してやる」

ゼオン「とっとと消えろ」

コルル「…………」ジー

ゼオン「……見逃してやると言っているのに、バカなやつめ……」サッ

コルル「そのホットドッグ……今日新発売の、ボリューム満点丸々ホットドッグ?」

ゼオン「何!? 知っているのか!」

コルル「うん! とってもおいしそう!」

ゼオン(こいつ……できる!)

ゼオン「一つやろう」

コルル「えっ、いいの!?いただきまーす!」パク

ゼオン「どうだ?」ドキドキ

コルル「おいしい!」

ゼオン「……いい答えだ」

しおり「コルル、お待たせ! さあ、帰ろ」

コルル「しおりねーちゃん!」

ゼオン「本の持ち主か……」モグモグ

しおり「あら、お友達?」

コルル「ううん、さっき会ったばかり……」

しおり「あ、それ! 新発売のホットドッグじゃない!」

ゼオン「!」

ゼオン(パートナーまでまで知っているだと!)

ゼオン(こいつら、今までで一番の強敵かもしれない)

ゼオン「一つやろう」

しおり「えっ、あ、うん。ありがとう」

ゼオン「…………」ドキドキ

しおり「おいしーい! このソーセージがボリュームたっぷりで、野菜とあう!」

ゼオン(見事な答えだ……二人そろってこの味がわかるとは……)

ゼオン「命拾いしたな! その舌に免じて、今日は引き分けということにしといてやろう!さらばだ!」スッ

しおり「……何? あの子……」

コルル「さあ……?」

家――

ゼオン「うまい、うまい。しかたない。清麿の分も残しておいてやろう」モグモグ

清麿「ただいま」

ゼオン「清麿、ホットドッグだ」

清麿「ホットドッグ? こんなに買って……なにかセールスでもあったのか?」

ゼオン「……」

清麿「どれ……」ぱくっ

ゼオン「……」

清麿「うーん、おいしいけど、なんかソーセージがなあ……もう少しヘルシーな方が……」

ゼオン「こんのバカモンがあああ!!」目つぶし

清麿「ぎゃあああ」

ゼオン「そんなんだから、いつまでたっても弱いんだよ!」

清麿「や、やめろ! 暴れるなああ!!」

――

テレビ「次のニュースです。モチノキ町の○○付近で連続通り魔事件が起きたもようです」

テレビ「負傷者はみな、鋭利な刃物のようなもので全身を切り裂かれており……」

ちょっと中途半端ですが、今日はこれで終わります。カロンは口から術を出すタイプで、正史ではスギナに敗北したという設定です。

では、書いていきます。

しおり(なんなのあの姿は? あの力は?)

しおり(……助けてよ、誰か……優しいコルルを助けてよ!)


しおり家の近く――

清麿「ここか……」

清麿(ここが昨日、通り魔事件が起きた場所……)

清麿(魔物の子が絡んでいるとは断定できないが……)

清麿「そういえばゼオン、新呪文がでていたぞ。しかも二つも!」

ゼオン「…………」

清麿「……まだ怒っているのか?」

ゼオン「……」プイ

清麿「はあ……」

しおり(本さえ読まなければ、コルルは優しいコルルのまま……)

しおり(本さえ読まなければ)

コルル「おねえちゃん」

しおり「! な、なに? コルル……」

コルル「どうしたの? 今日はずっと元気がないね?」

コルル「昨日……私どうなったの? 何かあったんじゃないの」

しおり「何を言ってるの!? 何もないって! ほら、トス!」

コルル「わ、わわ」バシッ

コルル「あ……」てんてん

しおり「ご、ごめんね、コルル」

コルル「うん、取ってくる。でも、いきなりはなしよ」てくてく

しおり「……! だめ!! 車道に出ちゃ!」

コルル「え?」

大型「ププ――!!」

しおり「わあああ」

しおり(もうこれしか……!)

しおり「ゼルク!!」ゴシャアアア

――

清麿「!!」

清麿「魔物が暴れて……く、くっそお、ザケル!」ドカーン

コルル「きゃあああ」

コルル「い……痛い……早く呪文を……」

しおり「う……ゼルク!」

ゼオン「!? あいつは……」

ゼオン(……まさかこの魔物……)

コルル「うおお」バッ

シャキーン シャキーン

ゼオン「フン、爪で攻撃か……だが遅すぎるな」シュンッ シュンッ

しおり「全部よけられて……!」

ゼオン「フッ」ダゴーン

コルル「ぐあああ」

しおり「コルル!」

ゼオン「!」

しおり「! 新しい呪文が!!」

コルル「はやくそれを読めえ!」

ゼオン「……」

清麿「ゼオン、くるぞ!」

ゼオン「清麿、呪文をとなえるな」

清麿「何!?」

清麿「どうかしたのか……?」

ゼオン「ああ……やつらと話し合う」

清麿「!!」

清麿(あのゼオンが話し合う!?)

そろそろ肉弾戦だけで素リオウぐらいならボコボコにできそうだな
狂化状態はまだ無理と思うけど

しおり「ゼルセン!」ブァッ

ゼオン「フン」ガッ

しおり「! はねのけて……」

コルル「があああ」バッ

ゼオン「とびこんでくるとは、いい度胸だが……」ドスッ

コルル「あ……が……」

ゼオン「相手がわるかったな」ドサッ

しおり「コルル!? ……くっ、ゼ……」

ゼオン「呪文をとなえるな!」

しおり「!!」ビクッ

ゼオン「オレたちは何もしない……呪文をとなえなければ、こいつも元に戻る」

半角ですか……すみません、難しいですね……
小文字ってことですかね?

あ、すみません。わかりました。直します。


ゼオン(……聞いたことがある。戦う意思の弱いものに、別の人格が与えられると……)

ゼオン(戦うことから逃げられないようにするために)

ゼオン(当時は、能力を測るための最善の措置だと思っていたが……)

コルル『このホットドッグ、おいしい!』

ゼオン「…………」

ゼオン「……ふざけやがって……」ボソ

ゼオン(……呪文とは、その魔物の眠っている力だ……コルル、お前の持っている力がこんな力なわけがないだろうが……)

一応言っておくと半角カタカナを要求されてるのは効果音のとこだけだと思うぞ

清麿「ザケル!」ゴッ!
ゼオン「……ふざけやがって……」ボソ

みたいな感じで

あれ、ちがいますね。 !、?のことじゃないですね……半角カタカナですか……

パソコンならF8で未変換の文章全部半角カタカナにできる
スマホなら変換候補の最後の方にある

すいません、ありがとうございます。直しますね。


コルル「? ……町が……? ……!」

コルル「そう……なのね、私なのね」

しおり「な、何言ってるの? もう終わったのよ!」

コルル「でも、私がやったんでしょ? 私がみんなを傷つけたんでしょ?」

ゼオン「全員ではないな。残念ながら、オレ達には指一本ふれることはできなかったぞ」

コルル「あなたは……」

コルル「この本を燃やしてください!」

コルル「もう、こんなのいやなの!」

ゼオン「その本を燃やせば、お前は消え、魔界に帰ることになるぞ」

しおり「何よそれ……い、いやよ、そんなの許さないわよ!」

しおり「やっと、やさしいコルルに戻ったのに……なんで……」

ゼオン「お前は本当はここにいたいんじゃないのか?」

コルル「この本がある限り、きっとまた同じことが……私は今まで多くの人を……」

ゼオン「甘ったれるな!」

コルル「!?」

ゼオン「お前の言ってることはな、ただの逃げなんだよ!」

清麿「お、おい、ゼオン……」

ゼオン「なぜ戦わない!? なぜ抗わない!? もう一つの人格ごときに負けてんじゃねえよ!」

ゼオン「ここにいたかったら戦え!」

ゼオン「今まで目をそらしてきたやつが楽な道とろうとしてんじゃねえ!」

コルル「そんなこと言ったって……私には無理だよ!」

ゼオン「……信じろ。お前のなかには無限の可能性がある」

ゼオン「人を傷つけるだけじゃない……お前の本当の力があるはずだ」

コルル「私の……本当の力……?」

コルル(私は……)ピカーン

しおり「! 本が……また新しい呪文が……」

ゼオン「オレにうってみろ」

コルル「えっ、でも……」

ゼオン「お前の術ごときでオレがケガすると思ってんのか? はやくしろ」

しおり「……第三の術、サイフォジオ!!」ズサッ

ゼオン(ハートマークの剣……)

ゼオン「!! なっ、これは……疲れがとれて……」

ゼオン「回復呪文だ……」

コルル「私にも、こんな力が……」

ゼオン「フン、素直な奴だ。傷つける力じゃないと言ったとたん、回復呪文とは……」

ゼオン「まあ、よかったな。これでお前が傷つけたやつらも治してやることができる」

ゼオン「帰るぞ、清麿」

清麿「え、ああ。もういいのか?」

ゼオン「ああ」

コルル「あ、あの! ありがとう!」

ゼオン「フン、お前はオレが認めた魔物なんだ。早々にリタイアしてんじゃねえぞ」

しおり「……ありがとう。コルルを止めて……助けてくれて……」

――

清麿「めずらしく熱くなってたな」

ゼオン「……フン。お前のがうつったのかもな」

見苦しいところをみせてすみませんでした。
一応書き溜めはしているのですが、直したいところがあるので今日はこれで終わります。
ご指摘ありがとうございました。

ガッシュの電子書籍キタ━━━ヽ( ゚∀゚)人(゚∀゚ )メ( ゚∀゚)人(゚∀゚ )メ( ゚∀゚)人(゚∀゚ )ノ━━━!!!!!!!!

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  * ※キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!※ *
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始めますね。


ピカーン

清麿「……また本が光ってる。最近、新呪文がよく増えるな。普通こんなに覚えるもんなのか?」

ゼオン「まあ、トレーニングの成果といったところだろうな」てくてく

清麿「どこ行くんだ?」

ゼオン「少し野暮用にな。お前も学校サボるなよ」バタン

清麿「……どこに行くんだ? トレーニングじゃなさそうだが……」

清兵衛「ここか、モチノキ町。ここに敵がいるんだな?」

フェイン「ええ、そうよ。何度も力を感じる」

運転手「おい兄ちゃんお勘定! 四国からずっと乗ってきといて払わんきやないやろうな!?」

清兵衛「うるせえな、力もねえおやじがよぉ」

清兵衛「ウイガル!!」ゴシャアア

運転手「うわああ」

清兵衛「ふう、いいよな、やっぱ……この力、スカッとするぜ!」

清兵衛「あれこれ、うるせえ奴を簡単にだまらせる。誰もさからわねえ」

フェイン「ええ、そうよ。そして私は王になる」

フェイン「力をつけて誰もさからえない王になるの」

清兵衛「で、どうなんだ? 奴らの力は」

フェイン「少し前は強い力の波動もあったけど、今はわずかな力しか感じない」

フェイン「我々だけで十分倒せるレベルよ」

喫茶店――

清兵衛「……どうだ、まだか」

フェイン「力をあまり感じないわね。普段は呪文を使わない奴らかもね」

フェイン「でも、大丈夫。この本を持ってる限り戦いから逃げられないのよ」

フェイン「……!」

窓をのぞくフェイン

フェイン「見つけた」

コルル「しおりねーちゃん、次は?」

しおり「次はあっちの病院ね。あと一人よ」

コルル「ありがとね。学校まで休んで手伝ってくれて」

しおり「なーに行ってるの、そんなのあたりまえじゃない。コルルだって一刻も早く助けたいでしょ?」

コルル「う、うん」

しおり「なら決まり。」

フェイン「ふっ、弱そうなガキね」

清兵衛「ウイガル!!」ゴオオオ

コルル「え?」

しおり「きゃあああ」ドーン

清兵衛「いたぜ! 本の持ち主!」

フェイン「さあ、おとなしく本を燃かせて!」

フェイン「王になるのは私なの!」

コルル「王……」

「ぐ……」「いたい……」「ぐおお……」

コルル(この人が王……!?)

しおり「こんな街中で……コルル、走るよ! 人のいないところに!」

廃ビル――

しおり(今コルルが使える呪文と言ったらサイフォジオのみ……)

しおり(とてもじゃないけど戦えない……!)

しおり(ゼルク……ううん、あれは使わないって決めたの。何があっても絶対に使うもんですか!)

しおり「コルル、スキをついて逃げるわよ」

コルル「え……」

しおり「私たちはまだやることがある。ここでやられるわけにはいかないわ」

しおり「とりあえずもっと奥にいくわよ」タッ

フェイン「こんなところに逃げて……死ぬのは同じなのにね」

ゼオン「お前がな」

フェイン「!! 誰……ぐおお」ドゴッ

ゼオン「はあ、オレも過保護だな……」

フェイン「くう、仲間がいたのか!? 清兵衛!」

清兵衛「ウルク!!」ヒュバッ

ゼオン「フン」

フェイン(な……こいつ、高速移動をしている私を目で追って……)

ゼオン「さすがのオレでもこの速さほどに動けないが、バカ正直に突っ込んでくるんじゃ、カウンターなどわけもない」

ドゴ―ン!!

フェイン「げ……ほ……」ドサッ

清兵衛「……!? は……? 一体何が!?」

ゼオン「あのスピードで殴られたからな。もう立てんだろうな」

ゼオン「さあ、さっさと本をよこしな!」ライター、シャキーン

清兵衛「う、うわああ」

メラメラ

コルル「? ……! あの人は……」

コルル「あ、あの……」

ゼオン「!!」

コルル「また、助けてくれたの……?」

ゼオン「……勘違いするな。たまたま通りかかっただけだ」

コルル「ありがとう。えっと……」

ゼオン「……そういえば言ってなかったな。ゼオンだ」

コルル「ありがとう、ゼオン。……ゼオンは強いね」

コルル「もしゼオンが王様になったら、優しい王様になってくれる?」

ゼオン「……?」

コルル「ゼオンみたいな魔物が王様になってくれたら、こんな苦しい戦いしなくてすんだのかなって思うの……」

ゼオン「この戦いを……」

コルル「うん……」

ゼオン「断る」

コルル「え……?」

コルル「で、でもゼオンなら……」

ゼオン「なぜオレがお前ごときに命令されねばならん?」

コルル「……っ、そ、そうだよね……」

ゼオン「そんなになくしたいならお前がすればいいだろう」

ゼオン「優しさならオレよりもお前のほうが上だろうが」

コルル「む、無理だよ……私弱いし……」

ゼオン「面倒な奴だな。本当に弱いのか試してみるか? お前にあったトレーニングを少しだけなら教えてやってもいい」

コルル「私の……?」

ゼオン「それをして弱いんだったら潔くあきらめろ。やってみるか?」

コルル「……ははっ、やっぱりゼオンは強いや」

ゼオン「……は?」

コルル「だってゼオンは優しいもん」

ゼオン「…………フン。勘違いも甚だしいな」

ゼオン「じゃあな、オレは帰るぞ」

コルル「うん……ありがとう。……あ、あのさ」

ゼオン「なんだ」

コルル「トレーニングもするけど、もしよかったら一緒に遊ばない?」

コルル「そ、その……私まだ引っ越したばかりで……」

ゼオン「…………」

コルル「い、いやならいいの! お姉ちゃんが学校の時は一人だから……」

ゼオン「……まあ、オレが本当に暇な時ならな。ちゃんとトレーニングはするようにな、また今度行ってやる」シュンッ

コルル「……消えちゃった……」

しおり「ふふっ、よかったね! コルル!」

コルル「うん!」

あれから数週間がたった。

公園――

コルル「ティーナちゃん、ゼオンが帰ってきたよ、お茶の準備しなきゃね」

コルル「はい、召し上がれ」

ゼオン「……」

ゼオン(空のコップ……)

ゼオン「それより、コルル。ちゃんとトレーニングはしたのか?」

コルル「うん、ちゃんとやったよ! それよりどう? お茶の味は?」キラキラ

ゼオン「…………ああ……おいしいな」

コルル「ふふっよかった。ゼオンのために心を込めてつくったんだよ」

ゼオン(……なにを? コップをか……?それはすごいな……)

ゼオン(それにしても遊ぶっていうのはこういうことなのか……?)

ゼオン(オレは今まで誰かと遊んだことがない……)

ゼオン(遊ぶとすれば、イメージトレーニング、読書、一人チェス、一人おにごっこ……)

ゼオン(こんな遊びはしたことないな……)

ゼオン(楽しいのか、これ……)

コルル「ふふふ」キラキラ

ゼオン(……楽しそうだな……)フッ

ゼオン(……!? これは……)

ゼオン(魔物の気配……来たか……)

ゼオン「すまない、コルル。少しぬける」

コルル「えっ、すぐに帰れる?」

ゼオン「……わかった。約束しよう」タッ

――――

学校――

エシュロス「ははは、やっちまえ!」

進一「グランセン!!」ドカーン

ゼオン「!?」

ゼオン「あいつら……学校を壊して……」

エシュロス「! 誰だ!?」

進一「ひいいいいい」

エシュロス「おい! どうした!?」

進一「目がこわいよおお」

エシュロス「…………」

ゼオン「…………」

エシュロス「なるほど、魔物か……。はるばる北海道から来たかいがあったぜ」

ゼオン「悪いがさっさとすませるぞ。待たせてるんでな」ギロッ

進一「ひいいいい」

エシュロス「臆するな! オレ様は魔物の中でもエリートだ!」

エシュロス「使える呪文もすでに八個。負けるわけがない!」

ゼオン「……ほう」

ゼオン「くっくっく、八個ねえ……」

進一「話し合えばなんとか……」

エシュロス「そんなのムダだ! 話したことがあるだろ!? オレと同じ力を持ったやつがオレを倒しに来ると!」

エシュロス「あいつがそうだ!」

エシュロス「戦わないとオレがいなくなるぞ! オレの力なくしてお前、ママの願いが叶えられるのか!?」

進一「! そうだ! 僕はママが天国で心配しない大人になるんだ!」

エシュロス「お前さえやる気になれば、負けることなどない! 私は……私は……エリートなのだ!!」

進一「グランダム!!」バンッ

エシュロス「フッ、もろかったな! どんな魔物か知らんが、オレ様にたてつこうってのは十年早いんだよ!!」

ゼオン「格好つけているところ悪いが、こんな単調な攻撃簡単によけられるんだよ」

エシュロス「なっ、背後に!! 進一、防御だ!」

進一「ク……クレイシル!」バッ

ゼオン「はっはっは、防御呪文とはおもしろいやつだ。何がしたいんだ?」

エシュロス「ぐうう、進一! 攻撃だああ!!」

進一「グランガルゴ!!」ズガガガ

ゼオン「フッ」シュン、シュン

進一「近づくな! クレイド!!」ズルア

ゼオン「」ヒョイ

進一「グランバオ!!」ドガアア

マント「くるるん」

エシュロス「なにをやっている進一! なんでこれだけの呪文を持っていながらあいつ一人を止められない!!」

エシュロス「しかもあいつはパートナーさえいないんだぞ!?」

ゼオン「くっくっく、安心しろ。お前面白いやつだからサービスにオレのパートナーを呼んでおいてやったぞ」

進一「グ、グランセン!」ドドド

ゼオン「ふん」クルン

エシュロス「生身で突っ込んできた!?」

ゼオン「」ブンッ

エシュロス「ぎゃああああ」ドカーン

エシュロス「痛い……なんてパンチだ……」

ゼオン「はっはっは」てくてく

エシュロス「くるなああ、進一!」

進一「グランクラッグ!!」ゴバア

ゼオン「おっと」ヒョイ

ドゴ―ン!

エシュロス「がはあああ」

エシュロス「っ……痛え……」

ゼオン「どうした、エリート。呪文も使わない相手にもうグロッキーか?」

進一「エシュロス! 手を前に! 最大呪文だ!!」

進一「グランバイソン!!」ドン

清麿「ザケル!!」ドカーン

進一「なっ! そんな……最大術が……」

ゼオン「くっくっく、やっと来たか……」

ゼオン「おい、人間!」

進一「ひ……」

ゼオン「お前、学校を壊すことで母親が心配しない大人になるとかいっていたが、本当にそうおもってるのか?」

進一「っ……学校は悪いところなんだ! 壊さなきゃいけないんだよ!」

ゼオン「それ、お前の母親が言っていたのか?」

進一「……え……」

ゼオン「そこの魔物が言っていたことをバカみたいに鵜呑みにしていただけじゃないのか?」

進一「それは……」

清麿(オレがいない間に何があったんだろう……)

エシュロス「黙れ! 進一、攻撃だ!!」

進一「で、でも」

エシュロス「何を迷ってる!? お前また一度決めたことを投げ出す気か!?」

進一「う……で、でも……」

エシュロス「くそがあ! 今までそのうじうじした態度でいじめられてのがわからねえのか!?」

エシュロス「お前はオレの言う通り動いてりゃいいんだ! そうすりゃママも喜ぶんだよ!」

エシュロス「お前のような奴は何も考える必要ねえんだよ!」

清麿「てめえ……!!」

ゼオン「ふははははは!」

進一「!?」

ゼオン「本当に面白いなあ、お前らは。お前らみたいなのを見てると徹底的につぶしたくなる。くっくっく」

エシュロス「なっ!」

ゼオン「一つ言えるとしたら、誰かの言いなりになってる間お前の母親は絶対に微笑まねえな」

進一「!」

ゼオン「まあいい。どうやら、お前の呪文八個はすべて披露してくれたようだ」

ゼオン「だったら、今度はこっちが見せてやろう」

ゼオン「オレの覚えている呪文は九つだ。ちゃんとじっくり鑑賞するんだな」

エシュロス「……九つ……?」

ゼオン「さあ、清麿! 当てるなよ? 全てみせてやれ!!」

清麿「あ……ああ。ザケル!!」ドカーン

ドカーン!!


―――

ゼオン「くっくっく、どうだ? ケガはないか?」

エシュロス「」ブルブルガタガタ

ゼオン「くはははは、どうやらないようだな。よかった、よかった」

エシュロス「……」ブルブルガタガタ

清麿「…………」

進一「エ、エシュロス!?」

ゼオン「ああ、しまった。コルルを待たせてるんだった。帰るか」

清麿「お、おい! 本は!?」

ゼオン「ああ、お前ひとりでやっとけ」シュンッ

清麿「オレ一人じゃあ無理に決まってるだろ!」

清麿「……はあ、よくわからねえけどオレも帰るか」

エシュロス「……」ガタガタブルブル

進一「エシュロス……?」

エシュロス「……」ガタガタブルブル

進一「どうしたんだよ! いつものエシュロスはどこにいったんだよ!?」

エシュロス「うっ……うっ……怖いよ、怖いよぉ……」ポロポロ

エシュロス「うっうっ……助けてよ……」

進一(……ぼくは今までこんなやつの言いなりになってたのか……)

進一(自分の情けなさがどれほどなのか気づかされたよ……)

進一「エシュロス、帰ろっか?」

エシュロス「うう……」ポロポロ

進一「ほら」

エシュロス「……」ギュッ

進一「エシュロスがこんなだし僕がしっかりしないと」

進一「ほら、ビクビクしないでくれ。もう大丈夫だから」

エシュロス「進一……シンイチ―」ポロポロ

進一「はあ、なんて情けないエリートだよ、ほら泣くな! ぼくがついてるだろ!」

エシュロス「う……うん」ギュッ

今日はこれで終わります。
最初はゼオンとガッシュだけの入れ替えにしようかなと考えていたのですが、
どうしても出したいキャラがいるので一部の他の魔物のパートナーもかえようか迷ってます。
ss的にはゼオンとガッシュだけのほうがきれいなんだけどな……
悩みますね。

色々とありがとうございます。オリジナルキャラではなく、原作に出てくる魔物と人間を入れ替えるといった感じです。
キャラというより出したいコンビっていうのが正しいです。
まあ、たぶん今日は出ないんでこのまま進めたいと思います。


山――

ゼオン「……最近魔物と会わないものだな」

コルル「はあ……はあ……」

ゼオン「どうした、コルル? もうへばったか?」

コルル「ううん、まだまだ……」

ゼオン「もっと体力をつけたほうがいいな。人間のほうにもやらせた方がいいだろう」

ゼオン「その方が逃げられる可能性もあがる」

コルル「逃げるためか……」

ゼオン「……まだ始めたばかりだからな」

ゼオン(もしかしたら、オレに恐れて近づかない可能性もある……)

ゼオン(まあいい。弱いやつらはほっといても消える)

ゼオン(コルルを鍛える時間も増えるというわけだ)

ゼオン「よし、もういいだろう。帰るぞ」

コルル「ふう、疲れたあ」

ゼオン「寝る前でいいからちゃんと瞑想、イメージトレーニングをしておけよ」

――

清麿「おうお帰り! 二人とも」ニヤニヤ

ゼオン「どうかしたのか?」

清麿「フフフ、これを見ても驚くなよ」バッ

『おめでとう、人間界に生き残った諸君よ! この時点をもって残りの魔物の数は七十名になりました』

『これからも魔界の王になるべく戦い合ってください』

コルル「おおー!」

ゼオン「意外にも早く残り七十名になったな」

ゼオン(他のやつらはしっかりと戦っていたってわけか)

ゼオン(憎っくきやつはどうなっているだろうか、まだ生き残ってるのか?)

カタカタカタカタ

研究者『解答の成否はこちらでモニターしている数十名の学者で判断する』

研究者『世界最大の難問と呼ばれるものばかりだが、君なら解けるだろう』

カタカタカタカタ

研究者『君のアンサー・トーカ―の才能が発揮されるのは学問に限らない』

研究者『まさにスーパーマンだ! 君を敵に回したらこれほど怖い存在はないだろう』

研究者『そこで我々は……』ウイーン

研究者『君をこの研究施設ごと北極の地に破棄することにした』ゴオオオ

ガッシュ「ウ……ウヌウ……さ、寒いのだ……」ガタガタ

デュフォー「!?」

ガッシュ「お、おー! やっとドアが開いたのだ……は……早くうう」

ガッシュ「凍え死んでしまうのだ!」タッ

デュフォー「おい待て!」

ドオオオオン!

ガッシュ「ヌーー!! 建物がー!」

デュフォー「……ちっ危ないやつめ。オレが答えを出してマントを伸ばし、かつ回避させなければ死んでいたぞ……」

ガッシュ「ウヌ? お主……? おお、マントが伸びて!」

デュフォー「イメージしろ、伸びるイメージを」

ガッシュ「おお! 伸びたのだ! おおお、あったかい……」

デュフォー「……」モゾモゾ

ガッシュ「そうだお主、この本を読んでみてほしいのだ!」

デュフォー「……スー……スー」

ガッシュ「寝るでなーい!!」

ガッシュ「本を読んでみるのだ!」

デュフォー「第一の術……ザケル……」

ガッシュ「おお、やっぱりお主が私のパートナーか!」

デュフォー「……寒い……とっとと、ここを出よう……」

デュフォー「……ちょっと頭差し出せ」

ガッシュ「ウヌ?」

ズブウゥゥゥゥ!!!

ガッシュ「ぎゃああああああああああああああああ」

ガッシュ「痛い……痛いのだ……」

デュフォー「脳の数か所に強い刺激を与えたからな」

デュフォー「お前には今から走ってもらう」

ガッシュ「うぬ?」

デュフォー「この方角にむけて一時間走り三十分休む。これを三セット。そこに池がある」

デュフォー「そこで魚をとれ、それを食料とする」

ガッシュ「ウヌ……? なんでそんなことがわかるのだ!?」

デュフォー「……オレにはアンサー・トーカ―という能力がある」

デュフォー「どんな疑問だろうが謎だろうが、瞬時に答えを出すことができる」

ガッシュ「ほう、そうなのか……」

ガッシュ「では私からも説明を……」

デュフォー「それはいい。お前は人間界にきた百人の魔物のうちの一人」

デュフォー「そしてまた、百人で戦い合いそれに勝ち残ったものが王になる」

デュフォー「この本に書いてある呪文を唱えればお前の口から雷がでる」

デュフォー「そこまではわかった。まったくもって理解しかねるが……」

ガッシュ「なぜわかったのだああ!?」

デュフォー(こいつ、頭わるいな)


これからガッシュとデュフォーが北極からぬけるのに数週間かかったのであった。

数週間後――

清麿「ここか、すごいにぎやかだな」

水野「一緒に来てくれてありがとう、清麿君」

清麿(アイドルのコンサートか。初めてだな)

清麿「大海恵か。水野が楽しみにしてるってことは、女の子にも人気がある子なのかな」

――

恵「ねえ、ティオ。やっぱりコンサートを中止に……」

ティオ「なあに、まだそんなこと言ってるの!? 魔物の方は私に任せてって言ってるでしょ!」

ティオ「絶対に邪魔させないわ! 恵がファンを裏切ってどうするの!? 恵はみんなの憧れなのよ」

恵「……わかったわよ。敵がこないことを祈るわ」

ティオ「それでいいのよ。がんばりなさい!」

恵「はあ……今私たちが追っている魔物、例の落ちこぼれのガッシュ君ならよかったのにね」

ティオ「そうね。ガッシュだったら今みたいに逃げ回らずに片手でひねってあげられるのにね」

恵「違うよ、ティオ。戦うんじゃなくて味方に……」

ティオ「……」ギロ

恵「……わかったわ。この戦いは周り全てが敵だもんね」

ティオ「そうよ! 私の前に現れるのはみんな敵なの」

ティオ「たくさん倒した子が強くなって生き残れるのよ!」

清麿「…………」

ゼオン「おい、どういうことだ。オレたちも中に入れさせろ!」

係員「すみません、チケットが無い方は……」

コルル「ねえ、ゼオン……もうやめとこうよ……」

ゼオン「金なら出すと言っているだろう(清麿が)」

係員「ですから、当日券の販売はもう……」

清麿「おい、ゼオン……」

ゼオン「おい、清麿! コルルとかわってやれ」

コルル「いや、私は……」

清麿「……」ガシッ

水野(高嶺君とのデート邪魔なんてさせないわ!)

ゼオン「くそ、まあいい。正攻法はやめだ」

コルル「ま、待ってよゼオン……」

清麿(やり方は感心しないが、あのゼオンがコルルのために熱くなっている……)

清麿(オレがコルルとかわってやってもいいんだが……)

水野「……」

清麿(水野がどうやってもオレを離そうとしないんだが……)

ティオ「ふふ、始まったようね。さ、あとは私の仕事よ」

ティオ「もし敵が来るとしたらこの関係者用の裏口一つ! この扉の前に立って敵を待つ」

ティオ「本当にやつらが来たら、私が囮になってなるべく会場から離れたところに逃げる!」

ティオ「これで完璧よ!」

ティオ「……本当に逃げ切れるかな……」

ガチャ

ティオ「来た!」

すいません、少しぬけます。

再開します。


ゼオン「ここからなら入れそうだ」

コルル「ねえ、まずいよ。ゼオン……」

ゼオン「コルルはみたくないのか?」

コルル「いや……うん、見たいけど……」

ティオ「ガ……ガ、ガッシュ―!」ガッ

ゼオン「なんだ、こいつ」チョン

ティオ「いったー」

コルル「ティオ!?」

ティオ「いたたた、コルル?」

コルル「わあ、久しぶり」

ゼオン「魔物か……」

ティオ(あれ……よく見たらガッシュじゃない?)

ゼオン「……」

ゼオン「まあいい。おい、コルル! コンサートに乗り込むぞ!」

ティオ「! 待って、あなた。まさかコンサートをつぶす気!?」

ゼオン「……? オレ達はコンサートを見に来ただけだ。いや、オレはどうでもいいが」

マルス「はは、ティオ、やっと見つけたよ」

ティオ「!」

マルス「そして君のパートナーは今、ステージで歌ってる最中。今の君は力も使えないただのガキだ」

ゼオン「! おい、お前のパートナー、あのアイドルなのか?」

ティオ「今そんなことどうでもいいでしょ!?」

マルス「ふっ、ここらで倒させてもらうよ」

ティオ「! な、なら約束して。私を倒したらコンサートにはてを出さないって!」

ティオ「恵はこれまで本当に私のために戦ってくれたの! だからお願い!」

マルス「そうか、それはいいことを聞いたな。ならば、お前をたおした後でコンサートを台無しにしてやろう」

ティオ「この……」

ゼオン「それは困るな」

ゼオン「おい、女。あいつはオレが処理してやるからそのかわり」

ゼオン「コルルにそのアイドルのサインを渡してやれ」

ティオ「え?」

マルス「お前ガッシュか!? はっ、お前もここにいたのか。弱虫ガッシュ!」

ゼオン「……」イラッ

ゼオン「……どいつもこいつも……」

ゼオン「おい、コルル。お前先にコンサート行っとけ」

コルル「ええっ、いやだよ! ゼオンと一緒にみるもん!」

マルス「何を話してやがる!」

レンブラント「ガロン!!」ゴボオ

ゼオン「ふんっ!」バコーン

マルス「なっ、蹴り返して……」

マルス「ぎゃああ」

ティオ「強い……呪文もなしで……」

ゼオン「はあ、まったく手ごたえがないな……」

マルス「くっ、くそがあ」

ゼオン「コルルは昨日からこのコンサートを楽しみにしていたんだぞ……?」

ゼオン「修行に精もでんぐらいにな」

ゼオン「てめえ、ふざけてんじゃねえぞ!」

レンブラント「ギガノ・ガランズ!」

ゼオン「フン」ガシ

マルス「片手で受け止めて……」

ゼオン「消えろ!!」ドカーン

マルス「えっ、ちょっ、まっ……ぐわあああああ」ドカーン

メラメラ

ティオ「……」

ティオ「……マ……マルスを瞬殺……」

ゼオン「待たせたな、さあ行くか」

コルル「うん!」

ティオ「」ポカーン、

コンサート終了――

恵「ティオ! 大丈夫だった!?」

ティオ「う……うん……」

ゼオン「ここか」シュンッ

ティオ「!」

ティオ(そうか、やっぱり私を倒しに……)

恵「魔物!?」

ティオ(この戦いで生き残るのはやっぱり一人だけ……)

ティオ(この人だって王様になりたくて戦っている……)

ティオ(私たちは戦わなくちゃいけない!)

ゼオン「おい」スッ

ティオ「!」

ティオ「色紙……?」

ゼオン「お前、約束しただろうが、サインだ、サイン! 早くしろ」

恵「えっと……私の……?」

清麿「おい、ゼオン何して……ってアイドルの大海恵!?」

コルル「わあ、本物だあ!」

コルル「握手! 握手!」

恵「はい、どうぞ」

コルル「ありがとう! ティオもありがとね」

ティオ「う、うん……」

ゼオン「よし、帰るぞ」

清麿「オレもサイン……」

ゼオン「お前はダメだ」

清麿「……そんな……」

ティオ「ねえ!」

ゼオン「ん?」

ティオ「なんで戦わないの?」

ゼオン「なんだ、戦いたいのか?」

ゼオン「コルルの友達らしいから、消さなかったが……お望みなら今すぐ消してやるよ」

コルル「そうだよ、今戦う必要なんてないよ」

ゼオン「…………」

ゼオン「……そうだな……コルルとあそんでやれ」

コルル「ゼオンも一緒にね」

ゼオン「は……いや、オレは……」

コルル「ね!」

ゼオン「……ああ……」

ティオ「…………」

清麿(なんか、ゼオン変わったよな……)

恵「あの、あなたもありがとう」

清麿「えっ? い、いやオレは何もしてないよ、あははは」

ゼオン(謙遜とかじゃなくてマジで何もしてないけどな、こいつ)

ゼオン「さてと、帰るぞ。お前ら」マントまきまき

コルル「うん!」

シュンッ

ティオ「消えた……」

恵「ふふっ、たのもしい仲間ね!」

ティオ「……さあ……?」

――

水野「清麿くん!? 少し目を離したすきに……あれ、ここはどこ?」

水野「うわあん、清麿くーん!」

今日はこれで終わります。次は夏休みですが、清麿たちはイギリスに行かないので、
親父の出番はありません。

すこし少ないですが、書いていきます。



校長「では、みなさん。夏休みに入っても我が校の生徒であることを忘れずにだ」

校長「勉強に部活に有意義な休みを送るようにしてください」

――

清麿「はあ……やっと終わった」

水野「高嶺くん、高嶺くーん!」

水野「やっと夏休みに入ったね。いろいろ予定あるみたいだけど大丈夫?」

清麿「え? 予定……? そんなの別にないけど……」

水野「えっ、何を言ってるの?」

水野「高嶺くん、けっこうみんなと約束してたよ!」

水野「まさか、忘れたの?」

清麿「ええ!?」

清麿(そういえば……何人かと遊ぶ約束をしていた気が……)

水野「私やマリ子ちゃんとプールに行くって約束はー?」ウルウル

清麿「あ……ああ! もちろん大丈夫さ!」

山中「た、高嶺! オレの野球の練習につきあうって言ったよなー?」

清麿「あ、ああ。もちろんだとも」

岩島「高嶺くん、僕と一緒にUFO呼ぼうって約束も忘れちゃったの!?」

清麿(おい……いつしたんだよそんな約束……)

金山「高嶺! オレと一緒にツチノコとるってのはどうなった!?」

清麿「お、おい……本当にしたのか? オレがお前と約束したのか……?」

野口「隣の……」

清麿「お前なんかしらん! 帰れ! 隣に帰れ!」

一同「じゃあ、楽しみにしてるぞ」

清麿「あれ……あれえ……?」

一日目 山中と野球
二日目 水野たちとプール
三日目、四日目 田井と釣り
五日目― 七日目 金山とツチノコとり
八日目 井上と昆虫採集
九日目― 十一日目 岩島とUFO

清麿「な……なんてスケジュールだ」

ゼオン「そういえば、家に野口ってやつが来てたぞ」

清麿「いや、知らん。そんなやつ」

ゼオン「どうしてもお前とアサガオの観察がしたいってしつこいからOKしておいたぞ」

清麿「なにしてんだよ」

ゼオン「せっかくお前に好意をもってくれているんだ。少しだけでも構ってやれ」

清麿「……マジで誰なんだよ……」

ゼオン「スケジュール追加だな。やつの希望がこれだ」

十二日目― 二十五日目 野口とアサガオ観察


清麿「なげえよ!!」

清麿「……くそお……日程を少しでも……ゼオン協力してくれ! 上手くいけば二日目のプールにお前もつれてってやる!」

ゼオン「いや、オレはいい」

研究所――

デュフォー「ザケル!」ドカーン

「ぎゃああ」

デュフォー「これか……」

カタカタカタ

デュフォー「……これでここのデータは全て破棄できたな」

警備員「くっ貴様!」チャカ

デュフォー「ガッシュ」

ガッシュ「ウヌ!」マントくるんっ

バン バン!

警備員「な……銃弾を……」

デュフォー「ザケル!」ドカーン

――

ガッシュ「……終わったかの」

デュフォー「ああ、ここの施設の機能は完全に無効化された」

ガッシュ「次は?」

デュフォー「イギリス……これで最後だ」

デュフォー「そこにやつもいる」

ガッシュ「お主を幼少のころからずっと苦しませてきた男のことなのだな」

ガッシュ「絶対に許せぬのだ」

デュフォー「……」

デュフォー「お前のだす答えは理解に苦しむものばかりだ」

デュフォー「なぜ、ここまでする? 魔王になるには魔物を倒していけばいいだけだ」

デュフォー「何も、研究所をつぶしていくなど無意味だろう」

ガッシュ「何をいうか! 私は許せないのだ、お主を利用し、そして今もなお、悪事を重ねている奴らを!」

デュフォー「お前には関係ないことだというのに……本当に理解に苦しむ」

イギリス――別の研究所――

研究者「くそ、また連絡がつながらなくなった!」

レイジー「……どうやら、デュフォーが生きていたようだな……」

研究者「レイジー……」

レイジー「魔物を拾って助かったようだ」

研究者「魔物だと……」

レイジー「ああ、オレと一緒のな」

ソロ「……」

オリジナルキャラ

レイジー …十九歳の青年。デュフォーのクローンにして唯一の成功例。
      一応アンサー・トーカーもちだがデュフォーには、はるかに劣る。

ソロ ……魔物。パムーンの遠い子孫あたり。
     性格はパムーンに似ず残虐。


デュフォーをずっと研究していたおっさんの名前がわからない……
一応、研究者でいきます。
だれかわかる人いますか?

レイジー「やつはいずれここにもくるだろう」

研究者「ちい! 長年の研究が……こんなところで……」

レイジー「フン、オレがいる。奴には前からムカついていたんだ。オレが始末してやるよ」

研究者「お前がか……? その魔物とやらで勝てるというのか……」

レイジー「ええ。確かにオレじゃあ、デュフォーには勝てない……だが」

ソロ「魔物は落ちこぼれのガッシュだ。どんなに人間が優れていようが、オレたちには勝てない」

レイジー「それにまだ時間はある。やつらはイギリスに来たあとホ―バーク・ヒルという村による」

レイジー「時間は十分だ。その間に奴らをたおすべく力を蓄える」

研究者「フン、ここを守ってくれるというなら、文句はない。それよりもまだ時間は大丈夫なのか?」

レイジー「ああ。残り一か月とちょっと……まだまだ大丈夫だ……」

今日はこれで終わります。ほんの少しだけオリジナルの展開にいきます。

書いていきます。それとカロン、キュミエルについて

カロン …レイコムとは魔界からの友達で大の仲良し。
     わりと頭の回転はいい方。サポートする術が多い。
     尽くすタイプの女の子。

キュミエル …二十歳の女性でアメリカの白人。カロンにせがまれて日本にやってきた。
       金持ちのボンボン。あまり自分の意志はもたない。

現在使える術 …ゼガル、ゼガルガ、モケルド、ボルク(残像)

こんな感じです。

イギリス――

デュフォー「着いたか……ここから研究所まで結構あるな」ボト

ガッシュ「ウヌウ、きれいな街なのだ」

デュフォー「……ん」

セッコロ「……」

カバンを持つセッコロ

セッコロ「わあああ」バッ

ガッシュ「泥棒なのだー!」

デュフォー「……腹減ったな」

ガッシュ「何のんきなことをいっているのだ、早く追いかけるぞ!」

ガッシュ「うおお」バッ

セッコロ「な、なんだこいつ! くっそお、こっからが本番だぜ!」ポイ

デュフォー「荷物回収」

数十分後――

セッコロ「や……やるな、チビっこいの」

ガッシュ「ウヌ、あんなに足のはやいものは初めてだ」

セッコロ「……」ニヤ

セッコロ「チビっこいの、名前は?」

ガッシュ「私はガッシュ! ガッシュ・ベルだ!」

セッコロ「あははは、オレはセッコロだ! お前オレの友達にならないか!」

ガッシュ「ウヌ! いいのか!?」

セッコロ「おうよ! よし、来いよオレの隠れ家に! 招待してやる」

隠れ家――

デュフォー「帰ってきたか」モグモグ

セッコロ「な、お前! オレの数少ない食料をー!!」

デュフォー「まあ、そんな腹をたてるな」

デュフォー「もうすぐお前の両親は帰ってくるんだからな」

セッコロ「何!?」

ガッシュ「? どういうことなのだ」

デュフォー「ここから北に五十キロ先のホーバーク・ヒルという村にある城の地下にこいつの両親が監禁されている」

デュフォー「また、そこにはいろいろな人間がさらわれているようだな」

デュフォー「魔物の仕業だ」

デュフォー「ついでだ。倒しておくことにする」

ガッシュ「わかったのだ!」

セッコロ「なんでお前らそんなこと……」

デュフォー「世話になったな。行くぞ、ガッシュ」

ガッシュ「ウヌ!」

セッコロ「お前ら本当にいくのかよ!? 勝てるわけないだろ!」

ガッシュ「心配ありがとうなのだ。でも私は逃げるわけにはいかないのだ」タッ

セッコロ「お……おい……」

城――

ガッシュ「ここなのだ」

デュフォー「いくぞ」バッ

ガラガラガラ

ガッシュ「ウヌウ! 閉じ込められたのだ」

ガッシュ「!?」

ガッシュ「鎧の騎士……何十体もいるのだ……」

デュフォー「どうやら花をつけることで操ってるようだ。新しく覚えた呪文の出番だ」

ガッシュ「新呪文!? 使ったこともないのにわかるのか!?」

デュフォー「おまえ頭悪いな。新しく出た呪文はどんなものだ? という答えもだせるからアンサー・トーカ―なんだろ」

ガッシュ「ウヌウ……そんなに言わないでほしいのだ……」

デュフォー「第三の術……ジケルド!」ドン

バルトロ「ステング、奴らが最初の部屋を突破したよ」

ステング「なぜだ!? 鎧の騎士たちは何をやってる!?」

バルトロ「全員がくっつきあって身動きがとれなくなってるね」

ステング「なんだとお……フン、まあいい。どうせ次の部屋でおだぶつよ」

ステング「なんせ、二百本もの剣が……」

ステング「同時に侵入者に襲いかかるんだからな!」

――

デュフォー「ラシルド!」ドン

――

バルトロ「二番目の部屋突破されたね……」

三番目の部屋、落とし穴の部屋――

デュフォー「ガッシュ、ここを通るなよ」

ガッシュ「ウヌ、わかったのだ」てくてく

四番目の部屋――

デュフォー「ガッシュ、上の方を見ろ」

ガッシュ「ウヌ」

デュフォー「ザケル!」ドカーン

――

バルトロ「最後の罠も突破されたよ。ここに来る」

ステング「……」

ワ―― 

「やったわ、たすかるわ」 「早くみんなに伝えなきゃ」

ステング「やかましいぞ、てめえら!」

ステング「ちっ、まあいい。笑いたきゃ今のうちに笑ってやがれ」

ステング「どうせ入ってきた奴らもおまえら村人も待っているのは絶望だけなんだ」

ステング「準備はいいな? バルトロ!」

バルトロ「もちろんだよ、ステング」

ステング「フッ……よくきたな」

バルトロ「……」ドドーン

ガッシュ「……でっかい子供だの……」

デュフォー「さっきの鎧の騎士と同じ原理だ」

デュフォー「両手両足、四つの花をすべて破壊すればこいつは倒れる」

ステング「ゼベルセン!」ドンドン

デュフォー「ラシルド!」ドーン

ステング「ほう……相手の技をはね返す術まで持っていたか……」

デュフォー「……」

ステング「……? 魔物の方はどこに行った?」

デュフォー「ザケル!」ドカー

ズズウンッ

ステング「なっ、奴ら花を……!」

デュフォー「次は反対側だ、ダッシュ」

ガッシュ「ウヌ!」タッ

デュフォー「そこだ、ザケル!」ドカーン

デュフォー「……その場所なら一気にすべての花を破壊できる」

ズズズズウン!

ステング「そんな……一瞬で……」

デュフォー「終わりだ」

ステング「なっ、人間、いつの間に!」

デュフォー「ガッシュに夢中でオレに気づかなかったようだな」バッ

ステング「なっ……本が……」

デュフォー「ガッシュ」ポイ

ガッシュ「ウヌ!」

デュフォー「ザケル!」ドッ

ステング「うわああ」

メラメラ

デュフォー「よし帰るぞ」

ガッシュ「いいのか? セッコロの両親は……?」

デュフォー「地下の牢屋にいる。ここにいる奴らが助けてくれるだろう」スタスタ

デュフォー「そしてまた、こちらにセッコロが向かってきている。そこで対面するだろう」

ガッシュ「ウヌウ……何も言わずにお別れとはのう……」

デュフォー(無駄なことに時間をかけるつもりはない……)

デュフォー「早くしろ」スタスタ

ガッシュ「ウヌ、わかったのだ」スタスタ

――

セッコロ「はあ……はあ……」

セッコロ「父さん! 母さん!」

セッコロ父「セッコロか……?」

セッコロ「助かったんだね」ギュッ

セッコロ母「どうやら二人の青年と男の子がたすけてくれたみたいなの」

セッコロ(まさかあいつらが……?)

セッコロ「その二人はどこに!?」

セッコロ母「さあ……もういないみたい……」

セッコロ(な……なんだよ……)

セッコロ(礼ぐらい言わせろよ……)

ちょっと時間がなさそうなので今日はこれで終わります。

書いていきます。


研究所――

デュフォー「ここだな」

ガッシュ「ウヌ」

デュフォー「いくぞ……ザケル!」ドーン

――

研究者「くっ……ついに奴らが……」

ソロ「大丈夫だ。オレたちはすでに何体か魔物を倒し力をつけてきた」

レイジー「……」ズキズキ

ソロ「レイジー?」

レイジー「ああ……大丈夫だ……」

――

デュフォー「右方向にマントを」

ガッシュ「ウヌ!」クルン

警備員「なんだ、こいつら……全然止まらねえぞ!!」

デュフォー「意識が戻ったら一気に駆け抜けろ」

デュフォー「ザケル!」ドカーン

警備員「うわああ」

デュフォー「この部屋が最後か……。魔物がいるな……」

ガコーン

レイジー「やあ、会いたかったよ。デュフォー」

デュフォー「……レイジー……」

レイジー「ふふ、覚えていてくれてうれしいよ。それともアンサー・トーカ―の力か?」

デュフォー「まだ死んでなかったのか……いや、寿命ものこりわずかのようだな……」

レイジー「……」

研究者「早く殺せ! レイジー!!」

デュフォー「! お前……」

レイジー「はいはい……わかりましたよ……戦うとしますかね」

デュフォー「しかしお前、頭悪いな。お前のアンサー・トーカ―は非常に不安定だ」

デュフォー「安定させるトレーニングもしてないのに、使い続けているせいでお前の脳はもうズタボロになっている」

レイジー「余計なお世話だな」シュンシュン

ガッシュ「ヒトデのようなものが現れたのだ!」

レイジー「ファルガ!」ズバアア

ガッシュ「四方八方から……!」

デュフォー「ラシルド!」ドン

ソロ「ちっ、はねかえりやがって! 防御だ」

レイジー「ファシルド!」バキイン

ソロ「前を防いだところでどうにもならん、くたばれ!」

レイジー「……! ソロ、上だ!」

ソロ「!?」

デュフォー「ザケル!」ドーン

レイジー(なるほど、さっきの盾は死角をつくるため……)

バキバキバキ

ソロ「なっファシルドが……」

レイジー「右に跳べ!」

バッ

ソロ「あ、危なかった……」

レイジー「デーム・ファルガ―!」ズバアアア

デュフォー「下、右、左……」シュンシュンシュン

レイジー「! 今だ、ディオガ・ファリスドン!」ズドーー

ガッシュ「でかい!!」

デュフォー(……! 逃げ場をなくされたか……だが)コオオオ

デュフォー「ザケル!!」ドカーン

ソロ「なっ……第一の術でディオガ級をはね返すだと……!」

レイジー「おいおい……強い通りこしてチートだぜ……」

デュフォー(問 次にやつが使ってくる術はなんだ……?)

デュフォー(答え 何も使わない)

デュフォー(……?)

デュフォー(問 次に何がおこる?)

デュフォー(答え 床にあらかじめセットされた爆弾が爆発する)

デュフォー「ガッシュ! 足もとをマントでくるめ!」

ガッシュ「!」

ドカーン

レイジー「爆発する前に気づいたか……だが!」

ソロ「スキはできた」

レイジー「ディオガ・ファリスドン!」ドーン!

デュフォー(まずい……防御が……)

ドカーン!

ソロ「たたみかけろ!」

レイジー「ファルガ! ファルガ! デームファルガ―!!」バーン

研究者「おおお、これはすごいぞおお」

レイジー「今のうちに心の力をためる。やつから目を離すな」

ソロ「くっくっく、所詮は落ちこぼれ。オレに勝とうなんぞ百年早いんだよ」

ガッシュ「ぐうう……」ヨロヨロ

レイジー「マントで守ったか」

ソロ「だがもう、ボロボロだな」

デュフォー「……」

デュフォー(体が……動かない……)

研究者「はっはっは、無様だな」

ガッシュ「はあ……はあ……」

研究者「あのとき死んでいればよかったものを」

研究者「そうそう、あの時、そこの変なガキに邪魔されて言えなかったことがある」

デュフォー「……」

研究者「君のお母さんだがね、彼女はお金欲しさに君を我々に売ったんだよ。一万ドルというはした金でね」

研究者「死ぬ前に君の最大の謎が解けてたね」

デュフォー「……!」

研究者「やってしまえ! レイジー、さっさと殺してしまえ」

レイジー「エクセレス・ファルガ―!」ドカーン

ガッシュ「があああああ」バッ

デュフォー「ガッシュ……?」

レイジー「!? 生身で耐えられる術なんかじゃないぞ!」

ガッシュ「うおおおおお」

ドーン!!

ガッシュ「はあ……はあ……」ボロ…

ソロ「まだ、立って……」

レイジー「……理解できんな……なぜデュフォーのためにそこまでする?」

ガッシュ「……はあ……はあ……」

デュフォー「……」

レイジー「こいつは、お前が何をしたって決して恩なんて感じてないぞ」

レイジー「お前の事なんてただ利用してるだけだ」

レイジー「……ああ……そうか、縁を切ろうともきれないのか」

レイジー「ふはははは、そりゃそうだ。パートナーだからどうしてもついていかないといけないのか」

レイジー「こんなやつがパートナーで同情するぜ」

レイジー「あいつなんか、さっさと死んじまえばいいのになああ」

レイジー「生きててほしいやつなんか誰もいねえんだ!」

レイジー「くっくっく……はーはっはっはー」

ガッシュ「だまれ!! お前にデュフォーの何がわかる!?」

ガッシュ「デュフォーから聞いたぞ! お前らがずっとデュフォーを監禁し続けたって!!」

ガッシュ「デュフォーはずっと苦しんできたのだ!」

ガッシュ「ずっと……ずっと……誰にも手をさしのべてもらえず、ずっと!」ポロポロ

ガッシュ「お前らに傷つけられてきたのだ! その苦しみがわからないやつらが……」

ガッシュ「平気で人を傷つけ、人殺しの道具ばかりを作っているお前らが……」

ガッシュ「デュフォーを語るな―――!!!」

デュフォー「……」

ソロ「ふはははは、力の差は歴然なのに口だけは達者だなあ!」

レイジー「なるほどな。クズに集まるのはクズってわけか! はっはっはー」

ガッシュ「これ以上……私の友達を侮辱してみろ!」

ガッシュ「その口を切り裂いてくれるぞ!」

デュフォー(ガッシュがオレのために泣いている……)

デュフォー(オレなんかのために……)

デュフォー(なぜ……)

ピカーン!

デュフォー「新呪文……?」ピカーン

レイジー「!?」

ソロ「なっ……やつらの本、さっきより光って……まさか……」

ガッシュ「デュフォー……たのむ。一緒に戦ってくれ……」

ガッシュ「私にはお主が必要なのだ」

デュフォー「……」スッ

デュフォー「……ガッシュ……前をむけ……反撃だ」

ガッシュ「……! ウヌ!」

ソロ「早く呪文を唱えろ!」

レイジー「ディオガ・ファリスドン!」ドッ

デュフォー「……第四の術……」

デュフォー「バオウ・ザケルガ―!!」ドバッ

バオウ「バオオオオ」

ソロ「なんだ!? この強大な術は!!」

レイジー「!! 答えが……でない……!」

ドギャ――ン!!

レイジー「うわあああ」

メラメラ

デュフォー「なんだ……この術は……? コントロールできない……」

バオウ「バオオオオ」

デュフォー「まずい……このままでは……オレたちまで……」

ガッシュ「……」

デュフォー「っ……返事をしろ……ガッシュ……」

デュフォー「……く……」

デュフォー「オレの声を聞け! ガッシュ!!」

ガッシュ「……デュ……フォー……」

ドーン!

ガッシュ「ヌ? ここは……」

デュフォー「研究所だ……まあ、原型は留めてないがな」

ガッシュ「な……」

デュフォー「安心しろ。あれだけの力を発しながら誰一人殺していない」

デュフォー「お前の中の何かがそうさせたのかもな」

デュフォー「……こいつら全員殺してやろうかと思ったが気が変わった。こいつらは警察につきだす」

デュフォー「うまくいくようにアンサー・トーカ―を使ってな」

ガッシュ「……! ウヌ! それがいいのだ」

――

レイジー「……! 何だよ……とどめをさしにきたのか?」

デュフォー「……」ガッ

レイジー「っ!」

デュフォー「お前のアンサー・トーカ―の能力を閉ざした。これで少しは長生きできるだろう」スタスタ

レイジー「……余計なことしやがって……」

――

デュフォー(さっきの術はもっとコントロールしていく必要があるな……)

デュフォー「ガッシュ……あ……あり……」

ガッシュ「?」

デュフォー「……帰るか……」

ガッシュ「ウヌ!」

デュフォー「腹がへったな……。お前の好きなブリのある店にでも行くか」

ガッシュ「おお、私の好物がわかるなんて、さすがはアンサー・トーカ―なのだ!」

デュフォー「……今のは別に使ってないが……」

今日はこれで終わります。
オリジナル展開も終わったのでゼオンサイドに戻していきます。

書いていきます。これからの展開のため、若干時間軸がかわります。
矛盾がでてきたらすみません。

グスタフ「ゾニス!」

ドンポッチョ「ぎゃああ」

ドンポッチョ「助けてくれええ」

バリー「フン、この王を決める戦いで命乞いが通るとでも思っているのか?」

ドンポッチョ「ひいいいい」

バリー「……貴様……」

バリー「戦いの最中に敵に背をむけてんじゃねえぞ!」

グスタフ「ギガノ・ゾニス!」

ドンポッチョ「ぐあああああ」ドカーン

メラメラ

バリー「ちっ、腰抜けが!」

バリー「クズ野郎が! なんでこんなクソ弱いやつまで王を決める戦いに参戦しているんだ?」

グスタフ「いらだっとるな……何が欲しいんだ? バリー」

バリー「なんだと……?」

グスタフ「……何が欲しいかと聞いているんだ。最近のお前はいつもそうだ」

グスタフ「戦いに勝ってもイライラし、満足していない。まるで今のお前は……」

グスタフ「欲しいものが手に入らなくてわがままを言ってる小坊主のようだ」

バリー「チッ、欲しいものなどないわ。イライラしているのは事実だがな」

バリー「強いやつと戦って粉微塵にできたら、多少も気が晴れるだろうよ」

グスタフ「……戦ってみるか? 強いやつと」

バリー「!」

グスタフ「以前倒した奴らが言っておった。日本にいる、ある魔物に戦いを挑んで帰ってきたものはおらぬと」

バリー「ある魔物っていってもわかんねーだろうが」

グスタフ「ガッシュに似たやつとも言われている」

バリー「……ガッシュが、誰かもわかんねえな」

グスタフ「……戦ってみるか? そいつと」

バリー「フン、おもしろい、日本に行こうか? グスタフ」

グスタフ「ふっ、いいだろう。バリー」

日本――広場――

ティオ「ねえ、ゼオン。この計算式、何が違うのか教えてよ」

ゼオン「さっきも言っただろうが、その計算は、足し算より掛け算を優先するんだよ」

コルル「できた!」

ゼオン「おお、できたか。えらいぞコルル」

ティオ「私もできた!」

ゼオン「ああ、次の問題はな……」

ティオ「ムキ―、何よコルルばっかり! 私ももっと褒めなさいよ」

コルル「よしよし」ナデナデ

ティオ「あんたじゃないのよ!」

バリー「……」

バリー(何をしてるんだ、こいつら……)

ティオ「もうヤダ、やってられないわ!」

ゼオン「おいおい……人間界にいるからって勉強をおろそかにできんだろう。しかもこれはまだ序の口だぞ」

ゼオン「王たるもの勉強はできないとな」

ティオ「あんただって同じ六歳のくせに……」

ゼオン「まあいい、残りは家でやれ。解散」

ティオ「ちょっと、話は……」

ゼオン「はあ……早く帰れ」

コルル「じゃあね、ゼオン。また後で」スタスタ

ティオ「フ……フン、もっと勉強してあんたを驚かせてやるんだから」スタスタ

ゼオン「……」

ゼオン「それで何の用だ?」

バリー「!」

バリー「お前がガッシュに似たやつか?」

ゼオン「……なんでそんな呼び方が広まってんだ」

バリー「……貴様、オレと勝負しろ。本の持ち主を呼んできてオレと戦うんだ」

バリー「五時間後、場所は山の麓の廃工場だ」

バリー「楽しみにしているぞ。貴様を倒せば少しはイライラが晴れそうだ」

ゼオン「……」

――

清麿「五時間後、午後三時か」

清麿「野口との約束があるが、行くか」

ゼオン「だが一つ問題がある」

清麿「どうした」

ゼオン「その時間帯、コルルとティオとケーキを作る約束をしているんだ」

清麿「……そうか……」

グスタフ「どうなんだ? 歯ごたえはありそうか?」

バリー「さあな、見た限りではヘナチョコだ」

バリー(だが、あいつのオーラ……)

バリー(フ、面白そうだ。その強さボロボロにしてやる)

バリー「さあ、行くぞ!」バン

不良「! 誰だ、てめえらは!? ここはオレたちの縄張りだぜ」

バリー「フン、クソ人間どもが」

グスタフ「ゾニス!」ドカアアア

不良たち「うわあああ」 「ひい、逃げろぉ」

バリー「女、何をぐずぐずしている? 早く出てけ」

不良女a「や、やめてよ……まだ……」

バリー「ちっ、うるさいやつだ。よかろう、外までふっとばしてくれる!」

グスタフ「ゾニス!」ゾン

清麿「ラシルド!」ドン

バリー「! はっ、ちゃんと来たじゃねえか」

ゼオン「おい、そこの女、とっとと消えろ」

不良女「だ、だめ……まだ、まだよ!」

ゼオン「ああ?」

不良女a「まだいるの、私の友達が二人、この二階の部屋に……」

ゼオン「……確かにいるな。そいつらを助けておいてやるから早く消えろ」

不良女a「……ありがとう。す、すぐに助けを呼ぶから!」タッ

ゼオン「フン……どっちの助けだろうな……」

バリー(あの威圧感……いや、それだけじゃない……)

バリー(奴の目……強く、気高く……あたたかい……?)

バリー(ふざけるな、ふざけるな!)

バリー「うおおお」バッ

グスタフ(バリーのやつ、もう意識が……)

ゼオン「フン」ドゴ

バリー「があ」バ

すいません、間違えました。

すこしぬけます。……透明削除ってできますかね。
かなりやらかしてしまった。

>>461
これなしでお願いします。
なんか意外にストーリーくずれてなくてびっくりした。
バリーがすごいヘタレだけど。
削除は探してみたけどちょっとわからなかったです。

清麿「いけるか? ゼオン」

ゼオン「ああ」

バリー「よく来たな。腕に自信があるのか、それともオレの力がわからんのか」

ゼオン「チンピラが何をほざいてやがる」

バリー「行けえ、グスタフ!」

グスタフ「ガルゾニス!」グルグル

清麿「ザケル!」

ドカーン

バリー「うおおおお」ガシャアア

バリー「フッ、効いたぜ、いい呪文をもってるじゃねえか」

ゼオン「無駄口をたたいてる暇があるのか?」

清麿「マーズ・ジケルドン!」ドゴオ

バリー「なんだ、これは!?」

ゼオン「ちょっと、遠くに行ってろ」ドカーン

シュンッ

不良b「きゃああ」

ゼオン「うるさいぞ、女共……」ガシ

不良女c「ひいい、お助けええ」

ゼオン「つかまってろ」バッ

バリー「はあ……はあ……くっ、奴はどこだ!?」

グスタフ「二階に人が残っていたようだな。おそらくそれを助けにいった」

バリー「ちい、なめやがって」

ゼオン「くっくっく、十分なハンデだろう?」

バリー「!」

ゼオン「残念だが、そいつらはもう助けた」

ゼオン「あとはお前を消すだけだ」

ゼオン「五分以内にな」

清麿(……コルルとの約束まであと五分か……)

清麿「ソルド・ザケルガ!」バッ

ゼオン「はっ」シュンシュンシュン

バリー「なっ……見えな……」

ドーン

バリー「がっ……」

清麿「ザケル!」

バリー「くそお!」バッ

ゼオン「ちがう、後ろだ」

ドカーン

バリー「ぎゃあああ」

バリー(な……こいつの攻撃見えぬ、避けられぬ!)

――

清麿「ザケル、ザケルガ、テオザケルー!」ドカーン

バリー「うわあああ」ガタガタ

バリー(だ、だめだ……強さを見誤った……)

バリー(格が違いすぎた。強すぎる。こんな奴に……かなうわけ……)

ゼオン「もう、終わりなのか」ギロ

グスタフ「バリーよ、奴に呑み込まれるな!」

グスタフ「奴の目を見ろ! そして乗り越えろ!」

バリー「!!」

バリー(あの目、威圧感だけではない……なんだこれは……)

バリー(強く、気高く……そして温かい……?)

バリー(ふざけるな、オレは……オレは!)

バリー「うおおお」バッ

グスタフ(バリーのやつ、もう意識が……)

ゼオン「ふん」バコーン

バリー「あ……が……」ヨロヨロ

――

ゼオン「……五分……か……」

バリー「」

ゼオン「よく耐えたものだ」

ゼオン「帰るぞ、清麿」

清麿「ああ」

ゼオン「おい、そこの人間!」

グスタフ「!」

ゼオン「お前たちの本などいつでも燃やせたことを忘れるな。それとコルルに感謝するんだな」スタスタ

グスタフ「……」

グスタフ「大丈夫か? バリー」

バリー「う……」ドサ

バリー「はあ……はあ。ガキのくせに……でかかった……」

バリー「まったく歯がたたなかった……」

グスタフ「そうだな。奴の目にはいろいろなものを背負っておった」

バリー「もっと、学んでやる……そしてもっと高いところに行ってやる……奴よりも高く……」

グスタフ(どうやら、欲しいものは手に入ったようだな)

タイ南部――

ガルザ「くっ……」

ドカーン

バランシャ「つ……強すぎる……」

???「この程度かい?」

ガルザ「ダメだ、やつらめ、この密林をものともしない! 逃げるぞ!」

???「どこに逃げるんだい?」

ガルザ「なっ、囲まれて……」

???「もう、終わりだよ。はあ、もう少し楽しませてくれると思ったんだけどな」

アポロ「僕の名前はアポロ。どうやら僕の魔物から聞きたいことがあるみたいなんだ」

???「ガッシュという魔物を知っているか?」

バランシャ「ガッシュ……? さあ、知らないけど……あ、でも日本にいるって……」

???「そうか……」スッ

ガルザ「なっ、やめてくれ! オレたちが悪かったから……」

アポロ「うーん、僕としてはどっちでもいいんだけどね」

アポロ「きっと、僕の魔物がそれを許さないと思うよ」

???「情けは無用だ。ここで見逃してもまた戦わなくてはならなくなるだけだからな」

アポロ「だってさ」

ガルザ「うわあああ」バッ

アポロ「アボロディオ!」ズゴオオ

アポロ「じゃあ、行ってみるかい? 日本に」

???「ガッシュに会える可能性があるならな」

アポロ「ずいぶんとガッシュに執着しているようだね。恋人?」

???「いや、違う。あいつはオレの親友だ。あいつには命を救われたんだ……」

???「今度はオレの番だ」

アポロ「そっか……じゃあ、行くとするか。日本に」

今日はこれで終わります。
バリーはやらかしちゃったけど、あれはあれで、続けたらギャグとして書けていたかもしれないです。
最後の奴は前から言ってたやつですね。やっぱり入れ替えてしまいました。

イギリス――

デュフォー「……!!」

デュフォー(これは……)

デュフォー「おい、ガッシュ……」

デュフォー「……どこだ……?」

ガッシュ「ただいまーなのだ」

馬らしきもの「メルメルメー」

デュフォー「……なんだ、そいつは……?」

ガッシュ「私の魔界での友達、シュナイダーなのだ!」

デュフォー「そうか……本を燃やすぞ」

ガッシュ「ウヌ! 話を聞いていたのか!? 友達なのだぞ!」

デュフォー「まあいい。そいつは後回しだ。ここに二体の魔物がくる!」

ガッシュ「なぬ!?」

ガチャ

キャンチョメ「はっはー、ガッシュ! ここにいるのはわかってるんだぞ」

フォルゴレ「イタリアの俳優、パルコ・フォルゴレ登場!」

デュフォー「ザケル!」ドカーン

フォルゴレ「ぎゃあああ」

デュフォー「さっさと、かたをつけるぞ」

ガッシュ「! お主キャンチョメではないか!?」

キャンチョメ「くそお、ガッシュめ! よくもやってくれたな。だが……」

キャンチョメ「教えてやろう、フォルゴレが鉄の戦士ということを」

キャンチョメ「無敵の戦士、フォルゴレということを!」

キャンチョメ「鉄の……」

デュフォー「ザケル!」ドカーン

キャンチョメ「きゃあああ」

ウマゴンがウマゴンじゃない…だと

ガッシュ「やめるのだ、デュフォー! こやつらは悪いやつらではない」

キャンチョメ「いたたたたた」

ガッシュ「さっきはすまぬのだ。会えてうれしいぞ」

キャンチョメ「え……?」

デュフォー「なんだ……そいつは?」

ガッシュ「魔界からの友達なのだ。キャンチョメは私を傷つけるような者ではない」

キャンチョメ(ガッシュにしか勝てそうになかったから来たんだけど……)

ガッシュ「いつも私といじめられておった。それでも私たちは一緒に強くなろうと誓い合った仲なのだ!」

キャンチョメ「……ガッシュ……」

デュフォー「ガッシュ……だまされるな。そいつらはオレたちの本を燃やしに来たんだ」

ガッシュ「そんなわけがなかろう! キャンチョメは私の友達だぞ、もし戦うとしたら最後に生き残ったときだけだ!」

キャンチョメ「……」

デュフォー「……だから……」

キャンチョメ「そうだ、そうだ! 僕とガッシュは友達だぞー、そんなことするわけがないじゃないか!」

デュフォー(な……なにぃぃ!)

今日はかなり短いですが、終わります。
一番困ったのはウマゴン。たとえガッシュが忘れていたとしてもデュフォーがわかるからなあ……
こじつけてもいいんだけど……
まあ、このssにはシュナイダーがふさわしい気もする……
うーん。ウマゴンも捨てがたい……

まだ書きたいけど、時間がなさそうなんですみません。



ガッシュ「…すまぬ。ド忘れしたのだ」
デュフォー「ウマゴンがお似合いだな(適当)」

みたいな?

書いていきます。オリジナル術出ます。


夏休みも終わり、新学期に突入して二週間がたった。

清麿「えーっと、接着剤や工具はあそこの店で売ってたよな」

清麿「くそ……せっかくの日曜なのに、なんでオレが家の門の修理をしなきゃいけないんだ」

清麿「だいたい門を壊したのは……」

清麿「瞬間移動の練習だと言って何度もやった挙句、門に突っ込んでいったゼオンじゃないか」

清麿「まったく……」

男の子「ねえ、お兄ちゃん。このお店わかりますか?」

清麿「ん」

清麿(オモチャ店のチラシか……)

清麿「うん、ここならあの向かいのビルだ。黄色い看板が見えるだろう?」

男の子「あ、あった。ありがとう、お兄ちゃん」タッ

清麿「って、おい! コラ、赤信号だ! 急にとびだしたら……」

パ――――

清麿「くそー!」ダッ

ゴッ

清麿「!?」

一人の青髪の青年がそこに立っていた。

その青年は、片手だけで車をとめている。

清麿「お前……」

青髪「おい、ガキ、勝手にとびだすんじゃない!」

アポロ「そこの君は、大丈夫かい?」

清麿「お、オレは別に……」

アポロ「そうか」

――

清麿「子供は平気そうだしオレは……」

アポロ「待ちなよ。少し話でもしていかないかい?」

アポロ「本の持ち主でしょ」

清麿「な……」

アポロ「僕の本は緑色だ」

――

清麿(く……ゼオンはここにいないし、戦いになれば……)

アポロ「大丈夫さ、今すぐ戦おうってわけじゃない。今から言う場所に魔物を連れてきてよ」

アポロ「戦う場所は……そうだな……この町に来るとき採石場があったからそこにしよう。二時間後につれておいでよ」スタスタ

清麿「……お、おい……」

清麿(なんだ……こいつ……何か底知れぬ力を感じる……)

アポロ「あ、そうだ。僕の名前はアポロ。君は?」

清麿「高嶺……高嶺清麿……」

アポロ「そっか、じゃあね清麿。戦うの楽しみにしているよ」

清麿「……」

家――

清麿「おい、ゼオン、敵だ! ……ゼオン?」

ゼオン「スー……スー……」

清麿「こいつ……オレに買い物に行かせておいて……なんて気持ちよさそうに寝て……」

清麿「おい、起き……ってうわ」ブン

ガシャーン

ゼオン「……清麿か」

清麿「あ……危ねえ……」

清麿(な、なんて寝起きのわるいやつなんだ……)

清麿「ゼオン、採石場に敵が……」

ゼオン「採石場……? ……! なんだこれは……」

ゼオン「とてつもない魔力を感じる」

清麿「……ゼオン……?」

ゼオン「こいつは手強そうだ……」

清麿(! ……ゼオンがここまで言うなんて……)

採石場――

アポロ「ありがとう、清麿。逃げださずによく来てくれた」

青髪「一つ聞かせろ」

清麿「!」

青髪「ガッシュという魔物を知っているか?」

ゼオン「!」

清麿「……?」

ゼオン「よく知っている奴だ。……居場所まではわからんが」

青髪「そうか、ならお前には倒した後でいろいろと聞かせてもらおう」

ゼオン「……フン、ずいぶんと余裕じゃねえか」

ドカーン

清麿「!」

レイン「本気で行くぞ! アポロ!」

アポロ「ああ」

清麿「一瞬で化け物の姿に……」

ゼオン「清麿、くるぞ!」

アポロ「アボロディオ!」ズゴオ

清麿(な……なんだ、この威力……)

清麿「ラシルド!」ドン

バキ……メキ……

ゼオン「ラシルドが……」

清麿「ザグルゼム!」ギュイーン

アポロ「!」

アポロ「レイン、避けよう」

レイン「!……わかった」スッ

清麿「何!?」

ドカーン

清麿(攻撃をはね返す前から避けて……)

清麿(アポロはまだこの術を見てないはず……)

清麿(なのになぜ効果を!?)

清麿「くそ、ならば避けられないほどのでかい術を……」

ゼオン「待て、ここは力よりスピードで勝負だ!」

アポロ「アボロディオ!」ズゴオ

ゼオン「く……」シュン

ドーン

清麿「ゼオン……」

ゼオン「危なかったな……」

ゼオン(これが……第一の術の威力か……?)

清麿「ソルド・ザケルガ!」シュン

ゼオン「……」バッ

清麿「スピードで翻弄するんだ!」

ゼオン「はああ」バババッ

レイン「速い!」

アポロ(く、まったく目が追い付かない……だが!)

アポロ「レイン、後ろだ!」

ゼオン「!?」

アポロ「アボロディオ!」

ゼオン(この人間、動きを読んだ……? それとも、まさか直感で……)

ゼオン「く……」クルクル

ズゴオオオオオ!

ゼオン(マントが破れて……)

ゼオン「ぐうう」ドカーン

ゼオン「……っ」

清麿「ゼオン大丈夫か!?」

ゼオン「ああ、油断しただけだ」

清麿「ゼオン、血が……」

ゼオン「そんなことより早く呪文を唱えろぉ! 奴らはすでに攻撃態勢だ!」

清麿「!」

アポロ「ギガノ・アボロディオス!」ズゴオオオ

アポロ「! ……避けられているか……」

ゼオン「清麿!」

清麿「ガンレイズ・ザケル!」ドラララ

シュンッ シュンッ シュン

レイン「四方八方から……」

アポロ「なら……全部防げばいいな……アーガス・アボロド!」ガキーン

ゼオン「くそがああ」

清麿「レード・ディラス・ザケルガ!」ドギャア

アポロ「ヨーヨーか……」

レイン「……つまらん……」

アポロ「ギガノ・アボロディオス!」ドカーン

ゼオン「レード・ディラスが……」

清麿「ラシ……う……」バシッ

アポロ「……」ニッ

清麿「石……」

ゼオン「うおおお」クルクル

ドカーン

ゼオン「あ……が……」

清麿「っ、ゼオン……」

アポロ「拍子抜けだな……もう僕を楽しませてはくれないのかい?」

清麿「く……」

レイン「オレたちの勝ちだ。さっさと本を渡すんだな」

清麿(そんな……)

ゼオン「……フン……誰が負けたって……?」ヨロ…

清麿「ゼオン……」

ゼオン「さっさと呪文を唱えろ! 何ボーっとしてやがる!」

清麿(そうだ……何をオレは、ゼオン一人に戦わせているんだ……)

清麿(呑まれちゃいけない、確かにこいつらは今まで出会った中で一番強い)

清麿(だが……)

清麿「すまんなゼオン、弱気になって」

ゼオン「……?」

スウ……

清麿「おおおおおおおおおおおおおおお」

ゼオン「!?」ビリビリ

アポロ「!!」ビリビリ

シーン

清麿「いくぞ、ゼオン……こっからが本番だ」キッ

アポロ(……いい顔だ……清麿)

清麿「ザケル!」ドカーン

アポロ「ぐお」

レイン(雷が手前に落ちた?)

アポロ(そうか、煙で身を隠すために……)

アポロ「! レイン後ろだ!」ブン

清麿「ちいい、避けられたか……」

アポロ「清麿自ら本を奪いにくるなんていい度胸だ」

アポロ「アボロ……」

清麿「させるか! ザグルゼム!」ギュイーン

レイン「!」

レイン(なんだ……この術? 体が光って……)

アポロ(この術は最初に盾に使った術……)

ゼオン「はっ、何ボーとしてやがる!」

清麿「テオザケル!」ドカーン

アポロ「アーガス・アボロド!」キイン

清麿「ザグルゼム!」ヒュー

アポロ(地面に……?)

清麿「ゼオン、次はあそこだ!」

ゼオン「ああ」スッ

清麿「ザグルゼム!」

レイン「アポロ! 全体攻撃だ」

アポロ「ああ、ラージア・アボロディオ!」ドカーン

ズゴゴゴゴゴゴ

ゼオン「ちい」シュン

レイン(空中に逃げたか……)

ゼオン(なんて威力だ……)

清麿「つぎは、あそこだ、ザグルゼム!」ギュイーン

レイン「フン、当たってないぞ!」

アポロ「空中に逃げるなんて格好の的だよ!」

アポロ「ギガノ・アボロディオス!」ズゴオオオ

清麿「ザグルゼム……そして……テオザケル!!」ドギャアア

レイン「相殺……」

アポロ(今……地面が光った……? まさか光の呼応?)

アポロ(まさか……この術は術の強化だけでなく、連鎖誘導を……)

清麿「ザグルゼム!」ギュイーン

清麿「準備は整った……」

アポロ(なにかくる……!?)

清麿(いまお前等の足元には少し前のザグルゼムがうちこまれてある)

清麿(三角形の角とその中心に一つ、そして……)

清麿(均等な距離にザグルゼムがあると電撃はどう動くか……試してみるといい)

清麿「ジャウロ・ザケルガ!!」ドラララ

アポロ「こ、これは……」

レイン「何十もの雷が……」

アポロ(しかもこれら全てが追尾してくる……! 避けることはできない!)

アポロ「アーガス・アボロド!」キイン

バキ……

レイン「!」

アポロ「な……」

ドカーン!

清麿「どうだ! これならお前らも……!!」

レイン「……」

ゼオン「まだ……」

レイン「今のはけっこう効いた……」

清麿「あれほどの攻撃を生身で……」

ゼオン「くっくっく……やっぱりお前ら強いな……」

清麿「ゼオン……」

ゼオン「これほど楽しいものはない」ピカーン

清麿(! 本が……)

レイン「ああ、お前たちも今まで出会った中で一番強い」

アポロ「……いくよ。レイン、最大呪文だ」

清麿「なんて光だ……」

ゼオン「……」

アポロ「……」コオオ

清麿「ゼオン、奴らの最大術はおそらく……今まで覚えてきた術じゃあ勝てない」

ゼオン「そうだろうな」

清麿「オレたちの新呪文で奴らを倒す。それ以外に勝ち目はない」

ゼオン「ああ……わかってる」

清麿「いくぞおお! ゼオン!!」

アポロ「ガルバドス・アボロディオ!!」

清麿「ジガディラス・ウル・ザケルガ―!!」

ドーン!

ズザザザザザ――

清麿「うおおお」

ゼオン「っ」

清麿「くそ! まだだ! まだ奴を……ぐ……」ドサッ

ゼオン「き……清麿……」フラ…

清麿(体が……動かん……)

清麿「くそ! 奴が来る! 動け……動けええ!!」

アポロ「ハハハハ……もうそこまでか……清麿?」

清麿「な……」

目の前にはアポロとレインが立っていた。

アポロ「僕たちの勝ちだ」

清麿「……っ」

ゼオン「く……くそがぁ……」

レイン「いい勝負だった。アポロ退くぞ」

アポロ「ああ」

ゼオン「ま、待て!」

レイン「ゼオン、そう呼ばれていたな。覚えておくぞ、その名前……また会おう」スタスタ

ゼオン「待てぇ!!」

――

アポロ「どうしたレイン? ガッシュのこと聞かなくてよかったのかい?」

レイン「あの魔物、オレたちのこと、刺し違えても殺る気だったからな。おそらく無理だろう」

アポロ「……ふ、そうだね。僕の心の力は空だし」

レイン「あのまま戦っていたら、おそらくどちらかは死んでいただろうな」

アポロ「最後の術もやばかった……」

レイン「ああ、どうやらあれは五つのエネルギーをためるタイプらしい」

アポロ「新呪文が幸いしたよ」

レイン「二つしかためなかったからな。もし五つすべてためていたら……」

アポロ「負けていたのは僕らだっただろうね」

レイン(ゼオン……おもしろいやつだ)

今日はこれで終わります。最近忙しくてなってきたので、書けるときに書いていきたいなと思います。
個人的に清麿とアポロ、ゼオンとレイン、二人ともがライバルにふさわしいなと思っていました。
ロップスだと、原作通りになっちゃうので……
レインは作中最強クラスのキャラなのでどうしても入れ替えたかったですね。

作者いわくレインは最強

投下します。時間がやばいぜ……ちょっと短いかも


数日後――

清麿「ゼオン?」

家のどこを探してもゼオンは見つからない。

清麿「ゼオン……」

清麿(いつも圧倒して勝っていたやつが負けたんだ。あいつにとってかなりショックなんだろうな)

清麿(もしかしたらあいつにとって初めての敗北ってやつなのかもしれん)

清麿「はあ……」

清麿「……オレも勝負ごとに負けたのは初めてかもしれないな」

清麿「まあ、オレの場合、勉強とかでしか勝負したことが」

清麿(このままではダメだ。あいつの足を引っ張ってばかりだ。こんなんじゃあ勝てるもんも勝てない)

清麿「この本……」

清麿「心に反応する魔本をもっとコントロールできれば……」

ピンポーン

清麿「ん?」

清麿「……はーい?」ガチャ

コルル「あの……こんにちは」

ティオ「ゼオンいる?」

清麿「ゼオンか……実はオレも知らないんだ」

コルル「そう……」

ティオ「……」

コルル「ゼオン……大丈夫かな……?」

清麿「大丈夫さ。あいつはこんなことでつぶれるようなやつじゃない」

ティオ「ったく、らしくないわね。いつも自信満々で偉そうなのに……でも本当、どこに行ったのかしら」

清麿「山にはいないのか?」

コルル「うん……」

清麿(別の場所でトレーニングでもしているのだろうか? 無茶してないといいが……)

ティオ「コルル、今日は帰りましょ、ゼオンに出された宿題もあるし」

コルル「うん、そうだね……」

清麿「ゼオンが帰ってきたら、教えるよ。あ、それとコルルにお願いがあるんだけど……」

コルル「?」

――

ティオ「もう! あいつが帰ってきたら一言文句言ってやらないとね! ね、コルル?」

コルル「え、あ……うん……」

ティオ「どうしたのよ、コルル。全然元気ないじゃない」

コルル「私、なんにもできないなぁって……」

ティオ「え?」

コルル「ゼオンが苦しんでるのに……私には何もできない」

コルル「私が苦しんでるときは、いつも……」

コルル「いつも助けてもらいながら……私は何も……」

ティオ「コルル……」

ティオ「……!」


ティオの見た先にはマントを羽織った子供が歩いていた。

ティオ「あそこにいるのは……」

コルル「ゼオン!?」

ガッシュ「ウヌ……?」

ガッシュ「お主はコルルと……ウヌ!? 首しめティオなのだ!!」

ティオ「ガッシュ……?」

コルル「なんだ……ガッシュか……」

ガッシュ「ヌ? なんか、がっかりされたのだ……」

ティオ「って誰が首しめティオよ!」

ガッシュ「ひいい、こわいのだー、シュ……シュナイダー!」

シュナイダー「メルメルメー」バッ

ティオ「この馬も魔物……?」

ガッシュ「逃げるのだ! 私たちでは勝てないのだ!」ダダダッ

ティオ「こ、こら! 待ちなさいよ!」

コルル「行っちゃった」

ティオ「なんだったのかしら……」

――

ガッシュ「デュフォーーー!」

デュフォー「お前ら、どこに行っていた」

ガッシュ「は、早くここから逃げるのだ!」

デュフォー「……そうか……ここに二体魔物がいるな。十分に倒せるレベルだと思うが……」

ガッシュ「む、無理なのだ、こ……怖いのだ」

デュフォー(何を怯えている……しかしこの二体、今倒しておかないと厄介なことになる可能性もある……)

デュフォー(優秀な師でもついているのか……? 成長速度が普通じゃない)

デュフォー(まあいいか。本の持ち主はいないようだし、無理に戦わせても……)

デュフォー「おい、ウマ、お前の本の持ち主だがそいつは今仕事で北海道に研修に行っている」

デュフォー「オレたちも北海道に行くぞ」

シュナイダー「メル!?」

デュフォー「……こわいのか?」

シュナイダー「メ、メルメルメー!」

デュフォー「なら行くぞ」

ガッシュ「ウヌウ……また飛行機かの」

デュフォー「おい、誰が飛行機で行くって言ったんだ」

デュフォー「走っていくぞ」

ガッシュ「!」

デュフォー「飛行機じゃあ時間がかかるからな。トレーニングの一環だ」

ガッシュ「う……ヌー! デュフォーは鬼なのだ!」

デュフォー「お前とウマで代わりばんこにやっていけ」

シュナイダー「メル!?」

デュフォー(それと、北海道の方にも魔物が一体いるな……そいつは倒しておくとするか)

――

清麿「悲しみ……」ヒュウウ

清麿「喜び……」ピカー

清麿「楽しさ……」コオオ

清麿「怒り」ゴオオオ

清麿「ふう……難しいな。けっこう疲れるし、それともっと術の扱い方も考えないと……」

清麿(……)

清麿(やつらと戦って最初に抱いた感情はくやしさと自分に対する怒りだった……)

清麿(もうあんな思いは二度としたくない)

清麿(アポロ……今回はオレの負けだ……だが)

清麿(次は絶対に負けない)

次の日――

清麿「! ゼオン!」

ゼオン「どうした?」ボロ…

清麿「どうしたじゃない! こんなボロボロになって……顔色もわるいぞ!」

ゼオン「着替えたらまたでかけるつもりだ。昨日まで砂漠にいたからな。今度は南極だ」

清麿「バカ! お前この数日ろくに寝てないだろ!?」

ゼオン「だからどうした。おれはもっと強くならなきゃいけないんだ」

清麿「あきらかにオーバーペースだ。今日ぐらいはしっかり休め!」

ゼオン「……学校はどうした」

清麿「ああ……いまから行くところだ……」

ゼオン「じゃあ、さっさと行け」

清麿「……わかった。お前も休むんだぞ」ガチャ

ゼオン「……」

ゼオン「バカ麿め……修業とはいかなる時もやめてはいかんのだ」

ゼオン「次は南極だ。はやく準備を……」

コルル「ゼオン? いるの……?」

ゼオン「!」

ゼオン「……」ガチャ

ゼオン「コルル……」

コルル「よかった……ずっと会えなかったから心配で……」

ゼオン「今からまたでかけるところだ」

コルル「そうなんだ……ねえ、私も行っていい?」

ゼオン「……無理だ。オレが今から行く場所は厳しい環境でな。お前じゃあ耐えられない」

コルル「……」シュン…

ゼオン「……はぁ……今日ぐらいは遊ぶか……?」

コルル「えっ……本当?」キラキラ

ゼオン「……ああ」

――

コルル「ねえ、ゼオン……これ知ってる?」

ゼオン「ん……? 新聞か」

コルル「この彫刻はね、シェミラの像って言って、しおり姉ちゃんが言ってたんだ。とにかくすごいんだって」

ゼオン「はあ……」

コルル「一般公開はあさってなんだけど……」

ゼオン「じゃあ、あきらめろ」

コルル「え……」ウルウル

ゼオン「……ああ、わかった! 今日見に行くぞ!」

コルル「ええ!」

コルル「またコンサートみたいに……」

ゼオン「大丈夫だ、目にも止まらない速さで奪い、目にも止まらない速さでかえすだけだ」

コルル「全然大丈夫じゃないよ……」

今日は終わります。好きなキャラでも心を鬼にして退場させなければならないのかもしれない。
ガッシュssじゃなくゼオンssだからね。キャラの性格的に難しい。
すでに原作と全然性格が違うけど……

書いていきます。
すみません…誠に言いづらいのですが……北海道にいるのはカルディオじゃないです。

モチノキ国際美術館――

ゴルド―「ダニーボーイ、わしは少し話をしておる。その間におつかいにいってきてくれ」

ダニー「何! 休ませろよ、遊ばせろよ、自由にさせろよ」

ゴルド―「やかましいのぉ、菓子を少し買いにいってほしいだけじゃ」

ダニー「菓子?」

ゴルド―「たいやきという魚のドーナツじゃ」

ダニー「魚のドーナツ!?」

ゴルド―「ユニークじゃろ、お前の分も渡すから行ってこい」

ダニー「しょ、しょうがねーなあ。行ってやるか」

ゴルド―「たのんだぞ、ダニーボーイ」

――

役人a「さ、打ち合わせは以上です。ご老体で今回の長旅はお疲れでしょう」

役人a「ホテルでゆっくりお休みください」

ゴルド―「いや、少しここにいるよ」

役人a「しかしもうタクシーを呼びましたし、あとは我々が……」

ゴルド―「じじいの足がしびれてな。歩けるようになるまで休ませとくれ」

役人a「……わかりました」

ゴルド―(フン……いくらカタギの真似をしようと、そのよどんだ目の光だけは隠しようがないわい)

ゴルド―(この部屋にいる奴らすべて泥棒じゃ。いまここでワシが席を外せば像は五分でもってかれる)

ゴルド―(しかしこいつらもプロ、いつまでもじじいの演技には付き合わん)

ゴルド―(くそ、ダニーボーイめ、たいやき一つ買うのにどれだけ時間をかけておる……)


そのころ

ダニー「たいやき、うまwうまw」

美術館――

ダニー「――!! じじい! どうした!? 何があった!?」

ゴルド―「遅いわ……ダニーボーイ、シェミラの像が奪われた!」

ダニー「え!?」

ゴルド―「じゃが、まだそれほど時間はかかっていない、今から追えば間に合う!」

ダニー「わ、わかった! じじい、かつぐぞ」ガシ

役人a「ははは、楽勝だ。シェミラの像ゲットだ」

役人b「これで船まで運んで逃げれば……」

役人c「これでオレたちは大金持ちだ!」

ガゴーン

役人b「なっ、トラックの上になにか……」

ゼオン「ここか、シェミラの像があるのは……」

ゼオン「フン!」ドカーン

役人a「ぎゃあああ」バーン

ゼオン「えーと、どこだ?」ガチャガチャ

コルル「ねえ、ゼオン。まずいよ……トラックもひっくりかえっちゃたし……」

ゼオン「お前、車のなかの会話聞いてなかったのか? こいつらは泥棒だ」

コルル「えええ! っていうか、車のなかの声なんてきこえないよ……」

ゼオン「ほれ、あったぞ」スッ

ゼオン「さあ、開けてみるか」

コルル「……」ドキドキ

ダニー「お前らかあああ!! シェミラの像を盗んだのは!?」

ゼオン「む、このケース開けづらいな」

コルル「ほ……ほら、持ち主も来たみたいだし……」

ダニー「じじい、戦う準備しろ!」

ゴルド―「違う、あの子たちは……」

ダニー「だまされるな! あいつら魔物だ」

ゴルド―「!」

ダニー「本の持ち主はいねえみたいだな」

ダニー「悪いがガキだからって容赦はしねえぞ!」

ダニー「いくぜえ!」バッ

ゴルド―(こちらには本がある)

ゴルド―(ダニーはどれだけ傷つこうが本を燃やされない限りすぐにでも再生・回復する)

ゴルド―(超回復能力!!)

ゴルド―(強い攻撃力はなくてもあやつにはどんな力も怖れぬ根性がある!)

ゴルド―(倒すのはまず無理じゃ!)

ゼオン「邪魔だ」ドカーン

ダニー「ごふっ」ドサッ

ゴルド―「」

ゴルド―「ジオルク! ジオルク!」

ゴルド―の叫びもむなしくダニーは目を覚まさなかった……

ゼオン「よーし、開いたぞ」

パカーン

ゼオン「これがシェミラの像……」

コルル「わあ! ……」

コルル「……うーん……よくわかんないや」

ゼオン「さすがだな、コルル。オレもよくわからん」

ゼオン「ほらよ」ヒョイ

ゴルド―「うわあ!」キャッチ

ゼオン「それ、お前のだろ。もう盗まれないようにしろよ」

ゴルド―「あ、あぶない……」

ゼオン「あとこの泥棒たちの対処はきちんとしておけよ」

ゼオン「いくぞ、コルル」

コルル「うん!」

ゴルド―「……」ポカーン

ゼオン「まだ時間があるな。どうする?」

コルル「これ」

ゼオン「ん……? 映画のチケット?」

コルル「清麿兄ちゃんが面白いって」

ゼオン(あいつがねえ……)

コルル「ゼオンと映画見るの楽しみ!」

ゼオン「文芸映画……おもしろいのか? というよりも映画が何かよくわからないんだが……」

コルル「映画ならしおり姉ちゃんと行ったことがあるからわかるよ」

ゼオン「そうか、なら行ってみるか」

映画館――

ゼオン(なんだ……これは……オレが子供だからなのか……? 全然面白くない)

ゼオン(眠い……何も魅力を感じない。ダメだ、コルルが楽しみしてたんだ……寝てはダメだ)ウトウト

ゼオン(コルル……?)

コルル「スゥ……スゥ……」

ゼオン(なっ、寝てる!? まだ開始十分だぞ……)

ゼオン(オレまで眠く……ダメだ……こんなところで寝るなんて子供か……)

ゼオン(まあ、コルルも寝てるし……いかん、寝るなんてダメだ……)

ゼオン(ダメだ……今までの疲れが……)ガク

ゼオン「……」

コルル「……」パチ

コルル(寝ちゃった……)

コルル(清麿お兄ちゃんの言う通りだった……)

コルル(やっぱりすごい疲れてたんだ……)

コルル(……ごめんね、連れまわしたりして……)

――

清麿「コルル!」

コルル「ただいま」

清麿「ゼオンをおんぶしてきたのか? 連絡くれたらすぐ行ってたのに」

コルル「私は大丈夫。心配なのはゼオンの方だよ、全然起きない」

清麿「言ったとおりだっただろ? あの映画見たら絶対寝るって」

コルル「うん……」

清麿「どうした? ……楽しくなかったか……?」

コルル「ううん、私はゼオンと一緒ですごい楽しかったよ。でもゼオンは私なんかのために、疲れてるなか……つきあってくれて……」

コルル「ゼオンはつまらなかったんじゃないかな……」

清麿「おいおい、そんなわけないだろ。あいつは何の得にもならないことは途中で放棄するようなやつだぞ」

清麿「そもそもコルルが誘ってくれなきゃトレーニングだとか言ってどこかに行ってたにちがいない」

清麿「トレーニングを休んででもコルルと遊びたかったんだよ」

コルル「そうかなあ……」

清麿「ああ、コルルが暗い顔してたら悲しむぞ」

コルル「うん、そうだね」

三日後――

ゼオン「はっ!」

清麿「おっ、起きたか。よく寝られたか?」

ゼオン「朝……?」

清麿「映画館で寝てから三日間ずっと寝てたんだぞ」

ゼオン「何!? き、貴様が面白くもなんともない映画を紹介するから……」

清麿「疲れはとれたか?」

ゼオン「! 謀ったのか……?」

清麿「シェミラの像をその日に見に行くとは思わなかったぞ……まあ、映画館で三日も寝たから結果オーライだが」

ゼオン「フン……くだらんことを……」

清麿「なあに、屋上の時のお返しさ」

清麿「なあ、ゼオン、あまり一人で何でもやろうとするなよ? コルルとティオが心配してたぞ」

ゼオン「……!」

清麿「それとゼオン、すまなかった!」

ゼオン「!……?」

清麿「オレが足手まといだからお前に負担をかけてしまった……」

ゼオン「そんなものは想定内だ」

清麿「レインとアポロの戦いで負けたのは全部俺の責任だ」

ゼオン「……」

清麿「オレがただ術を出してお前が戦う……それだけじゃあ勝てないんだ」

清麿「ゼオン頼みがある」

ゼオン「……?」

清麿「オレを鍛えてくれ」

清麿「オレはもうあんな悔しいおもいはしたくない」

ゼオン「……」

ゼオン「……フン、覚悟はいいのか……?」

清麿「ああ!」

ゼオン「勉強は? 体を鍛えるとなったら今以上に時間をとられるぞ」

清麿「勉強なんていまさらする必要ないさ」

ゼオン「フン、変わってるよな、お前って……」

清麿「お前に言われたくないな。勉強だってできるし、六歳に見えないぞ」

ゼオン「お前も中学生に見えないがな」

清麿「……なんかこうしてみるとオレ達って似てるよな」

清麿「オレ達出会うまでずっと友達いなかったし」

ゼオン「お前と一緒にするな」

ゼオン(まあ、間違ってはないが……)

清麿「なんでも一人でできると思っていた……」

ゼオン「…………」

ゼオン「……そうだな……」

清麿「でも今は違う……オレ達は一人じゃない」

清麿「オレ達天才が全ての力を発揮して手を組んだら絶対に誰にも負けないと思わないか?」

ゼオン「……自分で言うか……」

清麿「何事もやるならこれくらいうぬぼれないとな!」

ゼオン「ふっ……へんなやつだ……」

北海道――

デュフォー「着いたか……」

ガッシュ「ぜえ……ぜえ……疲れたのだ」

シュナイダー「メルメルメ……」

デュフォー「ガッシュ、この北海道に魔物がいる、そいつを倒しに行くぞ」

ガッシュ「ちょ、ちょっと待ってほしいのだ……」

デュフォー「大丈夫だ。その疲れた体でも十分に倒せるという答えが出た」

デュフォー「奴らは呪文の数自体は多いが一つ一つがいかしきれていない」

デュフォー「そこをつき、倒すぞ」

ガッシュ「ウヌ……わかったのだ」

――

進一「ほら、エシュロス、ちゃんと立って……」

エシュロス「ヤダヤダ! 町中こわい! 早く帰りたいー!」

進一「エシュロスの新しい服を買いにいくんだよ」

エシュロス「いつまた、あいつが現れるか……!!」

エシュロス「ぎゃあああああああ」

進一「!?」

ガッシュ「ウヌ……あの者……私を見てさけんだぞ……」

デュフォー「さすがのオレも驚いたぞ……」

エシュロス「ぎゃああああ、来た! 来た! あの悪魔だあああ」

進一「くっ、エシュロス前を見るんだ!」ササッ

エシュロス「ああああああ」

エシュロス「怖い怖い怖い怖い」

進一「お、落ち着くんだ! エシュロス」

ガッシュ「なんだかあの者かわいそうなのだ……」

デュフォー「…………はあ」

デュフォー(……ったくまた本が燃やせないのか……)

デュフォー(まあ、こいつらしいっちゃ、こいつらしいな……)

ガッシュ「お主、そんなにおびえるでない」

エシュロス「……ひいい……」

ガッシュ「私はお主を攻撃したりしない」

エシュロス「……あれ……あいつじゃない……?」

ガッシュ「お主、私と友達にならぬか?」

エシュロス「え……」

ガッシュ「仲間ほど心の支えになるものないからの! もうおびえなくていいのだ」

エシュロス「とも……だち……」

ガッシュ「ウヌ! 私とお主はもう友達なのだ!」

エシュロス「だ……ダメだ! 僕はいやだ、誰ともかかわりたくない! 僕は……僕は弱いんだ……」

エシュロス「そ……そんなの……足を引っ張るだけだ……」

デュフォー「ならば強くなればいいだろう」

エシュロス「!」

デュフォー「今のお前なら正しい力の使い方をしてくれそうだしな」

エシュロス「つ……強くなれるのか……?」

デュフォー「ああ」

エシュロス「た、たのむ! もう嫌なんだ、毎日毎日夢にでる……僕が弱いから……あいつがいつも僕の夢の中に……」

進一「本当にそんなことしてくれるの? 僕たち敵同士なのに……」

デュフォー「ガッシュの友達なんだろ……」

ガッシュ「ウヌ!」

進一「ありがとう……」

デュフォー(それにこいつ磨けばいいものをもっている、鍛えれば役にたつはずだ……)

今日はこれで終わります。

書いていきます。


回想――

清麿「次の日曜か」

清麿「しかしいいのか? あの大海恵がオレ達なんかと一緒に遊園地なんて……」

ティオ「あら、何言ってるの? 清麿はかっこいいわよ」

ティオ「それにゼオンだって息抜きが必要だろうし」

ティオ「……ゼオンは?」

清麿「ああ、映画館に行ってから二日間ずっと寝てるな」

ティオ「あ、そうそう清麿! 映画館なんで誘ってくれなかったのよ!?」

清麿「す、すまん……二人分しかなくて……」

ティオ「だ、だからってなんでコルルとなのよ! ムキ―!」

ティオ「……はあ、まあいいわ。遊園地なら恵だってリラックスできるだろうし私だって楽しんじゃうんだから!」

清麿「わかった。ゼオンは無理やりにでも連れて行かせるから、安心してくれ」

――

清麿「早く着きすぎたな」

ゼオン「なんだ、ここは?」

清麿「遊園地だ。たまには息抜きも大事だろう?」

ゼオン「この前、映画館に行ったばかりだ」

清麿「いいんだよ、そんなことは」

清麿「それとコルルはしおりさんと今実家に帰ってるらしいから、後で来るそうだ」

清麿「ただ待ってるのも退屈だし、少し見ておくか」

ゼオン「……フン」

――

『背の高さが120センチメートル以下の方は乗れません』

ゼオン「……」

清麿「……」

ゼオン「……帰るか」

清麿「ま、待てゼオン、他にも乗れるものがあるはずだ」

ゼオン「……」

パピプリオ「ええーい、貴様! 遊園地はみんなが楽しむところではないのか!?」

パピプリオ「小さいからダメだと!? ふざけるな!!」

パピプリオ「乗りたい! 乗りたい!」

ヒゲ「あきらめな、クソガキ、あまり恥ずかしいことすんじゃねえ」

パピプリオ「恥ずかしいのはそっちだろ!? 変なものにのりやがって!」

ヒゲ「パンダカーだ」

パピプリオ「それにゾボロンも乗せてやれよ! かわいそうだろ!?」

ヒゲ「やかましい、百円入れたのはこのワシだ」

ゼオン「……」

清麿(おかしな奴らがいるなあ)

パピプリオ「ええーい、もういい! 乗せてくれないならこんなもの壊してくれる!」

清麿「おいおい……」

ゼオン「清麿、こいつら魔物だ」

清麿「!」

ゼオン「王を目指すというやつがルールも守れないのか……」

ゼオン「速攻で消すぞ、ティオにはとてもじゃないが見せられない」

ゼオン「あの呪文だ」

清麿「大丈夫か?」

ゼオン「こちらもコントロールはする。お前も力加減を気を付けろ」

清麿「わかった」

パピプリオ「やれ、ルーパー!」

ルーパー「……しょうがない子ね……」

清麿「ジャウロ・ザケルガ!」ドラララ

パピプリオ「へ」

ヒゲ「!」

ドカーン

メラメラ

パピプリオ「な……そんな……」

ヒゲ「我々、最強コンビが……」

ルーパー「パピプリオー!」

ヒゲ「ゾボロン!」

ゼオン「相手の本だけ狙うなんて我ながらナイスコントロールだ」

清麿「修行の成果ってところか」

ゼオン「そろそろ来てるんじゃないか? 戻るぞ」

ゼオン(しかし退屈だ……あいつクラスじゃないと戦いにすらなりやしない)

ゼオン(もっと強いやつと……)

――

恵「ごめん、おくれちゃって……待った?」

清麿「いえ、今来たところですよ」

ティオ「ねえ、ジェットコースターよ! 清麿早く」

ゼオン「……」

『背の高さが百二十センチメートル以下の方は乗れません』

ティオ「うわー、あんまりよ! 小さいからって乗れないってどういうこと!?」

ゼオン「おいティオ、駄々をこねるな。みっともないぞ」

ティオ「う……」

ゼオン「ほかにも乗れるものがあるだろう。見て回るぞ」

ティオ「わ、わかったわよ」

恵(本当、ゼオン君って大人ね……)

恵「うん、これなら乗れるわ!」

ティオ「えー、こんなの幼稚よ」

清麿「まあまあ、そんなこと言わずに乗ってみようぜ、ティオ」

恵「ゼオン君は乗らないの?」

ゼオン「ああ。オレはいい、これよりもっと高いところに行ったりしているからな」

恵「そっか、じゃあ私もここにいよっと」

ゼオン「……お前も乗って来ていいんだぞ?」

恵「あれ二人乗りだから、さすがに一人じゃあね……」

ゼオン「そうか」

恵「ゼオン君、ありがとね」

ゼオン「は?」

恵「ティオが最近笑うようになったの」

恵「出会ったころとは大違い」

ゼオン「別にオレは何もしていないが」

ティオ「いや、だめよ! 空飛んでるじゃない!」

ティオ「お、お……落ち!」

清麿「ははは、じゃあ、もっと動かしちゃおうかな」

ティオ「ちょ……ちょっとー!」



恵「最近ゼオン君のことばかり話すの」

恵「勉強ができて腹立つとか、偉そうで上からものを言ってきてムカつくとか」

ゼオン「……なんだそれは……」

恵「困ったことがあったら助けてくれるとか」

恵「悩み事があったら相談にのってくれるとか」

ゼオン「…………」

恵「だからね……」

ゼオン「そんなものは当たり前だ、なにせやつは下僕だからな」

恵「あはは、やっぱりティオの言う通り偉そうだね」

ゼオン「まあ、下剋上なら二十四時間いつでも歓迎するがな」

ゼオン「さっさと強くなってオレをこえてみろ」

恵「フフフ、私たちだって負けないからね」

ゼオン「フン……楽しみにしておいてやるよ」

――

清麿「ええ!? まさかお弁当作ってきてくれたの!?」

恵「あら、もちろんよ。もしかして清麿君、アイドルは家事なんてできないと思っていた?」

清麿「い、いや、それはないけど……」

清麿(まさか、大海恵の手料理が食べられるとは……)

ゼオン「ごちそうだな」

ティオ「あ、そうだ、ゼオン!」

ゼオン「ん?」

ティオ「あ、ほら、その……弁当……なんだけど……」

ゼオン「作ってきたのか?」

ティオ「あ……うん」

ゼオン「じゃあもらうぞ」

ティオ「うん! 私が心を込めて作ったのよ! 味わって食べなさい!」

ゼオン「……!」

ゼオン(心を……こめて……か)

恵「よし、最後にこれ乗らない?」

清麿「メリーゴーランドか、うん、じゃあ」

ゼオン「……」

ゼオン(うう……腹が……ティオんの奴め、作りすぎだ……)

清麿「ふう、こんなに遊んだのは久しぶりだな」

恵「こんなに楽しい休日初めて! ありがとう清麿君。また来ようね」

清麿「うん!」

ゼオン「そうだな」

清麿「あ、そうだゼオン。ティオの弁当全部食べてたけどおいしかったか?」

ゼオン「ん……」

ティオ「! ……」ドキドキ

ゼオン「見た目は最悪だったな」

ティオ「」ガーン

ゼオン「だが味は良かったぞ、なんだろうな、心がこもっていたと言えばいいのか? 見た目など意に介さない出来だった」

ティオ「! ええ当り前よ! なにせ私が作ってるんだから!」

ゼオン(オレのためにつくった料理か……)

ゼオン(もしかしたらそういうのは初めてかもしれないな……)

ゼオン(なんか人間界に来てから変なことばっかりだ)

ゼオン(調子が狂う……)

――

コルル「こんにちはー」

しおり「えっと外にでてるってことは……」

ゼオン「遅かったな……もう終わったぞ」

コルル「そんなー」

清麿「まあ、また今度来ればいいさ」

恵「あら、あなたがコルルちゃん? こんにちは」

しおり「え……――!!」

しおり「め、……え!?」

しおり(本物のアイドル、大海恵ちゃん!? コルルの言ってたティオちゃんのパートナーって……!!)

しおり「あわ……わ……」

恵「えっと……どうかしました……?」

しおり(か、覚悟をきめるのよ! しおり!!)

しおり「あのサインください」

今日はこれでおわります。
すまないパピプリオ……好きなキャラの一人なんだが、ゼオンが強すぎた。
面白いやつだから魔界できっといい友達にであえるさ。……ごめん。

書きます、と思ったら寝落ちしてた……投下します


数週間後――

清麿「相談したいことがある、ゼオン」

清麿「オレは今、ある魔物を助けるかどうか迷ってる……」

清麿「その魔物はまだ良いやつか悪いやつかもわからない」

清麿「だがその本の持ち主は必死に助けを求めている!」

清麿「本来なら敵であるオレ達にすがるほど……」

ゼオン「……オレが助けるとでも思っているのか?」

清麿「ま、まあ、そうなるよな……だけど、すこしかわいそうでな……」

ゼオン「……話してみろ」

清麿「ああ、――」

清麿「……というわけだ」

ゼオン「……魔物と人間の恋……めずらしいこともあるものだな」

清麿「オレ達にメリットはないだろうな……やめておくか」

清麿「傷つけてしまうから巻き込まない……もしかしたら正しい選択なのかもしれないな」

ゼオン「…………」

コルル『私がやったんでしょ? 私がみんなを傷つけたんでしょ?』

ゼオン「…………」

ゼオン(ちっ……とんだ甘ちゃんになったもんだ)

ゼオン「行ったことない場所だから瞬間移動は無理だ。交通費はそいつらが払うんだろうな?」

清麿「! ゼオン……」

ゼオン「勘違いするなよ、修行の成果を試すだけだ」

清麿「そうだな」

――

リィエン「来てくれてうれしいある、恩にきるあるよ」

リィエン「ただ一つ聞かせてほしいある……この船は一体……?」

ゼオン「……」

清麿「……」

リィエン「やっぱり何も聞かないある……」

リィエン「……! あの島あるよ!」

ゼオン「……! この島に魔物がもう一体近づいてきてるな……」

清麿「何!?」

ゼオン「まあ、たいしたことはないだろう……」

清麿「うまく上陸できたが警備が物々しいな」

リィエン「本当に危険なのはここからある。本当に協力してくれるあるか?」

ゼオン「フン、余計なお世話だ」

清麿「それにオレ達が行かなくても、あんた一人で行っちまうんだろ?」

リィエン「ええ、その通りある」

ゼオン「じゃあ、行くとするか」スッ

黒服「な、なんだ!?」

清麿「マーズ・ジケルドン!」ギュイイン

黒服「な……みんな、すいこまれて……」

黒服「うわあああ」

ゼオン「清麿……?」

清麿「大丈夫だ、電撃はかなり弱くコントロールしてある!」

ゼオン「……変なところで盾を出す清麿はどこにいったんだ?」

清麿「言うな」

ドカッ!

黒服「へっ、これで牢にはいけねえ」

黒服「このエレベーターが動かなきゃ頂上までは絶対にたどりつかねえ」

黒服「ざまあみろだ!」ダッ

清麿「ま、待て! 本当に他の道は!?」

清麿「ちっ、行きやがった」

リィエン「……」

リィエン「ゼオン、清麿ありがとう。ここまでで十分ある」

リィエン「あとは私一人で……」

ゼオン「待て、お前に行かれると困る」ガシ

リィエン「え」

ゼオン「お前が帰ってくるまで、オレ達はここで待ってなきゃいけないのか? 勘弁しろ」

清麿「まあもう少し待っててくれ。このエレベーターなら直せそうだ」

リィエン「直せるあるか!?」

清麿「実はこういう頭使う方が得意でね」ゴソゴソ

――

ガリオント「……? エレベーターが動いて……何かがここへ上がってくるな」

サバス「! この感じは……」

ガリオント「どうしたサバス?」

サバス「面白い……面白いよ」

サバス「上がってくるやつも魔物だ! オレ達ここで一気に二匹の魔物を倒せるよ!」

ウイイイイン

清麿「光が強くなってきた。もうすぐ頂上だ」

リィエン「うん……もうすぐある」キラキラ

ゼオン(うれしそうだな……)

清麿(ウォンレイ……どんな魔物だろ? リィエンに早く会わせてやりたい)


サバス「ようこそ、ここが君達の天国だ」

清麿「え……?」

リィエン「あなた誰ある!? ウォンレイはどこあるか!?」

ゼオン「あの牢の中にいるな」

清麿「! リィエン! 君は早くウォンレイのところへ、ここはオレ達がくいとめる!」

リィエン「……。スマナイある!」ダッ

ガリオント「フン! くいとめるか……はたして我々をくいとめられるかな……」

サバス「どんな攻撃もオレの鎧の羽ではじいてやるよ」

ゼオン「ほう……それは楽しみだな」

リィエン(ウォンレイ……ウォンレイ……)

リィエン(私来たあるよ! 一緒に戦うあるよ!)

リィエン「ウォンレイ!」

ウォンレイ「……何しにきた? リィエン」

リィエン「え……」

――

清麿「……リィエン……?」

ゼオン「どうした?」

清麿「ウォンレイのやつがでてこない……まさか……」

清麿「まだ……」

ゼオン「なあ、清麿。こいつオレ達が倒さずにあっちに向かわせた方がいいんじゃないか?」

清麿「なっ、それはリスクが高いぞ! リィエンが……」

ゼオン「オレは賭けてみたいがな……」

サバス「フン、何よそ見してやがる!」

ガリオント「ガルウルク!!」ドン

清麿「! とりあえず威嚇程度においはらうぞ! ザケル!!」ドカーン

サバス「フン、こんな電撃など簡単にはじいて……」クルン

サバス「!」ゴッ

サバス「な……オレの鎧の羽を……つきぬけ……」

サバス「ぐおおおお」

ドカーン!

メラメラ……

ゼオン「……」

清麿「……」

清麿「……修業の成果だな」

ゼオン「……」

清麿「いや……なんかあいつ防御に自信もってたから……」

ゼオン「……はあ……まあいい。少しだけオレのやり方につきあえ」

清麿「……!」

清麿「わかった」

中途半端ですが今日はこれで終わります。

続きいきます。


リィエン「なぜでてこないある、ウォンレイ! 早く本を渡すある! その手錠を壊すある」

リィエン「私……あなたと一緒に戦いたいから……傷ついても平気だから」

リィエン「私、ウォンレイが好きあるから!」

ウォンレイ「リィエン……私はあなたが嫌いだ」

リィエン「――っ!!」

ゼオン「……どうした、リィエン?」

リィエン「! ゼオン……敵は……?」

ゼオン「もう倒した……それよりそいつはどうした」

リィエン「……」

ウォンレイ「……あなた方にお願いがある。どうかリィエンを無事に連れて帰ってもらえないだろうか……?」

ゼオン「なんだ、お前、本をリィエンにわたしていないのか?」

ゼオン「それはいいことを聞いた」ニター

清麿「ザケル!」

ウォンレイ「……え!?」

ドーン!

リィエン「きゃあああ」

ウォンレイ「なっ、リィエン! リィエン!!」

ウォンレイ「貴様、何を!?」

ゼオン「おいおいどうした? その女が嫌いなんじゃなかったのか?」

リィエン「っ……な……何のつもりあるか!?」

ゼオン「くっくっく、それはだな……」

清麿「簡単な話だ、お前たちだまされていたんだよ」

ウォンレイ・リィエン「!!」

清麿「まさかオレたちが敵を助ける、底抜けのお人よしとでも思ったのか?」

清麿「違うな、本当の目的はそこの女に魔物の居場所を教えてもらうことだ」

清麿「そしてお前たちを始末する」

ゼオン「……」

ゼオン「そういうことだ、今日はついてるぜ、二体まとめて消せるんだからなあ!!」バチバチ

ゼオンの手に雷が宿る

ゼオン「消えろ!!」バッ

清麿「ザケル!」

ドカーン!

ウォンレイ「うっ……」

リィエン「あがっ――」

ゼオン「はっはっは」

リィエン「……っ」

リィエン(……大丈夫、たいした威力じゃないある……檻が壊れた今なら本を!)バッ

ウォンレイ「リィエン、こっちに来るな! 逃げるんだ!」

ゼオン「おい……ウォンレイ、お前なあ……リィエンを巻き込みたくないとかいってるが」

ゼオン「もう手遅れなんだよ!」バチバチ

ウォンレイ「ぐ……」

清麿「リィエンから聞いたが、お前みんなを守れる王になりたいらしいな」

清麿「こうしてみると、とんだお笑い草だ。戦うことから逃げて何が守れるんだ!」

ウォンレイ「!!」

ゼオン「……フン」

ゼオン「クズが王だの守るなどと……」

ゼオン「さしずめ、クズの魔物にクズの人間がくっついたってわけだ! お望み通りクズ同士こっぱみじんにしてやるよ!!」

清麿「ザケル!」ドッ

ウォンレイ「――――リィエン、第四の呪文だ!」

リィエン「……! はいある!」

リィエン「ゴウ・バウレン!!」

ドシャアアア

ゼオン「……っ」

ズザザザザ

ゼオン「……」ギロ

ウォンレイ「言ってくれるじゃないか」

ウォンレイ「リィエン、私はあなたを守り抜こう!」

ウォンレイ「そして、ともに王への道を歩む!」

ウォンレイ「行くぞ! まずはリィエンをクズ呼ばわりしたあやつを魔界に帰す!!」

清麿「……」

ゼオン「くっくっく、やってみな」

ゼオン「はああ!」バッ

清麿「ソルド・ザケルガ!」シュン

ウォンレイ「『風手双掌』は風をもとらえる双手の掌! 万槍を弾く鋼の門!」バババッ

ウォンレイ「はっ」

リィエン「レルド!」ピカーン

スー―

ウォンレイ「なっ」

ゼオン「残念だったな! そっちは残像だ」

ゼオン「うぉらあああ」

ドカーン

ウォンレイ「がああ」ズザザ

ゼオン「フ、筋はいいが、人間界で武術を学んだってところか」

ゼオン「まだまだ甘いぞぉ!」バッ

清麿「ザケル!」

ドカーン

ウォンレイ「うう……」ドサ

リィエン「ウォンレイ!」

ゼオン「どうした? この程度か!?」

ゼオン「お前のリィエンを守りたい気持ちはその程度か!?」

ウォンレイ「う……うおおおお」ババッ

ガッ バキッ ガシッ

ウォンレイ(私の武術をすべてよけて……)

ゼオン「その程度じゃあ、倒れてやれねえなあ!!」

清麿「ザケル!」

ドカーン

ゼオン「くっくっく、これはやりすぎたかぁ?」

清麿「……!」

ウォンレイ「…………」ヨロ

ウォンレイ「……はあ……はあ……」スッ

ゼオン「そうだ、守ってみせろ、てめえの命をかけてもな」

ゼオン「いくぞおおおお」バッ

ウォンレイ「うおおおお」

戦いは一方的だった。

ウォンレイの顔面にゼオンの拳がはいる。

ウォンレイはのろのろと立ち上がる、そしてまた殴り倒される。

何度も何度も倒されては立ち上がる。

もはやウォンレイに意識はなかった。

ゼオン「いい加減寝てもいいんだぞ?」

ウォンレイ「………………」スッ

清麿「はあ、もう面倒だ、帰るぞ!」

ゼオン「……!」

清麿「埒があかねえよ……オレは帰るぞ」スタスタ

リィエン「清麿……!」

ゼオン「ちっ、清麿がやる気なくしてしまったようだ。ここは帰るか」

リィエン「……」ギロ

ゼオン「くっくっく、次会うときはもっと腕をみがいとくんだな」スタスタ

リィエン「ウォンレイ! ウォンレイ! 大丈夫あるか!?」

ウォンレイ「……ああ……」

リィエン「それにしてもひどいやつらある! だますなんて……」

リィエン「あやうく殺されかけたある!」

ウォンレイ「……違うよ……リィエン。あの者たちが私たちを殺す気なら……もっとはやく死んでいた……」

ウォンレイ「それどころか、やつら半分の力もだしていなかった……」

ウォンレイ「気づかされた……私は弱い……」

ウォンレイ「もっと……もっと……強くならなければ……何も守れない……」

ウォンレイ「手伝ってくれるか……リィエン……?」

リィエン「う……ウォンレイ……」

リィエン「うん、喜んで協力するあるよ!」

――

清麿「ああ……」

ゼオン「どうした、清麿? 顔色が優れないな」

清麿「いや……まあな。ちょっと罪悪感が……」

ゼオン「フン、だから言ったんだ。お前は黙っておけばいいと」

清麿「ゼオンばっかりにそんな役、やらせるわけにはいかないだろうが」

清麿「それに最初のザケル……うまくコントロールできてよかった、傷つけるんじゃないかとひやひやしたよ……」

ゼオン「清麿、下を降りるぞ。瞬間移動でパパッと帰りたいところだが……」

清麿「そうだな。下が騒がしくなってきた」

ゼオン「帰る前の掃除は大事だからな」

清麿(本当……おせっかいなやつ……)

数か月後――

山――

ゼオン「準備はいいな、お前ら」

コルル「うん」

ティオ「手加減しないわよ」

清麿「少しは手加減してくれよ……」

ゼオン「今からテストをおこなう。これはあくまでお前らがどれだけの成長したのか知るためのテストだ」

ゼオン「くれぐれも不正はないように」

ゼオン「まあ、どうしても無理だったら、無茶せずにひきかえしてこい」

清麿「えっと……この地図のコースを走って行けばいいんだな?」

ゼオン「そうだ。コルルとティオは何度かこれをやっているな」

ゼオン「まあ、お前は確かにトレーニングしたが、コルルとティオには敵わないだろう。自分のペースで行ってこい」

清麿「おいおい……いくらなんでも女の子たちには負けないだろ……」

ゼオン「準備はいいな、それじゃあ、よーいどん!」

コルル「……」バッ

ティオ「だあ!」バッ

ダダダダダ

清麿「なっ、あいつらめちゃくちゃ速い!」

ゼオン(まあ、あいつらはお前よりも長くオレのトレーニングについてきたからな)

ゼオン(これくらい当然だ)フフン

ゼオン「まあ、休憩地点になんか飲み物でもおいといてやるか」

――

パティ「高鳴る胸がドキドキ、バクバク周りの空気もふるわせてるわ」

パティ「私のオーラを放出、周りの草木も私にドキドキ」

パティ「そんな美少女、ヴィーナス、天使、女神に妖精、すべてが私にぴったりなのよ!」

パティ「私は私はパティちゃーん!」

パティ「えへへへ、世界を旅して四か月。ここにあの人はいるかしら?」

ウルル「私にはわかりません。でも、本を燃やされていなければ、いずれ会えるでしょう」

パティ「そうね。まだ負けてなければいいんだけど……」

パティ「え? あの人が誰かって? そう、聞きたいのね。私とガッシュちゃんのなれそめを……」

ウルル(聞いてねえよ)

店員「お買い上げありがとうございました」ウイイイン

ゼオン「……これだけ買っておけばいいか」

ゼオン「……ん……魔物か?」

――

パティ「私たちは敵同士……会えば戦わなければならない相手……」

パティ「ああ……なんて悲しい恋なのかしら……」

パティ「でもいいの。あの人が王様になるためなら……」

パティ「私はどんなことでもしてあげられるわ!」

ゼオン「……」

パティ「……はっ!!」

ウルル「……」

ゼオン「……」

パティ「ガガガガガッガガ……ガガッシュちゃん……?」

ゼオン「ああ?」

パティ(本当に…本当に……)

ゼオン(しまった……ライター持ってきてないな……)

パティ「――ッシュちゃ――――ん!!」バッ

ゼオン「……? ……誰だ、お前」

パティ「え……」ピタ

パティ「あ、あの……ほら……私、あなたの恋人……名前は言わなかったと思うけど……ほら……私の顔ぐらいは……」

ゼオン「はあ? なに寝ぼけたことほざいてやがる」

パティ「」

パティ「……」

パティ「……許さない……」

パティ「あんちくしょーー!!」

ゼオン「!!」ビクッ

ゼオン「……」

パティ「私の顔を……最愛の恋人の顔を忘れるなんて!!」

パティ「燃やしてやる! 絶対に燃やしてやるわ――!!」

ゼオン(……こいつやべえ……)

パティ「うおおおお」バッ

ゼオン「……」シュン

パティ「なっ、消え……」

ゼオン「……」トン

パティ「あ……」ドサッ

ゼオン「……なんて顔して襲いかかってくるんだ、こいつは……」

ウルル「パティ――!」

ゼオン「……」バチバチ

ゼオン(……さすがに燃やせるものがないと無理か……)

ゼオン「まあいい、清麿を呼んでくるか」シュンッ

ビョンコ「……」

ビョンコ(助けに入ろうかと思ったけど、やめといてよかったゲロ……」

ウルル「おい……パティ……」

ビョンコ「お困りみたいゲロね」

ウルル「魔物!!」バッ

ビョンコ「そう見構えるんじゃないゲロ! 助けてやるから仲間になるゲロ!」

ウルル「仲間……?」

ビョンコ「間もなく我々は残った魔物どもを一掃する作戦にでるゲロ!」

ビョンコ「その手伝いをするゲロ!」

ウルル「手伝い……?」

ゼオン「おい、きよ……どうした?」

コルル「大変! 清麿お兄ちゃんが!」

ティオ「転んでけがしたの」

清麿「いたたたた……」

コルル「もう、がんばりすぎだよ!」

清麿「悪い……コルルとティオに負けてられないなと思ってとばしたら……」

ゼオン「ちっ、このバカモンが」

ゼオン「コルル、お前回復呪文が使えたな? しおりは家か?」

コルル「今日は家にいるだって」

ゼオン「じゃあこいつを運ぶぞ」

――

清麿「ありがとう、コルル。しおりさん」

コルル「うん」

しおり「あまり無理はしないでくださいね」

ゼオン「ったく、トレーニングだといって、怪我したら身も蓋もないぞ」

清麿「すまん、すまん」

ゼオン(……そういえば、何か清麿に伝えようと思ったことが……)

ゼオン(まあ……覚えだせないなら、たいしたことじゃなかったんだろう)

数日後――

家の前――

清麿「ゼオン!」

ゼオン「ああ……」

清麿「誰だ……?」

ナゾナゾ博士「私の名前はナゾナゾ博士。なんでも知ってる不思議な博士さ」

清麿「……何か話があるのか?」

ナゾナゾ博士「ウム。じつは君たちにお願いがあってな」

キッド「はいこれ」スッ

清麿「なんだ、これ?」

キッド「博士が作ったウニのお寿司だよ!」

清麿(……プリンにしょうゆ……)

ゼオン(……食べてみたい……)

キッド「なにせ博士は世界一のすし職人だからね! ね? 博士」

ナゾナゾ博士「ウ・ソ」

キッド「(;゚Д゚)」

清麿「さっさと用件を言ってほしいんだが……」

――

清麿「四十近くの石版が……?」

ナゾナゾ博士「ウム」

清麿「じゃあ、あんた達はその千年前の魔物と戦う仲間を集めるために旅をしているということか」

ナゾナゾ博士「やつらの怖いところは集団で襲ってくるところにある」

ゼオン「……」

ナゾナゾ博士「時期がきたらまた連絡をいれる」

ナゾナゾ博士「その時に力を貸してくれることを願うよ」スタスタ

ゼオン「……」

清麿「まあ、集団の怖さってもんは植物園で味わったからな」

ゼオン「……まあ、オレひとりで全てぶっつぶしてやってもいいんだが……」

ゼオン「せっかくだ。コルルとティオのトレーニング相手になってもらおう」

ゼオン「昨日とうとう残りの魔物が四十体以下になったからな」

ゼオン「やつらにも実戦が必要だろう」

千年前の魔物について

フェリウス…ドラゴン、空を飛べる パートナーはセバスチャン。
ニンニン…パートナーはカーリー。
カルーラ…女の子。カールされた緑色の長髪。パートナーはマレーネ。

特に覚える必要はない。

街中――

ドカーン!

ダニー「な、なんだ!? あいつら……こんな街中で……!」

ビョンコ「やるゲロよー!」

カーリー「ネシルガ!」ドン

マレーネ「オル・ロズルガ!」ドカーン

バ―――ン!!

「きゃあああ」「いったい……うわあ」「ぎゃあああ」

ダニー「ちいい」

ゴルド―「このままでは街の人が……うああ!」

ダニー「じじい!」

ゴルド―「へ、平気じゃ。それよりも山に行くぞ!」

ダニー「ああ」

ダニー(四対一……ダメだ……奴らはじじいを狙っている……)

ダニー(このままでは……)

山――

ゴルド―「よし、ここなら誰も巻き込むまい!」

ダニー「……すまねえ、じじい……」ガッ

ゴルド―「っ……な……なに……」ドサッ

ダニー「すまねえな、じじい。このままじゃあ、じじいまで傷つけてしまう」

ゴルド―「だ……ダニー……」

ダニー「あばよ、じじい。今まで楽しかったぜ」タッ

ゴルド―「ダニー―!!」

ダニー「……」タッタッタ

ダニー(ボーイがついてねえじゃねえかよ……)タッタッタ

ダニー(この緊急事態でつけるの忘れてんのかよ……)

ダニー(わかってる……オレはもう……)ポロポロ

ダニー(引き返せない!)

――

ビョンコ「お、観念して出てきたゲロな?」

ダニー「おう、本もここだ」サッ

ビョンコ「おお……」

ダニー「……」ササッ

ビョンコ「なんの真似ゲロか?」

ダニー「これで邪魔者はいなくなった、その意味がわかるか?」

ビョンコ「なにい……」

ダニー「てめえらをぶっつぶすってことだ!」ババッ

ビョンコ「呪文も使えないやつが何言ってるゲロか! みんなでかかるゲロ!」

マレーネ「バズ・アグローゼズ!」グシャアア

カーリー「ネシルガ!」ドン

セバスチャン「フレイド!」ドカーン

ダニー「うおおお」

ドカーン

メラメラ

ビョンコ「な……なんて奴ゲロ……呪文を使えないのに、フェリウスとニンニンがやられて……」

ダニー「はあ……はあ……う……」ドサッ

メラメラ…

ビョンコ「だが、お前の本も燃えたゲロ!」

ダニー「…………」

ダニー「ふっ、ふははは」

ビョンコ「! 何がおかしいゲロ!?」

ダニー「お前ら、仲間連れて強くなった気分でいるようだが……オレなんかに手こずってるようじゃあ、全然だめだな」

ビョンコ「何!?」

ダニー「生き残ってる魔物にはオレを一撃で倒すようなやつもいるんだからよ……」

ダニー「お前たちもそいつに会うだろう……そのときどんな反応するか……楽しみだぜ……」スウウ

ビョンコ「ふ、フン……負け惜しみゲロね! オイラ達が負けるわけないゲロ!」

カルーラ「……」

ビョンコ「負けるわけないゲロ……」

数日後――

家――

ゼオン「おい、清麿! 家を出るぞ」

清麿「魔物か!?」

ゼオン「ああ、そのようだ。五体の魔物がこちらにむかってきている」

ゼオン「また家を壊されてはたまらんだろう」

清麿「……トラウマが……」

ゼオン「……でるぞ」

家の外――

パティ「アーイル・ビーバーーック!」

パティ「戻ってきたわよ! ガーーッシュ!!」

ゼオン「ああ? ガッシュだと……?」

ゼオン「オレとあのマヌケと勘違いしてんじゃねえ」

パティ「……はれ?」

パティ「よく見たらガッシュちゃんじゃない?」

パティ「なーんだ、そうよ、そうよね! ガッシュちゃんが私を忘れるわけないじゃない!」

パティ「まあ、あんたは許さないんだけどね!!」ギロ

ゼオン「……」

清麿「会ったことがあるのか?」

ゼオン「ちょっと前にな……」

ゼオン「リベンジを果たしに来たというところか?」

パティ「違うわ、私はあなたたちの本を確実に燃やしにきたのよ」

パティ「さあ、降りてらっしゃい! 千年前の魔物たちよ!」

ドーン!

ボルボラ「……」

ドグモス「……」

エルジョ「……」

パティ「さあ、千年前の魔物たち! あいつらを始末しなさい!」

清麿「ザケル! ザケルガ! テオザケル!」

ドカーン

パティ「ひいいいい、一瞬で三体がやられた!!」

パティ「ちょ、まっ……強すぎでしょおお!!]

パティ「ここはひとまず逃げないと!」

ゼオン「おい」ガシ

パティ「ひい」

ゼオン「お前にはいろいろ聞きたいことがある」

ゼオン「清麿」

清麿「ああ、わかってる。マーズ・ジケルドン!」ギュイイイン

パディオス「ピピイイ」ズボッ

ゼオン「逃げるための魔物ってところか……」

ウルル「く……」

ゼオン「さあ、話しな。千年前の魔物がどういうものなのか」

パティ「うう……」

――

清麿「なんだと! 戦いたくない者の心を操って無理やり戦わせるだと!?」

清麿「ふざけんじゃねえぞ!!」

ゼオン「……」

ゼオン「ずいぶんとなめたことを……」

ゼオン「ロードだと……? 気に入らねえな。そして憐れだ」

ゼオン「こんな雑魚ども束ねて王様きどってんだからな……」

ゼオン「気が変わった……そのロードとかいうやつはオレ様が直々にぶっ殺してやるよ」ニヤ

パティ「……」ビクッ

ウルル(こ…こえええ)

パティ(このゼオンってやつ、ただものじゃない! もしこんなのが来たら……)

パティ(いや……大丈夫……四十体もいるんだし……)

パティ(あのロードが負けるわけ……)

ゼオン「……」

ゼオン(一つ懸念材料があるとすれば、ロード……今回の魔界の王の候補者の中にその名前はない……)

ゼオン(心を操る能力……ここまで複雑に、しかもこんな大人数を操るなんてオレには無理だ)

ゼオン(一体何者だ?)

清麿「……」

清麿(月の石……これによって石化がとける……また、傷も治すことができる……)

清麿(それが手に入れば、これからの戦闘がかなり楽になるな……)

清麿「じゃあ、さっそく向かうとするか」

ゼオン「しかしまあ、いい乗り物が手に入ったものだ」ニヤニヤ

パディオス「ピ―!」ウルウル

清麿「そのデボロ遺跡に着くにはどれくらいかかるんだ?」

パティ「み……三日もあれば、着くけど……」

清麿「よし、ちょっと準備してくる、それとゼオン。コルルとティオは連れていかなくていいのか?」

ゼオン「ああ。きっと無理やり戦わせていることを知ったらコルルは……」

清麿「……そうだな」

パティ「じゃ、じゃあ……私はこれで……」

ガシッ

パティ「は、はなしなさいよ!」

ゼオン「おいおい……お前は人質だ。この空飛ぶ魔物に途中で振り落とされたら面倒だからな」

パティ「……っ」

――

清麿「待たせたな」

ゼオン「ずいぶんな荷物だな……」

清麿「まあな……パスポートと食料、それなりの金を持ってきた」

清麿「それとルートの確認もしてきた」

ゼオン「外国の金じゃないか? そんなものよくあったな」

清麿「親父の仕事がらみでな」

パティ「でもパスポートなんていらないんじゃない?」

清麿「なんでだ? 帰りどうするんだよ?」

パティ「」

パディオス「ピィ……(涙)」

清麿「冗談だよ、お前たちの処分は決まってないからな。まあ念のためだよ」

清麿(瞬間移動ができるから、確かにいらないが……まあ、念のためだ)

ゼオン「じゃあ行くとするか!」

数時間後――

ティオ「ゼオーン! 助けに来たわよ!」

ティオ「ってあれ……いない?」

恵「ナゾナゾ博士がここだって言ったんだけどな……」

ティオ「もしかして一人で倒したんじゃあ……」

恵「……」

ティオ・恵「ありえる……」

ティオ・恵「……」

恵「―! 電話だわ」ガチャ

ナゾナゾ博士『恵くん! 新しい情報が入った! どうやらゼオンくんはやつらのアジトに直接向かったみたいなんじゃ』

ティオ「ええ!」

恵「さすがゼオンくん……」

ティオ「ちょっとー、私たちも行くわよ!」

恵「そうね! ゼオンくんに瞬間移動してもらえば仕事も間に合うわ」

――

ナゾナゾ博士(もしかして私はとんでもない魔物を仲間に引き入れたんじゃ……)

今日はこれで終わります。
ち、違うぞ、ダニーは前からバランシャの代わりをつとめるって決めていたんだ……
あいつ最終巻もジオルクだから、ジオルクしか覚えないのかな。
それだとオリジナル術の出しようがないな、よし退場させるか! なんて思ってないからな。
でも書いてみたらけっこういい感じになったんじゃないかなとは思ってます。うん……

おつ
ムーア「人間との戦いは準備万端だぞい」
ドレアム「やったね、ムーアちゃん!しね!」的な

続きいきます。
雑談が悪いとは言えないけど、正直残りのレス数がやばくなってきたので、控えめでお願いしたいっていうのが本音です……すみません。
ただまあ、コメントとかくださるのはやっぱりうれしいので一概には言えないんですが……

コルルは自分の中で、二重人格が天使と悪魔のイメージなので、天使系の呪文を覚えていることになっています。
ゼルク系はゼオンによって封印されました。

上空――

ゼオン「……こんな感じか」

パティ「はい、ゼオン様、なんでも命令をしてくださって死ね、バカアホボケ」

ゼオン「……やはり上手くいかないな」パチン

パティ「――はっ! あんた今何を!?」

ゼオン「ロードとか言うやつみたいに、操れるかと試してみたが……」

パティ「ちょ、ちょっと何してくれてんのよ!」

ゼオン「全然思い通りにならないうえに、長くて五秒……だめだなこれは」

パティ「あんた、まさか変なこと……!!」

ウルル「それは大丈夫ですよ、全然操れてなかったですから」

ゼオン「記憶操作ならできるんだがな……」

パティ「きーー! 最低! 最低のクズ野郎! 乙女の心をいじるなんて! しかも何回も何回も!」

ゼオン「乙女……? 何言ってんだお前」

パティ「きーー! 本当にムカつく!」

清麿「そろそろだ、パディオス、ここを降りてくれ」

パディオス「ピー!」ヒュー

清麿「今日はここで宿をとろう」

パティ「もうやだ! 私もう帰るから!」

ゼオン「……ああ、もう帰っていいぞ」

パティ「……え?」

ゼオン「オレ達はここから走っていく。空飛んで行くんじゃあ目立つからな、お前はその飛ぶやつと一緒に失せろ」

パティ「フ、フン……やっと帰れるのね。あんた達が遺跡でやられる姿が見れなくて残念だわ!」

ゼオン「……フン」

パティ「とにかくこれでガッシュちゃんを探せるわ、行くわよウルル」

ゼオン「……お前らガッシュを探していたのか」

パティ「は、あんたに関係ないでしょ」

ゼオン「オレもそいつを探していたからな。まあ、それだけだ、じゃあな」

パティ「フン、二度とその面見せないでね、あんたみたいな最低野郎はさっさと消えたらいいのよ」

ゼオン「あ?」

パティ「ひ……」ビク

ゼオン「なんかお前勘違いしてるだろ?」

パティ「え……」

ゼオン「お前に比べたらオレなんてまだ可愛い方だろ、オレはお前一人だが、お前なんて魔物と人間あわせて八十人だろ」

パティ「……なっ……! 私は……!」

ゼオン「ロード様の言いなりになってので、私は悪くないってか」

ゼオン「戦うこと以外の感情をなくして、利用して楽しんでたのはどこのどいつだよ?」

パティ「……っ!」

ゼオン「まあ、いいけどな。オレが言えたクチじゃねえし」

ゼオン「……行くぞ、清麿」スタスタ

清麿「ああ」スタスタ

パティ「……」

ウルル「……どうしました?」

パディオス「……ピ?」

パティ「べ、別になんにもないわよ!」

ウルル「……」

翌日――

デボロ遺跡――

清麿「ここがロードのいる場所……千年前の魔物たちの本拠地……」

ゼオン「意外に時間がかかってしまったな」

清麿「まあ、そのおかげで情報を集めることができた」

清麿「調べたところだと、この遺跡には中にいくつもの広い部屋と、迷路のような道が広がっている」

清麿「おそらく、月の石と呼ばれるものは最上階にあるだろうな」

ゼオン「どうする? 外壁を登っていくか?」

清麿「いや、中に魔物がいるだろうからな……面倒だが一体一体倒していく方がいいだろう」

ゼオン「清麿、お前の考えでは、月の石によってロードの心を操る力を増大させている、ということだったな」

ゼオン「ならば、先に月の石を壊してしまった方が楽じゃないか?」

清麿「それだと人間は解放されるだろうが、魔物が自由になってしまう」

清麿「最悪、何体かの魔物が街に出て暴れる可能性がある」

ゼオン「なるほど……」

ガサガサ

清麿「……! 誰だ!?」バッ

ゼオン「ま、待て! この気配は……」

コルル「ゼオン!」

ゼオン「コルル……!」

ティオ「私もいるわよ」

ゼオン「ティオ……」

恵「ふう、間に合った……」

しおり「ぎりぎりでしたね」

清麿「恵さんにしおりさん……?」

ゼオン「お前らどうして……」

ティオ「ナゾナゾ博士に言われてきたの」

コルル「置いてくなんてひどいよ」

ゼオン「しかしお前ら……」

コルル「大丈夫だよ、私たちだって今までゼオンに鍛えられてきたし、それとナゾナゾ博士と戦ったからね」

ティオ「あなたも戦ったでしょ? だったら理由は簡単よ」

ゼオン「……?」

清麿「いや、戦ってないな……」

コルル「え」

ティオ「……」

恵「ナゾナゾ博士は私たちを成長させるための戦いをしてくれたの」

清麿「ふーん」

ティオ(まあ、キッドがゼオンとまともに戦えるわけないわね……)

しおり(ナゾナゾ博士がゼオン君と互角に戦ったって言ったのは、やっぱりうそだったのね……)

ゼオン「いや、オレが言いたいのはそういうことじゃない……」

コルル「わかってるよ」

ゼオン「……!」

コルル「ゼオンは私の心配をしてくれたんだよね。無理やり戦わされている姿を私に見せたくなかったんでしょ?」

コルル「ナゾナゾ博士に聞いたよ」

ゼオン「……あいつめ……」

コルル「でも違うよ。私はもう前みたいに弱くない」

コルル「もう目をそらさないって決めたから」

ゼオン「……」

コルル「同じだからわかるの、その辛さが痛みが……だからこそ私は操られている人を助けたい!」

コルル「そしてロードに一泡をふかせてやりたいの!」

ゼオン「コルル……」

ティオ「そうよそうよ、ロードなんて私が首しめてやるわ!」

ゼオン「……そうだな」

ゼオン「すまなかった。どうやらオレはお前らをみくびっていたようだ」

ゼオン「一緒について来い。そしてロードの顔面をぶん殴ってやれ」

ゼオン「いや、この三人の誰がロードを倒すか競争だ」

コルル「うん!」

ティオ「ええ! 望むところよ!」

清麿「みんな準備はいいな? 行くぞ!」

一同「おお!」

すみません。ちょっと短いですが今日はこれで終わります。
パティどうしようかな。
最初ガッシュサイドでいくつもりだったけど、改心イベントが難しいんだよな。
しかしゼオンサイドだと、ガッシュ、マジで男だらけに……
人数的にはちょうどよくなるんだけど……
それとスレですが、できれば石版編はこのスレで終わらせたい、題名もつけやすくなるので。

書いていきます。

アフリカ――

バムウ「ここだな、ロードが言っていた場所は……」

ザミー「あいつによるとここに送った三体の魔物が、みんなやられたらしい」

バラホー「……」

ビクトリーム「……フン、こんなもの私一人で十分だというのに……」

バウム(お前の場合、ここに来ることさえ難しいきがするが……)

ザミー「しかしどんなやつらなんだろうな」

ビクトリーム「どんな奴らだろうが、このビクトリーム様のえじきにしてやるだけよ……」

ザミー「まあ、お前は強いからな……」

バウム「……心強いな」

ザミー(バカだけど)

バウム(バカだがな)

バラホー(バカなんだよな……)

デボロ遺跡――

ガリン ゴリン

ドカア  バキィ

ゼオン「あの暴れてるやつらが千年前の魔物か……」

アルム「……」

ゲリュオス「……」

ゼオン「さて、サクッと瞬殺してやるか」

ティオ「待ってゼオン。ここは私たちがやるわ」

ゼオン「ん……」

コルル「そうだね、修行の成果を試したい」

ゼオン「……そうか、じゃあ見ておいてやるよ」

ティオ「うん! じゃあ行くわよコルル!」

コルル「うん!」

しおり(うう……ちゃんと戦うのってこれが初めてかも……)

清麿「……」

アルム「がああああ!?」

コルル「……」

ティオ「! ……恵!」

恵「ええ!」

真美子「ネシルガ!」ドッ

恵「セウシル!」キイン

ジョン「デカルク!」ゴオ

ティオ「コルル! 竜の魔物の方が……!」

コルル「わかってる!」

しおり「ビレオルード!」ヴォン

バキ―ン

清麿(光のリングではじいた!)

ゼオン(オレの知らない術だな……これがナゾナゾ博士との戦いで出た新呪文か)

しおり「ガンズ・ビライツ!」ズバアア

アルム「ぐああああ」ドカーン

ゲリュオス「ブリュオオオ」ズザザ

コルル「よし!」

アルム「くそお、何をやってる!」

清麿「!」

アルム「なんでもっと強い呪文を連発しねえ! あんな奴らに押されてんじゃねえよ!」

恵「千年前の魔物が喋っている?」

しおり「ね、ねえ!」

アルム「!」

しおり「あなた、もしかして意識があるの!? 魔物もロードに操られてるんじゃないの!?」

しおり「私たちはそのロードを倒しに来たの!」

しおり「もし戦いを無理強いされてるならもうやめて!」

アルム「……!」

清麿「……」

ゼオン「……」

アルム「……フン」

真美子「ガンジャス・ネシルガ!」ズゴゴゴ

しおり「え……」

恵「セウシル!」キイン

アルム「ちい、防ぎやがったか」

ゼオン(ティオのやつ、地中からの攻撃も防げるようになったのか)

ティオ「大丈夫!? みんな!」

コルル「あ、ありがとう」

しおり「あ、危なかった……」

アルム「ハ―ハッハッハー! ロードに無理強い!? 笑わせるな!」

アルム「オレ達は奴のおかげで暴れられるんだぜ!」

アルム「確かにロードの言うルールはある! オレ達が戦う上でルールはあるが……」

アルム「少なくとも、オレは奴に感謝してるぜ!」

アルム「千年もの間、動きもできず魔界に帰ることもできなかったうっぷんを……こんな最高の形で晴らすことができる!」

アルム「しかも奴の心を操る力のおかげで人間はオレ達の言うことに逆らわねえ!」

アルム「さあ、くだらねえこと言ってねえで戦いやがれ! 軟弱な現在の魔王候補共が!」

コルル「…………」

ゼオン「……どうした、コルル?」

コルル「ゼオン……、私も千年も石に閉じ込められてたら、こういう風になっちゃうのかな?」

ゼオン「コルル?」

コルル「かわいそうあの子たち、早く戦いから解放させてあげたい」

ゼオン「お前ならできるさ」

ゼオン「オレとのトレーニングについてきたんだ。自分を信じろ」

コルル「うん」

ゼオン「お前には守る力がある。それがたとえ敵でもな」

ゼオン「オレにはない力だ」

コルル「しおり姉ちゃん! あの呪文を!」

しおり「わかったわ」コオオオ

アルム「なっ何! まさかやつら、大技を使う気か!? 人間、こっちも最大術だあ!」

ゲリュオス「オオオオ!」

真美子「エグドリス・ネシルガ!」バギュウ

ジョン「ギガノ・ディオデルク!」ドン

しおり「ダイバラ・ビランガー!」ドオオ

アルム(巨大な妖精のエネルギー体……これはエルジョの術……!?)

アルム(いや、奴よりもでかくて強力……)

ドゴオオオオオ

アルム「な……うおおおお」

ドカーン

メラメラ……

ゼオン「やったな」

アルム「……くっ、あの女……オレ達魔物や人間を狙わずに、術と本だけを……」スウ…

しおり「これでもいっぱい特訓したのよ」ハアハア

アルム「フン……こんな軟弱な奴らにやられるとはな……」

アルム「お前今の術のコントロールだけで、心の力を結構使ったんじゃないのか?」

しおり「……」ギク

アルム「やっぱりな、てめえらのような甘ちゃんじゃあロードは倒せんだろうな」

アルム「……だがお前のような奴は初めてだ……」

コルル「……」

ゼオン「面白いやつだろう?」

アルム「……ああ、まったくだ。変なやつらだ」

アルム「ま、せいぜい頑張りな、魔界で見守っといてやるよ……」シュウウ

コルル「……」

ティオ「あの魔物、もともとはいい魔物だったのかもしれないね」

コルル「うん」

コルル「ふう……」ヘナヘナ

コルル「かなり集中したから、疲れちゃった」

ゼオン「頑張ったな」

コルル「ううん、全然だよ」

真美子「いたたた……」

ジョン「こ、ここは……」

恵「人間の意識が戻った!?」

真美子「あ、あなたたちは?」

恵「あ、あの……」

真美子「……っ、いたた……」

恵「あのここから一番近いこの町に、この写真の人達がいます。その人達に会えば、自分の国、家まで帰る手配をしてくれるはずです」

ゼオン「誰だ、その人達とは?」ヒソヒソ

ティオ「ナゾナゾ博士の部下のMJ12って人達」ヒソヒソ

真美子「……」

真美子「あの……」

恵「え……」

真美子「よく事情はわからないけど、あなた達が来て、夢が覚めるまで……」

真美子「私、暗い……苦しい闇の中にいた気がするの。そう、苦しい闇の中……」

真美子「あなた達はそこから助けてくれたのよね?」

真美子「……ありがとう」

恵「……!」

ゼオン「……お前たち二人のおかげだな」

コルル「そ、そんな私なんて……」

ティオ「卑下しないの! コルルは頑張ったじゃない」

ゼオン「お前もな、ティオ」

ティオ「え、いや私は何もしてないわよ」

ゼオン「それもそうだな」

ティオ「え、ちょ、そこはそんなことないって言ってよぉ……」ショボン

――

しおり「それにしても魔物がしゃべるなんて……」

恵「でももし操られてないんだったら、本当に戦いが嫌な子はなんで戦っているのかしら?」

恵「お互いに本を燃やし合えばすぐにでも魔界に帰れるのに……」

清麿「それはたぶん、人間が支配されているからだと思う」

恵「えっ」

清麿「オレ達人間の心の力がないと術は使えない」

清麿「つまりロードが、人間の心、行動を支配するということは、魔物の力、行動も支配することにつながるんだ」

清麿「他の魔物が術以外の方法で他の魔物の本を燃やそうとした場合、おそらく人間がそれを防ぐはずだ」

清麿「それだけじゃない。ここに来る途中、パティって魔物から聞いた話なんだけど、千年前の魔物同士で本を燃やした場合、その魔物は再び石にもどされるらしいんだ」

恵「そ、そんな……」

清麿「まあ、それについては、実際に石にするとは思えないんだけどね」

しおり「えっ、それはどういう……」

ティオ「あっ!」

コルル「やったあ! 水だ! わーいわーい」

清麿「こらこら二人とも、走ったら危ないぞ」

しおり「……」

清麿「この遺跡は水道が生きてるんだ。自然の湧き水を利用したものだから、そのままでも飲めるよ」

恵「そっか。心を操られている人たちも、水がなきゃ生きていけないわよね」

清麿「うん。探せばどこかに食料をためてるところもあるんじゃないかな」

清麿「呪文が完全に使えるようになるまで、休んでくれ」

清麿「それとちょっとごめん。トイレ行ってきていいかな?」

恵「えっ、あ、うん。わかった」

清麿「じゃあゼオン行くか」

ゼオン「ああ」スタスタ

恵「……ゼオン君が行きたかったのかな……?」

上の階――

清麿「来ているのか?」

ゼオン「ああ。上に一体いたな、おそらく仲間を呼ばれているだろうな」

ダルモス「お前が侵入者か!?」

ゼオン「これはこれは、どうした? そんな大人数で集まって……祭りでもやるのか?」

ダルモス「黙れ! フン、この人数をみて怯えないとは、その度胸だけは認めてやろう」

ガンツ「……」

バキング「……」

ブットン「……」

レイラ「……」

ゼオン「フン、血祭りに変えてやるよ」

ダルモス「まだ勝つ気なのか、戦って勝てるとでも思っているのか?」

ゼオン「戦う? 何いってんだ、お前らはオレの遊び相手だ。さっき出番がなかったから暇だったんだ」

清麿「レード・ディラス・ザケルガ!」ドン

ゼオン「くっくっく」

その雷のヨーヨーは重力を無視し、壁を床を天井を、回り続ける。

ゼオン「残念ながら、オレはコルルみたいに優しくないんでね」ギュルルル

ゼオン「これがウォーク・ザ・ドッグってやつだ」

ダルモス「なっ、速すぎてどこから来るのか……」

ゼオン「後ろだ」

ダルモス「……っ! ぐあああ」ドーン

ガンツ「!」

バギング「なっ……」

ブットン「っ!」

ズゴゴゴゴゴゴ

ドカーン

メラメラ

ゼオン「ちっ、あっけないな」

レイラ(つ、強い……私以外の四体を一瞬で……)

ゼオン「……で? お前は何なんだ?」

レイラ「……!?」

今日はこれで終わります。
なんか速報VIPが変なことになっていますね。水曜日以降のものが更新されないから、一覧のみでかなりやりづらい。
どうなってるんだろう

ゼオン「お前の方から全く殺気を感じないんだが……」

ゼオン「お前やる気あるのか?」バチバチ

レイラ「……」

レイラ「私達が間違っているからよ」

ゼオン「……」

レイラ「今の私達のやっていることが、間違いだってことぐらい私にはわかるから」

レイラ「だから私は戦わない」

清麿「……!」

清麿(千年前の魔物にもこういう子がいるのか……)

清麿「君はオレ達と戦うつもりはないんだね?」

清麿「だったら、オレ達と一緒に来ないか?」

レイラ「……ごめんなさい、それはできないわ。石に戻るのが怖いの」

清麿「……石に戻る……か、本当に石に戻るものなのだろうか」

レイラ「えっ?」

清麿「オレにはどうも石に戻るとは思えないんだ」

レイラ「何を言ってるの? 私は実際に見たの、ゾフィスに逆らった子が石に戻されかけたのを」

清麿「ゾフィス?」

レイラ「あなた達のいうロードのことよ」

ゼオン「ゾフィス……それが奴の正体か」

ゼオン「つまりお前はそのゾフィスってやつが、心を操ることもでき、解いた術をかけなおすこともできると言いたいんだな?」

ゼオン「そうだとしたらそのゾフィスってやつは、よほどの天才というわけだ」

レイラ「……」

ゼオン「ありえない。オレにできないことが、奴にできるわけがない」

レイラ「すごい自信ね……」

清麿「まあ、こいつのできるできないはともかく、オレも同意見だな」

清麿「その石に戻されかけた魔物は、完全に石にはならなかったんじゃないか? 石になりかけただけだったんじゃないか?」

レイラ「ええ、そうよ。途中でゾフィスに服従を誓ったから助かった」

清麿「やはりな。だったらそれはおそらく幻覚によるものだ」

レイラ「えっ……?」

清麿「心に暗示をかけて石になる幻覚を見せる」

清麿「そうすることで、あたかも自分が石に戻す能力をもっているかの様に見せれるんだ」

清麿「心の傷を負った千年前の魔物ならそれで十分効果がある」

清麿「最初からあやしかったんだ。石にする術が使えるのはゴーレンだけ。他の魔物には使えないはずなんだ」

レイラ「そっそんなの……」

ゼオン「なら試してみるか? オレの精神操作で、お前にかけられたのが何なのかを調べてやるよ」

ゼオン「暗示であれ、術であれ、お前を縛っているものを取り除いてやる」

レイラ「でももし失敗したら……」

ゼオン「お前に拒否権なんてあると思うか? これは命令だ」

ゼオン「オレの精神操作をより強化するために、お前を利用するだけだ」

清麿「よし決まりだ。さっそく宿屋に戻るぞ」

ゼオン「宿屋に戻る……? そんなことはしなくていいだろ」

清麿「お前、精神操作をしている間は無防備になるんじゃないのか?」

清麿「じゃなきゃパディオスで試していただろうからな。パティがいたからできなかったんだろう?」

ゼオン「確かにそうだが……だがその間はコルルとティオに守ってもらえば……」

清麿「それだけじゃない。一時撤退には奴らの守りを固めるという理由もある」

清麿「外にいる魔物もいるだろうし、ここに全員がそろっているわけではないだろうからな」

清麿「そいつらを集めてもらうためにも、キリがいいんだ」

清麿「どうせやるなら一人残らず倒してやらなくちゃな」

ゼオン「くっくっく、なるほどな。さすがはオレのパート―ナーだ」

――

ティオ「あっ、ゼオン遅かったわね。もしかして大の方?」

ゼオン「フン……」スタスタ

ティオ「ちょっ、どこ行くの」

ゼオン「一時撤退だ、オレ達が借りている宿に戻るぞ」

コルル「えっ……」

しおり「! ……えっとその子は?」

レイラ「……」

清麿「千年前の魔物だ。名前は……」

レイラ「レイラよ。こっちの人間はアルベール」

アルベール「……」

しおり「どういうこと……?」

清麿「詳しいことは宿屋で話すよ、とりあえずここを離れよう」

宿屋――

ゼオン「まずはレイラ、お前の暗示から解く。お前の怯えようがはんぱじゃないからな」スッ

レイラ「本当に解けるの?」

ゼオン「さあな、お祈りでもしておけ」

レイラ「……」


ティオ「ねえ、清麿! あの子は誰なのよ!」

清麿「さっき言っただろう? 千年前の魔物で、一緒に戦ってもらおうと思っている」

ティオ「そうじゃなくて、どうして今もゼオンと見つめ合ってるのよ!」

清麿「え? いや……え?」

ティオ「ああやって頭を撫でて」

清麿「いや、あれは……ああすることで精神操作をしているんだ」

ティオ「だったら私にもやってよ」

清麿「いや、なんでだよ」

コルル「私にもやってほしいなあ」

清麿「コルルまで!?」

恵(……ゼオン君も大変ね)

ゼオン「……よしもういい。お前の暗示は解けた」

レイラ「えっもう?」

ゼオン「ああ。お前にかけられているやつは、けっこう簡単なやつだったからな。もう石化することはない。問題は人間の方だ」

ゼオン「だが、だんだんとコツがつかめてきた」

ゼオン「……ん? コルル達は?」

清麿「ああ、風呂屋にな……ここの宿には風呂がないんだ」

ゼオン「レイラ、お前も行ってこい」

レイラ「私は最後まで見てるわ。アルベールが気になるし……」

ゼオン「……そうか」

――

ビョンコ「ゲロロロロロ、ゲロッパ! あの宿屋ゲロな! お手柄ゲロよ、よく見つけたゲロ」

ビョンコ「ここでやつらを倒せば、また一つロードに褒められるゲロ!」

今日は少ないですが、これで終わります。

ゼオン「……! これは……」

清麿「ゼオン……?」

ドカーン

レイラ「きゃあっ!」

ビョンコ「見つけたゲロよ!」

清麿「千年前の魔物たちか!?」

カルーラ「……」

デンシン「……」

ミノルサム「……」

ゼオン「ま、まずい……」

清麿「!? どうしたゼオン」

ゼオン「今、この人間の脳をいじっている最中でな、中断するとやばいんだ、少なくともこの人間は二度と目覚めない」

清麿「な……」

レイラ「そんな!」

清麿「おまっ、そういうことは早く言えよ!」

ゼオン「こんなにも時間がかかるとは思わなかったんだ」

ルシウス (嘘だろ……)

ルシウス (クビって……)

ルシウス (つまり、仕事が無くなるということか……)




ルシウス (私の……私の輝かしい……)

ルシウス (テルマエ技師としての生活が!)

818です。
すみません。誤爆しました

清麿(これは思ったよりもやばいぞ、ゼオンも戦えないし、レイラも呪文が使えないんじゃあ……)

レイラ「私が囮になるわ!」バッ

清麿「レイラ!」

ビョンコ「ゲロ?」

レイラ「あなた達の相手はこっちよ!」

ビョンコ「なっ、レイラ! お前、まさか裏切ったゲロか!」

レイラ「そうよ」

ビョンコ「この裏切り者をみんなで倒すゲロ!」

マレーネ「」パクパク

ゾルゲ「」パクパク

ビョンコ「なっ……」

レイラ「ふっ、千年前の魔物同士では呪文を唱えられないのよ。知らなかったの?」

ビョンコ「ぐぐぐ、生意気ゲロ」

ビョンコ「ロードに言ってやるゲロ! そうすればお前はまた石に逆戻りゲロ!」

レイラ「……私の暗示はとけたの。私が石に戻ることはないわ」

ビョンコ「ゲロロ? そんなわけないゲロ、ロードは絶対ゲロ」

ビョンコ「もしかして誰かに騙されているんじゃないゲロか?」

レイラ「……!」

ビョンコ「今すぐに帰ってくれば、ロードに言わないでやるゲロよ」

レイラ「……」

ビョンコ「変なことは考えない方がいいゲロよ、この数相手に勝てると思ってるゲロか?」

レイラ「……ふふ」

ビョンコ「何笑ってるゲロ!」

レイラ「おかしいわよね、力の数も大きさも、ロード達の方が圧倒的に上回っているのに」

レイラ「私、あの子達ならロード達に勝てると思い始めているんだから」

ビョンコ「この女……」

ビョンコ「……!」

ゼオン「……!」

清麿「……くっ」

ビョンコ「なんだそこにいたゲロか! お前たち、あっちを攻撃ゲロ!」

デンシン「いくぜえ!」バッ

レイラ「待ちなさい! あなた達の相手は私よ!」

ビョンコ「お前なんて後回しゲロ! やれええ」

ゼオン「――っ!」

???「こちらにもまだ仲間はいるぞ」

デンシン「!?」

リィエン「ゴウ・バウレン!」

ドカーン

デンシン「うわあああ」ズザザザ

清麿「えっ……お前たちは……」

ウォンレイ「勘違いするな、助けにきたわけではない」

ウォンレイ「貸しをつくりにきた」

ゼオン「お前ら……」

ビョンコ「くそおお! 少し仲間が増えたからって何だゲロ!」

ビョンコ「数はこっちの方が上ゲロ!」バッ

???「てめえごときにオレの力をなめられたくはねえな……」

グスタフ「アラドム・ゴウゾニス!」ゾガガガ

ビョンコ「ゲロ―!」

ド――ン

清麿「お前は!」

バリー「久しぶりだな、清麿」

バリー「そしてゼオン」

ゼオン「お前……」

カルーラ「……っ」

ビョンコ「つ、次から次へと……」

ナゾナゾ博士「まだまだいるぞ!」

キュミエル「残念でしたー」

ビョンコ「う、後ろ!」

ナゾナゾ博士「ギガノ・ゼガル!」

キュミエル「ギガノ・ゼガル!」

ドカーン

ビョンコ「ぐあああああああ」

メラメラ…

カロン「やっほーゼオンちゃん、お久しぶり!」スタスタ

ゼオン「……誰だ?」

カロン「なっ、忘れられてる!?」

ビョンコ「カルーラ! デンシン! ミノルサム!」

スウウゥ

ビョンコ「ぜ……全滅……」

ビョンコ「逃げるゲロー!」タッタッタ

カロン「逃げた!」

ウォンレイ「追うな、深追いは禁物だ」

カロン「え、あ、うん」

ゼオン(そうかこいつ、植物園の時の……)

ナゾナゾ博士「間に合ってよかったぞ、私たちの活動が無駄になるんじゃないかとひやひやしたわい」

清麿「ナゾナゾ博士……助かったよありがとう」

ナゾナゾ博士「うむ」

ゼオン「……フン」

清麿「お、終わったのか、ゼオン」

ゼオン「ああ、無事解放することができた」

清麿「それにしても危なかったよ、やっぱり持つべきものは仲間だな」

清麿「な? ゼオン」

ゼオン「……別にいらねえよ、そんなもんは……」

カロン「ふっふーん、頼もしいでしょ?」

ゼオン「ああ?」

カロン「かつてあなたを苦しめた魔物たちが、あなたのもとに集まっているんだから」

ゼオン「は……誰がオレを苦しめたって? 都合のいい記憶の捏造はやめてくれ」

バリー「お前は一人で来たのか?」

ゼオン「何が?」

バリー「前集まっていた女のガキどもはどうした?」

ゼオン「フン、ちょっとここを離れているだけだ」

ゼオン「……なんかお前、前会った時と雰囲気が変わったな……」

バリー「……」ゴゴゴ

ゼオン「ここに来た理由はなんだ? オレにリベンジにでも来たのか?」

バリー「オレがお前と再戦するために、仲間のフリしてついてきたっていうことか?」

ゼオン「……」

バリー「安心しろ、今オレがやるべきことはお前を倒すことじゃねえ、千年前の魔物を止めることだ」

バリー「強いやつと戦えるかもしれないチャンスを逃すわけにはいくまい」

ゼオン「……」

清麿「しっかし、よくこんなにも仲間を集めたな、ナゾナゾ博士」

ナゾナゾ博士「全員君の知り合いだけどの」

レイラ「ごめんなさい、囮になれなくて」

ゼオン「気にするな。それよりもあの人間を介抱してやれ」

レイラ「うん」

レイラ「……あ」

タッタッタ

コルル「大丈夫!? ゼオン!!」

ティオ「うわっ、宿がわりとやばい感じに……」

ゼオン「コルル、ティオ!」

コルル「魔翌力を感じたから急いで来てみたけど……」

ティオ「誰? この人たち」

ナゾナゾ博士「それと清麿君、その子は……?」

レイラ「えっと私は……」

清麿「ああ、そうだな。一から説明するよ」

>>827訂正

×コルル「魔翌翌翌力を感じたから急いで来てみたけど……」

〇コルル「魔翌力を感じたから急いで来てみたけど……」

なんでこんなミスしたんだろう……
もっとあるかもしれないな……

ごめん、もっと変なことになってる……あれえバグか……?
訂正
コルル「魔翌力を感じたから急いで来てみたけど……」

すみません……

いつの間にかsageになってた、ありがとう、そしてすみません
何回同じことを繰り返すんだ……

――

ナゾナゾ博士「なんと! その子は千年前の」

清麿「そう、それでこの子にいろいろと聞いたんだ」

ナゾナゾ博士「それなら、この子から話をしてもらえば、戦わずに逆に仲間にすることもできるかもしれんな」

清麿「うーん、それは難しいかもな、なにせ奴らは千年間石に閉じ込められてきたんだ」

清麿「奴らにとってみれば、暴れたくて暴れたくて仕方ないんだ」

清麿「聞く耳をもたないだろうし、レイラが言ったところで裏切り者扱いされるだけだろう」

清麿「石に戻る恐怖もあるからな。下手に説得するよりは早めに倒してやる方がいいのかもしれん」

ゼオン「それとオレはもう精神操作しないからな」

ゼオン「こう見えてけっこうな体力を使うんだ、時間もかかるしな」

清麿「レイラの話で一番重要なことは……」

ナゾナゾ博士「うむ。操られていない人間のことじゃな」

清麿「ああ、ゾフィスに好意的なやつは操られない、かなり厄介だな。そいつには要注意だ」

ナゾナゾ博士「そうじゃ、私も少しだけだがロード、いやゾフィスについてわかったことがある」

ナゾナゾ博士「私は君たちの他にも、ともに戦うよう何組かの魔物たちに会ってきた」

ナゾナゾ博士「私はその魔物のことを、ここに来る前に立ち寄ったある魔物と人間から聞いた」

清麿「ある……魔物?」

ナゾナゾ博士「君たちがわかるかどうかは知らぬが、今まで会った中で最も強大な力を持った魔物じゃ」

清麿「何……」

清麿(まさか……)

ゼオン(レインか……!?)

ナゾナゾ博士「その魔物の名はブラゴ、そして本の使い手のシェリー」

清麿「……?」

清麿(どこかで聞いたことあるような……)

ゼオン(……誰だそれ)

――

コルル「そ、そんな……」

ティオ「そのシェリーって人のお友達がそんな目にあったなんて」

コルル「ひどいよ! ひどすぎる!」

ゼオン「……」

清麿「あ、思い出した! 家をぶっ壊した奴らだ!」

ナゾナゾ博士「ん? 清麿君は彼らを知っておるのかね?」

清麿「ああ、一度だけ戦ったことがある」

一同「えええええええ!? あのブラゴと!!?」

ゼオン「!?」ビクッ

清麿「え……何?」

ティオ「な、なんでゼオンは無事なの!? あのブラゴと戦ったんでしょ!?」

ティオ「いくらゼオンでもブラゴと戦って無事なわけないじゃない!!」

ゼオン「オレは覚えてないが……」

清麿「いや、お前確かボコボコにしてたじゃねえか」

清麿「女を屠るとか言ってたじゃねえか」

ゼオン「……?」

清麿(こいつ、覚えてねえのか……)

清麿「でも、なんでそんなこと……」

ティオ「魔物の子でブラゴを知らない子はいないわよ!」

ゼオン(知らん……)

ティオ「それだけ強いの、優勝候補よ! 非情で怖くて、それはもう……」

コルル「私なんて名前聞いただけで震えちゃうよ」

ゼオン「なあ、清麿。人違いじゃねえのか」

清麿「えっ、うーん。言われてみればそんな気も……でも確かにブラゴっていう名前だった気がするんだけどな……」

ウォンレイ(ひ、人違いだったのか……)ホッ

バリー(ブラゴとはいずれ戦うつもりだったんだが……)

バリー(こいつは既に戦っていたのか……?)

――

ナゾナゾ博士「では各々しっかり休養をとるように!」

コルル「おやすみなさーい」

キッド「ふっふーゼオン、このウニのお寿司が食べたくないかー?」

清麿「あれ……ゼオンは……?」

――

コーラルQ「ふむ、ゼオンにコルル、ティオ、ウォンレイ、キッド、カロン、最後にバリー」

グラブ「ずいぶんと大勢だな」

コーラルQ「彼らと一対一を仕掛けて我々が勝てる可能性を計算してみよう」ピピッ

コーラルQ「バリー8%、カロン47%、キッド37%、ウォンレイ25%、ティオ59%、コルル31%……」

コーラルQ「ゼオン0%」

グラブ「ダメじゃないか」

コーラルQ「私の調べでは、我々が絶対に勝てる相手…………誰もいないな」

グラブ「どうするんだよ」

ゼオン「何をしている?」

コーラルQ・グラブ「!!」

コーラルQ「な、な、な」

グラブ(オワタ)

ゼオン「最近ずっとオレ達のあとをつけてやがったな」

ゼオン「お前ら目障りだからここで消してやるよ」

コーラルQ「なぜここが……」

ゼオン「フン、魔物探知がお前だけの専売特許だと思うなよ」

グラブ「! パートナーがいないぞ! これなら勝ちの目もあるんじゃないか?」

コーラルQ「パートナーなしでの勝算……17%!」

グラブ(ダメだ、こりゃ)

ゼオン「……」スタスタ

グラブ「来るな! ディゴウ・ロボルク!」

ガキーン ガキーン

ゼオン(ん……全然大したことない変形だな)

ガキーン

バイク姿のコーラルQ

ゼオン「……」

コーラルQ「はっはーこれが私の変形だ」

ゼオン「……」

コーラルQ「見せてやるぞ! 我が切り札を!!」

ゼオン「……!」

ゼオン(しまった、つい見入って……)

ゼオン(なんだ、何がくる……)

ブオオオオン

コーラルQ「逃げろおおぉ!!」ブーン

ゼオン「」

清麿「マーズ・ジケルドン!」ギュイイイン

コーラルQ「(ノ・ω・)ノオオオォォォ-」

ゼオン「清麿……」

清麿「こんなことだろうと思ったよ」

コーラルQ「助けてグラブ( ;∀;)」

グラブ「無理」

清麿「手加減はしておいてやる、ザケル!」ドカーン

メラメラ…

コーラルQ「このピヨ麿めー」

清麿「ピヨ麿って呼ぶな」

次の日――

アルベール「ミグロン!」ドカーン

「ぎゃあああ、なんでこっちに攻撃が!」

「呪文が唱えられない!」

リィエン「ガルレドルク!」

グスタフ「ガルゾニス!」

ドカーン

ナゾナゾ博士「それにしてもアルベールが仲間になってくれて心強いのう」

アルベール「昨日話を聞かされた時は驚いたけどな」

アルベール「でもまあ、学校ってのも退屈でね、こういうのも悪くないもんさ」

ナゾナゾ博士「ふむ、たのもしいもんじゃ」

清麿「ここだな……」

コルル「すっごい階段……」

しおり「ここを登らなければならないの?」

清麿「ああ。でもここを登れば城だ」

ナゾナゾ博士「ウム。ここまでは順調に来れたな」

恵「ええ、チームワークの勝利よ!」

清麿(確かにうまくいったが……少しうまく行きすぎている気が……)

清麿「みんな落ちないように気を付けて登って行こう」

スタスタ……

ティオ「ねえ、清麿。本当にこの道しかないの?」

清麿「ああ、城は王様の住むところだからな」

清麿「この遺跡では王族など……選ばれた人達以外はたやすく通れない仕掛けになっていたんだろう」

ゾフィス「そのとおり、君達が通っていい道ではないのです」

清麿「お前は!?」

ゾフィス「私はゾフィス、この城の千年前の魔物を支配している者」

ゼオン「お前が……」ギロッ

ゾフィス「」ビクッ

ゾフィス「……ほ、他に仲間がいないよ、ようですし……」スッ

清麿「! まずい、みんな登るんだ!」

ココ「ラドム!」ドン

清麿「みんな二組でペアを! 作戦Eだ!」

一同「おお」

バリー「つかまれ」ガシ

コルル「きゃっ」

ゼオン「おいてめえ、バリー! なにコルルと……」

清麿「そんなこと言ってる場合か!」

ウォンレイ「ティオ! 恵!」

恵「ウォンレイさん!」

ウォンレイ「つかまれ」ガシ

リィエン「ウォンレイあの横穴ある!」

ウォンレイ「とどけええ」バッ

ズザザザザ

ウォンレイ「よし! 他のみんなは!?」


キュミエル「フェイ・ミウルク!」コオオ

カロン「ほらキッドとナゾナゾ博士、飛ぶわよ」ビューン

ナゾナゾ博士「空も飛べるのか」

ズザザザザ

ナゾナゾ博士「よし、他のみんなは!?」


グスタフ「ゾニスー!」ドン

バリー「……よし、一番上に着いたぞ」

コルル(……目が回って……気持ち悪い……)

グスタフ「他のみんなは……?」

ゼオン「ちっ、レイラつかまれ!」ガシ

レイラ「うわっ」

清麿「三つの入り口か……戦力的には右か左……」

ゼオン「バカかお前は! 一番上以外の選択があると思うのか!?」

ココ「ディオガ・テオラドム!」ドゴオオ

レイラ「なっ」

ゼオン「ちっ……」クルン

ココ「ラドム! ラドム! テオラドム!」ドカーン

清麿「ちょっ、こいつ本気じゃねえか!」

アルベール「うわあああ」

ゼオン「お前、バランスが……」

清麿「マジでやばいぞーー!」

ヒュ―――

ゾフィス「ふう……これでよし」

ゾフィス「パティの奴め……ガッシュガッシュ言っておいて、なんてやつを連れてきてんだ!」

ゾフィス「よりによって雷帝ゼオンだと!」

ゾフィス「ここで倒せてよかった……」ガタガタ

コルル・ティオ「ゼオン!!」


ナゾナゾ博士「そんな……」

カロン「……っ」


ウォンレイ「くっ……いくらあいつでもこの高さでは……」

ティオ「……」


バリー「……」スタスタ

グスタフ「バリー!」

バリー「あいつはこんなのでやられる奴じゃねえ」

バリー「心配するだけムダだ」

コルル「ゼオン……。そうだね、ゼオンがこんなところでやられたりなんてしない」

しおり「コルル……」

コルル「行こう、しおり姉ちゃん、一刻も早くゾフィスを倒しに……」


ティオ「行こう」

ウォンレイ「ティオ……」

ティオ「大丈夫、ゼオンは死なない。私たちにできることは、このまま前に進むことだけよ」

今日はこれで終わります。
あと百五十レス……多分大丈夫なはず。いざとなったら一レスにたくさん書き込めば大丈夫だろう。

――

ゼオン「……落ちたな」

レイラ「うん……」

清麿「ゼオン、どうにかして飛べないか?」

ゼオン「この人数を背負って壁を登っていくには難しいな。オレ一人ならマントを使って飛べないこともないが……」

清麿「かなり地下深くまで落ちたしな」

アルベール「よく助かったもんだ」

ゼオン「マントを上手く使ったんだよ」

清麿「それよりどうだ? ゼオン」

ゼオン「ああ。どうやらあの三つの入り口から一体の魔物に出会うようになっているようだ。それ以外の魔物は屋上に集められている」

ゼオン「つまり、この遺跡の中にはとりこぼしがいないというわけだ」

清麿(一体の魔物……。戦力を分散させ、そこに強い魔物を配置したというわけか……)

レイラ「ちょっと、話し合っている場合じゃないんじゃないの!? この高さだと助けだって呼べないし、どこにもつながっていなそうだし……」

ゼオン「……少し黙ってろ、集中している」

レイラ「え……」ヒュンッ




レイラ「…………ここは!?」

ゼオン「瞬間移動で入り口まで戻ってきた」

レイラ「……あなた、そんなこともできるの?」

清麿「それじゃあ、この外壁を登っていくか」

アルベール「ここをか……」

清麿「ああ。中にはもう魔物はいないみたいだしな、こっちの方が手っ取り早い」

ゼオン「なあ、清麿……」

清麿「……。そんなにコルルの事が心配か?」

ゼオン「……」

清麿「大丈夫さ、お前のトレーニングに誰よりも真剣に、長く取り組んできたのはコルルだろ? お前が信じてやらんでどうする」

清麿「それにバリーだってついているんだ、大丈夫だ」

ゼオン「コルルだけじゃない、ティオだって……」

清麿「過保護ばっかりだと成長できんぞ。ティオだってオレより何倍も強いから大丈夫だ」

ゼオン「お前と比べてどうする……」

ゼオン「だがそれもそうだな……ここで負けるのなら、それまでだったということだ」

清麿「信じるしかないさ、オレ達はオレ達のやるべきことをしよう」

ゼオン「コルルやティオには悪いが、ゾフィスの首はオレがもらう」

ゼオン「よし登るぞ! しっかりつかまってろ」ガシ

タタタタタタッ

屋上――

ゾフィス「まだですか!? まだあいつは来ないのですか!?」

 「はい……連絡がとれず……」

ゾフィス「くそっ……まあいい。雷帝は少なくともケガしているはずだ……いや、もしかしたら死んでいるかも……」

ゼオン「……誰が死んだって?」

ゾフィス「!!」

ゼオン「さっきはよくもやってくれたな」スタスタ

ゾフィス「…………ふっふっふ、あなたならここまでやって来ると信じていましたよ」

ゾフィス(やっべーー、しかもこいつ全然ケガしてねえ!)

レイラ「……」

ゾフィス「おや? ……レイラじゃありませんか、どうしたんですか? そんなところにいて」

ゾフィス(こいつをこっちに引き込めば……)

レイラ「あなたを倒しに来たの」

ゾフィス「ほっほっほ、面白いことを言いますね。こんなことをしてタダで済むと思っているのですか?」

レイラ「もうあなたの言いなりになんかならないわ……みんなと戦うって決めたから」

ゾフィス「あなたもバカになったものですね」

ゾフィス「私に逆らえば石に戻るというのに……このように……」パチン

ゼオン「……」

レイラ「……」

ゾフィス「さあ、命乞いしなさい! 忠誠を誓いなさい! そうすれば助けてあげますよ!」

レイラ「……何かした?」

ゾフィス「なっ、なんだと……そんなバカな……」

ゼオン「ふははははは」

ゾフィス「!?」

ゼオン「残念だったなゾフィス、お前の洗脳は効かないようにさせてもらったよ。オレがレイラの脳をいじってな」

ゾフィス「そ、そんなことが……」

ゼオン「お前には感謝してるぜ、オレの精神操作のレベルも上がった」

ゼオン「今じゃあ、お前よりもオレの方が上だ。専門じゃねえから疲れてしまうのが玉にキズだが」

ゾフィス「ぐぬぬ……出てきなさい! 我が千年前の戦士たちよ!」

ザッザッザ

ゾフィス「憂さ晴らしにはちょうどいいでしょう! 遠慮はいりません!」

ゾフィス「よってたかってなぶってあげなさい!」

 「ぐがあああああ」

清麿「二十とちょっとってところか」

ゼオン「さあて、やるとするか」

レイラ「やるわよ、アル!」

アルベール「おう」

ゼオン「殺戮の時間だ」


――

スタスタ……

カロン「これが……」

ナゾナゾ博士「ウム……現れたな、今までとは一味違う者の登場か」

ベルギムE・O「……」ゴゴゴ

――

リィエン「ウォンレイ……」

ウォンレイ「ああ」

ティオ・恵「……」

ツァオロン「……」

玄宗「……」

――

バリー「星……か」

グスタフ「準備はいいですかな、二人とも」

コルル「……うん」

しおり「戦闘開始ね」

――

ゼオン「うおらああ」

清麿「ザケルガー!」ドカーン

 「ぎゃああああ」

アルベール「ミグロン!」ドーン

 「ぐおおお、こっちも呪文だ!」

 「……っ」パクパク

 「なっ……」

レイラ「私に呪文は唱えられないわよ!」

アルベール「オル・ミグルガ!」ドン

 「な、なんであっちには攻撃が……うわああ」ドカーン


 「ギガノ・デズル!」ガン

 「ギガノ・ボギルガ!」ドン

ゼオン「フン……」シュンシュン

 「なっ、当たらない!」

ゾフィス「遠距離の直接攻撃があたる相手ではありません! 数で突入しかく乱させながらスキを作るのです!」

清麿「ジャウロ・ザケルガ!」ドラララ

 「ぎゃああ」ドカーン

ゼオン「くっくっく、こっちの遠距離攻撃はあたるみたいだなあ」

ゾフィス「くっ……」

 「この人間が!」バッ

清麿「!」

ゼオン(後ろに隠れていたのか……だが)

 「ネシルガ!」ガッ

清麿「だああ」ドゴオ

 「なっ、オレの腕をはらって……」

清麿「うおらああああ」バッ

 「おごごご」グシャアアア

ゼオン「いいパンチだ清麿」

ゼオン(オレが鍛えてやっただけはあるな)

ゼオン「伏せな!」

清麿「ザケルガ!」

ドカーン

ゼオン「さあ、とどめだ」

清麿「テオザケル!」ドゴオオ

ドカーン

ゼオン「……さあ殺戮完了だぜ、ロード様よ」

ゾフィス「くっ……」

ゾフィス「お……のれ……よくも私の戦士達を……」

ゼオン「裸の王様だな、似合ってるぜ」

ゾフィス「お前達が威張ってられるのもそこまでだ……オレには強力な魔物がついているんだ」

清麿「話し方が変わったな、焦っているのか?」

ゾフィス「フン、今のうちに言っておけ、お前らもあいつには勝てないんだ」

ゼオン「言ってくれるじゃねえか、そいつはオレよりも強いのか?」

ゾフィス「ああそうだ。お前よりも、ブラゴよりも強い……」

清麿「誰だ? それは……」

ゾフィス「ああ、そいつの名は……」



デボロ遺跡の近く――

シェリー「ギガノ・レイス!」ドン

ゲイン「ぎゃあああ」ドカーン

メラメラ

ビョンコ「や、やられたゲロ……くそお、アルヴィン! 呪文を!」

アルヴィン「ヒィファホ、フェルヒゥホー!」

ビョンコ「呪文がちゃんと発音できてないゲロ!」

ブラゴ「フン……この程度か」

シェリー「とどめよ! バベルガ・グラビドン!」ズドオオオ

ビョンコ「うわああああ」

アポロ「アーガス・アボロド!」ガキイン

ブラゴ「何!?」

アポロ「ふう、危なかったね」

レイン「お前はゾフィスの知り合いのビョンコか?」

ビョンコ「お、お前たちがロードの言っていた……」

ブラゴ「フン、そいつらの仲間か……」

アポロ「うーん、仲間っていうのはちょっと違うかな」

レイン「まあ、よくわからんがとりあえずこいつを倒すぞ」

ブラゴ「……誰にせよ、オレと戦ったことを後悔するだけだ」

――

ゼオン「な……」

清麿「レインだと……」

ゾフィス「知っていたのか」

ゼオン「レインが貴様のような下らないことにつきあうとは思えないんだがな……」

ゾフィス「ふっふっふ、それは私のたくみな話術によって、功を奏したのですよ」

ゾフィス(あれは私がまだ千年前の魔物を復活させる前のことだった)


回想――

アポロ「魔物か……」

ゾフィス「ふっふっふ、これはこれは。いいところに現れましたね」

レイン「誰だお前は……」

ゾフィス「私の名はゾ……いやロード。未来の魔界の王です」

ゾフィス「あなたには私の新呪文の実験台になってもらいますよ」

アポロ「ずいぶんと言ってくれるじゃないか」

ゾフィス「さあ、いきますよ。ココ」

ココ「……わかったわ」

アポロ「……?」

ゾフィス「さてとお掃除といきますか」

レイン「よっぽど死にたいらしいな」

ゾフィス「その言葉そっくりそのまま返しますよ」


――

ゾフィス「すみませんでした……」ドゲザー

ゾフィス「調子にのってました……許してください……」ガタガタ

レイン「……」

アポロ「まあいいよ、本さえ差し出してくれたら何もしないからさ」

ゾフィス「その……どうか、本だけは! 何でもします! ごちそうもおごりますし、靴もなめます!」

ゾフィス(くっ、なんて失態だ……だがこれさえ乗り越えれば千年前の魔物を蘇らせて……)

アポロ「いや……靴はなめないでほしいな……」グー

アポロ「……お腹すいたな」

レイン「……最近何も食ってなかったからな」

ゾフィス「おごります、おごります!」

アポロ「……じゃあお言葉に甘えようかな」

高級レストラン――

アポロ「おお、これはおいしいや」モグモグ

レイン「……」モギモグ

アポロ「最近持ってきているお金も減ってきてね」

ゾフィス「……」コソコソ

アポロ「……どこに行くんだい?」

ゾフィス「いえ……」

ゾフィス(このまま逃げてやろうかと思ったが……この人間……)

アポロ「ところでその女の子が持っている石版は?」

ココ「これはですね……」

ゾフィス「私が説明しましょう」

アポロ「……」

アポロ(何だろう……この女の子、何か違和感を感じるな……)

ゾフィス「千年前の魔物が封印されているものです」

アポロ「千年前の……?」

ゾフィス「はい、千年前の戦いで『石のゴーレン』と呼ばれる魔物の術を受け、生きたまま石にされた魔物なのです」

アポロ「生きたままに……?」

ゾフィス「そして私は研究の末、この石化を解く方法を見つけました」

ゾフィス「石にされたままだとかわいそうなので、私はこの者たちを解放するために、旅にでているのです」

レイン「ほう……」

アポロ「ふうん、それは立派なことだね。でも……」

アポロ「本当にそれだけかい?」

ゾフィス「」ギク

ゾフィス(表情にだすな……こいつは洞察力が優れている……)

ゾフィス「はい、そうです」

アポロ「信じていいんだね?」

ゾフィス「はい」

アポロ「そういうことなら僕も手伝おうかな」

レイン「アポロ!?」

アポロ「まあいいじゃないか。このごちそうのこともあるし、見つけたら君に渡すよ」

ゾフィス「……! ありがとうございます」

アポロ「でも……もし僕たちを騙しているんだとしたら……」

アポロ「僕は許さないよ」

ゾフィス「……わかりました」

――

今回はこれで終わります。
このスレでおさまらないかもしれません。別に大丈夫ですよね。
レインは出すかどうか迷ったけど、ファウード編出番なさそうなので出しちゃいました。

――

ゾフィス(……こんなことは口が裂けても言えないな……)

ゾフィス「あなたにチャンスを与えましょう」

ゼオン「何……?」

ゾフィス「私の仲間になるチャンスですよ」

ゼオン「オレをそんなに怒らせたいか?」

ゾフィス「せっかくのチャンスを……なら仕方ありませんね」

ゾフィス「数多く従えてた手下を奪われて、腸煮えくり返ってるのはこっちの方なんだよ!」

ココ「ディオガ・テオラドム!」ゴボオ

清麿「テオザケル!」ドン

ドギャアアア

ゾフィス「くっ、押し負けて……があああ」スッ

ゾフィス「危ない……くそっ、どこだ!?」

ゼオン「どこを見ている」シュン

ゾフィス(……上!)

清麿「ザケルゥ!」ドッ

ズゴゴゴ

ゾフィス「ぐおおおおお」ドカーン

ゾフィス(なっザケルは一番弱い術のはず……なぜこれほどの威力を……)

ゼオン「こっちだ」

グシャアアアア

ゼオンの拳がゾフィスの顔面に叩き込まれる

ゾフィス「ああああ」ズザザザ

ゼオン「おいおい、もう終わりか……? がっかりさせんなよ」

ゾフィス(だ……ダメだ……強すぎる……逃げるしか……)

清麿「マーズ・ジケルドン!」

ゾフィス「ぎゃあああ」ズボオオ

ゼオン「チェックメイトだ」

レイラ「……」

アルベール「相変わらず強いな……」

ゾフィス「ま、待ってくれ。取引だ……取引しよう」

ゼオン「あ?」

ゾフィス「月の石の全権を与える……」

ゼオン「……ほう」

ゾフィス「操られている千年前の魔物も全て従わせる……そうすれば絶対に王になれる」

ゼオン「お前を殺してからでもいいんじゃないか?」

ゾフィス「月の石の管理はオレしかできない……」

ゼオン「……」

ゾフィス「月の石の力はすごいぞ。オレとお前が組めばこの世界を征服することだってできる」

ゾフィス「どっかの知らないバカに悪いことなんでもやらせることだってできるんだ、悪い話じゃないだろ?」

清麿「お前は何も反省していないんだな……」

ゾフィス「黙れ! 人間の分際でオレに軽々しく話しかけるな! オレはゼオンに話しかけてるんだ!」

清麿「……あ……?」

ゾフィス「下等なサルが話を止めてんじゃねえよ」

ゾフィス「オレはお前ら人間が嫌いなんだよ」

ゾフィス「お前だってそう思うだろ? 雷帝ゼオン」

ゼオン「……」

ゾフィス「人間のようなバカで何の能もない奴らと一緒にいてお前は平気なのか?」

ゾフィス「オレには耐えられない、なんならお前のパートナーを操ってやってもいい」

ゼオン「確かに以前のオレならお前に賛同していたかもな」

ゼオン「オレだってパートナーがひどかったら、精神操作で心をいじっていたかもしれない。お前ほどじゃなくても」

ゼオン「だが今は違う」

ゼオン「今は……人間を操ろうなどとは思っていない」

レイラ「……」

ゾフィス「フン……バカが……」

清麿「ゾフィス……」ギリ

ゾフィス「動くな! この人間がどうなってもいいのか!?」

ゼオン・清麿「!」

ココは今にも自分の首をかき切るかのようにナイフを構えている


ゾフィス「どうだ!? 所詮お前らはただの偽善者なんだよ! お前らのせいでこいつは死ぬんだ!」

ゾフィス「それだけじゃない、オレと一緒に行った悪行の数々の記憶が残るようにしておいた」

ゾフィス「オレを倒せば多くの人々を傷つけたことに一生苦しめられるんだ!」

ゼオン「貴様……」

レイラ「なんて外道な!」

ゾフィス「ふはははは、この女を助けたければ今すぐこれを解除しろ!」

ゾフィス「やっぱり人間ってのは利用するにはぴったりだ!」

ゾフィス「オレの思い通りに動いてくれるぜ! ふはははは」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

ゾフィス「……ん……」

清麿「ゾフィス……」ゴゴゴゴ

ゾフィス「え……」

鬼麿「ダ―――――」ダー

ゾフィス「」

ダン  マーズ・ジケルドンが解除される

ゾフィス「なっ何だあ……!?」

鬼麿「ザケル! ザケル! ザケル! ザケルガ! ザケル! ザケル! ザケルガー!」

ゾフィス「ぎゃああああああ」

カラーン

ゾフィスのコントロールが途切れココのナイフが落ちる

ゾフィス「あ……が……ぐお……」ドサアア

ゾフィス「この……」

鬼麿「スウウゥゥゥゥ」スウウウウウ

ゾフィス(ヤロウ……息継ぎしてやがる……)

ゼオン「……」

レイラ「」

アルベール「」

鬼麿「ザケル! ザケルガ! ザケル! ザケルガ!」

ゾフィス「がぎゃっ! ぐははっあっ!」

鬼麿「ザケルガ! ザケル! ザケル! ザケルガ――!」

ゾフィス「ぎゃははうあぁああおおおおおおっ!」

ズガアアア

ゾフィス「あ……ああ……」

ゾフィス(も……もう終わ……)

ピカーン

ゾフィス「!」

コオオオオオオ

鬼麿「……」コオオオ

ゾフィス(ヤロウ……月の石で心の力を回復してやがる……)

ゾフィス(これが……人間……)

ゾフィス(オレはなんて勘違いしてたんだ……人間……恐ろしいじゃないか……)

ステップを踏む鬼麿「ザケル!」

ゾフィス「あっ!」

ステップ鬼麿「ザケルガ!」

ゾフィス「ぎゃっ」

ステップ鬼麿「ザケル!ザケルガ!」

ゾフィス「がっ」

ステップ鬼麿「ザケル!ザケルガ!」

ゾフィス「ふぅう」

ステップ鬼麿「ザケルガ―――!」

ゾフィス「うふあぁああああああああああ!」

ステップ鬼麿「テオザケル――――――!」

ズゴゴゴオオオオオオオ

メラメラ…

ゾフィス「」プスプス

レイラ「もうゾフィスは立つこともできないわね」

アルベール「ああ、死んじゃいないだろうが……いや死んだか?」

ゼオン(ああ見えて力の加減はしてたみたいだから、死んではいないだろう……多分)

ゼオン(本も燃えてるし大丈夫だろう……)

ゼオン(まさか競争に勝ったのがオレでもコルルでもティオでもなく清麿とは……)

清麿「ゼオン」

ゼオン「なっ……なんだ……?」

ゼオン(顔が元にもどった……)

清麿「この子の記憶を消すことは可能か?」

ゼオン「ああ。記憶を消すだけならすぐだ」

ココ「……」

清麿「この子のゾフィスとの記憶を消してやってくれ」

ゼオン「わかった……」

――

ブラゴ「……なんだこいつは……」

アポロ「ディオガ・アボロディオス!」

ズゴオオオオオオオ

ブラゴ「ぎゃあああああ」ドカーン

シェリー「うっ、ああ……」ドサッ

ビョンコ「つ……強すぎるゲロ……」

レイン「やりすぎだアポロ、森が原型をとどめてないぞ」

アポロ「ちょっとやりすぎちゃったね」

アポロ「それとさ、ビョンコ。一つ聞きたいんだけど」

ビョンコ「な、なんだゲロ?」

アポロ「さっきまでいた魔物はもしかして千年前の魔物かな?」

ビョンコ「……!」

ビョンコ(ロードからは千年前の魔物について詳しく言うなと言われたけど……)

ビョンコ「そうゲロよ、どうしたゲロか?」

レイン「……」

アポロ「そうか……」

アポロ(これはゾフィスに直接聞くしかないな……)

アポロ(まだ生存してたらだけど……)

レイン「……アポロ、わかるか……?」

アポロ「ん? ……やっぱりいるんだね?」

レイン「ああ」

アポロ「そうか……ひさしぶりに会えるのか、ゼオン……そして清麿」

レイン「とんでもなく強くなっているな。前までのオレでは勝てないだろうな」

アポロ「禁呪は必要かい?」

レイン「いや、あれは使わない。もし負けることになっても使わない」

アポロ「はは、それを聞いて安心したよ。あれは危険すぎる」

レイン「……」

アポロ「使うほどの相手も現れないんだけどね」

アポロ「禁呪なしでもぼくたちはあのでかいのを倒したし……なんだっけ?」

レイン「エルザドルだ」

アポロ「そうそうあのドラゴン、まあ逃げられたけどね」

アポロ「退屈だったよな」

レイン「お前が動かないから、オレは大変だったんだが……」

アポロ「ははは、そうだったね。……ゼオン、清麿。君達はぼく達をどれだけ楽しませることができるかな?」

――

リィエン「ティオ、恵……もう一歩後ろへ」

ティオ「うん……」

ウォンレイ「一見無防備に構えているがスキがない」

リィエン「ええ。一歩でもあの棍の届く範囲に入れば、間髪入れずに一撃がくるある」

恵「あの人間……」

ティオ「うん……レイラの言っていた操られていない人間かも」

ティオ「意識がしっかりしてる」

玄宗「エルド!」

ツァオロン「はあっ!」ドゴオ

ティオ「くっ」ヒョイ

ツァオロン「ほう……よく避けたな」

ティオ(確かにこいつらは強いかもしれない。でも!)

ティオ「ゼオンほどじゃない!」

ティオ「行くわよ! 恵! ウォンレイ!」

ウォンレイ「ああ!」

――

しおり「あの星は……何かしら?」

グスタフ「問題はあれが私たちを監視するものなのか、それとも……」

バリー「女共、下がれ。あれはオレ達を攻撃するものだ!」

ビガーン!

しおり「ビーム!」

コルル「きゃっ」

グスタフ(呪文らしき声は聞こえないな)

バリー「……!」

バリー(あの星……常に一定の距離を保っているな)

バリー(何があっても対応できる距離というわけか)

コルル「詳しい場所はわからないけど、この部屋にいる!」

バリー「……」ヒョイ 石を投げる

ポト…

バシューン!

グスタフ「今投げつけた石に攻撃してきたな」

バリー「音で狙いをつけているようだな」タタッ

コルル「バリー!?」

バシュ バシュ バシュ

しおり「すごい……全てよけて……」

バリー(やはりこの星は円運動している……そしてこの中心は……)

バリー「ふっ、殺気をかくせていないぞ。グスタフ!」

グスタフ「ゾニス!」ドカーン

パムーン「……ほう……」

パムーン「やはりここまで来るだけはあるな……」

コルル「!」

パムーン「隠れてて悪かった。この星たちを操るには、強い集中力と技術が必要でな」

グスタフ「千年ものブランクをうめるためのトレーニングといったところか」

しおり(もう音だけでなく目も使えるというわけね)

バリー「……?」

バリー(確かにこいつは強い……だが何かにおびえている?)

パムーン「……」

――

ベルギムE・O「ああああああ」ゴンゴングルグル

キッド「わああああ」

ナゾナゾ博士「く……キッド! おびえるでない! まずは先制攻撃で……」

カロン「私達が囮になるわ!」

ナゾナゾ博士「いや、君たちはあやつの背後をとってくれ。君たちの方が機動力も高い」

キュミエル「わかったわ」

ベルギムE・O「君達……」

ナゾナゾ博士「……!?」

ベルギムE・O「……芸をしなさい」

ナゾナゾ博士「へ……」

ベルギムE・O「私の名前はベルギムE・O。とっても強い魔物です」

ベルギムE・O「千年も石にされてとても退屈してたのです」

ベルギムE・O「歌でも何でもいい、楽しませてくれたら通してもいい」

ナゾナゾ博士「た……楽しませる……?」

ナゾナゾ博士(芸をはずしてはダメだ。口だけでなく奴にはとっても強い力を感じる)

キュミエル「ナゾナゾ博士……」ボソボソ

ナゾナゾ博士「君たちは指示通り動いてくれ」ボソボソ

ナゾナゾ博士「いいだろう! 私の名前はナゾナゾ博士! どんな者でも笑わせることのできる超能力者だ!」

ベルギムE・O「……」ドキドキ

ナゾナゾ博士「ほれ帽子をとれば……この通り!」バッサバッサ

ベルギムE・O「おお! たくさんの鳥だ!」

ナゾナゾ博士「ほれ、鼻をよくみておれ。ほらほら……」スルスルスル

ベルギムE・O「おお! どんどん旗が!」

ベルギムE・O「GOOD!」

キュミエル(案外うまくいってるわね)

ナゾナゾ博士(もしかしたら戦わずに……)

ベルギムE・O「そうですね。あと百個ぐらいは見たいですねぇ」

ナゾナゾ博士「ひゃ、百個……?」

ベルギムE・O「もっともっと見たいな」

ナゾナゾ博士「……」

ナゾナゾ博士(奴を倒すとしたら、わずかなスキも生かさねば……)

キッド「博士……」

ナゾナゾ博士「もちろんまだまだあるぞ! ほれキッドの右腕をよく見るのじゃ」

ベルギムE・O「ふむふむ……」

ナゾナゾ博士「でっかくなりますよ! ラージア・ゼルセン!」ドゴオオ

ベルギムE・O「ぐおおお!?」

ナゾナゾ博士「今じゃ! たたきこめ!」

キュミエル「ギガノ・ゼガル!」ゴン

ベルギムE・O「ぐう……痛い。イスも汚れて……」

ナゾナゾ博士「ガンズ・ゼガル!」ドドドドド

キュミエル「ギガノ・ゼガル!」

ナゾナゾ博士「キュミエル!」

キュミエル「ええ! かく乱させるのよ! ボルク!」ズオオン

ベルギムE・O「くそっ! 増えやがって、まとめて攻撃だ!」

ダリア「リュウスレード・キロロ!」ズバアアア

カロン「きゃああああ」ドカーン

キュミエル「カロン!」

ベルギムE・O「くそ……きさまら、よくも私にこんなことを……」

ベルギムE・O「調子にのりやがってコンチクショー!」

ベルギムE・O「ベルギムE・Oの『E・O』は『イスに代わって・おしおきよ』だー!」

ダリア「ギガノ・リュウスドン!」ゴジュオ

ナゾナゾ博士「なっ! でかい! く……ギガノ・ゼガル!」ドーン

ナゾナゾ博士「ダメじゃ! 押し負けて……」

ドゴオオオ

カロン「キュミエル! みんな!!」

ベルギムE・O「そこの女もおしおきだ!」

ダリア「ガンズ・ゴウ・リュウガ!」ドドドド

カロン「きゃああああ」

ナゾナゾ博士「カロン!」

ナゾナゾ博士(まずい、こちらには奴の強力な攻撃を防ぐ術がない……!)

ベルギムE・O「お前らみんなまとめてふっとばしてやる!」

ダリア「ディオガ・リュウスドン!」ゴジュアアアア

カロン「くっ」ババッ

ドカー――ン

メラメラ…

ナゾナゾ博士「っ……」

カロン「ごめんなさい……お別れね」スウウ

キッド「カロン!」

キュミエル「いや―――――!」

ナゾナゾ博士「くそおっ!」

ナゾナゾ博士(わしの指示のせいでカロンは……!)

ベルギムE・O「ふはははは。まずは一匹。まだ心の力はあるな! いけええ」

ダリア「エルム・リュウガ!」ボオオオ

キッド「うわあああ」ドカーン

ダリア「リュウズ・ヨーヨー!」グルングルン

キッド「あああ」ドーン

ナゾナゾ博士「あ……がはっ」ドサッ

ナゾナゾ博士(つ……強すぎる……)

ベルギムE・O「月の石もある! 消し去ってしまえ!」

ダリア「ケケー!」

ダリア「ギガノ・リュウス!」ゴッ

キッド「博士ー!」

ナゾナゾ博士「体が……動か……」

キッド「いやだ博士! 死んじゃいやだ!」

ドカーン

キッド「わああああ」

ナゾナゾ博士「……!」メラメラ…

ベルギムE・O「くっ、このチビ……呪文もなしに私に立ち向かうか!?」

ベルギムE・O「バカにしやがって! ダリアやってしまえ!」

ダリア「ギガノ・リュウス!」カッ

キッド「うおお!」ヒュッ

口を蹴り上げるキッド

ベルギムE・O「何いい!?」

バカ―ン

ベルギムE・O「が……」

キッド「これ以上博士にひどいことをしてみろ! 許さないからなー!」

ナゾナゾ博士「キ……キッド……」コオオ

ベルギムE・O「一人で何ができる! ダリア、月の石で心の力を回復させろ!」

ベルギムE・O「イスが直接おしおきよー!」グオオ

ドカアアアアア

キッド「うあぁあああ」

ダリア「ケケー! エルム・リュウガ!」ボオオオ

キッド「っ……」

ダリア「ディオガ・リュウスドン!」ゴジュオオ

キッド「うわああああ」ズザザザ

キッド「がはっ」

キッド(……ぼくは……もうだめだ……)

キッド(だけど少しでも……少しでだけでも……みんなの負担を減らさなきゃ)

キッド(ゼオン、コルル、ティオ、ウォンレイ、バリー……みんな任せたよ)

ナゾナゾ博士「キッド……」

キッド(博士……お願い……最後の呪文を……)

キッド(そして今までありがとう……大好きなナゾナゾ博士)

キッド(さようなら……)

ナゾナゾ博士「ミコルオ・マ・……ゼガルガ……」ガッ

ドオオオオオオオオオ

ベルギムE・O「やりますね……」

ダリア「ケケ……」

ベルギムE・O「ダリア……月の石を。もう動けそうにありません」

ダリア「ケケッ」ピカーン

ベルギムE・O「ふう……」

ベルギムE・O「なかなか強い相手でしたね。さて、他の場所の様子を見に行きましょう」

ナゾナゾ博士「…………」



数十分後――

ウォンレイ「うおおおお」

恵「ギガ・ラ・セウシル!」ガキイン

ツァオロン「なっ、はねかえって……!」

ドカーン

ツァオロン「ぐああああ」

玄宗「ちいい」

リィエン「ガンズ・バウレン!」

玄宗「ガンズ・エルド!」

ドドドドド

恵「サイス!」ズバア

玄宗「あがっ……」

ティオ「人間相手ならこれで十分ね!」

玄宗「フン! なめるなよ!」

玄宗「だああああ!」ブン

ティオ「きゃああ」ドスッ

玄宗「まとめてふっとばしてやる! ザオウ・ギルエルド!」

リィエン「ラオウ・ディバウレン!」

ドカーン

ツァオロン「相殺……!」

ティオ「恵!」

恵「チャージル・サイフォドン!」コオオ

ティオ(ゼオンに言われたとおりに感情のコントロールを……)

ティオ「うおおおお」

ドカー―――ン

ツァオロン「ぐわああああ」

メラメラ…

玄宗「がはっ……」ドサッ

恵「ふう……勝ったわ……」

ティオ「ゼオンとのトレーニングがなかったら勝てなかったかもしれないわ……」

恵「それにしてもさっきのチャージル・サイフォドン、上手くいったわね」

ティオ「そ……そう?」

恵「この術がゼオン君との修行で手に入れた術だからかな?」

ティオ「べ、別にただゼオンが、攻撃呪文がないと厳しいだろうって」

恵「ふふふ」

ウォンレイ「しかしさっきの戦いでずいぶんと心の力を使ってしまった」

リィエン「使えてもあと三、四回アル」

恵「私もそれぐらい……ここは少し休んだ方がよさそうね」

ダリア「ギガノ・リュウスドン!」ゴジュア

ティオ「え……」

恵「ティオ! マ・セシルド!」ゴキイイン

ウォンレイ「誰だ!?」

ベルギムE・O「なるほど……ツァオロンを倒しましたか……」

ベルギムE・O「しかし私はベルギムE・O。とってもとっても強い魔物なのです」

ベルギムE・O「心の力の少ないあなた方に私が倒せますかね?」

ウォンレイ「くっ……」

ベルギムE・O「戦闘開始です」

ゼオン「さてと、この建物か……」

レイラ「ゼオン、気をひきしめて。この上で月の石を守ってる魔物は化け物みたいな強さよ」

ゼオン「フン……誰に対してものを言っている」

清麿「あの階段だな。行くぞゼオン!」

レイラ「……あ」

アルベール「どうした、レイラ?」

レイラ「何か引っかかってるの……。大したことじゃないと思う。けど言わなきゃいけないことが……」

レイラ「あ!」

レイラ「そこの階段の前、落とし穴になってるの」

ガコン  ヒュ――  ドン!

レイラ「……」

ゼオン「……おい、こら」シュン

レイラ「ゴメンナサイ……」イキテタノネ

清麿「……この上の部屋はこの遺跡では王室にあたるからな。多少の罠はあるだろう」ハアハア

ゼオン「ちっ、まあいい。さっさと階段へ」

レイラ「……」

ゴロゴロゴロ

清麿「わ—――」

レイラ「そう、石よ! その階段を登ろうとすると、石が転がってくるの!」

ゼオン「ちいいっ」バコーン

ゼオン「……この階段、行き止まりじゃねえか」

レイラ「待って。思い出してきたわ……そうゾフィスが歌ってたの。えっと……」

清麿「ゼオン……」

ゼオン「ああ……」スッ

レイラ「眼前の……」

清麿「ザケルガー!」ドカーン

レイラ「……」

アルベール(天井をぶちあけた……)

ゼオン「行くぞ、レイラ」

レイラ「……ハイ……」

ゼオン「これが……月の石……」

ゼオン「……!」

デモルト「ルオオオオオオオオオオオオオオオオオ」

清麿「こいつが……」

ゼオン「月の石を守る魔物ってわけか」

レイラ「デモルト……かつて狂戦士とうたわれた魔物」

レイラ「手伝うわ。この魔物は私たち二人が一緒に戦っても必ず勝てるとは言い切れないわ」

ゼオン「余計なことはするな」

レイラ「!?」

ゼオン「こいつはオレ一人で相手する」

レイラ「な、なんですって……」

清麿「悪いな、レイラ。ここはオレ達だけで行く」

レイラ「あなた、相手が誰かわかってるの!?」

ゼオン「知らんな、所詮は一匹の魔物に敗れた魔物だろ。オレ一人で十分だ」

レイラ「……」

ゼオン「さあ、かかってきな。修行の成果を見せてやるよ」

デモルト「ルオオオオオオオ」

ゼオン「お前・・・その本をよんでみろ」清麿「は・・・・・・?」 完

To be continued

更新遅くなってすみません。
1スレ目はこれで終わりです。
ちょっと入院することになってしまったので当分書けそうにありません、すみません。
退院して書けるようになったら次スレ立てようと思います。

見返してみたら誤字脱字ばっかりで本当に申し訳ないです。
ヨポポは本当は研究所をつぶすときにガッシュと共闘するようシナリオを書いていたのですが破綻しちゃって出すことができませんでした。
すみません、ヨポポは多分出てきません、本当すまない

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年08月26日 (金) 10:42:12   ID: 1hvHy9tY

オリジナルキャラ出てきて読むのやめたわ
ガッシュのSSがあったから読んでただけで内容も面白くなかったし

2 :  SS好きの774さん   2016年09月02日 (金) 22:36:06   ID: NqlZHxVv

上の人、まさかとは思うけど全ての作品で読むのやめました宣言してんのかなぁ。
なんつーか、気持ち悪い人だなぁ………

3 :  SS好きの774さん   2016年09月11日 (日) 23:45:03   ID: 38w5o8iD

このガッシュじゃなくても、仲間になっていく感じ好きだわ。でも、キャンチョメとフォルゴレにも活躍の場をください

4 :  SS好きの774さん   2016年09月23日 (金) 16:49:16   ID: UiVmMKna

入院中の方がかけるんじゃないか?(ゲス
ゆっくり休んでまた書いてくださいー

5 :  SS好きの774さん   2016年10月01日 (土) 14:40:05   ID: zFuBLfIj

面白かったです。
続編楽しみにしてます。♪(v^_^)v

6 :  SS好きの774さん   2016年10月02日 (日) 21:05:26   ID: 9MQ64KpD

早く早く僕に続編を読ませてくれm(_ _)m

7 :  SS好きの774さん   2016年10月19日 (水) 22:11:54   ID: deDGG5H7

早く続編プリーズ

8 :  SS好きの774さん   2016年10月23日 (日) 15:48:18   ID: qrU1ICtv

あの、続編まだですか?
あと2スレめってもうありますか?

9 :  SS好きの774さん   2016年10月24日 (月) 21:43:19   ID: TA9R5RlT

あの、いつでもいいんで清麿にアンサートーカー持たせて欲しいです。

10 :  SS好きの774さん   2016年11月01日 (火) 22:21:58   ID: Ha4T1EMA

てか、ゼオンとパートナーだから原作みたいにアンサートーカー授かるんですか?

11 :  SS好きの774さん   2016年11月25日 (金) 22:27:57   ID: F0o3CRF4

2スレ目お願いします。

12 :  SS好きの774さん   2017年02月10日 (金) 23:22:23   ID: zbQo_NCT

二スレ目まってるよ

13 :  SS好きの774さん   2017年06月15日 (木) 07:50:25   ID: fPTxHsBb

ガッシュと対面する所までは読みたい…!
アンサートーカーは清麿が瀕死からの復活展開を入れるのが無難か…?

14 :  SS好きの774さん   2017年08月04日 (金) 12:32:40   ID: jBaKFVwj

入院ですか...速く退院出来ると良いですね

15 :  SS好きの774さん   2017年08月16日 (水) 16:20:34   ID: At18NCEq

面白かったので期待してます!コルルが消えずに済んだのは泣いた…(;ω;)

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