アバン「安価でダイとポップを探しましょう」【ダイの大冒険】 (372)

前スレ

ポップ「安価でダイを探す」【ダイの大冒険】
ポップ「安価でダイを探す」【ダイの大冒険】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1465878291/l50)


あらすじ
大魔王バーンを倒した後、行方不明となってしまった勇者ダイを探す旅に出た大魔道士ポップ

復活したミストバーン、でろりん、クロコダイン、ヒムを仲間に加えミストバーンの案内で魔界へと足を踏み入れる

一方その頃、地上制覇に向けて動き出していた冥竜王ヴェルザー

襲いかかる軍団長達、ポップやノヴァをはじめとした地上の勇者達がそれを退けていくが

魔界で出会った雷竜ボリクスの息子にポップ達は敗北を喫し、行方しれずとなってしまった


そして今、ダイとポップ、二人の弟子を探しだすために、彼らの師であるアバンが出発の準備を始めていた

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1466470089

明日の昼よりいつものペースで進行していきます

前スレの経験を踏まえてリカバリーできない場面では安価に任せることをしないようにしようとは思っています
あえて安価で続けるのは、自分にできることはいくつもない……という先生の教えを考えてのことです
あとアバン先生なら違和感なく道具や呪文その他の行動を選択できるので安価に困らないということも理由ですね

―― カール王国 ――


クロコダイン「ぐ、う……ぬ? ここは……?」

アバン「気が付かれましたかクロコダインさん」

クロコダイン「アバン殿!?」

アバン「あ、そのままじっとしていて下さい。傷ついた貴方を見つけ、城まで運びました。
    生死の境を彷徨うほどの重傷だったので、安静にしていないと」

クロコダイン「……いや、この程度いつもの事、心配されるほどではない。それより、ポップやヒムは? 無事なのですか?」

アバン「ヒムさんも無事です、生命力が尽きかけるほどの状態でしたが、今は持ち直して眠っています。
    ただし、ポップはまだ見つかっていません」

クロコダイン「なんと……」

アバン「ルラムーン草を頼りにリリルーラで飛んだ場所には、クロコダインさんとヒムさんが倒れていただけでした。
    周辺もくまなく探しましたが……」

クロコダイン「では、ポップとミストバーン、それと勇者のふりをした青年も……」

アバン「はい、行方不明という事になります」


クロコダイン「……不覚、またしても生き恥をさらしてしまったのかオレは」

アバン「そう自分を責めるものではありません。ポップ達の事は私に任せて今は休んでいて下さい」

クロコダイン「いや、そうも言っていられん。あの状況で傷つき倒れたオレがここにこうしていられるのは、
       きっとポップ達のおかげにほかならないであろう……」

アバン「……ヒムさんから激しい戦いだったとききました」

クロコダイン「アバン殿、もしもポップ達を探しにいかれるのならば、オレも一緒に行かせてはもらえんだろうか?」

アバン「しかし、その傷では……」

クロコダイン「このクロコダイン、体の丈夫さだけが取り柄でな。頼む、決して足手まといにはならない!
       このとおりだ!」

アバン「……>>19

いずれあなたの力が必要なときが来ます
今は休んでください


アバン「いずれあなたの力が必要なときが来ます、今は休んでいてください」

クロコダイン「しかし!!」

アバン「今、地上を侵攻してきているバラモス、貴方達が戦ったグリーンドラゴン、そしてヴェルザー。
    それらと戦う際に、必ず貴方の力は必要になります。どうかそれまでは体を休め、万全の状態にしていて下さい」

クロコダイン「うぬう……く、わかりました、ポップ達の事、アバン殿にお任せします」

アバン「ええ、どーんとおまかせしちゃって下さい!」

―― アバンの私室 ――



アバン(さて、ポップ、そしてダイを探しにいくのですが、話を聞くに二人とも魔界にいる可能性が高い)

アバン(出発前に、準備は入念にしておかねば)

アバン(クロコダインさん達と一緒に見つかった太陽の冠やグリンガムの鞭などの武器やアイテムはは私が使わせてもらいましょう)

アバン(それと、私が破邪の洞窟で手に入れたアイテムと……他には何を持っていきましょう?)


選択 アバンの持っていく物
>>22>>23

ぬいぐるみ

魔法の絨毯


アバン(愛用のぬいぐるみ、これがないとねむれませんからねえ)

アバン(それと魔法の絨毯、これがあればトベルーラで消耗する事はありませんから中々べんりです)

アバン(こんなものですかね? では出発といきましょう)


夜明けと同時、準備を終えたアバンが部屋を出る

すると、待ち構えていたかのように部屋の前に一人の女性がいた


フローラ「アバン……」

アバン「ふ、フローラ!? や、やあ、どうも奇遇ですねえ……」

フローラ「何が奇遇なものですか。夜中にごそごそと、大方また私に一言もなしに行ってしまう気だったんでしょう?」

アバン「……それは」

フローラ「いいんです……貴方がそういう人だっていうのはよく分かっているから。
     本当は引き止めたいけど、貴方にしかできないことなのでしょう?」

アバン「はい」


フローラ「……迷いの無い良い返事です勇者。この国のことは任せておきなさい、貴方の帰る場所、
     もう二度と滅亡などさせませんから」

アバン「……フローラ、ありがとう」

フローラ「必ず、帰ってくるのですよ」

アバン「はい、必ずや……では、貴方にこれを預けておきます」


そういってアバンは自分のダテメガネを外してフローラに差し出した


フローラ「これは……貴方が、ハドラーを倒す旅に出たときと同じように?」

アバン「はい、それは私にとって平和の象徴。いずれまたこの地上に平和が訪れた時、
    返して頂きます」

フローラ「……はい、私が責任持ってあずかります」

アバン「……では!」


アバンは主城を飛び出しまだ見ぬ場所を目指す

かつて勇者の家庭教師として教えを授けた二人の弟子、ダイとポップ彼らの無事を信じて


アバン(懐かしいですね、アテも無く飛び出していったあの時を思い出します)

アバン(ロカ……あの時はキミが付いて来てくれた。でも、今は……)

アバン(いいえ、感傷に浸っている暇はありません。今もかつての仲間と同じくらい頼もしい者達がいる……)

アバン(手伝っていただけるように声をかけてみましょうか?)


自由選択 アバンと共にダイとポップを探しに行く仲間(ダイ、ポップ、ミストバーン、でろりん以外のダイの大冒険のキャラ)
安価↓と安価↓2


―― ランカークス村付近の山奥 ――


シュンッ


アバン(む?)

アバン(ヒュンケルを思い浮かべてリリルーラを使ってみましたが、ここはどこでしょうか?)

アバン(ルラムーン草がないと長距離の精度が安定しないのが難点ですねこの呪文は)


ノヴァ「え? あなたは、アバン様?」

アバン「はい……えーと、キミは確かノヴァくんだね。 以前にヴェルザーの事を知らせに来てくれた」

ノヴァ「そうです、バーンとの闘いの時も最後にお会いしてます」

アバン「そうでしたね。しかしおかしいですね、ヒュンケルに会えると思ったんですが
    ……呪文、失敗しちゃいましたかねえ」

ノヴァ「あ、ヒュンケルさんなら、今ベルク先生のところに来ていますよ。案内しましょうか?」

アバン「おお、そうでしたか。ではお言葉に甘える事にします」

―― ロン・ベルクの小屋 ――


アバンはノヴァの案内でロン・ベルクの小屋へとやってきた


ロン「……今日は珍しく客の多い日だな」

ヒュンケル「アバン!?」

アバン「どうも、おじゃましますロン・ベルクさん。バーンとの闘いでは私の生徒達がとてもお世話になったと聞いています
    これ、つまらないものですが」


アバンは道具袋から菓子折りを取り出してロンベルクに差し出した


ロン「いや、いらん。礼ならば、バーンを倒したことで尽くしてもらっている」

アバン「そうですか、残念ですね。カール王国の名産品の詰め合わせなのですが」


アバンは菓子折りを道具袋にしまった



ヒュンケル「アバン、そんな物を渡すためにここにきたのか?」

アバン「違いますよ、これは礼儀です。本当の目的は貴方に会うためです」

ヒュンケル「オレに……?」

アバン「ええ、実はかくかくしかじかで……」


ヒュンケル「なるほど、ポップとダイを探しに魔界へ、か……」

アバン「ええ、貴方ならば力になってくれると思ってきましたが、やっぱりやめておきます」

ヒュンケル「何?」

アバン「……全身にもう二度と戦えない程のダメージを負っているキミに、過酷な魔界の旅の共を頼むのは酷というもの。
    他をあたることにします」

ヒュンケル「……>>33

ならばこのどたまかなづちをもっていってください


ヒュンケル「……確かに今はまだ戦いには参加できない…。…今はな」

アバン「今は?」

ヒュンケル「もう一度戦場に立つために、その方法がないかロンベルクに聞いていたところだ」

アバン「そう、だったのですね……」

アバン(ヒュンケル、キミはやはりどこまでいっても戦士なのですね……悲しいほどに)

ヒュンケル「いつか、オレは戦場に帰る。それまで手を貸す事は出来ないが……」

アバン「……分かっています、待っているとは申しませんよ。貴方は一番弟子なんですから、
    一番厳しくしないといけませんから」

ヒュンケル「分かっている、必ず追いつくからポップ達を死ぬ気で探しておけ」

ロン(ふ、かわった奴らだ……こんな師弟の形もあるんだな)


ノヴァ「あ、あのアバン様!」

アバン「はい?」

ノヴァ「ヒュンケルさんの代わりにはならないかもしれませんが、僕も一緒に連れて行ってもらえませんか?」

ヒュンケル「ノヴァ……お前」

ノヴァ「僕があの時ダイを探すのに協力していれば……もしかしたらこの事態を防げたかもしれない、
    そう考えると……」

アバン「……」


選択・ノヴァの申し出を受けるかどうか
安価↓

ヒュンケルはヒュンケルでラーハルト連れてダイを探す旅に出てたような
安価なら下


アバン「……誰かのに危機にじっとしていられない、キミも勇者なのですね」

ノヴァ「はい、ダイに勇者と認められた事は僕の誇りです」

アバン「では、一緒に行きましょう」

ノヴァ「はい!」



ロン「ふ、しばらくは酒瓶を開けるのも大変な生活だな」

ノヴァ「……すみませんベルク先生、僕約束を」

ロン「俺の事はいい、しばらくはジャンクの世話にでもなっておく。鍛冶の修行の方も、元々そんなに才能ないしなお前は」

ノヴァ「」

ロン「ふ、だが勇者としての資質はオレがこの両腕をかけたほどだ。その誇りにかけてやり遂げてこいよ」

ノヴァ「ベルク先生……はい!」


アバンの仲間にノヴァが加わった!


アバン「次はマァムですね、ではネイル村にルーラで……」

ロン「ちょっと待ちな」

アバン「はい? なにか?」

ロン「そこの箱に昔作った武器が入ってる。持っていけ」

アバン「え? いただけるんですか? タダで!?」

ロン「……寝ぼけながら作ったやつだが、あんたが持ってる中古武器屋のもんよりはマシだろ」

アバン「あはは、わかっちゃいますか。これはお恥ずかしい」



ロンベルクがくれた武器(ドラクエシリーズの武器から最高二つまで)
安価↓


アバン「ほう、これはすごいですね、地上の伝説の武器クラスの力を感じますよ」

ロン「氷結の合言葉でヒャド系の呪文が発動する」

ノヴァ「クロコダインさんのグレイトアックスと似ていますね」

ロン「ノヴァ、お前はそっちの短剣を持っていけ」

ノヴァ「これですか?」


ロンベルクが顎で指示した方にあった短剣は少し禍々しいデザインをしていた


ノヴァ「な、なんかこわいですねこれ。持ってると呪われそうです」

ロン「……武器っていうもんは相手をビビらせてなんぼなんだ。お前も鍛冶師を目指すなら覚えておけ半人前」

ノヴァ「す、すいません」

ロン「お守り代わりにはなるだろうが、いらないなら捨てていい。どうせ昔二日酔いで作ったやつだ」

ノヴァ「い、いえ。先生の作った物ならきっとすごいものなんでしょうから、捨てたりしないですよ」


アバンは吹雪の剣を手に入れた!

ノヴァは怪しい短剣を手に入れた!

どたまかなづちはちょっとふざけすぎたか

ヒュンケルってさ、アバンが目の前にいないときはアバンって呼び捨てにするけど目の前にいるときは先生って呼んでなかったっけ?
オレの記憶違い?

>>38
安価で出ない限りはラーハルトは登場させないつもりだったのでこのように
没になった魔界編のオマージュみたいなものと思って下さい

>>48
どたまかなづちは好きです、コラとか

>>52
ヒュンケルは合わせる顔がないからか先生との絡み少なすぎて不明
自分の見落としだったら教えて下さい

再開します

―― ネイル村 ――


アバンとノヴァはルーラでネイル村へとやってきた


アバン(なつかしいですねぇ、ロカ、レイラ……)

ラインリバー大陸を覆う魔の森の東に位置するこの小さな村に、かつての仲間達の姿を重ね

アバンはしばし郷愁に近い感覚に耽る


ノヴァ「アバン様?」

アバン「おっと、失礼しました。ぼうっとしてる暇はありませんね。いきましょうか」

ノヴァ「え、ええ」

アバン「ところでノヴァくん、その呼び方なんですが、少々お堅いですね。
    私達はもう同じパーティの仲間なんですから、もっと親しみやすい呼び方で結構ですよ?」

ノヴァ「いえ、勇者の大先輩で更にフローラ様の配偶者ともなれば、おいそれとは馴れ馴れしく呼べませんよ」

アバン「そうですか。ふうむ、まあ私もよくロカにはお堅いと言われて、あまり他人の事は言えないのですけどね」


そんな雑談を交えながらアバン達はマァムの住んでいる家にやってきた

ドアをノックすると、マァムの母であるレイラがアバン達を出迎える


レイラ「まあ、アバン様よくおこし下さいました」

アバン「お久しぶりですレイラ、あいかわらずお綺麗ですね」

レイラ「ふふ、アバン様もあいかわらずお上手ですこと。
    どうぞ、おかけになって下さい今お茶をいれますから」

アバン「ああ、お構いなく。少し急ぐ目的がありまして……マァムはお留守ですか?」

レイラ「ええ、最近バラモスの影響で魔の森のモンスターが凶暴化してまして。ここやロモスの城下が襲われるので
    よく出払っているんです」

アバン「そうでしたか……それはなんとかしないといけませんね」


アバンの行動
安価↓


アバン「あちょおおおおおおおおお」

レイラ「!?」

ノヴァ「!?」


アバンは剣を地面に刺し、奇声を発しながら走り出した

それはかつてデルムリン島で見せたある破邪呪文の発動に必要な儀式

ネイル村を飛び出し、大きな五芒星を描き、その頂点にゴールドフェザーを置く


アバン「邪なる威力よ退け! マホカトール!!」


魔の森全域を包む光は凶暴化していたモンスター達を鎮めた


マァム「先生!! 今の光、やっぱり先生だったんですね!」

アバン「お久しぶりですマァム」

マァム「ノヴァも、どうしたの? どうして二人がここに?」

ノヴァ「……実は、かくかくしかじかで」




マァム「ポップが……そんな大変な事に」

アバン「いまの彼は私よりも強く頭もきれる、そう心配はいらないでしょうが……」

マァム「はい、逃げ足だけは出会った時から一番だったから、きっと大丈夫だと思います」


そう言いつつも、マァムの表情からはポップの身を案じる様子が深く伺える


アバン「これから魔界へ行こうと思います。マァム、貴方にも一緒に付いて来てはもらえませんか?」

マァム「もちろんです。先生のおかげでこの一帯もしばらくは安全になりそうですから」

ノヴァ「よろしくお願いしますマァムさん」

マァム「うん、ノヴァもよろしくね」


マァムがアバンのパーティに加わった!

―― 魔界・ヴェルザーの城 ――



ヴェルザーは地上に侵攻するバラモスと姿見を通じて通信を行っていた


ヴェルザー「地上の侵攻は順調かバラモス」

バラモス「ははっ、多少の抵抗はありますが滞りなく進んでおりますじゃ」

ヴェルザー「そのわりには、戦果の報告があがってこぬが?」

バラモス「そ、それは……これまでは小手調べ、これから大規模な侵攻を進めるところであったゆえの事です」

ヴェルザー「ほう……して、まずはどこを攻め落とすのだ?」


バラモスの侵攻先(パプニカ、ロモス、カール、テランの中から)
安価↓

―― ヴェルザーの城・地下牢 ――


ポップ「……行きてるか、ニセ勇者、ミストバーン」

でろりん「……いてえよ、ちくしょう。こんなことならじじいに貢ぐ生活の方がマシだったぜ」

ミスト「……なんとかな、だが暗黒闘気で縛られ身動きはとれん」


ガーゴイル「何をブツブツと話している囚人ども!! 本当にマホトーンがかかっているのか?」

ポップ「へ、かかってなかったらとっくに脱出してるっての」

ガーゴイル「ふん、生意気な口を……そうだ、お前らにいいことを教えてやろう」

ポップ「なんだよ? ここを出してくれるって話ならおおいに歓迎だぜ」


ガーゴイル「お前達の処刑が三日後に決まった」

でろりん「!!」

ポップ「へえ、三日も猶予をいただけるなんて、冥竜王とやらもずいぶん気が長いこったな」

ガーゴイル「減らず口を……本来なら、この場で処刑したいところだが、
      お前達には本物の勇者ダイを呼び寄せる餌になってもらう」

ポップ(なるほど、どおりでさっさと殺さねえわけだぜ……バーンみたいな事をしやがって)

ミスト「……」

ポップ(あのキルバーンの上司だ、処刑場にどんな罠を仕掛けてくるか……せめて、ミストバーンの機転で地上に逃がしたおっさんやヒムに
    なんとか状況を伝えられたら……くそ、ダイ、絶対にくるんじゃねえぞ)

―― 魔界への旅の扉 ――



アバン達一行はポップ達が魔界へ向かった時に使った旅の扉の前に来ていた


ノヴァ「これが、旅の扉ですか? 本当に実在していたとは……」

アバン「クロコダインさん達が倒れていた場所の近くにあったので、見つけるのは簡単でしたが、
    私も話しに聞くまでこれが旅の扉だとは分かりませんでした。なにぶん、古い書物に語られている程度のものなので」

マァム「でもこれ、動いていないように見えますが?」

アバン「……おそらく、クロコダインさん達をこちらに送った後、旅の扉の作りを知っているミストバーンが停止させたのでしょう。
    こちら側に敵が流れてこないように」

ノヴァ「そんな……それでは、僕達も魔界へは行けないじゃないですか」

マァム「他に魔界に行く方法も知らないし、どうしたら……」

アバン「心配ご無用、おそらく大丈夫です。ルラムーン草で私がここにくる事を見越してそうしたのでしょうから」


そう言って、アバンはゴールドフェザーで五芒星を作り出す


ノヴァ(な、なんて破邪力だ……これで何をするつもりなんだ?)

マァム(そうか! 先生なら!)


アバン「―― アバカム !!――」


破邪の秘法により極大化させた開錠呪文

アバンが発動したそれによって、停止していた旅の扉が機能を始めた


アバン「ふう、もしやと思いましたが、成功してなによりです」

ノヴァ「す、すごい、こんな古代の遺物までうごかせるなんて」


アバン「さて、魔界に入るのは私も始めてです。リリルーラは単独でしか移動できないので簡単には戻ってくる事はできないでしょう
    地上でやり残した事はありませんか?」

マァム「……バラモスの事は気になりますけど、ポップ達も心配です。お母さんにも言ってきなさいって言われました」

ノヴァ「僕も大丈夫です……ただ、この三人だけで大丈夫でしょうか?」

アバン「……ふむ」


地上にやり残した事はないか?
安価↓


マァム「先生、ラーハルトに会う事はできませんか?」

アバン「ラーハルト、確かバーンとの闘いの場にいた、ダイのお父さんの部下だと言ってた人ですね?」

マァム「はい、あの人の協力を得られれば、きっとヴェルザーの軍団との闘いも心強いはずです」

アバン「そうですね……ただ、もしも遠い場所か異空間にいる相手だとルラムーン草や魔法の粉がなければ
    リリルーラで捉える事ができない可能性が高いです」

マァム「あ、そうですよね……」

アバン「ですがこの場は、不可能に挑戦させてもらいます!」


コンマ判定 ラーハルトの居場所を捉えられるかどうか(120以上で成功、ぞろ目は二倍00は100) 
判定↓2まで

―― 地上のどこか ――



アバンは何とか捉える事ができたラーハルトの居場所にリリルーラで飛んだ


アバン(どうやら成功したようですね……ですが)

ラーハルト「お前は確かディ……いや、ダイ様の師だったか」

アバン「はい、ちゃんとしたご挨拶はまだでしたね。アバン・デ・ジニュアールⅢ世と申します。
    これ、つまらない物ですがどうぞ」


アバンは道具袋から菓子折りを取り出し、ラーハルトに差し出した


ラーハルト「……いらん。人間の作った物は口にしないようにしている」

菓子折りは当然のようにつき返された


アバン「うーん、おいしいんですがねえ」

ラーハルト「つまらない話はいい、何の用でここに来た?」

アバン「えーと、実はかくかくしかじかで……あなたにも一緒に魔界へ来て欲しいのです」

ラーハルト「……俺は、お前達人間が憎い。バーンとの闘いでは共闘したが、それは亡きバラン様の遺志を尊重しての事だ」

アバン「……」

ラーハルト「だが、俺のために涙したあの魔道士、そして我が友ヒュンケルの師であるお前には少し興味があった。
      ……ダイ様の事もある。闘いだけでいいならば手伝おう」

アバン「ありがたいです! いやあこころ強い!」

ラーハルト「ふん……手伝ってやるが、俺は人間は信用せん。それを忘れるな」


ラーハルトがアバンのパーティに加わった!

―― 魔界への旅の扉の前 ――


アバンはラーハルトを伴って、ルーラでマァム達の所まで戻ってきた


マァム「ラーハルト! 手伝ってくれるのね!」

ラーハルト「ふん、握手など求めるな女。馴れ合いは好かん」パシンッ

マァム「もう、相変わらずねあなたも」

ノヴァ「マァムさん、大丈夫なんですかこの人?」

マァム「ツンツンしてるけど腕は確かよ、性格は……
    まあ、一人でどこかに行っちゃわない分、昔の誰かさんよりはマシなのかな?」

ノヴァ「そ、それは忘れて下さい!」


アバン「……それでは面通しが終わったところで、他にやり残した事はないですか?」

ラーハルト「ぞろぞろと足手まといが増えても邪魔なだけだ、さっさと行くぞ」

アバン「ふむ……まあ、あと一人くらいなら連れて行っても問題ないでしょうが」


地上でやり残した事があるか
安価↓


アバン「装備は身に着けないと意味がありませんよ? しっかり持っているか確認しましょう」

マァム「確かに基本ですね……私は老師から貰った武道着とロンベルクの魔甲拳です」

ノヴァ「僕は自分の修行で作った鋼の鎧と剣です……あ、あとベルク先生から貰った短剣もあります」

ラーハルト「そんな事は呼ぶ前に終わらせておけ……鎧の魔槍だ」

アバン「私はロンベルクさんから貰った吹雪の剣と、ポップ達が手に入れていたグリンガムの鞭、太陽の冠。
    そしてゴールドフェザーにシルバーフェザー、不思議なタンバリンやミエールの眼鏡なんかも道具袋に入ってます」

マァム「……こうしてみると、ノヴァの装備は不安があるわね」

ノヴァ「こ、これでも、街の武器屋よりはいい物が作れるようになったんですよ? 
    確かに、ベルク先生からしたら半人前以下なんでしょうけど……仮に武器がなくても、オーラブレードに支障はでないから大丈夫です」

地上でやり残した事があるか
安価↓


アバン「道具屋でアイテムを補給していきましょう」

ノヴァ「そ、そんな余裕があるんですか?」

マァム「先生にも考えがあるのよノヴァ。大魔王の城でお弁当休憩させる人だけど、ちゃんと考えての事なのよ
    ……たぶん」

ノヴァ「たぶん!?」

アバン「はっは、大丈夫、今ならそう時間をかけずにルーラで行き来できるんですから。魔界ではそうはいきませんし
    選ぶのに時間をかけなければいいんです」

ノヴァ「そうかもしれないですけど……」

マァム(先生はよく知ってるはず私達でも戸惑う事が多いから、ノヴァが不安や不満を感じるのはしょうがないわね)

アバン「ではベンガーナの百貨店へ行きましょう。ルーラ!」

―― ベンガーナ・百貨店 ――



マァム「初めて来たけどすごいところね……」

ノヴァ「リンガイアでもここまでの商店はありませんよ。さすがはベンガーナ」

アバン「ここならば、大抵の物は揃うはずです。掘り出し物もあるかもしれませんが
    時間をかけずに五分以内で探してきましょうか」

マァム「分かりました」

アバン「一番良い物を持ってきた人にはご褒美を差し上げます! ではよーいドン!」



五分後――

ラーハルトが持ってきた物>>79

ノヴァが持ってきた物>>80

世界樹の雫

変化の杖


アバン「世界樹の雫に変化の杖ですか! 短い時間でこれはまたすごい物を見つけましたね!」

ラーハルト「速さには並ぶ者がいない自負がある、当然だ」

ノヴァ「これなら魔界に行った時役に立つでしょうから」

マァム「二人ともすごいのね……私が見つけたものは大した事ないかも」

アバン「まあそう言わず、一緒に見せ合いましょう」


マァムの見つけた物>>82

アバンの見つけた物>>83

魔よけの鈴

ドラゴンキラー

アバン「ほう、マァム魔よけの鈴ですか……」ニヤニヤ

マァム「な、なんですか?」

アバン(魔よけの鈴はラリホーとマホトーンから守ってくれるもの、
     無意識にポップの事を考えての選択かもしれませんねえ)

マァム「先生はドラゴンキラーですか。手に取り付ける爪に近い武器ですね」

アバン「ええ、これがあればアバン流牙殺法をお見せできるかもしれません」

ノヴァ「ただそうなると、吹雪の剣やグリンガムの鞭を使う手がふさがって不便なのでは?」

アバン「ふむ」

装備の変更をするかどうか(する場合、吹雪の剣をノヴァになども一緒に)
安価↓


アバン「では吹雪の剣をマァムに渡しておきましょう」

マァム「私には装備できませんがいいんですか?」

アバン「魔法の道具としてなら使えるはずです。強敵相手に効果があるかはわかりませんが」

マァム「あの、先生、その装備だとアバンストラッシュが使えないんじゃ……」

アバン「も、問題ありませんよ。牙殺法と鞭殺法の地、海、空の技がありますから」

マァム「でも……」

ノヴァ「あ、剣ならさっき良さそうなのを見かけましたよ?」


ノヴァが見かけた剣(ドラクエシリーズの剣から)
安価↓

アバン「ロトの剣? ロト? ふうむ、なにかの文献で見た事があったような……」

マァム「でもこれ、錆びちゃってるわよ」

ノヴァ「それでも、ここに置いてある他のどの武器よりも力を感じます」

アバン「そうですね。せっかくなので私はこちらを使わせてもらいましょう。ドラゴンキラーは左手につけて
    右手は状況に応じて持ち変えることにします」


その後、入り口でまとめて会計を済ませ

値切りつつも有り金を使い切ってしまったアバン達は百貨店を出た


アバン「そういえば、一番良い物を持ってきた人にはご褒美でしたね」

マァム「冗談じゃなかったんですか?」

アバン「私、冗談は言っても嘘は言いませんよ。
    ふむ、採点的にはラーハルトさんですが、剣を見つけてくれたノヴァくんも中々高ポイントですね」

ラーハルト「……なんでもいいから早くしろ」

アバン「では……」


アバンがご褒美をあげる方(ラーハルトかノヴァのどちらか)
安価↓


アバン「ご褒美を手にしたのはノヴァくんです! ではどうぞこちらを」

ノヴァ「これは!?」

マァム「アバンのしるし!!」

アバン「本当は全員に渡したいところですが、輝聖石の塾成が新たに間に合ったのがこれ一つでしてね」

ノヴァ「これは……僕には重たすぎる物です」

アバン「そう言わず、受け取って下さい。御利益はあると思いますよ?」

マァム「ノヴァ、貴方ならきっとしるしも輝くと思うわ。先生の授業を受けていなくとも、貴方は勇者だったんだもの」

ノヴァ「マァムさん……分かりました、お預かりします」


ノヴァはアバンのしるしを受け取った!

アバンは牙でも弓でもストラッシュが撃てたはず

>>91
設定上はそうみたいですね。ノヴァが闘気を狙ってとばすのは自分でも難しいって話だったので
アローとブレイクを使い分けれるのは長物だけって感じで脳内保管してください

―― 魔界 ――


入念な準備を終え、旅の扉を通ってとうとう魔界に足を踏み入れたアバン達一向


マァム「ここが、魔界……」

ノヴァ「創造通り、暗くて気味の悪いところですね」

アバン「人間にとってほぼ未踏の地です、何があるかわかりませんから注意して行きましょう」

ラーハルト「……進むアテはあるのか?」

アバン「おまかせください」


そう言ってアバンはゴールドフェザーで五芒星を作り出す


アバン「レミラーマ!!」


破邪の秘法で極大化させた探索呪文

それによって、自分達の座標と広範囲の地形を把握する


アバン「近くに村か町のような共同体がありますね……まずはそこを目指してみる事にしましょうか」

ノヴァ「……本当は、僕達が手伝う事なんてないんじゃ」

マァム「そ、そんなことないわ、たぶん……」

アバン「では進みましょう! 目標は日暮れ前に到着する事です!」

ラーハルト「……魔界に太陽はない」


コンマ判定 コンマ合計100以上で無事に到着(ぞろ目は二倍、00は100)下回ると敵と遭遇、150以上でボーナス
↓2まで


魔界の焦土を踏みしめながらアバン一行は縦列を作って進む


アバン「ふう、太陽がないと時間が分かりにくいですねえ」

マァム「結構歩きましたが、まだ着きませんか?」

アバン「もう少しだと思いますが、疲れた方は魔法の絨毯に乗っても構いませんよ?」

ラーハルト「そんなうさんくさい物に乗るのはごめんだ」

アバン「ふふ、では少し休憩にしましょうか。待っててください、今トヘロスをかけなおしますので」


アバンが構えたその時、岩陰から飛び出してくる何かががいた


襲ってきたモンスター(ドラクエシリーズ、またはモンスターズのモンスター)
安価↓


キラーマシン2「……ギギギ」

アバン「敵です皆さん!!」


敵影に気付いたアバンの号令で、休憩に入りかけていた他の皆も素早く戦闘の体勢をとる


ノヴァ「マヒャド!!」


後方から仕掛けたのはノヴァ、最高位の氷結呪文をいち早く浴びせかける

だが……

キラーマシン2「……」ヒャド系無効

マヒャドはキラーマシン2の表面すら凍らせる事なく掻き消える


アバン(初めて見る……これが魔界のキラーマシン)

パーティの行動
>>102>>103

アバンのメガンテ

ノヴァがアバンにマホトーン

明らかに全滅狙いや味方への攻撃で進行妨害はこちらの裁量で無効安価として下ズレさせるか再安価とります
この場合>>103はサポートになりますけど一旦無効で

再安価 パーティの行動
>>105>>106

これはアレか。アバンのメガンテを阻止するためにマホトーンか


アバン「一旦退却しましょう!!」

マァム「わかりました」


アバンの選択は逃げる

準備なく未知のものに遭遇した時、まずは仲間の命を優先して考える事を徹底していたからだ

アバンの号令にマァム、ノヴァが従うが

ただ一人ラーハルトだけはその場に残った


アバン「ラーハルト!!」

ラーハルト「俺が手伝うのは戦う事だけと言っておいたはずだ、鎧化(アムド)!!」


鎧の魔槍を纏い、槍の切っ先をキラーマシン2に向ける


キラーマシン2「……ギギギ」

キラーマシンが弓を引き絞り、ラーハルトに向ける

だが、そのたった二動作、時間にして一、二秒ほどの間でラーハルトは立っていた場所から消え


ラーハルト「ハーケンディストール!!」

その一撃でキラーマシン2を両断した


キラーマシン2がその場に崩れた様子を見ていたアバン達


ノヴァ「すごい……動きがまったく目で追えなかった」

マァム「……先生は、見えましたか?」

アバン「正直、目で追うのがやっとでした……彼が味方でよかったです」


ラーハルトの強さを目の当たりにして、彼に勝ったというヒュンケルの話を思い出し

アバンはまた一つ、自分の生徒を誇れる事柄が増えたという実感を得た



ラーハルト「さあ、さっさと進むぞ」

アバン「まって下さい、ちょっとだけ敵の残骸を調べても構いませんか?」

ラーハルト「……何のためだ?」

アバン「これでも機械には強いんですよ、何か得られるものがあるかもしれません」

ラーハルト「……好きにしろ」


キラーマシン2の残骸から得られたもの(情報、アイテム、または何も得られないなど)
安価↓


アバン「これは……黒のコア」

マァム「!?」

ノヴァ「!?」

ラーハルト「落ち着け、作動はしていない」

アバン「……恐ろしいものを積んでますね、ラーハルトさんが一撃で倒してなければ危なかったかもしれません」

ノヴァ「ど、どうするんですか?」

アバン「ヒャドで凍らせたあと分解しましょう。構造はピラァオブバーンの物を撤去した時に頭に入れてあります
    念のため、貴方達は離れていて下さい」

マァム「いいえ、私もここにいます」

アバン「マァム……困った子ですね」

その後、黒の核はアバンが慎重に分解して処分した

―― 魔族の村 ――



キラーマシン2との交戦後、アバン達は敵にみつからないように更に慎重に進み

目的にしていた、レミラーマで見つけた集落へと到着した


アバン「さて、到着しましたが……さすがにこのまま入るのではまずいですよね?」

ラーハルト「当然だ、人間に友好的な魔族などほぼいないと言っていい」

アバン「フッフッフ、ではこのぬいぐるみを被って入りましょう。いやあ、お城から持ち出したこちらが
    こんな形で役に立つとは思っていませんでした」

ノヴァ「え? あの、変化の杖がありますよね?」

アバン「……」

マァム(先生、こういう時ウケを狙わずにはいられないんだから……)


アバンはすごすごとぬいぐるみをしまい、変化の杖を仲間達に振っていく

ラーハルトだけは全員で入る必要がないと、一人村の外で待つ事になり。魔族に化けたアバン達は村に入っていった



コンマ判定 変化の杖でばれないで済むかどうか(100以上で成功ぞろ目は二倍00は100 150以上でボーナス)
判定↓2まで

変化の杖で魔物に化け、魔族の村に潜入したアバン達


アバン「もう少し怪しまれると思っていましたが、うまく入り込めましたね」

マァム「これからどうしますか?」

アバン「優先すべきはポップの情報でしょうね、危険な目にあったのは間違いないはずですし」

ノヴァ「そういえばあのリリルーラという呪文では合流できないんですか?」

アバン「ええ、魔界に来てからポップやダイを思い浮かべて試してみましたが、不思議な力にかき消されるようで」

ノヴァ「そうだったんですか……心配はありますが、今は希望を信じて探すしかないですね」

アバン「はい。しかし、ポップやダイの情報以外にも魔界の情報は何でもほしいところです。レミラーマで把握できる範囲にも限界がありますから
    魔界の地図なんかも欲しいですし、ヴェルザーのことも気になります」

マァム「では手分けして聞いて回りましょう」

アバン「はい、では一時間後にまたこの場所で……」



一時間後――


アバン「どうでしたか?」

ノヴァ「じゃあ、僕から……」

ノヴァが得てきた情報
安価↓

変化の杖で魔物に化け、魔族の村に潜入したアバン達


アバン「もう少し怪しまれると思っていましたが、うまく入り込めましたね」

マァム「魔族の村なんてはじめて


ノヴァ「ヴェルザーの配下の構成を教えてもらえました」

アバン「ほう、それは今後の闘いの参考になりそうですね」

ノヴァ「まず地上を侵攻している魔軍司令バラモス、クロコダインさん達が交戦したグリーンドラゴンに
    軍団長クラスの>>130>>131

(安価はドラクエシリーズまたはモンスターズのモンスターから)

間違えたすいません

タイプG

消し忘れた下書きが載ってしまってましたお目汚し失礼しました


ノヴァ「タイプGはキラーマシンタイプの軍団長、デュランは魔王にも数えられる魔人種の軍団長のようです」

アバン「なるほど、どちらも手ごわそうですが、先ほどのキラーマシンに黒の核が搭載されていた事を考えると
    タイプGには特に注意が必要かもしれませんね」

ノヴァ「ええ、黒の核はヒャドで停止する事は分かっているので、いざという時は全力で爆発を止めましょう」

アバン「マァムに吹雪の剣を持たせていたのはちょうどよかったかもしれませんね」

マァム(私も、心を持たない機械を相手にする方が気が楽かもしれない。たとえ閃華裂光拳がきかない相手だとしても……)

ノヴァ「他にもイマジンという軍団長の名が出てきましたが、その者の名前以外の情報は一切わかりませんでした」

アバン「イマジン……いったい何者なんでしょうか、その不安要素が事態を悪くしなければいいのですが」



マァム「次は私ね」

マァムが得てきた情報
安価↓

マァム「役に立つ情報か分からないけど、ここから南方にバーンの宮殿の一つがあるらしいです」

アバン「大魔王バーンの宮殿ですか……ヴェルザーがそのまま残しておくというには何か戦略的理由があるのでしょうか?」

マァム「わかりません、バーンの豪華な宮殿をヴェルザーがただ気に入っただけという見方もあるようで、なんともいえません」

アバン「バーンパレスは闘いの場に相応しくないほど綺麗でしたからね。内部は変な肉の壁で残念でしたけど」

ノヴァ(肉の壁……う、想像したくない)

アバン「特に行く場所が決まらなければ、そこへ行ってみる事も考えなければなりませんね」



アバン「では最後は私ですか……」

アバンの得てきた情報
安価↓

アバン「バーンの居場所へ行くには特殊なアイテムが必要という話を耳にしたんですが……」

マァム「バーン!?」

ノヴァ「そんな、ダイが倒したはずですよ。生きてるはずが……」

アバン「ガセネタである可能性は否定できませんが、もしもという可能性もあります。
    もう少し詳しく聞いてみましょうか」

マァム「そうですね、正直ガセネタであってほしいと思いますけど……」



事の真意を確かめるべくアバン達は、バーンについての情報源であった魔族のいる場所に向かった


魔族「なんだまたあんたか、今度はお仲間連れで何の用だ?」

アバン「先ほどのバーンについての話ですが、失礼ながら本当のことなんでしょうか?」

魔族「ああ、それか……>>140

バーンを自称する人物が最近魔界に来た


魔族「バーンを自称する人物が最近魔界に来たんだ」

アバン「ですが、バーンは倒されたはずですが」

魔族「そんなもん誰でも知ってるだろ、だがな一部の魔族や竜は転生する方法があったりするんだ。
   俺は現れたバーンが本物じゃないかとみてるね」

アバン(確かに、ヴェルザーの例もある。それにバーンは老体と全盛期の肉体を魂を入れ替えて使う事ができた、
    あり得ない話ではないかもしれないが……)

アバン「その根拠とは?」

魔族「南にあるバーンの宮殿にそいつが入っていったのさ、普通なら本人しか入れないはずの深部まで簡単にね」

アバン「なんと……」

魔族「どうだい? 疑いようのない話だろ?」

アバン「……では、先ほどの話と合わせるなら、その深部に入るためのアイテムも存在していると?」

魔族「まあな」


バーンと会うために必要なアイテム
安価↓

バーンに会うために必要なアイテムはおうごんのうでわ

その情報を聞いた後、アバン達は話してくれた魔族と別れた


アバン「ふむ、黄金の腕輪ですか……それをもっていない以上、バーンかもしれない者の事を考えるのは時間の無駄かもしれませんね」

マァム「そうですね、ポップ達の所在とは無関係の可能性が高いし……」

アバン「ノヴァくんの得たヴェルザー軍団の情報の方が意義のあるものだったかもしれません」

マァム「さすがねノヴァ」

ノヴァ「た、たまたまですよ。それよりもう少し聞いて回ってみましょう。
    今度こそポップくん達の情報を得られるように」

アバン「そうですね、足を止めてはいられません」


コンマ判定 アバン達がポップ達の情報を得られるかどうか
↓2までのコンマ合計が100以上で成功(ぞろ目は二倍 00は100、150以上でボーナス)



魔族「まってよ、そこのキミ」

アバン「?」

ポップ達の情報を集めるべく奔走していたアバンに、ローブを目深に被った小柄な魔族が怪しげに手招きしてきた


アバン「何の御用でしょう?」

魔族「キミ人探ししてるんだろ? 人間の魔道士だってね?」

アバン「ええ、なにか知っているのですか?」

魔族「こいつはとっておきの情報だけど、ヴェルザー様の居城に収監されてる魔道士が三日後に処刑されるそうだよ」

アバン「!」

魔族「なんでもバーンを倒した勇者ダイの仲間だって話だ。ヴェルザー様は勇者ダイをおびき寄せて殺すため、その準備をしてるらしい」

アバン「……情報の出所は?」

魔族「あくまのめだまさ、そこかしこの映像を映し出すこいつらと仲良くしておけば、情報に困る事はないんだ」

アバン「……」

魔族「ふふふ、降って沸いた話に困惑してる顔だね、いいよその顔、そう、それが見たかった」

アバン(なんだこの魔族、とても嫌な感じがするが……私は以前に似たような感覚を感じた事がある気がする)


魔族「キミのいい顔に免じてついでにもう一つ、いや二つ、手を貸してあげようか」


そういって魔族はヴェルザー居城の場所をアバンに教えたうえ、黄金に光る腕輪を差し出す


アバン「これはまさか……」

魔族「黄金の腕輪さ。これがあればバーンかもしれない人物に会えるわけだ。ククク、迷うよねえ、取れる選択が多いってのは
   幸せなことばかりじゃないんだ」

アバン「何がしたい? どうしてこんな事をする?」

魔族「キミの困る顔がみたいだけさ、さあどうする? 今すぐヴェルザー様の居城に乗り込むか、
   あて処刑の日までヴェルザー様の隙を見て準備するか、それともバーンの問題を先に片付けるか」


告げる魔族の姿は徐々に消えていく 


アバン「待て! お前は!」

魔族「くくく、言ったろ? 地獄で待ってるってさ、どの選択をとってもキミはヴェルザー様にはかなわないよ」

そう言って、死神の道化の面影漂う魔族は完全に消え去った


―― 魔族の村の外れ ――



アバン達は一度村を出てラーハルトと合流し、村で得た情報について相談する事にした


アバン「かくかくしかじかです」

ラーハルト「……三日後の処刑に、ヴェルザーの居城、そしてバーンか。随分と大収穫だったようだな」

アバン「そのおかげでこれからどうするべきか迷うところですね」

ラーハルト「迷う事はない、ヴェルザーの居城へすぐに向かうべきだ」

マァム「私もラーハルトに賛成です。ポップがそこに捕まってるなら、一刻もはやく助けたいわ」

ノヴァ「ですが……バーンの事は放っておいてもいいんですか? 場所的にはここから南のバーンの城が一番近いですよ?」

アバン「ヴェルザーの居城へ向かうか、それともバーンの方に向うかですね。ヴェルザーの居城もバーンの城も空飛ぶ絨毯で飛ばせば
    一日もかからない距離ではありますが……」

多数決選択 ヴェルザーの居城に向うか、バーンの城に向うか
↓から最初に二票入った方に決定


アバン「ではバーンの城へ先に向かいましょう。時間も惜しいですし、魔法の絨毯で」

ラーハルト「俺は遠慮する。お前達を待っているあいだに、竜を何匹か手懐けておいたのでそちらに乗っていく」

ノヴァ「りゅ、竜を? この短時間でそんな事ができるなんて……」

ラーハルト「超竜軍団竜騎衆の名はダテで名乗っていたわけではないからな」

マァム「そんな事より急ぎましょう、バーンの後にはヴェルザーの所に行ってポップを助け出すんだから」

アバン「ええ、急ぎましょう」


アバン達はバーンの城へ向かった

―― ヴェルザーの城・地下牢 ――


ポップ「……」

???(……ップさん、ポップさん!!)

ポップ「!!」

囚われていたポップの頭の中に、突如女性の声が響く


ポップ(め、メルルなのか?)

メルル(はい! よかった、無事だったんですね……心配したんですよ)


バーンとの決戦時、メルルに覚醒したポップとの交信能力

その強い思いは、地上と魔界という離れた場所であっても届きえた


メルル(夢に見たんです、ポップさんが危険な目にあう事を……そして聞いてみると魔界に行ったきり行方が分からないと、
    本当に心配したんですよ)

ポップ(そ、そりゃ悪かった……でもよ、俺のことはもういいんだ)

メルル(え?)

ポップ(俺は今、ヴェルザーに捕まってもうすぐ処刑される……だからもう、俺の事は忘れてくれよ)

メルル(処刑!? そんな、それじゃあどなたかに頼んで助けてもらわないと!)

ポップ(いや、何があるかわからねえ、どんな罠が仕掛けてあるか分からない場所に来てもらうわけにはいかねえ、
    お願いだメルル……誰にもこの事は言わないでくれ)

メルル(……>>157

いやです!!絶対いや!!


メルル(いやです!!絶対いや!!)

ポップ(!?)

メルル(ポップさんが処刑されるのに何もしないなんて、絶対に耐えられません……だって私、貴方の事が……)

ポップ(メルル……)

メルル(……たとえポップさんの迷惑になる事だとしても、貴方を見捨てるなんて、それだけは私、死んでもできません。
     それに、ポップさんにはあの時のお返事、まだ頂いてないですから)

ポップ(あ、あの時って、あの……)


バーンパレスに向かう際のメルルの告白を思い出し、顔を赤くするポップ


ポップ(いや、あの時俺……)

メルル(あの後、ポップさんが何て言ったのかは私は死の淵にいたので聞こえませんでした。だ
    からこんどはちゃんと、返事を聞かせてもらいます。貴方に直接会って、面と向かって)

ポップ(俺は……)

メルル(だ、だから、私の占いで無事にポップさんを助け出す方法を導きだします!! それでは……)

ポップの返事を遮る様にメルルは告げ、交信の声は聞こえなくなった


ポップ「メルル……」

ポップ「そんな事いわれちまったら……生きる事を諦められねえじゃねえかよ、あがきたくなっちまうじゃねえか……」

ポップ「へ、へへ……どいつもこいつも、俺の横っ面をひっぱたいていきやがる……!!」



でろりん「なあ、あいつなんかブツブツ言い出してこええんだけど?」

ミスト「……」
 

―― ロモス・魔の森 ――



一方その頃、地上では魔軍司令バラモスのロモス侵攻が始まっていた


バラモス「ぐふう、妙な結界のせいで進軍が遅れてしまった。ヴェルザー様のお怒りを買う前にロモスを落とさなくてはならぬというに」


アバンの貼ったマホカトールを突き破り、大軍を指揮してロモスに向かうバラモス

しかし、その前に立ちはだかる者がいた



チウ「待ちたまえバラモス、これ以上進むのは僕が許さないぞ!!」

バラモス「む? なんだこのネズミ、こんな小さいのが我が軍にいたか?」

チウ「僕は獣王遊撃隊の隊長にして、二代目獣王のチウだ! バラモス! 地上をお前なんかの好きにはさせない!」

バラモス「ふっふっふ、何を言うかと思えば……お前のような雑魚モンスターに何ができる?」

チウ「お前の相手はの森にいた先代獣王クロコダインさんの仲間達、そして二代目獣王の遊撃隊だ!
   いまだ! かかれ! フォーメーション!!」

バラモス「!?」


バラモスの大軍を包囲するように、多くのモンスター達が襲いかかる!

暴れうしどり、キラーパンサーといった獣モンスターから

ゴーレム、ハンターフライ、マリンスライムといった多種多様のものまで訓練された連携で次々にバラモスの軍団を攻撃する


チウ「窮鼠図蛇図蛇拳!!」

チウもかつてバダックに貰ったズタズタヌンチャクを振り回し、バラモスを守る魔界のモンスターを蹴散らしていく


バラモス「おのれドブネズミ、小癪な奇襲をしかけよって!!

ヒム「おっと、隊長さんの悪口はゆるさねえぜ」

バラモス「!?」

クロコダイン「バラモスよ、ロモスは落とさせん。かつてこの国に働いた行いを、今こそ償う時!」


バラモスの前に、ヒムとクロコダインが立ちはだかった

バラモスの扱いに涙
そしてバラモス戦は安価出せるとこないかもしれません


バラモス「この狼藉、魔王の称号を持つこのバラモスに対して許されんぞ貴様ら」

ヒム「へっ、おめえみてえなカバが魔王だって? そういうのはハドラー様くらい威厳をもってから名乗りやがれ」

バラモス「ふん、誰かに似てると思ったら貴様ハドラーに作られた魔法生物か、
     あやつこそ、魔界を追われた負け犬ではないか」

ヒム「なんだと?」

バラモス「あやつのような魔王のなりそこないではない、本物の魔王の力をみせてやろう」


バラモスの両手に爆裂呪文の魔力が集中する


チウ「イオナズンだ!! 総員防御体系!!」


チウの号令に獣王の仲間達は身を守る

だがヒムだけはその身に闘気を纏ってバラモスに突撃する


チウ「ヒムちゃん!」

ヒム「わりいな隊長さん、ハドラー様を馬鹿にされちまったら引くわけにいかねえんだ!!!」


イオナズンくらい自分の頑丈な体ならば耐えられる、ヒムにはその自負があった

だが相手は広大な魔界において、たった数人だけの魔王を名乗れる資格をもったもの

見くびっていい相手ではなかった


バラモス「イオナズン? 違うな、これは極大呪文の上をいく、超極大呪文と呼ぶべきもの……」


バラモス「其の名も、イオグランデだ!!」

ヒム「!?」


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                 || || ||                     || || ||



極大とはその系列の呪文の発展が終わった事を意味する

だが、時として呪文は使い手の魔力によって大きく変容し、大魔王バーンのカイザーフェニックスのように誰も見た事のない発展を遂げる事がある

バラモスの強大な魔力は極大の名を冠する爆裂呪文イオナズンを、更に発展させていたのである





ヒム「ぐ、うう」

チウ「ヒムちゃん!」


バラモスの放ったイオグランデは魔の森に茂った大木を吹き飛ばし、大きな窪地を作っていた

その計り知れない呪文をまともに受けたヒムの右腕は吹き飛び、体もところどころヒビが入っている


クロコダイン「なんという威力だ」


チウを庇ったクロコダインもヒムほどではないがダメージを負い、獣王遊撃隊だけでなくバラモスの配下のモンスターにすら被害がでている


チウ「なんてやつだ、味方ごと撃つなんて」

バラモス「ワシの配下にグズはいらん、魔王の手にかかって死ねたのなら栄誉じゃろう」

悦に入るように言い、バラモスはもう一度、両手に爆裂呪文の魔力を溜め始める


もう一度、受ければ今度はどれだけの被害が出ることか

チウをはじめ、獣王遊撃隊の者達が恐怖に怯えたと同時、二人の戦士が同時に動き出す


クロコダイン「獣王激烈掌! かああああああああ!!」


バラモスに向かって左右逆回転の闘気の渦を放つクロコダイン


バラモス「う、うごご、これは……」

闘気の渦はイオグランデを放とうとした腕を片方ねじ折り、超極大爆裂呪文の発動を中断させる


ヒム「オーラナックル!!」

そしてその渦の流れに乗るように、ヒムはバラモスの眼前まで飛び、残っていた左腕に闘気を集め振りかぶる

さっきのように見くびってはいない、相手を強者と認め、仕留める為の全身全霊をかけた本気の一撃

だが……


ヒム「――!?」

ヒムの拳はバラモスに届かず止まった

それどころか、ヒムの体のあらゆる活動が、その時一瞬にして凍りつく


バラモス「マヒャデドスだ」

バラモスがそれまでの氷結呪文の最高位だったマヒャドを更に発展させたもの

極大呪文のように両手を必要とせず、一瞬で相手の自由を奪う瞬間凍結の呪文


バラモス「いかに魔法生物といえど、核まで凍らされては活動できまい」

何十もの凍結の中心、氷の檻の中に囲われたヒムは意識すらも奪われている


クロコダイン「ヒム!!」

クロコダインがヒムを助け出そうとするが、今度はバラモス、その三本の指に炎を灯らせる


バラモス「メ・ラ・ゾーマ……フィンガーフレアボムズ!!」

クロコダイン「ぐわああああああああ」

チウ「く、クロコダインさーーーーーん!!」


禁呪とされるものも平気で使用する、勝つためには手段を選ばない、力を見せ付けるためには味方であっても足蹴にする

極悪非道それこそが魔界の魔王


バラモス「ぐふぐふ、気分がいい。鍛え上げたこの魔力でお前達のような弱者をいたぶることこそ、
     ワシがもっとも喜びを感じる瞬間だ」

チウ「……」

バラモス「どうしたネズミ? 震えて声もでんか? シッポを巻いて逃げるなら、捨て置いてやるぞ。
     ぐふふふふふ、かーはっはっはっは!」

チウ「……馬鹿にするな」


バラモス「む?」

チウ「仲間を見捨てて逃げちまうようなヤツは最低のクズだ!!
   そして……隊長は部下を、必死で守るものなのだぁああああ!!」

バラモス「ならば死ねえ!! ハラワタを食らいつくしてくれるわ!!」


ーーーーーー

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー





ヒム(……ざまあ、ねえぜ)


マヒャデドスの氷の棺に囚われたヒム

薄れゆく意識の中、自嘲するように今の自分の姿を思う


ヒム(ハドラー様に貰った体、貰った命をこんなところで使いきっちまうなんてよ……)


ヒュンケルに破れ、ハドラーの死に呼応するようにプロモーション(昇格)で生命体となったヒム

もう一度近づいてくる死が、ヒムの心に知らなかった恐怖を植えつける


ヒム(体を蝕む冷気が、俺の核までとどいたとき、こんどこそ俺は終わりなんだな……)


それを少しでも恐ろしいと思ってしまうのは、戦士としてではない、平和な時をヒムが生きた証でもあった


ヒム(フェンブレン、ブロック、シグマ、アルビナス……いま、そっちへいくぜ)

アルビナス「何を言っているんです?」

ヒム(!?)

シグマ「来る必要などない、我らは親衛騎団は一心同体」

ヒム(お前ら……どうして……)

ブロック「キコエナイノカヒム? オマエノトモノコエガ」

ヒム(ブロック? 友の声?)


チウ「仲間を見捨てて逃げちまうようなヤツは最低のクズだ!!
   そして……隊長は部下を、必死で守るものなのだぁああああ!!」


ヒム(隊長さん? まだ、戦ってるのか……?)

フェンブレン「まだお前は戦えるじゃろうヒム。あのようなネズミよりも先に力尽きたとあっては親衛騎団の名折れだ」

ヒム(フェンブレン……そうか……お前ら、ずっといたんだな、俺の中に)

アルビナス「そう、我ら親衛騎団はいつも、貴方と共にあります」

シグマ「我ら親衛騎団はいつも共にあり!」

フェンブレン「我ら親衛騎団はいつも共にあり!」

ブロック「ワレラシンエイキダンハイツモトモニアリ!!」

ヒム(……我ら親衛騎団はいつも共にあり)




         ._,,、 -‐ '''''''' ‐-、,            
       ,rソ          ヽ,            
      ,イ./      、-、    ':,           
     ./ { {        '; .',  /7';;、_          
     /  ',.',     _,、-' .ノ .l l ,,.;;;;ト,    .,∧ハ,  
     {   ',.', _,、-ニ-:::::>,.ヽ {ヽ;;;;;;;;.,'   /l .{ .ヽ  ト、
     .l, _, ) ,ニt'´::、- '`´//  \\/,   { l, ':,__,),   ヽ, _
     .〃 .//l   ̄    ':, i,   `''゙ i,   l.(`'' ‐:ァ、,l,    /l `''‐、, 
     '、-'/:/! _,.,     l .l  ,    .',  { `ト-く `'t、/  l   ,〃´l
      ヽt'. 'ニ-:'._,、='   l .l, }    ヽ {`'l- ''l,'t‐' ヽ   l     l
       マ,l,  =` '´    l .l./     ヽ l .l  l,ヽ,_,.、ヘ, l       {
        ヾ:、 -'´     .l /   .f ヽ, ,>l - ' ‐ '^''^   .ヽl      .',
      l    ヽ、      ,ノ!   l  セ` .l     /    'l,      ,l
      ヽ    ヽ,    _,ノ   ,.r:1_,.ノ\l     l      l    ((´\
      l,ヽ    `ヽt‐'´   ,.r '/ .ヽ、  l     .{      ト、  〃
       ヽ`ヽ     .}  ,.r',r '´,、-'''`^ヽ,.l     .l,     ノ `メ´_
        `'‐   ,.r (.!//‐''´.l     .\    ヽ、   ,ノ 〃ノ  `ヽ,
          ,、- '/ヽ /    .l __,、 -‐t'''''ヘ、   ,rく''''´,〃/

r'´       /       /  l  .l
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 ヽ`ヽ、/      ./:: : l   .l  l
  .\. ヽ、     .<::......, .l   l  .l
    .ト,, `ヽ,    '、:::::' l   l  .l
    .} .ヽ、  ヽ、  ヽ,_,、-   l  .l
    l`-、 `‐ 、, ヽ,  l     .l  .l,
   ,l、  `z,   ~'''=、l__    l   ',
   j .\ .l`r‐一 '''7:,ヽこ‐- 、l_  .',

   ,'   ヽl .l!   / ',  ヽ__、、 ニ=、 ヽ,
  /\   l .''ー‐‐t、 /z-y'     ,、-‐'
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    l  l   .l:::::::f       f'にl!,ノ /  / ~`'''‐f   l
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   l   `l,  l::::::l.     ヽノ  l::::/   l .l,    l   l
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  l      l .ト、::l        レ' l  l!   .l,   .l  l
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  l       '-l.l  l`ヽ、_  ,.イl    .l__,l    .l,   l,  l
 .l        リ  .l  l ``l !l    l      .l    l  l

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バラモス「ならば死ねえ!! ハラワタを食らいつくしてくれるわ!!」

チウ「!!」

チウを引き裂こうと、バラモスの爪が振り下ろされる




だが、マヒャデドスの氷の棺を割り飛び出したヒムがその攻撃を受け止めた


バラモス「!!」

チウ「ヒムちゃん!!」

ヒム「間に合って何よりだぜ隊長さん」

バラモス「馬鹿な! マヒャデドスから自力で出ることなど……」


ヒム「昔の仲間が力を貸してくれてんだ、今の仲間を守れってな」


全身からベギラゴンを放つアルビナスのニードルサウザンドによって内部からマヒャデドスの氷塊を溶かして割り

ハドラーの身代わりになるためにブロックが使ったキャスリングの能力よって、隊長であるチウを守るためヒムは攻撃を庇ったのだ


ヒム(俺に宿ったのはハドラー様の魂だけじゃねえ! フェンブレン、ブロック、シグマ、アルビナス。
   親衛騎団全員が今も、俺と共に戦ってくれている!)


チェスにおけるプロモーション(昇格)とは、本来ポーンがキング以外の駒に昇格できるルール

今のヒムには、親衛騎団の仲間達全員の力が息づいていた

ハドラーから受け継いだ闘気と魔力に加え、仲間達の技まで併せ持ったヒムにとってバラモスはもう敵では無かった
       / /   ∠==≡≡≡
    __/ /  .///-<
  //// /  ///     -==三
// //// /  / //   =≡三三三三
|.| /.|.|.| |  ./ / /≡≡三三三三三
.| .|川川|| /∥ /彡三三三三三三三
.; .|川川|| | || ./彡三三三三三三三三
',', ',ⅧⅧ .| ||./彡三三三三三三三三
..',', Ⅷ川 .| ||Ⅴ彡',   ≡/  \三

≡\\\\/   ',     |    ヽ三
三Ξ | ̄ ̄    .┴─.  |    ヽ三
三| | ',   _ -二O_ノ . |     .|三
三| | _-O┐ " ̄ ̄ ',  ∧    .|三

彡|. \─" |__    ',  .| ',   ./ミミ
=フ',   ', ',  三     ', .| 人_ノミミミ
/≡人 ', ', -===-   , |  八. ',ミミミ
   /\',.',   ̄ ̄   ', .', ./  ヽ ',ミミ
 //////\         /   ヽ ',ミミ
彡///////ハ       .∧    ヽミミ
//// / /..ハ     ./ .∧

彡// / ////|リ ̄ ̄ "\  .∧
/// / ////リ .|   |   |  └───
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   ./    ./_─ ̄_─ ̄
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

ヒム「ライトニングバスター!!」

バラモス「!?」

ヒムは砕かれた右腕をバラモスの顔に押し当て、体内に溜め込んだイオナズン級のエネルギーを放出する

シグマの切り札を先ほどのイオグランデのお返しとばかりに見舞ったのだ


バラモス「ぶ、じゅるる」

バラモスの頭が吹き飛び、地面に倒れる

頭を吹き飛ばされて生きていられる生物はいない


ヒム「へ、あっけない最後だぜ」

チウ「やったねヒムちゃん!」

ヒム「褒めてくれんなら遊撃隊の番号上げてくれてもいいんだぜ?」

チウ「駄目だよ、ヒムちゃんの12番は永久欠番なんだから」

ヒム「……そうかい」

クロコダイン「戦勝ムードに浸るのは早いぞ、まだバラモスの軍勢は残っている」

クロコダインはチウから貰った薬草で傷を癒しながら、バラモスの連れてきたモンスター達を睨み付ける

イオグランデの巻き添えや遊撃隊の活躍で数は減っていたが、それでもまだロモスにとっては脅威となるうる



???「ぐぶぐぶぐぶ、よもや我が魔力をもっても踏みにじれんものがあるとはな」


ヒム「!?」

チウ「この声、バラモス!?」


バラモスゾンビ「奥の手をこんな所で見せることになるとはな……だが、敗北よりはいい、
        偉大なる魔王の称号は守り通す事ができる」


倒れたバラモスに戦いで散ったモンスター達の死肉が集まっていく

それだけでない、まだ生きているバラモスの軍勢も丸い玉に包まれて絶命し、バラモスに取り込まれていく


クロコダイン「こ、これはまさか!?」

その現象をクロコダインはよく覚えていた

かつて大魔王バーンの配下であるザボエラが追い詰められた際にみせた最低の技術


バラモスゾンビ「ぐふふふ、知っておったか、そう……この姿は超魔ゾンビや超魔生物の技術を知ったワシなりの答えだ」

クロコダイン「やはりそうか……」

バラモスゾンビ「だが奴とワシは考え方がだいぶ違ったな、自分の手を汚さず相手をいたぶる事を考えるザボエラと、
        自分の手と力で相手を踏みにじる事を考えたワシではな」


自らもゾンビと化したバラモスの手には魔力が宿っている


バラモスゾンビ「完全な超魔生物になれば強大な力と魔力を得られるが、大きく寿命が縮んでしまう。
        だが超魔ゾンビと合わせれば肉を取り込んでいく事で肉体を維持できる」

チウ「お、お前……仲間の命を! 体を! 何だとおもってるんだ!!」

バラモスゾンビ「ぐふふふふ、何も取り込むのは配下の肉だけではない、貴様らも、地上の人間共も一切合財ハラワタをくらいつくし、
        体を取り込んでくれる!!」

今日から安価の進行や投下が基本夜に変更になります
安価進行は次回からになりますよろしくお願いします


ヒム「ゴチャゴチャと御託並べやがって、ようはもう一度ぶっ飛ばしてやりゃあいいんだよ!」

ヒムが闘気拳でバラモスゾンビに攻撃を仕掛ける

バラモスゾンビ「ぐふふ、きかんなあ、その程度では」

だが、死肉の凝縮された超魔ゾンビの肉体は衝撃をゴムのように吸収し、打撃を無効化する

ヒム「ならコイツはどうだ! サウザンドボール!!」

今度は手に魔力を集中し、ベギラゴンを収束させたアルビナスの技でバラモスゾンビに攻撃するヒム

バラモスゾンビ「ぐふふふふ、それも効かんな、取り込んだモンスターの耐性も加えてある
        極大呪文級にも耐えられる無敵の肉体だと証明されただけだの」

ヒム「ちいっ」

バラモスゾンビ「耐久テストは終わりだ、次はこの肉体を力をためさせてもらおうか……」

バラモスは飛び上がり、その巨体に似つかわしくないスピードでヒムに襲い掛かる

ヒム「ぐあっ!!」パキーン

チウ「ヒムちゃん!!」

ヒムのオリハルコンの体を砕く衝撃は、地面を伝わり大岩を浮き上がらせるほど


クロコダイン「獣王激烈掌!!」

クロコダインも左右逆回転の闘気流を放つ

だが、バラモスの腕をねじ折ったその技でも超魔ゾンビの怪力には軽い足止め程度の効果しかなかった


ヒム「ぐう、隊長さんにダンナ、あんたら一回あいつと同じのと戦ってんだよな? どうやったら倒せるんだ?」

チウ「ヒムちゃん……超魔ゾンビを倒したのはロンベルクで、僕達じゃ手も足もでなかったんだ」

クロコダイン「……圧倒的なパワーとスピードならば倒せるとのことだが」

ヒムの闘気拳や極大呪文でも傷をつけられなかった

ただ、可能性があるとすれば


ヒム「なんだ、もう答えは出てるじゃねえか」

チウ「待ってヒムちゃん!! その体でグランドクルスは無茶だ! 今度こそバラバラになっちゃう!」

万全の状態でも死の危険が伴う技、バラモスの攻撃で損耗している今のヒムではなお更その危険が高まる

薬草などの回復アイテムの効かないヒムは、回復呪文以外では復元もできない


ヒム「……やるしかねえならやるまでだ」

それでもヒムは片腕を構えて闘気を集中させようとした

クロコダイン「待てヒム」

ヒム「ダンナ?」

クロコダイン「その心意気だけで充分だ。ここは、オレに任せてくれ」

クロコダインはヒムの行為を静止して前に歩み出る



ヒム「ダンナ、いったいどうする気なんだ? あいつを倒せる方法が他にあるってのか?」

クロコダイン「ある……」

チウ「え? ま、まさかクロコダインさん」

クロコダインの表情から何かを読み取ったチウ


クロコダイン「この戦いが、このオレの最後の戦いになるかもしれん」

ヒム「ま、待てよダンナそれって……」

チウ「やめようヒムちゃん。クロコダインさんに任せるんだ」


チウは他の遊撃隊に退却の合図を送り、先代獣王の背に敬礼をする

チウ「クロコダインさん、貴方の戦い、この僕が見届けます」


クロコダインの手にはポップ達と共に手にした覇王の斧が強く握られる


クロコダイン(オリハルコンの武器、それに加え。俺の命をかければ)

超魔ゾンビとの戦いでノヴァはその生命力を武器に変えようとした

蒼天魔斬の習得で、武器に闘気を纏う事に慣れた今のクロコダインならば、ノヴァのように生命力を武器にする方法もイメージできる

全闘気、全生命力を使えば、超魔ゾンビにも対抗できると、クロコダインは賭けていた

クロコダイン(……だが、もしも通じなかった時には)

一抹の不安がよぎる

大魔王バーンとの戦いで何もできず無力さを実感せざるをえなかったクロコダイン

たとえ、命をかけたとしても、それが無駄に終わるのではないかと……

だがその時、頭上からクロコダインの元に降ってくるものがあった


チウ「あ! あれは……」

クロコダイン「グレイトアックス!!」

ロン・ベルクがクロコダインの為に作った大斧

一度は手を離れ、修復できない状態にあったその武器が、クロコダインを激励するように戦いの場に現れたのだ


クロコダイン(グレイトアックス……お前も、ともに命をかけてくれるというのか?)

応えるように完全に復元されたグレイトアックスは魔力が込められた宝玉をキラリと輝かせた

クロコダイン「ふ、我が心の迷いは晴れた!!」

グレイトアックスを右手に取り、左手の覇王の斧とあわせて両手に構え、クロコダインはバラモスゾンビに言い放つ


クロコダイン「バラモスよ、イオグランデでこい」

バラモスゾンビ「!?」


オリハルコンさえ砕いた超極大呪文を、あえて挑発するように指定するクロコダイン


バラモスゾンビ「何を考えている?」

クロコダイン「バランのギガブレイク、大魔王のカラミティウォール、そういった大技にもこの体は耐えてきた。
       そんな体になっても魔王の誇りが残っているのならば、最大最強の呪文でこの誇りに応えてみよ」

バラモスゾンビ「侮りおって……よかろう、ならば望みどおり、イオグランデで木っ端微塵になるがいい!!」


バラモスゾンビは両手に爆裂呪文の魔力を集めていく

対するクロコダインも覇王の斧とグレイトアックスに闘気と生命力を集め闘志を高める

クロコダイン(ポップよ、すこしでいいお前の勇気をオレに分けてくれ)


バラモスゾンビ「イオグランデ!!」

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クロコダイン「唸れ真空!!」

イオグランデの爆発に飲み込まれる間際、クロコダインはグレイトアックスのバギの力を発動させる

バラモスゾンビ「バカめが、そんなもので対抗できるものか!」

大爆発の中に消えていくクロコダインの姿


チウ「クロコダインさあああああん!!」

チウはヒムがフェンブレンの技で地面を掘って作った防波堤に身を隠しながらも、クロコダインの背から目を離さない

爆発の光と土煙で何も見えなくなっても、敵に向かうその姿の陰影をずっと追っていた


バラモスゾンビ「!?」

爆発が消え、硝煙がうねる

その中から飛び出してくるクロコダインの姿に、バラモスは戦慄する

皮が焦げ、肉が飛び、深くえぐれて骨が見えているところまである

普通なら生きてはいられない、立ってはいられるはずがない、そんな存在が向かってくるのだから


バラモスゾンビ「も、もういちど……」

迎え撃とうとするバラモスだったが、体が動かない

大技を使いすぎた反動、それは竜の騎士や大魔王バーンにさえ起こりうる事

バラモスゾンビ「これが狙いだったのか」

クロコダイン「……」

クロコダインは応えず、ただ構えた二本の斧を全精力をかけて振る

途絶えそうな意識を、鍛えぬいた肉体の力と精神力で凌駕する
            , =-‐ニニニミヽ、
          ,ィ´ィ,ィ'"´_=-‐-=、`ヾヽ

       .,r‐‐=///´r''´⌒、_∧_⌒,=、ヽヽ、____
ー<´ ̄~¨7  .///f´`,ィゝ‐''.〈ハ〉 ̄ゝ‐'、ヾヽ`ヽ\r‐-、
ヽ  ヽ _/ .///r‐f´     〈ハ〉    f`Y:l‐-、. }  l‐-、
 ゙v''"´  `ヽ{ i l`/'"//⌒ヽ. 〈_〉 ./⌒ヾ、 l l、  `ヽ ノ´`,、´ヾ
  }ゝ、 __, ィ'"l l: Y`i l l (⌒ヽヽ__/´,ィ'⌒) l l_l_l、ゝ ___)´` ⌒
  .l`ー---'''"l l:..l rf⌒ l`x、 ` v ´)ヽ,ィ' ff´ ハ `ー-‐'i ´` ,,、
  l       l l八ノl ヽri゙ゞニ゙、_|_,∠´、",r`Y ノ    l
  l    _ ヘ∨ゝ. /.f´l:.'´-三-`゙l`iヾ ハ'"     l
  .ハ,ィ'"´:::ヘ //ヽ,,`ゝ{ ,>=< }‐'"rヘ l.      l
 .ノ //////∧'"ヽ、゙ ゝ ハ'´ヾ  ,イハ ノ,ィヘl /⌒ヽ l

:./ l///////,`>-、 八_,,` ー‐‐'__ノ´ ,,ィ'"/////} l

/  ゝ///////////`ー=i `ー―'  ,ィ'´////////ノ l
   ` 、////////////l l7777l l´/////八 ̄   /
  _ =-‐'"///////>'"_ ヾ//ノ l////////`>. /


クロコダイン「獣王十字斬!!」


バラモスゾンビ「ギャアアアアアアアアアアアア!!」


覇王の斧とグレイトアックスで、蒼天魔斬を十字に繰り出す

その交差点の威力はアバンストラッシュクロスや星王十字剣の如く、通常の蒼天魔斬の数倍以上


その技で超魔ゾンビの肉体を完膚なきまでに破壊した




バラモス「馬鹿な……このワシが、魔王がこんなワニに……」

魔力の飛散したバラモスの体が超魔ゾンビを構成する力を失い、自らの体を超魔改造した者の末路として灰となっていく


クロコダイン「……男の価値というものは、魔王の称号や種族というもので決まるものではない」

バラモス「見誤ったか……クロコダイン、その名を冥土への土産としておこう……
      ヴェルザー様、あなたの糧となれぬ事をお許しください」

バラモスは完全に灰となって消え去った


ヒム「ダンナー!!」

チウ「クロコダインさーん!!」


バラモスの消滅を見届け、力尽きてその場に倒れたクロコダインにヒムとチウが駆け寄ってくる


ヒム「おい、ダンナ! 生きてっか!! 返事しろ!」

クロコダイン「……」

チウ「そんな……クロコダインさん……」

安らかな顔で目を閉じているクロコダインに、チウは涙しながら敬礼する


チウ「貴方の戦い、僕は決して忘れません。そして、いつか貴方を越えられるように強くなります。
   二代目獣王の名にかけて……」

クロコダイン「ふ……ならば、オレも安心して引退できるな」

チウ「!!」


ヒム「はは、生きてやがったか! あんたも大概しぶてえぜ。
   それにしてもオリハルコンすら砕く呪文の中に突っ込んでよく無事だったな」


クロコダイン「……いかに強大な魔力の持ち主とはいえ、大呪文や禁呪を連発すれば鈍っていくのは抗えん」

かの大魔王バーンでさえ、ダイと超魔ハドラーと連続で戦った時は魔力が尽きかけ追い詰められた

バラモスが超魔ゾンビで肉体が強化されても、ヒムとの戦いで減った魔力までは死肉からは得られないと考えてのことだった


ヒム「魔王としてのプライドが、結局はあいつの首をしめたってことか」

チウ「力に溺れ、執着した者の末路だね」

ヒム「力か……オレも一歩間違えたら、そんな風になっちまったかもな。力でねじ伏せる事しかできねえ悪いやつにさ」

クロコダイン「それは違うな、ヒム」

ヒム「え?」

クロコダイン「お前はたとえ敵のままであったとしても、己を高める事に命をかける尊敬すべき敵であったろうと、オレは思う」

ヒム「……なんだよ、ガラにもねえこと言いやがって、照れるじゃねえかよ」

クロコダイン「ガハハ、受け売りさ」


クロコダインが重傷を負いながらも、獣王遊撃隊は魔軍司令バラモスを撃退し、地上の脅威はひとまず去ったのだった

―― 魔界・バーンの宮殿 ――


アバン一行は魔族の村で得た情報を頼りに、バーンの宮殿へとやってきた


マァム「ここが、バーンの宮殿……」

ノヴァ「……圧倒されますね、ここまで大きく豪華な宮殿は地上には存在しません」


魔界の粋を結集したとみられる建築物は、アバン達の度肝を抜くほど洗練されていた


アバン「日の光がないのが惜しいですね、暗い魔界でなければ、この宮殿ももっと輝けたでしょうに……」

マァム「……バーンは地上を消して魔界に太陽の光を届けたいと言ってました。この宮殿は、バーンの夢の残照なのかもしれません」

アバン「……なるほど」


複雑な気持ちを抱きながらも、その宮殿に足を踏み入れようとするアバン達

バーンパレスと同じように固く閉ざされた正門を極大化したアバカムで開いた


アバン「さあ、ここから先は何が待っているかわかりません。注意を怠らないようにしてください」

マァム「わかりました」

ラーハルト「いかに煌びやかな作りでも、大魔王の宮殿には違いない、いったいどんな罠が仕掛けられているかわからん」

アバン「ふっふっふ、こういう時の為に、いいものを持ってきてありますよ」


アバンはそう言って、道具袋からあるアイテムを取り出す




                     ,,.ィ≦ ̄ ヘ、,イ,ィ‐-z、           {
                  ,イ    `   ,'      ヾx      .!.      で
               /, '       `/       `y    .〉      ゅ
                 !'/ // / ,ィ,ィ,イ-=Y=-x、 、、  、xil!   .Y      わ
               ! il!/ / イイイ:l! ̄`´ ̄i入小ヘ ; l l!   .{       っ
            lz、 !.i:i;!Y! |i|i|i! .l!,ィ   l、 !l:ヾ洲ヘ i ;! /| .、.     ///
            i-ハ_,!i;iノハ`X;i!N;/∧_ノ ヽレ!,.ィ'/入;iXヘ,'  ゝ、.  ・・・
            ヘ,イ><_〉_ノ,ィ=zx、{0} ,ィz=x、 〔¨;`く ヽ/ニニ入迅、
           ,ィ-=ィ>、/ /;,' { {@}}}ニ{{{@} } `X;;;;\!       `メ、___ノ
         ,ソ.:.:.:.人込>,ラァゝ二シメ ̄ヘゝニシ ,ォr‐ヾ_≠y-x.,__,,.x彳    .}
   _ ,.ィ='7´/.:.:.:.:.:.:.γ三ミ/,.ィ^.l/ヽ!´.-=- ^Y<¨>、! r';;;/;;;/;;ヽ       /、
  /.:.:.:.:.:.:.:.i:l:.:.:.:.:.:.:.:.{{{{{{}}}iliヘ '´ iニ ̄ ̄ニラ ヽ.;;;;ヾ!.:;i;;;,ィ:;;,>;;;i.     ,イヽヽ
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: : : メ、;;;;;;\ゝ_,!:.:.:.'.:.:.:.:.:.:.:.:.丶\:.:.:.:.>-≦ニ-':.:.:.:.:.ィ=;/ニヾ;;¨;;;;;;;;;;;;;;;;;;;{:「 ̄7  .Y

.:.:./;;、;>┐;;|/>===x,,._ _,,.___ヾ_v:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,イ.:_/r‐ォ-\;;;;;;;;;;;;;;;;;;∧∨/    .!
:.:.i;、_;≧!;;;!;;;;!,'     ソ='y'  ̄ ̄ヽ/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/_,.><_゚) l,ヲ|ヽ. .\;;;;;;;;;;;;;;;;;;〉イ     ,'
:/;!;;;;7;;;i;;ィ-ィi{、_ ,ノ'.:.:.i!     ,イ=‐--<´ ゝ┐   .レラ! ヽ.   ヾ.‐--<    ,イ
:.:.:!;;;;ーイ^;;;;;;;;ノ:,ィ=-= ̄^ ー‐イ_,ィ!⌒Y    ヽ┘i⌒l,/ ,| 、 ヽヽ  i 、 _    , <
:./、;;;;;;;;;ノ-‐<¨i v // _,,..ィ≦ ̄ .人__ノ     .>┘,  / ! ̄≧xz、 i     ̄ =- _,ィ



マァム「」

ノヴァ「」

ラーハルト「……なんだそれは?」

アバン「よくぞ聞いてくれました、これはミエールの眼鏡といってどんな罠でも見抜く力があります」

バーンパレスでも、アバンはそれを使ってキルバーンの仕掛けた罠の悉くを見破った実績がある

ラーハルト「そうか、じゃあさっさと先頭を歩け」

アバン「はい」

マァムとノヴァに絶句され、ラーハルトには素でギャグをスルーされたアバンは残念そうに先を行った


バーンの宮殿、一階で見つけたもの
安価↓

                                 ,.へ
  ___                             ム  i
 「 ヒ_i〉                            ゝ 〈
 ト ノ                           iニ(()

 i  {              ____           |  ヽ
 i  i           /__,  , ‐-\           i   }
 |   i         /(●)   ( ● )\       {、  λ
 ト-┤.      /    (__人__)    \    ,ノ  ̄ ,!
 i   ゝ、_     |     ´ ̄`       | ,. '´ハ   ,!
. ヽ、    `` 、,__\              /" \  ヽ/
   \ノ ノ   ハ ̄r/:::r―--―/::7   ノ    /
       ヽ.      ヽ::〈; . '::. :' |::/   /   ,. "
        `ー 、    \ヽ::. ;:::|/     r'"

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エスターク「zzz」


ノヴァ「!?」

アバン(巨大な魔物? だが、眠っているようだ……大きな力も感じる相手です、ここはやり過ごしましょう)

アバンは仲間達にアイコンタクトを送り、ゆっくりとその場を立ち去ろうとする


コンマ判定 眠っているエスタークをやり過ごせるかどうか
↓2までのコンマ合計が120以上で成功(ぞろ目は二倍、00は100)

アバン達は無事に眠っているエスタークの前を通り過ぎ、階段を見つけて二階に上がる


アバン「ふう、気をつけるべきは罠だけではないようですね、あのような魔物までいるとは……」

ノヴァ「大魔王の城なのですから、入る時点で充分な覚悟はしてあります」

アバン「おお、頼もしいですねノヴァくん。勇者はそうでなければいけません」

ノヴァ「……貴方にそう言われると、少し恥ずかしいです」

ラーハルト「いいからさっさと歩け半人前」

ノヴァ「貴方にそう言われると本当のことでも腹が立ちます!」

マァム(大変ねノヴァ……)

バーンの宮殿、二階で見つけたもの
安価↓

アバン達が宮殿の二階を調べて回っていると、偶然にもマァムが隠し部屋を発見する


ノヴァ「よくこんな場所を見つけましたね」

マァム「偶然よ、でもちょっとだけ昔を思い出しちゃった」

ノヴァ「?」

以前、敵だった頃のヒュンケルに捕まったマァムは偶然にも隠し部屋を発見した事があった

その時、ヒュンケルの育ての親バルドスが残した魂の貝殻を見つけた事がヒュンケルの改心するきっかけとなった


アバン「隠し部屋にあるのはこれだけのようですね」

アバンが手にしたのは一冊の日記帳

アバン「おそらく、バーンが書いたものと思われます」

ノヴァ「大魔王が日記をつけていたなんて……それだけでも驚きです」

マァム「中身は読んだのですか?」

アバン「ええ、バーンの事を知るのはここでは役に立つかもしれませんので、失礼を承知で読ませていただきました」

ラーハルト「何が書いてあった?」


大魔王バーンの日記に書かれていた事
安価↓と安価↓2

安価連取かどうか微妙なところですが気にしてる方はいないようなのでセーフにします
こういう場合もし直近に安価レスがあった場合は下ズレさせる事もあるので留意して下さい

アバンは日記をめくって他の者に見えるように広げる


アバン「比較的最近の事柄としてはここのページですね」


『ついに鬼岩城が完成した、余の鬼眼を開放した姿を想像して作った玩具だが、思った以上の出来であった。恐ろしさ、巨大さ、そのシルエットのバランスも素晴らしい。なにより……』


そこから数ページに渡って鬼岩城について書かれてあった

マァム「……鬼岩城をベタ褒めしてますね」

アバン「うすうす分かっていましたが、バーンにはかなりナルシストの気があるようですね」

ノヴァ「他には何か書いてありますか?」

アバン「特に気になったのは、最初の方に書かれてあるこの部分……」


『地上では太陽という輝きに満ちた球体が大地を照らしているらしい、神々が人間達に与えたものだ。いつかこの魔界の王となり、天界の神への謁見の機会があったならば、魔界にも太陽の光を届けていただけるように懇願してみよう。
 きっと聞き届けてくれるはずだ、神とは平等であるものだと聞く。太陽の光さえあれば、魔界にも大いなる実りがもたらされ、不毛な大地を奪い合う無駄な争いも起こらなくなるだろう。人間達への妬みや嫉みも消え、憎みあう事もきっとない。そして余は太陽王バーンなどと呼ばれるようになるかも知れぬな、
 ああ、その時が今から待ち遠しくて仕方がない……』


ノヴァ「……」

ラーハルト「……」

マァム「……」

アバン「……バーンにとって太陽は、夢と希望の象徴として計り知れないほど大きな存在だったのでしょう。故に、叶わなかった時の憎しみが彼をあそこまでの衝動に駆り立ててしまった」

バーンの太陽への想いをあらためて知ったアバン達、複雑な気持ちに苛まれながらその場を後にした


アバン「さあ、気を取り直していきましょう! おー!」

ノヴァ「……」

マァム「……」

ラーハルト「……」

アバン(うーん、ちょっと気分が暗いですね。戦いの士気にもかかわりますしどうにかして良いムードを作っていきたいところですが)


バーンの宮殿、三階で見つけたもの
安価↓


宮殿の三階へ上がってきたアバン達を待っていたのは、通路の真ん中にしもふり肉が置いてあるという異様な光景

誰が、何のために? そんな疑問を考えるのも馬鹿らしくなるくらい異様な光景だった


アバン「……ミエールの眼鏡で見る限り、罠はないようです」

ノヴァ「さすがにこんな光景に対処する覚悟はしていませんでした」

ラーハルト「……じゅるり」

マァム「え?」

ノヴァ「え?」

アバン「ラーハルトさん、食べたいんですか? キアリーで毒の心配はないとは思いますが……」

ラーハルト「そんなわけ、ないだろう」

アバン「ならいいですけど……ではこのしもふりにくはヒャドで凍らせて保存して持っておきましょう。何かの役に立つかもしれませんし」


アバンはしもふりにくを手に入れた!


アバン「もう少し付近を見て回りましょうか」 

バーンの宮殿、三階の奥で見つけたもの
安価↓

アバン達が宮殿の奥に進むと、そこには立派な台座に置かれた剣、鎧、盾、兜があった


アバン「ふーむ、台座には古代語で天空の勇者の武具と書かれていますね」

マァム「天空の勇者? 天界と何か関係あるんでしょうか?」

アバン「わかりませんねえ、私も初めて聞きます」

ノヴァ「でもすごい力を秘めていそうですよ、装備してみましょう」

マァム「うっ、すごく重いわよ。私には装備できそうもないわ」

ラーハルト「オレには鎧の魔槍があるから不要だ」

アバン「ではここは勇者の名にかけて、私かノヴァくんが試してみましょうか


天空装備一式を装備できた方(アバンかノヴァの二択)
安価↓


アバンは天空の剣、天空の鎧、天空の盾、天空の兜を装備した!


アバン「ほう、これは意外にも着心地はいいですねえ」

ノヴァ「……僕じゃ無理だったのに、あんなにあっさり」

マァム「不思議ですね、重くはないんですか?」

アバン「ええ、それほどには……ただ」

ノヴァ「ただ?」

アバン「髪型が乱れるのが難点ですね、これでも身だしなみには気を使ってますから」

マァム「はぁ」

ラーハルト「下らん事はいいから、進むぞ」

バーンの宮殿の四階に上がったアバン達


アバン「外から見たところでは、この上が最上階のはずです」

ノヴァ「本当にこの上に、大魔王バーンがいるんでしょうか?」

アバン「……どうでしょう、それらしい気配は感じませんが」

マァム「でも、この宮殿に入った瞬間から誰かの視線を感じる気がします」

ラーハルト「オレもだ……しかし、敵意や殺気は感じないな。ただ観察されているような、そんな感じだ」

アバン「やはり貴方達も気付いてましたか」

ノヴァ(どうしよう、僕だけ気付いてなかった……)

マァム「バーンがいたとして、もし本物だったらどうしますか?」

ラーハルト「……戦うしかないだろう、相手は大魔王だ、わずかな隙も見せられん」

アバン「相手が戦う意志を見せたなら、やむを得ないでしょうね」

マァム「そう……ですよね」

アバン「ですが、戦い以外で済むのならそれに越した事はありません。力こそが正義といったバーンを否定したのは私達なのですから、
    対話の可能性は捨てませんよ」

ラーハルト「……甘い事だ」

マァム「先生……甘いといわれても。私、ジタバタしてみます……もう一度だけ!」

アバン「ははは、ジタバタですか、フローラに聞いたんですね。そういうことなら私も覚悟を決めます。
    さあ、進みましょう!」


バーンの宮殿、四階でみつけたもの
安価↓

四階を探索していたアバン達は、ふと場違いな本棚が壁際にあるのを発見した


アバン「この城に書庫は無いようですが、なぜこんなところに本棚が?」

大賢者「むにゃむにゃ……なんだいキミたち、こんな所にぞろぞろと」

ノヴァ「!?」

マァム「本が喋ったわ!!」

大賢者「いろいろあって本に封じられちゃってね、これでも昔は大賢者なんて呼ばれてもてはやされたもんさ。
    まあ本の生活も慣れたら悪くないけどね」

ラーハルト「奇怪な……破り捨てるか?」

大賢者「ははは、それも面白いね。でも124ページは悟りを開くマニュアルになってるから賢者になりたいならとっといたらいいよ」

ノヴァ「……どうします、これ?」

アバン「えっと、あなたのことは、大賢者さんとお呼びすればいいんでしょうか?」

大賢者「大賢者でも本でも好きなように呼んでいいし、読んでもいいよ」

アバン「いろいろと聞いてみたいことがありますが、まずは……」


本棚に眠る大賢者に聞きたい事、頼みたい事
安価↓


アバン「この宮殿に出入りしているであろう誰かについて、何かご存知ありませんか?」

大賢者「むにゃむにゃ……えっと、バーンの事かな?」

アバン「……やはり、バーンなのですね」

大賢者「たまに話かけられたりするよ、昔は一緒に破壊神フォロボスを封印したりした友人だったからね」

アバン「フォロボスというのは?」

大賢者「え? 知らない? まあ、知らないなら気にしないでいいよきっとキミ達には関係ないことだから」

アバン「は、はあ」

大賢者「でもバーンの事なんて知ってどうするの?」

アバン「それは……>>270

最近バーンがここを出入りしてるときいて

アバン「最近バーンがここを出入りしてるときいて」

大賢者「……会話が成り立ってないなあ、眠くなってくるよ。結局何がしりたいんだい?
    具体的に言ってくれないなら寝るからね」


本棚に眠る大賢者に聞きたい事、頼みたい事
安価↓


ノヴァ「あの、バーンの弱点を教えてもらえませんか?」

大賢者「バーンの弱点? それは鬼眼だよ魔力の源たるそれを破壊すればバーンの強大な魔力も失せてしまう。
    それと、完全無敵に見える天地魔闘の構えだけど、三動作を行った後には硬直してしまうよ」

ラーハルト(もう知っているような役に立たん情報ばかりだな)

大賢者「でもそんな弱点を今のバーンは克服してるけどね」

マァム「!?」

大賢者「今のバーンには弱点と呼べるものは無い、それこそが弱点だから」

ラーハルト「何を言ってる? 言葉遊びか?」

大賢者「弱点とか考えるだけ無駄だよ、というより不思議に思わなかった? あの大魔王の宮殿に配下の者が誰もいない。
    ヴェルザーが地上の侵攻を開始してるのにバーンがこんな場所に引きこもってる事」

アバン「……」

大賢者「そっちのキミは仮説くらいは立ててたみたいだね。ならさっさとバーンに会いに行きなよ、
     こんな場所で油売ってる意味はそんなにない。今のバーンの事が知りたいなら今の彼にさっさと会うのが一番だ」

アバン「……そうですね、わかりました」

ノヴァ「え? いいんですか?」

アバン「これは、急ぐべき時かもしれません……走りましょう!」

マァム「あ、先生!!」


大賢者の言葉に思うところがあったのか、アバンは全力疾走で最上階を目指した

最上階に上り、黄金の腕輪でアバンが特殊な空間に入り込んだ先

そこには壇上の玉座に座し、頬杖をついてアバンを見下す魔族の子供の姿があった


アバン「……」

バーン「来たか、アバンよ」


その魔族の子供こそ、バーンの転生体


アバン「大魔王バーン、その姿は……」

バーン「アバンよ、今の余は大魔王と呼ばれる器にない。魔力の源たる鬼眼はダイに壊され、肉体もかつてのものとは比べ物にもならない脆弱なもの」


オリハルコンすら砕く強靭な肉体、魔界を統べる魔力

それらが抜け落ち、残った叡智だけがかろうじて大魔王の余韻を残している


バーン「以前に、ハドラーに余をくびり殺せるかどうか試してみるかと問うた事があったが……今はもう、洒落にもならぬな」

ノヴァ「これが、これが本当に大魔王バーン?」

バーン「ふっふっふ、落ちぶれたものよな、こんな小僧にまで侮られる……
     しかし、これが敗者となった余に相応しい謗りというものだ」

アバン「やはり……転生してもかつての力が戻るわけではない、という事だったんですね」

バーン「そういうことだ、そして大魔王バーンの名につられ、こんな所に来てしまったその意味、お前ほどの者ならば分かっていよう」

アバン「最初から……私達に無駄足を踏ませる為の、ヴェルザーの手の者の手引きだった」

マァム「!?」

バーン「ご名答」

アバン「……バーンが生きているという寝耳に水な情報、それにまつわる事象や、幻影から渡された黄金の腕輪、おかしいとは感じていた。
     だが、それでも無視はできなかった。それほどまでに私達の中で大魔王バーンの名は大きいものだったから」

バーン「余はお前達とヴェルザー、どちらに軍配が上がるのか、傍観者としてここでただそれを見ているだけのつもりであった。
    偉大なる大魔王の名をヴェルザーの策に利用されたというのは不本意極まる」

バーンは拗ねたような面持ちでそう言った


ノヴァ「でも、それならヴェルザーの狙いとは……」

アバン「おそらく、ポップの処刑に私達を関わらせたくなかったのでしょう。不安要素を排除し、
     ポップとそして可能ならばダイをもろとも罠にかけるために」

マァム「でも、ポップの処刑まで猶予があるって……あ!?」

アバン「ええ、それすらも嘘の情報だった可能性は高いです。少なくとも、ここからどうがんばっても間に合わないように計算されてるはず」

マァム「そんな……」

消沈するアバン達、だがそれをバーンは高らかに笑い飛ばした


バーン「フハハハハ、何を諦めている? 余との戦いではあれほどまでにしぶとく、ことごとく予想を覆した貴様らが」

アバン「バーン……」

バーン「このような者達に大魔王バーンの野望が阻まれたのだとヴェルザーに思われては、恥の上塗りに他ならぬ。
    それとも、ダイやポップがいないとはじめからこんなものであったのか?」

アバン「>>277

もちろん、策はあります。

アバン「もちろん、策はあります」

ノヴァ「え!?」

バーン「ほう、申してみよ」

アバン「とにかく急いでポップのもとに向かいます、最後まで諦めず、歩みをとめない。それが私の、今持ちうる最善の策です」

バーン「……フ、ハーッハハハ!! それを、そんなものを策と申すか」


一笑に付すバーン、だがマァムやノヴァ、そして言ったアバン自身の瞳に、光が灯ったのを見逃さなかった


バーン「今しがた、どう尽力してもポップの処刑に間に合わないと言ったのはアバン、貴様だ。
    それでもなお、諦めず向かうというのか?」

アバン「その可能性が高いといったのです。間に合う可能性を、私はまだ捨ててはいません」

マァム「そう……そうよ! 結果が見えてたってもがきぬいて、一生懸命生き抜くってポップは言ってた……
    それが私達人間の生き方だって、そう言ってた! 私達もこんなところで諦めるわけにはいかないわ!」

ラーハルト「ここに来たのも完全な無駄足というわけでもない、
      少なくともバーンの脅威が無いと分かったのならヴェルザー打倒に全力を尽くす事ができる」

ノヴァ「ダイならば絶対に諦めない。だから僕も、自分の勇者としての意志を信じて諦めたりなんかしない!」

バーン「……」


アバン「これで失礼しますバーン、成り行きとはいえあなたの住居を荒らしてしまった事は謝ります。
    貴方が傍観者を望むというなら、もう私達が関わり合うことはないでしょう」

バーン「……待て」


立ち去ろうとしたアバン達をバーンは呼び止める


バーン「このままヴェルザーの思い通りのままにしておくのもつまらぬ、興がそげる。
    ここまでたどり着いたお前達にも、少しばかり褒美を取らせねばな」

アバン「褒美?」

バーン「余がルーラでお前達を送ってやろう、ヴェルザーの居城まで」

ノヴァ「!?」

マァム「え、本当に!?」

ラーハルト「できるのか?」

バーン「余が魔界で知らぬ場所などない、鬼眼がなくともルーラ程度ならばこの体でも問題は無いのでな」

―― ヴェルザーの居城 ――


ガーゴイル「ヴェルザー様、大勇者アバンは思惑の通りバーンの宮殿へ向かったようです」

ヴェルザー「ククク、では捕らえた魔道士達の処刑の準備を急ぐとしよう……勇者ダイをおびき寄せ諸共抹殺すのだ」

ガーゴイル「ハッ、すでに魔界と地上の全土に処刑のお触れは出してあります」

ヴェルザー「ならばよし、すでに処刑場にもダイを殺すための罠を仕掛けてある、キルバーンの用いたものよりも更に強力で恐ろしいものをな」


ヴェルザーの仕掛けた罠とは?
安価↓


ガーゴイル「く、黒の核晶地雷原!? そ、そんなものを使えば、魔界全土が消し飛んでしまいます!!」

ヴァルザー「案ずるな、こちらに被害が出ぬようにトラップ始動と同時に処刑場ごと異空間に送る。ジャッジのようにな」

ガーゴイル「な、なるほど……」

ヴェルザー「処刑を見届けるのはイマジン、貴様に任せよう。肉体の存在しないお前ならば黒の核晶の影響も受けまい」

イマジン「……よかろう、復活の時まで待っているだけというのも退屈であったのでな」

肉体の無いイマジンの仮面はそう言って処刑場に向かった


ヴェルザー(イマジンめ偉そうに……だが、そんな態度でいられるのも今のうちだ)

ガーゴイル「ヴェルザー様!!」

ヴェルザー「なんだ騒々しい」

ガーゴイル「あ、アバンがこの城のすぐ近くに現れました!!」

ヴェルザー「何!?」

―― ヴェルザーの居城・城外 ――


アバン達はバーンのルーラによってヴェルザーの城のすぐそばまで飛んできた

景色は美しいバーンの宮殿とはうって変わり、巨竜の大口を模したと思われる正門から続く、広く大きな要塞城が恐怖を呼び起こさせるようにそびえていた



アバン「ここが、冥竜王ヴェルザーの城……なんと禍々しい」

ノヴァ「まさか、本当にあの大魔王のルーラで来る事になるなんて……」

バーン「余が手を貸すのはここまでだ、後は好きにするがいい」

アバン「バーン、ありがとうございました」

バーン「礼などよい、余の興味は地上の勇者達と現在の魔界の覇者、どちらにこそ軍配が上がるのかということだけ。
    せいぜいあがきぬいてみせいアバンよ」

アバン「もちろんです」

ラーハルト「意気込みはいいが、どうやら出迎えがきたようだぞ」

マァム「え……あれは! 竜の軍団!?」



ヴァルザーの城から飛び立ってきた竜達

その中心には、ポップ達を敗北させたグリーンドラゴンの姿がある


アバン「さすがに目の前に飛び降りたルーラの光を見逃してくれるほど甘くはありませんでしたか……」

マァム「悠長な事を言ってる場合ではありませんよ先生!」

ノヴァ「アバン様、戦闘の御指示を!」

ラーハルト「その必要はない」


魔界の超竜軍団を前に、戦う姿勢をみせたアバン達に見せ付けるように、ラーハルトは槍をヴェルザーの城へ向けた



ラーハルト「お前達がここで一刻もはやく成すべき事は、あの魔道士の救出だ。こんなところでモタモタしているな」

ノヴァ「でも、あの竜達がただで通してくれるとは……」

ラーハルト「道ならば俺が作ろう」

マァム「ラーハルト!?」

ラーハルト「バラン様の、そしてダイ様の超竜軍団が陸戦騎は、たとえ相手が魔界の竜といえど遅れをとらない事を証明してみせよう」


鎧の魔槍をアムドして、ラーハルトはアバン達に先を急がせる


ラーハルト「ここにいる竜は全てこの俺が引き受けた! 後ろは気にせず駆けろ!」

アバン「!!」


ラーハルトの姿に、愛弟子ヒュンケルの姿を重ねるアバン


アバン「……任せましたラーハルト、行きましょうマァム、ノヴァくん!」

ノヴァ「し、しかし……」

マァム「分かりました……すべての戦いを勇者のためにせよ、ですね先生」

アバン「はい、今回はポップのために、ですが」

ラーハルト「ふっ……」


ラーハルトの志をアバン達が汲んだ事を確認したのち、一陣の旋風が竜の軍団の中心に裂け目を作る

目にも留まらぬ速さの槍が、バトルレックスやアックスドラゴンなどを一瞬にしてバラバラにしていく


アバン「今です! ルーラ!!」

ラーハルトが作った道をアバンがマァムとノヴァを連れて短距離のルーラで跳躍する

ルーラ以上のスピードで戦闘するラーハルトと一瞬の交差をして武運を祈りながら、アバンはポップを救出するためヴェルザーの城の正門をアバカムで開いた


アバン達がヴェルザーの城を入っていくのを見届けたラーハルト

更に牽制するように構えた槍の先には、一層大きな竜がその強靭な巨体を構えて見下ろしていた


グリーンドラゴン「ふん、ヴェルザーに門番を任された時には馬鹿にされたものよと思ったが、本気でかからねばならぬ相手がいるようだな」

ラーハルト「……お前が雷竜ボリクスの子か」

グリーンドラゴン「その呼ばれ方は好かんな、ボリクスもヴェルザーも竜の中では過去となった敗者だ。
         このグリーンドラゴンこそ、新しい時代の覇者となる竜ぞ!」

ラーハルト「ふっ、笑わせる。言葉の中でしか父や将を越えられん不忠者が」

グリーンドラゴン「なにィ!!」


ラーハルトの心にはいつも、偉大な父であり、そして偉大な将でもあるバランの姿がある

いつか竜騎将バランのもう一人の息子であると、自ら誇れるようになる事こそが、ラーハルトにとっての大きな目標なのだ


ラーハルト「俺の求める強さの証明に、お前達全員の首だけではまだ軽い……さっさと済ませてヴェルザーを倒しに行かせて貰うぞ」

グリーンドラゴン「おのれええええええ!!」


ラーハルトとグリーンドラゴン、共に魔界に名を残す偉大な父を持つ二者の激突が、城外において始まった

―― ヴェルザーの城・城内 ――


アバン「……ふう、皆無事ですか?」

マァム「ええ、ラーハルトのおかげですね」

ノヴァ「これがヴェルザーの城の内部……なんだか気味の悪いところですね」

アバン「ええ、なんだかバーンパレスの内部を思い出します……そういえばバーンはどうしました?」

ノヴァ「>>300

それが……なんかこっそりついてきています

ノヴァ「それが……なんかこっそりついてきています」

アバン「え!?」

バーン「……」

アバン(少し隠れてますが堂々たる佇まいでこっち見てますね、声をかけた方がいいんでしょうか?)

アバン「……>>305

微笑ましいので気づかないフリしましょう


アバン(……微笑ましいので気づかないフリしましょう)

アバン「ここは急ぎましょうマァム、ノヴァくん」

ノヴァ「え? でも、いいんですか?」

アバン「彼には彼の理由があってついて来るのでしょう、野暮な事はいいこなしです。
    それよりも今はポップの救出に全力を注ぎましょう、ラーハルトのがんばりに報いるためにも」

マァム「わかりました」

バーン「……」


バーンの視線を背後から感じながらも、アバン達はヴェルザーの城を進んでいく


アバン「……さすが冥竜王の城、レミラーマの効果がとても狭い範囲でしか感じられません。
     リレミトも打ち消されそうです、注意して進みましょう」

ノヴァ「でも……敵の姿も見えませんね」


城外の歓迎とは打って変わって場内は不自然なほど静まりかえっている

不気味さを感じながらも進んでいくアバン達は大広間と思われる場所に入り込んだ


アバン「……!?」

一歩踏み込んだ瞬間、そこが危険な場所だと直感でアバンは悟る

同時に、入ってきた通路は閉ざされ、アークデーモンなどの悪魔族の魔物が姿を現す


アークデーモン「イオナズン!!」

ノヴァ「!?」


先制のイオナズンに対してのアバンの行動
安価↓

アバン「天空の盾よ!」

危険を察知していたアバンは天空の盾を掲げる

するとマホカンタが発動してアークデーモンの放ったイオナズンを跳ね返した!

アークデーモン「」

イオナズンは魔物の群れの一角を吹き飛ばし大きな被害を与える


ノヴァ「さすが魔界……極大呪文を使う魔物まで出るなんて……」

マァム「怯んでる暇は無いわよノヴァ!」


マァムは魔甲拳をアムドし、近接戦を仕掛けてきたレッサーデーモンに反撃の拳で応じる

閃華裂光拳は使っていないが、的確にメタルフィストの一撃で気絶させていく


アバン(マホカンタのおかげで敵は呪文を使えない結果、乱戦になってしまいましたが、それならばこれで!)

アバンは広範囲に攻撃できるグリンガムの鞭を持ち、熟練された手つきでしならせる


アバン「アバン流鞭殺法・海方打!」

鞭によるアバン流最速の海の技は、全方位の敵に衝撃波を伴う鞭打を浴びせていく

超スピードでただ振り回しているだけに見えて、鞭自身が意志を持つようにマァムやノヴァとついでにバーンをよけているのは、ひとえにアバンの達人級の腕前の賜物であろう


モンスターハウスと化していた大広間をアバン達はあっさりと突破して見せた


デュラン「……我が配下の悪魔軍団をこうもあっさり退けるとはな」

ノヴァ「!?」

デュラン「だが久しぶりの血湧き肉踊る相手! 楽しませてもらおうか」

部下を倒されて現れたのはヴェルザーの軍団長、デュラン

魔界の魔王の一人に数えられる最強の魔人


アバン「大物の登場ですね、どうにか通してもらいたいものですが……」

マァム「……先生、ここは私が一人で残ります。先生はポップの所に早く行って上げて」

アバン「!?」

ノヴァ「いえ、ここは僕が残ります。ここまであんまり役に立ってませんが時間稼ぎくらいなら……」


デュランの力がどれほどのものか悟ったか、マァムとノヴァはアバンを先に行くように促した


マァム「ポップを救うにはきっと先生の機転と力が必要だと思う、キルバーンの罠には私達じゃ手も足も出なかったもの」

ノヴァ「ラーハルトもきっと同じ気持ちだったんでしょう、貴方は万全の状態で備えるべきだと」

アバン「……」


選択 デュランの相手をマァムかノヴァどちらに任せるか
安価↓

やれます
近日中に投下しまっす

ノヴァ「僕が相手だ魔王!」

アバン「ノヴァくん!?」


アバンの返答を待たず、オーラブレードを手にデュランに突撃するノヴァ


デュラン「ほう、このデュランに一騎打ちを申し込むか小僧」

ノヴァ「小僧じゃない、僕は……勇者だ!!」


ノヴァが繰り出したオリハルコンにも傷をつけることができるオーラブレードの一撃

それをデュランは悠々と受け流し、ノヴァを値踏みするように見つめる


デュラン「勇者か、魔王を前にその肩書きを名乗る意味……わかっているか?」

ノヴァ「誰が相手だろうと僕は胸を張って勇者を名乗る、そして誰が相手だろうと僕は逃げない……最後まで自分の役目を果たしてみせる!」


ノヴァの気迫のこもった言葉は、デュランに言ったというよりも、アバンに向けてのものだった

勇者として、僕は自分のすべき事をやる

だから貴方も、自分のすべき事をやれと、そういわんばかりに


アバン(ノヴァくん……キミの気持ち、しかと見届けました)

アバン「行きましょうマァム」

マァム「……でも」

アバン「私はノヴァくんを信じます」


そう言ってアバンはデュランの脇を抜けて走り去る

マァムはノヴァを心配そうに見ていたが、やがて心を決めたかアバンに続くように走っていった


デュランは走り去るアバン達を一瞥したあと、視線をノヴァに戻した


デュラン「ふむ、天空の武具を持つものと戦いたかったが……剣を向ける相手に背を向けてまで追いかけるのは名折れとなるか。仕方あるまい、小僧の相手で我慢するとしようか」

ノヴァ「はあああああ!!」


明らかに自分を舐めているようなデュランの発言を受けても、ノヴァは戦いの意志を乱さず闘気と闘志のこもった攻撃を繰り出す


デュラン「その意気やよし! だが、軽いぞ小僧!!」

ノヴァ「ぐう!?」


デュランの放ったかまいたちがノヴァを吹き飛ばし、鎧に大きな裂け目をつくる

更に……

デュラン「いてつくはどう」

ノヴァ「!?」


デュランから底冷えのする波動が放たれる

ダメージは無いが、その波動を受けてノヴァのオーラブレードが消えてしまった

デュラン「闘気の剣のような繊細な闘気のコントロールが必要な技は、このように大きな闘気の波動で波長を乱せば使えなくなる。どうだ小僧、力の差が分かったか?」

ノヴァ「ま、まだだ!!」

剣が通用しなくとも呪文がある

ノヴァはデュランに向かってマヒャドを放つ

デュラン「マホターン!」

しかし無常、マヒャドはデュランのマホターンの呪文で跳ね返されてノヴァの体の自由を奪う


ノヴァ「ぐ、うう」

いつぞやのハドラー親衛騎団との戦いを思い出すかのような展開

だが、ノヴァの目にはいまだ闘志が宿っている


元来持ち合わせていた諦めの悪さ、プライドや勇者としての矜持といった彼を突き動かしてきたもの、それが残っている内は負けていない

ノヴァ(……敗北とは傷つき倒れる事ではない、そうした時に自分を見失った時の事をいう)

かつて字の読めないダイの代わりにノヴァは何度かアバンの書を読む機会があった

その中でノヴァは、自分もアバンという師に巡り会えていれば、ダイのように大成できていたかもしれないと思った事もあったが

ノヴァ(僕はダイじゃない……たとえ、力及ばず倒れる事になっても、僕は自分を見失わず……勇者ノヴァとして誇りを信じて戦い抜く!)
 



ノヴァ「……!?」ピカー

デュラン「!?」


ノヴァの体が発光する、そして同時に跳ね返されたマヒャドによる凍結から体が癒えていく

デュラン「小僧、何なのだその光は」

ノヴァ「これは……」

発光していたのはアバンから持たされていたアバンのしるしであった

アバンのしるしにつかわれる輝聖石が邪悪に打ち勝たんとするノヴァの心に反応し、力を貸したのだ


ノヴァ(……僕にも、あのアバンの使徒達と同じくらいの心の強さがある。そう思っていいんですね?)


ノヴァがそう心の中で尋ねた相手はロン・ベルク

鍛冶の師として、そして心の師として最も尊敬する人物

想像の中での彼は、やれやれといった素振りを見せながらも、強く頷いた

ノヴァ(ベルク先生……僕は勝ちます! 貴方の作ったこの武器で!)

ノヴァは剣を納め、懐からもう一つの武器を取り出した

禍々しいデザインの短剣……それは旅立ちの際にロン・ベルクがノヴァに授けた物だった


ノヴァ(『武器の声を聞け』……ベルク先生が僕に教えてくれた鍛冶師の心。今、それがようやく分かった気がします)

短剣はノヴァに語りかけるように怪しく輝き、作り手の心が伝わってくるように、その特性をノヴァは理解した


デュラン「その武器……まさか、魔界の名工の!?」

ノヴァ「ロン・ベルク作……その名も『獣魔の短剣』」


ノヴァが獣魔の短剣の名をつぶやいた時、短剣の柄は獣の口のように開きノヴァの腕に噛み付いた!


ノヴァ「ぐう……」

ノヴァに噛み付いた獣魔の短剣はノヴァからあるものを吸い取ってオーラ状の刀身を形づくっていく

それは大魔王バーンの光魔の杖が所持者の魔力を吸い取って刃を形成するのに酷似していた


ノヴァ「……獣魔の短剣が所持者から吸い取るのは、魔法力と……闘気!」

デュラン「!?」

魔法力と闘気、それらを吸い取って形成される獣魔の短剣の刃は、擬似的な魔法剣

竜の騎士などの限られた種族しかつかえないはずの、呪文と闘気をあわせた技が、獣魔の短剣ならば使えるようになるのだ


ノヴァ「マヒャドブレード!」

デュラン「ぐお!?」


デュランが身じろぐ

ヒャドに耐性があるのかマヒャドぎりのダメージは薄いが、獣魔の短剣の特性に驚きをみせる

だが、戦いに喜びを見出す魔人はいつまでも驚いているばかりではなかった


デュラン「……ただの場違いな小僧と思っていたが、魔界の名工の得物をもっていたか。面白い! ならばこちらも本気を見せようか!」

地揺れを引き起こすほどのあふれんばかりの闘気を高めていくデュラン


ノヴァ(……なんて闘気だ、飲まれればきっと塵も残らない)

闘気の扱いには定評のあるノヴァだからこそ、デュランの闘気がいかほどのものか酷なほどに解る

だが、力の差の前に恐怖し、諦める事よりも、死線に踏み込む選択を選ぶ

ノヴァはそういう勇者だった


ノヴァ(ベルク先生……そして、ダイ! 今だけでいい! 僕にキミの勇気と力を貸してくれ!)

ノヴァは獣魔の短剣を天に掲げる


ノヴァ「ギガデイン!!」

広間の天井を突き破り、ノヴァが唱えた勇者にのみ力を貸す雷が獣魔の短剣に降り落ちる

獣の口はその雷を飲み込んで、刀身に纏わせた


デュラン「若き勇者よ、消し飛べ!」


デュランは最大まで高まった闘気を武器に纏わせ、十字に切り払った!


デュラン「グランドクロス!!」


ノヴァはギガデインと闘気を食い取った獣魔の短剣を大上段から振り下ろす!


ノヴァ「ギガスラッシュ!!」


魔王と勇者の力がぶつかり合った結果は……

コンマ判定
↓2までのコンマ合計が120以上でノヴァの勝利(ぞろ目は二倍 00は100)


ノヴァのギガスラッシュはグランドクロスを切り裂き、デュランの体を深く切り伏せた


デュラン「み……みごとだ……」

ノヴァ「……」

すがすがしい顔で倒れたデュラン

最後まで武人としてそこにいたデュランに、ノヴァはあえて追撃するような事はせず、致命傷を負ったデュランの今わの際の言葉に耳を傾ける


デュラン「完全に私の負けだ……だが まだ終わりではない。私は 強い者が 好きだ。だから若き勇者よ…… お前に教えよう」

ノヴァ「え……?」

デュラン「わが主の名は 異魔神さま。さまざまな術をつかい この魔人王デュランをしてまともに戦う事すら できぬ……」

ノヴァ「イマジン? ヴェルザーじゃなく、イマジンといったのか!?」

デュラン「もっと 強くなるのだ。それらの術をはねかえすほどに……」


力尽きる間際のデュランに、ノヴァの言葉は聞こえていない様子でうわごとの様に呟いた


デュラン「勇者ノヴァよ……こんど私が 生まれかわった時も おぬしと 戦いたいものだな……ぐふっ!」


デュランはそう言い残し、事切れたのだった……


一方、アバンはマァムと共にヴェルザーの居城を進んでいく


マァム「……」

アバン「ノヴァくんが心配ですか?」

マァム「はい……」

アバン「大丈夫、彼ならば心配いりません。きっと勝利してくれます」

マァム「……何を根拠にそう思うんですか?」

アバン「そうですねえ……>>339


アバン「負けず嫌いで身も軽いです」

マァム「……え?」

アバン「まあつまり、彼のようなタイプは逆境でこそ真価を発揮したり大きく成長するものなんですよ。心あたりはありませんか?」

マァム「うーん……言われて見れば、あるかも」

アバン「そうでしょう、これでも人を見る目は養ってきたつもりですから。
    それに本当に身の心配をしなければならないのは、私達のほうかもしれませんよ」

マァム「……え?」

アバン「何か、妙な気配です。注意して下さいマァム」

マァム「……はい」


アバンがヴェルザーの居城を進む中で見つけたもの、あるいは起こった事
安価↓


マァム「先生! こんなところに隠し部屋が!」

アバン「……またですか」

ヒュンケル、バーンに続き、ヴェルザーの城においても、なぜか隠し部屋に行き着くマァムの隠れた才能

通路脇に隠されていた部屋にアバンは入っていく


隠し部屋で見つけたもの、あるいは人物
安価↓


ヒム「……」

マァム「ヒム!? どうしてここに!?」

アバン「どうやら封印されているようですね、意識もないようです」

マァム「解けませんか先生?」

アバン「極大化したシャナクならば解けると思いますが……ただ、このヒムさんが私達の知っている方とは限りませんよ?」

マァム「え?」

アバン「バーンの配下のマキシマム達のように、禁呪で生み出された別の存在の可能性もあります。
    髪で見分けられればよかったのですが……」

目の前のヒムにはメットのようなものが被せてあった

アバン「地上にいるはずの彼が、私達よりも先にヴェルザーの居城にいたというのも気にかかります」

マァム「>>349

よくみたら、爪を出すような穴が手に…!
これはひょっとしたら…


マァム「よくみたら、爪を出すような穴が手に…! これはひょっとしたら…」

アバン「ハドラーの、ヘルズクロー!?」

マァム「ヒムのプロモーションには謎が多いから、なんともいえませんが……ここにいるのは私達の知ってるヒムなのかもしれません」

アバン「ふむ……」

アバンは熟考の後、ゴールドフェザーを取り出した


マァム「先生?」

アバン「仲間が封印されている可能性がある以上、なにもしないわけにはいけません。
     マァムはもしもの時の為に戦闘態勢でいて下さい」

マァム「……分かりました」

アバン「では、いきます。シャナク!!」


封印されていたヒムにアバンが極大化したシャナクを唱えた結果
安価↓


ヒム「ふう、効いたぜ」

マァム「ヒム!? あなた、ヒムなの!?」

ヒム「あん? なに言ってんだ、俺は俺だぜ?」

アバン「どうやら私達の知るヒムさんだったようですね……でもどうやってここに?」

ヒム「ああ、バラモスとの戦いで色んな能力に目覚めちまってな。フェンブレンのツインソードピニングで地面掘ってたら魔界に出ちまったんだよ」

マァム「はあ!?」

アバン「地上が魔界の上にあるというのはバーンの話から想定していましたが、そんな方法で来る事ができたんですね……」

ヒム「だが、魔界に出た後、ヴェルザーの配下につかまっちまったがな」

アバン「なんにしても無事に会えたのは良かったです。これから貴方はどうしますか?」

ヒム「そうだな……>>354

ポップたちをたすけヴェルザーのやろうをぶん殴る


ヒム「ポップたちをたすけヴェルザーのやろうをぶん殴る」

アバン「目的は同じですね、では共に行きましょう!」


パーティにヒムが加わった!


アバン「しかし、ヒムさんほどの方を捕らえたヴェルザーの配下とはいったい……気になりますね」

マァム「どんな相手だったの?」

ヒム「>>356

顔と手が別々な……デスタムーアって言ったか

ヒム「顔と手が別々な……デスタムーアって言ったか」

アバン「……聞いたことありませんね。もう少し魔界の軍勢について調べる時間があればよかったんですが」

マァム「あ、それなら魔界に詳しい人がいますよ先生」

アバン「え?」

マァムの指差す方をアバンが見ると、こっそりついて来ていたバーンの姿があった


バーン「……」

アバン「あ……」

ヒム「誰なんだそのちっこいガキは?」

マァム「しっ、黙っててヒム」

アバン「あの、バーン。デスタムーアについて教えてもらえませんか?」

バーン「……>>362

先に地上をせめたいと余に挑んだ愚かな若造だ

マダンテ

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