アーバンレジェンド参 (123)






アーバンレジェンド
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アーバンレジェンド弐
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ーーーここはどこだろうーーー














.......ケテ..........



















ーーー誰かの声が聞こえるーーー










ーーー誰だろうーーー



















.......テ........










........ケテ........










. . . . . ス ケ テ . . . . .



















ー ー ー 助 け て ー ー ー














http://livedoor.blogimg.jp/sk910312/imgs/3/c/3ccbfd2c.jpg















少年「 ! ! ! ! 」ガバッ!!














少年「..............」





少年「........やっぱり夢か...........」ハァ........









少年「おはよー..........」トン トン トン

父「おはよう」

母「おはようキオリ、ヨーグルトあるわよ」

少年「うん」









少年「...............」パクパクモグモグ.........





少年「...............」ゴシゴシ

少年「...............」ガラガラ-ペッ

少年「...............」ハァ-........









少年「行ってきまーす........」ガチャン.....

母「いってらっしゃーい」





バタン.......










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僕の名前は五味沢 希織

中学三年生で今年受験を控えている

だけど、僕にとって受験なんてどうでもいいものだし、どこの高校に行くのかなんて尚更どうでもいい





僕は学校が大嫌いだ





何故なら..........









学校にて........





教師「はいじゃあ次 五味沢、この英語を訳してみろ」

キオリ「は、はい!え.......えと...........そ.......その.........えぇと.........」オタオタ.....


生徒たち「プクク.......キョドってるキョドってるwww」「マジでおもしれーわアイツwww」


キオリ「え.....えと........ディスイズ.......」オタオタ......

教師「俺は和訳しろと言ったはずだ、日本語もわからないのか?」

キオリ「すすす.....すみません!........えっと......えぇと.......!」アタフタ!


教師「もういい、やる気がないんなら教室から出て行け」


キオリ「えっ.........!」ビクッ......





教師「教室から出て行けと言ったんだ!!!!とっとと俺の前から消え失せろ!!!!授業の邪魔なんだよお前はァッッッッ!!!!」バンッッッッ!!!!





キオリ「はぃぃ!!すすす.....すみません!!すみません!!」ビクッ!!




体育の授業にて.........





男子生徒「あぁーーー!!おいゴミ!!!!お前何回相手チームにパスすりゃ気がすむんだよ!!!!」

キオリ「ご、ごめんよ!ごめんよ!」オロオロ....


男子生徒たち「あーあ、ゴミが入ったチームは毎回負けるよなぁ」「マジであいついらね」


キオリ「...............」シュン......




放課後........





男子生徒「おいゴミ、今日も俺らお前のせいでサッカー負けたよな?」

キオリ「は......はい.......」ビクビク.......

男子生徒「今日の迷惑料2000円、とっとと払えよ」

キオリ「ご......ごめんなさい......今月のお小遣い.....
ま、まだ貰ってなくて.......その.........お金がなくて..........」





ドガッッッッ!!!!





キオリ「ギャッ!!」ドサァ!!





男子生徒たち「お前マジで調子に乗んなよオイ!!!!」「今金がねーんなら親の財布から盗むなりなんなりすりゃあいいだけだろーが!!!!」「ホントこいつ頭わりーわ!!!!」「あぁぁぁぁぁ!!!!イライラする!!!!」ドガッ!!バギッ!!ドゴッ!!ボコッ!!





キオリ「ごめんよ!!ごめんよぉ!!お願いだからもうやめてぇ!!」









キオリ「う.........うぅ..........」ボロボロ......





男子生徒たち「ありゃりゃ、まぁたメガネ壊しちまったぁ」「いいか?絶対にこの事センコーにチクんじゃねーぞ?」

キオリ「はぃ........」ボロボロ.......

男子生徒たち「ま、成績ドベ、運動神経皆無でセンコーからの信用ゼロのお前が何言った所で誰も聞きゃしないだろーけどよwww」「それじゃあばよ!欠陥品のゴミ君www」ゾロゾロ........





キオリ「.......う.......ヒグッ........」グズッ........















僕が生まれる価値のないゴミだから














苗字の「五味沢」の頭から「沢」をのけて皆からのあだ名は「ゴミ」

テストの成績は毎回ドベ、運動神経はゼロ、何をやっても上手くいかない、満足にこなせない
普通の人が1回やればできる事を僕は20回30回やってようやくできるかできないかというレベル

そう、僕はそのあだ名の通り 生まれる価値なんてない「ゴミ」だ





五味沢家.........





キオリ「ただいまー.........」ガチャ.....

母「おかえり」

キオリ「母さん、なんか具合が悪いから今日はご飯いらない、ちょっと部屋で横になってくるよ」トン トン トン

母「あら、大丈夫なの?」

キオリ「うん、大丈夫だよ、少し寝れば治ると思うから」トン トン トン

母「わかったわ、おやすみなさい」

キオリ「おやすみー」トン トン トン









でも、そんな僕でも 1日の中で一番の楽しみがある





それは、眠りについて夢を見る事





僕は小さい頃から夢を夢だと自覚する事ができるという なんの自慢にもならなければ履歴書にも書けない特技がある





僕は夢を見る事が何よりも大好きだ





夢の世界は現実の世界よりも居心地がいいし、夢を見ている時だけは現実であった嫌な事も忘れられる

それに、夢の中なら 憧れのヒーローにも強い勇者にも 何にだってなれるしなんでもできる

だから僕は夢を見る事が大好きだ














そして、今日も僕は夢の中へ逃げ込む









ー ー ー ー

ー ー ー

ー ー
















ガタンゴトン ガタンゴトン





キオリ「..............!」





.........ここは.........電車の中..........?





乗客たち「..............」





..........誰も一言も喋らない..........この電車の中にいる人たちはみんな他人同士だから...........?

...........嫌に静かでなんの面白味もない夢だな...........早く夢から覚めてもっと楽しい夢を見よう........





そう思った時、車内にアナウンスが響き渡った














『次は活け造り~、活け造りです』














キオリ「..............!!」





活け造り............!?魚の............?一体どういう事なんだ..............





「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッッ!!!!」





キオリ「 ! ! ! ! 」









突然 後ろの席の方からけたましい悲鳴が聞こえてきたので振り返って見るとそこにあったのは










小さな小人達が乗客の男に群がり、刃物で腹を切り裂いて次々に内臓を取り出している悍ましい光景だった









キオリ「ひ.........ひぇッッ!!!!」





男「ぎゃ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"!!!!あ"ぁ"ぁ"ぁ"!!!!ぐがあ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ッッッッ!!!!」ビチャビチャビチャ!!!!

内臓「」ボトボトビチャ





乗客たち「................」




キオリ「................!!」ハァ.....ハァ.....!!





どうして..........なんで誰も明らかに異常なこの状況を気にも留めないんだ...........!?





やばい..........この夢は完全にやばい.........早く覚めないと..........!!














『次はえぐり出し~、えぐり出しです』














小人達「キー!キー!」チョコチョコチョコ





キオリ「.................!!」





あれは.........スプーン.........?





小人達「キーキー!」ピタッ!

女「...............」





女の人の前に止まった.............スプーン..........えぐり出し.............まさか.............!!





小人達「キーキー!!」グリグリグリ!!!!

女「ぎゃ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ッッッッ!!!!」ポタ ポタ ポタ





鼓膜が破れる程の悲鳴..........床に落ちた内臓と血の臭いが鼻につく.........





眼球「」ボト





もう嫌だ!!もう付き合いきれない!!早くこの夢から覚めないと!!





覚めろ........覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ
お願いだから早く覚めて!!!!














『次は挽き肉~、挽き肉です』














キオリ「................!!!!」





挽き肉..........この言葉だけで、次はどんな事が起こるのかが容易に想像ができた










そして、順番的に次は自分の番だと言う事に気付いた









キオリ「ハァ.......ハァ.......!!」ガクガク.......





ウィィィィィィィィン........





この音.........間違いなく僕をミンチにするための機械の音だ............!!早く.........早く覚めて...........!!





ウィィィィィン





覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ





ウ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ン ! ! ! !





覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ




ウ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ン ッ ッ ッ ッ ! ! ! !














キオリ「 ハ ッ ! ! 」ガ バ ッ ッ ッ ッ ! ! ! !














キオリ「ハァ.....!!ハァ......!!」ゼェ....ゼェ.....!!





僕はなんとか悪夢から抜け出す事ができた

今まで見た事ないような恐ろしい夢だった........

全身が汗でびしょびしょになっていて、目からは涙がボロボロ溢れていた

目を覚ましたのはまだ深夜2時だったけど、再び夢を見る事が怖くなってしまった僕は その日は眠りにつくことができず、布団にくるまり 怯えながら朝が来るのを待った




そして翌朝........





キオリ「おはよう...........」

母「おはよう、あら キオリ 顔色が悪いわよ?まだ気分が悪いのかしら」

父「やっぱり今日は学校休んだ方がいいんじゃないのか?」

キオリ「大丈夫だよ、ちょっと寝不足なだけ、どうって事ないよ」





.........考えてみれば、いくら恐ろしかったとはいえ、あれは所詮夢なんだ、夢にうなされたぐらいで父さんと母さんに心配かけたくないし..........とにかくあの夢の事はもう忘れよう




授業中.......





教師「つまりここは~であって~」

キオリ(.........どうしよう.......全然授業についていけない.........)カリカリ......


コロコロ


女子「............」カリカリ......

キオリ(あ、消しゴムが落ちてるのに気づいてない..........拾って返さなきゃ...........)スッ........

キオリ「あ........あの..........」

女子「なに?」キッ!

キオリ「その.........消しゴムが.........落ちてたから.........えっと........」ビクビク......

女子「ちょっと!!勝手に私の消しゴムに触んないでよ!!」バッ!!

キオリ「ご.....ごめんなさい!!ごめんなさい.......!!」ビクッ!!


教師「ん?そこー、どうしたー?」


女子「こいつが私の消しゴム勝手に盗んでたんです!!」

キオリ「そ......そんな.......僕はただ消しゴムを拾って返そうとしただけで............」オドオド.....


教師「チッ またお前か.........成績も悪い上に授業妨害までするのか、本当に最低のゴミだなお前は」


キオリ「...............」シュン.......


生徒たち「プ-クスクス」

男子「チッ..........」



昼休み............





キーンコーンカーンコーン





キオリ(やっと昼休みだ.........今日のお弁当は何かな?)


男子「おいゴミ」


キオリ「!!」ビクッ!!


男子「ちょっと俺らとトイレ行こーや」


キオリ「え...........?」ビクビク......


男子「え?じゃねぇよ!!いいからこっち来い!!」グイッ!!


キオリ「ひ!!ひぇ!!」ガタッ!!


男子「おい!こいつの弁当も持っていくぞ!!」

男子生徒たち「おう!!」



トイレ..........





男子「テメーなに人の女にちょっかいかけてんだ あぁ!?」

キオリ「ご.......ごめんなさい........そんなつもりじゃなくて...........」オドオド........

男子「いちいち言い訳してんじゃねーぞ!!!!」ドガッ!!

キオリ「うぐっ!!」ドサァッ!!

男子「なぁ?許して欲しいか?」

キオリ「グズッ.....グズッ.......」コクコク!

男子「じゃあ今から俺の言う事一つ聞いたら許してやるよ」

キオリ「............?」グズッ.....ヒグッ.....

男子「おい、こいつの弁当俺によこせ!」

キオリ「............!!」

男子生徒たち「あいよ、でもお前何する気だよ?」スッ.....

男子「へへへ........それはな..........」パカ.......

キオリ「..............!!」ポロ ポロ.......





まさか...........!!





キオリ「やめて!!!!やめてぇ!!!!」ポロ ポロ

男子生徒たち「うるせぇよ!!」ボカッ!!

キオリ「ギャッ!!」ガンッ!!





男子「こうするためだよぉ!!」





ボチョボチョボチョ!!





キオリ「!!!!」ポロ ポロ








男子生徒たち「えぐぅ~wwwよりによって和式に捨てるとかwwwお前鬼すぎwww」

男子「うるせぇよwww」





キオリ「あ.........あぁ..........」ポロ ポロ.......





お母さんが作ってくれたお弁当が............





卵焼きが............





唐揚げが............!!




男子「おいゴミ」

キオリ「...............!」ポロ ポロ.....





男子「これ食え、全部残さず綺麗にな」








キオリ「..............!!」ポロ ポロ......

男子「当然だよなぁ、人様の彼女に手ぇ出したんだから、これぐらいやらねぇと許される訳ねぇよなぁ?」

男子生徒たち「やべぇwww」プクク.....

キオリ「うっ.......うぐぅ........」グズッ.....グズッ........

男子「オラッ!!泣いてねぇでとっとと食えよ!!!!」グイッ!!

キオリ「うぐぅ......!!」ポロ ポロ

男子「いいか?流したり途中で吐いたりしたら殺すから?俺 食い物粗末にする奴許せねーんだわ」

キオリ「う......うぅ.........」ポロ ポロ......





...........どうしてこんな事するの.........?





僕がみんなに何をしたの...........?








キオリ「グズッ......ヒグッ......」ビチャ......

男子生徒たち「うわ!こいつ便器に落ちた卵焼き掴んだぞ!?www」「きたねーwwwマジで食う気かこいつ!?www」





もう.........どうでもいいや.............





キオリ「...............!!」ガツガツムシャムシャビチャモグ!!





男子生徒たち「ギャハハハハハwwwきめぇーwww」「いい食いっぷりだぞゴミィwww」「写メっとこwww日記に載せよーぜwww」パシャ!




キオリ「美味じい"よ"........美味じい"よ"ぉ"!!」ガツガツムシャムシャビチャモグ!!





男子生徒たち「ギャハハハハハハハハハハハァwwww」




放課後...........





キオリ「.......今日も.......いっぱいいじめられちゃったな............」トボトボ......





いじめられたその日に..........僕は家に帰って 『ある事』を必ず行う.........それは...........




家.........





キオリ「ただいまー.........」ガチャ.....

母「おかえり」

キオリ「お母さん、僕ちょっと部屋で横になってくるよ」トットッ

母「晩御飯には起きて来なさいよー」

キオリ「んー」トットッ




キオリの部屋.........





キオリ「ふー.........」ガチャ........

クマのぬいぐるみ「」

キオリ「ただいま、テディ!」ギュッ!

クマのぬいぐるみ「うるせぇ!くっつくんじゃねぇよ鬱陶しい!」

キオリ「相変わらず見た目に反して可愛くないやつだなー」

クマのぬいぐるみ「俺は女に抱きつかれるのは好きだが男に抱きつかれるのは大っ嫌いなんだよ!!」

キオリ「ごめんごめん、そう怒らないでよ」パッ

クマのぬいぐるみ「..........ったくよー」









そう、この口うるさいクマのぬいぐるみと話す事だ





このぬいぐるみの名前は「テディ」

テディベアーだからテディという僕のかなり安直なネーミングセンスから生まれた名前だ

学校で友達がいない寂しさからこのぬいぐるみに喋りかけているうちにいつの日か僕の言葉に返事をするようになった

テディの声は僕以外の誰かには聞こえないからいくらテディが大声で叫んだりしても誰かにテディの声が聞こえる事はない

だけど、お父さんやお母さんに僕がぬいぐるみと喋っているところなんて見られたら割と本気で心配されるかもしれないから テディと喋るのは自分の部屋の中だけにしている

僕にとってテディと喋る時間は 夢を見るのと同じで その日あった嫌な事を忘れさせてくれる 1日の楽しみだ









キオリ「ねぇテディ?」

テディ「あ?」

キオリ「僕さ........昨日怖い夢を見ちゃってから夢を見るのが..........というより寝るのが少し強くなってきたんだ..........」

テディ「そーいや昨日から怖ぇ夢がどうこう言ってたな、それがどうしたんだよ?」

キオリ「だからさ..........今日は寝たくないから一晩中喋ってようよ」

テディ「ハァ!?きんもちわるッ!!何が嬉しくて睡眠時間削ってテメーと一晩中喋んなきゃなんねーんだよ!?たかが夢の事で俺を巻き込んでんじゃねーよボケッ!!」

キオリ「...........ホントとことん可愛くない奴だなー............ケチッ!」

テディ「んだとコラァ!!!!」





母「キオリー、ご飯よー」





テディ「だとよ!!とっととメシでも食って来やがれ糞ガリ!!」

キオリ「はいはい.........もう、何でこんなに口が悪いんだか..........」ガチャ.......




そして夜..........





キオリ「.............」

テディ「.............」グォ-....スピ-.....

キオリ「............」ギュッ......

テディ「ん.........」グォ-.....スピ-......





気にし過ぎ.........気にし過ぎ..........





僕ももう寝よう.............




ー ー ー ー

ー ー ー

ー ー
















『次はえぐり出し~、えぐり出しです』














女「ぎゃ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ッッッッ!!!!」ポタ ポタ ポタ





キオリ「 ! ! ! ! 」





この場面...........!!





またあの夢だ!!!!





ということは............次は僕の番だ............!!!!














『次は挽き肉~、挽き肉です』














やばい.........逃げなきゃ...........!!





ウィィィィィィィン..........





逃げなきゃ殺される!!!!





ウィィィィィン





覚めろ............覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ!!!!





ウ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ン ! ! ! !





覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚め覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ!!!!





ウ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ン ! ! ! !





あれ..........!?なんで..........覚めないんだ...........!!前は覚めたのに!!!!何で!!!!どうして!!!!





ブワァ............!!





覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ!!!!!!!!














キオリ「 覚 め て く れ よ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ッ ッ ッ ッ ! ! ! ! 」ガバァッッッッ!!!!























シィン............





キオリ「.................!!」ゼェ.....ゼェ........




............逃げられた............!?





テディ「うるせぇなぁ.......ムニャムニャ......」

キオリ「...............」ゼェ....ゼェ......





..........よかった.........僕は逃げられたんだ............





キオリ「フゥ-.........」バスッ





よかった...........本当によかった..........














「また逃げるんですか~?次に来た時は最後ですよ~」














キオリ「 ! ! ! ! 」





シィン........





キオリ「ひ..........ひぅ..........あぁぁ............!!」ジワァ........





キオリ「 う" わ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ! ! ! !」





父「キオリ!!どうしたんだ!!」バァン!!

母「キオリ!!」





キオリ「 あ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ぁ" ! ! ! ! 」ジタバタジタバタ!!!!





父「...............!!」

母「キオリ!!キオリッッッッ!!!!」














僕が最後に聞いた声...........あれは絶対に夢なんかじゃなかった........














翌日.........僕は学校を休んで、お母さんに病院に連れて行ってもらった..........





しかし、医者の話では 僕にはどこにも異常は見当たらず、ただ単に怖い夢を見ただけだと言う事だった





二日連続で同じ夢を..........それも 声までハッキリと聞こえたのに異常がないはずがない............気のせいの一言で片付けられた事に、僕は釈然としなかった




病院の帰り道.........





母「キオリ........今日は部屋で寝て安静にしていなさい、多分あなた疲れてるのよ」

キオリ「や.......やだよ!!だって寝たらまたあの夢を見ちゃうかもしれないよ!!」

母「たかが夢じゃないの!いくら怖いといっても結局は夢なの!それに昨日の夢を見てから一睡もしてないんでしょ!?いい加減寝ないと本当に体を壊す事になるわよ!!」

キオリ「..........うん.........わかったよ...........」




キオリの部屋.............





キオリ「..............」ブツブツ......

テディ「..........おいキオリ!!テメーいつまでそーやってるつもりだよ!?とっとと寝やがれ!!」

キオリ「嫌だって言ってるだろ...........寝たら.........寝たら死んじゃうかもしれないんだ..........こっちでは心臓麻痺か何かでも.........あっちでは挽き肉なんだ..........」ブツブツ.......

テディ「気にし過ぎなんだよ、それにいくら今お前が寝まいとしてもいずれは絶対に寝る事になんだよ、どうせ我慢しても結局寝ちまうんだからとっとと寝やがれ」

キオリ「嫌だ..........寝たくない...........寝たくないんだよ............」ブツブツ.....

テディ「ケッ!!勝手にしやがれクソメガネ!!」





寝たくない...........寝たら死ぬんだ............寝たら死ぬんだ.............寝たら...........死..............




ー ー ー ー

ー ー ー

ー ー






ー ー ー ー

ー ー ー

ー ー







キオリ「........ん..........」

テディ「...............」グォ-......スピ-......





朝............?もう朝が来たのか..........

夢を見た覚えもない..............





キオリ「ねぇテディ!起きて!テディ!」

テディ「んだようっせぇなぁ~..........」

キオリ「僕死んでない!夢も見てないんだよ!」

テディ「............だから言ったろ、気にし過ぎだってよ...........いいからとっとと学校行けっての、うぜーから」

キオリ「うん!」









キオリ「お父さん!お母さん!おはよう!」トットット!

父「おはようキオリ、もう体調は大丈夫なのか?」

母「怖い夢も見なかった?」

キオリ「うん!もう大丈夫だよ!心配かけてごめんなさい」

父「........そうか」ニコッ

母「よかった........さ、早く支度しなさい、学校に遅れるわよ」ニコッ

キオリ「うん!」




通学路..........





キオリ「~♪」テクテク





なんて清々しい気分なんだろう、恐ていたものに恐れる必要がなくなるのってこんなにも気分がいいんだ!





近所のおばちゃん「あらおはようキオリちゃん」

キオリ「おはようございます!」ニコッ!

近所のおばちゃん「あら元気ね~、気をつけて行ってらっしゃい」ニコッ!

キオリ「行ってきまーす!」テクテク









キオリ「お、今日はいつも赤の信号が青だ、ラッキー!」テクテク





天気もいいし、なんだか今日はいい事がありそうだな





キオリ「早く渡っちゃおっと!」タッタッ!














なんだか昨日までの事が嘘みたいだ、僕は一体何を恐れていたんだろう





あれは所詮夢なんだ、テディの言う通り、僕は気にし過ぎていたんだ





そうだ!もう何も恐れる事はないんだ!!




もう何も



















「 危 な い ッ ッ ッ ッ ! ! ! ! 」



















キキィィィーーーーーーッッッッ!!!!










キオリ「え...........?」










ド ン ッ ッ ッ ッ ! ! ! !
























僕の体はバラバラになった














ー ー ー ー

ー ー ー

ー ー






........ピッ..........ピッ........ピッ..........




ーーー真っ暗で.........何も見えないーーー




..........リ.........




ーーー誰かの声が聞こえる..........ーーー




オリ.............




キオリ............




「キオリ!!」




ーーーお母さんの声だーーー




「キオリ!!キオリィ!!」





ーーーどうして.........泣いてるの..........?ーーー





「両足と右腕を切断している上に内蔵も殆ど欠損している.........もう........いくら手を施しても.............」

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!キオリ!!!!キオリィ!!!!」





ーーーなんだか眠くなってきちゃったーーー





ーーーごめん お母さん.........僕もう...........ーーー














キオリ「 ! ! ! ! 」ガバッッッッ!!!!














キオリ「................!!」ハァ.....ハァ......





チュン チュン.....





キオリ「..........夢か.........なんて夢を見るんだ僕は............」ムク......









キオリ「..............」トン トン.......





あんな夢を見るなんて 朝からテンションガタ落ちだ............


何か悪い事でも起きなきゃいいけど...........





キオリ「おはよー...........」ガチャ.......





キオリ「!!!!」













「おはようキオリ、よく眠れたかい?」














キオリ「おばあちゃん!!」

おばあちゃん「キオリ、早く支度しないと学校に遅れるよ」ニコニコ

キオリ「嘘...........!!」ワナワナ......

母「何をそんなに驚いてるの?」

キオリ「だって........おばあちゃんは去年 癌で.............!!」ワナワナ......

母「またこの子は朝から縁起でもない事言って!おばあちゃんは癌になんかなってないでしょ!」

おばあちゃん「この通り、おばあちゃんは元気いっぱいさ」ニコッ!

キオリ「あ.........あぁ...........」ポロ ポロ.......

父「どうしたんだキオリ、急に泣き出して...........?」





信じられない............僕がいちばん会いたかった人が...........ここにいる............あの時の笑顔のままで..............今ここにいる.............!





キオリ「おばあちゃん...........!」ポロ ポロ..........














ギュッ!!














キオリ「おばあちゃぁぁぁぁん!!!!うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」ポロ ポロ


おばあちゃん「おやおや、どうしたんだいキオリ、急に甘えん坊さんになっちゃったねぇ」ナデナデ


キオリ「グズッ......ヒグッ........」ギュゥゥゥ.......





嬉しい............おばあちゃんの匂いだ...........おばあちゃんの温かい手だ..
.............嬉しいよ.............





そうだ..........おばあちゃんが死んじゃったのは夢だったんだ............


おばあちゃんがいなくなって寂しくて泣いていたあの日も、学校でいじめられて泣いていたあの日も、あれは夢だったんだ.............全部全部夢だったんだ............!!









おばあちゃん「さて、今日はキオリの誕生日だから皆でパァーッとお祝いしようかねぇ」ニコッ

母「ほらキオリ、ケーキがあるからロウソクの火を消さなきゃね」

キオリ「うん!」

父「それじゃあ...........さんはい!」









おばあちゃん、父、母「ハッピーバースデートゥーユー♪ハッピーバースデートゥーユー♪」





嬉しい............すごく嬉しいよ...........





おばあちゃん、父、母「ハッピーバースデーディア キオリ♪」





ありがとう...........みんな........本当にありがとう..........!





おばあちゃん、父、母「ハッピーバースデートゥーユー♪」





おばあちゃん「おめでとう、キオリ」パチパチパチ!

父「おめでとう!これでお前も15歳だな!」パチパチパチ!

母「キオリ、お誕生日おめでとう」パチパチパチ!





キオリ「ありがとう!」ニコッ!









おばあちゃん「おめでとう、キオリ」パチパチパチ!

父「おめでとう!これでお前も15歳だな!」パチパチパチ!

母「キオリ、お誕生日おめでとう」パチパチパチ!





キオリ「ありがとう、フフフ、みんなさっきと同じ事言って~、変なの~」クスクス!





おばあちゃん「おめでとう、キオリ」パチパチパチ!

父「おめでとう!これでお前も16歳だな!」パチパチパチ!

母「キオリ、お誕生日おめでとう」パチパチパチ!





キオリ「え..............?」





おばあちゃん「おめでとう、キオリ」パチパチパチ!

父「おめでとう!これでお前も15歳だな!」パチパチパチ!

母「キオリ、お誕生日おめでとう」パチパチパチ!









キオリ「ちょ........みんな........どうしたの.........?」




おばあちゃん「おめでとう、キオリ」パチパチパチ!

父「おめでとう!これでお前も15歳だな!」パチパチパチ!

母「キオリ、お誕生日おめでとう」パチパチパチ!




キオリ「ねぇ.........ねぇってば!!」




おばあちゃん「おめでとう、キオリ」パチパチパチ!

父「おめでとう!これでお前も15歳だな!」パチパチパチ!

母「キオリ、お誕生日おめでとう」パチパチパチ!




キオリ「お父さん!!!!お母さん!!!!おばあちゃん!!!!」




おばあちゃん「おめでとう、キオリ」パチパチパチ!

父「おめでとう!これでお前も15歳だな!」パチパチパチ!

母「キオリ、お誕生日おめでとう」パチパチパチ!




キオリ「やめて..............」フルフル.........




おばあちゃん「おめでとう、キオリ」パチパチパチ!

父「おめでとう!これでお前も15歳だな!」パチパチパチ!

母「キオリ、お誕生日おめでとう」パチパチパチ!




キオリ「やめてよ.............」ワナワナ.......




おばあちゃん「おめでとう、キオリ」パチパチパチ!

父「おめでとう!これでお前も15歳だな!」パチパチパチ!

母「キオリ、お誕生日おめでとう」パチパチパチ!







キオリ「 も う や め て よ ッ ッ ッ ッ ! ! ! !











ピタ.........





おばあちゃん「...............」

父「...............」

母「...............」





キオリ「...............!」









おばあちゃん「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね」

父「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね」

母「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね」














キオリ「 ! ! ! ! 」ガバッッッッ!!!!














キオリ「ハァ......!!ハァ........!!」ポロ ポロ.......





また夢..............!?

今までで見た夢の中で一番怖い夢だった..........

..........やっぱり夢から覚めるとおばあちゃんにはもう二度と会えないという事を改めて実感してしまう.........

でも、せめて夢の中だけでは前と変わらない優しいままのおばあちゃんに会いたかった...........









キオリ「おはよ.........」ガチャ......

母「おはよう、ヨーグルトあるわよ」

父「おはようキオリ、まだ眠そうだな、ハハハ」

キオリ「................」





お父さんとお母さんの顔を見ると.........さっきの夢の事を思い出す...........

みんなの顔がドロドロに溶けていくあの恐ろしい光景を.........

でも所詮あれは夢だから気にしない事にしよう、若干複雑な気分だけど









父「それにしても、もうそろそろ夏休みだなぁ」

母「夏休み中に家族みんなで旅行でも行きましょうよ」

父「そうだな、キオリはどこに行きたい?」

キオリ「んー.........夏は暑いから北海道がいいなー、ハハハ.........」

父「そっか、じゃあ北海道で死ぬとするか」





キオリ「え............?」









母「いいわね!北海道で死ねるなんて素敵じゃない!」

父「よし、じゃあ北海道で決まりだ!ロープ買ってこなきゃな」

母「あら、せっかく北海道まで行くんだからどうせならオホーツク海に身投げしたいわ」

父「おぉそれもそうだな!首吊りなんてどこでもできるもんな!ハハハ!」





キオリ「ちょ.........何言ってんだよ!!お父さん!!お母さん!!」





父 母「..............?」キョトン.......

父「何って..........お前こそ何を言っているんだ.........?」

母「どうしたのキオリ、具合でも悪いの............?」





キオリ「...............!!」









母「あ、ひょっとして身投げじゃ嫌だった?飛び降り自殺の方がよかった?」

父「おおそうだったのか!どうしてもっと早く言わないんだキオリ」





おかしい..........明らかにおかしい.........!!





母「あぁ、どんな方法にしろ楽しみだわ、私一度でいいから北海道で死んでみたかったもの」

父「もしキオリが北海道で自殺を提案してなかったら富士の樹海で首吊りなんて洒落っ気のない死に方をする所だったよ!ハハハ!」

母「もうあなたったら!ウフフ」





まさか...........これも夢............!?





母「ねぇキオリ、何で殺したの?」

父「なぜ殺した?」





キオリ「................!!」





母「何で殺した!!??何で殺したの!!??何で殺したのよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」ギュゥゥゥゥゥ...........!!

キオリ「か........は..........!!」ゲホッ......

父「ハハハハハハハハwwwギャハハハハハハwww」





覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ!!!!














キオリ「 ! ! ! ! 」ガバッッッッ!!!!














キオリ「.............!!」ゼェ.....ゼェ.....





また夢...........!?

どうなってるんだ.........さっきから夢を見るのを繰り返してるぞ.........?





キオリ「.............!!」ドタドタ!!





まさか今度のも.........!!









キオリ「お父さん!!お母さん!!」ドタドタ!!





母「おはよう、ヨーグルトあるわよ」

父「おはようキオリ、まだ眠そうだな、ハハハ」





キオリ「.............!」





父「それにしても、もうそろそろ夏休みだなぁ」

母「夏休み中に家族みんなで旅行でも行きましょうよ」

父「そうだな、キオリはどこに行きたい?」





キオリ「..............!!」





さっきと会話の内容が同じだ........!!

間違いない.........これも夢だ!!





父「そうだな、キオリはどこに行きたい?」





キオリ「.............」





返事をしないといつまでも同じ質問をされるのか..........答えちゃダメだ..........とにかく逃げなきゃ..........!!









父「そうだな、キオリはどこに行きたい?」





覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ!!!!





父「そうだな、キオリはどこに行きたい?」





覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ!!!!





父「そうだな、キオリはどこに行きたい?」




キオリ「..............!!」





何で..........何で覚めないんだよ!!!!





父「そうだな、キオリはどこに行きたい?」





覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ!!!!













「無駄よ」














キオリ「 ! ! 」バッ!!





父「...............」ニコニコ

母「...............」ニコニコ





キオリ「................!!」





母「アンタは一生ここから出られないの」





キオリ「...............!!」









父「そうだな、キオリはどこに行きたい?」ガタッ...........





やめて............やめてよ...........





ガシッッッッ!!!!





キオリ「かは!!!!」





父「そうだな、キオリはどこに行きたい?」ギュゥゥゥゥゥ........





キオリ「が.........あ.........!!」グググ........





くる........しい..........よ............





父「そうだな、キオリはどこに行きたい?」ギュゥゥゥゥゥ..........





やめて............やめて.............!!










キオリ「 や め て よ ! ! ! !」ドンッッッッ!!!!





ガンッッッッ!!!!














シィン..........





父「」


キオリ「おとう.......さん........?」


父「」


キオリ「お父さん.........ねぇお父さん!!お父さんってば!!」ユサユサ!!


父「」ドクドク........





キオリ「う"わ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"!!!!お父さん!!!!お父さん!!!!お父さぁん!!!!」














「 キ ャ ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ! ! ! ! 」














キオリ「!!!!」





母「キャハハハハハハハハハハハハハハハハwwwキャアハハハハハハハハハハハハハハハwww」ポロ ポロ





キオリ「お母さん..........!!」ゾッ.......





母「キャハハハハハハハハハハwwwギャハハハハハハハハwwwゴボッグボボ.......ゴバァッ!!」バキッメキメキッ





キオリ「!!!!」





母「何で.......ゴポッ......殺したの.......ゴパァッ.......ナン.......デ......ボゴッ.......殺ジダ..............」メキッ........バキッ.......メキメキッ..........

父「ゴボェ........ガバァ..........」ボコッ.......メキメキッ.......グシャッ......






キオリ「う........ああ........!!」ガクガク........










化け物たち「 ナ" ン" デ 殺 ジ ダ ノ" ォ" ! ! ! ! 」










キオリ「う..........うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッッ!!!!」ダダッッッッ!!!!








キオリ「ハァ......!!ハァ.......!!」ダダッ!!!!





何なんだ........あの化け物は!!!!





化け物「 ナ" ン" デ 殺 ジ ダ ノ" ォ" ! ! ! ! 」ビュルッッッッ!!!!





キオリ「うわぁッッッッ!!!!」ガシィッッッッ!!!!





化け物「ナ"ン"デ殺ジダノ"」グググ...........





キオリ「ぐる"........じ..........!!」ゲホッ.........





化け物「ナ"ン"デ殺ジダノ"ォ"ォ"ォ"ォ"!!!!」グパァッ............





............誰か..............誰か助けて!!!!













パンパァンッッッッ!!!!














化け物「ギャ"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ッッッッ!!!!」ドシャァッッッッ!!!!





キオリ「!!!!」





鏡の中の青年「フン、なんて醜い断末魔だ..........全くもって美しくねーヤローだな」





鏡の中に人が!!!!それに、この鏡 宙に浮いてる..........!!





鏡の中の青年「あと一匹か.......さぁかかってきな、この俺様が華麗に舞い散らせてやるよ」





化け物2「グモォォォォォォォォォォォォォッッッッ!!!!」グワァッッッッ!!!!





キオリ「あ..........危ないッッッッ!!!!」





ガシャンバリィンッッッッ!!!!





キオリ「あ........あああ.........た.......大変だぁ...........」ガクガク.........





化け物2「グルルルル.............」ギロッ!!





キオリ「ヒィッ!!あ...........うわ............!!」ガクガクガク..........














「やれやれ、これで俺様を殺したつもりかい?」














化け物2「!!!!」バッッッッ!!!!


キオリ「!!!!」





破片「」フワ.........





鏡の破片が空中に集まっていく............!!!!





鏡の中の青年「鏡が割れても粉微塵にされない限り俺は死ぬ事はない」





鏡の中の青年「そして俺のこの能力は鏡が割れた時に真価を発揮する」





化け物2「............!!」





鏡の中の青年「『ピースレイン』!!!!」














ドスドスドスドスドスッッッッ!!!!














化け物2「ギャ"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!!!」ドシャァッッッッ!!!!





青年「フン、やっぱり醜い断末魔だ、それに比べて俺様は最高にビューティルフルだぜ」ウットリ


キオリ「..............!!」


青年「おっと、今ので前髪が乱れてしまった、整え直さねーと俺様の美しさが台無しだぜ」スッ スッ


キオリ「あ、あの!!」


青年「あぁ?」


キオリ「そ........その........あ、ありがとうございました!!」


青年「髪セット中に話しかけんじゃねぇよ!!」クワッッッッ!!!!


キオリ「ひ、ひぃぃ!!すみません!!」ペコペコ!!


青年「..........お前.........俺の言葉がわかるのか?」


キオリ「え...........?わ、わかるって........えっと........どういう...........」キョドキョド........


青年「わかるのかわからないのか どっちかハッキリ答えろっつってんだッッッッ!!!!」クワッッッッ!!!!


キオリ「ひ、ひぃぃぃ!!!!よくわからないけどわかりますわかりますぅぅぅ!!!!」ビクビク!!


青年「.........どうやら俺の言葉がわかるみてーだな..........ここに来る人間の大半は会話が成り立たねーが珍しい」


キオリ「........えっと.........その........」


青年「お前まだ自分の置かれた状況が理解できてねぇのか、じゃあ俺が単刀直入に今のお前の状況を教えてやるよ」


キオリ「..............!!」














「お前は夢の中に閉じ込められたんだよ」














キオリ「!!!!」





『アンタは一生ここから出られないの』





青年「お前だけじゃねぇ、俺もここから出れなくなっちまって かれこれ5年はここを彷徨い続けてる」


キオリ「ご........5年も..........!!!!」


青年「ああ、俺は5年間ずっとここから出る方法を探し続けているが未だに出られやしねぇ、ひょっとしてもう俺たちは一生ここから出られないのかもしれねーな」


キオリ「そ.........そんな.......」


キオリ「う.........うぅ........」ジワァ......


青年「..............?」





キオリ「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!いやだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!お父さんとお母さんに会いたいよぉ!!!!」ポロ ポロ





青年「............」









キオリ「うわぁぁぁぁん!!!!わぁぁぁぁぁん!!!!あぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」ポロ ポロ





青年「 俺 の 前 で ビ ー ビ ー 泣 く ん じ ゃ ね ぇ ! ! ! ! 」





キオリ「!!!!」ビクッ!!


青年「うるせぇんだよ いつまでもメソメソメソメソ.............」


キオリ「ご.......グスッ.....ごべん".......ヒグッ......な"ざぁ"ぃ".........」ビクビク.........


青年「俺はお前みたいにビクビクオドオド煮え切らない態度とる奴が一番嫌いなんだよ」


キオリ「グズッ.......グズッ........」ポロ ポロ.......


青年「ハァー、気まぐれでもお前みたいなゴミ助けたのが間違いだったわ、後は野たれ死ぬなりなんなり勝手にしてくれ、あばよ」ザッ.......


キオリ「そ.......そんな......!!待って!!待ってくださいぃ!!」ガシッ!!


青年「うわッ!!くっつくんじゃねぇ!!涙と鼻水が服につくだろーが!!」


キオリ「ひ.......一人にされたら僕これからどうしていいかわからない!!お願い!!僕も連れて行ってくださぃぃ!!」グジュッ....グジュッ.....


青年「ウゼェ!!お前の事なんか知るかよ!!!!」ゲシッ!!


キオリ「げふぅッ!!」ドサッ!!


青年「二度とその汚くて醜い面を俺様の前に出すんじゃねぇぞぉ!!!!」バッ!!


キオリ「.............!!!!」





飛んだ..........!!

そうだ........ここは夢の中だった..........

なら僕にも...........!!









青年「ふぅ........空を飛んじまえばあいつも追ってこれねぇだろう.........」フワ...フワ......

青年「あいつを見てると何かまるで.............」フワ.....フワ.......





「 待 って ! ! 待 っ て く だ さ ぁ ー ー ー い ! ! ! ! 」





青年「!!!!」





キオリ「お願いです!!僕も!!僕も連れて行ってくださぁい!!ひとりにしないでぇ!!」ヒュゥゥン!!





青年「...............!!」





こいつ..........!!空を飛べるのか...........!!空を自由に飛べるようになるまではそれなりに訓練が必要なのに...........!!


ひょっとして........こいつを連れてけば少しは役に立つかもしれねぇな..............









キオリ「あ、あの........お願いです!!ぼ.......僕も、僕も一緒に連れて行ってください!!夢の中って自覚はあるけど..........その.........まだわからない事が多くて...........その..........」


青年「.............」ギロッ!!


キオリ「ヒッ!!」ビクッ!!


青年「お前、名前は?」


キオリ「.............え?」


青年「え?じゃねぇよ、名前は?っつってんだろ?」イライラ......


キオリ「ヒ、ヒィ!.........ぼ.......僕は.........ご、五味沢.......希織.......です...........」ビクビク......


青年「フーン........五味沢ねぇ..........」


キオリ「..............」


青年「ならお前の事は『ゴミ』って呼んでやる、お前にはピッタリなあだ名だろ?俺様に感謝するんだな」


キオリ「う.........クラスでの呼ばれ方とまったく同じ...........」


青年「おいゴミ」


キオリ「は、はい!!」ビクッ!!


青年「チッ 呼んだだけでいちいちビビってんじゃねぇよ
お前、俺について来てぇんだろ?」


キオリ「は、はい!!ついて行きたいです!!ぜ、ぜひ!!ぜひ!!」


青年「俺様は美しい上に優しいからな、特別に俺について来る事を許可してやってもいいぜ」


キオリ「!!ほ、本当ですか!?」パァ-!!


青年「ああ、ただし.............」


キオリ「..............?」


青年「この俺様の『身代わり』としてな」


キオリ「へ............身代わり...........?」キョトン.......









青年「この世界には『夢ノ怪』.........ユメノケと呼ばれる妖物の類がいる、さっきお前の両親になりすましてお前を襲ったあの化け物たちもユメノケの一種だ」


キオリ「...............」


青年「この世界にはそんなユメノケがうじゃうじゃいて、いつどこで襲われるかわからない..........俺様のような強さを持っていても敵わない程の強大な力を持ったユメノケにいつか出くわすかもしれねー...........だからお前は..........」


青年「万が一 俺様が危険な目にあった時の囮、もとい身代わりだ!!」ビシッ!!


キオリ「そ.........そんなぁ~...........」


青年「ま、嫌ならついて来なくてもいいけどな、どのみちお前ひとりじゃそこらへんのユメノケに襲われて即刻終わりだろうがな」


キオリ「い、行きます!!行かせてください!!身代わりでも囮でも雑用でもなんでもやります!!やっちゃいますぅ!!」アタフタアタフタ!!


キオリ(..........この人のさっきの強さを見る限り、この人が僕を身代わりにする程の窮地に陥る事はそうそうないだろうし.........ついていった方が絶対安全だよね.........)









青年「決まりだな、そうと決まればとっとと行くぞ、ゴミ」


キオリ「あ、あの..........!」


青年「あ~ん?.........ああ........俺様の名前か?たかが身代わりのお前に俺様の高貴な名を教えてやる義理はねぇが一応利害が一致してるし、教えてやんよ」





青年「俺は『安藤・アンドレアル・蓮』略して『アンドレ』だ、美しい名前だろ?」





キオリ「...............」


アンドレ「なに黙ってやがんだ、何か反応ぐらいしやがれ」


キオリ「あ、あの.........ア........アンドレさん........!!」


アンドレ「あ~ん?気安く俺様の名前を呼ぶんじゃねぇよ、んだよ?」














キオリ「一緒に.........一緒にここから出て..........必ず現実世界に帰りましょう........!!これからよろしくお願いします!!」













アンドレ「..........チッ 俺様の身代わりの分際で何言ってやがんだ、誰がテメーみたいなゴミと一緒に仲良くここから出るかよ」


キオリ「そ.......そんなぁ~.......」シクシク......


アンドレ「俺様はテメーを犠牲にしてでも生き延びて、自分だけでも現実世界に帰ってやんだよ........どんな事をしてでも絶対に帰んなきゃなんねーんだ...........絶対にな..........」


キオリ「.............」


アンドレ「............けど」


キオリ「...............?」


ゲシッ!


キオリ「あいたッ!!」





アンドレ「一応、テメーみたいなただの身代わり君にも『よろしく』って言ってやるのがこの俺様の優しさなんだよ」


キオリ「...............!」


アンドレ「オラ、なにボケッとしてんだ、とっとと行くぞ ゴミ」ザッ......


キオリ「は........はい!!」ザッ.......














これは、僕らが見た 長くて短い夢の中の...........夢みたいな世界の中での、ずっと 忘れられない 冒険の物語...............









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