【三者三葉】小田切双葉「超無謀パフェ?」【きんいろモザイク】 (31)

陽子「またなー、綾」

綾「ええ、また明日」


綾「……はあ」

綾(今日も素直になれなかったわ……)

綾(他のみんなだったらそんなことないのに……陽子相手だといつもこう)

綾(もっと素直に、ストレートに言わないと伝わらないのよね)

綾(でも……だって……そんなの面と向かって言えるわけないでしょ)

綾「陽子のことが……好きだって」


葉子「はい?」

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綾「え……」

綾(あ、こ、声に出て……しかも知らない人に聞かれて)カァァ

綾(もう! 陽子のせいで恥ずかしい思いしちゃったじゃない!)

葉子「あの……」

綾「陽子のバカ~!」ダダダダ

葉子「ちょっと、お待ちになって!」

ダダダダ

葉子(行ってしまわれましたわ)

~よくじつ~

葉子「ということがありまして」

双葉「葉子様、告白されちゃったんだ」

照「え、でも女の子だったのよね?」

双葉「まあ、たぶんあれだよ。憧れの存在~みたいな」

葉子「ですがあのお方、まったく見覚えがなくて。制服も他校のものでしたし」

双葉「葉子様って同じクラスの人の名前もほとんど覚えてなかったような」

照「いきなり告白してきて返事も待たずにバカ呼ばわりして走り去るって……変わった子ね」

双葉「でもどこで葉子様の名前知られたんだろうね」

葉子「さあ。心当たりがありませんわ」

山路「ストーカーの可能性もありますね。以後注意しなければ」

照「はい、お前が言うな」

山路「おっと次のバイトのシフトが。葉子様、また後ほど」

照「聞いてないし」

葉子(どなたかは存じませんが、告白していただいたからにはきちんと返事をしなくては)

葉子(また会えるかしら

双葉「ふあ~、それにしてもお腹が空いたなあ。どこかで大食いチャレンジしたい気分」

照「また満腹さんに寄っていく?」

双葉「いや、あんまり頻繁にタダ飯するのも悪いかなって思うんだ。出禁になったお店もあるし」

照「あら、双葉もそういうふうに思ってたんだ。欲望の赴くままに貪ってるイメージだったけど」

双葉「いやいや葉山ちゃん……私ちゃんと理性あるから」

照「でも食べるんでしょ」

双葉「食べるよ! 超食べるよ! だって……食べるのことが、大好きだから」ニコッ

葉子「双葉さん、素敵な笑顔ですわ」

照「まるで恋する乙女ね。食べ物にだけど」

双葉「恋するめ?」

「チラシをどうぞデース」


葉子「あら、どうも」

双葉「今日は甘い系をお腹いっぱい食べたい気分だなー」

照「お菓子とか?」

双葉「んー、何かこう大盛りの特大パフェとか!」

葉子「でしたらこのチラシに載っている『超無謀パフェ』などいかがですか?」

双葉「超無謀パフェ?」

照「なになに。30分以内に完食で無料、レストラン・マツバラ」

葉子「ネーミングで超無謀とは……大胆な挑発ですわね」

双葉「やったあ~無料でパフェが食べられる~」

照「食べきれなかったら8000円だって。ま、双葉だから心配いらないけど」

葉子「8000円! 8000円もあったらパンの耳が食べ放題ですわっ……!」

照「葉子様……そこはもうちょっと高価なものを想像したら?」


「ほう、フードファイトに挑戦するつもりデス?」

照「あなたは?」

葉子「あら、先ほどチラシ配りをしていた……」

カレン「九条カレンと申すデス」

双葉「お店の人? ていうか外国人?」

カレン「ママはイギリス人でパパは日本人のハーフデスよ。今は日本の高校に通ってマス」

双葉「へー、そうなんだ」

葉子「日本語、お上手ですわね」

カレン「皆さんも日本語お上手デスね」

照「え、いや。だって日本人だし」

カレン「ノーノー! イッツ アメリカンジョーク!」

葉子「はあ……」

双葉「……」

照「……」

カレン「『そこはイギリスのジョークだろ』ってツッコむところデス!」

葉子「そうですの!?」

カレン「フフフ、3人ともまだまだツッコミ力が足りてないデスね。一流のツッコミキャラを目指す道のりは遠いデス……」

照「いや目指してないからツッコミキャラとか」

双葉「葉山ちゃんは腹黒委員長キャラだもんね」

照「え、何ですって?」

葉子「いけませんわ双葉さん。本当のことを直球で言っては」

照「うふふふ……いいのよ。分かってるから。全然気にしてないから」ゴゴゴゴ

カレン(これは何デス? 妙な空気が……邪悪なオーラが漂ってマス)ブルブル

~レストラン・マツバラ~

カランコロン

穂乃花「いらっしゃいませー」

カレン「ホノカー! お客さんを連れてきたデス」

照「あら、素敵なお店じゃない」

双葉「もうお腹ペコペコ~」

カレン「私の友達デス」

葉子「えっ」

穂乃花「えっ、カレンちゃんのお友達?」

葉子(お友達って……さっき会ったばかりですのに。まだそういう関係には至っていないのでは?)

穂乃花(カレンちゃんのお友達ってことは……きっと高貴な人達に違いないよ~。失礼のないように接客しなきゃ)

穂乃花「いらっしゃいませお嬢様がた!!」

照「ってなんでいきなり土下座!?」

穂乃花「いつもカレンちゃんがお世話になってます!!」

照「いや世話してないから……さっき会ったばかりだから」

葉子「この方はカレンさんの使用人ですの?」

カレン「私の大事な友達デスよ」

――――
――

穂乃花「普通のお客さんだったんだ。勘違いしちゃったよー」

照「普通の客相手じゃなくてもあの対応は普通じゃないと思うけどね」

カレン「ここはホノカの実家で、今日はチラシ配りを手伝ってたデス」

葉子「そうだったのですか」

穂乃花「ご注文は何になさいますか?」

双葉「じゃ、さっそく超無謀パフェひとつ!」

山路「超無謀パフェをおひとつですね。かしこまりました」

双葉「ってなんで山Gがいんの!?」

山路「ああ、最近この店でもバイトを始めたんですよ」

穂乃花「山路さん、凄く仕事ができるから助かるよー」

照「この人、仕事に関しては申し分ないものね」

双葉「でもストーカーだけどね」


カランコロン


綾「本当にまた挑戦するの?」

陽子「お昼ご飯も抜いてきたし。なんだろう……理由はないけど、今日はすごいいける気がするんだ!」

綾「まったくその自信はどこから……」

陽子「おっす穂乃花~、あ、カレンもいるのか」

穂乃花「あ、2人とも。いらっしゃいませ」

カレン「Oh! 奇遇デスね」

葉子「あっ」

双葉「ん、どしたのー葉子様?」

葉子「あの方ですわ。あのツインテールの方。昨日、わたくしに告白してきたのは」ヒソヒソ

照「え、本当に?」

葉子(ちょうどよかった。早速、お返事をしませんと)ガタッ

スタスタ

綾「へ?」

ガシッ

綾「え、え?」

葉子「お気持ちは嬉しいのですが……わたくし、日々の生活でいっぱいいっぱいでして」

葉子「まだ恋愛とか……そういうものを考えている余裕がありませんの」

葉子「ですから、まずは……お友達からということでよろしいでしょうか?」

綾「ななな何の話ですか!? というかどちら様ですか!?」

カレン「こちら、私の学校の友達のヨーコデス。あっちはアヤヤ」

双葉「え、ようこ……さん?」

陽子「どーもー、猪熊陽子だよ! えっと、カレンの知り合い?」

双葉「知り合いというか、さっき知り合ったばっかりというか」

陽子「ていうか綾も知り合い?」

綾「いや、全然知らないんだけど……」

葉子「またまたご冗談を。昨日わたくしに向かって告白されたじゃないですか」

綾「こ、こくはっ!? ……そういえば、あなた確か昨日の通りすがりの!」

照「とりあえず、盛大な勘違いをしているようね、葉子様」

葉子「勘違い?」

カレン「ヨーコ……」

陽子「……様?」

綾「え、あなた……『ようこ』って名前なの?」

葉子「そうですわ。ですから……」

照「『ようこのことが好き』っていうのは葉子様のことじゃなくて、そちらの猪熊陽子さんのことだったのよ」

綾「!!!」カアア

双葉「なあんだ、そういうことかー」

葉子「わ、わたくしとんだ勘違いを……」カアア

陽子「よくわかんないけど私も好きだぞー綾ー」

ぎゅっ

綾「ひゃあ!? や、やめて抱き付かないでよバカ――っ!!」

――――――
―――


穂乃花「おまたせしました。超無謀パフェをお二つでございます」

双葉「待ってました~!」

陽子「いただきまーす!」

パクッ

双葉「ん~~~おいしいっ!」

陽子「うまぁーい!」

陽子(いける。今日は凄いいける!)

パクッパクッパクッ

カレン「ヨーコとヨーコサマ……全然キャラが違うデス」

照「よく食べるってとこだけ見たらむしろ双葉の方が近いわね」

綾「双葉……さんもよく食べるのね」

葉子「ええ。正直引くレベルで双葉さんはよくお食べになりますわ」

カレン「ヨーコはかつてこれに挑戦し……撃沈してるデス。超無謀パフェの攻略は簡単ではないデスよ」

照「まあ、でも双葉だし」

葉子「双葉さんですもの」

綾(双葉さん……凄く信頼されてるわ)チラ

双葉「あ~ん。ん~!」

陽子「はむ~っ!」

綾「が……」

綾「頑張って……陽k」カアア

カレン「アヤヤはヨーコのことになるといつも茹でダコ状態デス」

葉子「本当に陽子さんのことがお好きなのですね」

綾「すすす好きって別に! そんなアレじゃないから! 友達って意味でだからー!!」

カレン「ちなみにツンデレデス」

照「ふふ、何だか微笑ましいわね」

穂乃花「葉山さんの金髪ってつやつやしてて綺麗だねー」

照「あら、そう? 別に普通だと思うけど」

カレン「ホノカー、私の金髪はどうデス?」

穂乃花「カレンちゃんの金髪は世界一綺麗だよっ!」ハアハア

照「え、何この唐突な流れ……」

陽子「うっ……」ピタッ

陽子(あ……れ……)

陽子(この前より断然コンディションはいいし……ここまで順調にきてた……それなのに)

陽子(スプーンが……進まない……もう七割方食べきったのに……あと少しなのに……)

陽子(はっ! ……双葉の方は?)チラ

双葉「あ~~~んっ」

陽子(なっ……! もう8割方……! ペースが衰えるどころか……むしろ加速している!)

双葉「んん~~~♪」

陽子(負けるのか……私は……そ……んな……)

双葉「ごちそうさまでしたー!」

穂乃花「凄いね、双葉ちゃん。チャレンジ成功だよ~」

綾「そんな……陽子が負けるなんて……」

葉子「綾さん、気を落とすことはありませんわ」

照「そうよ。双葉が規格外なだけで陽子さんも健闘していたわ」

カレン「大食い競争で負けるなんて……ヨーコの存在意義に関わる事態デス!」

陽子「私の存在意義少ねえ!」

双葉「あ、陽子ちゃんパフェ残すの? じゃ、私食べていい?」

陽子「もってけどろぼー!」

――――
――

双葉「ごちそうさまでしたー♪」

穂乃花「またのご来店をお待ちしています。カレンちゃんも皆もまたね」

カレン「ホノカ、バイバイデス~」


双葉「いやぁー、食べた食べた。満腹満腹~」

綾「それにしても凄い食欲ね。……太らない?」

双葉「んー、全然」

カレン「人体の神秘デス……」

照「それじゃ、私達はこれで」

陽子「うん。またなー」

カレン「今度は、ヨーコサマがバイトしている洋菓子店に行ってみたいデス!」

葉子「ええ、是非いらしてください。歓待しますわ」

綾「またね、葉子様。葉山さんに、双葉さんも」

カレン「Goodbye!」

双葉「じゃーねー」

照「さようなら」

葉子「ごきげんよう」

葉子「今日はいろいろな方たちとお話しできて何だか新鮮でしたわ」

双葉「友達が増えたね、葉子様」

葉子「はい」

照「よかったわね、葉子様」

葉子「はいっ」

山路「傲慢かつ高飛車で未だにクラスで浮いている葉子様に学外の友人ができるとは……僥倖の極み……ウウッ」

葉子「も、もうっ、やまじー!」

三人「あははははははははっ」

~そのころ~


忍「今日はアリスと2人でお出掛けです」

アリス「シノ、誰に向かって話しかけてるの?」

忍「それにしても暑いですね……ちょっと喉が渇きませんか?」

アリス「そうだね。じゃあわたし、冷たい飲み物を買ってくるよ。ちょっと待ってて」

忍「アリス、あまり遠くまで行かないようにしてくださいね」

アリス「うーん、なかなか自動販売機が見つからないよ」キョロキョロ

光「あれ、お嬢ちゃん、迷子かなー?」

アリス「え、誰? ううん。迷子じゃないよ。わたし高校生だし」

光「大丈夫だよ。お姉ちゃんが交番まで案内してあげるから」

アリス(聞いてない……)

……


光「へー。アリスちゃん、イギリスから来たんだぁ。日本語上手だから日本人だと思ったよ」

アリス「コウは金髪だから外国人かと思ったよ~」

光「イギリスで保護者の人とはぐれちゃったの?」

アリス「いや、はぐれたんじゃなくて留学しているんだよ……。そもそもわたし、迷子じゃないから」


忍「アリスー、どこに行ってしまったんですかー!」


アリス「あ、シノ。私はここにいるよー」

忍「アリスーっ!」

ぎゅう

忍「アリス……よかった。迷子になったんじゃないかと心配で心配で……」

アリス「もー、シノは大げさなんだから」

光「よかったね、アリスちゃん、保護者の人に会えて」

忍「!!」

忍「金髪! 金髪少女!」

アリス「コウだよ。わたしのこと迷子だと勘違いして声を掛けてくれて……」

忍「ありがとうございます。迷子になったアリスを助けてくれて」

光「どういたしましてー」

アリス「だから迷子じゃないよ……」


忍「そういえばアリス、飲み物は買ってきてくれましたか?」

アリス「飲み物? あっ、そうだった。コウと話してて忘れてたよ」

光「飲み物だったら、私が作った特製のドリンクがあるよ。飲んでみる?」ゴソゴソ

忍「特製のドリンクですか?」

光「天然由来の成分がい~っぱい含まれてて凄く健康にいいの。牛乳も入ってるから身長もどんどん伸びるよ」

アリス「身長も? へえー、自分で作れるなんて凄いね。わたしも飲んでみたいな」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

アリス(え、何これ……水筒から変なオーラでにじみ出てる)

ドボドボドボドボ

光「はい、召し上がれ」

アリス「これ表面が発光してるんだけど……大丈夫なのかな」

忍「いかにも健康によさそうなドリンクですね」

アリス「えっと、シノものどが渇いてるよね? 先にシノが飲んでみたら……」

忍「いえいえ、大丈夫ですよ。私はアリスにより健康になってほしいので、どうぞ先に飲んでください」

アリス「シノ……わたしのことをそこまで想って」

アリス「それじゃあ、いただきますっ」

ゴクゴクゴクゴク

「にゃあああああああああああああああああああああっ」


照「! 近くでにゃんこの鳴き声が~~!」

双葉「いや、これ悲鳴じゃない?」

葉子「悲鳴ですわね」


                                            ~おわり~

双葉ならあのパフェ余裕で食べきれるだろうなーと思って書きました

再現度いまひとつですが>>1の実力不足です、ご勘弁を

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