幼馴染「私?お姉ちゃん?」(8)

男「・・・」

幼馴染「あれ、男君?今日も来てたんだ」

男「あ、幼馴染。おじゃましてるぞ」

幼馴染「おじゃまされてるぞ」

男「言い方にとげがあるな・・・しかもなんだよその顔」

幼馴染「えー?なんかお土産とか持ってきてないのかなーなんて思ってないよ」

男「ずうずうしいな・・・」

幼馴染「それにしても男君もよく来ますね。もうお姉ちゃんが死んでから3・・・年くらい?」

男「いやいや、まだ2年だから」

幼馴染「それでも定期的に線香あげに来るなんて・・・きっと天国のお姉ちゃんも喜んでますよ・・・よよよ・・・」

男「お前・・・馬鹿にしてるだろ」

幼馴染「馬鹿になんてしてないよ。ただよく続くなぁと」

男「なんとでも言え」

幼馴染「ストーカーかよ、キモッ!」

男「て、てめぇ・・・!」プルプルプル

幼馴染「え?!いや!なんとでも言えっていうからさ」

幼馴染「というかさ、男君もそろそろ新しい恋にでも手を出してみたらどうなんですかー?」

男「・・・」

幼馴染「ほら、前に言ってた同じクラスの友くんとかどうなの?」

男「友は男だろうが!どこをどうやったら恋に発展するんだアホか!」

幼馴染「うーんそれもそうか。はい麦茶」

男「・・・ありがと」

幼馴染「でもねぇ・・・年頃の男子がいつまでも死んだ人のことを引きづってるってのはよくないと思うんですようん」

男「・・・うるせ」

幼馴染「どうどう?よかったら私と付き合っちゃう?」

男「・・・」

幼馴染「・・・なんですかーその顔はー」

男「あきれたって顔」

幼馴染「今の私のセリフのどこにあきれる要素があるのさ」

男「・・・さて、そろそろ帰るかな」

幼馴染「ありゃ?もう帰っちゃうの?」

男「あんまり遅くまでいるわけにもいかないだろ。ただでさえ女の子の家だし」

幼馴染「男君の目には私は女として映っているのか」

男「生物学的には・・・雌の表記になるな」

幼馴染「男君にはデリカシーというものが欠落しているね。いっぺん死になさい」

男「冗談だよ。それじゃな」

幼馴染「あ、そうだ、・・・男君」

男「んー?」

幼馴染「線香あげに来てくれてお姉ちゃんは喜んでると思うよ」

男「・・・うるせ。じゃあな」

男「・・・」

男(帰って寝よ)

友「見ちゃった見ちゃった」

男「・・・」

友「なぁなぁ男~。イチャイチャしてた今の女の子は誰かな?」

男「なんでこんなとこにいるんだ友?てかイチャイチャなんかしてねーよ」

友「そうかー?見た感じすごい仲がよさそうだったけどなー?」

男「昔からの顔なじみなんだよ。ご近所付き合いの」

友「ふーん・・・本当にそれだけなん?」

男「・・・それだけだよ」

男「で、お前は何しに来たんだよ」

友「それがさ、親父とけんかして追い出されちまったんで何日か泊めてもらおうかと」

男「・・・金」

友「友情はプライスレス!」

男「友情で飯が食えるとでも?」

友「食えるさ!」

男「食えるかアホ!」

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