白垣根「友達になりませんか?」心理定規「拒否よ」 (404)

心理定規と白いていとくンのお話。
勢いだけで書いたから細かいところは気にしないでくれるとありがたい。
完全に妄想ワールドですからご注意を……

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………スクールのアジト………


心理定規「……」

心理定規「つい一ヶ月前までは四人もいたのにね、今は一人か」

心理定規「結構ホコリ積もっちゃってるわね……掃除面倒そうだな」

心理定規「とりあえずみんなの場所だけは掃除しちゃいましょう」ゾーキン


心理定規「……ここが私が良く座ってた、人をダメにするクッション」パッパッ

心理定規「……」ゴホッ

心理定規「これは外に干した方がいいかも」


心理定規「……ここは誉望くんが突っ立ってることが多かったかな」フキフキ

心理定規「ヘッドギア、見つけておいたからね」ポン


心理定規「……この椅子は猟虎ちゃんが気に入ってたっけ」フキフキ

心理定規「あなたはラッコの人形置いておくわ」スッ


心理定規「……で、ここがリーダーが座ってたとこね」フキフキ

心理定規「アジト破壊されたのはいい思い出ね」

心理定規「あれから一ヶ月足らずでこんなことになるとは思ってなかったんだろうな」

心理定規「とりあえず白いカブトムシ置いておくわね」


心理定規「さてと……前を思い出すわね……」

心理定規「なんで私だけ生き残ったんだろう?」

心理定規「はぁ、なんだか寂しいわね……」

心理定規「みんな二、三日で死んじゃうんだもん、寂しくないわけが無いよね」


「……心理定規」ボソ

心理定規「……彼の幻聴? ついにそこまで病んでしまったかしら」クルッ

心理定規「ってあなた、なんで生きてるの??」

垣根?「……」

心理定規「体真っ白だけど」

垣根?「……なぜ生きているのかと聞かれましても……そもそも死んでませんし」

心理定規「……あなた、誰?」

垣根?「学園都市第二位の垣根帝督ですよ」

心理定規「嘘、リーダーは人に敬語なんか使わないもの」ザッ


白垣根「……確かにあなたが知っている垣根帝督ではないかもしれません」

白垣根「彼の精神の一部分が私になっているので」

心理定規「なるほど、良く分からないわ」

白垣根「あはは……」

心理定規「で、その一部分さんが何の用かしら?」

白垣根「用というほどのことでもないんですけど」


白垣根「私と友達になりませんか?」スッ

心理定規「は?」

心理定規「突然何を言い出すのかしら」

白垣根「元の私のことが知りたくなったんですよ」

白垣根「そして記憶をたどってきたらここにたどり着いたと」

ひとまずここまで
よろしくお願いします


心理定規「……そう」

心理定規「申しわけないけど、あなたの好奇心に付き合うことはできないわ」

白垣根「そうですか……」

心理定規「でも彼のことを話すくらいならいいわよ。どうせ暇だし」

心理定規「彼との思い出に浸るのも悪くないわ」

白垣根「そうですか、ありがとうございます」ニコ

心理定規「彼じゃないみたいな表情ね、その顔でその表情をされると不思議な感じ」

白垣根「へえ、そうなんですね」


心理定規「ねえ、そう言えば……記憶をたどってきたって言ったわよね」

白垣根「ええ、それがどうしたのでしょう?」

心理定規「なら、その記憶を遡って自分のことを知ればよかったんじゃないの?」

白垣根「……」

白垣根「なかなか鋭いですね」クス

心理定規「まあね。彼には及ばなかったけど」

白垣根「確かに及んでない。私は客観的に見た私のことが知りたいんです」

白垣根「主観的に見た自分で満足していたら、また過ちを犯すかもしれません」


心理定規「あらら……トゲトゲしたところは残ってるのね」

白垣根「トゲトゲ……私も前の私も垣根帝督であることは違いないので本質的には変わりませんよ」

心理定規「……面白そうじゃない」

白垣根「そうですか? 私としてはあなたの方がとても興味深い存在ですけどね」

心理定規「そうだ、白いリーダーに少し手伝って欲しいことがあるんだけど」

白垣根「私にできることでしたらある程度なら」

心理定規「ええ、話しながらでいいからここの掃除を手伝って欲しいの」

心理定規「全自動自走型清掃機はもう動かしてるけど、高いところのほこりとかは私だけじゃ取れないのよ」

白垣根「だから身長高い私に手伝ってくれ、と」


心理定規「そういうこと。いいかしら?」

白垣根「……ええ、その程度でしたら……そうだな……」

心理定規「え、条件つくの?」

白垣根「……やっぱり、友達になってもらうのが条件ですね」ゲスガオ

心理定規「……ふん、女に手を貸してあげることもできない男の友達になんかなれないわよ」

心理定規「もういい……私との心の距離を縮めさせてもらうから……」

心理定規「単位距離15ってとこかしら」

心理定規(彼も可愛さ余って憎さ百倍タイプだろうからあまり使いたくはなかったんだけど……)

心理定規(まあ、殺す殺さないって場面じゃないし、いいかな)


心理定規「……どうよ」チラ

白垣根「別に害意があるわけではないんですけどね……」アハハ…

心理定規「まるで効いてないのかしら……」

白垣根「いえ、割と効いてますよ」

心理定規「……じゃあどう? やらない?」

白垣根「どうやら私は相手とどんなに親しくても願望を聞くか否かは気分によるところが多いみたいですよ」

心理定規「つまり?」

白垣根「条件つきです」ニッコリ

心理定規「うわぁ、敬語なのにムカつくわね……」


白垣根「褒め言葉をありがとうございます」

心理定規「ど、どういたしまして」

白垣根「おや、面白くないですね」

心理定規「面白くなくて結構よ」

心理定規「じゃあ、そろそろ掃除はじめるから」チラ

白垣根「どうぞ」

心理定規「はじめるわよ」チラ

白垣根「あの……勝手にはじめていいですよ」

心理定規「……ちっ」ブンッ


白垣根「女の子が人の顔に雑巾を投げ付けながら舌打ちをしていたら嫌ですね」パシッ

心理定規「……」フキフキ

白垣根「無視ですか……」

心理定規「話をしてあげるってのは掃除とセットだから」

白垣根「そうですか。思っていた以上に手厳しいですね」

心理定規「そんなことないわ。ゆるゆるよ」フキフキ

白垣根「では、私も少し黙るとしましょう」

心理定規「……」ギュー フキフキ

白垣根「……」ジー

心理定規「……」


心理定規「ねえ」

白垣根「……なんですか?」

心理定規「見てるだけなら帰って欲しいんだけど」

心理定規「いるんだったらせめて話すか掃除するかしなさいよ」フキフキ

白垣根「……」クスッ

白垣根「焦らされるのが苦手なんですか?」

心理定規「なぜそんな質問から入るのかしら!?」ボト

白垣根「話せと言われたので」


白垣根「かつて私が言った言葉を覚えていますか?」

心理定規「カラーの方ね」

白垣根「ええ」

白垣根「女の落とし方、焦らすこと、以上……でしたっけ」

心理定規「ああ、そんなこと言ってたわね」

心理定規「まだ知り合ってすぐの頃だったから、こいつ頭おかしいのかって思ったけどね」


白垣根「実際にある程度おかしいですよ。レベル5に普通の頭を求めるのは違うと思いますし」クスクス

心理定規「なるほど、それなら白いリーダーもおかしいってことかしら?」

白垣根「まあ、そうなりますね」

ここまで
たくさんの期待に応えられるよう、頑張ります


心理定規「……さてと、次は窓の掃除かな」ガサゴソ

白垣根「何を探してるんです?」

心理定規「クイックルワイパー」

白垣根「え?」

心理定規「私の身長じゃ上まで届かないから、雑巾を先にくっつけて拭くってわけ」

白垣根「なるほど、考えますね……」

心理定規「手伝ってくれない白いリーダーにそんなこと言われてもね」ゴシゴシ

白垣根「は、はぁ、気に障ったのならすみません」


心理定規「別に。正直一人で黙々と掃除するよりはマシだから」ゴシゴシ

白垣根「もしかして寂しがり屋なんですか」

心理定規「さあね」

心理定規「もし寂しがり屋だとしても暗部のガキが何言ってるんだって話じゃない」

心理定規「何人も殺してる私に同僚をなくしただけで寂しいって言う権利なんてあるわけないし」ゴシゴシ

白垣根「確かに言っている通りですね」

心理定規「でしょう? だから私は別に寂しいなんてことは……ないわ」ゴシゴシ

心理定規「まあ、でも、白いリーダーが帰っちゃったら面白くはないけどね」チラ

白垣根「……白だけに?」


心理定規「……大丈夫?」

白垣根「すみません、調子乗りました」

心理定規「そ。それがノーマルじゃなくて良かったわ」

心理定規「っていうか、焦らすのもいいけど、いつになったら掃除手伝ってくれるのかしら?」

白垣根「クイックルワイパーなら探してきましたよ」スッ

心理定規「……へぇ、そこまでして手伝いたくないのね」イライラ

白垣根「雑巾までつけて渡したのですから感謝されることはあれど、苛立たせることはないと思うのですが」

心理定規「……じゃあ、ありがたく受け取っておくわね」ハァ


キュッキュッ

白垣根「ええ、素直な女性の方が私の好みですね」

心理定規「あなたの好みなんてどうだっていいわ」

心理定規「でも、私は少し闇があるくらいの男が好きかしらね」

心理定規「時々黙って普段はしないような表情して何か考え込んでる、みたいな?」

白垣根「それはたぶんマンガとかアニメとかの見すぎです」


心理定規「そういうのはリーダーの方が見てたでしょ」

白垣根「今は子供用の教育番組やアニメしか見てませんよ」

心理定規「え? つまり白くなったことにより、趣味が幼児化したってこと?」キュッキュ

白垣根「いえ、今私が付き添いをしている女の子の趣味ですよ」

心理定規「付き添い? 白くなったら慈善団体みたいなことしないとならないの?」

白垣根「いえ、彼女のそばにいるのは完全に私の意志です」

心理定規「へぇ、自分の意志でね」

白垣根「贖罪ですけど」ボソ

心理定規「何か言った?」

白垣根「いえいえ、なんでもないです」


心理定規「にしても、自分の意志で付き添いかぁ」

白垣根「何ですか?」

心理定規「いや、白いリーダーを尻に敷くことができる女の子とか興味あるなーって思っただけよ」

白垣根「尻に敷かれるまではいってませんよ」

白垣根「ただ、彼女のいいお姉さんの代わりになれればいいなと思ってますよ」

心理定規「いいお姉さん……?」

白垣根「ええ」


心理定規「ねぇ、私その子に会ってみたいんだけど」

白垣根「え……」

心理定規「もちろんタダでとは言わないわ」

白垣根「……しかし、周りにはアイテムの皆さんもいますよ?」

心理定規「え、そんなにすごい子なの?」

心理定規「厳重警戒じゃない」

白垣根「見たら分かりますよ」

心理定規「……ということはオッケーってこと?」

白垣根「ええ。彼女に知り合いがふえるのはいいことですし、あなたが少し暴れても私がいれば問題ありません」


心理定規「アイテムはどうするの? 私を見たら麦野沈利辺りがキレだしそうだけど」

白垣根「彼女たちが居ないときに会わせてあげますよ」

白垣根「確かに面倒臭そうですし」

心理定規「そ、じゃあ今日は掃除しちゃいましょう」

白垣根「私は手伝いませんよ」

心理定規「もう諦めてるわ」


白垣根「……やっぱり手伝いますよ」バサッ

心理定規「え?」

白垣根「面白い反応がないと焦らしても意味が無いですから」

心理定規「……ふーん」

心理定規「じゃあ、これで高いところお願いね」スッ

白垣根「了解です」バサッ

心理定規(似てるわね……)

心理定規(前の彼と)

ここまで
乙ありです


…………………………
……………

心理定規「お疲れ様」ポイッ

白垣根「差し入れですか?」

心理定規「そう。ヤシの実サイダーよ」カシュッ

ゴクゴク

心理定規「うん、おいしい」

白垣根「……ヤシの実サイダーですか……」カシュッ

ブシャアアアアアアア!

白垣根「……」グッショリ

心理定規「ふふっ……本当に引っかかるなんて」グッショリ


白垣根「……あなたもびしょ濡れですけど……」

心理定規「そこは仕方が無いわ」

心理定規「だって逃げたら怪しいでしょ?」

白垣根「……」ハァ

心理定規「何ため息ついてるの? これはリーダーが一番最初にやり始めたことでしょう?」

白垣根「心当たりがないですよ……」

心理定規「新人への洗礼みたいなものだって言ってたけど」


白垣根「そんなバカみたいなことしてましたっけ」

心理定規「してたわ。さってと、ベタついてかなわないからシャワー浴びてくるわね」

白垣根「どうぞ。私は一旦体を解体して作り直しているので」

心理定規「え?」

白垣根「なにかおかしなことでもありましたか?」

心理定規「なるほどね。その体は未元物質でできてたってわけか」

心理定規「そうよね……元の体はあんなにボロボロになってたんだから治せるわけもないか……」

白垣根「シャワー行かないんですか?」ドロドロ

心理定規「ひゃあっ!! いいっ、行くわよ!!」ダッ


白垣根「……やっぱり驚かれましたねぇ……」

白垣根「体と衣類を再構築……」ゾゾゾ…

白垣根「こんな感じですかね」

白垣根「さてと、ヤシの実サイダー飲みますか……」スッ

白垣根「あれ……どっちだ?」


心理定規「ふー、スッキリしたー」ホカホカ

白垣根「……」ズーン

心理定規「そんなところで体育座りしてどうしたのかしら?」

白垣根「ああ、出たんですね……」

心理定規「……すごいテンション低いけど何かあったの?」

白垣根「ええ……どっちが私のヤシの実サイダーか分からなくなってしまって」ハァ

心理定規「……あら、本当だ。でもどっちでもいいでしょ」パシッ

ゴクッゴクッ…

心理定規「ふーっ、やっぱお風呂上がりはこれよね」プハー


白垣根「え、そっちがあなたのなんですか?」アセアセ

心理定規「さあ?」

心理定規「でも今更そんなことグダグダ言うような仲でもないでしょ」

心理定規「それとも白だから関係リセットってことかしら」

白垣根「……いえ、これが友達になる試練だとしたら私は乗り越える」ゴクゴクゴクゴク

白垣根(飲んでしまった……)カアアアッ

心理定規「試練? 何のことやら……」

白垣根「……」ゲフッ

心理定規「……炭酸飲料の一気飲みはダメね」

白垣根「……ですね」


心理定規「ぷはー、もう空っぽね」

白垣根「奇遇ですね。私のも空です」

心理定規「じゃあ帰るついでに捨てて来ようかしらね」

白垣根「その前に連絡先を」スッ

心理定規「……女の子から連絡先をもらうのはカラーのリーダーの方が上手だったかもね」スッ

白垣根「そんな上手さは不要ですよ。女性と遊ぶつもりもないですし」

心理定規「いや、彼もそんなに遊んではなかったけどね」


心理定規「とりあえず、はい携帯」

白垣根「はい、登録ですね」

ピッ

心理定規「白いリーダーっと……」ポチポチ

白垣根「心理定規さんっと」

心理定規「にしても、ケータイ変えてたのね」

白垣根「まあ……ズタボロで研究所入れられた際に身ぐるみ剥がされましたからね」

心理定規「ふーん、知らないところで結構苦労してたってことか」

心理定規「その辺、白いリーダーも気をつけた方がいいかもね」

白垣根「……ですね」


心理定規「じゃあ今度こそ家帰りましょう?」

白垣根「はい。そろそろお迎えの時間ですし」

心理定規「さっきの子の?」

白垣根「ええ。今日は私が彼女を迎えに行く日なんですよ」

心理定規「ふーん……」

心理定規「つまりアイテムの面々はいないってこと?」

白垣根「まあ……そうですね」


心理定規「ふむふむ……ねぇ、ついて行っていいかしら?」

白垣根「……」

白垣根「……本人に聞いてみてからでいいですか?」

心理定規「ええ。嫌っていうならやめておくわ」

白垣根「それなら……」ポチポチ

ここまでです
乙ありです!


心理定規(スクールのリーダーで、私の仲間だった垣根帝督は全てが真っ白になって記憶も曖昧になって戻ってきた)

心理定規(昔とは全然違うみたいだけど)

心理定規(……根っこのとこは変わってないらしい)チラ


白垣根「心理定規さん、会いたいって言ってましたよ」

心理定規「あらら、それはきちんと言っておかないとダメよ、知らない人に会うのは危険だって」

白垣根「あはは……そうですね。でも今回は私がいるんで」

心理定規「へぇ、信頼されてるんだ」

白垣根「……ええ……私のことは信頼するなって言ってるんですけどね」
心理定規「そう」

白垣根「早速行きましょうか」

心理定規「そうね」


………とある小学校………

白垣根「……うーん、まだ6限終わってなかったみたいですね」

心理定規「え、じゃあ待たなきゃならないってことー?」

白垣根「そうなりますね……すみません」

心理定規「別にいいわ。勝手についてきたんだし」

白垣根「あ、じゃあ、前の私の話でもしてもらえますか?」

心理定規「はあ、仕方がないわね……」

心理定規「でも友達にはならないから」

白垣根「友達の定義って何なんだろう……」


心理定規「二人で話が続けられる……かな?」

心理定規「あと、あだ名で呼び合えるとか?」

白垣根「ふむふむ……なら、私とあなたは友達ですね」

心理定規「さらりと私を友達にしないでくれるかしら?」

白垣根「……なかなか厳しいですね」

心理定規「ふん、初めから女の子に手を貸せない人と友達になってあげるほど優しい女じゃないの」

白垣根「結構根に持ちますね」ピッ ガコン


心理定規「あら? 飲み物で釣ろうとしてるの?」

白垣根「いえいえ、そんなんじゃないですよ」

白垣根「飲み物でも飲みながら話そうかと」

心理定規「ふーん?」

白垣根「好きなんですよね? これ」ポイッ

心理定規「……振ったのは自分で飲んでください」スッ

白垣根「……仕返しは不発ですか」パシッ

心理定規「当然。できる女は二度同じ手は食らわないの」スック


カツカツ

心理定規「でも、まあ……」ピッ ガコン

心理定規「こんなところでドロドロになられても困るから、はい」スッ

白垣根「いちごおでん……?」

心理定規「そ、私のお気に入り」カシュッ

白垣根「そう言いながらあなたはヤシの実サイダーを飲むんですか……」

心理定規「あなたもヤシの実サイダー飲みたいなら持ってるやつ飲めばいいでしょ?」ゴクゴク

白垣根「いちごおでんでいいです」カキッ ゴクッ

白垣根「……いまいちですね」

ここまで
寝落ちすみません!


……………………
………

キーンコーンカーンコーン

心理定規「あ、終わったみたいね」

白垣根「でしたらもう来ますよ」

心理定規「そうなの? HRとかあるでしょ?」

白垣根「彼女のクラスは基本的に給食時間にやってしまうそうで……あっ」

心理定規(来たのかしら)ヌッ


「かーぶーとーむーしー!!!」タタタッ

心理定規「カブトムシ?」

白垣根「彼女の前での私の基本形態です」

心理定規「へぇ、カブトムシねぇ」

心理定規(目立たずに彼女を守る術ってことかしら)

白垣根「フレメアさん、今の私はカブトムシじゃへぶっ!!」ドスッ

フレメア「にゃー、今日は人間型なんだ」

白垣根「ええ、まあ……」


心理定規「この子がさっきのでいいかしら?」

白垣根「ええ。フレm」

フレメア「私はフレメア=セイヴェルンだ! にゃー!!」

心理定規(なるほど、フレンダの妹ってわけか……)

心理定規「私は心理定規。よろしくね」チュウゴシ

フレメア「大体、カブトムシの知り合い?」

白垣根「いえ、友d」ボコッ

心理定規「知り合いだよ」ニコ

フレメア「へえ、じゃあ私の方が先に友達になっちゃうぞー!!」

心理定規「そうだねー」ニコニコ

白垣根(女は怖いとは本当だったんですね……)


心理定規「フレメアちゃん、お姉さんと少し話してかない?」

フレメア「いいだろう! 大体、心理定規のおごりだけどね」

心理定規「仕方がないな。でも白いリーダーは自分で払ってね」

白垣根「いえ、全部自分が払いますよ」

白垣根「印象良くするために」

心理定規「それ言っちゃダメでしょう」

白垣根「あ……」

フレメア「大体今日のカブトムシは調子悪いね? どうかした?」

白垣根「いえ、いつも通りですよ」ニコ


………ハンバーガーショップ………


心理定規「えー、算数が苦手なの?」

フレメア「にゃあ……大体、数字がごちゃごちゃしてて気持ち悪いの」

心理定規「あー、それは分かるわ。私も算数苦手だったし」

フレメア「にゃあにゃあ!! 大体、国語とかの方がよっぽど簡単だし!」

心理定規「そうよねー。国語の簡単さに比べて数学の面倒さは筆舌に尽くしがたいわ」

白垣根「数字は面白いですよ?」

フレメア「大体、それはリケイノーってやつだから」

心理定規「私たち文系には理解できない領域の話ね」

白垣根「ちゃんとやれば面白いのになぁ……」


心理定規「っていうか白いリーダーの場合は生きるために高度な数学が必要ってだけでしょ?」

白垣根「……否定はしません」

フレメア「にゃー、カブトムシー」

白垣根「はい?」

フレメア「大体、小腹がすいた!」

心理定規「もう少しだから、我慢だよ」

白垣根「……未元物質食べますか?」

心理定規(アンパンマンを思い出してしまった……)


店員「次の方、どうぞ―」

フレメア「にゃにゃー!! 私たちの番だ!」

白垣根「二人は何にします?」

心理定規「私はフレンチサラダとドリンクでいいわ」

フレメア「にゃ、にゃー……大体……ラッキーセットでいいよ」

白垣根「またおもちゃですか?」

フレメア「にゃー!! 流行りにも乗れない女の子は死ぬ運命だ」

白垣根「はあ……そうですか」

心理定規「あなたも苦労してるのね……」

白垣根「でも、充実しているので」

心理定規「ふーん」

ここまでー!


…………………………

ゴクゴク

フレメア「ぷはー!」

白垣根「初めにそんなに飲んでしまったら後で足りなくなりますよ」

フレメア「にゃ、にゃー……その時はカブトムシに分けてもらうから」

白垣根「……今はカブトムシじゃないんですけどね」アハハ…

心理定規(……昔は私があの立場だったんだけどなぁ……)


………………………
……………

垣根「んで? 暗部新人ってわけかー」

心理定規「……」

垣根「固まってんなぁ……」

垣根「緊張しててもいいことねぇよ?」

ポイッ

心理定規「えっ?」パシッ

垣根「それやるよ。ヤシの実サイダー」

心理定規「ヤシの実サイダー?」

垣根「そう。俺のお気に入りな」カシュッ

ゴクゴク

垣根「やっぱりうまいわ」

心理定規「……いただくわね」

垣根「おうおう」


心理定規「……」カシュッ

ブッシャアアアアアア!!

心理定規「……」グッショリ

垣根「くくっ、どうだ?」グッショリ

心理定規「何のつもりかしら」

垣根「新人への洗礼ってとこだな」

心理定規「あなたも濡れてるじゃない」

垣根「これはお前を信じ込ませるために必要な演技だよ」


垣根「どう? 気分は」

心理定規「うーん、少しムカついたから仕返ししてあげるわ」

垣根「へえ、おっかないもんだ」

垣根「ま、これから復讐もいいけど……」

垣根「とりあえずは仲間としてよろしくな」スッ

心理定規「……よろしく」ギュッ


(だけど、彼はもう私の隣にはいないし、仲間でもない)

(彼には別に守るべきものがあって、隣には違う子がいる)

(充実している、と言っていた)

(彼の中に私の居場所はもうない)


フレメア「にゃー? どうしたの?」フリフリ

心理定規「ううん、何でもないわ」

白垣根「ですが、全然減ってないですよ?」

心理定規「うーん、食欲があまりないの」

心理定規「せっかく奢ってくれたのにごめんね」

白垣根「いえいえ、大した額でもないですし」

心理定規「今から食べるわ」

白垣根「え? 無理しないでくださいね?」

心理定規「あら、心配してくれるなんてポイント高いわね」

白垣根「……」フイッ


パクパク

フレメア「にゃー……野菜好きなの?」

心理定規「違うわ。算数と同じくらい嫌いかな」

フレメア「じゃあ、なんで?」

心理定規「美容のためよ。あと、健康の為もあるかな」

フレメア「なるほど!! にゃー」

白垣根「あなたもかわいさキープの為に野菜を……」

フレメア「だ、大体、私は野菜嫌いじゃないから……ってか、ちゃんと食べてるし!」

フレメア「にゃにゃー!!」


心理定規「さってと、ごちそうさま、白いリーダー?」

フレメア「にゃー」ツンツン

心理定規「どうしたの?」

フレメア「大体、どうしてカブトムシのことを白いリーダーっていうの? にゃー?」

心理定規「うーん、私が所属していたチームのリーダーにそっくりだからかな」

心理定規「で、色が白いから白いリーダー」

フレメア「へえ……」


心理定規「ねえ、フレメアちゃんを寮まで送るんだよね」

白垣根「ええ」

心理定規「同行させてもらってもいいかしら」

フレメア「にゃ!! 心理定規も一緒に帰れるの?」

白垣根「……」

フレメア「帰れるんだよね?」

白垣根「仕方がないですね……」


………とある小学校・寮………


白垣根「はい、到着」

フレメア「にゃー、歩いた歩いた」ヘロヘロ

白垣根「お昼寝の時間ですかね?」

フレメア「大体、そんな子供じゃないんだけど」

白垣根「ははっ、それじゃあ、また明日」

白垣根「忘れ物チェックは二回ですよ?」

フレメア「にゃにゃにゃー! 分かってるからー」

フレメア「それじゃ、ばいばい、カブトムシ、心理定規!!」タタタッ

心理定規「ばいばーい、フレメアちゃん」


白垣根「……」

心理定規「……」

心理定規「ねえ、この後、時間あるかしら?」

心理定規「もし良かったらなんだけど、どこか寄らない?」

白垣根「今日はもう予定はないですよ」

心理定規「それは良かった」

白垣根「にしても奇遇ですね。ちょうど私もあなたのことをお誘いしようと思っていたところなんですよ」

心理定規「そ。じゃあ移動しましょう?」

心理定規「ここだとなんだし」

白垣根「ですね」

今日中に全部投下します
とりあえずはここまで

心理定規とてーとくんのイチャラブ生活見たいです…


………第七学区・大橋………


心理定規「……やっぱりここからの景色は最高ね。学園都市の縮図を見てるみたい」

白垣根「唐突になんですか? センチな気分になってるんですか?」

心理定規「……うるさいわね。センチな気分になってたって仕方がないでしょう?」

心理定規「今日は色々あったんだから」

白垣根「では、どうして私を誘ったんですか?」

心理定規「……」チラ

心理定規「友達になってもいいかなって思っただけよ」

心理定規(もう、私じゃ昔みたいに彼の横に立つことはできないみたいだし)

心理定規(……仲間にもなれない。なら、友達でいい)

心理定規(フレメアちゃんを見たら諦めがついただけの話)


白垣根「……ははっ、それは無理ですよ」

心理定規「は? また焦らすとか言い出すのかしら」

白垣根「いえ。私がもうそれでは納得できないんです」

心理定規「え……? どういうこと?」

白垣根「本当は客観的に見た昔の自分ではなくて、昔の自分の横にいた少女を追っていたんですよ」

白垣根「つまりあなたです」ジッ

心理定規「嘘でしょ? もう心の距離は戻しているんだけど……?」

白垣根「急に近くなってはダメですか?」

白垣根「心の距離」


心理定規「だ、ダメに決まってるじゃない」

心理定規(私の努力が無駄になる)

白垣根「……」

心理定規「あなたにはもう守るべき人がいるんでしょう?」

心理定規「私はあなたが、いえ、カラーのリーダーがいなくなった時に、その隣を歩く権利は返上したの」

心理定規「そして今その権利を持ってるのは私じゃない。その上、あなたに優しくされる権利なんて私にはないのよ?」

白垣根「権利ってそんなに大事ですか?」

白垣根「そんな言葉で隠さないで、本心で答えてくださいよ……」

白垣根「どう思っているのかを」


心理定規「……好きよ。言うまでもないわ」

白垣根「それは昔の私の次点で、ということですか?」

心理定規「ううん、今はあなたがトップ」

心理定規「だけど、こんなにすぐ好きになったのはたぶん彼のせいかな」

心理定規「だからこそ、あなたといると彼のことが蘇って辛いの」

心理定規「またあの時と同じように突然失うのかもしれないって怖いの」

心理定規「あの子にはそんな思いを知って欲しくないし」

心理定規「私ももう二度とそんな思いはしたくない」

心理定規「それくらいの覚悟もできない私にはあなたの隣にいる権利はない」

心理定規「……って言い訳つけないと気持ちを我慢できないよ」


白垣根「……我慢しないでください」

白垣根「権利なんて必要ないですから。言い訳もいりません」

白垣根「ただ……気持ちのまま接して欲しいだけです」

心理定規「嫌よ。一回我慢やめたら、もうズルズル行っちゃう」

心理定規(彼が負け、失踪したこともなんとか割り切って、白い彼の隣に別の子がいるのも我慢した)

心理定規(それが全て無駄になる)


ギュッ

白垣根「まだ我慢するんですか?」ボソ

心理定規「やめてよ……」

心理定規「こんなの無しでしょ……」

白垣根「……」

心理定規「あの子はどうするつもりなの? 放っておくの?」

白垣根「彼女は一人前になるまで見守るつもりです」

白垣根「しかし、あなたのことは一生見守る、いえ、寄り添っていきたい」

心理定規「……一生、ね。今言われても軽いかも」

白垣根「そうですか? 二度も私はあなたに恋をした」

白垣根「それだけ私そのものにとって大切な人なんですよ」


心理定規「はぁ……私の負けね」ギュッ

心理定規「我慢するのも馬鹿馬鹿しくなっちゃったわ」

心理定規「あなたにそこまで言わせるなんて光栄の極みだし」

白垣根「……良かった」

心理定規「でも、条件ね」

白垣根「何なりと」

心理定規「突然私の前から消えないで」

白垣根「……」

心理定規「もし消えるなら、ちゃんと言って。じゃないと割り切るのにも苦労するの」

白垣根「もう、消えませんよ」

心理定規「……そう、約束を破るのは許さないからね」

白垣根「分かってますよ」


白垣根「……」

心理定規「……」

白垣根「えっと……付き合っていただけるということでいいですか?」

心理定規「違うでしょ?」

白垣根「……」ゴクリ

白垣根「恋人になりませんか?」

心理定規「……よろしくお願いします」チュッ


白垣根「っ!!」カァ

心理定規「へえ、未元物質でも顔赤くなるんだね」

白垣根「び、びっくりしただけです」フイッ

心理定規「そう?」

白垣根「……今日はどうします?」

心理定規「暇だって言ってたし、家で手料理振舞おうか?」

白垣根「え、良いんですか」

心理定規「もちろん」

心理定規「私は焦らすのは苦手だからね」



~~~終われ~~~

おしまいです。
短い間ですがお付き合いありがとうございます。

どうしても最後がうまく書けないのはご愛顧ということで……

ラストを書くのがとてつもなく下手なのでアドバイスがあれば、お願いします……


………スクールのアジト………


心理定規「ただいまー」ガチャ

白垣根「あれ、ここは……」

心理定規「スクールのアジトよ」

白垣根「そ、そうですが……」

心理定規「ここがわたし達の原点でしょ?」

心理定規「カラーのリーダーともあなたともここで初めて出会ったんだもの」

心理定規「それに、ここで苦楽を共にした」

心理定規「家と言っても過言じゃないと思ったんだけど」

白垣根「……そうですね。確かにそうだ」


心理定規「少しショックだったかしら?」

心理定規「嘘ついちゃってごめんね」

白垣根「……いえ、いきなり男を部屋にあげるなんて無用心ですし、正しい判断かと」

心理定規「……そんなことは判断基準に入ってないわ」

心理定規「別にあなたをうちに呼んでもよかったんだけどさ」

心理定規「やっぱりこの記念すべき場所であなたと初めて夜を過ごすことに意味があるのかなって」

心理定規「そう思うの」ニコッ


白垣根「は、初めての夜!?」

白垣根「こ、ここっ、心の準備がまだ追いつきません……」

心理定規「え……?」

心理定規「っ!!」カァ

心理定規「な、何言ってるのよ!」ブンブン

心理定規「違うから! ち、違うんだから!!」

心理定規「そういう意味じゃなくて……」

心理定規「あなたのことをもっと深く知りたいってだけ……あなたともっと長く話したいなって思っただけよ!」フイッ

白垣根「……」クスッ

白垣根「それは私も同じですよ」


白垣根「あの頃はプライベートに突っ込むのはタブーでしたからね」

心理定規「そうだったわね……」

心理定規「よくそれで好きだとか思ってたもんね……」

心理定規「見えてるのは相手のほんの一欠片に過ぎないってのにさ」

白垣根「惹かれるって理屈じゃないですからね」

心理定規「……え?」

白垣根「リケイノーでしたっけ?」

白垣根「そんな私には到底納得などできなかったですよ。理屈じゃないなんて」

白垣根「しかし、自分できちんと感じてみると分かるものです」

白垣根「ああ、確かにこれは理屈とか数の問題じゃないんだなって」


心理定規「へえ、リケイノーの理屈至上主義をも屈服させる力を持ってるのね……」

白垣根「屈服、ですか?」

心理定規「ええ、屈服以外の何物でもないわ」

心理定規「って、話してないでさっさとご飯作らなくちゃね」スック

白垣根「ふふ、あなたとならいつまでも話していられますけどね」

心理定規「ダメよ、女はある面ではバカだけど、ある面では賢いんだから、そんな言葉を使ってると逃げられるわよ?」

心理定規「まあ、私は逃げる気はないけどね」ニコ

白垣根(……どうしてかこの笑顔には弱い)フイッ

白垣根「……私も離す気はありませんから」

やる気が続く限り書いてみることにしましたー。
甘々なのが苦手な方は退場を……


心理定規「……何食べたい?」

白垣根「あな……」ゲフンゲフン

白垣根「では、肉じゃがで」

心理定規「へぇ、ド定番ね」ゴソ

白垣根「別の物の方がいいでしょうか?」

心理定規「ううん、定番を押さえるのも私の技量を判断するにはいい手だと思うわ」

白垣根「ぎ、技量!?」

心理定規「ええ。料理のうまさは今後付き合っていく上で重要でしょ?」

白垣根「……買ってきた材料だけで作れそうですか?」

心理定規「うん、作れるわね」


白垣根「じゃあ私は米といで、味噌汁でも作ってますね」

心理定規「うん、お願いするわ」

白垣根「魚も焼いときますか?」

心理定規「いえ、あなたはお米とお味噌汁で十分よ」

心理定規「あとは私がぱぱっと作るからさ」

白垣根「でしたら……お風呂掃除でもしましょうか?」

心理定規「ええ、ありがとう」

心理定規「すごい助かるわ」


心理定規(うーん、感情は一通り理解してたはずなんだけどな)

心理定規(こう、次々と新たな感情ばかり感じるとまだまだなのかもしれないって痛感するわね)

心理定規(……恋は人を変える、か)

心理定規(私も彼に釣り合うよう頑張らなくちゃ)


シャコッシャコッ

白垣根「……」

心理定規「……ねえ、あなた」

白垣根「はい?」

心理定規「腕まくる必要あるの?」

白垣根「そりゃ……ぐしょぐしょしてると気持ち悪いですし」

心理定規「……未元物質は?」

白垣根「……」ジッ

白垣根「決めたんですよ」


白垣根「私もあなたと共にいるのだったら、もう少し未元物質使用率を下げることを」

心理定規「え? どうしてかしら?」

白垣根「私が人間らしいほうがいいでしょう?」
心理定規「人間らしい?」
白垣根「お風呂に入る、食べ物も食べる、睡眠をとる……などなどですね」

白垣根「そういう事をあなたと楽しんでいきたいですから」

心理定規「……そっか、でも無理して、未元物質の扱いがなまったりしたら意味ないんだからね」

白垣根「使うときは使いますよ。容赦はしない性格ですから」

心理定規「……うん、そうだったわね」

ここまでー!


白垣根「ところで、肉じゃがの進捗状況はどうです?」

心理定規「あとは煮込むだけよ」コトコト

白垣根「……いい匂いですね」クンクン

心理定規「ふふーん、相手の懐に潜り込むための術はいくつも用意してるからね」

心理定規「今回のは男の胃袋をつかむテクニックよ」

白垣根「いわゆる女子力ってやつですか?」

心理定規「そうね、女子力はあるほうだと自負してるわ」

白垣根「……でしたら私も男子力付けなくてはですね」

心理定規「男子力って何?」

白垣根「優しさ?」


心理定規「うーん、掃除手伝えないのに?」

白垣根「え、ええと……あれは……」

心理定規「ん? あれは何なの?」クビカシゲ

白垣根「……好きな人にはちょっかいをかけたくなってしまう心理ですよ」カァ

心理定規「そう……そっか」

白垣根「……怒ってましたか?」

心理定規「ううん、そんなことないわ」

心理定規「でも、これからは優しくしてくれると嬉しいな……なんてね」

白垣根「ええ。今まで一人にしてしまった分も……必ず」

心理定規「っ~!!」カァァ


心理定規「ご、ごほん、あなたのお味噌汁の進捗はどうなの?」

白垣根「……何が好みかわからなかったので無難になめことネギを入れてみましたよ」

心理定規「え、なめこって無難かしら?」

白垣根「当然ですよ。鉄板中の鉄板、定番でしょう?」

心理定規「そうなの……かな?」

白垣根「ええ。もしかして、苦手だったりします?」

心理定規「それはないけど……」

心理定規「……でも、ありがとう」

白垣根「いえ、大したことではないので」


心理定規「さてと、一通り完成っと」

白垣根「和食って感じですね」

心理定規「ええ。ほうれん草ともやしのおひたしも作っといたからね」

白垣根「バランスもバッチリですか」

白垣根「最近はファストフード尽くしで
したから、こういう食事は久しぶりです」

心理定規「……私と付き合ったからにはそれなりにバランスの取れた食事を提供するつもりよ」

心理定規「あなたの場合、健康とか関係ないんだろうけど」

白垣根「心の健康です」

白垣根「あなたが私の体を思って料理を作ってくれると考えるだけで元気になれるんですよ」

心理定規「……そ、そう」フイッ

ここまでです。
気づいたらいつも同じありえねーだろというカップリングを書いてしまっている自分がいる……


白垣根「ところで、一つ突っ込みたいところがあるのですが……」

心理定規「ん? 何かしら」モグモグ

白垣根「食事を提供するわ、ということはもしかして……」

心理定規「もしかして何よ、焦れったいわね……」


白垣根「……同棲するということですか?」


心理定規「え、ええっ!?」アセアセ

心理定規「落ち着いて、私……」スーハー

白垣根「どうなんですか?」


心理定規「あなたが望むならいいけど……」チラ

白垣根「い、いいんですか?」

心理定規「なんだかんだ言って、付き合いは長いし、あなたのことはかなり信用してるからね」

心理定規「何より……あなたのことが好きだし」フイッ

白垣根「…………したいです。同棲」

心理定規「そう……実は私もそうだったわ、なんて言ったら重いかな?」

白垣根「いえ、むしろ私が重くないか心配です」

白垣根「あなたに執着しすぎている気がするので……」

心理定規「それが恋人ってものじゃない?」

心理定規「でも、あなたは重くないけどね」


白垣根「そうですか?」

心理定規「そうよ」パクッ

心理定規「でも、少し重いくらいでもいいかも」

白垣根「……誉望さんとあなたが話している時、私がどう思っていたか知ってましたか?」

心理定規「誉望くん? なんで?」

白垣根「昔の私とあなたの共通の知り合いかつ男性ですから」

心理定規「……嫉妬してたの?」

白垣根「……」モグモグモグモグ

心理定規「ふふっ、そっか……」

心理定規「そうなんだ」ニヤニヤ


白垣根「…………明日にでも生活に必要なものを買いにいかないとですね」

心理定規「あら? 話そらすの?」

白垣根「言ってて恥ずかしくなってきたので」

心理定規「じゃあ乗ってあげる。初デートね」

白垣根「ええ、デートです」

心理定規「……んふふ、初デートかぁ……」

白垣根「どうしたんですか?」パクパク

心理定規「んー? あなたと二人きりで出かけるなんてよくよく考えたら初めてでしょう?」

心理定規「だからどんなことして、どんなとこ行って、どんなあなたが見られるのかなって楽しみなの」モグモグ


白垣根「そうですね。新しい面が見れるのかな、と考えるとワクワクしますね」

心理定規「私は謎系だもんね」

白垣根「謎系?」モグモグ

心理定規「ミステリアスな感じが売りでしょう?」

白垣根「ふふっ、私から見たら、昨日告白した地点で既にミステリアスさは消失してましたよ」

心理定規「え、嘘……」パクッ…

白垣根「いつも隣にいたはずの好きな男が突然消えてしまい、再び現れたと思ったら別の子が隣にいて、彼は楽しそうにしている」

白垣根「それに嫉妬しつつも、身を引くことを決めた……だけど我慢してたところを解き放たれてしまう」

白垣根「そこまで私……垣根帝督のことを好いていてくれたことが知れただけで私は嬉しかったです」

心理定規「むぅ……あの場面で我慢しないなんてただのわがまま女じゃない」


白垣根「自分が好きな人が自分に甘えたい、隣にいたいとわがままを言ってくれるなんて嬉しいじゃないですか」

心理定規「……そうかな?」カァ

白垣根「そうですよ。あなたはフレメアさんのことを気にしていたようですけど」

心理定規「そりゃ気にするわ。でも結局あなたからの愛情を我慢できなかったわけだけど……」

白垣根「愛情ですか……ちゃんとあげられてますかね?」

心理定規「この短期間でかなり貰えたわ」

心理定規「だけど……これからもたくさんちょうだいね?」ニコ

白垣根(……まずい衝動が湧いてきてしまった……危ない危ない)

ここまでー
乙ぁりです!

参考にしてみます


心理定規「デートは楽しみだしいいんだけど……」

白垣根「何か問題でも?」

心理定規「……外出た時に研究者とかに見つからないの?」

心理定規「前も思ってたんだけど、だいぶ目立つじゃない、あなたの外見ってさ」

白垣根「まあ、そうですけど、外出時は基本的にカブトムシ型なんで」

白垣根「ほら、フレメアさんも今日はカブトムシじゃないんだね、みたいなことを言っていたでしょう?」

心理定規「あ、そう言えばそうね」

心理定規「でもカブトムシとデートだとデートって感じがしない気がするんだけど」

白垣根「……」

心理定規「べ、別にあなたのカブトムシ好きを否定してるわけじゃないから!」

白垣根「何も言ってませんけどね」


白垣根「まあ、目立たなくする方法がないわけじゃないんです」

心理定規「え?」

白垣根「色を付ける方法です」

心理定規「へ? 色?」

白垣根「ええ、色です」パアッ

白垣根「うん、こんな感じですかね」コキコキ

心理定規「ちょ、完全にカラーのリーダーじゃない!!」

心理定規「色付けられるなら前から付けてればよかったのに」

白垣根「うーん、私は白いのがアイデンティティと言っても過言じゃないですし」


白垣根「それにはじめからカラーで登場したら、生き返ったの、あなた! みたいになりかねない」

白垣根「白バージョンで登場しても同じような反応したし、カラーで登場したら何が起こるか分からないものですよ」

心理定規「あー、確かに」

白垣根「ご理解いただけましたか?」

心理定規「ええ、よく理解したわ」

心理定規「ごめんなさい、あなたの個性を否定するようなこと言って」

白垣根「いえ、そんな大袈裟な……」

白垣根(前の垣根帝督ではなく、今の私自身を見てもらいたいと思ってただなんて言えませんね……)クスッ


心理定規「でも、デートの悩みも解決したわけだし、心置きなくデートできるわね」ニコニコ

白垣根「満面の笑みですね」パシャ

心理定規「ちょ、貸してそれ!」

白垣根「おおっと、何するつもりですか」ヒョイッ

心理定規「決まってるでしょ、消去よ!!」

白垣根「無理ですよ。私のパソコンに転送されてるんで」

心理定規「ちっ、これだから頭がある男は……」

白垣根「お褒めに預かり光栄です」

心理定規「……」


白垣根「おや、怒らせてしまったようです……」パクパク

心理定規「……あの写真、何に使う気だったの?」

白垣根「携帯の待ち受けかパソコンの壁紙かどちらの方がいいかな、と考えてるところです」

心理定規「それはやめて欲しいわ。私はもっといい顔できるんだから」フン

白垣根「うーん、自然な顔が良かったんですけど……」

心理定規「分かった。じゃあ、明日写真撮りまくってもいいから、その中でピンとくるのがなかったらあれ使ってもいいわよ」

白垣根「ほう、それは魅力的な条件ですね」

心理定規「でしょ?」

白垣根「ますます明日が楽しみですね……」


心理定規「ところで、もう空っぽだけど、おかわりいる?」

白垣根「そうですね……お言葉に甘えて」スッ

心理定規「ん、気に入ってもらえたかしらね?」スタスタ

白垣根「ええ。私も料理は苦手ではないんですが、味付けがどうしても大雑把になってしまうので……」

白垣根「というのは建前で、あなたが私のために作ってくれたと思うと自然と箸が動いてしまうんですよね」パクパク

心理定規「……そういうの慣れてないんだけど……」カァ

白垣根「慣れてない?」

心理定規「そう。あなたが私のために作ってくれたから美味しいみたいなのは言われ慣れてないの」

心理定規「って、こんなの私らしくないわね」アハハ…


白垣根「いいじゃないですか」

白垣根「今までの男には見せたことはなかったけど、私には見せてくれるっていう表情を探していくとか非常に燃えます」

心理定規「ご自由に燃えてください」

白垣根「おや、余裕を取り戻してしまいましたか……」

心理定規「ふん、私を攻略するのは簡単じゃないのよ」

白垣根「そう言われると意地悪したくなりますけど、ぐっとこらえて……」

心理定規「はい、ご飯」

白垣根「ありがとうございます」

心理定規「ふふっ」

白垣根「ど、どうしたんです? 突然」


心理定規「ん? ちゃんと感謝してくれるんだなーって思っただけよ」

白垣根「ちゃんと感謝してくれる……?」

心理定規「ご飯受け取った時にありがとうございますって言ったでしょう?」

白垣根「ああ、それくらいは誰でもすることですし、感心することでは……?」

心理定規「この前読んだ本にありがとうの反対は当たり前って書いてあったの。なるほどねって思ったわ」

心理定規「だから、些細なことでも当たり前って思わずに感謝してくれるっていいなぁって思っただけよ」

白垣根「……そうですか」

心理定規「だから、私も当たり前にしたくないから感謝するわ」

心理定規「……私を好きになってくれてありがとうってね」ニコッ

白垣根(いい笑顔ですね……私もこのことを当たり前にしたくないので感謝します)

白垣根(はにかんだ笑顔と感謝をありがとう、と)

ここまでー
乙を当たり前にはしたくないので、ありがとうございます

垣根「愛してる」心理定規「そう」の作者かな?
何はともあれ期待


白垣根「ごちそうさまでした」パン

心理定規「お粗末さま」

白垣根「あれ、食べ終わってたんですか?」

心理定規「ええ」

白垣根「席立たなかったんですか?」

心理定規「ええ」

心理定規「二人で食べるってそういうことでしょ?」

白垣根「待たせてしまったということですか……」

心理定規「らしくないわね。あなたと話すのも食事の一環なんだから、私が食べ終わっても私の夕食は終わりじゃないのよ」

白垣根「そうですか……」


白垣根「なんだか暖かい食卓ですね」

心理定規「……そういうの憧れるじゃない」

白垣根「ふふっ、そのあなたが考える暖かい食卓に私も含めてもらえるなんて嬉しいです」

心理定規「……む、無意識だから」カァ

白垣根(あ、今のすごく可愛い)クスッ

心理定規「な、何がおかしいのよ……」

白垣根「いえ、可愛いなって思って……」

心理定規「っ! と、突然そんなこと言わないでちょうだい」フイッ

心理定規「顔見れないじゃない……顔、絶対に赤くなっちゃってる……」


白垣根「……顔上げないと食器片付けられませんよ?」

白垣根「私も手伝いますから、一緒に片付けませんか?」

心理定規「うん、あなたが手伝ってくれるなら……」スッ

白垣根「あれ、もう赤くない?」

心理定規「……私は精神系能力者だもの」フフッ

心理定規「相手を読み取っても自分は読み取られるな、が大原則の世界なの」

心理定規「顔を赤くするなんて有り得ないわ」ドヤ-

白垣根「ふふっ……少なくとも私と一緒にいる時は非常に分かりやすいですよ」

白垣根「だからきっと、私の隣にいるあなたは一途に私のことを思い続けてくれる、可愛い恋する女の子なんでしょうね」

白垣根「だからこそ、分かりやすい」

心理定規「は、は!? ……そんなの反則でしょ……」ウツムキ


心理定規(でも、私の隣にいるあなた、だなんて……)

心理定規(また彼の隣に立つことができたってことね……)

心理定規「んふふ」

白垣根「……? どうしたんですか?」

心理定規「んー? 秘密」ニコッ


ジャ-

心理定規「ねぇ」フキフキ

白垣根「はい? 何ですか」ゴシゴシ

心理定規「今日はどうする?」フキフキ

白垣根「どうする、とは?」

心理定規「明日はデートじゃない?」フキフキ

白垣根「ええ、そうですけど……?」ゴシゴシ

心理定規「だから家帰ってちゃんとおめかししてきたいんだけど……」フキフキ

心理定規(あと、とっておきの用意もしなきゃ)


白垣根「なるほど」ゴシゴシ

白垣根「そういうことでしたら今日のところはひとまず解散ということにして……」

白垣根「いえ、やっぱり家まで送ります」ゴシゴシ

心理定規「ありがとう、だけど、途中で寄り道したいから気持ちだけね」フキフキ

白垣根「寄り道も付き合いますが……」ゴシゴシ

心理定規「ダメ。付き合いたての頃からあまりベタベタしすぎて飽きられたらやだし」フキフキ…

白垣根「……それ、本気で言ってますか?」

心理定規「本気よ。重いと思うけど、もうあなたがそばに居てくれないのには耐えられない」

心理定規「あなたが離れていくと思うだけで泣きそうなくらいに弱いの」


白垣根「……」カチャン

白垣根「こっち向いてください」

心理定規「……?」クルッ

白垣根「ん……」チュ

心理定規「!」ピクッ

白垣根「……」

心理定規「……」

白垣根「ぷはぁ……」

心理定規「っ……」


心理定規「……ねぇ」

白垣根「……はい」

心理定規「…………ファーストキスだったんだけど」カァ

白垣根「私もこの体になってからは間違いなく初めてです」コクリ

白垣根「あ、でも今日……いや、唇同士は初めてですね」

心理定規「……うん」

心理定規(舌を絡めあったわけでもなく、お互いの唾液を交換させたわけでもない、ただ唇を長く重ねていただけのキスだったはず)

心理定規(それだけだったはずなのにとても心が満たされる感じ)

心理定規(まだ彼の唇の感触が残ってる……)サワ

心理定規(なにこれ。何よこれ……)





心理定規(すごく嬉しいじゃない)ドキドキ




白垣根「ファーストキス奪っちゃってすみません」

心理定規「気にしな……ううん、あなたの唇の感触がずっと頭の中でぐるぐるしてるわ」

心理定規「……説明の義務がありそうね」チラ

白垣根「……あなたへの気持ちです」

心理定規「何? 身体が欲しいってこと?」

心理定規(違う、なんでそんなこと言っちゃうの?)

白垣根「いえ、この体じゃ性欲もあまりないんですよ」

白垣根「ただ、あなたを私だけのあなたにしたいという意味では間違えていないのかもしれませんね」

心理定規「……そう」


白垣根「私なりに分かりやすく気持ちを伝えようと思ってたのですが……」

心理定規「……」

白垣根「お気に召さなかったみたいですね」クス

心理定規(そんなこと、ない。すごい嬉しかったのに)

心理定規(ねえ、そんなに寂しそうな笑顔をしないで)

心理定規「あなた」

白垣根「はい」

心理定規「素直じゃなくてごめんね」

白垣根「ふふっ、だから言ったじゃないですか」

白垣根「私といる時はとても分かりやすいと」


心理定規「じゃあ、バレバレなのかしら」

白垣根「表情は嘘をつけないみたいですよ」

心理定規「そう……それなら少し正直になれるかも」

白垣根「ええ、隠そうとしてもバレバレなあなたもいいですが、顔真っ赤にしながら本心をさらけ出してくれるあなたはもっと可愛い」

心理定規「……うん、もっと可愛がってほしいから……」

心理定規「んっ」チュ

白垣根「!!?」カァ



心理定規「私、すっごい幸せよ」

心理定規「大好き」

ここまでー
乙ありですー!!

>>149
読んでみましたけど、ラストが切なすぎた……


心理定規「なんだか脱力しちゃった」ヘナヘナ

心理定規「やっぱり送ってもらえる?」

白垣根「ええ、喜んで」

心理定規「うまく立てないから手貸してもらえる?」

白垣根「どうぞ」スッ

心理定規「よっと……」

白垣根「よいしょとかよっこらしょとは言わないんですね」

心理定規「そんなこと言ってたらお婆ちゃんみたいでしょう?」

心理定規「私はまだまだぴちぴちの十代なの」

白垣根「ぴちぴちという言葉がもう十代のものではありませんね」

心理定規「死語ってやつかしらね?」


白垣根「……」

心理定規「黙りこくってどうしたの?」

白垣根「いえ、あなたが使う言葉が死語になっても、それでも一緒にいたいなぁと思って」

心理定規「私がお婆ちゃんになってもってこと?」

白垣根「ええ。まあ、あなたがこんな頭固い人間となんてやってけないというのならば、身を引きますが」

心理定規「やめてよ、ねちっこく執着してよ」

白垣根「あなたに嫌われてしまったとしたら、次の幸せをあなたが見つけてくれることを祈ることしかできませんよ」

白垣根「最後くらいは綺麗に別れたいものですから」

白垣根「そうしたら、彼もいい人だったよなぁって復縁を望んでくれるかもしれませんし」

心理定規「なるほどね。でも、そんなの私には耐えられないから却下かな」

心理定規「私はねちっこく執着させてもらうわ」


心理定規「っていうか、二人で喧嘩して、私があなたなんか嫌い、って言ったら諦めて離れていっちゃうわけ?」

白垣根「そんなわけないでしょう。まだ私に気持ちがあると分かる限りはいろんな方向から攻めますよ」

白垣根「あなたは私の人生において最も大事な人間なんですから」

心理定規「そ。安心したわ」

心理定規「なら、心置きなく本心をぶつけられる」ブンブン

白垣根「それは……何を投げてる様子ですか?」

心理定規「言葉」ブンブン

白垣根「では、きちんとキャッチしなくてはなりませんね。そして、投げ方、軌道、速度を解析して気持ちを探りましょう」

心理定規「うん、私もキャッチしやすいように投げるわ」


心理定規「さてと、じゃあ帰ろうかな」スック

白垣根「靴履けましたか?」

心理定規「ええ。それにしてもヒールでもあなたの身長超えられないのね」カツカツ

白垣根「これでも男の身長平均以上はあるんですよ」

心理定規「へぇ、私は平均ないかな。でも、これから成長するから」

白垣根「では、私も超えられないように未元物質で身長を盛らなくてはですね」

心理定規「ダメよ。そんなの許さないから」

白垣根「どうしてもですか?」

心理定規「ダメったらダメ。あなたが屈まないでもキスできるようにするの」

白垣根「ふふ、それは楽しみですね。その日まで盛らないで待ってますよ」

心理定規「ええ、ぎゃふんと言わせてやるわ」


カツカツ…

心理定規「んー、あっという間に夜ね」

白垣根「本格的に寒くなってきましたからね」

心理定規「ほら、星が見える」

心理定規「あれが冬の大三角形かな?」

白垣根「あれじゃないでしょうか?」

心理定規「え、どれ?」

白垣根「あれです」ユビサシ

心理定規「本当だ……」

心理定規「いつか二人で星を見に行きたいものね……」

白垣根「ロマンチックですね。でも、そういうのも悪くないかもしれません」

心理定規「でしょ?」ニコ

白垣根「っ……」フイッ


白垣根「そう言えば、いつもそのドレスで寒くないのかな、と疑問に思っていたのですが」

心理定規「このドレス?」バッ

心理定規「そうね……寒くないと言ったら嘘になるけど、おしゃれは我慢って言うくらいだし仕方が無いわ」

白垣根「……しかし、限度が……」

白垣根「私から見たら今のあなたは冬でも半袖短パンを突き通す小学生のようですよ?」

心理定規「まあ、失礼な例えね」

心理定規「彼らとは違って、私には震えてたら温めてくれる人がいるもの」

心理定規「だから気にしないわ。上着も一応持ってるし」

白垣根「それって私のことですか?」

心理定規「さあ?」


心理定規「くしゅんっ……」

白垣根「言わんこっちゃないですね」

心理定規「大丈夫よ。ただのくしゃみだし」

白垣根「とりあえず上着は羽織っておいた方がいいです。明日のためにも」

心理定規「んー、仕方が無いわね」

心理定規「着いたら温めてくれる?」

白垣根「甘えられてるんですか?」クビカシゲ

心理定規「言わせないでよ」

白垣根「では……時間が許す限り温めますよ」ポン

心理定規「やった。ありがと」


心理定規(でも、それよりも今手を繋ぎたいなぁ……)チラ

白垣根「どうしました?」

心理定規「ううん、何でもないわ」フイッ

心理定規「ただ、あなたって私のどこを好きになってくれたんだろうなって」

白垣根「どこを、ですか……?」

白垣根「初めのうち……カラーの頃はやはり謎っぽいところとその中に見え隠れする可愛さに惹かれました」

白垣根「その可愛いところを全部暴きたい、みたいな?」

心理定規「……全部なんて見せてあげないんだから」プイッ

白垣根(そういうところが可愛いということに気付いてないのだろうか)


心理定規「それで、今はどうなの?」

白垣根「今ですか? あなたを見た瞬間からどうやって落とそうかって考えるレベルの一目惚れでしたね」

白垣根「好きなところは……会話の中に時々混じってる絶妙な返しとか……って言わせないでくださいよ」

心理定規「え、もっと言ってくれていいのに」

白垣根「……顔赤くして恥ずかしがっている姿は誰にも見せたくないですね……私だけに見せて欲しい」

心理定規「……あなた以外に見せる人なんていないわ」

白垣根「ずっとそう思ってて欲しいと思うのは欲張りでしょうか?」

心理定規「私もずっとあなただけに見せたいって思うのは欲張りかな……」


白垣根「……」ジー

心理定規「え、な、なに? おかしなこと言ったかしら」

白垣根「いえ……何でもないですよ」

心理定規「……」

白垣根「……」

二人「あのっ……」

白垣根「な、何ですか?」

心理定規「お先にどうぞ」

白垣根「やっぱり何でもないです……」

心理定規「私も何でもないわ……」フイッ

二人(言えない……)

ここまでー

乙ー
>>128 他にも書いてるん?


ポツ

心理定規「ん……? 雨かしら」

白垣根「雨みたいですね」

心理定規「少し急がなきゃかな」

白垣根「やっぱり上着羽織って正解でしたね」

心理定規「認めるのは癪だけど、そうね」

ポツポツ…シトシト…ザーザー

心理定規「わわっ、通り雨?」

白垣根「……折りたたみ傘持ってますよ」カチャッ

心理定規「あ、ありがとう。準備がいいのね」

白垣根「ほら、もっとくっつかないと肩が濡れてしまいますよ。折りたたみ傘は小さいんですから」グイッ

心理定規「……うん」ポスッ

心理定規(思わず頭を預けてしまったけど、なんだか……悪くないわね)


心理定規「雨って嫌いだけど、こういうのは悪くないかも」

白垣根「……こういうのとは?」

心理定規「相合傘」

白垣根「そういうのですか」

心理定規「うん。さっき歩いてた時より距離が近くなったでしょう?」

心理定規「そういうのって些細なことだけど、すごくドキドキするの」

白垣根「ですね。あなたのいい匂いが近くにあるからかもしれません」

心理定規「私もあなたの匂いがするわ。なんだか安心できるような……」


白垣根「どうして雨が嫌いなんですか?」

心理定規「そうね……濡れるし、外を歩けないし、洗濯物はかわかないし、髪の毛なんて言うこと聞かないし」

心理定規「でも、相合傘できるだけでそのデメリット全部が気にならなくなるわ」

白垣根「恋の力とはすごいものなんですね……」

白垣根「かくいう私もあなたと相合傘してると気がかりだったことやイライラしてたこともどうでも良くなっちゃうんですけどね」

心理定規「恋の力とか、面白いことをいうわね。こっちが恥ずかしくなってくるじゃない」

白垣根「ひ、表現が見つからなかっただけですから!」

心理定規「ふふっ、いいんじゃない? 恋の力」

心理定規「純粋な感じがして胸にストンと落ちたわ」


白垣根「純粋ですか……私とは縁がない言葉ですね」アハハ…

心理定規「そう? あなた、慣れてないだけかもしれないけど、恋愛に関してはすごく純粋だと思うけど」

心理定規「私のことが好きで仕方ないっていうのがヒシヒシと伝わってくるもん」

白垣根「ど、どこからですか!?」アセアセ

心理定規「行動のそこかしこに私への気遣いが見えるわ」

心理定規「若干挙動不審なのも可愛いわね」

白垣根「はぁ、バレバレですか?」

心理定規「バレバレです」

白垣根「……もう少し気をつけなくてはですね」

心理定規「多分無駄だから自然体が一番いいと思うわよ」


心理定規「ストップ、ここよ」

白垣根「割と普通ですね」

心理定規「うるさいわね」

白垣根「あはは、すみません」

白垣根「きっと部屋の中は女の子らしいのでしょうね」

心理定規「うん、まあ期待を裏切ることはないはず」

白垣根「そうですか……いつか中見せて下さいね」

白垣根「では、私はこれで」

白垣根「おやすみなさい」スタスタ

心理定規「……」

心理定規「待って!」


白垣根「はい?」クル

心理定規「ええと……」アセアセ

白垣根「どうかしましたか?」

心理定規「そう! 肩濡れちゃってるし上がってかない?」

心理定規「タオルあるわよ」

白垣根「……心配無用ですよ」

白垣根「未元物質製の体ですから、風邪ひいたりはしません」

心理定規「未元物質の使用は控えるんじゃないの?」

白垣根「やむを得ない場合は別です」


心理定規「やむを得ない場合じゃないでしょ?」

心理定規「タオルで拭けばいいだけなんだから」

白垣根「しかし、ベタベタしすぎると飽きられちゃうのでは?」

心理定規「っ~~!!」

心理定規「もう、意地悪ね。ここまで来て部屋に入らないなんて有り得ないわ」

心理定規「そんなんじゃあの誉望くんに意気地無しって笑われちゃうわよ」

白垣根「……私といる時に他の男の名前を出さないでください」ガシッ

心理定規「……え?」

白垣根「……返事は?」

心理定規「……」コクリ


白垣根「ありがとうございます」ニコ

白垣根「あなたがそこまで言うならお言葉に甘えて、お邪魔させていただくことにします」

心理定規(独占欲、かな? こんなにむき出しなのは初めてかもしれない……)

心理定規(……カラーのリーダーみたいね)クスッ

白垣根「……? どうしたんです、行かないんですか?」

心理定規「ううん、さっさと拭かないとね」

心理定規「私もそろそろ寒くなってきちゃった」カツッ

ここまでー
乙ありです
調子乗って二回目の投下です。お許しください

甘さが足りないのか? 甘すぎるのか?

>>179
いくつか書いてますぜ


ガチャ

心理定規「ただいまーって言っても誰もいないんだけど」

白垣根「おかえりなさい、そしてお邪魔します」

心理定規「……うん、ただいま」

心理定規「あと、いらっしゃい」

白垣根「……濡れてるのに入ってもいいんですか?」

心理定規「あ……ちょっと待ってて、タオル取ってくるから」ポイッ ポイッ

白垣根「は、はい」


タタタ…

白垣根(彼女が靴を脱ぎ捨てていった事なんてありましたっけ?)スッ

白垣根(22.0cm……振る舞いは多少大人びているけど、まだ年齢で言ったら中学生ですからね……)


タタタ

心理定規「はい、タオル」サッ

白垣根「ありがとうございます」

心理定規「あ、違う違う……」ヒョイ

白垣根「あれ? 貸してくれないんですか?」

心理定規「私が拭くの」ポフポフ

白垣根「あ、ありがとうございます……」

心理定規「ふふっ、どういたしまして」ポフポフ

心理定規「って頭も濡れてる……」

白垣根「あはは……すみません」

心理定規「ううん、私を入れたせいで濡れちゃったんでしょ?」ワシャワシャ

白垣根「……」

心理定規「正直ね」


心理定規「さてと、こんな感じかな」ポフッ

心理定規「あれ、だいぶだらしない顔してるけどどうしたの?」

白垣根「だ、だらしない顔!? してませんよそんな……」ブンブン

心理定規「……」ポフッ

白垣根「……」フニャーン

心理定規「だらしない顔してるわよ」

白垣根「……う、タオルの匂いが……」

心理定規「私の匂いだったって言いたいのかしら?」スンスン

白垣根(というか、あなたに抱きつかれているかのようでした……)コクコク

心理定規「まあ、同じ柔軟剤使ってるからね」


心理定規「とりあえず上がってよ」

心理定規「お茶でも出すわ」

白垣根「ですが……」

心理定規「お茶飲むだけよ。まだ七時になったばかりだしいいでしょ?」

白垣根「まあ、門限があるわけでもないので……」

心理定規「うん、一人で部屋にいてもつまらないしね」

心理定規「じゃあ、さっさと入れてくるわね」

白垣根「はい。お願いします」


コトッ

心理定規「ごめんなさい」

心理定規「ココアにしちゃった」

白垣根「いえ、ありがとうございます」ゴクッ

白垣根「ふぅ、芯から温まりますね」

心理定規「でしょ? 隣いいかしら」

白垣根「どうぞ」

心理定規「どうも」チョコン


白垣根「で、どうして私をあなたの部屋に上げたんですか?」

白垣根「もう肩も頭も拭いてもらいましたし、帰らなくてはならないはずでは?」

心理定規「……言ったでしょう? 一人で部屋にいてもつまらないしねって」

心理定規「それにあなたが構ってくれないと寂しいよ……」ウツムキ

白垣根「はぁ……あなたの方がよっぽど反則ですよ」

白垣根「帰ろうとしたとき、私がどれほど我慢してたか……」


白垣根「あなたのことを抱きしめたかったし、キスももっとしたかったです」

白垣根「だけど、帰らなくてはならない」

白垣根「ベタベタし過ぎたらこの気持ちもなくなってしまうのかもしれないのかと思うと怖いので」

心理定規「……」

心理定規(……ここで意地悪したらどう答えるのかしら?)

心理定規「……あなたって性欲ないって言ってなかったっけ」

白垣根「……無いとは言ってませんが、普通の男子高校生のようにとにかくヤリたい、みたいなのは無いだけです」チラッ

白垣根「好きな人に対しては別です」

白垣根「本当に私の未元物質には常識が通用しませんね」

白垣根「その辺の機能は脳にきちんと刻み込んであるらしい」


心理定規「へえ、そうなんだ……驚いたわ」

白垣根「相手のそばにいたいなんて、普通じゃないですか」

白垣根「だからこそ、あんなに寂しそうに上がってよって言われて断れるはずもない」

心理定規「うっ……」

白垣根「自分も本当は上がりたくて仕方が無いのですから」

白垣根「あなたのことをもっと知りたいのですから」

白垣根「あなたを抱きしめたかったし、キスもしたかったのだから」

心理定規「じゃあしちゃえば?」

白垣根「……良いんですね?」グイッ

心理定規「……ええ」コク

白垣根「……」チュ


心理定規「……唇がココアの味してたわ」ブラブラ

白垣根「ですね。甘い匂いがしました」

心理定規「ねえ」

白垣根「ダメです」スック

心理定規「え、何も言ってないじゃない」

白垣根「このまま泊まってかないか、と提案するつもりなのでは?」

心理定規「あうっ」

白垣根「やっぱり」

心理定規「で、でも、私といたいんじゃないの?」

白垣根「ええ、もちろん」

白垣根「ですが、あなたが待ち合わせ場所に一生懸命オシャレして来てくれる楽しみを今日は優先したいんです」


心理定規「……うん、そうね」

心理定規「それじゃあ、私も楽しみにしてるわ」

白垣根「き、緊張しますね。昔の記憶を探るとしましょう……」

心理定規「大丈夫よ、カラーのリーダーはファッションセンスあったから」

白垣根「う、よりプレッシャーが……」

心理定規「あら、逆効果だったかしら……?」


白垣根「……それじゃあ帰りますね」コツコツ

白垣根「……」コツコツ

心理定規「はい、靴べら。横着は感心しないわよ」

白垣根「あ、ありがとうございます」グサグサ

心理定規(もう帰っちゃうのね……)ジーッ

白垣根「どうかしましたか?」

心理定規「え、ううん。何でもないわ」

白垣根「……では、おやすみなさい。明日のためにもきちんと寝てくださいね」ガチャ

心理定規「…………」クイッ

白垣根「……心理定規さん?」チラ


心理定規「やっぱりやだ」

心理定規「帰らないで……」

白垣根「……」ギュッ

白垣根「明日なんてすぐですよ」

心理定規「……明日、来なかったら怒るから」

白垣根「はい。絶対行きますよ」ポンポン

心理定規「うん、じゃあ……」

心理定規「バイバイ」フリフリ

ここまで。
乙ありです


……………………………

心理定規「ふぁーあ、帰っちゃった」ダラー

心理定規「とりあえずコップ洗わないと……」スック

フワッ

心理定規「彼の匂い……」スンスン

心理定規「……当然か、抱きしめてもらったんだもんね……さっきまですぐそばにいたのになあ」

心理定規「明日まで会えない、か」

心理定規「やっぱり寂しいわ……」

心理定規(……すぐ一緒に住めるんだから、もう少しの辛抱よ……)ギュッ

心理定規「はぁ、ダメね」

心理定規「また会えて、付き合えて……」

心理定規「それだけですごく幸せなのに、それ以上を望んじゃうなんて」

心理定規「……ほんと、相手のことが好きすぎるっていうのも困りものね」ハァ


ペチペチ

心理定規「ううん」ブンブン

心理定規「もっとシャキッとしないと」

心理定規「とりあえず、コップは水につけて、お風呂入ろう」スック

ピコン

心理定規「LINE?」

心理定規(もしかして彼から……?)バッ

心理定規「……なんだ、最愛ちゃんか」

心理定規(後で見ればいいかな……)

心理定規(……あ、でも、あのことを聞かないと……)

心理定規「……見るしかないか」


さいあい『こんばんはー』

さいあい『超暇人さいあいです(⌒▽⌒)』

心理定規(だいぶムカつく顔文字ね……)

サイコロ『私は別に暇じゃないわよ』

心理定規「あ、すぐ既読ついた……」

サイコロ『でも、暇人なら聞きたいことがあるんだけど……』

さいあい『何です?』

心理定規「どうして彼のこと黙ってたのっと……」

心理定規「送信」ポチ

心理定規「ふう、さてと、お風呂入ろっと」スタスタ




ピコン

さいあい『……』

さいあい『あなたが私に語った彼とあまりにもかけ離れていたから……ですかね』


ちょびっと更新
乙ありです


………………………

ホカホカ

心理定規「ふあぁ……」フキフキ

心理定規「お風呂あがったわよー……なんちゃって……」

心理定規「……はぁ、馬鹿みたいね」

心理定規「ううん、明日は絶対に一緒に過ごせる雰囲気にして見せる」

心理定規(とは言っても、どうでもいい人の心と違って、彼のことはどうしてか読めないのよね)

心理定規(だから素直にぶつかってみるしかないかな。きっと通じるはず……よね?)


心理定規「と信じてお手入れしないと」

心理定規「まさに、人事を尽くして天命を待つ!」

心理定規「まずはクリーム塗って……」ヌリヌリ

心理定規「あ、その前にパックしておかないと……」ペリリ

心理定規「ふんふーん♪」ヌリヌリ

心理定規「ふふふーん♪」ヌリヌリ


心理定規「よし、完了っと」

心理定規「これで意識させられるかな。ふふ、明日こそ絶対……」ポチ

心理定規(あ、最愛ちゃんから返信来てる……)

心理定規「……」

心理定規(……何よそれ。とんだお節介じゃない)ギリッ


サイコロ『返信遅れてごめんなさい』

サイコロ『私が話した限りじゃ、彼は昔の彼とそこまで大きく変わってなかったわ』

サイコロ『確かに彼の外側を構成するものはだいぶ変わってたけど、根っこの部分は同じだったわ』

さいあい『超余計なお世話だったみたいですね、すみません』

サイコロ『別に。あなたが分からないのも仕方がないし』

さいあい『……会って、どうでした?』

サイコロ『……また消えちゃったら嫌だから、ちゃんと好きだって言ったわ』

サイコロ『で、付き合うことになった』


さいあい『そうですか、おめでとうございます』

サイコロ『どーも』

サイコロ『ずいぶん軽いおめでとうね』

さいあい『……今度は絶対に見失わないでください』

サイコロ『え? 見失うってどういうことよ』

さいあい『今のあなたは彼の精神ストッパーなので』

サイコロ『……意味が分からないんだけど』


さいあい『復活した当時の彼は真っ黒だったんですよ』

さいあい『今と違って守るものがなく、破壊と憎悪しかない垣根帝督』

さいあい『物理的にではなく、精神的に』

心理定規(真っ黒……)

さいあい『今でこそ無害そうな白カブトですが、真っ黒だった頃の欠片は彼の中にも確実に存在します』

さいあい『だから、それを再び呼び起こすことのないよう気をつけてください』

心理定規(……元々は同じ垣根帝督、カラーのリーダーだったわけだし……)

心理定規(そういう部分があるのが彼だものね)

サイコロ『忠告ありがとう。だけど私、もう彼を見失ったりしないから』

さいあい『……そうですね』

さいあい『変なこと言ってすみません。夜に失礼しましたm(_ _)m』

心理定規(……おやすみのスタンプ……私も送っとくか)ポチ




心理定規(真っ黒な彼って何なんだろう……)


ここまでー
乙ァリですー!


ピコン

心理定規「ん……?」ポチ

てーとくん『こんばんは。家に到着したので連絡をしました』

心理定規(本当にてーとくんにしたんだ)クスッ

サイコロ『お帰りなさい(*´︶`*)』

てーとくん『そ、そんな顔をして迎えてくれるんですか?』

サイコロ『え?』

サイコロ『ああ、顔文字のことね……』

サイコロ『あなたがただいまーって帰ってくるならやけちゃっても仕方ないでしょ(´▽`)』

てーとくん『……可愛いですね』

サイコロ『どーも』


てーとくん『おや、思ったより淡白な反応ですね』

サイコロ『ふふっ、いちいち反応してたら馬鹿みたいでしょ?』

てーとくん『……真っ赤になってるあなたも好きなんですけどね』

サイコロ『……対面だったら真っ赤になってるんじゃないかな』

てーとくん『でしょうね。容易に頭に浮かびますよ』

サイコロ『……赤くなってるの見られるのは恥ずかしいけど、それよりもあなたに会いたいな』


サイコロ『……なんてね』

てーとくん『すぐですよ』

てーとくん『もうすぐ』


心理定規「うん、もうすぐ」

心理定規「分かってるけど、もうすぐが長過ぎるの」

心理定規「ベッド行こっと」スタスタ

ボフン

心理定規「ふう……なんて返そうかな」

ピコン

心理定規「あ、来た」

てーとくん『……話さなくてはならないことは無いのですが、もう少しだけ付き合ってもらってもいいですか?』

心理定規「……ふふっ、もとよりそのつもりよ」

サイコロ『ええ、もちろん(*^^*)』

サイコロ『起きてられる限り付き合うわ』

てーとくん『ありがとうございます』


サイコロ『でも、あなたからそんなこと言ってくるなんて思ってなかったわ』

てーとくん『……ですね。私らしくもない』

てーとくん『でも、あなたになら私らしくない私をさらけ出してしまっても良いのかな、と思ってしまうんですよ』

てーとくん『単純ですけど』

サイコロ『同感ね』

サイコロ『私もあなたの前でなら、自分を出せる気がするわ』

てーとくん『真っ赤になったりとかですか?』

サイコロ『もう! 分かってるわよ、それくらい(´・3・`)』


てーとくん『そう言えば、話は変わるんですが』

サイコロ『ん? 何?』

てーとくん『その顔みたいな記号は一体なんなんですか?』

サイコロ『……これのこと?→(*´▽`*)』

てーとくん『ええ、それです』

サイコロ『そう言えばあなた、顔文字全然使ってなかったわね』

てーとくん『顔文字っていうんですか……』

サイコロ『一回やってみればどう?』

てーとくん『そうですね。少し待っててください』


心理定規「顔って打てば出てくるのに……」

心理定規「でも、彼が作った顔文字も見てみたいわね……」

心理定規「……ふぁあ……」ノビ-

心理定規「眠い……」ポフッ

心理定規「……」

心理定規「……くーくー……」

ピコン

ここまで
乙ありです

黒めな要素を出す構成にするかひたすら甘くするか迷う……

顔文字多用してすみません
少しうざくなってしまったかも


………翌朝………


ピピピピッ

心理定規「……ふぁあ」ムク

ピピピピッ

心理定規「……うるさいわ」バンッ

心理定規「ってもう朝……?」サッ

心理定規「……あ、寝落ちしちゃったみたいね……」

心理定規「通知きてる……」

心理定規「なになに……?」


てーとくん『へ へ
      の の゛
       も
       へ 』

てーとくん『こんな感じですか(´・ω・`)』


心理定規「ふふっ、これは違うでしょ」

サイコロ『おはよう。昨日は寝落ちしてごめんね』

サイコロ『へのへのもへじじゃなくて後に送った方が正解よ』

てーとくん『おはようございます』

てーとくん『こうですよね( ´・ー・)』

サイコロ『そうそう、それよ』

てーとくん『……ところで、待ち合わせの時間覚えてますか?』

サイコロ『もちろん。十時半でしよ?』

てーとくん『ええ。まだ六時ですよ?』

サイコロ『……女は準備に時間がかかるの』

てーとくん『なるほど、そうですね』

てーとくん『では、私は可愛いあなたを想像しながら準備でもしますね』

サイコロ『そ。じゃあ、私はカッコいいあなたを想像しながら準備するわ』

てーとくん『それでは、また後で』

サイコロ『ええ、楽しみにしてるわ』


………待ち合わせ場所………


白垣根(楽しみすぎて来るのが早すぎましたね……)

白垣根(九時半……あと一時間ですか……)チラ

白垣根(……この非常に待ち遠しくも緊張する時間はいいですね)

キキ-ッ

白垣根(トラック……)

白垣根(……運送業者かなにかでしょうか)チラ

バンッ

心理定規「よっと」タスッ

白垣根「ええ!?」

心理定規「あれ、もう来てたなんて……飛ばしてきたんだけどなあ」クビカシゲ

心理定規「とりあえず、おはよう。遅れてごめんね」


白垣根「あ、いえ、今来たところなんで……っていうか、一時間くらい早いんで」

白垣根「それより、そのトラック……」

心理定規「ん? 大荷物になるだろうと思ってね」

白垣根「引越しできそうですね」

心理定規「うん、まあ、業者の人も言ってたしね。引越し用だって」

白垣根「トラックも運転できるんですか?」

心理定規「ええ。ショベルカーとかよりはかなり楽かな、って思うけど」

白垣根「なるほど……」


心理定規「今から買うものを詰め込んで、今日からでも同棲できるようにって」

白垣根「……したいですね」

心理定規「え、今なんて……」

白垣根「私もできるならしたいな、と言いましたよ」

心理定規「……うん、うん!」

心理定規(良かった。やっぱり正直に言って良かったわ)

心理定規「昨日は寂しかったんだからね」

心理定規「今まで余裕だったのに、あの温かさを知っちゃったら、一人ぼっちの夜に戻るのは辛かったわ」

白垣根「同じですよ。私もあなたといたかった」

心理定規「なら帰らずに残ったら良かったのに」ブ-


白垣根「……そんな顔したらもったいないですよ」

白垣根「せっかく可愛いのに……」

心理定規「もったいなくて結構よ」フン

白垣根「あ、でも、そんな顔も可愛い……」ボソ

心理定規「ちょ、小さい声でそんなこと言わないでちょうだい」カァ

白垣根「事実ですから」

白垣根「やっぱり赤面するんですね」

心理定規「うるさいわね……嬉しいけど」

白垣根「そうだ、言ってませんでしたが、今日は昨日より力入ってますよね、オシャレに」

心理定規「へ、へえ。よく分かったじゃない」

白垣根「……私とのデートのためにそんなに一生懸命にオシャレしてくれるとは……」ニコ

心理定規「続きは?」

白垣根「私は幸せ者です」

ここまでー
乙ありーです


………ショッピングセンター………


心理定規「……」

白垣根「あの後からずっと黙りっぱなしですよ?」

白垣根「どうしたんです?」

心理定規「……大丈夫、気にしないでちょうだい」

心理定規「あなたの言葉一つ一つが嬉しくてオーバーヒート気味なだけ」

心理定規「半日一緒にいれない時間を挟んだだけで、あなたが隣にいてくれる幸せを思い知っちゃったみたい」

白垣根「確かにそうですね」

白垣根「返事はあまりないですけど、私が話しかけてるだけであなたはニコニコして頷いてくれる」

心理定規「……そう言われると少し恥ずかしいわね」

白垣根「ふふ、また少し赤くなっていますよ」

心理定規「もう。あなたがそうしたんでしょ?」

白垣根「それは理解してますよ」


心理定規「もう……」チラ

白垣根「どうしました」

心理定規「あのさ、話は変わるんだけど……」スッ

心理定規「えっと……私と手を繋いでもらってもいいかな?」チラ

白垣根「もちろん、喜んで」ギュッ

白垣根「あ、繋ぎ方はこっちでしたね」キュッ

心理定規「……恋人つなぎだね」

白垣根「もしかして気に障りましたか?」

心理定規「ううん、少し感動してただけ」ギュッ

心理定規「だって昨日から繋ぎたかったんだから」

白垣根「そうですか。私も実はあなたの手を握りたくてたまらなかったんですよ」

心理定規「あら、そうなら言ってくれればよかったのに」

白垣根「そそ、そんな……」カァ

心理定規(あら、意外とウブなのかしら? でもあったかい気分になるわね……)

心理定規(少し意地悪しよっと)

心理定規「ふふっ、あったかーい」ブンブン

白垣根「うわわわわっ!」


白垣根「ふう、ようやく収まりましたか」

心理定規「何よ、収まったって言い方ひどくない?」

白垣根「いえ、少し暴走している様子でしたから」

心理定規「いいじゃない。念願の恋人つなぎよ?」

心理定規「少しはテンション上がってもいいんじゃないかしら」

白垣根「心臓はバクバクいってますよ」

白垣根「表には出さないようにしてるだけで」

心理定規「えー? 表に出していいじゃない」

白垣根「外ですから。コントロールは必須ですよ」

心理定規「む、私ができてないみたいでしょ」


白垣根「違うんですか?」

心理定規「……意地悪ね」フン

心理定規「私だってコントロールくらいできるわ」

白垣根「冗談ですよ。抑えずにそのままを見せもらえた方が私は嬉しいです」

心理定規「そう? でもそれは私も一緒」

心理定規「もっとあなたのいろんな顔と態度を見てみたいわ」

心理定規「意地悪しないで見せて?」

白垣根「……どうしてか、その顔には弱いんですよ」クス

白垣根「……すごく可愛くて」

心理定規「はう……全然意識してないところを可愛いって言われると嬉しい反面反応に困っちゃうんだけど……」

心理定規「慣れてないからかな、ごめんね」


白垣根「そういう反応は慣れてない頃が一番可愛いものですよ」

心理定規「……やだー、もう」ウツムキ

白垣根「赤くなってる。もうダメですね、あなたのことばかり考えているんですよ」

白垣根「昨日も今日も、きっとこれからもそうなんでしょうね」

心理定規「どうしたの、突然?」

白垣根「人を好きになりすぎるのも考えものだなぁ、と」

心理定規「あら、同じこと考えてるのね」

心理定規「私の結論だけど、好きになりすぎるのは一人の寂しさが増したり、大変なことも多いわ」

心理定規「だけど、あなたといれるだけで幸せになれる。心がポカポカするっていうのかな」

心理定規「あったかい気持ちになれる」

心理定規「だから、少し距離置こうとかは言わないで?」ジー


白垣根「……そんなこというはずがありません」ギュッ

白垣根「言えるはずがないし、言いたいとも思いませんから」

白垣根「同じ結論に達してたみたいで良かったですよ」

心理定規「うん。安心したわ」ギュッ

心理定規「なら、早く買い物しないとね」

白垣根「ですね。まずは……」

心理定規「一通り家電は揃ってるからなぁ……あそこ」

白垣根「ええ、アジトに泊り込むことも多々ありましたし」


心理定規「あ! ベッド!」

白垣根「ちゃんと四部屋に一個ずつ……」

心理定規「……」ムス

白垣根「……そうですね。別々に寝るなんて私も嫌です」

心理定規「うん、そうよね。私も嫌よ」

白垣根「……でしたら、ダブルベッドを探さなくては、ですね」

心理定規「んふふっ、やっぱりトラック借りてきて正解だったわね」

白垣根「車系統が好きなんですか?」

心理定規「別に趣味とかそういうわけじゃないわ。ただ仕事上使いやすい武器を探したらそこに行き着いただけよ」

白垣根(……クレーン車とかトラックって武器でしたっけ……?)クビカシゲ

ここまでです!
乙ありですー


………家具屋………


心理定規「ねえねえ!! これとか良くないかしら?」グイグイ

白垣根(積極的ですね……私と暮らすことをそんなに喜んでくれているとは……)パシャ

白垣根(可愛いやら嬉しいやらで胸がいっぱいです)ポカポカ

白垣根(これが彼女の言う心がポカポカするっていうものなのでしょうか)

心理定規「あら、早速一枚?」

白垣根「ええ。カメラの方向いて作った顔より自然なあなたの方がいい笑顔してるんですよ」

心理定規「カメラの方を向かせた状態で自然な笑顔を撮るのがカメラマンの仕事でしょ?」

白垣根「一応言っときますけど、私はカメラマンではないですよ?」

心理定規「……私専属のカメラマンだもん」チラ

白垣根(……帰ったら勉強してみましょうか)


白垣根「確かにそれは向いているかもしれない。ですが、他人にこんな可愛い笑顔を見せたくないので無理ですね」

心理定規「あなただけが見るために撮ってくれれば、それでいいわ」

白垣根「それなら喜んで専属カメラマンになりましょう」

心理定規「なら、精進するように」ビシッ

白垣根「あなた様の御心のままに……」

心理定規「ところで、あなたはどっちのベッドの方が好み?」ギュッ

白垣根「そうですね……こっちの方がシンプルでいいかと」

心理定規「んふふ、以心伝心かしら」

心理定規「私と同じの選ぶなんて」

白垣根「こんな些細なことでも趣味が合うと嬉しいものですね」

心理定規「そうよね。もしかして頭の中読まれてるのかしらってドキドキしちゃう」


白垣根「読めますよ」

心理定規「え? あなたの能力は未元物質でしょ」

白垣根「……目をじっと見たら、ある程度わかるんですよ」ジッ

心理定規「……」カァ

白垣根「ふふふ、すぐ逸らしましたね」

心理定規「逸らしたからなんなのよ」

白垣根「私のことを考えているんじゃないですか? 妄想……みたいな?」

心理定規「もも、妄想!? し、してないわよそんなの!」マッカ

白垣根「……やっぱり表情は嘘をつかないですね」


心理定規「私が考えてたのなんて……」

心理定規「私の作ったご飯をあなたと二人で食べて、皿洗いながらおしゃべりして、寝るときも起きた時もあなたが隣で無防備な寝顔を晒してるの」

心理定規「それを見たり、頭なでたりしながら、幸せだなぁって思ったり」

心理定規「あなたにギューって抱きしめてもらったり、キスをしてもらったり……」

心理定規「あ、あと、あなたの愛を感じてみたいなぁ、みたいな……じゃなくて!!」

心理定規「今の嘘だから! 私の願望ってわけじゃないから!」ブンブン

白垣根(……今日は願いを叶えてあげるとしましょうか)

心理定規「何その顔は! 分かりましたよ、みたいなんだけど!!」

白垣根「おや、そう見えたのならすみません」


心理定規「……と、とにかくベッドはこれでいいのね?」

白垣根「ええ。もちろん」

心理定規「やった!」

白垣根「テンション高いですね」

心理定規「うん、だってこれ買ったらこっちのものだからね」クスッ

白垣根「……そ、そうですか……」

白垣根「やっぱり、実際したいんですよね? さっき言ってたこと」

心理定規「あー、あれ?」

心理定規「そりゃしたいに決まってるわ」


心理定規「流れで恥ずかしくなって誤魔化したけど、付き合ってるんだし、そういう願いくらい話してもいいよね?」チラ

白垣根「……」

白垣根(相手の出方をうかがうような目……若干の不安が見えるあたりが可愛い)ザッ

ポンポン

白垣根「当然ですよ。あまり常軌を逸している願望を話されたらどうにもできませんけどね」

心理定規「え、常軌を逸するって……そんなにおかしなこと言ったっけ……」アセアセ

白垣根「いえ、とても可愛いなと」

心理定規「え?? どうして? どこが?」

白垣根「ふふっ、あなたって意外と純粋ですよね」

心理定規「そ、そんなことないわよ」フイッ


心理定規「あなただから少し調子が狂っちゃうだけなの」

心理定規「私ってどっちかといえば白より黒だし」

心理定規「純粋とは程遠いわ」

白垣根「……キスされて真っ赤になっちゃうのは純粋ではないのでしょうか」

心理定規「う、うるさいわね。とにかく私は純粋なんかじゃないわ」

心理定規「そもそも仕事自体純粋じゃやってられないし」ハァ

白垣根「……まあ、それは今日からゆっくり確かめればいいだけですね」

心理定規「……お手柔らかに頼むわ」

ここまでー
彼女にとって少なくともクレーン車は武器


………服屋………


白垣根「メンズ服の店ですか」

白垣根「着るんですか?」

心理定規「着ないわよ。ただ、あなたに服選んであげようと思ってね」

白垣根「服ならありますが……?」

心理定規「確かにその格好はカッコイイんだけど、あなたの威圧感と相まってかなりガラ悪いのよね。傍からみたら」

白垣根「ええ!? カラーだからですかね?」

心理定規「それは関係ないわ。多分」

心理定規「とにかく、あなたという最高級の素材を生かせる料理がしたいなぁって」

白垣根「何言ってるんですか?」

心理定規「……」

心理定規「あなたのことをコーディネートしたいです!!」


心理定規「まあ、だけど……」スタスタ

白垣根「どうしました?」

心理定規「私だと贔屓目に見ちゃうから、なんでも似合うように感じちゃうのよね……」

心理定規「困ったわ……」

白垣根「でしたら、こんなのはどうですか?」

心理定規「何?」

白垣根「じゃん、サイコロがプリントされたTシャツです」

心理定規「サイコロ? どうして?」

白垣根「ラインの名前、サイコロじゃないですか」


心理定規「……そうだけど、今はあなたの服を選びに来たのよ?」

心理定規「私の服を選んでも……」クビカシゲ

白垣根「サイコロ好きをアピールできるじゃないですか」ドン

心理定規「……サイコロ好きなの? 面白い趣味ね」

白垣根「……いや、そういう意味じゃ……」

心理定規「え? じゃあどういう意味なのよ」

白垣根「説明させますか……」

心理定規「じゃないと分からないわ」

白垣根「……サイコロはあなたのことじゃないですか」

心理定規「ええ、そうね」


白垣根「つまり、サイコロが好きということは……」

心理定規「……そういうことね」ポッ

心理定規「知る人ぞ知るってことかしら」

白垣根「ええ。人に理解してもらう必要はないんです」

白垣根「いわばただの自己満足ですよ」

白垣根「……ところで、なんでサイコロなんですか?」

心理定規「ラインの名前?」

白垣根「ええ」

心理定規「psychology」

心理定規「心理とか心理学って意味があるんだけど……」

心理定規「私の能力って心理定規でしょ? だからそこの頭の部分を取ってきただけなの」

白垣根「なるほど、考えてみれば簡単でしたね」

心理定規「でしょ?」


…………………………

心理定規「で、結局サイコロのTシャツを買ったと」

白垣根「あなただって白いカブトムシのTシャツ買ってたじゃないですか」

心理定規「だって……私も白いカブトムシが好きなだけよ」

白垣根「でしたらおあいこですよ」

心理定規「うーん、それもそうね」フフッ

心理定規「家帰ったら着ましょうね」ニコニコ

白垣根「ですね。いいものが売っててよかったです」

心理定規「……次はどこ行こうかな」


白垣根「そろそろご飯はどうです?」

心理定規「そうね……少し早めの方が混んでなくていいかもしれないわ」

白垣根「どこにします?」

心理定規「んーと……何があったっけ」

白垣根「私が覚えている限りでは、うどん、ラーメン、寿司、お好み焼き、鍋、イタリアン、中華料理、ファストフード、カフェ……くらいですか」

心理定規「そうね……じゃあいっせのせいで言わない?」

白垣根「賛成です」


心理定規「いっせいのせ!」

白垣根「お好み焼き!」

心理定規「もんじゃ!」

白垣根「……」

心理定規「……」クスッ

心理定規「じゃあ鉄板焼きの店でいいかしらね」

白垣根「ええ、それがいい」

心理定規「じゃあエスコート頼むわね」ギュッ

白垣根「ええ、我が姫よ」

心理定規「それは無いかな……嬉しいけど」

ここまでー
乙ありです


………鉄板焼き店………


白垣根「お好み焼きとは言ったものの作り方は微妙なんですよね……」マゼマゼ

心理定規「貸してちょうだい」

白垣根「お願いします」スッ

心理定規「ふふふふ、私の技術を目に焼き付けるといいわ」ジュージュー

心理定規「後いくつ頼んだっけ」ジュージュー

白垣根「二つです……っ!」ビクッ

心理定規「ああ、豚バラ焼いてるんだから顔近づけちゃダメよ」

心理定規「油跳ねるんだから」

白垣根「言うのが遅いですよ……」

心理定規「……あらら、ごめんね?」

白垣根「いえ、火傷はしてないようですから、謝らないでください」

心理定規「そう、よかった……」ホッ


店員「失礼します! 明太子もちチーズもんじゃです」

白垣根「どうも、ありがとうございます」ペコ

心理定規「あらら、次来ちゃったか」

白垣根「どうしてあららなんですか?」

心理定規「ん? 焼きながら食べるのって大変でしょ」

心理定規「だから、できるだけ鉄板をうまく使って……」スススッ

白垣根「おお! 理解しましたよ」

白垣根「あとは中まで火を通すだけのお好み焼きを端で熱しながら、真ん中ではもんじゃを焼き始めると!」

心理定規「ご名答。はい、焼き上がりっと」

白垣根「おおっ、お惣菜コーナーで売ってるやつみたいですね」


心理定規「褒められてない?」

白垣根「ほ、褒めてますよ」

白垣根「っていうか、その言い方だとお惣菜コーナーのお好み焼きディスってることになりますよ」ゲスガオ

心理定規「むー、確かにそうだけど……」

心理定規「もっと嬉しくなる褒め方がいいわ」

白垣根「褒めの強制?」

心理定規「じゃない!」

白垣根「そうですかね……?」

心理定規「……じゃないもん……」


白垣根「ですよね。あなたはあまり自慢とかしませんし」

心理定規「う……あ、待って……ここで肯定したらあれよね」

白垣根「謙虚ですね」

心理定規「日本人はそういうのが好まれるのよ。逆に自慢する人間はどんなに秀でていても、ダメなのよ」

白垣根「……ですが、私はあなたのことを、すごく謙虚な面があるけど、本当はいろんな特技がある自慢の彼女だと思ってますけどね」

心理定規「じっ、自慢の彼女……?」

白垣根「ええ。なにかおかしなことでも言いましたか?」

心理定規「……自慢の彼女ね……うん、ありがとう」ウツムキ

白垣根「は、はあ……?」

白垣根(なぜ感謝されたのでしょうか)


白垣根「とりあえず切り分けますね」グリグリ

心理定規「うん、ありがとう」

白垣根「何等分にしましょうか」

心理定規「二か四か八かな」

白垣根「では十六等分で」

心理定規「そんなことできないわよ」
ザザザザッ

白垣根「……ふっ」ドヤ

心理定規「あー、本当に刻んだのね……」


白垣根「小さくないとやりづらいじゃないですか。定番のアレが」

心理定規「定番のアレ? どんなアレよ?」

白垣根「……こっそりやってみるので、先にもんじゃ作りましょう」

心理定規「う、うん……そうね。じゃあ土手作って……」グッグイッ

白垣根「手慣れてますね」

心理定規「ふふふっ、だからいろんな技を持ってるって言ったでしょう?」

心理定規「マニアック要望にもお答えできるようにしておかないと、この世界では生きていけなかったんだってば」

白垣根「……あなたのことは、私が守りますから」ジッ

心理定規「強制はしたくないわよ?」

白垣根「……守らせてください」

心理定規「……ありがと」ニコッ


白垣根「……」ジー

心理定規「本当にあなたとまた会えてよかったわ」

心理定規「あなたのことは、私が守りますから、とか言ってくれる人、今時いないわよ?」ジュオオオ

白垣根「ただ……ただ私はあなたの笑顔をとなりで見ていることができれば幸せですから」

白垣根(だから、本当に惚れたら負けとはよく言ったものです)

心理定規「ゲスな笑顔でもいいかしら?」ニヤ

白垣根「心から笑っているのなら。しかし、無理して笑っているのはダメですね」

心理定規「ふふっ、私のことばっかりね」

白垣根「あなたはどうです?」


心理定規「私? 私ね……」

心理定規「んふふっ、私もあなたのことばっかりよ」

心理定規「明日あなたと何しようかな、とかどんなことしたら喜んでくれるかなだとか……」

心理定規「でも、あなたが待ち合わせ場所で突っ立ってるのを見た時に全部吹っ飛んじゃって」

心理定規「危うくハンドル操作をミスするところだったんだから」クスッ

白垣根「ふふふ、実際少しミスりましたよね?」

心理定規「あらら、バレちゃってたか」

心理定規「とにかく、私はあなたと一緒にいるだけで笑顔になれるの」

心理定規「だからずっと一緒にいてよね」

白垣根「それは私からのお願いですよ」


心理定規「じゃあ、短冊にでも書く?」

白垣根「書きましょうか?」

心理定規「……やっぱり恥ずかしいから嫌ね」

白垣根「言うと思いましたよ」クツクツ

白垣根「ところで、もんじゃは大丈夫ですか?」

心理定規「ええ。話しながらも意識してたから」ジュージュー

心理定規「後は広げて……完成よ」ジャオオオッ

心理定規「どんなもんじゃ!!」

白垣根「……」

心理定規「……」


白垣根「……滑りましたね」

心理定規「ええーっ、あなたさえ反応してくれればいいんだから、反応してよー」

白垣根「……いや、将来のあなたのためにもここは笑ってはいけないでしょう」

白垣根「すみません……」

心理定規「……うう、ばかぁー、あなたのばかー」

白垣根(え、何これ、可愛い……)キュン

心理定規「もう知らないわ」プイッ

白垣根「……」

心理定規「……」

白垣根「……」

心理定規「ねえ、黙らないでよ……」


心理定規「ねえ、ごめんね?」

白垣根「いえ、こちらもすみません」

白垣根「……あまりに反応が可愛かったので調子に乗ってしまいました」クスッ

心理定規「……む」

白垣根「許してもらえますか?」

心理定規「許さないわけないって知ってるくせに」ムスー

白垣根「あはは、確かにそうかもしれません」

心理定規「でも、可愛いって言われたのは嬉しいから普通に許してあげる」

白垣根「どうも、ありがとうございます」


心理定規「あ、でも条件。今回のデートのいつでもいいからキスして欲しいな」

白垣根「するつもりだったのに言われるとアレですね」

心理定規「……ダメなの?」

白垣根「いえ、やります!」

白垣根「っていうか、その表情で説得しようとしてくるのは卑怯ですよ」

心理定規「んふふ、ごめんなさいね。でも、何がなんでもあなたにキスしてもらいたかったんだと思ってよ」

心理定規「可愛いもんでしょ?」

白垣根「もしや……」

心理定規「ええ。もう知らないわ、から演技よ」


白垣根「え?」

心理定規「どうしたの?」

白垣根「もう知らないわ、からなのですか?」

心理定規「そうだって言ってるでしょ?」

白垣根(じゃあ、ばかーとかばかぁは彼女の素直な思い、ということでしょうか)

白垣根(はあ、これだから私の彼女には勝てないんですよね)ニヘラ

心理定規「ちょ、なんでそんな笑ってるの?」

白垣根「演技よ、とか言いながら隙だらけなのが愛おしくて……」

心理定規「む、隙なんて無いわよー!」


白垣根「では、演技と言いながら、そのすぐ前の本物の部分が可愛かった、そして、より離れたくないと思ったということでいいですか」

心理定規「……ばか」

白垣根「確かに私は心理定規バカかもしれませんね」

白垣根「好きで好きでたまりませんから」

心理定規「好きで好きでたまらないとか初めて言われたわ」

心理定規「そんな言葉胡散臭いと思ってたけど……あなたに言われると少しニヤッてしちゃうわね……」ニマニマ

白垣根「そんなこと口にしないでくださいよ。ますます愛おしくなる」

心理定規「いいよー。もっともっと大事にしてくれていいよー」

ここまでー
前回乙ありを忘れていたので、今乙ありですー


白垣根「もっと大事に……」

心理定規「よし、こんなところでもんじゃもいいかしらね」

心理定規「あなた、火調節できる?」

白垣根「あ、ここにありますよ……」クルッ

白垣根「一番温度低くしました」

心理定規「ありがとう」ニコ

白垣根「もっと大事に……したいですね」

心理定規「ん、何言ってるの? さっさと食べないと全部おこげみたいになっちゃうよ?」

白垣根「そ、そうですね」カリカリ


白垣根「はむはむ……あ、美味しいですね」

心理定規「やっぱりもんじゃは至高ね」ニコニコ

白垣根「好きなんですか?」

心理定規「んー、あなたの次の次の次くらいには好きよ」

白垣根(微妙なランク付けですね……)

心理定規「あなたはもちろんトップだから。言うまでもないと思うけどね」

白垣根「言うまでもないんですか? 私は心配でしたけどね」

心理定規「でもそうね……あなたのライバルになるこの世で二番目に好きなのは私だから大丈夫よ」

白垣根「自分大好き人間なんですか?」

心理定規「少なくともあなたに会うまでは断トツ一位だったわ」


白垣根「会ってからは?」

心理定規「徐々にランクアップしてきたあなたにあっという間に抜かされちゃったわ」

白垣根「そうですか」

心理定規「妙に満足そうな顔ね。私に勝てて嬉しいの?」

白垣根「本当にあなた自身が一番好きだったら、フレメアさんのために我慢するとか絶対に言わなかったんだろうなと思っただけです」

心理定規「でしょうね。あなたが後悔しないようにって思ってたわ」パリパリ

心理定規「ま、押し負かされたわけだけども」

白垣根「いいじゃないですか。押し負かされた結果、双方の願いが叶うのですから」

白垣根「あなたの、私の隣にいたいという願いと、私の、あなたの笑顔を見ていたいという願い……」

心理定規「バーカ死ねとか言ってたくせに何言ってるのかしらね」クスクス


白垣根「あれは多分ただのノリですよ。死ねとかあなたに対して思うわけないですし」

白垣根「肉体があった頃、それもあなたに会った初期の頃から気になっていましたから」

心理定規「ふーん」

白垣根「あ、えと、あなたのばかっていうのとおんなじ意味なのかなーみたいな」

心理定規「ふーん」

白垣根「あれ? ええ? ちょ、ほ、本当に! むしろ生きろっていうか……」

白垣根「あれれ…………!?」

心理定規「ふふっ、確かにすごく慌ててるの可愛いわね」

心理定規「なるほど、私もこんな感じなんだ。納得」

白垣根「きゅー……」グルグル

心理定規「あなた、別に私はそのことについては何とも思ってないから、そんなに焦らなくていいわ」

白垣根「しかし……」


心理定規「グレーから白に傾いたから元々自分にあった黒が許せないのかしらね?」

心理定規「まあまあ、私がいいって言ってるんだからいいのよ」

白垣根「むむ……すみません」

心理定規「ところでお好み焼きは食べないの?」

心理定規「そろそろ焦げちゃうよ?」

白垣根「そ、そうでしたね……」スッ

心理定規「先に食べてみて?」

白垣根「ふー、ふー、はむっ」モグモグ

心理定規「どう? ちゃんと焼けたかしら」

白垣根「ええ、美味しいですよ。中もふっくらしてますし」


心理定規「そ、じゃあ、私も……」

白垣根「ちょっとお待ちください」スッ

白垣根「ふー、ふー、ふー、ふー」

スッ

白垣根「あーん」

心理定規「え?」

白垣根「あーん」

心理定規「ええと……あ、あーん」パクッ

心理定規(なるほど、このために刻んでたのね)

白垣根「美味しいでしょう?」

心理定規「うん、じゃあお返しに……」スッ

心理定規「ふー、ふー、ふー、ふー」スッ

心理定規「あなた、あーん」

白垣根「あーん」パクッ

心理定規(あ……間接キスだ……彼と間接キスだ)ドキドキ


チラ

白垣根「もっとあーんしますか?」パクパク

心理定規「え、えと……」カァ

白垣根「どうしたんですか?」

心理定規「か、か、間接キスだったわよね」カァァァ

白垣根(やっぱり初々しいよ!! 昨日キスしたのに間接キスで真っ赤とか、可愛すぎる!!!!)

白垣根(くそっ、テーブルがなかったら、今すぐ抱きしめたかったのに)フルフル

白垣根「俯かないで少しだけこっち見てくださいよ」

心理定規「……え?」スッ

白垣根「目も逸らさないで」スック

チュッ


心理定規「あ、あな……あなた?」カァアアアア

白垣根「……外でキスをしたら許してもらえるって言ってましたよね」カァ

白垣根「えっと、それにこれで間接キスも気にならないでしょう」

心理定規「う、うん……そうだね」

心理定規「でも、誰にも見られてなかったよね?」

白垣根「さぁ? 私は知りません」

心理定規「うう……嬉しいけどすごく恥ずかしいよぉ」ペタペタ

白垣根「ふふふ、それでは……あなた? あーんしますか?」

心理定規「す、するに決まってるでしょ、ばか!」

白垣根「では、あーん」スッ

心理定規「あーん」

ここまででーす。
乙ありです


心理定規「ふう、腹八分目っと」

白垣根「女の子ですね」

心理定規「ええ。好きな人の前ではより、女の子らしくなるものよ」

白垣根「それもそうですね。ただの女の子ですよ……私が大事にしたいただの女の子です」

心理定規「ちょっと……突然そんなこと言わないでちょうだい……」

心理定規「恥ずかしいでしょ?」

白垣根「どこかで聞いたんですよ。好きな相手にはきちんと付き合っても気持ちを伝え続けるべきだと」

白垣根「釣った魚には餌をやらないなんて言語道断なんですよ」

白垣根「あ、バカップルじゃないですからね?」

心理定規「そ、そう……それを鵜呑みにしてしまうのもどうかと思うけど、あなたの気持ちは行動で十分伝わってるから」


白垣根「そうですか。それは良かった」

心理定規「でも」

白垣根「ん?」

心理定規「でもたまには伝えて欲しいからね」

白垣根「……」

心理定規「あなたの気持ち」

白垣根「いえいえ、これからもいつも伝えますよ。あなたへの気持ちを」


心理定規「……これは外でいうべきじゃなかったわね」カァ

白垣根「かもしれませんが」ギュッ

白垣根「互いのことをより知れるように手配するのもデートの醍醐味です」

心理定規「そう……さりげなく手を繋ぐのも、よりあなたが私の期待してることが分かるようになったってことなのかしらね」ギュッ

白垣根「いえ、これはただ単に、私がしたいこととあなたが期待していたことが合致していただけです」

心理定規「ふふっ、以心伝心ってやつかしらね?」


心理定規「さて、次はどこ行きましょうか」

白垣根「そうですね……」

白垣根「ゲームセンターでも行きますか?」

心理定規「ゲーセン? いいけど、あなたらしくないわね」

心理定規「昔、タバコ臭いから苦手だーって言ってた気がするけど」

白垣根「あはは……よく覚えてますね」

心理定規「……ダメね。あなたの表情が強ばってる」

白垣根「え?」

心理定規「他に何かないかなー」


心理定規「あ、そうだ! 水族館とかどう?」

白垣根「ジンクスがあるじゃないですか」

心理定規「え、私たちってその程度のジンクスに左右される程度の仲なの?」

白垣根「……ははっ、そんなわけないですよ」

白垣根「その程度で別れてやるほど私は軽い気持ちであなたと付き合っていませんから」

心理定規「うんっ。そう言ってくれると信じてたわ」

心理定規「えへへ、だーい好き」ギュウッ

白垣根「ああ、もう……反則ですよ……」

心理定規「じゃあ行きましょうか」グイッ

白垣根「……ええ、そうしましょう」


………水族館………

心理定規「ねえねえ、魚型の栞がついてくるチケットのセットがあるんだって」クイクイ

白垣根「へえ……それがいいんですか?」

心理定規「うんうん」

心理定規「金属でできた本格的な作りらしくって」

心理定規「こう見えても読書は好きなのよ?」

白垣根「じゃあ、私もそれにしましょう」

白垣根「一緒に本を読むというのも趣があっていいかと」

心理定規「え? 本当に? 一緒に読む?」

白垣根「ええ」

心理定規「ほほう……ならお勧めの本いくつか見繕っておくわ」

白垣根「ありがとうございます」


心理定規「クジラ型とカメ型とクリオネ型があるらしいわね……」

白垣根「可愛いですね」

心理定規「ええ。動物自体は可愛いチョイスなんだけど、作りが細かくて綺麗なのよね」

白垣根「へえ……言われてみれば確かに……」

心理定規「迷うなぁ……あなたはどれにする?」

白垣根「私は……クジラ型ですね」

心理定規「じゃあ私もそうしましょう」

心理定規「お揃いにするわ」

白垣根「恋人感でますね」

心理定規「でしょ?」

ここまでー
少し甘さを控えた方がいいかな?


チャリッ

心理定規「可愛いわね」ニコニコ

白垣根「お揃いですね」

心理定規「ええ、あなたとお揃い」ギュッ

心理定規「目のとことかポイントポイントにカラーのガラスが埋め込まれてるあたり凝ってるわね」

白垣根「こういう小さな工夫とか好きですよね?」

心理定規「ええ。だって普段あまり気付かないでしょ?」

心理定規「私のあなたのことが好きだという気持ちみたいでしょ? 普段は気付かない」

白垣根「いえいえ、滲みでてますよ」

心理定規「それは今だけよ」


白垣根「ま、まさか徐々に私のことはどうでも良くなると……」

心理定規「それはないわ。だって今まで私はあなたのことを渇望していたんだから」

心理定規「今は大喜びで幸せを噛み締めてるの」

心理定規「で、しばらくしたら、ラブラブってイチャイチャしたいなーって」

白垣根「じゃあ、やっぱり滲みでてるじゃないですか」

心理定規「違うの。その時はこの人といれて幸せだーって雰囲気になるのよ、多分」

白垣根「つまり好きだということでは?」

心理定規「……あ、そうかもしれないわ」カァ


心理定規「でもっ」ギュウッ

心理定規「私があなたを好きなのは事実だしいいもーん」スリスリ


白垣根「本当に……」ナデナデ
心理定規「はうう……」

白垣根「まあ、私も大好きですけど、突然言われると恥ずかしいですよ」

心理定規「いいのいいの。だって気持ちは言い合うべきなんでしよ?」

白垣根「しかし……外ですから」

心理定規「大丈夫よ、みんなイチャついてるもの」

心理定規「キスしたり、抱き合ったり、手つないだり……」

白垣根「ホントですね」

心理定規「でも、私は魚も気になるから、早く見に行こっ」グイッ

白垣根「おおっとと……そうですね」アハハ…


心理定規「うわー、クラゲ可愛いわよ」ユビサシ

心理定規「ふよふよしてるー!!」

白垣根「水槽にべったりですね。クラゲ好きなんですか?」

心理定規「ええ、ふわふわ浮いてるのが可愛いのよね」ジー

心理定規「いつまでも見てられるわ」

白垣根(そんなこと言う可愛くて大好きなあなたを私はずっと見ていることができますよ)

白垣根(それは変態みたいですね……)


心理定規「あっ!」グイッ

白垣根「おおおおっと」

心理定規「ねえ、見て! カクレクマノミよ!」

白垣根「ファインディング・ニモのやつですね」

心理定規「そうそう! イソギンチャクとセットだよね、やっぱり」

白垣根「でも、カクレクマノミはイソギンチャク本体をちぎって食べたりもしますよね」

白垣根「必ずしも互恵関係ではないということです」

心理定規「やめてー、夢壊さないでー!」

心理定規「でも、私たちはずっと互恵関係でいたいわね」


白垣根「……」

心理定規「どうして黙るの?」

白垣根「私は何かあなたに恩恵を与えることができているのかなーと」

心理定規「はあ、守ってくれるんでしょ? それに一緒にいてくれるし、料理も皿洗いも手伝ってくれる」

心理定規「何より、とびきりの愛情を注いでくれてるじゃない」

心理定規「それ以上に何も求めるものなんてないわ」

心理定規「むしろ私の方が何も……」グッ

心理定規「なっ、なに?」

白垣根「あなたの愛情……料理、笑顔、匂い、温もり……全て私にくれているじゃないですか」ダキッ

心理定規「ちょ、あなた、人前っ、んっ……」チュ

心理定規「……あなた……キスで口を塞ぐなんて……ずるいわね」カァ


白垣根「……あなたの全てが私にとっては恵みそのものなんです」

白垣根「というかあなたがいるだけで、私は生きていける。私の生きる糧なんですから」

白垣根「あなた自身の価値をわかって欲しい」

心理定規「……ばか。そんなこと言われたら、私、どんな顔したらいいのよ」

白垣根「笑顔とかはどうです? 私はそれが一番好きなので」

心理定規「恥ずかしくて、嬉しくて、顔見れないよ……だからご希望にはお答えしかねるわ」

白垣根「そうですか。でしたら次はどこへ行きたいですか?」

心理定規「イルカショー」

白垣根「……では、そうしましょう」

心理定規「じゃあ、手」スッ

白垣根「はい」ギュッ

ここまでー
乙ありー


バッシャーン

心理定規「きゃあ!」ビシャア

白垣根「びしょびしょですね」ジョブジョブ

心理定規「冬にすることじゃないわね」ポタポタ

白垣根「でも笑ってるじゃないですか」

心理定規「ふふっ、だって面白いのと濡れて困るのは別問題でしょ?」

白垣根「……確かにそうですね」


心理定規「そう言えば、番号が当選したら、イルカにお触りできるのよね?」

白垣根「ええ、私たちの番号は810ですけど……まあ、当たらないと思いますよ?」

心理定規「諦めたらそこで試合終了よ。当選するように祈るの……」グッ

白垣根「ふふっ、そうですね……確かにあなたの言うとおりだ」

白垣根「学園都市らしくはありませんが、祈りましょう」グッ


『それではお触りイルカの当選番号を読み上げます』

『85 198 351 564 666 810です!』

心理定規「あ、あなた……当たったわ」ギュウウウウ

白垣根「嬉しいのは分かりますが……手、痛いですよ……」

心理定規「あ、ご、ごめんね」サスサス

白垣根「いえいえ、ほら、早く行きましょう」

心理定規「そうね。さっきはホントにごめんね」

白垣根「いいですってば、アジトに帰ってから仕返ししてあげますから」

心理定規(仕返し……?)


イルカ「きゅうきゅう!」

心理定規「ねえ、あなた見てっ、すごい可愛いわ」ナデナデ

イルカ「きゅうー」

白垣根「非常に愛らしいですね」オソルオソル

ツンツン

イルカ「きゅーうー」

白垣根「はわわ……可愛いですね!」

心理定規「ええ。つぶらな瞳でこっち見てるわ」ナデナデ

イルカ「きゅうきゅうっ!」

心理定規「ああっ、こっちに体寄せてきたわーよしよし」ナデナデ


白垣根「イルカは甘え上手ですね」ポイッ

イルカ「きゅーうっ」モグモグ

心理定規「ホントそうね……可愛く擦り寄ってくるから、甘やかしたくなっちゃうわ……」

白垣根(可愛く擦り寄れば、甘やかしてもらえる?)

白垣根(……これもアジトに帰ってからでいいでしょう)

心理定規「ほら、行っておいで」ポイッ

イルカ「きゅーん」ジャボン

心理定規「しかも、人間と違って素直で純粋だし」

白垣根「邪悪な心をもった動物っていませんからね」

心理定規「あー、あなたもそこそこ当てはまるわね」

白垣根「そうですか? 私は素直でも純粋でもないですよ」

心理定規「いやいや、素直でしょ?」

心理定規「普通なら人前で抱きしめたくてもキスしたくてもしないでしょ?」


イルカ「きゅうきゅう」パクッ

心理定規「ねー、いーちゃん?」

イルカ「きゅう?」

しろ垣根「そのイルカはきゅうたんっていうらしいですよ」

心理定規「し、知ってるわよ……」

心理定規「ねー、きゅうたん?」

きゅうたん「きゅうきゅう!!」バシャバシャ


心理定規「あー、きゅうたんすごい可愛かったわね」

白垣根「あなたにはかないませんよ」

心理定規「褒めてくれるのは嬉しいけど、きゅうたんの可愛さと私の可愛さは違うから」

白垣根「なるほど」

心理定規「って、私が可愛い前提で話を進めちゃったわね」

心理定規「あなたが可愛い可愛い言うから本当に可愛いのかな、とか思うようになっちゃったんだからね」

心理定規「責任とってちょうだいよ?」


白垣根「どんな?」

心理定規「私が可愛く見せようとしている間はちゃんと可愛いって言ってもらうわ。可愛くないならそれもちゃんと言って」

心理定規「あなたの隣を歩けるように私も外見も内面も磨いていくから」

白垣根「そんな大層な男じゃありませんよ」

心理定規「そんなことないわ。私が認めた男だもん。大層な男よ」

白垣根「まさか私が褒められるとは……」

心理定規「私がベタ惚れした彼氏だもの。普段言わないだけで、いいところなんて無数にあるわ」


白垣根「そう言えば、自分で自分に自信が持てると、さらにその部分に磨きがかかる傾向があるらしいですよ」

白垣根「逆にコンプレックスはどんどん酷くなる……」

心理定規「へえ、私もあなたのおかげで自分の可愛さに自信持てそうだし、可愛くなれるかな」

白垣根「でしょうね。あなたは可愛いと言われたからといって、影での努力を欠かす人間ではないですから」

心理定規「何よー、影の努力って」

白垣根「女の子の準備には時間がかかる、でしたっけ?」

白垣根「バレバレです」

心理定規「……そうよ。時間かけてオシャレしてるんだから、褒められたらすごい嬉しいの」ニパッ

白垣根「いい笑顔です」パシャ

心理定規「なっ、カメラ!!」

ここまで。
おつありです


「あ、いたいた」

「おいおい、邪魔するのは悪いだろ」

「いいの。はまづらは黙ってて」

白垣根「おや、浜面さんに滝壺さん」

浜面「なっ、バレた!!」

心理定規「はぁ、どうして知り合いがいたからって追ってくるのかしらね」

心理定規「こっちはデート中よ?」

浜面「わ、悪かった! ほら、滝壺も!」

滝壺「……」ツ-ン

白垣根「そう怒らないであげてください」

心理定規「……あなたがそう言うなら、別に許してもいいけど……」

浜面(……あのドレス女が、垣根帝督に恐ろしいほど心を許している!!?)


心理定規(……彼との時間をこんな形で邪魔されるとは予想外だったわ)

心理定規(次はもう少し警戒しないと)

心理定規(今回は素直に諦めましょう……)グッタリ

心理定規(全部見られてると警戒しなきゃ……イチャイチャできないのかぁ、辛いわ)

心理定規「で、何の用?」

心理定規「人のデート邪魔してまで片付けたい用事があるんでしょう?」

滝壺「大したことじゃないけど」

心理定規「すーはーすーはー……」

心理定規(キレたら彼に嫌われちゃうわね)


滝壺「互いをかばい合う男女なんて美談よ。レアすぎて壊すのが惜しくなってきた、とか言ってた二人組が付き合うなんてびっくりしただけ」

滝壺「ね、浜面?」

浜面「まあ……そうだけど、何かあったんじゃねぇの?」

浜面「あの後に愛を育むキッカケになる出来事みたいなのが」

心理定規「うるさいわね。別にかばい合うような関係じゃないもの」


白垣根「私に誰かが銃を向けてたらどうします?」

心理定規「そりゃ、身代わりになるか、銃を取り落としたりさせるよう努力するわ」

浜面「かばってるじゃん」

心理定規「むう……あなたはどっちの味方なのよ……」

白垣根「もちろんあなたの、ですよ」ナデナデ

心理定規「いじわる……」

白垣根「私たちもかばい合う男女だというだけの話ですよ。美談じゃないですか」ナデナデ

心理定規「でも……あなたをかばえるならそれでいいわ」

白垣根「私はあなたを犠牲にするのは遠慮したいですが」


浜面「あ、えと……」

浜面(見てはならないものを見てしまった?)

浜面「まあ、本題が別にあってな」

白垣根「なんですか?」

心理定規「何かしら?」ニコ

浜面(あれー、態度変わりすぎじゃない?)

滝壺「はまづら、女の子は好きな男の子に撫でられたらちょっとした嫌なことは忘れちゃうだけ」

浜面「あ、ああ、心読んだのかな?」


浜面「ボーリング、行かねぇか?」

白垣根「二人で行けばいいのでは?」

浜面「大人数の方がいいだろ?」

心理定規「ふーん、まあ、いいんじゃない?」

心理定規「ボーリング、苦手じゃないし」

心理定規(接待用に散々練習したんだから)

浜面「お前は?」

白垣根「心理定規さんも乗り気ですし行きますか」

心理定規「やった。浜面くん、私負けないから」

滝壺「む、はまづら、勝つよ」

浜面「いつから二対二のチーム戦になったんたよ」

白垣根「まあいいんじゃないですか?」

浜面「はー、仕方がねぇな」ポリポリ

ここまでー
乙ありです


………ボーリング場………


カコ-ンッ

心理定規「ふふふ、やっぱやるなら徹底的に潰さないとね」ゴロロロロロッ

心理定規「その為には練習あるのみよね」

白垣根「まさか練習時間があるとは予想外でした……」

心理定規「理后ちゃんがボーリング初めてだったらしくってね」

心理定規「浜面くんが教えてるそうよ」ゴロロロロ

白垣根「……」ジ-

心理定規「そ、そんなにじっと見てどうしたの?」

白垣根「だいぶ肌を出しているなーと思いまして」

心理定規「だって運動中だもの。暑くなったら脱ぐのがこの世の道理」

心理定規「別に下着になってるわけじゃあるまいし、大丈夫よ」


白垣根(確かにじんわりと汗が滲んでますね……)ジー

心理定規「あら? そんなに見たいなら座って待ってましょうよ」スタスタ グイッ

心理定規「多分この調子なら問題ないし」

白垣根「……い、いや、そういうわけじゃ」ドキッ

心理定規「まあまあ。恋人なんだから気にしないで」クス

白垣根「……」カア

心理定規「変なとこで純粋ね。いっつも肩丸出しなんだから問題ないでしょ?」

白垣根「人に見られるのが嫌なんですよ……」

心理定規「……独占欲? あなたが嫌なら上着一枚羽織っておくけど?」

白垣根「いえ……その必要はないですよ」

心理定規「そ。それは良かったわ」


白垣根「……」ジー

心理定規「……」パタパタ

白垣根「……前から思ってたんですけど、肌白いですよね」

心理定規「え! ホント?」

白垣根「え、ええ」

心理定規「ホントのホントならすごい嬉しいんだけど」

白垣根「ええ。ホントですよ」

心理定規「ふふっ、そんなこと言ってもらったの初めて……」

心理定規(努力に気付いてもらえるとやる気出るわね……)ニヤニヤ 


白垣根「……少し触ってもいいですか」

心理定規「え、ええ、構わないけど……」

白垣根「……」サワサワ

白垣根「すべすべだ……」サワサワ

白垣根(でも汗でしっとりしてる……)

心理定規「あなたのために気をつかつてるからね」スリスリ

白垣根「……っと、あまりやりすぎると興奮してしまいそうなので、この辺で……」ストップ

心理定規「ちぇ、妙に正直ね」


白垣根「あはは……あなたに察せられたら恥ずかしいですし、あなたってその辺敏感でしょう?」

心理定規「あー、確かに。あなた興奮してる時は分かるわ」

白垣根「やっぱり」

心理定規「だから、私以外の人とか見て興奮してたら嫉妬しちゃうんだから」

白垣根「嫉妬深いですね」

心理定規「独占欲強いあなたに言われたくないわ」ツーン

白垣根「そ、それもそうですね」シュン

心理定規「ちょ、そこ落ち込むところじゃないわよ?」

心理定規「いいじゃない。お互いが好きあってるからそういう欲が出てきちゃうんだから」

白垣根「……そうですね。少し安心しました」ギュウ

心理定規「……確かに私は嫉妬深いけど、これには弱いのよね、バカみたいだけど」ギュー


心理定規「それにしても、いいわね。ここは」

心理定規「かなりいちゃついてるのに誰も気付きやしない」

白垣根「皆自分のレーンに集中し…………」

心理定規「どうしたの、あなた。急に固まっちゃって」サスサス

白垣根「隣の隣のレーン……」ユビサシ…

心理定規「ん、何かしら?」チラ


浜面「……」ジー

滝壺「ごろごろー」ゴロロロ

滝壺「どう? はまづら。一個倒れたよ」

浜面「……お、ホントだ」ジ-


心理定規「うおっ、理后ちゃんの指導すっぽかしてこっち見てるわ」

白垣根「目が血走ってますね。ボーリングの時は投げるとき以外、離れないでくださいね」

心理定規「理后ちゃんもいるからそんな心配いらないと思うけど」

白垣根「あなたが心配なんです」ギュ

心理定規「……分かったわ。心配させたくないし」

ここまでー!
乙ありです


白垣根「……」

心理定規「ところで、あなた」

白垣根「どうしたんですか?」

心理定規「あなたはボーリングの練習しとかなくていいの?」

白垣根「……」

心理定規「ねえ、あなた」

白垣根「はい」

心理定規「あなたってボーリングできるの?」

白垣根「苦手です」

心理定規「あら意外」クス


心理定規「ねえねえ、なにか言うことないかしら?」ワクワク

白垣根「私も教えてもらっても……いいですか?」

心理定規(フォーム確認=さりげないボディータッチ!!)

心理定規「ふっふっふ……次は私の番ね」

白垣根「……何のことですか?」

心理定規「ううん。何でもないわ」

心理定規(彼の意外と鍛えてある肉体をさわさわしてあげる」

白垣根「な、何をさわさわするんですか?」

心理定規「え、あ、何でもないわ」

白垣根(何をさわさわするのでしょう……でも、私もさわさわしましたし、文句は言えませんね)


心理定規「じゃあ、練習いってみましょうか」

白垣根「ますどうします?」

心理定規「とりあえず、一回投げてみて」

心理定規「それ見て考えるわ」

白垣根「ではっ」ゴロロロロロロ

ッカーンッ!!

心理定規「す、ストライクじゃない」

白垣根「おっ、うまく行きましたね」

心理定規「もう一回投げてみてっ」ワクワク

白垣根「とうっ」ゴロロロッ

カーンッ!

心理定規「またまた綺麗にストライクね」ホホウ


白垣根「あ、えと、す、すみません……」

心理定規「すごいわ。あなたできるじゃない」ニコッ

白垣根「あれ、さわさわしたかったのでは?」

心理定規「さわさわはアジト戻ってからでもできるからいーの」

心理定規「それよりも、今あなたができたことを一緒に喜びたいな」

白垣根「……そ、そんな……」

心理定規「ね?」

白垣根「……はい、ありがとうございます」


心理定規「あなたがすごいことしてると私も嬉しいの。自分は何もしてないけど、すごく人に自慢したくなっちゃうのよね」

白垣根「ああ、それは良く分かりますよ」

心理定規「でもそれってすごい惚気でしょう?」

白垣根「ええ、確かに」

心理定規「だから、どうしたらいいものかしらねって考えたの」

白垣根「結論はどうなったんですか?」

心理定規「……簡単なことだったわ」

心理定規「他の人じゃなくて、あなたに伝えればいいんだーって」

心理定規「ストライク連発してカッコよかったよって」ギュッ

白垣根「そ、それはお互いに恥ずかしいのでは?」ドキッ

心理定規「そ、そりゃ恥ずかしいけど……でも……」モジモジ


白垣根「でも、なんですか?」

白垣根「ゆっくり、落ち着いて言ってみてください」

心理定規「すう、はぁ……」サスサス

心理定規「でも、恥ずかしかったとしてもきちんと伝えたいの」

心理定規「だって、 好きだし……ちゃんとともあなたのこと良く知りたいし、私にいろいろさらけ出すことを怖がらないで欲しいから」

白垣根「……」

心理定規「私はあなたの彼女だからさ、あなたのいいところいっぱい知ってるの」ギュッ

心理定規「だから私は伝えるから」

心理定規「あなたの好きなところ、私が見つけたあなたの自慢できるところ、伝えるから」

ここまで!
乙ありです

ボウリングでした!!


ダキッ

白垣根「……」ジッ

チュ…

心理定規「っ、ぷはっ……ど、どうしたの? こんなに人いるのに」カァ

白垣根「大丈夫、誰も見てませんよ」

白垣根「あなたの可愛いキス顔は誰にも見せたくないですし」ギュウッ

心理定規「ねえ、どうしたの……あなた?」

白垣根「あなたのことが急に愛おしくなってしまって……」ナデナデ

白垣根「嬉しいし、可愛いし、優しいし……どうやら私はあなたの純粋な気持ちに弱いらしい」

心理定規「そう」

白垣根「ええ……少し話を聞いてもらえますか?」

心理定規「どうぞ」

白垣根「時々思うんです。こんなに純粋な好意を私が受け取ってしまっていいのか、と」

白垣根「だけど、あなたが他の人に同じことをしているのを想像すると、気が狂いそうなので、ありがたく宝物として受け取ってますが……」


心理定規「……そんなの、受け取っていいに決まってるじゃない」ギュウ

心理定規「私はあなたに向けて好きだって言ったし、あなたのことを色々知りたい」

心理定規「他はどうでもいいの」

白垣根「……」

心理定規「だけど、あなたは私のことに深く踏み込んでこない」

心理定規「まだ二日目だから、なんて仲じゃないのにかなり引いて接してない?」

白垣根「っ……」

白垣根(気付かれていましたか)

心理定規「あなたが私を好いてくれてることは痛いほど良く分かるわ。だけど、一歩引いて接されたら少しさみしいの」

心理定規「……ワガママでごめんね」


白垣根「……私だってあなたが私を好いてくれていることは重々承知ですよ」

心理定規「……でしょうね」

白垣根「ですが、少し考えたら疑問なんです」

白垣根「なぜあなたは私のことに私のようなただの能力の塊なんかを好いてくれるのだろうか、と」

心理定規「……ただの能力の塊?」

白垣根「ええ。どうして人間でもないただの能力の塊にそこまでしてくれるんだろう、と」

心理定規「……」ガツッ

白垣根「え……?」


心理定規「ばか……」

心理定規「こんな嫉妬して、笑って、恥ずかしがって、たまに強引になって……私のことを好きになって、落とすようなあなたが『ただの』能力の塊だっていうの?」

白垣根「……」

心理定規「たとえあなたが能力によって作られていても、私にとって、すごく大切で、かけがえのない人なの」

心理定規「だから自分の事を人間でもないただの能力の塊とか言わないで……」

心理定規「私、すごく悲しくなったの」


白垣根「え?」

心理定規「……あなたは私の彼氏なの。私の大切な人なの」

心理定規「だからそんなに自分のことをなんか、とか言って貶めないでよ」

心理定規「大好きな人がけなされてるのを見るのはすごく嫌なんだよ?」

心理定規「それがあなた自身であっても、あなたのことをなんか、とか、ただの、とか言って貶す存在があったら私が怒るから」

心理定規「許さないから」

白垣根「し、しかし……」

心理定規「……私はあなたが好きなんだから。信じて」


白垣根「…………」ジワ

白垣根「ありがとう……」ポロポロ

白垣根「ありがとう、ございます……」ポロポロ

心理定規「あなたが泣くなんて……初めて見たわ」ナデナデ

白垣根「ずっと考えてたんですよ……能力でしかない私なんて、あなたと本当の意味で理解し合うことなんてできないのだろうと」

白垣根「……だけど、あなたはそれでも、能力でも好きだと言ってくれた」

白垣根「……それなら私も、深くあなたを知りたい」

白垣根「あなたの気持ちをたくさん受け取りたい」

心理定規「うん、もちろんよ。だって恋人だし」

ここまでー


浜面「おーい、練習終わったから勝負といこうぜ、イチャイチャカップルさん?」

滝壺「え、二人はイチャイチャしてたの?」

浜面「ああ。俺たちが『一生懸命』練習してる時にイチャイチャしてたんだ」

浜面「この目で見たからな」

心理定規「……悪い? 恋人同士がイチャイチャして、何がいけないのよ」ムッ

心理定規「浜面くん以外誰も見てなかったんだからいいじゃない」

心理定規「どーせ羨ましかっただけでしょ?」

浜面「……ははは、悪いがそれはねぇよ」

浜面「なぜなら!」

白垣根「どさくさに紛れて滝壺さんのことさわさわしてましたからね」


浜面「ええと、まあそうだな」

滝壺「……」カァ

浜面「とっ、ととっ、とにかく、勝負するぞ!」

心理定規「ええ。私たちの絆を見せつけてあげましょう」

白垣根「もちろん。勝ちましょうね」

滝壺「練習の成果をみせてやる」

浜面「よしっ、叩き潰すぜ」


…………………………

トボトボ

心理定規「ご、ごめんなさいあなた」ギュッ

白垣根「くじいてしまったのは仕方が無いですよ」

白垣根「それに、あなたをおんぶできる機会なんてそうそうないですし」

心理定規「ん……あなたの背中って意外と頼りになるわね。心強いわ」

白垣根「私も背負ってみてわかるこの軽さ。壊してしまわないよう大切にしたいですね」

心理定規「ふふ、ありがちなセリフね」

白垣根「ありがちなセリフにはそれなりの意味があるんですよ。ありがちと言われるだけの意味が」

心理定規「それもそうね」


白垣根「でも、私はあなたをそれだけ大事にしたいと思っているんですよ」

心理定規「……」スースー

白垣根「……どうやら疲れてしまってみたいですね」

白垣根「吐息が首にかかってゾクゾクしてしまいますね……」

心理定規「むにゃ……」ガシッ

白垣根「ふふ、家帰ったら一緒に寝ましょう。可愛い寝顔が見れるのが楽しみですね」

白垣根「今回ばかりは欲があまりない体に感謝ですね」

白垣根「寝ずにあなたの顔を見ていられる」

白垣根「もちろん、あなたに関する欲は人並みにあるんですから、あまり無防備すぎるのも考えものですよ?」


白垣根「この駐車場ですか?」

心理定規「ん……?」

白垣根「おはようございます。駐車場はここであってますか?」

心理定規「……ええ、Bブロックの25だって」

白垣根「疲れちゃいましたか?」

心理定規「ううん、あなたとのデートはすごく楽しかったわ。浜面くんたちに負けちゃったのも含めてね」

心理定規「その後普通だったらバイバイシテして、別々の家に帰らないとならないでしょ?」

心理定規「だけど、それをしなくていいから安心しちゃったのかも」ギュウ

白垣根「なるほど、ちょっと嬉しいので帰りは私が運転しましょうか?」

心理定規「ダメ。大して運転したことないあなたには任せられないわ」

白垣根「じゃあ、お願いしますね」

心理定規「ええ」ニコ

ここまでー
乙ありです!


………スクールのアジト………

ガチャ

心理定規「ただいまー」

白垣根「おかえりなさい」

心理定規「あなたもおかえりなさい」

白垣根「ただいま」ニコ

バタン ガチャ

心理定規「ふう、これで二人だけの空間ね」

白垣根「ええ、邪魔は入らない」ギュ

心理定規「……外と変わんないじゃない」クス

白垣根「それもそうですね」

白垣根「ですが……」ヒョイ

白垣根「より大胆になれますよ」


心理定規「ひゃう、お、お姫様抱っこ!?」

白垣根「足、痛いでしょう?」

白垣根「ソファーまで連れていってあげます」

心理定規「……ありがとう」カァ

心理定規「あ、だけど食べ物とか冷蔵庫に入れないと」

白垣根「それくらい私に甘えちゃってください。せっかく二人いるんだから、分担した方が良いですよ」

白垣根「くじいてますし」

心理定規「分担って……私何もしてないじゃない」

白垣根「トラック」

心理定規「……なるほど」

心理定規「……お姫様抱っこってのもたまには悪くないわね」ギュ 


ブラブラ

心理定規「ねえ、ベッド組み立てないの?」

白垣根「それより今はあなたと肩くっつけながらゆっくりお話したいのですが、ダメですか?」

心理定規「……そんな言い方されたら断れないじゃない」

心理定規「寄りかかっちゃうから」ポスッ

白垣根「どうぞどうぞ」ナデナデ

心理定規「ん……」

白垣根「どうです? 今日のデート、楽しめましたか?」

心理定規「うん、何しててもそばにあなたがいてすごい幸せだったわ」ギュ

心理定規「手をつないで歩くだけで幸せよ」

白垣根「それは良かった。私もあなたとたくさんイチャイチャできてよかった」

心理定規「あら? ここでもっとしてるくせに?」

白垣根「こ、ここでは別ですよ」

白垣根「ですよ……ね?」


心理定規「ふふふ、可愛いわね」

心理定規「別よ別。誰の目にもつかない、二人だけの空間だからね」

白垣根「ですよね、ふう、良かった」

心理定規「さすがに外でできることには限度があるし」ウフフ

心理定規「まあ、あなたには限界というものが存在していないらしいんだけど」

白垣根「え? きちんとセーブしてたじゃないですか」

心理定規「えー、外でキスするのにセーブしてるとか言えるかしら」

白垣根「……そ、それは厳しいですね」アハハ…


スック

心理定規「さてと、そろそろ夜ご飯作らなきゃね」

白垣根「足はいいんですか?」

心理定規「ええ。そんなひどくはないし」

白垣根「では、私はベッド組み立ててきますね」

心理定規「……早く戻ってきてよ?」

白垣根「……ええ。分裂して終わらせてきますよ」

心理定規「うん、よろしくね」

ここまでです。
乙ありです


…………………………

白垣根「ごちそうさまでした」

心理定規「お粗末様でした」

白垣根「ふう……」

心理定規「お腹いっぱいかしら?」

白垣根「ええ。美味しいから食べ過ぎてしまうんですよ」

心理定規「褒めたって何も出ないわよ」

白垣根「何も出さなくていいですよ。あ、でも笑顔を見せてくれたら嬉しいですね」

心理定規「……そ。でもあなたのペースには乗らないんだから」

白垣根「そうですか。私の待ち受け候補フォルダに新たな写真が増えるチャンスだったのですが」


心理定規「え? いつの間にフォルダまで作ったのよ」

白垣根「今日は無音カメラが大活躍でしたよ」

心理定規「な!! ちょっと、それ貸しなさい」

白垣根「おおっと。今日は撮っていいと言ったじゃないですか」

心理定規「消さないから。見せて?」

白垣根(変な写真は全て気になる生物フォルダに入れてあるはず……)

白垣根「……絶対消さないでくださいね」スッ

ヒョイッ

心理定規「ゲット……さて、どんな写真を撮ってるのやら」ポチポチ

白垣根「……」ドキドキ


心理定規「あら? 昨日の奴まだ消してなかったの?」

白垣根「う、すみません」

心理定規「……ファイル名、何これ」

白垣根「『第一位』です」

心理定規「あら? あなた第二位だから私に負けちゃうわよ?」

白垣根「……ですね。しかし、あくまでも私が好きなもの・人ランキングの第一位なので」

白垣根「能力は関係ないんで」

心理定規「そう。なんだか痛い所を突いちゃった感じかしらね?」

白垣根「……『第一位』は消した方がいいですか?」

心理定規「……いいわよ。取っておけば」

白垣根「よかった……やはり予告なしに撮るものが一番いいですね。自然な可愛さは私の好みですし」


心理定規「そんなことないと思うけど……だってこれとか笑い方が子供みたいじゃない」

心理定規「こっちの方が私っぽいでしょう?」

白垣根「……『第一位』の方は普段見せてくれない笑顔だから私は好きなんですけどね?」

心理定規「……ほ、他もきちんと見なくちゃね。何撮ってるか分かったもんじゃないから」カァ

白垣根「ええ。あなたが消したいと思うような変な写真はありませんけど」

心理定規「……怪しいわね」サッ

白垣根「ちょっ」アセッ

心理定規「……やっぱりやましいことがあるのね」クルッ

心理定規「まあ、AVとかがあるくらいは気にしないけど……」

心理定規(気になる生物……他は変な名前のフォルダはないわね)ポチ


白垣根「ああ!! そのフォルダは!!!」

心理定規「ふーん、ビンゴね」

心理定規「あら、このフォルダは動画もあるんだ……サムネ真っ黒じゃない……」

心理定規「再生するしかないわね」

白垣根「ああっ」


心理定規『……あなたぁ……』

白垣根『おお、やっと寝言が……っときちんと記録しなくては』

白垣根『どうかしましたか?』

心理定規『ん、いた……』

心理定規『えへへ……よかった』

白垣根『……』

白垣根『また寝てしまったようですね』

白垣根『可愛いものが撮れましたね……』


心理定規「これは?」

白垣根「お宝を集めたフォルダです」

白垣根「恐らくもう二度と見れなそうなもの、見せたら消されそうなものを集めました」

心理定規「……こんなこと言ってたの?」

白垣根「ええ、おんぶしている時に」

心理定規「……」カァ

心理定規「これ、誰にも見せちゃダメよ?」

白垣根「見せるつもりなど毛頭ありませんよ」

心理定規「……もう少し見てみましょう……」


白垣根「でしたら、先にシャワー浴びてきちゃいますね」

心理定規「お風呂は?」

白垣根「この体にはシャワーがあれば十分すぎますよ」

心理定規「そう。ならどうぞ」

心理定規「だけど、消されるって心配はしないの?」

白垣根「いえ、あの動画を見てる時のあなたを見て、そのフォルダは見られてもいいやと思ったので」

心理定規「ふーん? ま、いいわ。いってらっしゃい」

白垣根「ええ、ではお先に」

ここまでです
乙ありです!

このゆっくりした感じいいなぁ
続き待ってる


………………………

白垣根「ふう……でましたよ」フキフキ

白垣根「……返事がないですね……」スタスタ

心理定規「……」スースー

白垣根「今日撮られたのに無防備ですね」グイッ

白垣根「さてと。ちゃんと布団かけて寝ないと風邪ひきますよ」

白垣根「もうすぐ冬なんですから」

心理定規「……ふふっ、面倒見良いんだ」


白垣根「お、起きてたんですか?」

心理定規「ううん、寝てたけど、抱き上げられたときに目が覚めたの」

心理定規「気づいたらすぐ近くからあなたの匂いがしたんだもの」

白垣根「……それはすみません」

心理定規「別に。あなたの気になる生物だっけ? あのフォルダ、堪能させてもらったから」

心理定規「ファイル名も含めてね」

白垣根「どうでしたか?」

心理定規「そうね……一言でいうならバカね」


白垣根「バカ、ですか?」

心理定規「そう。けなしてるわけじゃないわ」

心理定規「親バカって言うでしょ? あれみたいな感じ」

白垣根「心理定規バカということですね」

心理定規「……私がバカって言われてるみたいね」

白垣根「かもしれませんね」ガチャ

心理定規「なっ、認めるの!?」

白垣根「冗談ですよ。おろしますね」ポスッ


心理定規「あ……そっか。組み立ててくれたんだ」

白垣根「ええ、数人で協力してやりましたよ」

心理定規「便利な能力ね」

白垣根「そうですか? あまり分裂すると元の私に近い人格が出てきてしまう恐れがあるので注意しないとならないんですよ」

心理定規「……複雑なのかしらね」モグリ

心理定規「あなたは布団入らないの?」

白垣根「……ああ、あなたは眠いんでしたっけ」

心理定規「……あなたが起きてるっていうなら私も起きてる」

白垣根「いいえ、私も寝ますよ。今日は動き回りましたし」

ボスッ


心理定規「うん、じゃあ……向き合って寝たいんだけどいいかな」

白垣根「向き合って、ですか?」

心理定規「ええ、あなたの顔見ながら寝たいな……」

心理定規「……そして、あわよくばあなたの寝顔を私のフォルダに収めたいなあ、みたいな」

白垣根「なるほど。ですが多分私のフォルダに写真が増えるだけですよ?」

心理定規「……それも悪くないわ」

白垣根(変な気を起こさないようにしなくては)クル

白垣根「これでいいですか?」

心理定規「ありがと、あなた」ニコッ

白垣根「代わりに頭撫でさせてもらってもいいですか」

心理定規「えっ、いいの? じゃなくて……べ、別に撫でてくれてもいいわよ」フイッ


白垣根「ふふ、ツンデレさんですか?」

心理定規「ツンデレじゃないわ。ツンもデレもしないから」

白垣根「……そうですか」プニ

心理定規「なななっ、何っ!?」

白垣根「ふふ、可愛いですね。今日一日で、二人の距離は縮まったでしょうか?」

心理定規「と、唐突ね……」

心理定規「でも縮まったでしょ?」

心理定規「あんな泣きそうな思いしながらバイバイしなくていいんだもの」

ここまでです
乙ありですー!

>>388
ありがとうございます。


白垣根「昨日なら、この地点でひとりひとり別々だったのに、今日はこの地点で二人一緒にいる」

白垣根「手を伸ばせば届く距離にあなたがいる」プニ

心理定規「だから突っつかないでよ。くすぐったいわ」

白垣根「……んっ」チュ

心理定規「はわわわっ、な、何?」

白垣根「キスですが……?」

心理定規「……何か? とでも言いたげな顔ね」

白垣根「あなたの反応は面白かったですけどね」クスッ

心理定規「むっ……私は眠いの」

心理定規「もちろん、あなたとイチャイチャと頬をつつきあったりするのもしたいし、頭撫でてくれるのも嬉しい」

心理定規「ていうか、して欲しいわ」


心理定規「だけど、今日ははしゃぎすぎて疲れちゃった」

心理定規「だから、えっと……今日は私のこと見守っててほしいっていうか、何ていうか……」

心理定規「そういう恋人っぽいことは、今日はおあずけでもいいかな?」

白垣根「撫でてもいいのなら、全然構いませんよ」

白垣根「あなたの可愛い寝顔を見ながら、パーマのかかったサラサラ髪を撫でながら眠る……」

白垣根「至高の時間ですよ……」

心理定規「かもしれないわね」クス

心理定規「手を繋ぎたくなる、頭を撫でなくなる、キスをしたくなる、抱きしめたくなる、それくらい好き」

心理定規「そんな気持ちを体で表現し合えて、そのことがお互い嬉しくて、愛しくて、幸せになれるの」

心理定規「で、それがなくなったら切なく苦しくなる」


心理定規「……恋愛って本当に不思議なものね」

心理定規「恋愛してる本人が何言ってるんだって話だけど」

白垣根「……詳しいことはわかりませんが、私があなたのことが好きなことは変わりませんから」

心理定規「ふふっ、逆もまた然りね」

白垣根「ええ。それだけの事実でいいんじゃないでしょうか?」

心理定規「まあね。本気で考えようとはしてないわ」

白垣根「そうですか」

心理定規「そうですよ」


心理定規「……でも、そろそろお別れの時間かな」

心理定規「寝るわね」ゴシゴシ

白垣根「ええ、私は寝落ちするまで見守ってますよ」

心理定規「あーあ、結局あなたのフォルダが潤うのね」

白垣根「ですね」

心理定規「でもいいわ、悪い気分じゃないし」


心理定規「えっと、それじゃあお休み、あなた」


白垣根「……ええ、おやすみなさい。いい夢を」




~おしまい~


キリのいいところになったのでこれにておしまい。
ダラダラしすぎた気がしますが、今まで見てくれた方ありがとうございました。
それでは……

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