めぐり「比企谷くんったらね………」いろは「いつまで聞かされるんだろう」 (260)

いろは(私が大学に入学すると先輩………比企谷先輩とめぐり先輩が付き合っていた)

いろは(それから、私とめぐり先輩は仲良くなって、毎日めぐり先輩の愚痴を聞いていたのだけど)



めぐり「比企谷くんったらねー」ニコニコ

いろは(愚痴って感じが一切ないんだよね………)



いろは(そんなめぐり先輩のお話です)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1463401679

このssは

めぐり「比企谷くんったらひどいんだよ!?」いろは「はぁ」
めぐり「比企谷くんったらひどいんだよ!?」いろは「はぁ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1457619742/)

の続きのお話となります。

前回のお話を読んでいなくても大丈夫という訳でもないので、このssを読もうと思ってくれている人は是非上記のssを読んでからにしてください


いろはは「風呂壊れてもーたわ」

いろは「えー!お風呂は女の子にとっての(ry」

いろはは「そない言うなら銭湯行ってき」

いろは「はーい」



いろは(銭湯かぁ………そういえば行くの初めてだなぁ)

いろは(何かマナーとかルールとかが厳しいって聞くけど………大丈夫かな)

いろは(こんな時、銭湯の常連の知り合いが居ればいいんだけど………)



めぐり「………あれ?いろはちゃんも銭湯?」

いろは(居た)

めぐり「珍しいねーいろはちゃん」ヌギヌギ

いろは「いえ、ちょっと家のお風呂が壊れちゃいまして………めぐり先輩は?確かお風呂はもう治ったんですよね?」ヌギヌギ

めぐり「もっかい壊れちゃってさー。前のは応急処置みたいな物らしくって。今は根本的な所から治してもらってるよ」バサァ

いろは「へぇ」バサァ

めぐり「はぁー。混浴だったら、いつも通り比企谷くんと一緒に入れたのになー」

いろは「………」

いろは(無視しよう)

めぐり「残念だなぁー」

いろは(家以外の場所で体洗うの久々だなー)ゴシゴシ

めぐり「残念だなぁー」スリスリ

いろは(まだ言ってる)

いろは「はぁ………そんなにあの先輩の裸が見たいなら家に帰ってから散々拝ませて貰えばいいじゃないですか」ゴシゴシ

めぐり「身も蓋もないねいろはちゃん………違うよ!私は別に比企谷くんの裸が見たい訳じゃないよ!」スリスリ

いろは「見たくないんですか?」

めぐり「見たい」

いろは「やっぱり見たいんじゃないですか。毎日見てるでしょうに」ゴシゴシ

めぐり「そ、そりゃあ見たいとも思うけど、それだけじゃないよ!」スリスリ

いろは「はぁ」

めぐり「一緒のお風呂じゃないと洗いっこできないじゃない?」

いろは「洗いっこ………ですか」

めぐり「うん。こう、スリスリっと」スリスリ

いろは「………さっきから気になってたんですけど………先輩タオル忘れたんですか?」

めぐり「ん?」スリスリ

いろは「素手にボディソープじゃないですか」

めぐり「あ、あぁー。家での癖でつい」

いろは「………もしかして洗いっこの時もそれですか」

めぐり「う、うん」

いろは「………お互い、素手にボディソープですか」

めぐり「それはもう。体の隅から隅まで」スリスリ

いろは(素手………ボディソープ………体の隅から隅まで………)

いろは「………」ジャバーッ

めぐり「あ、体洗い終わった?」

いろは「煩悩退散煩悩退散………」

いろは「あ“ぁー」チャプン

めぐり「あ“ぁー」チャプン

いろは「めぐり先輩の浸かる時の声おっさんみたいですよ」

めぐり「いろはちゃんの浸かる時の声おじさんみたいだよ?」

いろは「酷い。めぐり先輩、言っていいことと悪いことがありますよ」

めぐり「えぇ!?先に言ったのいろはちゃんだよね!?」

いろは「彼氏持ちに言うのと独り身に言うのでは意味が違いますよ」

めぐり「えぇー………」

いろは「めぐり先輩は『おっさん声の彼氏持ち』で私は『おっさん声の独り身』になっちゃうんですよ?」

めぐり「後者の悲壮感が凄いね」

いろは「挑発ですか?挑発ですね?」

めぐり「い、いやそういうつもりで言ったんじゃないよ?大丈夫だよ!私がさっきみたいな声出ちゃった時も『そういう所も可愛い』って比企谷くんが」

いろは「戦争ですか?戦争ですね?」

めぐり「その後湯船で………」

いろは「いろはすアタック!」バシャッ

めぐり「はー。温まったー」

いろは「フルーツ牛乳………飲むの久しぶりです」クピクピ

めぐり「いちご牛乳も美味しいよー」

いろは「………」クピクピ

めぐり「………?」

いろは「………買わないんですか?」

めぐり「あぁ、うん。比企谷くんに買って貰うから」

いろは「うわっ!彼氏をATMにしてる!悪っ!」

めぐり「大袈裟だよ!それに、ぬるくなるからまだ買ってないだけで私も比企谷くんにコーヒー牛乳買って行くし」

いろは「………さすがにそれぐらいはお互い自分で買いましょうよ」

めぐり「………うぅ」

いろは「というか、あの先輩もよく付き合いますね」

いろは(こういう無駄なことは嫌いっぽいけど)

めぐり「あぁ、それはね?いちご牛乳が男湯にしか売ってないからだよ」

いろは「………いや女湯にも売ってるじゃないですか」

めぐり「いや、私がそういう嘘を吐いてるってことだよ。比企谷くんに買って貰うために」

いろは「………うっわ」

めぐり「秘密だからね?」

いろは「でも、それならめぐり先輩がコーヒー牛乳を買って行く必要はないのでは」

めぐり「いやぁ、それがね?女湯の方にしか売ってないんだって。コーヒー牛乳」

いろは「………………それって」

めぐり「何でだろうねー」

いろは「………………不思議ですね」

めぐり「ねー」

いろは(フルーツ牛乳はどうなんだろう)



いろは(以上、お風呂のお話でした)

めぐり「比企谷くんが優し過ぎる!」

いろは「またですか」

めぐり「はぁー………」

いろは「なんでしたっけ?無理矢理されたいんでしたっけ?」

めぐり「うん。なのにしてくれない」

いろは(あらためて酷いぞこの癒し系)

めぐり「はぁ………本当もう優し過ぎる」

いろは(これ以上こんなのろけ聞いてられないなぁ………)

いろは「………私に良い考えがあります」

めぐり「本当!?」

いろは「先輩から襲って来るまでセックス禁止です」

めぐり「えぇー?」

いろは「我慢できなくなるまで我慢させる。それしかないです」

めぐり「うーん………」

いろは「できないですか?」

いろは(三日に二回はシてるって言ってたしね………)

めぐり「で、できるよ!私エッチじゃないもん!」

いろは「よく言えますね………でも、あの先輩は欲求不満になっちゃうかもですねー」

めぐり「?それが狙いでしょ?」

いろは「………いやー、浮気されちゃうかもですねー」ニヤニヤ

いろは(困れ)

めぐり「しないよ?」

いろは「え?」

めぐり「比企谷くんは浮気しないよ?」

いろは「あ………はい。そうですね」

めぐり「うん」

いろは(この人が苦手だったこと思い出した)

いろは「更に、様々なテクニックを教えます」ガサガサ

めぐり「テクニック?って何その雑誌」

いろは「オトコノコはたまらない!?~七つの小悪魔テクニック~です」パサッ

めぐり「胡散臭い………」

いろは「むぅ。結構信頼できる雑誌なんですよ?」

めぐり「へぇ」

いろは「えっとまずは………『メールをすぐには返さない』」

めぐり「えぇー。すぐ返した方が絶対喜んでくれるよ?」

いろは「いえいえ、すぐには返さず焦らすんです。それによりメールを返した時のリアクションが………」

めぐり「あっ、比企谷くんからメールだ」

いろは「おっ、丁度いいですね。早速テクニック実践のチャンスです」

めぐり「えーと………『恋愛物がいいなぁ』………っと。送信!」

いろは「送信!じゃないですよ!話聞いてました!?」

めぐり「はっ、つ、つい」

いろは「もー。それで、何のメールだったんです?」

めぐり「私達いっつもお家デートだからさー。大体映画借りるんだけど、何がいいですかって」

いろは「またのろけて………」

めぐり「聞いたのいろはちゃんだよね?」

いろは「えぇい!次のメールはちゃんと焦らすんですよ!?」

めぐり「もうしばらく来ないんじゃないかなー。メールは受け取った方が終わらせるっていうルールが有って………」

いろは「カップルルールとかいいですから!もう!次!」

めぐり「次は何?」

いろは「『髪を嗅がせる』………ふわっとしたシャンプーの香りにオトコノコはドキドキ!?………だそうです」

めぐり「………へぇ、どうやるの?」

いろは「こんな感じです」スッ

めぐり「わわっ」

いろは「………んっ」ファサッ

めぐり「おぉー」

いろは「自然に近づくことでドキドキを稼いじゃおう!………だそうです」

めぐり「ドキドキって稼ぐ物なんだ………でも、うん。やってみる!」

いろは「………………」

めぐり「………?」

いろは「………ちょっと練習しましょうか」

めぐり「あ、うん」

いろは「3、2、1。はい」

めぐり「えいっ!」ズイッ

いろは「!?」

めぐり「えいっ!えいっ!」ミツアミペシペシ

いろは「!?………!?」

めぐり「ふふん」ドヤァ

いろは「………………不合格」

めぐり「えー?」

いろは「次」

めぐり「なになに?」

いろは「『薄着』」

めぐり「急にストレートな………」

いろは「どうせ男はカラダ目当て。馬鹿ばっかり………だそうです」

めぐり「ねぇ、別の雑誌じゃないよねそれ」

いろは「という訳でこれから家では常時裸エプロンで」

めぐり「………それで比企谷くんが襲ってくれるなら………」

いろは(危ない目をしている)

めぐり「あー………でも比企谷くん冬服派っぽいんだよねー」

いろは「へぇ?」

めぐり「この前もさー」

いろは「ストップ」

めぐり「それに比企谷くんはカラダ目当てなんかじゃないもん。私の心を抱いてくれるの」

いろは「うっざ」

めぐり「ついに声に出したねいろはちゃん………」

いろは「はぁ………残り四つも多分先輩には無理ですね」

めぐり「えー」

いろは「………まぁ、先輩は我慢するだけですし」

めぐり「うん!頑張る!」

いろは(そんなに元気良く答える場面ではない)

いろは「………で、あれから一週間ですが」

めぐり「………はい」

いろは「………シましたね?」

めぐり「だ、だって!あんなに優しく触られたら!」

いろは「結局優しくされるのが好きなんじゃないですか」

めぐり「そうかも(はぁと)」

いろは「うっざ」



いろは(以上、優しさの話でした)

いろは「もふもふっもっふもふっ♪」スタスタ

いろは「………………あれ?」

いろは(いつもはここら辺にめぐり先輩が居るんだけど………)

いろは(今日は大学来てないのかな?)

いろは「………………」

いろは(何か気になる………一応メール打っとこ)タシタシ

いろは『今日大学来てないんですか?』

ポーン♪

いろは(返信早い………)スッ

めぐり『比企谷くんから離れられないから大学行けないの』

いろは(………何を言ってるんだこの人)

めぐり「あ、いろはちゃんおはよー」

いろは「おはよーですー。今日は来たんですね」

めぐり「うん。来たよー」

いろは「昨日は何が………」

いろは(いや、ちょっと待って。今回もどうせのろけ話じゃ………)

めぐり「比企谷くんがね~?」

いろは(遅かった)

めぐり「私ね?ホラー映画苦手で………」

いろは「前に聞きましたね」

めぐり「うん。『怖がる先輩も可愛い』って………」

いろは「それがどうしたんです?」

めぐり「あの時の比企谷くんはちょっとサディスティックで、だけどちゃんと優しくて、それがもう………」

いろは「それがどうしたんです?」

めぐり「昨日も比企谷くん、ホラー映画借りて来てね?」

いろは「酷い彼氏ですね。別れた方が良いですよ」

めぐり「別れないよ?それで、映画が凄く怖くて、私泣いちゃったの」

いろは「はぁ」

めぐり「で、それから比企谷くんいっぱい甘えさせてくれて………私が平気になっても甘えさせてくれて………」

いろは「………」

めぐり「で、いつまでも甘えさせてくれるから、試しに『怖くて手繋いでなきゃ嫌』って言ったら、比企谷くん信じちゃって………」

いろは「一日中手を繋いでた………と」

めぐり「うん」

いろは「………バカですか?」

めぐり「バカップルでーす♪」

いろは「単位落とせ!」

いろは(というか………)

いろは「よくあの先輩も付き合いましたね。すぐ見抜きそうですけど」

めぐり「私が泣いた時すごい動揺してたからねー」

いろは(何か想像できる)

めぐり「ほんと、比企谷くん私のこと好き過ぎだよねー」

いろは「共依存って奴ですかね」

いろは(ある意味一番のホラーはこのカップルかも………)



いろは(以上、ホラー映画の話でした)

前回の風邪の話の続きです。



めぐり「ゲホゴホ」

いろは「あ、のど飴舐めます?」ゴソゴソ

めぐり「ごめん、いらない………」



ガチャッ



めぐり「あ、比企谷くん帰って来た!」パァァ

いろは「はい、じゃあ私はもう大学戻りますね」

めぐり「うん!ありがとー!」

いろは(もう八割方治ってる気がする)

いろは「それでは、お大事に」

翌日。



めぐり「昨日比企谷くんがねー?」

いろは「………良かったですねー」

めぐり「あれ?まだ何も言ってないよ?」

いろは「言われなくても解りますよ。どうせのろけ話でしょう」

めぐり「はーい、そうでーす!」

いろは「………………」

めぐり「………それでねー?」

いろは(続けるんだ………)

めぐり「もう私は体起こす以外何もしてなくてー。こう、良いよね!お世話されるのって良いよね!」

いろは「駄目人間ですね」

めぐり「うぅ………でも良くない?お世話されちゃうの良くない?子供扱いがキュンってくる時ない?」

いろは「………まぁ………解らなくも、ないですけど………」

めぐり「だよねだよね!」

いろは(こう、やっぱり父性を感じたい時も有る)

めぐり「どんなお願いも聞いてくれるんだよー?ずっと撫でてもらったりー、ぎゅってしてもらったり。さすがにキスはしてくれなかったけど」

いろは「無限ループになっちゃいますからね」

めぐり「もうそれでいいんじゃないかなー。明日は比企谷くんを看病してー、明後日は看病してもらってー」

いろは「………普通に生活が苦しいと思うんですけど」

めぐり「もー。いろはちゃんは夢がないなー」

いろは(先程の話は夢が有ったのだろうか………)

めぐり「やっぱり恋人が苦しんでる時はそばに居てあげたいじゃない?」

いろは「少なくとも先輩は苦しんでないですよね」

めぐり「補って余りあるよねー。愛が」



いろは(以上、病気(恋)のお話でした)

いろは(めぐり先輩はいつでも幸せそうだ)

いろは(彼の近くでも、遠くでも)

いろは(めぐり先輩の話を聴いていると、正直引く時も有るし、それが本当に幸せなのか疑わしくなる時も有る)

いろは(………けれど)



めぐり「比企谷くんったらね………」



いろは(なんだかんだ、どこまで行っても幸せなんだろうなぁ)

めぐり「それでねー?」

いろは(いつまで聞かされるんだろう)



いろは(以下、めぐり先輩のお話になります)

これからもだらだら続きを書いて行こうと思います。楽しんでいただけたなら幸いです。

とりあえずここまで読んで下さった方々。

ありがとうございます。

どんだけ1愛されてるんだよ笑

>>43

光栄です。

続きです。



めぐり「比企谷くんがねー?」

いろは「………」

めぐり「比企谷くんのー比企谷くんでー比企谷くんとー」

いろは「………ちょっといいですか?」

めぐり「うん?何?」

いろは「めぐり先輩達は付き合って何年経つんです?」

めぐり「この前一周年のお祝いしたよ」

いろは「ふむ」

めぐり「まぁ、毎月お祝いしてるんだけど………」

いろは「………結婚する予定なんですよね?」

めぐり「うん。比企谷くんが『ちゃんと自立してから~』って言うから、まだだけど、後三年すれば私の名前は『比企谷めぐり』だよ?」

いろは「………それです」

めぐり「?」

いろは「いつまであの先輩のこと名字で呼ぶんですか?」

めぐり「ぎくっ」

いろは「いつまでも、比企谷くん比企谷くん。と………今はまだ大丈夫ですけど、結婚したらいよいよ不便でしょう」

めぐり「うーん、そうだよねー」

いろは「それとも何ですか?結婚する気はないという遠回しな意思表示ですか?」

めぐり「違うよ?結婚するよ?」

いろは「じゃあなんで未だに名字呼びなんです?」

めぐり「うーん、えっと」

いろは(………何か特殊な事情でもあるのだろうか)

めぐり「その………ね」

いろは(軽々しく訊いちゃ駄目だったかな)



めぐり「下の名前で呼ぶの恥ずかしいじゃない?」

いろは「今更過ぎる」

いろは「もっと恥ずかしいことバンバンしてるでしょうに」

めぐり「?」

いろは(前々から思ってたけどこの人おかしい)

いろは「じゃあ………結婚したらどうするんです?」

めぐり「うーん………どうしよっか」

いろは「結婚しても、名字は変えなければいいんじゃないですか?世間も最近はそういうのに寛容ですし」

めぐり「えぇー………私が嫌だよ」

いろは「はぁ」

めぐり「やっぱり………好きな人と一緒の名前って、良いじゃない?」

いろは「中学生か」

めぐり「うーん、どうしよう………」

いろは「やっぱり、下の名前で呼ぶしかないでしょう。恥ずかしくても、馴れるまで」

めぐり「うーん………うん!そうだね!早速やってみる!」スチャップルルル

いろは(行動が早いなぁ)

めぐり「もしもし、ひ………は、八幡!」

めぐり「………………う、うん。結婚したらややこしくなっちゃうし、いろはちゃんにも言われちゃって」

めぐり「………………うん。で、その、どうかな。八幡」

めぐり「………………本当?そっか、えへへ。私も嬉しいな」

めぐり「………………ひぁっ!?な、何で比企谷くんも!?」

めぐり「………………た、確かにそうだけど。でも」

めぐり「………………べ、別に嫌だった訳じゃ、ないけど………」

めぐり「………………そうだけど!もう!比企谷くん楽しんでるでしょ!」

めぐり「………………あ。本当だ………うーん、やっぱりまだ馴れないかも」

めぐり「………………うん。うん。そうだね。もう少し、このままでいいかな」

めぐり「はーい。あ、今晩は豚カツかなー。うん。ばいばーい」ピッ

めぐり「………いやー。私にはまだちょっと難しいなー」

いろは「………」グテー

めぐり「………?どうしたの?いろはちゃん」

いろは「いや………生は流石に辛いなぁ………と」

いろは(今までののろけはまだマシだったんだなぁ………)



いろは(以上、名前のお話でした)

今日は以上です。

これくらい短いのを週に1、2個書けたらな。と思います。

前回レスを付けて下さった方々。
ありがとうございます。

>>61
俺はいつまた我慢できなくなって痛さマックスの語り始めるのか楽しみに後書きだけ読んでる

>>63

その期待には応えられそうにないです。

続きです。



めぐり「パフェおいしー」パクパク

いろは「そーですねー」ハムハム

めぐり「大学からも近いしありがたいねー」

いろは「新装開店ってことで、今なら安いですしね」

めぐり「比企谷くんとも来たいなー」

いろは(どこからでもあの先輩に話が繋がるな)

めぐり「見てよこのメニュー!ハートの形したグラスのパフェ!」

いろは「へぇー。可愛いですね」

めぐり「あ、ほら!カップルクーポンとかも有るみたいだよ!」

いろは「雰囲気とかぴったりですもんねー」

めぐり「だねぇ。店内もカップルさんが多くて、甘い空気してるもんねー」

いろは「カップルが多いっていうか………」



カップルA「おいしいねー」

カップルB「はい、あーん」

カップルY「ゆきのん、あーん!」



いろは「………カップルしか居ないですね」

めぐり「あ、私も比企谷くんと来た時はあーんしてもらおうかな」

いろは(なんかアウェー感する………)

めぐり「それでー。わざと生クリーム付けてー。比企谷くんになめとってもらってー」

いろは「指でよくないですか?」

めぐり「舌の方がエッチでしょ?」

いろは「公共の場で………」

めぐり「どこがいいかなー。ほっぺたが良いかなー。鼻が良いかなー」

いろは「パフェの話しましょうよ。パフェ」

めぐり「よし。決めた!脇!」

いろは「そんな変態プレイは余所でしてください」

めぐり「あぁっ、ダメだよ比企谷くんっ。そんな所まで舐めてっ」クネクネ

いろは「流石に犯罪ですよ?」

めぐり「まぁ、比企谷くん公共の場ではあんまりイチャついてくれないけどね」

いろは「………でしょうね」

めぐり「精々あーんしてくれる位かな」

いろは「十分イチャついてると思うんですが」

めぐり「いやいや、家ならもっと色んな事してくれるよー?」

いろは「逆に見てみたいですね」

めぐり「みーせーまーせーんー!」

めぐり「パフェおいしー」

いろは「あ、そういえば知ってますか?」

めぐり「?何?」

いろは「こうやってさくらんぼをですね………」ヒョイパク

いろは「………………………」モニュモニュ

いろは「んぇっ」レッ

めぐり「わー!結んである!」

いろは「こんな風にさくらんぼの茎結べる人は、舌が器用だからキスも上手なんだそうです」

いろは(まだキスした事ないけど)

めぐり「へぇー。私もやってみる!」ヒョイパク

めぐり「………………………」ムグムグ

めぐり「んべっ」スッ

いろは「………全然ですね」

めぐり「あちゃー」

いろは(………勝った………!)

めぐり「何か、実際キスする時も上手く動かせないんだよねー」

いろは「へぇ、じゃああの先輩が上手いんですかね」

めぐり「いや?比企谷くんも同じ感じ」

いろは「え」

めぐり「でもねー、その不器用な感じがまた興奮を………」

いろは(………負けた………!)

店員「こちらレシートになりまーす」ウィー

めぐり「………あれ?二枚も有るんですか?」

店員「ええ、こちらカップルクーポンとなっておりますので、そちらの方の分も………」

めぐり「………」

いろは「………」

めぐり「はい、いろはちゃんの分」

店員「ご来店、ありがとうございましたー」



いろは(以上、パフェのお話でした)

今日は以上です。

前回レスを付けて下さった方々。
ありがとうございます。

カップルYがすっげぇ気になる……。

>>77

イニシャルです。

続きです。



いろは「もふもふしっぽ~♪」テクテク

いろは「あ、昨日のスイーツ店」

いろは(今日も盛況だなぁ………カップルがいっぱいだぁ)

いろは(………ん。あそこに居るのは………)



戸塚「………」ウロウロ



いろは「戸塚先輩?」

いろは「戸塚先輩?」

戸塚「!」ビクーッ

いろは「どうしたんですか?こんな所で」

戸塚「い、いろはちゃん………その、新しいスイーツ店が大学の近くに出来たらしいから、僕も一度行ってみようかな………と、思ったんだけど」

いろは「どうしたんです?」

戸塚「お店の中、カップルばっかりでさ………女の子ならともかく、男の子一人じゃちょっと入りにくいなぁ………って」

いろは「女の子にしか見えないから大丈夫ですよ」

戸塚「………女の子に言われるのは傷つくなぁ」

いろは「す、すいません」

戸塚「いや、いいよ。お店の前でウロウロしてる僕が女々しいから………」

いろは「すいませんでした!」

いろは(わりとコンプレックスなんだなぁ………そりゃそうか、私もおっさんみたいって言われたら傷つくし)

いろは「あ、あの、お詫びと言っちゃなんですが、一緒にパフェ食べません?」

戸塚「え?」

いろは「その、私と一緒ならお店にも入りやすいかな………と。あ、嫌なら、別にいいんですけど」

戸塚「ううん!嫌じゃないよ!一緒に来てくれるなら助かるなぁ」ニコ

いろは「ヴっ」

いろは(なんだろう。守りたい)

戸塚「?」

戸塚「はぁー。おいしいね!いろはちゃん」

いろは「おいしいですねー」

いろは(正直二日連続は体重が心配)

戸塚「いろはちゃんが居なかったら食べられなかったよー。ありがとうね!」

いろは「お役に立てて光栄です」

いろは(明日は走ろう)

いろは「あ、戸塚先輩知ってますか?」

戸塚「え?何?」

いろは「こうやってさくらんぼをですね………」ヒョイパク

いろは「………………………」モニュモニュ

いろは「んぇっ」レッ

戸塚「わー、結んであるー」

いろは「こんな風にさくらんぼの茎結べる人は、舌が器用だからキスも上手なんだそうです」

戸塚「へ、へー。キス………」

いろは「戸塚先輩もやってみては?」

戸塚「う、うん」ヒョイパク

戸塚「………んっ、ん」フニュフニュ

戸塚「………はぁっ、んん、んっ」フニュフニュ

戸塚「んぅっ」レロッ

いろは(………何か、いかがわしい………)

戸塚「結構簡単だね、これ」

いろは(できてるし………私はできるまで一ヶ月かかったのに………)

いろは「もしかしたら二本同時とかも行けちゃうかも知れませんね」

戸塚「あ、できるかも」

いろは「ちょっと私のも使ってやってみてくださいよ」スッ

戸塚「えっ」

いろは「え?………………あ」

戸塚「え、えっと、そういうのは………」

いろは「す、すすすいません。そ、そういうつもりでは」

戸塚「う、うん。そうだよね。うん」

いろは「………」

戸塚「………」

いろは(何この誰も得しない空間)

戸塚「はち………比企谷くんはこういうの苦手そうだなぁ。不器用だし」

いろは「何で今あの先輩のこと呼び直したんです?」

戸塚「………僕が『八幡』って呼ぶと、めぐ………城廻先輩が怒るから………」

いろは「何で今めぐり先輩のこと呼び直したんです?」

戸塚「僕が『めぐり先輩』って呼ぶと、はち………比企谷くんが嫌がるから………」

いろは(微妙な立ち位置なんだなぁ………)

戸塚「………あれ?」

いろは「どうしたんです?」

戸塚「さ、財布忘れちゃった」

いろは「あら」

戸塚「ご、ごめん!今日だけお金貸してくれないかな!」ペコリ

いろは「はぁ、いいですよ」

戸塚「あ、ありがとう………ごめんね。先輩なのに」

いろは「いえ、まぁ………………あ」

戸塚「?」

いろは「………百円足りないです」

戸塚「え、ど、どうしよう」

いろは(何か小銭とか挟まってないかな………)ゴソゴソ

いろは「………あ、昨日のレシート………カップルクーポン」

戸塚「!?」

いろは「いやー、ビリビリに引き裂かなくて良かったです」

戸塚「い、いいのかな………本物のカップルじゃないのに………」

いろは「大丈夫ですよ………………あ、クーポン有りますー」

店員「はい、ではカップルクーポンで二百円の………え?」チラッ

いろは「?」

店員「………」チラッ

戸塚「………」

店員「………すいません、その、同性の場合は………」

戸塚「僕は男ですっ!」

いろは「………戸塚先輩。これは証拠を出すしかないですよ」

戸塚「しょ、証拠………?」

いろは「ほら、早くズボン脱いでください」

戸塚「えぇーっ!?」



ナイスチンチーン!



いろは「ふぅ。戸塚先輩が証拠をおっぴろげてくれたおかけでカップルと認めてもらえましたね」

戸塚「学生証のことを言ってるんだよね?」

いろは「えぇ、もちろんです。それじゃあ………」

戸塚「あ、うん。またねー!ばいばーい」

………



雪乃「一色さん。この近くのスイーツ店には行ったことがあるかしら」

いろは「ええ。二度ほど」

雪乃「そう。私も由比ヶ浜さんと行ったことがあるのだけれど………いい店だと思うわ。パフェも美味しいし、クーポンも有るし、また近い内に由比ヶ浜さんと行きたいわね」

いろは「………………同性カップルは、クーポン使えないみたいなんで気を付けてくださいね」

雪乃「あら、残念だわ」



いろは(以上、男女差別のお話でした)



前回レスを付けて下さった方々。
ありがとうございます。

ベストプライスの人「もふもふしっぽ~」

一度ウケたからって毎回ごり押しされるのもイタいぞベストプライス

プライスではなくプレイスですね。
すみませんでした。
ご指摘ありがとうございます。

>>95>>101

他のssも読んでいただけているようで。ss書きとしては嬉しいです。

続きです。



めぐり「それでねー。比企谷くんが首にキスしてくれてー」

いろは「………あ、その『首』って、うなじですか?喉ですか?」

めぐり「うん?後ろから抱き締められてたから、うなじだけど」

いろは「じゃあ『執着』ですね」

めぐり「?何が?」

いろは「そのキスの意味。です。キスって、する場所によって意味が変わるんです」

めぐり「へぇー。ロマンチックだね!」

いろは「そうですよねー」

めぐり「………………」

いろは「?」

めぐり「いろはちゃんって、そういうの好きだよね」

いろは「いっ、いいじゃないですか!別に!」

めぐり「いや別に、悪いとは」

いろは「なんですか!彼氏のいない奴はキスの場所の意味調べちゃ駄目ですか!暗記しちゃ駄目ですか!」

めぐり(暗記してるんだ………)

めぐり「うなじ以外にはどんなのが有るの?」

いろは「そうですね。首周りなら………喉が『欲求』」

めぐり「喉………」ポッ

いろは「髪が『思慕』。おでこが『祝福』」

めぐり「髪………おでこ………」ポッポ

いろは(いちいち顔赤らめるのやめてくんないかなぁ)



………

………



いろは「………と。全部で22個です」

めぐり「いっぱい有るねー」

いろは(詳しく知りたい人は調べてください)

いろは「どうです?キスしたい、されたい場所どこです?」

めぐり「うーんキスしたいのは………腰。かな」

いろは「腰は『束縛』………」

めぐり「うん」

いろは「………………自覚有ったんですね」

めぐり「………うん」

いろは「じゃ、されたい場所は」

めぐり「腰」

いろは「………………重っ」

めぐり「良くない?独り占めしたいじゃない?されたいじゃない?」

いろは「いやぁ、重いですねー。重いです」

めぐり「えぇー………」

戸塚「あ、いろはちゃん。と、城廻先輩。こんにちはー」

いろは「あ、こんにちはですー」

めぐり「こんにちは。泥棒猫さん」

いろは「!?」

戸塚「ちょっ、その呼び方やめてくださいよぉ………」

めぐり「だって本当のことじゃない?私から比企谷くんを………!」

戸塚「八幡とは遊びに行っただけですよ!それに僕は男ですっ!」

めぐり「あー!今私の比企谷くんのこと下の名前で呼んだー!私のなのにー!家族にも許してないのにー!」

いろは(重っ。怖っ)

戸塚「あの、いや」

めぐり「泥棒猫!泥棒猫っ!」

いろは(重い愛………かぁ)

いろは(愛に鈍く、愛に飢えている、心配性なあの先輩には)

いろは(重いぐらいが、ちょうどいいのかなぁ)

いろは「ふふっ」

戸塚「なんで笑ってるのいろはちゃん!」

めぐり「泥棒猫ぉーっ!」



………

………



いろは「それで、どうでした?キスできました?して貰えました?」

めぐり「あぁー、それがね?場所忘れちゃってさぁ」

いろは「………じゃあ、できなかったんですか?」

めぐり「いや、全部してもらったの」

いろは「んー?」

めぐり「キスで体一周旅行!私の体にキスされてない場所ないよ!全身マーキング!」

いろは「それを、めぐり先輩もしたんですよね?」

めぐり「うん!比企谷くんにキスしてない場所ないよ!」

いろは「………もう、首輪とかどうです?」

めぐり「首輪!いいねそれ!」

いろは「えぇ………」



いろは(以上、ヘビィ・ラヴのお話でした)

今日は以上です。

いろはす視点だからかいろはすも可愛く思えて来ました。

前回レスを付けてくださった方々。
ありがとうございます。

重かろうが男へのやきもちの焼き方が子供っぽかろうがめぐり先輩が可愛いのは揺ぎ無い真実。

>>113

これからもめぐり先輩の可愛さを伝えて行けたら。と思います。

続きです。



めぐり「それでねー………」

「あ、めぐりさん」

いろは(どこからか見知らぬ男性が………下の名前で呼ばれてるけど)

めぐり「………なに?」イラッ

いろは(露骨にイラついてる………自分が呼ばれるのも嫌なんだ)

「あのさー、明日飲み会あるんだけどさー。めぐりさんも来ない?」チャラチャラ

いろは(なんかチャラチャラしてるなー。あれだ。とにかく美人全員に声かけてるわこの人)

「どうよ?」

いろは(顔はわりといいけどなー。無しだな。無し)

めぐり「ごめんねー。お酒の席には行くなって言われてるのー」

「えー?誰によー?」

めぐり「旦那」

「え」

めぐり「旦那」

「い、いや、ウザイ旦那さんだねー。束縛が激しいっていうか」

めぐり「それが良いんでしょうが!」バンッ

「えー………」

めぐり「もぉー。私ああいう感じの人苦手!」

いろは「あの人もめぐり先輩みたいな感じの人が苦手だと思います」

いろは(私もチャラい人にばっかり誘われるだよなー。良い人居ないかなー)

いろは「………っていうかまだ旦那ではないですよね」

めぐり「旦那」

いろは「………………」

めぐり「旦那」

いろは「はい」

めぐり「何かいいよね。こう、所帯じみた感じの響き」

いろは「で、その旦那さんに何故お酒禁止されてるんです?」

めぐり「別にお酒禁止な訳じゃないよ?お酒の席が禁止されてるの」

いろは「はぁ」

めぐり「私、お酒すっごく弱くてさー。すぐ酔っちゃって隙だらけなんだって」

いろは「あぁー………何かすごく想像できます。めぐり先輩お酒弱そうです」

めぐり「まぁ、いつでも比企谷くんに対しては隙だらけなんだけどね!」

いろは「誘い受け………いや、めぐり先輩は襲い受けですね」

めぐり「なんだかエッチな響きだね」

いろは「そりゃあ、エッチな言葉ですから」

めぐり「………という訳で、私がお酒の席に行くと100%お持ち帰りされちゃうから行かないの」

いろは「そんな前後も解らないくらいになるんですか」

めぐり「なっちゃいます。グラス一杯で」

いろは「はぁー………逆に、旦那さんは強そうですよね」

めぐり「いや?私と同じくらい弱いよ?」

いろは「えっ」

めぐり「それでねー!比企谷くん酔っちゃうと甘えんぼさんになるんだよー!」

いろは「へぇー、意外ですね」

めぐり「もう甘えんぼ比企谷くんがすっごく可愛くて!ほっとけなくって!」

いろは(一人で生きて行けるような人こそほっとけない………母性だなぁ)

いろは「なんかめぐり先輩がずっと甘えてるイメージでしたけど、そうでもないんですね」

めぐり「あぁ、まぁ、いつもはそうなんだけどね。たまにね。甘えられたいんだよ。たまにね」

いろは(それは旦那さんも同じなんだろうな)

めぐり「だからついついお水にお酒混ぜちゃうんだよ。定期的に」

いろは「おーっと、犯罪的ぃ!」

めぐり「こう、ね。比企谷くんにも依存して貰わないとね」

いろは(こんなめぐり先輩とこれだけ付き合ってるんだから、十分旦那さんもめぐり先輩に依存してると思うんだけどなぁ………)

めぐり「お酒もね。飲ませ過ぎると翌日比企谷くん忘れちゃうから。泥酔させつつ、記憶も保つ。その絶妙な………」

いろは「聞いてないです」



いろは(以上、お酒のお話でした)

今日は以上です。

前回レスを付けてくださった方々。
ありがとうございます。

まあまだ旦那じゃないだけで旦那になるのは確定事項っぽいから問題無いのか。
似たような感じで八幡がめぐり先輩を呼ぶとするなら妻か嫁かマイワイフの三択?

>>135

多分、『嫁』だと思います。

『嫁』と紹介される度にめぐりんはニヤニヤしています。

続きです。



「比企谷先輩かっこいいよねー」

「ねー。誰ともつるまない感じがクールでー」



いろは(あの先輩の眼は、めぐり先輩にめぐりっしゅされ、今ではあんまり腐って居ないそうだ)

いろは(まぁ、それは良い変化なのだろうけど、それによりあの先輩が本格的にイケメン(笑)になったみたいだ)

いろは(だから当然、さっきみたいな、先輩を良く言う女性も出てくるし、だから当然___)



めぐり「………………」イライライライラ



いろは(こうなる)

めぐり「何なのあの娘達………私はちゃんと眼が濁ってる時から比企谷くんが好きだったのに………眼が少し綺麗になったからってあんな………」イライライライラ

いろは(めぐり先輩はこんな風にあの先輩が褒められると嫉妬でイラつくし、かと言って貶しても普通に怒る)

いろは(そう。皆さんお気付きの通り、城廻めぐりという人間は基本的に少しめんどくさい)

めぐり「比企谷くんのこと何にも知らないくせに………!」イライライライラ

いろは(いや、かなりめんどくさい)

いろは「私は毎日めぐり先輩の話聞いてるせいで少し詳しくなっちゃいましたよ」

いろは(我ながら悲しい)

めぐり「むぅ。いろはちゃんまで私のライバルに………」

いろは「なりませんよ。めぐり先輩から奪える気がしません」

めぐり「まぁ、絶対私の方が比企谷くんのこと解ってるもんね」

いろは「試しに何か問題出してみてくださいよ」

めぐり「比企谷くんの『初めて』はいつでしょう?」

いろは「ギブアップです」

めぐり「ヒントは………私と一緒です!」

いろは「ギブアップって言いましたよね?」

めぐり「まぁ、これだけは他の誰かに言ったことないからねー。どんな『初めて』だったかは、私と比企谷くん。二人だけの秘密」

いろは「はぁ………」

いろは(なんだかんだでちゃんと線引きはしてるんだよなぁ。生々しい話はボカすし………いや、結局のろけられてることには変わりないんだけど)

めぐり「はぁー。比企谷くんの良さが皆に伝わるのはいいけど、だからってライバルが増えちゃうのはなー」

いろは「はぁ………完璧に矛盾してますよそれ」

めぐり「やっぱりマーキングが足りないかなー」

いろは(さらっと危ない発言してるなこの人)

めぐり「………首輪………」

いろは(アウト)

いろは「指輪とかどうです?左薬指に、お揃いの」

めぐり「うーん………プロポーズの時にくれる物を今買っちゃうのはなー………」

いろは「はぁ」

めぐり「というか、私お金ないからほとんど何もプレゼントできないんだよねー」

いろは「まぁ、仕送り暮らしでバイトもしてないならそうですよね」

めぐり「だからって比企谷くんに物をおねだりするのはねー」

いろは「あ、じゃあ自分で作れるマフラーとかどうです?材料だけならそんなにかからないでしょう」

めぐり「えぇー………手編みマフラーとか重いって思われたりしないかな………」

いろは「今更過ぎる」



………

………



めぐり「できたー!マフラー!」

いろは「良かったですね。こんな手作り感満載のマフラー着けてたら女の影を感じられずには居られませんね」

めぐり「ふぅー。でも、渡すのはもう少し先かな」

いろは「?なんでですか?」

めぐり「ほら、誕生日プレゼントにしようかなー。と」

いろは「なるほど………あれ?このマフラー短くないですか?」

めぐり「え?十分じゃない?」

いろは「いや、一人用なら十分でしょうけど、二人で使うなら………」

めぐり「あ」

いろは「………………」

めぐり「つ、作り直してくるっ!」バッ

いろは「………余計なこと言っちゃったかな」

いろは(………っていうか、あの先輩の誕生日って夏じゃなかったっけ………?)



いろは(以上、マーキングのお話でした)

今日は以上です。

前回レスを付けてくださった方々。
ありがとうございます。

(´・ω・`)

続きです。



めぐり「うーん………」

いろは「………………」

めぐり「はぁー………」

いろは「………………」

めぐり「んー………」

いろは「………何が………あったんです?」

めぐり「それがね?」

いろは(天然でこれだからめんどくさい………)

めぐり「私達って、大体お家デートなの」

いろは「はぁ………」

いろは(あの先輩は出不精だし、めぐり先輩も別にアウトドアって感じでもないしね………)

いろは(何より、あのイチャつきっぷりを公共の場に出す訳にはいかないだろうし)

めぐり「だから、大体映画借りるんだけど」

いろは「言ってましたね」

めぐり「どういうの選べば良いのか解んないんだよね………」

いろは「はぁ………今まではどうしてたんです?」

めぐり「ずっと比企谷くんに任せっきりで………私が映画選ぶのは初めてなんだ」

いろは「へぇ」

めぐり「うーん………比企谷くんどういうのが好きかなぁ」

いろは「今まであの先輩が借りてきた映画の傾向からある程度は推測できるんじゃないですか?」

めぐり「うーん………大体私に合わせてくれてるからなぁ………恋愛物ばっかりなんだよね」

いろは「じゃあ、直接先輩に聞いてみたらどうです?何が見たいの?って」

めぐり「最初の一回くらいは自分で選びたいなぁ………」

いろは「うーん。じゃあ、一回お店に行って考えてみましょうか。案外簡単に選べるかも知れませんよ?」

めぐり「………うん!行ってみよっか」

「いらっしゃいませー」

いろは「いやー、こうして見ると色々ありますねー」

めぐり「うーん………やっぱり迷っちゃうなぁ」

いろは「あ、これなんてどうです?劇場番プリキュア」

めぐり「あ、それは前に見たから………」

いろは「ですよねー………え?」

めぐり「比企谷くんもプリキュア好きでさー」

いろは(あの先輩が女児向けアニメファンなのは知ってたけど………めぐり先輩『も』………?)

いろは(………この人、あの先輩のお嫁さんに成れなかったらどうしてたんだろうか………)

いろは「あの先輩に出会えて良かったですね」

めぐり「うん!」ペカー

いろは(知れば知るほどベストカップルだなぁ)

いろは「あ、貞子」

めぐり「怖いのはめっ」

いろは(『めっ』て………)

いろは「でも、ホラーだとどさくさに紛れて抱き着く理由ができていいじゃないですか」

めぐり「いや、ホラーとか関係なく二人きりの時は抱き着いてるから」

いろは「えぇ………」

めぐり「私の匂い擦り付けてるから」

いろは「犬ですか」

いろは「あ、これどうです?最近話題になってましたよ」スッ

めぐり「どんなの?」

いろは「三十歳と八歳の恋」

めぐり「比企谷くんがロリコンさんになったらどうするの!」

いろは「めぐり先輩がちっちゃくなれば良いのでは?」

めぐり「なるほど」ポンッ

いろは「どこに納得する要素ありました?」

めぐり「三十歳の比企谷くんが八歳の私に………ぐへへ」

いろは(守備範囲広いなこの人)

めぐり「あぁっ、駄目だよ比企谷さんっ!私まだ子供だよっ、まだ早いよっ!」クネクネ

いろは「めぐり先輩、他のお客さんも居るので」

めぐり「うーん………うーん………」

いろは(思ったより長引くな………)

いろは「本当に『三十歳と八歳の恋』で良いと思うんですけどねー」

めぐり「だから!比企谷くんがロリコンさんになったら大変でしょ!」

いろは「………めぐり先輩」

めぐり「?」

いろは「これは試練ですよ。性癖改悪映画を見せてもなお、あの先輩がめぐり先輩を愛せるか!試練なんですよ、これは!」

めぐり「!!」

いろは「それとも………めぐり先輩は恋人を信じられませんか………?」

めぐり「………信じる!私、比企谷くんを信じる!」

いろは「………ふっ、決まりですね」

めぐり「うん!ありがとね!いろはちゃん!」

いろは「いえいえ」

いろは(やっと帰れる………)

二日後。



いろは「それで、映画どうしてた?」

めぐり「ショタ比企谷くん………ショタ比企谷くん………」ブツブツ

いろは「そっちだったかー」



いろは(以上、映画のお話でした)

今日は以上です。

前回レスを付けてくださった方々。
ありがとうございます。

ショタ谷君

>>172

夜な夜な八幡の小学校の頃の卒アルを見てはめぐりんはニヤニヤしています。そして自分以外の誰にも見せません。

続きです。



めぐり「聞いてよいろはちゃん………」

いろは(聞かない。って言っても話すでしょうに)

めぐり「その、この前、例の映画見たの」

いろは「あぁ、めぐり先輩がショタコンに成っちゃった奴ですね」

めぐり「うん………」

いろは「………もしかして、逆にめぐり先輩があの先輩を愛せなくなったとか………」

めぐり「そんな訳ないでしょ!」バンッ

いろは「じゃあ、何なんです?」

めぐり「その、ね。ショタ成分のためにお酒飲ませたの」

いろは「あぁ、お酒に酔うとあの先輩は甘えんぼになるんでしたっけ?」

めぐり「うん、甘えてくる比企谷くんはショタ成分多めだから」

いろは「でも体は大きいままですよね?」

めぐり「大きな体で甘えてくるのが良いんでしょうが!」バンッ

いろは「それは知らなんだ」

めぐり「それで、ともかくお酒を飲ませたの」

いろは「はぁ」

めぐり「二週間ほど連続で………」

いろは「………ハマり過ぎでしょう」

めぐり「だ、だって!だってだって!」

いろは(だってだってなんだもん?)

いろは「あの先輩に甘えさせて貰うのも好きなんですよね?」

めぐり「もちろん!けど………ね?」

いろは「………はぁ、大丈夫なんですか?そんなにお酒弱い人に連続で飲ませて」

めぐり「それが大丈夫じゃないんだよ!」

いろは「えっ、やっぱり体壊したんですか」

めぐり「ううん………その逆」

いろは「?」

めぐり「比企谷くん。お酒に強くなっちゃったの」

いろは「………お酒が習慣づいて、体が平気になったんでしょうね」

いろは(あの先輩らしい、極端な体だ)

いろは「で、何が問題なんです?」

めぐり「比企谷くんが酔ってくれない!甘えてくれない!どうしよう!」

いろは「はぁ………強くなった。ってどれくらい強くなったんですか?」

めぐり「今まですっごく弱かったのが、ちょっと弱くなった。程度かな」

いろは「なら、今まで通り酔うまで飲ませれば良いのでは?」

めぐり「それだと比企谷くんがもっとお酒に強くなっていって、いずれ全然酔わなくなるじゃない!もっと未来を見据えた発言をしてよ!」

いろは「うっざ」

めぐり「ごめん」

いろは「許しました」

めぐり「うぅ………お腹にスリスリしてくる比企谷くんがぁ………腰にぎゅってしてくる比企谷くんがぁ………」

いろは(ちょっと見てみたい)

めぐり「うぅ………どうすれば………」

いろは「………要は、今まで通り耐性ができない程度の、少量のお酒で酔わせればいいんですよね?」

めぐり「うん?」

いろは「お酒を血管に直接入れるとですね。少量でも、ものすごく酔うらしいです」

めぐり「解った!注射器買ってくる!」ダッ

いろは「冗談ですけど!?絵面が犯罪ですよそれは!」

めぐり「でもぉ………」

いろは「あと、専門科以外がやると危ないと思います」

めぐり「うーん、そっかぁ………残念」

いろは(危ない危ない)

めぐり「じゃあ、どうすればいいんだろう………」

いろは「さぁ………?」

めぐり「………催眠とか?」

いろは(ふぇぇ………この人頭おかしいよぉ………)

いろは「多分、無駄ですよ………」

いろは(もう既に一種の催眠状態みたいな物だと思うし)

めぐり「うぅ………」

数週間後。



めぐり「………」ニコォー

いろは「………」

めぐり「………」ニッコォー

いろは「一応、聞きますけど、どうしたんです?」

めぐり「いろはちゃんさ、比企谷くんにお酒が習慣づいた。って言ってたじゃない?」

いろは「はい」

めぐり「それで『甘えんぼ』も習慣づいたみたいで………」

いろは「あぁー………」

めぐり「今ではお酒無しで、二週間に一回ぐらいのペースで甘えてくれるよ!」

いろは「………良かったですねー」

めぐり「ぐへへ」



いろは(以上、甘えのお話でした)

今日は以上です。

とりあえず一週間連続で書きましたが、これからは最初に言った通り週に1、2回ぐらいにしようと思います。

前回レスを付けてくださった方々。
ありがとうございます。

このめぐりんは俺の思ってるめぐりんとはなんか違うんだよ
「やっぱり君は不真面目で最低だね」っていう原作のセリフ言うところ想像できないし、あまりに動物的すぎるというかゆるふわなりに年上っぽい魅力も出してくれよ〜
次回も期待してる〜

>>223

あのめぐり先輩の台詞は、八幡の思惑を理解した上で、八幡を尊重した台詞だったと私は解釈しています。

続きです。



めぐり「それじゃあばいばーい。また明日ね、いろはちゃん!」

いろは「はーい、さよならですー」

いろは(あぁ………今日もいっぱいあの先輩の話を聞かされた………)

いろは(本当にもう、めぐり先輩とはあの先輩の話しかしてないんじゃないのだろうか)

いろは「………………あれ?」

いろは(本当にあの先輩の話しかしてなくない?)

いろは(いやいや、さすがにない。ないよね?)

いろは(ほら、例えば前にパフェの話とか………あれは結局あの先輩の話になったんだっけ)

いろは(もっとスタンダードに、昨日見たテレビの話とか………あれも結局あの先輩の話になったんだっけ)

いろは(ペットを買うとしたら………駄目だ、あの先輩の話になったんだった)

いろは(………………)

いろは「という訳であの先輩のこと以外の話をしましょう」

めぐり「えー?」

いろは「別にあの先輩の話が嫌いという訳ではないですけど………以外の話をしましょうよ」

めぐり「うん。別に良いけど?」

いろは「………………え?」

めぐり「………何さ」

いろは「いや、めぐり先輩のことだから、てっきり駄々をこねるかな。と………」

めぐり「むー。馬鹿にしないでよ?私だって比企谷くんが全部って訳じゃないんだから」

いろは(説得力ないなぁ………)

めぐり「無人島に何か一つだけ持って行けるなら、比企谷くんを選ぶけど、他に持って行きたい物がない訳じゃないって感じ」

いろは「たけのこの里が好きだけど、きのこの山が嫌いという訳じゃないって感じですか?」

めぐり「回らないお寿司も大好きだし、うまい棒も、まぁ、好き。みたいな感じ」

いろは(ずいぶんと差があるなぁ)

めぐり「よし!じゃあ何のお話する?」

いろは「そうですねー………趣味のお話とか」

いろは(我ながら何かお見合いみたいだなぁ)

めぐり「うん!趣味ね!趣味………趣味………?」

いろは「………」

めぐり「………映画鑑賞?」

いろは「そうなんですねー。私はお菓子作りとか好きなんですよー」

めぐり「あ、お菓子作りと言えばこの前ひきっ………」

いろは「………」

めぐり「あ、その、私も結構お菓子作るよー」

いろは「へぇー。甘いの好きなんですか?」

めぐり「甘いの好きと言えばひきっ………」

いろは「………」

めぐり「わ、私も甘いの好きだよー」

いろは「でも、体重が気になりますよねー」

めぐり「体重が気になると言えばひきっ………」

いろは「………」

めぐり「………」

いろは「………ブレスを日本語で」

めぐり「いきっ」

いろは「劇団」

めぐり「しきっ」

いろは「あの、わたし、キキです。魔女のキキ。こっちが黒猫の」

めぐり「ききっ」

いろは「ジジですけど」

めぐり「いやー、やっぱり比企谷くんのことばっかり考えちゃうなぁ」

いろは「はぁ………もし別れたらどうするんです?」

めぐり「………………」イラッ

いろは「すいませんでした」

めぐり「ん、許してあげる」



いろは「はぁ………しかし、思えば毎日のように聞いてましたよね。のろけ話」

めぐり「だねぇ」

いろは「本当に、よく喋る内容が尽きませんよね」

めぐり「毎日、色んなことが有るんだよ」

いろは「はぁ」

めぐり「もう一年も付き合ってるのに、一々ドキドキしちゃうんだ。比企谷くんの隣に居ると」

いろは「………」

めぐり「そのドキドキをね?比企谷くん以外の皆に言っちゃうんだよね。幸せが溢れちゃってるんだよ」

いろは「………はぁー………」

めぐり「あはは、ごめんね?私もちょっとやり過ぎたかなー。なんて………」

いろは「良いですよ。もう」

めぐり「え?良いの?」

いろは「………私以外の被害者が出ても困りますしね」

めぐり「わーい!やったー!でも被害者ってどういう意味?」

いろは(なんだかんだ、めぐり先輩の笑顔が好きなのは、あの先輩だけじゃないんだ)

めぐり「ねぇ被害者ってどういう意味?」



いろは(以上、お話のお話でした)

めぐり「ねぇどういう意味?」

続きです。



いろは(そして、それからもう一年と少し経った)

いろは(私は三回生の目前。そしてめぐり先輩は、この大学を卒業しようとしていた___)



いろは「………もうすぐ卒業ですね」

めぐり「だねぇ」

いろは「卒業したらめぐり先輩はどうするんです?」

めぐり「………専業主婦だよー?」

いろは「でもあの先輩はまだ四回生で、働いてませんよね?」

めぐり「まぁ、お父さんも一年だけならオッケーって言ってたから大丈夫だよ」

いろは(親公認なのか………)

めぐり「比企谷くんが社会人になったら二人の時間も減っちゃうだろうなー。今の内にいちゃいちゃしなきゃ」

いろは「………はぁ」

めぐり「………うん」

いろは「?」

いろは(なんか、変だ)

いろは(特に根拠はないけれど、これでも二年間、ずっとめぐり先輩の話を聞いてきたんだ。きっと勘違いじゃない)

いろは(めぐり先輩の、様子がおかしい)



いろは「………めぐり先輩」

めぐり「なぁに?いろはちゃん」

いろは「何か、ありましたか?」

めぐり「………」

いろは「………」

めぐり「うっ………うぅ………」ポロポロ

いろは「えっ」

いろは(私はその時初めて、めぐり先輩の涙を見た)

めぐり「私、ずっと結婚する結婚するって言ってきたけど。結婚した後のことってあんまり具体的には考えてなかったんだ」

めぐり「なんとなく、ずっと比企谷くんの隣に居られると思ってた」

めぐり「だけど、時間が進んで、私ももう卒業で、なんだか、怖くなって来たの」

めぐり「これから色んなことが変わるんだよ。私は今まで通り家事をするだけだけど」

めぐり「比企谷くんはいつか大学を卒業して、社会人になって色んな人に出会ったり、辛いことが有ったりするんだよ」

めぐり「その時、比企谷くんは私の隣で、本当に良いのかな」

めぐり「私、ちゃんと比企谷くんの支えになれるかな。私のわがままで、困ったりしないかな」

めぐり「私は、私は幸せだよ。比企谷くんが側に居てくれて、離れないで居てくれるなら、私は何があっても幸せ」

めぐり「でも、比企谷くんはどうなんだろう」

めぐり「私ばっかり幸せになってないかな。私と同じくらい、比企谷を幸せにできてるかな。ちゃんと二人で幸せになれるかな」

めぐり「………………怖いんだ。私」

いろは「………はぁ」

めぐり「うぅ………」

いろは(マリッジブルー………今まで手放しで幸せだった分、反動が大きそうだなぁ………)

いろは(と言っても、今までの話を聞く限りは、心配することないと思うんだけど………)

めぐり「………」

いろは(だけど、それを伝えるべきは私じゃなくて………)

いろは「そんな重い話、私にしないでください」

いろは「私じゃなくて、旦那さんとしてください」

翌日。



めぐり「………」ニッコォー

いろは(今まで見たことのない笑顔をしている………上手く行ったようで)

めぐり「私達、幸せになります!」

いろは「よかったですねー」

めぐり「ありがとね!いろはちゃん!」

いろは「………私は何もしてませんよ」

めぐり「もー。比企谷くんみたいなこと言っちゃってー」

いろは(何かすごいイラッて来る)

めぐり「本当にありがとね。いろはちゃんのおかげで、スパッと解決したよ!」

いろは「………はぁ、まぁ、良かったです」

めぐり「私、いろはちゃんの先輩で居られて嬉しいな!」

いろは「………」

めぐり「?」

いろは「………ふふっ」

いろは(多分、あの先輩も、めぐり先輩のこういう所が好きなんだろうなぁ)

いろは「私も、めぐり先輩の後輩で居られて………」

めぐり「………」

いろは「………やっぱ何でもないです」

めぐり「何でさ!」バンッ



………

………



いろは(そして更に月日は流れ、ついにめぐり先輩の卒業の日)

いろは(けれど、めぐり先輩はいつも通りの幸せな笑顔でこの大学を出た)

いろは(正直、不安ではある。今までずっと幸せだったあの二人に、いや、今までずっと幸せだったからこそ、めぐり先輩の危惧していたことが訪れるかもしれないのだ)

いろは(カップル時代に幸せ過ぎると、結婚してから別れやすいとか、なんとか)

いろは(けど、まぁ、やっぱり大丈夫なんだろうなぁ)

いろは(そういう一般論とか、不幸思想なんて)

いろは(圧倒的な愛の前では無力なのだ)



めぐり「それじゃあね、いろはちゃん!またいつか!」

いろは(もうのろけ話を聞かされることもないんだろうな)



いろは(以上、めぐり先輩のお話でした)

続きです。



幼稚園。



めぐり「あの………」

めぐり「………………あ、はい。うちの子を迎えに」

めぐり「………………あー、本当ですね。すべり台に夢中ですね」

めぐり「………………あぁ、いえ、ここで待たせてもらいます。いっぱい遊ばせてあげたいので」



いろは「………あ、めぐり先輩」

めぐり「あ、いろはちゃん!」

めぐり「どうしてここに?」

いろは「うちの娘が来年から通うことになってまして………その下見に」

めぐり「へー、じゃあうちの三男と同級生だね」

いろは「えぇ、親子共々仲良くしましょうね」

めぐり「うん!何か悩んでたら何でも言ってね!先輩ママだから!私先輩ママだから!」

いろは(『先輩ママ』にやけにこだわるなぁ)

いろは(………ママ。か)

いろは(あれから何年か経って、私達はママになった)

いろは(結局、私も比較的早く結婚して、めぐり先輩とは………なんだろう。ママ友?)

いろは(めぐり先輩には先輩ママとして、色々お世話になったりもしたのだった)

いろは「いやぁ、めぐり先輩がちゃんとママさんしているのは驚きでした」

めぐり「どういう意味?」

いろは「もっと悩みながら子育てしてると思ってました。卒業前のマリッジブルーみたいに」

めぐり「いやぁ、比企谷くんが居てくれたし、それにやっぱり、悩みながら育ててると、中途半端な子になっちゃうだろうからねぇ」

いろは「………良いですね。きっと良い子に育つと思います」

いろは(思い返してみれば、めぐり先輩は本当に幸せだ)

いろは(悩みらしい悩みなんてあのマリッジブルーだけで、それ以外は何もない)

いろは(子供達も皆良い子で、子育ても順調らしいし、夫婦仲はもちろん良好)

いろは(あの先輩も中々良い会社に就いたらしい。なんだかんだ有能だしね、あの先輩)

いろは(本当に、不思議な何かが不幸から守ってくれている様な………)

いろは(いや、不思議でも何でもないんだろうな。幸せになる人はきっと、なるべくしてなっている)

いろは(私も、そんな幸せな人でありたい)

いろは(ところで、何故私がこんなにめぐり先輩の人生に詳しいかって?)

いろは(それはもちろん)

めぐり「聞いてよいろはちゃん!」

いろは(めぐり先輩が話してくるから)



めぐり「うちの子ったらね………」

いろは(いつまで聞かされるんだろう)



いろは(以上。めぐり先輩のお話でした)

このssは以上です。

もうそろそろ私以外にめぐりんssを書く人が現れてもいいんじゃないでしょうか。

このssにレスを付けてくださった方々。
ありがとうございました。

おまけです。



いろは「………あの、ちょっと良い?」

いろは「………………あ、いやそんな重い話じゃない、と思う」

いろは「その、めぐり先輩って知ってるよね?」

いろは「………………うん。前にも何回か話した」

いろは「………………いや、別にどうかしたって訳じゃなくて………その」

いろは「………………うん。そう、それ」

いろは「その、子供できてから、あんまり二人きりで話したりしてないし」

いろは「その、つまり………私達も、ね?」

いろは「さ、流石にめぐり先輩達みたいにとは言わないからさ。えっと、今度の日曜とか」

いろは「………………えっ、今!?」

いろは「………………うん。もう寝たけど………い、いきなり………」

いろは「ひゃんっ」



………



いろは「みたいなね?」

めぐり「いろはちゃんも結構、煩悩にまみれてるよね」



いろは(以上、正夢のお話でした)

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