【モバマスSS】白いカタクリとゆるふわな少女 (12)


にわか注意

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高森藍子(16)
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―カタクリの花言葉を知っていますか?


それは「初恋」

私の初恋は小学校に上がる前。

恋というよりは憧れだったのかもしれません。

顔も思い出せないその人は、近所の公園にいました。



――
―――

あいこ「こんにちは、何してるの?」

?「ん?あぁ、こんにちは」

「今はね仕事の合間に散歩してるところ」

あいこ「お散歩してたんだー」

「いつも人の顔ばかり見てるから気分転換に自然の顔も見ないとね」

あいこ「自然にもお顔があるの?」

「そう、鳥が囀り木々が揺れ花が映える」

「四季によって姿形を変え一日として同じ表情を見せない」

「自然の顔っていうのはそういうことを指すんだよ」

あいこ「へー気にしたことなかった」

「気が向いたら眺めてみるといいよ」

あいこ「うん、わたしもこれから毎日お散歩する!」


「ほら、あの紫の花を見てごらん」

あいこ「わーきれいだね」

「この花はカタクリって言うんだ」

あいこ「お料理に使う片栗粉?」

「お、よく知ってるね。元々カタクリの球根で作られていたから片栗粉」

「でも今はジャガイモのほうが多いかな」

あいこ「じゃあジャガイモ粉だねー」

「ははっそうだね」

あいこ「あ、見て見て。一つだけ白いお花があるよ」

「本当だ、珍しいね」

あいこ「珍しいの?」

「ああ、白いカタクリは数万本に一輪しか咲かないらしい」

あいこ「特別なお花なんだ」

「でもこの花は自分が如何に特別かってことを知らない、それを教えてくれる人がいないからね」

あいこ「そっかあ」


「俺の仕事は例えるならそんな花に自分は特別なんだって教えてキラキラさせることなんだ」

あいこ「ふーん、わたしはキラキラできるかな?」

「君は可愛いからきっとできるよ」

あいこ「じゃあわたしも特別なの?」

「うーん、それはもっと大きくなったら教えてあげる」

あいこ「いじわるー」

「あははっ、おっともうこんな時間だ」

あいこ「行っちゃうの」

「ああ、またね」

あいこ「またね、ばいばーい!」


―――
――


それから私は何度もその公園をお散歩しました。

しかし、その人と出会うことはありませんでした。

少し寂しいですがもう割り切ったほうがいいのかもしれません。

カタクリの花が咲く4月、これから私の高校生活が始まります。


―カタクリのもう一つの花言葉は「寂しさに耐える」


終わり

以上です
エアPの限界
最近ペンタックスというデジタルじゃないカメラを譲り受けました
藍子ちゃんのように何気ない風景を撮れたらいいなと思います

過去作
【モバマスSS】モバP「ロックと言えば?」
【モバマスSS】モバP「ロックと言えば?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1461335967/)
※ラグビーのロックの説明が間違ってます。

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