男「見えてはいけないものが見えるようになるだと!?」 (29)

男「じいちゃん、どうしたんだ?いきなり呼び出して」

祖父「男よ、わしもそろそろ体力がなくなってきた」

男「は?なに言ってんだよじいちゃん」

祖父「わが一族は、見えてはいけないものが見えるようになる能力があるのだ」

男「え、何言ってんだよ?」

祖父「お前にも、見えるようになるはずじゃ」

祖父「目をそっと閉じて、念じてから目を開け」

祖父「すべて見えろ、と念じるのだぞ」

男(じいちゃんおかしくなったのか?……一応やってやるか)

男(すべて見えろッ!!)

幽霊「こんにちは」

ウワアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!

隣人「なんだ!?火事か!?」

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男「ど、どどどどういうこっちゃ!?」

祖父「カッカッカ!面白いじゃろ!?」

幽霊「あ、私は守護霊なので気にしないでくださいー」

男「うわわわわわあ!な、なんだよこの能力!使い道あるのか!?」

祖父「相手の嘘や未来すら念じれば見えるすんばらしい目じゃぞ?」

男「こんな能力があったなんて……」

祖父「目を閉じて、見たいものを念じて、目を開く」

祖父「やめたいときは、元に戻れと念じればよい」

幽霊「私のような存在と話したいときにも使えます」

男「聴覚にも影響するのか?」

幽霊「見える人には聞こえる、目は霊に対しては耳にもなりえるのです」

祖父「ま、悪用しようが何しようがお前の勝手じゃ、せいぜい楽しみなさい」

男「はぁ」

翌日……

男「よし、朝食完成」

男「いただきます」

男「……」

15分後

妹「ふぁー……おはよー」

男「おはよう」

妹「……」ウトウト

男「お前、朝弱いなー」モグモグ

妹「男が強すぎるんだよ」

男「そうかな?」ゴチソウサマ

妹「そうだよ」

男「よくわかんないけどな」ゴシゴシ

妹「あっ、コップとって」

男「ほい」ジャー

男「食器洗い完了、っと」

妹(意外としっかりしてる兄である)

男「……なあ、妹」

妹「なに?」

男「なんか、見えてはいけないものが見えたことってあるか?」

妹「え?なんで?」

男「あ、いや、ないならいいんだよ、じゃあ行ってきます」ガチャ

妹「変なの」

男「……」バタン

男(……霊よ、見えろ)

幽霊「……」

男「……」

男「何故、目の前にいる」

幽霊「いや、いつも坊ちゃんの見送りはしていますよ?」

男「今日は見えるだけ、ってことか」

幽霊「そうですね」

男「……いや、ねーよ!」

幽霊「!」ビクッ

男「なんだ、この能力!なぜ教えたし!!」

幽霊「貴方のおじいさまは後継者を求めているだけなんですよ」

男「服が透けて見えるとかなら使うけどなー」

幽霊「いや、その目ならそのくらいできるでしょう」

男「えっ」

学校にて――――

男「なあ、友よ」

友「なんだ?男」

男「お前さー、ここの女子の全裸が見れるってなったら見る?」

友「見るだろ、そりゃ」

男「だよな」

男(……透視したいです、お願いします)

男「……」パッ

男(ほ、本当に透けて見える!!)

男(女さんは、結構貧相だな。まあ、見た目通りか)ボッキーン

男(眼鏡娘さんは、大人しい娘だけど、わがままボディだ……着やせするタイプ?)バッキーン

男の男(盛り上がってまいりました!!)

友「でも、そんな簡単見れたら苦労しないよなー」

男「あ、ああそうだn」

男「ぶほっ!?」

友「あ?どうした?男」

男(友の全裸も見えとるんかい!!)ノーボッキーン

男「あ、いや、なんでもないぜ」

男(いっきに萎えたじゃねーか、クソ野郎)

友「?」

男(視姦をできるのはいいけど、使いどころを気をつけなきゃな)

授業中―――

男(この能力、本当に何でも見えるんだな)

教師「男、聞いてるのか!?」

男(すげえのは、みんなが考えてることとかも見えるとこだよな。見たくないもんもあるけど)

教師「男!!」

男「うぇっ!?」

教師「お前、この問題解いてみろ」

男(ヤッヴェ、なんも聞いてな……)

男「……10m/s²です」

教師「よくわかったな、よろしい」

友「ヤァルジャン」

男「お、おう」

男(……答えが黒板に浮かんで見えた)

男(カバー範囲も広い能力だな)

男(でも、俺が今、一番気になってるのは……)

狐娘「……」カリカリ

男(あの娘なんで狐耳が生えてるんだよーッッ!!)

男(いや、ちょっと待て、よく見たら他の奴らもポツポツとおかしい!!)

男(謎の翼が生えてるやつ、角が生えてるやつ、頭の中で人を[ピーーー]計画立ててるやつ!)

男(空席に座ってるやつ……は幽霊か、あとは、機械仕掛けのやつもいるな……!)

男(普通の人間なんて全体の半分もいねーじゃねーか!!)

友「おい、男、きょろきょろしすぎだろ」

男「お、おう、わりぃ」

男(友は流石に普通だよな?)

友「?」ハネファサ

男(天使みたいな恰好してる―――――――!!)

友「どうしたんだよ」

男「あ、い、いや、ななな、なんでもなっ、ない……です」

タダイマー

妹「あっ、男ー!おかえ……り?」

男「出迎えありがとう……ははっ」ゲッソリ

妹「あ、えと……なにかあった?」

男「いや、なにも……」

男「!!」

妹「大丈夫?」【関係:義妹】

男(な、なんか謎の文字が浮かんで……)

妹「お、男?」

男「ははっ、ちょっと、今日は、体調が悪いから、部屋で寝る」

妹「……お兄ちゃん」


男(なんなんだよ、なんなんだよこれ)

男(知りたくないことがいっぱいわかっちまっただろ!)

男(知らなかったよ、幼馴染が女だったなんて!!)

男(知らなかったよ、つい最近見てなかった田中が死んだなんて!!)

男「俺、なんも知らなかったんだな……」

男(この能力はもう使わないことにしよう)

翌日――

男「友よ」

友「なんだ?」

男「お前って、天使なの?」

友「はぁ?な、なななな何言ってんだ!ンな訳ねーだろ!」

男「そっか、そうだよな」

友「……大丈夫か?」

男「大丈夫だよ、俺は」

友「そ、そうか」

男「あー、黒板見えねー」

男「さすれば、授業もやりたくねー」

男「……」ダラー

隣娘「……」ベシッ

男「いたっ」

隣娘「単位落としても知らないよ」

男(とか言って起こしてくれるのな)

男(隣娘さんは確か、普通の人間だったよな)

男(つくづく良かった)

友「……」

男(もう一人の隣は天使なんだけどな)

男(あと空席に座ってる霊はよく見たら田中だった)

キーンコーンカンコーン

男(よっしゃ、授業終わった!!)

キリーツ レイ アジャジャッサー

男「次は、げっ、体育かよ」

男「だりぃな」

友「行こうぜー男」

男「まだ着替えてるんだよ、ちょっと待てーい」

友「ったく、しかたねーな」

体育教師「始めるぞー」

レイ オナシャース

体育教師「点呼」

数分後~

体育教師「今日は、サッカーのゲームに入りたいと思う」

体育教師「前後列に分かれて、ゲームに入れ」

男「サッカーかー嫌いじゃないけどさ」

友「お前は運動神経は普通だもんな」

男「うるせーやい」

友「にしても女子はテニスかー、羨ましいな」

イケメン「おう、せやな」

男「あ、お前は」

男(実は地球外生命体であるイケメンじゃないか)

友「よお、イケメン」

イケメン「うぃーす」

男「性格が残念だよな、顔はいいのに」

イケメン「いや、俺マジ優しいからww」

男(まあ、いい奴なんだけど、モテない)

友(ホントウに損してるよな)

男(こいつ……直接脳内に……!!)

サッカー部「おし、始めようぜ」

男(で、出たー、自分の部活の競技だけ偉そうにする奴~)

ヘイパス! オイタナカー ナニヤッテンダヨー

友「おい、男!そっち行ったぞ!!」

男「えっ」

ボール「やあ」コロコロ

男「……」

男(めんどくせー、適当にパスでもするかー)

男「!!」

男「パスコースが見える……だと!?」

男「えいっ」ボコッ

ボール「ごふっ」

友「どこ蹴ってんだ!?男!」

男「いや、これでいい」

田中「ちょ、こっちにとんで……」

ボコォッ

田中「」

男「田中リフレクトパス」

キーパー「えっ、ちょっ」

イケメン「もらったぜ!!」

イケメン「シュゥゥゥゥゥ!!!」

ゴール!

男「超、エキサイティン」

男(とっさに目の能力つかっちまった……)

男(まあ、田中リフレクトパスができたからいいか)

ワーワーー タナカリフレクトシュート! グハッ タナカァァァァ!

男「今日の俺、結構輝いてるかもな!」

幼馴染「負けないぞ!男!」

男「えっ」

男(そっか、こいつは男のフリをしてるんだったな)

男(接触は避けようか)

男「田中リフレクトスライド」ゲシッ

田中「ぐあっ」

友「田中を蹴り飛ばした!!」

田中「」ズサー

幼馴染「うわっ!?」

友「田中が滑り込んで、ボールを奪った!!」

田中「」チーン

幼馴染「あれ!?ボールは?」

男「いただきました」

幼馴染「なにっ!?」

男「このままゴールしてやるぜええええええ!!」

男「はっ、しまった!!」

男「田中がいないからシュートができない!!」

「ふっ、安心しろ!」

田中「もう、俺はゴール前にいるぜ!!」

男「田中!!」

男「いくぜ!田中と俺の友情シュート!!」

田中&男「「田中リフレクトブレエエエエエエエエエイク!!!」

キーパー「ボールと一緒に田中が飛んできた!!」

ドオオオオオン!!

友「田中アアアアアア!!!」

田中「」

イケメン「田中、愛されています」

男「体育きつかったなー」

イケメン「田中蹴ってただけだろうがwwwwww」

友「さらば田中」

田中「おい、男」

男「ん?どしたんだ?田中」

田中「ククク……これまでさんざん俺を付け狙いやがって」

友「な、なに言ってるんだ!?」

男「まさかお前!田中じゃないのか!?」

イケメン「え、あの普通過ぎて面白くもなんともない顔は田中だろ」

田中?「そうか、お前らには俺がわからないようだな」

男「そうかな……?」

田中「なにっ?」

男(能力で見ればわかるんです)

男「お前は田中の影、田中の闇!」

男「中田だ!!」

友&イケメン「な、なんだってー!!」

中田「よくわかったな」

イケメン「あっちゃんカッコイイ!!」

男「なにが目的だ!中田!!」

中田「お前らは俺たちをふだんからいじめてきた」

中田「だから逆にお前たちがいじめられる側にしてやりたくてな」

イケメン「ほーん」

友「そうか」

男(目的も目で見たろ)

中田「ククク……俺の目的は」

男「田中の楽園、田中・ワンダーランドに俺たちを連れていくこと……か」

田中神「その通り」

友「なんか天使の羽が生えた田中が出てきた!!」

イケメン「もうこれわかんねえな」

中田「その方は田中神さま、お前らの見届け人だ」

男「中田!お前の思い通りにはならねえぞ!!」

中田「もう遅い、何故ならこの学校自体を『田中化』したからな」

友「『田中化』……!?」

中田「もうこの校舎自体が田中たちの意思をもって動く田中の世界となってしまっている」

中田「お前らの足元を見てみろ」

イケメン「腕が生えてきてる!?」

男「これは……タナカハンド!?」

友「なんだよそれ」

男「田中・ワンダーランドに人間を引きずり込む恐怖の手だ!!」

イケメン「なんか助かる方法はないのか!?」

男「こいつは中田の意思だ!!中田を倒さない限り止まらねえ!!」

友「くっそおおお!!!」

田中神「愚か者どもよ、田中の海に沈め」

中田「田中神さま、行きましょう」

男「う、うーん」

友「ここは……?」

イケメン「田中・ワンダーランドか?」

男「くそ、中田の奴……絶対サッカーボールにしてやる」

友「おい、お前ら、見ろよ」

田中魚「……」

男「田中の顔した魚」

田中虫「……」

イケメン「田中の顔した虫」

男「……」

イケメン「……」

友「……」

全員「ほっふwwwwwwwwwwwアッヒョwwwwwwwwwオホホホホゥwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

男「田中wwwwwwwwお前wwwwwwwwバカwwwwwwwww」

友「こんなん卑怯だろwwwwwwwwwwwwwwww」

イケメン「タナカッカッカッカッカッカwwwwwwwwwww」

田中ドラゴン「貴様ら、何をしている」

男「!!」

友「ギエピー!!」

イケメン「ぶはっwwwwwww田中ドラゴンwwwwwwきもいwwwwww」

男「田中って、いったい何者なんだよ」

タナゴン「貴様ら、下劣な人間どもには田中の偉大さはわかるまい」

友「田中の偉大さってなんだよ?」ヒソヒソ

イケメン「俺に聞くなよ」ヒソヒソ

男(解析してみるのが早いな)

タナゴン「させんぞ!!」オエーッ

男「ぐあっ!!火を吐きやがった!!」

友「熱いな」

イケメン「田中の息くっせえ」

男「まさか田中!俺の能力を知っているのか!?」

タナゴン「貴様らの能力を知らぬとでも思ったか」

イケメン「田中の顔から、出てくる言葉かと思うと笑いが止まらんwwwwwww」

友「真面目に聞いとけよww田中は真剣だぞww」

男「知らぬとでも思ったか(キリッ」

友「ぶはっwwwwwwwwwww」

イケメン「笑い死ぬwwwwwwwwwwヤメテwwwwwwww」

タナゴン「……」

タナゴン「おい、貴様ら……」

男「wwwwwwwwwwww」

友「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

イケメン「ゲホッ、ゴホッwwwwwwwwwwオエッwwwwwwwwコヒューwwwwwコヒューwwwww」

男「おい!イケメン大丈夫かーっ!!」

友「本当に笑い死ぬ気かよwwwwwwww」

タナゴン「(´・ω・`)」

タナゴン「あー……いいか」

男「?」

友「なんだあいつ」

イケメン「はぁーっ……ハァーッ……!」

タナゴン「我々はもともとは田中ではない存在だ」

男「何言ってんだコイツ」

友「『田中化』ってやつじゃね?」

男「なるほど!天才かよ!!」

友「いや、なに!それほどでもないぞよ?」

タナゴン「田中の力は素晴らしいものだった」

タナゴン「事実、ただの雀に過ぎん私が今はこうなっているのだからな」

男「で?お前らは俺たちも『田中化』させる気なのか?」

イケメン「えっ!顔しか取柄ないのに田中にはなりたくねえよ!!」

友「顔しか取柄ないのわかってたんだな」

イケメン「フォローしろよぅ……」

男「お、おいお前ら!ふせろ!!」サッ

友&イケメン「えっ」

タナゴン「『田中化』の息吹!!」

友&イケメン「ぎゃああああああ!!!!!」

男「な、なんてことだ!!二人が田中に!!」

タナゴン「ふん、友人を取り戻したければ追ってくるのだな」

タナゴン「この田中の世界で、お前は生き残れるかな?」バサッバサッ

男「『田中化』こえー……能力は常にオンにしとくべきだな」

男「田中顔にはなりたくない……」ガクブル

男「とりあえず、この世界には敵しかいない」

男「友とイケメンを助けてもまた田中にされちまうのがオチだろうな」

男「出口を探そう」

???「そ、その声は……男クン!?」

男「えっ」

女「や、やあ」

男(実は超高性能人間型ロボットである女さんじゃないか!!)

女「はは、男クン……ここはどこか……知らないよね」

男「ここは田中の世界、田中・ワンダーランドだよ」

女「たなっ……ん?なんて?」

男「田中・ワンダーランド」

女「そ、そんなの知らない……」

男「この世界では田中に襲われて『田中化』してしまったものが集まっているらしい」

男「実際、田中たちは田中以外を見つけると田中にしようとしてくる」

女(なんでこんなに平然としてるのー!?)

男「と、いうわけだからさ……単独行動はまずい」

女「あ、うん……一緒に行動しようか」

女「学校のみんなも巻き込まれてるかもだし」

男(ほぼ全校が巻き込まれただろーなー、タナカハンドでびっしりだったし」

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