【ミリマスSS】黒井「ハーッハッハッハ!」千鶴「お~っほっほっほ!」 (37)

アイドルマスターミリオンライブ!のSSです。
IF妄想なので予めご了承ください。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1460272064


「ご注文はお決まりでしょうか」

「では、このランチセットをいただきますわ」

「かしこまりました」

「・・・」


千鶴(昼下がり、洒落たカフェ、ランチセット!)

千鶴(今の私はどこからどう見ても一流のセレブですわ!)

千鶴(とと、アパレル誌のチェックもしないと・・・)ゴソゴソ


「ご注文はお決まりでしょうか」

「セレブな私にふさわしいものを頼む」

「えっ?あの、ご注文・・・」

prrrrr

「むっ、電話だ。二度言わすな、行け!」

「ひっ!て、店長~!」



黒井「黒井だが、どうした」

黒井「それについてそちらで解決しろと伝えたはずだが?」

黒井「この件が解決するまで貴様の席は無いぞ!いいな!」ガチャン

黒井(使えない部下を持つと面倒でいかんな、コーヒーも落ち着いて飲めん)


黒井(しかしアイドル部門は私が手塩にかけたアイドル以外はパッとせんな)

黒井(高木の事務所に対抗すべく新たに拡大するよう指示したが・・・)

黒井(どいつもこいつも軟弱者ばかり。王者とは何たるかが分かっていない)

黒井(やはりまたこの私が手を出さざるを得ないか・・・)








「お会計、780円になります。ポイントカードはお持ちですか?」

「こちらに」スッ

「500円分のポイントが溜まっていますがお使いになりますか?」

「そのようにお願いしますわ」

「それでは330円頂きましたので50円のお返しになります、ありがとうございました」

「ごきげんよう」

カランカラン

黒井「・・・」


黒井(なんだ今の娘は・・・身に着けているものが庶民的だが立ち振る舞いは完全に貴族のそれだ)

黒井(スタイルも良し、顔も良し・・・か)

黒井(午後の予定は・・・ふむ、なるほど)

ピッピッ

黒井「私だ。次の予定だがお前がやれ、わかったな。」ピッ

黒井(久々に足を動かすとするか)スッ

「コーヒーお待たせしました」

黒井「いらん、下げろ」

「え?」

黒井「金ならここに置いていく」バシッ

「あ、はい・・・」


千鶴「・・・」スタスタ

黒井「・・・」スタスタ


「千鶴ちゃん、おかえり!」

「えぇ、ただいま」


千鶴「・・・」スタスタ

黒井「・・・」スタスタ


「千鶴ちゃん!後でコロッケ買いに行くからよろしくね!」

「どれくらいに来ますの?焼きたてを用意しておきますわ」


千鶴「・・・」スタスタ

黒井「・・・」スタスタ


「千鶴お姉ちゃーん」

「千鶴さん!」

「おーい千鶴ちゃん!」


黒井(な、なんだ!?なんなのだこの娘は!?)


千鶴「・・・」ガチャ

黒井(この店は・・・、いかにも庶民が集まりそうな店ではないか)

黒井(・・・見当違いか?いや、しかし・・・)



千鶴「いらっしゃいましー」

黒井「・・・」

黒井「コロッケを、ひとつ寄越せ」

千鶴「かしこまりました」


千鶴「あのカフェから御一緒でしたわね。わたくしのファンですの?」

黒井「・・・気付いていたか」

千鶴「えぇ。はい、特製コロッケですわ」

黒井「私は961プロダクションの黒井と言う者だ。次代の王者となるべきアイドルを探している」

千鶴「アイドル・・・」

「えっ!?千鶴ちゃんアイドルがスカウト!?」

「まじかよ!すげぇ!」

黒井「えぇい!有象無象どもめ!シャラップ!」

「うるせぇ!俺はコロッケ買いに来たんだよ!どけよオッサン!」

黒井「なっ!」

千鶴「・・・」


「千鶴ちゃん、昔からアイドルに憧れてたじゃないか」

千鶴「・・・」

千鶴「わ、私は・・・」

黒井「なんだ、震えているのか貴様。」

千鶴「!」

千鶴「いったい誰の話をしてますの!?アイドルくらい余裕ですわ!」

「そうだそうだ!やってやれ千鶴ちゃん!」

「いいぞー!」

千鶴「わたくしにかかればトップアイドルなんて朝飯前ですわ!お~っほっほっほhhゲフッゲフン」

黒井「ウィ、確かに聞いたぞ。近いうちにこの連絡先しろ」スッ

>>9 訂正



「千鶴ちゃん、昔からアイドルに憧れてたじゃないか」

千鶴「・・・」

千鶴「わ、私は・・・」

黒井「なんだ、震えているのか貴様。」

千鶴「!」

千鶴「いったい誰の話をしてますの!?アイドルくらい余裕ですわ!」

「そうだそうだ!やってやれ千鶴ちゃん!」

「いいぞー!」

千鶴「わたくしにかかればトップアイドルなんて朝飯前ですわ!お~っほっほっほhhゲフッゲフン」

黒井「ウィ、確かに聞いたぞ。近いうちにここに連絡しろ」スッ


ガチャ

千鶴「失礼致しますわ」

黒井「来たか。王者となる覚悟はついたのか」

千鶴「えぇ、美しく気高い私には、トップが似合いますわ」

黒井「フン、貴様如きが自惚れるな」

千鶴「心得ていますわ。努力なしに栄光は掴めませんもの」

黒井「わかっていれば良いのだ」

黒井「貴様には2週間後のオーディションを受けて貰う。もちろん最高のレッスン環境を準備しよう。」

黒井「これで受からなければ貴様はそれまでだ。必ず勝て。」

千鶴「・・・わかりました」


2週間後



千鶴「やった・・・、やりましたわ!」

黒井「フン、ある程度の素質があることは認めてやろう」

千鶴「わたくしにかかればこの程度、楽勝ですわ!お~っほっほっほんげふっげふっ」



黒井(あの過酷なレッスンに弱音を吐かず、自主的にも練習している様子が見て取れた)

黒井(そしてそのことは一切告げずに結果で示して見せた)

黒井(・・・王者たり得るだけの資格はあるようだな)



黒井「正式にアイドルとして認めてやろう、『千鶴ちゃん』」

千鶴「ち、千鶴ちゃん!?」

黒井「どうした。このエレガントな私が自社のアイドルのことを『貴様』と呼ぶわけが無かろう」

千鶴「そ、それもそうですわね・・・」

黒井「千鶴ちゃんのプロデュース方針は追って連絡する!明日は身体を休め、連絡まで再びレッスンだ!」

千鶴「わかりましたわ!」


黒井「千鶴ちゃんのプロデュース方針が決定した」

千鶴「・・・」

黒井「真の、最強のセレブアイドルとしてデビューさせる」

千鶴「!!」

黒井「東豪寺麗華や水瀬伊織を超える、完全に完成したセレブだ」

黒井「親の七光りどもにパフォーマンスや立ち振る舞いで差をつけ、常に奴らの上を行く存在となるのだ!!」

千鶴「し、しかし私は・・・」

黒井「千鶴ちゃんがセレブでないことは知っている。」

黒井「その上で、己の理想とする完璧なセレブを演じろと言っているのだ」

千鶴「私が・・・完璧なセレブ・・・」

黒井「あぁ、それと前回受かったオーディションはキャンセルしておいた」

千鶴「なっ!?そ、そんな!折角皆さんが・・・」

黒井「ノンノン!あのような矮小な場は千鶴ちゃんのデビューには相応しくない。こちらでパーフェクトなステージを用意させてもらう」

黒井「高木の悔しがる顔が目に見えるようだ!ハーッハッハッハ!!」

千鶴「・・・」


黒井「レッスンの調子はどうだ」

トレーナー「良いですね。彼女は全体的にバランス良く完成度が高い。向上心もある。」

トレーナー「すでにいつでもどこでも出れる状態に仕上がっています。」

黒井「当然だ。他ならぬこの私が認めた者だからな。」

千鶴「黒井社長、ごきげんよう」

黒井「あぁ、立たなくて良い。レッスン後の身体は労わるものだ、覚えておけ。」

千鶴「ありがとうございます」

黒井「千鶴ちゃんのデビューの日程が決まった。3週間後のゴールデンの歌番組だ」

千鶴「えっ!?」

黒井「さらに肩慣らしとしてジュピターのライブの前座を務めてもらう。いいな。」

千鶴「そんなに大きなお仕事をわたくしが!?」

黒井「どうした。怖気づいたか。」

千鶴「ま、まさか!このわたくしが怖気づくなどありえませんわ!お~っほっほっほふんっげほっ!!」

黒井「ウィ、それで良い。また様子を見に来る。」


黒井(直前にも確認したが、千鶴ちゃんはデビューとしてはかなり高いレベルに達している。)

黒井(緊張感も与えてみたが、それを上手く自分の向上に繋げる力も持っているようだ)

黒井(クククク、我ながら慧眼だったようだな)





黒井「どうだ、初ステージは」

千鶴「やれることは全てやりました。後は自分を信じるだけですわ。」

黒井「ウィ、良いだろう。」

千鶴「あの、一つお聞きしたいことが・・・」

黒井「ん?どうした」

千鶴「この衣装、かなり良い布を使っているようなのですが、お値段はお幾らほど・・・」

黒井「その程度気にしなくて良い」

千鶴「で、でも・・・もしどこかが解れたりしたら・・・」

黒井「そのダイヤのネックレスに比べたら安いものよ」

千鶴「えっ」

千鶴「そ、そそそれではこれは、レプリカではなく・・・ほほほ本物・・・?」

黒井「そうだが?」


千鶴「ここここんなもの着けて踊れるわけがありませんわ!!!」グイッ

黒井「どうした千鶴ちゃん!?」

千鶴「もももし落したりしたら、欠けたりしたら!私は破産ですわ!!」

黒井「落ち着け!所詮安物だ!」


ビーーーーーーーーーーーーーーー

キャアアァァァァァァアジュピター!! トウマクーン!!


黒井「えぇい時間だ!行け!」

千鶴「せめて!せめてこのネックレスだけでも!」グイグイ

黒井「ダメだ!そのネックレスを外すことは私が許さん!」

千鶴「いやですわあああぁあ!!後生ですわあぁぁあ!!」

ニカイドウチヅルサーン、イチニツイテクダサーイ

千鶴「あっ!も、もう!?」

千鶴「そ、そそそれでは!いって、まいります」ギクシャク

黒井「・・・」



ジュピターライブ終了後




黒井「あのパフォーマンスはなんだ!!!!」バンッ

千鶴「も、申し訳ございませんでした・・・」

黒井「よくも私の顔に泥を塗ってくれたな!過去最悪のパフォーマンスだったぞ!」バンバンッ

千鶴「しかし・・・衣装が気になって・・・動きが小さくなってしまい・・・」

黒井「次の歌番組でも同じ衣装を着てもらう」

千鶴「せ、せめてネックレスだけでもレプリカや他のものに・・・!!」

黒井「ノン!本物のセレブは身につけるものも本物でなくてはならない。これだけは譲れん。」

千鶴「うぅ・・・いったいどうすれば・・・」

黒井「真のセレブとは高級なものを身に着けている者ではない。高級なものを身に着けるに足る者だ。」

黒井「今の千鶴ちゃんにはその資格が無い。折角の衣装も泣いているだろうな。」

千鶴「・・・」

黒井「とにかく、次回までに解決しろ。二度の失敗は許さんぞ。」



千鶴「・・・」トボトボ



千鶴(私は、セレブになる資格が無いの・・・?)

千鶴(高級品を身につけて、気が動転して・・・)

千鶴(私が本当のセレブじゃないから・・・)

千鶴(・・・)

千鶴(・・・!)

千鶴(違う・・・っ!)

千鶴(私には『実力』が足りなかった。『覚悟』が足りなかった。)

千鶴(セレブを演じるに足る実力が!高級品を身につける覚悟が!)

千鶴(思い返せば、酷いパフォーマンスでしたわ。『折角の衣装も泣いている』、その通りではないですか!)

千鶴(高級品が私をセレブにしてくれるように、私は高級品を最大限魅せてあげなくてはならない!)

千鶴(こうしてはいられませんわ!あの衣装を身に着けるだけの実力を!覚悟を!身に着けなければ!)ダッ

千鶴(努力なしに栄光は掴めませんもの!!)


歌番組撮影当日



黒井「・・・・」

千鶴「黒井社長、ごきげんよう。行ってまいりますわ。」

黒井「もう一度言う、二度目は無い。」

千鶴「ありがとうございます。肝に銘じておきますわ」





さぁ!登場して頂きましょう!

961プロの新人アイドル、二階堂千鶴さんで『恋心マスカレード』!





ワアァァァァァァ!!!!


司会「いや、すごい!すごいアイドルが現れました!二階堂さん、ありがとうございました!」

千鶴「ありがとうございました」

司会「本当に新人なんですか?何というか、圧倒的!という言葉がピッタリなパフォーマンスでした」

千鶴「お褒めに預かり光栄ですわ」

司会「いやそして、立ち振る舞いも優雅!どこかの御令嬢なんですか?」

千鶴「いえいえそんな、おほほほ・・・」



黒井(・・・フン)


サツエイイジョウデース

オツカレサマデース

千鶴「お疲れ様です」

黒井「一定の評価はくれてやってもいい」

千鶴「相変わらず素直でないこと」

黒井「これから忙しくなるぞ千鶴ちゃん。早速帰って今後の予定を・・・」

千鶴「あっ、わたくしスタッフの皆さんに挨拶して参りますわ!」タッ

黒井「あっおい!勝手な行動を・・・!!」

黒井「・・・・」



黒井「・・・・」



黒井「・・・・遅い」


千鶴「あっ、黒井社長!待っててくださったんですの!?」

黒井「遅い!いつまで話しているつもりだ!」

黒井「スタッフだけでなく共演者の楽屋を一つ一つ回って挨拶するなど!私の理想とするイメージというものが・・・」

子役「・・・」

黒井「そいつはどうした」

千鶴「家が遠いからタクシーではなくバスで帰るんですって」

千鶴「すぐ近くのバス停ですが、待ち時間が退屈なので一緒にバスを待とうかと」

千鶴「黒井社長は先に帰っていてくださいませ」

子役「別に、桃子は一人で平気だってば」

千鶴「えぇ、わたくしが寂しいから着いてきて欲しいと言っているのですわ」

子役「・・・ならしょうがないな、一緒に行ってあげる」

千鶴「それでは、ごめんあそばせ~」

黒井「あっ・・・」


千鶴「ただいま戻りました」

黒井「・・・・」

千鶴「この度は色々とご心配をおかけしました。」

黒井「パフォーマンスに関しては現段階では及第点と言ってよいだろう」

黒井「しかし、必要以上にスタッフや共演者と慣れ合うのは今後一切許さん」

千鶴「なぜですの?挨拶は人としてのマナーで・・・」

黒井「王者とは、常に孤高であるものだ!我が崇高なる961プロは高木の事務所のようにはならん!」

千鶴「し、しかし!それではお世話になった方々に・・・」

黒井「貴様はセレブがなんたるかを分かっていない!奴らは所詮私が金で動かしているに過ぎん!」

黒井「子役の手を引いているところなど見られてみろ!一気に親しみ易いイメージが・・・」

千鶴「!!では、社長は一人で帰る子供を捨て置けと!?」

黒井「アイドルとしてのイメージを守れと言っているのだ!」

千鶴「・・・」

黒井「・・・」


千鶴「失礼ですが、黒井社長の方針には同意しかねます。」

千鶴「真のセレブとは人の手本となるべき存在ですわ。」

千鶴「感謝の気持ちを忘れた人間を、私は尊敬することはできません。」

黒井「貴様も所詮慣れ合いを求める弱者だったということだな」

千鶴「えぇそうです。それは人と付き合う上で必要なことですもの。」

黒井「貴様からの説教は受けん。失せろ。二度とその顔を見せるな」

千鶴「短い間でしたがお世話になりました。失礼致します。」

ガチャ

黒井「・・・」


千鶴「・・・」

千鶴(はぁ・・・やってしまいましたわ・・・折角の機会を・・・)

千鶴(でもまぁ、最後に言ってやりましたわ)

千鶴(私が理想とする存在になるために、あれだけは譲れませんでしたもの)

千鶴(・・・)

千鶴(・・・私はいつになったら理想の存在になれるのでしょう)

千鶴(アイドルに打ち込んでる間はすごく楽しかった)

千鶴(でも・・・もう・・・)



「おーいお嬢ちゃん!装飾を頼んだのは門だけだぞ!中までは頼んでないぞー!!」

「ロコのアートはトータルでグローバルなんです!ゲートだけではエクスプレッションできません!」

「やめろロコ!迷惑をかけるな!今すぐ片付けるんだ!」ゴソゴソ

「あぁっ!やめてくださいプロデューサー!」


千鶴(・・・?)


「すみません!すみません!すぐ元通りにしますので!」

「いいよいいよ!どうせ元々辛気臭い場所だったんだし、可愛いアイドルちゃんが楽しめるならそれで」

「本当ですか!それならまずはウォールからロコナイズしちゃいます!!」ガタッ

「ロコ、調子に乗るな!とりあえず一旦落ち着け!な?」

「ここにグレイテストな765プロのステージを作ってみせます!」ベチャア

「うわあぁぁぁ!ペンキはやめろおおぉ!!ごめんなさいい!!!」



千鶴(765プロ・・・?)




おわり

終わりです
千鶴さんは意外と黒ちゃんと相性良いんじゃないかと思って妄想しました
ところどころ雑でごめんなさい

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